ビットコインに先安観再び 下値メドは5000ドル? オプション取引が示唆

インターネット上の仮想通貨ビットコイン(BTC)が再び下げ基調になっている。情報サイトのコインデスクによると、ドル建て価格は日本時間15日に一時7700ドル程度と2月上旬以来の安値を付けた。 国内の個人投資家を中心に売りが続き、前週半ばまでの中心レンジだった1万ドル台からの下げ幅は3000ドル程度に達した。2月6日に付けた今年の安値である6000ドル割れが視野に入り、オプション市場を中心に先安観が広がってきた。 今週の相場下落について、市場では「コインチェックの利用者による法定通貨への換金売りがコンスタントに出ている」との声が多い。1月に仮想通貨「NEM(ネム)」の巨額流出が発覚したコインチェックは12日、ビットコインやイーサリアム、リップルなど一部通貨の売却や引き出しを順次再開すると発表していた。 <円建てのビットコインも下げ基調になっている> イタリアや中国系の交換業者でハッキング被害や通貨の不正流出が相次いだこともあって、世界的にビットコイン取引の熱は冷めている。情報サイトのブロックチェーンインフォによれば、3月に入ってからの1日あたりのビットコイン取引承認数は15万件程度と、2016年3月以来、約2年ぶりの水準まで急減。足元でも20万件に届かず、ドル建て換算の売買高も低迷したままだ。 取引高の減少は、市場でどの程度自由に売買可能な状況かを示す「流動性」の低下に直結する。小規模な売りでも相場は大きく下げやすくなっていると考えられる。 大口投資家の間では規制強化を嫌気するムードも生じている。香港を拠点に仮想通貨関連のファンドを運用するクリプトムーバーのギャビン・ヤン最高経営責任者(CEO)は「米グーグルによる仮想通貨の広告規制や、19~20日の20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議で規制強化の方策が話し合われる見込みなのも買いの手控え要因になっている」と分析していた。 では、相場の下値メドはどのあたりになるだろうか。市場では「オプションの需給から判断すると5000ドル程度ではないか」との指摘が聞こえてくる。ビットコインオプションは今のところ、市場参加者の相場観をストレートに反映する唯一の指標だ。 オプションのプラットフォームを提供するレッジャーXでは14日と15日の両日、1ビットコイン=1万ドルを権利行使価格とし6月29日を期日とするプット(売る権利)の取引がまとまった規模で成立した。オプション料は平均すると3000ドル弱。オプションの買い手の「損益分岐点」は単純計算すると7000ドル程度になる。 一方、懸念されているG20に対しては「今回は投資家保護やマネーロンダリング(資金洗浄)対策の必要性を各国が共通認識として持とうとするだけで、具体的な規制内容には踏み込まない」(国際通貨研究所の志波和幸主任研究員)との予想が支配的だ。コインチェック絡みの売りもいずれ終わる。 15日、6月29日期日で5000ドルを権利行使価格とするプットのオプション料は平均で500ドル弱にとどまった。相場が数カ月単位で持続的に下がり、5000ドルを大きく割り込むとの見方までは増えていないことがわかる。ビットコインは当面、5000~7000ドルで推移するというのが、オプションディーラーを中心とする現在のメインシナリオのようだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 尾崎也弥】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

次期司令塔は「強いドル」論者 米国家経済会議委員長にクドロー氏 利上げも支持  

トランプ米大統領は15日、自身のツイッターで「ラリー・クドローが国家経済会議(NEC)の委員長に就任することになる。わが国は長年、経済・金融共に大きな成功を成し遂げてきた。低い税率、他に類を見ないイノベーション、自由貿易、そして労働力の拡大が導いている!」とつぶやいた。 6日に辞任を表明したゲーリー・コーン委員長(元ゴールドマン・サックスの社長兼COO)の後任に、正式にクドロー氏を指名した。 そのクドロー氏は正式発表に先立ち、14日に米CNBCテレビの「クロージング・ベル」に出演。「中国は至る所でルールを破っている」などと述べて対中強硬姿勢を強めるトランプ政権の考えに歩調を併せる姿勢を示していた。CNBCのコメンテーターを務めているとはいえ、正式発表前にテレビで政策などに関する意見を表明するのは極めて珍しい。 一方、この日にクドロー氏はコメンテーターらしく、今後の見通しについても数多くの発言を行っていた。 「偉大な国には強い通貨が必要だ。(トランプ大統領が)強く、安定したドルを好まないと思っているとは、信じることができない」などと述べ、強いドル政策が好ましいとの見解を表明。「私はドルが30%くらい上昇しなければならないと言うつもりはないが。我々は国際準備通貨の価値を安定させるつもりだ」と発言した。 さらに「それによって、本国の信頼がつくられている」とも付け加え、安易なドル安誘導をけん制するかのような発言を行っていた。 その上で、「ドルがさらに大幅安となった場合、米連邦準備理事会(FRB)はドル安を阻止するためにさらに利上げを行うべきか?」と質問されたことに対し、「悪くないと思う、現時点では正しい」と回答。現在、ドルインデックスが90近辺にあることを踏まえて、ドル高にするためにFRBの追加利上げが適切との見解を示した。 ★ドルインデックスの推移(QUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

日本株、日銀の買いを上回る海外勢の売り 企業の「110円想定」にため息も

海外投資家による日本株売りに止まる気配が見えない。東京証券取引所が発表した5~9日の投資主体別売買動向によると、現物株と先物の合計額は8397億円の大幅売り越しだった。売り越しは9週連続で、合計は7.8兆円に達した。 日銀は量的・質的金融緩和策で上場投資信託(ETF)の購入を継続している。ただ、購入ペースは「年間6兆円をメド」としており、海外投資家は2カ月半で既に日銀が年間で購入する規模を上回る日本株を売り越した計算になる。 ※QUICK端末のナレッジ特設サイト「投資部門別売買状況」より 日銀とタッグを組むかと期待された個人投資家だが、買い越し額は210億円と前の週(3852億円)から急減。7週連続の買い越しとなったが、1.8兆円にとどまる。 米市場では大手ネット株とハイテク関連株への買いが復活し、2月の相場急落後から切り返すとナスダック総合指数は過去最高値を更新している。日米株は次第に明暗が分かれつつあるが、海外勢による日本株外しの需給悪化が最たる要因なのだろう。 QUICKが15日まとめた3月の「QUICK短期経済観測調査(短観)」によると、2018年度の円の想定為替レートについて6割以上の上場企業が「1ドル=110円前後(107.50~112.40円)」と答えた。この結果を見たある外資系証券トレーダーは「あかんやつや・・・」とため息をついた。 足元では円高基調が強く1ドル=106円前後で推移している。この時期の想定レートにしては「珍しく楽観的ですね、ちょっと驚いた」(外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長)との声が漏れる点も見逃せない。 企業と市場の間に垣間見えた温度差。JPモルガン証券の阪上亮太氏は12日付のレポートで「為替が1ドル=106円前後での推移を続けていることを踏まえると、2018年度会社計画の為替想定は1ドル=105円ないし100円となる公算が大きい。その場合、18年度会社計画は減益になると見込まれる」と早々と指摘。 SMBC日興証券の圷正嗣氏は9日付のレポートで「17年度の経常利益を前期比14.0%増益、純利益を14.6%増益と予想する。18年度の経常利益を前期比9.0%増益、純利益を7.5%増益と予想する」としつつも「2月以降のドル円は昨年のレンジの下限を割ってきており、弊社の業績予想にダウンサイドリスクがある点は否めない」と警戒感を隠さなかった。 すでに野村証券の自動車担当アナリストは7日付でトヨタ(7203)の2019年3月期を円高要因を背景に営業減益と予想、目標株価も9000円から8500円に引き下げていた。 3月期決算企業の来期見通しが明らかになるのは4月中旬以降。それまでに想定為替レートを円高へと修正する可能性は十分ある。結果的に市場予想へとキャッチアップする形になるが、減益を視野に入れるとすれば経営者のマインドに少なからず影を落とす。経営そのものもが攻めよりも守りへと傾きかねない。来年秋には消費増税も予定され国内景気に対する不透明感もつきまとう。 政治も引き続き手控え材料に違いない。ただ、パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直氏は「森友問題に関して海外投資家は疑惑の表面化当初から『たかだか政府所有地の売却に絡む疑惑で政権が揺らぐというのは行き過ぎたポピュリズムだ。日本の国民は本心では国家の安全保障に敏感だから、この点に強みを持つ安倍政権は今回は崩壊しない』と語っている。昨年7月に支持率が30%台前半になって日本株をいったん売ったものの“買い戻し条件付き”(空売りが7割以上)だった」と指摘する。 むしろ警戒すべきは米国の外交政策のようだ。「ティラーソン氏の解任、そして後任にポンペオ氏を指名したことで北朝鮮情勢はまったく油断ならないというのが関係者の認識になっている」という。 そのうえで「ポンペオ氏が5月の米朝首脳会談を形骸化する可能性⇒最もリスクが高まるのは北朝鮮と本質的に融和に向かっている韓国ではなく米国の庇護も限定的な日本⇒ゆえに日本株は少し減らしておかなければといった見方が海外勢の脳裏をよぎっているようだ」としていた。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「ブラックスワン指数」のスキュー指数3%高、VIXとかい離する傾向

15日の米国市場で、スキュー指数が3.45%高と続伸した。この日の米国市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反発する一方、S&P500指数は4日続落して高安まちまちの展開だったが、恐怖指数のVIXは3.71%安と、4日ぶりに反落した。 スキュー指数は「ブラックスワン指数」とも呼ばれ、S&P500指数を対象とするオプション取引でコールに対するプットの需要の強さを表すもの。 数値が高ければ高いほど将来の価格変動に備える動きが活発化していることを示しているが、相場が落ち着きを取り戻しつつある状況下、2月12日(148.02)以来、約1カ月ぶりの高水準を回復する状況となっている。 スキュー指数が上昇すると相場にテールリスクが起こり得ることを示唆するわけだが、もともと遅行性がある。短期的にはVIXが反落したことの方が正しいとみられるが、金融市場で中長期的なテールリスクに備える動きが出ている可能性も否定できず、注意が必要な局面かも知れない。 ★VIX(赤)とSKEW指数(青)が短期的にかい離 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。 ※QUICKデリバティブズコメントでは2月19日から、QUICK端末上のナレッジ特設サイトで「US Dashboard」のサービスを始めました。米国の長・短期金利スプレッド、期待インフレ率、VIXなど投資家・市場参加者が日々チェックするデータをチャート形式で一覧できます。米経済・市場の変化を見極めるツールとしてご利用いただけます。

円、投機筋が買い転換か 政治リスク警戒、一時105円台に上昇

外国為替市場で円高・ドル安基調が続いている。15日の東京市場では一時1ドル=105円79銭近辺と約1週間ぶりに105円台へ上昇した。株式相場の底堅さなどを支えに円売り・ドル買いを仕掛けてきた投機筋が、ここへきて円売りを中断。日米の政治リスクへの警戒感の強まりを映す形で、逆にドル売りの持ち高を形成し直す動きが出ている。 15日、市場参加者の間では「きょうは海外勢の円買い・ドル売りの動きが目立つ」との声が多く聞かれた。トランプ米政権が中国に対して強硬姿勢を強めるとの警戒感が強まったことが要因だ。国内の学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡っても、新たな材料が出たわけではないものの「政治情勢の安定感で定評がある日本で、政権が傾く可能性が浮上したということを、海外勢が意識し始めた」(りそな銀行の井口慶一・市場トレーディング室クライアントマネージャー)との声が出る。 野村証券の高田将成クオンツ・ストラテジストは「14日のニューヨーク(NY)の取引時間帯で、投機筋が円売り・ドル買いから円買い・ドル売りに転じたようだ」と指摘する。米政治の不透明感に加えて最近の小売り統計で弱めの結果が続いていることも材料となった。NY市場での対ドルの円の安値が106円59銭と、東京市場で付けた106円75銭に届かなかったのをきっかけに「市場心理は弱気、円相場は上昇方向」との判断に傾いた。 とはいえ現時点ではまだ、米経済の悪化懸念が急速に強まったわけではない。日米の政治問題も決定打に欠ける。全面的にリスク回避という状況にはなっておらず、円が105円突破を視野に一段と上昇するには「悲観的な見方が強まるような追加材料が必要」(国内証券)となる。 19~20日の20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議では米国の保護主義的な政策が議論され、「米国批判が出る可能性がある」(みんかぶの山岡和雅チーフストラテジスト)。20~21日には米連邦公開市場委員会(FOMC)も開かれる。投機筋を再び円売り・ドル買いに方針転換させる材料が出るか。日米の政治・経済の両面に目配りしながらもうしばらく様子を見る必要がありそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 蔭山道子】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

すかいらーく(3197)、コスパ高いのは1000株保有 リスクは……【株主優待投資】

株主優待を目的に投資する際に、最もコストパフォーマンス(コスパ)が高いとされるのは、優待の対象となる最低投資単元(通常は100株)を取得することである。保有株数に関係なく優待内容は一律であることが多いからだ。保有株数に応じて優待額も引き上げる企業もあるが、最低投資単元よりは効率の悪い銘柄が大多数を占めている。 例えば①100株保有で5000円分・500株保有で8000円分・1000株保有で1万円分の優待券②100株保有で5000円分・500株保有で25000円分・1000株保有で50000円分というケースがあるとする。 1株当たりの優待額を勘案すると、①のケースでは100株保有が最も効率が良く、②のケースでは保有株数が増えても100株=5000円分という構図に変わりない。 そのような状況のなかで、異彩を放つのがすかいらーく(3197)だ。 同社は6月末、12月末の株主に対して自社グループの店舗で使える食事券を提供している。従来は100株以上保有の株主に一律で年間6000円相当の食事券を贈呈していたが、2016年に保有株数別の優待制度を導入。2017年には優待額を一気に3倍に引き上げ、話題となった。 すかいらーくの優待額の内訳を整理すると… 100株以上で6000円(6月末: 3000円 12月末: 3000円) 300株以上で20000円 (6月末: 9000円 12月末:11000円) 500株以上で33000円 (6月末:15000円 12月末:18000円) 1000株以上で69000円(6月末:33000円 12月末:36000円) このケースで1株当たり優待額をみると、1000株を保有するのが最も効率の良いことが分かる。 すかいらーくは、主力業態のガストを筆頭に、洋食、中華、和食、イタリアン、回転寿司などグループ合計で3000店舗もあり、使い勝手は良さそうだ。1回の食事単価を1000円とすれば、1000株保有(投資額は約150万円)で、年間69回も利用できることになる。 ただ、優待実施銘柄で注意すべきは優待内容の改悪だろう。 通常は業績の悪化した銘柄で多いのだが、すかいらーくに関しては別の見方もできる。 同社は2011年に投資会社ベインキャピタルの傘下に入り、経営改革を推進して2014年10月に東証1部へ再上場を果たした。その後、ベインは段階的に保有株を売却する手はずとなっていたことから、すかいらーくは大株主の株式売却の受け皿を個人投資家にするために株主優待を充実させたとみられる。 そのベインが昨秋に保有株をすべて売却し、目的を完遂したと会社側が判断すれば、優待額の減額に踏み切ることも考えられる。その点には注意したい。 【すかいらーくの株価推移】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

ビットコイン、1カ月ぶり安値 グーグル・米議会・G20 が規制強化の動き

仮想通貨のビットコイン(BTC)が下落している。円建てのビットコインは日本時間15日早朝に一時86万円を割り込んだ。情報サイトのコインデスクによると、ドル建ては一時8000ドルを下回り、およそ1カ月ぶりの安値を付けた。米グーグルが仮想通貨に関する広告を禁止することが引き続き嫌気されている。世界的な規制強化に対する警戒もある。 ※QUICK端末のナレッジ特設サイトから 米アルファベット傘下のグーグルは13日、6月からビットコインなど仮想通貨に関する広告を掲載しないようにすると発表した。仮想通貨の広告規制はフェイスブックに続く措置で、検索サイトのほか動画配信のユーチューブにも広告を載せない方針。仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)の広告も含まれるようだ。グーグルの発表前に米メディアの報道が先行し、ビットコイン売りを誘っていた。 米議会上院金融サービス委員会の資本市場・証券・投資に関する小委員会で、仮想通貨やICOに関する公聴会が開かれたことも規制強化の警戒につながった。公聴会には仮想通貨取引サイトを運営するコインベースの幹部などが参加。米上院では2月にも上院銀行住宅都市委員会で公聴会があり、米議会は高い関心を寄せている。 3月19~20日にアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、仮想通貨の規制強化が協議される見通し。日本の仮想通貨交換会社、コインチェックで巨額の不正流出事件が起きたことも規制強化の流れにつながるとみられている。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

テスラが4%安 財務担当副社長が辞任と伝わる

14日の米国市場で電気自動車(EV)大手のテスラが4.44%安で大幅続落となった。一部米メディアが同日、財務担当副社長のスーザン・レポ氏が突然辞任し、他社の最高財務責任者(CFO)に就任すると報じた。 テスラは先週8日夕に会計責任者のエリック・ブランデリズ氏が7日に辞任したと発表したばかりで、幹部の辞任が相次いでいることを受けて警戒する動きが出た。 リンクトインのスーザン・レポ氏のプロフィールを見ると、同氏は2013年3月にテスラに入社。現時点でテスラ在籍となっており、他社がどこなのかは不明だ。 【テスラの株価推移】 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

民泊ビジネス本格化 15日から登録開始 関連銘柄をおさらい

民泊のルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日に施行となる。民泊事業者の届出、管理業務を受託する管理業者の登録、民泊仲介サイトなどを運営する仲介業者の登録は新法の施行日に先立って、3月15日に受け付けが開始されるため、今後、民泊を巡る動きは活発化するとみられる。 観光庁が発表した訪日外国人消費動向調査によれば、2017年の訪日外国人旅行消費額は前年比17.8%増の4兆4161億円と過去最高を記録した。消費費目は、買い物が37.1%、宿泊料金が28.2%、飲食費は20.1%となっており、宿泊料金を抑えたいと考える外国人旅行者は全国解禁となる民泊を利用する機会が増えそう。政府は東京五輪が開催される2020年の訪日外国人旅行者消費額を8兆円とする目標を掲げており、民泊市場は相当大きくなると予想される。 そもそも、民泊とは普通の民家で宿泊サービスを提供すること。これまで日本では宿泊料を受け取って人を宿泊させるには旅館業法の許可が必要で、適切な衛生管理や保健所の検査など、様々な条件をクリアしなければならなかった。 しかし、2013年に旅館業法の適用を除外する特区民泊がスタートし、東京都大田区をはじめ、大阪市、北九州市などが特区民泊として認定され、外国人観光客などが利用するようになった。このように限定的だった民泊が全国的に解禁されるのが今年6月15日となる。年間営業日数が180日までという制限はあるが、条件を満たせば届出を行うだけ(許可不要)で民泊の営業を行えることになる。 また、民泊新法では特区民泊にある「2泊3日以上」といった最低宿泊日数制限はなく、現行法ではできない住居専用地域でも合法的に民泊の営業ができるようになる。合法的に民泊を行うハードルは相当低くなる一方で、現在相当数にのぼるとされる「ヤミ民泊」に対する取り締まりは強化されそうだ。 民泊には「家主居住型(ホームステイ型)」と「家主不在型(投資型)」があり、家主居住型は住宅内に居住しながら住宅の一部空き部屋や空きスペースを旅行者に貸し出すため、住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置(衛生確保措置、騒音防止のための説明、苦情への対応、宿泊者名簿の作成・備付け、標識の掲示等)が義務付けられる。一方で家主不在型は家主が生活の本拠としない民泊施設を貸し出すため、「住宅宿泊管理業者」に管理を委託しなければならないとされる。 国土交通省はトラブルを未然に防ぐため、各マンション管理組合で民泊の可否を明確にするよう求めているが、仮に管理組合が明確に禁止の意思を示していない場合、法律上定められた要件を満たす住宅では民泊が出来ることになる。民泊をやりたい人が勝手に届出をして営業を開始することもありうるため、解禁後は各地でトラブルが続出することも想定される。そこで、民泊関連のビジネスチャンスが生まれることになりそうだ。 民泊に関連する銘柄は、民泊対応物件を手掛けるデベロッパー、民泊物件を掲載する民泊予約サイト運営会社、民泊関連支援サービス会社に大別できるだろう。住民が民泊を行うことに関して、大多数のマンション管理組合は否定的な見方をするとみられるだけに、民泊対応型マンションに対するニーズは高まりそう。 また、民泊物件を掲載する民泊予約サイトに注目が集まりそうだが、この手のサイトは最大手に一極集中する傾向にあるため、優勝劣敗を見極めたい。民泊関連支援サービス銘柄は、代行業者などが市場拡大の恩恵を享受すると思われるだけに注目されよう。 <主な民泊関連銘柄> ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

ヴィンクス(3784)、4営業日で株価2倍に 期待高まる無人レジの将来性

東京市場で流通向けシステム大手のヴィンクス(3784)株が急伸している。14日は一時、制限値幅の上限(ストップ高水準)である前日比300円高の1489円まで買われた。8日の終値と比べると、株価は4営業日間で2倍になった。ドラッグストアが無人レジを積極導入との報道をきっかけに、ヴィンクスに対して将来的な需要拡大への投資家の期待を集めている。 日本経済新聞は9日付朝刊で「国内大手ドラッグストアが2025年までに全ての店舗で無人レジを導入する」と報じた。これを手掛かりに、2月にパナソニック(6752)と無人店舗向けレジの事業化で提携していたヴィンクス株への買いが集まった。 パナソニックも認めるヴィンクスの強みは、POS(販売時点情報管理)システムのドラッグストア向けの納入実績だ。会社側は「ドラッグストア大手のウエルシア(3141)など多くのチェーンに導入しており、薬局向けPOSシステムのシェアでは業界上位」(経営企画部の担当者)と話す。POSシステムで築いた販路が、無人レジにも応用できるとの期待が高まった。 他の無人レジ関連銘柄も、報道をきっかに株式市場で買われた。だが、9日以降の株価上昇率はアルファクス(3814)が46%高、オプトエレ(6664)が21%高で、ヴィンクスの上昇率は大きい。投資家の間では「ヴィンクスが無人レジの本命」(ちばぎんアセットマネジメントの加藤浩史運用部長)との評価があった。 売買代金は急増しており、14日は130億円を超え東証1部の20位に食い込んだ。「過熱感が出ている」(岡三証券の小川佳紀・日本株式戦略グループ長)との指摘もある。会社側は「無人レジ事業の売上高は現時点ではほとんどないが、2019年3月期以降の事業拡大を見込んでいる」と話す。投資家は将来性を買っている側面も強い。 【日経QUICKニュース(NQN) 高橋徹】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

森友スキャンダル、海外ヘッジファンドは日本株をどうする?

学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の書き換えを財務省が認めたのを受け、アベノミクスを推進してきた安倍晋三政権の基盤が揺らいでいる。日本の政治混乱を海外投資家はどう受け止めているのか。海外ヘッジファンドの動向に詳しいパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズのチーフストラテジスト、宮島秀直氏に聞いた。 米国では日本の政治混乱を受け、リターンリバーサルの両方で短期利益を上げようと売りを拡大している投機勢も見られるが、意外にも日本株の押し目買いに前向きな投資家も多く見られる。 13日の東京市場の寄り付きでも国内外の証券会社13社経由で外国人投資家の日本株買いがグロスで1278億円、ネットで569億円の買い越しとなっていた。このネット買い越し額は1月末の急落以降、単日では最高レベルだ。日本株に対するセンチメントの強さを感じる。 また、特にスマートβETFの注文が大半を占める米系2証券経由の買い越しが270億円を占めていたことから、同型のETFを愛用する年金、CTA、マクロ型ヘッジファンドが現在の地合いをむしろ日本株の買い場と考えていることを伺わせる。 他の、ヘッジファンド顧客からの注文が多い米系証券も100億円以上買い越していた。レバレッジ拡大に慎重になっているはずのロング/ショート型ヘッジファンドも日本株のバーゲンハントにはある程度前向きであることが示されている。 12日に面会したニューヨークのヘッジファンド幹部からは「安倍は麻生を絶対に辞めさせないと言っている。今の自民党政権で本当に猫の首に鈴を付けることのできる大物政治家はいるのか?トランプ、習近平と並ぶ盤石な政治基盤ならば、安倍は麻生を解任しない。北朝鮮リスクが高まっても、デタントの可能性が高まっても、安倍の支持率はまた上昇する。これまでの安倍政権の動揺の場面では、『混乱=バーゲンハント』の好機だった」などと強気の意見が出ていた。 世界的に政権に居座る国家元首、都合の悪い政敵を葬る元首さえいる状況だけに、ある種、政治の腐敗を是認せざるを得ないような諦観がファンドマネジャーの趨勢を占めているようにも感じた。 今回の米機関投資家訪問時に「前回の大蔵省スキャンダルでは結果的に橋本首相(当時)が辞任に追い込まれることに繋がった」と私の方から切り出してみた。 これに対して、米系のCTA幹部からは「過去の大蔵省スキャンダルに絡んで橋本首相が辞任に追い込まれ株価が急落した1998年は、大蔵省のスキャンダルの直後、橋本首相が体制を立て直す時間が無いまま総選挙になだれ込んだので自民党は大敗し、橋本は辞任に追い込まれた。だが、今回迫っているのは自民党の総裁選だ」、「当方の別の情報ソースに訊いても『安倍首相を追い込んでも石破氏では米国と強い協調関係で北朝鮮問題を交渉することは到底できない』と国民だって分かっていると言っていた」と強気のコメントが返ってきた。 もっとも、こうした発言の裏では、9月までに北朝鮮や尖閣諸島問題で危機感を高めるような事件が起きなかったり、財務省からさらに辞職者が出るような状況が続けば日本株のショートを拡大させる可能性が残されている事を感じる。 今回の森友スキャンダルの渦中の4月以降の相場を考えると、日本株は日経平均株価で21000円台ならば円高抵抗力のある割安銘柄(もしくは同銘柄を多く含むスマートβETF)の買い場となるだろう。スキャンダルが一服して安倍政権の支持率が30%を割るような悪化を見せず、安倍首相が石に噛り付いてでも政権維持に固執する姿勢を見せる限りは、昨年7月同様、バーゲンハントは奏功するだろう。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。 ※本情報は、現在または過去における有価証券の価値の情報を提供するものであり、将来における有価証券の価値(値上がり益、利子、配当等の経済的価値)に関する情報を提供するものではありません。

ティラーソン米国務長官解任、市場への影響は

元ゴールドマン・サックス社長兼COOだったゲーリー・コーン氏が国家経済会議(NEC)委員長の職を6日に辞してからわずか1週間で、ティラーソン米国務長官が更迭される事態に発展した。オッズサイトではデービッド・シュルキン退役軍人長官の辞任観測が高まっていたが、米朝首脳会談が5月までに行われる見通しの状況下、事前交渉役となるはずの国務長官を更迭するのは極めて異例だ。 トランプ氏とティラーソン氏の関係が悪化しているのは昨年から伝わっていた。昨年6月には政治任用が遅れて職員が不足していることでホワイトハウス幹部に不満をぶちまけていた。7月には「どこにも行かない」と公言して辞任観測を自ら否定した。 しかし、米朝関係が緊迫化する中で昨年10月にはトランプ氏が「時間の浪費」と、ティラーソン国務長官が訪中して習近平国家主席と会談し、北朝鮮情勢を巡って交渉した直後にツイッター攻撃を行っていた。 そして10月4日にNBCニュースが「ティラーソン国務長官が7月に辞任を検討し、ペンス副大統領らが思いとどまらせるための会合を持った」と報道。ティラーソン氏の辞任は不可避とみられていた。イラン核合意でも、トランプ氏はティラーソン氏の方針に不満を持っていたとされる。 今回、トランプ氏はティラーソン氏の更迭に続けてマイク・ポンペオ米中央情報局(CIA)長官を指名し、ポンペオ氏の後任にはハスペルCIA副長官を昇格させると発表。上院の承認を経て初の女性長官が誕生する見込みだ。ポンペオ氏はかつて「ロシアより中国の方が脅威だ」との見解を示すなど、保守強硬派ながら中国に対して厳しい姿勢を示していた。 元エクソン・モービルのCEOでロシア人脈を買われたティラーソン氏が更迭される一方、ポンペオ氏を次期国務長官に指名したところをみると、トランプ大統領としては中間選挙に向けて「外交政策で中国をターゲットにした」(ジム・クレーマー氏、13日のCNBC発言)ことを意味する。 BMOキャピタルは13日付のリポートで、ティラーソン氏の更迭について「はるか水平線の彼方に貿易戦争が控えていることを意味し、既にガタガタしているマーケットを慌てさせている」と指摘。先行きを警戒していた。 ティラーソン氏の更迭と歩調を合わせるように、政治情報サイトのポリティコは13日、「トランプ政権が対中貿易赤字を減らそうと100品目以上に課税を検討している。年間300億ドルの輸入をターゲットにしている」と報じた。 これまでトランプ政権は知的財産権などを問題視して対中貿易赤字削減を図るとみられていたが、電化製品から通信機器、家具やおもちゃまで対象にする方針とのこと。トランプ政権が自由貿易に反するかのような姿勢を強めれば、市場に売り材料を提供する恐れがあり、続報に注意したい。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

予想通りの米CPI インフレ期待は低下も高水準維持

2月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で+2.2%と1月(+2.1%)から伸び率が加速した。一方、食品とエネルギーを除いたコア指数は1.8%と前月の伸び率から横ばいだった。 前月比でみるとエネルギーの伸びが鈍化したことが影響し、+0.2%と前月(+0.5%)から減速した。コア指数も+0.2%と、前月(+0.3%)から上昇が一服。数値は前年比、前月比ともに概ね予想通りの結果だ。 米債利回りは小幅に低下した。米BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率、債券市場が織り込む期待インフレ率)も低下したが、高水準を維持している。 QUICK FactSet Workstationより作成 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【アルゴウオッチ】麻生財務相が辞任否定 変動率低下でHFT拡大

外国為替市場で円相場やユーロの対ドル相場といった主要な取引ペア(組み合わせ)の変動率が低くなってきた。トランプ米大統領がアルミニウムや鉄鋼の輸入制限で例外をもうけるなど寛容な姿勢を見せ始めたのに加え、国有地売却の決裁文書を巡って激震が走る国内でも麻生太郎財務相が自らの辞任を否定したことで金融・資本市場の緊張がひとまず和らいだためだ。低い変動率を好むHFT(コンピューター経由の高頻度取引)が拡大し、レンジ形成を促す流れになっている。 将来の為替レートを予測する通貨オプション市場で、円相場とユーロの対ドル相場の予想変動率は13日9時時点で1カ月物がそれぞれ7%台後半、6%台後半と、前月2月の米株価急落時などに付けたピークの10%台半ばと9%台後半よりも3%程度低い。 ■円相場と対ドル円相場の予想変動率 2月の米株安のきっかけの1つだった米金利上昇への警戒感も足元では緩んだ。米株式投資家の不安心理を測る指標とされるVIX(変動性指数)は前日12日の終値が15.78と、2月に40を一時超えていたのに比べればだいぶ落ち着いている。 HFTはマイクロ秒(100万分の1秒)以下の単位で小刻みに売り買いを繰り返す。値動きは狭ければ狭いほど都合がよく、水準はあまり関係がない。いったん取引規模が膨らめばそこで売買が交錯し、相場は膠着感を強めていく。もし円高・ドル安方向でHFTが席巻すれば、円は高値圏に定着することになる。 VIX安定が映す投資家のリスク選好回復は本来、日本から欧米などへの資金シフトを促すはずだが、国内では学校法人「森友学園」を巡って政治状況が緊迫。「国会空転の長期化や内閣支持率の低下で安倍晋三政権とアベノミクスが動揺すれば株安・円高に発展する」(SMBC日興証券の野地慎・チーフ為替・外債ストラテジスト)との懸念が消えていない。 国内の機関投資家は年度末でもあり、新規の外債運用には及び腰のようだ。半面、世論調査の結果が厳しくなるまでにはタイムラグが生じると考えられる。 JPモルガン・チェース銀行の佐々木融・市場調査本部長は「海外ではまだ森友問題を深刻にはとらえていない」と話す。麻生財務相が前日、自らの進退について「考えていない」と答えた影響もあるのだろう。逆に麻生氏の辞任が現実味を帯びてきた場合には、HFTがレンジ前提のディーリングから撤退し、相場が大きく振れる展開が予想される。 【日経QUICKニュース(NQN ) 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

顧客の7割が20~30代…スマホ証券の先駆け「One Tap BUY」林社長に聞く

スマートフォンでの証券取引にフィンテックベンチャーが相次いで参入している。Finatext(フィナテキスト)は大和証券グループと共同でスマホ証券会社を設立すると発表。FOLIO(フォリオ)はスマホ向け対話アプリのLINEと資本業務提携し、LINEアプリ上での投資サービスの提供を計画している。 注目のスマホ証券分野で先陣を切ったベンチャーが、「1000円からの少額投資」を売りにするOne Tap BUY(ワンタップバイ)だ。正式サービスの稼働実績を積み上げており、2017年第2四半期(7~9月)の新規口座開設数は約3万2000口座と、ネット証券大手に匹敵する開設ペースを実現している。同社の林和人社長に現状と今後について語ってもらった。 はやし・かずと 1964年大阪生まれ。岡三証券、香港現地証券を経て、香港でインターネット証券会社を起業。2002年には日本初の外国株専業ネット証券を創業した(12年に欧米系証券と経営統合し退職)。2013年にスマホ特化型証券会社のOne Tap BUYを創業。 ■顧客の7割が20~30代、投資未経験者も7~8割 ――2016年6月に「スマホ証券会社」として業務を始めて1年半以上経過しましたが、状況はどうですか。 「口座数は10万の大台を超え、順調に増え続けている。お客様の7割が20~30才代、また投資未経験者も7~8割と、既存の証券会社がアプローチできていなかった新しい市場を開拓できている」 「顧客層は長期投資家というよりは、FXや仮想通貨の投資家層と重なっている。かといってお客様の投資スタイルは短期投資ではなく、無くなっても困らないお金を株で置きっぱなしにしているという感じだ。もちろんデイトレーダーがいないわけではなく、1000円単位で1日300回トレードしている20才代女性のお客さんもいる」 ――既存の証券会社が苦戦している若年層を開拓できた秘訣は何でしょうか。 「少額投資と分かりやすさの二つがポイントだ。若年層は投資をしようにも、タネ銭、つまり元手が無い。東証1部上場株の単元株価(最低投資金額)の平均はだいたい30万円くらいで、十分な貯蓄の無い若年層では手を出しづらい」 「分かりやすさで言えば、東証1部だけで2000銘柄ある中で何を買えばいいのか分からない、という状況を変えた。社内で数か月かけて財務面等のスクリーニングを実施し、選んだ日米株60銘柄(ETFを含めれば66銘柄)を購入対象としている」 ――アプリもシンプルで、株価チャート機能がありません。 「昔はチャートは本や手書きで見るもので、QUICK端末でも価格しか表示されていなかった。パソコンでチャートを当たり前に見ることができるようになったのは1990年代半ば以降かな。チャートが無くても良い銘柄を買うというのは、別におかしな行為ではない」 ■仮想通貨は「育てるべき市場」 ――お話を聞いていると仮想通貨の取り扱いニーズもありそうですが。 「あると思うし、個人的にはやろうと思っている。一方で、我々は法定通貨と金融証券取引法に裏付けされた商品を扱う証券業者であるため、その信用を損なうような行動はできない」 「実は2014年頃から個人でマイニングをやっていたので土地勘はある。仮想通貨は育てなければならない市場だと考えている」 ――スマホ証券のライバルも増えつつあるのではないでしょうか。 「確かに最近、色々と話が出てきているが、正式サービスが世に出ていないところが多いのでコメントしようがない。あえて言えば、実績と技術力に自信がある。我々は、まずしっかりサービスを作り、第一種金融商品取引業を取り、業界団体に加入し…と、2年かけて準備した。サービス開発は上流からコーディングまで全て内製で、関連特許も8つ取得している」 ――今後についてはどうお考えですか。 「銀行とは色々な協力ができると思っている。長く証券業界にいて感じるのは、物を買うお金と株を買うお金は、結びつかない別物ということだ。株を買うお金は、預金のような余って動かないお金。その考えから、預金口座残高があれば送金せずに株が買える『おいたまま買付』サービスを始めた。今ではこのサービスが全入金の約3割を占めている」 「今後も株式投資を分かりやすく、当たり前のものにするという方向性で、業界の先駆けとなるつもりだ。来年度も、詳細は言えないが、もっと分かりやすく、証券投資のすそ野を広げるような新サービスのリリースを計画している」 【聞き手はQUICKイノベーション本部 吉田晃宗】

3月期末迫る お得感の強い株主優待は? 金額換算利回りで確認

1年で最も株主優待に関心が集まる時期がやってきた。3月27日には3月末に期末・中間期末を迎える企業の優待の権利付き最終売買日を迎える。日本企業は3月期決算企業が多く、当然のことながら優待の対象となる銘柄も多い。お得感の強い優待を探そうと、個人投資家の物色が活発になりそうだ。 QUICK端末のナレッジ特設サイト「株主優待ウオッチ」では、優待品を金額換算した優待利回りをランキングで確認できる。3月が権利確定月の銘柄のうち、優待利回りが高いのは以下の通りだ。 ※優待品の金額換算基準は以下の通り。上限額が設定されていない割引券、カレンダーやオリジナルグッズなどの非売品などは対象外。 ・QUOカード、商品券、図書券などの金券は額面金額 ・上限額が設定されている割引券は上限額 ・優待品の定価 ・「〇〇円相当」と明示された金額 ・企業への問い合わせで確認した金額 ・優待品が米の場合、重さに応じた「お米券」の金額 ・優待品が複数の場合、金額換算が可能なものの合計額 ・優待品が選択できる場合、もっとも低い金額 1位のエスクリ(2196)は披露宴成約の場合に30万円分の「ウエディングアイテムチケット」と、少し汎用性には乏しい内容。ロイヤルホテル(9713)は宿泊や飲食の割引優待券、ゼビオホールディングス(8281)は買い物割引券がもらえるが、やはり利用する場面は限られるかもしれない。 優待利回りは配当利回りと並んで株主へのリターンの観点から重視される指標だが、優待によっては単純に利回りで算出できないながら、個人投資家にとってメリットの大きいものもある。何度でも利用できる株主カードなどがそうだ。 野村インベスター・リレーションズが実施した「株主優待人気ランキング」で総合トップに立ったイオン(8267)は、半期100万円までの買い物なら何度でも代金の一部がキャッシュバックされる株主カードがもらえる。100株以上保有なら3%がキャッシュバック。3000株以上保有なら7%も返金される。食品や生活用品を幅広く扱っている総合小売り大手だけに、使い勝手の良さを評価する声が多い。 オリックス(8591)は、100株以上保有すればグループが手掛けるサービスを割引価格で利用できる株主カードを贈っている。様々な事業を扱っている同社らしく、カードの用途はプロ野球観戦からレンタカー、水族館、ゴルフ場と幅広い。ほかに年1回、カタログギフトも贈呈している。 全株主を対象に専用のお得なウェブサイトを用意しているのはダイドーグループホールディングス(2590)だ。同サイトではサプリメントも含めたグループ企業の商品を最大3割引きで提供している。100株以上保有する株主に対し年2回、贈っている3000円相当の自社グループ商品も人気だ。 上記に挙げたような利用頻度を限定せずに使えば使うほど得するタイプの優待は、個人投資家からの人気が高い。企業にとっても自社の商品・サービスをより多く使ってもらえるため、双方に利点があると言えそうだ。 【QUICKナレッジコンテンツグループ・内山佑輔】

リグ稼働数が3年ぶり高水準から減少に転じる、供給懸念和らぐか 【 US Dashboard】

ベーカー・ヒューズが9日に発表した米国内のリグ稼働数が前週比4減の796となり、1月19日以来2カ月ぶりに減少に転じた。前の週の3月2日時点でリグ稼働数は800に達し、2015年4月以来、約3年ぶりの高水準を回復していたが、ひとまず稼働増に歯止めが掛かった格好となっている。  リグ稼働数はWTI原油先物の遅行指標として知られる。WTIが清算値ベースで年初来高値を記録したのは1月26日(66.14ドル)だった。そこから約1カ月半遅れてリグ稼働数がピークアウトしたところをみると、リグ稼働数の増加による供給過剰懸念はひとまず和らぎそう。 【WTI原油先物とリグ稼働数の推移】 QUICK FactSet Workstationより作成 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

SOX指数が7日続伸 マイクロンやエヌビディアなどけん引

12日の米国市場でフィラデルフィア半導体指数が7日続伸し、1.02%高の1445.901で終えた。ナスダック指数が連日で史上最高値を更新する中、半導体関連銘柄がハイテク株の牽引役となった。SOX指数が7日続伸するのは、今年1月11~23日に8日続伸して以来、2カ月ぶりのこと。 構成銘柄ではマイクロン・テクノロジーが8.75%高の59.37ドルで急伸し、一時は61.17ドルまで上昇して2000年以来の高値水準を回復して大幅高となった。 野村インスティネットが12日付のリポートで、投資判断の買いを継続しながら目標株価を55ドル→100ドルと2倍近くに引き上げたのが好感された。DRAM価格が2018年4~6月期(2Q)に上昇トレンドに向かうとの見方を示していた。 画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディアも1.80%高の249.76ドルと堅調で、一時は253ドルまで上昇して上場来高値を更新した。 ジェフリーズが12日付のリポートで、スティーヴン・スピルバーグ監督の最新映画「レディ・プレイヤー1」によってアドバンスド・マイクロ・デバイシズやエヌビディアの構成のGPU需要が高まるとの見解を示していた。 レディ・プレーヤー1は仮想現実(VR)を取り入れた映画で、VRヘッドセットの需要増が見込まれるとのこと。米国で3月30日、日本では4月20日に公開となるが、AKIRAに登場した金田のバイクやスト2の春麗など、マニア心をくすぐる懐かしいキャラがそこかしこで登場することが話題となっていた。 【SOX、マイクロン・テクノロジー、エヌビディアの株価(終値)推移】   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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