QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2018/01/30)
・製品価格上昇と数量増で業績予想を上方修正
18/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上高1兆4000億円→1兆4300億円(前期比16%増)、営業利益3050億円→3280億円(同37%増)へ上方修正する。半導体シリコン、塩ビ・化成品の両部門を中心に従来から増収、大幅増益を予想していたが、製品価格上昇と販売数量増の効果で足元まで想定以上に好調に推移しており、通期の業績予想も増額修正した。各利益段階とも、08/3期の過去最高益を更新する見通しだ。19/3期以降も、300ミリウエハーの値上げ効果が続く半導体シリコン部門に加え、シリコーン、電子・機能材料など他の各部門も業績を伸ばし、連結全体で業績の拡大基調が続こう。今後は豊富な手元資金を活用した大型投資や、株主還元強化に期待したい。
・3Qまで全部門が増収、増益で想定以上の好決算に
18/3期3Q累計の連結業績は、売上高が前年同期比15%増の1兆611億円、営業利益が同34%増の2433億円。半導体シリコンをはじめ、塩ビ・化成品、電子・機能材料など全部門が増収、増益となり、当研究所が事前に想定していた営業利益2300億円を上回る好決算となった。
・リスクファクター ~半導体デバイス市況など
・アナリストの投資判断 ~業績好調を追い風に、株価は引き続き堅調に推移へ
業績好調を好感して株価は大きく上昇し、上場来高値を更新。足元では当研究所の来期予想連結PERで約22倍と、電子材料メーカーの平均を上回るが、好調時の同社の過去の水準と比較して割高感はない。値上げによりウエハーの採算改善が一段と進む公算が大きい点を勘案すると、同24倍程度の評価は可能であり、株価は引き続き堅調に推移すると考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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