株価大荒れの1週間、投信マネーが向かった先は?

世界的に株式相場が大荒れとなった前週(2月5~9日)は、国内株式市場で日経平均株価が週間で1891円(8.1%)下げた。そんな中で投資信託を通じてマネーはどこに向かったのか。国内公募の追加型株式投資信託(ETF除く)を巡る資金動向を追った。 ■「国内株式型」に資金流入 QUICK資産運用研究所の推計によると、投信全体では、前週を通して2665億円の資金が流入した。1月は月間で9308億円の資金流入超だったが、株式相場が大きく調整した前週も資金流入の勢いは止まらなった。 投資対象の地域や資産などで区分した投信分類別でみると、資金流入が著しかったのは「国内株式型」で1053億円の流入超だった。主に中小型株に投資するタイプよりも、大型株も含めて投資するタイプの投信を中心に資金が集まった。 ■EV・ロボット関連が人気、海外REIT型から資金流出 個別にみると、引き続き電気自動車(EV)やロボットをテーマにしたファンドが人気を集めた。株価が下がったところを買う動きもあったようで、株価指数の日経平均に連動するタイプにも資金が流れこんだ。 次いで流入超が大きかったのは、世界の債券に投資する「グローバル債券型」。世界の株式で運用する「グローバル株式型」も流入超だった。 一方で、資金流出が目立ったのは海外の不動産投資信託(REIT)で運用する「海外REIT型」。相次ぐ分配金の引き下げに加え、米国の長期金利上昇による運用悪化などを受けて資金流出が続いている。 (QUICK資産運用研究所) 

「グローバル・ロボティクス株式(1年)」と組み合わせに適した投信は? 「相関係数」活用術

いま保有している投資信託と組み合わせて別の投信を購入したいが、どんなファンドを選べばいいか分からない――。そんなときに参考になるのが「相関係数」だ。 主に先進国の株式に投資するタイプの投信で「グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)」(02311158)を選んだ。この「先進国株式型」投信との組み合わせに適したファンドを探す。 まず検証するのは、比較的近い値動きをするバランス型の「投資のソムリエ」(4731312A)との相性。様々な資産に投資する「バランス型」だ。「先進国株式型」と「バランス型」の相関係数は0.93と高い。 5対5の割合で投資した「合成」のリターン(分配金再投資ベース、週次1年・年率)は11.49%。「グローバル・ロボティクス株式(1年)」だけに投資した場合の21.81%と「投資のソムリエ」だけに投資した1.17%の中間となる。 価格変動を示すリスク(標準偏差、週次1年・年率)は「グローバル・ロボティクス株式(1年)」だけに投資した場合が16.02%で、「投資のソムリエ」は3.04%。2ファンドの平均を単純に計算すると9.53%になる。実際にこの組み合わせで同額ずつ投資した「合成」のリスクは9.12%で、平均値より0.41ポイント低くなる(図1参照)。この差がリスク低減の効果だ。 <QUICKの情報端末「Qr1」を使って簡単に比較> 次に国内株式型の「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」(79311005)との組み合わせを見てみる。「先進国株式型」と「国内株式型」の相関係数は0.60と、バランス型との組み合わせより低い。 「合成」のリターンは28.34%で、「グローバル・ロボティクス株式(1年)」と「げんきシニアライフ」の中間の値になった。「合成」のリスクは13.90%で、2ファンドの平均(14.80%)を0.90ポイント程度下回る(図2参照)。 リスク低減効果は相関係数が小さい「先進国株式型」と「国内株式型」の組み合わせの方が大きくなった。 このようにリターンはどちらの組み合わせでも2つのファンドを足して半分にした数値を維持する一方、リスクの低減幅は相関が低い組み合わせの方が大きくなった。複数のファンドに投資して分散効果を上げるには、相関が低く値動きの傾向が異なるファンドの組み合わせが有効と言える。 (QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

つみたてNISA、利用するなら「銀行で」が1位【個人意識調査(5)】

QUICK資産運用研究所は2017年12月、全国の20~60代の個人を対象に「個人の資産形成に関する意識調査」を実施した。個人に資産形成の取り組み状況などを聞く調査は、16年12月に続いて2回目。日経リサーチを通じてインターネット経由でアンケート調査を実施し、5132人から回答を得た。 調査結果はQUICK Money Worldに順次掲載する。 ◯調査概要はこちら   ■つみたてNISA「知っている」は3割 調査を実施した昨年12月の時点で、今年1月からつみたてNISAが始まることを「知っている」と答えた人は29.4%だった。17年1月の個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」加入対象の拡大について聞いた前回16年12月調査では「知っている」が18.5%(今回調査は19.3%)だったので、認知度はつみたてNISAがイデコを上回っている。 年代別にみると、「知っている」と答えた人の割合が最も多かったのは60代の34.8%。一方、若い世代ほど「知っている」と答えた割合が低く、引き続き認知度向上の取り組みが課題になる。 ■つみたてNISAの利用に前向き、20代は5割超 つみたてNISAの開始を「知っている」と答えた人に対して、実際に利用したいか聞いたところ、「利用したい」と「利用を検討したい」が合わせて33.1%だった。年代別にみると、20代はこの合計が5割を超え、利用に前向きな答えが目立った。 ■つみたてNISAへの切り替えは慎重 既存のNISA口座を開設している人(開設しているが利用したことがない人も含む)に対し、つみたてNISAに切り替えたいかを聞いたところ、「切り替える」または「切り替えを検討している」と答えた人は合わせて17.3%だった。一方、「切り替えない」と答えた人が39.3%、「どうするか決めていない」も43.5%にのぼり、つみたてNISAへの切り替えに慎重な人が多いことがわかった。   ■つみたてNISAの利用、「銀行で」が1位 つみたてNISAを利用するならどの金融機関で利用したいか聞いたところ、1位は銀行の32.3%だった。2位はネット証券(22.8%)年代別でも、すべての世代で銀行との回答が最も多かった。銀行以外では30~40代でネット証券の割合が高めで、60代は証券会社との答えが多くなった。 (QUICK資産運用研究所)

資産運用は誰に相談? 投資経験で違い、初級者はロボアド敬遠【個人意識調査(4)】

QUICK資産運用研究所は2017年12月、全国の20~60代の個人を対象に「個人の資産形成に関する意識調査」を実施した。個人に資産形成の取り組み状況などを聞く調査は、16年12月に続いて2回目。日経リサーチを通じてインターネット経由でアンケート調査を実施し、5132人から回答を得た。 調査結果はQUICK Money Worldに順次掲載する。 ◯調査概要はこちら   ■資産運用の相談先、投資経験で違いも 資産運用について誰に相談したいか聞いたところ、全体では「誰にも相談しない」の答えが39.6%で最も多かった。投資経験別にみると、投資経験が10年以上のベテランは「誰にも相談しない」の割合が6割近くを占め、10年未満の投資経験者と比べ突出して高かった。 一方、投資経験が1年以上5年未満の中級者は「誰にも相談しない」の割合が26.0%にとどまった。「金融機関に属さないアドバイザー」(30.6%)や「金融機関の営業担当者」(25.3%)の答えも目立った。 投資経験が1年未満の初級者は1年以上の経験者と比べて「ロボットアドバイザー」の割合が低いなど、投資経験で相談先の違いが出た。   (QUICK資産運用研究所)

結果に納得!? あなたは金融機関をどう思う【個人意識調査(3)】

QUICK資産運用研究所は2017年12月、全国の20~60代の個人を対象に「個人の資産形成に関する意識調査」を実施した。個人に資産形成の取り組み状況などを聞く調査は、16年12月に続いて2回目。日経リサーチを通じてインターネット経由でアンケート調査を実施し、5132人から回答を得た。 調査結果はQUICK Money Worldに順次掲載する。 ◯調査概要はこちら   ■ベテラン投資家ほど「金融機関、信頼できず」 金融機関への信頼度を聞いたところ、「あまり信頼できない」と「まったく信頼できない」との答えが合わせて全体の33.1%にのぼり、「とても信頼している」と「まあまあ信頼している」の合計(27.2%)を上回った。「わからない・どちらとも言えない」の答えが39.7%で最も多かった。 投資経験別でみると、投資経験が10年以上のベテランで「あまり信頼できない」と「まったく信頼できない」を合わせた比率が圧倒的に高かった。一方、投資経験が1年以上5年未満の中級と5年以上10年未満の上級では「とても信頼している」と「まあまあ信頼している」の合計の方が多かった。 (QUICK資産運用研究所)

大和住銀「短期豪ドル債オープン(毎月)」、分配金を減額 過去最低の20円に

大和住銀投信投資顧問が運用する「短期豪ドル債オープン(毎月分配型)」(22311034)が7日の決算で1万口あたりの分配金を前月より10円安い20円に引き下げた。2016年11月以来の減額で、2003年4月に運用を開始してから最低水準となる。 同ファンドの主な投資対象は、高格付けの豪ドル建ての公社債および短期金融商品。金利変動の影響を抑える目的で、ファンドが投資する債券のデュレーション(元利金の平均回収期間)を1年未満と短くしている。 7日時点の純資産総額(残高)は2569億円。1万口あたりの分配金が100円だった2012年頃は残高が1兆円を超えていた。現在も大手証券をはじめ、ネット証券や地方銀行に幅広い販路がある。1月末の1年リターン(分配金再投資ベース)は3.7%。 大和住銀投信投資顧問は臨時レポートを発行し、分配金を引き下げた理由としてオーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利を低位で維持していることなどを挙げ、「基準価額の水準の低下や市況動向、分配対象額等を総合的に勘案した」と説明した。 ※大和住銀投信投資顧問の発表資料はこちら 短期豪ドル債オープン(毎月分配型) -第177期分配金について- (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

投信残高、「フィデリティUSハイ」が首位に返り咲き  「ゼウス」は2位に後退

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)は、6日時点で純資産総額(残高)ランキングの首位が入れ替わった。1位に浮上したのは「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」(32315984)。月末ベースでさかのぼると、同ファンドがトップに返り咲くのは2014年8月末以来で約3年5カ月ぶり。 「フィデリティ・USハイ」の主な投資対象は、米ドル建てのハイ・イールド(高利回り)社債。海外の不動産投資信託(REIT)で運用するタイプ以外のファンドが首位に立つのは、14年9月末以来となる。 6日時点で2位に後退したのは「新光 US-REIT オープン<愛称:ゼウス>」(47311049)。5日の決算で分配金を据え置いたが、資金流出や運用悪化を受けて残高は前月比で480億円ほど減少している。 また、最近の世界的な株価急落が響き、国内や海外の株式で運用するファンドの残高も減少している。「ひふみプラス」(9C311125)や「グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)」(02311158)は前月末時点と比べ順位を落とした。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

投資している人ほど「金融情報チェック」「緊急時に備え」【個人意識調査(2)】

QUICK資産運用研究所は2017年12月、全国の20~60代の個人を対象に「個人の資産形成に関する意識調査」を実施した。個人に資産形成の取り組み状況などを聞く調査は、16年12月に続いて2回目。日経リサーチを通じてインターネット経由でアンケート調査を実施し、5132人から回答を得た。 調査結果はQUICK Money Worldに順次掲載する。 ◯調査概要はこちら   ■投資している人は金融経済情報を週1回以上チェック 「個人の資産形成に関する意識調査」で普段の金融行動や意識について5つの質問をしたところ、株式や投資信託などリスクのある商品に投資している人ほど金融リテラシー(金融の知識や情報を正しく理解し使いこなす力)の観点から望ましい行動や考えをしていることがわかった。 最も格差が大きかったのは「金融経済情報を週1回以上はみる」の項目。投資している人は「あてはまる」が39.1%だったのに対し、投資していない人はわずか5.7%だった。さらに「病気や失業など緊急時に備えた生活費を確保している」の項目でも投資している人が52.2%、投資していない人が19.8%と大きく差が出た。 (QUICK資産運用研究所)

SBIアセット「jreviveⅡ」、18日まで新規受付を停止

SBIアセットマネジメントが運用する国内中小型株ファンド「SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ(年2回決算型)(愛称:jreviveⅡ)」(89311157)は、7日から18日まで新規申し込み受付を一時停止する。資金流入などで資産規模が膨らみ、信託金の上限が近づいているためだ。信託金引き上げの手続きが完了するまでの一時的な措置で、19日以降は申し込みを再開する予定だ。 「jreviveⅡ」の純資産総額(残高)は5日時点で469億円と、追加限度額の500億円に迫っている。主な投資対象は国内の中小型株で、1月の設定から解約を差し引いた資金流入超過額は100億円を上回った。 同社が運用するファンドは前月も「小型成長株ファンド ジェイクール(愛称:jcool)」(8931105C)と「日本小型成長株選抜ファンド(愛称:センバツ)」(89311143)の2本が購入の申し込みを一時停止した。 今年に入って大和住銀投信投資顧問の「ニッポン中小型株ファンド」(22311142)やアセットマネジメントOneの「日本厳選中小型株ファンド」(4731216C)も新規販売を一時停止。今後も国内中小型株ファンドの人気が続けば、販売中止の動きがさらに広がる可能性もある。 ※SBIアセットマネジメントの発表資料はこちら↓ ご購入お申込み受付の一時停止について (QUICK資産運用研究所 大沢崇)

3人に1人が正解ゼロ、あなたは何問できる?【個人の資産形成に関する意識調査(1)】

QUICK資産運用研究所は2017年12月、全国の20~60代の個人を対象に「個人の資産形成に関する意識調査」を実施した。個人に資産形成の取り組み状況などを聞く調査は、16年12月に続いて2回目。日経リサーチを通じてインターネット経由でアンケート調査を実施し、5132人から回答を得た。 調査結果はQUICK Money Worldに順次掲載する。 ◯調査概要はこちら   ■あなたは何問できる? 回答者5132人に金融に関する6つの質問を聞いた。質問内容は下記の通り。 ※正解と調査結果は後半に!   <金融知識問題>  ①「分散投資」では、なるべく値動きの近い金融資産を組み合わせるようにすると良い。   1. 正しい   2. 正しくない   3. どちらともいえない   4. わからない   5. 回答したくない ②投信の分配金は運用益以外から支払われることがある。   1. 正しい   2. 正しくない   3. どちらともいえない   4. わからない   5. 回答したくない ③金利が上昇すると、債券価格はどうなると思いますか。   1. 上がる   2. 下がる   3. どちらともいえない   4. わからない   5. 回答したくない ④5年(年0.1%)の定期預金に100万円を預けて、その間に毎年1%でインフレが進んだとすると、満期を迎えたこの預金の価値はどうなると思いますか。    1. 上がる   2. 下がる   3. どちらともいえない   4. わからない   5. 回答したくない ⑤円高が進むと、日本でどんなことが起きるでしょうか。(ひとつだけ)   1. 輸入ブランド品が高くなる   2. 輸出企業の業績が良くなる   3. 海外旅行に行きやすくなる   4. わからない   5. 回答したくない ⑥1,000円の株式が50%値下がりして500円になりました。ここから50%上昇するといくらになるでしょうか。(ひとつだけ)   1. 550円   2. 750円   3. 1,000円   4. わからない   5. 回答したくない   <正解>カッコ内は正解率 ①2. 正しくない(17.3%) ②1. 正しい(13.6%) ③2. 下がる(18.2%) ④2. 下がる(23.3%) ⑤3. 海外に行きやすくなる(46.3%) ⑥2. 750円(55.8%)   ■正解ゼロが3割超 正解数に基づいて回答者の金融知識レベルをA~Dの4段階にクラス分けしたところ、正解ゼロのDレベルが33.3%を占めた。正解が1~2個のCレベルが最多の39.5%だった。 金融知識問題は「金利」や「為替」、「インフレ」などに関する内容で、選択肢には「回答したくない」も含む。正解が5~6個のAレベルは10.8%、3~4のBレベルは16.4%だった。 年代別にみると、高齢層ほどAレベルの割合が多い。株式や投資信託などのリスクのある商品に投資している人としていない人に分けてみると、投資している人の26.8%がAレベルだったのに対し、投資していない人はわずか2.9%だった。リスクを取って投資している人の方が金融知識レベルが高いことがわかる。また、年収別でみると、収入が多い層ほど金融知識レベルが高い傾向があった。 ■「分配金」「分散投資」の理解度低く 6つの金融知識問題の正解率を詳しくみると、投資信託の「分配金」や、複数の資産を組み合わせて投資する「分散投資」への理解度が低かった。特に「投信の分配金は運用益以外から支払われることがある」との問題は、正解の「正しい」を選んだ人が13.6%にとどまり、すべての問題の中で正解率が最低だった。 一方、正解率が最も高かったのは「1,000円の株式が50%値下がりして500円になりました。ここから50%上昇するといくらになるでしょうか」というリターンに関する問題。正解の「750円」を選んだ人は55.8%だった。 (QUICK資産運用研究所)

日興アセット「ラサール・グローバルREIT(毎月分配)」、分配金を減額 過去最低の25円に

日興アセットマネジメントが運用する「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」(02313043)が5日の決算で1万口あたりの分配金を前月より15円安い25円に引き下げた。昨年1月以来の減額で、2004年3月に運用を始めてから最低水準となる。 同ファンドの純資産総額(残高)は5日時点で7009億円。国内公募の追加型株式投信(ETFを除く)の中で4番目に多い。昨年5月頃まで1兆円を上回る規模だったが、資金流出などで縮小傾向にある。   主な投資対象は世界各国の不動産投資信託(REIT)。17年12月末時点の組み入れ資産は米国REITが68%を占める。18年2月5日時点の基準価額(分配金支払い後)は2265円で、1年前と比べて17.82%下がった。1月時点での1年リターン(分配金再投資ベース)はマイナス1.38%。 日興アセットマネジメントは今回の引き下げについて、「市況動向や基準価額に対する分配金額の水準などを総合的に勘案し、分配金を引き下げてその差額を内部留保することで信託財産の成長をめざす」としている。 一方、「海外REIT型」で残高が最大の「新光US-REITオープン<愛称:ゼウス>」(47311049)も5日が決算だったが、分配金を1万口あたり50円のまま据え置いた。 ※日興アセットマネジメントの発表資料はこちら↓ ラサール・グローバルREITファンド (毎月分配型)~2018年2月の決算と今後の見通しについて~ (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

インデックス型投信の断捨離進む? ブラックロックが「i-mizuho」刷新

株価指数などに連動するインデックス型の投資信託で、信託報酬の引き下げ競争が一段と激化している。一方で、純資産総額(残高)の小さい投信を繰上償還する動きが出てきた。残高が伸びない低コストの投信は、運用会社の収益性の観点から存続が難しくなっているからだ。 ブラックロック・ジャパンは2日、同社が運用する「i-mizuhoインデックスシリーズ」を刷新すると発表した。「i-mizuho」は指数に連動するインデックス型21本で構成される低コストの投資信託シリーズ。このうち10本を繰上償還し、一部の信託報酬を引き下げる。 4月27日付で繰上償還する10本は、前週末2日時点で残高の平均が5億円を下回る。残高が少ないファンドは為替ヘッジなどにかかるコスト負担が相対的に重くなりがちで、ブラックロックは「インデックスに連動するという運用目標を中長期的に達成することがより困難になることが想定される」としている。 21本のうち10本を繰上償還する一方で、金価格を連動対象とする為替ヘッジ付きのファンド1本を新たに設定する予定。シリーズの名前も「i-mizuho」から「iシェアーズ」に変更し、2月3日から一部ファンドの信託報酬を引き下げた。 PGIMジャパンは1日、同社が運用するファンドの繰上償還を発表した。東証株価指数(TOPIX)連動型の「PRU国内株式マーケット・パフォーマー」(54311013)と、代表的な国内債券インデックスの野村BPI(総合)の動きへ追随することを目指す「PRU国内債券マーケット・パフォーマー」(54312013)を含む4本を3月15日に繰上償還する。 一方で、三菱UFJ国際投信は「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」(03312175)の信託報酬を今月27日に引き下げる。同社は「eMAXIS Slim」シリーズを「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるファンド」と明言している。 ここ数年はインデックス型ファンドを中心に信託報酬の引き下げ競争が過熱。今年1月に始まった積み立て型少額投資非課税制度「つみたてNISA」に向けた新商品の投入も加わり、コストの安いファンドが乱立している。 しかし、極端にコストを下げたファンドは運用会社にとって採算性が低い。ブラックロックやPGIMジャパンのように残高の少ないインデックスファンドを繰上償還して「断捨離」する動きも出始めた。長期の資産形成に適した商品を選ぶときにはコストの安さだけでなく、安定して長く運用が続く商品かどうかにも注意する必要がありそうだ。 ※各社の発表資料はこちら↓ 〇ブラックロック・ジャパン <i-mizuho インデックスシリーズの戦略的な見直しについて> 〇PGIMジャパン <信託終了(繰上償還)決定のお知らせ> 〇三菱UFJ国際投信 <業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施> (QUICK資産運用研究所)

BNYメロン「モビリティ・イノベーション」、残高2000億円に 設定から2週間で

BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンが運用する「モビリティ・イノベーション・ファンド」(85311181)の純資産総額(残高)が2000億円を突破した。前週末2日時点の残高は2006億円。1月22日に自己設定で運用を始め、わずか2週間で残高が急増した。SMBC日興証券のみで販売している。 同ファンドは、日本を含む世界のEV(電気自動車)や車の共有(シェアリング)といった自動車関連企業の株式に投資する。年1回決算型で、為替ヘッジはしない。2日時点の残高は今年設定されたファンドの中で最も多い。 1月24日には、大和住銀投信投資顧問の「グローバルEV関連株ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:EV革命>」(22312181)が当初設定額773億円の大型設定で運用を開始。昨年は主にAI(人工知能)関連の投信が人気を集めていたが、今年はEVをテーマにした投信への資金流入が目立つ。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

SBI証券、投信の積み立て設定額が月間100億円を突破

SBI証券は2日、積み立てを利用した投資信託の月間の設定額(買い付け額)が1日時点で100億円を突破したと発表した。昨年12月末時点で90億円を超えてからも順調に増え続けている。QUICK資産運用研究所の調べでは、積み立ての月間設定額はネット専業証券の中で最大。 同社の投信積み立ては、購入できる投信が豊富なうえ、設定額が最低100円からできる。積み立てる間隔も毎日、毎週、毎月など5コースから選べるなど、きめ細かい取り組みが支持されているようだ。 (QUICK資産運用研究所) ◯SBI証券のプレスリリースはこちら 【主要ネット証券最大級】投資信託の積立設定金額100億円突破のお知らせ  

野村アセット、2年半ぶりに10兆円台を回復 1月末の運用会社別投信残高

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)について、運用会社別に1月末の純資産総額(残高)と純資産増加額、資金流入額をそれぞれ集計したところ、残高は首位の野村アセットマネジメントが前の月末と比べ338億円増の10兆71億円となり、月末ベースで2015年7月末以来2年半ぶりに10兆円台を回復した。「人生100年時代」を見据えて1月26日に新規設定した「野村ターゲットインカムファンド<愛称:マイ・ロングライフ>」(01311181)に資金が流入した。同ファンドはコスト控除後で年3%程度の利回り確保を目指し、2カ月に1回分配金を出す隔月決算型。 一方、純資産増加額、資金流入額の両方で1位だったのはBNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパン。1月22日に設定した自動車関連の企業に投資する「モビリティ・イノベーション・ファンド」(85311181)が資金を集めた。 集計対象は追加型株式投信(ETFを除く)で、 データは2018年1月31日時点。 (注)QUICK資産運用研究所調べ。データは2018年1月31日時点。対象はETFを除く国内設定の公募追加型株式投信(単位型は含まない)。資金流入額はファンドの設定額から解約額を差し引いた値で概算推計値、償還ファンドは集計対象外。▲はマイナスで減少または流出。運用増加額は純資産増加額から資金流入額を引いた値で、運用のみによる増加額を意味する(概算値)。純資産増加額=資金流入額+運用増加額。分配金支払総額(概算値)は資金流出額には含まれず、分配しなかった場合に比べ、運用増加額が分配金支払総額分だけ減る。億円未満は切捨て。 (QUICK資産運用研究所)

英個人、仮想通貨に消極的? フィンテック投資を拡大

英国民は仮想通貨への投資に消極的――。英調査会社D―CYFORが今年1月下旬に個人1015人を対象に実施した調査(期間1月19~20日)によると、仮想通貨の一種であるビットコインに「投資している」もしくは「投資を考えている」と答えた人が16%にとどまった。昨年2017年11月の調査では22%だった。ビットコイン価格は昨年に急騰劇を演じたが足元で大きく調整しており、投資に二の足を踏んでいる個人が多いようだ。 ■今後半年で「ビットコイン価格下落」予想は6割 英個人がビットコイン投資に後ろ向きなのは、先行き価格に対する弱気な見方が台頭している影響が大きい。今後6カ月以内に「価値が下がる」と予想する人が33%と前回調査(17%)から増え、「無価値になる」も28%(前回調査30%)だった。合計で61%の回答者がビットコイン価値下落を予想しており、「上昇する」との回答(39%)を大幅に上回った。年代別では20~30代の「ミレニアル世代」よりも高齢層が価格下落への懸念が強かった。 調査結果はこのところの相場トレンドを反映した面はありそうだが、投機色の強い現状のビットコインに対し、投資に及び腰になっている個人の様子がうかがえる。 ■フィンテック投資はライバル国を引き離す英国 いまのところ、「仮想通貨トレード」には慎重な姿勢がみられる英国だが、仮想通貨の基盤技術となるブロックチェーン(分散型台帳)を含むフィンテック(金融とIT=情報技術の融合)関連ビジネスへの投資になると話は別で、投資規模では世界をリードする存在だ。 ロンドン市経済開発機構「ロンドン&パートナーズ」によると、17年のベンチャーキャピタルによるテクノロジー向け投資はロンドンが24億5000万ポンド(約3750億円)と過去最高となり、フィンテック企業への誘致に積極的な仏パリ(5億6500万ポンド)や独ベルリン(4億5600万ポンド)といった都市を大きく上回った。 ロンドン&パートナーズは「最先端技術の開発をリードする環境とイノベーション・エコシステムは、投資家に大きなチャンスをもたらすと同時に、今後数年間にわたって英国のデジタル経済への投資を促すのに役立つだろう」と自信を示す。 ■2018年の英IPO第一号はフィンテック企業に 英インテグラフィン・ホールディングスは1月22日、ロンドン証券取引所に上場する計画を発表した。インテグラフィン社は資産運用プラットフォームサービスを手掛けるフィンテック・ベンチャーだ。3月の新規株式公開(IPO)を予定しているが、英メディアによれば「フィンテック企業が2018年の英証取のIPO第一号になる」という。 英国には未上場ながら企業価値が10億ドルを超える「ユニコーン」と呼ばれる有力なフィンテック関連のスタートアップ(創業間もないベンチャー企業)も数多く存在するが、今後数年間でこうした企業がIPOに動くとの期待も根強い。 折しも日本では大手仮想通貨取引所から約580億円に相当する仮想通貨の不正流出が明らかになった。価格の変動が激しく、現時点で評価基準が定まらずリスクの高い仮想通貨そのものにベットするよりも、まずは成長期待の強いフィンテック企業などに目を向ける方が得策かもしれない。 (QUICK資産運用研究所ロンドン 荒木朋)

三菱UFJ国際投信「基準価額」、QUICKが速報 公開APIから情報取得

QUICKは、三菱UFJ国際投信が運用する国内公募投資信託の「基準価額」の速報を始めた。三菱UFJ国際投信が外部システムと接続しやすくする技術仕様「API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」を使って公開している投信情報を取得することによって、QUICKサービスでの更新時刻を繰り上げる。通常は21~22時前後だが、Qr1など端末サービスに搭載しているQUICK資産運用研究所の特設サイトでは18時ごろに確認できるようした。 三菱UFJ国際投信は情報発信を強化し、顧客の利便性向上を図るため、2017年9月27日から投信情報のAPI公開を始めた。同11月30日には公開対象を同社が運用する国内公募投信すべてに拡大。外部からアクセスすることが容易になったことで、QUICKによる速報が実現した。 <三菱UFJ国際投信「投信情報API」>   同社FinTech推進室長の水野善公氏は「我が社だけでは十分ではないと考えている。他社に先行して、できる限りの情報をオープンにし、QUICKの協力によって競争優位となれば、他社が追随する形で結果として業界全体でのイノベーションに繋がるものと信じている」と語る。今後もAPIによる情報提供を拡大していく方針で、投信がより身近な金融商品として顧客に利用してもらえるように、さらに敏速な情報開示を目指すという。 <QUICK資産運用研究所の特設サイト> (QUICK資産運用研究所)

大和住銀「グローバルEV関連株」、当初設定額が合計869億円に

大和住銀投信投資顧問が24日に設定した「グローバルEV関連株ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:EV革命>」(22312181)が773億円の当初設定額を集めた。今年に入って設定された国内公募の株式投資信託(ETFを除く)では最大で、昨年来でも3番目の大型設定となった。為替ヘッジありのコース(22311181)の95億円と合わせると、869億円の資金を集めた。 投資対象は日本を含む世界の電気自動車(EV)関連企業の株式。大和証券のみで販売している。 昨年の当初設定額上位は、新興国や人工知能(AI)関連の株式に投資するファンドが多かった。今年はEVやモビリティ(移動)などに関連した新規設定が増えており、引き続きテーマを絞ったファンドに多くの資金が集まる傾向がある。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

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