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タダより高いものはない?つなぎ売りの落とし穴

株主優待の投資には「つなぎ売り」というテクニックがあります。

これは、権利付最終売買日に「現物買い」と「信用売り」の両方の注文を出すことです。買いと売りを両方出すことで株価の変動が相殺され、現物株を保有することで優待の権利も取得できるという手法で、株主優待の書籍やサイトでは、「クロス取引」や「優待のタダ取り」として紹介されています。

タダで株主優待が手に入るとは、なんとも魅力的な響きですが、実は大きな落とし穴が・・・それは「逆日歩」※の存在。逆日歩とは、信用売りにかかる手数料のことで、証券会社に届く信用売り注文と信用買い注文のバランスによって変動します。

問題は、逆日歩が一体いくらになるのか、取引後にしか分からないということ。その額が株主優待の市場価格を超えてしまえば損が発生します。むしろ、逆日歩が株主優待の価格の何倍にも膨れ上がることも珍しくありません。例えば、過去には「1000円の株主優待を手に入れるために3万円弱の逆日歩が発生した」という銘柄もあり、こうなると、タダ取りどころか大きな痛手に。

(※少し難しい話になりますが、信用取引には、厳密には「制度信用」と「一般信用」があります。逆日歩という言葉は制度信用の話です。一部の証券会社が取り扱う一般信用は、逆日歩がないかわり、金利などの条件が制度信用より高い場合がありますので、逆日歩が無いからといって、つなぎ売りに必ず有利になるわけではありません)