トランプ勝利の予想が的中、運用成果も向上…フコクしんらい生命の林氏に聞く

 Brexitに米大統領選--。2016年は世界市場にとって驚きの連続だった。相場は深押しした場面もあったが、ひとまず年末に向け上げ基調を維持している。この荒波ともいえる展開にあって、重要イベントの結果を予見し運用成績を向上させている投資家の1人にフコクしんらい生命の取締役執行役員財務部長、林宏明氏がいる。なぜ予想外の結果を見通せたのか。運用状況も含めて話を聞いた。(※6日7:31にQUICKのオプショナルメニュー「QUICKデリバティブズコメント」に配信した記事と同じ内容です。) トランプ氏は資本主義に取り残された人の受け皿 --米大統領選が想定外の結果で終わりました 「トランプ氏の勝利は予想していた。驚きはなく必然だとも思っている。昨年にトランプ氏が立候補を表明した時点で確信は乏しかったが勝利を想定した。外部にも断言し始めたのは今年2月。共和党の予備選段階でジェブ・ブッシュ氏の撤退が決定打だった」 --予想を基にした運用状況はいかがですか 「円建ての国内債券を中心に運用し、昨年を上回る運用成果を上げることが出来ている。中長期的に円高方向の見通しを持っていることもあるが、トランプ大統領となれば、短期的には、米国を中心に金利が急上昇すると想定していたためだ。海外の投資をする前に日本にも投資妙味はまだある。例えば昨年は日本の超長期債を大量に買い込んだ。日本の潜在成長率、期待インフレ率、自然利子率のいずれもが0%だと見ているため、日銀のマイナス金利政策がなくとも、早晩、長期金利が0%近辺になるとのシナリオを数年前から持っていたからだ。これが現在も大きな利益を生み出している」 「米欧の債券相場はかなり不安定になるが、日本の場合は日銀の金融政策のアンカーが極めて強いため、せいぜい10年国債がややプラスになる程度だろう。そういう意味ではトランプ相場は追い風。通期でも運用益をしっかり出せる状況にある。日本には素晴らしい中小企業がたくさんあるし、インフラでも民間が関与することでより機能的で国民生活に資するものを造れる可能性が相当程度ある。今後、金融市場でそのような分野への投資が可能になる投資スキームが出てくることを期待している」 --そもそもトランプ勝利を予想した理由を教えてください  「グローバリゼーション、もしくは新自由主義の極まった世界になっていた。この世界的な政治の潮流を見極めることが重要だ。資本主義には放っておくと資本の効率をとことん追求する仕組みが内在する。資本を持っている人たちがより豊かになる仕組みでもある。そこで取り残された人たちが出てくるわけだが、これまでアメリカには受け皿がなかった。しかし今回、初めてアメリカ国民は受け皿を得ることができた。1つは民主党の候補指名をヒラリー・クリントンと争ったバーニー・サンダース氏。もう一方がトランプ氏だった」 「トランプ次期米大統領の誕生より、サンダース氏があそこまで善戦した方が驚きでありインパクトがあった。彼の登場により大統領選の本当の論点は『富の再配分』だったはずだ。米国の中で社会主義を標榜した候補者が支持を集めたことが象徴している。これがトランプvsクリントンの構図となり、女性蔑視などに論点がすり変わった。米国のエスタブリッシュメントにとってはトランプ勝利が結果的によかったのではないか。富裕層の資金を政府が再配分するといった可能性が低下したからだ」 「トランプ氏の当選を確信したのは、トランプ・サンダース現象とも言える潮流の中で、国民の不満の受け皿になると同時に、富裕層や法人の大減税や金融規制の撤廃を唱えるトランプ氏が実はエスタブリッシュメントや金融市場にとっても短期的にはかなり選好しやすい存在だったことである」 米国のTPP離脱は米のグローバル企業にとっても逆風 --トランプ氏の政策は依然として不透明です 「経済では財政が焦点。財政出動というのは富の再配分も意味する。進めるほど偏りが生まれ将来の選挙を左右する。リーマン・ショック後の政治は、この再配分が一段と複雑化した。これを敬遠し配分の必要がない中央銀行による金融緩和に軸足を大きく移した。今はこの揺り戻しが起きているが、財政による再配分を進めすぎても問題がある。トランプ次期米大統領がどこまでできるか未知数だ」 「もう一つは外交。個人的にはすでに第3次世界大戦的な様相を呈している側面もあると見ている。もちろん武力といったハードパワーによるものではなく表面上は各国とも友好的な外交関係を維持している。しかし、本来の戦争の目的である経済果実の奪い合いという面では、すでに徴税権や法的措置を使ったソフトパワーによりかなりの規模で始まっている。それを象徴するのが、米国が仏金融機関大手BNPパリバに課した89億ドル(約1兆円)もの罰金だった。一方、欧州ではグーグルなど米国のネット企業が独占禁止法で大規模に摘発される事例も出ている。この国際的対立軸の基本的構図は米国vs欧州であり、環太平洋経済連携協定(TPP)参加国vs欧中ロとなるかもしれない。各国の外交関係が錯綜しており、日本のようにどこの国とも極めて友好的な外交を展開している国もあるので単純な構図ではない。まだ、経済・金融でのパワーゲームの段階だろうが、そのパワーバランスの舵取りは極めて難しい局面に入っていることだけは間違いない」 「この状況でトランプ氏はTPPからの離脱を表明している。TPPはそもそも安全保障の色合いが濃い協定だ。共通のルールを守れない国や地域を排除する目的がある。基準をクリアできない国、たとえば中国やロシアなどだ。米国が離脱するなら、パワーバランスが一段と不安定化する。アップルやグーグルなど米のグローバル企業にとっても逆風になる」 「市場は金融規制の緩和を期待し銀行株を買っている。だが認識を間違っている。米国が緩和しても規制を強化している欧州は緩和する姿勢を示していない。欧州市場でビジネスをするには厳しい基準をクリアする必要がある。本当にグローバル金融機関の収益が改善するのか疑問がある」 「新政権で財務長官に就任するムニューチン氏は米経済が3~4%成長できるとした。しかし、米国は意図せざるインフレに直面するだろう。関税を高め自国内の生産比率を高めてもコストが膨らむ。それを補って余りある売上高の成長が可能なのか。ここにも問題がある。インフレの発生=金利上昇で学生ローンや自動車ローンでサブプライムの不良債権化が表面化するリスクもある。トランプ氏に託された期待が失望に変わる種がここにある」

12月の株主優待銘柄はマックやアサヒなど、お馴染みの飲食関連が目白押し

  株主優待って? 株主優待は企業から株主へのプレゼントです。企業が自社のPRや個人株主の獲得を目的に実施している制度です。自社で商品やサービスを提供している場合はこれらを、そのほかは実利的なQUOカードやお米券といった商品券を贈呈するケースが多いようです。同制度を導入している上場企業数は過去最高の1339社と、全体の4割に迫る勢いです(11月25日時点)。プレゼントのため、優待にかかるコストは企業が負担し、一般に交際費として経理処理しています。     12月の優待銘柄を探る、3泊の韓国旅行も登場 3月に優待の権利を付与する企業が731社と最も多く、次いで9月の392社、12月の152社と続きます。12月は社数が多いため、各社の優待内容をいろいろ比較して選ぶ楽しみがありそうです。特にアサヒグループホールディングス(2502)やキリンホールディングス(2503)といった大手ビールメーカーのほか、山崎製パン(2212)、コカ・コーラウエスト(2579)、日本マクドナルドホールディングス(2702)など消費者に馴染み深い飲食関連が目立ちます。優待はいずれも自社製品のため、これらの商品や店舗をよく利用する人にはメリットがありそうです。   <12月の株主優待銘柄一覧表(最低購入金額の昇順)>   最近の優待制度の傾向として、長期保有の投資家には優待内容を手厚くするケースが増えています。例えばコカ・コーラウエストの場合、100株以上500株未満の保有で同社の商品に交換可能な45ポイントが付与されます。1ポイント=60円相当のため、2700円程度です。しかし3年以上保有している投資家には30ポイントが上乗せされ、75ポイント=4500円にアップします。長期保有の株主を増やして株価を安定させることが狙いといえます。 食品以外でニューフェースを挙げると、リチウムイオン電池の部材を扱うダブル・スコープ(6619)が11月上旬に株主優待制度の導入を発表しました。内容は抽選で5名(同伴者各1名の合計10名)を同社の韓国工場見学に招待するというもの。往復航空券や3泊4日の宿泊費用、移動の費用も同社が負担。1日を工場見学とし、他の日は自由行動のため、観光も十分楽しめそうです。ただ、権利を得られるのは1年以上継続して保有している株主に限られます。   実質利回りを活用し高利回り銘柄を発掘しよう まずは優待制度を実体験したい人の場合、投資金額を抑えるのも一つでしょう。10万円以下で購入できる銘柄は42銘柄ほどあります(11月25日時点)。ただ、投資金額が低い銘柄の中には業績が低迷して株価が下落しているケースも散見されるため、投資金額だけで判断するのではなく業績なども踏まえて総合的に判断すべきです。 例えば、楽天(4755)の最低投資金額は11万7150円(25日時点)と10万円を若干オーバーしますが、QUICKコンセンサスによると同社の16年12月期、17年12月期の連結決算はともに2ケタの増収・営業増益の見通しと好調です。 また、「実質利回り」という指標を用いて選別する方法も有効です。この指標は優待の内容を金額換算し、これに配当利回りを加算したものです。では実際に楽天の例を用いて計算してみましょう。同社の2016年の優待内容はまだ公表されていないため、前年の実績値を用います。下表を見ると、現金に換算が可能な項目は黄色の部分で合計8300円になります。QUICKコンセンサスによると1株あたりの予想配当金は4.83円、最低投資単位の100株購入すると483円のため、実質利回りは7.5%になります。11月25日時点の東証1部の予想配当利回り(加重平均)2.01%を大きく上回ります。   <実質利回りの計算式> (優待額8300円+年間予想配当額483円)/最低投資金額11万7150円×100=7.5%   <2015年12月に権利確定した楽天の優待内容>   12月の優待を受け取るには さて、ここからは優待銘柄を取引するうえでの技術的な注意点です。優待の権利を得るには期日があり、権利確定日に株主名簿に名前が記載されていなければなりません。記載されるには「権利付最終取引日」という、権利確定日を含む4営業日前までに希望銘柄を購入しておく必要があります。12月30日が権利確定日の場合は27日が権利付最終取引日です。加えて、先ほどの韓国の工場見学を贈呈するダブル・スコープなど、銘柄によっては1年間保有することを条件にしているタイプがあるほか、年に複数回、優待を実施する銘柄もあるため、各社のホームページなどで情報を確認してください。 優待を受けるには現物株を購入する必要があり、信用取引では得られません。ちなみに、 優待マニアの中には「つなぎ売り」という投資手法を利用し、株価の下落を抑えて優待のうまみだけを享受しようとする投資家もいます。この手法は同一銘柄の現物株の買いと信用の売り(一般信用)を寄り付き前に同株数、成り行きで発注するというものです。こうすることで同じ価格で約定させることができるため、株価が変動しても損益は発生しません。ただ、信用取引をする際は専用口座を開設する必要があるうえ、取引には手数料が発生します。   優待裏事情 株主優待がこれほど活発に実施されているのは、日本だけといわれています。諸外国では優待にコストをかけるならば、利益成長のための設備投資や、配当で還元した方が合理的との考えがあるためです。国内においても持ち株数や内容に応じて株主を平等に扱わなくてはならない「株主平等の原則」(会社法109条1項)の観点から優待制度に異論を唱える向きもあります。この原則を順守するならば「保有株数に比例した優待を得られるはずだが、現状は一定数に応じた対応がなされていない」との考え方があります。例えば100株超の保有で1000円分のQUOカードを贈呈する場合、保有株数が5倍の500株になればQUOカードも5000円になるはずですが、実際は500株超で3000円など一定数を基準にしている、という指摘です。こうした考えを踏まえ、上場企業の中にも優待制度より配当に重点を置いた海外方式に切り替えるケースもあります。       また、個人投資家にとっては嬉しいプレゼントですが、機関投資家にとっては少々異なるようです。投資信託協会の「投資信託等の運用に関する規則(2015年7月)」の第10条には株主優待物の取り扱いがルール化されています。これによると、運用会社は信託銀行と協議したうえで換金可能な商品券などは換金して信託財産に組み入れているとのことです。換金不可能な商品は一時保管後に廃棄、もしくは、さわかみ投信のように慈善団体に寄付するケースもあるようです。機関投資家の場合、優待よりも配当金で還元してほしい、というのが本音でしょう。 1月に優待の権利が確定する銘柄は32銘柄と12月より大幅に減少しますが、2月は138銘柄、3月は731銘柄に増加します。3月には新規公開株式(IPO)として10月に上場したJR九州の優待もあります。株主優待制度の是非については意見が分かれるところですが、企業がこの制度に注力しているのか、それとも配当での還元や利益成長を重視しているのか、株主に対する企業の姿勢が垣間見れるため、投資材料の一つとしても活用できそうです。   (編集:QUICK Money World)    

香港ハンセン指数、年初来高値の更新が視野に 中国経済は「安定」を確認

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、フィリップ証券(香港)のルイス・ウォン(Louis Wong)氏がレポートします。 (※この記事は2016年10月28日にQUICK端末で配信した記事です。) 中国政府が発表した2016年第3四半期(7~9月期)の経済指標は景気が安定する中で前進していることを示す内容だった。政府の通年の成長目標は達成される見通しだ。1~9月期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.7%増だった。 (出所:QUICK) 四半期別でも、第3四半期は6.7%増と、第1四半期(1~3月期)や第2四半期(4~6月期)と同じ成長率を維持し、市場の予想通りだった。産業別では、1~9月期における第1次産業の付加価値額が3.5%増、第2次産業の付加価値額が6.1%増、第3次産業の付加価値額が7.6%増だった。第3次産業の増加率が第1次産業、第2次産業を大きく上回り、GDP全体に占める割合が52.8%に達した。このことは中国経済の構造転換が続いていることを示唆する。   輸出は減少も、投資と消費が補う 輸出の勢いが引き続き弱く、投資と消費が中国の経済成長のけん引役を引き続き担った。中国税関総署が発表したデータによれば、今年1~9月期の中国の輸出は前年同期比1.6%減、輸入は同2.3%減だった。9月の輸出は前年同月比5.6%減と、市場予想の2.5%増よりも悪かった。輸入は2.2%増だったが、5.5%増の市場予想を下回る伸びだった。 ただ、幸いにも投資と消費の伸びがやや加速し、輸出減に伴うマイナス面の影響を補った。1~9月期の全国の固定資産投資は前年同期比8.2%増と、1~8月期から伸びが0.1ポイント加速した。インフラ建設の増加、そしてそれ以上に不動産市場の景気回復が寄与した。今年1~9月期の分譲物件の販売面積は10億5100万平方メートルだった。前年同期比26.9%増え、増加ピッチが1~8月期よりも1.4ポイント加速。また、同期の分譲物件の販売額は8兆200億人民元で増加率は41.3%と、1~8月期を2.6ポイント上回った。住宅販売の増加に伴い、全国の不動産開発投資額は前年同期比5.8%増え、1~8月期よりも0.4ポイント加速した。不動産物件の在庫調整も加速して、分譲物件の販売前面積は9月末時点で6億9600万平方メートルと、8月末時点から1258万平方メートル減少した。このうち、住宅物件の販売前面積は1177万平方メートル減少した。 一方、消費については、1~9月期の社会消費小売総額が前年同期比10.4%増の23兆8400億元だった。増加率は1~8月期を0.1ポイント上回った。電子商取引の伸びが引き続き急速で、1~9月期の全国のインターネット販売小売額が3兆4651億元と前年同期比26.1%増えた。このうち、実物商品のネット販売小売額は25.1%増の2兆7900億元で、社会消費小売総額の11.7%を占めた。 製造業は安定、工業企業の利益は改善 製造業は安定しており、1~9月期の全国の一定規模以上(年間の主要業務収入2000万元以上)の企業による工業生産が前年同期比6%増えた。増加ピッチは上半期(1~6月期)から横ばいだったが、工業の構造調整が引き続き進展し、ハイテク産業が10.6%増、設備産業が9.1%増と、全国の一定規模以上の企業の増加率をそれぞれ4.6ポイント、3.1ポイント上回った。工業部門の企業利益も改善し、1~8月期における全国の一定規模以上の工業企業の利益総額は前年同期比8.4%増の4兆500億元と、増加ピッチが上半期から2.2ポイント加速した。一方、9月の政府発表と中国メディアの財新がそれぞれ発表した製造業購買担当者景気指数(PMI)はいずれも、景気拡大を示す50以上の水準となり、製造業が引き続き緩やかに拡張していることが示された。 PPIプラスに転じ、生産に追い風 インフレに関しては、9月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比1.9%上昇した。上昇率が8月(1.3%)から拡大したものの、引き続き制御可能な範囲内だった。注目すべき点は、同月の卸売物価指数(PPI)が0.1%上昇し、2012年3月以来初めてプラスに転じたことである。このことは工業の生産に追い風となる。一方、雇用については、1~9月期の都市部(非農業地区)新規雇用者数が1068万人に達し、1四半期前倒しで通年予測目標(1000万人)を達成した。また、9月の31都市の失業率が2016年6月以来初めて5%を下回った。雇用の増加に伴って収入レベルも上昇し、1~9月期の全国1人当たり可処分所得は1万7735元と、名目ベースで前年同期比8.4%増加した。 10~12月期は減速も通年の目標は達成か、建材・インフラセクターに有利 今後の展望は、石炭業と鉄鋼業の生産能力の調整と不動産市場の過熱引き締めにより、中国景気が第4四半期(10~12月期)にやや減速し、成長率が1~9月期をわずかに下回る可能性がある。ただし、6.5~7%という成長率目標の範囲内に納まることはまず間違いない。こうした中国経済の安定は香港株に追い風となる。11月に中国深セン・香港間の株式相互取引制度「深港通」を始動する見通しでもあるため、香港株式市場のハンセン指数は今年第4四半期に再び年初来高値の2万4364に迫る見込みだ。 (出所:QUICK)  セクター別では、不動産市場における過熱引き締めの度合いが強まるとみられることから、銀行セクターや不動産関連セクターに引き続き重荷となるだろう。また、経済成長率の維持に向けてインフラ投資が加速する見通しであることが、建材とインフラ関連のセクターに有利となる。他方、人民元の為替レートについては、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が強まる中で米ドル高が進むとみられる。加えて中国の輸出の勢いが依然として弱く、元の為替レートに引き続き下げ圧力がかかる見通しだ。これに伴い、より多くの中国国内の資金が通貨安に伴うリスク回避のために香港株に流れ込む可能性があり、香港株が間接的に恩恵を受けることになるだろう。 本情報は、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的としたものではありません。有価証券その他の取引等に関する最終決定は、お客様ご自身のご判断と責任で行って下さい。株式会社QUICKおよび情報提供元であるルイス・ウォン氏は、本情報を利用して行った投資等により、お客様が被った、または、被る可能性のある直接的、間接的、付随的または特別な損害またはその他の損害について、一切責任を負いません。

日本版ブラックフライデーは浸透するか?新たな株価材料として注目

 ブラックフライデー、ネット通販が好調な出だし 11月中旬に発売された「ハリー・ポッターと呪いの子 第一部 第二部」の売れ行きが好調なようです。毎週火曜日に公表している八重洲ブックセンター本店の集計によると、3週連続でフィクション部門の売り上げトップでした。同シリーズはあらゆる世代に人気が高いため、クリスマスプレゼントとして考えている人もいるのではないでしょうか。 ■八重洲ブックセンター本店の週間ベストセラーランキング(11月20~26日) 【フィクション部門】 【ノンフィクション部門】   クリスマスをビッグイベントとして楽しみにしている人も多いと思いますが、実は株式市場にとっても重要行事の一つにです。特に消費大国の米国はその年のクリスマス商戦の行方が国内総生産(GDP)を左右するため、世界的に注目されています。 米国のクリスマス商戦は、祝日である11月第4木曜日の感謝祭の翌日に幕開けします。小売店で一斉に値引きが始まり、セール初日の金曜日は店舗の収支が黒字になるほど活況なため、「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」と呼ばれています。日本経済新聞などによると、今年の米クリスマス商戦の出だしは平均支出額こそ前年同期を下回ったものの、ネット通販の売上高が34.5億ドル(約3880億円)と1日の売り上げとしては過去最高を記録したそうです。なお、全米小売業協会(NRF)は11~12月の小売売上高を前年同期比3.6%増の6558億ドル(約67兆円、自動車・ガソリン・外食を除く)と予想。この水準は米国の実質GDPの約4%に相当する規模です。 そして米国に次ぐ経済大国である中国の消費動向にも注視したいところです。同国では11月11日の光棍節(こうこんせつ)に中国のネット通販各社が大規模なセールをする「独身の日」を開催。中国最大手のアリババ集団の売上高は、この日1日だけで約1.9兆円と過去最高を記録しました。現在はクリスマス商戦に突入しています。   政府も検討、日本版ブラックフライデーは受け入れられるか 日本では小売大手のイオン(8267)が米国のブラックフライデーにちなんだセールを11月25日から3日間実施しました。イオングループで総合スーパー(GMS)を展開するイオンリテールの広報は、「セールは好調だった。売上は前年の同じ期間と比較して2割増となった」といいます。目玉商品のほか、気温の急激な低下を受けてダウンコートや羽毛布団などの防寒用品の販売が伸びたそうです。 政府も米国のこのイベントに関心を寄せています。経団連と連携し、2017年2月から毎月最終週の金曜日に「プレミアムフライデー」と称した消費喚起策を検討しています。経団連に属する企業にはイベント当日、午後3時ぐらいに早期退社することを呼びかけるそうです。こうした試みの背景には、政府が掲げる「名目GDP600兆円」や「働き方改革」をなんとしてでも達成したいとの意向があります。消費の活性化には所得アップが欠かせませんが、政策の後押しに加え、クリスマスやハロウィーンなど海外イベントを好む日本では、ブラックフライデーも浸透するかもしれません。 小売業の株価が堅調な月は意外にも… クリスマス商戦は小売りやメーカーなどが主に影響を受けます(下表参考)。稼ぎ時となるため、月次や四半期の売上高に株式市場の注目が集まります。 では、冬場は小売業の株価が上がりやすいのでしょうか?2006年12月~2016年11月までの東証業種別株価指数の「小売業」と、日本株全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)の月間騰落率を比較してみたところ、小売業がTOPIXを上回った回数は120回中、ほぼの半分の59回でした。さらにこれを月別に分析してみると、6月が8回と最も多くなりました。クリスマス商戦時期の11月と12月はともに5回でした。投資タイミングを考える際、こうした過去のデータも参考にしてみてください。 <クリスマス商戦関連銘柄> <小売業の月間騰落率がTOPIXを上回った回数は?> ※東証規模別株価指数の小売業とTOPIXの2006年12月~16年11月までの120カ月間の月間騰落率をそれぞれ比較   (編集:QUICK Money World)

起業と資産運用、あなたはどっち派?…老後資金「3000万円」の稼ぎ方

  長者番付でトランプ大統領の順位は…意外と低い? 米経済誌フォーブスが10月に発表した2016年の米国の長者番付※1によると、最もリッチな人は23年連続でマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏でした。同氏の資産総額は810億㌦(約8.2兆円)というから驚きです。ケタが違いすぎて実感が湧かないかもしれませんが、トヨタ自動車(7203)の2016年3月期の連結純利益が2.3兆円ですから、この3倍強を個人で保有していることになります。 ※1株式や不動産、ヨット、飛行機、宝飾品、芸術品、ブドウ園、車のコレクションなどを含む総資産 2位はアマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベソス氏、3位は著名投資家のウォーレン・バフェット氏とメディアでもお馴染みの面々が並びました。そのほか、フェイスブックを創業したマーク・ザッカーバーグ氏が4位、ニューヨーク前市長のマイケル・ブルームバーグ氏が6位にランクイン。 トップ10外ですが、米次期大統領のドナルド・トランプ氏が156位に顔をみせました。保有不動産価格が下落したため、残念ながら順位は前年の121位からダウンしました。   日本のトップは大企業の創業者  一方、日本のトップ3はファーストリテイリング(9983)の柳井正会長兼社長が1.8兆円で首位、次いでソフトバンクグループ(9984)の孫正義社長で1.6兆円、3位はサントリーホールディングスの佐治信忠会長で1.3兆円と、昨年から変動はありませんでした。日米のリッチマンの多くは創業者であり、巨額の財をなすには起業してイノベーションを生み出す手法が正攻法といえそうです。   ※ファーストリテイリングのフォトライブラリーから引用   しかし、日本国内の起業に対する意識は年々低くなっています。中小企業庁の調べによると、2014年の開業率※2は前年比0.1ポイント増加の4.9%でした。開業率は1988年の7.4%をピークに減少傾向です。10%以上の欧米諸国と比較しても低水準です。参考として、2016年10月末時点の新規株式公開(IPO)社数は64社と、こちらも前年同月の70社を下回る水準でした。 ※2 開業率=当該年度に雇用関係が新規成立した事業所数/前年度末の事業所数×100で算出       億万長者でなくとも「3000万円」は必要な老後 では、多くの人はどの程度の資金で日々の生活を送っているのでしょうか。厚生労働省の調べでは、2014年の1世帯当たりの平均年収は541万円でした。1000万円の大台を突破したのは全体の1割強、2000万円以上はわずか1%にとどまりました。こうしたデータをみると億万長者への道はかなり険しいため、誰しも必要になる「老後の資金」は計画的に確保しなければならないでしょう。そこで、政府が公表しているデータなどから前提条件を設定し、まずは老後の必要資金を試算してみました。   これから60歳を迎える人の多くは、同年で定年退職して無職になった場合、年金が支払われる65歳までの5年間は貯蓄を取り崩さなくてはならず、1654万円が必要になります(①参照)。65歳からは年金を軸に収入が21万円ほどありますが、月間の支出額が27万円なので毎月6万円の赤字が生じます(高齢・無職夫婦の月間平均収入額を参照)。男性の平均寿命が80歳ですから、寿命までの15年間は1121万円の赤字を埋め合わせなくてはなりません(②参照)。 これらを合算すると、老後の必要資金額は2776万円になります(③参照)。 退職金の2000万円を全額活用できれば残り776万円を工面することで老後の生活を送れそうです。しかし、これは一つの目安で個人差が生じます。退職金で住宅ローンの完済を検討してる人や、賃貸住宅に住んでいる人なら住居費はさらにかさむでしょう(高齢・無職夫婦の月間平均支出を参照)。思わぬ病気のリスクもありますし、長生きはいいことですが平均寿命を上回ればその分、生活費の負担が増えます。   ①年金受給までの必要資金 1カ月の生活費27万5706円×12カ月×5年=1654万2360円   ②平均寿命80歳までの必要資金 月間の赤字6万円×12カ月×平均寿命までの15年=1121万8680円   ③老後の必要資金 年金受給までの必要資金1654万2360円+年金受給後の不足分1121万8680円=2776万1040円         サラリーマンが老後資金を用意する方法 億万長者はごく限られた人しかなれない・・・。 残る有効手段は資産運用といえそうです。 では老後の必要資金2776万円のうち2000万円を退職金でカバーすると仮定し、残り776万円を資産運用で得るにはどの程度の期間および利回りで運用すればいいのかシミュレーションしてみましょう。元手が100万円で運用期間を10年とした場合、毎年約23%上昇する金融商品に投資し続けなければなりません。銀行に1年間100万円を預けても金利はわずか0.001%(10円)ということを踏まえると、年利23%は高いハードルといえそうです。 しかし、運用期間を40年に延長すると年利は5%台に低下するため、現実味を帯びるのではないでしょうか。運用期間の長期化に連動して年利が低下する理由は、複利効果を考慮しているためです。長期間、つまり若い時期から投資した方が複利効果をより享受できます。 ちなみに、東証1部に上場する1972銘柄を対象に年初から11月18日までの騰落率を調べたところ、5%超上昇した銘柄は547銘柄でした。なかには株価が2倍、3倍に上昇した銘柄もありました。永続的に上昇し続ける金融資産はありませんが、若い世代なら投資資金を小分けにして「時間分散」することでリスクを低減させることも可能でしょう。   【元手100万円を776万円にアップさせるための運用期間と年利】   【元手300万円を776万円にアップさせるための運用期間と年利】   東証1部上場銘柄の年初来上昇率ランキング-トップ50 *2015年末の終値と2016年11月18日の終値で算出   目標金額や運用期間、年利が決まったら、次はリスクと投資資産の選別です。下図の「主な金融資産のリスクとリターン」を見てください。例えば、過去10年間の日本債券はリスク※3は1.8%と図表の8資産の中で最も小さかったものの、リターンは約29%上昇と最も大きくなりました。僅かなリスクで効率よくリターンを上げられたといえます。 一方、新興国株はリスクが26%、これに対してリターンが小幅マイナスと大きなリスクを取ってもこれに見合うリターンを得られませんでした。この図表はあくまで過去のデータを基に算出した結果でリスクがもっと大きくなる場合もあります。ただ、リスクを極力抑えたいなら日本債券、ある程度リスクを覚悟してリターンを得たいなら株式やREITでしょう。投資資産を選ぶ際の一つの目安として参考にしてみてください。   ※3:リスクは2016年10月末までの過去10年間の月間騰落率を基に算出した標準偏差の年率換算値。リターンは10月末までの10年騰落率。各資産のリスクとリターンの算出には以下の各指数をそれぞれ使用。日本株「TOPIX」、国内中小型株「日経ジャスダック平均株価」、国内REIT「東証REIT指数」、日本債券「NOMURA-BPI(総合)」、海外株「MSCI KOKUSAI INDEX (WORLD除く 日本) 円ベース」、新興国株「MSCI EM (EMERGING MARKETS)・ 円ベース」、世界債券「Citi World Government Bond Index(除く日本)・円ベース」、「S&P先進国REIT指数(除く日本)配当込・円ベース」   (編集:QUICK Money World)

プロの株式ポートフォリオは情報の宝庫…下げ相場で勝つ運用の参考に

相場格言の中に「当たり屋につけ」という教訓があります。相場にはなぜか必ず利益を上げる「当たり屋」という人がいて、このような人に便乗して売買することも一策という意味です。現に米国の著名投資家のウォーレン・バフェット氏やジョージ・ソロス氏が投資している銘柄がよく話題に上ります。他人の真似ばかりはお薦めできませんが、投資のプロのポートフォリオを見て学ぶことは多そうです。そこで今回は好成績を収めた日本株ファンドを紹介します。 2016年度上期(4~9月)の日本株相場は軟調でした。日経平均株価は3月末の1万6758円から、9月末には1万6449円(1.84%)に小幅下落。イギリスの欧州連合(EU)離脱や1ドル=100円を割り込む円高が嫌気されました。 下げ相場でも勝つアクティブファンド 同じ期間、日本株に投資する828ファンドのうち半分強の452ファンドが日経平均を上回る成績を収めましたが、運用成績がプラスだったファンドは全体の2割にあたる160ファンドにとどまりました。 最も好成績を収めたのはJPモルガンの「JPMジャパン・テクノロジー・ファンド」で24.99%上昇。日経平均を大きく上回りました。同ファンドは電気機器や半導体、電子部品など国内テクノロジー関連企業を対象に運用チームが企業取材を重ね、銘柄を選別するファンドです。ただ、テクノロジー関連株全体が好調だったわけではなく、全般に冴えない展開でした。東証業種別株価指数の電機は3.38%、情報・通信は2.04%のそれぞれ上昇にとどまったうえ、精密機器は8.12%の下落でした。 【日本株ファンドの16年度上期騰落率ランキング】 <上位10ファンド>   <下位10ファンド> ※対象は主に日本株に投資する追加型株式投信の828ファンドでETF除く。データは9月末時点。騰落率は分配金再投資ベースの基準価格で算出。上期騰落率は4~9月、▲はマイナス 加えて、「JPMジャパン・テクノロジー・ファンド」は中小型株ファンドではありませんが、足元でJASDAQや東証マザーズへの投資比率が4割程度と新興市場に積極投資していました。今年3月に新規上場したユー・エム・シー・エレクトロニクス(6615)もポートフォリオの上位に名を連ねていました(8月末時点)。ところが上期の日経ジャスダック平均株価は2.08%上昇したものの、東証マザーズ指数は7.11%下落。東証規模別指数をみても中小型株に買いが先行したというわけではありません。 これらの結果踏まえると、同ファンドが好成績を収めた要因は個別銘柄の選別による効果だったといえます。       勝ち組ファンドの投資銘柄をチェック そこで「JPMジャパン・テクノロジー・ファンド」の組み入れ上位10銘柄の上期の騰落率を調べたところ、9銘柄が上昇。なかでも半導体製造装置のタツモ(6266)が3.18倍、ウエハー・ガラス基板搬送機最大手のローツェ(6323)が2.95倍、内外テック(3374)が2.04倍と急上昇して運用成績を押し上げました。投資銘柄は、各ファンドの運用レポートの中に記載されています。 なお、タツモは6月初旬に中国の大手液晶ディスプレーメーカーから大口注文を受けたと発表すると買いが優勢となり、その後も業績の上方修正および配当金の引き上げなどを好感して上昇基調となりました。ローツェは独立系運用会社のスパークス・アセット・マネジメントが同社株を運用していることが日本経済新聞の朝刊で報じられたことを機に個人投資家などの買いが集まったようです。   ▼「JPMジャパン・テクノロジー・ファンド」の組み入れ上位10銘柄の騰落率 ※上期騰落率は2016年4~9月の騰落率、▲はマイナス。組み入れ銘柄は8月末時点 好成績ファンドの運用を参考に ファンドの上期騰落率ランキングの2位、5位、7位も中小型株に投資するタイプでした。ただ、こららのファンドの投資銘柄はほぼ重複しておらず、各ファンドともに「個性」が表れました。ちなみに、「スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド」を運用しているスパークス・アセット・マネジメントの阿部修平社長は著名投資家のジョージ・ソロス氏の投資アドバイザーを務めたことでも有名です。 投資のプロが運用するポートフォリオは情報の宝庫です。眺めるだけでも新たな投資アイデアが湧いてくるかもしれませんし、自らの投資の戒めにもなるかもしれません。日本株については毎月公表している証券会社や機関投資家など、株式担当者を対象とした市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」も有効活用してみてください。   ▼「J-Stockアクティブ・オープン」の組み入れ上位10銘柄の騰落率   ▼「スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド」の組み入れ上位10銘柄の騰落率   ▼「大和住銀日本小型株ファンド」の組み入れ上位10銘柄の騰落率 ※上期騰落率は2016年4~9月、▲はマイナス   (編集:QUICK Money World)

空の産業革命「ドローン宅配便」の現状を分析…関連銘柄も調査

「ドローン宅配便」をご存知ですか?ドローン宅配便とは、小型の無人飛行機(ドローン)を用いた商品宅配サービスです。近年、実現に向けた動きが迅速に進められ、すでにアマゾン・ドット・コムやウォルマート・ストアーズ、グーグルなどといった世界の巨大企業がこの分野に参入することを決めています。「空の産業革命」といわれるほど、その可能性が期待されているドローン。今後、日本でドローン宅配便は実現するでしょうか?まずはドローン宅配が実現することがどのようなメリットをもたらすかを見ていきましょう。   ドローン宅配の「威力」…配送コストが8分の1に!? ドローン宅配を実現することでの主に3つの観点からメリットがあります。 まず一つ目は「コスト削減」が出来ることです。物流業界では昨今、「ラスト・ワン・マイル問題」という課題があります。これは倉庫から顧客の自宅までトラックで宅配するのに多大なコストがかかってしまっているということです。EC(電子商取引)市場の成長とともに、宅配貨物取扱個数は右肩上がりで成長しているので、この問題は深刻な状況です。同時にトラック運転手が需要に追いつかず、人手不足に陥っています。   (経済産業省「電子商取引に関する市場調査」 国土交通省「運輸経済月例」より作成)   ここにドローンが入ることによって大幅なコストカットが見込まれており、アマゾンのデータでは、荷物の重さ5ポンド、輸送距離10マイルの条件下で、陸送で最も早い「Amazon Prime Now」では輸送に約8ドル、配送完了まで1~2時間かかるのに対し、ドローンを用いた宅配「Amazon Drone」では約1ドル、30分での配送が出来るとされています。低コストで早く配達できることになります。これで人手不足も解消され、人件費の削減も可能になります。(出典:千葉市ドローン宅配等分科会) 2つ目のメリットは「スピードアップ」です。前述のアマゾンの例にも関連しますが、ドローン空輸は車の渋滞に巻き込まれることは一切ありません。また、医薬品など緊急性の高い荷物(医薬品など)を素早く届けることができます。つまり、既存の配送システムよりも効率的かつスピーディーに荷物を配送できます。 3つ目は「インフラの強化」です。高齢者や障害者、幼児を抱える親など外出困難な人に直接マンションまで届けたり、山間部や離島で暮らす孤立地域の人々への配達も少ないコストですばやく届けることが可能です。また、これは災害などで孤立した地域に対しても同様のことが言えます。   実現に向け千葉市を国家戦略特区に指定 ドローン宅配が実現するメリットについて述べましたが、次に日本における取り組みを紹介します。 2015年12月、内閣府は国家戦略特区に千葉市を指定し、ドローンを用いた宅配をできるようにすると発表しました。国家戦略特区とは、第二次安倍政権が進める新しい経済特別区域構想のことで、規制緩和によって国内外からの民間投資の誘導や雇用の創出、消費の拡大などで経済成長を目指すものとされており、地域に絞って大幅に従来の強固な規制を緩和します。これはアベノミクスの第三の矢「民間投資を喚起する成長戦略」の中核を担っています。 では、ドローン宅配便を実現するための千葉市の計画を見ていきましょう。千葉市は実用化実験の場として幕張新都心地区を提案しており、ここは東京湾に近接していることや、臨海部に物流倉庫が点在していること、超高層マンションが整備されている、またはその予定であること、電線が地中に埋められていることなどドローン宅配を行う上で好都合の立地です。東京湾臨海部の物流倉庫からドローンにより、海上(約10㎞)や花見川(1級河川)の上空を飛行し新都心内の集積所まで運び、住宅地区のマンション各戸まで運んだり、地区内の店舗から日常生活品を配達したりする予定です。また、テレビ電話等を通じた遠隔での診療及び服薬指導を行い、地区内の薬局からドローンによる医薬品の配達を目指しています。 (出典:千葉市ドローン宅配等分科会) 千葉市のほかに、秋田県仙北市では市内に広がる国有林野を活用したドローン実証実験を行うため、「近未来技術特区」に指定され、速さや正確さを競う国際大会「ドローンインパクトチャレンジ アジアカップ2016」を開催しています。 (出典:仙北市ホームページ) 民間企業の取り組みを見ると、楽天は今年5月からドローンを活用した一般消費者向けの配送サービス「そら楽」を開始し、その第一弾として、ゴルフ場のコース内でプレイヤーまでドローンがゴルフ用品や軽食を届けるサービスを提供しています。楽天は今後EC事業においてもドローンを活用することを視野に入れており、技術とオペレーションノウハウを蓄積し、さらなる革新的なドローンサービスの展開を目指しているとしています。 (出典:楽天ホームページ)   まだまだ残るドローン宅配の課題 新技術が生み出されたとき、必ずといっていいほど解決しなければならない課題が付きまといます。 一つ目は安全性の問題です。ドローンは天候がよく、障害物のないところでは問題なく飛行することが可能ですが、ひとたび環境が悪化するとそうとはいきません。また、ドローンが着陸する近隣住民への危険も少なくありません。人や車、ビルや樹木などを正しく認識し、避けて飛行する技術が求められています。 二つ目は規制の問題です。ドローンは航空法により、夜間の屋外での飛行と目視外飛行が原則禁止されていることです。ドローン宅配を行うためには、基本的に目視外飛行は必須であり、さらに夜間飛行も十分にあり得ます。また、民法においては「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」と定められています。ドローンは個人宅の上空を飛行することになってしまうので、これらについて規制緩和されなければ、ドローン宅配の実現は難しくなります。 三つ目はプライバシーの問題です。最近のドローンには空撮用になどカメラが搭載されているものが一般的になってきています。ドローン宅配はマンションの各ベランダに輸送することが想定されているため、受取者の部屋のみならず、近隣住民の部屋を撮影することは技術上可能となってしまいます。ドローン宅配に見せかけた盗撮などに悪用されてしまう危険性をはらんでいます。   ドローン宅配関連15銘柄 「空の産業革命」といわれるドローンビジネスの可能性についてお分かりいただけたでしょうか。ドローン宅配が実現すれば、都市部に低コストで素早く宅配できるのみならず、普段は配送が難しい山間部や離島にまでサービスを展開することが可能になります。実現までには法整備や空輸技術などまだまだ課題は多いのが現状ではありますが、国家戦略特区での実証実験などの取り組みが進み、ドローンの技術向上、安全性向上が実現されれば、人々の暮らしを大いに豊かにしてくれるでしょう。 最後にドローン宅配関連銘柄を見ていきましょう。関連銘柄は他にも多数ありますが、代表的な15銘柄を紹介します。 銘柄名 証券コード 取り組み事例 ALSOK 2331 ドローンの警備サービスへの活用はもとより、メガソーラー発電施設を空撮し、ソーラーパネルに異常がないか点検するサービスを提供する。 菊池製作所 3444 千葉大学発ベンチャー自立制御システム研究所と共同でドローンを量産する。 オプティム 3694 世界初となるドローン対応ビッグデータ解析プラットフォーム「Skysight」を展開。また、農作物の害虫駆除を行うため、紫外線ライトを搭載した農業用ドローンを開発。 アイサンテクノロジー 4667 株式会社プロドローンと共同で、高精度な3次元地図計測を目的とした3次元空間情報取得向け自立型ドローンを開発。 楽天 4755 一般消費者向け配送サービス「そら楽」を開始。千葉市で実証実験を行う。 ウェザーニューズ 4825 エアロセンス株式会社と低層域の気象観測ネットワークを構築。同社の気象観測センサーを搭載したドローンを用いる。 NEC 6701 千葉大学発ベンチャー自立制御システム研究所の販売代理店。また、ドローンの運航管制システム開発を進める。 ソニー 6758 子会社と株式会社ZMPは共同で、ドローンが空撮した画像をクラウドに転送し、データ解析を手掛ける「エアロセンス株式会社」を設立。ZMPは、2016年12月19日東証マザーズ市場に上場予定。 デンソー 6902 ヒロボー株式会社の協力を得て、道路の橋などの社会インフラの点検に使用する産業用ドローンを開発。 ヤマハ発動機 7272 同社が開発した農業散布用小型ドローンが、米連邦航空局から飛行認可を得る。今後、大規模農家に幅広く利用されることが予想される。 イオン 8267 千葉市が計画するドローン宅配事業の実証実験に参画。 東京海上HD 8766 2015年7月より、産業用無人ヘリコプター(ドローン)総合保険を販売開始。 ヤマトHD 9064 千葉市が計画するドローン宅配事業の実証実験に参画。2020年の事業化を目指す。 NTTドコモ 9437 新潟市で自立制御システム研究所やエアロセンス株式会社などと共同でドローンを活用した「水稲プロジェクト」と「海岸保安林プロジェクト」に参画。 セコム 9735 2015年12月より、上空からの警備サービス「セコムドローン」を開始。民間防犯用としては世界初の取り組み。   (編集:QUICK Money World)

ビッグデータと資産運用、ゴールドマンAM諏訪部氏に聞く

米ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの諏訪部貴嗣氏が来日した機会に、ビッグデータ革命と資産運用業界への影響について聞いた。諏訪部氏は、ニューヨーク本社で計量投資戦略グループのリード・ポートフォリオ・マネージャーとアクティブ・エクイティ・リサーチの共同責任者を務めている。   資産運用でビッグデータの活用が本格化している。米ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの計量投資戦略グループの諏訪部貴嗣マネージング・ディレクターは「ビッグデータによる資産運用は実用化されており、すでに競争が始まっている」と話す。分析の対象は企業の決算情報やアナリストの業績予想など数値データだけでなく、文章や経営者の声色、交流サイト(SNS)などに広がっている。 データを分析して資産運用に活かす手法は株式市場ではクオンツ分析として古くから知られている。足元でインターネットの普及によるデータの爆発的増加、人工知能(AI)など技術革新、データ処理能力の飛躍的向上により「ビックデータを駆使して高い運用能力を発揮できるようになった」(諏訪部氏)という。 ビックデータの活用による資産運用は未来の話ではなく、すでに現実のものだ。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントがビックデータを活用して投資するファンドは過去7年間との比較でMSCIなどインデックス(指数)を上回る成果を出しているという。 ビックデータを活用する資産運用の世界では財務数値以外の情報の利用が始まっている。決算会見では記者からの質問に答える経営者の声のトーンを解析して神経質になっているかどうかを調べる。アナリストのリポートからは文章が強気になっているか弱気になっているかを分析して、投資判断が変化する兆候を嗅ぎ取る。衛星写真からは小売店の駐車場の混雑具合を調べて売上高の推測に使う。 ビックデータの資産運用は従来のモデルを改良、蓄積していくため「先行者利益が大きい」(諏訪部氏)。機械対人間の論争においては、機械は長期の未来予測が難しいと指摘されることが多い。諏訪部氏は機械が10年先の未来を想定するのは困難と認めながらも資産運用については「近未来について5分5分よりはマシな程度の予測で十分に実用化する意味がある」と指摘する。 11月9日に行われた米大統領選では共和党候補のトランプ氏が勝利した。諏訪部氏は機械が予想しにくい結果だったと話す一方、「確率が低い事態が起きた時に何が起きるかを機械で分析した結果を人が利用することでリスクをコントロールできる」と話した。   諏訪部貴嗣氏の略歴 計量投資戦略グループのリード・ポートフォリオ・マネージャー及びアクティブ・エクイティ・リサーチの共同責任者を務める。2004年にゴールドマン・サックス証券グローバル投資調査部のジャパン・ポートフォリオ・ストラテジー・グループのメンバーとして入社。2009年7月にゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントにシニア・エクイティ・リサーチャーとして異動。 2012年にマネージング・ディレクターに就任。ゴールドマン・サックス証券に入社する以前は、野村総合研究所および野村證券金融経済研究所に勤務。日本ファイナンス学会とMPTフォーラムが共同発行する「現代ファイナンス」誌の編集者であり、かつては日本証券アナリスト協会試験委員を務めた。1995年に東京工業大学理学部を卒業、2011年に総合研究大学院大学博士課程を修了。   (取材:QUICKコンテンツ編集グループ・片野哲也)

トランプ次期大統領の誕生、海外のプロはどう見る?

  米国大統領選挙でトランプ氏が勝利して以降、円安が大きく進み、日本株も堅調に推移しています。結果が判明した当日の日本市場では円高・株安となりましたが、翌日以降の海外市場では逆の動きとなり、この流れが現在も続いている状態です。 実際、海外の金融市場のプロはどう見ているのか。QUICKの有料コメントサービス「QUICKデリバティブズコメント」から一部抜粋して、紹介します。   欧州でも政治リスク、長期金利の上昇後押し <ING銀行 シニア金利ストラテジスト マーティン・ファンフリート氏(アムステルダム在勤)> 欧州市場でも国債利回りの上昇が目立つようになってきた。投資家が欧州の国債を手放そうとしている状況では、欧州の金融市場の成り立ちを改めて確認しておく必要がある。日米と違い、欧州経済通貨同盟(EMU)は財政に関する組織がない。欧州中央銀行(ECB)の量的緩和策(QE)を通じた持続的、永続的な国債購入に依存するにも限度がある。  そのうえで欧州債券市場でも政治リスクが意識されるのは、フランス極右政党の国民戦線(FN)やイタリアのポピュリスト政党である「五つ星運動」などの党勢が増しているためだ。これらの政党はEMUから「国」を奪い返したいと考えている。特にイタリアといった対GDPで債務比率の高い国で、財政赤字の拡大を伴う支出を増やし景気を刺激する経済政策へ舵を切る懸念が強まっている。  これらが下地にあった中で米大統領選でドナルド・トランプ氏が予想外の勝利をおさめ、欧州国債売りに拍車がかかった。だが、「トランプ次期大統領」を材料にしたリフレーション・トレードもいずれは落ち着く。14日の米市場で2.30%まで上昇した米10年物国債利回りはいずれ2.00%を割り込むと想定している。  イタリアで12月4日に憲法改正の是非を問う国民投票を控える。ECBは同月に来年3月に期限を迎えるQEの延長を決めるだろう。独10年物国債利回りも年末までに0.25%以下に低下するのではないか。  米連邦準備理事会(FRB)の12月利上げは既定路線になりつつある。その次の利上げ時期は2017年上半期、4~6月期になるだろう。ただ、米景気が緩やかに拡大し金融市場も良好な地合いを維持することが前提で、これには疑問も抱いている。 FRBは来年3月にも3回目の利上げが可能 <ドイツ銀行ウェルス・マネジメント アジア太平洋最高投資責任者(CIO) トゥアン・フイン氏> 今年12月に米連邦準備理事会(FRB)が2度目の利上げをすると予想している。2017年については2回以上の利上げを見込んでいる。経済指標とドナルド・トランプ次期大統領とその新政府が打ち出す政策によっては、17年3月にも3度目の利上げに踏み切ることも可能だろう。  最近の米労働関連の指標は製造業セクターのセンチメント改善の中で持ち直してきた。インフレ率も過去数か月で強含み始めている。トランプ新政権による財政拡張が予想インフレ率を一段と高めれば、FRBの利上げ回数は(市場の想定よりも)多くなるのではないか。 米大統領選以降、外国為替市場でドル相場が上昇基調を強めている。仮に円相場に一段と売り圧力が強まれば、日本株の上昇が潜在的な運用成績の向上につながると見ている。だが、円安は長くは続かないだろう。日本のインフレ率はまだ低水準。7~9月期の国内総生産(GDP)は予想を上回る伸びを示したが、先行きについては輸出に不透明感が漂ったままだ。日銀は政策目標の達成に向けて追加の金融政策を決定する必要に迫られる。 日本株の持ち高に関する評価は「ニュートラル(中立)」を維持しているが、今後の状況を見守っている最中だ。   (取材:QUICKデリバティブズコメント) (編集:QUICK Money World)

インドネシア、税収厳しく財政規律を堅持 投資環境改善の兆しも

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。 (※この記事は2016年11月7日にQUICK端末で配信した記事です。) インドネシア政府は税収の確保に苦戦 過去2年間、財政赤字が法定上限に達する危険性に直面したため、ジョコ・ウィドド政権は「経済回復のためにこれ以上財政拡大してはいけない」との決意を固めた。一次産品価格の低迷が家計、企業に打撃を与えており、政府は税収の確保に苦戦している。 インドネシア政府が2015年、赤字を法定上限である国内総生産(GDP)の3%に抑えることができたのは、土壇場で緊急性の低い政府支出を削減したためだ。今年は、積極的な支出削減に加え、比較的好調なタックス・アムネスティ(租税特赦)制度の運用を通じて100兆ルピアの税収の上振れが達成できれば、財政赤字はGDPの2.7%を超えない見通しだ。 (出所:QUICK) 政府は国債発行で388兆ルピア以上を調達 インドネシア政府は今年、これまでに国債発行を通じて388兆ルピア(300億米ドル)以上を調達した。これにより、金融機関の流動性が低下したことに加え、不良債権が膨らんでいることもあり、銀行はこれまで以上に融資を増やしにくい状況だ。 さらに悪いことに、インドネシアの国家予算は、2012年から基礎的財政収支が赤字の状態にある。GDPに占める基礎的財政収支の赤字額は、2012年(0.6%)から2015年(1.2%)に倍増した。負債を増やして調達した資金を、各地での道路や橋りょう、学校の建設ではなく、負債元本の支払いに充てていることになる。 このため、国会本会議で先週(10月26日)、赤字目標をGDPの2.4%に設定した2017年度予算案が成立したことに、多くの人が安堵感を示した。 バンク・ダナモン・インドネシア(コード@BDMN/JK)のエコノミスト、ウィスヌ・ワルダナ氏は、「今回の予算案には、『賄える範囲での支出』という考え方が示され、歳入次第という方針が堅持されている。必要な支出ありきで、歳入や調達資金を決めていたこれまでの予算案とは対照的だ」と述べている。 ワルダナ氏は、インドネシア政府が基礎的財政収支の赤字額目標をGDPの0.8%に縮小する方針を示すなど、来年度の予算に関して慎重になっていると指摘。「税収が目標を下回っている限り、重要性が低い支出を削減する方針は変わらない」と述べている。 インドネシアのスリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相は、政府は今回の予算案では歳出のやりくりに注力したと説明。「政府は信頼感、安心感、信用を維持する必要がある。まず、我々が直面している経済の実情を予算案に反映させた」と述べた。 投資環境は改善しつつある 一方、投資環境の改善という明るい兆しもある。インドネシアは世界銀行の最新のビジネス環境レポートで順位を15ランク上げて91位となり、調査対象国の中で最大の伸びを示した。 世界銀行は、投資拡大と健全な財政政策が追い風になるとして、インドネシアの来年の経済成長率について今年の予想(5.1%)を上回る5.3%と予測している。 【翻訳・編集:NNA】  本情報は、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的としたものではありません。有価証券その他の取引等に関する最終決定は、お客様ご自身のご判断と責任で行って下さい。株式会社QUICK、翻訳・編集者であるNNAおよび情報提供元であるアディ・ビナルソ氏は、本情報を利用して行った投資等により、お客様が被った、または、被る可能性のある直接的、間接的、付随的または特別な損害またはその他の損害について、一切責任を負いません。    

トランプ氏勝利で金融市場はどうなる?金融・調査機関のシナリオまとめ

2016年の米大統領選挙は、共和党候補ドナルド・トランプ氏の勝利に終わった。海外大手メディアや著名な統計調査機関の予想がことごとく外れ、金融市場もサプライズとして受け止めている。 相場は混乱。結果が判明した11月9日の日本市場ではドル円相場が1ドル=101円台の円高となり、日経平均株価は919円安。翌11月10日は一転、ドル円相場は1ドル=106円近くまで戻す場面があり、日経平均株価は1092円高となった。 大手金融機関や調査会社はトランプ氏の勝利を受けて、続々と今後の見通しを発表している。各社、政策などの不透明感が強いとしつつも、米連邦準備理事会(FRB)のスタンスや12月利上げ予想に変更はない、という見方が多い。日本株については、ゴールドマン・サックスは「防衛関連株」に注目していた。 以下に各社の見通しを一覧としてまとめた。   HSBC、トランプ氏勝利で「米国外の投資家がドル資産売りも」 米大統領選で共和党候補ドナルド・トランプ氏の勝利を受けHSBCは9日付のレポートで「トランプ氏の政策を見極める必要がある。財政支出の拡大と海外資産の還流に向けた新たな法律はドル高方向に寄与する」との見方を示した。一方で「強硬な移民政策は米国の潜在成長力を毀損する可能性がある。また関税の引き上げは景気の減速を招きかねない。これらの孤立主義は米国外の投資家などにドル建て資産の売却を促すことにつながる」とした。 「9日の外国為替市場でユーロがドルに対して買われたのは、これらの懸念を反映していた。また日本円やスイスフランは中期的にトランプ氏の政策が背景となって通貨高の方向を維持することになるだろう」との見方も示した。米10年債の利回りについては1.35~1.65%に切り下がるとした。   パンセオン・マクロ、「トランプ氏はタカ派の理事を任命する可能性も」 調査会社パンセオン・マクロエコノミクスは9日付のレポートで、米大統領選に勝利した共和党候補のドナルド・トランプ氏が「米連邦準備理事会(FRB)で空席となっている2つの理事について金融政策に引締め的な『タカ派』の人物を任命する可能性がある」との見方を示した。 トランプ氏を取り巻く政策担当者は、FRBの緩和的な金融政策が米株式のバブルを招いたとの認識を持っているとも指摘。米連邦公開市場委員会(FOMC)内では少数派の見方であるものの、トランプ氏が大統領に就任することで「(政策姿勢の)針の位置が変わるかもしれない」という。「政策金利はクリントン氏が勝利した場合に比べ短期的には低めで推移するが、中長期的には反対の展開となるのではないか」とした。   BNPパリバ、「トランプ次期大統領の減税は実現困難」共和党の反対も 共和党のトランプ候補の米大統領選挙の勝利を受けBNPパリバは9日付のレポートで、「共和党が上下両議院の大半を得ることができ、6年ぶりにねじれ議会にならない」と指摘した。一方で、「トランプ氏は選挙期間中に減税を公言し、財政出動とも取れる発言をしているが実現は困難だろう」とした。減税や財政出動のためには国債発行額引き上げの承認が必要で、民主党からだけではなく共和党内部からも反対にあうのが背景だという。   BNPパリバ、「年末にかけて円は1ドル=108円」トランプリスク後退 BNPパリバは9日付のレポートで「トランプ大統領が市場に与える悪影響に対する懸念が後退するだろう」と指摘した。共和党が上・下両院で議席の大半を占め、今後は規制緩和や財政出動に注目が集まるという。「リスクオフの環境が続く限り、年末にかけて円は1ドル=108円まで円安が進むだろう」とした。   バンカメ、「米10年債利回りは2.25~2.50%へ上昇も」 円相場は弱含みへ バンクオブアメリカ・メリルリンチは9日付のレポートで、2017年6月末までに米10年債利回りが2.25~2.50%へ上昇するとの見通しを示した。米大統領選で勝利したドナルド・トランプ氏の経済政策が財政出動の緩和につながるとの見方が背景にある。同日の米債券市場で10年債利回りは2%台に乗せた。米金利との相関性が強い通貨である円は来年に弱含むとも指摘した。   バンカメ、年末のS&P500予想を据え置き 不透明感が重荷 バンクオブアメリカ・メリルリンチは9日付のレポートで、S&P500種株価指数の年末予想水準を2000で据え置いたとした。米大統領選で共和党候補ドナルド・トランプ氏が勝利したことで短期的にボラティリティが高まると指摘。トランプ氏の経済政策は経済成長の押し上げに寄与すると想定される一方、通商政策や外交政策、金融政策に対する政策の連続性に対する不透明感が投資家や企業経営者の(心理に)重荷となるとした。   ゴールドマン、年末のS&P500予想を据え置き 12月利上げも確実 ゴールドマン・サックスは9日付のレポートで「トランプ大統領誕生の株式市場への影響は限定的」と指摘し、2016年末のS&P500株価指数の予想水準を2100に据え置いた。「17年のGDP((国内総生産)は2%と予想しており、インフレ率も米連邦準備理事会(FRB)の目標の2%に近づきつつある。FRBによる12月利上げは確実だろう」とした。セクター別では、「シクリカル銘柄がデフェンシブ銘柄を引き続きアウトパフォームする」との見方も示した。   ゴールドマン、日本株「防衛関連が引き続き焦点」 ゴールドマン・サックス証券は9日付でドナルド・トランプ次期大統領の誕生が日本株に及ぼすシナリオを公表した。レポートでは「トランプ次期大統領が推進する具体的な政策については不確実性が非常に高いため、現時点で日本市場全体への影響を結論付けるのは時期尚早」としつつも円相場については「不確実性の高まりを受けて円高圧力が続く可能性がある」とした。 環太平洋経済連携協定(TPP)については「米議会は上下院ともに共和党が過半数を維持するため、オバマ大統領が退任前にTPPを成立できる可能性は低い」という。そのうえで「トランプ氏は以前からTPPを批判しており、同氏の下でTPPが成立するとは考えにくい。その場合、安倍政権が進める改革にマイナスの影響を与える可能性がある。しかし選挙前からTPPに対する市場の期待はすでに低かったため(民主党のクリントン候補もTPPに反対姿勢を示していた)、選挙結果を受けたTPPへの影響は大きなサプライズとはならないと見ている」という。 トランプ氏の政策で注目を集める外交政策に関しては「現在の安全保障体制がすぐに変更される見込みは低いように思われるが、米国の新政権が現行の体制を見直したいと考える可能性もある。仮にこうした見直しが進められた場合、日本は駐留経費増額を受け入れるか自衛隊予算を拡大するかという選択肢を突き付けられることになるかもしれない」とした。これを踏まえて日本株について「日本は過去10年間に防衛予算が著しく拡大しなかった数少ない国の1つであり、アジア太平洋地域で地政学的な不安定化が進む中では防衛支出の増額が将来的には必要になり得る。当社の日本防衛関連銘柄バスケットは反発し始めており、このテーマは2017年に向けて引き続き焦点になる」との見方を示した。同社が選定した日本の防衛関連バスケットは反発しているという。   ファンドストラット、年末S&P500予想を引き下げ 米調査会社ファンドストラットは9日付のレポートで2016年末のS&P500種株価指数の予想水準を2225に引き下げた。従来は2325だった。米大統領選で共和党候補ドナルド・トランプ氏が勝利したことでリスクプレミアムの上昇を反映させた。それでも現在の水準(9日終値:2163.26)よりも高い。セクターでは引き続きシクリカルや金融セクターを選好するとしている。 同社は10月上旬にSMBC日興証券と情報提供に関する契約を締結している。   ドイツ銀、「16年末のS&P500の予想に変更なし」 ドイツ銀証券は9日付のレポートで「トランプ大統領誕生でのリスクオフの売りは短期的なもので、2016年末のS&P500株価指数の予想に変更はない」と指摘し、目標水準を2150に据え置いた。セクター別では「特にヘルスケアセクターに投資妙味がある」とした。 米連邦準備理事会(FRB)にの金融政策に関しては、「12月利上げは確実」とした。その後の利上げのタイミングは財政政策の進捗状況と影響次第だという。「2017年の米国10年債の利回りは2%以上で推移するが、3%台まで上昇することはないだろう」と指摘した。   アクサIM、「トランプ氏の減税政策は米GDPを1.5%ほど押し上げ」 アクサ・インベスト・マネジャーズは9日付のレポートで「トランプ次期大統領が掲げる減税政策の効果は直近3年間の米国GDP(国内総生産)を1.5%ほど押し上げるだろう」と指摘した。トランプ氏が掲げる税制の簡略化は法人税に焦点を当てており、米国企業の海外資金の本国送還を促す効果があるという。一方で、「減税で米国政府の歳入は10年間で4兆4000億ドル減るだろう」と指摘した。   みずほ総研、「トランプ氏は最初100日は議会を必要としない措置優先か」 みずほ総合研究所は9日、米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ候補が勝利したことを受け、最初の100日間の工程表として「トランプ政権は、議会の協力を必要としない措置を優先」などと指摘した。今回の選挙では議会下院・上院とも共和党が多数派を占めたが、「保護主義的な傾向の強さなど、トランプ氏の主張は議会共和党と距離がある」などと指摘。議会がトランプ氏の過激な提案をどこまで修正できるかが焦点だという。リポートでは環太平洋経済連携協定(TPP)などの注目テーマについても詳細に触れている。   SGHマクロ、「トランプ大統領で米企業は3兆ドルのレパトリか」 米調査会社のSGHマクロ・アドバイザーズは9日付のリポートで、米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利したことを受けて「強気相場に牛がいる」と指摘した。今後の注目点としてトランプ氏が掲げる減税策、経済政策を受けて、米企業が3兆ドル規模で海外での利益を本国回帰(レパトリエーション)させる可能性を指摘。レパトリエーションは米議会ではずっと新鮮な課題になっているという。   イアン・ブレマー氏、「地政学的な景気後退へ」 安倍首相が勝ち組に 米調査会社ユーラシア・グループの代表を務めるイアン・ブレマー氏は米東部時間9日に米大統領選の結果に関する見解を表明した。同氏は「トランプ大統領の誕生で、世界経済は地政学的な景気後退(Geopolitical Recession)へ突入するだろう」と指摘した。トランプ氏が大統領に当選したことで、「米国が今まで果たしてきた世界のリーダーとしての威厳が崩壊する」といい、「ソビエト連合崩壊に以来の一大事である」との認識を示した。 「トランプ政権誕生で世界では大きく勝ち組と負け組に分かれるだろう」とも指摘。勝者として、ユーラシア・グループが列挙しているものに、ロシアのプーチン大統領と日本の安倍晋三首相がある。トランプ氏がロシアとの協力関係を強化すると発言していることから、プーチン大統領は恩恵を受けるという。トランプ氏が日米同盟を破棄すれば、安倍首相の軍事政策が現実味を帯びてくるシナリオを描く。 一方で、負け組には環太平洋協定(TPP)と米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長などを挙げた。トランプ氏はTPPから離脱すると発言していることから、打撃を受けるという。イエレン議長に対しては批判的な立場を示しており、任期が終われば議長が変わる可能性があるという。 ▼「勝ち組」と「負け組」   クレディスイス、「トランプ勝利でもFRBのスタンスは変わらず」 米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ候補が勝利したことを受け、クレディスイスは9日付のリポートでトランプ氏が掲げる移民排斥や外交・経済政策について今後の見通しを示した。その中で米連邦準備理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長の今後について、「トランプ氏はイエレン議長の任期切れとなる2018年に交代させるだろう」と指摘した。 リポートでは、トランプ氏が最近、米経済専門チャンネルのCNBCで「彼女の時間は終わった。彼女は低金利の人だ」などと厳しく批判していた経緯があることを紹介。トランプ氏としては「ほとんどの米国民がFRBが何をしているのか理解していないことから、FRBは格好の攻撃材料になる」とのこと。ただイエレン議長がとどまる間、「FRBとしてはこれまでのスタンスを変えることはなさそうだ」とも指摘。トランプ新大統領の経済政策でインフレ率や経済成長が高まれば引き締めを図り、トランプ氏の政策で経済成長が鈍化したり、不確実性が高まれば、金融緩和に踏み切るとみていた。   JPモルガン、「FRBの12月利上げ予想に変更なし」 見送りは困難 JPモルガンは9日付のレポートで「米連邦準備理事会(FRB)の12月利上げ予想に変更はない」と指摘した。FRBの政策決定はデータと金融情勢の変化に基づいており、米国経済が堅調な中で12月利上げを見送るのは難しいという。 トランプ次期大統領がFRBを強く批判したことから、長期的には理事会の構成メンバーはタカ派寄りになり、利上げのペースは早くなるという。   UBS・WM、「トランプ勝利でTPP失効なら中国に恩恵も」 米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ候補が勝利したことを受け、UBS・ウエルス・マネジメントは10日付のリポートで中国の貿易などに関する影響を予想した。反自由貿易主義を掲げるトランプ氏が新大統領に就任する場合、「トランプ氏がこれまで主張してきた高関税を大統領特権で議会に諮らずとも導入する可能性がある」という。また、米国内で法人税の控除が積極的に行われれば中国に進出していた製造業が影響を受けるといい、中国にとっては世界の工場の役目を続けられるのか微妙になりそうだ。 一方で、トランプ氏が環太平洋経済連携協定(TPP)に反対しているため、TPPが失効となれば中国のような新興国が逆に恩恵を受けるとのこと。TPP不在なら、中国が提案する東アジア地域包括的経済共同体構想(RCEP)の地位が向上するからだ。トランプ新大統領が発足すれば中国が為替操作国に認定されるのでは無いかとの懸念もあるが、中国にとってはメリットとなる事もあるもよう。   ピクテ、17年米国GDP予想を2%に据え置き 「政策予想は困難」 スイスに本拠地を置く大手投資信託のピクテは9日付のレポートで「トランプ次期大統領の政策予想は困難だ」と指摘し、2017年の米国の国内総生産(GDP)成長率を2%に据え置いた。一方で、トランプ大統領と共和党が推進する財政政策が米国の経済成長を促せば、中期的に株などのリスク資産は買われ、債券などの安全資産は売られるという。   (取材:QUICKデリバティブズコメント) (編集:QUICK Money World)

米大統領2016、投票結果や相場動向を随時更新!

<2016/11/09 16:54>トランプ氏、ペンシルバニア勝利し過半超え トランプ288:クリントン215 (本日の最終更新) 投開票が行われた米大統領選挙で共和党候補のトランプ氏がペンシルバニア州、アリゾナ州で勝利したとCNNが報じました。全体で獲得した選挙人はトランプ氏が288人、民主党候補のクリントン氏が215人となりました。選挙人の獲得数は過半の270を超え、トランプ氏は勝利演説を始めています。 東京株式市場の大引け後、日経平均先物は夜間取引で日中の清算値から上げ幅を300円超まで拡大する場面がありました。円相場も1ドル=103円台半ばまで戻しています。   <2016/11/09 15:43>トランプ氏、アラスカ州でも勝利 トランプ247:クリントン215 投開票が行われた米大統領選挙で、共和党候補のトランプ氏がアラスカ州、ユタ州で勝利したと、CNNが報じました。全体で獲得した選挙人はトランプ氏が247、民主党候補のクリントン氏が215となりました。外国為替市場で円相場は1ドル=102円前半で小動きとなっています。 <2016/11/09 14:36>ネバダ州、クリントン氏が勝利 クリントン215:トランプ238 CNN 投開票が行われた米大統領選挙で民主党候補のクリントン氏がネバダ州で勝利しました。全体で獲得した選挙人はクリントン氏が215人、共和党候補のトランプ氏が238人となってます。CNNが報じました。 同選挙における選挙人の総数は538で、過半数の270を獲得した候補が最終的に勝利となります。   <2016/11/09 14:12>アイオワ州、トランプ氏が勝利 トランプ238:クリントン209 CNN 投開票が行われている米大統領選挙で共和党候補のトランプ氏がアイオワ州で勝利したとCNNが報じました。全体で獲得した選挙人はトランプ氏が238人、民主党候補のクリントン氏が209人となっています。 外国為替市場で円相場は1ドル=101円台前半まで上昇、東京株式市場で日経平均株価は前日比1000円超安の1万6100円台まで急落しています。   <2016/11/09 13:51>接戦のジョージア州、トランプ氏が勝利 トランプ232:クリントン209 CNN 投開票が行われた米大統領選挙で共和党候補のトランプ氏が接戦州のジョージア州で勝利しました。民主党候補のクリントン氏はワシントン州で勝利したものの、全体で獲得した選挙人はトランプ氏が232人、民主党候補のクリントン氏が209人となっています。CNNが報じました。 外国為替市場で円相場は1ドル=101円前半まで強含んでいます。東京株式市場では日経平均株価が900円超下落しています。   <2016/11/09 13:38>激戦のフロリダ州、トランプ氏が勝利 トランプ216:クリントン197 投開票が行われた米大統領選挙で共和党候補のトランプ氏が大票田で激戦のフロリダ州で勝利しました。全体で獲得した選挙人はトランプ氏が216人、民主党候補のクリントン氏が197人となりました。CNNが報じています。 外国為替市場で円相場は1ドル=101円半ばまで上昇しました。東京株式市場で日経平均株価は前日比850円超安の1万6200円台まで下げ幅を拡大しています。   <2016/11/09 13:24>オレゴン州、クリントン氏が勝利 クリントン197:トランプ187 投開票が行われた米大統領選挙で民主党候補のクリントン氏がオレゴン州で勝利したとCNNが報じました。一方、共和党候補のトランプ氏がノースカロライナ州で勝利したと報じられました。全体で獲得した選挙人はクリントン氏が197人、共和党候補のトランプ氏が187人となっています。   <2016/11/09 13:06>クリントン氏、カリフォルニアなどで勝利 クリントン190:トランプ171 投開票が行われた米大統領選挙で民主党候補のクリントン氏が大票田のカリフォルニア州などで勝利したとCNNが報じました。全体で獲得した選挙人はクリントン氏が190人、共和党候補のトランプ氏が171人と逆転しています。 激戦州と見られているフロリダではトランプ氏の優勢が伝わっています。外国為替市場で円相場は1ドル=102円前後で足元は小幅な値動き。   <2016/11/09 12:52>コロラド、クリントン氏が勝利 クリントン131:トランプ167 投開票が行われた米大統領選挙でコロラド州で民主党候補のクリントン氏が勝利しました。CNNが報じています。全体で獲得した選挙人はクリントン氏が131人、共和党候補のトランプ氏が167人となっています。外国為替市場で円相場は12時過ぎから対ドルで1ドル=102円前後の推移が続いています。   <2016/11/09 12:42>バージニア、クリントン氏が勝利 クリントン122:トランプ167 投開票が行われた米大統領選挙で激戦州の一つとみられていたバージニアで民主党候補のクリントン氏が勝利しました。CNNが報じました。全体でクリントン氏が獲得した選挙人は122人、共和党候補のトランプ氏は167人となっています。   <2016/11/09 12:35>トランプ候補、激戦州のオハイオ制す CNN 米大統領選挙において、トランプ候補が激戦州のオハイオ制したと、CNNが報じています。獲得した選挙人数はトランプ候補が167、クリントン候補が109となっています。午後の東京市場では日経平均株価が一時、前日比800円安まで下げ幅を広げたほか、ドル円相場も1ドル=101円台半ばまで円高が進みました。   <2016/11/09 12:03>トランプ氏優勢 投開票中の米大統領選挙で共和党候補のトランプ氏が選挙獲得人を139人とリードしています。民主党候補のクリントン氏は104人。CNNが報じました。激戦州のオハイオなどでトランプ氏の優勢が伝わっています。午前中の日経平均株価は大幅続落し、前引けは前日比382円安の1万6788円でした。     <2016/11/09 12:00>トランプ氏優勢、メキシコペソが大幅安 米大統領選挙で共和党候補のトランプ氏がオハイオなど激戦州で優勢と伝わっています。9日午前の東京外国為替市場でメキシコペソは対ドルで大幅に下落しています。 ▼メキシコペソの対ドルチャート   <2016/11/09 11:56>NY金先物、一時1トロイオンス1310ドル、NY原油は一時43.31ドル ニューヨーク金先物相場は日本時間9日午前の時間外取引で急上昇し、取引の中心である12月物は1トロイオンス1310ドル台に乗せました。10月4日以来約1カ月ぶりの高値水準です。 ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は日本時間9日午前の取引で急落しています。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油で、取引の中心である期近12月物は一時1バレル43.31ドルと、9月20日以来1カ月半ぶりの水準まで下落しました。 米大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ氏が優勢な状況と伝わっています。   <2016/11/09 11:53>オハイオ、トランプ氏が52.9で優勢 クリントン氏は49.7 CNN 米大統領選の鍵を握ると言われている激戦州のオハイオでトランプ氏が52.9%と優勢を維持しています。クリントン氏は49.7%。CNNが報じています。   <2016/11/09 11:45>トランプ氏136で優勢、クリントン氏は104 日経先物は一時700円超安 投開票中の米大統領選挙で共和党候補トランプ氏の選挙人の獲得数が136人まで増えて優勢となっています。民主党候補のクリントン氏は104人。CNNが報じています。東京株式市場で日経平均先物は前日比700円超安の1万6500円まで下げる場面がありました。円相場も1ドル=102円前半まで強含んでいます。   <2016/11/09 11:34>オハイオでもトランプ氏リードへ トランプ52.2:クリントン43.6 CNN 激戦州のオハイオでトランプ氏がリードを広げています。米東部時間8日9時32分時点でトランプ氏52.2%、クリントン氏43.6%となっています。CNNが報じました。   <2016/11/09 11:28>日経平均一時500円超安、1ドル=102円まで上昇  9日の東京株式市場で日経平均株価は一時前日比500円超安の1万6646円まで下落する場面がありました。取引時間中として10月4日以来、1か月ぶりの安値を付けました。日本時間9日午前に開票が進んでいる米大統領選挙で共和党候補のトランプ氏が激戦区のノースカロライナ州などで優勢と伝わっています。   <2016/11/09 11:24>ノースカロライナでもトランプ氏リード トランプ48.8:クリントン48.7  激戦州のノースカロライナでトランプ氏が49.2%と優勢になっています。クリントン氏は48.3%。米東部時間で8日9時23分時点。   <2016/11/09 11:16>トランプ氏128でリード、クリントン氏は97 日経平均は1万6800円台 投開票中の米大統領選挙で、共和党候補のトランプ氏が128人の選挙人を獲得しました。クリントン氏は97人。CNNが報じました。 外国為替市場で円相場は1ドル=103円台前半まで上昇し、103円割れ目前まで円高が進みました。東京株式市場で日経平均株価は前日比250円程度安の1万6800円台まで下落する場面がありました。     <2016/11/09 11:05>オハイオでトランプ氏リード トランプ48.1:クリントン48.0 CNN 米大統領選挙で激戦州のオハイオは共和党候補のトランプ氏が48.1%とリードしています。民主党候補のクリントン氏は48.0%。CNNが報じました。   <2016/11/09 11:05>クリントン氏97、トランプ氏81 CNN 1ドル=103円台後半まで上昇 投開票中の米大統領選挙で選挙人獲得数は民主党候補のクリントン氏が97人、共和党候補のトランプ氏が81人となりました。CNNが報じています。11時00分時点の情報です。 外国為替市場で円相場は1ドル=103円台まで上昇しています。東京株式市場で日経平均株価は10時過ぎまで堅調に推移していたものの、11時ごろに前日比100円安の1万7000円前後まで下げる場面もありました。   <2016/11/09 10:42>フロリダ、開票率91%でトランプ氏49.0% CNN 1ドル=104円台に上昇 米大統領選挙で激戦区のフロリダ州は開票率91%の時点で共和党候補のトランプ氏が49.0%とリードしています。民主党候補のクリントン氏は48.0%。CNNが報じました。 ドル円もじりじりと円高方向に動いており、再び1ドル=104円台に入りました。米株先物や日本株指数も同じようなチャートとなっています。   <2016/11/09 10:34>フロリダ、再びトランプ氏優勢に トランプ48.8:クリントン48.1 米大統領選挙で市場が注目しているフロリダ州は、共和党候補のトランプ氏が48.8%まで上昇して再び優勢になりました。民主党候補のクリントン氏は48.1%。CNNが報じています。   <2016/11/09 10:28>クリントン氏68人、トランプ氏66人 日経平均250円高まで上昇 投開票中の米大統領選挙で民主党候補のクリントン氏が68人、共和党候補のトランプ氏が66人の選挙人を獲得しました。10時23分時点の情報として、BBCが報じています。東京株式市場で日経平均株価は10時過ぎに前日比250円高の1万7400円台前半まで上昇し、その後も170円程度高い水準で推移しています。   <2016/11/09 10:22>フロリダ、クリントン氏48.6:トランプ氏48.4で拮抗 米大統領選挙で市場の関心の高いフロリダ州では、民主党候補のクリントン氏が48.6%、共和党候補のトランプ氏が48.4%で拮抗しています。CNNの報道。   <2016/11/09 10:13>ノースカロライナ、クリントン氏52.8%:トランプ氏44.8% 投開票中の米大統領選における激戦州の一つ、ノースカロライナ州で民主党候補のクリントン氏が52.8%と優勢になりました。共和党候補のトランプ氏は44.8%。CNNが報じています。 東京株式市場で日経平均株価は前日比250円程度高い1万7400円台前半まで上昇、円相場は対ドルで1ドル=105円前半で推移しています。   <2016/11/09 10:08>クリントン氏68人、トランプ氏48人 クリントン氏が逆転 投開票中の米大統領選で、民主党候補のクリントン氏が68人、共和党候補のトランプ氏が48人の選挙人を獲得しました。10時01分時点。円相場は1ドル=105円台前半まで円安が進み、日本株も堅調です。   <2016/11/09 09:53>フロリダ、クリントン氏が巻き返す 49.2%に 投開票中の米大統領選。注目を集めているフロリダ州で民主党候補のクリントン氏が49.2%と再び優勢になった。共和党候補のトランプ氏は47.9%。CNNが報じました。株価も急速に持ち直し、ドル円相場も1ドル=105円近辺まで戻しました。   <2016/11/09 09:47>フロリダ州でトランプ氏が49.7%で再び逆転 1ドル=104円半ばに強含み 投開票中の米大統領選挙。フロリダ州の開票速報で共和党候補のトランプ氏が49.7%の票を集め、民主党候補のクリントン氏(47.4%)を再び逆転しました。CNNが開票率55%時点の数字を報じています。外国為替市場で円相場は対ドルで1ドル=104円半ばまで強含む(円高が進む)場面がありました。   <2016/11/09 09:36>ウエストバージニア州でトランプ氏が勝利 投開票中の米大統領選挙で、共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏がウエストバージニア州(選挙人5名)で勝利しました。CNNが報じた。選挙人の獲得数の合計はトランプ氏が24人、民主党の大統領候補のクリントン氏が3人となっています。   <2016/11/09 09:33>円、一時105円前後で乱高下 フロリダ州でクリントン氏が逆転 投開票中の米大統領選挙。フロリダ州の開票速報で民主党候補のクリントン氏が49.5%の票を集め、共和党候補のトランプ氏 (47.7%)を逆転してリードしたと報じられています。外国為替市場で円相場は対ドルで1ドル=104円台後半で乱高下。   <2016/11/09 09:11>バーモント州でクリントン氏が勝利 投開票中の米大統領選挙で、バーモント州(選挙人3名)で民主党の大統領候補であるヒラリー・クリントン氏が勝利したとCNNが報じました。獲得選挙人数はクリントン候補が3、トランプ候補が19。 ドル円相場も1ドル=104円台半ばまで円高が進んでいます。   <2016/11/09 09:08>トランプ候補がインディアナとケンタッキーで勝利 CNN報道 投開票中の米大統領選挙で、インディアナ州とケンタッキー州は共和党・大統領候補のドナルド・トランプ氏が勝利したとCNNが伝えています。外国為替市場で円相場は対ドルで小動き。やや円高方向への推移となり、1ドル=104円台後半で推移しています。   <2016/11/09 08:09>インディアナが投票締め切り、1ドル=105円前半で推移 8日投開票の米大統領選で、日本時間8時にインディアナ州の投票が締め切られました。外国為替市場で円相場は対ドルで1ドル=105.10円前後で推移しています。   <2016/11/08 18:00> 2016年の米大統領選挙は、日本時間11月9日の午前中から徐々に各州の投票が締め切られ、米メディアの出口調査などが伝えられます。9日の東京市場では選挙速報に一喜一憂する展開となりそうです。 9日は開票結果の情勢に変化がありしだい、相場動向と併せて、このページを更新していく予定です。日本時間の12~13時頃には多くの州で投票が締め切られ、出口調査や実際の開票結果をもとに大勢が判明する見込みです。    アメリカ大統領選の仕組みをおさらいしておくと、米国の各州ごとに争われ、州で勝利した候補が、その州に割り当てられた「選挙人」を総取りできるというものです。獲得した選挙人が全米の過半数(270)に達した候補が当選となります。勝利した州の数ではなく、選挙人が多い州(大都市圏など)で勝利することが重要となります。上の地図に記載されている数字は選挙人の数です。   ・米大統領選挙に関する大手金融機関の見通しまとめはこちら ・選挙結果や相場影響についての為替市場関係者アンケートはこちら ・twitterでも開票結果について呟きます

米大統領選の結果はどうなる?相場影響は?市場アンケートをおさらい

ついに米大統領選挙の投開票日である8日となりました。同時に米議会下院・上院選挙の投開票日でもあるため、米国経済の先行きを見通すうえで非常に重要なイベントとなります。気になるのは民主党候補のヒラリー・クリントン氏と、共和党候補のドナルド・トランプ氏、どちらが勝つのか、そして金融市場にどのような影響を与えるかでしょう。 QUICKは金融のプロの様々な声を集めており、毎月、為替市場関係者数十名に対してアンケート調査(QUICK月次調査<外為>)を実施しています。米大統領選挙の結果と影響については、今年3月と10月の二回、調査を実施しました。その内容を以下に整理しておきます。クリントン氏勝利という見方が圧倒的に多く、その場合の市場への影響は見方が分かれています。一方、トランプ氏が勝利した場合、非常に強い円高リスクを警戒しているようです。 ≪米大統領選勝敗予想とマーケットへの影響≫ ※上段は10月調査、下段は3月調査の結果(詳細はリンクをクリックしてください) また、大手金融機関による相場影響のシナリオについては、こちらにまとめました。トランプ氏が勝利した場合、経済の先行き不透明感が強まりドル安(円高)・米株安という展開を、クリントン氏勝利の場合はドル高(円安)・米株高という展開という予想が一般的です。   ・米大統領選挙に関する大手金融機関の見通しまとめはこちら ・選挙結果や相場影響についての為替市場関係者アンケートはこちら ・開票結果の更新ページはこちら、またtwitterでも随時つぶやきます   <米大統領選挙に関連した記事一覧> 米大統領選でクリントン候補が失速…市場の見方を関連銘柄から探る 2016年11月04日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=11538) クリントンVSトランプ…関連銘柄で見えた勝敗 16年10月28日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=11477) 米大統領選後のドル円相場、トランプリスク後退で大きな変化なし?(為替10月調査) 16年10月17日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=11438) 米大統領選、誰が勝つ?統計学が与える予想 16年4月28日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=197) トランプ氏人気が写し出す米国の現状 16年3月17日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=167) 米大統領選は円高要因…市場は「クリントン候補勝利」を予想(為替3月調査) 16年3月14日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=166) 盛り上がる米国大統領選挙、関連アノマリーで見通す今年の金融市場 16年3月8日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=159)

きょう米大統領選挙!大手証券による相場への影響予想まとめ

  ▲米大統領選における各州の票数 米大統領選挙や米議会下院・上院選挙の投開票日を8日に控えるなか、大手証券会社も続々と、勝敗や結果に応じた相場への影響を公表している。全般的には共和党候補であるドナルド・トランプ氏が勝利した場合、経済の先行き不透明感が強まりドル安(円高)・米株安という展開を、民主党候補であるヒラリー・クリントン氏勝利の場合はドル高(円安)・米株高という展開を予想している。 ドイツ銀行は、上院で共和党が過半数を維持できれば米国株が堅調という視点も提示している。各社のコメントの要旨は以下の通りだ。   ドイツ銀、「上院で共和党が過半数維持ならS&P500は2200ポイントへ」 米大統領選挙や米議会下院・上院選挙の投開票日を8日に控える中、ドイツ銀行(DBK)は「S&P500指数は2100~2200ポイントのレンジ内で今年を終えるだろうが、上院で共和党が過半数を維持すれば2200ポイントに接近しそうだ」と予想した。 8月以降、クリントン氏の優勢が伝わってからヘルスケア関連株は民主党の快勝を織り込むかのように打ちのめされていたとしながら、「民主党の快勝は緩やかなFEDの利上げシナリオも示唆するものの、仮に上院で共和党が過半数を維持できればヘルスケア・銀行株が主導するかたちでS&P500がラリー(徐々に上昇)する」公算が大きいという。4日付のリポートで見解を明らかにした。 ゴールドマン、クリントン氏の勝利予想を維持…金の予想価格も据え置き ゴールドマン・サックスは7日付のレポートで「予想を据え置き、引き続きクリントン候補が大統領選挙を制すると想定している」と指摘した。一方で「大統領選挙は接戦になり、9日の早朝まで結果がわからない可能性もある」とした。 金の価格とトランプ候補の支持率には直近で強い相関関係があるが、ゴールドマン・サックスは金の先行きに対する予想を継続。四半期先と半年後の金の予想価格を1オンス1280ドルに据え置いた。7日時点の清算値(1279.4ドル)とほぼ変わらずの水準だ。1年後の予想も1250ドルに据え置いた。据え置きの理由は「トランプ氏が勝利するためには多くの州で支持率を逆転する必要がある」とした。  野村、トランプ氏勝利なら「米利上げ先送りも」 ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルは7日付のレポートで、米大統領選で民主党候補ヒラリー・クリントン氏が勝利した場合、経済は現状を維持するとの見方を示した。その場合、経済成長率はおおむね2%とした失業率については緩やかな低下を持続する一方、米政治の停滞も続くと想定する。 共和党候補ドナルド・トランプ氏が勝利した場合については「企業や家計がトランプ氏の政策の先行きが不透明として設備投資や消費を遅らせるか、減らす可能性がある」と指摘。金融環境が引き締まる可能性から「米連邦準備理事会(FRB)は想定している12月の利上げを先送りすることも可能」とした。ただ、トランプ氏が打ち出している貿易に対する保護主義はインフレ圧力を高め、FRBは速いペースの物価上昇に直面することになるとの見方も示した。 ソシエテ、クリントン氏勝利で「新たな円安トレンド」 ソシエテ・ジェネラルは7日付のレポートで「トランプ候補が大統領になれば不透明要因が募りリスクオフになる一方で、クリントン候補が勝利すればリスクオンになるだろう」と指摘した。 クリントン氏が勝利した場合、米連邦準備理事会(FRB)の12月利上げが確実になりドル高の進行を見込み円相場は新たな円安基調が生まれるという。米株式市場には安心感が広がり「短期的にはS&P500指数は2150~2200のレンジに戻り、中期的には史上初の高値を更新する可能性もある」としたうえで、2017年4~6月に2350ポイントまでの上昇を予想した。 一方、トランプ氏が勝利した場合は、安全資産とされる円が買われ1ドル=100円の節目割れもあるとする。米株式にも売りが膨らみ、S&P500株価指数は7日終値(2131.52)から大きく下げて1950が下値メドなるという。また、トランプ氏は通商政策に消極的であり「米国外の売上高の大きい銘柄で構成されるナスダック総合指数はより大きな打撃を受ける」と警戒する。恐怖指数で知られるVIX指数(7日終値:18.71)から25~30に水準を切り上げるとも指摘した。 JPモルガン、クリントン氏勝利なら「105円台乗せも」 JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏は8日付のレポートで「クリントン氏が勝利を決定した場合にはUSD/JPY(ドル円)は一時的に105円台乗せもあり得るであろう」とする一方「トランプ氏勝利の場合には来週に向けて一時的に100円を割り込むこともある」との見方を示した。 そのうえで「結果がすぐに決定しない場合は100円前後で膠着する可能性が高いと見る。もっとも、いずれにしても、当社は大統領選挙の結果だけでUSD/JPYが99円台~105円台のレンジのどちらかを大きく抜けるとはみていない」と指摘した。 UBS・WM、「クリントン氏の勝率75%」米株式は緩やかな上昇へ  UBS・ウエルス・マネジメントは7日付のレポートで「米大統領選で民主党候補ヒラリー・クリントン氏が勝利すれば米株式市場は緩やかな上昇に転じるだろう」と指摘した。米国の関連部門にあたるUBSオフィス・オブ・パブリック・ポリシーはクリントン氏の勝率を75%と予想している。一方で、トランプ氏が大統領になった場合は「株式市場から資金が流出し、国債や金といった安全資産に資金が流入する」とした。   (※この記事はQUICKの有料コメントサービス「QUICKデリバティブズコメント」の一部を抜粋したものです)   ・米大統領選挙に関する大手金融機関の見通しまとめはこちら ・選挙結果や相場影響についての為替市場関係者アンケートはこちら ・開票結果の更新ページはこちら、またtwitterでも随時つぶやきます   <米大統領選挙に関連した記事一覧> 米大統領選でクリントン候補が失速…市場の見方を関連銘柄から探る 2016年11月04日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=11538) クリントンVSトランプ…関連銘柄で見えた勝敗 16年10月28日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=11477) 米大統領選後のドル円相場、トランプリスク後退で大きな変化なし?(為替10月調査) 16年10月17日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=11438) 米大統領選、誰が勝つ?統計学が与える予想 16年4月28日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=197) トランプ氏人気が写し出す米国の現状 16年3月17日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=167) 米大統領選は円高要因…市場は「クリントン候補勝利」を予想(為替3月調査) 16年3月14日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=166) 盛り上がる米国大統領選挙、関連アノマリーで見通す今年の金融市場 16年3月8日 (http://www.quick.co.jp/page/quick_report_detail.html?detailNo=159)   (取材:QUICKデリバティブズコメント) (編集:QUICK Money World)

米大統領選でクリントン候補が失速…市場の見方を関連銘柄から探る

米大統領選挙に市場が振り回されています。全3回のテレビ討論会を終え、いったん民主党候補である「ヒラリー・クリントン氏の勝利確実か」というムードが高まりましたが、ここにきて勝敗の行方が不透明になってきました。 クリントン氏失速…円高が進む というのも、ヒラリー・クリントン氏が、国務長官在任時に私用メールを使っていた問題で米連邦捜査局(FBI)が新たに明らかになった電子メールを再捜査すると伝わったためです。11月に入ってから公表された米ワシントン・ポストなどの世論調査で、トランプ氏が逆転優位となる場面もありました。 「クリントン氏勝利」ムードが広まっていた10月後半に1ドル=105円台で推移していたドル円相場は、11月に入ると急速に円高が進み、102円台まで上昇しています。共和党候補であるドナルド・トランプ氏の勝利は「ドル安・円高要因」という調査結果もあるため、市場はトランプ氏の勝利を積極的に織り込もうとしているのでしょうか。関連銘柄の値動きを見る限りでは、そうとは言いきれないようです。 「クリントン・バスケット」と「トランプ・バスケット」がともに軟調 前回、クリントン氏とトランプ氏、それぞれの関連銘柄の株価推移を比較し、マーケットが「クリントン氏勝利」を織り込み始めた様子をお伝えしました。関連銘柄は現在、どのように推移しているのか確認してみましょう。 青色がクリントン氏の関連銘柄「クリントン・バスケット」の値動き、緑色がトランプ氏の関連銘柄「トランプ・バスケット」の値動きです。第3回のテレビ討論会のあった10月19日以降、わに口のように二つのグラフの差は開いていきましたが、ここにきて急速に青色、つまりクリントン・バスケットが下落しています。 一方、トランプ・バスケットのチャートも軟調推移が続いているため、トランプ氏の勝利を市場が積極的に織り込んでいるわけではないようです。 「クリントン・リスク」が浮上…どちらが勝っても手控えムードか さて、足元で急浮上してきている単語が「クリントン・リスク」です。これまで「もしトランプが大統領になったら」つまり「もしトラ」リスクに市場は身構えていましたが、それとは異なるリスクのようです。 日経QUICKニュース社の記事をみると、市場では「クリントン氏は大統領選で勝利しても米連邦捜査局(FBI)の捜査を受ける大統領として政権基盤は軟弱になる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長)、「クリントン氏は訴追を免れても歴代で最低水準の支持率となる可能性が高く、対外的には強硬な姿勢をとりそうだ」(SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリスト)といった指摘があるようです。 仮にクリントン氏が勝利しても、就任当初から低支持率や議会との関係などで政権運営に苦慮するのであれば、クリントン氏の政策などに基づいて選ばれたクリントン・バスケットが利益確定売りに押される展開は考えられます。 現在は「どちらが勝ってもリスクを積極的に取りにくい」という様子見気分が市場に広がっていると考えるべきでしょう。混戦の様相を強める米大統領選挙に、市場は先行き不透明感を強めています。もちろん、市場で「トランプ・リスク」が再燃すれば、トランプ・バスケットが上昇に転じるかもしれません。その時はさらに円高が進む懸念もあります。 日本時間11月9日に結果が判明する米大統領選の投開票。引き続き、選挙の動向に敏感な銘柄や金融商品の値動きには注視が必要でしょう。 (編集:QUICK Money World)

政策に売りなし?テレワークに取り組む企業に注目!!

広告代理店最大手の電通で起きた過重労働の問題は、雇い主、雇用者の双方が働き方について改めて考えさせられたのではないでしょうか。政府が取り組む長時間労働の是正などを柱とする「働き方改革」の意見交換会において、安倍晋三首相もこの問題を重く受け止めていると述べ、改革の実現に意欲をみせました。労働市場は今、大きな転換点を迎えようとしています。  政府は名目国内総生産(GDP)を戦後最大の600兆円(2014年度は489兆円)に引き上げるため、「ニッポン一億総活躍プラン」を提唱しています。このプランを実現させるための最大のカギが働き方改革であり、この改革の骨子が「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金(非正規雇用の待遇改善)」「テレワーク」「高齢者の就業促進」です。政府はアベノミクスを完遂させるため、働き方改革に本気です。 相場格言の一つに、政策関連の業種や銘柄は値上がりしやすいことを意味する「政策に売りなし」という表現があります。この働き方改革というテーマを活用しない手はないでしょう。   トヨタなど大手企業がこぞってテレワークを導入するワケ 働き方改革の中でも特にホットなテーマといえば「テレワーク」です。テレワークとは、情報技術(IT)を利用してオフィス以外の自宅などで働くこと。場所や時間にとらわれず働けるため、子育て中の女性の活用や、介護を必要とする家族を持つ働き手の支援策として期待が集まっています。1970年代の米国でマイカー通勤による大気汚染や交通渋滞を緩和させるために始まったことが起源らしいです。   テレワークの主なワークスタイル   国内では、大手企業を中心にテレワークの導入および対象とする従業員の範囲を広げる動きが相次いでいます。総務省の調べによると、2015年にテレワークを導入している企業数は調査対象全体の16.2%と、前年比4.7ポイント上昇しました。例えばトヨタ自動車は、ほぼすべての総合職にあたる約2.5万人の社員を対象に在宅勤務制度を取り入れたと報じられています。各社がテレワークを導入する主な理由は政策の影響に加え、柔軟なワークスタイルで優秀な人材を確保したいためです。そのほか、従業員の健康など非財務情報も評価するESG投資が世界的に広がっていることや、企業の社会的責任(CSR)の観点から取り入れていることも考えられます。   日本マイクロソフトが本腰 テレワークを導入する企業の増加を受けて、早くも市場争奪戦が熱を帯びてきました。足元では日本マイクロソフトが一歩リードしているようです。同社は数年前からまず自社でテレワークを導入して効果を実証。10月には企業や自治体など833法人を巻き込んだ「働き方改革週間 2016」というイベントを開催しました。このイベントに賛同した一部企業を挙げるとKDDI(9433)、NEC(6701)、資生堂(4911)、東芝(6502)、NTTドコモ(9437)、パソナグループ(2168)、島津製作所(7701)などです。 日本マイクロソフトはテレワーク市場で主導権を握り、同社の法人向けクラウドサービス「オフィス365」の売上増加を狙っているようです。なお、ソフトバンク・テクノロジーは、このオフィス365と連携可能なテレワーク向けのサービスを展開しています。 そのほか、テンプホールディングスの子会社は、パソコンの利用状況から従業員の勤務状況を把握するサービスを開始しました。オフィス外での勤務が中心になるため、こうしたサービスや情報漏洩問題に対応する製品・システムも需要が伸びそうです。 自宅での勤務は落ち着かない人向けにスペースを間貸しするシェアオフィスもニーズがありそうです。積水ハウスのグループ会社や事務用品最大手のコクヨ、東京急行電鉄などはシェアオフィスのサービスを既に展開しています。 半面、テレワークが浸透すれば電車で通勤する機会が減少し、定期券を必要としない人が増えるかもしれません。長時間労働を強いる企業は敬遠され、有能な人材を確保しづらくなるでしょう。   日本人は働き過ぎなの? 経済協力開発機構(OECD)が公表している世界各国の労働時間(パートタイム含む)によると、調査対象37カ国の年間労働時間は平均1765時間。日本は1719時間で平均をやや下回り、37カ国中21位でした。しかし、正社員に限定すると労働時間は2000時間を上回っているほか、厚生労働省の調べでは過労死のリスクが高くなる月間の残業時間が80時間を超えたケースは、調査対象全体の2割程度ありました。業種別では情報通信、学術研究および専門・技術サービス、運輸・郵便の残業の多さが目立ちました。 政府の改革を受けて、こうした長時間労働はしだいに改善されることでしょう。そしてテレワークの広がりにより、私達の今までの生活スタイルはガラっと変わる可能性もあります。 テレワークは政策の追い風だけでなく、投資テーマとしては比較的新しい切り口のため、有望銘柄を発掘できるチャンスがあるのも魅力です。近い将来をイメージしながら銘柄を選別してみてください。政府から抜本的な政策が打ち出される前に、頭の体操を進めておくことが、投資の秘訣のひとつです。   国別の労働時間ランキングの上位   国別の労働時間ランキングの下位 ※出所:経済協力開発機構(OECD)の主要統計「Hours worked」   (編集:QUICK Money World)

中国の不動産市場、「緊縮すれば死」を防げ! 連休中の住宅販売が急減

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、香港の現地記者ジェスロ・オー氏がレポートします。 (※この記事は2016年10月24日にQUICK端末で配信した記事です。) 中国は一貫して計画経済を実施しており、政府は依然として多くの重大な経済活動の各所に介入している。しかし、政府による経済調整には、薬の処方を間違えたり、薬効が強すぎたりするという弊害がしばしば発生する。 緩和すれば乱れ、乱れれば緊縮し、緊縮すれば死んでしまう 中国人の間で政府の経済と投資市場の調整についての常套句がある。それは、「緩和すれば乱れ、乱れれば緊縮し、緊縮すれば死んでしまう」。つまり、中国人の投資に対する態度は成熟したものではなく、市場である種の投資商品への評価が高まると、冷静な判断もせずに一斉に同じ対象に投資をする。しかし、市場が過熱して政府が調整に乗り出すと、一気に谷底に落ちていく。 株式市場がまさにそれだった。最近、急速に過熱している不動産市場も、これと同じである。しかし、「緩和すれば乱れ」のあと、各地で不動産バブル抑制のため再び「乱れれば緊縮し」ということで、購入制限や住宅ローン制限が相次いで打ち出される。そうして「緊縮すれば死んでしまう」という歴史が繰り返される可能性がある。 中国政府のスローガンは「新常態」 中国経済は近年、成長が減速しており、中央政府はすでに早い時期から低成長率を「新常態」とするスローガンを打ち出し、経済成長に対する市場の期待を引き下げようと試みている。輸出という牽引力が不足する中で、不動産市場が経済成長を推進し、雇用を確保する重要な一環となっている。 (出所:QUICK) このため、中国政府は昨年、供給面で過剰生産能力を削減する改革を打ち出すと共に、不動産市場で売れ残り物件の販売を大きく推進し、不動産市場への投資によって経済を刺激することを期待した。中央政府による売れ残り物件の販売奨励を受け、土地売却を主要な収入源とする地方政府は喜んでこの政策に合わせて住宅購入の制限を緩和し、銀行による住宅ローン提供を奨励。これによって、不動産市場で需要が拡大し、価格は高騰した。中国には投資対象が不足しており、また国民に投機心理が充満していることから、資金が相次いで不動産投機に投じられ、不動産市場のバブルがますます拡大した。 中国統計局の発表によると、過去1年で住宅価格が30%以上も上昇した中国の都市は少なくない。廈門、合肥などの「二線」都市(地方中核都市)では上昇幅は40%に達しており、異常な情況にある。しかし、不動産価格が上昇すると同時に、中国の一般市民の間では、住宅購入難に対する不満がますます高まっている。現在、中国の「一線」都市(主要大都市)、「二線」都市の不動産価格は、すでに現実的な購買力から大きくかけ離れている。特に若い世代ほど、住宅購入に希望が持てず、安住の手段がない。そうした若い世代がどうやって将来身を立てて家庭を作れるというのか--。こうして、このような不動産バブルが社会の不安定要素となっている。 最近、浙江省杭州市である新築物件の販売が始まると、購入希望者が先を争って押しかけ、押し合いの末に販売センターのドアを倒してしまうという場面の画像がネット上で広まり、大いに話題になった。これは、不動産投機の熱狂が異常な状況にまで高まっていることを示す場面として、不動産市場の狂乱に警鐘を鳴らすものとなっている。 中国各地方政府は住宅購入や住宅ローンを制限 各地方政府は、不動産従来は不動産市場の繁忙期だった「金九銀十(1市場過熱の危機に気付いており、10月1日からの中国の国慶節連休の間に、約10都市で住宅購入や住宅ローンの制限措置が打ち出された。不動産投機ブームを冷却化させようとする制限措置を打ち出す都市は、ますます増えている。市場で突然、調整の風が巻き起こると、年のうちでも販売が伸びる時期とされる9月・10月)」に突然失速した。多くの都市で不動産市場が急速に冷え込み、崖を転がり落ちるような取引件数の減少が発生したのだ。南京市では、国慶節連休中の住宅販売が前週に比べて60%近く減少。買い手が模様眺めに入っている。投機ブームが終息し、短期内に価格を釣り上げて売り抜こうという投機家の皮算用は、すでに通用しなくなっている。このため、資金を不動産市場に投入しようという意欲が低下しており、取引はさらに縮小している。 中国の多くの都市が相次いで調整政策を打ち出していることから、不動産市場はすでに熱狂から模様眺めに転じている。ただ、中国の株式市場のように、不動産市場にも「緊縮すれば死んでしまう」という現象が起きるかどうかは、さらに観察が必要だ。中国の不動産市場には膨大な在庫があり、消化する必要がある。しかし、もし不動産市場が再び寒風に見舞われることになれば、低迷はかなりの期間続くことが予想される。 (出所:中国統計局) 本情報は、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的としたものではありません。有価証券その他の取引等に関する最終決定は、お客様ご自身のご判断と責任で行って下さい。株式会社QUICKおよび情報提供元であるジェスロ・オー氏は、本情報を利用して行った投資等により、お客様が被った、または、被る可能性のある直接的、間接的、付随的または特別な損害またはその他の損害について、一切責任を負いません。

「英経済は来年秋に混乱」? ロンドンで日経FT共同セミナー

来年秋に英経済は混乱に見舞われるだろう――。 10月28日に英ロンドンで開かれた日本経済新聞社とフィナンシャル・タイムズ(FT)の共同セミナーで、FTのエグゼクティブ・エディター、マイケル・ストット氏はこう予想した。 英国では2016年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が前期比0.5%増と、6月下旬に欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を決定した後も足元の景気は底堅さを維持している。 もっとも、EU単一市場への残留より移民制限を重視する「ハード・ブレグジット(強行離脱)」になるとの見方から通貨ポンドが急落するなど経済の先行き不透明感は根強い。ストット氏は「現在のメイ政権は強行離脱を進めるとみられ、通貨ポンドの一段の下落や物価上昇、失業率の上昇などを引き起こすだろう」と指摘した。 セミナーは日経ヨーロッパ社が主催し、大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)、日本取引所(JPX)グループ、QUICKが協賛した。EYのグローバル・ヘッド・オブ・タックス・ポリシー、クリス・サンガー氏は「企業は様々なシナリオを策定し、経営戦略の優先度を柔軟に変更できるようするべきだ」と語った。

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