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「夏枯れ相場」はいつまで続く?過去のアノマリーを紐解くと…

日本中が熱狂したリオ五輪も閉幕し、季節はもうすぐ秋に差し掛かろうとしていますが、株式市場は未だ「夏枯れ相場」の最中。市場全体に「冷めた」空気が漂っており、株式相場の変動も控えめです。この閑散とした相場は果たしていつまで続くのか。格言では「彼岸底」「5月に売って9月に戻れ」などと言われてますが、今回は過去の統計を基に導き出した「アノマリー」から答えを見出しましょう。 そもそも、夏枯れ相場は本当か? QUICK Money Worldのマーケットカレンダーを見れば、各月の取引傾向とアノマリーが確認できます。しかし、日経平均株価の過去勝率を基にしたデータなので、売買の「繁忙」「閑散」までは傾向がつかめません。そこで、今回は東証1部全銘柄の売買代金の統計を基に、「取引の多い日」「少ない日」を調査しました。対象期間は、QUICK端末で確認できる1999年から2015年までの17年間です。以下が、調査結果を1つのカレンダー画像にまとめたものです。 この図のつくり方を説明しておきます。一年間のそれぞれの日付について年間の売買代金ランキングをつくります。1999年~2015年にかけての順位の平均値を取得し、その値に応じて繁忙か閑散を判断しています。ランキング順位に基づいて集計したのは株価の上下による売買代金の変動の影響を除くためです。株価が高くなれば、一単位の売買代金も大きくなるためです。 要するに、赤色が濃いほど相対的に取引が多く(繁忙)、緑色が濃いほど取引が少なく(閑散)なる傾向にある日となります。 これを見れば一目瞭然、やはり夏枯れ相場は存在するようです。6月から9月にかけてが、年間を通して閑散期にあたる時期で、特に8月は取引の少ない日が続きます。 夏枯れ相場の一旦の終わりは、9月中旬である9月16日頃です。また、シルバーウィーク直前にあたる9月19日は、特に取引が多くなる傾向があります。 2月から5月に繁忙期が訪れる 夏枯れ相場以外の繁忙期と閑散期についても見ていきましょう。 カレンダーを見てみると、2月から5月にかけて赤色の濃い日が集中して表れます。この時期が繁忙期と言えます。中でも2月29日(うるう日)、5月7日、3月14日は年間で最も取引の多い日となる傾向が見えます。また、1月14日、2月14日、3月14日は前後の日と比較して取引が多くなる傾向があります。これらの日の取引が多くなる理由については、明確な答えが見出せません。いわゆるアノマリー(合理的に説明できない経験則)であると言えます。 意外と大きい「クリスマス」の影響 逆に夏枯れ相場以外の閑散期を探すと、10月の中旬頃と、年末年始の商いが少なるなる傾向が見えます。特に12月25日は、年間でも際立って取引の少ない日です。この日は「クリスマス」のため、外国人投資家が一斉に休み、商いが薄くなると言われていますが、それが統計上でも顕著に表れています。また、外国人はクリスマスから年明けにかけて休暇に入ると言われ、日本人も年末年始に休む傾向があるため、12月25日以降から年明けの1月5日頃までは閑散が続くようです。 なお、これらはあくまでも過去17年間の統計に基づくデータです。経済的なイベントや投資環境の変化等により、アノマリーと反する動きとなったり、傾向が変化する事も考えられますので、過信は禁物です。 (編集:QUICK Money World)

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為替介入「95~90円」予想が3割強 外為プロに聞く

外国為替市場で円高・ドル安が進行しています。現在、1ドル=99円台後半と、節目の100円を下回る水準で推移しています。金融庁と財務省、日銀は18日午後、国際金融市場に関する3者会合を開催。日経QUICKニュースによると、財務省の浅川雅嗣財務官は会合終了後に記者団に対し、為替相場について「投機的な動きがないかどうかは絶えず注視し、もしあれば必要な対応をきっちりとると確認した」と述べた、と伝えています。 市場は「必要な対応」として政府・日銀による為替介入の実施に注目しています。QUICKが15日に公表した8月のQUICK月次調査<外為>では、日本の通貨当局はどの程度まで円高が進行すれば為替介入に動くと思うか、外為市場関係者にアンケート調査しています。 それによると、「95~90円」との回答が34%で最多となりました。次に「90~85円」が23%で続きました。「介入しない」は18%でした。 つまり、プロの8割強が1ドル=95円を下回るまで介入しない、または介入自体がない、と想定しているということです。円高・ドル安は1ドル=95円程度まで進む可能性は十分に考えられそうです。

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ポリシーミックスは効くか? 上場企業「事業運営にプラス」3割(8月調査)

日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している8月のQUICK短観(8月3~15日調査分、上場企業428社が回答)では、製造業の業況判断指数(DI)がプラス8となり、前月調査から1ポイント改善しました。非製造業DIも前月比2ポイント改善のプラス31となり、結果、金融を含む全産業DIは前回調査に比べ2ポイント上昇のプラス20となりました。 先行き見通し大幅改善 円高進行は引き続きリスク QUICK短観は、日銀が企業経営者の景況感を把握するために、四半期に1度の割合で発表している「日銀短観」の傾向を把握するのに役立つと共に、比較的、株価との連動性もみられるため、市場関係者にも注目されています。 QUICK短観の製造業DIについて、過去1年間の推移をまとめると、以下のようになります。2015年8月・・・・・・プラス29   9月・・・・・・プラス21   10月・・・・・・プラス14   11月・・・・・・プラス16   12月・・・・・・プラス172016年1月・・・・・・プラス13   2月・・・・・・プラス10   3月・・・・・・プラス5   4月・・・・・・プラス8   5月・・・・・・プラス7   6月・・・・・・プラス9   7月・・・・・・プラス7   8月・・・・・・プラス8 昨年の8月時点ではプラス29あった製造業DIですが、今年3月以降は1ケタ台で低迷しています。8月調査では7月調査に比べ1ポイント改善しましたが、現時点ではまだ底を打ったかどうかは何ともいえません。 その意味では、この先、数カ月間のQUICK短観には要注目です。低迷する業況判断DIが低下傾向をたどるようだと、この先公表される日銀短観にもネガティブな影響を及ぼすことになります。逆に下げ止まり、上昇の兆しがみえてくれば、全体の景況感も好転してくるでしょう。 希望が持てるのは、数カ月先の景況感を見通す「先行き」のDIが、やや改善に向き始めた点です。今年に入ってからの先行きの動向をトレースしてみましょう。数字は製造業DIです。2016年1月・・・・・・プラス13   2月・・・・・・プラス7   3月・・・・・・プラス6   4月・・・・・・プラス5   5月・・・・・・プラス10   6月・・・・・・プラス10   7月・・・・・・プラス2   8月・・・・・・プラス10 このように、前回調査で大幅に落ち込んだ先行きDIでしたが、8月は大幅に改善し、再び2ケタ台に乗せてきました。調査期間中の日経平均株価は一時1万6000円を割り込みましたが、その後は持ち直し、1万7000円に接近。こうした流れも企業心理の改善に一役買った可能性が考えられます。 ただし、足元では再び金融・株式市場には混乱の兆しもみられます。外国為替市場では、8月半ばにかけて再び円高・ドル安が進み、調査結果公表日となる18日は1ドル=99円60銭台まで円は上昇しました。 現状は完全に悲観するほどのものではありませんが、楽観視もまたできない状況にあります。円高は特に輸出企業の業績にとってネガティブ要因であり、製造業の業況判断DIを下押しする恐れがあります。その意味では、今後のQUICK短観および日銀短観が改善するかどうかは、為替の動向に左右される面が大きいともいえそうです。 企業の収益環境は著しく悪い状況ではない 生産・営業用設備の現状について、全産業ベースの「過剰」から「不足」を差し引いたDIは、前月に比べて1ポイント低下し、若干の不足感が生じました。雇用状況については、前月に比べて2ポイント低下し、不足感が浮上してきました。特に非製造業DIは、マイナス49ですが、昨年8月時点ではマイナス38だったことを考えると、着実に不足感が強まっています。 販売価格と仕入価格の現状ですが、「上昇」から「下落」を差し引いた販売価格DIについては、金融を除く全産業でマイナス7。前月に比べて若干、下落しています。ちなみに、昨年8月の販売価格DIは、プラス4ですから、販売価格はややデフレ気味に推移していると考えられます。 一方、仕入価格DIは、同じく金融を除く全産業でプラス4。昨年8月はプラス27だったので、仕入価格の上昇圧力は弱まっています。販売価格にデフレ圧力がかかっても、仕入価格の上昇圧力が弱まっているので、企業の収益環境は著しく悪い状況ではないと考えられます。 ポリシーミックスとは?その効果は? 8月の特別調査では、①政府と日銀の政策協調(ポリシーミックス)が事業運営にどう影響するか、②厚生労働省が新たに承認した企業年金制度「リスク分担型確定給付企業年金」についてどう考えるか――の2点について質問しました。 まず、ポリシーミックスの効果についてですが、「特に影響はなさそう」との回答が71%を占めました。次に「ややプラスの効果が見込める」が27%で続きました。「大きなプラスの効果が見込める」(1%)を加えるとプラス効果を見込む企業は28%となりました。 ポリシーミックスとは、政府による財政政策と日銀の金融政策を組み合わせて行われる景気対策のことです。安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」以降、日本の景気および物価の浮揚策は過度な金融政策に大きく依存する形で進められてきました。直近でも、日銀が国債を政府から直接引き受ける「ヘリコプターマネー政策」が話題に上りましたが、財政ファイナンスとの批判も多く、容易には踏み込めない領域とされています。 このように金融政策で行える景気対策の選択肢が狭まるなか、財政政策との組み合わせによるポリシーミックス効果に対する期待が高まっています。今回の調査では上場企業の3割程度が「プラス効果あり」と回答しています。7割が「特に影響ない」と回答したことを受けて、ポリシーミックスの効果は限定的と断定するのは時期尚早といえそうですが、企業側としても政策の内容をみてからの判断というのが本音なのかもしれません。 次に、新たな企業年金制度に対する企業側の反応ですが、「特に検討しない」が61%を占め、次に「これから検討する」が37%で続きました。「前向きに検討している」は2%にとどまりました。 リスク分担型確定給付企業年金は、DB(確定給付型年金)とDC(確定拠出型年金)とともに企業年金の新たな選択肢として導入されるものです。これまで企業年金の運用リスクは、DBの場合だと企業側が、DCだと加入者側が一方的に負担するものでしたが、これを双方で負担し合うようにしたものが、リスク分担型確定給付企業年金の特徴です。 ただ、「前向きに検討している」と答えた企業は全体の2%に過ぎず、制度の本格普及には時間がかかりそうです。

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日銀「総括的検証」は緩和予告?それとも… 9月会合は「現状維持」優勢(8月調査)

外国為替市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の8月調査を、8月15日に発表しました(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者65人が回答、調査期間は8月8~11日)。この間の為替レートは、対ドルが101円48銭~102円42銭。対ユーロが113円07銭~113円44銭でした。 「総括的検証」後の日銀政策、緩和深掘り予想は少数派 6月28~29日開催の日銀金融政策決定会合では、マネタリーベースは現状維持、マイナス金利の深掘りも行われませんでした。唯一、変わった点は上場投資信託(ETF)買い入れ額が従来の年間3.3兆円から6兆円に倍増されたことでした。 一方、次回の日銀金融政策決定会合は9月20~21日に開催されますが、ここで日銀はこれまで実施してきた政策の「総括的な検証」を行うと発表しました。 この「総括的な検証」を巡って「追加緩和の予告」と受け止める市場関係者もいれば、「日銀の打ち手の限界を示唆」とみる関係者もいて、交錯する思惑から金融・株式市場は上下に振れる展開となりました。 外為市場関係者では、総括が行われた後の金融政策の枠組みをどうみているのでしょうか。3次元の金融緩和の行方について質問したところ、量的緩和(国債買い入れなど)については「現状維持」が59%となり、「拡大」の29%を上回りました。「縮小」は13%でした。一方、質的緩和(ETFの買い入れなど)は「現状維持」が64%となり、こちらも「拡大・拡充」(36%)を上回りました。そしてマイナス金利については「現状維持」が60%、「拡大」が31%、「縮小・撤廃」が10%という結果になりました。総じて、現状維持という回答が多数を占めていることが分かります。 9月の日銀会合、「現状維持」予想が6割 また、9月の日銀金融政策決定会合において、追加の金融緩和が行われるかどうかについて聞いたところ、「現状維持」が60%に達し、「追加緩和」の40%を上回りました。 日銀は当初、「2015年度中に2%の物価上昇を達成する」という目標を掲げていましたが、何度か先送りし、現在は「2017度中」としています。しかし、現在の消費者物価指数(CPI)は対前年同月比でマイナスが続いています。デフレ色が払拭されない中で金融緩和を縮小させる手はありませんが、問題は緩和するにしても、打ち手が無くなりつつあると市場参加者が見始めていることです。すでに、過去の歴史にみられない水準まで金融を緩和しておきながら、なかなか物価が上昇に転じない状況から考えて、果たしてここから先の金融緩和に期待できるのかどうかという疑問が浮上しつつあり、日銀としてもこの先の判断は迷うところでしょう。 FRB、年内の利上げは? 一方、先進国の中では唯一、金融政策が正常化に戻りつつある米国について、米連邦準備理事会(FRB)の年内の金融政策について聞いたところ、「12月に追加利上げ」が68%で最多となりました。次に「9月に追加利上げ」が14%で続きました。「追加利上げなし」が17%でした。 米雇用情勢の拡大など足元の経済指標は再び強めの内容も目立ち始めていますが、ダウ工業株30種平均など主要指標が相次いで最高値を更新する状況をみると、なかなか追加利上げには動けないと市場参加者はみている節があります。利上げ観測が一段と高まった場合の米国株の動きには注意が必要となりそうです。 また、NY原油相場については、6月に高値を付けたところから下落基調に転じ、一時は1バレル=40ドルを割り込みましたが、年末にかけて原油相場がどうなるのかを聞いたところ、「40ドル前後で横ばい」が53%となり、「上昇に転じる」の31%、「下値模索が続く」の16%をそれぞれ上回りました。原油相場の動向は日米の物価指標、ひいては金融政策に影響するだけに、今後も値動きに一喜一憂する展開が続くかもしれません。 年後半の円高値予想97円台 為替介入は「90~95円」レベルで実施? こうした日米金融政策やマーケット見通しを踏まえ、年後半のドル円相場の高値と安値について聞いたところ、ドル高・円安の単純平均は1ドル=108円17銭、ドル安・円高の単純平均は1ドル=97円69銭になりました。7月調査でも同じ質問をしましたが、その時はそれぞれ110円47銭、97円34銭でした。円の高値予想は97円台で同水準でしたが、安値予想は2円程度切り下がっています。低インフレが続く中で米国が追加利上げを急ぐ理由も乏しいとして、円売りには傾きづらい状況が続くとの見方が増えつつあるようです。 円高進行への警戒感が捨てきれない中、日本の通貨当局が為替介入に動くとすれば、その水準はいくらと思うか聞いた設問では、「95~90円」が34%で最も多く、次いで「90~85円」で23%、「介入しない」が18%、「100~95円」が17%となりました。 1カ月後のドル円見通しは3カ月連続で円高シフト ドル円については、金融機関の外為業務担当者の1カ月後の為替見通しが、前回調査の1ドル=103円61銭から円高・ドル安方向にシフトし、102円07銭になりました。1カ月後の見通しが円高・ドル安方向にシフトしたのは、これで3カ月連続になり、市場関係者の間では目先、円高ムードが根強いことを示しています。 今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円は「金利/金融政策」が前月に比べ21%上昇して81%に達しました。一方、「当局の姿勢(介入含む)」が12%低下して5%に、「政治/外交」も10%低下して5%になりました。 また、米ドルは「景気動向」に対する注目度が、前月に比べて15%上昇して21%になりました。ユーロは「政治/外交」に対する注目度が、前月比で9%上昇し、41%になっています。 向こう6カ月間で、各通貨が対円でどのように推移するのかについては、米ドルDIが7月調査分のプラス46からプラス34に低下。ユーロと英ポンドのDIはマイナス幅が拡大し、スイスフランやブラジルレアル、ロシアルーブル、南アフリカランドのDIは、前月のプラスからマイナスへと転じました。 想定レートの平均値はドル円が110円38銭 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「アンダーウエート」が0%になり、「ニュートラル」が前月調査の55%から75%に上昇。「オーバーウエート」は27%から25%へと低下しました。 また為替ヘッジについては、「ヘッジ比率を上げる」が前月調査の10%から0%に低下。「ヘッジ比率を下げる」も前月調査の20%から0%に低下した一方で、「現在のヘッジ比率を維持」が70%から100%に上昇しました。目先の値動きよりも、中長期的な投資戦略に則って外貨に投資しているファンドとしては、円高、円安のいずれかに大きくポジションを傾けるのではなく、当面は現在のヘッジ比率を維持しつつ様子見している状況が伺われます。 ちなみに、業績予想の前提となっている為替レートについては、「ドル/円」の平均値が1ドル=110円38銭、「ユーロ/円」の平均値が1ドル=122円50銭となっています。

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ポケモンGOの任天堂に業績サプライズは? 「市場に好影響」との声7割(8月調査)

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の8月調査を、8月8日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者153人が回答、調査期間は8月2~4日)。 調査期間中の日経平均株価は、1万5921円04銭~1万6541円88銭のレンジで推移しました。7月調査を公表した7月11日の前営業日の日経平均終値は1万5106円98銭でしたが、8月5日時点の終値は1万6254円45銭となり、1カ月間で1000円超の上昇となりました。 ただ、東証マザーズ指数は逆に5%近く下落しており、日銀の追加緩和や政府の大型経済対策への期待などを背景に、株式市場は流動性の高い大型株を中心に物色される傾向が強まったことが分かります。今後の株式市場全体が盛り上がるかどうかは、個人投資家が多く参戦する中小型株にも買いの流れが波及するかどうかがポイントになりそうです。 見方分れる任天堂株への期待感 今回のアンケート調査では、一躍、社会現象にまでなった「ポケモンGO」をリリースした任天堂の業績への影響などについて聞きました。 ポケモンGOの世界的なヒットを受け、株式市場では多くの投資家が任天堂株に注目し、7月19日に3万2700円と年初来高値を付けました。しかし、7月22日に任天堂が「連結業績に与える影響は限定的」とのプレスリリースを公表すると、一転して株価は下落に転じました。7月25日にはストップ安を記録。その後もじり安基調となり、8月5日の終値は2万715円となっています。 こうした任天堂の業績を中長期的にみた場合、市場関係者はどう予想しているのかを聞いたところ、「今期会社予想(営業利益450億円)並みにとどまる」との回答が49%で最多となりました。一方、「今期会社予想より倍増(同1000億円程度)」が38%、「今期会社予想より数倍増(同2000億円~3000億円程度)」が10%となりました。 今期並みの業績予想(49%)に対し、倍増と数倍増を加えたものが48%ですから、市場関係者の見方は大きく二分していることが分かります。いまのところ、株価は「今期並み」、はたまた円高進行による業績下振れリスクを織り込んで下がっていますが、市場関係者の中には、サプライズ期待も根強く残っていることを意味しています。 気になる株価については、「今年の高値(3万2700円)を上限としたもみ合い」が50%で最も多く、次いで「すでに高値は付け、下落局面に入る」が33%、「今年の高値(3万2700円)を超えていく」が14%となりました。業績に対する期待感は根強く残っているものの、株価については今年の高値まで戻すのがせいぜいという見方のようです。 任天堂株の活況、市場に「何かしらの」好影響7割 任天堂株の活況が株式市場に及ぼす影響については、「影響なし」が28%、「好影響は『ポケモンGO』関連株だけにとどまる」が27%、「市場全体の活況につながる」が23%、「ゲーム関連株や消費関連株などに好影響を与える」が20%となっており、何かしらの好影響を及ぼすと考える市場関係者は70%を占めました。 任天堂の株価への影響は限定的でも、ポケモンGOに紐づけたビジネスを展開する企業の株価には、ポジティブな影響が生じる可能性があります。 なお、「ポケモンGO」の中核技術であるAR(拡張現実)の展開について、今後どのように予想するかについては、「消費やマーケティングの領域で幅広く活用される」が59%で最も多く、「生産や開発の現場で幅広く活用される」が27%、「ゲーム機能など一部の利用に限られる」が15%となっています。 主力大型株の見通しは強気 1カ月後の日経平均株価予想は、平均値で1万6352円となり、前回調査の1万5599円から上方シフトしました。日経平均株価については当面、主力大型株中心に物色されるとの見方があり、株価の見通しについては強気になっています。 一方、日経ジャスダック平均の1カ月後予想は2482円で、前回調査の2454円に比べて、若干の上方シフトにとどまっています。当面、個人投資家の関心が高い中小型株は、冴えない展開が続きそうなことを示唆しています。 今後、6カ月程度を想定した場合、株価を動かす要因で注目されるものとしては、「景気・企業動向」が前回調査の32%から今回は44%まで上昇。一方、「政治・外交」は9%から3%に低下しました。また、同じく今後、6カ月程度を想定して、最も注目される投資主体としては、「個人」が3%から9%に上昇。対して「外国人」が84%から78%に低下しました。 株式のウエートはやや引き上げる傾向 資産運用担当者61人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「かなりアンダーウエート」が10%から7%に、「ややアンダーウエート」が26%から16%に低下する一方、「ややオーバーウエート」が16%から29%に上昇しました。日経平均が持ち直すなかで、比較的株式の投資比率を高めてきたことが分かります。 また、当面のスタンスについては、「現状を維持する」が67%で前回調査と変わらず。「やや引き下げる」が14%から7%に、「かなり引き下げる」が2%から0%に下がる一方、「やや引き上げる」が16%から24%に、「かなり引き上げる」が0%から2%に上昇しています。 短期的にみれば、8月はお盆休みもあり、マーケットは薄商いになりがちです。ちょっとしたニュースで株価が変動する場面もあるでしょう。ただ、政府・日銀の金融・経済対策への期待も根強く残る中で、足元の相場水準は中長期にみて仕込み場と考えている投資家も少なくないようです。

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コンセンサスDI、マイナス幅が縮小 食料品DIはプラス転換(7月)

全産業DIはマイナス34に改善 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年7月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス34となりました。前月から2ポイント改善しました。とはいえ、絶対値をみる限り、企業全体の業績見通しは厳しい状況であることに変わりはありません。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 7月28~29日に開催された日銀金融政策決定会合では、上場投資信託(ETF)の買い入れ額が従来の年間3.3兆円ペースから6兆円へと引き上げられたほかは、特に大きく変わったものはありませんでした。事前には、ヘリコプターマネーやマイナス金利の深堀り、現在年間80兆円の量的緩和を100兆円まで拡大するなど、さらなる金融緩和への期待感が高まっていましたが、市場関係者にとってはやや期待外れだったのでしょう。金融政策決定会合の内容が報道されると、ドル円は再び円高に向かいました。また、物価水準も相変わらずデフレ気味に推移しており、マクロ環境は企業にとって、相変わらず厳しい状況が続いています。 物価上昇率の低下で非製造業の見通し厳しい 業種別のDIをみると、16業種中プラスだったのは4業種でした。前月からのDIの動きを業種別にみると、以下のようになります。プラス値が横ばい・・・・・・・・「不動産」プラス値が低下・・・・・・・・・「医薬品」「建設」マイナス値からプラス値へ改善・・「食料品」マイナス値からゼロへ改善・・・・「情報・通信」ゼロで変わらず・・・・・・・・・「その他金融」マイナス値が改善・・・・・・・・「機械」「電機」「卸売」「サービス」「銀行」マイナス値が悪化・・・・・・・・「化学」「鉄鋼」「非鉄金属」「輸送用機器」「小売」 次に、DIを製造業、非製造業の別でみてみましょう。昨年以降の製造業DIは、7月・・・・・・68月・・・・・・109月・・・・・▲510月・・・・・▲1211月・・・・・▲1812月・・・・・▲151月・・・・・▲112月・・・・・▲353月・・・・・▲484月・・・・・▲475月・・・・・▲476月・・・・・▲487月・・・・・▲49となっています。 これに対して非製造業DIは、7月・・・・・・178月・・・・・・179月・・・・・・2510月・・・・・・2011月・・・・・・1512月・・・・・・121月・・・・・・82月・・・・・▲33月・・・・・・14月・・・・・▲15月・・・・・▲96月・・・・・▲187月・・・・・▲15となりました。 製造業に比べて非製造業の方がマイナス値は小さいものの、数値的には決して良いものではありません。物価水準の低下は、生産性の向上が難しいサービス業にとって、業績の悪化につながりやすいのが上記の数値にも表れています。 消費者物価指数は、食料およびエネルギーを除く総合でも、対前年同月比で4月・・・・・0.7%5月・・・・・0.6%6月・・・・・0.4%というように徐々に上昇率が低下しています。この数値が上向いていかない限り、サービスを中心とする非製造業の業績に対する期待感は厳しい状況が続きそうです。 ベネッセHDの下方修正率大きく 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。銘柄数の内訳は「強気」が65銘柄で、「変化なし」が100銘柄、「弱気」が184銘柄になりました。 <上方修正率の大きい銘柄>1位 東芝(6502)・・・・・・・・・・98.18%2位 コスモエネルギーHD(5021)・・66.75%3位 中部電力(9502)・・・・・・・・47.28%4位 昭和シェル石油(5002)・・・・・35.51%5位 レンゴー(3941)・・・・・・・・29.17% <下方修正の大きい銘柄、▲は減少>1位 ベネッセHD(9783)・・・・・▲98.94%2位 ジャパンディスプレイ(6740)・▲80.33%3位 新光電気工業(6967)・・・・・▲76.79%4位 パイオニア(6773)・・・・・・▲75.71%5位 千代田化工建設(6366)・・・・▲68.19%

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ヘリマネ導入「8割」が反対 過度な円安など副作用を懸念(7月調査)

債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の7月調査を7月27日に発表しました(証券会社および機関投資家の債券担当者130人が回答、調査期間は7月22~26日)。この間の国内金利は、新発10年物国債の利回りがマイナス0.245~マイナス0.225%で推移しました。 日本国債のイールドカーブをみると、前月に比べてマイナス金利は10年物までが深堀されましたが、15年物は同じマイナス域でも若干浅めになり、20年物以降は高めになっています。 具体的に6月末時点から7月26日時点までの数字を示すと以下の通りとなります。10年債・・・・▲0.221%⇒▲0.253%15年債・・・・▲0.086%⇒▲0.027%20年債・・・・・0.044%⇒ 0.168%30年債・・・・・0.058%⇒ 0.265% 直近で気になるのが、7月28~29日に開催される日銀金融政策決定会合において、もう一段の量的・質的金融緩和と、マイナス金利の深堀が行われるかどうかということです。株式市場の値動きをみると、追加金融緩和を織り込みに行く展開ですが、一方で日銀がバズーカを撃てる回数は限られるという見方もあります。仮に後者だとしたら、バズーカの「撃ち惜しみ」をすることも考えられます。いずれにしても、週末にかけては、日銀の金融政策決定会合および27~28日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定内容をめぐり、マーケットは神経質な動きになりそうです。 ヘリマネは「円安」「物価上昇」を導く? 今回のアンケート調査では「ヘリコプターマネー(ヘリマネ)」について質問しました。 まず、金融政策におけるヘリコプターマネーとは何か、という点について質問したところ、「財政支出拡大のための永久国債を日銀が引き受ける」が49%で最多となり、次いで「財政拡大と日銀の国債買入れ増額が同時に行われる」が16%、「財政支出のための利付国債を日銀が引き受ける」が14%という結果になりました。 償還期限のない永久国債を日銀が引き受ければ、確かに資金のバラマキにはつながるものの、一方では財政ファイナンスそのものとの反対意見も噴出する可能性があり、その実現可能性は難しいところがありそうです。 また、ヘリコプターマネーの効果については、「円安」との回答が71%に上りました。次に「物価上昇」が55%、「株高」が29%と続き、肝心の「経済活性化」は27%でした。 本来、金融政策は最終的に経済活性化を目的にしていますが、それがわずか27%でしかないのが皮肉な話です。 副作用が大きい?ヘリマネ 逆に、ヘリコプターマネーの副作用は何かとの問いでは、「財政規律の弛緩」が85%で断トツのトップ。次いで「過度な円安」が51%、「国債価格の暴落」と「外貨調達コストの上昇」が同率で44%となりました。 アベノミクスの政策は、過度な円高を修正することで、デフレ経済から脱却するというものでしたが、最も大事なことは、その間に企業業績が改善され、賃金が引き上げられることにあります。その流れが進まないなかでヘリコプターマネーがばらまかれると、逆に副作用だけが強調され、特に株式市場にとってはネガティブな影響を及ぼす恐れがあります。 なお、ヘリコプターマネーの導入に賛成かどうかを聞くと、実に77%の回答者が「反対」という結果になりました。 目先、マイナス金利の深堀は一服か? 新発10年国債の金利見通しは、6月調査に比べて若干の低下となり、マイナス金利の深堀がもう一段進むという見通しになりました。ただ、6月調査での12月見通しがマイナス0.204%で、7月調査での2017年1月見通しが同じマイナス0.204%となり、若干、足元よりも先の金利については、マイナス金利の深堀が一服するムードが強まっています。 実際、新発20年物国債の金利見通しについては、1カ月後、3カ月後、6カ月後のいずれの見通しにおいても、6月調査に比べて7月調査の方が金利は高くなっています。ただ、それも28~29日に行われる日銀金融政策決定会合においてどのような金融政策が打ち出されるのか次第という面はあります。 今後、6カ月程度を想定した時、注目度で上昇したのが「短期金利/金融政策」で、6月調査の74%から7月調査では80%に上昇。指数は78.4なので「短期金利/金融政策」は債券相場にとってポジティブ材料と受け止められています。 また注目する投資主体としては、6月調査に比べて大きな動きはなく、指数にも大きな変化はみられませんでした。 資産運用担当者の債券見通しはまだ強気 ディーリング部門を除く資産運用担当者64人を対象に、現在運用しているファンドについて、国内債券の組み入れが現在、通常の基準と比べてどのようになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」が6月調査の63%から57%に低下する一方、「ややオーバーウエート」が13%から18%に上昇、「かなりアンダーウエート」が2%から6%に上昇しました。デュレーションからみると、債券についてはまだ強気の見方が多いようです。 現在のデュレーションは、「やや長い」が28%から22%に低下する一方、「やや短い」が16%から20%に上昇しましたが、当面のスタンスについて聞くと、「現状を維持する」が73%から75%に微増し、「やや短くする」が11%から3%に大幅低下。一方で「かなり長くする」が2%から3%に微増し、「やや長くする」が13%から17%に上昇しました。

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「ポケモンGO」で変わる「現実」、社会の変化から考える「ポケモン関連銘柄」

市場は今、空前の「ポケモノミクス」に涌いています。その主役は任天堂(7974)のスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」。既にリリースされた欧米では社会現象を巻き起こしており、多くの投資家が日本でのリリースの瞬間を待ちわびています。 これにより任天堂の株価はうなぎのぼりで急伸していますが、急伸しているのは任天堂だけではありません。リリース後の展開を見越してか「ポケモン」を連想する銘柄は軒並み買われている状態です。その中には、はたして業績に影響を与えるのか未知数である銘柄も多く、やや過熱しすぎの感もあります。 そもそも、このサービスが世界中の投資家から注目を集めているのは、何も「ポケモン」だからではありません。「社会に対する多大な変化」をもたらしているからです。そこで、先行する欧米の報道などから、これから日本でも起こるであろう「変化」について解説します。 1.人々の歩く量が劇的に増加した 先行してリリースされたアメリカにおいて、ポケモンGOがもたらした最大の社会の変化は「人々の歩く量が増加した」ことでしょう。 米国の報道によれば、ポケモンGOユーザーの一日当たりの歩数を調査したところ、ポケモンGOを開始する前と比較して、なんと62.5%も増加したとのことです。ポケモンGOの流行が継続的に続けば、沢山の人が健康状態を改善できるとも言及されています。 ポケモンGOで歩数が増えた原因は、そのゲーム性にあります。ゲーム内で「ポケモンのタマゴ」と言われるアイテムを取得した場合、タマゴを孵化させてポケモンとして利用するためには、時速10km以下で最大10kmの距離を移動しなければいけません。移動判定にはGPSを利用しているため室内で距離を稼ぐことは不可能、孵化させる現実的な手段は「外を歩く」以外にないでしょう。そのため、多数のアメリカ人が、ゲームを有利に進めるために「歩く」という選択肢をとっています。なお、自転車では時速10kmを超えてしまうと言われています。 日本でリリースされた際には、アメリカと同様の現象がおきると予想されます。すなわち、普段あまり歩かなかった人にも、「歩くこと」が習慣化されるはずです。 そのため、「歩くためのツール」に注目が集まるかもしれません。すなわち「ウォーキングシューズ」です。関連銘柄としては、スポーツシューズの大手アシックス(7936)、ミズノ(8022)、アキレス(5142)などが挙げられます。 2.モバイルバッテリーを携帯するようになった ポケモンGOを利用するアメリカ人にとって、1つ困った問題が起きています。それはスマートフォンのバッテリー消費が速いことです。一説には、ポケモンGOは30分で15%バッテリーを消費するとも言われています。 そのため、アメリカで爆発的に売れているのが「モバイルバッテリー」。「レアなポケモンに遭遇したのにバッテリーが無くなって捕まえられない」事がないように、多くの人がモバイルバッテリーを購入しているようです。現に、アメリカでバッテリー内臓型ケースを販売する Zagg INC. の株価は、ポケモンGOリリース直前と直近(7/19)を比較して、約3割も上昇しました。 日本でのモバイルバッテリーの有力メーカー「ANKER」「CHEERO」は非上場ですが、両社の商品説明には「パナソニック製電池を使用」との記載があり、リチウムイオン電池の大手パナソニック(6752)の業績に繋がるとの期待が広がっています。同様の理由で、スマートフォン周辺機器の大手、エレコム(6750)も期待されているようです。 3.地図+ARの可能性が広がった ポケモンGOは現時点での最も成功した「AR」サービスと言えます。ARは(Augmented Reality:拡張現実)の略です。簡単に説明すると、私たちが普段目にする世界(現実)に、コンピュータで生成した情報を付与(拡張)して表示する最新技術の事です。ポケモンGOでのARとは、人々が普段生活している場所(現実)に、「ポケモンジム」や「ポケストップ」、「野生ポケモン」が「ある」として表示(拡張)することを指します。 ARは同じく最新技術「VR(Virtual Reality:仮想現実)」とセットで取りあげられることが多いですが、過熱するVRに対して、ARはやや盛り上がりに欠ける技術という印象がありました。ARサービスの大本命とされた「Google Glass」が不調で個人向けの販売が中止に追い込まれたことも、ARにいまいち期待が持てなかった一因です。 ですが、今回のポケモンGOの爆発的ヒットによって、「地図」を使うことでARの可能性が広がることが分かり、改めてARに対する機運が高まっています。例として、「O2Oサービス」へのAR利用の可能性が挙げられます。O2Oサービスとは、オンライン(Online、Webやゲーム、スマートフォン)からオフライン(Offline、実店舗)への来店を促すようなサービスを指します。ポケモンGOではゲームを介して実店舗にユーザーを送客できることから、新たなマーケティングツールとして注目されています。 関連銘柄としては、Googleマップの日本版でも採用されている大手地図データ販売のゼンリン(9474)、AR技術支援のサイバネット(4312)などが挙げられます。 ポケモンGOが画期的と言われる理由は、「人を動かす」ための新たな手段を実現したことです。「人」が動くと「金」が動く、「金」が動くと「経済」が生まれます。上記以外にも、様々な分野に影響を及ぼすことでしょう。 (編集:QUICK Money World)

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不透明感漂う先行き景況感 円レート「想定VS実態」なお乖離(7月調査)

日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している7月のQUICK短観(7月4~18日調査分、上場企業424社が回答)では、製造業の業況判断指数(DI)がプラス7となり、前月調査から2ポイント悪化しました。一方、非製造業DIは前月比変わらずのプラス29となり、結果、金融を含む全産業DIは前回調査に比べ2ポイント悪化のプラス18となりました。 先行きDIが大きく悪化 政府・日銀の対応いかに? QUICK短観は、日銀が企業経営者の景況感を把握するために、四半期に1度の割合で発表している「日銀短観」の傾向を把握するのに役立つと共に、比較的、株価との連動性もみられるため、市場関係者にも注目されています。 7月1日に発表された6月の日銀短観は、大企業製造業の業況判断DIがプラス6と前回調査と同じ、将来の業況を示す先行きDIもプラス6でした。しかし、気を付けなければならないのではこの調査時点で、英国のEU(欧州連合)離脱決定で金融市場が混乱した影響はほぼ反映していないとみられる点です。 その点、先行き業況判断についてはQUICK短観の結果を分析することは有効かもしれません。今年に入ってからのQUICK短観・製造業の先行きDIをみてみましょう。 1月・・・・・・プラス132月・・・・・・プラス73月・・・・・・プラス64月・・・・・・プラス55月・・・・・・プラス106月・・・・・・プラス107月・・・・・・プラス2 5~6月と2カ月連続で景気の先行き期待はやや高まっていましたが、7月調査で先行きのDIがプラス2に急落しました。英国のEU離脱決定をはじめ、世界の政治・経済に不透明感が漂っていることや外国為替市場で円高進行、アベノミクス効果がなかなか実感できない中で消費者物価の上昇率が低下し、デフレマインドが再び浮上しかねない状況にあることが先行き見通しの悪化につながっていると考えられます。 7月10日投開票の参院選では、安倍首相率いる与党が圧勝し、数字上はアベノミクスに対する信認を得る結果となりました。今後の焦点は10兆円規模ともいわれる大規模な経済対策など政府の政策対応に移ります。また、日銀による景気刺激策も期待されるところです。足元では株価も持ち直していますが、今後の景況感に明るさが台頭してくるのか、世界の政治・経済の行方とともに、政府・日銀の政策対応力が鍵のひとつになりそうです。 デフレ色強まる販売価格DI 生産・営業用設備の現状については、全産業ベースはこれまでと大きく変わらず、構成比は「適正」が最も高いものの、「過剰」から「不足」を差し引いたDIは、これまで若干の不足でした。それが7月調査では過剰と不足の構成比が同じになり、不足感が解消されています。特に金融機関はこれまで大幅な不足でしたが、一気に適正水準となり、それが全産業の不足感を解消する結果になりました。 また雇用人員の過不足ですが、こちらは相変わらず不足の状態が続いていますが、6月調査ではマイナス100だった金融機関のDIがマイナス80に改善し、金融セクターにおける雇用不足感はやや改善されていることを示しています。 販売価格、仕入価格の現状は、販売価格DIが全産業(除く金融)で、6月調査のマイナス3からマイナス6に低下。販売価格DIのマイナス幅拡大は、それだけデフレ傾向が強まりつつあることを示唆しています。また、仕入価格DIは、全産業(除く金融)でプラス7となり、6月調査分のプラス8から1ポイント低下しました。 英国EU離脱による企業業績への影響は軽微? 7月の特別調査では、①英国が実際にEUを離脱する場合の影響、②英国民投票後の円高圧力の高まりに伴い業績予想の前提となる想定為替レートを変更するかどうか――の2点について聞きました。 まず、「英国が『実際』にEUを離脱する場合、貴社の業績にどのように影響を及ぼすと考えますか」との質問に対し、最も多かった回答が「特に影響なし」で51%を占めました。一方、次に「マイナスへ少し影響」が46%で続き、「マイナスへ大きく影響」(2%)を加えると合計48%が「マイナスに影響する」とみていることが分かりました。 よもや「プラスへ大きく影響」する企業があるとも思えませんが、「特に影響なし」が過半数を占めたことは、株価にとってはややポジティブな材料と受け止められるかもしれません。6月24日の日経平均株価は1286円安と急落しましたが、そこから約1カ月間で反騰してきたのは、少なくとも現時点では、英国のEU離脱が経済的に大きなマイナス材料にならないことを、マーケット参加者が冷静に受け止めたからだと思われます。 為替を通じた業績下振れ圧力には警戒感 次に、「目先、業績予想の前提となる想定為替レートの変更を考えていますか」との質問に対しては、「円高方向への変更を考えている」との回答は25%にとどまり、「特に変更は考えていない」(74%)を大きく下回りました。 7月19日にQUICKが公表した7月のQUICKI月次調査<外為>によると、業績予想の前提となっている為替レートは、ドル/円で1ドル=110円80銭が平均値でした。これに対して、現在の為替レートは1ドル=106円前後で推移しています。一時は100円を切るところまで進んだ円高・ドル安ですが、7月雇用統計で米国経済が比較的堅調であることが示され、ダウ工業株30種平均も史上最高値を更新してきたことから、11月の米大統領選挙後の利上げ観測も浮上してきています。 一方、日本に関してはもう一段の量的・質的金融緩和やマイナス金利の深化を織り込む動きになっており、為替にとってはドル買い材料が揃いつつあります。こうした環境から、想定為替レートの変更を考えていない企業が7割を超えるのは妥当といえるかもしれません。 しかし、米国株の最高値更新は早期の利上げ観測後退が後押しした面は否めず、今後米利上げ観測が高まることで、「米株安⇒リスクオフ(リスク資産の敬遠)⇒円高・ドル安の進行」という動きが強まる可能性は否定できません。現時点で多くの企業の想定よりも円高水準で推移していることを考えても、為替要因が特に輸出関連企業の業績上振れ要因にならないのは確かです。サイクル論で言えば、すでにドル高はピークアウトしているだけに、再び円高・ドル安が進み、企業業績に重くのしかかるというシナリオも常に考えておく必要がありそうです。

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セカンダリー投資としての「LINE」…注目したい4つのイベント

7月15日、2016年最大規模の新規株式公開(IPO)銘柄「LINE」が上場しました。初値は公開価格の3300円を大きく上回る4900円。翌営業日7月19日の終値は3990円で値を下げ、市場は落ち着きを取り戻しつつありますが、依然として投資家の関心を集めている銘柄であります。このレポートでは、流通市場(セカンダリー)での投資でLINEを考える場合の、ターニングポイントとなりうる「イベント」をまとめました。 なお、LINEの業績分析については、先のレポートに分かりやすくまとめてあります。 日米の市場で話題となるLINE上場(イメージ) 1.上場後の決算発表(7/27) 7月27日に、上場後初の決算発表となる、第2四半期決算(2016年4~6月)が発表される予定です。その際、会社予想にあたる第3四半期決算(2016年7~9月)の見通しも発表される予定です。 先のレポートの通り、LINEの投資対象としての魅力は成長性の高さにあり、仮に成長ストーリーが疑われるような見通しが発表された場合は、ネガティブなサプライズとなる可能性があります。 まずは、第1四半期で減収が判明した「ゲーム事業」が、次の四半期でどの程度回復しているのかが注目されるでしょう。なお、「ゲーム事業」には1つ懸念材料があります。 2.Pokemon GOのリリース(7月中?) LINEにとって収益の柱である「ゲーム事業」の懸念、それは任天堂(7974)のスマートフォンゲーム「Pokemon GO」の登場です。日本では、遅くとも7月中にリリースされる見通しで(本日7月20日にリリースされると一部報道もあり)、既に欧米で社会現象化している状況からみて、日本でも大流行することが期待されています。 Pokemon GOがヒットすると、逆に売り上げが落ち込むのではと危惧されているのが、他スマートフォンゲームの運営会社です。スマートフォンゲーム市場規模は約1兆円ともいわれ、現在は飽和状態にあります。Pokemon GOが爆発的に日本でヒットすれば、他スマートフォンゲームからユーザーが移動するのではとの懸念が広がっており、7月14日に「パズル&ドラゴンズ」を運営するガンホー(3765)、「モンスターストライク」のミクシィ(2121)、「白猫プロジェクト」「魔法使いと黒猫のウィズ」のコロプラ(3668)などスマートフォンゲーム運営会社の株価が、大幅に下落しました。株価が急騰した任天堂とは対照的です。 LINEの収益の柱は「LINE ディズニーツムツム」などがけん引する「ゲーム事業」。Pokemon Goとはゲーム性が異なるものの、強力なライバルの動向には、細心の注意が必要でしょう。 3.TOPIX組み入れ(8/31) 東証1部に上場したので、8月31日のTOPIXリバランスの際、指数に組み入れられる予定です。LINEの時価総額は8000~9000億円、情報・通信業の第8位であり比較的大きく、インデックス運用ファンドからの買い需要が発生するでしょう。 ただし、投資家にとっては既定路線であるため、8月31日より前の段階で株価に織り込まれることが想像されます。 4.ロックアップ解除日(1/11) LINEの主要な既存株主には180日のロックアップが掛かっているため、上場後から来年1月10日までは、既存株主による売り圧力を心配しなくてもいいでしょう。しかし、解除日の1月11日以降は注意が必要です。ロックアップ解除後に伴い売り圧力が強まるかどうかは、ひとえに、上場時点で全体の9割弱の株式を保有している親会社NAVERの思惑次第であり、1月11日以降の展開は不透明と言えます。 以上が来年にかけてのターニングポイントとなりうるイベントです。LINEは上場まもなく、投信判断できるだけの情報・材料が少ないため、上記に限らず、関連ニュースやIRには常にアンテナを張ることが必要でしょう。 (編集:QUICK Money World)  

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英ポンド、反転には「EU離脱撤回」が最善との声も…(7月調査)

外国為替市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の7月調査を、7月19日に発表しました(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者76人が回答、調査期間は7月11~14日)。この間の為替レートは、対ドルが101円89銭~104円21銭。対ユーロが112円33銭~115円11銭でした。 英ポンド、本格反転には時間? 英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱(Brexit)を決定した結果、英ポンドは主要国通貨に対して大きく下げました。国民投票の結果が出る前日6月23日の英ポンド/米ドルは1英ポンド=1.4867ドルでしたが、その後、一時1.2ドル台後半に下落しました。7月18日時点では1.32452ドルにやや戻していますが、安値圏での攻防が続いています。 年内に英ポンドはどの水準まで下落する可能性があると思うか聞いたところ、単純平均で1.216ドルとなりました。EU離脱を決めた英経済の先行きについては不透明要因が残るため、英ポンドの戻りについては懐疑的な見方が多く、再び下値模索の展開になる可能性もあります。 一方、英ポンドが反転する場合のきっかけは何だと思うか聞いた設問では、「EUからの離脱撤回」が44%で最多となり、次に「EU離脱交渉の開始」が25%で続きました。 7月13日にはテリーザ・メイ前内相が首相に就任。メイ首相は離脱派を率いたジョンソン前ロンドン市長を外相に起用したほか、新設した離脱交渉の担当相に離脱派の議員を任命しました。アンケート調査では「離脱撤回」こそが英ポンド反転につながるとの結果となりましたが、離脱強硬派が交渉を主導する見通しになり、今後はいつ離脱交渉を開始するかが焦点になりそうです。 FRBは12月に利上げに踏み切れるか? Brexitに伴う欧州経済の先行き不透明感を受け、今後、欧州に加え日米の金融当局はどのような金融政策を打ち出すことになるでしょうか。 まず米連邦準備理事会(FRB)の年内の金融政策についてですが、追加利上げが行われるとした場合のタイミングについては「12月に利上げ」が57%、次いで「9月に利上げ」が24%で続きました。一方、「追加利上げなし」は18%となりました。 6月の米雇用統計が前月から大きく改善し、再び年内の利上げ観測が高まりつつありますが、11月の米大統領選など重要イベントも控えている中で、市場関係者の間では早急な金融引き締めには動かないとの見方が大勢を占めています。 また、米国の政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの水準については、単純平均で2016年末が0.63%、2017年末が1.04%、2018年末が1.40%となりました。現在の政策金利0.25~0.50%の中心レンジ(0.375%)を基準にすると、今年は「1回」、17年は「2回程度」、18年は「1回」の利上げを予想している計算になります。 緩やかな利上げ基調が続くとの見方になっているものの、米国だけでなく世界の政治・経済情勢を見極めながらの金融引き締め策にはリスク要因も多いとあって、市場の想定通りには事が進まない可能性も考慮する必要がありそうです。 日銀金融政策「7月に追加緩和」6割超 次に、日銀の年内の金融政策については、「7月に追加緩和」が圧倒的に多く、62%を占めています。次いで、「9月に金融緩和」が19%、「10月に金融緩和」が7%、「12月に金融緩和」が11%となり、いずれにしても年内に追加緩和が行われると見る市場関係者が大半を占めています。 今後の日米の金融政策を受け、年後半の米ドル/円相場の高値・安値のレンジを聞いたところ、高値の単純平均が1ドル=110円47銭、安値の単純平均は1ドル=97円34銭となりました。FRBは7月の追加利上げを見送る一方、日銀は追加緩和に動くとの見方が大勢の中、7月末の日米当局の政策決定後の為替はどう動くのか。要注目です。 新興国通貨の改善目立つ 金融機関の外為業務担当者の為替見通しは、7月末の平均値で1ドル=103円61銭となり、6月調査の1ドル=108円01銭に比べ円高・ドル安方向にシフトしました。また9月末時点の見通しは104円46銭、12月末が105円50銭であり、大きく円安・ドル高が進む環境ではないものの、今後の日米両国の金融政策次第では、ある程度、円安・ドル高に向かう可能性があると市場関係者はみているといえます。 為替レートに影響を及ぼす要因として注目されているのは、米ドル、ユーロとも「金利/金融政策」で、前月に比べて大きく上昇しています。特にユーロについては、Brexitの問題があり、英国とともに景気の先行きに対する不透明感が強まっており、今後、もう一段の金融緩和があるのか、注目されるところです。 なお、円については「当局の姿勢(介入含む)」が前月に比べて6%上昇しました。ただ、円売り介入の実施は、米国側の承認を必要とするだけに、現時点の可能性はそれほど高くはないと考えられます。 また向こう6カ月の間に各通貨が対円でどのように推移するかを聞いたところ、米ドルは上昇期待が高く、DIはプラス46に上昇。過去半年間の推移で最も高い水準になっています。これに対して、ユーロは前月のプラス5からマイナス15に転じました。Brexitの悪影響が懸念されていることを映しています。 その他、DIの改善がみられたのはブラジルレアルやロシアルーブル、南アフリカランドといった新興国通貨でした。ブラジルレアルDIは、今年2月時点ではマイナス41でしたが、その後、徐々に回復し、7月時点ではプラス21になりました。南アフリカランドについては6月調査でマイナス22だったのが、7月調査ではプラス7に改善しています。 運用担当者の外貨投資スタンスは慎重 運用者に運用ファンドの外貨建て資産の組入状況について聞いたところ、当面の投資スタンスとしては、やや慎重ムードが強まっています。 運用ファンドの外貨建て資産の組入状況については、「ニュートラル」が6月調査の64%から55%に低下する一方、「アンダーウエート」が9%から18%に上昇しました。ちなみに過去半年の推移でみると、オーバーウエートの比率は最も高い水準にあるものの、同時にアンダーウエートの比率も最高水準にあります。それだけ、徐々に慎重姿勢の市場参加者が増え始めていることを意味しています。 これは、為替ヘッジに対するスタンスをみても同様で、「現在のヘッジ比率を維持」が低下傾向をたどっています。一方、「ヘッジ比率を下げる」が5月の29%から低下して6月は20%になっているのに対し、4、5、6月と0%が続いた「ヘッジ比率を上げる」との回答が7月は10%になりました。これらの数字からみえるのは、運用担当者の外貨投資に対するスタンスは、当面、慎重姿勢が続きそうだということです。 なお、企業の業績予想の前提となっている為替レートは、米ドルの平均値が1ドル=110円80銭でした。この1カ月以内で業績予想の前提となる為替レートを、円高方向に変更したのは、回答数10のうち2。また、今後については回答数9のうち2が「円高方向で変更」、「円高方向で変更検討中」が1となりました。

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2016年最大のIPO銘柄「LINE」、上場までに押さえておきたいポイント

7月15日、いよいよ、2016年の最大IPO(新規公開株式)銘柄の「LINE」が東京証券取引所に新規上場します。今回は、LINEがどのような会社なのか、上場の日までに最低限知っておくべきことを、日本取引所グループに提出された有価証券報告書をもとに分かりやすくまとめました。名付けて「5分で分かるLINE上場」。本レポートを「既読」して、きたるビックイベントに備えましょう。 LINEの事業は何か? はじめに、LINEとはどのような会社かご存知でしょうか。「LINEアプリ」は言うまでもなく、誰もが知っている無料通話・チャットアプリのことです。しかし、こと会社としての「LINE」となると、どのような事業で収益を上げているのか、収益の柱は何か、ピンとこない方も多いかと思います。 ということで、LINEの売上構成を見てみましょう。 LINEは主に、「コミュニケーション=LINEスタンプ」「コンテンツ=ゲーム」「LINE広告」「ポータル=NAVERまとめ」の4事業で収益を稼いでいます。そのうち、「ゲーム事業」が実に売上の約40%を稼いでいます。例えば、「LINEディズニーツムツム」はアプリセールスランキングで常時トップ10入りの超人気ゲーム。シンプルなゲーム性が評価されています。 また、地域別の売上を見ていくと、日本国内が約70%でダントツで多いです。次いで多いのは台湾からの売上で、約14%。LINEが広く普及しているのは「日本・タイ・台湾・インドネシア」の4か国で、アジアに集中しています。いかに海外での売上を伸ばせるかが課題と言えます。 LINEの強み 1.日本のSNS界での圧倒的シェア 他社にないLINEの強みとは何でしょうか。1つはSNS界での圧倒的なシェアを獲得していることです。 LINEサービスの国内での月間アクティブユーザー数は2016年3月時点で6000万人を突破しました。内閣府の調査からスマホユーザーは8500万人程度いるとみられ、スマホユーザーの約7割はLINEを定期的に利用していることになります。他SNSサービスをみると、Twitterは3500万人、Facebookは2500万人(いずれも2015年12月時点)なので、LINEの6000万人はダントツで高い数字と言えます。 LINEの強み 2.驚異的な成長スピード LINEは成長企業としても魅力的です。下記は3期分の業績推移です。 2013年度の売上400億円弱にたいして、2015年度の売上は約3倍となる1200億円を突破しました。驚異的なスピードで成長しています。 公開価格3300円は妥当か? 公開価格は3300円に決定しました。公開価格を基にした時価総額は約6930億円となります。この時価総額の妥当性について、単純にPERを基に検討します。 まず、同業他社のPERについて調べてみると、プラットフォーム型ビジネスのヤフー(4689)は18.6倍、ゲーム事業のライバルのミクシィ(2121)が6.5倍、DeNA(2432)が16.9倍(いずれも7/11時点)です。他インターネット企業を調ざっくり調査してみても、おおよそ20倍以下となっています。 一方、LINEのPERですが、先のグラフの通り、2015年の純利益がマイナスなのでPERが算出できません。ただ、利益がマイナスになった理由は主に、音楽配信事業「MixRadio」撤退による減損処理の計上と、ストックオプション行使による株式報酬が増加したためで、それぞれ100億円以上の損失・費用です。これらを考慮せずに、単純に2014年度と同水準の200億円程度の純利益があったと仮定すると、PERは約35倍。他社と比較すると、やや高い数値です。 よって、LINEへの投資では、「バリュー」ではなく「グロース」の観点、すなわち企業の成長力に注目することとなりますが・・・ 成長性に課題あり? 1.ゲーム事業が減収 LINEがこれまで同様の成長スピードを維持できるかについては、いくつか疑問が残ります。たとえば、下記は2016年の第1四半期の売上をみてみると・・・ 2015年の第1四半期からみて引き続き売上は増加しているものの、2014~2015年の驚異的な成長率からみると、やや鈍化した印象です。 それよりも気になるのが、稼ぎ頭であるゲーム事業が減収したこと。2014年ローンチして年数が経った「LINEレンジャー」「LINEポコポコ」のゲーム内課金が減少したためで、売上の大きいゲーム事業の減収は気になるところです。 代わりに売上増を支えているのがLINE広告事業で、約66%も増加しました。LINEの成長を維持するうえでの鍵となりそうです。 成長率に課題あり? 2.アジア4か国以外での苦戦 アジア4か国(日本・タイ・台湾・インドネシア)は好調に月間アクティブユーザー数を伸ばしていますが、その他の海外は伸びていないどころか、2015年から恒常的に減少しています。ピーク時は2015年3月の8170万人にたいして、2016年3月は6630万人まで低下しました。有価証券報告書によれば、その他海外でのマーケティング費用を減少させたとあるため、これがユーザー数が伸びない原因の一つかと思われます。ただし、ユーザーが減少したとなれば、そもそもLINEというコンテンツの魅力が訴求できていないとも取れるので、よろしくない傾向です。 成長率に課題あり? 3.海外、特にアジアでの課金率の低さ 月間アクティブユーザー数の増加をけん引しているのがタイ・台湾・インドネシアの3か国ですが、有価証券報告書の事業リスクにある通り、これら3か国には、日本と比較して課金ユーザーが低いという課題があります。そもそも、アジア諸国は総じてデジタルコンテンツの課金に対する意欲が低いとされています。結果、現在まで収益の大部分を日本で稼いでいますが、日本のアクティブユーザー数はそろそろ頭打ちとなるほど増加しきっているため、今後の成長には海外から収益を上げることが不可欠といえます。 IPOの初値は予想が難しい? 以上の通り、LINEの成長性については不安が払しょくされていないのが現状です。 それでも、ほぼ半数の日本人が利用して、ほぼ全ての日本人が名前を知っている企業を時価総額6930億円で買えると見れば、むしろ割安ともとれます。過去のマーケットレポートでも言及しましたが、ブランド価値の高い企業か「消費者独占型」企業は時価総額が高くなりやすく、そのいずれにも該当するのがLINEという企業です。 結局のところ、初値は取引開始まで分からないというのが本音です。 ちなみに、直近のIPO銘柄について、初値が公開価格を上回ったのか調査しました。結果は・・・ 33勝8負でした。負け=公募割れ(公開価格割れ)を意味します。 2016年のIPO銘柄で、初値の倍率が最大となった銘柄はグローバルウェイ(3936)。公開価格2960円に対して、初値は14000円。なんと4.7倍で取引されました。一方で最小となったのはUMCエレクトロニクス(6615)で、公開価格3000円に対して初値は0.83倍の2480円。7月11日まで、株価は一度も公開価格を上回ることなく推移しています。 さて、LINEの公開価格3300円は投資家から「いいね」を付けられる価格なのかどうか・・・7月15日の取引開始まで目が離せません。なお、厳密には日米「同時」上場ではなく、東証には7月15日、ニューヨーク証券取引所には7月14日(現地時間)に上場するので、ニューヨーク市場の評価は、東京での上場直前に分かることになります。 ニューヨーク市場の14日の取引は、日本時間14日の夜に始まります。SNS上ではLINEの値動きが話題になりそうです。14日の夜にトレンドワードでは、LINEが話題になっているかも? (編集:QUICK Money World)

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ラーメン業界をいろんな「メン」から分析!

カレーと並んで日本の国民食と称される「ラーメン」。おいしい、すぐできる、値段が手ごろと三拍子そろった、日本のファストフードの代表格といえるでしょう。日本全国にあるラーメン店の数は、「タウンページ」に登録されている店だけでも3万軒以上あります。また、政府統計によると「ラーメン店」の売上高は5000億円を超えます(2012年調査)。これは、「そば・うどん」店の市場規模とほぼ同等です。これだけ大きな市場であるラーメン市場ですが、その中身を見てみると色々と興味深いことがわかります。 ラーメン店は実に多種多様 ラーメン業界の大きな特徴のひとつに、「寡占化が進まない」ことがあげられます。ラーメンは味のベースだけでも、しょうゆ、塩、みそ、とんこつ・・・と多岐にわたり、さらに麺やトッピングなど、その味は非常にバラエティに富んでいます。そのため店ごとの特色が出しやすく、また客の味の好みも分かれるため、大手チェーンの寡占化がなかなか進まない市場なのです。下の図は「簡単業種分析」を使ってラーメンの関連銘柄の売上高を表したものです。この中で1位の王将フードサービス、2位のリンガーハットがそれぞれ、中華料理チェーン、ちゃんぽんチェーンであることを考慮すると、ラーメンチェーントップといえる3位の幸楽苑HDの売上高が382億円と、それでも数パーセントのシェアにとどまることがわかります。同じく外食業界のハンバーガーや牛丼では、上位の大手チェーンによる寡占が進んでいます。個人経営の店がまだまだ頑張っているのがラーメン業界であり、その分競争も激しいものになっています。 大手ラーメンチェーンの店舗数、海外を牽引する意外な企業 では、大手チェーン間での競争はどのようになっているのでしょうか。ラーメン関連銘柄と、主なラーメンチェーンの店舗数をまとめてみました。 大手ラーメンチェーンの店舗数を見てみると、いくつか興味深いことが読み取れます。まず、大手ラーメンチェーンには未上場の企業が多いということです。上の図において水色で塗ってある企業は未上場企業です。独自のラーメンフォークが特徴的であり、東海地方で圧倒的な人気を誇る「スガキヤ」、こってりとしたラーメンで西日本を中心に人気の「天下一品」など、いずれも株式は未公開となっています。企業が非上場を選ぶ理由は、「財務状況を公開する義務がない」「買収されない」ことなどが挙げられますが、ラーメンチェーンの場合、創業者が経営者である場合が多く「株主の意見に左右されず、経営陣の迅速な意思決定ができる」ということが大きな理由ではないかと推測されます。 また、海外の店舗数に目を向けると、「味千ラーメン」を展開する重松産業が他の大手チェーンを差し置いて圧倒的です。熊本県地盤の「味千ラーメン」は、日本ではあまりなじみの無い方も多いかもしれませんが、中国で成功し、同国で最も有名な日本の外食チェーンのひとつとなっています。 幸楽苑vs日高屋という構図は正しいのか? さて、よく言われるラーメンチェーン同士の競合に「幸楽苑」vs「日高屋」という構図があります。どちらも低価格のラーメンを主力としています。「幸楽苑」の「あっさり中華そば」は税込421円、「日高屋」の「中華そば」は税込390円となっています。また、サイドメニューのギョーザは「幸楽苑」が税込216円、「日高屋」が税込210円とどちらもお手頃価格です。店舗数では「幸楽苑」の方が100店舗ほど多いものの、売上高(2016年)は「幸楽苑」382億円、「日高屋」367億円とほとんど差は見られません。しかしここで、「幸楽苑と日高屋はお互いを意識したライバル関係だ」と言うのは少し早計です。両社の出店戦略に大きな違いがあるからです。 「幸楽苑」は福島県発祥の企業ですが、九州・四国地方を除く全国へ展開しています。その店舗は主にロードサイド型で、広い駐車場を確保してあることが特徴として挙げられます。主なターゲットはファミリー層で、テーブル席を設け、お子様メニューとしてガチャガチャ付きのセットも販売しています。狭いカウンター席で肩を並べて食べる、というよりも、ゆったりとしたテーブル席で、ファミレスのような感覚です。 一方の「日高屋」は首都圏への集中的に出店する「ドミナント戦略」、駅前のビルイン型店舗が特徴です。また、同社のHPでも「ちょいのみ日高」とアピールされているように、ターゲットは主にサラリーマンで、会社帰りに一杯、の需要を狙っています。アルコール類やおつまみ類は幸楽苑よりも充実し、ラーメン+餃子+ビールでも千円でお釣りがくるのは、大変うれしい値段設定です。駐車場を設けない分、アルコール類の販売を積極的に行えることが強みです。  以上のように、両社の出店戦略には明確な違いが読み取れます。また、両社のライバルとしては、「幸楽苑」の場合、同じく全国的に展開し、主な店舗形態がロードサイド型である「リンガーハット」が挙げられます。 「日高屋」の場合もまた、ライバルが必ずしも幸楽苑というわけではありません。「日高屋」はその出店戦略として、ハンバーガーのマクドナルド、牛丼の吉野家と、競合する他の外食産業の店舗の近くに出店しています。あえて外食産業のトップと肩を並べて出店することで、出店調査の費用を抑え、相乗的な集客効果を狙った戦略なのです。ですので、ライバルとしては必然的にマクドナルドと吉野家が挙げられます。 とはいえ、両社ともやはり「低価格帯ラーメン」という分野において競合する関係です。少し別の角度からも分析してみます。 営業利益に大きな差 グラフは過去5年間の売上高と営業利益の推移を表したものです。両社とも売上高は順調に伸びていますが、大きな違いは営業利益です。 日高屋は売上高・営業利益ともに高い伸び率を保っている一方、幸楽苑の営業利益は2012年から2013年にかけて大幅に落ち込んでいます。先ほど日高屋はその出店戦略で、アルコール類の販売を得意としていると述べました。アルコールは利益率が高い(=原価率が低い)ので、そこに差が表れているのではないか、と思うかもしれません。つまり原価率の差が営業利益の差につながっているのではないかという推測です。しかしデータを見てみると、必ずしもその説明では、説明しきれないことがわかります。 では幸楽苑の営業利益が2013年にかけて大幅に落ち込んだ理由は何でしょう。その理由は、①出店拡大による費用増加、と②人件費の増加、にあると考えられます。 まず①の出店拡大による費用の増加ですが、会社HPによると、幸楽苑の店舗数は、2012年3月末の465店舗から、2013年3月末の511店舗へ1年間で46店舗増となっています。これは、1年間で、既存店舗数の10%近くを増やした計算になります。幸楽苑は1,000店舗体制実現に向けた出店戦略で、業界シェアの拡大を図っています。 ②の人件費の増加ですが、有価証券報告書によると、2012年3月末現在の平均年間給与は3,278(千円)、2013年3月末現在の平均年間給与は3,724(千円)と、13.6%の増額になっています。また、従業員数も4%ほど増加しています。以上の2点が、営業利益を押し下げた要因ではないかと分析できます。 ラーメンは伸びる? さて、今回はラーメン業界について分析してきました。日本食のブームに乗り、海外への進出を積極的に進める企業もあります。海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)は2012年12月、「博多一風堂」を展開する「力の源ホールディングス」に対し、約7億円の出資と最大13億円の融資枠を設定し、支援を決定しました。また、トリップアドバイザーが発表した「外国人に人気の日本のレストランランキング2015」において、「一蘭」渋谷店がTOP10にランクイン。吉野家ホールディングスは2016年6月、都内を中心にラーメン店を展開する「せたが屋」(世田谷区)を傘下に収めると発表しました。少子高齢化等の影響により、将来に厳しい見方もある外食産業ですが、ラーメン業界はまだまだ話題が豊富です。ラーメン業界の未来に思いをはせながら、今日は行きつけのラーメン屋で一杯すすりませんか?  

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インドネシア、流動性ショックに備える銀行業界

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。※この記事は2016年6月17日にQUICK端末で配信した記事です。 1000兆ルピア相当の資金流入観測…租税特赦法案成立で 銀行業界の課題である流動性管理に対し、インドネシアの銀行は現在、今後起こり得る流動性ショックに備え、第2線支払準備金(secondary reserve)を可能な限り積み増している。年初からインドネシア経済の成長が予想を下回る状況を想定し、こうした動きによって国内銀行は今年、増益を維持することができるかもしれない。 また、タックス・アムネスティ(租税特赦)法案の国会審議の長期化で国内の銀行幹部らは代替案が必要とみているようだ。インドネシア政府は、同法案が成立した場合、国内金融システムに1000兆ルピア相当の資金が流入し、結果的に市中へ流動性が供給されると見込んでいる。 インドネシア中央銀行の最新データによると、国内の商業銀行120行の中銀債(SBI)と国債の保有額は4月末時点で808兆ルピア(610億米ドル)となっており、前年同月の713兆ルピアから13%増加している。 資産規模で国内最大手のバンク・マンディリ(コード@BMRI/JK)のカルティカ・ウィルジョアトモジョ頭取は、「第2線支払準備金の増強を進める傾向は、まさに銀行の防衛措置だ。インドネシアの銀行は昨年、流動性がひっ迫した際の対応に苦戦した。このため、再び流動性ショックが発生すると予想される中、今回は十分な資本バッファーを確実に用意したいと考えている」と述べている 。   大口顧客への規制、銀行に影響波及 経済成長の回復の兆しが現れるのを待つインドネシア企業は、支出を今年中盤以降に遅らせているため、国内商業銀行120行の未実行貸出残高は現時点で総額1236兆ルピア(930億米ドル)に達している。エコノミストらはまた、政府による大規模インフラ整備事業への支出がまだ完全に実現していないことも、融資需要をさらに鈍化させていると指摘している。 カリティカ頭取は、銀行は十分な準備金を用意し、こうした企業が事業を始動した場合を計算に入れておく必要があるとの見方を示している。 ただ、地方自治体や年金基金といった大口顧客は、今年からインドネシア政府が導入した新規制(資産のうち一定額を国債で保有することを義務付ける)の対象になっているため、金融機関にとって預貯金を集めることが難しくなっている。個人顧客もまた、国債の利回りの高さに引かれているようだ。国債はリスクのない資産であり、所有者には所得税の減額制度も適用されている。 国債と銀行預金の逆ザヤ…銀行業界の懸念強く 資産規模で国内3位のバンク・セントラル・アジア(コード@BBCA/JK)のヤフヤ・セティアアドマジャ頭取は、「政府は銀行に対し、貸し出し金利を引き下げるよう迫る一方で、最新の個人向け国債の利率を7.5%に設定している。これに対して、銀行の預金金利は5.25%だ。どうやって競り合えというのか」と述べている。 当座預金、普通預金、定期預金などの第三者資金(残高)の4月の伸び率はわずか6%にとどまり、融資の伸び率(7%)を下回った。今年に入って、融資の伸び率は商業分野の運転資金向け融資需要の鈍化を受け、1桁台に落ち込んでいる。インドネシア政府は今年、税収不足により拡大する財政赤字を埋めるため、58兆ルピア相当の国債を追加発行する方針を示していることから、銀行と政府との資金調達競争が激化することはほぼ確実だ。 資金調達圧力がインドネシアの銀行の利益を侵食し、(商業)銀行全体の今年1~3月期の純利益は28兆9000億ルピアと、前年同期の29兆6000億ルピアから2.2%減少した。財務省のロバート・パクパハン資金調達・リスク管理局長は、こうした懸念を緩和しようと努めている。同局長は「政府が吸収している資金はすべて国内の資金だ。このため、政府が集めた資金を速やかにインフラ事業などに支出すれば、資金は(国内の)銀行システムに還流するはずだ。」と分析している。【翻訳・編集:NNA】

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Brexit、影響はEU全体?それとも世界に波及?(7月調査)

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の7月調査を、7月11日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者162人が回答、調査期間は7月5~7日)。 調査期間中の日経平均株価は、1万5167円98銭~1万5702円04銭のレンジで推移しました。5月末にかけて1万7234円まで上昇した日経平均ですが、6月に入ってからは英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)に対する警戒感が強まり、実際に英国のEU離脱が確定すると一気に1万5000円割れの水準まで急落しました。7月上旬にかけて日経平均は徐々に値を戻していますが、頭の重い展開が続いています。 EU離脱後の影響を不安視する声 今回のアンケート調査では、英国のEU離脱に関する影響について聞きました。 まず、英国のEU離脱が、他のEU諸国に対してどのような影響を与えるか、との設問については「離脱まではいかないが反EUの動きが活発化する」が68%で最多となりました。次いで「ほかにも離脱を目指す国が出てくる」が16%でした。比較的冷静な見方が大勢を占めていますが、欧州債務危機の時に、EU・ユーロの枠組みの中で、財政再建を巡って苦境に立たされたギリシャをはじめとした南欧諸国を中心に、EU離脱の動きが再燃しないとも限らないだけに、楽観視はできない状況が続きます。 また気になるのは、英国のEU離脱を機に、反移民政策を掲げる米国のトランプ候補が、11月の大統領選挙において優位に立つかどうかという点ですが、これについては55%が「特に影響はない」とみています。ちなみに「トランプ候補へ有利にはたらく」という回答は18%に過ぎず、英国のEU離脱が米大統領選挙に及ぼす影響は、限定的であるとの見方が大半を占めました。 英EU離脱、「EU全体か世界にマイナスの影響」8割 一方、今回の結果が経済に及ぼす影響については、懸念する声が非常に多くなっています。経済への影響について、「大きな影響はない」という回答はわずか9%。「マイナスの影響はEU全体に及ぶ」が42%、「マイナスの影響は世界全体に広がる」が40%となり、8割は英国へのマイナスの影響が欧州、場合によっては世界へと波及することを懸念していることが明らかになりました。 また、気になるのは日本への影響です。今回の調査で「日本企業の業績にどのような影響を与えると思いますか」という質問をしたところ、「欧州のウエートが大きい企業に影響する」が33%となり、次いで「輸出企業全般に影響する」が29%、「すべての日本企業(インバウンド関連を含む)に影響する」が18%で続きました。 やはり何がしかの影響が及ぶとみている市場関係者は多く、それが英国の国民投票以降の日経平均の株価のさえない展開にも反映されていると考えることができます。リスクオフ(リスク資産の敬遠)傾向の際に買われやすい円についても1ドル=100円近辺と高止まりしており、マーケットは神経質な展開が続きそうなことを示唆しています。 注目される投資主体として「企業年金・公的資金」が浮上 1カ月後の日経平均株価予想は、平均値で1万5599円となり、前回調査の1万7042円に比べて大幅に下方修正されました。英国の国民投票以降、マーケットはさえない展開が続いており、先行きの見通しについて慎重なスタンスを強めています。 今後、6カ月程度を想定した場合、株価を動かす要因で注目されるものとしては、「内部要因・市場心理」、「景気・企業業績」、「為替動向」が若干上昇する一方、「金利動向」、「政治・外交」、「海外株式・債券市場」が低下しました。また、各要因が株式相場にどのような影響を及ぼすかについては、「景気・企業動向」が51.4から39.4、「為替動向」が50.5から34.へと低下し、従来のプラスの要因からマイナスの要因に転換しています。特に為替については、1ドル=100円割れを想定している市場関係者も多く、輸出企業への業績懸念が高まっています。 また、今後6カ月程度で最も注目している投資主体としては、「企業年金・公的資金」が前回調査の1%から7%に上昇したのが目立ちました。ちなみに「企業年金・公的資金」の指数は59.3から63.6に上昇しています。下値で押し目買いに動く傾向が強い機関投資家の買い出動に加え、政府・日銀の対応にも期待が高まっているといえそうです。 株式への資金シフトにはやや慎重姿勢 資産運用担当者66人を対象にしたアンケート調査では、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ややオーバーウエート」が20%から16%に、「ニュートラル」が61%から46%に低下する一方、「ややアンダーウエート」が14%から26%、「かなりアンダーウエート」が6%から10%に上昇しました。 一方、当面どのようなスタンスで臨むかについては、株価の下がったところで仕込むという考えもあるようで、「かなり引き上げる」は4%から0%に低下したものの、「やや引き上げる」が14%から16%に上昇する一方、「やや引き下げる」が15%から14%に低下しました。 とはいえ、本格的に株式へ資金シフトさせるところまではいかないようです。円の高止まりが続き、世界経済の先行き不透明感が根強い中で当面の投資家は慎重なスタンスを継続する可能性が高そうです。

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いよいよ参院選、選挙の結果は株価に影響するのか!?

7月10日は参院選。日本国民が政治の意思表明をする大切な日ですが、一方、投資家には選挙結果によって株価がどう動くのかも気になるところ。今回は選挙後の株価の動きという観点から、2000年以降に実施された選挙と、その後の日経平均株価の値動きを解説します。 選挙結果を受けて、株価はどう動くのか? 2000年以降に実施された全10回の国政選挙と日経平均株価の値動き(選挙前日の終値からの乖離率)を調査したのが下のグラフです。選挙日の全営業日を基準に、選挙後の1か月間でどのように株価が推移したのかを表しました。 上のグラフに、各回の選挙結果を加えて簡略化したのが下記の表です。 まず、選挙結果がサプライズとなって株価に影響を与えたのかに注目します。すなわち、選挙日の翌営業日に株価が動いたのかですが、上記の限りでは、選挙結果の如何によらず大きく株価が動いたケースはありません。すべて、翌営業日の日経平均株価は前日比±2%の範囲内に収まっており、通常の日経平均株価の値動きの範囲と言えます。 2009年衆院選や2012年衆院選では、与野党の議席数が逆転して「政権交代」が達成された歴史的な選挙となりましたが、翌営業日の日経平均株価は小幅な値動きでした。選挙前の世論調査で既に大勢が判明していたため、市場にとっては「織り込み済み」の結果だったことが原因でしょう。 1か月後に株価が上昇した選挙とは? 続いて、選挙から更に時間が経過した後の日経平均株価に注目すると、選挙から1か月後に日経平均株価がプラスに推移したケースは2回しかありません。いずれも衆院選(2005、2012)で、自民公明が大勝した選挙です。自民公明が国会の絶対安定多数(衆院で議席3分の2)を獲得したことが、政治的な安定感をもたらしたとの評価と見ることができます。 とはいえ、前回2014年の衆院選では自民公明が絶対安定多数を獲得したのにもかかわらず、1か月後の日経平均株価はマイナスに落ち込みました。必ずしも、衆院選で自民公明が大勝すると株価が上がる、というわけではなさそうです。 参院選の後は株価が下がる? さて、7月に行われるのは参院選。参院選が株価にどう影響するのか注目した場合、過去の参院選は全て1か月後に日経平均株価がマイナスに推移したことが分かります。 しかし、そうであっても「参院選の影響で株価が下がった」とは結論づけられません。その理由は参院選が行われる「時期」にあります。2000年以降の参院選は全て「7月」に実施されました。今年の参院選も、過去の例にもれず7月に実施されます。参議院は衆議院と異なり「解散総選挙」が無いため、選挙時期がほぼ固定されるからです。 さて、QUICKの「マーケットカレンダー」を見てみると、7月~9月の夏期は日経平均株価の勝率が下がることが分かります。このように、夏期になると株価が下がる経験則(=アノマリー)を、市場では「夏枯れ相場」と呼びます。国内外の投資家が夏季休暇を取得し、相場が閑散とすることが原因といわれています。 このことから、「参院選で株価が落ち込んだ」というよりも、「夏場に入ったから株価が落ち込んだ」ことの結果であり、参院選の選挙結果が株価に直接影響したとは言えないようです。そもそも、参院選で1度に改選する議席数は参議院全体の半分、参議院は衆議院と比べると権限が低いことから、衆院選に比べると政治上のドラスティックな変化とはなりにくいかと思われます。 よって、過去の事例では、「参院選が株価に影響した」ことが無いようです。そもそも、日本の選挙は事前の世論調査で大勢が判明しており、選挙結果に株価を動かすほどの「サプライズ」が生まれにくいです。投資家は、参院選の結果にやきもきするよりも、過去の日経平均株価のアノマリー(マーケットカレンダー)を気にしたほうがいいかもしれません。 (編集 QUICK Money World)  

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インドネシア不動産MMP、高成長期待で指標割高も許容 2案件の進捗順調

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はRHB証券インドネシアのリディア・スワンディ(Lydia Suwandi)氏がレポートします。※この記事は2016年6月15日にQUICK端末で配信した記事です。 MMPに2案件の新たな動き メガ・マヌンガル・プロパティー(MMP、コード@MMLP/JK)は6日、現在2社と純貸出可能面積(NLA)計9万8000平方メートル相当の施設のリース契約について協議を進めているとの最新情報を発表した。同社はまた、ジャワ島西部シビタンのAE地区(Block AE Cibitung)でNLA3万5000平方メートルのマルチテナント型倉庫の建設を進めていることも明らかにした。  これらの動きは、2017年度のMMPの新規賃貸収入分を12万平方メートル相当とした当社の予測に沿ったものだ。こうした材料から、MMPの投資判断を「買い」で維持し、目標株価を950ルピア(14日終値725ルピア)とする。 MMPは現在、2社と賃貸契約に向けて協議を進めている。1社は日用消費財(FMCG)企業、もう1社は食品物流を手掛ける企業で、両社とも冷蔵設備のある施設を必要としているという。これら2社に関するNLAは約9万8000平方メートルに達するとみられる。当社は、両社との契約が2017年7月以降に年852億ルピア相当の賃貸収入の確保につながると予測している。MMPは6月末までに賃貸契約を締結する見通しで、2社にリースする2施設の完成は2017年下半期を予定している。 MMP賃貸収入1140億ルピア見込む…入居率は85%で算出 MMPはまた、シビタンのAE地区でNLA計3万5000平方メートル(敷地面積は3.6ヘクタール)相当のマルチテナント型倉庫を建設している。同社は現在、新施設に関心を示す3社とリース契約について話し合いを進めている。MMPによると、AE地区の平均賃貸料を基に算出した同施設の推定リース料は1平方メートル当たり月額約7万ルピー。入居率を85%として計算した場合、新倉庫の賃貸収入は年約250億ルピアになる見通しだ。 これらの最新の開発状況を踏まえると、2017年度の同社の新規案件からの賃貸収入は1140億ルピア(ラザダ・グループに提供した倉庫の第一期分賃貸料330億ルピアを含む)に達する見込みだ。 今後の変動につながる可能性がある2要素 一方、MMPによると、同社はNLA6万1000平方メートル相当の物件に関して複数社から引き合いを受けており、今年第4四半期までに契約がまとまるとの見通しを示している。賃貸料を1平方メートル当たり月額7万7000ルピアと想定した場合、この契約により新たに年560億ルピアの賃貸収入を確保できる見込みだ。 インドネシア政府はスカルノ・ハッタ国際空港の旅客収容能力を拡充する方針を示していることから、MMPが同空港近郊に建設を予定しているビジネスパークと倉庫用の土地収用が制限される可能性がある。 MMPは向こう3年間の新規契約目標をNLA50万平方メートル相当に設定しており、当社はこれまでの契約獲得状況に満足感を覚えている。同社株の2016年度と2017年度の予想株価収益率(PE)それぞれ24.3倍、16.1倍、16年度と17年度の予想EV/EBITDA倍率はそれぞれ35.8倍、19.7倍となっている。割高であることは確かだが、成長の可能性や安定した営業キャッシュフロー、高い収益性といった根拠がある。 MMPが、適切な土地の収用と資金調達を含め、プロジェクトを計画通りに進めていることが主な上振れ要因となっている。 【翻訳・編集:NNA】

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Brexitで金利低下が深化 マイナス金利効果「期待できない」過半(6月調査)

債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の6月調査を7月4日に発表しました(証券会社および機関投資家の債券担当者138人が回答、調査期間は6月28~30日)。この間の国内金利は、新発10年物国債の利回りがマイナス0.235~マイナス0.230%で推移しました。 10年国債まではマイナス金利が定着していましたが、より期間の長い国債にもマイナス金利が及び始めています。1カ月前とイールドカーブを比較すると、次のようになります。 前者が1カ月前、後者が7月1日時点の数字になります。 10年債・・・・・▲0.115%⇒▲0.253% 15年債・・・・・・0.042%⇒▲0.093% 20年債・・・・・・0.235%⇒ 0.044% 30年債・・・・・・0.302%⇒ 0.108% 1カ月前まで15年国債以上は辛うじてプラスの利回りを維持していましたが、15年国債の利回りもマイナスになったことで、いわゆる「マイナス金利」が一段と深化しているのが分かります。10年国債の利回りは6月中旬あたりから連日のように過去最低を更新し続けました。 このように、長期金利が連日で過去最低水準を更新し続けた理由としては、国内景気の低迷と物価上昇率の鈍化もありますが、6月23日に行われた英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票で「離脱派」勝利の結果が出たことによって、マーケットがリスクオフの状態になったことも影響したようです。 マイナス金利に対する期待感の後退 今回は、日銀の金融政策についていくつかの質問をしました。 まず、「マイナス金利政策の導入によって現時点でどのような効果が出ているとお考えですか」という問いに対する回答は「効果は期待できない」が52%と最多となりました。次に多かった回答が「金融機関のポートフォリオ・リバランスが進んでいる」で42%、「一段の円高・株安が食い止められている」が16%となりました。 「一段の円高・株安」がどの程度の水準を示しているのかが分かりませんが、日銀がマイナス金利導入を発表した1月29日時点の日経平均株価が1万7518円、ドル円は1ドル=121円03銭でしたが、7月1日時点の日経平均は1万5682円、ドル円の1ドル=102円51銭となり、株安・円高が進んでいます。マイナス金利の導入が直接的であろうと間接的であろうと、株高・円安を狙ったものだとしたら、「効果は期待できない」という回答が最も高くなるのは、当然のことでしょう。 マイナス金利の副作用「債券市場の機能低下」「金融機関の収益悪化」… 気になるのは、今後もマイナス金利が続いたとして、その副作用です。これについては、「債券市場の機能低下」が91%を占め、次いで「金融機関の収益悪化」が89%、「年金財政の悪化」が56%となりました。 マイナス0.3%は既に織り込み済み? また、マイナスの政策金利はどこまで引き下げられるかについては、「マイナス0.3%」が40%で最も多く、次いで「マイナス0.5%」が21%で続きました。 現時点で10年債利回りはマイナス0.260%と過去最低水準を更新しており、マーケットは「マイナス0.3%」という水準を既にかなりの角度で織り込んでいることが分かります。この水準を突破すれば、「マイナス0.5%」を視野に入れる動きが強まるかもしれません。 日銀緩和策「縮小すべき」4割 日銀は金融政策をどのように運営すべきかについては、「緩和策を縮小すべき」が40%、「現状維持」が28%、「さらに緩和政策を強化すべき」が23%となりました。市場関係者の間では、必ずしもマイナス金利政策は歓迎されていないことが、これらの数字からも読み取れます。 相変わらず高い政府・日銀のオペレーションに対する注目度 新発10年国債の金利見通しは、5月調査分に比べて大幅に低下しました。同時に新発20年国債の金利見通しも、5月調査分に比べて大幅に低下しており、債券市場全体にマイナス金利の影響が及んでいるのが分かります。少しでも利回りを確保したいというニーズが運用サイドにある限り、今後、より期間の長い債券に対する買い意欲は続き、もう一段の金利水準低下が予想されます。 今後6カ月程度を想定した場合、債券価格変動要因で最も注目されているのは「短期金利/金融政策」でした。とはいえ、他の要因も含めて注目度については、5月調査分に比べて大きな変動はみられませんでした。また、債券相場に影響を及ぼす度合いを示す指数をみると、海外金利が前回調査の43.2から63.2に上昇しています。これは海外金利の動向が、長期金利の低下(=債券価格の上昇)に強く影響することを意味しています。 また、注目される投資主体としては、「政府・日銀のオペレーション」が相変わらず高く、前回調査の68%から73%に上昇する一方、「都銀・信託銀行(投資勘定)」は12%から6%に低下しました。今や債券市場の需給を左右するカギは政府・日銀であり、その動向が債券相場に強く影響することが分かります。 マーケット参加者の物価上昇期待が大幅に低下 ディーリング部門を除く資産運用担当者67人を対象に、現在運用しているファンドについて、国内債券の組み入れが通常の基準と比べてどのようになっているのかを聞いたところ、「ややアンダーウエート」が17%から23%に上昇する一方、「かなりアンダーウエート」が7%から2%に低下。「ややオーバーウエート」が微増となりました。今年に入ってからの傾向は、「ニュートラル」の比率が圧倒的に高くなっていますが、「ややオーバーウエート」が徐々に上昇しており、高値を警戒しながらも慎重に債券投資を進めている様子がうかがわれます。 また当面のスタンスは、「やや引き下げる」が前回調査の23%から19%に低下する一方、「現状を維持する」が71%から73%に、「やや引き上げる」が2%から8%に上昇しました。デュレーションに関する指数は、前回調査の54.9から52.8に低下したものの、「基準通り」であることを示す50よりも高い水準を維持していることから、債券価格の上昇を狙った、やや強気のスタンスであることを示しています。 またCPIコア変化率の今後1年間平均は、前回調査の0.33%から0.24%まで急低下しました。この点からも、物価の上昇期待が後退していることが伺われます。

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