T砲と米株高の威勢と虚勢 「WTOから離脱」「利上げ嬉しくない」……

良くも悪くも、トランプ大統領のツイートや発言を読み返せば、世界の金融市場で起きた事がほぼ思い出せる。 トランプ大統領は米連邦準備理事会(FRB)の議長にジェローム・パウエル氏を指名したことについて「私が好きで、尊敬する人を置いた」としてFRBが利上げを続ける中で議長の指名に後悔していない考えを示した。ブルームバーグが30日に報じたインタビューで述べた。インタビューでは「カナダとの新たな貿易協定は近い」と述べて北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉に期待感を示す一方、欧州連合(EU)による自動車関税の撤廃提案に拒否する姿勢を示したほか、世界貿易機関(WTO)の対応にも不満を示し、「彼らが襟を正さなければWTOから離脱する」と強硬な姿勢を示した。 インタビューでトランプ氏は「FRBは貿易紛争に対応していない」と発言。さらに「通貨が政治家によって制御されるべきかどうか分からない」とも述べ、FRBの独立性の重要性に否定的な見解を示した。 トランプ氏は今月20日にロイターとのインタビューで「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」と述べたばかり。パウエル議長を個人的に評価しつつ、貿易紛争懸念で人民元などの新興国通貨に対してドルが強い現状に根強い不満を持っているもようだ。(片平正二) 改めて8月の「トランプ砲」を振り返ってみる。 ■「ADPの7月の民間部門の就業者数が予想の18万5000人増に対して21万9000人増となった」(1日、ツイッター) ■「関税が機能している、絶好調だ。同時にオバマ政権で蓄積された21兆ドルの債務の返済も開始することができる」(5日、ツイッター) ■「関税は我々の国をより豊かにする。愚か者だけが反対する」(4日、ツイッター) ■「トルコは長年、米国を利用してきた。彼らはいま、我々の素晴らしいキリスト教の牧師を捕まえている。無実の人の解放のために何も支払わうつもりはないが、我々はトルコに背を向ける!」(16日、ツイッター) ■「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」(20日、ロイターのインタビュー)  「中国は為替を操作していると思っている。ユーロもまた、操作されていると思う」(同) ■「欧州連合(EU)から来る全ての車に25%の関税を掛けるつもりだ」(21日、遊説先のウエストバージニアで) ■「株式市場の歴史において最長のブル相場となった。アメリカおめでとう!」(22日、ツイッター) ■「もし私が弾劾されたらマーケットはクラッシュするだろう。みんながとても貧乏になると思う」(23日放送のFOX&フレンズのインタビュー、いわゆる一連のロシアゲート絡みで司法の動き) ■「私は規制を緩和した。減税策は素晴らしいものだった」(23日放送のFOX&フレンズのインタビュー) ■「メキシコとの新しい貿易交渉は農家、我が国の成長に焦点をあて、貿易障壁を引き裂いた。雇用と企業は我が国に戻り続ける。大ヒットになるだろう!」(28日、ツイッター) 米経済と大統領のテンションの高さはいつまで続くのか。世界を震わせたリーマン・ショックから10年の節目が近づいている。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

FANGもプラスマイナス アリババなど年初比で下落

29日の米市場で主要な株価指数が最高値を更新した。中でもハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は大台の8000ドル台に乗せた後も失速の気配が見えない。対照的なのが時価総額の大きいネット関連株で構成される「FANGプラス指数」だ。 FANGプラス指数は29日に反発し0.66%高の2907.78で引けたが、6月20日に付けた高値(3045)には届かない。指数の中身を見ると明暗がはっきりする。米市場の年初にあたる1月2日を100として構成銘柄のパフォーマンスを比較すると、最も高い成績を出したのが動画配信のネットフリックス。これに株価が2000ドルに迫ったアマゾン・ドット・コムが続く。 一方で中国ネット検索大手の百度(バイドゥ)の米預託証券(ADR)は年初の水準を約7%下回っている。同様に中国のネット小売り大手アリババ集団も安いままだ。ネットフリックスとの差は86ポイントに開くなど、投資の仕方によって運用成績が大きく左右されている様子が浮かぶ。中国景気の先行きに対する警戒感や、その背景にある米中貿易戦争への懸念が中国関連の重荷だ。 またデータの不正利用が発覚して株価が急落したフェイスブックは株価の戻りが鈍い。株式の非上場化を宣言しておきながら撤回したテスラもひと頃の輝きが失せたように見える。 米株式相場が高値を更新している中で、投資家はしっかり選別を進めているようだ。 (岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

止まらぬ株高、下がらぬVIX 「4度目」が警告する不都合な先行き

リーマン・ショックからちょうど10年になるのを前に不吉な兆候が見えている。 28日の米国株式市場で恐怖指数のVIXが続伸し、2.79%高の12.50で終えた。VIXの上昇は、今後30日間でS&P500指数が上げるよりも下げる方に見込むオプション取引が多いことを意味する。通常は下げ相場でVIXが上昇する傾向にある。投資家心理の不安感を示すとされる水準の20にはまだ遠いとはいえ、S&P500が連日で史上最高値を更新する上げ相場でVIXも上昇する現状は警戒されそうだ。 (QUICK FactSet Workstationから) 投資アドバイスを手掛けるJ.ライオンズ・ファンド・マネジメントの28日付のブログによれば、S&P500が強いのにVIXが余り下がらなかったのは過去20年で3回あった。具体的には①1999年12月~2000年3月、②2007年4月~10月、③2014年12月~2015年2月――の時期という。そして、その次の年のS&P500の平均リターンはマイナス11.3%。株式市場には非常に不都合なシグナルといえる。ブログでは「中期的に過去3回は株式市場の調整のシグナルとなっていた。短期的には即時性の高いものではなかった。しかし過去20年間の動きを踏まえると、最終的には正確な警告だった」と、今後の弱気相場の到来の可能性を指摘している。(片平正ニ)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米消費者マインド2000年来の高水準 絶好調に潜む死角は住宅

28日発表の8月の米消費者信頼感指数は133.4(1985年=100)となり、2000年10月以来17年10カ月ぶりの高水準となった。同指数は米民間調査機関コンファレンスボードが5000人の消費者を対象にしたアンケートをもとに、消費者のマインドを指数化したもの。好調な米景気や雇用環境を背景とした消費意欲の強さを示す結果となった。 個人消費は米国内総生産(GDP)の7割を占める。24日発表のアトランタ連銀のGDPナウによると、2018年第3四半期(7-9月期)のGDP成長見通しは4.6%となっている。 一方、28日発表の6月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数は、全米20都市で前年同月比6.3%の上昇となり、前月の6.5%から伸びが鈍化した。 米景気が好調で米住宅市場は底堅いものの、建築労働者の不足が住宅供給不足を生じさせ、価格の上昇を招いている。所得の伸びを大きく上回る住宅価格の上昇を受け、住宅販売(中古住宅販売件数)は17年11月をピークに伸び悩んでいる。価格調整が十分に機能しない状況にあることや、住宅ローン金利の上昇により、住宅着工や販売の伸び悩みが続く可能性は高い。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

犠牲祭よりリスクオン祭 トルコリラ安は「取るに足らない」動きか

「犠牲祭」を乗り切れるのかーー。一部の外国為替市場関係者が心配していた注目イベントが、大きな混乱なく通過した。27日の外為市場でトルコリラは対円で18円を割り込み17.76円まで売られる場面があったが、売り一巡後は18円台を回復する動きとなっている。 トルコリラは一時対ドルでも大きく売られたが、欧米株式相場は軒並み上昇しており、「トルコ発のリスクオフ」とはなっていない。イスラム教の祝祭日である犠牲祭は今年は21~24日。休み中は流動性が低下するため、トルコリラ相場のボラティリティが上昇しやすいとの指摘も出ていたが、犠牲祭の最中も休日明けの取引でも、パニック的な動きは見られなかったもようだ。 SMBC日興証券の野地慎氏は28日のレポートで、「トルコ一国の問題は世界経済にとって軽微」だが、ドル高(米国金利上昇)が続けば、ブラジルや南アフリカなどにも波及し、「結果として先進国経済への負のインパクトも大きくなる」可能性はあると述べている。 現時点で「ドル高と新興国通貨安のスパイラル」を回避できているのは、パウエルFRB議長の「High pressure economyを志向するようなジャクソンホール講演」によって「米国市場はドル安、株高の典型的なリスクオンと化した」ためであると指摘。そして、「ドルインデックスが大きく下げるなかであれば、自ずと新興国通貨の対ドル減価も止まり、ドル安に連動したコモディティ価格の上昇がむしろ新興国市場で好感される」とし、「トルコリラの下落など『取るに足らない』動きとなって当然である」と述べている。(丹下智博、池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

最高値8000台まで来たナスダック、恐怖指数の上昇は何の兆し?

27日の米国市場でナスダック版恐怖指数のVXNが反発し、2.90%高の15.60で終えた。この日はナスダック指数が連日でザラ場・終値の史上最高値を更新し、初めて8000の大台を突破して堅調に終えたが、ボラティリティーが高まる展開だった。恐怖指数のVIXも反発して1.41%高で終えた。 オプション価格から算出する恐怖指数は一般的に、相場下落への警戒感が高まった時に上昇しやすく、株価指数とは逆方向に動く傾向がある。この日は日本の日経平均VIも7営業日ぶりに反発し、2.40%高の14.90で終えた。欧州版恐怖指数のVSTOXXだけ0.55%安の13.11で8日続落となったものの、世界同時株高が進む中でボラティリティーの低下基調は一服している。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米長短金利差いよいよ20bp割れ 一方で債先ショートは最大

米商品先物取引委員会(CFTC)が24日に発表した21日時点の建玉報告によると、米10年物国債の先物市場で投機筋の売越幅は70万514枚と、データが開示されている1993年以降で最大となった。 ただ、新債券王と呼ばれるダブルライン・キャピタルのガンドラック氏が17日にスクイーズ(踏み上げ)が起きる可能性があると述べるなど、市場では長期金利の急低下を警戒する声が増えている。 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は24日のジャクソンホールでの講演で、段階的に利上げを進める姿勢を示す一方、物価上昇については「2%を超えて過熱するリスクはみえない」と述べた。 この日の米債市場では当面の金融政策の影響を受けやすい2年金利と、中長期的な景気や物価見通しの影響を受けやすい10年金利の差が縮小し、2007年8月以来11年ぶりに0.2%を割り込んだ。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

お騒がせテスラ劇場、続編「ちゃぶ台返し」 続々編は「市場のしっぺ返し」?

24日夜、非上場化を検討していた米テスラが一転して上場維持の姿勢を示した。時間外取引は通常取引の終値に対し0.2%程度安い水準だが、材料を織り込んだと判じることは難しい。そもそも株式市場との信頼関係にひびが入った可能性を考えると、先行きの株価動向には注意が必要と言える。 BMOキャピタル・マーケッツのアナリストは26日付でレポートを公表。テスラに対する強気派は「今後もテスラの将来価値に対し投資を継続できるため前向きに受け止める」とした。反面、「弱気派に対しては、ネガティブな見通しに弾みをつけかねない出来事となった」と慎重だ。 背景には「資金調達がうまくいかなかったことが明らかになった」点を挙げ、信用力に対する注目が再び集まりかねないという。さらには米証券取引委員会(SEC)の調査や株主訴訟に影響を与える可能性もあるためだ。 そのうえで、これまでテスラ、またカリスマ経営者のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)を信頼してきた投資家ですら「輝きが失せたと認めざるを得ない」とした。今後はコーポレート・ガバナンスにおけるプレッシャーが一段と高まりそうだ。 株価についてBMOのアナリストは、「今後数週間は乱高下が続くかもしれない。ただ、基本的には業績を評価する水準を改めて模索することになるのではないか」としていた。目標株価は315ドルで維持している。(岩切清司) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米長短金利差11年ぶり低水準 2-10年で20bp割れ視野

23日の米債市場で2年債と10年債の利回りスプレッドが縮小した。QUICK FactSet Workstationによれば2-10年スプレッドは21.85bpとなり、前日(22.12bp)から縮小。2007年7月以来、約11年ぶりの低水準を付けて20bp割れが視野に入った。 米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が24日に米ワイオミング州ジャクソンホールで講演を行うのを前に、フラットニングの流れが続いた格好。政策金利との連動性が高い2年債利回りが高止まりする一方、この日は米中の貿易紛争懸念から10年債は横ばいだった。S&P500が史上最高値圏にある一方、長短金利差が縮小している状況からは景気鈍化リスクが示されている。(片平正ニ)   米2-10年債の利回りスプレッド(15年チャート) (QUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

最長ブル相場vsドル安・金利低下 経済指標の下振れ続く米国の強弱感

「株式市場の歴史において最長のブル相場となった。アメリカおめでとう!」。こうツイートしたトランプ大統領はいつも以上にドヤ顔だったに違いない。これまでのS&P500の長期上昇相場は1990~2000年の3452日間。09年3月9日から続いたブル相場は22日で3453日となり、史上最長を更新した。 その一方で、この日の米国市場でドルの総合的な強さを示すドル指数(DXY)は5日続落し、0.13%安の95.09で終えた。一時は95の節目を割り込み、今月2日以来、半月ぶりの安値水準となった。 米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(7月31日~8月1日開催分、ミニッツ)が公表され、その中で「利上げに向けて間もなくさらなる措置を取ることが適切になるだろう」との見解が示される一方、「貿易紛争によって経済成長に影響が出かねない」「広範囲の関税策によって家計の購買力が減る恐れがある」などとの意見もみられ、FOMCミニッツの発表後にNYダウやドル指数が軟調になる場面があった。 CMEグループのFedウォッチツールによれば9月FOMCでの利上げ織り込み度は96.0%となり、前日(93.6%)からやや上昇。米債市場では10年債が買われ、長期金利は2.819%と前日比0.011低下した。 ★ドル指数(緑・左)と米10年債利回り(白・右)の年初来チャート (QUICK FactSet Workstationより) 米経済指標の下振れが続くのも気になるところ。22日に発表された7月の中古住宅販売件数は534万戸(季節調整済み年率換算)となり、16年2月以来、2年5カ月ぶりの水準に減少した。減少は4カ月連続で、QUICK FactSet Workstationの市場予想540万5000戸も下回った。 市場予想との乖離の度合いを示すシティーグループのエコノミック・サプライズ指数はマイナス幅を拡大している。経済指標でポジティブサプライズよりもネガティブサプライズが増えていることも、長期金利が上がりにくい要因になっている。(片平正ニ、池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米中貿易問題が重い銅と大豆、銅と大豆で重たい米長期金利

国際商品の総合的な値動きを示すロイター・コアコモディティーCRB指数(グラフ赤)が、今月15日におよそ8カ月ぶりの低水準を付けるなど下落基調が続いている。 米中貿易摩擦への警戒感が高まった6月以降、商品市況の中でも特に下げが目立つのが銅(点線グラフ緑)と大豆(点線グラフ黒)だ。幅広い分野に使われる銅は景気の先行指標と言われ、主要需要国である中国の景気悪化が懸念されている。中国は米産大豆の6割を輸入しており、7月にはその米国産の大豆に25%の追加関税をかけた。 賃金上昇が加速しない状況では、インフレ期待は商品市況次第の面があり、米長期金利(グラフ青)とCRB指数の連動性は高い。米長期金利が再び3%台に向けて上昇するには、米中貿易問題が収束に向かい、商品市況が回復する必要があるとの見方ができる。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ブラジルレアルも下げ止まらず 10月の大統領選へ不透明感

ブラジルレアルが続落している。21日は1レアル=27.19円(前日比53銭マイナス)とレアル安・円高で取引を終了。対円で年初からの下落率は2割にのぼり、トルコリラやアルゼンチンペソなどに次ぐ落ち込みだ。 10月の大統領選をめぐる世論調査では、禁固刑で収監中のルラ元大統領がトップとなったと報じられている。しかし、同氏の立候補が認められない場合は後継のアダジ氏が代理となるとの見方が大勢だが、同氏の支持率は高くない。 世論調査での2位は元軍人で右派のボルイソナロ下院議員だが、長く左派色の濃かったブラジルが右傾化することをマーケットは懸念しているようだ。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

3452日の歴史、3451日の現実 S&P500にみる長期ブル相場の有効期限

20日の米国市場でS&P500種株価指数は一時2859.76まで上昇し、1月に付けたザラ場・終値ベースの史上最高値(2872.87)にあと13.11ポイント(0.4%)に迫った。先行き不透明が出ている割に強い地合いが続いている。 エバコアISIによれば前回のS&P500の長期上昇相場は1990~2000年に3452日続いたという。今回は3451日。2000年3月にS&P500がピークを打った際にFF金利は6.00%、10年債利回りは6.19%、株価収益率(PER)は31倍だったといい、ITバブル当時と現在を比較する事には違和感もあるが、その後、2001年3月に米国はリセッションを迎えた。長期ブル相場の最終局面が近いのだろうか。 ちなみにノムラ・セキュリティーズは19日付で「米国:追加関税による不確実性を我々の予想に組み込む」と題するリポートを公表し、2018年・19年の米国内総生産(GDP)予想をやや引き下げていた。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「嬉しくない」で金利もドルも⤵ T砲介入、夏バテも夏休みもなし

20日の米国市場でドル指数(DXY)は4日続落し、0.38%安の95.77で終えた。トランプ大統領が17日にニューヨーク州で行われた資金集めのイベントで、「共和党支持者向けに米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が低金利政策をとると見込んでいたが、逆に金利を引き上げていると不満を漏らした」(ブルームバーグ)などと報じられたことでドル安が進んだ。 この日はロイターもトランプ氏とのインタビューで「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」と伝えた。さらにトランプ氏は「中国は為替を操作していると思っている。ユーロもまた、操作されていると思う」と述べ、貿易紛争懸念が残る状況下、FRBの利上げを受けてドル高が進む中で人民元やユーロが下落基調にあることに不満を示した。珍しく、日本や円についての言及はなかった。 今週、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれるカンザスシティ地区連銀主催の金融シンポジウムでパウエル議長の講演を控える中、トランプ氏から利上げをけん制するかのような見解が相次いだことになる。トランプ氏は7月19日にCNBCのインタビューで利上げに関して「私は嬉しくない」と述べていた経緯がある。 20日はトランプ氏の利上げけん制発言を受けて、米10年債が買われる展開となった(金利は低下)。米10年金利は2.81%台へ低下し、7月上旬以来の水準。ドル指数と米長期金利は8月に入ってから正相関の関係を強め、ドル安・金利安の流れが強まっている。(片平正ニ、池谷信久)    <ドル指数(緑・左)と米10年債利回り(白・右)の年初来チャート> (注)QUICK FactSet Workstationより作成 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。    

投機筋ついにユーロ売り越し トルコ余波、半端ないドル一強

米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(14日時点)でユーロが1789枚のネットショートとなった。ユーロの投機ポジションがショートとなるのは2017年5月2日以来、1年3カ月ぶりのこと。トルコと米国の対立が激化したことで13日、トルコの通貨リラの対ドル相場が1ドル=7.2362リラに急落。史上最安値を更新するなか、ドル高・欧州通貨安の流れを受けてユーロ売りが活発化した格好だ。 豪銀大手オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は20日付のリポートで、CFTCの為替ポジションを踏まえて「レバレッジド・ファンドとアセット・マネジャーズらは2週続けてドルを買い越した」と指摘した。ドルの買い越し規模は前週比で5億ドル増の303億ドルに膨らんだといい、2015年11月以来の高水準に達したという。米中の貿易紛争懸念が残るなか、ドル指数が強含んでいることと整合的な動きとみられる。 なお、リポートでは「今週はFOMCの議事要旨のほか、ジャクソン・ホールでパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が週末に開かれるため、短期的なポジショニングを占う上で重要なものになるだろう」と指摘した。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

トップは働き過ぎと睡眠薬に要注意 テスラ騒ぎで見えた懸念と教訓

17日の米国市場で電気自動車(EV)大手のテスラが大幅に4日続落して8.92%安の305.50ドルで終えた。終値ベースの下落率としては2016年6月22日(10.45%)安以来、2年2カ月ぶりの大きさを記録した。 この日にNYタイムズ紙電子版がイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のインタビュー記事を掲載。その中で、マスク氏がEVのモデル3の量産にあたって苦しんでいる様を紹介したことが警戒された。マスク氏は「私のキャリアで困難な年だった、ひどく苦しかった」と近年のテスラの経営について心境を吐露。また記事では、マスク氏が睡眠薬のアンビエン(日本名・マイスリー)を服用していることに取締役会メンバーが懸念を抱いているとも報じていた。マスク氏は今月7日にツイッターで「非公開化を検討、資金は確保した」と投稿してレバレッジド・バイアウト(LBO)による非公開化を買付価格1株420ドルで行う方針を明らかにしていたが、市場では空売り投資家の踏み上げを図ったとみられていた。今回のNYTの記事を受けて、睡眠薬の副作用によって衝動的に行った可能性が市場で警戒された格好だ。 マスク氏は1週間に120時間働いているといい、今年夏に兄弟の結婚式に出席できなかったほか、誕生日をテスラのオフィスで過ごしたことも明らかにした。 なお、マスク氏は19日にツイッターで「フォードとテスラの2社は、米国の自動車メーカーで唯一破綻しなかった。私は工場から帰ったばかりだ。あなたはこれがオプションだと考えているが、それは違う」とつぶやいた。リベラル系ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」の創設者であるアリアナ・ハフィントン女史が公開書簡の形式で「親愛なるイーロン。あなたは人間のエネルギーを使う上で、ひどく時代遅れ、反科学的、ひどく非効率的な方法を実証しています」と批判的な記事を書いたことに対する返答だったが、相変わらずマスク氏は本業で忙しいもようだった。(片平正ニ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

ステルス減額?ただの微調整? ペースダウン、夏の本石砲に思惑

日銀のETF買い入れ(本石砲)が議論を呼んでいる。8月に入ってからETFの購入ペースが落ちているため、将来の購入減額に向けた布石としての「ステルステーパリング」の思惑がくすぶる。 7月末の日銀金融政策決定会合ではETF買い入れに関して「年間約6兆円」という金額を残しつつ、「市場の状況に応じて、上下に変動しうる」との注意書きを加えた。購入基準は非公表だが、今年1~7月までは午前中にTOPIXが0.4%以上下落した際には700億円強の買い入れを実施。8月は15日にTOPIXが0.43%安、16日には0.42%安で午前中を終えていたが、買いが見送られていた。 <7月以降、前場TOPIXが下落した日の日銀のETF買い入れ状況> 野村証券は16日付リポートでETF会に関して「ステルステーパリング発動?その可能性は極めて高い」とのリポートを公表した。リポート内ではETF買入減額は静かに開始されたと見るのが妥当であろうと指摘している。一方、東海東京調査センターの鈴木誠一氏は現状の発動条件は「現状、TOPIXの前場の下落率が0.50%に設定されている」と指摘する。そのうえで足元までにETFの買い入れ進捗ペースが6兆円を上回るペースだったためであり、「ステルステーパリングが進行していると考えるのは期待しすぎ」とする。 歴史を紐解けばTOPIXが前場に0.45%下げても買い入れを見送っていた日はある。2016年10月12日にはTOPIXが前場を0.45%安で終えていたがETF買いは実施されなかった。この時期に日銀のETF買い入れが過剰なペースだったと指摘されていた。足元も当時と状況は重なり、これまでの買い入れペースはイーブンレベルから1600億円ほど上回っている。鈴木氏はこうした状況からあくまで「マイナーチェンジ」と捉える。 いずれにせよ「まだ状況を見極めるべき時期だが、ある程度の基準で買い入れが実施される状況は変わっていない」(国内証券)との声がある。ETFが買い入れがある限り、一部銘柄の需給を引き締めるという見方もある。議論は尽きないが、足元のピースだけでステルステーパリングとの結論を導くのは早計といえる。(中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

FANGよりWANG 「W」はネットとリアルの融合効果が出始めたあの老舗

16日の米国株式市場でウォルマートが大幅反発。2月以来、半年ぶりの高値となる100ドルを突破する場面があった。終値は前日比9%高の98.64ドルだった。朝方発表した2018年5~7月期の決算で調整済み1株あたり利益が1.29ドルと、市場予想(QUICK・ファクトセット、1.22ドル)を上回った。 売上高は前年同期比3.8%増の1280億ドル(市場予想は1259億ドル)。来店者数が増えたことで食料品などの売り上げが好調となり、既存店売上高は4.5%増とここ10年あまりで最も増加率が大きかった。「対アマゾン」で力を入れているネット通販の伸びも貢献しているようだ。 著名コメンテーターのジム・クレーマー氏は16日の米経済専門チャンネルのCNBCで「FANGを見直し、ウォルマート、アップル、ネットフリックス、米検索大手グーグルの親会社であるアルファベットで構成される『WANG』という新しいグループを見るべき時かもしれない」と指摘した。 ※QUICK FactSet Workstationより FANGは言うまでもなくフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルといった主力ハイテク株のグループ。QUICK FactSet WorkstationでFANGとWANGを指数化したところ、16日時点でFANGは年初来で33.72%上昇しているが、7月25日をピークにして上値が重くなっている。一方、WANGは17.85%上昇し、ウォルマートの急騰を受けて年初来の高値を更新してきた。ウォルマートやアップルの一段高に期待を持つなら、WANGに上昇余地があるのかも知れない。(松下隆介、片平正ニ)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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