米長短金利差11年ぶり低水準 2-10年で20bp割れ視野

23日の米債市場で2年債と10年債の利回りスプレッドが縮小した。QUICK FactSet Workstationによれば2-10年スプレッドは21.85bpとなり、前日(22.12bp)から縮小。2007年7月以来、約11年ぶりの低水準を付けて20bp割れが視野に入った。 米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が24日に米ワイオミング州ジャクソンホールで講演を行うのを前に、フラットニングの流れが続いた格好。政策金利との連動性が高い2年債利回りが高止まりする一方、この日は米中の貿易紛争懸念から10年債は横ばいだった。S&P500が史上最高値圏にある一方、長短金利差が縮小している状況からは景気鈍化リスクが示されている。(片平正ニ)   米2-10年債の利回りスプレッド(15年チャート) (QUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

最長ブル相場vsドル安・金利低下 経済指標の下振れ続く米国の強弱感

「株式市場の歴史において最長のブル相場となった。アメリカおめでとう!」。こうツイートしたトランプ大統領はいつも以上にドヤ顔だったに違いない。これまでのS&P500の長期上昇相場は1990~2000年の3452日間。09年3月9日から続いたブル相場は22日で3453日となり、史上最長を更新した。 その一方で、この日の米国市場でドルの総合的な強さを示すドル指数(DXY)は5日続落し、0.13%安の95.09で終えた。一時は95の節目を割り込み、今月2日以来、半月ぶりの安値水準となった。 米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(7月31日~8月1日開催分、ミニッツ)が公表され、その中で「利上げに向けて間もなくさらなる措置を取ることが適切になるだろう」との見解が示される一方、「貿易紛争によって経済成長に影響が出かねない」「広範囲の関税策によって家計の購買力が減る恐れがある」などとの意見もみられ、FOMCミニッツの発表後にNYダウやドル指数が軟調になる場面があった。 CMEグループのFedウォッチツールによれば9月FOMCでの利上げ織り込み度は96.0%となり、前日(93.6%)からやや上昇。米債市場では10年債が買われ、長期金利は2.819%と前日比0.011低下した。 ★ドル指数(緑・左)と米10年債利回り(白・右)の年初来チャート (QUICK FactSet Workstationより) 米経済指標の下振れが続くのも気になるところ。22日に発表された7月の中古住宅販売件数は534万戸(季節調整済み年率換算)となり、16年2月以来、2年5カ月ぶりの水準に減少した。減少は4カ月連続で、QUICK FactSet Workstationの市場予想540万5000戸も下回った。 市場予想との乖離の度合いを示すシティーグループのエコノミック・サプライズ指数はマイナス幅を拡大している。経済指標でポジティブサプライズよりもネガティブサプライズが増えていることも、長期金利が上がりにくい要因になっている。(片平正ニ、池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米中貿易問題が重い銅と大豆、銅と大豆で重たい米長期金利

国際商品の総合的な値動きを示すロイター・コアコモディティーCRB指数(グラフ赤)が、今月15日におよそ8カ月ぶりの低水準を付けるなど下落基調が続いている。 米中貿易摩擦への警戒感が高まった6月以降、商品市況の中でも特に下げが目立つのが銅(点線グラフ緑)と大豆(点線グラフ黒)だ。幅広い分野に使われる銅は景気の先行指標と言われ、主要需要国である中国の景気悪化が懸念されている。中国は米産大豆の6割を輸入しており、7月にはその米国産の大豆に25%の追加関税をかけた。 賃金上昇が加速しない状況では、インフレ期待は商品市況次第の面があり、米長期金利(グラフ青)とCRB指数の連動性は高い。米長期金利が再び3%台に向けて上昇するには、米中貿易問題が収束に向かい、商品市況が回復する必要があるとの見方ができる。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ブラジルレアルも下げ止まらず 10月の大統領選へ不透明感

ブラジルレアルが続落している。21日は1レアル=27.19円(前日比53銭マイナス)とレアル安・円高で取引を終了。対円で年初からの下落率は2割にのぼり、トルコリラやアルゼンチンペソなどに次ぐ落ち込みだ。 10月の大統領選をめぐる世論調査では、禁固刑で収監中のルラ元大統領がトップとなったと報じられている。しかし、同氏の立候補が認められない場合は後継のアダジ氏が代理となるとの見方が大勢だが、同氏の支持率は高くない。 世論調査での2位は元軍人で右派のボルイソナロ下院議員だが、長く左派色の濃かったブラジルが右傾化することをマーケットは懸念しているようだ。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

3452日の歴史、3451日の現実 S&P500にみる長期ブル相場の有効期限

20日の米国市場でS&P500種株価指数は一時2859.76まで上昇し、1月に付けたザラ場・終値ベースの史上最高値(2872.87)にあと13.11ポイント(0.4%)に迫った。先行き不透明が出ている割に強い地合いが続いている。 エバコアISIによれば前回のS&P500の長期上昇相場は1990~2000年に3452日続いたという。今回は3451日。2000年3月にS&P500がピークを打った際にFF金利は6.00%、10年債利回りは6.19%、株価収益率(PER)は31倍だったといい、ITバブル当時と現在を比較する事には違和感もあるが、その後、2001年3月に米国はリセッションを迎えた。長期ブル相場の最終局面が近いのだろうか。 ちなみにノムラ・セキュリティーズは19日付で「米国:追加関税による不確実性を我々の予想に組み込む」と題するリポートを公表し、2018年・19年の米国内総生産(GDP)予想をやや引き下げていた。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「嬉しくない」で金利もドルも⤵ T砲介入、夏バテも夏休みもなし

20日の米国市場でドル指数(DXY)は4日続落し、0.38%安の95.77で終えた。トランプ大統領が17日にニューヨーク州で行われた資金集めのイベントで、「共和党支持者向けに米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が低金利政策をとると見込んでいたが、逆に金利を引き上げていると不満を漏らした」(ブルームバーグ)などと報じられたことでドル安が進んだ。 この日はロイターもトランプ氏とのインタビューで「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」と伝えた。さらにトランプ氏は「中国は為替を操作していると思っている。ユーロもまた、操作されていると思う」と述べ、貿易紛争懸念が残る状況下、FRBの利上げを受けてドル高が進む中で人民元やユーロが下落基調にあることに不満を示した。珍しく、日本や円についての言及はなかった。 今週、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれるカンザスシティ地区連銀主催の金融シンポジウムでパウエル議長の講演を控える中、トランプ氏から利上げをけん制するかのような見解が相次いだことになる。トランプ氏は7月19日にCNBCのインタビューで利上げに関して「私は嬉しくない」と述べていた経緯がある。 20日はトランプ氏の利上げけん制発言を受けて、米10年債が買われる展開となった(金利は低下)。米10年金利は2.81%台へ低下し、7月上旬以来の水準。ドル指数と米長期金利は8月に入ってから正相関の関係を強め、ドル安・金利安の流れが強まっている。(片平正ニ、池谷信久)    <ドル指数(緑・左)と米10年債利回り(白・右)の年初来チャート> (注)QUICK FactSet Workstationより作成 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。    

投機筋ついにユーロ売り越し トルコ余波、半端ないドル一強

米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(14日時点)でユーロが1789枚のネットショートとなった。ユーロの投機ポジションがショートとなるのは2017年5月2日以来、1年3カ月ぶりのこと。トルコと米国の対立が激化したことで13日、トルコの通貨リラの対ドル相場が1ドル=7.2362リラに急落。史上最安値を更新するなか、ドル高・欧州通貨安の流れを受けてユーロ売りが活発化した格好だ。 豪銀大手オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は20日付のリポートで、CFTCの為替ポジションを踏まえて「レバレッジド・ファンドとアセット・マネジャーズらは2週続けてドルを買い越した」と指摘した。ドルの買い越し規模は前週比で5億ドル増の303億ドルに膨らんだといい、2015年11月以来の高水準に達したという。米中の貿易紛争懸念が残るなか、ドル指数が強含んでいることと整合的な動きとみられる。 なお、リポートでは「今週はFOMCの議事要旨のほか、ジャクソン・ホールでパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が週末に開かれるため、短期的なポジショニングを占う上で重要なものになるだろう」と指摘した。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

トップは働き過ぎと睡眠薬に要注意 テスラ騒ぎで見えた懸念と教訓

17日の米国市場で電気自動車(EV)大手のテスラが大幅に4日続落して8.92%安の305.50ドルで終えた。終値ベースの下落率としては2016年6月22日(10.45%)安以来、2年2カ月ぶりの大きさを記録した。 この日にNYタイムズ紙電子版がイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のインタビュー記事を掲載。その中で、マスク氏がEVのモデル3の量産にあたって苦しんでいる様を紹介したことが警戒された。マスク氏は「私のキャリアで困難な年だった、ひどく苦しかった」と近年のテスラの経営について心境を吐露。また記事では、マスク氏が睡眠薬のアンビエン(日本名・マイスリー)を服用していることに取締役会メンバーが懸念を抱いているとも報じていた。マスク氏は今月7日にツイッターで「非公開化を検討、資金は確保した」と投稿してレバレッジド・バイアウト(LBO)による非公開化を買付価格1株420ドルで行う方針を明らかにしていたが、市場では空売り投資家の踏み上げを図ったとみられていた。今回のNYTの記事を受けて、睡眠薬の副作用によって衝動的に行った可能性が市場で警戒された格好だ。 マスク氏は1週間に120時間働いているといい、今年夏に兄弟の結婚式に出席できなかったほか、誕生日をテスラのオフィスで過ごしたことも明らかにした。 なお、マスク氏は19日にツイッターで「フォードとテスラの2社は、米国の自動車メーカーで唯一破綻しなかった。私は工場から帰ったばかりだ。あなたはこれがオプションだと考えているが、それは違う」とつぶやいた。リベラル系ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」の創設者であるアリアナ・ハフィントン女史が公開書簡の形式で「親愛なるイーロン。あなたは人間のエネルギーを使う上で、ひどく時代遅れ、反科学的、ひどく非効率的な方法を実証しています」と批判的な記事を書いたことに対する返答だったが、相変わらずマスク氏は本業で忙しいもようだった。(片平正ニ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

ステルス減額?ただの微調整? ペースダウン、夏の本石砲に思惑

日銀のETF買い入れ(本石砲)が議論を呼んでいる。8月に入ってからETFの購入ペースが落ちているため、将来の購入減額に向けた布石としての「ステルステーパリング」の思惑がくすぶる。 7月末の日銀金融政策決定会合ではETF買い入れに関して「年間約6兆円」という金額を残しつつ、「市場の状況に応じて、上下に変動しうる」との注意書きを加えた。購入基準は非公表だが、今年1~7月までは午前中にTOPIXが0.4%以上下落した際には700億円強の買い入れを実施。8月は15日にTOPIXが0.43%安、16日には0.42%安で午前中を終えていたが、買いが見送られていた。 <7月以降、前場TOPIXが下落した日の日銀のETF買い入れ状況> 野村証券は16日付リポートでETF会に関して「ステルステーパリング発動?その可能性は極めて高い」とのリポートを公表した。リポート内ではETF買入減額は静かに開始されたと見るのが妥当であろうと指摘している。一方、東海東京調査センターの鈴木誠一氏は現状の発動条件は「現状、TOPIXの前場の下落率が0.50%に設定されている」と指摘する。そのうえで足元までにETFの買い入れ進捗ペースが6兆円を上回るペースだったためであり、「ステルステーパリングが進行していると考えるのは期待しすぎ」とする。 歴史を紐解けばTOPIXが前場に0.45%下げても買い入れを見送っていた日はある。2016年10月12日にはTOPIXが前場を0.45%安で終えていたがETF買いは実施されなかった。この時期に日銀のETF買い入れが過剰なペースだったと指摘されていた。足元も当時と状況は重なり、これまでの買い入れペースはイーブンレベルから1600億円ほど上回っている。鈴木氏はこうした状況からあくまで「マイナーチェンジ」と捉える。 いずれにせよ「まだ状況を見極めるべき時期だが、ある程度の基準で買い入れが実施される状況は変わっていない」(国内証券)との声がある。ETFが買い入れがある限り、一部銘柄の需給を引き締めるという見方もある。議論は尽きないが、足元のピースだけでステルステーパリングとの結論を導くのは早計といえる。(中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

FANGよりWANG 「W」はネットとリアルの融合効果が出始めたあの老舗

16日の米国株式市場でウォルマートが大幅反発。2月以来、半年ぶりの高値となる100ドルを突破する場面があった。終値は前日比9%高の98.64ドルだった。朝方発表した2018年5~7月期の決算で調整済み1株あたり利益が1.29ドルと、市場予想(QUICK・ファクトセット、1.22ドル)を上回った。 売上高は前年同期比3.8%増の1280億ドル(市場予想は1259億ドル)。来店者数が増えたことで食料品などの売り上げが好調となり、既存店売上高は4.5%増とここ10年あまりで最も増加率が大きかった。「対アマゾン」で力を入れているネット通販の伸びも貢献しているようだ。 著名コメンテーターのジム・クレーマー氏は16日の米経済専門チャンネルのCNBCで「FANGを見直し、ウォルマート、アップル、ネットフリックス、米検索大手グーグルの親会社であるアルファベットで構成される『WANG』という新しいグループを見るべき時かもしれない」と指摘した。 ※QUICK FactSet Workstationより FANGは言うまでもなくフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルといった主力ハイテク株のグループ。QUICK FactSet WorkstationでFANGとWANGを指数化したところ、16日時点でFANGは年初来で33.72%上昇しているが、7月25日をピークにして上値が重くなっている。一方、WANGは17.85%上昇し、ウォルマートの急騰を受けて年初来の高値を更新してきた。ウォルマートやアップルの一段高に期待を持つなら、WANGに上昇余地があるのかも知れない。(松下隆介、片平正ニ)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

テンセント・ショック、それでもアナリストは強気

中国のインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)の決算が15日の米市場を揺らした。2018年4~6月期決算で純利益が前年同期比2%減の178億6700万元(約2880億円)となった。四半期ベースの減益はおよそ13年ぶり。米国の店頭市場(ピンクシート)でテンセント株は6%超も下落した。 投資家が動揺したのは減益だけではない。主要項目がアナリスト予想に届かなかったことが大きい。 <テンセントの4~6月期決算>           実績      市場コンセンサス 売上高      736億7500万元  779億4600万元 ゲーム関連事業  420億6900万元    464億400万元 EPS                              1.87元                  1.97元 ※QUICK FactSet Workstationより   特に主力のゲーム関連では実績と市場予想のかい離率が9.3ポイントとなった。QUICK FactSet Workstationによると13年4~6月期以降で最大だ。急速な成長への期待感が今回の決算で一気に失望に転じた可能性が出てきた。米市場ではほかのネット関連株も軒並み売られただけに、余波がどこまで広がるのか注意が必要だ。   <ゲーム事業の売上実績に対する市場予想のかい離率の推移> ※QUICK FactSet Workstationより   しかし、テンセントの成長に対してアナリストはまだ希望を捨てていないようだ。主軸のゲーム関連事業が事前予想に届かなかったことを受け、各社の担当アナリストは一斉に目標株価の引き下げに動いたが、投資判断を「買い」で据え置くアナリストも目立つ。JPモルガンでは「今回の決算でゲーム関連が弱かったものの、引き続き力強い成長を続けると予想する」との見方を示しているようだ。    ※QUICK FactSet Workstationより 最近では8日に配信したオンラインゲーム「モンスターハンター:ワールド(モンハン)」が13日に当局の指導により配信停止に追い込まれた。懸念材料ではあるものの「年末までには解決されるのではないか。株価の急落場面は押し目買いの好機」(マッコーリー・キャピタル)との声もあった。(岩切清司 ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ドル高の圧力、トルコ一服でさらに 逆相関の金も1年半ぶり安値

14日のニューヨーク商品取引所(COMEX)で金先物相場は4営業日ぶりに小反発したが、1200ドルの節目を割り込む場面があった。一時、1198.6ドルをつけ、中心限月としては17年3月以来の安値となった。金価格(グラフ緑)はドルと逆相関の関係にある。ドルの総合的な強さを示すドル指数(DXY、グラフ青、逆目盛)は4日続伸し、前日比0.38%高の96.68と、17年6月以来の水準に上昇している。 この日の為替市場でトルコリラがドルに対して前日比で6%ほど上昇し、6.30リラ近辺までリラ高・ドル安となったことで世界同時株安が一服。リラに対してドル高が一服する一方、リスク・オンの展開で円安が進むなど、ドル高の流れが続いた。 米経済専門チャンネルのCNBCによればトルコリラは13日に1ドル=7.2362リラまで下げて史上最安値を更新した。8月に入ってから28%、年初来で40%下げていたせいか、自律反発の動きが出たもよう。13日にトルコ中銀がリラ防衛策を発表していたが、14日にはトルコの経済団体がエルドアン大統領に対して、通貨の安定のためには政策金利の引き上げが必要だと通貨防衛策の実施を要請した。英フィナンシャル・タイムズ紙電子版によればトルコの経済団体が政府に要請するのは珍しいといい、経済界の危機感がうかがわれた。 「トルコ情勢ばかりに焦点が当たりますが、結局はドル高進行の影響を見極める必要があるのではないでしょうか」――国内投信のストラテジストは金相場のチャートをにらみながらこう話す。 投資家は冷静にドルと金の逆相関をにらんでいる。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、投機筋による金先物の買い越し幅は7日時点で1万2688枚と4週連続で縮小し、2年8カ月ぶりの低水準となった。足元はトルコ・ショックと冠がつく状態でも積極的に買いが入る様子もみられていない。 金は発行体リスクがなく、無国籍通貨としての側面を持つ。それだけに世界の金融相場が荒れる現状でも冷静に売られる金相場動向からはマーケットがドルに対する信頼感を示している状況といえる。ドルと金の逆相関が崩れた時こそ「要警戒」というバロメーターとして見ても良い状況かもしれない。(池谷信久、片平正ニ、中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「盾突く国」を狙い撃ち 進むドル高、新興国通貨安もう一つの読み方 

13日にドル指数(DXY)が大幅に3日続伸し、1.19%高の96.31で終えた。一時は96.52まで上昇して2017年6月以来、1年2カ月ぶりの高値水準を回復した。この日の為替市場でトルコリラ(TRY)の急落を受けて南アランド(ZAR)など新興国通貨に売りが伝染(コンテージョン)する中、ドル高の流れが強まった。  QUICK FactSet WorkstationによればZARは1ドル=15.51ZARまでドル高ZAR安が進み、前日比で10%超急落して2年ぶりの安値水準を付ける場面があった。アルゼンチンペソ(ARS)は1ドル=30ARSの大台を突破して史上最安値を更新。アルゼンチン中銀がこの日、政策金利を500bp引き上げて年45%にする5月以来の緊急利上げを行ったことで終値では29ARS台でややペソ安が一服したが、トルコリラの急落を受けて新興国通貨が弱い流れが続いている。 QUICK FactSet Workstationで新興国通貨を指数化したところ、年初来の下落率が対ドルで最も大きかったのはTRY(グラフ赤)で181.34%。これにARS(グラフ青、160.92%)、ロシアルーブル(グラフ白、RUB、117.53%)、ブラジルレアル(グラフ濃緑、BRL、117.21%)などが続いている。   もっとも、コンテージョンとはいっても新興国通貨の売られ方には温度差がある。そもそも米国の利上げという逆風が吹き続けているし、トルコ問題に端を発して信用問題が他の新興国にも広がる可能性を論じるには無理がある。 新興国という角度より、米国と喧嘩しているかどうかがポイントと言える。ロシアのルーブルはトルコリラと似たようなチャートを描いている。また下落圧力が高まっているのは中国の人民元も同じ。外交面で米国から制裁を受けているか通商問題を抱えている点で共通している。市場は今、トランプ米大統領に盾突く国の通貨を狙い撃ちにしているとみた方がいいのではないか。(片平正ニ、岩切清司)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。   

トルコ危機どこまで延焼、ミセスワタナベ暑すぎる夏 

トルコリラ安を受けて外国為替市場では南アフリカランド、アルゼンチンペソなども売られ、アルゼンチン中央銀行は急きょ、政策金利を5%引き上げて火消しに走った。霧が晴れるまでは、売買を手控える投資家も多いだろう。ちょうど夏季休暇に入り国内外の機関投資家は積極的な売買をしにくいとみられ、商いも細りやすい。 こうした状況で頼みの綱となる個人マネーも、危うい。 トルコリラや南アランドは、外国為替証拠金取引(FX)投資家が大好きな通貨。高いスワップ金利収入が得られ、中長期の買い持ちの投資家が多いとみられる。くりっく365のデータによると、トルコリラ/円の7月末時点での建玉は31万枚で米ドル/円の54万枚に次ぐ大きさ。南アフリカランド/円も17万枚あった。株の投資家とFXの投資家は必ずしも重ならないが、今回の急落をきっかけに、痛手を被った投資家がいることは間違いないだろう。   (注)月末時点の建玉数量は、くりっく365のデータ QUICK資産運用研究所によると、トルコ関連の公募投信は、規模が小さいとはいえそれでも上位10銘柄で2000億円近い預かり資産残高があった。松井証券によると、信用買いを手掛ける個人の評価損益率は13日時点でマイナス13.171%。10日時点のマイナス11.17%から悪化して7月6日以来およそ1カ月ぶりの水準だ。こうした個人マネーの投資マインドの冷え込みが、相場の重荷になる可能性もある。 市場にはさほど悲観的な見方はない。これまでの新興国危機で引き金になったのは、たいていドルの流動性不足からくる、米国への資金の巻き戻し。SMBC日興証券によると、今回の騒動の発端となったトルコリラ安について「流動性が米国に吸い上げられているわけではなく、単にトルコの不適切な経済政策を嫌気してトルコ国外に逃げているに過ぎず、深刻度は低い」(13日付リポート)という。 実際、今回の問題のきっかけは、高いインフレ率にもかかわらず、トルコ中銀が政策金利を据え置いたこと。トルコ在住の米国人牧師の解放を巡ってトランプ米大統領がトルコからの鉄鋼輸入などについて関税を引き上げたことが背景だ。悪影響があるとしてもトルコ国内の経済に限った話。アルゼンチン中銀の利上げも、トルコリラのあおりを受けた対応に過ぎない。 トルコの経常赤字額は対GDP比で5%強と小さくない。インフレ率の急激な上昇も背景に、トルコリラは軟調な動きが続く可能性が高いとの見方が市場では多いが、日本企業の収益悪化やグローバルな信用リスクの高まりにつながる可能性は低いとみられる。(松下隆介)    ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。  

もはや「トルコ戦争」 跳ね上がるCDS、リラ急落に連動

週明けのアジア市場でトルコリラ売りが再開された。外国為替市場では一時、1リラ=15円台に突入。対ドルでは1ドル=7リラ台にまで下落した場面もあった。通貨の下落は次第にトルコの信用リスクへと形を変えつつある。 QUICK FactSet Workstationによると前週末時点のトルコの1年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は289にまで上昇。2月に50前後で推移していた水準と比べ5.8倍にも達する。国際金融システムに影響が波及するとの見方は乏しいものの、スペインといった一部の欧州金融機関については不安ももたげる。世界的に投資家心理の重荷となりそうだ。 12日付の英フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版は「エルドアン大統領がトルコ経済を落とそうとしている外国を攻撃しているが、通貨リラの下落を止める緊急計画の兆候は見られない」と報じた。エルドアン氏は10日付の米紙ニューヨーク・タイムズ電子版に「トルコはアメリカとの間の危機をどう見ているか」と題する論文を寄稿し、トランプ政権に対して同盟が危機に直面していると指摘したほか、「トルコは他の友好国、同盟国を模索する」として米国以外の国との連携を強化する方針を示唆していた。 FT紙によれば、エルドアン氏は12日に諸外国を批判。与党幹部との会合では「この嵐の原因は難だ?」と足元のリラ安について述べつつ、「経済的な理由はない、トルコ戦争だ」と指摘したとのこと。記事の中では市場関係者の見方として、リラは1ドル=10リラに向かうだろうと指摘していた。(岩切清司、片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

メルカリ「洗礼」 初の決算、株価10%安 市場が見つめる成長期

10日の株式市場でフリマアプリのメルカリ(4385)が急落した。一時は前日比11%安の4220円まで下げ、6月26日に付けた上場来安値(4165円)に接近する場面があった。その後も安値圏での推移が続いている。9日に上場後初となる2018年6月期の連結決算を発表。売上高は前の期比62%増の357億円と増収だった一方、最終損益は70億円の赤字(前の期は42億円の赤字)で、赤字幅が拡大した。米国市場での先行投資が響いたという。市場予想(QUICKコンセンサス、7社)は売上高が365億円、純損失は48億円だった。   モルガン・スタンレーMUFG証券は9日付リポートで「成長投資で大きく業績が変動するステージ。実績は問題視すべきではない」などと指摘。JPモルガン証券も「概ね想定線。悲観は不要」とするなど、強気なコメントが並ぶ。 ただ、主力の国内事業での取扱高を3カ月ごとに前年同期比でみると、直近では2016年7~9月期の87%増がピーク。そこから、ほぼ一貫して伸び率が鈍化している。加えて海外事業については「米国取扱高は前年から回復したものの水準は低く、本格化の期待は時期尚早」との見方もある。 ※メルカリの決算資料より   フリマアプリの先駆者メルカリだが、シェアリングエコノミーへの関心が高まる中、さまざまな企業が中古市場に参入している。楽天(4755)は、メルカリよりも安い手数料の「ラクマ」を運営。今後も新しいサービスがどんどん生まれ、競争環境がより厳しくなる可能性もある。 メルカリは、カテゴリーを増やすなどして国内事業の売り上げ拡大を狙うが、成長鈍化が意識されるようだと、期待値が高い分、反動も大きくなる可能性がある。市場では「今日の個人投資家の注文は55対45くらいの割合で買い越し基調です。機関投資家の売りが出ているのではないでしょうか。赤字というのはある程度分かっていた話ですが、売上高が市場予想の平均である365億円を下回った点が厳しいですね」(ネット証券)との声があった。(松下隆介、中山圭一)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。  

月末の「日銀トレード」、債券先物とTOPIX先物を大量に売った海外勢

9日に公表された8月第1週(7月30日~8月3日)の投資部門別売買動向は、30~31日に開かれた日銀の金融政策決定会合を織り込んだ需給の結果として読める。 海外投資家は長期国債先物を2兆2830億円売り越した。 この週は31日の決定会合で「政策修正」が決まり、長期金利が急上昇した時期にあたる。海外投資家は7月の最終週も1兆3850億円売り越しており、ポジションがショートに傾いている可能性がある。 市場からは「決定会合に向けて政策修正への思惑が高まり、実際に決まった週だ。海外勢が売るのは当然の動きだろう。ロングポジションを閉じたものもあれば、新たにショートしたものもあろう。足元、金利上昇は一服しており、ショートの買い戻しが入る可能性もある。ただ、現物債は『物がない』状態にあり、金利低下局面では日銀オペの減額が意識されよう。積極的には買えず、結果的に相場は膠着してしまうかもしれない」(ストラテジスト)との声が聞かれた。 一方、株式では海外勢は現物と先物の合計で3560億円の売り越しだった。売り越しは4週ぶり。内訳を見ると現物株は672億円の売り越しにとどまるが、先物の売り越しは2887億円にのぼった。先物の売り越しの中身は、日経平均先物が993億円に対しTOPIX先物が1895億円だった。TOPIX先物は日経先物の倍近い売り越しになっていたことになる。 決定会合では事前に金融政策の調整に踏み切るといった観測報道が先行。その中で上場投資信託(ETF)の購入についてはその比率を変更する可能性が伝わっていた。TOPIX型のウエートを高めて日経平均型を低めることが意識された。 だが、結果的に外国人はTOPIX先物を大きく売り越した。噂で買って事実で利食いを入れた典型的な短期トレードだった。(池谷信久、岩切清司 ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

20円・20%の攻防 強権と制裁のトルコ売り、どうにも止まらない

トルコリラが下落、最安値を更新している。対円でも19.93円をつけ、20円割れの攻防となっている。 トランプ政権による対トルコ制裁実施から1週間をすぎたものの、状況は打開できないままだ。金利は20%前後と日本では想像しがたい水準。牧師拘束問題をめぐって8日にはワシントンで米国とトルコの高官協議が開催されたものの、不調に終わったことで失望感が強まったようだ。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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