T砲と米株高の威勢と虚勢 「WTOから離脱」「利上げ嬉しくない」……

良くも悪くも、トランプ大統領のツイートや発言を読み返せば、世界の金融市場で起きた事がほぼ思い出せる。 トランプ大統領は米連邦準備理事会(FRB)の議長にジェローム・パウエル氏を指名したことについて「私が好きで、尊敬する人を置いた」としてFRBが利上げを続ける中で議長の指名に後悔していない考えを示した。ブルームバーグが30日に報じたインタビューで述べた。インタビューでは「カナダとの新たな貿易協定は近い」と述べて北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉に期待感を示す一方、欧州連合(EU)による自動車関税の撤廃提案に拒否する姿勢を示したほか、世界貿易機関(WTO)の対応にも不満を示し、「彼らが襟を正さなければWTOから離脱する」と強硬な姿勢を示した。 インタビューでトランプ氏は「FRBは貿易紛争に対応していない」と発言。さらに「通貨が政治家によって制御されるべきかどうか分からない」とも述べ、FRBの独立性の重要性に否定的な見解を示した。 トランプ氏は今月20日にロイターとのインタビューで「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」と述べたばかり。パウエル議長を個人的に評価しつつ、貿易紛争懸念で人民元などの新興国通貨に対してドルが強い現状に根強い不満を持っているもようだ。(片平正二) 改めて8月の「トランプ砲」を振り返ってみる。 ■「ADPの7月の民間部門の就業者数が予想の18万5000人増に対して21万9000人増となった」(1日、ツイッター) ■「関税が機能している、絶好調だ。同時にオバマ政権で蓄積された21兆ドルの債務の返済も開始することができる」(5日、ツイッター) ■「関税は我々の国をより豊かにする。愚か者だけが反対する」(4日、ツイッター) ■「トルコは長年、米国を利用してきた。彼らはいま、我々の素晴らしいキリスト教の牧師を捕まえている。無実の人の解放のために何も支払わうつもりはないが、我々はトルコに背を向ける!」(16日、ツイッター) ■「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」(20日、ロイターのインタビュー)  「中国は為替を操作していると思っている。ユーロもまた、操作されていると思う」(同) ■「欧州連合(EU)から来る全ての車に25%の関税を掛けるつもりだ」(21日、遊説先のウエストバージニアで) ■「株式市場の歴史において最長のブル相場となった。アメリカおめでとう!」(22日、ツイッター) ■「もし私が弾劾されたらマーケットはクラッシュするだろう。みんながとても貧乏になると思う」(23日放送のFOX&フレンズのインタビュー、いわゆる一連のロシアゲート絡みで司法の動き) ■「私は規制を緩和した。減税策は素晴らしいものだった」(23日放送のFOX&フレンズのインタビュー) ■「メキシコとの新しい貿易交渉は農家、我が国の成長に焦点をあて、貿易障壁を引き裂いた。雇用と企業は我が国に戻り続ける。大ヒットになるだろう!」(28日、ツイッター) 米経済と大統領のテンションの高さはいつまで続くのか。世界を震わせたリーマン・ショックから10年の節目が近づいている。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】 31日 有効求人倍率や鉱工業生産指数 中国PMIなど

31日は7月の有効求人倍率や鉱工業生産指数などが発表されるほか、3カ月物国庫短期証券の入札が予定されている。IPO関連ではテノ.ホールディングス(7037*J)、イーエムネットジャパン(7036*J)の仮条件が決定する。 海外では8月の中国製造業購買担当者景気指数などが発表される予定だ。

トルコリラ急落から何を学ぶか by 小林芳彦氏(シリーズ:ベテランに聞く)

外国為替市場で7月以降に加速したトルコリラの下落は、日本で外為証拠金(FX)を手掛ける個人投資家に大きな打撃を与えた。銀行の為替ディーラーからFX業界に転じたJFX(東京・中央)の小林芳彦社長は「個人はどんぶり勘定になりがちで気がつくと負けが込んでいる」と指摘し、「自分がどれだけの頻度で勝ち、1回当たりどのぐらい勝てるトレーダーなのかの『身の程』をきちんと知ることが勝利への近道」と説く。【聞き手は日経QUICKニュース(NQN)編集委員=今 晶】 小林芳彦(こばやし・よしひこ)氏 1979年慶大商卒、協和銀行(現りそな銀行)入行。87年から本店資金為替部の調査役となり、カスタマーデスクのヘッドなどを務めた後、89年10月に外資系金融機関に移る。クレディ・スイス銀行の資金為替部長や独バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(現ウニクレディト)為替資金部長、バンク・オブ・アメリカの為替資金部営業部長を歴任しFX業界に入った。「NO.1為替ディーラーが伝授するインターバンク流FXデイトレ教本」(日本実業出版社)などの著書がある ■自らの「損益分岐勝率」を知る 金利差重視で外貨を売り買いする人は金利の高い通貨を安く買って長く保有するだけなのでとりたてて戦法はないが、秒単位で売買を繰り返す「スキャルピング」などの短期取引で差益を狙うのなら押さえておきたいポイントがある。運も実力も備えた「常勝型」はめったにいない。たいていは勝率3~6割の間をうろうろしているだろう。問題は勝つときにどれだけ収益を上げられるかだ。 まず過去を振り返るところから始めてほしい。例えば円の対ドル取引で勝ちを収めた際に1ドル当たり何銭程度利益を上げ、負けたときに何銭損をしたか紙に書き出してみる。 敗戦時の損失が勝利を収めたときの1.5倍だったら、6勝4敗でどうにか収支トントン。7勝3敗でようやくプラスになる。勝率7割はかなり難しいはずだ。勝ちの数を増やせないなら1回当たりの損失を抑えるしかない。 含み損を抱えた持ち高をずるずると維持した結果、それまでコツコツと積みあげてきた利益がパーになった苦い経験はないだろうか。「まずいな」と思ったらただちに手を引くべきだ。リーマン・ショックなどのように相場が大きく荒れる局面ではなおさら、撤収のスピードが大切になる。 市場では「仮に1勝9敗の成績でも、その1回で大きく勝てれば収支はプラスにできる」とのもっともらしい解説をよく聞く。だが6勝4敗でトントンの人間がいきなり1勝9敗で勝てるはずはない。「逆転ホームラン」を狙うあまり損失確定のタイミングが遅れ、損を取り返せないまま終わるのが関の山だ。 限られた資金をどう使うかのルールは厳格にすべきだ。持ち高は差し入れた証拠金の10~20%程度に抑えたり、損失は証拠金の2%以内にとどめたりする。含み損を平準化するために持ち高を増やす「ナンピン」は避けたい。ナンピンを絶対ダメだとはいわないが、撤退の方針を決めて臨んでほしい。 ■ファンダメンタルズは金融政策と金利に絞れ ディーリングの基本は相場の流れに乗る「順張り」だ。日本のFX投資家は流れに逆らう「逆張り」を好むものの、逆張りはいわば、ぶつかってくる相手を受け止める横綱相撲だ。横綱のように胸を貸せるぐらいの力(お金)の余裕があればそれはそれで1つの選択肢だろうが、たいていは「衆寡敵せず」で寄り切られてしまう。 7月の金融市場を動揺させたトルコリラ安の局面でもFX勢は果敢に逆張りでリラを買った。だが結局は欧米ヘッジファンドなどの投機筋のリラ売りに歯が立たず、損失覚悟のリラ売りがさらなるリラ売りを招く悪循環に陥った。 ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)では金融政策と金利に絞って考えるとよいだろう。チャートなどを用いたパターン分析は何でもかんでも手を出すのではなく、ローソク足や一目均衡表、移動平均線など4~5個に絞って定点観測をする。値動きからマーケットのセンチメント(投資家心理の傾き)を瞬時に判断し、取引につなげていくアプローチも大切だ。 短期のディーリングは気持ちに余裕がないと勝てない。負けてカッカしているときは無理にディールをせず、パソコンのモニターの電源を消したり、冷たい水を飲んだりして心を落ち着かせることだ。 思い通りにいかないからといって「相場が間違っている」とムキになってはいけない。相場は常に正しいと謙虚に受け止める冷静さを保ちたい。(随時掲載)    

FANGもプラスマイナス アリババなど年初比で下落

29日の米市場で主要な株価指数が最高値を更新した。中でもハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は大台の8000ドル台に乗せた後も失速の気配が見えない。対照的なのが時価総額の大きいネット関連株で構成される「FANGプラス指数」だ。 FANGプラス指数は29日に反発し0.66%高の2907.78で引けたが、6月20日に付けた高値(3045)には届かない。指数の中身を見ると明暗がはっきりする。米市場の年初にあたる1月2日を100として構成銘柄のパフォーマンスを比較すると、最も高い成績を出したのが動画配信のネットフリックス。これに株価が2000ドルに迫ったアマゾン・ドット・コムが続く。 一方で中国ネット検索大手の百度(バイドゥ)の米預託証券(ADR)は年初の水準を約7%下回っている。同様に中国のネット小売り大手アリババ集団も安いままだ。ネットフリックスとの差は86ポイントに開くなど、投資の仕方によって運用成績が大きく左右されている様子が浮かぶ。中国景気の先行きに対する警戒感や、その背景にある米中貿易戦争への懸念が中国関連の重荷だ。 またデータの不正利用が発覚して株価が急落したフェイスブックは株価の戻りが鈍い。株式の非上場化を宣言しておきながら撤回したテスラもひと頃の輝きが失せたように見える。 米株式相場が高値を更新している中で、投資家はしっかり選別を進めているようだ。 (岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】30日 7月の商業動態統計速報、RCEP閣僚会合

30日は7月の商業動態統計速報が発表されるほか、2年物国債の入札が予定されている。IPO関連では、アズーム(3496)の仮条件、IAL(3493)の公開価格が決定する。 海外では8月の独失業率、7月の米個人所得・個人消費支出が発表される。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)閣僚会合(シンガポール、31日まで)が開かれる。

近づく逆イールド、米企業債務9兆ドルの重さ

米国の長期と短期の金利差が急速に縮まり、世界中の投資家が注目している。短期金利が長期金利を上回る「逆イールド」になれば、米景気後退の予兆となるからだ。こうした見方に疑問を投げかけるエコノミストもいるが、過去の実例は多い。気掛かりなのは膨らんだ米企業の借金への影響だ。 米連邦準備理事会(FRB)のデータによれば、10年物国債と2年物国債の利回り差であるイールド・スプレッドは24日に0.19%まで縮小した。このまま8月が終われば、月末時点での水準としては逆イールドが起きた07年以来の小ささとなる。 一般的に逆イールドは、中央銀行の利上げが行きすぎて将来、景気が悪くなると投資家がみている証拠だと受け止められる。実際、1980年代以降、5回あった米国の景気後退局面では平均して約21カ月前に逆イールドが起きている。 逆イールド発生の原因の一つはカネ余りとそれに伴う年金など機関投資家の運用競争の激化だ。少しでも利回りを稼ぐため、長期債にマネーが殺到し、長期金利を押し下げるという経路が考えられる。 債券の需給が原因なら、「景気後退を過度に不安視する必要はないのではないか」という見方も成り立つ。だが、事はそれほど単純ではない。 逆イールドは短期で資金調達し、長期で貸し出す銀行ビジネスのうまみを奪う。利幅が薄れた金融機関はハイリスク・ハイリターン運用に走ったり、それが難しくなると貸し出しを渋ったりするようになる。 そこでポイントとなるのが企業の債務残高だ。FRBによれば民間企業(金融を除く)の債務残高(社債と借り入れの合計)は3月末時点で9兆ドル。名目国内総生産(GDP)に対する債務残高比率は45%を超え、09年以来の高水準となっている。 この比率は1980年代半ば以降、30%台後半を谷、40%台半ばを山として上下動を繰り返す傾向がある。山から山までの期間は10年前後だ。今回、問題なのは信用拡大のピークと逆イールドとが重なる可能性が高い点にある。似たようなケースは80年代後半や2000年前後にもあった。 「大型減税による現金ポジションの改善やまだ低い金利環境のおかげで、米国企業の返済能力は高まっている。このため債務残高は当面は管理可能」(三井住友アセットマネジメントの猿渡英明シニアエコノミスト)との声はある。 減税が長短金利差縮小の一因という見方もある。野村総研の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「赤字が膨らむ財政資金を手当てするための米財務省証券(TB)の大量発行が短期金利を押し上げている面がある」とみる。構造的に長短金利差が広がりにくくなっているとすれば、事態は深刻だ。 米企業の収益力は、ドルの行方によっても左右される。26通貨を対象としたドルの総合的な実力を示す名目実効レート(FRB算出)は17日時点で前年比の上昇率が5%を超えている。ドル高はじわじわと企業収益を圧迫する可能性が高い。フィラデルフィア連銀が16日発表した8月の製造業景況指数も21カ月ぶりの水準に落ち込んだ。製造業の業況に陰りがみえるのも懸念だ。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 永井洋一】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

ベトナムのM&A市場活況、経済成長が後押し HSBCレポート

HSBCベトナム ホールセール・バンキング統括責任者のウィンフィールド・ウォン(Winfield Wong)氏が、活発なベトナムのM&A(合併・買収)についてリポートします。 ■過去最高の案件数、FTAも好機に 2017年に過去最高の案件数を記録したベトナム国内のM&Aは、投資家の旺盛な投資意欲にけん引されて一段と伸びようとしている。力強いGDP成長、良好な人口動態、そして国有企業を株式会社化する計画が豊富に控えていることなどが投資環境を後押ししている。投資家はベトナムが抱えるいくつかの課題をこれまで以上に十分に認識する必要があるが、好機を捉えるためには素早く行動するべきであろう。 ベトナムはアジア地域で最も活発なM&A市場の一つである。2017年の取引金額は、前年比175%増加して102億米ドルに達した。代表的なものとして、タイの飲料最大手タイ・ビバレッジが国営ビール大手サイゴンビール・アルコール飲料総公社の株式の54%を48億米ドルで取得した案件や、シンガポール拠点の自動車販売会社ジャーディン・サイクル・アンド・キャリッジが乳製品製造大手ビナミルクの株式の8%を9億米ドル超で取得した案件が挙げられる。2018年も勢いは持続し、1~6月の取引金額は35億5000万米ドルに達して前年同期比155%増となっている。 さらにベトナムのM&Aは、大規模案件の成立と案件数の増加にとどまらず、一段と深く広範に進展している。昨年は消費財や小売、インフラ、不動産、鉱工業といった広範なセクターにおいてM&A案件数が過去最高に迫った。 成功をけん引している要素として、まずベトナムの堅調なマクロ経済がある。2017年の経済成長率は前年比6.81%に達し、2018年と2019年の成長率はいずれも同6.7%と予想される。ベトナムは世界で最も速いスピードで成長している経済圏の一つである。この力強い経済を支えているのは中間層人口の急速な増加であり、ボストンコンサルティンググループは2020年までにベトナム国内の中間層は倍増し3300万人に到達すると予想している。 政府が多くの国々と自由貿易協定(FTA)を結んだことも好機を生み出し、投資家はベトナムへの投資に一段と前向きになっている。 ■待ち受ける400社あまりの民営化 さらに、政府が積極的に国営企業の民営化を進めていることがM&A増加の最も重要な要因であることは間違いない。 政府は国有企業株式の取得を投資家に促している。政府計画では、財政収入の増加と政府支出の削減を念頭に400社あまりの国有企業の株式を売り出すことになっている。建設やテクノロジーといった業種への一段と多岐にわたる投資機会が提供されることになる。 国有企業の民営化案件をテコにM&A市場の発展が加速すれば、ひいては外国人投資家の増加を通じてベトナム企業のガバナンスが向上することにもなる。世界銀行が世界190カ国・地域の起業のしやすさなどを順位付けするビジネス環境ランキングの2018年版で、ベトナムは2017年版から順位を14位上昇させて68位に躍進。これは外国人投資家の増加が寄与したと考えられる。 2017年はベトナムのM&A市場でタイ企業の活動が特に活発だった。HSBCはタイの投資家が参加した最大級の案件の数多くで主導的役割を果たした。具体的にはフランスの流通大手カジノ・グループのリード・ファイナンシャル・アドバイザーを務め、大型スーパーのBig Cベトナムをタイ最大の流通系コングロマリットのセントラル・グループに11億米ドルで売却する案件を主導した。また同じくタイのサイアム・シティ・セメントがスイスの建設資材大手ラファージュホルシムのベトナム事業の65%を取得する案件では、サイアム・シティ・セメント側のファイナンシャル・アドバイザーを務めた。取引金額は8億7500万米ドルと、ベトナムの建設資材セクターでは過去最大の案件となった。 ■標準ルールづくりや情報開示、規制緩和などに課題も このようにベトナムに対する投資環境は進歩している一方で、投資家は引き続き多くの課題に直面している。 現在のベトナム政府は、国有企業の民営化の成功事例などから色々なことを学んでいる段階で、標準的なルールや手法はまだ定まっていない。理由の一つは、民営化の戦略的目標と目的がそれぞれの国有企業ごとに異なるからである。 ベトナムでのM&Aにおいて、得られる情報は先進国市場と常に同水準とは限らない。投資家は買収先のバリュエーションの確認を十分に行うことも必要である。幸いベトナム政府はこうした投資家の懸念に配慮し、取引プロセスの合理化や情報の利便性向上、規制緩和などに取り組んでいる。 グローバルな投資家の中には、ベトナム国内の投資家とチームを組んで投資する戦略を進める動きもある。また投資家は、国内市場に十分な地歩を築いて総合的なサービスを提供できる銀行を選ぼうと考えるだろう。 ベトナム市場に長く関わってきたHSBCは、M&Aアドバイザリーや買収ファイナンス、キャッシュ・マネジメント、カストディをはじめとする銀行サービスの全てを包括的に備えており、投資家の要求を十分に満たすことができる立場にある。さらにHSBCはベトナム市場を深く理解しており、投資家が現地の規制を把握する際に手助けしたり、現地のステークホルダーと取引を進めたりするうえで優位な立場にいると自負している。ベトナムのM&A市場で2014年から17年まで、M&Aアドバイザリー業務を提供する銀行として首位に立ったのは、長い年月をかけて獲得した専門知識の賜物だ。 様々な課題があったとしても、ベトナムでの投資機会が損なわれることはない。ベトナムが投資対象として最も躍動的で刺激的な市場であることは、皆が認識している。ベトナムのM&A活動が今後数年にわたって、ますます活発になることは確実である。 ※アジア特Q便は、QUICK端末で先行してご覧いただけます。

止まらぬ株高、下がらぬVIX 「4度目」が警告する不都合な先行き

リーマン・ショックからちょうど10年になるのを前に不吉な兆候が見えている。 28日の米国株式市場で恐怖指数のVIXが続伸し、2.79%高の12.50で終えた。VIXの上昇は、今後30日間でS&P500指数が上げるよりも下げる方に見込むオプション取引が多いことを意味する。通常は下げ相場でVIXが上昇する傾向にある。投資家心理の不安感を示すとされる水準の20にはまだ遠いとはいえ、S&P500が連日で史上最高値を更新する上げ相場でVIXも上昇する現状は警戒されそうだ。 (QUICK FactSet Workstationから) 投資アドバイスを手掛けるJ.ライオンズ・ファンド・マネジメントの28日付のブログによれば、S&P500が強いのにVIXが余り下がらなかったのは過去20年で3回あった。具体的には①1999年12月~2000年3月、②2007年4月~10月、③2014年12月~2015年2月――の時期という。そして、その次の年のS&P500の平均リターンはマイナス11.3%。株式市場には非常に不都合なシグナルといえる。ブログでは「中期的に過去3回は株式市場の調整のシグナルとなっていた。短期的には即時性の高いものではなかった。しかし過去20年間の動きを踏まえると、最終的には正確な警告だった」と、今後の弱気相場の到来の可能性を指摘している。(片平正ニ)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米消費者マインド2000年来の高水準 絶好調に潜む死角は住宅

28日発表の8月の米消費者信頼感指数は133.4(1985年=100)となり、2000年10月以来17年10カ月ぶりの高水準となった。同指数は米民間調査機関コンファレンスボードが5000人の消費者を対象にしたアンケートをもとに、消費者のマインドを指数化したもの。好調な米景気や雇用環境を背景とした消費意欲の強さを示す結果となった。 個人消費は米国内総生産(GDP)の7割を占める。24日発表のアトランタ連銀のGDPナウによると、2018年第3四半期(7-9月期)のGDP成長見通しは4.6%となっている。 一方、28日発表の6月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数は、全米20都市で前年同月比6.3%の上昇となり、前月の6.5%から伸びが鈍化した。 米景気が好調で米住宅市場は底堅いものの、建築労働者の不足が住宅供給不足を生じさせ、価格の上昇を招いている。所得の伸びを大きく上回る住宅価格の上昇を受け、住宅販売(中古住宅販売件数)は17年11月をピークに伸び悩んでいる。価格調整が十分に機能しない状況にあることや、住宅ローン金利の上昇により、住宅着工や販売の伸び悩みが続く可能性は高い。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

【朝イチ便利帳】29日 8月の消費動向調査、米GDP改定値

29日は8月の消費動向調査などが発表される。IPO関連ではナルミヤ・インターナショナル(9275*J)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。海外では4~6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値などが発表される予定だ。

【 Art Market Review 】注目の新鋭ロッカクアヤコ、1000万円超えも

最近の若手作家の中で、目を見張る価格上昇率なのがロッカクアヤコ(1982~)。30~40歳代では頭一つ抜け出した感がある彼女の作品のオークションでの動向をリポートする。 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art, No. 28 出品数426点、うち落札数360点  落札率=84.5% 落札総額=3億3272万3750円 (7月14日  東京・代官山のヒルサイドフォーラム) 段ボールやキャンバスに筆を使わず手指でペインティングする独特の手法。そして作風はカラフルで可愛らしさがある中に、大きくシンボリックな独特な目つきの少女をモチーフにした作品を多く描いているロッカクアヤコ。そんな彼女の作品が市場でも評価されてきている。 今回のセールでは段ボールに描かれた作品1点とキャンバス作品2点が出品された。 2007年制作の87.0cm×77.0cmの段ボールにアクリルでペイントされた「作品」が落札予想価格80万~140万円のところ224万2500円で落札。また09年制作で、キャンバスにアクリルでペイントされた130.0cm×90.0cmの「無題」が落札予想価格300万~500万円のところ1069万5000円で落札された。会場、電話、書面入札と多くのビットが入り、大いに盛り上がった。同じくもう1点、07年制作のキャンバスにアクリルでペイントされた53.0cm×65.2cmの「無題」も予想の200万~300万円に対し、落札価格は632万5000円に達した。   オークション市場で初めて1000万円を超える価格で落札されたロッカクアヤコの作品だが、今回出品されたような1辺が1mを超える大型の作品の落札価格平均を見ると、13年の時点では100万円を切っていた。それが、3年後の16年にはおよそ2倍の199万円まで上昇、さらにその2年後の18年は3.5倍以上の740万円まで上昇した(パフォーマンス指標のグラフ参照)。この5年で7倍以上に高騰したのである。 現在ドイツのベルリンを拠点に活動し、7月までオランダで個展を開催していた。日本、ヨーロッパだけでなく、最近ではアジアのマーケットでも注目されつつあり、それも相場上昇の一因になっているとみられる。 (月1回配信します) ※アート・コンサルティング・ファーム提供  ⇒リポート全文はこちら SBIアートオークションの次回開催予定は10月27日  

犠牲祭よりリスクオン祭 トルコリラ安は「取るに足らない」動きか

「犠牲祭」を乗り切れるのかーー。一部の外国為替市場関係者が心配していた注目イベントが、大きな混乱なく通過した。27日の外為市場でトルコリラは対円で18円を割り込み17.76円まで売られる場面があったが、売り一巡後は18円台を回復する動きとなっている。 トルコリラは一時対ドルでも大きく売られたが、欧米株式相場は軒並み上昇しており、「トルコ発のリスクオフ」とはなっていない。イスラム教の祝祭日である犠牲祭は今年は21~24日。休み中は流動性が低下するため、トルコリラ相場のボラティリティが上昇しやすいとの指摘も出ていたが、犠牲祭の最中も休日明けの取引でも、パニック的な動きは見られなかったもようだ。 SMBC日興証券の野地慎氏は28日のレポートで、「トルコ一国の問題は世界経済にとって軽微」だが、ドル高(米国金利上昇)が続けば、ブラジルや南アフリカなどにも波及し、「結果として先進国経済への負のインパクトも大きくなる」可能性はあると述べている。 現時点で「ドル高と新興国通貨安のスパイラル」を回避できているのは、パウエルFRB議長の「High pressure economyを志向するようなジャクソンホール講演」によって「米国市場はドル安、株高の典型的なリスクオンと化した」ためであると指摘。そして、「ドルインデックスが大きく下げるなかであれば、自ずと新興国通貨の対ドル減価も止まり、ドル安に連動したコモディティ価格の上昇がむしろ新興国市場で好感される」とし、「トルコリラの下落など『取るに足らない』動きとなって当然である」と述べている。(丹下智博、池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

最高値8000台まで来たナスダック、恐怖指数の上昇は何の兆し?

27日の米国市場でナスダック版恐怖指数のVXNが反発し、2.90%高の15.60で終えた。この日はナスダック指数が連日でザラ場・終値の史上最高値を更新し、初めて8000の大台を突破して堅調に終えたが、ボラティリティーが高まる展開だった。恐怖指数のVIXも反発して1.41%高で終えた。 オプション価格から算出する恐怖指数は一般的に、相場下落への警戒感が高まった時に上昇しやすく、株価指数とは逆方向に動く傾向がある。この日は日本の日経平均VIも7営業日ぶりに反発し、2.40%高の14.90で終えた。欧州版恐怖指数のVSTOXXだけ0.55%安の13.11で8日続落となったものの、世界同時株高が進む中でボラティリティーの低下基調は一服している。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】28日 8月の米消費者信頼感指数、米HPEなど決算

28日は8月の米消費者信頼感指数が発表されるほか、米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、ティファニーなどが5~7月期決算を発表する。国内のIPO関連では、and factory(7035)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。

米長短金利差いよいよ20bp割れ 一方で債先ショートは最大

米商品先物取引委員会(CFTC)が24日に発表した21日時点の建玉報告によると、米10年物国債の先物市場で投機筋の売越幅は70万514枚と、データが開示されている1993年以降で最大となった。 ただ、新債券王と呼ばれるダブルライン・キャピタルのガンドラック氏が17日にスクイーズ(踏み上げ)が起きる可能性があると述べるなど、市場では長期金利の急低下を警戒する声が増えている。 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は24日のジャクソンホールでの講演で、段階的に利上げを進める姿勢を示す一方、物価上昇については「2%を超えて過熱するリスクはみえない」と述べた。 この日の米債市場では当面の金融政策の影響を受けやすい2年金利と、中長期的な景気や物価見通しの影響を受けやすい10年金利の差が縮小し、2007年8月以来11年ぶりに0.2%を割り込んだ。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

お騒がせテスラ劇場、続編「ちゃぶ台返し」 続々編は「市場のしっぺ返し」?

24日夜、非上場化を検討していた米テスラが一転して上場維持の姿勢を示した。時間外取引は通常取引の終値に対し0.2%程度安い水準だが、材料を織り込んだと判じることは難しい。そもそも株式市場との信頼関係にひびが入った可能性を考えると、先行きの株価動向には注意が必要と言える。 BMOキャピタル・マーケッツのアナリストは26日付でレポートを公表。テスラに対する強気派は「今後もテスラの将来価値に対し投資を継続できるため前向きに受け止める」とした。反面、「弱気派に対しては、ネガティブな見通しに弾みをつけかねない出来事となった」と慎重だ。 背景には「資金調達がうまくいかなかったことが明らかになった」点を挙げ、信用力に対する注目が再び集まりかねないという。さらには米証券取引委員会(SEC)の調査や株主訴訟に影響を与える可能性もあるためだ。 そのうえで、これまでテスラ、またカリスマ経営者のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)を信頼してきた投資家ですら「輝きが失せたと認めざるを得ない」とした。今後はコーポレート・ガバナンスにおけるプレッシャーが一段と高まりそうだ。 株価についてBMOのアナリストは、「今後数週間は乱高下が続くかもしれない。ただ、基本的には業績を評価する水準を改めて模索することになるのではないか」としていた。目標株価は315ドルで維持している。(岩切清司) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】27日 7月の外食売上高、ロンドン市場が休場

27日は7月の外食売上高が発表される予定だ。 海外では7月の中国工業企業利益などが発表される予定のほか、ロンドン市場が休場となる。  

米株ヘッジで「不人気」の日本株、大波乱なら立場逆転か

世界の株式市場で一人勝ちの様相を強める米国株だが、その強気相場が転機を迎えた時は不人気な日本株が相対的に輝きを取り戻すかもしれない。いまは見向きもされない投資指標面での割安感が強みに変わる可能性があるからだ。 「経済の実力を考え米国株の保有を増やす一方、日本株を空売りしている」。ある運用会社の幹部は明かす。循環的には世界景気の後退局面が近づいている。米中貿易戦争の先行きも全く読めず、強気一辺倒には傾けない。そう考えると、米国株に加え中国株とも連動性がある日本株はショックに備える際の格好のヘッジ売り対象になるというわけだ。 QUICK・ファクトセットによれば、世界の主要50株価指数(ドルベース)のうち、年初来で上昇しているのは米ナスダック総合指数の約14%など15にとどまるが、その3分の1を米国の指数が占める。日経平均株価は上げ下げを繰り返して、ほぼプラスマイナスゼロ近傍。押し目待ちの投資家にも、上昇基調に乗りたい投資家にも中途半端な水準だ。 日本には米国のアップルのようなIT(情報技術)関連のスター株が存在しない。物価は上がらず、企業の利幅も広がりにくい。ないない尽くしの日本株をあえていま買う必要はないというのが投資家の本音だろう。 日本株のPBR(株価純資産倍率)は1倍台前半だ。2倍台半ばの米国株や1倍台後半の独仏株を大きく下回る。割安といえば聞こえは良いが、資本効率が悪く投資家の期待が低い証拠でもある。 ただし、そうした見方は平時の立論だ。リーマン・ショック時のような大乱世では、割安という不名誉なレッテルが売り込みにくさという強みに変わる。 海外投資家は日本株に売り一辺倒というわけでもない。今年6月にニューヨーク証券取引所に上場した日本株上場投信(ETF)の「JPモルガン・ベータビルダーズ・ジャパンETF」が先月、市場で話題となった。運営費用の低さが投資家を呼び、大規模な資金流入があったためだ。QUICK・ファクトセットによれば上場来の資金流入差額は18億ドル。今年に入ってからのニューヨーク上場のETFへの流入額としては上位に入る。 「強気相場の最終局面での典型的な現象だ」。著名ストラテジストのピーター・タスカ氏は先月、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT、電子版)に米アップルや米アマゾン・ドット・コムなど一部のIT(情報技術)大手に物色が集中する傾向に警鐘を鳴らす論文を寄せた。米S&P500種株価指数の年初来の上昇率は7%だが、業種で比較するとIT、及びアマゾンが含まれる一般消費財がいずれも16%で群を抜く。 ■「S&P500」(赤)、「S&P500(業種別一般消費材)」(青)、「日経平均」(緑)の3指数の相対比較 ※昨年末を100とする タスカ氏が危ぶむように米株が波乱に見舞われれば、日本株への影響も避けられないだろう。しかし、東証1部の予想PER(株価収益率)は現在でも14倍台半ばで過去5年では最低水準という点を忘れてはいけない。 日興アセットマネジメントの神山直樹チーフ・ストラテジストは年末の日経平均を2万3900円と予想する強気の見方を崩していない。電子部品など市場占有率が高い企業を中心に、1株利益の増加基調は変わらないとみているからだ。冒頭の米株買い・日本株売りポジションの賞味期限が来るのは案外、近いかもしれない。 【日経QUICKニュース(NQN )編集委員 永井洋一】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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