7割超が「原油安は日本株にプラス」と回答(2月調査)

1月後半にかけて原油価格は下落の一途をたどりました。原油相場の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)の価格は、昨年6月20日時点で1バレル=107ドル26セントだったのが、今年1月28日には44ドル台まで下落。急激な原油価格の下落は、米シェール業界や資源国に与える影響が懸念され、株価は日米ともに調整局面に入りました。 実際、原油安はどのように株式相場に影響を与えるのでしょうか。QUICKは証券会社や投信投資顧問会社、銀行など日本の金融機関に勤める275名を対象にした今回の調査(2月3~5日、173名から回答)では、「原油安が世界経済に与える影響」について特別調査を実施。「全体としてプラス」と答えた回答比が、全体の68%と7割近くを占めています。「日本株に与える影響」についても、「全体としてプラス」という回答比が73%を占めました。 確かに、原油安は実体経済にとって好悪両面の影響があります。米国のシェール業界にとっては生産コスト割れから業績マイナス要因になっている一方、ガソリン価格の下落は消費を押し上げる要因になっているのも事実です。実際、米国における消費マインドを示すミシガン大学消費者信頼感指数の1月速報値は、2004年1月以来、11年ぶりの高水準になりました。 市場が警戒する原油安のマイナス要因とは? 原油安が世界経済に与える影響は実際どうなのか。今回のQUICKの調査内容をもう少し深堀りしてみましょう。 株式市場関係者による今後の原油価格の見通しは、「一段安」が全体の2%しか無いのに対して、「一進一退」の回答比が全体の63%を占めました。「急反発」は4%にとどまり、「じり高」が20%を占めているものの、総じて現状維持というの見方が大勢です。 今後の株式市場への影響を考慮すると、ネガティブ要因にも目を向けておく必要はあるでしょう。原油安が「原油関連企業の設備投資・雇用の減少」について「やや懸念」との回答が64%、「デフレマインドの拡大」に関して「やや懸念」が51%、「産油国の信用不安」について「やや懸念」が70%を占めています。原油安が株価や景気に及ぼす影響については、これらの懸念が今後、一段と強まるのかどうかという点が問われていきます。 冒頭でも述べた通り、「原油安が日本の株式市場に与える影響」については、「全体としてプラス」という回答比が73%を占めました。現状、株価にとっては調整材料となっている原油安ですが、国内の株式市場関係者の見方はかなり楽観的ということになります。 逆に、金融関係者の多数が原油安について楽観的ということは、原油価格が今後、急激に戻していく局面があれば、それが悲観材料となり、株価の上値を抑える恐れが出てきます。原油の急変動に対する市場関係者の心理変化については、今後も注意を向けておいた方が良いでしょう。 新興市場に対する見通しは厳しく さて、調査恒例の日経平均株価の予想ですが、1カ月後の日経平均株価の見通しは、前月に比べて上方修正されました。ちなみに前回調査における1月末予想は1万7291円でしたが、実際の日経平均株価の月末終値は1万7674円。予想に比べて383円も上の水準で、1月の取引を終えています。 3カ月後の単純平均は1万8104円、6カ月後の単純平均は1万8237円となり、徐々に上昇トレンドを描くとの見方が主流となっています。 とはいえ、個人投資家が多く参戦している新興市場については、まだ様子見ムードが強いようです。日経ジャスダック平均の予想数値は、1カ月後、3カ月後、6カ月後の見通しが、いずれも下方修正されました。ジャスダック市場は昨年1月からの調整局面から抜け出しておらず、当面、上値が重い展開が続きそうです。 注目している株価変動要因としては、「為替動向」や「政治・外交」が低下する一方、「海外株式・債券市場」が上昇。「景気・企業業績」もわずかながら上昇しました。また、今後6カ月程度の想定で、最も注目している投資主体としては、「企業年金・公的年金」の上昇が目立った半面、「個人」や「外国人」がやや低下しています。 日本株への投資スタンスはやや前向きに? 資金運用担当者を対象にした調査では、国内株式のウエートについて、当面のスタンスとしては、「かなり引き上げる」、「かなり引き下げる」が前月に引き続き0%であったのに対し、「やや引き上げる」、「現状を維持する」が微増。「やや引き下げる」という回答比が低下しました。この点から、資産運用担当者の日本株に対する予想は、若干ではありますが、前向き方向だと考えられます。 なお、セクター別投資スタンスについて、「オーバーウエート」(指数などの基準よりも多めに組み込む)の回答比から「アンダーウエート」(指数などの基準よりも少なめに組み込む)を差し引いた数字の前月比では、「電機・精密」、「自動車」、「素材」が大きく上伸。これに対して、「公益」、「医薬・食品」、「金融」がマイナス幅を広げました。

追加緩和策「ETF増額」が7割、「対象拡大」も6割超(1月調査)

国内長期金利(10年物国債の利回り)は年初から急低下。ついに0.3%を割り込み、一時は0.2%を割り込む水準まで低下(債券価格は上昇)しました。その後、0.315%まで跳ね上がったものの、1月末にかけては再び0.3%を割り込みました。2年物、5年物の国債利回りもマイナス圏に落ち込む(マイナス金利)など、債券市場では徐々に追加金融緩和を織り込む動きが目立ってきました。QUICKでは、1月27日から29日までに証券会社および機関投資家の債券担当者222名を対象にしたアンケート調査を実施。142名から回答を得ました。 今回の特別調査として、日銀の追加金融緩和とその中身について、尋ねてみました。 追加緩和期待の背景は原油安、緩和タイミングは「今年後半」との見方 黒田日銀総裁は就任当初、「2015年度を中心とする期間に+2%の物価上昇率を実現する」としてきましたが、日銀は2015年度の物価見通しを、従来よりも0.7%低い+1%としました。 物価上昇率が2%に達しない理由のひとつは、昨年6月から急速に進んだ原油安があります。原油価格の指標となるWTIは、昨年6月20日に1バレル=107.26ドルを付けましたが、その後、下落トレンドを辿り、1月28日には44.45ドルまで値下がりしました。結果、日本国内の物価上昇を押し下げることになりました。 日銀の黒田総裁は、「2%の物価安定の目標の達成が難しくなるというような状況になれば、当然、躊躇なく金融政策を調整する」としており、このまま原油価格の下落に歯止めが掛らず、物価上昇率の低迷が続く場合には、更なる量的・質的金融緩和が行われる可能性を示唆しています。 問題はタイミングです。果たして、いつの時期に追加金融緩和を実施するのか。アンケートによると、10~12月が30%、7~9月が21%で、今年後半と見ている市場関係者が全体の半数を超えました。一方、1~3月と見る向きはわずか2%で、4~6月も18%足らず。早期の追加金融緩和に関しては、慎重な見方が大勢を占めています。 緩和策として「国債以外」の見方が優勢に 仮に追加金融緩和が行われるとしたら、タイミングと共に注目されるのは、「どのような手段で金融緩和が行われるのか」ということです。この点については、「ETF(上場投資信託)などの買い入れ増額」が全体の72%を占めました(複数回答可)。次いで「買い入れ対象資産拡大(国内資産)」が64%で、「長期国債買い入れ増額」が46%でした。買い入れ資産の拡大とは、現状の国債やETF以外にも、購入対象を広げるということです。 日本国債は日銀の買い入れの影響で、前述の通り、2年物と5年物の国債で平均落札利回りがマイナスになっています。どの年限までマイナス金利が容認されるのか、という質問に対しては「5年超~7年以下」が47%、「5年以下」が41%となりました。7年超という回答は計13%にとどまりますが、長期も含めてマイナス金利になる可能性が浮上しているほど、日本国債のマーケットは異常事態に陥っている恐れがあります。今後、日銀が量的・質的金融緩和を実施するに際しては、長期国債以外の資産を買い入れる可能性が高まっていると見るのが妥当でしょう。 なお、マイナス金利は個人の資産運用にも影響を見せはじめています。財務省は昨年末に予定していた2年物国債(348回)の個人向け窓口販売の募集をとりやめると発表しました。金利低下で応募者利回りがマイナスとなり、需要が見込めないと判断したためです。募集を停止するのは10月以降、3回連続となっています。 引き続き政府・日銀への関心度合いが高い 長期金利の下方圧力が強まるなか、現時点で想定されている1カ月後、3カ月後、6カ月後の長期金利見通しも、前回調査に比べて下方シフトしました。1月調査分では、1カ月後の2月末時点で、10年国債利回りの単純平均は0.277%。その後、4月末、7月末にかけては0.3%台を回復していく見通しですが、目先の長期金利は0.3%を割り込むとの見方が高まっています。 今後、6カ月程度を想定して、債券価格の変動要因で注目されている要因としては「海外金利」の上昇が目立つ半面、「債券需給」が大きく低下しました。 また投資主体の注目度としては、全体的に大きく上昇した投資主体はありませんでしたが、相変わらず高い注目度を維持している投資主体としては、「政府・日銀のオペレーション」です。この点からも、現在の債券市場が、いわゆる官製相場になっていることが伺えます。 一方、注目度が後退した投資主体としては、「都銀・信託銀行(投資勘定)」や「外国人」が目立っています。 国内債券市場は当面落ち着いた展開に ディーリング部門を除く資産運用担当者へのアンケートで、「現在運用しているファンドにおいて、国内債券の組入比率が通常の基準に比べてオーバーウエートか、アンダーウエートか」を質問したところ、「ニュートラル」という回答比が、前月調査の55%から61%へと上昇しました。また、「ややオーバーウエート」、「ややアンダーウエート」が双方とも低下しており、マーケットでは様子見ムードが強まっています。 当面のスタンスとしては、「現状を維持する」が84%から86%に上昇すると共に、「ややオーバーウエートする」という回答も上昇しています。とはいえ、2%から4%に上昇しただけなので、需給面で大きなインパクトにはつながらないでしょう。当面、市場参加者はポジションを大きく傾ける状況になく、国内債券市場は落ち着いた展開が続きそうです。

2015年の市場予想、1ドル=126円台までの円安を見込む(1月調査)

米利上げは「今年6月」が有力、年末にかけて1ドル=126円台予想 外為市場の注目点は、引き続き、米国がいつから利上げに転じるのか、ということでしょう。金利差が開くと為替が動きます。より金利の低い通貨が売られる一方、より金利の高い通貨が買われます。日本は当面、量的金融緩和政策を継続せざるを得ず、一方で米国は、すでに量的金融緩和政策を終え、次の段階として利上げのタイミングを図っています。米国が利上げに転じれば、日米金利差が広がるため、ドル高になる可能性が高まります。 今回、金融機関、運用会社および事業法人の外為担当者213名(回答者は83名)を対象に行われた調査(2015年1月13~15日に実施)によると、米FRBが利上げに踏み切る時期としては、2015年6月という回答が全体の40%を占めました。ついで同年9月が18%、同年10月が13%となっています。FRBが利上げに踏み切るとしたら、米国景気がいよいよ本格回復軌道に乗っていることが最低条件ですから、今後、発表される米国の経済指標には要注目です。 これに対して、日銀の金融政策は当面、緩和継続と見る向きが大半です。「緩和縮小」という回答は0%。「年内追加緩和なし」という回答が最も多く、全体の41%を占めていますが、「2015年10~12月に追加緩和」という回答が23%を占めました。仮に追加緩和が行われなかったとしても、米国の利上げムードが濃厚なので、それを加味すれば、ドル高へと触れる可能性が高いと見るべきでしょう。 では、為替レートは今後、どのように動くのでしょうか。2015年の為替相場の見通しについても、アンケート調査を実施しています。 ドル円に関しては、最高値が単純平均で113円15銭。最安値が126円54銭となりました。最高値を付ける時期は2015年2月で、最安値が同年12月。円ドルは年末にかけて、円安基調を描くという見方が大勢を占めています。 また、円ユーロについては、最高値が129円83銭で、最安値が146円50銭。時期的には最高値をつける時期の見方が割れており、2月と12月に付けるという回答数が同数。最安値も12月と見る向きが多く、それに近い数字で1月最安値という回答も多く見られました。 目先のドル円予想は円高方向にシフト 年末にかけて円安予想が大勢を占めていますが、目先の為替相場については、やや円高方向にシフトしています。 ドル円相場予想を単純平均(金融機関の外為業務担当者)したもので見ると、昨年12月時点では、今月末119円72銭、3カ月後120円51銭、6カ月後122円06銭でしたが、1月調査分ではそれぞれ117円76銭、119円78銭、121円43銭となりました。年初、円ドルが120円台から116円台まで円高が進んだことも、市場参加者の円高ムードを加速させたようです。 変動要因について、市場参加者(金融機関・外為業務担当者)の注目度を通貨別にみると、円の変動要因は「金利/金融政策」が上昇する一方、「当局の姿勢(介入含む)」が低下しました。国内長期金利は0.2%台まで低下しており、金利低下余地がほぼゼロに近づくなか、さらなる金融緩和政策を打ち出してくるのかどうかに注目が集まっています。また、116円台まで円高が進んだとはいえ、過去の流れから見ればまだ円安トレンドは続いており、当局の介入(円売り介入)が行われる可能性は極めて低いため、当局の姿勢に対する注目度が後退したと考えられます。 ドルに対する注目度では、「金利/金融政策」が高まる一方、「景気動向」が低下。米国の景気回復トレンドが明確になるなか、市場参加者は景気云々以上に、今後、FRBがどこで利上げに踏み切るのかという点に、関心が集まっています。 ユーロは「金利/金融政策」への注目度が上昇 また、ユーロについては、「金利/金融政策」への注目度が高まっています。ユーロ経済圏は景気低迷が長引いており、物価はデフレ気味で推移。こうしたなか、ECB(欧州中央銀行)が近々、量的金融緩和に踏み切るとの見方が、市場参加者の間で優勢になっています。1月15日、スイス国立銀行が1ユーロ=1.20フランに設定していたスイスフランの対ユーロでの上限を撤廃すると発表したのも、ECBによる量的金融緩和がほぼ確実に行われると判断しての行動でした。 ちなみに、スイス国立銀行のユーロ上限撤廃によって、スイスフランは対ユーロで急騰。あまりのサプライズに、スイスフランのポジションを持っていたFX投資家が大損を被っただけでなく、FX会社やその他の金融機関などでも、かなりの損失を出したところがありました。 なお、向こう6カ月間、各通貨が対円でどのように推移するかという問いについて、上昇(=円安)の回答比から下落(=円高)の回答比を差し引いた変動予想DIの数字は、米ドルDIのプラス(=円安方向の予想が優勢)幅が縮小する一方、ユーロDIはマイナス(=円高方向の予想が優勢)幅が拡大。件のスイスフランDIについては、前月までのプラスから、今月はマイナスに転じていました。 通貨別の組入比率はユーロのアンダーウエートが目立つ 外貨建て資産の組入比率について当面、どのようなスタンスで臨むかという問いに対しては、前月と同じ結果となり、「オーバーウエート」とする回答比が43%、「ニュートラル」という回答比が57%を占めました。また為替ヘッジについては、「現在のヘッジ比率を維持」が73%を占めており、大きな動きは見られませんでした。 なお通貨別で見た当面のスタンスは、オーバーウエートからアンダーウエートを引いたDIで見ると、米ドルDIはオーバーウエートが高く、ユーロDIはアンダーウエートが高いという結果になりました。この点からも、ユーロに対する売り圧力が当面続くと考えられます。 ※フルレポートについては、QUICKの端末サービス(有料)や日経テレコン(有料)でご確認できます。 QUICKのサービス一覧 日経テレコン

株価予想はやや下方修正、企業業績は2ケタ増益へ(1月調査)

2015年の株式相場は軟調な滑り出しとなっています。年明け1月5日の日経平均株価は昨年末比42円安、翌6日は525円の大幅安と、市場参加者のムードはやや弱気に傾きつつあります。 1月6日から8日にかけて、証券会社および機関投資家の株式担当者272名(回答者数182名)を対象に行われたQUICKの月次調査(株式)は、こうした弱気ムードを反映した結果になりました。 市場のムードはやや弱気 目先の日経平均株価の見通しは、12月調査分に比べて、やや下方修正されました。3カ月後予想は、12月調査分が1万8066円でしたが、1月調査分では1万7910円となり、目先の相場について、前回と比べると若干、弱気ムードが垣間見られます。 今後6カ月のうち、株価に影響を及ぼす変動要因の注目度としては、「海外株式・債券市場」が大幅に上昇したのに対し、「政治・外交」「為替動向」が大幅に低下しました。米国の株価が高値近辺で乱高下を繰り返すなか、欧州など他の国・地域への影響が懸念されています。また、米国では近々、利上げ観測も浮上しており、米国の利上げ実施が株式市場にどのような影響を及ぼすのかにも、注目が集まっています。当面、国内の株式市場を見るうえで、米国をはじめとする海外の株式、債券市場の動向は、外せないものになりそうです。 最も注目している投資主体としては、「外国人投資家」が前回調査の71%から81%に大幅上昇する一方、「企業年金・公的資金」が17%から11%に低下しました。 全体的に、国内株式市場に対しては、年初の大幅安もあってか、やや様子見ムードが強まっています。資金運用担当者を対象にした調査では、運用しているファンドの国内株式の現時点におけるウエートについて、「ニュートラル」という回答比が47%と最も高く、当面のスタンスについても「現状を維持する」という回答比が71%を占めました。また、現時点のウエートについては「ややアンダーウエート」という回答比が若干上昇したこと、当面のスタンスでも「やや引き下げる」が大幅に上昇するなど、若干ではありますが、ネガティブな見方が増えているのが気になるところです。 6割が2ケタ経常増益を予想、今年の最高値は1万9892円 今回の月次調査では、今年の企業業績予想や株式相場の見通し、コーポレートガバナンス・コードが株式市場に及ぼす影響などを伺いました。 まず2015年度の日本のGDP(国内総生産)成長率については、単純平均で1.45%という予想になりました。2015年央の為替レートは対ドルの平均が121.8円。対ユーロの平均が141.8円です。 また、企業業績については、2015年度の予想経常利益はおおむね増益と見る向きが多く、全体の64%が10~20%の増益を予想しました。次いで、1桁増益予想が29%、横ばいが4%となっています。 2015年の日経平均株価は、全体の平均値で見ると、最高値が1万9892円。最安値が1万6090円となりました。高安の時期については、最安値が1月、最高値が12月という見方が最も多く、国内株式市場は年末に向けて上昇トレンドを辿るというのが、マーケット参加者の中でコンセンサスを形成しつつあります。 コーポレートガバナンス・コードへの反応はおおむね歓迎 「コーポレートガバナンス・コード」については昨年12月12日、「コーポレートガバナンス・コード原案」が取りまとめられました。コーポレートガバナンス・コードとは、株主の権利やステークホルダーとの協働、情報開示の在り方、取締役会の役割など、上場企業が守るべき行動規範(コード)を示したもので、法的な拘束力はありませんが、このコードに同意するか、同意しない場合は、その理由を投資家に説明するように求められます。同コードの適用は2015年6月からで、今回のアンケートでは、上場企業がこのコードへの対応をどうするか、予想してもらいました。 結果は、「大部分の企業が形式的に受け入れるだけ」という回答が最も多く、全体の50%を占めました。次いで、「半分くらいの企業が積極的に受け入れる」の回答比が31%、「大部分の企業が積極的に受け入れる」の回答比が18%でした。 投資家にとって気になるのは、コーポレートガバナンス・コードの適用が株式市場に与える効果でしょう。これについては、「投資家からの信頼が増し株式市場にプラス」という回答比が53%でトップ。次いで、「影響なし」が33%、「企業業績が向上し株式市場にプラス」が8%となりました。

2015年の長期金利は年末にかけて上昇予測 物価予想は…(12月調査)

QUICKでは12月22日から25日にかけて、証券会社および機関投資家の債券担当者213名を対象(143名が回答)にしたアンケート調査を実施しました。 2014年の10年物日本国債利回りは年初、0.7%台からのスタートになりましたが、世界的に金融緩和の流れが続いたこと、10月末に質的・量的金融緩和の第2弾が打ち出されたことなどを受けて、特に秋口から下降ピッチが加速。12月25日には0.310%まで低下しました。 2015年後半にかけて世界的に金利は上昇へ こうした環境下で実施した2015年の金利予測アンケート調査。長期金利の指標となる10年物日本国債利回りが最低となるの時期は1月(最低値の単純平均は0.260%)、最高の時期は12月(最高値の単純平均は0.597%)という回答が最も多く、2015年後半にかけて、長期金利は上昇するという見方が大勢を占めました。 この傾向は日本だけでなく、米国10年国債利回り、ドイツ10年国債利回りにも見られ、いずれも1月最安値、12月最高値という回答が多くなっています。つまり、世界的に長期金利は2015年後半にかけて上昇トレンドを描くというのが、市場の見通しになっているわけです。 金利上昇のきっかけ:目先は「海外」…「日銀の出口戦略」も注目 日本の長期金利の低下トレンドが反転するきっかけとしては、「日銀の出口戦略」という回答比が最も高く、全体の58%を占めました。それに次いで、「海外金利の急上昇」が18%で2番目に多い回答比となりました。 ちなみに出口戦略に関して当面の注目点は、日銀の出口戦略というよりに比べ、米FRBの動向でしょう。市場関係者の間では、FRBが利上げに踏み切るタイミングとしては、4月ないし6月という見方が濃厚です。FRBが利上げに踏み切れば、米金利の上昇圧力となりそうです。 債券市場関係者は年末にかけて「金利上昇・株高・円安」予想 なお、参考として債券以外のマーケット見通しも聞いています。 日経平均株価の最安値時期は1月、最高値時期は12月という回答比が最も高く、ドル/円については、最安値時期が12月、最高値時期が1月という回答比が最も高くなりました。つまり国内マーケットに関していえば、2015年末にかけて長期金利上昇、株高、円安が進むというのが、マーケット関係者の見通しです。 また昨今、ニュースなどでその急落が報じられている原油価格ですが、マーケット関係者の見通しとしては最安値時期を1月、最高値時期を12月とする見方が高くなっていますが、同時に3月最安値、12月最高値という回答比も、ほぼ拮抗しています。原油の最安値時期に関しては1~3月というように幅を持たせて考えておくと良いでしょう。 原油安に関しては、資源国であるロシアの経済情勢悪化、ルーブル暴落、グローバルマーケットへの影響が懸念されるだけに、今後の動向は注意深く見守っていきたいところです。 今後6か月の長期金利見通しは下方シフト さて、目先6か月間にかけての国内長期金利に関しては、10年物国債利回りで11月調査分に比べ、12月調査分はさらに下方シフトされました。 ちなみに10月調査時点における1月の10年物国債利回り予想は、単純平均で0.522%でしたが、12月調査時点では0.336%まで下方修正され、国内長期金利の先安観が一段と強まる結果になりました。 今後6か月程度を想定した債券価格の変動要因としては、「物価動向」、「債券需給」に対する注目度が上がった反面、「海外金利」の注目度が低下しました。 前述したように、原油価格動向は1~3月にかけて最安値を更新するというのが、マーケット関係者の見方。エネルギー価格が消費者物価に及ぼす影響は無視できず、今後、エネルギー価格がもう一段下落した場合、ディスインフレ観測から長期金利がもう一段、低下する可能性も否定できません。目先の長期金利動向を左右する要因として、物価動向は要注目です。 また、注目している投資主体としては、「政府・日銀のオペレーション」が前回調査に引き続いて上昇。さらに「外国人」の動向に対する注目度も高まっています。 逆に低下しているのは「年金資金」。GPIFの運用見直しで国内債券の投資比率が引き下げられ、マーケットに及ぼす影響力が低下していることを意味しています。 物価上昇目標達成は遠くになりけり ディーリング部門を除く資産運用担当者に、現在のポートフォリオ状況ならびに今後の投資方針を聞いたところ、国内債券の組入状況について現状、基準に比べて「ニュートラル」とした回答比が低下する一方、「ややオーバーウエート」と「ややアンダーウエート」という2つの回答比が上昇。マーケット動向に対する対応が分かれました。 一方、これからの投資スタンスについては、国内債券の組入比率を「やや引き上げる」とした回答比は2%に低下。これに対して、「やや引き下げる」とした回答比が13%に上昇しました。0.3%台まで低下した長期金利の水準からすれば、ここからもう一段の低下余地は非常に狭くなっており、中長期的なスタンスで運用する資産運用担当者としては、今後の長期金利上昇を見据えた投資スタンスに切り替わりつつあることを示唆しています。 なお、今後の物価動向に関する見方は、消費税を含むCPI(消費者物価指数)コアで、今後1年間平均の変化率はプラス1.51%となり、2014年10月調査分、同年11月調査分に比べて低下傾向をたどっています。アベノミクスでは消費者物価指数2%という目標を掲げていますが、その可能性はかなり遠ざかったと見るマーケット関係者が増えているようです。 ※フルレポートについては、QUICKの端末サービス(有料)や日経テレコン(有料)でご確認できます。 QUICKのサービス一覧 日経テレコン

市場予想はさらに円安シフト 原油安で緩和期待高まる?(12月調査)

QUICKは12月15日、「QUICK月次調査(為替)」の12月調査(12月8~11日実施、金融機関や事業法人の為替担当者90名が回答)を発表しました。今回は、金融政策を左右しかねない原油相場の先行きについて、為替市場関係者を対象にアンケートを取りました。内容を見る限り、原油価格の下落はまだ続く可能性がありそうです。 原油安で更なる緩和を強いられる日銀 原油価格の急落に歯止めがかかりません。指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)の価格は、12月12日時点で1バレル=60ドルを割り込み、57ドル台まで下落しました。 QUICKが「月次調査(外為)」において、今後の原油価格の動向について市場参加者の見通しを調べたところ、「今後6カ月程度の原油先物相場(WTI)」について、「一段安」が12%、「じり安」が41%となり、全体の53%が続落予想となりました。上昇を見込む向き(じり高、急反発)は合計で12%にとどまっています。 原油価格の下落で気になるのが、今後の物価の動きです。10月の消費者物価指数は、総合で2.9%となっていますが、消費増税分に該当する2%を単純に差し引くと0.9%となり、物価目標である2%には遠く及びません。 物価上昇に一服感が強まっている理由は、物価の押し上げ効果となる円安が進む一方で、原油価格が急落しているためです。原油価格続落の見通しを受け、「日銀金融政策の次の一手をどう予想しますか」という問い対しては、72%が追加緩和と答えました。 4~6月以降が金融政策の焦点…日米の緩和の差が拡大? 日銀の追加緩和の時期としては2015年4~6月という答えが32%と最も高く、緩和縮小に関しては65%が2017年以降と答えていることから、金融緩和は当分、続くと見るのが妥当のようです。 一方、FRBの利上げのタイミングとしては、2015年4~6月が30%、同年7~9月が35%を占めました。このまま米国の景気が堅調に推移すれば、金利差拡大から米ドルへのシフトが進む公算大です。 なお、ECBによる国債購入を含む量的金融緩和のタイミングについては、2015年1月導入が38%で最多。同年2月導入が11%で、同年3月導入が34%を占めており、いずれにしても年明け早々に、ECBによる量的金融緩和が実施されるという見通しが多数となりました。 対円ではドル高の一方、ユーロは横ばい続く見通し 毎月実施の為替相場予想は、12月末のドル/円で、単純平均が1ドル=119円72銭(金融機関の外為業務担当者)となり、前回調査の115円07銭に比べて円安方向にシフトしました。 ▼ドル円相場予想(金融機関の外為業務担当者) ちなみに、3カ月後の2015年2月末時点では120円51銭、6カ月後の2015年5月末時点では122円06銭という予想になっています。米国が利上げのタイミングを模索する一方、日本は当面、金融緩和が続く見通しであり、金利差拡大の可能性がドル高予想につながっています。 一方、ユーロ/円はほぼ横ばいです。2014年12月末の単純平均予想値は1ユーロ=146円72銭ですが、3カ月後の2015年2月末時点は146円53銭、6カ月後の2015年5月末時点が146円26銭で、大きな動きは見られません。前述したように、年明け早々にもECBは量的金融緩和を導入する公算が高いだけに、ユーロと円は、いずれにもポジションを傾けにくい状況が続くことになりそうです。 米ドルに強気、資源国通貨に大幅弱気 向こう6カ月間で、各通貨の対円のレートが上昇するか、それとも下落するかを、変動予想DIで見てみましょう。変動予想DIは、「上昇する」という回答比から「下落する」という回答比を差し引いて求めるものです。 12月は米ドルが61となり、若干プラス幅が微増しただけに止まりましたが、水準的には高く、今後半年にわたって米ドル高になる可能性が高いことを示唆しています。 一方、ユーロはややマイナス幅が縮小したものの、マイナス39であり、当面、弱含みでの推移が予想されています。 また、マイナス幅が大きく拡大したのがロシアルーブルで、11月のマイナス52からマイナス73へと急落。南アフリカランドも、11月のマイナス20からマイナス30に急落しました。いずれも資源国通貨であり、昨今の原油価格や金価格といった資源価格の下落が、為替レートの見通しにも影響を及ぼしています。 外貨建て資産の組入比率に関する当面のスタンスは、「オーバーウエート」が43%となり、前月に比べて14ポイント低下する一方、「ニュートラル」が14ポイント上昇して57%になりました。 通貨別に組入比率の当面のスタンスを聞き、DI(プラスがオーバーウエート優勢)としたところ米ドルは前月と同じプラス71。半面、ユーロはマイナス43、新興国通貨もマイナス50と、それぞれ前月からマイナス幅が拡大しました。資源国通貨はプラスの8と前月のゼロから上昇。一部で底値と見た買いが入ったのでしょうか。いずれにしても、金融政策と資源価格が通貨のポートフォリオに影響を及ぼしているのが見て取れる結果となりました。 ヘッジの動きに変化も… 為替ヘッジに関しては、「ヘッジ比率を上げる」が前月比横ばいであるのに対し、「ヘッジ比率を下げる」が前月の17%から23%に上昇。外貨建て資産は円安が進むと、円建ての評価額が上昇しますが、逆に円高になると為替差損が発生します。「ヘッジ比率を下げる」との回答が増えていることから、為替のプロが円安を見越していることが伺われます。 QUICKのサービス一覧 日経テレコン

「与党勝利」見込む市場、株価予想も1万8千円台に上振れ(12月調査)

株式投資家にとって目下、最大の関心事は、12月14日に行われる衆議院議員の総選挙でしょう。 今回の争点は、2012年12月からスタートした「アベノミクス」に対する信を問うというもの。475議席を巡る戦いが繰り広げられるなか、自民党単独で300議席超を獲得するという下馬評も流れています。与党の勝敗ラインは270議席。クリアできなければ、マーケットに波乱が起こるのは必定です。 アベノミクスに対する評価は「保留」 市場関係者は今回の選挙結果をどのように予測しているのでしょうか。12月2日から4日にかけて、証券会社および機関投資家の株式担当者271名(回答者数176名)を対象に行われたQUICKの月次調査(株式)で、特別質問として尋ねてみました。 まずアベノミクス全体に対する評価は、「判断は時期尚早」という回答が全体の57%を占め、まずは様子見ムード。ただ、「成功に向かっている」が34%で、「失敗の可能性が高い」は9%に過ぎません。マーケット関係者に対しては、辛うじて「そこそこ良い」という評価のようです。 アベノミクスに対して積極的に「成功」という評価が下されないのは、第三の矢に対する評価が低いからでしょう。成長戦略に対する評価は、「積極的に評価する」と「ある程度評価する」を合わせて46%。対して「あまり評価できない」と「全く評価できない」が合わせて52%を占めました。 野党は今回の選挙で、成長戦略に対する現状評価を争点にしてくる可能性が高く、安倍首相がこれに対して「成長戦略は軌道に乗りつつある」ことを有権者にどう印象づけられるかが、勝敗を決するといっても過言ではありません。 ちなみに、消費税率再引き上げ延期に対する評価は、「積極的に評価する」と「やむを得ない」を合わせて80%が、評価の意向を示しています。 勝敗ラインを超えた議席上積みが焦点 さて、気になる総選挙ですが、マーケット関係者の票読みは、圧倒的に与党勝利を見込んでいます。与党勝敗ラインである270議席を確保して与党が勝利を収める確率を株式市場関係者に聞いたところ、単純平均は84%強(最頻値は90%)となりました。 ただ、「自民党単独300議席」という下馬評が出ているだけに、たとえ与党勝利でも、270議席程度の確保では、逆にマーケット関係者の間に失望感が広まる恐れがあります。選挙結果がマーケットから前向きに受け止められるかどうかは、270議席からどこまで議席を上積みできるかに左右されそうです。 前回高値に迫る日経平均株価、予想平均値は1万8000円超え 選挙結果という不透明要因はあるものの、株式相場自体は堅調です。1カ月後の日経平均株価の予想は、単純平均で1万7919円。11月調査が1万7126円だったので、大幅な上方シフトとなりました。 また、3カ月後の2015年2月末時点の日経平均株価は1万8053円予想で、大台乗せ。さらに6カ月後の2015年5月末時点は1万8493円予想となっており、来年前半にかけて、株価の見通しは強気になっています。 ちなみに、この原稿を書いている12月8日時点で、日経平均株価は1万8000円の大台に乗せてきました。1万8000円台の回復は、2007年7月24日以来、7年4カ月ぶりのこと。2007年2月26日につけた前回高値の1万8300円まで、あと一歩というところまで迫ってきました。 今後、6カ月程度を想定した場合の注目材料としては、「景気・企業業績」、「政治・外交」の指数が上昇する一方、「内部要因・市場心理」、「金利動向」、「為替動向」が低下。「海外株式・債券市場」がほぼ横ばいとなりました。 また、最も注目している投資主体としては、「個人投資家」と「事業法人」の指数が上昇する一方、「投資信託」や「金融法人」が低下しました。前回調査に比べて指数的には低下したものの、「企業年金・公的資金」は72.7と高い水準を維持。 この指数は50を超えると、株価にとって上昇インパクトになるとみなされるので、相変わらずマーケット参加者の間では、企業年金や公的資金に対する買い期待が強いことを意味しています。 ファンド運用者のスタンスは意外と慎重? 自社資金や年金運用の担当者を対象に、今後の日本株の組入状況を聞いたアンケートでは、比較的慎重なスタンスが垣間見られます。 現状のポートフォリオについて、「かなりオーバーウエート」、「ややオーバーウエート」を合わせたオーバーウエート比率は、11月調査時点では52%。これに対して12月調査時点では45%に低下しました。この間、ニュートラルは41%から46%に上昇。株価は上昇傾向にありますが、全体で見ると株価の上昇に対して冷静なスタンスを維持しています。 また当面のスタンスについても、「かなり引き上げる」と「やや引き上げる」を合わせた回答比は、11月調査時点の30%から、12月調査時点では25%に低下。「現状を維持する」が、67%から70%に上昇しています。 11月調査時点では0%だった「かなり引き上げる」の回答比が、5%に上昇したことは、マーケットに強気筋が回帰しつつあることを伺わせますが、同時に「やや引き上げる」が30%から20%に大きく低下しており、総じて見れば、ファンド運用者の見方は慎重であることが分かります。

消費増税延期は「やむを得ない」6割、与党勝利「80%」(11月調査)

QUICKが毎月行っている債券月次調査が、衆院解散後の11月25日から27日にかけて行われました。解散にともない、第47回衆議院議員総選挙が12月14日に施行されます。今回の月次調査では、これまでのアベノミクスに対する評価、衆院選挙の与党勝利の確率などについて、証券会社や銀行、投信投資顧問などの債券市場関係者にアンケート調査が行われました。あくまで債券市場からの声ですが、今後を占ううえで参考となるデータも見えてきました。 増税延期の評価「やむを得ない」が6割弱 アベノミクスがスタートして丸2年。「三本の矢」のうち、第三の矢に当たる成長戦略の行方がまだ見えないなかでの総選挙になるだけに、有権者がどこまで与党自民党を支持するのか、気になるところです。 現状、アベノミクスに対する評価としては「判断は時期尚早」という冷静な見方が大勢を占めました。また、解散総選挙と共に、本来なら2015年10月に予定されていた消費税率の再引き上げも延期と決まりましたが、それに対する評価は、57%が「やむを得ない」と回答しています。 今後、気になるのは12月14日に施行される総選挙の行方です。与党勝利の確率は79.9%と高く、270議席とされる与党勝敗ラインは確保できるとの見方が過半数を占めました。その意味では、安泰といえるでしょう。 与党敗退という想定外シナリオは株安、円高を加速させる? ただ、270議席という勝敗ラインを割り込んだ場合、特にマーケットに対してどのような影響が及ぶのでしょうか。日本長期金利、日本株式、円ドル相場に分けて、それぞれの反応を聞いたところ、次のような結果になりました。 <日本長期金利> ほぼ影響はないか、若干上昇する可能性あり。影響なしという回答比は全体の47%ですが、同時に「上昇する」という回答比も42%あり、ほぼ拮抗しています。 <日本株式> これはもう圧倒的に「下落」で、85%を占めています。これまで株価を押し上げてきた「アベノミクス」に対して、有権者がノーを突き付けたことになるからです。 <円ドル相場> 「円高」が63%を占めました。株価上昇と同様、アベノミクスによって円安が誘引されてきた面が強いだけに、与党の敗退は円高要因になります。 長期金利予想はさらに低下、注目材料は政府・日銀のオペレーション 今回の月次調査は、国内債券市場の動向に関する見通しです。 長期金利の指標となる10年国債の利回り予想は、10月調査に比べて下方にシフトしました。前回調査では、1カ月後の長期金利水準の単純平均が0.485%でしたが、11月調査分では0.447%に低下しています。ちなみに3カ月後にあたる2015年2月末の水準は0.466%、半年後の5月末は0.505%と、新年度にかけて長期金利は若干、上昇ぎみに推移するという見方となっています。 ▼市場参加者の予想 一方、短期金利であるTIBOR(東京銀行間金利:銀行間で資金のやり取りをする際の金利で、貸出し金利の基準となる)3カ月物のレートは、2014年12月末の0.184%に対し、半年後の2015年5月末が同じく0.184%。短期金利の水準は、日銀の量的金融緩和を反映し、当面は低水準の横ばいで推移することになりそうです。 市場参加者が目下、債券市場の変動要因として注目している材料は、「景気動向」の注目度が低下する一方、「債券需給」や「海外金利」の注目度が上がっています。なかでも債券需給が価格動向に及ぼす影響が強いと見られており、今後、市場参加者の動向が注目されます。 債券市場の需給動向を左右する投資主体としては、「政府・日銀のオペレーション」に対する関心が高まっています。10月末に発表された量的・質的金融緩和第2弾による、日銀の国債買い入れはもちろんですが、コアCPIの上昇率が低迷するなか、さらなる金融緩和が行われるのかどうかという点にも、注目が集まっています。 ただ、ここからさらに国内債券の組入れを増やすかどうかという点については、多くの市場参加者が気迷いムードにあるようです。国内債券の組入れ比率について、当面どのようなスタンスで臨むのかという質問に対して、相変わらず「現状を維持する」という指数が85%と高めに推移。現在のデュレーションについては「基準通り」が55%、当面のデュレーションについて「現状を維持する」が79%を占めており、ここしばらく債券のポートフォリオを大きく動かす兆しが見えないことが分かりました。 「当面は日銀の買いがGPIFの売りを吸収する」 市場関係者の声を聞くと、「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による保有国債売却の影響はどの程度あるのか」と、GPIFの運用見直しに伴う国債の売却による影響が懸念される一方、「当面は日銀の買いがGPIFの売りを吸収する」という見方もあり、需給動向が大きく一方向に偏ることはなさそうです。 すでに0.4%台の前半まで低下しているだけに、ここから先、長期金利の低下余地が限られているのも事実ですが、日銀による買いオペが続く限り、長期金利が大きく上昇に転じる可能性は低そうです。

物価目標の達成は道半ば、市場は来年も追加緩和を予想(11月調査)

QUICKが11月17日に発表した「QUICK月次調査(為替)」によると、日銀が2015年度にかけて「物価安定の目標」として掲げている消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率2%の達成について、5割近い市場参加者が「可能性が低い」と見ていることが判明しました。「可能性はゼロに近い」という回答を合計すると、6割強が達成に懐疑的です。 この調査はアンケート方式によるもので、11月10日から13日にかけて、金融機関、事業法人、運用会社の為替担当者を対象者として行われたものです。調査対象者は212名。このうち、実際に回答が得られたのは85人でした。 コアCPIで見た物価上昇率は1%程度 日銀が当初、掲げた物価目標は、「2015年度までに消費者物価指数の上昇率を前年比2%にする」というもの。この目標の下、黒田日銀総裁は2013年4月、「黒田バズーカ」と称されている量的・質的金融緩和に踏み切りました。 しかし、現状において物価上昇率年2%という目標値の達成には、いささか距離感を覚えずにはいられない状況です。 黒田日銀総裁は、物価上昇率の目標達成を判断するうえで、CPIのなかでも、天候の関係で価格変動が激しくなる生鮮食品の影響を省いた「コアCPI」を用いるとしています。コアCPIの数字は、2014年9月が前年同月比3.0%を達成していますが、この数字には2014年4月に行われた消費増税分が加味されています。日銀試算によると、消費増税分はコアCPIに対して2%分に該当するということなので、前年同月比3%であれば、消費増税分を差し引いた実質ベースのコアCPIは、たったの1%にしかなりません。 つまり、現状において2%という物価目標値は、まだ道半ばということです。 アンケート対象者の回答を見ると、CPIの目標値である2%を2015年度までに達成することについては、全体の47%が「可能性は低い」と見ていることが分かりました。次いで多かった回答比は「五分五分」の34%、「可能性はゼロに近い」という回答比も16%ありました。総じて、物価目標の達成可能性は低いというのが、全体の回答から見て取れます。 物価目標の達成が困難である場合、日銀は次の一手としてどのような政策を打ち出してくるのでしょうか。 追加緩和予想が依然多い、拡大する日米金利差 日銀は10月31日にも、「黒田バズーカ第2弾」とされる量的・質的金融緩和を実施しましたが、市場参加者の間に打ち止め感はありません。日銀金融政策の次の一手は「金融緩和」という意見が、全体の76%を占めました。市場関係者の間では、黒田バズーカ第3弾を期待する声が広まっています。そのうち、追加緩和の時期としては、2015年4~6月という見方が最も多く、全体の32%。次いで2015年10~12月が30%となりました。 一方、金融緩和の後はいずれ出口戦略を模索する必要があります。これに関しては40%が、2017年以降と見ています。 また、為替に大きな影響を及ぼす米国の金融政策ですが、FRBが利上げに踏み切るタイミングとしては、2015年4~6月、あるいは同年7~9月がともに34%を占めました。2016年以降の利上げを考える向きは非常に少なく、市場参加者の大半は、来年中に利上げが行われると見ています。 米ドル=強気、ユーロ=弱気 あくまでもアンケート調査の結果から考えると、今後、さらに日米の金利差は広がっていくことになります。これは、円売り要因です。 市場関係者は目先、為替相場の動向をどう考えているのでしょうか。外為業務に関わっている金融機関関係者は、ドル/円について、11月末で115円07銭、1月末で115円93銭、4月末で116円38銭(いずれも単純平均)という結果になりました。トレンドは円安で、これは事業法人の見方も同じです。 ▼ドル円相場予想(金融機関の外為業務担当者) 一方、ユーロ/円については、むしろ円高予測の声が多く、外為業務に関わっている金融機関関係者の見方は、11月末が142円90銭、1月末が141円65銭、4月末が140円96銭という予想になっています。 また、運用ファンドの外貨建て資産について、当面、どのようなスタンスで臨むかという問いに対しては、「オーバーウェート」(基準よりも多く保有する)が57%となり、過去6か月間、上昇トレンドをたどっているのに対し、「アンダーウェート」(基準よりも少なく保有する)は43%と下降トレンドをたどりました。 こうしたなか、為替ヘッジについては、「ヘッジ比率を上げる」とした回答比が、前月の27%から11月は8%へと大幅に低下。「現状のヘッジ比率を維持」が75%へ、「ヘッジ比率を下げる」が17%へと、ともに前月比で上昇しています。ヘッジ比率を上げないものの、現状においては積極的にヘッジ比率を下げるところまでは行かず、今後の先行きについて様子見であることが伺えます。 なお、通貨建て組入比率については、米ドルと英ポンドをオーバーウェートに、ユーロと新興国通貨はアンダーウェートにするという傾向が見受けられました。これは、ユーロ、新興国ともにファンダメンタルズに対する不安感が強いことを意味しています。 QUICKのサービス一覧 日経テレコン

消費増税見送りで株価上昇か(11月調査)

11月4日~6日にかけて行われた「QUICK月次調査(株式)」(金融機関の株式担当者171名が回答)によると、安倍首相が消費税率の8%から10%への引き上げを見送った場合、回答者数の45%は「株価が上昇する」と見ていることが分かりました。一方で37%が「下落」と見ているのも事実で、消費税率引き上げ後の株価の影響については、見方がかなり分かれています。 消費税率の引き上げに関しては、7~9月のGDP成長率、および11月までの株価動向なども加味したうえで、12月に安倍首相が引き上げの是非を決定するということになっています。 1万7000円乗せで市場参加者は強気ムード 現状、株価は10月末に発表された量的金融緩和第2弾によって、日経平均ベースで1万7000円に乗せてきました。 同調査によると、11月末の日経平均株価予想は、単純平均で1万7126円。前月の数字に比べて大幅に上昇しており、市場参加者の間には強気ムードが広まっています。 ▼市場参加者の予想 どうなる消費増税? ただ、一方で景気に対する見方は弱気。今年4月に行われた5%から8%への消費増税前に比べ、景気の現状についての印象を質問すると、全体の62%が「想定を若干下回る」と答えました。「想定を上回る」という回答比は0%。「想定の範囲内」が30%を占めていますが、「想定を大幅に下回る」を含めると、全体の70%が、想定していたよりも景気が悪化している、と受け止めています。 こうなると、焦点は12月に安倍首相が、消費税率の引き上げを決断できるかどうかという点に掛かってきます。 株式市場参加者の間では、意外にも、圧倒的に「引き上げる」という見方が大勢を占めています。 まず、「予定通り再増税を決定すべきか」という問いに対する答えとしては、「予定通り2015年10月に引き上げるべき」とする回答が、全体の63%を占めました。 また、「安倍首相は予定通り消費税引き上げを決断するか」という問いに対しては、全体の76%が「予定通り2015年10月に引き上げる」と答えています。市場参加者の間では、消費税率の引き上げは「あって当然、なければサプライズ」ということになっているようです。 消費増税見送りのサプライズ効果に期待 では、サプライズが起った場合はどうなるでしょうか。ここでいうサプライズは、「消費税率の引き上げを期限付きで延期する」、「期限を未定のまま延期する」、「引き上げ自体を見直す」のいずれかになります。 もちろん、今回の調査でも、これらの点については触れており、たとえば「引き上げ時期を定めて延期すべき」という回答比が23%を占めるなど、予定通りの再増税に対して懸念する声もあります。 そのサプライズに対する見方ですが、「2015年10月の消費税引き上げを見送った場合に日本株式はどう反応すると思いますか」という質問への回答は、次のようになりました。 「上昇」・・・・・・45% 「影響なし」・・・・・・18% 「下落」・・・・・・37% 永田町には解散風が強まりつつあり、消費税率引き上げの行方にも注目が集まっています。それだけに、今後の政局が株価に及ぼす影響には、留意しておく必要がありそうです。 市場心理が株価の明暗を分ける では、市場参加者は今後の株価動向について、どう見ているのでしょうか。 前述したように、11月4日~6日にかけて行われた「QUICK月次調査(株式)」によると、11月末の日経平均株価予想は、単純平均で1万7126円という強気の結果が出ました。 調査期間中の日経平均株価が1万6720円から1万7127円と上昇傾向をたどっているなかでの調査になったため、市場参加者の間に強気ムードが広まっていたことも奏功したようです。 今後、6か月程度を想定した株価変動要因で最も注目されているものとしては、「景気・企業業績」が低下する一方、「政治・外交」、「内部要因・市場心理」が上昇しました。 「QUICK月次調査(株式)」では、市場関係者が注目する株価変動要因を指数化し、市場への影響度を量的に把握しやすくしています。50を超えると上昇要因、50を下回ると下落要因になり、下落要因としての懸念が最も強い時には0、上昇要因としての期待が最も強い時には100になります。 株価変動要因の指数を見ると、「為替動向」が74.7で最も高いのですが、前月調査分からの変化率で見ると、「内部要因・市場心理」(57.8→64.1)、「海外株式・債券市場」(52.7→58.3)が大きく上伸しています。 同じく指数の動きで見ていくと、今後6か月程度の想定期間内で、最も注目される投資主体としては、「企業年金・公的資金」、「外国人」が上昇しました。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革や日銀マネーの動向が株価に及ぼす影響が強まっています。 資産運用担当者は総じて強気姿勢 こうしたなか、自社資金運用や年金運用など、ファンドの運用を行っている担当者は、自分が運用しているファンドの株式組入比率状況、今後の投資スタンスをどう考えているのでしょうか。 まず、現状の株式投資比率に関しては、「ややオーバーウェート」と「ニュートラル」が、それぞれ41%ずつで拮抗しています。 ただ、10月調査分から見ると、「ややオーバーウェート」が32%から41%に大幅上昇しているのに対し、「ニュートラル」は46%から41%に低下しました。また、「ややアンダーウェート」が12%から6%に半減している点からも、資産運用担当者の間には、強気姿勢が見え隠れします。 強気姿勢は今後の投資スタンスにも表れており、「かなり引き上げる」は0%になったものの、「やや引き上げる」が前回調査の24%から30%に上昇しました。

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