アップル強気派が減ってきた 「中立」4割、「売り」も1割 

8日の米国市場でアップルが続落し、2.06%安の200.02ドルで終えた。一時は200ドルを割り込み、この日のダウ工業株30種平均の下落寄与度2位で指数を28ドル押し下げた。 ローゼンブラット・セキュリティーズが8日付のリポートで投資判断をニュートラル(中立)からセル(売り)に引き下げ、目標株価を150ドルで据え置いたことが嫌気された。リポートでは「アップルは今後6~12カ月のうちにファンダメンタルの崩壊に直面するだろう」とし、足元で自社株買いや落ち着いた業績見通しを受けてリバウンド基調が続いているものの、株高の持続性に疑問を呈していた。 iPhoneの販売に昔ほどの勢いがなく、デザイン部門トップの退社などネガティブなニュースもあって、足元でアップルに対して強気の見方は減っている。QUICK FactSet Workstationによればアップルをカバーする42社のうちオーバーウエイトを含む買いの判断を下しているのは50%に過ぎず、かつては9割以上が買いの判断を下していた時と比べて強気派は少ない。現在は中立が40.5%、売りが9.5%で、売りのシェアは2001年(14.3%)以来、18年ぶりの高水準にある。 ■赤の「弱気派」がじわり増加 (片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

100%の利下げ期待、パウエル議長は何を語る あす注目の議会証言

強めの米雇用統計で50bpの利下げ観測が後退し、米株はやや調整ムードが出ている。日本株もトレンドに乏しく、パウエルFRB議長の議会証言待ちの展開が続きそうだ。 その議会証言をあす10日に控え、市場では様々な見立てが飛び交っている。「利下げを行わないならパウエル議長は議会証言で市場の期待を修正か=JPモルガン」、「パウエル議長は市場の利下げ観測を押し返すだろう=バンカメ・メリル」といった見方が出ている。7月のFOMCで保険的な利下げを行う場合は何らかのシグナルを発するとみられている。FF金利先物市場が25bp以上の利下げを100%織り込む中、利下げを見送って株安が進むリスクがあるのなら、市場の期待に応じて利下げに踏み切るだろうとの見方もある。 ■米金利は利下げを織り込む動きが続いている ゴールドマン・サックスは8日付の「なぜ利下げか?」と題するリポートで「労働市場の減速に対する懸念は、これまでのところ根拠がないことが証明されている。労働参加率の上昇で増加した失業率はすぐに再び下がり始めるだろう」と指摘した。そのうえで「7月と9月に25bpの利下げを行うのは当社の基本シナリオだ」としながら、「債券市場はさらに50bpの利下げを想定している」とも指摘。「現在のFOMCのアプローチに対する私たちの不確実性もやや増加している」という。2020年にかけてはインフレ率の回復が見込まれるが、金融市場で大胆に利下げが織り込まれる中、トランプ大統領という「不確実性」などもあって、金融政策の方向は見づらいとみていた。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】9日 5月の毎勤統計、6月マネーストック、吉野家HD決算

【9日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 5月の毎月勤労統計速報値(厚労省) 8:50 6月のマネーストック(日銀) 10:20 6カ月物国庫短期証券の入札(財務省) 10:30 5年物利付国債の入札(財務省) 13:30 5月の特定サービス産業動態統計(経産省) その他 閣議   3〜5月期決算=吉野家HD 海外 時刻 予定 3:00 クオールズFRB副議長が講演(10日)   ボスティック米アトランタ連銀総裁が討議に参加(10日) 4:00 5月の米消費者信用残高 21:45 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長があいさつ(録画) その他 マレーシア中銀が政策金利発表   欧州連合(EU)経済財務相理事会 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 6366 米LNGプラント延期 千代建、契約見直し 完工できれば成功報酬 日経 +3.37% 7/8 8411 中関村発展、みずほFG傘下のみずほ銀と協力でファンド スタートアップ投資向け 日経 +0.57% 7/8 2432 ディーエヌエ、大阪でもタクシー配車 日経 +0.43% 7/8 7186 コンコルディ社長 M&A仲介など強化 日経 +0.24% 7/8 2371 カカクコム、新規事業売上高2年で25%増へ計画 日経 +0.21% 7/8 7201 「経営統合、緊急性ない」 日産自、新任のデルマス社外取締役 米事業立て直し急務 日経 -0.37% 7/8 4755 楽天、DMMから格安スマホ買収 顧客基盤拡充へ 日経 -0.50% 7/8 8698 マネックスG傘下のマネックス証券、米株購入手数料をさらに引き下げ 日経 -0.54% 7/8 8601 大和、シドニーに支店開設 日経 -0.55% 7/8 7974 任天堂、中国からベトナム移管 「スイッチ」生産一部 日経 -0.58% 7/8 2503 キリンHD傘下のキリンビールなど、第三のビール好調 日経 -0.61% 7/8 4272 日化薬、M&A枠300億円 化学樹脂医薬車の安全 3分野に的 日経 -0.66% 7/8 3148 クリエイトS、前期純利益2%増 日経 -1.31% 7/8 7630 壱番屋、三井物とインド進出 日経 -1.31% 7/8 8031 -0.50% 7/8 9432 NTT、眠る不動産で稼ぐ 電話局やビル8500拠点 新会社発足 25年までに1兆円超投資 日経 -1.36% 7/8 4185 米に半導体の洗浄剤工場 JSR、来年稼働へ100億円投資 日経 -1.46% 7/8 6367 ダイキンやパナソニック、温度や照明調整 快適オフィスに 日経 -1.76% 7/8 6752 -0.02% 7/8 7956 ピジョン、2ケタ増収でも 中国ネット事業に死角 割引など販促費重荷 日経 -3.63% 7/8 8267 情報銀行、第1弾で認定証 三井住友信託とイオン系 日経 -4.71% 7/8

ドイツ銀の落日、他人事にあらず 「欧州最強」を蝕んだ低金利・低成長

金融業界の収益環境が世界で厳しい。経営再建中のドイツ銀行は7日、2022年までに全行員の約2割にあたる1万8000人を削減すると発表した。世界的な低成長と低金利の常態化に体力を奪われたことが背景にある。人員削減や金融機関からの退社の動きが業界全体でじわりと広がるなか、金融株は再浮上のきっかけをつかめずにいる。 ■株価は低迷していた 「ついに来たか」――。ドイツ銀の大規模な人員削減策に市場関係者はざわついた。「欧州最強」と言われたドイツ銀は1990年代末から投資銀行業務を拡大させてきたが、2008年のリーマン・ショック後は金融商品の不正販売をめぐる巨額の罰金の支払いなどで経営不安に陥り、収益悪化に苦しんだ。 パッシブ運用、MiFID2が逆風に 追い打ちをかけたのが、足元で鮮明になっている世界的な低経済成長だ。00年代以降、先進国では成長率が1~2%台にとどまり、低金利が常態化。低成長や成長資金需要の縮小を背景に世界の上場企業数が伸び悩むなか、株式売買は縮小。金融機関の投資銀行部門などの収益を減らす要因になった。さらにマッコーリーキャピタル証券の増沢丈彦ヘッドオブセールストレーディング(日本人顧客担当)は「株式売買手数料の低いパッシブ投資家の存在感が高まっているうえ、米中貿易戦争の激化に伴ってアクティブ投資家の買いが入りにくいことも苦戦の背景だ」と指摘する。 18年1月に欧州で導入された新規制「第2次金融商品市場指令(MiFID2)」が証券会社に及ぼす影響も顕著だ。同規制はアナリストの調査費用と売買手数料を明確に分離するよう定めた。以前はセルサイドと呼ばれる証券会社が、バイサイドである運用会社に調査リポートを無償で提供する代わりに売買を委託してもらうといった慣行が通例だったが、そうした慣行が通用しなくなった。運用会社側は調査費用の抑制を進めた。 米ITGが世界の運用会社の取引データに基づいて調査したグローバル・コスト・レビューによると、運用会社が証券会社に支払った株式売買手数料率は、英国ではMiFID2導入前の17年10~12月期の7.0%から導入後の18年10~12月期に5.1%まで低下した。この傾向は世界でも同様で、米国では4.0%から3.5%に、日本では5.6%から4.9%にそれぞれ低下した。市場では「外資系証券の日本株の株式売買手数料は19年度の計画に対し、6~7割にとどまり苦しい状況が続いている」(外資系証券)との声も聞かれる。 「株式営業に魅力感じず」「自由なくなった」 17年まで外資系証券に勤務し20年近く日本株営業に携わったある市場関係者は「株式営業に魅力を感じなくなった」と証券業界を離れた理由を明かす。株式売買手数料が減少の一途をたどり、企業に公平な情報提供を促す「フェアディスクロージャールール」の導入を背景にコンプライアンス(法令順守)の厳格化も進んだ。「自由がなくなった」と感じ取り、その後は再生可能エネルギー関連の会社の社長に転じ奔走しているという。 先週には一部報道で仏BNPパリバがアジアの株式調査チームの大部分を削減すると伝わった。国内でも証券会社の人員削減や退社の動きがある。次はどこか――。市場関係者からは不安の声が上がるなか、金融株の株価再浮上の道筋は見えない。 〔日経QUICKニュース(NQN) 末藤加恵〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

【朝イチ便利帳】8日 機械受注や街角景気、日銀支店長会議で総裁あいさつ

8日は5月の国際収支や機械受注統計、6月の景気ウオッチャー調査などが発表される。日銀が支店長会議を開き、黒田東彦総裁があいさつする。   【8日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 対外対内証券売買契約(月間、財務省)   5月の国際収支(財務省)   5月の機械受注統計(内閣府)   6月の貸出預金動向(日銀) 9:30ごろ 黒田日銀総裁が支店長会議であいさつ 11:00 7月のQUICK月次調査<株式> 14:00 6月の景気ウオッチャー調査(内閣府)   7月の日銀地域経済報告(さくらリポート) 海外 時刻 予定 4:00 5月の米消費者信用残高(9日) その他 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ) 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 5334 特殊陶と三菱日立パワー、燃料電池会社10月に設立 日経 +2.22% 7/5 8267 イオン、最終赤字43億円 3〜5月、本業のGMS不振 日経 +2.14% 7/5 8016 オンワード、純利益24%減 3〜5月期、衣料品苦戦 日経 +0.81% 7/5 9601 松竹、不動産事業の営業益50億円に 22年2月期めど 日経 +0.55% 7/5 7203 トヨタ、中国2社と提携 燃料電池車部品を供給 日経 +0.30% 7/5 9201 日本航空傘下のLCC、ジップエアが来年5月就航 日経 +0.25% 7/5 8801 三井不など、物流拠点を駅近に開設 日経 +0.22% 7/5 4502 GPIF組み入れ比率、武田や三菱商上昇 日経 +0.18% 7/5 8058 +0.47% 7/5 6752 プラ代替品、家電に採用 パナソニックが植物性新素材 日経 -0.48% 7/5 6952 カシオが戦略投資枠、3年で180億円 日経 -0.52% 7/5 6702 持ち合い株削減進む 富士通、480億円売却 日経 -0.56% 7/5 8001 伊藤忠、中国勢とファンド 2000億円、日本企業の進出支援 日経 -0.59% 7/5

HFTの生命線 「超短期」「超高速」にAIはどこまでついていけるか

「膨大な過去の相場データを取り込んで『勝ちパターン』を抽出し、条件が揃ったときに瞬時に正しく動作する」。コンピュータープログラムを使った「アルゴリズム取引」によく用いられる定義だが、人間のエンジニアを介するとプログラムのバグ修正などの際、どうしてもタイムラグが生じる。競争の激しい世界だけに判断の遅れは致命的だ。そこで存在感を増しているのが、人よりもはるかに機動的かつ迅速に対処できる人工知能(AI)だ。 ディーリングに必要な「柔軟な思考」「機微」は、AIにはまだ荷が重い 極めて高い頻度で売り買いを繰り返すHFT(高頻度取引)が外国為替や株式先物などの市場を席巻し、相場をにぎわしているのは周知の通りだ。HFTは最速でマイクロ秒(100万分の1秒)単位で持ち高を回転させ、高速アルゴリズム取引の頂点に立つ。このモデルは市場で何が起こり、需給環境がどう変化しているのかを瞬時に判別して、誰よりも早く反応することで収益機会を増やすのが基本だ。それだけに、人による修正が必要な通常のアルゴ・プログラムに比べると、AI組み込み型の利点は大きいと考えられる。 「米国勢を筆頭に、為替直物や各種先物でHFTを手掛ける大口投資家のAI活用はかなり進んでいる」。これが市場の共通認識だ。電源と適切な通信・メンテナンス環境が確保できれば24時間休まず正確に動き続けられる点で、アルゴとAIの親和性は極めて高い。HFTのような不眠不休型短期トレーディングのサポート役としてのAI浸透は自然といえる。 ただ、やや長い目でみると課題も多い。外為市場のように参加者が多く様々な要因が複雑に絡み合うマーケットでは、政治家や金融・通貨当局者の発言、さらに国際商品市況などのどの部分が持続的な「テーマ」なのか、需給バランスはどうなるかといった予測は難しい。その時々の状況に応じた柔軟な考え方が必要だ。過去のデータにとらわれがちなAIにはまだ荷が重いだろう。 ディーリングで最終的に勝つには、どの戦略をとれば利益を最大化できるか、損失を最小限に収めるにはどうしたら良いかなどについてギリギリの決断を迫られる。上がるか下がるかの方向を当てただけでは用をなさない。例えばドルが上がりそうだと想定した時、どのぐらいの確率で当たるのか、どこまで上昇するのか。さらに直物でドルをどれだけの額を買うべきなのか、ドルのコール(買う権利)オプション購入を併用すべきなのか、株や金利関連商品と組み合わせるべきなのか。そのあたりの「機微」をAIに求めるのはまだ難しいだろう。 それでも、AIが得意とする「市場でいま何が起きているかをより速くより正確に収集し、アウトプットする」経験を積み重ねることで活路は開けるはず――。関係者はそう考えている。膨大なパターンから戦術を選び出し組み合わせる「最適化」はAIの独壇場だ。あるヘッジファンドのマネジャーは「パターン分析だけではランダムな市場に対処できないが、市場に向き合い続ければAIなりに『ランダム』を理解するかもしれない」と期待を寄せる。 「餅は餅屋」という。利益の最大化などの課題解消はまだ遠いが、一時期のAIブームが落ち着いた足元では、AIにどこまで実現させたいのか、AIの得意分野を見いだし選別していく余裕が生まれているはずだ。大手システム開発会社や金融機関各社の研究は急ピッチで進行している。 【日経QUICKニュース(NQN ) 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

「マイナス金利の海」に潜って稼ぐ海外勢 日本国債の保有比率が最高に

6月27日に日銀が公表した1~3月の資金循環統計(速報)によると、海外投資家の日本国債(T-Billを除く)の保有比率が過去最高を更新し、拡大し続けていることが明らかになった。海外勢の同保有比率は7%に過ぎないものの、13年4月に日銀が「量的・質的金融緩和」(巨額の国債買入れと大規模なマネタリーベースの供給)を導入する直前の13年3月末と直近19年3月末の比較では、金額ベースで37.4兆円増加している。 国庫短期証券(T-Bill)の保有比率では、海外勢は71%を占める。しかし、同期間における金額ベースでの増加は23.1兆円となっており、T-Billを除く国債の増加額が上回っている。最大の買い手はもちろん中央銀行(日銀)だが、マイナスへと沈んでゆく国債の買い手として海外勢が一翼を担っていることは明白だ。 そもそも海外投資家は、日本国債を買う際にベーシス・スワップと呼ぶデリバティブ(金融派生商品)取引を使う。邦銀にドルを貸し出して円を調達すると、日米金利差とプレミアム(上乗せ金利)が大きいため、国債の利回りがマイナスでも十分に採算がとれる構図だ。 1日に公表されたQUICK月次調査<債券>6月調査では、回答者の「長期金利の見通し」(グラフ緑)が、5月調査(グラフ赤)から大きく下方にシフトした。4月調査(グラフ水色)では調査時点から恒常的に金利上昇バイアスが生じているのに対して、5月、6月のいずれも調査時点での相場地合いを引き継ぎ1カ月後にはマイナス幅を拡大すると予想する。 また、今回の6月調査では6カ月後の金利水準が足元よりも低位にあることが特徴的だ。6月20日の金融政策決定会合後の記者会見で、黒田日銀総裁が「物価安定が損なわれるならば、ちゅうちょなく追加緩和を検討する」、プラスマイナス0.2%程度を念頭に置いている長期金利の変動幅については「具体的な範囲を過度に厳格にとらえる必要はない。ある程度弾力的に対応していくことが適当だ」と述べたことが背景に挙げられよう。6月19日に▲0.155%へ低下していた10年債利回りは同会見翌日の同21日には▲0.195%へと低下、日銀が許容する金利下限を探る動きとなった。 6月調査での、今後6カ月において「最も注目している債券価格変動要因」という設問では、「海外金利」が39%と高水準を維持した(グラフ赤)。4月調査以降低下基調にあった「短期金利/金融政策」が41%へと急反発する一方(グラフ水色)。「景気動向」が前回5月調査から9%へと急低下した(グラフ◆青)。海外経済の下振れリスクを手掛かりとした日銀追加緩和観測が反映されたものと言えよう。 また「最も注目している投資主体」では、「政府・日銀のオペレーション」が58%へと上昇し、18年12月以来の高水準となった。4月調査で39%まで上昇していた「外国人」が27%へと続落した。意外な結果だが、ベーシス・スワップで高利回りを享受できる海外勢が恒常的な買い手となってしまったことで、押し目待ちの国内市場参加者にとっては興味の対象ではなくなったのかもしれない。あるいは、本邦投資家の欧州債買いによってユーロ圏の金利が低下し、利回りを求めてJGB買いへとあぶりだされる欧州投資家の動向は想像に難くないということなのだろう。 月次調査のデータから円債相場の過熱感を測るツールとして作成した「Composite Index」は先行きの警戒感を示し始めている。左目盛り「50」が中立、上へ行くほど強気の過熱感、下へ行くほど弱気が過熱していることを示す。20年債利回りが16年以来の水準へと低下しているにもかかわらず、国内債券の組み入れ比率を「やや引き上げる」が大きく上昇、債券デュレーションを「やや長くする」が高水準を維持するなど、回答者が強気に傾き始めていることは明らかだ。強気の相場観によってポジションが構築されるのを引きつけながら、次の調査が発表される頃までには、そろりと売り場(逃げのタイミング)を考える時間帯なのかもしれない。(丹下智博)  ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米国株、そこまで見えてきた2万7000ドル&3000時代

4日の米国市場は「独立記念日」の祝日で株式・債券ともに休場だったが、GLOBEXの時間外取引は時間を短縮して取引が行われた。Emini-ダウ株価指数先物は2万7009ドルまで上昇し、2万7000ドルの大台に乗せた。Emini-S&P500株価指数先物も3006.00まで上昇して3000の大台乗せとなった。5日に米雇用統計の発表を控えて世界的に金利が低下傾向にある中、米株は強い流れが続いた。 ダウ平均が終値で初めて2万6000ドル台に乗せたのは2018年1月17日(S&P500は2802)だった。その後「VIXショック」や「パウエル・ショック」などもあり、台替わりにほぼ1年半かかった計算になる。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

欧州、沈む金利 ベルギーもマイナス、ドイツは中銀預金金利を下回る

4日の欧州債券市場では欧州連合(EU)加盟国の多くの国債利回りが過去最低水準で推移した。ドイツの10年物国債利回りが中銀預金金利のマイナス0.40%を初めて下回った。ドイツ、フランスなどに続いて、ベルギーの10年債利回りもマイナス圏に「水没」した。 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーを務めるフィンランド中銀のレーン総裁が4日、独紙とのインタビューでユーロ圏の景気減速について「一時的な落ち込みではない」との見解を示し、追加の金融緩和の必要性を示唆した。ECB次期総裁に国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が指名されたことも、追加緩和の観測を後押ししている。 ■各国の10年債利回り モルガン・スタンレーは4日付のリポートで「ECBの金融緩和が再開されるだろう」と指摘した。具体的には①量的緩和(QE)を再開させるため、ソブリン債、社債、その他のクレジット物を購入する余地を設け、さらに緩和策は銀行与信にまで拡大する可能性がある②金利はさらにマイナス幅が拡大し、7月か9月に預金金利を10bp引き下げ、マイナス0.50%にすると予想する。市場が年内の利下げを織り込むなか、フォワードガイダンスを変更する可能性もある③これらの利下げなどは一緒に発表される可能性が高い。マイナス金利やバランスシートの拡大などの非伝統的な政策は、経済成長とインフレの影響が限定的ななかでここしばらく続くとみられる――と指摘していた。 独10年債利回りがECBの中銀預金金利を割り込んでも、独2年債利回りはマイナス0.767%、独3年債利回りはマイナス0.783%となっており、利回り曲線(イールドカーブ)はしっかりと立っている。「時間の経過に伴って利回りが低下する『ロールダウン効果』が大きく、この水準でも十分に投資妙味がある」(ファンドマネージャー)という。(丹下智博、片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】5日 景気動向指数、GPIF運用実績 6月の米雇用統計

5日は日銀が生活意識に関するアンケート調査を発表する。内閣府は5月の景気動向指数速報値を発表。年金積立金管理運用独立法人(GPIF)が2018年度の年金積立金の運用実績を公表する。データフィードのシステムを運営するフィードフォース(7068)が東証マザーズに新規上場する。 海外では6月の米雇用統計が発表される。   【5日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 5月の家計調査(総務省) 8:50 6月上中旬の貿易統計(財務省) 10:20 3カ月物国庫短期証券の入札(財務省) 13:30 生活意識に関するアンケート調査(日銀) 14:00 5月の景気動向指数速報値(内閣府) その他 閣議   18年度の年金積立金の運用実績(年金積立金管理運用独立行政法人=GPIF)   3〜5月期決算=ウエルシア、オンワード、イオン   東証マザーズ上場=フィードフォース 海外 時刻 予定 21:30 6月の米雇用統計 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 4689 ヤフー、データで稼げるか 「信用スコア」巡り社長釈明 20年3月期、4期ぶり最終増益 日経 +1.59% 7/4 8905 イオンモール、3〜5月純利益1%増 アジア好調 日経 +1.48% 7/4 9501 東電HD、2100億円の社債発行 機関投資家向け、過去最大規模に 日経 +1.25% 7/4 8002 丸紅、豪で再エネ電力売買仲介 日経 +1.02% 7/4 6758 半導体とエレキ、相乗効果は「誇張」 ソニーとの溝大きく 米ファンドのサードポイントCEOに聞く 日経 +1.02% 7/4 3382 セブン&アイのスマホ決済「セブンペイ」、被害5500万円か 不正アクセス、入金登録を一時停止 各紙 +0.75% 7/4 7267 ホンダの自動運転「レベル3」2020年実用化 時期を明言、国内勢初 日経 +0.62% 7/4 7267 ホンダ、次期燃料電池車延期 水素インフラ整備不十分 まずはEV集中 日刊工 +0.62% 7/4 4307 システム会社10月設立、野村総研とQUICK 日経 +0.44% 7/4 3222 USMH、3〜5月純利益6割減 既存店が不振 日経 +0.20% 7/4 8015 豊田通商、アフリカで小型発電所 米新興に出資 日経 0.00% 7/4 2670 ABCマート、3〜5月純利益2%増 3年ぶり最高益 日経 -0.28% 7/4

フィリピンで不動産株ブーム 年初から株価2倍、REITも初登場へ

フィリピンの不動産株が好調だ。フィリピン証券取引所が算出する不動産株指数(グラフ:青)は3日時点で、2018年末の終値から20%上昇し、主要30銘柄で構成する総合指数(グラフ:赤)の8%高を大きく上回った。市況好調で不動産企業が軒並み好業績を記録しているうえ、米連邦準備理事会(FRB)やフィリピン中央銀行の金融緩和への政策転換も追い風だ。市場ではフィリピン初の不動産投資信託(REIT)上場も予定され、金融市場の「不動産ブーム」を盛り上げる。 ■経済成長や中国需要が追い風 低価格住宅の販売に強みを持つ8990ホールディングスの株価は年初来で92%高と、2倍近くに上昇した。都市部で働く若年層の増加で一定の品質を確保した低価格住宅の需要が急速に高まり、収益成長につながった。経済成長に伴う所得水準の高まりや人口増加で、国内需要が好調に推移している。 首都マニラの北西にある新都市「ニュー・クラーク・シティー」は、行政が開発を後押しする。クラーク近郊で開発プロジェクトを進めるセンチュリー・プロパティーズ・グループ(グラフ:青)やフィルインベスト・ランド(グラフ:赤)、ロビンソンズ・ランド(グラフ:緑)の株価はそれぞれ年初来3~4割高と大幅上昇している。 中国マネーの流入も市況の追い風だ。投資対象としての購入だけでなく、フィリピンで働く中国人の「実需」も多い。現地メディアのビジネスワールドによると、フィリピンで働く中国人の正規の労働者数は2018年に11万人近くに達し、2年間で4倍近くに膨らんだ。中国本土で禁止されている賭博事業をフィリピン拠点で展開する中国系企業が増えているのが一因で、不動産サービス会社コリアーズ・インターナショナルは1~3月期のマニラ市況について「中国のオンラインカジノ企業の進出でオフィスの賃貸需要が好調」と指摘する。 不動産株に投資家の熱い視線が集まるこの機をとらえ、大手アヤラ・ランドは4月、フィリピン証券取引委員会にフィリピン初となるREITの上場を申請した。首都のオフィスビルなどが組み込まれる。ダブルドラゴン・プロパティーズもREIT上場を検討。新たな選択肢の登場が不動産市場を一段と後押しすると期待されている。 ■開発競争の激化、先行きに暗雲 もっとも、一部の不動産株には過熱感が強まっているのは否めない。米調査会社ファクトセットの業績予想に基づく19年12月期の予想PER(株価収益率)は3日終値時点で、商業施設開発の大手SMプライム・ホールディングスが29倍、アヤラ・ランドが22倍となっている。 不動産開発各社は市場成長の恩恵を余すところなく取り込もうと、巨額の投資計画を相次いで発表している。中心地に集中する投資先を分散しようとドゥテルテ大統領は6月、首都圏での経済特区の新設停止を命じる行政命令を出した。「首都圏、地方ともに開発用地を確保済みの大手に有利」(大和キャピタル・マーケッツ)とみられ、今後は開発競争の激化が企業の明暗を分ける可能性が高まる。フィリピン不動産株の人気はまだ続きそうだが、ブームの後乗りには冷静な判断が求められる。 (NQNシンガポール=村田菜々子) ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

世界で「脱プラ」の流れ加速 ユニクロの買い物袋も紙になる

ニュージーランドで1日、使い捨てのプラスチック製買い物袋の提供を禁止する法律が発効した。持ち手のついた厚さ0.07ミリ未満のプラスチック製の袋が対象で、すべての小売業者で顧客への配布が禁じられるという。日本の各種メディアも報じており、目にした方も多いのではないか。欧州やアジアを含め、世界の多くの国でプラスチック削減の方向に動いている。 カジュアル衣料店の「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(9983)は3日、2020年中をメドに全世界の同社グループ全体で、店頭で顧客に提供する使い捨てプラスチックのうち、ショッピングバッグと商品パッケージの85%にあたる約7800トンの削減を目指すと発表した。9月1日からは日本および世界12カ国・地域の事業で使用するプラスチック製ショッピングバッグから森林認証を受けた紙もしくは環境配慮型の紙製に順次切り替えるとした。20年1月からは全店舗でショッピングバッグを有料化するとしている。ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮し、自主的なプラスチック削減の動きのひとつといえよう。 日用品では資生堂(4911)がカネカ(4118)と化粧品容器などを共同開発することで4月に合意した事例が想起される。カネカが開発した100%植物由来のポリマー素材は、微生物のはたらきにより海洋生物に悪影響を与えない低分子化合物に分解されるという。これは一例にすぎないが、資生堂は自主的な環境基準に沿って、環境に配慮した商品開発・販促物開発を進めている。 このほか、花王(4452)が4月22日に、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(キレイライフスタイルプラン)」を発表したことも記憶に新しい。同社ウェブサイトの資料によれば、プラスチック包装容器に関し、代替の詰めかえ用製品「ラクラクecoパック」で植物由来プラスチックを、重量ベースで15%取り入れているという。キレイライフスタイルプランでは、同社のユニバーサルガイドラインに適合する新規製品・改良製品の比率を2030年までに100%とする目標を掲げている。 ESG投資の胎動を感じさせる事例の検証が欠かせなくなってきた。(山口正仁) ■現在のパフォーマンスは他の指数並みだが・・・(GPIFが選定したESG指数の1つ「FTSE Blossom Japan Index」の比較チャート) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

炭鉱のカナリアは何と鳴く♪ 安川電決算、中国リスクとFAリスク

米中の貿易戦争が一時停戦となり、市場の関心はファンダメンタルズとりわけ企業決算に向かう。注目は11日に発表予定の2月期銘柄、安川電機(6506)。ハイテク銘柄の先陣を切るだけに今後の業績動向を占ううえで市場関係者の視線が集まる。リスクの前兆をかぎ取る「炭鉱のカナリア」の鳴き声に耳を傾けるべき局面だろう。 念のため書き添えておくと、北九州市に本社を置く安川電は、炭鉱用巻き上げ機用途などを始めとした炭鉱用電機品の製造販売にルーツをもつ。 ■いくつもの連動性 2018年4月以降、四半期ごとに安川電と日経平均株価や米国株、中国株との相関関係を調べた。例えば日経平均との相関は18年7~9月期まではマイナスだが、10月以降は如実に強い相関関係を示す状況となった。 さらに興味深いのは中国株との連動性の高まりだ。上海総合指数はもとより銅の国際価格とも相関関係が強い。 相関の強まりは、米中貿易摩擦に端を発する中国経済への懸念が背景にある。設備投資意欲の低下はFA(工場自動化)関連の機器に幅広く影響が広まる。主だったFA関連銘柄と安川電とのそれぞれ相関関係を調べると、18年前半には安川電との相関が薄かったキーエンス(6861)やSMC(6273)なども相関が強く、不確定要素の多さゆえに「木」というより、FAという「林」でくくられて投資判断されている感が強い。 ■市場は利益下振れ予想、株価に織り込む 安川電の20年2月期の売上高予想は前期比2%減の4650億円、営業利益は同7%減の465億円を見込む。アナリスト予想の平均値であるQUICKコンセンサス(6月25日時点、18社平均)の営業利益は434億円で、市場は下振れ予想だ。上下の半期で分けてみると3~8月期のコンセンサス営業利益は196億円(6社平均)に対し、差し引きすると9~2月期は238億円となる。上期の低迷を下期で挽回するシナリオだ。 上期が低迷する背景には何があるのか。クレディ・スイス証券では直近のリポートでスマートフォン(スマホ)の在庫調整に端を発した受注の二番底や自動車の販売不振に伴うロボット受注の下振れから、19年3~8月期決算時での下方修正を予想しているようだ。SMBC日興証券でも、スマホや半導体などハイテク関連向けの需要の鈍さから、ACサーボモータを含むモーションコントロール事業での3~8月期の生産調整の可能性を織り込んでいるもよう。 アナリストが示すストーリーが正しいとすれば、上期低迷を反映した会社側の業績下方修正もある程度は織り込まれているかもしれない。株価も4月に年初来高値(4365円)を付けた後に6月の安値(3025円)まで約3割も調整した。足元では既に戻り歩調にあり、半値戻しの水準(3695円)は達成した状況だ。 アナリストが目標株価を開示している17社の6月末時点の目標株価は平均で3588円。中央値でも3700円で、足元はこの水準も上回る。6月上旬の下落で通期予想の下方修正を織り込んだとすれば、問題はその「深度」だ。 コンセンサス今期の営業利益予想は前年同期比で13%減であり、会社側の下方修正がコンセンサスにさや寄せする程度にとどまれば許容範囲といえ、株価としては逆にあく抜けにつながる可能性も意識される。さらに会社側が受注環境の底打ちを明確に示すようになれば、相場全体のムードを一気に明るくすることになるだろう。 一方、下期の状況も曖昧な1Qの段階で早くも下方修正に踏み切れば、今後発表が控える3月期決算のFA関連企業にも下方修正が相次ぐリスクを意識せざるを得なくなる。ただし、安川電は19年2月期の連結業績予想を2Q、3Qのタイミングで2回下方修正しており、市場からはその精度を問う声もあった。 主要20カ国・地域首脳会議(G20)大阪サミットを通過し、ひとまずFA関連に悪い雰囲気はない着地を見たといっていいだろう。ただ、米中の貿易摩擦を巡っては中国の華為技術(ファーウェイ)への備品輸出の許容や協議継続が約束されたものの、大統領選を控えたトランプ大統領のことだ。どのような手のひら返しがあるかわからない。それを除いてもまだ、受注回復の時期やスピードなど先行き不透明感は根強い。 足元のリスクオンムードの中で、想定を上回る下方修正が出ても「安川電の事情」と都合よく受け止めてしまい、のちに足元をすくわれる。そうしたことになりかねはしないか。「カナリア」の声はいつになく聞き分けるのが難しくなっている。(弓ちあき) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米国株高値そろい踏み 債券、金まで⤴は、そろい過ぎ

「S&P500指数が新たな最高値を付けた。今年は19%上昇している。おめでとう!」 このご機嫌なツイートが誰のものか、もはや言うまでもないだろう。3日の米国市場は独立記念日の休場を前に短縮取引だったが、S&P500指数は今年8回目となる史上最高値更新となったほか、ダウ工業株30種平均株価とナスダック指数も史上最高値を更新して主要3指数は堅調に終えた。 対中強硬派として知られるピーター・ナバロ大統領補佐官(通商製造政策局長)は3日にブルームバーグTVのインタビューで「新しい米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が承認され、金利を下げ、トランプ大統領の成長計画を推進すれば、ダウは3万ドルに到達する」と述べていた。米中の貿易戦争が一時休戦となる中、トランプ政権幹部から株式市場に強気のコメントが相次いでいる。 高値で推移するのは株価だけではない。米債券市場で米10年債利回りは約2年8カ月ぶりの水準まで低下(価格は上昇)した。利下げ観測や中東情勢の緊張で、ニューヨーク金先物相場も6月末に約6年ぶりの高値をつけている。 ■ダウ平均、S&P500、米10年債利回り(逆目盛り)、NY金先物の年初からの推移 株や原油といったリスクオン相場で買われる商品から、債券や金といった本来はリスクオフ相場で買われる商品までがそろって上昇。「ゴルディロックス」を通り越したかのような今の相場を、なんと呼べばよいのだろうか。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】4日 参院選公示、セブン&アイ決算 米国は休場

参院選がきょう公示され、21日の投開票まで17日間にわたる選挙戦が始まる。セブン&アイ(3382)の3~5月期決算が予定されている。米市場は休みだ。本日の主なイベントは以下の通り。   【4日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 対外対内証券売買契約(週間、財務省) 10:30 30年物利付国債の入札(財務省)   6月の輸入車販売(輸入組合) 11:00 6月の車名別新車販売(自販連) 14:00 三村日商会頭の記者会見 その他 参院選公示   3〜5月期決算=ABCマート、セブン&アイ 海外 時刻 予定 10:30 5月の豪小売売上高 18:00 5月のユーロ圏小売売上高 その他 米国は独立記念日の祝日で全市場休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 3608 TSIHD、純利益4.3倍 3〜5月、買収が寄与 日経 +2.13% 7/3 2678 アスクル、純利益12倍の54億円に 20年5月期見通し 日経 +1.79% 7/3 6758 サードポイントCEO、ソニーに半導体分離の回答要求 日経電子版 +0.91% 7/3 8698 マネックスG傘下のマネックス証券、米株購入手数料下げ 5ドルから0.1ドルへ 日経 +0.83% 7/3 2501 サッポロHD、主原料を育種 ポップ大麦 温暖化に強く 日刊工 +0.64% 7/3 9843 ニトリHD、純利益3%増 3〜5月 機能性商品など好調 日経 +0.28% 7/3 4324 電通、「情報銀行」1.2万人実験 個人データに対価 日経 +0.25% 7/3 7840 フラベッドH、羽毛ふとんリメーク 肌掛けや寝袋に 日経 +0.10% 7/3 2695 くら寿司米国法人、米ナスダックに上場申請 米国出店を加速   +0.10% 7/3 7832 バンナムHD、ガンダムフィギュア リアルさ追求 内部構造、2000部品で再現 日経 0.00% 7/3 3382 セブン&アイ、スマホ決済「セブンペイ」で不正被害 日経 -0.02% 7/3 9433 KDDIとソフトバンク(SB、9434)、5G基地局を相互利用 日経 -0.36% 7/3 7419 ノジマ、免許返納者に無料配送 高齢者向けサービス 日経 -0.53% 7/3 9501 柏崎刈羽原発の廃炉 東電HD、地元調整に難航 日経 -0.53% 7/3 7762 シチズン時計、介護向け計器事業参入 体温計など開発 日経 -0.70% 7/3 7966 リンテック、4割減益 4〜6月営業 半導体テープ低迷 日経 -0.94% 7/3 8031 さくらREIT、三井物産系と合併調整 「敵対的M&A」に対抗 日経 -1.72% 7/3

日銀の国債買い入れオペ「転機」 増額と減額の合わせ技に市場は……

日銀が3日に市場に通知した国債の買い入れオペ(公開市場操作)が関係者に動揺を与えている。残存期間が短めの国債については買い入れ額を前回から増やした半面、中期においては減額した。「日銀オペの転機かもしれない」「日銀の困難さが印象付けられた」ーー。これまでと違うオペレーションに対する市場の反応を拾った。 ■日銀の買い入れオペ 「1年超3年以下」:3,500億円→3,800億円 「3年超5年以下」:4,000億円→3,800億円 「10年超25年以下」:2,000億円→1,800億円 「25年超」     : 400億円→400億円 相対的にみると日銀はタカ派? 「オペの金額を3本とも変更するとは思わなかった。特に1~3年を増額したのは、日銀オペにおいては大きな変化だろう。これまでは減額を続け、カーブのスティープ化を促してきた。今回、1部増額したのは、マネタリーベースの増加に支障が出ないよう配慮したためだろう。今後、単純に減らすことができなくなった可能性がある。日銀オペの転機になった可能性がある」(ストラテジスト) 「全体的に減らせる額が限られてきたという印象ですね。ネットではわずか100億円の減額に過ぎませんから」(ストラテジスト) 「残存10年超25年以下を200億円減額しましたが、6月に月4回から3回に減らすときに1回あたりの購入額を200億円増やした分をもとに戻しただけですね。1回当たりのマーケットインパクトを意識したんだと思います。市場機能の回復という観点では好ましいことではないというのがベースにあったんだと思います」(ストラテジスト) 「短い年限を増減したことは単に需給のタイト化に対応したものでしょう。5年ゾーンをもっと減らしたかったかもしれませんが、ここを減額すると10年金利に効いてしまいますから。ターゲット金利である10年には影響を与えたくないということでしょう。同じ理屈で、超長期債についても需給面では対応するもののフラットニングのけん制といった明確な意思が示されるようなことはないと思いますよ」(ストラテジスト) 「短中期の増減額については6月28日のオペ予定が公表された時点の予想通り。すでにマーケットは織り込んだ動きとしていた。超長期債については25年超も減額があると思っていたので、据え置かれたことはサプライズだ。といっても、ベースが400億円しかないので100億円減額されても影響は限定的とみていた。いずれにしても今日の減額は相場が大きく動く材料ではない」(マーケットアナリスト) 「日銀国債買い入れの増減額は数字としては、レンジの中央値からそれぞれ50億円上振れ、下振れと微々たるもので予想通りといえる。ただ、YCCとマネタリーベースの拡大というなかで日銀の困難さが印象付けられたのではないだろうか。為替市場はやや円高方向に振れている。わずか100億円の減額なのだが日銀のタカ派姿勢が材料にされたようだ。米国ではハト派理事が決まりそうだし、ECB総裁(候補)のラガルド氏もハト派と目される。このタイミングだと日銀の緩和姿勢が最も弱いとマーケットは受け取ったのだろう」(ストラテジスト) 「中央値が250億円しか動いていなかったので、300億円増、250億円減というのは予想通りなんではないでしょうか。マーケットも冷静で、5年債が買われているので一部では5年の減額が少なかったという印象があるのかもしれません。ショートカバーしたかった方々は残念でした」(ストラテジスト) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

着々とFRB包囲網 トランプの青い鳥「理事に指名、うれしく思う」

こちらの中銀を巡ってはハトだけでなく青い鳥も飛び交っている。 トランプ大統領が2日にツイッターで「私はセントルイス地区連銀の調査局長であるクリストファー・ウォーラー氏を米連邦準備理事会(FRB)理事に指名することを嬉しく思う。彼は現職に就く前はノートルダム大学で教授を務め、経済委員長を務めていた」とつぶやいた。 イラスト:たださやか さらに別のツイートで「欧州復興開発銀行(EBRD)のジュディ・シェルトン氏をFRB理事に指名することを嬉しく思う。ジュディはエンパワー・アメリカの取締役会の創設メンバーであり、ヒルトン・ホテルズの取締役を務めていた」ともつぶやいた。2名の空席があるFRB理事の人事をツイッターで表明したもの。シェルトン氏については、ブルームバーグが5月に「トランプ氏の非公式顧問を務めている、保守派エコノミストのシェルトン氏をFRB理事に指名することを検討」と報じていた経緯がある。 ★トランプ氏のツイッターはこちら① ② ホワイトハウスがパウエル議長を法的に解任できないか検討していたと伝わるなど、足元でFRB人事を巡ってトランプ政権が画策している報道が相次いでいた。セントルイス地区連銀のジェームズ・ブラード総裁がホワイトハウス関係者からFRB理事にならないかと提案を受けていたことも判明。トランプ大統領としては地区連銀総裁を理事として送り込むことを避けつつ、セントルイス地区連銀の幹部、EBRDの友人らを抜擢しそうな情勢だ。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

世界の中銀ハトだらけ 強まる緩和期待、御指名ラガルド氏どう出る

世界の金融市場で中央銀行による緩和期待が一段と広がっている。 2日に豪州準備銀行(RBA)が開いた定例理事会で、政策金利を0.25%引き下げて年1.00%にすると決めた。2年11カ月ぶりに利下げした6月に続き、2会合連続で政策金利を過去最低水準に引き下げたことになる。一部では0.5%までの追加利下げがあるのではないかとの指摘もある。市場からは「みんなRBAのようにハト派になっていくのかな」(国内証券)と、FRBや欧州中央銀行(ECB)も金融緩和路線を強めるのではないかと期待する見方が出ていた。 マジックの後は?(Thierry Monasse/Getty Images) 欧州連合(EU)は2日、ブリュッセルで開いた臨時首脳会議で欧州中央銀行(ECB)総裁にフランスのクリスティーヌ・ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事、EUトップの欧州委員長にドイツのウルズラ・フォンデアライエン国防相を指名した。これまで、ECBのマリオ・ドラギ総裁の後任にはタカ派のイェンス・バイトマン独連銀総裁が候補として取り沙汰されていたが、EUの政治力学によってトリシェ総裁以来となるフランス出身のECB総裁が誕生する可能性が出てきた。女性初のECB総裁誕生となる可能性もある。 エバコアISIは2日付のリポートで「ラガルド氏が総裁になれば、ユーロ圏の成長を促す上でより積極的な役割を果たすよう促す一方、金融政策は幅広くハト派に傾くだろう」と指摘した。その上で、9月のECB理事会は「ドラギ総裁による最後のハト派プレーとなりそうだ。10~15bpの利下げ、毎月300億ユーロの新規量的緩和(QE)プログラムの両方が行われる可能性があり、金融政策のフォワードガイダンスは過去のものと異なる措置が取られる可能性がある」と指摘した。ドラギ総裁が6月に追加緩和を示唆したのはECB総裁の後任人事を踏まえ、ハト派路線を継続させたい狙いがあったとされる。 一方、JPモルガンは2日付のリポートで「金融政策に関するラガルド氏の見解は余り知られていないが、我々は彼女は非常に安全な選択だと思っている」と指摘。正式な経済学の経歴を持たず、中央銀行勤務の経験もないわけだが、「フランスの財務大臣を務め、IMFでユーロ圏の危機、ギリシャ救済の対応にも深く関わってきた」と実績を評価。ドラギ総裁ほどハト派的かは不明としながら、IMFがECBの量的緩和(QE)や目標を絞った長期資金供給オペ(TLTRO)、マイナス金利などの政策を支持してきたことを踏まえれば、「考えが近いと思うのは安全で、方向に大きな変化はないだろう」ともみていた。米連邦準備理事会(FRB)だけでなくECBも緩和路線を強めるようだと、日銀としても何らかの緩和策を検討して円安・日本株高を促す施策に迫られるかもしれない。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

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