米10~30年債スプレッドが1ケタに縮小 11年ぶり低水準

10日の米債市場で10年債利回りと30年債利回りのスプレッドが縮小し、QUICK FactSet Workstationによると9.80bp(ベーシスポイント)となった。ひとけた台はパリバショック直前の2007年6月以来、約11年ぶりの低水準となる。2年債利回りと10年債利回りのスプレッドも前日から縮小し、29.1bpだった。 この日の米債市場では主要な米株価指数が4日続伸したにも関わらず、貿易紛争懸念から米債がしっかり。10年債は横ばいで、30年債は買われてイールドカーブがブル・フラット化した。CMEグループが提供しているFedウォッチツールで9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp利上げの織り込み度は82.3%で前日からほぼ横ばいだったが、米債市場では貿易紛争に伴う景気減速を織り込むかのような動きとなっていた。(片平正ニ) ★米10-30年債の利回り格差の15年チャート(QUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

WTI原油とCRB指数の乖離が縮小傾向に 【US Dashboard】

WTI原油価格と国際商品の総合的な値動きを示すロイター・コアコモディティーCRB指数の乖(かい)離が縮小しつつある。2017年12月末の値を100とした場合、7月3日にWTI原油が122.708と大きく上昇していたのに対し、CRB指数は同時点で101.867と出遅れが鮮明となっていた。3日に20を超えていた乖離幅は9日時点で20を下回ってきた。 CRB指数は国際商品の値動きを示す代表的な指標で、同指数に連動する金融商品も多い。トムソンロイターの資料によると19の商品で構成され、構成比率で大きいのは原油やガスなどを含むエネルギー関連が全体の39%にのぼる。なかでもWTI原油は全体の23%を占める。金や銅、アルミニウムがそれぞれ6%となり、金属全体では20%、その他の多くの農産品などが含まれる。 構成比が最大のWTI原油が大きく上昇した一方、他の国際商品の下げがCRB指数の上値を重くした要因だ。代表的なのは使用用途が広く世界経済の体温計ともいえる銅の下落だ。指標となるロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月先物は7月6日時点で昨年末に比べて13%ほど低い水準で推移。米中における関税対象商品ではないものの、自動車や電子部品など幅広い用途に使われ、中国の消費量は全体の4割を超えるとされる。貿易摩擦による世界経済の停滞を過剰な形で先読みしている面がある。 <WTI原油(青)、CRB指数(赤)、LME銅3カ月先物(緑)の相対チャート> 一方、原油価格はカナダのオイルサンドからの供給懸念のほか、米政権が進めるイランへの経済制裁により供給の先細りを懸念する向きを映し出す。マーケットは貿易摩擦のエスカレートを警戒しており、CRB指数やWTI原油、銅の3つの価格動向に変化がでるか関心を集めそうだ。(中山桂一)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。  

米企業決算キックオフ 2割増益の見方、貿易摩擦どこまで影響

米国企業の2018年4~6月期(2Q)決算発表が今週13日のJPモルガン・チェースら金融大手から実質的にスタートする。米中の関税戦争が6日に発動(Kick in)された後はいったん出尽くしの動きで株式相場は堅調。ゴールドマン・サックスは9日付のリポートで「米中の貿易紛争がここ数週間マーケットで関心を集めていたが、我々の分析によればマクロレベルでは影響は穏やかなものにとどまりそうだ」と指摘した。追加関税によって輸出入が共に同じ量で減少することが見込まれるため、国内総生産(GDP)や雇用への直接的な影響は限られるという。決算シーズンの開始(Kick off)を受けて業績相場に移行できるかどうかが、7月相場のトレンドをみるポイントになる。 ファクトセットの6日付のリポートによれば、S&P500種株価指数ベースの2Qの1株当たり利益(EPS)は前年同期比20%増と見込まれているという。3四半期連続の増益となるが、1~3月期(1Q)の実績値(24.8%増)は下回ると見込まれている。もっとも近年では、S&P500ベースのEPSは実績が市場予想を上回る傾向にある。 内訳では11業種すべてがプラス成長と見込まれ、7つのセクターでは2桁成長が見込まれる。エネルギー、マテリアル、通信サービス、情報技術がEPSのけん引役になるという。売上高も11業種すべてがプラスとなり、エネルギー、マテリアル、情報通信が2桁成長になるという。注目の情報通信では、アドバンスト・マイクロ・デバイスやツイッターが10%超の大きな伸びとなる一方、EPSの指数ウエイトが高いマイクロソフト(1.00→1.08ドル)も大きな伸びとなる見込みだ。 現在、S&P500の予想株価収益率(PER、1年先)は16.2倍ほどで、5年間の平均値(16.2倍)並み。過去10年の平均(14.4倍)を上回り、各国市場と比べて相対的な高さは否めないが、S&P500が史上最高値圏で推移している割にバリュエーションの割高感は年初と比べて薄れている。今回の決算シーズンに先立ち、109社が2Qの業績見通しを発表したが、市場予想の平均値を下回るEPS見通しを出したのは62社(全体の57%)で過去5年の平均(72%)を大幅に下回っているという。トランプ政権の貿易紛争懸念が相場の重しとなっているが、ガイダンス・リスクが低下していることも含め、大規模減税などを受けて企業業績は2Qも好調とみられている。 <S&P500(青・左軸)と予想PER(赤・右軸)の2年チャート> (注)週足、QUICK FactSet Workstationより ゴールドマンの6日付のリポートによれば、好業績を受けて米企業による自社株買いは前年同期比で30%増えることが見込まれるという。配当は同8%増える見込みといい、税制改革の好影響による増益を踏まえて米企業は配当よりも一時的な自社株買いを好むとみられる。今年の米株式市場の下支え役となっていた自社株買いが引き続き入れば、需給的には安心感が出てくる。(片平正ニ)  <今週(10~13日)の主な米決算発表銘柄>   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。 QUICKでは米国株の決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

米金利低下・ドル安じわり 強い雇用統計でもインフレ懸念高まらず

6日の米国市場でドル指数が3日続落し、0.46%安の93.96で終えた。6月13日以来、約1カ月ぶりに94を割り込んで終えた。 この日発表された6月の米雇用統計で非農業部門の新規雇用者数(NFP)が前月比21万3000人増となり、市場予想(19万5000人増)を上回った。一方で失業率が4.0%、平均時給が前年比+2.7%となり、市場予想を下回ったことでインフレ懸念が高まることは無く、米BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率、債券市場が織り込む期待インフレ率)は横ばい圏で推移している。米長期金利が上がりにくい状況は続きそうだ。 平均時給・非農業部門新規雇用者数と米BEIの推移 ドル指数と米長期金利は7月に入って正相関の関係にあり、米株が持ち直す中でじわり金利低下・ドル安が進行している。米金利がさらに低下するようだと、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測を受けて上昇基調にあったドル指数のトレンドがさらに変化する恐れがありそうだ。(片平正ニ、池谷信久) 米債利回りとドル指数の推移 ※ドル指数(緑・左軸)、米10年債利回り(白・右軸) (QUICK FactSet Workstationより)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

決算開示、対応進んでますか「平成31年問題」 西暦採用は225銘柄のうち79社

決算短信の日付を西暦で表示する上場企業が徐々に増えてきている。7月4日時点で日経平均採用銘柄について、直近に開示した決算短信の和暦・西暦表示を調査したところ、79社が西暦表示を採用している。これは日経平均の構成銘柄のうち35%にあたる。採用している会計基準では日本基準が43、国際会計基準(IFRS)が31、米国会計基準(SEC)が5、と分かれている。 決算短信を和暦で作成している企業であっても、決算説明資料、定時株主総会の招集などの文書については西暦を使用している例が多く、上場企業が西暦を利用している実勢はすでに過半を超えている印象だ。 決算短信などで、西暦・和暦はいずれも用いることが可能だ。情報開示の自由度向上を目的として2017年2月に「決算短信作成要領・四半期決算短信作成要領」が改訂されたことが西暦表示の採用を促進したと考えられるが、東証に確認したところ、同要領の改訂の前から西暦表示は可能であったという。西暦を採用している事例をみると切り替えのタイミングはそれぞれで、本決算の発表時だけでなく、期中の四半期決算発表時も多く、各社が手探りで変更している様子がうかがえる。 天皇陛下の退位と皇太子さまの即位まであと1年を切り、日付の表記をめぐる問題は新たな局面を迎えている。新天皇即位にともない2019年5月1日に新元号が施行されることは決定しているが、新元号の発表時期がまだ明らかになっていない。決算短信で和暦表示を続けるか西暦を採用するか、上場企業は判断を迫られる。 天皇陛下が退位される2019年4月30日を越えると、平成を使った和暦の表現が困難になる。5月期決算企業の発表資料を注意してみていたところ、6月29日に決算発表したウェザーニューズ(4825)は「2018年5月期決算短信」から日付の表示方法を和暦表示から西暦表示に変更した。会社側では、天皇陛下の退位・改元は要因のひとつではあるが、定時株主総会の招集通知の表記、事業計画を和暦で書けなくなることなど、複合的な要因から西暦に変更したと話す。 上場企業の決算期に限らず、先の日付をどう記載するかはすべての企業に共通する課題。上場企業の改元対応はすでに始まっている。(山口正仁)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米長短金利差さらに縮小 「注視の必要」「脅威でない」FED内の解釈も分裂

米国の長期金利と短期金利のスプレッド(差)が一段と縮小し、30bp(ベーシスポイント)を割り込む水準になってきた。金利は期間が長くなるほど高くなるはずだが、最近は米利上げに伴って短期金利が上昇する一方、長期金利は上がりにくくなっている。  過去には長短金利のスプレッドが逆転すると1年ほど後に景気後退に陥ることが多かったが、米連邦準備理事会(FRB)の中ではスプレッド縮小について見方が分かれているようだ。 5日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月12~13日開催分)によると、一部のメンバーは「長期債利回りの低下は構造的な要因が問題であり、もはや脅威ではない」との考えを示した。一方、「長短金利の逆転はリセッションのリスク増大を示唆してきた歴史の規則性を踏まえ、注視する必要がある」との指摘も出ていた。(丹下智博)   (チャートはQUICK FactSet Workstationより)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門へのバルチック独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

日本市場の本石砲も休みなし ETF買い年6兆円超へまっしぐら

日銀が4日に本石砲(日銀のETF買い)を発射し、ETFを705億円買い入れた。この日の前場のTOPIXは0.39%安で終え、市場では買入ペースが早いことから発動基準が厳しくなるのではないかとの警戒感があったが、今年は前引け時点のTOPIXの下落率が0.3%以上の日にETF買いが見送られたことはなかった。発動基準の厳格化はひとまず杞憂に終わった。買入額も前月(703億円)から2億円増えた。 今年の日銀のETF買入額は現時点で3兆3976億円となっている。毎営業日に12億円を買い入れている「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」を除いたものだが、7月4日までで前年同日時点(2兆7969億円)を6007億円(本石砲8回分)上回る状況となる。年間で6兆円の増加ペースを5272億円(同7回分)上回る状況でもあり、日銀が相場の下支え役として積極的に動いている。(片平正ニ) ★日銀のETF買いの累計額推移(7月4日まで) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米国休場でもT砲は休みなし 原油価格への不満爆発

トランプ大統領は4日にツイッターで、「石油輸出国機構(OPEC)による独占でガソリン価格が上昇し、彼らが何も手助けしてくれないことを覚えておく必要がある。今すぐ価格を下げろ!」とつぶやいた。独立記念日の休日にも関わらず、ドライブシーズンを迎えて原油価格が高騰している現状に不満を示したものとみられる。 全米自動車協会(AAA)の2日付のリポートによると、全米のガソリン販売価格の平均値は1ガロン=2.86㌦で、米独立記念日の休日としては4年ぶりの高水準にあるという。5月末のメモリアルデーの休日と比べれば11㌣安いというが、AAAによれば米独立記念日の休日には4000万台近くの車がドライブに駆り出されるとのこと。ガソリン価格の高止まりが続けば、米国の個人消費への悪影響が懸念されそうだ。(片平正ニ) ★トランプ氏のツイッター https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1014611307427966976 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門へのバルチック独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米中紛争まずは「法廷編」 半導体に販売中止の仮命令、マイクロンなど大幅安

3日の米国市場でマイクロン・テクノロジーが大幅反落し、5.50%安の51.48㌦で終えた。 ブルームバーグが3日、台湾の聯華電子(ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス、UMC)の発表として、中国の裁判所である福州中級人民法院がマイクロン・テクノロジーの特許侵害裁判でUMCの主張を聞き入れ、マイクロンに対して中国でのDRAMやNANDフラッシュ関連26の製品について中国での販売を差し止める仮命令を下したことを受けて警戒する動きが出た。米マーケット・ウォッチによれば、マイクロンは3日に声明を発表して「UMCが発表した差し止め命令を受けていない。人民法院から文書を受領し、それを見るまでこれ以上のコメントをするつもりはない」との見解を示したという。マイクロンは3月にも中国の裁判所で特許侵害による提訴を受けていたといい、トランプ政権による対中関税の発動期限を6日に控え、中国側が司法を通じて貿易紛争を仕掛けるのでは無いかとの懸念を示すものだった。 QUICK FactSet Workstationによれば、マイクロンの中国売上高比率は49.49%でS&P500種採用銘柄で5番目に高い水準だった。この日はスカイワークス・ソリューションズやクアルコム、ブロードコムといった中国売上高比率の高い半導体関連が軒並み安く、フィラデルフィア半導体指数は1.82%安で4営業日ぶりに反落した。(片平正ニ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

オフショア人民元が11カ月ぶり安値 中国人民銀、難しいサジ加減

オフショア人民元(CNH)がドルに対して売られる動きが鮮明だ。QUICK FactSet Workstationによれば3日のアジア時間に6.73CNHまでドル高元安に振れた。2017年8月以来、11カ月ぶりのドル高元安水準となる。中国人民銀行は3日にホームページ上に記事を掲載し、易綱総裁は人民元相場を「妥当で均衡の取れた水準でおおむね安定させる方針だ」との見解を示した。元安を防ぐためドル売り元買いの為替介入を示唆した格好で、オフショア人民元は6.65CNHを下回って、ひとまず元売りの動きがやや和らぐ展開となった。 過去4年の流れを踏まえると、ドル指数が上昇する局面では歩調を併せるようにCNHもドルに対して売られる傾向にあった。4月以降の急激なドル高元安は、2015年末に資本流出懸念からCNH売りが加速した局面と似ている。米中の貿易紛争懸念で中国株が弱含む一方、輸出を下支えするため中国当局が元安誘導に踏み切るとの思惑も根強く、中国人民銀としてはどこまで通貨安に歯止めを掛けるのかドル高の環境下、難しい状況となっている。(片平正ニ) ★ドル指数(青)とオフショア人民元(赤)の4年チャート (QUICK FactSet Workstationより)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

軟調な銅相場 VS 底堅い海運市況 米中摩擦みる物差し、正しいのは

銅価格(グラフ青)は6月初めに4年ぶりの高値を付けた後、軟調な展開が続いている。米中貿易摩擦で中国の需要が減速するとの思惑が背景にあり、米商品先物取引委員会(CFTC)による投機筋の銅先物の買い越し額(グラフ赤)も大幅に減少している。 一方、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数(グラフ緑)は底堅く推移している。貿易摩擦が世界経済を鈍化させれば海運事業に悪影響が出るが、今のところは落ち着いた状況のようだ。 米国は6日、中国に対する340億ドル規模の追加関税を発動し、中国は報復関税で対抗する見込み。マーケットは貿易摩擦がエスカレートすることを警戒しており、週末に向けて両国の動向に注目が集まっている。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門へのバルチック独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ETF分配金トレードに警戒感 先物売り4000億円の指摘も

株式市場の一部で上場投資信託(ETF)の分配金に伴う先物取引へ警戒感が出始めている。トレーダーは「ETFの分配金捻出のための先物売りは4000億円規模」と試算した。 「ETFの分配金支払いは7月に集中する。一般的に各銘柄の権利落ちのタイミングで先物を買い建て再投資を行い、分配金を支払う際にその先物を売却して現金化する。各指数構成銘柄の配当金を1度(年2回配当銘柄は2度)に現金化する売りとなり、インパクトが大きい。毎年この時期に話題になる。年6兆円に上る日銀ETF買いの影響が大きく、その規模は年々過去最高を更新している」という。 また「分配金の捻出は決算日に合わせてキャッシュ化できるよう売却することが多く、今年は8日と10日に集中している。8日には合計約1600億円だが、当日は日曜日のため実際のトレードは6日になるかもしれない。10日には約2000億円相当となりそう」との指摘もある。(岩切清司) <日経平均株価やTOPIXに連動するETFの決算日一覧> ※市場価格や売買代金は7月2日時点 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

そして日銀しかいなくなった…… 株式市場を覆う諦観、買い入れオーバーペースの必然

日経平均株価は2万2000円~2万3000円のボックス圏で推移し、決して居心地の悪い水準ではない。それでも今の日本株市場にはどこか冷めた空気が漂う。「もうベア(弱気)に転じたよ」。ある外資系証券のトレーダーが残念そうに話していたのが印象的だ。理由は国内政治のゴタゴタなどだが、諦観に飲まれていると言った方が正しいかもしれない。 それは需給にも表れている。直近の投資主体別売買動向で外国人投資家は現物株だけで約4300億円を売り越した。約3カ月ぶりの大きさだ。5月21日の週から6月18日の週に海外投資家は合計で約1兆円を売り越した。 次は裁定取引の残高を確認しよう。5月25日に2.6兆円あった買い残は6月22日までに2.0兆円にまで減少した。約6000億円の解消売りが出ていたことになる。海外投資家との合計で約1.6兆円の売り越しとなる。 この間に孤軍奮闘したのは日銀だった。約8000億円の上場投資信託(ETF)を買い入れた。 市場の一部では日銀のETF買い入れペースが話題だ。1~6月の買い入れ合計額は約3.5兆円に達する。日銀は現行の金融政策においてETFの買い入れメドを年間6兆円のペースとしているが、2018年は上半期を終えた時点で既に半分以上を購入したことになる。このペースが年後半も続けば1年間で7兆円を買い入れることになり、明らかにオーバーペースだ。 決して絵空事ではない。以下は12年以降の、海外勢の買い越しから売り越し額を差し引いた累計額のチャートだ。  17年10月を直近のピークとして減少傾向が鮮明だ。直近では累計額が12兆円まで減少し13年8月以来の低水準となった。アベノミクス相場で最高となった15年6月は21.6兆円だったので、3年間で9.6兆円も減った勘定だ。 この同じ3年間に日銀が購入したETFは合計で15.4兆円。海外勢保有だった日本株が日銀の口座に移っただけでなく、売り需要を吸収して余りある買い入れを続けてきた。結果的に日経平均株価は3年前に2万円台だったが、今では冒頭のボックス圏で推移するようになった。それでも海外勢の日本株外しが終わる兆しは見えず、日銀がオーバーペースの買い入れを迫られる可能性は捨てきれない。 円債村とも言われる日本国債市場の「村民」は、その多くが姿を消したか、あるいはマルチアセット運用など別の村にも足を運ぶ「兼民」となった。背景に日銀による国債買い入れがあることを今さら指摘するまでもない。日本株市場も円債村の二の舞となるのか。相場水準よりも関係者のセンチメントを覆う厭世観の方が深刻かもしれない。(岩切清司)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

誰も信じていない?米物価上昇 6年ぶり上昇率だがBEIは伸び悩み暗示 【US Dashboard】

6月29日に発表された5月の米個人消費支出(PCE)統計は、米連邦準備理事会(FRB)が重視するPCE物価指数(グラフ水色)が前年同月比2.3%上昇し、4月の2.0%から伸び幅を拡大した。FRBが目標とする2%を上回ったまま、FRBの利上げ継続および利上げペースの加速観測を正当化するように見えるかもしれない。 しかし、米10年債利回りに先行性があるのであれば、PCEの上昇は続かない。BEI(期待インフレ率、グラフ緑)も物価の伸び悩みを想定している。長短スプレッド(2-10年の利回り較差、グラフピンク)は、もっと悲観的だ。これまでの政策金利(FF Target Rate)の引き上げペースが速すぎて景気を「殺してしまう」ことさえも織り込もうとしているように見える。(丹下智博)  ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。  

働き方改革で来たるべき大副業時代 注目される関連銘柄

安倍晋三首相が最重要法案と位置付ける「働き方改革」関連法案が今国会での成立が秒読みとなっている。法案は、残業時間の上限を「月100時間」とする罰則付き規制の導入や高収入の専門職を労働時間規制から除外する「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」創設が柱となる。 「働き方改革」は、多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組くという定義。ただ、現実的には広告最大手・電通の新入社員の過労自殺事件を機に長時間労働を見直す色彩が強いようだ。 半導体商社のルネサンスイーストンは昨年9月に業績予想の上方修正を発表したが、その理由に「働き方改革の実施等により、経費も当初予想を下回る見込み」と挙げたことは、「働き方改革=残業代削減」という象徴的な事象といえよう。また、プレミアムフライデーの実施にはじまり、残業時間の上限設定の動き、週休3日制の導入(日本IBM、ユニクロ、佐川急便、ヤフー)などに取り組む企業も出ており、労働時間の減少する取り組みが広がりつつある。 長時間労働の是正は好ましい動きだが、残業を前提とした給与体系で残業時間が減ることは困るとの声も少なくない。残業時間の削減=収入の減少につながるため、残業代に替わるお金を稼ぐために、副業を望む労働者が多いようだ。ある転職会社が実施したアンケート調査によれば、副業に興味があるとの回答は全体の約9割にも達したという。動機としては、収入を得たいこと・モチベーションを高めること・人脈形成・スキルアップ・視野拡大を通じた本業の活性化――などがあるようだ。 副業は原則禁止とされていたが、厚生労働省は今年1月に企業が就業規則をつくる際の参考として示している「モデル就業規則」を見直し、副業や兼業を禁止する項目を削除したうえで、原則として容認する内容に変更した。このような動きを背景に、上場企業でも副業を解禁する動きが出始めており、ロート製薬が2016年2月に副業を解禁したことを皮切りに、DeNA、ソフトバンクグループなどが副業を解禁した。今後も「モデル就業規則」の見直しを契機に、副業を容認する企業が相次ぐ公算が大きい。 このように、残業時間削減に伴う収入減、高い副業意欲、官民での副業容認の動きなどの複合要素により、副業人口が大幅に増加することが予想される。では、副業が容認となった場合に、どのような手段を選ぶのだろうか。手っ取り早い手段としては、SNS等で商品を宣伝するアフィリエイトが考えられる。次には、短期アルバイトとして日雇い労働、コンビニなどの旧来型の肉体労働か。また、趣味の延長戦上で写真やイラストを制作して販売するほか、手芸等で作品販売などを行う向きもあろう。さらに、効率的な在宅ワークの手段としてクラウドソーシングを選択する労働者も多そうだ。その一方で、副業を開始する前に、英語や会計などを学び直すこと(リカレント教育)でスキルアップすることも考えられよう。 副業関連と目される銘柄を挙げてみた。特に注目されるのは、クラウドソーシング大手のクラウドワークスで、昨年7~9月期に四半期ベースで初の営業黒字転換を果たし、その後も順調に業績を拡大。直近では三菱UFJFG、大和証券グループと資本業務提携を締結し、個人向けの新しい金融サービスの構築を目指すなどカタリストが豊富だ。(本吉亮) <副業関連銘柄一覧> ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

ひたひた進む上海株安と元安 高まる摩擦熱、景気と相場に寒け

米中貿易摩擦への警戒感から中国株の下落基調が続いている。28日の上海総合指数(グラフ赤)は前日比0.9%安の2786.896と、約2年ぶりに2800を割り込んで終えた。人民元(グラフ青)も対ドルで約半年ぶりの元安水準にある。 トランプ米大統領は6月中旬、7月6日に発動される対中制裁関税に中国が報復すれば、新たに2000億ドル相当の制裁関税を検討するよう米通商代表部(USTR)に指示。これに対して中国が報復措置を警告したことで、中国の株安・通貨安が加速した。 市場では、米中間の関税の掛け合いがエスカレートし、中国景気および世界景気に悪影響が及ぶことが懸念されている。7月6日前後の両国の対応は要注目だ。(池谷信久)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「XTX」とは何者? 大量の日本株を売買、知られざる巨大ファンドの影響力

日経平均が2万2000円~2万3000円のボックス推移を続ける中、市場の一部ではある投資家に対する関心が徐々に高まっている。ロンドンに拠点を置く「XTXマーケッツ」だ。日本株の取引において巨額の売買を執行しているとされる。 この点に関してはパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直氏のレポートが参考になる。同氏によると「今年から欧州で参入した新鋭かつ巨大なマーケットメーカー。巨額の顧客注文に自己勘定で対応する点でも有名で、日本株式に対してはマーケットメイク型クオンツ戦略で毎日大量の日本株の売り/買い注文を出してきている」という。 XTXのサイト(https://www.xtxmarkets.com/)を確認すると、グローバル市場における1日あたりの総取引量は1200億㌦(約13兆円)に達するとしている。データセンターは世界中に40もある。取引の大半は為替が占めるようだが、強固な財務体質から株式売買でも大きな自己ポジションも取るようだ。1日あたりの日本株の取引額は優に1000億円を超え、相場が急変した今年2月には1日で5000億円も取引きしたとまことしやかにささやかれる。 高い技術力を背景に投資家同士の注文のマッチングに優れているほか「MiFIDⅡのマーケットメーカーへの規制内容が発表されたが、この新規制をかいくぐれる執行能力を提供し始めたため、欧米系のヘッジファンドの注文が集まっている」(宮島氏)。 マーケットメーカーとされる一方でXTX自体がHFT、ヘッジファンドとも定義される。日本における取引では主に米系証券2社、欧州系1社を経由しているとの見方もあった。「往復数千億円の売買代金を寄り付き、午後、引け前に分散しているもよう」という指摘も出ている。 いずれによせ大きなトレンドが発生しなければ、ボックス圏の中の上下だけでさやを抜くトレードが中心になると考えられる。結果的に足元でレンジ相場が続いている要因のひとつが、このあたりにもありそうだ。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

原油先物70ドル台に急騰 イラン産の輸入停止要請、直接影響は軽微だが……

米政府がイラン産の原油輸入を停止するよう世界各国に要請したと伝わり、需給の引き締まり観測から原油先物が急騰した。26日のWTI期近8月物の終値は前日比3.59%高の1バレル70.53ドルと反発し、1ヵ月ぶりに70ドル台に乗せた。イランから日本への原油輸入はどんな状況で、仮に停止した場合どんな影響がありそうなのだろうか。経済産業省の石油統計速報(2018年4月分)を調べた。 4月の日本の原油輸入量は1536万klで、輸入量の多い順に、1)サウジアラビア(619万kl)、2)アラブ首長国連邦(428万kl)、3)クウェート(139万kl)、4)カタール(92万kl)、5)ロシア(80万kl)と並んでいる。4月の中東諸国への輸入依存度は89.4%で、イランの構成比は日本の総輸入量の1.0%。中東諸国内での構成比でも1.1%に相当する。イランとの取引での直接的なインパクトという視点では極めて限定的と判断できるかもしれない。 イランとの石油取引といえば、小説や映画「海賊と呼ばれた男」で脚光を浴びた出光興産の創業者・出光佐三が、メジャー(国際石油資本)に対抗してタンカー日章丸でイランから石油を輸入し、中東からの直接輸入の道を切り拓いたことが想起されるなど、歴史は古い。イランとの過去の経緯を踏まえつつ、日米の同盟関係を勘案すれば、構成比は小さいとはいえ、イランからの原油輸入をゼロにせよとの求めは日本に厳しい判断を迫るものだろう。(山口正仁)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

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