不明さ増した「2つのS」 テスラ、但し書き付の信用力回復 

8日の米国市場でテスラは反落し、2.43%安の370.34ドルで終えた。7日にイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が「非公開化を検討、資金は確保した」と明らかにしたことで前日は10.98%高で急伸したが、朝高後は反動安となった。 株式の非上場化を検討し始めたことで、テスラに対する信用力は足元では回復している。QUICK FactSet Workstationによると1年物のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が7日に327となった。前の日は405だった。7月中旬には一時、600を超えていた。 ※QUICK FactSet Workstationより 背景には転換社債(CB)の償還を無難に通過できるとの期待がある。テスラが発行しているCBのうち、2019年3月に償還をむかえるCBの株式への転換価格は359.87ドル。発行額は9億2000万ドル(約1000億円)。マスクCEOが非上場化の際に買い取る株式の価格を1株あたり420ドルと言及し株価が急伸し、それまで下回っていた転換価格も突破した。 このまま株価が高水準で推移すれば来年3月の償還時に株式への転換が進みやすく現金の流出を食い止める公算が大きい。目先の1年で見れば資金ショートのリスクが薄まったと言え、CDSが大きく反応したわけだ。 ただ、5年物のCDSは低下しているものの直近の高い水準から約100ポイント切り下がった程度。1年物の低下幅(約200ポイント)に比べると小さいだけに、信用市場は長期的な信用力についてはまだ懐疑的と言える。 また、この日は「S」に絡んだニュースが2つ流れ、史上最大級のレバレッジド・バイアウト(LBO)の先行きがさらに見えにくくなった。 8日午後、ブルームバーグは「マスク氏がソフトバンクGの孫正義氏とテスラへの投資を巡って2017年に協議し、非公開化を含む選択肢を話し合った」と報じた。経営権を巡ってテスラの主導権を維持したいマスク氏との間で意見の不一致があったほか、現時点で進行している協議はないという。7日のツイートとの関係性を期待する動きは限られた。そもそもソフトバンクGは5月31日、米自動車大手ゼネラル・モーターズの自動運転を手掛けるグループ会社にソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を通じて22億5000万ドルを出資し、GMと自動運転分野で提携していた経緯がある。 大引け前にはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙電子版が「米証券取引委員会(SEC)がテスラに対し、マスクCEOのサプライズな非公開化の発表が本当かどうか調査している」と報じ、株価操作の疑いが警戒されて引けに掛けて下げ幅を広げる展開となった。WSJによれば、SECはマスク氏がなぜ通常のSECへの届け出書ではなく、ツイッターで発表したのかなどと尋ねているという。 テスラはLBOに必要な資金を本当に確保できたのかーー。マスク氏のツイートの信ぴょう性に疑問が残る中、当局の対応に関心が集まっている。(片平正ニ、岩切清司)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「柔軟化」騒ぎ、ほぼ3週間で「修正」 国債のボラティリティー低下

日本国債の変動率(ボラティリティー)が落ち着きを取り戻している。「S&P/JPX 日本国債 VIX 指数」は8日、1.63となり、前日比0.04(2.39%)低下した。 7月20日の「長期金利目標の柔軟化を検討」との報道をきっかけに2.85まで急騰していたが、31日の日銀金融政策決定会合で「政策の修正」を発表。ひとまず、23日までの上昇分を打ち消した格好だ。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

VIXひとけた再突入目前 7ヵ月ぶり水準、米株なお先高観

7日の米国市場で恐怖指数のVIXが3.01%安の10.93で4日続落し、終値ベースで1月12日以来、7カ月ぶりの低水準まで下げた。 S&P500が4日続伸し、2863.43まで上昇して1月26日に付けたザラ場ベースの高値に迫る中、VIXも1月以来の低水準に下げて相場の落ち着きを示す展開だった。VIXが低下することは、今後30日間でS&P500が下げるよりも上昇する方に見込むオプション取引が多いことを示唆している。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

お騒がせ男の「退場」宣言 テスラ急騰、市場が訝る真偽と真意

経営破綻をネタにした自虐ツイート、アナリスト罵倒、一転謝罪と、何かと市場を騒がせてきた男が今度は突然の「退場宣言」。いったいどこまで本気なのか、その真意はどこにあるのかーー。 7日の米国市場でテスラが3営業日ぶりに急反発。前日比10.98%高の379.57ドルで終え、一時は387.46ドルまで上昇して上場来高値(2017年9月18日、389.61ドル)に迫る展開となった。 イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がこの日にツイッターで、「420ドルでテスラの非公開化を検討している。資金調達は確保した」とつぶやいたことで買いが殺到。テスラ株は米東部時間14時8分ごろから1時間ほど売買停止となり、取引再開後に一段と上げ幅を広げた。 テスラに関しては、この日に英フィナンシャル・タイムズ紙電子版が「サウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンドが今年に入り、テスラ株を3~5%(20億ドル規模)取得した」と報じていたことから、政府系ファンド(SWF)やプライベート・エクイティ(P.E.)などが出資してレバレッジド・バイアウト(LBO)を支援するのでは無いかとの思惑も出やすい状況だった。 著名金融ブログのゼロヘッジは7日、マスク氏がツイッターの後に従業員に宛てた電子メールの内容を伝えていた。それによれば、マスク氏は非公開化されても従業員が持つ株式を売却したり、ストックオプションを行使することは可能と安心感を与えつつ、マスク氏がCEOを務める宇宙ベンチャー企業のスペースXが非公開企業であることを踏まえ、長期的な成長のためには非公開化した方が良い旨を説明していた。 ただ、米経済専門チャンネルのCNBCによれば1株=420ドルならテスラの時価総額は710億ドル(約7兆9000億円)となる。仮に本当にLBOを行うなら、資金は莫大なものとなる。テスラはその後、ブログでマスク氏のツイートを正式に認める一方、「最終決定されたものではない」との見解を示していた。 ある欧州系証券のアナリストは同日付のレポートで懐疑的な見方を示した。1点目は株式を買い取るための資金調達。「テスラの無担保社債は足元で利回りが6.7%前後で推移している。仮にハイイールド債市場で400億ドル(約4.4兆円)が調達できたとしても、年間の支払利息は27億ドルにも達する」と試算し「市場は今回の案を受け入れないのではないか」とした。ただでさえ電気自動車の生産で現金を「消化」しているテスラにとっては重荷となることは必至だ。英フィナンシャル・タイムスは同日、サウジアラビアのソブリン・ウェルス・ファンドが20億ドル相当の株式を取得したと伝えているが「株式を買い取る資金としてはまったく足りない」という。 2点目として前出のアナリストは「マスクCEOは投資家を引き続き株主として存続させる旨を伝えているが、現行の制度で可能かどうか不透明だ」とも指摘した。 テスラは3月21日に開いた株主総会で、マスク氏の報酬体系を見直したばかり。今後10年は完全な成果連動型とし、時価総額が1000億ドルを超えるまで法定の最低報酬を除きマスク氏は無報酬になるとしていたが、非公開化した場合、時価総額の正確な評価ができるのか疑問が残りそうだ。 そもそもテスラ株は空売りが多い銘柄で、7月末時点で発行済み株式数の27.40%の空売り残高がある。マスク氏が空売り投資家の踏み上げを図ろうとしてツイートしたのではないかとの見方も根強い。実施すれば史上最大規模のLBOとなるが、成否はいかに。(片平正ニ、岩切清司) ★マスク氏のツイッター https://twitter.com/elonmusk/status/1026872652290379776   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

トルコ「トリプル危機」 リラ最安値、長期金利18%台、株はリーマン時水準

トルコが通貨安、債券安、株安の「トリプル安」に見舞われている。通貨リラの下げは6日のニューヨーク外為市場で一時1ドル=5.4リラ台(グラフ青)でまでドル高・リラ安が進み、最安値を更新した。対円(グラフ緑)でも1リラ=20円台半ばまで円高・リラ安が進んだ。     トルコの7月のインフレ率は前年同月比約16%に達し、経常赤字も大きい。トルコ在住の米国人牧師の解放問題を巡り、米国との関係が悪化したことでリラ売りが加速した。10年物国債利回り(グラフ赤)は18%台へ上昇(逆目盛、下方向が金利高)している。   さらにトルコ株の上場投資信託、「iシェアーズ MSCIトルコ ETF」も急落した。6日は前週末に比べ7.45%安い24.96ドルとなり、世界的な金融危機に見舞われた2008~09年ごろの安値水準すら視野に入れた格好。下落率は16年6月以来およそ2年2カ月ぶりの大きさだ。通貨安による自国内のインフレ加速が景気に下押し圧力として働くとの警戒感が株安につながっている。(池谷信久、岩切清司)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

インフレ期待度さらに低下、長期金利も上昇余地は限定的

市場のインフレ期待の度合いを示す「ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)」(グラフ青)は6日、48bp(0.48%)と2017年12月以来の水準まで低下した。これは入札を控えた物価連動債の需給要因という側面もありそうだが、日銀が7月31日公表の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で物価見通しを下方修正するなど、インフレ期待が高まる環境にないことも背景にある。 BEIと長期金利(グラフ赤)はおおむね連動する傾向にある。7月の日銀の金融政策決定会合以降は長期金利が上昇したままだが、長期金利が一段と上昇する余地は限られそうだ。(池谷信久)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

投機筋は米金利上昇を想定か、10年債の売越幅が最大 【US Dashboard】

米商品先物取引委員会(CFTC)が3日に発表した7月31日時点の建玉報告によると、シカゴ商品取引所(CBT)の米10年物国債の先物市場で投機筋(非商業部門)の売越幅が前週比8万630枚多い59万128枚となった。 データが開示されている1993年以降で最大を更新した。 米景気は順調な拡大を維持している。加えて大規模な金融緩和の「しんがり」と思われていた日銀ですら、政策の微調整を始めた。 世界的な金利高を見据えるポジションは拡大しているようだ。(岩切清司)      ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。    

巨人の進撃、超大台への足取り

2日の米国市場でアップルの時価総額がついに1兆ドル(約111兆円)の超大台を突破した。 著名金融ブログのゼロ・ヘッジは「ティム・クックが米株を救った」とこの日のアップルの強さを賞賛していた。アップル株は一時は208.38ドルまで上昇して連日で分割後の上場来高値を更新した。 アップルの時価総額が初めて1000億ドルの大台を超えたのは2007年5月30日。この年の6月に初代iPhoneが出荷(日本で初めて発売されたのは08年のiPhone3G)され、その後のアップルの業績のけん引役となった。iPhone発売から11年を経て、時価総額は10倍に膨らんだことになる。 ★アップルの時価総額、台替わりのマイルストーン 2007/5/30  1000(億ドル) 2010/3/10  2000 2011/1/3  3000 2012/1/25  4000 2012/2/29  5000 2012/8/17  6000 2015/2/10  7000 2017/5/9    8000 2017/11/8    9000 2018/8/2    10000 出所.MarketWatch また、レモンのロゴでおなじみ、空売り投資家として知られるシトロン・リサーチは2日にツイッターで、アップルに関して「本当の話だ:アップルの時価総額『1兆ドル』達成の陰には、余りにも早くこの世を去った男がいた。この偉業を目の当たりにして我々が学ぶべき真の教訓とは、今ひととき人生に感謝することだろう。スティーブ・ジョブズ氏が存命だったら、我々同様に、持ち分を残らずトレードしていただろう」とつぶやいた。 最後の部分の真意は不明だが、シトロンは「高値のいま、空売りかけるぞ」とでも言いたいのだろうか。リツイートでは「ペアトレードの売り」「ジョブズでもすべて売っていただろう」などと話題になっていた。 アップルに次いで時価総額で1兆ドル台に近いのはアマゾン・ドット・コム。QUICK FactSet Workstationによればアマゾンの時価総額は2日終値時点で8946億ドルとなっており、アップル(1兆16億ドル)との差は1070億ドルとなっている。(片平正二、前原智子、今田素直)     ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

英利上げでポンド乱高下 会合後に買い、会見で売り EU離脱の行方懸念

英イングランド銀行(中央銀行)は2日、政策金利を0.25%引き上げて年0.75%にすると発表した。発表直後、英ポンドは買われ、1ポンド=1.31ドル台に上昇した。しかし、カーニー総裁が記者会見で、19年3月に予定される英国の欧州連合(EU)からの離脱に伴う不透明感に言及し、今後の追加利上げが緩やかになると慎重な姿勢を示すとポンド売りが優勢になり、1.30ドル台前半と約2週間ぶりの水準まで下落した。(池谷信久)     ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

頭下げて男を上げたかマスク氏、テスラ株が大幅な上げ

1日の米国市場の時間外取引で電気自動車(EV)大手のテスラが一段高。この日は0.90%高の300.84ドルで通常取引を終え、時間外では335ドル台に上昇して通常取引終値比で11%超の大幅高となった。 大引け後に行われた2018年4~6月期決算のカンファレンス・コールで、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が前回1~3月期決算のカンファレンス・コールの際にアナリストの質問にまともに答えようとしなかったことについて謝罪した。マスク氏は「前回の態度が悪かった事をお詫びする」と述べ、寝不足や過労がたたっていたことが理由と明らかにした。米経済専門チャンネルのCNBCによれば、バーンスタインのアナリストは「評価する、ありがとう」とマスク氏の姿勢を評価。前回のカンファレンス・コールでバーンスタインのアナリストは増資の必要性について質問した際、「クールじゃない」と言われて回答を拒否されていた。 カンファレンス・コールでマスク氏は、「モデル3の生産コストが減れば平均販売価格が普通並みになったとしても、悪影響がオフセットされるだろう。2019年下半期には粗利益率が改善し、自動車生産で安定して収益が得られるようになる」と赤字から脱却できるとの見通しを示した。 またCNBCによれば、マスク氏は中国工場の設備投資資金を集めるために「公募増資するつもりはない」とし、市場でくすぶる増資懸念を否定。中国の工場での資金は現地での銀行借り入れで調達する方針を示した。(片平正ニ)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。 

アップル、あと5.55ドル 好決算と新機種で1兆ドルへGOGOGO

1日の米国市場でアップルが大幅続伸し、5.89%高の201.50ドルで終えた。初めて200ドルの大台に乗せ、一時は201.76ドルまで上昇して7月26日に付けた分割後の上場来高値を更新した。 7月31日の大引け後に2018年4~6月期決算を発表し、iPhone販売台数は市場予想を下回ったものの、併せて公表した2018年7~9月期の売上高見通しが600億~620億ドルで、市場予想(595億ドル)を上回ったことで9月に発売するとみられるiPhoneの新機種に対する期待感が台頭。前日の時間外でも大幅高だったが、1日の通常取引でも堅調だった。 アップルは秋にiPhoneの新機種として、①6.5インチの有機エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレー(OLED)を搭載したiPhoneX Plus、②現行のiPhoneXと同じ5.8インチのOLEDモデル、③6.1インチの液晶パネル(LCD)モデル――の3つを発売すると見込まれている。 好決算を受けて1日にはアナリストから目標株価引き上げが相次いだ。QUICK FactSet Workstationによれば28社のうち24社が目標株価を引き上げ、1社が据え置き、1社は引き下げた(2社はレーティングなし)。最も高い目標株価はグッゲンハイム・セキュリティーズやBTIGなどの235ドル。米経済専門チャンネルのCNBCが1日に報じたところによれば、アップルはこの日に発行済み株式数が変わり、48億2992万6000株になったと発表したという。自社株買いに伴い減少したもので、時価総額が1兆ドルに達するには株価が207.05ドルに上昇する必要がある。あと5.55ドル(2.75%)上昇すれば大台乗せとなる計算だ。(片平正ニ) <アップルの時価総額の推移> QUICK FactSet Workstationより作成   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

FANG時価総額、3日間で2200億ドル消滅 ネトフリも5%安

30日の米国市場で動画配信大手のネットフリックスが大幅続落し、5.70%安の334.96ドルで終えた。一時は334.02ドルまで下げ、5月23日以来、2カ月ぶりの安値水準まで下げた。 先週フェイスブックが弱い決算を発表して成長鈍化懸念が強まり、26日の通常取引で20%超急落して以降、アマゾン・ドットコムやグーグルの親会社であるアルファベットなど、主力のFANG銘柄が弱い展開となっている。30日はネットフリックスにその流れが波及した。著名金融ブログのゼロ・ヘッジによれば、26~30日の3営業日でFANG銘柄の時価総額は2200億ドル失われたという。このうち1194億ドルは、フェイスブックが26日に18.96%安で急落した日に失われたものだ。 またこの日、ツイッターは下落率が8%を超えた。これらの銘柄で構成するファングプラス指数も連日で大きな陰線を引いて引けた。終値ベースで2カ月ぶり安値となった。(片平正ニ)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。  

市場安定のコスト1兆7343億円なり 日銀の指値オペ、新発債の市中残高は枯渇か

低金利政策の「アンカー」は果たしてどう動くのか。きょうまで開かれる日銀の政策決定会合が、これだけ世界の金融市場から注目されるのは久しぶりのことだ。 19日に実施された超長期債を対象とした国債買い入れ減額は、日銀による超長期金利低下へのけん制と受け止められた。しかし、市場金利の低下は止まらずアウト・オブ・コントロールの状況となった。だが、20日夕刻から夜間の「政策柔軟化」報道で債先は急落、マーケットは不安定化した。23日の指し値オペ(0.110%)でいったんは沈静化に向かったかに思えたが(応札・落札なくコストゼロ)、26日以降、市場は再び不安定化し27日の指し値オペ(0.10%)では940億円、30日の指し値オペ(同)でも1兆6,403億円が落札された。ここまでかかったコストは額面で1兆7,343億円、10年351回債の市中残高は(計算上では)枯渇してしまった可能性が高い。(丹下智博 ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

米GDP、4年ぶりの高成長も「ピークに近い」

27日に発表された2018年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、前期比年率換算で4.1%増だった。1~3月期の2.2%から大幅に加速し、約4年ぶりの高い成長率となった。市場では「個人消費は1~3月期が0.5%増まで下方修正されたが、4~6月期は4.0%増と相当な伸びが見られた。ただ、年率換算すると現在は2.3%と、過去3年間の平均である2.6%は下回る水準となる。設備投資は7.3%増と堅調。輸出はGDPの伸びに対し1.1ポイント寄与し、2013年10~12月期以来の高水準となった。4~6月期が今回の景気サイクルのピークに近いと考えている。目先は引き続き好景気が続くと思われるが、来年以降は成長が鈍化すると予想している」(BNPパリパ)との指摘が出ている。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

フェイスブック、下げもケタ違い 時価総額1194億㌦消え30社が目標株価下げ

トヨタ自動車の時価総額の半分強、あるいはソフトバンクGと東京エレクトロンの合計、またはソニーとホンダの合計、さらにはファーストリテイリングとセブン&アイHDとイオンとニトリHDの合計とほぼ同じ、といえばスケールの違いが分かるだろう。 26日の米国市場でフェイスブックが歴史に残る下げを演じた。終値は18.96%安の176.26ドル。米経済専門チャンネルのCNBCによれば、この日だけでフェイスブックの時価総額は1194億ドル(約13兆2500億円)吹き飛んだという。セールスフォース・ドットコムやテキサス・インストゥルメンツの時価総額に匹敵する規模で、米国上場銘柄で一日の時価総額の減少幅としては、2000年9月2日にインテルで907億ドルの時価総額が消滅したケースを上回って最大となった。これを日本の企業に当てはめたのが冒頭の事例だ。 失望を招いた決算を受け、証券会社や調査会社のアナリストは一斉にフェイスブックの目標株価の引き下げに動いた。QUICK FactSet Workstationによると、26~27日に目標株価のあるレポートを発行した33社のうち30社がターゲットを引き下げた。33社の平均目標株価は約205ドルで、1カ月前の221ドルから大きく切り下がった。26日の終値はさらに低く176.26ドルとなり、33社平均の目標株価を14%下回る。最安値はピボタル・リサーチの140ドルだった。 市場がオーバーシュートしたのか、アナリスト予想が追い付いていないのか。株価が落ち着きどころを見つけるには時間がかかりそうだ。(岩切清司+片平正二) ※QUICK FactSet Workstationより   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。 

金利リスクに敏感、高利回り債ETFの空売り増加 【US Dashboard】

米国市場でハイイールド債ETFの空売りが増えている。平均売買高に対しても空売りが多い傾向にあるといい、米国みずほ証券の石原哲夫USマクロストラテジストは25日付のリポートで「金利リスクも含めたトータルリターンのヘッジとして空売りが行われている。これまでは、金利リスクをヘッジする参加者はほとんどなかったもよう」と指摘している。 これまで、iシェアーズ・iBOXX $ ハイイールド社債ETFなどのハイイールド債ETFの空売りが増えている背景には、①米国債利回りの上昇に伴いハイイールド債ETFへの需要が薄れる、②恐怖指数のVIXの急騰など市場が急変する際、流動性が低いハイイールド債の価格が急落する恐れがある――ことなどが原因とみられていた。 石原氏は「主要ハイイールドETFの空売りはクレジットサイクルの転換の予兆ではなく、主に金利リスクを含めたヘッジニーズを反映していると思われる」と指摘。「従来、ヘッジといえば信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)や株式指数オプションが多用されていたが、いずれも金利リスクはヘッジできない。今やハイイールド市場参加者も金利リスクに敏感になっている」という。(片平正ニ)  <iシェアーズ・iBOXX $ ハイイールド社債ETFの空売り残高> ※QUICK FactSet Workstationより作成 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。  

米、非連続な高成長 貿易摩擦への「備蓄」と「需要先食い」

25日の米株式相場は取引終了にかけて上げ幅を一気に拡大した。「米、EUに車関税の留保検討 貿易交渉開始で合意」と伝わったのが要因だ。米EU首脳会談の結果に市場はひとまず一安心、といったところだろう。 ただ、既に米経済のファンダメンタルズには通商問題の「影響」が出始めている。日本時間27日夜に発表予定の4~6月期の米実質国内総生産(GDP)は成長率が4%を超えて非常に高まるとの見方が多い。アトランタ連銀が算出する「GPDナウ」も高水準を維持したまま発表日を迎えようとしている。 統計として非連続性が発生したようにも見える今回の米GDP。モルガン・スタンレーのエコノミストは、追加関税が課せられる前に米国内外の企業が備蓄に動いた可能性を念頭に「4.7%成長のうち、『備蓄』的な動きによる輸出増が1.5ポイント分に相当するかもしれない」と指摘する。米国外の企業が前倒しして米製品の購入に動いたというわけだ。 加えて「『備蓄』は米企業でもある一定規模では行われているようである。4~6月の在庫積み増しは、それ以前の2四半期の+100億ドルペースに対し+380億ドルペースとなっている。より興味深いのは在庫が増えている分野が電気製品、機械設備、自動車及び部品などの貿易問題対象分野と重なっている点だ」という。そのうえで「これらが一過性調整要因であり両方ともに持続不可能で需要の先取りを反映したものであることから、その反動が来ることを懸念している」とした。追加関税の回避が実現すれば喜ばしいが、米経済は持続不可能な経済成長の過程にあるだけに不安はぬぐえない。 それでもトランプ政権は財政の拡張路線にある。このため米経済について「実際の歳出拡大が実体経済を押し上げるのは、これからが本番である。歳出拡大に伴う財政刺激効果が大きく表れるのは2018年後半から2019年の前半になり、米国の成長率は短期的に潜在成長率を引き続き上回る」(バンクオブアメリカ・メリルリンチ)との見方も出ている。米経済の先行きを考える不透明要因がどんどん増しているようにも見える。(岩切清司)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ベンチマーク3社の決算から始まる業績相場の夏 ファナック・日電産・信越化

24日の東京株式市場で東証1部の概算売買代金は2兆0392億円と6月25日以来となる約1カ月ぶりの低水準にとどまった。米欧の貿易交渉の行方を待ち、積極的に動きにくい状況。加えて市場関係者がいくら企業業績を分析しても、トランプ米大統領のツイッターでのつぶやき「口撃」で相場の地合いが一変する「夏枯れ」とも呼ぶべき状態だ。しかし、いよいよ3月期決算企業の第1四半期決算発表が本格化する。きょう25日は世界景気と企業業績の先行きを占うベンチマークでもあるファナック(6954)、日本電産(6594)、信越化学工業(4063)が大引け後に決算を発表する予定だ。 ●ファナック(6954) 省力化投資、ファクトリー・オートメーション(FA)で注目されるのはファナック(6954)の第1四半期決算だ。 FA関連ではすでに前哨戦があった。2月期決算の安川電機(6506)が先駆けで、12日に発表した2019年2月期第1四半期累計(18年3月~5月期)連結決算は決算期変更で単純な比較はむずかしいが、営業利益が前第1四半期比で30%増の171億9000万円となり、第1四半期としては過去最高だった。一方で、3~5月期のセグメント別の受注高をみると、モーションコントロールが前四半期比では17%増と伸びているものの、前年同期比では1%減と「潮目」の変化をうかがわせる内容だった。13日の東京株式市場で安川電は買い先行で始まったものの、ほどなく下落に転じた値動きからは、投資家の慎重姿勢がうかがえた。 13日にはジャスダック上場で精密減速機のハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)が2018年4~6月期の受注高・売上高実績(非連結)を発表し、受注高の大幅な落ち込みが関連銘柄の下げを誘った ファナックの決算発表は、落語の寄席に例えれば「真打ち登場」の感がある。ファナックは4月26日に2018年3月期連結決算を発表した際に、19年3月期連結決算予想で営業利益が前期比33%減の1517億円を見込むなど二桁減益予想を示した。その後の集計を反映したアナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(13平均)は18年3月期連結の営業利益を前期比11%減の2025億円とみている。ファナックは19年3月期の業績予想の前提となる為替レートを対米ドルで100円とみているが、会社予想は「かなり保守的」と見る向きが多いのではないか。第1四半期の実績、受注動向、業績予想修正の有無と見どころは多い。   ●日本電産(6594) 日本電産(6594)の2018年4~6月期連結決算(国際会計基準、IFRS)は、第1四半期の着地と、ずばり業績予想の上方修正の「幅」が関心事だろう。日電産はことし1月の決算説明資料で、創業以来の大波(ビッグチャンス)が来ていると指摘。同社製品のモーターを「産業のコメ」と言ってはばからない日電産は「脱炭素化」「ロボット化」「省電力化」「物流革命」を大波に挙げている。業績予想の前提となる為替レートを、対米ドルで100円と設定して、19年3月期通期の連結見通しで、期初の予想営業利益を前期比13%増とみているのが強み。「円相場が100円の前提で二桁増益」予想を誇る日電産の「お手並み拝見」となる。   ●信越化学工業(4063) 半導体関連で目が離せないのが信越化学工業(4063)。4月27日に18年3月期連結決算を発表したが、19年3月期の通期業績予想および配当予想は開示しなかった。 19年3月期連結の業績予想では、東洋経済新報社の会社四季報(18年3集・夏号)で、営業利益が前期比4%増の3500億円とよむ。日本経済新聞社は同6%増の3600億円、アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(14社平均)は同14%増の3831億円をみている。期待値が大きいとみられるだけに第1四半期の実績が低調だと「失望」と受け止められる可能性は否めないが、第1四半期の実績および、開示されるであろう通期の業績予想および配当予想などが注目材料。24日に18年4~6月期連結決算を決算発表した日立ハイテクノロジーズ(8036)は、主要な顧客先の投資計画に変更があり、電子デバイスシステムの評価装置で同四半期の受注が大きく減少したと説明していた。26日に決算発表を予定する東京エレクトロン(8035)などとも併せて「半導体関連銘柄」は、市場環境を浮き彫りにする材料を積み上げる局面を迎えそうだ。(山口正仁)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。  

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