日銀次期総裁を大胆予測! 「ポスト黒田」は? (3月調査)

  証券会社や銀行など、外為市場関係者を対象に毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の3月調査を13日に発表しました。今回の調査では金融市場で今、最も注目されている米国の利上げのほか、来年の4月に任期が切れる日銀の黒田東彦総裁の後任人事などについても聞きました。調査期間は3月6~9日、回答者数は金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者70人。     3月米追加利上げなら、マーケットはどう動く? イエレンFRB(米連邦準備理事会)議長が3月3日の講演で14~15日に開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを検討する方針だと明言したほか、米FRB高官が相次ぎ早期利上げを示唆する発言をしたことから、3月の利上げ観測が急速に広がりました。  そこで、FRBは3月に追加利上げに動くと思いますか、と聞いたところ、「追加利上げ」との回答が94%を占めました。また、FRBは年内に何回利上げすると予想しますかとの質問で、最も多かった回答は「3回」で59%、次いで「2回」が29%となりました。       FRBが3月に追加利上げに動いた場合、各マーケットはどのように動くと予想しますか、との質問には、ダウ工業株30種平均は「横ばい」が46%で最も多く、「弱含み」が28%、「強含み」が26%と続きました。ドル円相場については「弱含み」が52%で最も多く、日米の金利差を背景にドルが買われて円が売られるとの予想が多くなりました。       また、3月のFOMC後に最も注目するテーマやイベントは何ですか、と聞いたところ、最多は「トランプ政権の経済・通商政策」で63%でした。次いで「欧州政治動向」が21%、「FRBの金融政策」が7%、という結果になりました。       日銀次期総裁は誰に? 日銀の黒田東彦総裁は2018年4月8日に任期満了となります。では現時点で、黒田総裁の後任は誰になると予想しますか、と質問したところ、最も多かった回答は「中曽宏・日銀副総裁」が33%、次いで「黒田東彦・日銀総裁(再任)」が28%、「雨宮正佳・日銀理事」が16%で続きました。 市場関係者からは「目標も達成せず、EXITの道筋も示さず、ただ金融機関と年金生活者にストレスをかけて、問題を後任に丸投げするのはあまりに無責任。せめてEXITの際の国民負担を明示し、それでも引き受ける意思のある人に後を任せるべき。黒田総裁というより政治の責任」、「就任時に約束した成果は全く出ていないが、根雪のようなデフレマインドを溶かすにはそれなりの時間がかかるはずであり、黒田総裁の責任ではない。日本経済に様々な弊害を及ぼすデフレを許容する日本銀行の政策スタンスを180度転換した黒田総裁を変えるべき理由は全くないのではないか」と、賛否が分かれました。       プロの予想は目先1ドル=114円台と円安方向にシフト 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは2月末の平均値で1ドル=114円03銭と、2月調査(112円58銭)に比べて円安にシフト。3カ月後の5月末には114円11銭、6カ月後の8月末には114円43銭との予想です。 今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円とドルが「金利/金融政策」、ユーロは「政治/外交」でした。       企業の前提為替レートは111円台後半 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前月の63%から75%へと上昇する一方、「アンダーウエート」が25%から13%に低下しました。「オーバーウエート」は変わらず13%でした。市場参加者の慎重姿勢が、引き続き高まっていることがうかがえます。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、有効回答数8社の円相場の平均値は対ドルで1ドル=111円59銭、有効回答数4社平均の対ユーロが1ユーロ=119円39銭でした。  

「働き方改革」は日本経済の成長率を押し上げられるか?(3月株式調査)

  株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の3月調査を3月6日に発表しました。調査の対象は証券会社および機関投資家の株式担当者159人、期間は2月28日~3月2日。調査期間中の日本株市場では日経平均株価が3月2日に1万9564円80銭と、1月4日に付けた昨年来高値(1万9594円16銭)に迫る場面もありました。トランプ米大統領の議会演説が波乱なく終わったことや、3月の米利上げ観測が広がり円安に傾いたことが上昇につながったようです。  米株式市場ではトランプ政権の経済政策への根強い期待からダウ工業株30種平均は2月27日まで12営業日連続で過去最高を更新。3月1日には2万1000ドルを突破しました。     働き方改革「長期的には効果」が半数 成長率は「全体的に上昇」が4割  ここ最近、「働き方改革」という言葉がメディアなどで取り上げられる機会が増えています。働き方改革とは、安倍晋三首相が「最大のチャレンジ」と位置付ける政策です。正社員と非正規社員(パートなど)の待遇格差の解消、長時間労働の是正などにより女性や高齢者が働きやすい環境にしようという試みです。  そこで今回のアンケート調査では、この改革による日本経済の成長率の押し上げ効果について聞きました。 まず、日本は現在、完全雇用に近いと言われていますが、今後の賃金上昇についてどのようにお考えですか? と聞いたところ、最も多かった回答は「全体的に上昇」が約4割でした。        次に日本経済の成長率を押し上げるほどの効果はあるでしょうか? と質問したところ、「長期的には効果がある」が半数を占めました。また、成長率の改善に効果がある政策を聞いたところ、「労働市場の流動化促進」と「女性や高齢者の労働参加率の上昇」がともに3割超と高くなりました。 市場関係者からは「東芝に見られるように、本来であれば撤退すべきビジネスを抱え続けた結果、企業業績に悪影響を与えているケースが少なくない。もちろん、はるかに小さなスケールのケースが大半だ。その裏には労働市場の硬直化があり、労働問題が儲からないビジネスをいつまでも抱える動機となっている。新しい会社はそうでもないが、伝統ある企業ほどこのしがらみから脱せられず成長の足かせとなっている」との声もありました。         3月末の日経平均は1万9667円の予想  3月末の日経平均株価について聞いたところ、平均値で1万9667円の予想でした。前回調査(確報)の1万9220円に比べて上方シフトとなりました。上方へシフトしたのは2カ月ぶりです。また、5月末には1万9866円、8月末は1万9733円との予想でした。2017年3月期の決算の発表が相次ぐ4月下旬から5月にかけて、好決算を背景に日経平均は上昇するとの見方が増えているようです。  今後6カ月程度の株価の変動要因としては「景気・企業業績」が4割弱で注目度は上昇傾向です。一方、トランプ政権の発足後に上昇していた「政治・外交」は2割に低下しました。   セクター別では鉄鋼と機械への注目度高まる  国内の資産運用担当者59人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」と「ややオーバーウエート」がともに約4割、「ややアンダーウエート」が1割超と、前回調査からほぼ変わらずでした。  セクター別の投資スタンスについては、「オーバーウエートとアンダーウェート」のバランスをみると、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのが「鉄鋼・機械」で、逆にアンダーウェートの比率が最も高いのが「公益」でした。

日銀の金融政策、効果はあった?(2月調査)

  債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の2月調査を27日に発表しました。調査期間は2月21日~23日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者133人でした。   80兆円の国債買入れは「なしくずしに減額」が55%  今回の調査では、2016年9月に導入されたイールドカーブ・コントロールなど日銀の金融政策について聞きました。まず、日銀保有国債残高の年間増加額のメドとされる80兆円が年内どうなるかと質問したところ、最も多かった回答は「なしくずしに減額」で55%、次に「変更なし」が23%と続きました。市場関係者からは「年間増加のメドである80兆円はすでに反故となっており、減額したペースで買入れを継続し、10 年金利が安定すれば国債の発行減額も相まって、更なる買入れ減額が想定される。ただし、マーケットはすでにその状況を織り込んでおり、減額した後に80 兆円の文言が削除されたとしても、それほどのサプライズにはならないと考える」といった声が聞かれました。 加えて、10年物国債の金利が概ねゼロ%程度になるよう買い入れをして長期・短期の金利を調整する「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」についても聞きました。イールドカーブ・コントロールがなかった場合、現在の国債利回りはどの程度だと思いますかと質問したところ、単純平均で10年債利回りが0.307%、20年債利回りが0.950%となりました。調査期間中の新発10年物国債利回りは0.075~0.095%、新発20年物国債利回りは0.660~0.705%で推移しましたので、イールドカーブ・コントロールによって上昇圧力がある程度抑えられている、とみる市場関係者が多いようです。      また、イールドカーブ・コントロールの効果・副作用を導入前と比べて、現時点でどう評価するかとの質問に対しては、インフレ押し上げについては75%、金融機関の収益改善については50%が「効果なし」と回答。年金等の運用収益改善については「効果なし」が39%だったものの、「期待できる」が39%、「効果があった」が21%と6割はプラスと捉えているようです。 円安・株高については「効果なし」が43%を占めましたが、「効果があった」30%、「期待できる」27%と、こちらも半数超がプラスとみていました。金融市場の機能阻害は「副作用があった」が50%と最も多く、「恐れあり」が39%で続きました。財政規律の弛緩については、最も多かった回答が「恐れあり」で52%となりました。  市場関係者からは「日銀の量的・質的緩和導入後、債券市場の機能は大きく低下した状態が続いています。イールドカーブ・コントロール導入前は、参加者の大半が利益を得られたと思いますが、導入後は収益の確保は難しくなりました。物価への影響が限定的だとすれば、真の狙いがあるのでしょうか」など懐疑的な声が聞かれました。     目先の変動要因として金融政策に注目集まる    毎月定例の相場見通しの調査では前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.084%、3カ月後が0.090%、6カ月後が0.100%と、1月調査の(0.065%、0.075%、0.085%)に比べていずれも上昇。  今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因としては、「短期金利/金融政策」が48%で前月から11ポイント上昇して最も多くなりました。前月に最も注目度が高かった「海外金利」については比率が関心がやや低下しました。  同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については「政府・日銀のオペレーション」が最も多く70%を占め、次いで「生損保(年金除く)」が14%、「都銀・信託銀行(投資勘定)」が8%で続きました。これまで2ケタだった「外国人」は4%に低下しています。     国債組み入れ比率、「現状維持」が8割超  資産運用担当者65人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、前回調査に比べて「ニュートラル」が63%に増加した一方、「ややオーバーウエート」が低下。現状維持の姿勢が一段と強まり、様子見ムードが広がっているようです。当面の投資スタンスについても「現状を維持する」が82%と多数を占めました。          

トランプ政権が日本に強く要求することとは? (2月調査)

   証券会社や銀行など、外為市場関係者を対象に毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の2月調査を2月13日に発表しました。今回の調査ではトランプ政権が外国為替相場へ与える影響や、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策などついて聞きました。   トランプ政権が日本に強く要求することとは?    トランプ政権が対日外交において最も要求を強めることとは何だと思いますか?と質問したところ、「米国向け投資の拡大」との回答が全体の6割弱を占めました。次いで「自動車貿易の不公平是正」が24%と続きました。また、トランプ政権下でFRBの金融政策は「タカ派に傾斜する」と回答した人が5割に達したほか、次の追加利上げ時期については「6月」との見方が最も多くなりました。 ある銀行の回答者は「現状の景気、インフレ動向からみて6月利上げの可能性は高いと思われる」との声が聞かれました。また、FRBは年内に3回利上げを実施する可能性が高いなか、ある信託銀行では「米トランプ政権の経済対策による景気押し上げ効果の大半は来年以降に実現する見込み。こうしたなか、FRBの金融引き締めは慎重に進められる公算が大きく、年内の利上げは2回と想定している」との見方もありました。  一方、日銀の金融政策はトランプ政権の影響をどの程度受けるでしょうか、と聞いたところ約5割が「ある程度受ける」、3割強が「あまり受けない」と影響は限定的と見ているようです。加えて日銀の年内の金融政策についても聞いたところ、「現状維持」が8割超を占めました。             プロの予想は目先1ドル=112円台半ばと円高方向にシフト 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは、2月末の平均値で1ドル=112円58銭と、1月調査(114円04銭)に比べて円高にシフト。3カ月後の4月末には112円85銭、6カ月後の7月末には113円87銭との予想です。  今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円が「金利/金融政策」と「政治/外交」、ドルとユーロはともに「政治/外交」でした。     企業の前提為替レートは109円台後半 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前月の50%から63%へ、「アンダーウエート」が10%から25%へと上昇する一方、「オーバーウエート」は27ポイント低下して13%となりました。市場参加者の慎重姿勢が高まっていることがうかがえます。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、有効回答数11社の円相場の平均値は対ドルで1ドル=109円97銭、有効回答数5社平均の対ユーロが1ユーロ=121円51銭でした。   ※調査期間は2月6~9日、回答者数は金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者74人

1カ月後の日経平均予想1万9213円、政治・外交が変動要因に(2月株式調査)

  株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の2月調査を2月6日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者154人が回答、調査期間は1月31日~2月2日)。1カ月後の日経平均の予想は平均値で1万9213円と、前回調査(確報)の1万9377円から下方へシフト。株価変動要因として政治・外交への注目度が高まる結果になりました。こうしたなか、2月10日の日米首脳会談に関心が集まりそうです。   インフラ投資などの財政支出の拡大、3割が実現できる 1月の日本株相場はトランプ政権に左右される展開となりました。同政権に対する期待や米主要企業の好決算などを受けてダウ工業株30種平均は25日、初の2万ドルの大台を突破。ただ、その後はトランプ米大統領が署名したイスラム圏7カ国からの米国への入国を一時制限する大統領令を巡って混乱すると2万ドルを割り込みました。月末には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見ムードも広がりました。一方、日経平均株価は1万9000円を割り込む場面があったものの、月末には1万9041円で終えました。 今回のアンケート調査ではトランプ米大統領が表明している政策に関して、実現の可能性を予想してもらいました。10の設問のうち「インフラ投資などの財政支出拡大」「法人税率の引き下げ」「企業の海外留保利益の還流促進策」「米国内の雇用の増加」「不法移民対策の強化」「貿易面におけるニ国間協定の推進」「金融規制の緩和」の7つについては、「一部実現」との回答がそれぞれ一番多い結果となりました。 一方、「国境税」については50%が「実現できない」との答えでしたが、「一部実現」が46%、「実現」が4%で意見が分かれました。また、「海外の軍事基地・同盟関係の見直し」は「一部実現」が64%で最も多かったものの、28%の人が「実現できない」と答えています。10の設問の中で最も「実現できない」という予想が多かったのは「一つの中国政策の見直し」で58%でしたが、33%の人が「一部実現」と予想しています。 そして、これらのトランプ大統領の政策の結果、米国の成長率はどうなるかの予想を聞いたところ、最も多かったのは「短期的に成長率は高まるが、長続きしない」で66%となりました。 市場関係者からは「トランプ新政権の選挙公約への実現意欲や行動力は高いと思われるが、実務面で不安を感じる。内外に軋轢や混乱を引き起こす可能性が高く、金融市場も警戒を強め始めている。政権のスタッフが揃い、組織が動き出したら軋轢や混乱も減り、落ち着きを取り戻せると期待している」という声や「大統領令のみで可能な外交、通商関連は概ね実現されようが、金融市場にはその多くがマイナスと思われる。共和党のみの賛成で可能な減税等は規模を縮小して実施されよう。民主党の協力が必要な規制緩和等はハードルが高い」などの声が聞かれました。           米政策の見直しは、日本の通商政策の転換に「重大な影響」が24%  環太平洋経済連携協定(TPP)や北米自由貿易協定(NAFTA)など米国の貿易通商政策の見直しが日本経済にどの程度影響を与えるかと聞いたところ、「日本の貿易収支の悪化」「日本企業の対外直接投資の見直し」「日本の企業収益の悪化」「円高圧力の拡大」「日本の通商政策の転換(二国間協定等)」のすべての設問において、最も多い回答が「多少の影響」で6割強を占めました。ただ、「重大な影響を与える」との回答が「日本企業の対外直接投資の見直し」は19%、「日本の通商政策の転換(二国間協定等)」は24%にのぼりました。   日経平均の見通しは4カ月ぶりに下方シフト  1カ月後の日経平均株価予想は平均値で1万9213円となり、前回調査(確報)の1万9377円に比べて下方シフトとなりました。1カ月後の予想が下方シフトしたのは2016年10月調査以来、4カ月ぶりのことです。3カ月後(1万9692円)、6カ月後(1万9693円)もほぼ横ばいの予想となり、心理的な節目となる2万円は、まだ大きな壁であると市場はみているようです。  今後6カ月程度の株価変動要因として、最も多かったのは「政治・外交」で前回27%から37%へ大幅増となりました。また、「景気・企業業績」(前回30%→33%)への注目も増加する一方で、「為替動向」(同20%→13%)は減少しています。  今後6カ月程度を想定して最も注目している投資主体としては、「個人」が(前回3%→5%)に増えましたが、「外国人」が92%と圧倒的多数を占めています。     国内投資家は、やや強気も全体的に警戒感    国内の資産運用担当者58人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」(前回44%→42%)が低下した一方で、「ややオーバーウエート」(同35%→40%)が上昇し、株式の投資比率をやや高めてきたことがわかります。  セクター別の投資スタンスについては、「オーバーウエートとアンダーウェート」のバランスをみると、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのが「電機・精密」、逆にアンダーウェートの比率が最も高いのが「公益」でした。  しかし、当面のスタンスについては、「現状を維持する」(前回63%→74%)が上昇しており、全体的には警戒感を強めているような印象を受けます。

トランプ政権の金融政策はタカ派に傾斜?(1月調査)

債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の1月調査を1月30日に発表しました(証券会社および機関投資家の債券担当者139人が回答、調査期間は1月24~26日)。この間の国内金利は、新発10年物国債の利回りが0.050~0.085%で推移しました。  超長期債の利回りはそろって高水準となり、なかでも新発40年債利回りは1月26日に大台乗せとなる1.005%を付けました。過去1カ月の金利推移は以下の通りです。 1月25日の日銀による国債買い入れオペ(公開市場操作)で、予想されていた中期債を対象にした買い入れが実施されず、債券売りに拍車をかけました。米国の長期金利が2.5%近辺で推移していることも、日本国債の利回り上昇に影響しています。 米国では31日~2月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が実施される予定ですが、今回の利上げは見送られるとの予想が大勢です。     トランプ大統領の金融政策 「タカ派に傾斜」が半数  今回の調査ではトランプ大統領の就任を受けて、米国と日本経済への影響を聞きました。まず、トランプ米大統領の経済・通商・外交政策の効果とその影響について予想してもらったところ、経済成長率は「加速」(58%)、インフレ率も「加速」(78%)が最多となり、雇用者数の増加率(55%)と、賃金の上昇率(54%)は「加速」が「変わらない」をやや上回る結果となりました。財政赤字は「拡大」(84%)が多数を占めましたが、貿易赤字は「変わらない」と「縮小」が同じ(40%)でした。  金融政策については、11月調査で最多だった「影響なし」(43%)から「タカ派に傾斜」(49%)の回答が上回りました。トランプ政権の景気浮揚策により財政赤字が拡大し、インフレ率が上昇すると金融引き締めを強めるタカ派的な勢いが増すとの見方のようです。  トランプ大統領は就任以来、次々と米企業の経営者らと会談し、米国の企業活動を支える姿勢をアピールしたことで、規制緩和や法人税の減税などを早期に実現させるのでは、との思惑が市場に広がりました。さらに、メキシコ国境の壁の建設や、石油パイプライン建設に関する大統領令に署名するなど、景気刺激策への期待が一段と高まると、1月25日のダウ平均は史上初の2万ドルの大台を突破しました。一服していた「トランプ・ラリー」が再び幕を開けたかに見えますが、トランプ大統領の一挙手一投足に振り回される状況はまだまだ続きそうです。   日米の通商政策は「2国間協定」へ転換か  トランプ米大統領の政策は、日本経済にどのような影響を与えるでしょうか。環太平洋経済連携協定(TPP)や北米自由貿易協定(NAFTA)など米国の貿易通商政策の見直しについて、最も重要と考えるものを聞いたところ、一番多かったのは「日本の通商政策の転換(2国間協定等)」が28%、次に「日本企業の対外直接投資の見直し」が22%、「円高圧力の拡大」が21%と続きました。  23日、トランプ米大統領がTPPから「永久に離脱する」とした大統領令に署名し、さらに日本の自動車貿易について「不公平」だと名指しでけん制しました。スパイサー米大統領報道官は、アジア太平洋との貿易協定は2国間交渉に軸足を移すと明言しており、日本にも交渉を求める可能性があるとされていました。これに対して、安倍首相は「理解を求めていきたい」とコメント。2月10日にワシントンでの首脳会談が決まり、日米2国間の通商協議に意欲をにじませる米国側との貿易問題の話し合いには、大きな注目が集まりそうです。  ドル高をけん制する発言がまたいつ飛び出すか警戒感が拭えませんが、トランプ大統領が容認するドル・円相場のレートを聞いたところ、円安の限度の平均値は「1ドル=121円95銭」でした。一方、日銀が現在の金融政策を継続するための円安の限度額は「1ドル=125円74銭」、円高の限度は「1ドル=97円96銭」となりました。  日銀は30~31日に金融政策決定会合を開き、新たな金融政策方針と「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表します。市場関係者からは「海外長期金利の上昇や株高、ドル高円安など、外部要因から長期金利の上昇圧力がかかりやすい。日銀は日本の長期金利をゼロ%程度に調整することが徐々に難しくなる可能性もある」との声も上がりました。前述の1月25日に中期の買い入れオペを見送ったことで、市場の一部では「日銀のテーパリングでは」との思惑が強まったこともあり、今後の日銀の動向にも目が離せません。     長期金利は上昇シフト 中期はマイナス金利が継続    毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べてまた一段利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年国債の金利見通しは、1カ月後が0.065%、3カ月後が0.075%、6カ月後が0.085%と、12月調査の(0.055%、0.063%、0.067%)に比べて、いずれも上昇しました。  一方、新発5年国債は1カ月後がマイナス0.101%、3カ月後がマイナス0.091%、6カ月後がマイナス0.086%となり、新発2年国債は、1カ月後がマイナス0.198%、3カ月後がマイナス0.189%、6カ月後がマイナス0.182%となりました。いずれもマイナス幅が拡大し、今後もマイナス金利が継続するとの見方のようです。  今後、6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因は、前回調査とほぼ変わらず「海外金利」が45%で最も多く、次いで「短期金利/金融政策」が36%で続きました。  同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については「政府・日銀のオペレーション」が最も多く64%、次いで「外国人」の13%となりました。注目度が増してきた「生損保(年金除く)」の9%を上回って、「都銀・信託銀行(投資勘定)」が10%で3番手に上がってきました。   国債組み入れ比率、「ややアンダーウエート」比率が増加    ディーリング部門を除く資産運用担当者67人を対象に、現在運用しているファンドについて、国内債券の組み入れが、通常の基準と比べてどのようになっているのかを聞いたところ、前回調査に比べて「ニュートラル」、「ややオーバーウエート」が低下。その半面「ややアンダーウエート」が増加しました。全体的に現状維持とし、様子見ムードを強めているようにみえます。  また国内債券の組み入れ比率について、当面のスタンスとしては「かなり引き上げる」の回答比が0%、「かなり引き下げる」が2%で変わらず、「やや引き上げる」と「やや引き下げる」がやや低下。「現状を維持する」だけが上昇し、78%と大勢を占めました。  デュレーションについて、現在が通常の基準に比べてどのようになっているのかについては「ほぼ基準通り」が51%が最多で、前回調査に比べて「かなり長い」が0%に低下し、「やや長い」「やや短い」は微増となりました。  当面のデュレーションについては、「現状を維持する」が82%で大勢を占め、「やや短くする」が10%で続きました。指数は「48.4」となり、現状維持を示す50を2015年6月調査以来、1年7カ月ぶりに下回りました。トランプ新政権が掲げる「米国第一主義」の下、次々と打ち出される政策を前に、やはり当面は様子見ムードが強まりそうです。    

トランプ新大統領はどの水準まで円安許容する?(1月調査)

 外国為替市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の1月調査を、1月23日に発表しました(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者71人が回答、調査期間は1月16~19日)。この間の為替レートは、対ドルが113円28銭~114円07銭。対ユーロが120円70銭~121円06銭でした。     トランプ米大統領の経済政策「大幅修正で公約実現」が半数 ドナルド・トランプ氏が1月20日に米国の第45代大統領に就任しました。世界が注目する就任式でトランプ大統領は「米国第一主義」を強調し、経済や外交などの政策は米国民の利益を最優先に決定すると演説。式典直後には、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱する方針を発表しました。「今後10年で2500万人の雇用を創出し、年4%の成長を取り戻す」という目標を掲げる新政権ですが、具体的な経済政策には乏しかったと受け止められ、同日の外国為替市場ではドル売りが優勢となりました。  就任直前のアンケート調査で、トランプ氏が掲げる大規模なインフラ投資や減税など積極財政の実現性をどう考えるかと聞いたところ、最も多かった回答は「大幅に修正のうえ公約実現」が49%、続いて「小幅に修正のうえ公約実現」が39%、「公約通り実現」が8%となりました。大幅に修正が入るとみる市場関係者が半数近くいると読める半面、9割以上が公約を実現すると考えていることがわかります。マーケットの期待通りに公約は実現されるのか、今後もトランプ新政権の動向から目が離せそうにありません。     FRBの2017年の利上げ、58%が「2回」と予想 米連邦準備理事会(FRB)は、2016年12月14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1年ぶりに0.25%の利上げを全会一致で決めると同時に、2017年に3回の利上げを想定するシナリオを公表しました。イエレンFRB議長は、米景気は拡大が続くとの見方を示しており、金融引き締め意欲を明確にしています。しかし、トランプ政権が掲げる財政拡張策には不確実性が残っているとし、追加利上げは今後数カ月の景気次第、とのシナリオ修正の可能性も示唆しています。  マーケット関係者にFRBは17年に何回利上げするかと質問したところ、最も多かったのは「2回」で58%でした。続いて「3回」が21%、「1回」が15%となりました。  また、米10年債利回りの17年の高安水準と年末水準を聞いたところ、平均値でそれぞれ高値(高金利)は3.02%、安値(低金利)は2.12%、年末水準は2.80%となりました。足元の米長期金利は2.32%~2.47%で推移しているため、年末に向けて上昇基調という予想が市場関係者の大方の見方のようです。   トランプ政権のドル高許容は「1ドル=123円71銭」まで 米大統領選挙の開票が進む中、トランプ氏が優勢と伝わるとリスク回避の円買いが膨らみ、円相場は一時1ドル=101円19銭近辺まで円高が進行。その後、トランプ氏が勝利演説で過激な発言を控えたため、過度の不安が後退したことから、ドルは買い戻しとなりました。トランプ氏の政策期待から米金利が上昇すると、日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いが継続。いわゆる「トランプ・ラリー」となり、2017年1月4日の大発会では一時118円台前半まで円安が加速しました。  しかし、1月11日のトランプ氏の米大統領選勝利後初の記者会見で、景気刺激策などの材料が出なかったことへの失望売りや、17日付の米紙のインタビューでのトランプ氏がドル高をけん制したことで円安・ドル高に一服感が見られます。ただ、米財務長官候補のムニューチン氏は公聴会で「強いドル政策」を踏襲すると発言するなど、早くも新政権の足並みがそろっていないほか、トランプ大統領の「ツイッター介入」への警戒感も残りそうです。  アンケート調査で、トランプ政権は対円のドル高をどの水準まで許容するか、と質問したところ、平均値は1ドル=123円71銭でした。市場関係者からは「内需を中心に成長ペースが加速し、雇用・所得環境の改善が継続する状況の下、ドル高のマイナス効果に焦点があたることにはならないとみている」との声も聞かれました。  また、2017年の円ドル相場の年末水準を聞いたところ、平均値は117円08銭でした。最高値(=円高・ドル安)は107円42銭で、最安値(=円安・ドル高)は123円12銭となりました。最高値は1月に、最安値は12月に付けるとの予想が多く、年末に向けて円安・ドル高が進行するという見方が市場関係者では多いようです。   為替変動要因は、金融政策から政治・外交へ   毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは、1月末の平均値で1ドル=114円04銭で、12月調査(113円39銭)に比べて一段の円安水準となりました。6カ月後の6月末時点では115円89銭が予想されており、1カ月後の予想値に比べて円安・ドル高がさらに進む結果となりました。一方、予想レンジは100~130円と見通しの幅が大きく開きました。  今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円は昨年9月調査では8割強を占めていた「金利/金融政策」が34%まで低下。その一方で「政治/外交」が32%まで上昇しています。ドルも「政治/外交」が前月調査から4ポイント上昇して68%となり、半面「金利/金融政策」は8ポイント低下の21%となりました。ユーロも「政治/外交」が55%で最も多く、「金利/金融政策」が15ポイント低下の23%となりました。2016年に注目が高かった金融政策に代わり、各国の政治・外交が今後の経済動向を握るカギとみる市場関係者が多いようです。   市場参加者の慎重姿勢が色濃く ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前月の44%から50%へと上昇する一方、「オーバーウエート」は4ポイント低下の40%、「オーバーウエート」は1ポイント低下の10%となりました。  また、為替ヘッジに対する当面のスタンスについては、「ヘッジ比率を上げる」が0%のままに対し、「ヘッジ比率を下げる」が33%から22%に低下。その一方で「現在のヘッジ比率を維持」が11ポイント上昇の78%となりました。米新政権の概要がまだ見えにくい中、市場関係者は様子見の姿勢を強めていることがうかがえます。  

2017年の日経平均の最高値予想2万1600円台 リスク要因は「米国の経済政策を巡る混乱」(1月株式調査)

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の1月調査を1月16日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者154人が回答、調査期間は1月10~12日)。調査期間中の日経平均株価は1万9069円02銭~1万9484円90銭の範囲内で推移しました。  2017年の大発会(1月4日)の日経平均は、昨年末比479円高の1万9594円16銭と大幅な上昇となりました。大発会の上げ幅としては1996年に付けた749円(3.8%)高以来、実に21年ぶりとなる大きさです。株価上昇の主な要因は円安と堅調な米国景気です。外国為替市場で円相場が1ドル=118円台前半まで下げ幅を拡大し、輸出関連株に買いが入りました。また、トランプ次期米大統領の経済政策への期待が、米国での長期金利の上昇やドル高、株価の上昇につながりました。 しかし、トランプ次期米大統領は11日、大統領選勝利後に初の記者会見を開きましたが、市場が注目していた経済政策についてほとんど語られなかったため、失望感が広がりました。これを受け、ドル売りが加速し一時は114円25銭と2016年12月9日以来、およそ1カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けました。12日の日経平均は下げ幅が300円に迫る場面もあり、前日比229円97銭安の1万9134円70銭まで急反落しました。翌13日には外国為替相場での円高一服を受け、日経平均は買い戻しが進みましたが、今後もトランプ次期大統領の動向を注視していく必要がありそうです。 企業業績の増益予想は8割強 年間最高値予想は2万1605円  今回のアンケート調査で、2017年度の日本のGDP成長率を予想してもらったところ、実質成長率は1.15%、名目成長率は1.57%でした。また、2017年末の日米の10年国債利回りの予想は、日本国債が0.177%、米国債は2.756%でした。2017年末の為替レートの予想は、1ドル=117.2円、1ユーロ=122.8円でした。日米の長期金利の上昇を見込む向きが目立ちました。  2017年度の企業業績(金融を除く上場企業、経常利益)については、「10~20%の増益」が最多の56%、次いで「1桁の増益」が27%となり、増益の予想が8割強を占めました。  また、2017年の株式相場の予想を聞いたところ、日経平均の最高値は2万1605円で、最安値は1万7778円でした。株価が最も高くなる時期は「12月」との予想が多く、次いで多かったのは「6月」でした。高値の時期を12月と回答した平均値は2万1956円となりました。ドル高・円安進行による業績回復期待から、株価の上昇につながるという見方が、大勢を占めているようです。  半面、最も安くなる時期は「8月」で、安値の時期を8月と回答した平均値は1万7248円という結果でした。      2017年の最大のリスク要因について聞いたところ、「米国の経済政策を巡る混乱」が最も多く全体の45%を占めました。トランプ次期米大統領が5日、自身のツイッターでメキシコに新工場を建設するトヨタ自動車を批判すると、6日の東京市場でトヨタは一時、前日比3.1%まで値下がりするなど、メキシコに工場を持つ日本の大手自動車株が軒並み下落。日本の経済界には懸念が広がりました。他のリスク要因は「欧州の政治的混乱」(21%)、「為替レートの急激な変動」(10%)となりました。「当面は米新大統領の一挙手一投足と、それにともない米長期金利及び為替市場がどう動くか、ということが最大の要因であろう。その後は、欧州の政治的混乱がこれにとって代わるのでは」とみている市場関係者も多いようです。       日経平均の見通しはさらに上方シフト  1カ月後の日経平均株価予想は、平均値で1万9395円となり、前回調査の1万8617円に比べて大幅に上方シフトしました。1カ月後の予想が1万9000円以上を付けたのは2015年12月調査以来、1年1カ月ぶりのことです。  今後6カ月程度の株価変動要因として「景気・企業業績」と回答した人が30%と最も多かったものの、トランプ政権の誕生を目前に控えて「政治・外交」(前回15%→26%)に注目する人が大きく増える一方で、「為替動向」(同28%→20%)は減少しました。  また、今後6カ月程度を想定して最も注目している投資主体としては、「企業年金・公的資金」と「事業法人」が微増したとはいえ、「外国人」が91%と圧倒的多数を占めています。  国内投資家、様子見ムードながら強気姿勢も  国内の資産運用担当者63人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、12月調査から「ややオーバーウエート」(40%→35%)と「かなりオーバーウエート」(6%→4%)が低下する一方で、「ニュートラル」(42%→44%)、「ややアンダーウエート」(8%→10%)、「かなりアンダーウエート」(4%→6%)が上昇し、現状の投資スタンスは様子見ムードが強まっているようです。  しかし、当面のスタンスについては、12月調査から「現状を維持する」が70%から64%に低下した一方、「やや引き上げる」が17%から21%、「かなり引き上げる」が2%から4%に上昇しています。企業業績の拡大期待を背景に、資産運用担当者の間には積極的な投資スタンスに転換する動きもみられました。

2017年の長期金利の上昇余地は限定的? トランプ政策や日米金融政策に注目(12月調査)

債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の12月調査を1月4日に発表しました(証券会社および機関投資家の債券担当者142人が回答、調査期間は12月27~29日)。この間の国内金利は、新発10年物国債の利回りが0.035~0.060%で推移しました。 2016年は、英国のEU離脱(ブレグジット)決定やドナルド・トランプ次期米大統領の誕生など、結果が市場の事前予想に反したイベントが相次ぎました。しかし、決定直後の激震から大きな混乱が広がるのではといった不安をも覆し、市場が落ち着きを取り戻すのが早かったのも特徴的でした。米大統領選での勝利を起点とした「トランプ・ラリー」以降、日経平均株価も上昇トレンドに入っていますが、1月20日のトランプ大統領就任後の政策運営には、期待と共に不透明な要素も大きく、持続性については半信半疑という見方も多いようです。また、2017年には欧州各国の総選挙ラッシュが待っており、一時的にしても波乱を引き起こす可能性があり、日本国内の金利への影響も少なからずありそうです。 こうした状況を踏まえ、今回の特別調査では、2017年の相場見通しや有望と思われる投資対象について、債券市場関係者の見方を聞いてみました。 日本の長期金利の上昇余地は限定的? 2017年の各マーケットについて、最高値(最高利回り)、最安値(最低利回り)の予想を聞きました。ちなみに2016年12月30日時点の数字は次のようになります。 ・日本新発10年国債利回り(%)  =0.045% ・日本新発20年国債利回り(%)  =0.580% ・米国10年国債利回り(%)    =2.481% ・ドイツ10年連邦債利回り(%)  =0.175% ・日経平均株価(円)       =1万9114円37銭 ・円ドルレート(円)       =117円03~06銭 ・原油価格(WTI先物)(ドル) =53.77ドル 日本国債の10年物の最高利回りの予想は単純平均で0.178%、最低利回りはマイナス0.037%となりました。同様に日本国債の20年物はそれぞれ0.811%、0.424%、米国債は2.956%、2.182%でした。 2016年の国内の債券相場を振り返ると、日銀が1月29日の金融政策決定会合で「マイナス金利政策」の導入決定後、2月9日午前に10年物国債の金利が初の0.00%をつけ、午後にはマイナス0.010%をつけました。長期金利がゼロ%を下回るのは、スイスに次ぐ2例目です。そして、日銀は9月21日に新たに「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入し、金利を「ゼロ%程度」に抑えるという誘導目標を掲げました。11月15日には長らくマイナス圏にあった長期金利は、約2カ月ぶりに0.00%まで上昇し、その後プラスに転じました。しかしこれは、米大統領選でトランプ氏の勝利を受けた米金利上昇が日本などの主要国にも広がったという見方が大きいようです。2017年も海外からの上昇圧力は強いものの、日本国債の大幅な上昇は想定しがたく、再びマイナス圏への低下を予想する声も少なくないようです。 一方、米国の金利上昇の背景にあるのは、トランプ氏の積極財政路線です。成長期待や財政赤字への警戒から米金利が大幅に上昇しました。年末にかけて金利上昇は一服していますが、前述の通り、1月のトランプ大統領就任後の先行きは不透明です。政策期待が徐々に剥落することでの金利低下や、保護主義的な貿易政策による周辺諸国への影響などの警戒感もあります。低成長時代にあって利上げが加速するというシナリオも想定しづらく、金利上昇は限定的との見方が市場関係者では多いようです。 独連邦債は最高利回り予想が0.578%、最低利回りは0.073%となりました。日経平均株価は高値が2万1266円、安値は1万7290円となりました。円ドルレートは、円の高値が1ドル=108.1円、安値は123.0円の予想。原油価格(WTI先物)は高値が1バレル62.0ドル、安値は43.7ドルでした。 欧州でもポピュリズム(大衆迎合)の台頭がうかがえ、2017年に勢いを増す懸念があります。脱EUの流れがフランスなどにも広まれば、欧州発の金融不安を引き起こす不安も少なくありません。それによって、世界の相場が大きく動く可能性もあります。 原油については、11月30日にサウジアラビアがイランに歩み寄り、8年ぶりとなるOPEC(石油輸出国機構)での減産合意を受け、米国の金融市場で原油価格が急騰しました。12月にはロシア、メキシコなど非加盟産油国も原油の協調減産で一致しました。これによりさらに原油価格は急伸し、今後の原油市場の需給改善の後押しをするとみられています。また、中国をはじめとするアジア、その他の新興国・地域においても、トランプ次期米大統領の政策は、追い風にも逆風にもなるとみられています。米ドル高を受けて、アジア通貨は相対的に安くなり、輸出拡大への期待がふくらむ一方、トランプ氏の保護主義政策による世界貿易の停滞など、悪影響を指摘する声も聞かれます。他にも移民・外国人流入制限など、様々な警戒感が拭えません。 2017年のマーケット動向を占う上で、やはりトランプ次期米大統領の政策動向が鍵になるのは間違いないでしょう。インフラ投資や大幅な企業減税などを柱とする景気刺激策などの、政策の具体化という現実を見極めることになります。さらに、それが世界経済にどのような影響を及ぼすか、過激なプランが実行されるのか、現実路線に修正されるのか、こうした点が注目ポイントになりそうです。 トランプ政策の見極めで、FRBの利上げシナリオ修正を予想 米連邦準備理事会(FRB)は12月14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、1年ぶりに0.25%の利上げを全会一致で決めました。同時に公表した政策金利見通しでは、2017年中に3回の利上げを中心シナリオとし、引き締めペースの加速を見込んでいると発表しました。一方、市場関係者の予想は、FRBの利上げ回数について「2回」との回答が67%で最も多数を占めました。次いで「3回」は20%となりました。 イエレン議長は会見で、トランプ次期米大統領の政策に応じ、利上げのシナリオを修正していく可能性も示唆していますので、今後もFOMCの動向に注目が高まりそうです。 2017年の日銀の金融政策の方向について聞いたところ、「現状維持」の予想が69%と大多数を占めました。「緩和縮小(引き締めも含む)」が27%、「追加緩和」は4%でした。金利をゼロ%近辺に抑える、日銀のイールドカーブコントロールが当面続くとの見方が大勢を占めているようです。 根強い先進国株への投資期待、米国債も人気 2017年に最も有望と思われる投資対象は何かを挙げてもらったところ、有効回答数137人のうち39人(28%)が「外国株(先進国)」と回答しました。次に「国内株」が37人(27%)、「米国債」が29人(21%)で続きました。先進国の株式が根強い人気ですが、債券については米国債を推す声が大勢を占めています。現時点で緩和方向にある日欧と比べて相対的に利回り水準の高い米国債は投資妙味の面でも有望な投資先とみられているようです。 海外の金利動向に引き続き注目 毎月定例の相場見通しの調査では、国内債券市場でもう一段の金利上昇観測が強まり、新発10年国債の金利見通しは、1カ月後が0.055%、3カ月後が0.063%、6カ月後が0.067%と、マイナス圏から脱した11月調査分(0.029%、0.026%、0.028%)に比べて、いずれも上昇しました。 一方、新発5年国債は、1カ月後がマイナス0.083%、3カ月後がマイナス0.080%、6カ月後がマイナス0.079%、新発2年国債は、1カ月後がマイナス0.168%、3カ月後がマイナス0.166%、6カ月後がマイナス0.161%というように、いづれもマイナス金利が継続するとの見方のようです。 今後、6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因としては、「海外金利」が11月調査分の43%から変わらず最も多くの注目を集めています。対して10月調査分では69%とダントツで注目されていた「短期金利/金融政策」は、11月調査分の42%から34%へと徐々に低下しています。 同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体について聞いたところ、他の投資主体に比べて注目度が高い「政府・日銀のオペレーション」が最も多く、59%となりました。また、「生損保(年金除く)」の注目度もゆるやかに上昇しています。 国債組み入れ比率、「オーバーウエート」比率やや高まる ディーリング部門を除く資産運用担当者73人を対象に、現在運用しているファンドについて、国内債券の組み入れが、通常の基準と比べてどのようになっているのかを聞いたところ、11月調査分に比べて「ニュートラル」、「ややオーバーウエート」が上昇。対して「ややアンダーウエート」が低下しました。「かなりアンダーウエート」が微増していますが、全体としては、現状維持のスタンスが多数を占めるムードだったようです。 また国内債券の組み入れ比率について、当面のスタンスとしては「かなり引き上げる」の回答比が0%、「かなり引き下げる」が2%で変わらず、「やや引き上げる」と「やや引き下げる」がやや低下。やや上昇した「現状を維持する」が73%で大勢を占めました。 デュレーションについて、現在が通常の基準に比べてどのようになっているのかについては、11月調査分に比べて「やや長い」、「やや短い」が低下。「ほぼ基準通り」が上昇しています。「かなり長い」、「かなり短い」はやや上昇となりました。 当面のデュレーションについては、「現状を維持する」が82%で大勢を占めました。ポジションをいずれか一方に大きく傾けにくく、様子見ムードが強まりそうです。 (ライター・下村祥子)

トランプ米大統領でリスクオン?リスクオフ? 来年のマーケット左右する要因に(12月調査)

外国為替市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の12月調査を、12月12日に発表しました(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者75人が回答、調査期間は12月5~8日)。この間の為替レートは、対ドルが113円83銭~114円33銭。対ユーロが120円77銭~122円51銭でした。 トランプ氏の政策がマーケットを左右する要因に 米フェデラルファンド(FF)レートは、日本の無担保コール翌日物金利に該当するもので、米国の「政策金利」として知られています。同金利は2015年12月、それ以前の0~0.25%から0.25~0.50%に引き上げられ、現在に至っています。 2017年末、2018年末におけるFF金利の水準がどの程度になると予想するか聞いたところ、2017年末時点(ターゲットレンジの中央値)は単純平均で1.07%となりました。18年末時点は同1.47%でした。 今年最後となる12月13~14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利上げが確実視されていますが、これを前提に考えると16年末のFFレート(ターゲットレンジの中央値)は0.625%となり、17年は0.25%の利上げを2回程度実施するとみていることになります。同様に18年も2回程度の利上げを予想している計算になります。今後も緩やかではあるものの、米政策金利は上昇傾向をたどっていくと見ているマーケット関係者が多いのが分かります。 また、2017年の金融市場でリスクオン、リスクオフにつながるきっかけについて聞いたところ、リスクオンにつながりそうな材料としては、「トランプ米大統領」が66%で断トツのトップ。次いで「米金融政策」が8%、「中国景気」が7%となりました。 一方、リスクオフにつながりそうな材料については、「欧州の政治イベント(ブレクジット、各国選挙など)」が34%でトップ。次いで「トランプ米大統領」が31%、「中国景気」が15%となりました。 2017年の欧州の政治イベントについては、3月のオランダ総選挙、4月のフランス大統領選挙、6月のフランス国民議会選挙、8~10月にかけてのドイツ連邦議会選挙と目白押し。2016年6月の英国の欧州連合(EU)離脱に関連した国民投票や、12月の憲法改正に関連したイタリア国民投票で、既成政党が否定された点からも、EUおよびユーロという単一欧州体制に対する批判勢力が大きく力を延ばす結果になれば、為替市場においてユーロ売りが加速するなど、波乱要因になる恐れがあります。 また、トランプ次期米大統領については、リスクオンでもリスクオフでも、大きな材料になるとみられています。来年1月20日以降、トランプ氏が大統領に正式就任してから打ち出される政策次第で、マーケットが大きく揺れる可能性がありそうです。 ちなみに、トランプ次期米大統領が公約に掲げる経済・金融政策や通商政策は全体としてドル円相場にどのような影響を及ぼすか聞いたところ、「円安・ドル高要因」との回答が58%と、「円高・ドル安要因」(25%)を大きく上回っています。 3大ニュースのトップは「米大統領選挙トランプ氏当選」 2017年末にかけてのドル円相場の水準予想は、単純平均で1ドル=112.33円。円の最高値予想は104.71円、最安値予想は119.68円となりました。12月にかけてドル円は115円台を付けましたが、ここから先、120円、あるいは125円という円安水準を予想する声は少ないようです。 また、2016年の3大ニュースを聞いたところ、1位が「米大統領選挙トランプ氏当選」が94%を占めました。下馬評では、ヒラリー・クリントン氏の大統領当選を、ほとんど疑っていなかっただけに、マーケットに及ぼしたインパクトも非常に大きなものになっています。 次いで「英国EU離脱」が87%。これも、当初はEU残留派が多数と見られていたものの、いざ開票してみると、EU離脱派が多数を占めており、2016年における政治リスク浮上の嚆矢となりました。これによってユーロと英ポンドが大きく売り込まれたのも記憶に新しいところです。前述したように、2017年は欧州において政治の年になるだけに、投票の行方がマーケットにどのような影響を及ぼすのか、気になるところです。 そして3位は「日銀マイナス金利政策導入」でした。より金融緩和の方向性を打ち出し、株価や為替レートに強いインパクトを与えるつもりで導入したものの、結果は目論見とは逆に走り、トランプラリーが始まる2016年11月まで株安・円高が続きました。マイナス金利の効果については賛否両論ありますが、マイナス金利の効果は乏しかったとみている市場関係者は多いようです。 政治/外交の注目度上がる ドル円については、金融機関の外為業務担当者の1カ月後の為替見通しが、前回調査の1ドル=104円91銭に比べて大幅に円安・ドル高の113円39銭になりました。113円台になったのは9カ月ぶりのことです。ただ、6カ月後の5月末時点では112円68銭が予想されており、1カ月後の予想値に比べると円高・ドル安水準になっています。今はトランプラリーで円安・ドル高が進んでいますが、この勢いが続くのも今後の政策次第という不透明な部分があるからと考えられます。 今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円は「政治/外交」が前月比6ポイント上昇の29%となる一方、「当局の姿勢(介入含む)」が14ポイント低下の44%となりました。ドルについては「政治/外交」が7ポイント上昇の64%、欧州は「政治/外交」が29ポイント上昇の56%になる一方、「金利/金融政策」が12ポイント低下の38%、「物価動向」が11ポイント低下の0%になりました。ドルとユーロについては、政治が今後の動向を大きく左右することが分かる結果になっています。 市場参加者はドルに強気に ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前月の70%から44%へと急落する一方、「オーバーウエート」は20%から44%へと大幅に上昇しました。それだけマーケットについて強気になったということです。 また、為替ヘッジに対する当面のスタンスについては、「ヘッジ比率を上げる」が0%になったのに対し、「ヘッジ比率を下げる」が20%から33%に上昇しました。急激に円安が進んだため、市場参加者の心理が大きく変わったことが分かります。

トランプリスクからトランプラリーへ急展開 日本株に強気8割に(12月調査)

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の12月調査を12月5日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者159人が回答、調査期間は11月29~12月1日)。調査期間中の日経平均株価は1万8258円82銭~1万8746円28銭の範囲内で推移しました。 前回調査が行われた最終日の11月2日から今回調査最終日の12月1日までの日経平均と東証マザーズ指数は、次のようになりました。                11月2日     12月1日 日経平均株価・・・・・・・1万7134円68銭 ⇒1万8513円12銭 東証マザーズ指数・・・・・892.65ポイント ⇒919.98ポイント 日経平均は8.04%の上昇率でしたが、東証マザーズ指数の上昇率は3.06%にとどまりました。この間の上昇はトランプ氏の米大統領就任が決定し、トランプ・リスクから一転してトランプ・ラリーともいうべき相場展開になるなかで、為替市場でドル円が上昇。輸出関連企業の業績回復期待が高まり、主力大型株を中心に買いが入ったことで、中小型株はやや物色の圏外におかれる展開になりました。 トランプ減税による成長期待大きい 今回のアンケート調査では、トランプ氏が大統領になった際の経済やマーケットへの影響について聞きました。 まず、トランプ氏は減税と財政支出拡大によって米国の経済成長率を高めると言っていますが、今後の成長率をどう見るかについては、「一時的な成長率の押し上げにとどまる」という回答が全体の69%を占めました。次いで「成長率は持続的に高まる」が21%で、いずれにしても成長率が高まるとみる回答者が90%を占めています。対してネガティブな見方としては、「効果がない」が3%、「金利上昇で成長率が低下する」が3%、「そもそもそうした政策は実行できない」は1%にとどまっています。 トランプ氏が掲げている税制改革は、所得税率を現在の7段階から3段階に簡素化するとともに、最高税率を39.6%から25%に引き下げる、日本の相続税に該当する遺産税を廃止する、法人税の最高税率を35%から15%に引き下げ、米企業の海外留保利益に対しては税率10%にする、などを打ち出しています。 減税は、景気を刺激する効果をもたらしますが、その一方で国の税収は減り、その状況で財政を積極化すれば、財政赤字が増える恐れも生じてきます。その状態で、トランプ氏が言う積極財政を打ち出せるのかどうか、注目されます。 次に、保護主義政策についてですが、その世界経済に及ぼす影響については、見方が大きく分かれています。「先進国を含め米国との貿易が大きい国に打撃となる」が25%、「保護主義的な政策は実行できない」が21%、「米国を含めて、世界経済全体に打撃となる」が20%、「打撃はメキシコや中国など一部の新興国にとどまる」が20%です。 保護主義的な政策は実現できないか、もし実現したとしても影響は一部にとどまるとする、どちらかといえば楽観的な見方が41%、日本への影響を含めてネガティブな見方が45%となっていることから、正直、マーケット関係者の間でも日本経済への影響がどうなるのかは、まだ見切れていないというところのようです。 日本株に対しては8割が強気に トランプ氏の大統領就任後の政策で、上記の質問以外で株式市場に大きな影響を及ぼすと思われる要因としては、「金融規制の緩和」が43%、「米国の孤立主義による世界的な安全保障の不安定化」が17%、「財政赤字の拡大」が17%となりました。 今後1年間の株価動向について、地域別に予測してもらった結果は、米国が「一段と上昇」、「緩やかに上昇」を合わせて73%、「下落」が10%で、圧倒的に上昇が続くとみる向きが多数を占めています。 欧州は「横ばい」が44%で最も高く、「一段と上昇」、「緩やかに上昇」は合わせて40%。「下落」が16%を占めており、どちらかといえばやや弱気です。 新興国は見方が分かれ、「横ばい」と「下落」がそれぞれ34%、「緩やかに上昇」が31%でした。こちらも見方が分かれていますが、やや弱気です。 そして日本は、「緩やかに上昇」が55%で過半数。「一段と上昇」と合わせると80%が強気の見方をしています。 外国人投資家動向は株価にとってポジティブ 1カ月後の日経平均株価予想は、平均値で1万8614円となり、前回調査の1万7425円に比べて大きく上方にシフトしました。1カ月後の日経平均株価予想が1万8000円台に乗せたのは11カ月ぶりのことです。 円安の進行によって、企業が慎重にみていた2017年3月期決算に対する期待感が一転して高まってきています。今年に入ってから急激に円高が進み、業績に対して悲観的な見方が広まってきましたが、トランプ氏の大統領就任が決定した後、大きく円安が進んだことによって、輸出企業を中心に、業績が改善するとみられています。 今後、6カ月程度を想定した場合、株価を動かす要因で注目されるものとしては、「為替動向」が若干上昇する一方、「景気・企業業績」は低下。為替動向の指数は11月調査の58.7から71.6へと大きく上昇しており、株価にとってはポジティブ要因と受け止められています。 また、同じく6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体について聞くと、11月調査に対して大きな変動はみられませんでした。ただ、指数では「外国人」が59.5から71.4へと大きく上昇しており、その動向が株価にとってポジティブ要因であることが伺えます。 資産運用担当者の今後の組入はやや慎重 資産運用担当者60人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ややアンダーウエート」、「かなりアンダーウエート」、「ニュートラル」が低下する一方、「かなりオーバーウエート」、「ややオーバーウエート」が上昇し、若干強気になったことが分かりました。 ただ、当面のスタンスについて聞くと、「現状を維持する」が大半を占めていますが、11月調査に比べると数値は低下。一方、「やや引き上げる」と「やや引き下げる」、「かなり引き下げる」が上昇しており、見方が分かれました。この1カ月間の株価の上昇ピッチが急だったこともあり、市場関係者の間では若干の警戒感も浮上してきているようです。

トランプノミクスで米経済は加速? 保護主義警戒、円安持続は未知数(11月調査)

債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の11月調査を11月28日に発表しました(証券会社および機関投資家の債券担当者141人が回答、調査期間は11月21~24日)。この間の国内金利は、新発10年物国債の利回りがプラス0.020~プラス0.030%で推移しました。 長期金利の指標となる10年債利回りがようやくマイナス圏からプラスへと転じました。過去1カ月の金利推移は以下の通りとなりました。           10月25日  11月25日  3カ月債・・・・・▲0.349%⇒▲0.295%  1年債・・・・・▲0.295%⇒▲0.212%  5年債・・・・・▲0.199%⇒▲0.085%  10年債・・・・・▲0.064%⇒ 0.030%  15年債・・・・・・0.113%⇒ 0.210%  20年債・・・・・・0.372%⇒ 0.470%  30年債・・・・・・0.491%⇒ 0.597% 各期間において金利水準は上方シフトしたことがわかります。現状、11月30日に日銀が公表する予定の当面の長期国債買入れ方針で、買入額が減額されるかどうかに関心が集まっており、その警戒感で長期国債にはやや売り圧力が強まっています。 トランプノミクスで米経済はさらに加速? 今回の月次調査では、トランプ氏が米大統領に就任した後の米経済への影響について質問しました。 まず、トランプ氏の経済・通商・外交政策の効果とその影響について予想してもらいました。それによると、経済成長率は加速(58%)し、インフレ率も加速(77%)する半面、財政赤字は拡大(91%)し、貿易赤字は変わらず(42%)が、それぞれ最多となりました。 金融政策については影響なし(51%)で、タカ派にもハト派にも傾斜しないというイメージで受け止められていることが分かります。 その結果、米国の金融市場は2017年3月末に向けて、米国10年国債利回りは上昇(64%)、米ダウ平均株価は上昇(51%)、原油価格は横ばい(56%)との見方が多数を占めています。 トランプ氏が国内雇用を最優先に積極財政と減税政策を打ち出してくるとなれば、長期金利は上昇し、企業業績の上振れ期待から株価も上昇する可能性は高まるでしょう。すでにダウ工業株30種平均はトランプ氏の大統領就任が決定してから連日上昇しており、過去最高値を更新。節目の2万ドルも視野に入れようとしています。 日本は株高・円安・10年金利横ばいの予想 日本の金融市場はどうなるでしょうか。2017年3月末に向けての予想については、10年国債利回りが横ばい(63%)、20年国債利回りが上昇(52%)、日経平均株価は上昇(57%)、円・ドル相場は円安(50%)に向かうとみられています。 この1カ月で上昇してきた国内長期金利ですが、利回りが上昇すれば国債への買い意欲が湧き出てくるため、急激に上昇することはない、というのがマーケット関係者のコンセンサスになっています。 また、トランプ氏の大統領就任が決定した後、日経平均も上昇。円・ドル相場は1ドル=100円割れの円高になるどころか、逆に1ドル=113円台を付けるところまで円安・ドル高が進みました。こうした流れを反映した結果になっていますが、トランプ氏は基本的に保護主義的な政策を取ってくる可能性が高く、円安がどこまで続くのかは未知数です。 当面のスタンスは様子見ムード 新発10年国債の金利見通しは、10月調査分に比べて上方にシフトしました。10月調査分では、1カ月後、3カ月後、6カ月後の見通しがそれぞれマイナスでしたが、11月調査分ではいずれもプラス圏に転じています。 トランプ次期米大統領の政策を背景にして、米長期金利の上昇や株高・円安が進んだことから、日本の長期国債も上値の重い展開になりやすく、長期金利が押し上げ圧力は従来に比べ高まる可能性があると、多くのマーケット関係者はみているようです。 今後、6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因としては、「海外金利」が10月調査分の11%から43%に急上昇。対して「短期金利/金融政策」が69%から42%へと低下しました。ちなみに海外金利の指数は31.9ですから、下落要因として注目されていることになります。 今後6カ月程度を想定して注目される投資主体については、10月調査分と大きな違いはなく、都銀・信託銀行、地方銀行、生損保、外国人が微増。政府・日銀のオペレーションが下落しました。 国債組み入れ比率、「アンダーウエート」比率やや高まる また、ディーリング部門を除く資産運用担当者66人を対象に、現在運用しているファンドについて、国内債券の組み入れが、通常の基準と比べてどのようになっているのかを聞いたところ、10月調査分に比べて「ややオーバーウエート」、「ややアンダーウエート」が上昇。対して「かなりオーバーウエート」、「ニュートラル」、「かなりアンダーウエート」が低下。全体としては「アンダーウエート」の比率が高まる結果となっています。 また国内債券の組み入れ比率について、当面のスタンスとしては、「かなり引き上げる」の回答比が0%になり、「やや引き下げる」が低下、「やや引き上げる」と「かなり引き下げる」が上昇するというように、回答にバラツキがみられています。 デュレーションについて、現在が通常の基準に比べてどのようになっているのかについては、10月調査分に比べて「やや長い」、「かなり短い」が低下。「やや短い」が大きく上昇しています。この点では、長期金利の上昇に対する警戒感が強まったと考えられます。 当面のデュレーションについては、「現状を維持する」が76%で大勢を占めました。ポジションをいずれか一方に大きく傾けにくく、様子見ムードが強まりそうです。

トランプは「大統領」を演じ切る? ドル円は「政治・外交」が左右の公算(11月調査)

外国為替市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の11月調査を、11月14日に発表しました(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者69人が回答、調査期間は11月9~11日)。この間の為替レートは、対ドルが103円32銭~105円63銭。対ユーロが114円86銭~115円44銭でした。 トランプ米大統領で為替はどう動く? 世界が注目した米大統領選が終わりました。当初、民主党候補のヒラリー・クリントン氏優位と言われ、米国の名だたるメディアの世論調査でもそうなっていたのが、結果はそれを覆して、共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利しました。トランプ氏は、来年1月20日に行われる大統領就任式をもって、正式に第45代米大統領になります。 その選挙を挟み、マーケットは大きく混乱しました。特に、選挙の開票時間とほぼ同時刻に開いていた日本のマーケットは、株価・為替ともに乱高下しました。日本時間の午前中、クリントン候補優位との見方から1ドル=105円台で推移していたドル円レートは、午後になり、トランプ候補の優位がはっきりするにつれて、一気に101円台まで円高に振れ、日経平均株価は一時、前日比で1000円超下げる場面も見られました。 ところが、開票日翌日のニューヨーク市場では、「トランプ勝利ならリスクオフ」という大方の予想を裏切り、ドル買い・株高の展開に。それを受けて、日本の株式市場でも翌10日は一気に株価が大統領選挙前の水準に戻り、ドル円は107円台をつけています。 マーケットの混乱(急変動)はいつまで続くのでしょうか。今回のアンケート調査で聞いたところ、「一時的」が58%でトップ。次いで「2~3カ月」が19%で、「半年」が12%となりました。 また、マーケット関係者が気になるのは、やはり企業決算が相次ぐ来年3月の状況でしょう。主なマーケットの来年3月末時点における「安値」水準の平均値は、以下のようになりました。 ・ドル円相場・・・・・99.68円  ・日経平均株価・・・・15789.29円  ・ダウ工業株30種平均・17408.93ドル  ・NY原油・・・・・・39.50ドル いずれも安値の目途だという点には注意してください。実際、トランプ次期米大統領がどのような政策を取ってくるのかについては、来年1月20日の大統領就任式を経てみないと分かりませんが、選挙期間中におけるトランプ氏の発言内容からすれば、保護主義的な政策を取ってくる可能性は高く、その点で言えば、ドル円は円高方向に振れやすいとみられています。 仮に1ドル=100円割れの円高水準になれば、輸出企業を中心にして日本企業の業績悪化が懸念されます。14日はリスクオンの流れから日経平均は1万7600円台で推移していますが、円高が進めば当然、株価にもネガティブな影響が生じ、マーケット関係者が予想する1万5789円の安値を意識せざるを得なくなるでしょう。 12月のFOMCでの利上げの可能性は高いが… 米国については12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが行われるかどうかが焦点です。トランプ次期大統領は選挙期間中、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が共和党員ではないというだけで更迭宣言を出しており、もしそれが予定通りに行われるならば、イエレン議長としては自分自身が議長の座から降りる前に、利上げしておきたいという意識が働く可能性があります。つまり12月のFOMCは、イエレン議長が利上げを決定する限られたチャンスの一つといえます。その思惑をマーケット関係者も感じているのか、12月利上げの可能性については、81%が「利上げする」と答えました。 一方、日銀本の金融政策については特に見るべきところもなく、来年3月末までの金融政策については、「追加金融緩和なし」が84%を占めています。 また、年末(2016年12月末)および年度末(2017年3月末)のドル円について、平均値は以下のようになりました。  ・年 末(2016年12月末)=104.84円  ・年度末(2017年3月末)=105.56円 トランプ候補は保護主義的な政策も目につきますが、財政支出拡大や大幅な減税措置などにも言及しており、もし、こうした経済政策がとられるならばドル高要因との声があります。来年1月の正式就任後の政策を見極める必要はありますが、ほんの数日で「トランプショック」から「トランプ期待」へと市場ムードを激変させたトランプ氏の言動に注目せざるを得ないでしょう。ある市場関係者は「今まではトランプを演じていた彼が今度は大統領を演じ切れるか。演じ切るなら米再評価・ドル高ムードは持続する」と予想しています。 ドル、円ともに政治・外交への注目大 ドル円については、金融機関の外為業務担当者の1カ月後の為替見通しが、前回調査の103円26銭に比べて円安方向にシフトし、1ドル=104円91銭になりました。さらに3カ月後は1ドル=105円11銭、6カ月後は1ドル=105円42銭というように、徐々に円安方向へと進むとの予測が大半を占めています。 今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円は「政治/外交」が前月比で11%上昇して23%になり、「金利/金融政策」は前月比19%低下して43%になりました。また、ドルについては「政治/外交」が前月比38%上昇の57%に。一方で「金利/金融政策」が前月比35%低下して32%となっています。日米ともに政治・外交が為替レートに及ぼす影響に対する関心が高まっています。 また、向こう6カ月間で、各通貨が対円でどのように推移するのかについては、米ドルDIがプラス19に急落。ユーロはマイナス22で、弱含みの展開が予想されています。イタリアが憲法改正に関する国民投票を12月に行いますが、ここで憲法改正にノーが突き付けられると、レンツィ首相は辞任。欧州連合(EU)離脱を掲げる野党に政権が移れば、再び英国のEU離脱(=ブレクジット)の悪夢が蘇る恐れがあり、ユーロは弱いと判断されているようです。 為替の見通しは円高・円安で拮抗 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、10月に比べてアンダーウエートの比率が低下する一方、オーバーウエートが0%から20%に上昇していました。 また、為替ヘッジについて当面、どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「ヘッジ比率を上げる」という回答が0%から10%に上昇するとともに「ヘッジ比率を下げる」という回答も14%から20%に上昇しました。為替レートの先行きについては、円高、円安両面の見方が拮抗しているようです。

米利上げ「12月実施」予想8割、トランプショックの混乱「一時的」の声

QUICKが現在調査中の11月のQUICK月次調査<外為>を10日までに回収した回答で臨時集計した「速報版」によると、米連邦準備理事会(FRB)が12月に「追加利上げに踏み切る」と予想する外為関係者は79%に達し、「利上げを見送る」(21%)を上回った。外為関係者35人から回答を得た。 米大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利したことを受け、9日のアジアの金融・株式市場こそ大きく混乱したが、その後の欧米市場や10日のアジア市場は落ち着きを取り戻した。市場では「トランプ氏も大統領就任に向けて現実寄りの路線に修正していくと思われ、大きな混乱は回避される」(証券会社)との声があった。 金融・株式市場の混乱は「一時的」との回答が66% こうした見方を反映してか、金融・株式市場の混乱はいつまで続くか聞いた設問では、「一時的」との回答が66%で最多だった。次に「2~3カ月」が17%で続いた。 【米大統領選後の金融・株式市場の混乱はいつまで続くか?】 一時的   ■■■■■■■■■■■■(66%) 2~3カ月 ■■■(17%) 半年    ■(6%) 1年    (0%) 2~3年  ■(6%) それ以上  (0%) その他   ■(6%)  ただ、回答者からは「トランプ大統領へのリスクヘッジはこれから吟味しながらということになるとみる。共和党の中で分裂した政策論争が話し合いによって収斂していくのか、分裂したままで議会と対立するのかはまだ織り込めない」との慎重な声も聞かれた。 来年3月までの下値メド…ドル円は1ドル=98.94円、日経平均は1万5605円  来年3月に向けての円相場の高値(対ドル)、日経平均株価、ダウ工業株30種平均、NY原油先物の安値をどう予想するかとの質問では、単純平均でそれぞれドル円相場が1ドル=98.94円、日経平均が1万5605円、ダウ平均が1万7185ドル、NY原油は1バレル39.43ドルとなった。  正式な調査結果は11月14日に公表する予定。

「トランプ・リスク」再浮上で株式市場は様子見ムード強まる(11月調査)

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の11月調査を11月7日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者154人が回答、調査期間は10月31~11月2日)。 前回調査が行われた最終日の10月6日から、今回調査最終日の11月2日までの日経平均株価と東証マザーズ指数は、次のようになっています。 日経平均株価・・・・・・1万6899円10銭 ⇒ 1万7134円68銭 東証マザーズ・・・・・・961.25ポイント ⇒ 892.65ポイント 円安の影響もあり、日経平均株価は比較的堅調に推移しました。主力大型株に物色の対象が移る一方、小型株の動きは弱く、東証マザーズ指数は日経平均の動きに反して、この間に7%もの下落になりました。 ただ、11月に入ってからは「トランプ・リスク」の高まりが意識され、日経平均も下げ基調です。10月28日には終値で1万7446円41銭まで上昇した日経平均ですが、11月4日には1万6905円36銭まで下落しました。8日の米大統領選挙の投開票日まで民主クリントン、共和トランプ各候補に関するニュースに金融・株式市場は振り回される公算が大きく、直前まで目が離せないところです。 企業価値の向上に向けた取り組みは「中長期戦」に 今回のアンケート調査では、コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードについて調査しました。 コーポレートガバナンス・コードが制定されて2年が経過しました。現時点において、企業価値向上に向けた取り組みをどう評価するのかを聞いたところ、「将来に向けて効果が期待できる」が57%が最多となり、次に「ほとんど効果は見られない」が22%で続き、「すでに効果が出ている」は17%となりました。 スチュワードシップ・コードは制定されて3年目になり、多くの機関投資家がスチュワードシップ・コードを受け入れましたが、その評価については、「対話はまだ試行錯誤の段階だが、今後期待できる」が66%、次いで「形式的な対話にとどまり、効果が期待できない」が22%、「企業価値向上に向けた対話が活発になった」が7%でした。 コーポレートガバナンス・コードにしても、スチュワードシップ・コードにしても、その効果が発揮されるのはまだ将来的なものであり、現時点では「将来に期待する」という答えが大半を占めました。 インデックスファンドに「企業との対話」は条件付き賛成多数 また、インデックスファンドにエンゲージメント(企業との対話)を求める動きがありますが、これに対しては、「条件付き賛成(時価総額の大きい銘柄に限定など)」が45%、次いで「賛成」が28%、「反対」が26%となりました。 総じて賛成という意見が過半を占めています。欧米では、インデックスファンドでもエンゲージメントを行うケースがあるとのレポートもありますが、昨今のようにインデックスファンドのコスト削減競争が激化するなかで、運用会社が組み入れ企業に対してエンゲージメントを行うのは、コスト面で厳しいものがあります。したがって、仮にエンゲージメントを行うにしても、それは条件付きというのが現実的なところだと思われます。 なお、コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードが定着すれば、中長期的に市場全体のパフォーマンス向上に寄与するかどうかについては、「寄与する」が70%で最も多く、次いで「わからない」が19%、「寄与しない」が9%という結果になりました。 政治・外交に対する関心強まる 1カ月後の日経平均株価予想は、平均値で1万7429円となり、前回調査の1万6926円から若干、上方にシフトしました。また3カ月後、6カ月後の数字を見ると、徐々に右肩上がりで、2017年4月末には1万8000円台を回復する見通しですが、今後の株価を見るうえで最大のポイントは、11月8日に行われる米大統領選挙と、その後のマーケットの動きでしょう。 民主ヒラリー・クリントン候補のメール問題が再燃し、両候補者が接戦になったことで、トランプ・リスクが再浮上。為替は円高に振れ、株価も下げました。現状、FBIはヒラリー・クリントン候補の訴追を求めないという方針を打ち出したことから、11月7日の東京市場において、株価は上昇し始めています。 今後、6カ月程度を想定した場合、株価を動かす要因で注目されるものとしては、「政治・外交」が前回調査の5%から、今回調査では16%へと上昇しました。「景気・企業業績」は41%で変わらず。「金利動向」と「為替動向」が低下しました。政治・外交に対する関心度が上がったのは、間もなく行われる米大統領選挙の行方を見守りたいという意向が、マーケット全体に広まっているからでしょう。 また、同じく6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体について聞くと、「外国人」が相変わらず高く、前回調査の83%から、今回調査では90%まで上昇しました。一方で、「個人」や「投信」、「金融法人」、「企業年金・公的年金」は微減。現時点において、国内株式市場の動向を左右する投資主体は、外国人投資家が中心になっています。 投資家は米大統領選後の動きを見守る展開? 資産運用担当者63人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前回調査に比べて低下する一方、「ややオーバーウエート」と「ややアンダーウエート」が上昇しました。 また、当面の組入スタンスとしては、「やや引き上げる」と「やや引き下げる」が前回調査に比べて低下する一方、「現状を維持する」が62%から81%に上昇しています。大統領選挙後のマーケット動向について様子見ムードが強まっているようです。

日銀緩和期待は沈静化? 来年3月まで「見送り」7割超える(10月調査)

債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の10月調査を10月31日に発表しました(証券会社および機関投資家の債券担当者145人が回答、調査期間は10月25~27日)。この間の国内金利は、新発10年物国債の利回りがマイナス0.065~マイナス0.055%で推移しました。 日本国債のイールドカーブをみると、9月28日時点から10月28日時点にかけて以下の通りとなりました。         9月28日   10月28日 10年債・・・・▲0.067% ⇒▲0.045% 15年債・・・・・0.125% ⇒ 0.133% 20年債・・・・・0.359% ⇒ 0.390% 30年債・・・・・0.520% ⇒ 0.459% まだ、マイナス圏ではあるものの、10年債利回りの水準は徐々に上昇しています。全体をみると、3カ月物から40年物までのすべての期間において、前月よりも金利水準は上昇しました。また前月に引き続き、マイナス金利は10年物までとなり、15年物よりも長い金利については、プラス圏を維持しています。 米金融政策、利上げ方向もペースは「緩やか」利上げ、来年3月までに「1回」大勢 今回の特別質問では、今年度末(2017年3月末)までの日・米・欧の金融政策や債券相場について調査しました。 まず、米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の金融政策をどう考えるかという質問に対しては、FRBの場合、「利上げ1回」とする回答が82%で最も多く、次いで「利上げ2回」が15%、「現状維持」が4%になり、年度内に利上げ1回とする見方が大勢を占めています。 一方、ECBについては「現状維持」と「追加緩和」がともに44%となり、「テーパリング」が9%で続きました。 米国は利上げ、欧州は緩和方向にある点からも欧米景気の強弱差がみて取れます。欧州は現状維持と追加緩和がともにトップであることから、景気の先行きに対しては弱気。対して、年度内1回とはいえ利上げを行うという回答が最も高い米国の景気は、緩やかな拡大トレンドにあるとの見方を反映していると言えます。 早期の追加緩和観測が後退 では、日銀の金融政策に対する見方はどうでしょうか。 2017年3月末までの日銀の金融政策については、最も多かった回答は「追加金融緩和なし」で74%に達しました。追加緩和を見込む回答者は「3月」の13%が最も多く、「1月」が9%で続き、「11月」は1%にとどまりました。 黒田日銀総裁が通称「黒田バズーカ」と呼ばれる量的金融緩和を行ってから3年半が経ちました。この間、日銀が市中にばらまいたマネーの量は膨大になりましたが、景気の回復力は弱く、物価もむしろデフレ傾向を強めています。 金融緩和によって得られる効果に限界がみえ始めたこともあり、もう一段の金融緩和については、時期やタイミングを考えて日銀も慎重姿勢にならざるを得ないと考えるマーケット関係者が多いようです。 また、仮に金融緩和に踏み切る場合、具体的な手段はどのようなものになるのかという点については、「マイナス金利の深堀り」が74%で最多となり、「10年金利ターゲット水準の引き下げ」が31%、「質的緩和の強化」が23%で続きました。 もう一段の金融緩和により瞬間的に円安・株高をもたらす可能性はありますが、肝心の実体経済がついていかなければ、中長期的な円安・株高は望めません。現状、金融緩和のみに頼った景気・マーケット対策は、ほぼ限界がみえてきているとの見方も増えており、実体経済を押し上げるには財政出動・規制緩和を含めた政府の対策と日銀の金融緩和を同時に進めることで相乗効果を高めることが必要なのかもしれません。 なお、2017年3月末までの日本の10年国債利回り予想については、単純平均で最高がプラス0.044%、最低がマイナス0.128%となっています。 イールドカーブ・コントロールで10年マイナス金利幅は上方修正 新発10年国債の金利見通しは、前月に引き続きマイナス金利圏にあるものの、さらに水準は上方修正されました。9月調査における1カ月後の長期金利見通しは、単純平均でマイナス0.059%でしたが、10月調査分ではマイナス0.050%になりました。同じく、3カ月後はマイナス0.051%からマイナス0.046%に、6カ月後はマイナス0.053%からマイナス0.044%に、いずれもマイナス幅が縮小しています。 9月の日銀金融政策決定会合で、10年国債利回りをゼロ%近辺に誘導する「イールドカーブ・コントロール」が導入されて以来、徐々に過度なマイナス金利が修正されており、その流れが現在も続いています。 今後、6カ月程度を想定して、最も注目される債券価格変動要因としては、「短期金利/金融政策」が8月調査の91%から9月調査に78%まで低下した流れを引き継ぎ、10月調査は69%まで低下しました。 他の要因に対する注目度は、前月に比べてそれほど大きく変わっていませんが、「海外金利」が9月調査の5%から10月調査では11%に上昇しています。また、今後6カ月の間に注目される投資主体としては、「政府・日銀のオペレーション」が圧倒的に高く、8月調査の80%より低下しているものの、それでも10月調査で76%を維持しています。 ディーリング部門を除く資産運用担当者72人を対象に、現在運用しているファンドについて、国内債券の組み入れが通常の基準と比べてどのようになっているのかを聞いたところ、「ややオーバーウエート」が低下傾向をたどっており、7月調査時点で17%だったのが、10月調査では5%まで低下しました。また「ニュートラル」も、徐々にではありますが低下傾向をたどっています。一方、「ややアンダーウエート」が32%まで上昇しています。 当面の組入比率については、「現状維持」が7月調査の82%から、10月調査では70%まで低下する一方、「やや引き下げる」が7月調査の12%から、10月調査では25%まで上昇しました。また債券のデュレーションについて、当面のスタンスとしては、「やや長くする」が前回調査に比べて低下し、「現状を維持する」が大きく上昇しました。

米大統領選挙後のドル円相場、トランプリスク後退で大きな変化なし?(10月調査)

外国為替市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の10月調査を、10月17日に発表しました(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者71人が回答、調査期間は10月7~13日)。この間の為替レートは、対ドルが103円52銭~103円92銭。対ユーロが114円36銭~115円48銭でした。 米大統領選、クリントン候補の勝利でほぼ確定? 米国の大統領選挙まで、あと1カ月を切りました。一時は共和党ドナルド・トランプ候補の予想外の健闘ぶりに、大統領選挙レースの行方が分からなくなり、それがマーケットのかく乱要因になることもしばしばありましたが、度重なる失言、過去の不適切映像などがメディアを通じて広まり、共和党内も一枚岩ではなくなったことから、民主党ヒラリー・クリントン候補の優位性が高まってきています。 もちろん、大統領選挙なので終わるまでどうなるかはわかりませんが、少なくとも現時点において、トランプ候補が形成を逆転させ、大統領の座を射止めるのは、非常に難しいことと思われます。 今回のアンケート調査では、ヒラリー・クリントン候補とドナルド・トランプ候補のどちらが勝利すると予想しますかと質問したところ、「民主クリントン候補」との回答が90%を占めました。 マーケット関係者をはじめとして、圧倒的に多数がクリントン候補の勝利を信じているといっても良いでしょう。 では、それぞれが大統領になった時、ドル円相場にはどのような影響が及ぶのでしょうか。 まず、クリントン新大統領が誕生した場合は、「緩やかな円高圧力」が41%で、「ほぼ影響なし」が40%、「緩やかな円安圧力」が17%でした。 これに対してトランプ新大統領が誕生した場合だと、「強い円高圧力」が51%で、「緩やかな円高圧力」が43%、「緩やかな円安圧力」が4%でした。実に「円高圧力」との回答は94%に上ります。 2人の予測を比較すると、仮にトランプが大統領になった場合は、ほぼ有無も言わさずに円高圧力が強まると思われます。もちろん、現状の予想ではトランプ候補が大統領になる可能性は極めて低い状況になっていますが、「まさか」が現実になった場合は、外国為替市場において、特大のサプライズということもあり、急激に円高が進でしょう。 次に、日米の金融政策についてですが、年内、FRBが利上げを実施するかどうかについての質問は、「12月に利上げ」が81%、「11月に利上げ」が4%で、年内に利上げを実施すると見ている人の割合が圧倒的に多いことに加え、その時期は12月であることが分かります。逆に、「追加利上げなし」との回答は14%にとどまりました。 日銀の新しい金融政策の枠組み、「緩和強化・縮小」で二分 次に日銀の金融政策はどうでしょうか。9月20~21日に開催された金融政策決定会合において、日銀は長短金利を政策運営の目標とする新しい金融政策の枠組みを導入しましたが、これは金融緩和の強化・縮小のどちらを意識したものか、という質問に対しては、「金融緩和の縮小」と見る向きが54%、「金融緩和の強化」が46%で、見方が二分されています。 また、日銀の年内の金融政策については、「追加緩和なし」が89%を占めており、追加利下げはないと見る向きが大半を占めています。また少数ではありますが、年内に利下げが行われると見る人のうち、「12月に追加金融緩和」が9%、「11月に追加金融緩和」が3%という結果になりました。 そして、来年前半にかけてのドル円相場については、「円安・ドル高トレンドに転換する」が36%で、「方向感が定まらずもみ合いが続く」が34%、「円高・ドル安トレンドが続く」が27%となりました。 結果としてドル円相場の方向性について市場関係者の明確なコンセンサスは見出せませんでした。しかし、足元では1ドル=104円台まで円安・ドル高が進む場面もあり、これまでの円高・ドル安の流れにやや変化が出始めた兆しもみられます。今後のドル円については、円安トレンドへの転換も含めて相場見通しが語られる場面も増えてきそうな予感もあります。 今後の見通しは円安方向 ドル円相場については、金融機関の外為業務担当者の1カ月後の為替見通しが、前回調査の1ドル=102円43銭に比べて円安方向にシフトし、103円26銭になりました。さらに3カ月後は104円ちょうど、6カ月後は104円28銭というように、徐々に円安方向へと進む予測が大半を占めています。 これに対してユーロ円は、1カ月後の1ユーロ=114円48銭から、3カ月後は114円30銭へと円高方向に進むという見方です。 今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円は「政治/外交」が前月比で12ポイント増、「景気動向」が10ポイント増になったのに対し、「金利/金融政策」が22ポイントのマイナスになりました。 ドルについては「政治/外交」が前月比で17ポイント増になった半面、「金利/金融政策」が17ポイントのマイナス。ユーロは「政治/外交」が24ポイント増になったのに対し、「金利/金融政策」が32ポイントのマイナスになりました。円、ドル、ユーロのいずれも、関心の対象は同じ傾向が顕著に表れています。 また、向こう6カ月間で、各通貨が対円でどのように推移するのかについては、米ドルDIがやや低下したものの、プラス37で他の通貨に比べて相対的に買い意欲の強い状況が続いています。豪ドルやNZドルロシアルーブルのDIもプラス幅が拡大しました。 逆に、ユーロや英ポンドDIはマイナス幅が拡大。特に英ポンドは、前回調査のマイナス18から、今回調査ではマイナス73へと、マイナス値が大幅に上昇しています。 ヘッジ比率は現状維持 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「オーバーウエート」は0%で変わらず。「ニュートラル」が88%から71%に低下する一方で「アンダーウエート」が13%から29%へと上昇しており、やや外貨投資には消極的なスタンスが見て取れます。 また為替ヘッジについて当面のスタンスを伺うと、「ヘッジ比率を上げる」という回答は0%で、「ヘッジ比率を下げる」が17%から14%に低下。「現在のヘッジ比率を維持」が83%から86%に上昇しました。外貨投資に対してはやや消極的だけれども、現状のポジションについて、ヘッジ比率を高めるほどの円高は見込んでいないことが分かります。

景況感の悲観ムード強く金融緩和は続行か 業績予想はやや下振れ(10月調査)

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の10月調査を10月11日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者159人が回答、調査期間は10月4~6日)。 調査期間中の日経平均株価は1万6637~1万6971円のレンジで推移しました。9月上旬には1万7081円まで上昇したものの1万7000円が心理的な節目として意識され、手前での足踏み状態が続きました。10月に入ってからの東証1部売買代金は連日で2兆円を下回っており、積極的な売買が見送られたことが影響した面もあるようです。 一方、日経平均と比較してアウトパフォームしたのが東証マザーズ指数。前回調査が行われた最終日の9月1日から今回調査最終日の10月6日までの日経平均とマザーズ指数の騰落率をみると、日経平均がほぼ横ばいだったのに対し、マザーズ指数は5.6%の上昇を記録しました。円相場の行方などの不透明要因から大型株を見送るムードも強い中で出遅れ感が強い中小型株に個人投資家を中心に物色が向かったようです。 しかし、個人の物色意欲が高まり始めたとみられる点は相場全体にとっては明るい話といえます。外部環境の好転を背景に11日の日経平均は久しぶりに1万7000円台を付け、マザーズ指数も底堅い展開となっています。 国際比較で日本の景況感停滞が目立つ 今回のアンケート調査では、国内外の景気動向について質問しました。各国の現状について「拡大」、「堅調」、「停滞」、「後退」の4つの選択肢から選んでもらった結果は以下の通りとなりました。 また、選択肢別で、国別に最も高い回答が得られたのは、以下のようになりました。 日本・・・・・・停滞(64%) 米国・・・・・・堅調(84%) 欧州・・・・・・停滞(62%) 中国・・・・・・停滞(55%) この数字からも、世界経済は米国が一強状態であることが分かります。米国以外の国は、程度の差こそあれ、「停滞」という回答比が最も高く、なかでも日本の悲観ムードが最も深刻である点を理解しておく必要がありそうです。 日銀の金融政策もマイナス金利の深堀りこそ当面、行わない方針ですが、この景況感でおもむろに現在の金融緩和を絞るような政策は、マーケットの混乱を招く恐れがあるという点でも、避けたいところです。当面、日本の金利は底這い状態が続きそうです。 次に、日本の輸出企業の業績に影響を及ぼす為替見通しですが、2017年3月期末にかけて、ドル円がどのように推移するのかについては、「小幅な円安(105円程度)」という回答比が最も高く、全体の55%を占めました。次いで、「横ばい圏(100円程度)」が21%、「小幅な円高(95円程度)」が13%、となっています。 米国では、11月の大統領選挙を終えた後、12月の米連邦公開市場員会(FOMC)で利上げが行われるのではないかという見方が強まりつつあり、金利差の拡大からドル買い優位との見方が広がりつつあります。 今期経常益0.5%減見通し、修正の方向性は? こうしたことを受け、日経集計では前年度比0.5%減と見られている2017年3月期の経常利益について、今後どのように修正されるかを問うと、「小幅な減額修正」が50%で最も高く、次いで「小幅な増額修正」が32%、「修正なし」が12%、「大幅な減額修正」が5%、「大幅な増額修正」が1%という結果になりました。 大幅な増額修正、大幅な減額修正はいずれも極端な見方ではありますが、全体的には減額修正されるとの見方に傾いています。 また、資産別のアセットアロケーションをどう変更するかについては以下の結果となりました。 このうち、最も高かった回答は次のようになりました。 国内株式・・・・・・増加(52%) 海外株式・・・・・・変えない(48%) 国内債券・・・・・・減少(55%) 海外債券・・・・・・変えない(45%) 業績の先行き懸念は依然として根強いものの、今後のドル円相場の方向がやや円安に向かうとの見方に立てば、業績下振れをかなり織り込みつつある国内株式については比重を高めようとする動きが出てもおかしくないと言えるかもしれません。 1カ月後の日経平均見通しは「ほぼ横ばい」 1カ月後の日経平均株価予想は、平均値で1万6924円となり、前回調査の1万6935円に比べて若干の下方シフトとなりましたが、この程度の差は「ほぼ横ばい」と見て良いでしょう。 また単純平均で見ると、日経平均株価は年末にかけて1万7000円台を回復し、年度末には1万7000円台後半まで上昇することを示す数字になりました。先にも触れたように、日本の景況感については現状、悲観的なムードが強いものの、年明け以降にかけては、徐々に回復するのではないかという希望的観測が反映されています。 今後、6カ月程度を想定した場合、株価を動かす要因で注目されるものとしては、「金利動向」、「為替動向」が前回調査に比べて低下する一方、「景気・企業業績」が32%から42%に上昇しました。 また、同じく6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体について聞くと、「企業年金・公的資金」が前回調査の12%から、6%へと低下。その他は、前回調査と比べて大きな変化は見られませんでした。 株式の組み入れは「ややオーバーウエート」が上昇 資産運用担当者63人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前回調査の45%から53%に上昇しました。逆に、「ややオーバーウエート」が35%から28%に低下。「ややアンダーウエート」も14%から11%に微減となっています。 また、国内株式の組み入れ比率について、当面はどのようなスタンスで臨むのかという問いに対しては、「現状を維持する」が前回調査の71%から63%へと低下。一方、「やや引き上げる」が17%から26%へと上昇しました。26%は、過去半年の中で最も高い水準になりました。とはいえ、「現状を維持する」が63%もあるので、全体的には様子見という印象を受けます。

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