働き方改革で来たるべき大副業時代 注目される関連銘柄

安倍晋三首相が最重要法案と位置付ける「働き方改革」関連法案が今国会での成立が秒読みとなっている。法案は、残業時間の上限を「月100時間」とする罰則付き規制の導入や高収入の専門職を労働時間規制から除外する「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」創設が柱となる。 「働き方改革」は、多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組くという定義。ただ、現実的には広告最大手・電通の新入社員の過労自殺事件を機に長時間労働を見直す色彩が強いようだ。 半導体商社のルネサンスイーストンは昨年9月に業績予想の上方修正を発表したが、その理由に「働き方改革の実施等により、経費も当初予想を下回る見込み」と挙げたことは、「働き方改革=残業代削減」という象徴的な事象といえよう。また、プレミアムフライデーの実施にはじまり、残業時間の上限設定の動き、週休3日制の導入(日本IBM、ユニクロ、佐川急便、ヤフー)などに取り組む企業も出ており、労働時間の減少する取り組みが広がりつつある。 長時間労働の是正は好ましい動きだが、残業を前提とした給与体系で残業時間が減ることは困るとの声も少なくない。残業時間の削減=収入の減少につながるため、残業代に替わるお金を稼ぐために、副業を望む労働者が多いようだ。ある転職会社が実施したアンケート調査によれば、副業に興味があるとの回答は全体の約9割にも達したという。動機としては、収入を得たいこと・モチベーションを高めること・人脈形成・スキルアップ・視野拡大を通じた本業の活性化――などがあるようだ。 副業は原則禁止とされていたが、厚生労働省は今年1月に企業が就業規則をつくる際の参考として示している「モデル就業規則」を見直し、副業や兼業を禁止する項目を削除したうえで、原則として容認する内容に変更した。このような動きを背景に、上場企業でも副業を解禁する動きが出始めており、ロート製薬が2016年2月に副業を解禁したことを皮切りに、DeNA、ソフトバンクグループなどが副業を解禁した。今後も「モデル就業規則」の見直しを契機に、副業を容認する企業が相次ぐ公算が大きい。 このように、残業時間削減に伴う収入減、高い副業意欲、官民での副業容認の動きなどの複合要素により、副業人口が大幅に増加することが予想される。では、副業が容認となった場合に、どのような手段を選ぶのだろうか。手っ取り早い手段としては、SNS等で商品を宣伝するアフィリエイトが考えられる。次には、短期アルバイトとして日雇い労働、コンビニなどの旧来型の肉体労働か。また、趣味の延長戦上で写真やイラストを制作して販売するほか、手芸等で作品販売などを行う向きもあろう。さらに、効率的な在宅ワークの手段としてクラウドソーシングを選択する労働者も多そうだ。その一方で、副業を開始する前に、英語や会計などを学び直すこと(リカレント教育)でスキルアップすることも考えられよう。 副業関連と目される銘柄を挙げてみた。特に注目されるのは、クラウドソーシング大手のクラウドワークスで、昨年7~9月期に四半期ベースで初の営業黒字転換を果たし、その後も順調に業績を拡大。直近では三菱UFJFG、大和証券グループと資本業務提携を締結し、個人向けの新しい金融サービスの構築を目指すなどカタリストが豊富だ。(本吉亮) <副業関連銘柄一覧> ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

ひたひた進む上海株安と元安 高まる摩擦熱、景気と相場に寒け

米中貿易摩擦への警戒感から中国株の下落基調が続いている。28日の上海総合指数(グラフ赤)は前日比0.9%安の2786.896と、約2年ぶりに2800を割り込んで終えた。人民元(グラフ青)も対ドルで約半年ぶりの元安水準にある。 トランプ米大統領は6月中旬、7月6日に発動される対中制裁関税に中国が報復すれば、新たに2000億ドル相当の制裁関税を検討するよう米通商代表部(USTR)に指示。これに対して中国が報復措置を警告したことで、中国の株安・通貨安が加速した。 市場では、米中間の関税の掛け合いがエスカレートし、中国景気および世界景気に悪影響が及ぶことが懸念されている。7月6日前後の両国の対応は要注目だ。(池谷信久)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】 29日 5月の完全失業率や鉱工業生産指数など 米個人消費支出

29日は総務省が5月の完全失業率を発表するほか、5月の有効求人倍率(厚労省)、5月の鉱工業生産指数速報(経産省)、5月の住宅着工戸数(国交省)、4月の自動車生産実績(自工会)、6月の消費動向調査(内閣府)などが発表される予定。 海外では、5月の米個人消費支出(PCE)や5月の米個人所得、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値などが発表される予定。

大統領選迫るメキシコ、アムロ氏勝利でペソ安加速も

大統領選を7月1日に控えたメキシコで通貨ペソの対ドル相場が安い水準に沈んでいる。勝利が確実視される候補はアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(通称・アムロ)氏で、金融市場では彼が政権を握れば財政悪化は避けられないとの見方が広がっている。このため選挙後にペソ安が再加速するとの予想が一段と強まっている。 28日の外国為替市場でメキシコ・ペソは1ドル=20ペソ台前半と、6月半ばにつけた年初来安値である21ペソ前後に近い水準で低迷する。大統領選では「投票締め切り直後の出口調査の段階でアムロ氏の勝利がほぼ確定する」との予想があるなど支持が拡大している。同時に行う議会選挙は接戦の見通しが多いが、新政権では「ペニャニエト現政権が進めてきた規制緩和や砂糖含有飲料などへの課税といった健全な財政を維持するための改革はトーンダウンする」(SMBC日興証券の平山広太・新興国担当シニアエコノミスト)のは避けられなさそう。平山氏は「メキシコペソは対ドルで年初来安値を更新し、さらに下げが加速しかねない」と予想する。 メキシコシティ市長を務めたアムロ氏は、貧困対策をはじめポピュリズム(大衆迎合主義)的なばらまき政策を掲げる。投資家が懸念しているのはその財源だ。同氏は公共事業の削減などで資金を捻出する考えとみられるが、それでは安定的な財源にはなりにくい。 外貨の獲得源の1つだった原油については、国営石油会社ペメックスの経営不振で生産量が減り続けている。原油の国際価格は上昇しているが「メキシコの歳入増へ寄与するとは考えにくい」(みずほ総合研究所の西川珠子上席主任エコノミスト)のが現状だ。トランプ米大統領が自動車への追加関税を発動すれば、車の対米輸出が多いメキシコには打撃となる。 メキシコ中銀はペソ安に歯止めをかけるため、21日に政策金利を引き上げた。「アムロ氏は中銀の独立性を尊重する姿勢」(みずほ総研の西川氏)とされる。エルドアン大統領が景気刺激のために中央銀行への統制強化を示唆してリラ安を招いたトルコの二の舞いにはならないとの見方は多い。メキシコの経常赤字は対国内総生産(GDP)で2017年は1%台にとどまり、急激な資金流出は避けられそうだ。 それでも、今後予想される財政拡大に伴い経常収支も悪化が進めば、中銀が利上げで対抗してもペソ安に歯止めをかけるのは難しくなる。新大統領の就任は12月1日の予定とまだ先だ。メキシコを巡って投資家が抱く不透明感は長期的に続きそうで、ペソ相場の浮上は見込みにくくなっている。 【日経QUICKニュース(NQN) 尾崎也弥】   ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

「XTX」とは何者? 大量の日本株を売買、知られざる巨大ファンドの影響力

日経平均が2万2000円~2万3000円のボックス推移を続ける中、市場の一部ではある投資家に対する関心が徐々に高まっている。ロンドンに拠点を置く「XTXマーケッツ」だ。日本株の取引において巨額の売買を執行しているとされる。 この点に関してはパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直氏のレポートが参考になる。同氏によると「今年から欧州で参入した新鋭かつ巨大なマーケットメーカー。巨額の顧客注文に自己勘定で対応する点でも有名で、日本株式に対してはマーケットメイク型クオンツ戦略で毎日大量の日本株の売り/買い注文を出してきている」という。 XTXのサイト(https://www.xtxmarkets.com/)を確認すると、グローバル市場における1日あたりの総取引量は1200億㌦(約13兆円)に達するとしている。データセンターは世界中に40もある。取引の大半は為替が占めるようだが、強固な財務体質から株式売買でも大きな自己ポジションも取るようだ。1日あたりの日本株の取引額は優に1000億円を超え、相場が急変した今年2月には1日で5000億円も取引きしたとまことしやかにささやかれる。 高い技術力を背景に投資家同士の注文のマッチングに優れているほか「MiFIDⅡのマーケットメーカーへの規制内容が発表されたが、この新規制をかいくぐれる執行能力を提供し始めたため、欧米系のヘッジファンドの注文が集まっている」(宮島氏)。 マーケットメーカーとされる一方でXTX自体がHFT、ヘッジファンドとも定義される。日本における取引では主に米系証券2社、欧州系1社を経由しているとの見方もあった。「往復数千億円の売買代金を寄り付き、午後、引け前に分散しているもよう」という指摘も出ている。 いずれによせ大きなトレンドが発生しなければ、ボックス圏の中の上下だけでさやを抜くトレードが中心になると考えられる。結果的に足元でレンジ相場が続いている要因のひとつが、このあたりにもありそうだ。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米金利低下・金融株売りに透ける薄気味悪さ 強まる貿易紛争の横風

27日の米国市場でJPモルガン・チェースが反落し、1.54%安の103.24ドルで終えた。終値ベースで2017年11月28日以来、7カ月ぶりの安値水準となった。この日のダウ工業株30種平均を10ドルほど押し下げた。 貿易紛争懸念で米主要指数が弱い動きとなる中、質への逃避から米債が買われ、金利低下が進む中で金融株が弱い展開だった。ゴールドマン・サックスが0.63%安となったほか、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ、シティ・グループがそれぞれ1%以上下げて主力の金融株は売りが優勢。金融株ETFで純資産が最大の金融株スパイダーETF(XLF)は13日続落し、同ETFとしての続落記録を連日で更新した。(片平正ニ) <金融株スパイダーETF(XLF)のファンドフロー> ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】 28日 株主総会ピーク、富士フイルムや出光など

28日は5月の商業動態統計速報、5月の建機出荷額などが発表される予定のほか、富士フイルムホールディングス、出光興産などが株主総会を開催する。 海外では1~3月期の米実質国内総生産確定値などが発表される予定のほか、29日までの日程で欧州連合首脳会議が開催される。

原油先物70ドル台に急騰 イラン産の輸入停止要請、直接影響は軽微だが……

米政府がイラン産の原油輸入を停止するよう世界各国に要請したと伝わり、需給の引き締まり観測から原油先物が急騰した。26日のWTI期近8月物の終値は前日比3.59%高の1バレル70.53ドルと反発し、1ヵ月ぶりに70ドル台に乗せた。イランから日本への原油輸入はどんな状況で、仮に停止した場合どんな影響がありそうなのだろうか。経済産業省の石油統計速報(2018年4月分)を調べた。 4月の日本の原油輸入量は1536万klで、輸入量の多い順に、1)サウジアラビア(619万kl)、2)アラブ首長国連邦(428万kl)、3)クウェート(139万kl)、4)カタール(92万kl)、5)ロシア(80万kl)と並んでいる。4月の中東諸国への輸入依存度は89.4%で、イランの構成比は日本の総輸入量の1.0%。中東諸国内での構成比でも1.1%に相当する。イランとの取引での直接的なインパクトという視点では極めて限定的と判断できるかもしれない。 イランとの石油取引といえば、小説や映画「海賊と呼ばれた男」で脚光を浴びた出光興産の創業者・出光佐三が、メジャー(国際石油資本)に対抗してタンカー日章丸でイランから石油を輸入し、中東からの直接輸入の道を切り拓いたことが想起されるなど、歴史は古い。イランとの過去の経緯を踏まえつつ、日米の同盟関係を勘案すれば、構成比は小さいとはいえ、イランからの原油輸入をゼロにせよとの求めは日本に厳しい判断を迫るものだろう。(山口正仁)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【 Art Market Review 】ポップアートの巨匠ウォーホル、代表作は不動の人気

有名作家の作品を通じてアート市場の今を読み解く本コラムの2回目は、海外市場において人気を博している現代アートの巨匠、アンディ・ウォーホル(1928~87年)。5月17日、マレットジャパン(東京・江東)のアートオークションにおいて取引された彼の作品の動向を紹介する。 マレットオークションセール 出品数229点、うち落札数164点 落札率=71.6%  落札総額=1億7892万5000円  (5月17日 マレットジャパンオークションハウス) ウォーホルはアメリカの代表的なポップアーティスト(大量生産・大量消費の大衆文化を主題としている)で、著名人や商品、コミックヒーローなどをモチーフに多くの作品を手掛け、著名人ではマリリン・モンロー、ミック・ジャガー、毛沢東などが有名。商品ではキャンベルのスープ缶の作品といえば誰もが一度は目にしたことがあるのではないだろうか。シルクスクリーンによって制作された作品は世界の各オークションハウスで多数が取引されており、没後30年を経過しても今なお人気が高い。国内での流通価格は100万円未満のものから高額なものでは1500万~2000万円の作品まで落札価格帯の幅は広いが、ここ数年それぞれのモチーフにおいても価格は安定して高値で取引されている。 今回のマレットジャパンのセールでは、シルクスクリーン作品7点が出品された。1969年制作の「キャンベルスープⅡ」では落札予想価格が200万~300万円のところ330万円で落札。1975年制作の「ミック・ジャガー」は300万~400万円の落札予想価格のところ540万円で落札された。1964年制作の「フラワー」は落札予想価格100万~150万円に対して220万円で落札。コミックヒーローをモチーフにしたものでは1975年制作の「スーパーマン」が出品され、落札予想価格1000万~1500万円のところ1850万円で落札と、出品された7点すべてが落札予想価格の上限を超えての落札となっており、日本でのウォーホルの変わらぬ人気の高さをうかがわせた。 ウォーホルの作品は、没後30年の時を経ても値崩れすることなく安定した価格で取引されている。鑑賞用としてはもちろんのこと、資産として絵画を購入する方にとっても比較的安心して保有できる銘柄ではなかろうか。(月1回配信します) ※アート・コンサルティング・ファーム提供 ⇒リポート全文はこちら マレットジャパン オークションの次回開催は7月19日

米金融株ETFが12日続落 長期金利低下で金融株に逆風

26日の米国市場で金融株ETFとしては純資産が最大の金融株スパイダーETF(XLF)が12日続落し、0.33%安の26.69ドルで終えた。一時は26.52ドルまで下げて5月3日以来、約2カ月ぶりの安値水準に沈んだ。貿易紛争懸念による株安が一服したものの、この日の米債券相場が堅調で長期金利が低下基調となる中で金融株は弱い展開だった。 ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカは小じっかりだったが、ウェルズ・ファーゴは0.98%安で軟調に終えた。 米マーケット・ウォッチによれば、XLFが12日続落するのは同ETFとして過去最長記録だという。米連邦準備理事会(FRB)による今年4回の利上げが見込まれる割に、金融株は弱い。XLFからは25日までの1ヵ月間で14億ドル超の資金が流出していた。(片平正ニ)      ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。    

【朝イチ便利帳】 27日  東芝や東電HDが株主総会

27日は日銀が1~3月期の資金循環統計速報を発表する。その他、東芝や東京電力ホールディングスなどの株主総会が開かれる予定だ。 海外では、5月の米耐久財受注額などが発表される予定。  

「紛争地帯」避け高額消費株に向かうマネー 高島屋6%高、あさひ17%高

株式相場の梅雨明けをにらむように好業績銘柄を物色する動きが、わずかずつだが戻っている。26日の株式市場では高島屋(8233)など高額消費関連が買われた。調整の兆しがみえるとはいえ世界的に株式相場はまだまだ高値圏にある。投資マネーは自動車やハイテクなど米国発の貿易紛争の直接的な影響を受けやすいセクターを避け、利益率の高い消費関連株に向かっている。 高島屋は一時、前日比61円(6.6%)高の987円まで上昇した。25日発表した2018年3~5月期の連結決算は純利益が前年同期比13%増の58億円だった。同社は19年2月期の同利益について22%減を見込んでいることから、「ポジティブサプライズ(良い驚き)」との受け止めが広がった。化粧品などの高額品に対するインバウンド(訪日外国人)需要の根強さが確認できる。 この日は高島屋の連想でJ・フロントリテイリング(3086)やエイチ・ツー・オーリテイリング(8242)など他の百貨店株にも買いが広がった。 米運用会社コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツで日本株運用責任者を務める野本大輔氏は「訪日客消費は増加余地があり、長期視点での投資テーマになる」と話す。 自転車販売のあさひ(3333)は250円(17.5%)高の1680円まで上昇し、東証1部の値上がり率ランキングで上位に入った。利益率の高いスポーツバイクや電動アシスト自転車が好調で、25日発表した2018年3~5月期の単独決算は税引き利益が前年同期比15%増の22億円だった。 米株式市場では高級宝飾品のティファニーが高値を維持している。中国や日本で手ごろな値段の小物や食器の販売好調が投資家に評価されている。 人手不足に伴う販管費の増加は小売業に共通した利益の圧迫要因だ。それだけに利益率の高い高額品が売れている企業は、株式市場で相対的な優位性が高まる。一方、値引き販売による売上高の減少や販管費の増加が響き、25日発表した18年3~5月期の連結純利益が同33%減の47億円だったしまむら(8227)は急落した。 7月に入ると3月期決算企業の4~6月期決算発表が始まる。米保護主義への警戒感は根強いものの、強気派は好業績銘柄を選別する目を光らせている。 〔日経QUICKニュース(NQN) 田中俊行〕   ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

海を渡る「ひふみ」 レオスの組み入れ上位にあの銘柄

独立系運用会社レオス・キャピタルワークスが手掛ける旗艦ファンド「ひふみプラス」の残高が5月末時点で初めて6000億円を突破した。国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)で、5月末時点の純資産総額ランキングでは4位にランクインし、国内株が中心の投信としては最大規模を誇る。その、ひふみ投信の組み入れ銘柄が足元で変遷しつつあることに着目したい。 レオスといえば、カリスマファンドマネージャーとして知られる藤野英人社長が、2017年2月にテレビ東京系「カンブリア宮殿」に出演。年間100社以上を自ら全国行脚して将来の成長を期待できる中小企業を発掘、投資を行い莫大な利益を得てきたことや、独特の投資哲学を語ったことが投資家層の心に響いたとされる。 手掛けるファンドは直販の「ひふみ投信」、証券会社などが販路の「ひふみプラス」、確定拠出年金制度対応の「ひふみ年金」と3つあるが、販路や性質が若干違うだけで、一括して「ひふみ投信マザーファンド」というマザーファンドで運用されている。5月末時点で「ひふみ投信マザーファンド」の純資産総額は7593億円と昨年比で3割増、「カンブリア」放送前の17年1月末と比べると6倍にまで急増している。 「カンブリア」前と現在で、さらに大きく変わったのは、ファンドの中身だ。17年1月末時点では、国内株の比率が94.8%、海外株式0%だったが、昨年末時点では、国内株比率が90.5%、海外株は2.5%になった。今年5月末時点では国内株が86.6%と若干低下したのに対して、海外株の比率は9.2%に急上昇している。純資産額と組み入れ比率から推察した保有銘柄の金額は、国内株が6576億円で、海外株は699億円まで増えた。 組み入れ上位の3社はいずれも米国株で、1位のアマゾン・ドット・コム、2位のビザがともに約144億円、3位のマイクロソフトが約137億円。3銘柄合計で425億円で、海外銘柄の大半を占めたのが興味深い。 ひふみはもともと国内株の中小型株のイメージが強く、実際に組み入れ上位には中小型株がランクインすることが多い。5月末時点で組み入れ上位9位に初めてランクインしたのがTATERU(1435)。同銘柄の組み入れ比率は1.5%で、運用資産残高から逆算した保有金額は114億円にのぼる。ひふみ投信の運用レポートでは、TATERUに関して「民泊事業などの新規事業の展開に期待」と言及しており、6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行を先取りしたものなのだろう。 ちなみに、レオスが6月6日に関東財務局に提出した大量保有報告(5%ルール報告)で、TATERU株を新規に大量取得したことが明らかになっている。報告義務日となった5月31日時点で発行済み株式の5.99%に相当する516万2100株を保有。取得目的は「『投資一任契約』および『投資信託委託契約』に基づく純投資」としていた。レオスは頻繁に5%ルール報告を提出しており、その都度脚光を浴びる銘柄が多いので注目すると良さそうだ。直近では、経営再建中のJDI(6740)を新規に大量取得する一方で、親交の深かった大塚家具(8186)の手仕舞い売りを出していたこともある。 今後も、ひふみの運用資産残高の増加に伴って投資対象とする中小型株は増えそうだが、それ以上に大型株や米国株に対するシフトも強まる可能性がある。(本吉亮)     ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米国から逃げるハーレー、叱る大統領 EU関税が業績と株価を直撃

25日の米国市場でハーレーダビッドソンが大幅に3日続落し、5.97%安の41.57ドルで終えた。欧州連合(EU)が導入した二輪車に対する輸入関税の影響をこの日朝に発表した。関税が6%から31%に引き上げられることで1台あたり2200ドルほどの影響があるといい、2018年通期で1株当たり利益(EPS)にして0.41~0.46ドルの悪影響があると見込んだ。EUによる輸入関税の適用を避けるため、欧州向けの生産を米国外に移すことも明らかにし、業績への不透明感が高まる展開だった。 レイモンドジェームスは25日付のリポートで、投資判断をマーケットパフォーム(中立)としながら、「7月24日に決算発表が予定されているが、現時点において不確実性が残っている」と指摘。「これらの関税は一時的かも知れないが、ハーレーダビッドソンの業績見通しはかなり楽観的すぎる」と先行きに警戒感が残る旨を指摘した。 トランプ大統領は25日にツイッターで「全ての企業の中で、ハーレーダビッドソンが最初に白旗を揚げるとは驚きだ。私は彼らのために懸命に闘かった。EUに関税を支払う必要は無い。辛抱せよ!」とつぶやいた。 ハーレーダビッドソンとトランプ氏の関係と言えば、2017年2月2日にホワイトハウスをハーレーダビッドソンの関係者らが訪問したイベントが思い出される。米国を象徴する5台の大型バイクを前に乗車を促されたトランプ氏が「バイクから転がり落ちるのを見たいのか」とジョークをかますほどの余裕ぶりだった。減税策を御旗に米国内の雇用創出を望んでいたトランプ氏としては、ハーレーダビッドソンが輸入関税を受けて米国外で生産を増やす事態に陥った事に戸惑っているのかも知れない。(片平正ニ) ★トランプ氏のツイッター   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

恐怖指数の連鎖高、貿易不安が世界拡散 日本も欧州も米ハイテクも火の粉

25日の米国市場で恐怖指数のVIXが急反発し、25.85%高の17.33で終えた。貿易紛争懸念の高まりを受け、一時は19.61まで上昇して20の大台を試す展開だった。ナスダック版恐怖指数のVXNは19.37%高の21.94で終え、終値ベースで投資家心理の不安感を示すとされる20の節目を上回った。水準としては4月25日(23.07)以来、2カ月ぶりの高水準を回復したことになる。欧州版恐怖指数のVSTOXXも25.76%高の17.87で終え、5月31日以来の高水準に達した。 ◆ナスダック版恐怖指数(VXN)が20を突破 (QUICK FactSet Workstationより、年初来日足チャート) スティーブン・ムニューシン財務長官が25日にツイッターで「WSJやブルームバーグが報じた投資規制策はフェイクニュースだ。中国だけを対象にしたものではなく、他の国に対しても我々の技術を盗むのを防ぐ狙いがある」とつぶやき、保護貿易主義に対する警戒感が高まる展開。マイクロン・テクノロジーが6.90%安、アドバンスト・マイクロ・デバイスが4.37%安、インテルが3.41%安となるなど半導体関連の下げがきつかった。フィラデルフィア半導体指数は3.13%安となった。この日はフェイスブック、アマゾン・ドットコム、ネットフリックス、米検索大手グーグルの親会社であるアルファベットといったいわゆるFANG銘柄も大幅安となり、足元で堅調だったハイテク株主導で相場が崩れる展開が警戒される。(片平正ニ)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】 26日  企業向けサービス価格指数 日産や新日鉄住金が総会

26日は5月の企業向けサービス価格指数などが発表される予定のほか、20年物国債の入札が行われる。また、日産自動車、新日鐵住金などが株主総会を開催する。IPO関連では国際紙パルプ商事(9274*J)が新規上場するほか、キャンディル(1446*J)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。海外では4月のS&Pコアロジック・ケース・シラー米住宅価格指数、6月の米消費者信頼感指数などが発表される予定だ。  

リラ買いシナリオは本物か 再選トルコ大統領への「安心半疑」

24日投開票されたトルコ大統領選は、現職のエルドアン大統領が再選される見通しとなり、同時実施の総選挙でもエルドアン氏率いる与党・公正発展党(AKP)主導の政党連合が総議席の過半数をとった。日本時間25日朝の外国為替市場ではトルコリラが上昇。1リラ=23円台後半と前週末22日のニューヨーク市場の終値である23円台前半よりも高くなった。政治的な安定が強まるとの見方が主に対米ドルでリラの買い戻しを誘い、円売り・リラ買いに波及した。 国営のアナトリア通信によると開票率98%時点(日本時間の25日8時時点)でエルドアン氏の得票率は52%と、最大野党・共和人民党(CHP)のインジェ氏の30%を大きく引き離している。過半数を得て決選投票にもつれ込むことなく終わる可能性が高い。定数600の議席を争う総選挙でも、AKPと連立相手の民族主義者行動党(MHP)の2党で300超の議席を得る見込みだ。 選挙結果を受けたリラ高について、野村証券の中島将行・外国為替アナリストは「政治勢力のねじれによる国会の混乱が避けられ、市場参加者はひとまず好感したようだ」と分析する。エルドアン大統領の再選はもともと有力だったが、総選挙で与党連合が過半をとれるかは不透明だった。このため、議会も与党が制したことを「政治停滞のリスクは避けられた」と安堵する空気はそれなりに強い。 問題はエルドアン氏の今後の出方だ。選挙前の5月中旬、エルドアン大統領は再選のあかつきには中央銀行への統制を強めると語っていた。景気浮揚を目的に中銀に金融緩和を促すとの懸念はぬぐえない。外為市場の参加者の大部分は、長い目で見たリラ安のシナリオを引き続き維持している。 アナトリア通信によると、エルドアン大統領は今後、選挙での勝利を受け、首都アンカラの党本部で演説に臨む。イスタンブールからアンカラに向かう前に「私たちはいつも国民の支配者ではなく、奉仕者だった。国民はこれに気づいていて、52%が支持を示してくれた」と語ったという。 では、エルドアン大統領は中銀に対しても支配者ではない姿勢を見せてくれるのか――。市場参加者は懐疑的な目で見守っている。 〔日経QUICKニュース(NQN) 矢内純一〕   ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

クルマ版貿易戦争、株価は米国勢ひとり勝ち 欧州大手は軒並み苦戦

22日の米国市場では、このところ貿易紛争懸念で上昇していた恐怖指数のVIX(グラフ赤)が反落し、5.94%安の13.77で終えた。ブルームバーグがホワイトハウス関係者の話として、7月6日の関税発効までに中国との貿易戦争を回避するため、米中協議を再開しようとしている、と同日報じたことで懸念が和らぎ、不安心理の後退を示す展開となった。 もっとも、トランプ大統領が朝にツイッターで、「欧州連合(EU)による関税や貿易障壁が壊されなければ、全ての対米輸出車に対して20%の関税をかけるつもりだ、米国で車を生産せよ!」とつぶやき、自動車セクターへの先行き不透明感は残る。トランプ大統領が5月23日、安全保障を理由に自動車の関税を25%に引き上げる輸入制限の検討に入るよう政権メンバーに指示してから1カ月。QUICK FactSet Workstationで指示前の5月22日時点と6月22日までの主要な自動車株の値動きを見たところ、最も上昇率が高かったのはテスラの21.32%高(グラフはピンク線)。これに米ゼネラル・モーターズの7.76%高(オレンジ線)、フォードの1.13%高(グレー線)が続き、米自動車メーカー3社以外は全てマイナス件にある。 最も下落率が大きいのは仏ルノーの16.49%安。これに独ダイムラーが15.68%安と続いている。ダイムラーは今月20日、米中の貿易戦争の影響を踏まえて今期の利益見通しを下方修正した経緯があり、フォルクス・ワーゲンやバイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケも含めて10%超下げた状態にある。トヨタ(7203)は4.36%安で欧州車メーカーに比べれば底堅い。恐怖指数のVIXは4.16%高となっており、極めて単純化した見方だが、VIXと米自動車株が正相関、欧州の自動車株が逆相関の関係にあることが分かる。(片平正ニ) ★VIXと世界の主な自動車メーカーの株価推移 (QUICK FactSet Workstationより、5月22日=100) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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