2017衆院選、希望の党は波乱を呼ぶか?

米国や英仏などと比較して政治が相対的に安定していた日本ですが、衆院の解散・総選挙により先行き不透明感が広がっています。毎月実施している「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券のプロに衆院選の行方を聞いたところ、与党勝利が大半を占める予想となり、政権交代は難しいとの見方です。調査期間は9月26~28日、回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者138人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 衆院選の結果予想は「与党勝利」が8割以上 9月28日、衆院は本会議で解散し、臨時閣議で10月10日公示、22日投開票の衆院選の日程を決定しました。野党第1党の民進党は、小池百合子東京都知事が代表を務める新党・希望の党との事実上の合流を決めるなど、選挙戦は波乱の様相を呈しています。 ただ、債券市場関係者は今回の選挙結果について「与党勝利」が83%と予想しており、自民・公明が引き続き政権を握るとの見方です。市場関係者からは「与党勝利を予想するが、投票率が上昇すると与党が劣勢になる可能性がある。与党が辛勝だった場合、安倍首相の求心力が低下し、金融政策や日銀総裁人事に影響を及ぼし、場合によっては、首相交代も意識される可能性がある」といった声が聞かれました。 総選挙の主要なテーマについても聞いたところ、「財政問題(消費税の使途変更・健全化目標先送り)」が47%と最も多くなりました。安倍首相は2019年10月の消費増税に伴い、増収分の使途の一部を借金返済から2兆円規模の子育て支援や教育無償化などに充てると提起しました。 一方、小池氏は消費増税の凍結を主張しているため、与野党どちらが勝ったとしても財政が悪化する点を債券関係者は問題視しているようです。 10年国債は「横ばい」、日経平均は「上昇」 さらに衆院選の結果を受けた金融市場の見通しについて質問したところ、10年国債利回りは「横ばい」が65%、日本国債の格付けは「据え置き」が80%で最も多くなりました。また、日経平均株価は「上昇」が50%、円・ドル相場は「横ばい」と「円安」の予想が拮抗する結果になりました。 市場では「与党が勝利することを予想しており、アベノミクス継続から金融政策の方針が変わることはないとみている。仮に与党が惨敗した場合でも、ポピュリストと目される小池氏が株安・円高につながる緩和縮小を推し進める可能性は低いとみており、結局のところ選挙の結果に関わらず金利は低位に推移することが考えられる」といった見方もあります。 債券価格変動要因は海外金利に注目が集まる 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.052%、3カ月後が0.062%、6カ月後が0.076%と、8月調査(0.029%、0.048%、0.067%)に比べていずれも上昇しました。今後6カ月程度で注目する債券価格変動要因で最も多かったのは「海外金利」が42%、次いで「短期金利/金融政策」が37%でした。 資産運用担当者66人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が前回より6ポイント低下の59%となった一方、「かなりアンダーウエート」が9%で5ポイント上昇しました。  

10月のECB理事会でユーロ高はどうなる?

  欧州中央銀行(ECB)による量的金融緩和縮小の観測から、主要通貨に対してユーロ独歩高が進んできました。こうしたなか、今後のユーロ相場を占ううえで重要なイベントといえば、10月のECB理事会でしょう。量的緩和に関する政策の行方やユーロ・円相場の見通しについて外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は9月11~14日、回答者数は74人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 年内のユーロ円は130~140円の見通し ECBのドラギ総裁は9月の理事会後の記者会見で量的緩和縮小について初期的な議論をしたと述べ、10月25~26日開催の次回会合で大筋を決定すると話しました。外国為替市場の担当者にECBは量的緩和について10月にどんな方向性を打ち出すか聞いたところ、「量的緩和の緩やかな縮小」が9割以上を占めました。   一方、ユーロについては19日、対円で1ユーロ=133円台半ばと2015年12月以来1年9か月ぶりの高値を付けました。対ドルでは1ユーロ=1.2ドル台を挟んだ水準で推移しています。ドラギ総裁は9月の理事会後にユーロ高を強くけん制したものの、影響は限定的です。ECBの量的緩和の縮小観測が広がる一方、足元では米国のハリケーンの被害拡大により米連邦準備理事会(FRB)が年内利上げに動きにくいとの見方や、北朝鮮問題への懸念がユーロ買いの背景にあります。 年内の円とドルの対ユーロ相場の見通しについて市場関係者に聞いたところ、ユーロ円相場については「130~140円」が5割を超え、次いで「130円前後」が38%でした。ユーロドルでは「1.20ドル前後」が36%と最も多く、次いで「1.15~1.20ドル」と「1.20~1.25ドル」が29%と意見が割れました。市場関係者からは「朝鮮半島情勢の緊張が続く中で、円買い、ドル売りが出やすい。地理的に遠く、ECBが政策正常化を模索しているユーロが消去法で買われやすい地合い」といった意見が聞かれました。   事業法人の前提為替レートは109円台後半 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは9月末の平均値で1ドル=109円93銭と、8月調査(110円69銭)から円高にシフト。3カ月後の11月末には110円33銭、6カ月後の2月末には111円48銭との予想です。今後6カ月程度を想定した注目の為替変動要因は、円が「政治/外交」、ドルとユーロが「金利/金融政策」でした。 ファンドの運用担当者に外貨建て資産の組入状況について聞いたところ、「ニュートラル」が前回の80%から73%に低下した一方、「アンダーウエート」が前回調査から9ポイント上昇の9%となりました。また、事業法人の業績予想の前提為替レートは平均値で1ドル=110円44銭、1ユーロ=119円93銭と現在の水準より円高予想のため、為替差益が生じる可能性もありそうです。

米バランスシート縮小でマネーの動きどう変わる?

米連邦準備理事会(FRB)は日欧に先駆け、19~20日に開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)でバランスシートの縮小を正式に決定し、金融政策の正常化に動くと見込まれています。そこで、今回は毎月実施している株式の市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」を通じて、FRBの政策転換と日米の株式相場や為替相場への影響などについて聞きました。調査期間は9月5日~7日で、証券会社および機関投資家の株式担当者156人が回答しました。   米株は約半数がボックス相場との予想 イエレンFRB議長は、量的緩和で4兆5000億ドルまで膨らんだバランスシートの正常化に年内にも乗り出す可能性を示唆しており、市場では9月のFOMCで資産縮小が発表されるとみられています。ただ、物価上昇の勢いが弱いため、追加利上げは来年以降に先延ばしする可能性もありそうです。 株式市場関係者に年末に向けた米国の株式相場の見通しについて聞いたところ、「現水準のボックス相場が続く」との回答が52%と半数以上を占め、次いで「上昇トレンドは変わらない」が28%でした。一方、「調整局面に入る」は15%、「下落トレンドに転換する」は3%にとどまり、悲観的な見方は相対的に少ないようです。 市場関係者からは、「FRBのテーパリング(量的緩和の縮小)については、市場ではほぼ織り込まれているとみられ、決定後もマーケットへの影響はほぼないものと考える」「金融政策正常化が緩やかなペースで進む中では、急激な米金利上昇は想定し難く、株にとってはポジティブな環境が継続するため、引き続きハイテク株が牽引役となって米国株は緩やかな上昇を続けると見込む」といった声が聞かれました。   FRBの政策転換などを受けて、年末に向けた円ドル相場の見通しについても聞いたところ、「1ドル=110円前後のボックス相場」が48%と半数近くを占め、次いで「1ドル=115円程度まで円安・ドル高が進む」が28%、「1ドル=105円程度まで円高・ドル安が進む」が15%となりました。 「米国の政策金利の長期均衡水準(3%)へむけた正常化の動きについては、すでに現在の長期金利に織り込まれており、今後利上げが進められる過程においても、米国の長期金利はレンジ圏の動きにとどまり、ドル円レートもこれ以上の円安圧力はかかりにくいとみている」(投信投資顧問)との見方もありました。 日本株相場は上昇トレンドとの予想が過半数を占める 次にFRBの政策転換と為替相場の影響を受けて、年末の国内の株式相場の行方について聞いてみました。最も多かった回答は「緩やかな上昇トレンドに入る」(47%)で、「明確な上昇トレンドに入る」(5%)と合わせると上昇基調との予想が過半数を占めました。市場関係者からは「米国の金融政策正常化は円安要因となり、日本株にはプラス要因。副産物となる日本の金利上昇は、かつては日本株にとってマイナス要因だったが、内部留保の蓄積が進みキャッシュリッチになった今ではむしろプラス。低利で調達した債務が含み益にすらなる」といった声が聞かれました。ただ、「現水準のボックス相場が続く」との回答も36%あり、見方は分かれているようです。 では、米欧の金融政策が正常化に向かう中で、日本の株式市場において魅力のある投資対象を聞いたところ、「バリュー株」「大型株」「外需株」「景気敏感株」というフレーズが浮かび上がりました。「金融緩和縮小の動きが続くのであれば、金利上昇圧力から、グロース、中小型となるが、すでに大幅に上昇し買い尽くされている感もある。米・中景気減速の兆しから引き締め一服のシナリオでバリュー、大型株が出直る環境になる可能性があると考えている」(証券会社)との声もありました。   9月末の日経平均予想は1万9514円と下方シフト 「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しについては、9月末の水準で1万9514円(平均値)の予想でした。前回調査(確報)の1万9976円から2カ月連続の下方シフトとなりました。11月末には1万9949円、18年2月末は2万0322円の見通しです。今後6カ月程度の株価の変動要因としては、「政治・外交」の注目度が高くなりました。北朝鮮問題やトランプ政権の行方が懸念されているのかもしれません。 国内の資産運用担当者57人を対象にセクター別の投資スタンスについて質問したところ、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのは「建設・不動産」、逆にアンダーウエートの比率が最も高くなったセクターは「公益」でした。    

債券のプロは米国債デフォルトの可能性についてどう見る?

トランプ政権が抱える問題は山積みです。3日には北朝鮮が6回目となる核実験を実施したほか、内政については足元で政府閉鎖と国債のデフォルト(債務不履行)懸念の財政問題が顕在化しています。  そこで毎月実施しているアンケート調査「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券市場担当者に米国債がデフォルトになる確率などについて聞きました。調査期間は8月29~31日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者138人です。  ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   米国債デフォルトの可能性は? 5日に再開予定の米議会の最優先課題は、29日に期限が迫る連邦政府の債務上限引き上げと、2018会計年度(17年10月~18年9月)の予算案を成立させることです。米国では政府が国債を発行できる金額が法律で定められているため、上限を引き上げないと新たな借り入れや利払いができなくなり、米国債はデフォルト(債務不履行)に陥ってしまいます。そこで債券市場関係者に「米国債の債務不履行」が発生する確率を聞いたところ、債務不履行が発生する確率は0~10%と回答した人が最も多く、単純平均で7.1%となりました。   また、新年度の予算についてはトランプ大統領が公約で掲げたメキシコとの国境に壁を建設することに固執しており、これがネックになっています。トランプ氏は建設費を予算に盛り込まなければ政府を閉鎖するとコメントしています。昨年の大統領選で掲げた大半の公約が頓挫し、支持率が低迷するなか、打開策として壁の建設にこだわっているようです。  米政府機関が閉鎖された場合、緊急の機能以外は停止し、公共施設の閉鎖や事務処理の遅れなど様々な問題が発生します。直近では2013年10月に政府機関が一部閉鎖され、景気にも影響を与えました。  債券市場関係者に「米国の政府機関の閉鎖」の確率についても聞いたところ、11~30%との回答が最も多く、閉鎖される可能性は単純平均で25.2%でした。仮に米国の政府機関が閉鎖された場合、米国の金融市場はどのように反応すると予想されますかと質問したところ、米国10年国債利回りは「小幅低下」、ドル円相場は「小幅円高」、ダウ工業株30種平均は「小幅下落」という結果が最も多くなりました。 市場関係者からは「米政府の短期的な閉鎖については既にコンセンサスに近く、それだけで大きく反応することはないと思う。ただ米議会が問題意識を共有しながら解決力の欠如により、事態が長引いた場合(あるいはデフォルトに至る場合)はトリプル安となる可能性も否定できない」といった声が聞かれました。   リスクオフなら日本国債の利回り、どこまで低下? 米国の財政問題や地政学的リスクなど、リスクオフの材料が目立ちますが、日本の国債利回りは年内にどこまで低下する可能性があると思いますかと聞いたところ、10年物国債利回りで-0.04%という結果になりました。 20年国債利回り   0.44%  10年国債利回り  -0.04%  5年国債利回り  -0.19%   また、日本の10年国債利回りがマイナス水準で定着しそうな場合、日銀はどのように対応すると思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「国債買い入れの小幅減額」が66%、「国債買い入れの大幅減額」が21%、「国債買い入れ額の維持」は10%でした。 市場関係者からは「日銀の国債購入が減額されるなかでもYCC(イールドカーブ・コントロール)は機能しているとみえ、需給は限界的に緩むなかでも金利の上昇圧力は限定的」「QQEを進めている以上、減額の大幅修正は認められず小幅な修正にとどめ、スタンスを堅持する方針を示すと考えられる。海外発の地政学リスクは、日本の景況感と別であり、日銀も金利低下と物価を分ける論理で国債買い入れ額を正当化すると考えられる」などの声が聞かれました。   債券価格変動要因は海外金利などに注目 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り低下を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.029%、3カ月後が0.048%、6カ月後が0.067%と、7月調査(0.069%、0.077%、0.088%)に比べていずれも低下しました。今後6カ月程度を想定した注目される債券価格変動要因で最も多かったのは「海外金利」で38%、次いで「短期金利/金融政策」が37%でした。 資産運用担当者65人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が前回より2ポイント低下の65%となったものの、「ややアンダーウエート」、「ややオーバーウエート」は27%で前回と変わらず、「かなりアンダーウエート」が4%で2ポイント上昇しました。当面の投資スタンスについては「現状を維持する」が80%と引き続き多数を占めています。    

ジャクソンホール会議で何かが起こる?

金融市場関係者が注目する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が来週に迫ってきました。今年はドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が3年ぶりに出席し、量的金融緩和の段階的縮小(テーパリング)を示唆するとの思惑もあります。発言の内容次第では外国為替相場に影響を与えることもありそうです。  そこで、毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、ジャクソンホール会議で注目しているテーマなどについて外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は8月7~10日、回答者数は74人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   ECB総裁の発言に注目集まる ジャクソンホール会議は主要国の中銀トップのほか、有力経済学者らが集まって経済政策などを討議する経済シンポジウムです。毎年8月下旬に米西部ワイオミング州にある全米有数の観光地ジャクソンホールで開催されます。バーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長が金融政策について発言したことなどから、注目されるイベントの一つになっています。今年は24~26日に予定されており、テーマは「ダイナミックなグローバル経済を促進する」です。  こうしたなか、外為部門などの市場関係者に同会議で注目しているテーマについて聞いたところ、最も多かったのが「欧州の金融政策」で6割を占め、次いで「米国の金融政策」が4割弱となりました。ただ、ジャクソンホール会議後の円相場については、「とくに影響はなし」が4割弱と最も多く、相場への影響は限定的との見方です。市場関係者からは同会議にイエレンFRB議長が出席し、来年2月までの任期について進退を示唆するかどうかに注目しているといった声も聞かれました。     年内はレンジ相場が続くとの予想が約7割 次いで2017年のドル円相場は狭いレンジでの推移が続いていますが、年内にドル円相場がどう動くと予想しますか、と質問。最も多かった回答は「110~115円のレンジ相場」で7割弱を占めました。その一方で、「115円より明らかに円安」が16%、「110円より明らかに円高」が15%とほぼ同数で分かれましたが、前月調査より円安の予想が低下し、円高の予想が高まる結果となりました。  また、3日に第3次安倍第3次改造内閣が発足。金融市場では次の総選挙のタイミングに関心が移りつつあります。そこで衆院解散・総選挙の時期はいつになると予想しますか、と聞いたところ最も多かった回答は「2018年の通常国会以降、年前半まで」で39%、次いで「2018年秋の臨時国会以降、12月の任期満了まで」が33%でした。     事業法人の前提為替レート110円台後半 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは8月末の平均値で1ドル=110円69銭と、7月調査(113円70銭)から円高にシフト。3カ月後の10月末には111円34銭、6カ月後の1月末には112円77銭との予想です。今後6カ月程度を想定した注目の為替変動要因は、「金利/金融政策」でした。特にユーロについては金融政策の転換点にあるため、金利/金融政策への注目度が高い結果になりました。  ファンドの外貨建て資産の組入状況について運用担当者に聞いたところ、「ニュートラル」が8割と最も多く、相変わらず様子見スタンスが強いようです。また、事業法人の業績予想の前提為替レートは平均値で1ドル=110円87銭、1ユーロ=118円95銭でした。  

株式市場が安倍改造内閣に望む政策は構造改革

  3日に発足した第3次安倍第3次改造内閣は手堅い布陣となり、新鮮味に欠けたため、株式市場への影響は限定的のようです。そこで、今回は毎月実施している株式の市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」を通じて、安倍内閣の支持率の行方や株式にとって望ましい政策などについて聞きました。調査期間は8月1日~3日、証券会社および機関投資家の株式担当者151人が回答。 安倍内閣の支持率は「小幅に回復」が半数以上 新内閣は19人の閣僚のうち、麻生太郎副総理・財務相や菅義偉官房長官ら5閣僚が留任して政権の骨格を維持するなど経験者を軸とした陣容になりました。初入閣は6人にとどまり、政権基盤の安定を重視しました。安倍首相自身はこの新内閣について、経済再生を最優先とする「仕事人内閣」と称しています。  一方、市場の改造内閣に対する期待はあまり大きくないようです。内閣の支持率は今後どうなると思いますか、と聞いたところ最も多かったのは「小幅に回復する」が56%と半数以上を占め、次いで「ほとんど変化しない」が31%でした。 市場関係者からは「存在感は薄いが、安定感がある。比較的若く、清新さもあり、一般世論の支持、安心感を得られよう」「現状では自民党に代わる政党がないため、引き続き自民党政権が継続すると見込むが、支持率回復のためにも積極的な財政出動か減税策などの実施を期待したい」「安倍政権の支持率はこの先はそれほど上がることはなく、じり貧になると予想する。理想論にはなるが、若さと独特の雰囲気を持ち、国民の受けも良い小泉進次郎氏をトップに据えることができれば、国内外で日本に対する評価が大きく変わると考える」などの意見があがりました。   では、安倍内閣の支持率低下は株価にどのような影響を与えると思いますか、と聞いたところ、最も多かった回答は「影響しない」で32%、次いで「方向感はないが、ボラティリティーが高まる」が25%という結果になりました。 市場関係者からは「自民党1強の状態は変わらないため、大勢に影響は無し」との声があった一方、「今回の安倍内閣支持率低下は外国人の投資マインドを抑える材料といえます」との指摘もありました。   次に株式市場にとって望ましいのは、どのような政策だと思いますかと質問。最も多かったのは「構造改革(規制緩和・働き方改革など)」で59%と半数以上を占め、次いで「積極的な財政出動・減税」が22%でした。 市場関係者からは「経済面では現行の成長重視路線をおおむね引き継ぐ公算で、大規模金融緩和、ある程度の積極財政、働き方改革をはじめとする構造改革を推進する姿勢を保ち、市場からの歓迎を得られよう」「支持率低下が止まるかがポイント。次第に経済政策に注目が集まりそうだが、アベノミクスの深堀りは難しそうだ」といった声がありました。  また、株式市場にとって安倍首相に代わる次の首相は誰が望ましいと思いますか(カッコ内の年齢は2017年8月7日時点)と聞いたところ、最も多かったのは党政調会長に就任し「ポスト安倍」の有力候補とされる「岸田文雄氏(60)」で35%でした。次いで「小泉進次郎氏(36)」が15%、「石破茂氏(60)」が14%でした。市場では「若いリーダーに代われば、日本が変わるのだという強いメッセージになると思われる」「小泉進次郎氏はまだ若いが、新しい風を吹かせてくれそうなところを好感。既存の政治家では市場は満足しないのでは」といった若手待望論も聞かれました。   8月末の日経平均予想は1万9979円 「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しについては、8月末の水準で1万9979円(平均値)の予想でした。前回調査(確報)の2万0057円に比べて下方シフトとなりました。10月末には2万0198円、18年1月末は2万0634円の見通しです。  今後6カ月程度の株価の変動要因としては、「景気・企業業績」との指摘が多くなりました。   国内株式の組入比率「ややオーバーウエート」が上昇  国内の資産運用担当者55人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前回調査より4ポイント低下して52%、一方で「ややオーバーウエート」が同3ポイント上昇して31%となりました。 セクター別の投資スタンスについては、「オーバーウエートとアンダーウェート」のバランスをみると、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのが「電機・精密」、逆にアンダーウェートの比率が最も高くなったセクターは「公益」でした。

安倍政権、低支持率からの脱却はもはや無理!?

  日本経済新聞社とテレビ東京が実施した7月の世論調査によると、安倍政権の支持率は39%と前回の6月調査から10ポイント低下しました。加計学園問題や、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に関する日報問題などが低下の背景にあるようです。日報問題では稲田朋美防衛相が28日、引責辞任しました。 そこで毎月実施しているアンケート調査「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券市場担当者に安倍内閣の先行きについて聞きました。調査期間は7月25~27日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者140人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 安倍晋三首相   内閣改造でも政権立て直しは無理? 安倍首相は7月上旬の東京都議選で自民党が惨敗したことも踏まえ、8月3日に内閣改造に踏み切り、政権を立て直したい考えのようです。しかし、実際は難しいかもしれません。債券市場関係者に閉会中審査や内閣改造などを受けて内閣の支持率がどうなるか聞いたところ、「ほとんど変化しない」が46%と最も多く、「さらに低下する」は23%と7割近くが低支持率が続くとみています。一方、「大幅に回復する」との回答はわずか1%でした。 市場関係者からは「閣僚の責任問題や都議会選挙の結果を受けて現政権の信用力が低下しつつある中では、円滑な議会運営も難しくなることが予想される。安倍首相の統率力にも疑問符がつくことから、自民党内では次期総裁候補についての議論が活発になる可能性がある」との指摘がありました。一方、支持率回復策として北朝鮮やロシアに対するポジティブサプライズな外交をあげる向きもありました。 次に安倍晋三氏はいつまで首相を務めると予想しますかと質問したところ、最も多かった回答は「自民党総裁2期満了時(2018年9月)」で34%でした。市場では安倍政権に代わる受け皿が見当たらないとの理由から、安倍氏の続投を予想する声が多かったものの、「安倍次の選挙が勝てないとなれば、自民党は総裁交代に向けて動き出す」との見方もありました。         「ポスト安倍」は石破氏? 次に安倍首相の辞任後、次の首相は誰になると予想するか質問。最も多かったのは「石破茂」で31%、次いで「岸田文雄」が29%、「麻生太郎」で22%という結果となりました。  首相交代を受けて、アベノミクス(旧三本の矢)の行方はどうなると思いますか、と聞いたところ、「アベノミクスの部分的な見直し」が7割以上を占めました。また、首相交代時の10年国債利回りの予想は単純平均で「0.27%」でした。 市場関係者からは「安倍首相の後任は党内情勢から考えてアベノミクスの継承を掲げざるを得ないだろう。結局、程度の差はあるにせよ、大規模な金融緩和が続いて、債券市場の機能低下がさらに進むとみている」「安倍首相と現状の金融緩和の結びつきが強いため、首相交代は政策の転換を意識されるものの、日銀のロジックからは、緩和を縮小する状況には至っておらず、副作用が効果を上回るまでは、現状の金融政策が継続する可能性が高いと見込む」といった声が聞かれました。   国債組み入れ比率、8割が現状維持 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.069%、3カ月後が0.077%、6カ月後が0.088%と、6月調査の(0.054%、0.064%、0.076%)に比べていずれも上昇しました。今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因は「短期金利/金融政策」でした。 資産運用担当者65人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が前回より1ポイント上昇の67%を占め、「ややアンダーウエート」が4ポイント上昇の27%、一方「ややオーバーウエート」は5ポイント低下の4%でした。当面の投資スタンスについては引き続き「現状を維持する」が84%と多数を占めています。

イエレン発言で12月追加利上げのメインシナリオは変更?維持?

  7月半ばのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて、米利上げペースは緩やかに進むとの見方がにわかに広がっています。こうしたなか、FRBは規定路線通り12月の追加利上げに動くのかどうか、気になるところではないでしょうか。そこで毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、米国の金融政策の行方やドル・円相場の見通しについて外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は7月10~13日、回答者数は76人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   年3回利上げのシナリオを維持するか イエレンFRB議長は12~13日の議会証言で「さらに大幅な利上げが必要なわけではない」「今後数カ月は物価動向を注視する」などと発言。金融市場では追加利上げに消極的な「ハト派」寄りと受け止められ、円相場は一時1ドル=112円台と円高に振れました。  FRBは17年に3回(6月時点で2回実施)の利上げシナリオを示しているほか、資産縮小についても詳細を公表しています。市場では9月に資産縮小、12月に追加利上げがコンセンサスとなっています。そこでこの想定通りにFRBが動く確率について聞いたところ、「70~90%」と回答した人が最も多くなりました。また、規定路線となった場合、ドル・円相場は「緩やかに円安進行」との予想が多くなりました。市場関係者からは「米国の9月バランスシート縮小着手、12月追加利上げは既定路線で、実際に決定が行われても、影響は小さそうだ」との声が聞かれました。 ただ、フェデラルファンド(FF)先物市場から算出した利上げ確率は、17日時点で42.3%と5割を割り込みました。イエレン議長が注目する物価動向や経済指標の結果次第では追加利上げが難しいとの見方が広がり、円が買われる動きになるかもしれません。     世界経済をけん引する好調な米国経済ですが、年末に向けてどうなると予想しますか、と聞いたところ、最も多かった回答は「緩やかな拡大が続く」で約6割でした。米国経済については、7月半ばから本格化している4~6月期決算の内容も注目でしょう。     事業法人の業績予想の前提為替レート110円 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは7月末の平均値で1ドル=113円70銭と、6月調査(110円37銭)から円安にシフト。3カ月後の9月末には113円71銭、6カ月後の12月末には114円66銭との予想です。今後6カ月程度を想定した注目の為替変動要因は、「金利/金融政策」でした。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が「デフレの力がインフレの力に置き換わった」などと発言したことも影響しているようです。  ファンドの外貨建て資産の組入状況について運用担当者に聞いたところ、「ニュートラル」が8割超と最も多く、様子見スタンスのようです。また、事業法人の業績予想の前提為替レートは平均値で1ドル=110円72銭、1ユーロ=117円94銭でした。  

GPIFのESG投資参入は国内普及のきっかけになるか・・・

  公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は3日、環境や企業統治を重視した企業を選ぶ「ESG投資」の運用を始めたと発表しました。6月末時点で約1兆円を投資しているそうです。そこで、今回は毎月実施している市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」を通じて、「ESG投資」の効果などについて聞きました(証券会社および機関投資家の株式担当者157人が回答、調査期間は7月4日~6日)。   ESGは徐々に普及か ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を合わせた言葉です。このような非財務情報も考慮して投資するESG投資は欧米ではすでに普及しています。こうした「ESG投資」の動きは、年金や保険など国内の他のアセットオーナーに広がっていくと思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「徐々に拡大する」で7割弱を占めました。市場関係者からは「今後、他のアセットオーナーにも広がる可能性は十分あり、同様のコンセプトの投資信託が出てくることなども期待できるが、対象企業の株価パフォーマンスが向上するかは全く別問題。運用成果が伴わなかった場合、一時的なブームで終わる可能性が高い」と厳しい見方もありました。     GPIFが今回、採用した株価指数は英FTSEの「FTSE Blossom Japan Index」、MSCIの「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」、「MSCI日本株女性活躍指数」の3つです。英FTSEの指数にはトヨタ自動車(7203)、MSCIのジャパンESGセレクト・リーダーズにはKDDI(9433)が組み入れられているため、市場で話題になりました。足元の投資金額は1兆円ですが、今後は日本株運用の1割にあたる3兆円に増やす方針とのことです。     では、「ESG投資」は国内株式のパフォーマンスにどう影響すると考えますか、と聞いたところ、「長期的なパフォーマンス向上につながる」が35%、「一時的なパフォーマンス向上にとどまる」が18%となりましたが、最も多かったのは「影響がない」で44%という結果となりました。市場関係者からは「投資家がESGを機に日本株への配分を増やす様子が見られない現状からは、国内株式全体のパフォーマンスには影響はない」、「現時点では、投資パフォーマンスに対して意味を持つ動きというよりは、情報開示の拡大や評価手法の確立に向けた重要なステップ」といった見方もあるようです。     また、「ESG投資」が企業経営に与える最も大きな影響は何だと思いますか、という質問で最も多かった回答は「長期的な企業価値の向上を後押しする」で29%、次いで「非財務情報の開示が進む」が24%、「コーポレート・ガバナンスの強化につながる」が23%でした。市場関係者からは「ESG投資が広がれば、非財務情報の開示が進むとともに、短期的な決算数字だけでなく、企業の長期的価値への関心も徐々に高まっていくと思われ、良い事だと思う。一方で、今回採用された3指数の全銘柄を精査するとほぼお馴染みの大型株ばかりであり、銘柄を絞っているとは言い難いので通常のパッシブと大差ない印象」といった意見もありました。     顧問・相談役の「役割・報酬などの情報を開示すべき」が半数 経済産業省は、コーポレート・ガバナンス強化の一環として、上場企業を対象に顧問・相談役の役割を明示するルールづくりを検討しています。会長や社長が退任後も顧問・相談役として企業に残り、実質的な影響力を行使しているとの批判もあり、透明性を確保する環境整備も必要との判断ですが、このような動きをどのように考えますか。最も多かった回答は「役割・報酬などの情報を開示すべき」で48%、「企業の判断に任せるべき」が27%、「顧問・相談役の制度を廃止すべき」が20%という結果でした。  市場関係者からは「顧問・相談役の制度が企業の変革を妨げているが、これに限らず社外取締役もうまく機能していない。PBR1倍割れは割安株とも言えるが、経営陣の怠慢も現している。役割・報酬などの情報を開示する必要がある」、「顧問や相談役が企業活動にどの程度貢献しているのかどうかは不透明である。しかし、経営指導が出来る人材の確保という面もあることから、顧問の必要性については評価し難く、企業の判断に任せるべきだと考える」といった意見も聞かれました。        

日銀の出口戦略のきっかけは首相交代!?

  欧米の中央銀行が金融政策の正常化に向けて舵を取り始めた一方、日銀の出口戦略にはメドが立っていません。そこで今回は毎月実施しているアンケート調査「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券市場担当者に日銀の「出口戦略」のきっかけやタイミングなどを予測してもらいました。調査期間は6月27日~29日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者140人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   物価上昇率2%は「達成できないが、目標は維持される」が6割超 日銀は6月15~16日に開いた金融政策決定会合で、金融緩和策の現状維持を決め、黒田総裁は物価上昇率が目標の2%を安定的に超えるまで資金供給量の拡大を続けると、従来の説明を繰り返しました。しかし「物価目標2%」の達成が見通せないにもかかわらず、市場の関心は金融緩和からの「出口」に対して高まっています。 そこで「物価目標2%」の達成について聞いたところ、最も多かったのは「達成はできないが、目標は維持される」で64%、続いて「達成できず、目標が変更される」が30%、「達成できる」との回答はわずか4%に止まりました。 市場関係者からは「国内景気は東京オリンピック関連の需要に支えられ、実感を伴わない景気回復傾向が20年まで続くと見るが、2%の物価安定の目標には達しないと予想。日銀は総括をしながら現在の政策を継続する。仮に2%程度の物価上昇率が安定的に継続すると判断された場合は伝統的な金融政策へ回帰し、マイナス金利解消などが検討されると見るが、2%の物価安定の判断は容易ではない」という意見や、「現実的な話として、現状目標達成を信じている市場関係者は極めて少数派だと思われる。出口=目標達成ではなく出口=目標達成断念という出口論のあり方を見つめなおす議論したほうが現実的だと考えている」といった声も聞かれました。   では、もし日銀が「出口」に向かうとすれば、何がきっかけになると思いますか、という問いに最も多かった回答は「首相の交代」で26%、次いで「変更後の目標を達成」と「金融市場の激変」が23%で並びました。「その他」としては「日銀総裁の交代」という意見が目立ちました。 市場関係者からは「リフレ派のブレーンに囲まれている安倍首相が在任している限り、多少の枠組み修正はあるにせよ、大規模な緩和が続いていく公算が大きい。後任の首相が『アベノミクス』継承を掲げる場合、この金融緩和はますます終わりが見えなくなる」「他国が金融緩和を縮小させる流れの中で、日本だけが目標を達成できず金融緩和を継続して、その結果、通貨安(円安)がさらに進み、海外からの圧力で出口を模索するといった流れになると考えている」といった意見があがりました。 さらに「出口」としての緩和縮小の最初の手段は何だと思われますかと聞いたところ、「長期金利目標の引き上げ・解消」が最も多く53%、次に「国債買い入れ額の明示的な縮小」が51%、「マイナス金利の解除」が34%、「ETF・J-REITの買い入れ額縮小」が31%、「社債・CPなどの買い入れ額縮小」が12%という結果になりました。また、日銀が「出口」を宣言して着手する時期で最も多かった予想は「2018年度中」で32%でした。     注目の変動要因は海外金利 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.054%、3カ月後が0.064%、6カ月後が0.076%と、5月調査の(0.046%、0.057%、0.073%)に比べていずれも上昇しました。  今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因で、最も多かったのは「海外金利」で前回とかわらずの36%、次いで前回から2ポイント低下した「短期金利/金融政策」が35%でした。「債券需給」は前回から2ポイント低下したものの13%をキープしています。  同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については、「政府・日銀のオペレーション」が前回と変わらずの64%で最も多く、次いで「外国人」が11%、「都銀・信託銀行(投資勘定)」が10%、「生損保(年金除く)」が9%、「地方銀行」が5%で続きました。   国債組み入れ比率、「現状維持」が8割強を維持 資産運用担当者66人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が66%を占めるも7ポイント低下し、「ややアンダーウエート」が5ポイント上昇、「ややオーバーウェート」が4ポイント上昇しました。当面の投資スタンスについては相変わらず「現状を維持する」が83%と多数を占めています。

米金融政策、年3回利上げのシナリオ通りに進む?

低調な5月の米雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが緩やかになるとの見方が広がり、9月の米追加利上げは見送られるとの観測も浮上しています。そこで、毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、外国為替市場の担当者に9月の利上げの可能性や、トランプ大統領の退任時期などについて聞きました。調査期間は6月5~8日、71人が回答。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   9月の米追加利上げの可能性は? 2日に発表された5月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を下回りました。6月13~14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げは確実視されていますが、その後の利上げペースは想定より緩やかになるとの見方が浮上し、追加利上げのシナリオが見えにくい状況です。9月に利上げを見送れば、FRBが見込んでいる「2017年に3回の利上げ」が実現しない可能性も浮上してきます。 では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が6月に利上げをした場合、9月にも追加の利上げを実施する可能性はどのぐらいと予想しますか。最も多かった回答は「70~90%」と「50%」がそれぞれ24%となり、次いで「51~69%」が17%でした。9月の利上げを70%以上と予想する人が25%を占める一方、五分五分と予想する人も24%、30%以下と予想する人も2割近くという結果となり、やはり今後の利上げペースを読み切れないのが現状のようです。 市場関係者からは「FRBの緩やかな金融引き締め路線は、当面継続する事は揺るぎない」、「6月FOMC、7月半年次議会証言、8月ジャクソンホール等、イエレンには時間をかけて9月利上げを説明する時間的余裕がある」などの声が聞かれました。       ロシアゲートで揺れるトランプ政権 トランプ米大統領が、ロシアとの不適切な関係を巡る「ロシアゲート」疑惑で批判が強まっています。捜査は継続中であり、弾劾に追い込まれる可能性は低いものの、トランプ大統領への期待感は後退しています。外国為替担当者にトランプ氏が2017年内に米大統領を退任する可能性はどれぐらいと思いますかと、先月調査と同じ質問をしたところ、前回を上回る約6割が退任の可能性は低いと回答しました。 では、辞任や再選も含めて、最終的にトランプ大統領の任期は何年までと予想しますか、と聞いたところ、最も多かった回答は「2021年1月(任期満了)」までが6割以上を占める結果となりました。 とはいえ、市場関係者からは「現在の数々の疑惑を払拭することは難しいと考えられ、政策で支持を取り付けるしか方法は無いだろう」、「先のG7首脳会議では貿易問題や環境問題を巡り、米国と他国が衝突する場面もみられたが、トランプ米大統領が米国第一の政策を推進していく限り、今後もこれらの問題に関する国際協調は難航するであろう。また国内でもオバマケア改革や景気対策、政府多数高官の承認未済など課題は山積で、政策運営は容易ではない」などの厳しい意見が多く聞かれました。     為替リスクに慎重姿勢へと逆戻り 「ニュートラル」75%に上昇 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは6月末の平均値で1ドル=110円37銭と、5月調査(112円38銭)に比べて円高にシフト。3カ月後の8月末には110円86銭、6カ月後の11月末には112円46銭との予想です。今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、政治的リスクがやや後退し、円とドルとユーロのすべてで「金利/金融政策」となりました。 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのか聞いたところ「オーバーウエート」が前回調査の33%から13%に下落する一方、「アンダーウエート」が0%から13%に上昇、「ニュートラル」も67%から75%に上昇し、為替リスクに対して慎重姿勢へと逆戻りしています。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、円相場の平均値は1ドル=112円03銭、1ユーロ=118円70銭でした。  

東芝、機関投資家の7割が「上場廃止すべき」 QUICK調査

 東芝に対する投資家の目が厳しくなっている。QUICKが実施した6月の月次調査(株式)では機関投資家の約7割が東芝は上場廃止すべきと答えた。不正会計の発覚や決算発表の延期を繰り返す東芝の上場に関する問題は、市場がどうあるべきかとの問いにもつながる。  東芝が4月11日に発表した決算について、監査法人は適正ではなく「意見不表明」と判断した。東芝が現在でも上場維持していることを機関投資家はどう思っているのか。6月の月次調査で証券会社や投信投資顧問、銀行など147人に聞いた。  東芝が「上場廃止すべき」と答えたのは全体の67%だった。「上場維持すべき」は24%、「その他」は8%だった。 「厳しく制裁与えるべき」、「国策企業なので慢心があるのではないか」との声  上場廃止すべきと答えた投資家からは「マーケット・従業員・顧客の信頼を裏切った企業には厳しく制裁を与えるべき」「単純に粉飾で上場廃止でよい」「東芝は国策企業なので許されていいという慢心があるのではないか」と厳しい意見が相次いだ。  東芝は2015年4月にインフラ工事の会計処理に問題があったと発表、その後に不正会計や巨額の減損、決算発表の延期など企業統治(コーポレートガバナンス)の問題が続出した。  東芝が上場を維持している間、東芝以外のほぼ全ての上場企業は東京証券取引所のルールを守って決算発表を期限内に行い、監査法人から決算について適正意見をもらっている。 上場廃止か維持かは「東証が決めるべきこと」との意見も  大きな問題が起きても上場が維持できるという実績が残り続ける場合、日本の資本市場の信頼を損なう。さらに、他の企業にとって東芝が上場維持できるのだからガバナンスに問題があっても大丈夫というお墨付きを与えかねない。  東芝が上場を廃止か維持すべきかについて、機関投資家からは「東証が決めるべきこと」と中立の立場をとる意見も目立った。東証は東芝の今後をどう判断するのか。投資家保護や企業のモラルハザード(倫理の欠如)の観点からも注目が高まっている。 【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】 (QUICK NewsLine)

マイナス金利の導入から1年、債券市場のプロの評価は?

  日銀がマイナス金利を導入してから1年が経過しました。また、昨年9月に導入したイールドカーブ・コントロール(YCC)は、世界的に金利が上昇した局面でも日本の長期金利はゼロ%程度の目標水準に維持された一方、その副作用に警鐘を鳴らす意見も聞かれます。今回はこのマイナス金利や「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」が物価押し上げに寄与したかどうか、毎月実施しているアンケート調査「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券市場担当者に聞いてみました。調査期間は5月23日~25日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者145人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   マイナス金利、「効果なし」が6割 日銀が導入したマイナス金利とイールドカーブ・コントロールについて、物価押し上げに向けた金融緩和としてそれぞれをどう評価しますか? と質問したところ、マイナス金利について、最も多かった回答は「効果なし」で60%、「まだわからない」が27%、「効果あり」が13%となりました。また「イールドカーブ・コントロール」についても「効果なし」が45%で最も多く、次いで「まだわからない」が39%、「効果あり」が16%という結果になりました。       また、運用担当者にマイナス利回りの債券を購入してきましたか、と聞いたところ、最も多かった回答は「購入していない」で半数近くを占めましたが、購入したなかでは「売却目的」と「保有目的」が29%、「担保目的」が4%でした。 市場関係者からは「マイナス金利は適用残高が多い地銀などの負担が大きく、経営体力が削がれる状況が続いている。また、YCCが導入された後も足元では、債券市場は動意に乏しい展開が続いており、今後についても流動性の低下が進行する可能性が高い。年後半に物価は幾分上昇すると見込まれるが、現状の政策での2%達成は厳しいと考える」といった声が聞かれました。 なお、日銀の黒田東彦総裁は5月中旬の米紙のイベントで「日銀は(出口戦略のための)十分なツールを持っている」などと出口戦略について言及し、話題になりました。       金利水準次第なら国債への投資も増やす? 今年度のポートフォリオの方向について運用担当者に聞いたところ、最も多かった回答は「外債を増やす」で44%、次いで「金利水準次第で国債を増やす」が38%、「株式を増やす」が34%、「社債を増やす」が33%、「オルタナティブを増やす」が24%と続きました。 市場関係者からは「欧米の政治不安やテロなどの地政学リスクが続いていることや、低インフレ率と欧州中央銀行(ECB)、米連邦準備理事会(FRB)の緩やかな量的緩和の解除と日銀の強力な金融緩和が継続することから、国内金利は現状の低金利が長期化するリスクがある。円債を積極的に買う投資家が依然として少ない中で、市場流動性の低下と市場機能低下により、金利上昇リスクに過敏になりやすい地合いが続くとみる」といった声が聞かれました。     債券価格変動要因、「債券需給」への関心高まる 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.046%、3カ月後が0.057%、6カ月後が0.073%と、4月調査の(0.033%、0.049%、0.068%)に比べていずれも上昇しました。 今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因で、最も多かったのは前回調査とかわらずの「短期金利/金融政策」と、前回から5ポイント低下した「海外金利」で、ともに36%でした。次いで、前回から8ポイント上昇した「債券需給」が15%と関心が高まっています。 同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については「政府・日銀のオペレーション」が最も多く64%を占め、次いで「都銀・信託銀行(投資勘定)」が11%、「外国人」が10%、「生損保(年金除く)」が7%、「地方銀行」が4%で続きました。     国債組み入れ比率、「現状維持」9割近くまで上昇 資産運用担当者69人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が74%を占める一方、「ややアンダーウエート」が10ポイントも低下しました。様子見ムードのようです。当面の投資スタンスについても「現状を維持する」が87%と多数を占めています。        

どうなる「ロシアゲート」疑惑、円相場への影響は?

  トランプ政権とロシアとの不適切な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」が真相究明に向けて動き出しました。米司法省は特別検察官の設置を決め、ロバート・モラー元米連邦捜査局(FBI)長官を任命しました。ただ、この問題の行方により、トランプ政権が看板政策とする大型減税や大規模なインフラ投資の実現が危ぶまれる可能性もあります。 また、北朝鮮が21日に弾道ミサイルを発射するなど、不穏さを増しています。そこで、毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、外国為替市場の担当者にこれらの外部要因が円相場に与える影響などについて聞きました。調査期間は5月15~18日、67人が回答。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   ロシアゲートでトランプ大統領、退任の可能性は? 「ロシアゲート」とは、トランプ政権による捜査妨害疑惑です。昨年の米大統領選が有利になるよう、トランプ氏の側近とロシア政府が接触していた可能性があるとして捜査されていましたが、この捜査を妨害するため、トランプ大統領がコミー前米連邦捜査局(FBI)長官を解任したのではないか、という疑惑が浮上しています。米史上最大の政治スキャンダルでニクソン元大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」と類似していることから、「ロシアゲート」と呼ばれています。 ロサンゼルスで自身の解任のニュースを見たコミー氏は、最初はいたずらだと思って笑っていたと報じられています。というのも、FBI長官の任期は10年でコミー氏は2013年に就任したからです。任期途中の解任は1993年以来2人目です。トランプ政権側の解任の理由は、大統領選におけるヒラリー・クリントン氏の私用メール問題への対応不足としています。  外国為替担当者にトランプ氏が2017年内に米大統領を退任する可能性はどれぐらいだと思いますかと聞いたところ、約半数が退任の可能性は低いと回答しました。     では、トランプ氏が2017年に米大統領ではなくなった場合、ドル円相場はどのように動くと予想しますかと聞いたところ、最も多かったのは「円急上昇」が39%、続いて「円強含み」が30%と、円高に動くとの予想が7割近くを占めました。 市場関係者からは「(トランプ大統領の)弾劾はほぼないと考えるが、身内の共和党内からもそのような話題が上がっていることに留意。弾劾が現実味を帯びてくると、一度は金融市場のボラティリティが上昇し、円買いドル売りに動くと考えるが、ペンス副大統領など政治経験が豊富な後任が選ばれるとドル円は反転上昇となると予想」という声が聞かれました。     メーンシナリオ通り6月米利上げか ドル・円相場をみるうえでもう一つの注目は米金融政策です。金融市場のコンセンサスは、6月にと9月に利上げ、12月に資産縮小に動くのがメーンシナリオと言われています。現時点で、このメーンシナリオ通りになる可能性は何%だと思いますかと質問したところ、最も多かったのは「51~69%」で30%でした。 また、2017年6月末にドル円相場はどの程度の水準になっていると予想しますか、と聞いたところ、「114円台」が19%と最も多く、次に「115円台」「113円台」「110円より円高」が16%で並びました。調査期間中の水準(112円44銭~113円64銭)よりやや円安が進むのでは、との声が多い予想になりました。       米国と北朝鮮が合意したら、ドル円相場はどう動く? 北朝鮮情勢が大きく動いていますが、2017年内に北朝鮮関連のイベントで、どのようなケースが起こりうる可能性が高いと思いますかと聞いたところ、最も多かった回答が「不透明な状況が続くが為替に大きな影響を与えない」で63%を占めました。次いで「緊張が高まる情勢に傾いて円高進行」が18%でした。 また、米国と北朝鮮が合意する、もしくは合意に向けた前向きな検討が公式に両国から発表された場合、ドル円相場はどのように動くと予想しますか、と聞いたところ、「1日で2円程度の円安」が33%で最も多く、「1日で1円程度の円安」が25%、「小幅に円安」が22%で続きました。一方で、「円高に振れる」は3%に止まりました。         ファンドの外貨建て資産組入 「オーバーウエート」33%に上昇 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは5月末の平均値で1ドル=112円38銭と、4月調査(110円38銭)に比べて円安にシフト。3カ月後の7月末には112円50銭、6カ月後の10月末には113円32銭との予想です。今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円とユーロは「金利/金融政策」、ドルは「政治と外交」でした。 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのか聞いたところ「アンダーウエート」が前回調査の20%から0%に下落する一方、「オーバーウエート」が10%から33%に上昇し、積極的な姿勢に傾いています。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、円相場の平均値は1ドル=111円36銭、1ユーロ=116円20銭でした。    

スチュワードシップ・コードの効果はあった?

  金融庁は3月下旬、機関投資家の行動原則を示したスチュワードシップ・コードの改訂案を示しました。改訂の背景には、公表から約3年が経過したなか、いまだ形式的な対応にとどまっているのではないか、との指摘があるためです。そこで、今回は毎月実施している市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」を通じて、スチュワードシップ・コードの効果について聞きました(証券会社および機関投資家の株式担当者160人が回答、調査期間は5月9日~11日)。   スチュワードシップ・コード「企業価値向上に一部効果」6割弱 スチュワードシップ・コードとは、機関投資家に求めれられる行動原則です。投資先企業の持続的成長を促し、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目的としています。英国の取り組みを参考に金融庁が2014年2月に公表し、足元で受け入れを表明した機関投資家は200社超とされています。企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)とセットで考えられます。 まず、このスチュワードシップ・コードのこれまでの効果について市場関係者に聞いたところ、「企業価値の向上に一部の効果が認められる」が最も多く6割弱を占めました。ただ、「形式的には整備されたが、実効的な効果が認められない」との回答が3割あり、「企業と株主との対話は依然として効果的に行われていない状況であるため、今回のスチュワードシップ・コード改訂を機に企業価値が高まるような対話が実現することを期待したい」との声が聞かれました。     今回の改訂案ではアセットオーナー(企業年金)のコード受け入れ表明が期待されているほか、議決権行使の個別開示の要請、パッシブ運用のエンゲージメント(目的を持った対話)が求められています。そこで、これらについても市場関係者に聞いてみました。まず、アセットオーナーの受け入れは進むと思いますか、と聞いたところ、最も多かった回答は「受け入れ表明は一部に限られる」が5割、「多くのアセットオーナーが受け入れを表明する」が4割でした。また、個別開示は企業価値向上に効果があるかと聞いたところ「多少は効果がある」が6割を占めました。市場関係者からは「投資家と企業の双方が適度な緊張感を持ち、対話をするようになることは互いにとってプラスだと思う。個別開示は運用会社にとってはリスクではあるが、個別具体的な議論をした方が企業の考えや行動が変わるきっかけになると思う。即効性のある取組みではないが、企業価値向上には寄与するだろう」との見方がありました。     パッシブ運用のエンゲージメント(目的を持った対話)についてどう思いますかと質問したところ、「オーナーが適正なコストを負担すれば、実施すべき」と、「そもそもエンゲージメントはパッシブ運用と理念があわないため、実施する必要はない」が拮抗する結果になりました。市場関係者からは「パッシブ運用のコストが増大することは好ましくないが、議決権の行使に消極的な姿勢は改善する必要があると思う。パッシブ運用の担当者も企業のガバナンス向上と成長の持続のためにも議決権の行使には積極的な姿勢を見せてほしい」といった声も聞かれました。         5月末の日経平均は1万9966円 「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しについては、5月末の水準で1万9966円(平均値)の予想でした。前回調査(確報)の1万8975円に比べて大幅な上方シフトとなりました。上方へシフトしたのは2カ月ぶりです。また、7月末には1万9929円、10月末は2万62円と小幅ながらも上昇基調の見通しです。 今後6カ月程度の株価の変動要因としては「景気・企業業績」が4割を超え、注目度がさらに高まっています。北朝鮮や欧州の政治的リスクやが高まった前回調査より「政治・外交」は15%に減少し、かわって「為替動向」が20%に上昇しました。         「電機・精密」の注目度が高い 国内の資産運用担当者60人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」が58%まで上昇する一方、「ややオーバーウエート」が27%まで低下しました。 セクター別の投資スタンスについては、「オーバーウエートとアンダーウェート」のバランスをみると、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのが「電機・精密」で、逆にアンダーウェートの比率が最も高いのが「公益」でした。

北朝鮮有事はテールリスクながらも、次のXデー韓国大統領選に警戒?

  北朝鮮情勢は過度な警戒感が後退したものの、次の「Xデー」として5月9日の韓国大統領選が控えています。地政学リスクに加えて、7日にはフランスで大統領選挙の決選投票が実施されるなど、政治リスクも依然として拭えません。そこで、今回は債券の市場関係者に北朝鮮情勢や、欧州の政治リスクによるマーケットへの影響などについて聞きました。調査期間は4月25日~27日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者140人です。   北朝鮮情勢は戦闘状態を回避、もし有事なら円買い!? 警戒されていた4月25日の北朝鮮の軍創設記念日は北朝鮮が過激な行動に出なかったため、地政学リスクはやや後退しています。ただ、ただ、9日に韓国大統領選を控えているため、予断は許さない状況が続いています。米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」と海上自衛隊は米軍の艦船を守る「米艦防護」を5月1日、初めて実施したようです。 こうしたなか、債券市場関係者に「北朝鮮情勢の今後の展開をどう読む?」と聞いたところ、一番多かった回答は「戦闘状態に入らぬまま、緊張が続く」で56%、次いで「現状のまま、関心が薄れる」が32%でした。市場関係者からは「建軍節とされる25日に北朝鮮からの大型の挑発行為がなかったことで、地政学リスクは一旦後退したとみられる。しかしながら、5月9日の韓国大統領選挙や、中国が北朝鮮に今後どのような圧力をかけるかなども影響すると見ている。また、トランプ政権が推進する経済政策等に実現性が乏しいと予想される中、支持率低下が一段と進むと、北朝鮮に圧力をかける可能性もあり、地政学リスクが再燃することがあると考える」という声もありました。 加えて、北朝鮮が戦闘状態に入った場合、日本のマーケットへの影響をどのように考えますか、との問いで最も多かった回答は、10年国債利回りは「低下」が7割弱を占め、日経平均株価は「下落」が9割を占めました。円・ドル相場については、「円高」が6割を超えました。         フランスのEU離脱の可能性は1割 4月下旬の第1回のフランス大統領選を受けて、中道系のマクロン候補と極右党のルペン候補が5月7日の決選投票に進む結果になりました。 親欧州連合(EU)のマクロン氏が優勢とみられるなか、「フランスのEU離脱の可能性はどのくらいの確率だと考えますか」と市場関係者に聞いたところ、単純平均で「13.3%」となりました。離脱の可能性は低いとみているようです。また、欧州では今後も多くの政治イベントを控えていますが、この半年の欧州金融市場をどのように予想しますかと聞いたところ、ドイツ・フランス・イタリア・イギリス、すべての国債利回りで「上昇」するとの予想が最も多い結果となりました。ユーロ・円相場については、「円安」が5割弱を占めました。  市場関係者からは「フランス大統領選でルペン候補の勝利する可能性は大幅に低下したが、ポピュリズムがある程度の支持を集めたことで、中道政権の先行きが懸念される。今後も欧州の政治リスクは残り、英国の解散総選挙やドイツの議員選挙も引続き要ウォッチだろう。現時点では、EUのメリットを享受できているドイツが、周辺諸国の財政悪化からEU離脱に向かうならば、欧州の政治的混乱はより深くなる」との声も聞かれ、「フランスのEU離脱の可能性は低くなったが、ゼロではない」との見方も少なくないようです。         10年債利回り、0.033%で11月調査以来の低水準  毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り低下を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.033%(3月調査は0.064%)と昨年11月調査(0.029%)以来の水準まで低下しました。3カ月後は0.049%、6カ月後は0.068%と、3月調査(0.070%、0.088%)に比べていずれも低下しました。  今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因で、最も多かったのは「海外金利」で3月調査から9ポイント上昇の45%となりました。次に注目度が高かった「短期金利/金融政策」は前月から9ポイント低下の36%と、関心の高さが逆転しています。  同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については「政府・日銀のオペレーション」が最も多く67%を占め、次いで「外国人」が12%、「生損保(年金除く)」が9%、「都銀・信託銀行(投資勘定)」が7%で続きました。  国債組み入れ比率、「現状維持」8割超をキープ 資産運用担当者67人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、3カ月連続で「ニュートラル」が63%で変わらない一方、「ややオーバーウエート」がやや増加し、「ややアンダーウエート」がやや低下しました。依然として様子見ムードが広がり、現状維持の姿勢から抜け出せないようです。当面の投資スタンスについても「現状を維持する」が82%と、引き続き多数を占めています。

フランス大統領選挙までカウントダウン! ユーロ・円相場はどうなる?

  フランスの第1回目の大統領選挙が4月23日と、あと6日に迫りました。米国ではトランプ政権が誕生し、英国は欧州連合(EU)からの離脱を決定するなど自国第一を掲げるポピュリズム(大衆迎合主義)が世界で勢いづいています。こうしたなか、フランスの選挙が注目されています。世論調査ではユーロ圏からの離脱を公言している極右派のルペン候補が躍進し、現在のところ支持率がトップです。そこで、今回はフランス大統領選が為替相場へどのような影響を与えるのか、金融機関や運用会社など外国為替担当者70人に聞いてみました。         仏大統領選、極右派ルペン氏が勝つとマーケットはどうなる? もし極右派のルペン氏が投票で1位になった場合、各マーケットはどのように動くと予想しますか? と質問したところ、半数以上が円は対ドルおよび対ユーロで「強含む」(円高)との見方を示しました。一方、ユーロ・ドル相場ではユーロが「弱含む」(ユーロ安)が6割を占め、フランスの政治リスクが高まる局面では円が買われる展開になるとみているようです。 市場関係者からは、第1回投票でのルペン氏勝利はある程度相場織り込まれているとの見方もある半面、「第1回投票で1位となったとしても、僅差であれば第2回投票で敗退と市場は判断し、影響は限定的とみる。ただし、万が一、大勝すれば円買いユーロ売りとなろう」「決選投票で大統領になる可能性は低く、仮に大統領になったとしても、フランス議会でEU離脱の憲法改正は困難と思われ、フランスの離脱は実現しない」といった声が聞かれました。   <極右派ルペン氏が1位になった場合、外国為替相場はどう動く?>       今後の中国がマーケットに影響をもたらすものは? トランプ大統領は4月6~7日、米フロリダ州にある別荘に中国の習近平国家主席を招待し、米中首脳会談を開きました。この会談中、米国はシリアへのミサイル攻撃を実施。米国は必要があればシリアだけでなく北朝鮮への武力行使も辞さない、と中国側に示す意図もあったようです。会談でトランプ氏は核・ミサイル開発を続ける北朝鮮を抑止するため、中国に対して北朝鮮へ圧力を強めるよう求めました。 こうした中、2017年に中国がマーケットに大きな影響をもたらすとすれば、何が原因でしょうか、と質問。最も多かった回答は「不動産市場の調整」で35%、次いで「トランプ米大統領との関係」が33%、「信用引き締め」が20%、「北朝鮮との関係」は7%という結果になりました。 また、2016年末は1ドル=6.9467元でしたが、2017年の人民元は対米ドルでどのように推移するでしょうか、と聞いたところ最も多かった回答は「中国当局が容認するレベルの人民元弱含み」が半数以上を占めました。 市場関係者からは「北朝鮮問題で米国と中国が何を握ったかによって情勢は大きくかわってくる。報道されているように習主席が政権維持のために北朝鮮問題で譲歩し貿易問題などを勝ち取ったのであれば、中国リスクにたいする懸念は後退したものと考える」などの声がありました。   市場関係者は政治と外交を注視 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは4月末の平均値で1ドル=110円38銭と、3月調査(114円03銭)に比べて円高にシフト。3カ月後の6月末には111円46銭、6カ月後の9月末には112円43銭との予想です。今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、「政治と外交」でした。 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのか聞いたところ「アンダーウエート」が前月の13%から20%に上昇し、為替リスクに対して消極的に傾いています。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、有効回答数9社の円相場の平均値は対ドルで1ドル=110円24銭、有効回答数5社平均の対ユーロが1ユーロ=121円51銭でした。     *QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。今回は「QUICK月次調査<外為>」4月調査から結果を抜粋しています。調査期間は4月10~13日。    

トランプ政権への政策期待残り、米株式相場は高値圏でもみ合い?

    株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の4月調査を10日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者155人が回答、調査期間は4月4日~6日)。調査期間中の6日の日経平均株価は1万8597円06銭と、昨年12月7日以来の安値を付けました。北朝鮮の弾道ミサイル発射をきっかけとした米朝関係の緊迫化への懸念から日経平均は下げ幅を拡大し、ほぼ全面安の展開となりました。また、シリアの化学兵器使用疑惑を受け、6日(日本時間7日)の米中首脳会談の最中に米国がシリアへ59発のミサイル攻撃を実施するなど、地政学的リスクへの警戒感がくすぶっています。   今後半年の米株価の動向「しばらく高値圏でのもみ合いが続く」が4割 昨年11月の米大統領選以降、大規模な財政支出が米景気や企業業績の拡大につながるとの期待を誘った「トランプラリー」。2月に入ってからさらに勢いを増し、ダウ工業株30種平均は2月27日まで12営業日連続で高値を更新、3月1日には史上初の2万1000ドルを突破しました。しかし、トランプ政権が打ち出した米入国制限が裁判所に差し止められたほか、目玉政策であった医療保険制度改革法(オバマケア)の見直しも頓挫するなど、政策運営の不確実性が高まっています。そこで、今回は半年後の米国株相場の動向について聞いてみたところ、「しばらく高値圏でのもみ合いが続く」が43%と最もく多くなり、トランプ政権に対する政策期待はまだ残っている結果になりました。市場関係者からは「北朝鮮などの地政学リスクがあり、また、トランプ米大統領の政策も当初の期待ほどには進んでいないため、株価は一時低迷しているが、米国での法人税の減額やインフラ投資などが今後、進むことにより米国経済は堅調に推移すると思われる」との声が聞かれました。             では、市場関係者が米国株相場を動かす要因として、何に最も着目しているのでしょうか。この質問に対して、最も多かった回答は「米国の政治・政策」が46%、次に「景気・業績」が40%でした。 トランプ大統領が掲げてきた政策に関して、現時点での実現の可能性をについて聞いてみました。「インフラ投資などの財政支出拡大」、「法人税率の引き下げ」、「所得税率の引き下げ」については「一部実現」するとの回答が8割以上を占め、「企業の海外留保利益の還流促進策」、「米国内の雇用の増加」、「不法移民対策の強化」、「貿易面におけるニ国間協定の推進」、「金融規制の緩和」、「海外の軍事基地・同盟関係の見直し」も半数以上が「一部実現」すると回答しました。唯一「国境税」に関しては「実現できない」との回答が6割を占めました。市場関係者からは「米国株のバリュエーションは上昇し、トランプ政権の経済政策の先行きにも不安が生じていることを勘案したうえでも、少なくとも部分的には諸政策が実現するとの期待感と、必ずしもトランプ政権が理由ではない景気の改善基調が続く限り、トランプ相場はある程度の持続性を有すると思われる」といった声も聞かれました。         資産運用について「国内株式」は半数が強気、「海外債券」は弱気 次に、あなたがアセットアロケーションを行うなら各資産の運用についてどのように考えますかと質問したところ、「国内株式」は半数が「強気」と回答し、「米国株式」は「中立」と「強気」が約4割ずつで分かれ、「欧州株式」、「新興国株式」、「国内REIT」、「海外REIT」、「オルタナティブ」は「中立」が最も多く、「国内債券」は「弱気」と「中立」が約半数で分かれ、「海外債券」は「弱気」が最も多いという結果になりました。市場関係者からは「国、為替、商品別、銘柄別などそれぞれのカテゴリーにおいて、今後は勝ち組と負け組がはっきり分かれると思われる。株価指数など全体が上昇する余地は少なくなっていると考える。選択が投資パフォーマンスの成否を大きく左右する時期に入ってきたと思う」といった意見も聞かれました。   4月末の日経平均予想は1万8975円の下方シフト 4月末の日経平均株価について聞いたところ、平均値で1万8975円の予想でした。前回調査(確報)の1万9666円に比べて下方シフトとなりました。下方へシフトしたのは2カ月ぶりです。また、6月末には1万9416円、9月末は1万9590円との予想でした。 今後6カ月程度の株価の変動要因としては「景気・企業業績」が4割弱で注目度は上昇傾向です。トランプ政権の発足後に上昇し、一旦、注目度が低下した「政治・外交」は再び28%まで上昇しました。       セクター別では「電機・精密」の注目度が高まる 国内の資産運用担当者55人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」が5割を占める一方、「ややオーバーウエート」が低下しました。  セクター別の投資スタンスについては、「オーバーウエートとアンダーウェート」のバランスをみると、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのが「電機・精密」で、逆にアンダーウェートの比率が最も高いのが「公益」でした。

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