香港市場、投資家のリスク回避進む 資金はディフェンシブ銘柄や金ETFに

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、フィリップ証券(香港)のルイス・ウォン(Louis Wong)氏がレポートします。※本記事は2016年2月29日にQUICK端末で配信した記事です。 2016年は大幅な下落からの出発 2016年に入り、世界の株式相場で下げ基調が続いている。香港株式市場の主要指数であるハンセン指数は2月12日に1万8279と、昨年末の終値(2万1914)比で16.6%安となる安値を付けた。足元では1万9300台を回復しているものの、年初からの下げ幅は12%近くに達している。一方、上海株式市場では上海総合指数が1月27日に2638の安値を付けて昨年末の終値(3539)比で25.5%下落した。 全体相場の下落に強みを見せる銘柄も 投資家たちのリスク許容度の低下に伴い、公益事業を手掛ける銘柄や不動産投資信託(REIT)、金価格に連動した上場投資信託(ETF)といったリスク回避の資産に資金が向かっている。公益事業銘柄では、長江基建集団(コード@1038/HK)、電能実業(パワー・アセッツ、コード@6/HK)、中電(コード@2/HK)がいずれも相場全体を上回るパフォーマンスで、年初からの上昇幅がそれぞれ10.0%、5.1%、4.0%に達している。  中でも、長江基建集団は英国や豪州、中国、カナダ、ニュージーランド、オランダで業務を展開。英国では電力事業(UK Power Networks 社とSea bank Power社)、水道事業(Northumbrian Water社)、ガス事業(Northern Gas Networks社とWales & West Utilities社)、鉄道事業(UK Rails社)、豪州ではガス事業(Australian Gas Networks社)や電力事業(SA Power Networks社とVictoria Power Networks社)など、中国では有料道路事業と建設資材事業、カナダでは電力事業(Canadian Power社)と駐車場運営事業(Park’N Fly社)、ニュージーランドでは電力事業(Wellington Electricity Lines 社)と廃棄物発電事業(Envirowaste Services 社)、オランダでは主に廃棄物発電事業(Dutch Enviro Energy 社)を手掛けている。長江基建集団が提示した電能実業との合併案は失敗に終わったが、同社の事業の安定性やディフェンシブ性から、株価パフォーマンスが良好だ。 REITや金ETFに資金流入 置富産業信託(コード@778/HK)も長江基建集団と同じく香港の大富豪である李嘉誠の傘下のREITだ。昨年末比ではプラスを維持しており、相場全体を上回るパフォーマンスとなっている。置富産業信託は香港域内の各地に小売関連物件を保有。保有資産には17カ所のマンションに付随するショッピングモールや商業物件があり、約318万平方フィートの小売店舗面積と2713台数分の駐車場を有している。保有物件の貸出面積のうち約60%がスーパーや飲食店、サービス業、教育関連など日常の必需品・サービスを取り扱う店舗に貸し出されているため、マクロ経済の周期的な変動に対して強いディフェンシブ性があるとされる。置富産業信託の2015年12月期の営業収益は前の期比13.7%増の18億8200万香港ドル、分配可能額が同13.3%増の8億8400万香港ドルだった。1口当たり分配金は0.4688香港ドルで、2月24日の終値7.96香港ドルに基づく利回りが5.9%だった。  リスク回避で金に資金が流れ込んでいることを受けて、香港証券市場で取引されているSPDR金ETF(コード@2840/HK)と価値黄金ETF(コード@3081/HK)が年初からそれぞれ16.6%、17.0%上昇した。SPDR金ETFは04年11月に組成され、ニューヨーク証券取引所やシンガポール証券取引所、メキシコ証券取引所へも上場している。一方、価値黄金ETFは10年10月に組成された、実物の金を取引所で売買するタイプの投資信託である。保有する金が香港空港管理局傘下の香港国際空港の貴金属倉庫に保管されており、他の地域の政治リスクの影響を受けにくい。価値黄金ETFは13年11月から2種類の通貨(香港ドルと人民元)で取引されており(人民元建てのコード:@83081/HK)、実物の金と交換できる。

東南アジア地域の成長見通しに暗雲 実体経済に忍び寄る株価低迷

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はシンガポールの現地記者クリストファー タン シ(Christopher Tan, Si)氏がレポートします。※本記事は2016年2月24日にQUICK端末で配信した記事です。 世界経済の成長見通し引き下げ相次ぐ 眼力の鋭い投資家なら株式市場における動きが実体経済とは必ずしも連動していないことを知っているだろう。しかし、世界の株式相場が大きく調整していることを受け、各調査機関は世界経済の成長見通しを引き下げ始めており、今年は株価と経済の低迷に正の相関がみられそうだ。 世界の株式市場は、今年の年初より大波乱の展開となっており、特にアジアの株式相場の下落が最も深刻といえる。アジア地域の株価動向を示すMSCIアジア指数(日本除く)は、高まり続ける中国経済の先行きと原油供給に対する懸念に引きずられ、年初以降に約10%下落した。しかし、より心配なことは、市場の動揺が実体経済にも影響を及ぼし始めていることだ。複数の金融機関は、経済成長の鈍化を予測し始めている。 中国と深い関係にある国へ打撃 特に中国との関係が強い国々は、同国の成長鈍化と企業債務問題に対する不安から急激な生産活動の低迷に見舞われそうだとエコノミストらは予測する。中国との関係が強い国々には、インドネシアやマレーシア、タイなど東南アジア地域の主要国が含まれる。 アクサ・アセット・マネジメントは、今年の成長予測を2009年の世界金融危機以降で最低水準になると予測している。同社は、景気低迷を示すデータと厳しい景況感を踏まえ、2016年の世界国内総生産(GDP)成長率予測を従来の3.1%から2.7%に引き下げた。米国の景気後退や中国の深刻な不景気突入は現実的なリスクではないかもしれないが、世界で株式の売りを進める警告にはなる。 金融市場のプロは弱気 アクサ・アセット・マネジメントのファンドマネジャーは「ダウンサイド・リスクとしての景況感の悪化と、アップサイド・リスクとしての予想外の石油収入という世界のGDP成長に対するリスクは、今のところは何とか均衡を保っているようにみえるが、英国の欧州連合(EU)離脱(BREXIT=ブリクジット)や中国の政策変更、とりわけ欧州での銀行業界に対する再規制の好ましくない影響といったシステミックリスクにはより一層の注意が必要だ」と指摘した。 オランダ系金融ABNアムロ銀行も、経済成長予測の引き下げに同意し、今後の見通しについてより悲観的になってきているという。同社は「これは、現在も進んでいる景況感の悪化と市場の混乱、これまでの米ドル高によって引き起こされた不確実性の高まりを反映している。さらに、原油価格が生産業者と世界の製造業の重荷になり、貿易は低迷したままだ。最終的に米国の利益成長が鈍化し、雇用や投資判断にマイナスの影響を与える可能性がある」とみる。 英金融大手バークレイズは、今年のマレーシアの成長率が4.7%に鈍化すると予測している。これは、2016年の民間消費と民間投資がともに鈍化し、国内需要の低迷の影響を受けるとみているためだ。世界の地域ごとの成長見込みはますます統一性がなくなり、株式市場がすぐに強気な上げ相場に突入する可能性は低いとアナリストらは話した。 メイバンク・キムエン証券は、マレーシアにおける融資の増加が鈍化することを予測し、銀行など関連業界の格付けを「ニュートラル」とし、建設業界の格付けを「ネガティブ」とした。同社は「不動産需要は低迷し続けている。報告されている債務不履行の実態と競売にかけられる不動産件数の増加が厳しい状況を示している。売りに出された大量の不動産に需要が追い付くには時間がかかる」とみている。 【翻訳・編集:NNA】

インドネシア、EC振興策を発表 100%外資参入の解禁へ

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。※本記事は2016年2月18日にQUICK端末で配信した記事です。   外資100%出資のEC参入を条件付きで許可…新しい試み インドネシアは、成長著しい電子商取引(EC)業界を支えるため、新たな振興策を導入する。政府は11日、財・サービスのオンライン取引の規制に関するロードマップを公表した。注目すべき点は、1,000億ルピア以上の投資であれば、外国企業のECへ100%出資による参入も認めたことだ。この動きは日本のソフトバンクが支援するECサイト運営大手「トコペディア」やインドネシアの複合企業リッポー・グループが出資するECサイト「マタハリモール・ドットコム」のような、既存の地場企業間の熾烈な競争をさらに激化させるだろう。 政府は時代の変化へ柔軟に対応 国内の業界団体であるインドネシア電子商取引協会(idEA)によると、バイクタクシー配車アプリを展開するGo-Jekのような新規事業の成長を支えるスマートフォンが国民に浸透することで、同国のデジタル産業は今年15億米ドルに倍増する見通しだ。インドネシアの通信・情報省の試算によると、ECプラットフォームを利用した取引は、2020年までに1300億米ドルに達するという。しかし既存の規制は、デジタル技術の急速な革新に対応するには、時代遅れのものとなってしまっている。ジョコ・ウィドド大統領は2009年にバイクタクシーは違法としたが、将来的な法改正で同サービスを許容するような方法を見つけ出すとし、政権にGo-Jekについて「見て見ぬふりをする」よう求めざるを得なかった。 財界要人も外資参入による競争激化を認容 ダルミン・ナスティオン調整相(経済)は、インターネット上での財・サービスの取引やデジタルデータ、送金に関する今後の全規制について、ECロードマップの中でガイドラインを設定すると説明した。政府と国内のデジタル産業の事業者が共同で作成したロードマップは、物流サービス、起業への融資、消費者保護、通信インフラ、ECビジネスに対する課税、人材育成、サイバー・セキュリティという7つの重要な課題に取り組んでいる。 ジョコ・ウィドド大統領は、ロードマップに法的拘束力を持たせるための大統領令を間もなく公布する予定だとダルミン調整相は話した。ECビジネスにおける外国人出資比率について、ダルミン調整相は「投資家は国内事業者とパートナーを組む必要はない」ことを意味すると話した。計画では、外国人投資家は(インドネシアの)国内事業を完全に支配下に置くことが可能となる。アマゾンやアリババといったEC分野の大企業はまだ、インドネシア国内に営業所を構えていない。 マタハリモール・ドットコムを傘下に持つ複合企業リッポー・グループのジョン・リアディ取締役は、EC業界への外資参入による競争激化を受け入れると話した。「我々は、ECに関する投資規制分野(ネガティブリスト)を解禁するという政府の計画を支持する」とジョン取締役はコメントした上で、インドネシアの物流システムを改善し、業界を支えるエンジニアをより多く育成するためにはより多くの投資が必要だと付け加えた。【翻訳・編集:NNA】

香港、中国の干渉で色あせる金融センターの魅力 HSBCは本社移転見送り

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、香港の現地記者ジェスロ・オー氏がレポートします。※本記事は2016年2月22日にQUICK端末で配信した記事です。 魅力減少…HSBC、香港への本社移転の見送り  中国では旧暦の年が明けて、十二支の申(さる)年が始まったが、世界の金融市場は暗雲が立ち込める様相となっている。株安にとどまらず、為替市場に波乱の気配が漂い、欧州の銀行のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が足元で急騰するなど2008年の金融危機と状況が似ており、市場の懸念を誘っている。英金融最大手HSBCホールディングス(コード@5/HK)がロンドンから香港への本社移転の見送りを決めたことは中国と香港の金融市場の魅力が色あせつつあることを十分に物語っており、中国と香港にとって大きな打撃となった。 石油関連融資にかかる欧州銀行の潜在的損失30兆円超も影響  中国経済の失速、人民元安とそれに伴う資金流出の動きが、今回の世界的な金融危機を後押ししている。風当たりが強い中国と香港では株式相場が早い時期から荒れ模様となっているが、市場の弱気な見方はいまだに変わらない。その背景には、中国経済がハードランディングすることのリスクに対する懸念、そして海外の金融危機の悪化に対する憂慮がある。為替市場の混乱、底値を探る動きが続く世界の石油価格、世界的な経済活動の低迷、ぬぐい切れないデフレの脅威。更には、各国が実施する金融緩和に景気てこ入れ効果が見受けられず、各国の中央銀行はいずれも手詰まり感を抱いている。  はかばかしくない景気の中、融資の需要が衰え、貸し倒れ率が上昇し、銀行の安定性を揺さぶっている。更には、石油価格の長期的な低迷に伴う石油業界の財務危機が銀行業界にも次第に悪影響を及ぼしつつある。欧州の銀行が抱える石油業界への融資の潜在的な損失額は2100億香港ドル(1香港ドル=約14.5円)に達するとされており、石油会社が融資の返済不能に陥ったり、更には倒産した場合、銀行業界は間違いなく巻き添えを食うことになる。最近の世界的な銀行のCDS保証料率の急騰は、銀行のデフォルトリスクが高まりつつあるという市場の見方を反映している。このような銀行のデフォルトを懸念する信用危機は08年の金融危機前の状況と酷似しており、投資家たちを寝ても覚めても不安にさせている。一方、石油価格については、いまだに減産による価格下支えに向けた協調の足並みがそろわずにいる。各石油産出国は手当たり次第にシェア争いをするだけで、互いにつぶし合いをしている。こうした「国際不協調」は危機を深めるだけだ。 金融センター街として求められる資質は  香港は海外の金融市場がもたらす負の圧力に直面しているだけでなく、国際金融センターとしての魅力を徐々に失いつつある。英国最大の金融機関であるHSBCホールディングスは近年、英国の大幅な銀行税引き上げを受けて本社移転を検討してきた。最終的に香港回帰またはロンドン残留という二者択一となっていたが、結果として同行は本社を移転せずロンドンにとどめる決断を下した。HSBCは対外的な説明で主に経済や金融面での配慮を要因として挙げた。しかし、近年の中国経済の失速や昨年の「暴力的な景気てこ入れ」後に中国が実施した一連の為替や香港のオフショア人民元市場への介入行為と関係があるとの見方が、市場で少なくない。また、最近、香港の「銅鑼湾書店」を経営するビジネスマンの李波氏が調査協力のために中国関連当局に特別な形式で本土へ移送されたとされる事件が起きた。この事件により、香港の一国二制度が崩壊したとして香港の長期的な法治に対する外国企業の懸念が生じたことから、HSBCがロンドン残留を決断したのだとの指摘もある。  法治、自由、そして政府の干渉の少なさは、香港が金融センターとして世界中の投資家を惹きつける要因である。こうした優れた点がダメージを受ければ、必然的に香港の魅力が損なわれる。香港が今後も一国二制度と司法の独立を守っていけるかどうか、そして、中国が香港に対する干渉を減らすかどうかという問題は、香港が金融センターとしての優勢を維持する上でカギとなるため、中国と香港の政府は慎重に対応すべきである。

インドネシア、REIT市場活性化へ 減税策が追い風

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。※本記事は2016年1月29日にQUICK端末で配信した記事です。 規制緩和で資金調達容易に インドネシア政府が景気刺激の一環として、不動産投資信託(REIT)に関連する税規制の緩和政策を打ち出したことにより、不動産各社は今年、REITを通じて数十億米ドルを調達する見通しだ。インドネシアは数年前にREITの枠組みを整備したが、課税問題が不動産各社に二の足を踏ませ、同国に上場するREITは1社にとどまる。 インドネシア政府は昨年11月、不動産企業がREITの原資産にする不動産の移転先として設立する特別目的事業体(SPV)とREITそのものを単一の企業体として承認することを決定した。それまでは、REITとSPVの配当それぞれが課税対象となっており、投資家や不動産企業の負担を重くする要因となっていた。 金融監督庁(OJK)と財務省は現在、REITへの課税をさらに軽減するため(新たな)規制の最終案をまとめている。財務省案では、不動産企業が資産をREITにした場合に得られるあらゆるキャピタルゲインについて、所得税を1%に引き下げる方針だ。現在の税率は5%に設定されている。 OJKのムリアマン・ハダッド長官は「OJKと財務省は2月までに新規制を発布することで合意している。多数の企業が規制緩和に関心を示していることから、規制導入により投資を呼び込めると期待している」と語る。 不動産企業のREIT上場意欲増加…海外企業の国外案件にも期待 インドネシアの不動産業界最大のロビー団体、インドネシア不動産協会(REI)のエディ・ハッシー会長は「不動産企業は二重課税の廃止や減税案を歓迎するだろう。これらの措置は、不動産業界の成長加速につながるはずだ。REITには、不動産開発業者の新たな資金調達方法として大きな可能性がある」と期待を込める。実際、年内にREITを発行する計画を(すでに)発表している企業も数社ある。チプトラ・デベロップメントのコーポレート・セクレタリーを務めるツルス・サントソ氏は、政府が資産移転にかかる税金の引き下げを承認するのを待ち、子会社チプトラ・プロパティーの保有する不動産で構成される5兆ルピー(3億6200万米ドル)規模のREITを発行する計画と明らかにした。 チプトラと競合するスマレコン・アグンのアドリアント・P・アドヒ(Adrianto P. Adhi)社長によると、スマレコンもまた、当初予定していた子会社スマレコン・インベストメント・プロパティー(Summarecon Investment Property、SIP)の新規株式公開(IPO)に代え、年内に2億米ドル規模のREITを上場することを検討しているという。 さまざまな減税措置は、不動産部門への海外投資家の誘致に関して、インドネシアの競争力強化につながるはずだ。 OJKで資本市場の主任監督者を務めるファフリ・ヒルミ(Fahri Hilmi)氏は、「(インドネシア)の税制を他国に比べて競争力がある内容にするため、見直しを進めている。そうすることで、海外企業がインドネシア以外で進める案件についても、インドネシアでREITを上場するようになる」と期待を示す。 リッポーG、REIT移転で価値向上を期待…PwCは供給過多懸念 インドネシアの不動産開発最大手リッポー・グループは今年、減税措置を活用するため、シンガポールで上場しているREITをインドネシアに移動する方針だ。同グループは現在、シンガポール取引所(SGX)に35兆ルピア相当のREITを上場している。リッポー・グループのジェームズ・リアディ最高経営責任者(CEO)によると、それらのREITをインドネシアに移転することで、同グループのREITの資産価値は向こう3~4年で100兆ルピア超に増加する見通しという。 ただ、国際コンサルタント企業プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が最近発表した報告書は、インドネシアの不動産市場では今年、オフィスと高級居住用物件が供給過多になる可能性があると指摘し、同部門の利回りが低下するとの見方を示している。PWCは、「包括的な成長見込みはこれまでと同水準のままだが、米国が(おそらく)金利引き上げの準備をしていることへの懸念に加え、世界各国の一次産品市場の全般的な下落(インドネシア経済はそれらの市場に多少なりとも依存している)、ジャカルタの商業用物件分野が供給過多になっていることへの懸念などから、今年は東南アジア地域全体で経済の不安定さが高まりつつある」と述べている。【翻訳・編集:NNA】

人民元安、資金の大量流出招く 香港にも株・不動産の下落が波及

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、フィリップ証券(香港)のルイス・ウォン(Louis Wong)氏がレポートします。※本記事は2016年2月3日にQUICK端末で配信した記事です。 株安対応に追われる中国市場、元安にも影響 今年に入り、中国人民元建てA株の下落が続いている。上海総合指数は1月27日に一時2638と約1年1カ月ぶりの安値をつけた。海外の株安が重しとなったほか、投資家の中国経済減速に対する懸念や人民元の更なる下落が中国株の弱気な見方につながった。中国人民銀行(中央銀行)は昨年8月、人民元の市場化の度合いと基準性を高めるため、対米ドル為替レートの基準値(中間値)の算出方法を改善することにしたと宣言した。これは2005年7月21日の為替制度改革に続く、人民元の為替レート形成システムに関する新たな改革となった。 この新たな為替制度改革のあと、人民元は対米ドルで大幅に下落した。背景には多くの原因がからんでいるが、中でも株式市場が大きく関係している。昨年6月以降に中国株のバブルがはじけると、中国政府はシステマティック・リスクが発生することを回避するために一連の措置を取った。これらの措置には人民銀による様々なルートを通じた市場への流動性の提供が含まれたが、これにより通貨の投入量が過剰となり、人民元の引き下げ圧力となった。 元安はリスク要因…介入効果に疑問 経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)面では、過去約2年間に人民元が対米ドルで上昇し、既に中国のファンダメンタルズからかけ離れた水準にあった。また、人民元高は製造業や輸出に深刻な重しとなった。海外の需要が弱まったこともあり、15年の中国の輸出は前の年から1.8%減少した。一方、新興国市場で通貨が大幅に下落した影響で実質実効為替レートが過度に人民元高となったことも、人民元相場の押し下げ圧力となった。  これまで人民元相場の長期的な上昇の流れを背景に、海外から大量のホットマネーが中国に流入していた。こうしたホットマネーの一部は不動産市場に流れ込み、不動産価格の高騰を引き起こし、バブルを形成した。しかし、過去約2年間で不動産市場は減速し、不動産価格に下げ圧力がかかった。多くの海外資本が不動産を売却して利益を確定し、資金を海外に送り返し始めている。人民元に下落圧力がかかると、こうした海外資本の資金回収意欲が一段と強まる。また、これまで持続的に人民元が上昇するとの予測に加えて、欧米や日本の金利が量的緩和で過度に低水準にあったことで、多くの中国企業は様々な手段を講じて海外融資を行っていた。人民元安になれば、こうした企業は深刻な為替差損を抱え込むことになる。  人民元の持続的な下落は、中国の外国為替資金残高の大量流出を招いた。昨年12月末時の外国為替資金残高は24兆8500万元と前月比で7082億元減少し、減少幅が過去最大となった。一方、中国の外貨準備高は3兆3304億米ドルで、約3年ぶりの低水準となった。昨年通年では約5120億米ドル減少し、記録が存在する限りで過去最大の減少幅だった。外貨準備高の持続的な減少は人民元相場に今後更なる押し下げ圧力がかかることを示唆しており、市場の人民元安観測が強まることになる。人民銀が介入したとしても必ずしも人民元安の流れを変えられるとは限らないだろう。 香港不動産価格、調整長引く恐れ 一方、香港では人民元安が異なる影響をもたらす。為替レートでは、人民元安は同じく香港ドル相場の押し下げ圧力となる。1月20日に香港ドルの対米ドル為替レートは一時、07年8月以来の安値水準にまで下落した。香港ドル相場の下落を受けて香港株も大幅安となり、主要株価指数であるハンセン指数は1月21日に一時1万8534ポイントの安値を付けた。経済面では、人民元安が中国本土からの旅行客、その中でもとりわけ個人旅行客の香港における消費減につながり、香港の小売業に打撃となる。これまで人民元の持続的な上昇に伴い香港の不動産価格が相対的に安くなり、大量の中国本土資金が香港の不動産市場に流れ込んでいた。人民元の下落により、香港の不動産市場へ流入する資金が今後は減少し、香港の不動産価格に更なる調整圧力がかかることになるだろう。

鴻海のシャープ買収提案、アップル受注が狙い 技術流出の懸念がネックに

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は台湾の現地記者、李臥龍(リー・ウォーロン)氏がレポートします。※本記事は2016年2月10日にQUICK端末で配信した記事です。 シャープをめぐる経営再建問題、結論は1か月先送りへ シャープ(6753)の経営再建にあたって、同社の役員会は台湾の鴻海精密工業(ホンハイ、コード@2317/TW)グループとの提携に傾いているもようだ。鴻海グループに優先交渉権を提供することで、双方の提携が大きく動き出すことになった。  しかし、技術の外部流出の懸念があることから、日本の官民出資の投資ファンド「産業革新機構(INCJ)」と鴻海グループは交渉を継続することを表明し、 最終決定は1カ月以内に行われるという。急展開を見せる鴻海とシャープのドラマの結末は、さらに1カ月先送りされることになった。   鴻海董(とう)事長はシャープの液晶パネル技術を高く評価 鴻海グループの郭台銘董事長は、シャープの技術を極めて高く評価しており、韓国のサムスンに対抗するための最良のパートナーがシャープだと位置付けている。鴻海グループがシャープの堺ディスプレイプロダクト(SDP)を引継ぎ、資本参加や役員ポストの獲得まで考えているのは、液晶パネルでのシャープの独自技術への興味からだ。  鴻海グループの戦略に詳しいハイテク産業界の関係者によると、鴻海はシャープに巨額の資金を投入しようとしているもようだ。日本での報道によると、投資額は7000億円にまで追加される見込みだという。これは、米アップル(コード@AAPL/U)からの受注のためだ。 現在、鴻海グループは、アップルからアセンブリからコネクタ、金属筐体(きょうたい)、PCB(プリント基板)、タッチパネルなどのキーパーツまでほとんどの部分を受注している。唯一欠けているのが、低温ポリ・シリコン(LTPS)パネル技術なのである。シャープへの資本参加に成功すれば、鴻海はアップルのキーパーツサプライヤーとして最後に残されていた分野を完成することになる。  現在、世界のLTPSパネル市場は、シャープ、ジャパンディスプレイ(JDI、6740)、それに韓国のLGディスプレイによって占められている。LTPS市場のうち、50%以上が主にアップル向けに供給されている。 郭董事長はかつて、パネルは戦略物資であり、事業転換を目指す鴻海グループの発展戦略の重要な基礎だ、と語ったことがある。同董事長は、液晶パネル生産の核心技術の大部分をシャープが握っていると強調している。これが、「なぜ鴻海が積極的にシャープの経営への参加を求めているのか?」という疑問を解く最も重要なカギとなっている。 テクノロジーの流出について強い懸念も 鴻海グループとシャープによる2012年の交渉の際、鴻海が670億円を出資してシャープに資本参加し、シャープの株式の約10%を取得するという条件で双方はまとまっていた。しかし、シャープの経営陣は鴻海による資本参加に強い警戒心を持ち続けていた。当時の交渉では、鴻海に対して子会社4社による共同での資本参加方式を求め、1社当たりの持ち株比率を4%以内とすることで、鴻海が単一の最大株主となることを防ごうとした。  しかし、最近ではシャープ役員会の態度に変化が見られる。シャープの役員会は、鴻海グループとの提携によってより多くの資金が注入され、また部品調達で多大な協力が得られると判断したと考えられる。さらに、郭董事長が自ら日本に赴いてシャープの経営陣と面会し、人員削減を行わないこと、経営に介入しないこと、現在の経営陣体制を維持すること約束したことから、シャープ側の拒絶感を緩和させることができたようだ。  しかし、鴻海グループとシャープが何度も交渉を繰り返しながらこれまでまとまらなかったことは、日本側がキーテクノロジーの流出に対して非常に神経を尖らせていることを示している。もし、産業革新機構またはジャパンディスプレイが投入資金の金額を引き上げた場合、シャープが最後には外国人を選ばず、事業分割によって今回の経営危機を乗り越える道を選ぶことは間違いないだろう。

東南アジア、根強い資金流出継続への懸念 16年は4000億米ドル予想も

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はシンガポールの現地記者クリストファー タン シ(Christopher Tan, Si)氏がレポートします。※本記事は2016年1月27日にQUICK端末で配信した記事です。 新興国からの資金流出7350億米ドル…過去最高水準 中国経済の成長鈍化と原油価格の下落が重なったことをきっかけに、世界の株式市場は大幅な調整局面を余儀なくされている。中国・上海総合指数(コード@@SSE/HD)は年初以降で2割近く下落。先進国株のみならず東南アジア地域の株式市場も例外なく売りに押された。例えばマレーシア証券取引所の主要指標であるのFTSEブルサ・マレーシアKL総合指数(FBM・KLCI、コード@@COMP/KL)は5%強下落するなど、多くの投資家が同地域から投資資金を引き揚げる動きをみせている。  国際金融協会(IIF)によると、2015年に新興国市場からの資金流出額は7350億米ドルに達し、過去最高の水準を記録した。IIFは2016年については多少は状況が改善するとみているが、資金流出額は4000億米ドルを超える可能性があると予想している。 「現在の状況は2007年よりも悪い」OECD経済開発検討委員会 こうした動きのきっかけとなったのは、昨年半ばに中国政府が突然、通貨人民元の基準値の算出方法を従来の米ドルペッグ制に近い方法から変更し、その他の主要通貨のレートをより反映させると決定したことだった。中国政府の決定を受けて人民元は下落し、各国の金融市場に動揺が広がった。 原油価格が13年ぶりの低水準まで下がっていることもあり、アナリストらは人民元の下落基調が続いた場合、事態はさらに悪化する可能性があると警告している。  シティグループはとりわけ悲観的で、世界的な景気後退を懸念し始めている。同グループのアナリストらは「世界経済の見通しについて、その脆弱性が臨界点に達していると考えている。世界経済の成長への期待が薄れ、大規模な経済刺激策を導入することで取れていたここ数年のきわどいバランスが崩れつつある」と指摘。「当社はディスインフレ圧力は弱まらないと考え、2016年の世界経済成長予測を2.8%から2.7%に再び引き下げる。世界的な景気後退の危険性が高まっていることから、当社の成長予測がさらに下方修正される可能性も依然として残る」と述べている。  経済協力開発機構(OECD)の経済開発検討委員会のウィリアム・ホワイト議長は「世界は今、危険にさらされている」との見解を示した上で「現在の状況は2007年よりも悪い。我々は景気低迷に対するマクロ経済的な防御手段を基本的に使い果たしてしまった」と指摘。一方、負債は極めて高水準に達していると言及、「負債の大部分について、利子が未払いになるか、返済そのものが滞ることになるだろう」と付け加えている。 ラボバンクは債務免除を打診 ラボバンクのアナリストらに至ってはさらに悲観的で、多くの企業は現実的に債務を返済する術がないと指摘。債務の全額免除、言い換えれば「デット・ジュビリー(債務帳消し)」が唯一の解決策だと主張している。ラボバンクは「唯一の問題は、我々が現実を直視し、今後の事態に整然と立ち向かうことができるのか、それとも無秩序な状況に陥るのかということだ。デット・ジュビリーは5000年前のシュメール人の時代から存在する制度だ」と述べている。  結局のところ、市場の変動性の大きさを嫌がり、落ちてくるナイフはつかみたくない投資家にとって、先行きに対する警戒心は今後さらに高まることになりそうだ。 【翻訳・編集:NNA】

中国経済、市場の信認低下で苦境に 安定への即効薬は存在せず

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、香港の現地記者ジェスロ・オー氏がレポートします。※本記事は2016年1月25日にQUICK端末で配信した記事です。 投資家も戦々恐々…”朝令暮改”の中国市場 中国の金融市場が足元で苦境にさらされている。株式相場の大幅な下落が続いているだけでなく、人民元の信用に危険信号がともり、域外への資金流出の状況が深刻だ。こうした状況は外部経済の衰えと関連しているだけでなく、中国が最近相次いで誤った金融政策を打ち出したことで市場の信用が損なわれたことにも関係がある。中国経済は減速し、昨年の経済成長率が25年ぶりに7%を割り込んだ。中国政府は本来であれば景気てこ入れ策を強化すべきだが、人民元が軟調なため実施できる措置が限られている。  最近打ち出される多くの中国の経済・金融政策は方向性を失っている。昨年7月の人民元建てA株暴落に対処するための「暴力的な相場てこ入れ」では警察まで動員して空売りの動きを取り締まり、世界中の投資家を騒然とさせた。2016年に入り、上海株式市場と深セン株式市場の主要銘柄300銘柄で構成されるCSI300指数(コード@@SHSZ300/SH)の下落幅が7%に達すると市場の取引を終日停止させる「サーキットブレーカー制度」を、導入からわずか数日間で急きょ取り消した。  こうした朝令暮改の状況は、中国の経済・金融政策に対する投資家の信用を改めて損なった。中国人民銀行(中央銀行)は最近、域外への資金流出加速に対応するため、越境する資金の流動を制限するいくつかの措置を、突如打ち出した。こうした動きは、これまで提唱してきた人民元の域外流動の加速という目標と相反する。中国の経済・金融政策が方向性を失ってしまったのではないかと多くの投資家が懸念しており、今後、市場の信頼を取り戻すまでには一定の時間が必要となるだろう。 再度の大規模景気てこ入れは期待しがたい 中国が発表した昨年の通年の経済成長率は6.9%と、過去25年間で最も遅い成長率だった。このため、投資家たちは中国政府が景気てこ入れ策を打ち出すことを期待している。しかし、景気をてこ入れするには、大金をつぎ込んで景気刺激策を打ち出すか、または大規模な金融緩和策で融資コストを引き下げることになる。  大量の資金投入によるインフラ投資の促進は2008年の金融危機の際に実施したが、中国政府はいまだに当時4兆元を景気支援に投じたことによる後遺症の対処に取り組んでいる。中国政府は以前、需要の喚起と同時に「供給サイド」への取り組みも行い、在庫を減らして過剰生産能力を抑える必要があると明言した。再び大量の資金をつぎ込めば、生産能力が過剰な製品が大量に製造されて在庫が積み上がるばかりで、在庫と供給の削減を目指す現在の方針と相反する。このため、今回は中国政府が景気てこ入れに再び大量資金を投じるようなことはないだろう。 信用回復が急務 一方、更なる金融緩和策については、元安の現状下では利下げで資金の域外流出が加速され、元の急落を誘発しかねない。元に対する市場の信用が崩壊し、逆に中国経済に重荷となる。人民銀が最近、市場の不安解消の手段として銀行へ充分な資金を提供する方法のみを実施し、融資需要を刺激するための利下げや銀行の預金準備率引き下げを行なえないでいるのはこのためだ。  現時点で中国本土の金融市場が直面しているのは信用の不足であって、流動性の問題ではない。人民元に対する投資家の信用が失われ、金融市場に重荷となっている。経済を安定させて市場の信用を徐々に回復させる必要があるが、そのための即効性のある妙薬は存在しない。中国政府は大量資金の投入または大規模な金融政策といういずれの措置でも制約を受けており、大規模な相場支援策が実施されることへの投資家の期待は独りよがりの考えにすぎないのだ。

インドネシア、首都でのテロ攻撃 経済全体への長期的影響は軽微か

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はRHB証券インドネシアのHelmy Kristanto(ヘルミー・クリスタント)氏がレポートします。※本記事は2016年1月21日にQUICK端末で配信した記事です。 ISのテロ、小売産業に打撃…観光意欲減退の恐れも インドネシアではこれまで数年間、大きなテロはなかったが、オフィスや商業施設が立ち並ぶ首都ジャカルタ有数の一等地であるタムリン通りエリアで14日、爆発が起こった。現場は外国大使館や国連関連施設が立ち並ぶ地域。複数の爆発は、近くの警察署ならびにスターバックスの店舗を破壊した。報道によれば、テロ攻撃を仕掛けた容疑者5人を含む7人が死亡、20人が負傷したという。14日のテロ攻撃は、過激派組織「イスラム国」(IS)が関わっているもようだ。 今回の爆発は、9人の犠牲者と50人以上の負傷者を出した2009年のJWマリオット・ホテルとリッツ・カールトン・ホテル爆破事件以来の大きなテロ事件に発展している。テロがインドネシアの中長期の経済成長を頓挫させてはならない。 テロの影響は一時的で、長期的な経済への影響はなさそうだ。ただ、短期的には小売や輸送をはじめとする一部の産業分野にマイナスの影響をもたらす可能性がある。これはショッピングモールや飲食店への客足が遠のくためだ。今後、渡航警告発令が出されれば、インドネシアへの出張客、観光客の減少も免れないだろう。 テロの影響は一時的?株価は一か月で持ちなおす動き 事件の影響を受けるとされる企業は、小売り大手ミトラ・アディプルカサ(@MAPI/JK)と米系家具・日用品量販店「エース・ハードウエア」を運営するエース・ハードウエア・インドネシア(@ACES/JK)だ。両社の店舗の大半がショッピングモールにテナントを出している。タクシー最大手のブルーバード・グループ(@BIRD/JK)は、ジャカルタへの出張客、観光客が減少すれば、業績の重荷となり、国営ガルーダ・インドネシア航空(@GIAA/JK)も、インドネシアへの来訪者減少の影響を受ける。不動産開発大手アグン・ポドモロ・ランド(@APLN/JK)、パクウォン・ジャティ(@PWON/JK)、チプトラ・デベロップメント(@CTRA/JK)など、ショッピングモールを運営する複数の不動産企業にマイナスの影響を与える可能性もある。 2000年以降に発生した7回のテロ事件で、市場は当初はネガティブにとらえたものの、、ほとんどの場合は比較的早く立ち直り、実際のところ事件から1カ月後に株価は9~19%上昇した。インドネシアの軍隊が厳しい統制を敷き、治安回復に向け、さらなるテロを防ぐため反テロ諜報活動を強化することは確実だ。 金融・財政政策で景気浮揚実現へ…市場は利下げ予想 今回の爆発事件が起きた同じ日にインドネシア中央銀行(BI)が打ち出した利下げにも注目している。利下げは市場にとって明るい材料で、中銀が今後さらに金融緩和政策を打ち出す予兆だ。特に2015年10~12月期に財政面でのさまざまな景気刺激策やマクロ・プルーデンス政策の緩和などを講じたにもかかわらず、経済は大きく回復しなかった。現在、RHBK証券では今年後半にさらに0.25%の利下げが打ち出されると予想している。 今回の騒動がインドネシアの長期的な歩み、特に長期的な成長の強固な基盤を支えるインフラ整備に大きな影響を与えることはない。また、一連の政策が政府の切迫感の高まりに基づいていると確信している。また、市場の信頼度を高める財政面による景気刺激策の進展も期待している。【翻訳・編集:NNA】

台湾TSMC、アップル次世代プロセッサでサムスンに圧勝 今年は設備投資を拡大か

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は台湾の現地記者、李臥龍(リー・ウォーロン)氏がレポートします。※本記事は2016年1月15日にQUICK端末で配信した記事です。 TSMCとサムスン、ナノメートルの争い…TSMCに軍配 台湾積体電路製造(TSMC、コード@2330/TW)の16ナノ(ナノは10億分の1)メートル・プロセスが、韓国サムスン電子(コード@005930/KO)の14ナノを抑え込むことに成功した。半導体生産設備メーカーによると、サムスンはすでに半導体設備メーカーに対して、ロジックIC工場の建設を当面先送りすると通知している。これは、TSMCの16ナノが日の出の勢いを見せ、アップル(コード@AAPL/U)の次世代プロセッサ「A10」の受注をほぼ確実にしており、TSMCが先端プロセスでサムスンに圧勝していることを意味している。   サムスン、OLEDで巻き返し図るも携帯事業の不振が重荷に スマートフォンにおけるサムスンとアップルの競合は、常に半導体分野で注目の的となっている。サムスンは昨年、14ナノによってアップルの新世代プロセッサ「A9」の代理生産を受注した。しかし、サムスンのリードは短期的なものに終わった。昨年第3四半期(7~9月期)、TSMCが16ナノで正式にアップルからA9の代理生産を受注したあと、サムスンの14ナノによるアップルとの提携が色あせていった。 最近、サムスンはOLED(有機発光ダイオード)で再びアップルと提携する可能性が生まれており、スマートフォン新型機種のiPhone8に導入される見込みだ。また、一説にはアップルは台湾の友達光電(AUオプトロニクス、コード@2409/TW)に対する支援、さらには資本参加まで計画しており、友達光電によるOLED生産の確立に協力し、サムスンに対する依存を減らそうとしているとも言われている。 ただ、確実に言えることは、サムスンは自社ブランドの携帯電話端末の販売が不振となっていることの影響を受けており、さらにアップルの新世代プロセッサA10の受注はTSMCの手に渡ってしまった。こうして、サムスンの半導体部門はロジックICの工場拡張を先送りし、半導体生産設備メーカーから予定していた設備調達も緊急に停止した。 TSMCとアップルの提携関係、一層緊密に…設備投資拡大観測も サムスンは、今年の設備投資計画を変更するかどうかについて正式に発表したわけではない。しかし、最近のTSMCによる16ナノ生産体制の拡大から見て、TSMCが16ナノによって圧倒的な勝利を収めたことはほぼ確実となっている。  台湾の工業技術研究院IEK(工業研究院産業経済・情報サービスセンター)の統計によると、世界の半導体ウエハ・ファウンドリ市場におけるTSMCのシェアは54%に達し、そのリードは拡大しつつある。同社の共同CEOである劉德昱氏は、今年のシェアはさらに数ポイント上昇する見込みだと語り、自社の製造プロセスの技術に対して十分な自信を示した。  消息筋によると、TSMCとアップルの提携関係は非常に緊密で、すでにiPad Proに使用されるA9Xプロセッサを出荷しているほか、第1四半期(1~3月)にはiPhone6Cに搭載されるプロセッサの全数も供給することになっている。さらに、第2四半期(4~6月期)にはコストパフォーマンスでより優勢に立つ16ナノのFFCプロセスを打ち出し、米のクアルコム(コード@QCOM/U)、中国の海思半導体、台湾の聯発科技(メディアテック、コード@2454/TW)からのミドルエンド、ローエンド携帯電話端末向け需要に対応する。TSMCの今年の16ナノは、破竹の勢いと言える。ハイ、ミドル、ローの各エンドの携帯電話端末向けの需要をすべて獲得し、半導体メーカーの中で最大の勝者となっている。  市場では、アップルからの発注が引き続き増加していることから、TSMCは今年、設備投資を拡大すると見込んでいる。主に16ナノと10ナノの生産能力拡大に投じられる見込みだ。しばらく前に外資は100億米ドルを超えると予測していたが、最近、設備メーカーから伝えられているところでは、昨年の80億米ドルに近い規模になるだろうとのことだ。

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