会合直前に連日の利上げ牽制 トランプの北風、FRBの決断はいかに

トランプ大統領は18日にツイッターで、「Fedの人々が過ちを犯す前に、きょうのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙の社説を読むことを願っている。市場の流動性をさらに減らしてはならない。意味の無い数字で行くべきではない、幸運を祈る!」とつぶやいた。米連邦準備理事会(FRB)は利上げをやめるべきだと論じた18日付のWSJの社説を引用しながら、17日にツイッターでFRBの利上げをけん制したのに続き、18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にして再度利上げをけん制した格好だ。(片平正ニ) ■トランプ氏のツイッターはこちら ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

高値から2割下げでベア相場入り 米ラッセル2000が映す景気減速懸念

17日の米市場で中小型株の代表的な指数であるラッセル2000が3日続落した。終値は前週末から約2%安い1378.14となった。8月31日に付けた過去最高値からの下落率は20.8%となり、米市場で意識される「高値から20%下落でベア相場入り」として話題だ。 ■ラッセル2000とS&P500の相対比較チャート 米国の中小型株は年前半、通商摩擦を警戒したマネーによる内需株買いの恩恵を受けてきた。ラッセル2000もS&P500種株価指数に比べアウトパフォームしてきた。しかし、夏ごろから風向きが変わり一転して下落基調をたどっている。米市場では米連邦準備理事会(FRB)による利上げの影響に加え、米景気の減速を織り込んでいるといった指摘が出ている。米市場の投資家心理はダウ工業株30種平均の値幅を伴う下落以上に冷え込んでいそうだ。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

執拗な牽制球でも4度目利上げの決定打に 米新規失業保険が歴史的な低水準 

13日に米労働省が発表した8日までの週の新規失業保険申請件数は20万6000件と市場予想(22万7500件)を下回り、前週の23万3000件から大幅に減少した。これは、約49年ぶりの低水準となった9月15日までの週に迫る数字だ。18~19日開催のFOMCにおける利上げの決定打となる可能性がある。 一方、9月利上げの際には「20年中の打ち止め」も示唆されていた。失業保険申請件数の減少は限界的な水準まで来ており、もはや、さらなる労働需給のひっ迫は想定し難いところにまで達している。12月FOMCでも利上げ決定と同時に、先行きについてはハト派的な示唆があるというマーケットの見方が強化されそうだ。 トランプ大統領は13日にFOXニュースのインタビューで、米連邦準備理事会(FRB)に対して「さらに利上げを行うつもりはないだろう」と述べて19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に追加利上げをけん制していた。CMEグループのFedウォッチツールによれば12月FOMCでの25bp利上げの織り込み度は80.1%となり、前日(77.5%)から上昇。特にトランプ氏の発言を警戒する様子はみられず、強いイニシャルクレームを受けて利上げ織り込み度は8割台を回復した。ゴールドマンは「改善は地理的に地方にも広がっており、ペンシルベニア、カリフォルニア、テキサス、ジョージア、イリノイ、ニューヨーク、オレゴン州と広範にわたった。11月のレイオフ活動の活発化が逆転(リバーサル)している可能性がある」と好評価していた。 トランプ大統領は11月末にワシントンポスト(WP)紙のインタビューでパウエル氏をFRB議長に選んだことについて「全く満足していない」と批判していた経緯がある。足元でFRB幹部からハト派的な発言が相次いだが、トランプ氏のけん制発言が相次いだとはいえ、さすがに12月FOMCで利上げを見送ることは無さそう。19日のFOMCを控え、市場は来年の利上げ回数を示唆するドットチャートや中立金利を示すロンガーラン、そして利上げペースを鈍らせるかのような声明文の変化があるのか注目している状況だ。(丹下智博、片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ダウ800㌦安の引き金引いた1枚のチャート 逆イールドは後退の前兆

4日の米市場でダウ工業株30種平均は大幅反落した。下げ幅は799㌦に達し終値は2万5027㌦07セントとなった。この日の米株売りの引き金を引いた1つのチャートがある。米3年物および2年物と、5年物国債利回りとの逆転現象だ。 ■期間が長めの国債利回りが短めの国債の利回りを下回る「逆イールド」現象(QUICK FactSet Workstationより) 今年は2月と10月に米金利上昇によりボラティリティが急騰した場面があった。当時も株安となったが、今回は様相が違う。金利は低下しながらも「逆イールド」の発生が引き金になった。米金利がグローバルマーケットの大きな変動要因であることを改めて示した1日となった。 そもそも金利低下局面における逆イールドは「景気後退の前兆」と言われている。ただ、因果関係としては、「長短金利差が逆転するから景気が後退する」訳ではなく、「景気に悪影響を及ぼすほど、中央銀行が金融引き締めを行う」から金利差が逆転する点には注意が必要だ。 新債券王の異名をとるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は4日に米メディアに対して、米債券市場で逆イールドが進んでいることについて「経済が弱体化することを示すシグナルだと思う」と述べた。イールドカーブが全体的にフラット化していることについては「米連邦準備理事会(FRB)の利上げを自制させることを示している」とも指摘した。 CMEグループの「Fedウォッチツール」によれば、この日の2019年の利上げ織り込み度は大きく変化しなかったが、米債市場で逆イールドが進んだことを警戒する声が強まっている。ただ、直近ではパウエルFRB議長が11月28日の講演で、政策金利は「中立水準をわずかに下回る」との認識を示した。政策金利が景気をふかしも冷やしもしない中立金利を超える利上げを行わない限り、景気への影響は限定的だろう。 18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)における金利見通し(ドットチャート)が、従来の「中立超え」から切り下がるか注目される。(池谷信久、片平正二、岩切清司)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米長短金利差いよいよ15bp、11年5ヵ月ぶり低水準

3日の米国市場で10年物国債の利回りは2.972%と前週末比0.02ポイント低下した。目立ったのは取引終了にかけての金利低下だ。「プログラム取引が入っているとみられ、引けにかけてのショート・ポジションを手仕舞う動きが金利低下を加速させているようだ」(ストラテジスト)と指摘された。この結果、米10年金利と2年金利(2.819%、0.037%上昇)のスプレッドは15bpと、2007年7月以来、11年5カ月ぶりの水準まで縮小した。 ちなみに、3日のCMEフェドウォッチツールによると、2019年12月のFOMCまでの利上げ確率で最も大きいのは2回の38.7%。1回が25.9%、0回が3.8%で、2回以下の合計は67.5%となっている。2018年12月の利上げはほぼコンセンサスであり、2019年は1回しか利上げがない可能性が7割近くまで高まっている。(池谷信久、丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米成長2.5%、金利3.5%で利上げ4回 GSは来年もインフレ持続の見立て、ドル円は108円

ゴールドマン・サックスは16日付のレポートで米国経済と金利、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に関する見通しを公表した。米国の国内総生産(GDP)成長率は18年の2.9%から19年には2.5%へ鈍化すると想定。さらに20年には1.6%、21年には1.5%を見込んでいる。 一方で米10年物国債利回りについては19年後半にピークの水準として3.5%を付けると予想。その後、20年には3.3%へ低下する展開だという。GDP成長率が鈍化するにもかかわらず長期金利が上昇するのは、インフレ率の上昇が持続するとの見方があるためだ。FRBが政策を運営する上で重視する指標であるPCE(個人消費支出)のコアデフレーターは今後2年間、2.2%で推移するといい、FRBも19年は4回の利上げを実施すると見込んでいる。 為替相場についてはドルが弱含むとしている。対円では12カ月後の予想水準を1ドル=108円とした。対ユーロでは1ユーロ=1.20ドル。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

クラリダ発言、12月利上げ観測にクギ ドル高も一服

先週末16日の米国市場でドル指数(DXY)が大幅反落し、0.70%安の96.43で終えた。7日以来の安値水準に下げたことになる。 この日に米連邦準備理事会(FRB)のリチャード・クラリダ副議長が米経済専門チャンネルのCNBCに出演し、「フェデラルファンド(FF)金利は中立水準に近づきつつある。さらなる利上げに関しては経済指標次第にすべきだ」との見解を示したことで追加利上げ観測が後退。CMEグループのFedウォッチツールで12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp利上げの織り込み度は65.4%となり、前日(68.9%)から低下した。米債は5日続伸して長期金利は低下し、ドル指数と金利が共に低下する流れが強まった。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米、12月の利上げ確率75%に 長期金利3.2%台、構造的な需給悪化も

6日に投開票が行われた米中間選挙は、上院で共和党、下院で民主党が過半数を取る「ねじれ状態」となった。米10年債利回りは3.25%に迫る場面もあったが、その後は3.2%台前半を中心に推移。CMEグループが提供するFedウォッチツールで12月のFOMCでの利上げ確率は75.0%となり、前日(71.7%)から上昇した。 米長期金利が高止まりしている背景の一つとして、債券需給の悪化が考えられる。 2017年秋以降、FRBによる保有国債の圧縮(左グラフ、青網掛け)に合わせる形で米長期金利(同、チャート赤)は上昇している。トランプ政権は財政拡張的な政策を行っており財政赤字は拡大しているが、米国債を保有する海外投資家で最大の中国(右グラフ、チャート緑)、2位の日本(同、チャート青)とも、投資額を減らしている。需給面から金利上昇圧力がかかりやすい状況は続きそうだ。(池谷信久)    ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「America Omedeto Again!」 株最高値、雇用も景況感も翳りなし?

20日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が3日続伸。前日比251ドル22セント(1.0%)高の2万6656ドル98セントで終え、1月下旬以来およそ8カ月ぶりに過去最高値を更新した。S&P500種株価指数も3日続伸。前日比22.80ポイント高の2930.75ポイントと、8月下旬に付けた最高値を更新した。トランプ大統領はツイッターで、「S&P500が史上最高値を付けた、アメリカおめでとう!」とつぶやいた。 米国市場では貿易紛争懸念が和らぐ中、中間選挙を前に株高が進んでいることから、トランプ氏としては経済政策の実績が出ていることを誇らしく思っているもようだ。 株高の根底にあるのは米国経済の好調さだ。この日発表された、週間の新規失業保険申請件数は20万1000件と、1969年11月以来ほぼ49年ぶりの低水準。9月のフィラデルフィア連銀の製造業景況指数も22.9と前月の11.9から大幅に上昇し市場予想を上回った。   一時マイナス20台まで低下していた、シティグループが算出するエコノミック・サプライズ指数は回復傾向にある。BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率、債券市場が織り込む期待インフレ率)も5月以来の水準まで上昇している。(池谷信久、岩切清司) ■トランプ氏のツイッターはこちら■   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

近づく逆イールド、米企業債務9兆ドルの重さ

米国の長期と短期の金利差が急速に縮まり、世界中の投資家が注目している。短期金利が長期金利を上回る「逆イールド」になれば、米景気後退の予兆となるからだ。こうした見方に疑問を投げかけるエコノミストもいるが、過去の実例は多い。気掛かりなのは膨らんだ米企業の借金への影響だ。 米連邦準備理事会(FRB)のデータによれば、10年物国債と2年物国債の利回り差であるイールド・スプレッドは24日に0.19%まで縮小した。このまま8月が終われば、月末時点での水準としては逆イールドが起きた07年以来の小ささとなる。 一般的に逆イールドは、中央銀行の利上げが行きすぎて将来、景気が悪くなると投資家がみている証拠だと受け止められる。実際、1980年代以降、5回あった米国の景気後退局面では平均して約21カ月前に逆イールドが起きている。 逆イールド発生の原因の一つはカネ余りとそれに伴う年金など機関投資家の運用競争の激化だ。少しでも利回りを稼ぐため、長期債にマネーが殺到し、長期金利を押し下げるという経路が考えられる。 債券の需給が原因なら、「景気後退を過度に不安視する必要はないのではないか」という見方も成り立つ。だが、事はそれほど単純ではない。 逆イールドは短期で資金調達し、長期で貸し出す銀行ビジネスのうまみを奪う。利幅が薄れた金融機関はハイリスク・ハイリターン運用に走ったり、それが難しくなると貸し出しを渋ったりするようになる。 そこでポイントとなるのが企業の債務残高だ。FRBによれば民間企業(金融を除く)の債務残高(社債と借り入れの合計)は3月末時点で9兆ドル。名目国内総生産(GDP)に対する債務残高比率は45%を超え、09年以来の高水準となっている。 この比率は1980年代半ば以降、30%台後半を谷、40%台半ばを山として上下動を繰り返す傾向がある。山から山までの期間は10年前後だ。今回、問題なのは信用拡大のピークと逆イールドとが重なる可能性が高い点にある。似たようなケースは80年代後半や2000年前後にもあった。 「大型減税による現金ポジションの改善やまだ低い金利環境のおかげで、米国企業の返済能力は高まっている。このため債務残高は当面は管理可能」(三井住友アセットマネジメントの猿渡英明シニアエコノミスト)との声はある。 減税が長短金利差縮小の一因という見方もある。野村総研の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「赤字が膨らむ財政資金を手当てするための米財務省証券(TB)の大量発行が短期金利を押し上げている面がある」とみる。構造的に長短金利差が広がりにくくなっているとすれば、事態は深刻だ。 米企業の収益力は、ドルの行方によっても左右される。26通貨を対象としたドルの総合的な実力を示す名目実効レート(FRB算出)は17日時点で前年比の上昇率が5%を超えている。ドル高はじわじわと企業収益を圧迫する可能性が高い。フィラデルフィア連銀が16日発表した8月の製造業景況指数も21カ月ぶりの水準に落ち込んだ。製造業の業況に陰りがみえるのも懸念だ。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 永井洋一】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

「嬉しくない」で金利もドルも⤵ T砲介入、夏バテも夏休みもなし

20日の米国市場でドル指数(DXY)は4日続落し、0.38%安の95.77で終えた。トランプ大統領が17日にニューヨーク州で行われた資金集めのイベントで、「共和党支持者向けに米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が低金利政策をとると見込んでいたが、逆に金利を引き上げていると不満を漏らした」(ブルームバーグ)などと報じられたことでドル安が進んだ。 この日はロイターもトランプ氏とのインタビューで「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」と伝えた。さらにトランプ氏は「中国は為替を操作していると思っている。ユーロもまた、操作されていると思う」と述べ、貿易紛争懸念が残る状況下、FRBの利上げを受けてドル高が進む中で人民元やユーロが下落基調にあることに不満を示した。珍しく、日本や円についての言及はなかった。 今週、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれるカンザスシティ地区連銀主催の金融シンポジウムでパウエル議長の講演を控える中、トランプ氏から利上げをけん制するかのような見解が相次いだことになる。トランプ氏は7月19日にCNBCのインタビューで利上げに関して「私は嬉しくない」と述べていた経緯がある。 20日はトランプ氏の利上げけん制発言を受けて、米10年債が買われる展開となった(金利は低下)。米10年金利は2.81%台へ低下し、7月上旬以来の水準。ドル指数と米長期金利は8月に入ってから正相関の関係を強め、ドル安・金利安の流れが強まっている。(片平正ニ、池谷信久)    <ドル指数(緑・左)と米10年債利回り(白・右)の年初来チャート> (注)QUICK FactSet Workstationより作成 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。    

強い物価基調は変わらず 米CPI、6年4カ月ぶり上昇率【US Dashboard】

12日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で2.9%上昇し、2012年2月以来6年4カ月ぶりの大きな伸びとなった。食品とエネルギーを除いたコア指数は2.3%で、17年1月以来の高さだった。 11日発表の6月の米卸売物価指数(PPI)も前年同月比で2011年11月以来の伸びを記録するなど、物価の上昇基調は続いており、連邦準備理事会(FRB)は緩やかな利上げを継続するとみられている。 CMEのFedWatchツールによると、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は87%、12月までに2回以上利上げする確率は56%程度になっている。(池谷信久 ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

貿易戦争に一喜一憂 誘惑の成長株か妙味の割安株か

リスクオンとリスクオフが、いつ交互に反転してもおかしくない地合いだ。 10日の米株式相場は4日続伸して終えた。この間の上げ幅は744㌦に達し投資家心理の改善が続いている様子が鮮明になった。しかし、一部で米国が対中の関税リストを公表すると伝わり、東京時間11日早朝はリスクオフに冷や水が浴びせられた格好。米長期金利がやや低下すると、円相場は1㌦=111円25銭あたりから110円85銭前後まで買われた。市場は貿易戦争を忘れることなどできない。 マーケットを取り巻く環境が不透明感を強める中で、株式市場では1つの傾向がはっきりしている。それは成長株すなわちグロース株の優位性だ。MSCIの世界株でグロース株指数(青)とバリュー株指数(赤)を指数化したチャート(昨年末を=100)を見てほしい。 ※QUICK FactSet Workstationで作成 2月上旬のボラティリティ急騰を受けた反落相場から、バリュー株に比べてグロース株の戻りが圧倒的に強い。すでに年初来高値に迫っている。対照的にバリュー株は低迷が続いている。 これは東京市場でも同じ傾向が出ている。TOPIXのグロース指数とバリュー指数を指数化しても上記のMSCIと似た構図になる。もちろん、米株も同様。世界的にグロース株が選好されている。 クレディスイスは10日付のレポートで、米グロース株買いを推奨する半面、中小型株の評価を引き下げた。カギは相場循環をどうとらえるかにあるようだ。グロース株がバリュー株より優位になるのは、上昇相場の後期に見られるというのが一般的な解釈。景気減速や後退が意識され、長期金利が上がりにくくなればグロース株に有利に働くという。 確かに6月の米雇用統計が想定以上の内容だったにもかかわらず、米長期金利の上昇は限られた。金融政策の正常化を進める米連邦準備理事会(FRB)だが、は利上げの最終局面が見渡せる状況になってきた。米金利が上がらないのも無理はない。 もちろん、攻守が逆転する可能性はある。ゴールドマン・サックス証券では日本株の下期相場を展望するにあたり、成長性が比較的高いバリュー株に投資妙味があるとしている。 「秋には相場が上昇基調に復帰することを前提に、 (1)グロース株のバリュエーションがROEの優位性低下にもかかわらず高止まりしている、(2)コモディティ価格と賃金の上昇によりインフレ圧力が高まっている、(3)金利が正常化に向かっている、(4)バリュー株は世界経済の成長に対する感応度が高い、(5)コーポレートガバナンス改革により「隠れた価値」が解き放たれる可能性がある――との理由から、バリュー株のパフォーマンス好転を予想している。グロース株はバリュー株に対するROEの優位性が低下しているにもかかわらず、プレミアムのバリュエーションが持続しており、今後グロース株のバリュエーションには下押し圧力がかかりやすくなると考えられる」(6月22日付ゴールドマン・サックス証券『秋の収穫を待つ:下期の相場見通し』より) 悩ましいところだが、グロース株の魅力は依然として強そうだ。運用の主軸に置きつつも、バリュー株にも目配りする局面かもしれない。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

一抜け、二抜け、そして迷路に取り残される日銀 

欧州中央銀行(ECB)が量的緩和政策を年内に終了することを決めた。9月末までは月300億ユーロ(約4兆円)のペースで購入している資産買い入れを、10月以降は月150億ユーロに半減、年末で打ち切る。2017年9月、米連邦準備理事会(FRB)は量的緩和策の完全終了と米国債などの保有量を同年10月以降段階的に減らすことを決定している。FRBに続きEBCも量的緩和という非伝統的金融政策からの出口を明言し、金融正常化へ向う。 主要三極(日米欧)の中央銀行のバランスシート全体の規模としては、これまでFRBの縮小を日銀とECBの拡大が補ってきたことがチャートからみてとれる。しかし、10月以降、そして12月を過ぎると、その役割を担うのは日銀だけということになる。その日銀もじわりと国債買い入れペースを減速させている。ECBの金融政策を過少評価してはならないとシートベルトを締めておく必要がありそうだ。(丹下智博) (チャートはQUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

FEDが25bp利上げの「先」に見ている景色 きょうからFOMC

歴史的な米朝会談の後、市場関係者の視線は相次ぐ中央銀行関連のイベントに集中。まず米連邦準備理事会(FRB)が12~13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。市場では25bpの追加利上げがコンセンサスとなっており、声明文や併せて公表される四半期経済見通し(SEP)のドットプロットなどに関心が高い。 JPモルガンは7日付のリポートで、「2018年のFF金利予想のドット・プロットで、(利上げ回数の)中央値が年3回が4回に増える可能性はまだありそうだ」と指摘した。中央値が上昇するには3月FOMC時点で年3回を見込んでいた6人のうち、少なくとも1人が4回にならなければならない。その6名について、JPモルガンはボスティック氏、ハーカー氏、カプラン氏、エバンズ氏、ブレイナード氏、そしてパウエル議長かバーキン氏だろうと予想しながら、「5月の米雇用統計後に公式な発言はないが、ボスティック氏とエバンズ氏は利上げを急ぐ必要はないとしつつ、ハーカーとカプラン氏は中立に行こう、そしてブラブラしようと言っていた。その一方、ブレイナード氏は最近最もタカ派的になった」と指摘。ハト派とみられるメンバーがややタカ派に転じても不思議はないとしつつ、「パウエル議長が失業率の改善を踏まえて他のスタッフ同様に見通しを変えれば追加利上げ派が増えるだろう」と指摘した。 なお、会合後のパウエル議長の記者会見に関しては「3月会合の最初の記者会見を踏まえると、貴重なメッセージが出ることは無さそうだ」とノーサプライズを見込んだ。 ゴールドマン・サックスは8日付のリポートで、「FOMCメンバーの構成に変化はないが、ドットプロットはタカ派的な予測変更が見込まれる」と指摘。ドットの中央値が示す2018年の利上げ回数は3月時の3回から、今回は4回に増えることになりそうだとしつつ、「2019年の予測中央値も25bp引き上げられると予想され、2019年の利上げ回数が3回、2020年に1回の追加利上げとの見通しと一致する」と指摘。結局、2018年に4回、2019年に3回、2020年に1回となる見込みだといい、「雇用の大幅なオーバーシュートを示すエビデンスが次々と出る状況に対する自然な反応と言えるだろう」とみていた。SEPのドットプロットは本来、金融政策の方向性を示すフォワードガイダンスの役割を果たすものではないが、FRBが追加利上げに強くコミットしたと市場が受け止めれば、初動はドル高・債券安・株安となる恐れがありそう。 なお、ナットウエストは4日付のリポートで「FRBが何回利上げするかより、最終的に金利がどの程度上昇するかの方が重要だ。言い換えれば、政策が中立的な水準に達すると、FRBは引き続き利上げをするだろうか? 現時点では、意味のあるインフレ率のオーバー・シュートが起こるとは予測しておらず、FRBが長期の政策金利見通し(ロンガーラン)を上回る利上げをする必要がある理由は見られない」と指摘した。長期的な見通しでは、年間の利上げ回数より、FRBが考えるロンガーランがどの水準まで引き上げられるのかが重要かも知れない。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています   

強弱まちまち米雇用統計、金融政策に大きな影響なしとの見方

市場の関心事だった4日発表の4月米雇用統計は、ややマチマチ感があるものだった。非農業部門の新規雇用者数(NFP)は前月比16万4000人増となり、市場予想(19万2000人増、QUICK FactSet Workstation)を下回った。平均時給も前月比+0.1%にとどまって市場予想(+0.2%)を下回ったが、失業率は3.9%で17年4カ月ぶりの低水準に改善した。 4日にCMEグループのFedウォッチツールで6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp利上げの織り込み度は100%となり、前日と同じだった。9月FOMCまでに50bpの利上げが行われる確率は69.4%と前日(67.2%)からやや上昇した。 今回の雇用統計に対する各社の4日付リポートでの見解は下記の通り。平均時給の弱さが警戒される半面、FRBの金融政策に影響を与えるものではないとの指摘が出ていた。4日の為替市場でドル円は一時108円台半ばまでドル安・円高に振れたが、初動はドル売りとなったものの、FRBの利上げシナリオの見方が大きく変わらなければドル高基調が再開しそう。米商品先物取引委員会(CFTC)の投機筋の円ポジションは1日時点で5週ぶりに円ショートに転じ、ドル買い・円売りの流れが再開していることを示していた。 ●ゴールドマン・サックス 「今回の雇用統計からは、労働市場が改善を続けているトレンドについて変化が起きたとは示されていない。6月FOMCでの利上げ確率を従来の90%から95%に引き上げる」 「前回の雇用統計からは他のビジネス調査と同様、労働市場の成長が減速していることが示されているが、失業率の緩やかな低下を促す労働の増加は続いている」 ●JPモルガン 「賃金上昇率と労働市場のゆるみ(スラック)が市場では議論の鍵となっているが、前回の雇用統計からは変化がうかがえなかった」 「臨時雇用者がさらに増加すれば、賃金上昇率に上昇余地が増えるだろう」 ●ノムラ・セキュリティーズ 「4月雇用統計では雇用者数の安定した増加と失業率の低下が示された一方、平均時給が弱かったのがサプライズだった」 「3月分の平均時給は+0.2%から+0.1%に下方修正され、この結果、前年同月比では+2.7%から+2.6%に伸び率が鈍化した。平均時給に基づけば、2016年以降の賃金成長は平均で前年同月比で+2.6%成長で止まっている」 (片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

相場格言に反して5月は4年連続で上昇 さて今年は……

きょうから名実ともに5月相場入り。相場格言で「5月に株を売ってどっか行け、9月に戻ってくることを忘れるな」とあるとおり、5~9月は相場が弱いイメージがある。しかし5月相場を振り替えると、日経先物は2014年以降、4年連続で上昇。2015年には月間で5.38%高となった。 2013年5月に米連邦準備理事会(FRB)の早期金融引き締めが警戒され、いわゆるテーパータントラムが起きたことが近年印象深いが、2012年(10.21%安)となったのも除けば5月だからといって特別弱いということはない。米決算シーズンが好調で、国内企業の決算発表もこれから本格化する中、1株当たり利益(EPS)の上昇に伴うバリュエーション改善、自社株買い・増配などの株主還元策に期待が高まりそうだ。一方で気になるのは、日経平均株価を株価収益率(PER)で割って算出したEPSが2月以降は1700円を挟んで高止まりしたままで、史上最高値圏にある割には一段と増加していない現状である。ドル円が109円台を維持してガイダンス・リスクは和らいでいるが、決算シーズンにも関わらずEPSの伸びが鈍化するようだと業績相場への移行は難しくなりそう。 外部環境としてはドル指数(DXY)が30日に91.82と1月11日以来、約3カ月ぶりのドル高水準を回復してきたことは好材料。対ユーロでドル高基調が強まっており、ドル円も110円の大台回復が視野に入っている。2月以降の世界同時株安局面では、米長期金利上昇に端を発して恐怖指数のVIXが上昇して荒っぽい展開になったが、VIXも落ち着く中、足元で素直に米金利高がドル高に繋がっている。市場が平穏な中、昨年夏のリバウンド局面のようにドル高・日経平均高の流れが強まれば、米株に比べて出遅れ感があった日本株に見直し買いが入る流れが続きそうだ。 【ドル指数(DXY)と共に日経平均株価が強い流れ】 (注)QUICK FactSet Workstationより作成 日経先物をテクニカルで見ると、27日は下ヒゲの長い小陽線引け。いわゆる「カラカサ」で高値圏に出現した場合は上げ一服を示すものとなっている。2万2510円まで上昇して高値引けとなり、2月27日の戻り高値に面合わせしたことで中期のダブル・トップを形成したように見えるが、一目の雲の上限を抜けたことで強気地合いが続くと期待したい。目先の上値メドは年初来高値(2万4140円)からの下げ幅の61.8%戻しにあたる2万2615円があげられる。下げた場合は4月19日高値(2万2360円)、雲の上限(2万2145円)がサポートになりそうだ。なお東京運命学院の気学運勢暦によれば、きょうは「下げ続けてきた時は小底入れとなる日」とある。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

新FRB副議長は中立的? 米大統領がコロンビア大教授を指名

トランプ米大統領は16日、米連邦準備理事会(FRB)で金融政策を担当する副議長にコロンビア大学のリチャード・クラリダ教授を指名したと発表した。同氏の名前は昨年後半から浮上しては消えていた。BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン氏は16日付の顧客向けレポートで「過去の著書を紐解けば、単なる経済モデルを追及するタイプではなく政策面の実用性に重きを置いているのが理解できる。これを前提に考えれば、同氏の副議長就任はFRBの金融性に中立性をもたらす可能性がある」との見方を示した。 ひとまず市場の思惑を過度に煽る人事ではなさそうだ。クラリダ氏は議会上院の承認を得たうえで就任する。 (岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

人気記事ランキング

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

PAGE TOP