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世界規模で進む「近視」…和製眼鏡にビジネスチャンスか?

 眼鏡が似合う各界の著名人を表彰する「日本メガネベストドレッサー賞」が10月上旬に決定しました。経済界部門では三越伊勢丹ホールディングス(3099)の大西洋社長が受賞(大西氏の過去のインタビュー記事はこちら)。この表彰式は1988年から30年ほどの歴史があり、実は政財界部門の初代受賞者は安倍首相の父である安倍晋太郎元外相でした。   ※画像提供はIOFT事務局。落語家の春風亭昇太さん(左から2番目)や広末涼子さん(左から3番目)など第29回の受賞者たち。三越伊勢丹HDの大西社長は不在   その安倍首相が表彰する「ものづくり日本大賞」では、眼鏡製造が盛んな福井県鯖江市で事業を営むシャルマンが特別賞を受賞したことがあります。国内で生産される眼鏡フレームの95%以上が福井県製のうえ、軽くて頑丈な世界初のチタン製眼鏡が誕生したのもこの地でした。最近は鼻あてパッドの代わりに眼鏡の両方のつるにパッドを付けて頬骨で支える眼鏡が話題を集め、売れ行きも好調とのことです。 しかし、電子機器が発するブルーライトから目を保護するジェイアイエヌ(3046)の機能性眼鏡「JINS PC(現JINS SCREEN)」のヒット以降、眼鏡業界では次の商品を模索する小康状態が続いています。「眼鏡」という観点から、今後の株式投資の可能性を探ってみたいと思います。   ※福井県のブリッヂコーポレーションで開発された鼻あてパッドがなく、頬骨で支える眼鏡フレーム「ネオジン」。 鼻パッドが擦れてパッド跡が残ってしまうのを防ぐ   世界規模で進む近視 「2050年には全人口の約半数にあたる50億人弱が近視」――オーストラリアの研究所が今年に入って発表したレポートが一部で話題になりました。50億人(2000年は14億人)もの人が近視になるという予想は確かに衝撃的です。仮にこれらの人が1万円の眼鏡をそれぞれ購入すれば50兆円の市場になります。この規模はベルギーやポーランドの実質国内総生産(GDP)と同程度です。つまり、大きなマーケットが創出される可能性を秘めているということです。 日本は近視大国。眼鏡の装用人口は7000万人と、既に人口の半数を超えているとのデータもあります。 矢野経済研究所によれば、2015年の国内の眼鏡などアイウエア市場は前年比2.9%増の4,939億円で5年連続のプラス成長中です。だいたい一人当たりの単価で7000円というところでしょうか。 特に子供の近視率の上昇が深刻です。文部科学省の「平成27年度学校保健統計(確報値)」によると、裸眼視力が1.0未満の小学生の割合が調査対象全体の30%と過去最高を更新。ゲームやスマートフォン(スマホ)への利用頻度が増えた結果、視力が低下しているようです。将来的には世界各国が日本と同様の状況に陥るかもしれません。眼鏡の主戦場は今後、海外へとシフトするでしょう。そんな際、これまで培ってきた技術やノウハウが盛り込まれた和製眼鏡に商機がありそうです。 世界を見据えて既に事業展開している眼鏡関連企業は注目です。三城ホールディングス(7455)は、中国や韓国などアジア諸国・地域を軸に167店舗を出店。HOYA(7741)の眼鏡レンズの世界シェアは2位です。国内の眼鏡事業は衰退産業と思われがちですが、世界に目を転じるとビジネスチャンスがありそうです。   <眼鏡・コンタクトレンズ関連銘柄> ※HDはホールディングスの略   眼鏡の歴史 もしかすると、世界の眼鏡市場に大きな転機が訪れるかもしれません。そこで、眼鏡の歴史を簡単にふりかえっておきましょう。 眼鏡のベースであるレンズは紀元前から使用されていましたが、現在のように視力を矯正するものではありませんでした。その後、アラビアの学者のアルハーゼンが光学理論について発表すると、眼鏡の開発が活発化。現在の拡大鏡(ルーペ)のように物が大きく見えるものが登場しました。眼鏡の発明家や誕生した地は、ガラス工芸で有名な北イタリアのベネチアやイギリスなど諸説があります。 日本ではイエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルが周防(山口県)の大名であった大内義隆に献上した眼鏡が最古という説が有力です。しかし、現存する最古の眼鏡は室町幕府12代将軍の足利義晴が使用していたものといわれています。徳川家康も眼鏡を使用していたそうで久能山東照宮(静岡県)に保管されています。眼鏡はこうした歴史的人物や、文字が読める一部の限られたエリートしか利用できない大変高価で貴重なものでした。   足利義晴が所持していた手持ち眼鏡(上)と眼鏡ケース(下)のレプリカ   江戸幕府15代将軍の徳川慶喜が使用していた「天眼鏡」   眼鏡の形は歴史とともに変化してきました。当初は手に持って見るタイプ(足利義晴が使用していた眼鏡参照)でしたが、1600年代に入ると眼鏡をヒモで耳にかけるタイプが西洋で登場します。しかし、西洋人と比較すると相対的に鼻が低い日本人はまつ毛がレンズに接触してしまうため、鼻あてが考案されたといわれています。また、日本髪が崩れないように眼鏡のつるを短くして頬骨で支えるタイプは日本独自の製品で当時、大ヒットしたそうです。そして1800年頃につる付きの眼鏡が登場し、現在の形になりました。 近年の著名人では吉田茂元首相がつるがなく鼻に挟んで使用する「鼻眼鏡」を愛用していたことが広く知られています。トヨタ自動車(7203)の豊田章男社長はTPOに応じて眼鏡を使い分けていると、眼鏡業界の関係者の間で話題のようです。視力矯正に限らず、ファッション性や機能性が高まったことで眼鏡を効果的に使用できるようになったということでしょう。    ヒモ付き眼鏡に日本人向けの鼻あて(真ん中)を加えたタイプ      日本髪が崩れないよう短いつるを頬骨で支える眼鏡                  ちなみに、コンタクトレンズの原理を発見したのはレオナルド・ダ・ヴィンチといわれています。1508年に水を入れたガラスボールに目を開けたまま顔を浸けて実験したそうです。1930年代になるとガラス製のコンタクトレンズが日常的に使用されるようになり、1940年代には大きなプラスチック製強角膜コンタクトレンズ(写真参照)が市販されるようになりました。                    1㎝以上あるプラスチック製の強角膜コンタクトレンズ   現在、中国やアフリカなど新興国で、爆発的にスマホが普及しています。こういった国々で、小さい画面を見つめる生活習慣が広まるとするならば、世界で近視人口が増えるというシナリオも納得できます。 そのとき、眼鏡市場を席巻するのは誰なのか。歴史とブランドを持った企業の製品なのか、廉価で量産できる体制を備えた企業の製品なのか。新興国市場で拡大する様々な商品を振り返りつつ、世界のメガネ企業を調べてみるのも面白いかもしれません。   ※眼鏡の歴史の画像は全て東京メガネ(東京都世田谷区、白山聡一社長)提供   (編集:QUICK Money World)

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インドネシア、ヤマハ発・ホンダの二輪カルテル疑惑で審理開始 11月末までに裁決か

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。 (※この記事は2016年10月11日にQUICK端末で配信した記事です。) ヤマハ発動機、ホンダがカルテル行為を違反しているとの疑惑 インドネシアの事業競争監視委員会(KPPU)は、同国のスクーター市場で日本のバイクメーカーであるヤマハ発動機(7272)とホンダ(7267)がカルテル行為をしているとの疑惑に関してさらなる証拠を探している。この重要案件の審理は始まったばかりだ。 インドネシアの反トラスト規制当局であるKPPUは7月、2社によるオートマチック・スクーターの価格調整疑惑について事前ヒアリングを開始した。KPPUは当時、ヤマハ発とホンダの幹部が交わした電子メールなど、価格調整の証拠をつかんでいると説明していた。 KPPUは10月に入り、同案件の審理を開始した。事前ヒアリングでは、ヤマハ発とホンダの幹部に加え、インドネシア二輪車製造業者協会(AISI)のグナディ・シンデュウィナタ会長にも聴取し、審理するだけの十分な証拠があると判断した。 KPPUによると、2014年と2015年に二輪車市場全体の売上高は18%減少しているにもかかわらず、ホンダとヤマハ発の利益は同期間に2年連続で拡大しているという。 ホンダとヤマハ発動機でインドネシア国内シェア約96% 両社は、それぞれ現地子会社ヤマハ発・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(YMMI)とアストラ・ホンダ・モーター(AHM)を通じて、実質的にインドネシアの二輪車市場を支配している。AISIのデータによると、ホンダの市場シェアは67%、ヤマハ発の市場シェアは29%となっている。 (出所:本田技研工業、ヤマハ発動機決算書より作成) KPPUの申し立てによると、ホンダとヤマハ発はスクーターの価格を生産コストの約2倍に引き上げているという。KPPUはさらに、ホンダとヤマハ発が二輪車市場での支配的な地位を利用してこうした価格水準を維持し、消費者は両社の二輪車に対して本来よりも高い金額を支払う負担を強いられていると指摘する。両社はこの疑惑を否定している。 KPPUのヘルミ・ヌルジャミル調査官は4日公表した声明で「我々は他の二輪車メーカーに審理で証言するよう要請する方針だ。二輪各社がどのような事業展開を強いられているのかを知りたい」と述べた。ヘルミ氏は、KPPUが11月末までに裁決を下すとの見通しを示している。 最大1000億ルピアの罰金か? インドネシアの独占禁止法では、カルテル疑惑が証明された場合、企業は最大250億ルピアの罰金を科されることになっている。何らかの犯罪行為が明らかになった場合は、罰金額は最大1000億ルピアまで引き上げられる可能性がある。 ホンダとヤマハ発は委員会の裁決に対して、地方裁判所または最高裁判所に異議を申し立てることができる。 AHMのアフマド・ムヒブディン副部長(コーポレート・コミュニケーション担当)は「価格を操作することは不可能だ。販売実績に関しては、当社が積極的にプロモーション活動に取り組んだことによるものであり、それはヤマハ発も同じだ」とコメントしている。 YMMIのディニシウス・ベティ副社長は、KPPUは不正確な数字を基にこの件を申し立てていると指摘。そのうえで「最も大きな間違いの一つが、当社の収益だ。KPPUは当社の収益を47%増としているが、実際はわずか7.4%増だ」と指摘している。 ベティ副社長は「この件が顧客の当社に対するイメージに影響を及ぼし、販売が低下している。この審理が今後も続く場合、当社の疑惑が晴れることだけを期待する」と述べた。 KPPUがインドネシアの二輪車業界を調査したのは今回が初めてだ。インドネシアにおける同業界をめぐっては、タイやマレーシアなどの近隣諸国と比べて競争が少ないことが明らかになっていた。 今年に入ってから、KPPUは4月に肉牛飼育業者と輸入業者32社に対して、供給量を減らすことで牛肉の価格を操作したとして罰金を科した経緯がある。 【翻訳・編集:NNA】  本情報は、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的としたものではありません。有価証券その他の取引等に関する最終決定は、お客様ご自身のご判断と責任で行って下さい。株式会社QUICK、翻訳・編集者であるNNAおよび情報提供元であるアディ・ビナルソ氏は、本情報を利用して行った投資等により、お客様が被った、または、被る可能性のある直接的、間接的、付随的または特別な損害またはその他の損害について、一切責任を負いません。

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米大統領選挙後のドル円相場、トランプリスク後退で大きな変化なし?(10月調査)

外国為替市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の10月調査を、10月17日に発表しました(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者71人が回答、調査期間は10月7~13日)。この間の為替レートは、対ドルが103円52銭~103円92銭。対ユーロが114円36銭~115円48銭でした。 米大統領選、クリントン候補の勝利でほぼ確定? 米国の大統領選挙まで、あと1カ月を切りました。一時は共和党ドナルド・トランプ候補の予想外の健闘ぶりに、大統領選挙レースの行方が分からなくなり、それがマーケットのかく乱要因になることもしばしばありましたが、度重なる失言、過去の不適切映像などがメディアを通じて広まり、共和党内も一枚岩ではなくなったことから、民主党ヒラリー・クリントン候補の優位性が高まってきています。 もちろん、大統領選挙なので終わるまでどうなるかはわかりませんが、少なくとも現時点において、トランプ候補が形成を逆転させ、大統領の座を射止めるのは、非常に難しいことと思われます。 今回のアンケート調査では、ヒラリー・クリントン候補とドナルド・トランプ候補のどちらが勝利すると予想しますかと質問したところ、「民主クリントン候補」との回答が90%を占めました。 マーケット関係者をはじめとして、圧倒的に多数がクリントン候補の勝利を信じているといっても良いでしょう。 では、それぞれが大統領になった時、ドル円相場にはどのような影響が及ぶのでしょうか。 まず、クリントン新大統領が誕生した場合は、「緩やかな円高圧力」が41%で、「ほぼ影響なし」が40%、「緩やかな円安圧力」が17%でした。 これに対してトランプ新大統領が誕生した場合だと、「強い円高圧力」が51%で、「緩やかな円高圧力」が43%、「緩やかな円安圧力」が4%でした。実に「円高圧力」との回答は94%に上ります。 2人の予測を比較すると、仮にトランプが大統領になった場合は、ほぼ有無も言わさずに円高圧力が強まると思われます。もちろん、現状の予想ではトランプ候補が大統領になる可能性は極めて低い状況になっていますが、「まさか」が現実になった場合は、外国為替市場において、特大のサプライズということもあり、急激に円高が進でしょう。 次に、日米の金融政策についてですが、年内、FRBが利上げを実施するかどうかについての質問は、「12月に利上げ」が81%、「11月に利上げ」が4%で、年内に利上げを実施すると見ている人の割合が圧倒的に多いことに加え、その時期は12月であることが分かります。逆に、「追加利上げなし」との回答は14%にとどまりました。 日銀の新しい金融政策の枠組み、「緩和強化・縮小」で二分 次に日銀の金融政策はどうでしょうか。9月20~21日に開催された金融政策決定会合において、日銀は長短金利を政策運営の目標とする新しい金融政策の枠組みを導入しましたが、これは金融緩和の強化・縮小のどちらを意識したものか、という質問に対しては、「金融緩和の縮小」と見る向きが54%、「金融緩和の強化」が46%で、見方が二分されています。 また、日銀の年内の金融政策については、「追加緩和なし」が89%を占めており、追加利下げはないと見る向きが大半を占めています。また少数ではありますが、年内に利下げが行われると見る人のうち、「12月に追加金融緩和」が9%、「11月に追加金融緩和」が3%という結果になりました。 そして、来年前半にかけてのドル円相場については、「円安・ドル高トレンドに転換する」が36%で、「方向感が定まらずもみ合いが続く」が34%、「円高・ドル安トレンドが続く」が27%となりました。 結果としてドル円相場の方向性について市場関係者の明確なコンセンサスは見出せませんでした。しかし、足元では1ドル=104円台まで円安・ドル高が進む場面もあり、これまでの円高・ドル安の流れにやや変化が出始めた兆しもみられます。今後のドル円については、円安トレンドへの転換も含めて相場見通しが語られる場面も増えてきそうな予感もあります。 今後の見通しは円安方向 ドル円相場については、金融機関の外為業務担当者の1カ月後の為替見通しが、前回調査の1ドル=102円43銭に比べて円安方向にシフトし、103円26銭になりました。さらに3カ月後は104円ちょうど、6カ月後は104円28銭というように、徐々に円安方向へと進む予測が大半を占めています。 これに対してユーロ円は、1カ月後の1ユーロ=114円48銭から、3カ月後は114円30銭へと円高方向に進むという見方です。 今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円は「政治/外交」が前月比で12ポイント増、「景気動向」が10ポイント増になったのに対し、「金利/金融政策」が22ポイントのマイナスになりました。 ドルについては「政治/外交」が前月比で17ポイント増になった半面、「金利/金融政策」が17ポイントのマイナス。ユーロは「政治/外交」が24ポイント増になったのに対し、「金利/金融政策」が32ポイントのマイナスになりました。円、ドル、ユーロのいずれも、関心の対象は同じ傾向が顕著に表れています。 また、向こう6カ月間で、各通貨が対円でどのように推移するのかについては、米ドルDIがやや低下したものの、プラス37で他の通貨に比べて相対的に買い意欲の強い状況が続いています。豪ドルやNZドルロシアルーブルのDIもプラス幅が拡大しました。 逆に、ユーロや英ポンドDIはマイナス幅が拡大。特に英ポンドは、前回調査のマイナス18から、今回調査ではマイナス73へと、マイナス値が大幅に上昇しています。 ヘッジ比率は現状維持 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「オーバーウエート」は0%で変わらず。「ニュートラル」が88%から71%に低下する一方で「アンダーウエート」が13%から29%へと上昇しており、やや外貨投資には消極的なスタンスが見て取れます。 また為替ヘッジについて当面のスタンスを伺うと、「ヘッジ比率を上げる」という回答は0%で、「ヘッジ比率を下げる」が17%から14%に低下。「現在のヘッジ比率を維持」が83%から86%に上昇しました。外貨投資に対してはやや消極的だけれども、現状のポジションについて、ヘッジ比率を高めるほどの円高は見込んでいないことが分かります。

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景況感底打ちは本物か? カギ握る「為替・金利・人件費」動向(10月調査)

日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している10月のQUICK短観(9月29~10月12日調査分、上場企業426社が回答)では、製造業の業況判断指数(DI)がプラス14となり、前月調査から4ポイント改善しました。改善は3カ月連続となります。一方、非製造業DIは前月比4ポイント悪化のプラス25となり、結果、金融を含む全産業DIは前回調査に比べ1ポイント悪化のプラス21となりました。 日銀短観は横ばい見通しも、景況感に上昇の兆し QUICK短観は、日銀が企業経営者の景況感を把握するために、四半期に1度の割合で発表している「日銀短観」の傾向を把握するのに役立つと共に、比較的、株価との連動性もみられるため、市場関係者にも注目されています。日銀短観は四半期に1度の公表ですが、QUICK短観は毎月調査・公表されているため、企業の景況感を見るうえで、各月での動きを細かく読み取ることができます。 10月3日に発表された9月の日銀短観は、大企業製造業の業況判断DIがプラス6と前回調査と同じ、将来の業況を示す先行きDIもプラス6と横ばいの見通しとなりました。アベノミクスがスタートしてからの景気回復局面において、大企業製造業の業況判断DIは、2014年3月のプラス17が最も高く、そこから徐々に低下し、2016年3月にプラス6まで低下しました。 現在、日銀短観の業況判断DIに関して言えば、2016年3月以降、6月、9月と3カ月連続でプラス6の底這い状態が続いています。ここから力尽きてさらに落ちるのか、それとも今が大底で、ここから再び回復基調に向かうのか、その行方が注目されますが、QUICK短観によると、製造業の業況判断DIの推移は、次のようになります。 2016年3月・・・・・・プラス5    4月・・・・・・プラス8    5月・・・・・・プラス7    6月・・・・・・プラス9    7月・・・・・・プラス7    8月・・・・・・プラス8    9月・・・・・・プラス10    10月・・・・・・プラス14 このように、3月のプラス5を底にして、若干の一進一退はあったにしても、徐々に上昇傾向をたどっています。今後、為替レートがもう一段、円安・ドル高方向に進めば、製造業の景気の先行きに対する見通しが明るくなり、日銀短観が底を打って上昇に転じる可能性もありそうです。 非製造業の雇用不足は深刻 生産・営業用設備については、全産業ベースでみると、「過剰」の割合から「不足」の割合を差し引いたDIはマイナス5で、前月と変わらずでした。 雇用の過不足を見ると、全産業ベースでは前月に比べ2ポイント改善したものの、マイナス33で相変わらず雇用不足が問題になっています。特に非製造業DIはマイナス48であり、非製造業の雇用不足が深刻です。 全産業ベースの販売価格と仕入価格のDIは、販売価格DIが2ポイント低下してマイナス7、仕入価格DIが1ポイント低下してプラス5になりました。仕入価格は「上昇」と答えた回答比が高いのに対し、販売価格は「下落」と答えた回答比が高く、企業にとっては稼ぎにくい状況が続いています。 製造業・業績面の注目は為替・金利動向 10月の特別調査では、①貴社が10月以降の業績を見通す上で最も気がかりな要因について、②貴社での個人情報の取扱い方に関して――の2点について質問しました。 ①については、「為替・金利動向」が41%で最多となりました。次に「海外経済動向」と「人件費の上昇」がともに23%で続きました。 9月後半には1ドル=100円割れ寸前まで進んでいた円高・ドル安ですが、10月に入ってからは一転、円安・ドル高ムードが強まりました。10月13日時点では1ドル=104円台を付け、市場関係者の中には、明らかに潮目が変わったとまで言う人も出てきています。 一方、製造業・非製造業の別にみると、製造業は「為替・金利動向」に、非製造業は「人件費の上昇」に対する関心が高く、それぞれの収益に大きく影響する要因は何かが見て取れます。 QUICK短観によると、製造業は今の為替レートを「想定よりも円高」と考えているだけに、今後、もう一段の円安が進めば、業績の見直しなどを行ってくる可能性がありますし、非製造業は人件費の上昇が収益の圧迫要因になっているだけに、消費者物価指数が改善しない限り、業績面は厳しい状況が続くと考えられます。 情報漏えいリスクは経営リスクと直結 次に、「米ヤフーで大量の個人情報が盗まれていたことが発覚しましたが、貴社での個人情報の取り扱い方に関してはどうか」という点を聞いた設問では、「情報漏えいリスクを考慮し、必要最低限の個人情報に絞って収集・活用している」が64%を占めました。次いで、「むしろ個人情報は極力保有しないようにしている」が23%、「情報セキュリティの強化に努めながら、できるだけ多くの個人情報を収集・活用している」が13%でした。 日本企業でも、個人情報の漏えいは大きな問題になっています。いささか古いデータで恐縮ですが、東京商工リサーチが2015年6月に公表した調査データによると、上場企業およびその主要子会社で個人情報の漏えい・紛失を公表した企業の数は、2012年が54社、13年が87社、14年が59社、15年(1~6月)が31社でした。また、12年1月から15年6月までに漏えいしたと思われる個人情報は、累計で最大7148万人分でした。 顧客情報のデジタル化に伴い、今後は特にウイルス感染や不正アクセスによる情報漏えいが急増する恐れがあります。直近では米国ヤフーの個人情報漏えいが問題になりましたが、日本でも日本年金機構やベネッセホールディングスなどが、大量の個人情報漏えい事件として話題を集めました。 この手の事件を起こすと、情報漏えいによる直接的な被害だけでなく、企業の信用力が大幅に落ち、企業業績の悪化を招くことになります。実際、ベネッセホールディングスの当期利益(連結ベース)は、事件が起こる前の決算期に当たる2014年3月期では、199億3000万円の黒字でしたが、事件後の15年3月期決算では、107億500万円の赤字に転落しました。さらに、16年3月期も82億1100万円の赤字を計上しており、情報漏えいによる企業リスクがいかに高いかを物語っています。 終盤戦に入っている米大統領選でも、民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官が私用メールの公務使用問題が攻撃の的となってしまいました。個人情報の取扱いは企業にとって、今後も重要な課題となりそうです。

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台湾TSMCの劉CEO、半導体微細化に意気込み 3ナノ開発に400人投入

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は台湾の現地記者、李臥龍(リー・ウォーロン)氏がレポートします。(※この記事は2016年10月7日にQUICK端末で配信した記事です。) 台湾積体電路製造が3ナノメートルの研究開発開始 半導体受託生産会社(ファウンドリー)世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC、コード@2330/TW)の劉徳音・共同最高経営責任者(CEO)兼プレジデントはこのほど台湾半導体産業協会の年会に出席した際、回路線幅5ナノ(ナノは10億分の1)メートルの生産準備を急速に進める一方、400人近くの研究開発グループを編成して3ナノメートルの研究開発に取り組んでいることを初めて明らかにした。1ナノメートルの製造プロセス実現に向けて動くとも述べ、米インテル(コード@INTC/U)を追い抜いた後にさらに大きく先行しようという意気込みを見せた。  (出所:日本経済新聞より作成 http://www.nikkei.com/article/DGXNZO74358070W4A710C1FFE000/) TSMCは台湾の半導体産業のリーダー企業として今後の技術発展計画を率先して公表し、3ナノメートルと1ナノメートルの研究開発の進捗を対外的に明らかにした。このことは、TSMCが今後数年間に引き続き半導体の技術開発に大量の資金を投入し、高水準の設備投資を維持することで、生産能力の拡充や関連設備の補充・増強に対応していく意向であることを意味する。  同社の劉徳音氏は、シリコン知的財産(IP)や自動化設備、設備などの構築といったビジネス生態系に関るサプライチェーンと共に今後も技術や研究開発への投資を継続し、同社を世界の半導体産業における最も強固な要塞にすると強調した。  台湾市場に上場するTSMCを筆頭とした半導体メーカーの昨年の投資総額は1兆2055億台湾ドル(1台湾ドルは約3.3円)に達し、製造関連の上場企業全体の投資額の21.4%を占めた。研究開発費は総額5775億台湾ドルで、製造関連の上場企業全体の11.2%を占めた。半導体関連の上場企業の純利益は上場企業全体の26%を占め、普及率が急激に上昇する分岐点「クリティカルマス」到達に伴う効果が一段と顕著になっている。  TSMC・インテル・サムスン電子の三つ巴か!? TSMCは7ナノメートル製造プロセスを巡る攻防がインテルと韓国サムスン電子(コード@005930/KO)との重要な戦いになるとみている。プロセス・アーキテクチャにおいて、TSMCの7ナノメートルはインテルの10ナノメートルに、TSMCの10ナノメートルはインテルの14ナノメートルにほぼ匹敵する。TSMCが開発を急ぐ主な理由は、インテルが英半導体開発大手アーム(ARM)・ホールディングスと技術ライセンス契約を締結したためだ。インテルが今後、ARMアーキテクチャを用いた10ナノメートル製造プロセスの受託生産サービスを提供すれば、TSMCと真っ向から対決することになるのだ。 もっとも、TSMCの10ナノメートル製造プロセスは既に、米アップルや台湾の聯発科技(メディアテック、コード@2454/TW)、中国の海思半導体(ハイシリコン・テクノリジーズ)といった重要な顧客を得ている。TSMCの劉徳音氏は、今年年末から来年第1四半期(1~3月期)にかけて10ナノメートル製造プロセスでの量産を開始すると述べた。  一方、7ナノメートル製造プロセスでは、既存の大口顧客が維持されるほか、40ナノメートルや28ナノメートルでTSMCの最大顧客であった米クアルコムが再び大量発注先をTSMCに戻す予定だ。これは、TSMCの7ナノメートルの性能が世界の大手メーカーから評価されていることを示す。  TSMCの劉徳音氏は、同社の7ナノメートルの歩留まりが想定内で推移しており、来年第1四半期にリスク生産を実施する予定だと述べた。  TSMCが7、10ナノメートルの受託生産で世界市場を独占すると見られる 他方、多くの外資系機関投資家たちは、TSMCが半導体受託生産の技術対応力やウエハー生産能力、原価構成、生産の柔軟性、賃借対照表、全体的な価値といった面でインテルよりも優れていると強調している。また、TSMCが2017~18年に10ナノメートルと7ナノメートルの製造プロセスを用いた受託生産で世界市場を独占するとみており、今月13日に予定される同社の機関投資家向け業績説明会を前に、相次いで分析レポートを発表して目標株価を引き上げた。目標株価はいずれも200台湾ドルを越えている。  TSMCの株価は9月23日に187.5台湾ドルまで上昇し、株価調整後の過去最高値を更新。時価総額も4兆8300億台湾ドルと、台湾株式市場で単体企業として過去最高を記録した。   ※本情報は、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的としたものではありません。有価証券その他の取引等に関する最終決定は、お客様ご自身のご判断と責任で行って下さい。株式会社QUICKおよび情報提供元である李臥龍氏は、本情報を利用して行った投資等により、お客様が被った、または、被る可能性のある直接的、間接的、付随的または特別な損害またはその他の損害について、一切責任を負いません。

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都道府県別の投資姿勢を分析…今年の株安で痛手を受けたのはどこ?

年初からの日本株は軟調に推移し、外国為替市場では円高・ドル安が進みました。年初に1万8000円台で推移していた日経平均は1万6000円台で推移し、1ドル=120円台にあったドル円相場も1ドル=100円割れが見える水準まで来ました。こうした投資環境の変化は家計にどのような影響を及ぼしたのか。実は都道府県によってリスク資産に対する姿勢が異なるため、影響度もそれぞれ異なると言えます。 政府の統計で都道府県ごとの金融資産の状況を調べると、意外な「差」が浮かび上がってきます。 個人金融資産1700兆円は伸び悩む まず日本国民全体の金融資産の状況を見てみましょう。 日銀が9月下旬に発表した資金循環統計(速報)によると、6月末時点の家計の金融資産残高は2015年末に比べて2%減の1746兆円でした。残高は昨年末に過去最高の1783兆円に達したものの、その後の株安および円高で株式や投資信託の運用残高が目減りしたことが響きました。 そのうち、株式等の残高は同14%減の144兆円、投資信託は同10%減の86兆円です。ちなみに、年初から6月末までの日経平均株価は18%下落、外国為替市場で円相場は昨年末の1ドル=120円台前半から6月末には103円台前半まで円高が進みました。 また、国債などの債務証券の残高は同8%増の27兆円に膨らみました。日銀のマイナス金利政策が残高の押し上げ要因になったようです。債券価格は利回りが下がれば下がるほど上昇します。マイナス金利政策の影響で幅広い年限の国債で利回りがマイナスになった結果、債券価格は全般に上昇したと言えます。なお、シェアが5割超と最も大きい現金・預金の残高は昨年末比ほぼ横ばいの919兆円でした。   北陸勢の高収入目立つ――富山県はリスク資産への投資に積極的 家計の金融資産の状況を都道府県別にみてみましょう。 総務省では貯蓄高や住宅など家計が保有する資産状況を地域ごとにまとめて「全国消費実態調査」として5年おきに公表しています。直近2014年の調査結果によると、世帯年収の全国トップは福井県で630万円でした。全国平均の536万円を100万円ほど上回っています。同県は過去10年間にわたって首位を維持しています。惜しくも3位だった富山県は福井県と常に首位争いを繰り広げており、北陸勢の年収の高さが顕著です。 しかし、両県の収入の使いみちには異なる傾向が表れました。福井県は、後で述べる株式などリスク資産の保有残高のランキング上位には顔を出していませんが、預貯金残高が1175万円でトップ。一方、富山県は株式・株式投信の保有比率および外貨建て資産残高のランキングで上位に入っており、資産運用に前向きなようです。堅実に貯蓄を増やす福井県に対して、元手を活用してさらなる資産アップを狙う富山県の積極性が垣間見えます。                    投資好きな首都圏や近畿圏が株安でダメージ!? 1世帯あたりの株式・株式投信の平均保有残高が全国で最大だった都道府県は、東京都で266万円でした。千葉や神奈川も上位に顔を出していることから、首都圏の投資に対する意識が見て取れます。 ただ、ランキングの上位には京都や奈良といった近畿地域も目立ちました。特に奈良県は保有世帯比率が3割弱と2009年の前回調査に続いて全国首位。同県は債券・公社債投信の保有世帯比率も高く、資産運用が浸透しているようです。 一方、株式や株式投信の保有残高が最も少なかったのは鹿児島県で29万円、次いで青森県の37万円、大分県の38万円と続きます。これら3県の共通点は年収が下位だったほか、貯蓄高も全国平均を下回り低水準でした。                                        海外資産への投資にも傾向が表れました。外貨建て資産が好きなのは神奈川県。1世帯当たりの平均保有残高は52万円と、全国平均を31万円上回りました。同県は前回調査でも首位です。これに対して、東北地方が下位をほぼ占有していました。また、香川県は債券・公社債投信の保有残高が2004年の調査以降トップです。債券価格の上昇は残高の押し上げ要因になりました。                  こうした結果を踏まえると、年初からの株安・円高の悪影響は東京都を中心とした首都圏のほか、奈良県などの近畿圏が受けたといえそうです。半面、鹿児島県や青森県、大分県は株式などの残高が少なく影響は軽微だったといえそうです。 2016年も残り3カ月を過ぎ・・・ さて2016年も残り2カ月半となりましたが、相場の方向性はどうなるのでしょうか――。 イベントや過去の相場動向、アノマリー(合理的には説明できない相場の経験則)を把握できる「マーケットカレンダー」で目先の行方を探ってみましょう。10、11月は米国の投資信託(ミューチュアルファンド)や海外ヘッジファンドの多くが決算を迎えるため、決算絡みの売買が相場のかく乱要因になることがあります。加えて、今年は11月8日に米大統領選挙も控えています。結果次第では世界の株式相場や外国為替相場が大きく変動する可能性もありそうです。ちなみに、アノマリーでは株式相場が下落する傾向がある10月に株を買い、上昇が目立つ翌年4月に売る「ハロウィン効果」というものがあると言われます。 国内では同時期、日本企業の4~9月期決算の発表が出そろいます。日本株については国内最大規模の市場心理調査である「QUIC月次調査<株式>」によると、今後のドル円相場がやや円安方向に進むとの見通しなどを踏まえ、市場関係者の大半が国内株式の投資比率の引き上げを検討していました。 株価や金融資産の価格が上昇に転じ、日本の家計の懐事情は温かくなるのでしょうか。景気に直結する話なので、目が離せません。   (編集:QUICK Money World)

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インドネシア、租税特赦の第1ステージが終了 今後は普及ペース鈍化か

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はRHB証券インドネシアのヘルミー・クリスタント(Helmy Kristanto)氏がレポートします。(※この記事は2016年10月5日にQUICK端末で配信した記事です。) タックス・アムネスティ制度で大幅な税収増 インドネシアのタックス・アムネスティ(租税特赦)制度は、大きな成果をあげて、第1ステージを終えた。この制度による税収増加額(penalty payment)は97兆2000億ルピアまで膨らみ、事前の予想を上回った。この結果は、制度利用者の拡大に向けた複数の魅力的な規制やシステムの推進など、政府の努力に負う部分が大きい。第1期の加算税収は政府が設定する全体目標(165兆ルピア)には届かなかったが、第1期終了に向け、利用者が飛躍的に伸びた。 タックス・アムネスティの第1期で申告された資産額は3621兆ルピア(2780億米ドル)で、国内資産が全体の70%を占めた。一方、国外からの還流資産は全体のわずか3.7%にとどまった。還流資産は主に、シンガポール、ケイマン諸島、香港、中国、英領バージン諸島で保有されていたものだ。   今後、制度の普及ペースは鈍化するだろう。インドネシアのタックス・アムネスティは段階的に税率が上がる仕組みになっていることに注目すると、ほとんどの利用者が最も税率の低い第1期に申告したと思われるためだ。同様に、インドネシア実業家協会も、主要な実業家の95%がタックス・アムネスティの第1期に資産を申告したと述べている。  このため、市場のタックス・アムネスティへの注目度は低下し、マクロ経済や企業業績に焦点が移りそうだ。我々の見解では、全体的な経済回復は依然として緩やかな過程をたどり、2016年第3四半期の企業の収益成長率はイスラム教の断食明け大祭(レバラン)が明けたことによる平常化を受け、前四半期比でやや軟化する見通しだ。 インドネシア経済は今後も順調に拡大か? 中長期的には、主にマクロ経済状況が好調に推移し、これにより企業収益の伸びが見込めることから、インドネシア市場に関して建設的な見方を維持する。インドネシア経済は今後も通貨ルピアの安定性やインフレ率の低さに支えられ、順調な成長傾向が続く見通しだ。こうした要件は、さらなる金融緩和も可能にするだろう。インドネシアの実質国民総生産(GDP)成長率は2017年に5.3%に拡大し、2016年の予想成長率(5.1%)をやや上回ると見込んでいる。 (出所:QUICK) ジョコ・ウィドド大統領は最近の閣議で、2017年の設備投資予算を100兆ルピア増額し、400兆ルピアに引き上げるよう指示した。タックス・アムネスティ制度の導入が奏功し、納税者のコンプライアンスレベルが向上。税収拡大が見込めることが、予算拡大の理由の一つとなっている。  【翻訳・編集:NNA】 本情報は、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的としたものではありません。有価証券その他の取引等に関する最終決定は、お客様ご自身のご判断と責任で行って下さい。株式会社QUICK、翻訳・編集者であるNNAおよび情報提供元であるPT RHB 証券インドネシアのヘルミー・クリスタント氏は、本情報を利用して行った投資等により、お客様が被った、または、被る可能性のある直接的、間接的、付随的または特別な損害またはその他の損害について、一切責任を負いません。

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景況感の悲観ムード強く金融緩和は続行か 業績予想はやや下振れ(10月調査)

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の10月調査を10月11日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者159人が回答、調査期間は10月4~6日)。 調査期間中の日経平均株価は1万6637~1万6971円のレンジで推移しました。9月上旬には1万7081円まで上昇したものの1万7000円が心理的な節目として意識され、手前での足踏み状態が続きました。10月に入ってからの東証1部売買代金は連日で2兆円を下回っており、積極的な売買が見送られたことが影響した面もあるようです。 一方、日経平均と比較してアウトパフォームしたのが東証マザーズ指数。前回調査が行われた最終日の9月1日から今回調査最終日の10月6日までの日経平均とマザーズ指数の騰落率をみると、日経平均がほぼ横ばいだったのに対し、マザーズ指数は5.6%の上昇を記録しました。円相場の行方などの不透明要因から大型株を見送るムードも強い中で出遅れ感が強い中小型株に個人投資家を中心に物色が向かったようです。 しかし、個人の物色意欲が高まり始めたとみられる点は相場全体にとっては明るい話といえます。外部環境の好転を背景に11日の日経平均は久しぶりに1万7000円台を付け、マザーズ指数も底堅い展開となっています。 国際比較で日本の景況感停滞が目立つ 今回のアンケート調査では、国内外の景気動向について質問しました。各国の現状について「拡大」、「堅調」、「停滞」、「後退」の4つの選択肢から選んでもらった結果は以下の通りとなりました。 また、選択肢別で、国別に最も高い回答が得られたのは、以下のようになりました。 日本・・・・・・停滞(64%) 米国・・・・・・堅調(84%) 欧州・・・・・・停滞(62%) 中国・・・・・・停滞(55%) この数字からも、世界経済は米国が一強状態であることが分かります。米国以外の国は、程度の差こそあれ、「停滞」という回答比が最も高く、なかでも日本の悲観ムードが最も深刻である点を理解しておく必要がありそうです。 日銀の金融政策もマイナス金利の深堀りこそ当面、行わない方針ですが、この景況感でおもむろに現在の金融緩和を絞るような政策は、マーケットの混乱を招く恐れがあるという点でも、避けたいところです。当面、日本の金利は底這い状態が続きそうです。 次に、日本の輸出企業の業績に影響を及ぼす為替見通しですが、2017年3月期末にかけて、ドル円がどのように推移するのかについては、「小幅な円安(105円程度)」という回答比が最も高く、全体の55%を占めました。次いで、「横ばい圏(100円程度)」が21%、「小幅な円高(95円程度)」が13%、となっています。 米国では、11月の大統領選挙を終えた後、12月の米連邦公開市場員会(FOMC)で利上げが行われるのではないかという見方が強まりつつあり、金利差の拡大からドル買い優位との見方が広がりつつあります。 今期経常益0.5%減見通し、修正の方向性は? こうしたことを受け、日経集計では前年度比0.5%減と見られている2017年3月期の経常利益について、今後どのように修正されるかを問うと、「小幅な減額修正」が50%で最も高く、次いで「小幅な増額修正」が32%、「修正なし」が12%、「大幅な減額修正」が5%、「大幅な増額修正」が1%という結果になりました。 大幅な増額修正、大幅な減額修正はいずれも極端な見方ではありますが、全体的には減額修正されるとの見方に傾いています。 また、資産別のアセットアロケーションをどう変更するかについては以下の結果となりました。 このうち、最も高かった回答は次のようになりました。 国内株式・・・・・・増加(52%) 海外株式・・・・・・変えない(48%) 国内債券・・・・・・減少(55%) 海外債券・・・・・・変えない(45%) 業績の先行き懸念は依然として根強いものの、今後のドル円相場の方向がやや円安に向かうとの見方に立てば、業績下振れをかなり織り込みつつある国内株式については比重を高めようとする動きが出てもおかしくないと言えるかもしれません。 1カ月後の日経平均見通しは「ほぼ横ばい」 1カ月後の日経平均株価予想は、平均値で1万6924円となり、前回調査の1万6935円に比べて若干の下方シフトとなりましたが、この程度の差は「ほぼ横ばい」と見て良いでしょう。 また単純平均で見ると、日経平均株価は年末にかけて1万7000円台を回復し、年度末には1万7000円台後半まで上昇することを示す数字になりました。先にも触れたように、日本の景況感については現状、悲観的なムードが強いものの、年明け以降にかけては、徐々に回復するのではないかという希望的観測が反映されています。 今後、6カ月程度を想定した場合、株価を動かす要因で注目されるものとしては、「金利動向」、「為替動向」が前回調査に比べて低下する一方、「景気・企業業績」が32%から42%に上昇しました。 また、同じく6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体について聞くと、「企業年金・公的資金」が前回調査の12%から、6%へと低下。その他は、前回調査と比べて大きな変化は見られませんでした。 株式の組み入れは「ややオーバーウエート」が上昇 資産運用担当者63人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前回調査の45%から53%に上昇しました。逆に、「ややオーバーウエート」が35%から28%に低下。「ややアンダーウエート」も14%から11%に微減となっています。 また、国内株式の組み入れ比率について、当面はどのようなスタンスで臨むのかという問いに対しては、「現状を維持する」が前回調査の71%から63%へと低下。一方、「やや引き上げる」が17%から26%へと上昇しました。26%は、過去半年の中で最も高い水準になりました。とはいえ、「現状を維持する」が63%もあるので、全体的には様子見という印象を受けます。

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非製造業DIの悪化目立つ 業種別DI、プラスは「情報・通信」のみ(9月)

全産業DIはマイナス27で変わらず 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年9月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス27となり、前月と同じでした。前月まで2カ月連続で改善し、業績モメンタムの悪化に歯止めがかかり始めたとの見方もできますが、企業を取り巻く環境には依然として不透明要因も多いため、先行き業績に対する慎重姿勢は続いているようです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 全産業DIの過去1年の推移をみると以下の通りになります。 9月・・・・・・ 10 10月・・・・・・ 3 11月・・・・・・▲3 12月・・・・・・▲3 1月・・・・・・▲3 2月・・・・・・▲20 3月・・・・・・▲30 4月・・・・・・▲30 5月・・・・・・▲33 6月・・・・・・▲36 7月・・・・・・▲34 8月・・・・・・▲27 9月・・・・・・▲27 6月時点でマイナス36まで下がったコンセンサスDIが、8月時点ではマイナス27まで改善しました。ただ、9月調査分もマイナス27で変わらず、やや足踏み状態です。9月初旬は1ドル=103円台だったドル円相場が、9月下旬にかけて100円台まで円高・ドル安が進んだことにより、主力大型株を中心に業績の先行きに対する懸念が浮上しました。 非製造業DIが悪化 次に、DIを製造業、非製造業の別で見てみましょう。昨年以降の製造業DIは、 9月・・・・・・▲5 10月・・・・・・▲12 11月・・・・・・▲18 12月・・・・・・▲15 1月・・・・・・▲11 2月・・・・・・▲35 3月・・・・・・▲48 4月・・・・・・▲47 5月・・・・・・▲47 6月・・・・・・▲48 7月・・・・・・▲49 8月・・・・・・▲45 9月・・・・・・▲38 これに対して非製造業は、 9月・・・・・・・25 10月・・・・・・・20 11月・・・・・・・15 12月・・・・・・・12 1月・・・・・・・8 2月・・・・・・▲3 3月・・・・・・・1 4月・・・・・・▲1 5月・・・・・・▲9 6月・・・・・・▲18 7月・・・・・・▲15 8月・・・・・・▲7 9月・・・・・・▲15 製造業DIはマイナスが続いていますが、7月のマイナス49を底に、徐々にではありますが改善傾向を見せています。一方、非製造業DIは6月にマイナス18という最悪の水準を付けたのち、8月にはマイナス7まで改善しましたが、9月は再びマイナス15へと悪化しました。物価上昇の気配がなく、消費者物価指数の上昇率が低下するなか、サービス業を中心にして価格を上げられない状況が続いており、業績見通しの悪化につながっているとみられます。 業種別DI、プラスは「情報・通信」のみ 業種別DIを見ると、16業種中、プラスになっているのは「情報・通信」のみ。0が2業種で、残りの13業種はマイナスでした。前月からのDIの動きを業種別に見ると、以下のようになります。 プラス値が低下・・・・・・「情報・通信」 プラス値が0に・・・・・・「建設」 0のまま変わらず・・・・・「医薬品」 プラス値からマイナス値へ・「食料品」「不動産」 マイナス値が改善・・・・・「鉄鋼」「非鉄金属」「電機」「卸売」「小売」「その他金融」 マイナス値が変わらず・・・「輸送用機器」 マイナス値が悪化・・・・・「化学」「機械」「サービス」「銀行」 8月調査分では、それ以前の結果に比べて業種別の数字は改善傾向にありました。しかし、8月の業種別DIがプラスを維持していた業種は5業種でしたが、9月調査分では1業種に減少。マイナス値が改善した業種も7業種から6業種に減り、マイナス値が悪化した業種が2業種から4業種に増えました。全産業ベースのコンセンサスDIが足踏みしているのも、こうした業種別DIの悪化を見れば納得が行きます。 グリーが46%上方修正率でトップ、下方修正トップはベネッセ 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。銘柄数の内訳は「強気」が57銘柄で、「変化なし」が187銘柄、「弱気」が169銘柄になりました。 <上方修正率の大きい銘柄> 1位 グリー(3632)・・・・・・・・・・・46.45% 2位 パイオニア(6773)・・・・・・・・・44.18% 3位 セガサミーHD(6460)・・・・・・・41.87% 4位 ソフトバンクグループ(9502)・・・・30.45% 5位 四国電力(9507)・・・・・・・・・・29.01% <下方修正の大きい銘柄> 1位 ベネッセホールディングス(9783)・▲100% 2位 日本写真印刷(7915)・・・・・・・▲73.88% 3位 神戸製鋼所(5406)・・・・・・・・▲50.86% 4位 不二越(6474)・・・・・・・・・・▲42.90% 5位 商船三井(9104)・・・・・・・・・▲41.50%

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イールドカーブ・コントロールは金融市場の機能を阻害?(9月調査)

債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の9月調査を10月3日に発表しました(証券会社および機関投資家の債券担当者143人が回答、調査期間は9月27~29日)。この間の国内金利は、新発10年物国債の利回りがマイナス0.090~マイナス0.080%で推移しました。 日本国債のイールドカーブをみると、8月30日時点から9月30日時点にかけて以下の通りとなりました。         8月30日   9月30日 10年債・・・・▲0.019% ⇒▲0.079% 15年債・・・・・0.159% ⇒ 0.122% 20年債・・・・・0.412% ⇒ 0.359% 30年債・・・・・0.527% ⇒ 0.457% 前月に比べて金利水準は下がっているものの、マイナス金利は10年物までとなり、15年物よりも長い金利については、プラス圏になりました。一時期の、バブル化の様相を呈していた債券市場でしたが、若干の落ち着きを取り戻してきたように思えます。 イールドカーブ・コントロールは金融市場の機能を阻害? 今月の月次調査では、日銀の新しい金融政策の枠組みについて伺いました。 新しく導入された「イールドカーブ・コントロール」には、どのような効果があるかという質問に対しては、「金融市場の機能を阻害する」が47%で最も高く、次いで「年金などの長期運用にプラスの効果がある」が19%、「金融機関の収益にプラスの効果がある」が16%となりました。 イールドカーブ・コントロールとは、10年物国債の利回りを「ゼロ%程度」にすることをターゲットとして、国債の買い入れを調整していくという考え方です。これまで、10年物国債利回りは大幅なマイナス金利になっていましたが、これが金融機関の経営に及ぼす影響が懸念されていました。とはいえ、国債買い入れを止めるとなれば、マーケットは大混乱に陥るでしょう。そこで、今後も量的・質的金融緩和は行うという含みを持たせつつ、金融機関の経営状況にも配慮したのが、今回のイールドカーブ・コントロールという新しい金融政策だったのです。 一方、「(日銀は)10年物国債利回りをゼロ%程度で推移するように買い入れを行う方針を示していますが、10年国債利回りはどのように推移すると予想しますか」という問いに対しては、「おおむねマイナス圏で推移」が48%で最も高く、次いで「多少の上下の振れはあるが、おおむね安定」が36%、「0%で安定」が9%となりました。 今回の日銀金融政策の新たな枠組みについては「金融市場の機能阻害」という点で否定的な意見が目立つものの、先行きの10年債利回りの見通しをみる限り、市場参加者は日銀のイールドカーブ・コントロールを実現可能とみていることが明らかになりました。 また、「10年国債利回りが0%程度で推移した場合、超長期国債の金利はどのように推移すると予想しますか」という問いに対しては、「現状程度で安定的に推移」が35%で最も高く、次いで「現状よりフラット化」が28%、「現状よりもスティープ化」が27%でした。 10年国債の過度なマイナス金利は修正 新発10年国債の金利見通しは、前月に引き続きマイナス圏にあるものの、その水準は徐々に上方修正されています。8月調査分における1カ月後の長期金利見通しは、単純平均値でマイナス0.096%でしたが、9月調査分ではマイナス0.059%になりました。9月20~21日に開催された日銀金融政策決定会合において、これまでの金融緩和政策に関する総括が行われたのと同時に、前述したように今後の金融政策において、イールドカーブ・コントロールが導入され、10年物国債利回りをゼロ%程度になるよう買い入れを行うことを決定したため、過度なマイナス金利が修正された形です。 今後、6カ月程度を想定した時、最も注目している債券価格変動要因としては、「短期金利/金融政策」が78%で、相変わらず他の要因に比べて高い水準を維持していますが、8月調査分の91%からは低下しました。 一方、8月調査分に比べて注目度が上昇したものとしては、「景気動向」、「物価動向」、「為替動向」、「海外金利」、「債券需給」ですが、いずれも注目度のパーセンテージは低く、目下マーケットにおいては、圧倒的に短期金利の動向および金融政策がマーケット関係者の注目を一身に集めている状況です。 また同じく、今後6カ月程度を想定し、最も注目される投資主体としては、これも8月調査分に比べて、大きな変化は見られませんでした。相変わらず高いのは「政府・日銀のオペレーション」で、注目度は8月調査分に比べて1ポイント低下したものの、それでも79%であり、他の投資主体に比べて圧倒的に高い水準を維持しています。それだけ、今の債券市場は日銀が他を圧倒するビッグプレイヤーになってしまったことを意味します。 ただ、それは決して健全なマーケットとは言えない面があることを、理解しておく必要があるでしょう。 債券投資のスタンスはやや長期化 ディーリング部門を除く資産運用担当者71人を対象に、現在運用しているファンドについて、国内債券の組み入れが通常の基準と比べてどのようになっているのかを聞いたところ、「ややオーバーウエート」が13%から11%に、「ニュートラル」が57%から56%へとやや低下したのに対し、「ややアンダーウエート」が23%から28%へと上昇しました。 また当面のスタンスとしては、「現状を維持する」が76%から70%に低下したのに対し、「やや引き上げる」が2%から9%に上昇しました。 債券のデュレーションについて当面のスタンスは、「現状を維持する」が73%から69%に低下。「やや長くする」が16%から23%に上昇しました。10年国債よりも長期の部分で金利は上方修正されており、利回りを確保するためにデュレーションをやや長めに取るスタンスが見えてきます。

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世界的な魚食人気で「資源」枯渇の懸念…マグロ養殖ビジネスの基本をチェック

マグロの養殖ビジネスに拡大の兆しがみられます。背景にはクロマグロなどの漁獲を規制する国際的な動きや、新興国の所得アップによる魚介類の需要増加、健康志向の高まる海外での和食ブームがあります。以前、食文化の輸出をテーマにした銘柄探しを特集しましたが、日本になじみのある「食」に対する注目が、世界的に高まっています。 魚食はクールジャパン…大好きなマグロで養殖に脚光 国連食糧農業機関(FAO)の調べによると、魚介類の1人当たり年間消費量が世界平均で20キログラムと、初の大台を突破しました。中国やインドネシアといった新興諸国でのニーズが増えているためです。加えて、健康志向の高まりなどから、世界的に和食が人気化していることも影響しているようです。農林水産省がまとめた海外の日本食レストランの店舗数は、2006年に2.4万店でしたが、2015年には4倍弱の8.8万店に増加。洋画や海外ドラマのワンシーンで和食を目にする機会も増えているのではないでしょうか。 一方、日本の1人当たり魚介類の消費量は世界平均の2.5倍に当たる50キログラム(※2013~2015年の平均値)でした。主要国の中では韓国、ノルウェーに次いで第3位の消費量です(図表1参照)。肉食化が進んでいるものの、世界的にみればまだまだ魚介好きといえそうです。 主要国の魚介類1人当たり消費量 魚好きの日本人。魚の中でも好きな魚のナンバーワンはマグロです。 さてこのマグロ、食用は世界に何種類いると思いますか?答えは6種類です。この中でもクロマグロは味、価格、大きさのいずれにおいても最高とされ、マグロの王様といえます。青森県大間町の漁港で水揚げされたクロマグロは「大間マグロ」とも呼ばれ、ブランド化しているほどです。2013年に東京・築地市場で開かれた初セリでは、この大間産が過去最高値の1匹1億5540万円(1キロ70万円)で競り落とされたこともあったほどです。   日本人が好きな魚トップ3   マグロの種類と特徴   そしてこのクロマグロは日本人の大好物でもあります。世界の消費量の約8割を国内で食しているといわれています。しかし、消費量の増加を受けて、クロマグロの数はピークの1割まで減少してしまいました。 そこで現在、マグロの養殖が脚光を浴びています。 日本人が大好きなマグロの刺身   江戸時代から受け継がれる国内養殖ビジネス 日本の養殖業は、金魚や鯉などの淡水魚を皮切りに江戸時代より前からあったといわれています。一方、海水魚ではマダイの研究が1910年頃からスタート。そして20年代後半には香川県の漁業者がブリの養殖の事業化に成功しました。その後、近畿大学水産研究所の2代目所長であった原田輝雄氏が複数の網状の生簀を並べた「小割(こわり)式養殖」を発案すると、養殖業が加速的に発展。この方式は世界的に普及しました。また、同研究所は、2002年に世界初のクロマグロの完全養殖の快挙を成し遂げたことでも有名です。 国内の養殖魚の生産比率は年々増加傾向にあります(図表4参照)。農林水産省の調べによると、2015年の魚の漁獲量は309万トン。このうち、養殖魚が24万トンと、全体の約8%を占めています。マダイなど魚種によっては大半が養殖のケースもあるほどです。 国内の漁獲量の推移 ※出所:農林水産省「海面漁業生産統計調査」 養殖魚のビッグ3といえばブリ、マダイ、銀鮭でしたが、2014年に銀鮭に代わってクロマグロが3位に浮上。順位が入れ替わった背景には、世界的な資源保全の動きの強まりから、クロマグロの漁獲が規制されていることがあるようです。 5つの国際管理機関ではマグロ漁規制の動き マグロに関する国際管理機関は管轄する海域ごとに5つあります(図表5参照)。特に日本が自由に漁業ができる排他的経済水域を管理する「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」と、大西洋クロマグロを管理する「大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」は日本にとって重要です。   両機関ともに30キログラム未満の未成魚のクロマグロの漁獲を規制しています。このほか、前者では今後さらなる規制の強化も検討しているようです。後者では各マグロの生産地などの情報をデータ化する「漁獲証明制度」を採り入れ、不正な漁獲や取引の削減に役立てています。こうした世界的な規制を受けて、天然資源に頼らない「完全養殖」に期待が集まっています。 マグロの主な管理機関   クロマグロの養殖場は右肩上がりで増加 6種類のマグロのうち、主に養殖されているのは消費者に人気が高い太平洋クロマグロ、大西洋クロマグロ、ミナミマグロの3種です。国内では1970年から水産庁主導によりマグロの養殖の研究がスタート。しかし、当初は失敗続きで養殖が本格化したのは1990年以降です。 クロマグロの主な養殖方法は疑似餌を用いた「ひき縄釣り」で全長20~30センチメートル、重さ100~500グラム程度の天然の幼魚(よこわ)を捕獲し、生簀で2~3年程度飼育するスタイルです。ブリ(ハマチ)やカワハギなども同手法です。 一方、海外では数十キログラム程度まで大きくなった天然のマグロを獲ってきて生簀で餌を与えながら育てる「畜養」が主流です。スーパーなどの小売店ではどちらも養殖として表示されていますが、養殖方法は異なります。輸入品は概ね蓄養されたマグロです。    ひき縄釣り マグロ養殖の様子 クロマグロの国内養殖場の数は近年、右肩上がりで増加しています。2015年末時点では160カ所、このうち69カ所が長崎県にあります。同県の周辺海域は天然マグロの幼魚の回遊ルートで養殖に適した環境のうえ、県が養殖の振興プランを打ち出していることも数が多い理由のようです。全体的に南の海域に養殖場が集中しているのは、冬でも比較的暖かいため、魚が餌をよく食べて成長するからでしょう。 クロマグロの国内養殖場160か所の分布 クロマグロは他の魚種と比較して卸売価格が相対的に高いため、養殖業者の中にはブリやマダイからシフトする例もあるほどです。例えば、東京・築地市場で8月に取り引きされたマダイ(養殖)の卸売価格は1キログラム当たり平均1000円弱でしたが、クロマグロ(国内産)は3000円超と3倍でした。 冷凍クロマグロと養殖マダイの価格推移   近大の完全養殖は養殖産業に地殻変動もたらす 近畿大学水産研究所が世界で初めて成功したクロマグロの「完全養殖」は、従来の養殖方法とは異なり、人工孵化(ふか)したマグロの卵を再び人工的に育てるというものです。直径1ミリほどの受精卵を採取し、陸上の水槽でプランクトンを与えながら稚魚に成長するまで1カ月ほど育てます。その後、海上の生簀に移動させて3年程度かけて30キログラム以上まで育てて出荷するという仕組みです。1970年の研究開始から2002年に成功するまで実に32年の歳月を要しました。 クロマグロは生態が謎に包まれていたうえ、成長すると300キログラムにもなる巨体に反して非常に繊細な性格だからです。例えばマダイの場合、稚魚に成長するまでの生存率は50%程度ですが、クロマグロは数%といわれています。完全養殖が注目される理由は、天然物を必要としないので資源を減少させないためです。同方式なら複数の国際機関が禁止している小型のクロマグロの捕獲に抵触しません。 年率6%で成長する世界の養殖市場 世界的な魚介類のニーズの高まりを受けて、養殖ビジネスは好調です。国連食糧農業機関(FAO)によると、2012年の養殖業の生産量は過去最高の9040万トンに達し、このうち6660万トン(残りは海藻類)が食用の魚介類でした。魚介類の生産量は2000年以降、年率6.2%で伸びています。同機関は13年の魚類の生産量はさらに拡大し、7,050万トンと予想しています。世界最大の養殖大国は中国。世界の養殖生産量の6割を担っています。日本は13位でしたが、養殖市場の伸びを享受できるよう奮闘したいところです。   マグロ養殖関連銘柄は?  養殖関連の業種といえば水産・農林業。このサイトの「簡単業種分析」を利用すれば、同業種の売上規模が大きい銘柄をすぐに検索できます。上位1~3位まではいずれもクロマグロの完全養殖ビジネスを手掛けていました。売上高が最大のマルハニチロは1987年に完全養殖に取り組み、2010年に民間企業として初のクロマグロの完全養殖に成功。しかし事業化は一筋縄では行かず、プロジェクトを一時中断したこともあったそうです。「BLUE CREST(ブルークレスト)」というブランド名で大手スーパーイオンのプライベートブラントとして出荷されました。日本水産は「喜鮪(きつな)金ラベル」という商品名で2017年冬の出荷を予定。極洋は日本配合飼料と合弁会社を設立し、同じく17年の出荷を目指しています。   水産・農林業の売上の上位銘柄   マグロの完全養殖には商社も関わっています。三菱商事(8058)の子会社の東洋冷蔵、豊田通商(8015)、双日(2768)はいずれも近畿大学とタッグを組んでいます。東洋冷蔵の完全養殖マグロのブランド「TUNA PRINCESS(ツナプリンセス)」は回転ずし大手あきんどスシロー(大阪府吹田市)で提供されました。また、近畿大学はサントリーグループのサポートを受けて、養殖魚専門料理店を大阪府と東京で展開。「近大マグロ」の実力を確かめに店舗へ足を運んでみてはどうでしょうか。 マグロ養殖関連銘柄   完全養殖のクロマグロの出荷量前年比2倍 クロマグロの完全養殖は事業化にメドが立ち、今後は急速に拡大する可能性があります。農林水省が発表したデータによると、2015年の養殖クロマグロの出荷量は1万4726トン、このうち完全養殖は943トンでした(図表8参照)。出荷量自体はわずかですが、前年比の伸び率は2.4倍と大きくなりました。  ただ課題もあります。クロマグロの生存率はマダイなどと比較するとまだ低くコスト高になっているほか、餌は天然の魚を使用しているケースも多いため、環境保全を徹底するために配合飼料の導入を加速する必要があります。クリアすべきハードルはあるものの、完全養殖マグロの大量生産が現実味を帯び、日本人が大好きなクロマグロを気兼ねなく食べられる日が近づいているようです。 クロマグロの養殖方法別の出荷量   (編集:QUICK Money World)

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住宅ローン金利に影響?日銀が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入

9月20日、21日に開催された日銀政策決定会合の結果が出ました。日銀は政策目標として、政策金利(日本銀行当座預金の一部にかける金利)のマイナス0.1%を維持する一方で、長期金利は0%程度に誘導する「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を発表しました。 「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」とは? 以下のホームページ上の記述(9月20日時点)のように、日銀はこれまで、長期金利の形成は市場に任せるというスタンスを取っていましたが、日銀はついに、長期金利の誘導に踏み込むことになりました。 ============================ Q6. 長期金利は誘導しないのですか? 長期金利の形成は、資金の需要量と供給量のバランスだけでなく、将来のインフレ率に対する市場参加者の予想や将来の不確実性等によって大きく左右されるため、オーバーナイト物金利のように資金量を調節して誘導することは容易ではないのです。むしろ、長期金利の形成は市場メカニズムに任せて、そこから市場参加者の予想等に関する情報を読み取れるようにすることが、とても重要なのです。 ============================ (出所:日本銀行の金融調節を知るためのQ&A https://www.boj.or.jp/mopo/outline/expchosetsu.htm/ ※9月20日時点) 下の図は日銀の公表資料から抜粋した、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」で実施するイールドカーブ操作のイメージです。 イールドカーブとは、債券の残存期間ごとの利回りをグラフにしたもの。要するに、どれくらいの期間でお金を借りると、どれくらいの金利になるかの図です。お金を借りる期間が長ければ長いほど、貸し倒れのリスクなどが高まるため金利が高くなる、つまりイールドカーブは右肩上がりになるのが一般的です。 これまで日銀は、この図で言えば0年部分の金利を「政策金利」として誘導し、長い期間の金利は市場の動きに任せることで、金融政策を運営してきました。しかし、日銀がマイナス金利を導入すると長期の金利までがマイナス圏に落ち込む状況となり、一部の金融機関の収益に悪影響が出る状況となりました。もちろん、住宅ローン金利がどんどん低下するなど、家計にメリットも有りましたが、経済界からは批判の声もありました。 今回の政策変更では、操作目標として長期金利(残存10年程度の国債利回り)も追加することとなり、日銀はイールドカーブの2点を操作することになります。短い金利と長い金利の差を操作することで、業績が長短金利差の影響を受ける金融機関に配慮しているのでしょう。一方で、批判に対応しながら、マイナス金利政策を続行する意思を見て取ることができます。 この変化が家計にどのような影響を与えるかを簡単に考えてみたいと思います。 住宅ローン金利は下げ止まる? 住宅ローン金利のうち長期の固定金利について、金融機関は、10年物国債の金利の動きを目安に決めているとされます。今回の政策変更を受けて10年物国債の利回りは約半年ぶりにプラスに浮上する場面がありました。 今回の政策変更をきっかけに、目安となる10年物国債の金利がどんどん低下するという見方が後退し、長期の固定金利が下げ止まる、あるいは上昇に転じることが考えられます。 一方、住宅ローン金利のうち変動金利は大きくは動かないとの見方があります。変動金利は「短期プライムレート(短プラ)」という金利がベースとなっており、短プラ+1%が基準金利として、店頭で表示される貸出金利となります。また「短プラ」の変動を基準として見直されるのが一般的とされます。 変動金利の基準となる短プラは、銀行の短期貸し出し金利の基準でもあり、日銀の政策金利によって変動すると見られています。短プラはマイナス金利の導入前後で変わらず1.475%となっています。 なので今回、政策金利についてはマイナス0.1%で変わらなかったため、変動金利の基準になる短プラに大きな変化は無いと考えられます。   市場変動が激しいときの株式投資 また、金融政策が新たな局面に入ったことで、相場環境は読みづらくなりました。この記事を書いている9月21日午後の段階でも、株や為替は荒い値動きとなっています。不透明な環境で株式投資を継続するためには、どうすればいいのでしょうか。 市場ボラティリティが激しいマーケットの状況下では、テクニカル指標に基づいたトレーディングを行う際には非常にやりやすい環境ではありますが、中長期の業績に基づいたファンダメンタル運用はやりにくさがある、という意見があります。 この環境下では、相場全体の方向がどう動くかわからず、優良銘柄に投資したとしても、株価が相場全体の動きに振り回され、一時的に下落する可能性があるためです。新しい政策が、経済全体にどのような影響を与えるかが明確になるまで、積極的な動きを控えるのもひとつの選択肢かもしれません。 収益率と成長率が高く、割安な銘柄、つまり長期的に株価の上昇が見込める銘柄を、中長期で保有するというのも一つの手段でしょう。「収益性」が業界平均よりも高い(=競争力がある)銘柄で、「成長」度が高く、割安な水準で拾うというやり方が考えられます。 収益性、成長、割安さを測る指標はいくつかありますが、QUICKの銘柄スクリーニングなどで簡易的に探すこともできますので、参考にしてください。

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9月日銀会合「現状維持」予想7割 マイナス金利深掘りは「円安要因」(9月調査)

外国為替市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の9月調査を、9月16日に発表しました(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者72人が回答、調査期間は9月9~14日)。この間の為替レートは、対ドルが101円81銭~102円31銭。対ユーロが114円31銭~115円20銭でした。 9月の日銀会合、「現状維持」予想7割に 日銀が7月28~29日開催した金融政策決定会合において、上場投資信託(ETF)の買入額の増額を発表しました。これまで年間3.3兆円だったのを、ほぼ倍増の6兆円のペースで買い入れるというものです。現状、これによって円高是正に具体的に効果があったのかどうかを聞いたところ、「少しあった」が48%。次いで「全く無かった」が45%となりました。「かなりあった」は6%で、円高進行を抑えたとの見方がやや上回る結果となりました。 この発表が行われた後から現在までの株価の値動きを追うと、次のようになります。日経平均株価・・・・・・・16569.27(7/29)⇒16405.01(9/15)東証マザーズ指数・・・・・・920.40(7/29)⇒ 908.02(9/15)ドル円相場・・・・・・・・・103.61(7/29)⇒ 102.44(9/15) このように、主力大型株中心の日経平均株価も、新興株中心の東証マザーズ指数も、ETF買入額の増額が発表されてから、現在に至るまで下がっています。株安を受けてドル円相場も円高方向に増えています。 とはいえ、日経平均については、9月6日に1万7081円98銭まで上昇し、ドル円相場も一時1ドル=104円台前半にドル高・円安が進み、ETF買入額の増額による効果が全く無かったというわけでもなさそうです。 ただ、6兆円を買い入れるといっても、それを一度に買うわけではなく、1年間にわたって徐々に買っていくこと、基本的には日経平均株価に連動するETFを中心に買うことを考えると、特に個人投資家が多く参戦していると思われる小型株への影響はほとんどなく、それゆえに効果が「全く無かった」とする声が挙がるのも分かります。 一方で注目されるのが、9月20~21日にかけて開催される日銀金融政策決定会合です。ここで、これまでの金融政策について「総括的な検証」が行われることから、その中身が注目されています。今のところ「もう一段の金融緩和に含みを持たせる」ような内容になるのではないか、との見方が大勢を占めていますが、今回の会合で金融緩和が決定されるかどうかを聞いたところ、「現状維持」が68%、「追加緩和」が32%となりました。 さらに「総括的な検証」後の金融政策の枠組みについて、それぞれ最も高い回答は、量的緩和が「現状維持」で69%、質的緩和が「拡大・拡充」で51%、マイナス金利が「現状維持」で51%となりました。ただ次点を見ると、質的緩和は「現状維持」が49%、マイナス金利は「拡大」が47%となっており、1位と僅差であることから、市場の見方が二分されていると考えて良さそうです。 マイナス金利深掘り「円安圧力」、物価目標撤回は「円高圧力」に また、「総括的な検証」後の金融政策の枠組みで、仮にそれぞれの政策をとった場合のドル円に対する影響について聞いたところ、マイナス金利の深堀りは「円安圧力」が62%、「影響なし」が21%、「円高圧力」が17%。国債買い入れの実質減額による柔軟化(レンジ設定)は「円高圧力」が65%、「影響なし」が30%、「円安圧力」が6%。国債買い入れの実質増額による柔軟化(レンジ設定)は、「円安圧力」が57%、「影響なし」が31%、「円高圧力」が11%。物価目標達成時期の撤回は「影響なし」が46%、「円高圧力」が45%、「円安圧力」が8%となりました。 円はやや弱含み見通し ドル円については、金融機関の外為業務担当者の1カ月後の為替見通しが、前回調査の102円07銭から円安・ドル高方向にシフトし、102円43銭になりました。前月にかけて、1カ月後のドル円の見通しは3カ月連続して円高・ドル安方向にシフトしたため、目先の円高圧力が強いと思われましたが、とりあえず今月調査で円安・ドル高方向にシフトしたことにより、円高圧力はやや一服した感があります。 今後の注目点としては、米国の金利の先行きで、金利上昇ムードが強まるのかどうかということ、さらに前述したように、9月20~21日に開催される日銀金融政策決定会合において、日銀がもう一段の金融緩和姿勢を明確に打ち出してくるかどうか、ということでしょう。現状、米国の長期金利は上昇し、日銀の金融緩和期待が強いことを考慮すると、金利差からドルは買われやすい環境になります。 今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円はそれぞれ前月に比べて大きな変化は見られなかったものの、相変わらず「金利/金融政策」が84%と高止まり。ドルは「金利/金融政策」が前月比15%上昇して84%になり、ユーロも同じく「金利/金融政策」が前月比26%上昇して70%になりました。主要通貨については当面、金融政策の動向が注目されます。ちなみにユーロの場合、「政治/外交」が前月比25%マイナスになり、16%へと低下しました。 向こう6カ月間で、各通貨が対円でどのように推移するのかについては、米ドルDIが前月調査でプラス34まで低下したものの、今月調査ではプラス41に上昇。ドル買い意欲がやや戻ってきています。ユーロもマイナス31からマイナス7まで縮小し、その他では英ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、ブラジルレアル、中国人民元、韓国ウォン、インドルピー、ロシアルーブルなど、幅広い通貨で、対円のマイナス幅が縮小、あるいはプラスの上昇という結果になりました。これらの点から、やや円は弱含みで推移するとの見方が多いといえます。 ヘッジ比率は低下 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「オーバーウエート」が前月の25%から0%に減少する一方、「アンダーウエート」が0%から13%に上昇しました。また「ニュートラル」は75%から88%への上昇です。やや外貨の組み入れを増やす動きには一服感があったようですが、当面のスタンスとしては、「現状のヘッジ比率を維持」が100%から83%に低下し、「ヘッジ比率を下げる」が0%から17%に上昇しています。ファンドのスタンスからも当面はドル買い意欲が強まるものと思われます。

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衝撃の結果?仮想通貨技術「活用することなさそう」7割に(9月調査)

日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している9月のQUICK短観(9月1~12日調査分、上場企業421社が回答)では、製造業の業況判断指数(DI)がプラス10となり、前月調査から2ポイント改善しました。改善は2カ月連続となります。一方、非製造業DIは前月比2ポイント悪化のプラス29となり、結果、金融を含む全産業DIは前回調査に比べ2ポイント上昇のプラス22となりました。 景況感は徐々に底入れ? QUICK短観は、日銀が企業経営者の景況感を把握するために、四半期に1度の割合で発表している「日銀短観」の傾向を把握するのに役立つと共に、比較的、株価との連動性もみられるため、市場関係者にも注目されています。 過去の日銀短観の推移を「大企業製造業」の業況判断DIでみると、次のようになります。 2014年3月・・・・・・プラス17    6月・・・・・・プラス12    9月・・・・・・プラス13    12月・・・・・・プラス12 2015年3月・・・・・・プラス12    6月・・・・・・プラス15    9月・・・・・・プラス12    12月・・・・・・プラス12 2016年3月・・・・・・プラス6    6月・・・・・・プラス6 このように、2014年3月のプラス17をピークにして、2015年6月まで一進一退を続けた後、2016年に入ってから下落傾向が強まりました。 一方、直近のQUICK短観をみると、製造業の業況判断DIの推移は、次のようになります。 2016年3月・・・・・・プラス5    4月・・・・・・プラス8    5月・・・・・・プラス7    6月・・・・・・プラス9    7月・・・・・・プラス7    8月・・・・・・プラス8    9月・・・・・・プラス10 今回の日銀短観は、7~9月期の景況観をベースにしたものを10月に公表します。そこで、日銀短観と平仄を合わせる意味で、2016年に入ってからのQUICK短観を3カ月の平均値でみると推移は以下のようになります。 2016年1~3月・・・・プラス9    4~6月・・・・プラス8    7~9月・・・・プラス8 このようにみると、10月3日に公表される9月の日銀短観の結果は、7月に公表された4~6月分の数字とほぼ変わらず、横ばいに近い数値が出ることを示唆しています。ただ、QUICK短観をみると、7月のプラス7から、8月、9月と2カ月連続して改善している点、DIの水準がプラス10に乗せたことなどから、企業の景況感は徐々に改善の兆しがみえつつあると言えそうです。 製造業の収益環境が悪化 生産・営業用設備については、全産業ベースでみると、「過剰」の割合から「不足」の割合を差し引いたDIは前月に比べ4ポイント悪化のマイナス5になりました。製造業は若干過剰気味ですが、非製造業は不足感が強く、DIは前月に比べ4ポイント悪化のマイナス10になりました。 一方、雇用の過不足をみると、全産業ベースでは前月に比べ2ポイント悪化のマイナス35でした。製造業の不足感もさることながら、非製造業での不足感がマイナス49まで悪化しています。日本企業というと製造業が目立ちますが、すでに産業構造ではサービス産業の比率が高いので、非製造業での雇用不足は、経済全体にとってマイナスの影響を及ぼす恐れがあります。 また販売価格について、「上昇」の割合から「下落」の割合を差し引いたDIは、金融を除く全産業ベースで、前月に比べて2ポイント上昇のプラス6。仕入価格DIは、金融機関を除く全産業ベースで、前月に比べて2ポイント上昇のプラス6になりました。 全体でみれば、仕入価格が上昇する一方、販売価格も上昇しているので、企業の収益環境はそう悪化していないようにみえます。ただ、製造業についていえば、仕入価格DIがマイナス3であるのに対し、販売価格DIがマイナス11。前月比でみると、仕入価格DIが大きく上昇しました。販売価格に比べて仕入価格が上昇すれば、収益環境は悪化します。今後の為替相場の動向も踏まえたうえで、この点は要注意といえるでしょう。 マイナス金利深掘り、企業活動に中立要因か 9月の特別調査では、①日銀のマイナス金利深掘りは事業運営にどのような影響がありそうか、②仮想通貨の技術を活用することについてどう考えるか――の2点について質問しました。 日銀が9月20~21日に開催する金融政策決定会合では、これまで行ってきた金融政策についての「総括的な検証」が発表されることになっており、その内容が注目されています。現状では、金融緩和につながる内容になるのではないか、という見通しが多いようですが、企業の事業運営という点でみると、金融緩和政策のひとつである「マイナス金利のもう一段の深堀り」については、効果がほぼ限られるとの結果が出ました。 特に金融機関にとっては、マイナス金利が収益減につながる恐れがあります。アンケート結果をみると、「良くも悪くも影響はなさそう」との回答が65%と大半を占めました。一方、「良い影響」(17%)と「悪い影響」(18%)はほぼ同率になっています。 全体的にみた場合、マイナス金利の深堀りが企業経営に及ぼす影響は、ほぼニュートラルと考えられます。ゆえに、それはマーケットにとってある種、カンフル剤的な効果はあるかもしれませんが、実体経済に直接、何らかの影響を及ぼすかと言われると、いささか心許ない部分があることは否定できません。 仮想通貨技術の活用に消極的な意見 次に仮想通貨技術に関する質問です。ビットコインをはじめとする仮想通貨と、それを支える技術(=ブロックチェーン)に対する関心が高まっています。すでにリアル店舗でも仮想通貨による決済が行われており、今後、現金通貨に取って代わる新しい決済手段になる可能性が高いと期待されています。 ただ、アンケートによると「活用することはなさそう」との回答が70%に上り、「すでに活用している」と「将来的に活用することが決まっている」はそれぞれ1%にとどまりました。「将来的に活用する可能性はある」は29%でした。 まだ、ブロックチェーン技術に対する認識が広まっていないということも考えられますが、いずれにせよ仮想通貨を普及させるためには、幅広く認知させるための啓蒙が必要になりそうです。

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異次元緩和はデフレ脱却に効果あった? 「検証」、評価は割れる(9月調査)

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の9月調査を、9月5日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者156人が回答、調査期間は8月30~9月1日)。 調査期間中の日経平均株価は1万6677円~1万6941円で推移しました。8月調査の最終日に当たる8月4日の日経平均は1万6254円、9月1日は1万6926円となり、この1カ月で4%強上昇しました。一方、同期間のマザーズ指数は逆に1%超の下落。前月に続き、物色の対象は新興株から主力大型株にシフトしたままとなりました。 薄まる金融緩和への期待感 今回のアンケートでは、9月20~21日に開催される日銀金融政策決定会合において注目されている「総括的な検証」を、株式市場関係者がどう考えているのかを聞きました。 まず、黒田日銀総裁の異次元緩和は全体としてデフレ脱却に効果があったのかどうか、との質問ですが、「効果があった」との回答は全体の42%。次いで、「効果があったともなかったとも言えない」が32%、「効果はなかった」が15%となりました。「これから出てくる」という回答比が7%あったものの、異次元緩和の効果に対する見方は、それを積極的に認める、あるいは今後に期待する回答が合わせて50%程度であることからすると、大きく見方が二分されています。 日銀としては今後、金融政策をどう運営すべきかという点については、「金融政策と財政政策との協調」が34%、「政策目標(インフレ率・期限)の修正」が29%、「現行政策の維持」と「追加緩和」が同率で14%となりました。 追加緩和を求める声は意外に少なく、これは追加緩和に対する期待感が薄らいでいることを示しています。事実、マイナス金利も含めて、ここまで金融緩和を行ってきたにも関わらず、消費者物価指数の上昇率は「生鮮食品を除く総合」で7月は前年同月比0.5%低下となり、日銀が当初、目標として掲げていた「消費者物価指数の上昇率2%」には、ほど遠い状況にあります。緩やかなインフレに転換しない限り、日本はデフレ経済から脱却したことにならず、アベノミクスも異次元緩和政策も「やるだけ無駄だった」という評価になる恐れがあります。 日銀ETF買い入れ「相場の下支え要因に」約6割 また、日銀の上場投資信託(ETF)買い入れが株式市場にどのような影響を及ぼしているのかという点については、「相場の下支えになっている」が56%、次いで「市場の価格形成を歪めている」が27%で、両方の回答だけで全体の80%以上を占めました。一方、「相場全体を引き上げている」という回答比は9%に過ぎず、ETFの買い入れはあくまでも相場の下支え要因に過ぎないというのが、株式市場関係者の大方の見方のようです。 株式市場は為替や金利に左右される展開に 1カ月後の日経平均株価予想は平均値で1万6935円となり、前回調査の1万6352円から上方にシフトしました。 前述したように、国内株式市場の物色対象は、新興株から主力大型株へのシフトが続いています。その理由のひとつは、為替相場でしょう。8月半ばにかけて、1ドル=100円を割り込む水準まで円高・ドル安が進みましたが、その後は米国の景気が堅調さを増すのと同時に、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが行われるのではないかとの観測が浮上し、ドル買いムードが強まりました。9月2日には1ドル=104円台まで円安・ドル高が進み、国内株式市場においては主力大型株を中心にして、物色意欲が高まるという流れになっています。 今後、6カ月程度を想定した場合、株価を動かす要因で注目されるものとしては、「為替動向」が前月調査の32%から35%に上昇。「金利動向」も6%から11%に、「海外株式・債券市場」も7%から11%に上昇しました。 逆に、「景気・企業業績」は44%から31%に低下しました。当面、株式市場は為替相場や金利、海外の株価や金利など、マーケット要因に左右される展開になるとみている株式市場関係者が増えています。 こうした環境のなか、今後、6カ月程度を想定して最も注目される投資主体としては、「外国人」が相変わらず高く、前月調査の78%から80%に上昇。「企業年金・公的資金」も10%から12%に上昇しました。逆に、8月調査分で大きく上昇した「個人」は、低下しています。 機関投資家はやや様子見姿勢に 資産運用担当者64人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、やや強気にシフトした様子が伺えます。「ニュートラル」が前月調査の49%から46%に、「ややアンダーウエート」が16%から15%に、「かなりアンダーウエート」が7%から6%に低下する一方、「ややオーバーウエート」が29%から33%に上昇したからです。 ただ、これから先の投資スタンスになると、やや慎重な姿勢が伺えます。当面、どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「やや引き上げる」が24%から17%に低下。その一方で「現状を維持する」が67%から70%に、「やや引き下げる」が7%から9%に、「かなり引き下げる」が0%から2%に上昇しています。 9月は日銀金融政策決定会合やFOMCなど、金融・株式市場に大きな影響を及ぼす日米会合が相次ぐこともあり、株式市場関係者の間でも、様子を見たいというムードが広まりそうです。

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業績モメンタム悪化に歯止め? 食料品DIなどプラス拡大、化学・銀行はマイナス縮小(8月)

全産業DIはマイナス27に改善 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年8月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス27となりました。前月から7ポイント改善しました。同DIの改善は2カ月連続となります。絶対値をみると依然として企業全体の業績見通しは厳しいと言わざるをえませんが、米景気の拡大や政府・日銀の経済対策への期待といった下支え要因を背景に業績モメンタムの悪化に歯止めがかかり始めた可能性もありそうです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 全産業DIの過去1年の推移をみると以下の通りになります。8月・・・・・・ 169月・・・・・・ 1010月・・・・・・ 311月・・・・・・▲312月・・・・・・▲31月・・・・・・▲32月・・・・・・▲203月・・・・・・▲304月・・・・・・▲305月・・・・・・▲336月・・・・・・▲367月・・・・・・▲348月・・・・・・▲27 8月は前月に比べて7ポイント改善しました。もちろんマイナス27ポイントですから、水準そのものは決して良いとはいえませんが、今年3~7月までマイナス値が30ポイント以上だったことを考えると、若干、悲観ムードが緩んできた感はあります。 業種別DI、10業種が改善 食料品などプラス拡大 化学・銀行はマイナス縮小 業種別のDIをみると、前月からDIが改善したのは16業種中10業種となりました。詳細は以下の通りです。↑プラス拡大・・・・「食料品」「建設」「情報通信」↑マイナス縮小・・・「化学」「鉄鋼」「輸送用機器」「卸売」「小売」「サービス」「銀行」―マイナスが横ばい・「非鉄金属」「機械」↓プラス縮小・・・・「医薬品」「不動産」↓マイナス拡大・・・「電機」「その他金融」 7月は「プラス拡大」セクターはありませんでしたが、8月は3業種でプラス拡大がみられ、かつマイナス拡大のセクターは、7月の5業種に対して8月は2業種に減少。マイナス縮小となったセクターは、7月の5業種に対して8月は7業種に増えました。マイナス縮小セクターでは、化学がマイナス56からマイナス11へと改善したほか、銀行はマイナス38からマイナス20となりました。多くの業種において、業績の先行きに対する見方がやや良くなってきたと考えられます。 次に、DIを製造業、非製造業の別でみてみましょう。昨年以降の製造業DIは、8月・・・・・・ 109月・・・・・・▲510月・・・・・・▲1211月・・・・・・▲1812月・・・・・・▲151月・・・・・・▲112月・・・・・・▲353月・・・・・・▲484月・・・・・・▲475月・・・・・・▲476月・・・・・・▲487月・・・・・・▲498月・・・・・・▲45 これに対して非製造業DIは、8月・・・・・・ 179月・・・・・・ 2510月・・・・・・ 2011月・・・・・・ 1512月・・・・・・ 121月・・・・・・ 82月・・・・・・▲33月・・・・・・ 14月・・・・・・▲15月・・・・・・▲96月・・・・・・▲187月・・・・・・▲158月・・・・・・▲7 製造業、非製造業ともに、DIのマイナス値が縮小しました。両DIともプラス転換ではないため、まだ予断を許さない状況であることに変わりはありません。しかし、DIのマイナス縮小は、少なくとも企業業績予想が最悪期を脱したことを伺わせます。 日経平均株価も8月3日には1万6083円まで下落していましたが、8月末には1万6887円まで回復してきました。ドル円相場が一時の1ドル=100円割れの水準から103円前後まで戻したことも、株価にとっては好材料になっています。 ただ、6月の日銀短観で明らかになった各業種の想定レートによると、自動車は109円13銭、電機は112円34銭などとなっていました。そのため、103円前後の為替レートは、特に輸出製造業にとっては厳しい水準にあると言わざるを得ません。 また、7月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合でマイナス0.5%と、6月のマイナス0.4%よりも悪化。食料・エネルギーを除く総合も6月の0.5%に対して7月は0.3%と、伸び率が鈍化しました。生産効率を上げにくい非製造業の場合、物価の下落は業績の悪化につながりやすいだけに、物価の上昇率低下は業績にとってネガティブ要因になります。 東芝の上方修正目立つが… 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。銘柄数の内訳は「強気」が48銘柄で、「変化なし」が129銘柄、「弱気」が131銘柄になりました。 <上方修正率の大きい銘柄>1位 東芝(6502)・・・・・・・・・・52.42%2位 ソフトバンクグループ(9984)・・42.58%3位 セガサミーHD(6460)・・・・・29.56%4位 中部電力(9502)・・・・・・・・28.74%5位 三井化学(4183)・・・・・・・・24.29% <下方修正の大きい銘柄、▲は減少>1位 日本写真印刷(7915)・・・・・▲76.15%2位 神戸製鋼所(5406)・・・・・・▲55.43%3位 SUMCO(3346)・・・・・・▲54.90%4位 不二越(6474)・・・・・・・・▲43.01%5位 四国電力(9507)・・・・・・・▲42.35% 2016年3月期に、連結ベースで4600億円の最終赤字を計上した東芝ですが、国内外で1万4450人にも達する人員削減を含む大幅なリストラ策により、16年4~6月期決算は改善しました。株価も一時は200円を割り込んでいましたが、徐々に回復し、320円前後で推移しています。ただ、リストラによって事業部門の売却も行っており、リストラ効果が終息した後の業績改善には不透明な部分があるのも事実です。

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ファッション市場を揺るがすキーワード「プチプラ」…デフレとは言い切れない流行の秘密とは?

現在のファッション市場では、「プチプラ」というキーワードが市場を揺るがしています。世の女性たちが安価な商品を買い求めていること、これまでの「デフレ」とは異なる、新しい消費者マインドが理由となっているのです。 そもそも、「プチプラ」とは? プチプラとは「プチプライス」の略で、簡単に言えば、値段が安い、手軽に購入できる商品を意味します。ファッション業界では女性向けの衣類、雑貨、化粧品が対象となっており、例えば「ユニクロ」や、その低価格版ブランドである「GU」、または「しまむら」や「無印良品」などがプチプラブランドの代表格と言えます。特に、値段が安くてかつ「かわいい、おしゃれ」である商品を指します。 プチプラ自体は2010年頃から主に女子高生や20代前半の女性の間で話題に挙がっており、取り立てて新しい用語ではありません。ところが、ここ数年、より年代が上の「大人」の女性も含めて、広く用いられるようになりました。例えば、Googleのキーワード検索の人気度をグラフ化した「Googleトレンド」サービスを利用して、「プチプラ」の人気度のグラフを見てみます。 上記のグラフを見れば、2014年頃から急速に人気度が上昇していることが分かるかと思います。2016年3月に一旦のピークを迎えていますが、現在も高い人気を維持しています。 プチプラ流行は「SNS」が一役買っている 「安価な商品が人気」となると「デフレが進行している」と考えたくなりますが、そうとは言い切れない面もありそうです。 まずそもそも、国内でデフレが進行しているとは言えない状況です。デフレが進行していないことの根拠としては、総務省統計局が発表している消費者物価指数が挙げられます。2014年の消費税引き上げによる物価上昇を除けば、2010年以降、全体の物価あるいは衣服の物価はほぼ横ばいの傾向が続いています。 また、過去には「牛丼戦争」「ハンバーガーの価格破壊」など、デフレ時代を象徴する価格戦争が起こりましたが、プチプラ流行はそれらとは一線を画しています。過去の流行に共通するのは、商品同士の価格競争の結果として安いモノが流行したこと。プチプラ流行は、そのような競争によって生み出された訳ではありません。 実は、プチプラの流行に重要な役目を担っているのが「SNS」(ソーシャルネットワークサービス)であり、とりわけ写真共有サービスである「インスタグラム」が大きく影響しています。インスタグラムは2010年頃から米国を中心に広まっているサービスで、日本では2014年頃から急速に流行が広がっているサービスです。これは、プチプラの流行が始まった時期と一致しています。 インスタグラムでは、利用者(個人)のファッションコーディネートや購入品などさまざまな画像がアップロードされています。そのなかでも、「#プチプラ」「#プチプラコーデ」などのハッシュタグをつけてプチプラ商品を紹介している利用者が多く見られます。例えば、下記の投稿では、ユニクロで購入したボトムスを着こなすコーディネートが紹介されています。   Hanaさん(@hana.7jo)が投稿した写真 – 2016 8月 28 4:58午前 PDT   インスタグラムなどSNSで良く見かけるワードとして、「パトロール」が挙げられます。これは、「ユニクロ」に代表されるプチプラブランドの店舗に訪れて、掘り出しモノが無いかチェックすることを指します。とくに「しまむら」を対象にした「しまむらパトロール」「しまパト」が有名です。しまむらの品ぞろえの特徴は「安い」もさることながら品数が多く、中には「おしゃれ」「かわいい」商品が見つかることから、パトロール先の典型的な店舗として人気となっています。例えば下記は、しまむらパトロールで発掘したシャツを着こなしている投稿です。   Miki Tonomuraさん(@mikitonomura)が投稿した写真 – 2016 8月 28 8:12午後 PDT   インスタグラムのハッシュタグで良く見かける上場銘柄のブランドとしては、例えば下記が挙げられます。いずれも、ここ数年で売上を伸ばしている企業です。   銘柄 ブランド ハッシュタグ ファーストリテイリング(9983) アパレル「ユニクロ」「GU」 #ユニクロ #上下ユニクロ部 #GU しまむら(8227) アパレル「しまむら」 #しまむら #しまむらパトロール 良品計画(7453) アパレル、雑貨、化粧品「無印良品」 #無印良品 #MUJI セリア(2782) 100円均一「セリア」 #セリア キャンドゥ(2698) 100円均一「キャンドゥ」 #キャンドゥ パル(2726) 300円均一「3coins」 #3coins   SNSが変えるのは、ファッションの「ブランド力」か SNSがファッション市場にもたらしていることは、「プチプラ」という単語が流行している事実のみではありません。そもそも、ファッションブランドにおける「ブランド力」が大きく変わろうとしています。 SNS普及前は、「TV」や「雑誌」などのメディアが情報発信源となり、ファッション流行の舵を取っていました。そこで大きく取り上げられるのは、広告費を大きく掛けられる「高級ブランド」「大手ブランド」です。消費者がブランドを選ぶに当たり重要だったのは「作り手が発信するイメージ」であり、そのイメージを生み出すコストが価格に乗っていたと言えます。 しかし、SNSの普及により、良いモノは瞬時に拡散される現代においては、「作り手のイメージ」よりも「モノ自体の良し悪し」が重要視されつつあります。特にインスタグラムなど写真共有サービスでは、いかに写真映えするかが鍵となっています。 この時代においての「ブランド力」とは、「消費者同士で共有したくなるような商品を産み出せる力」といえるでしょう。これまでのファッションビジネスでは「広告費を掛けて情報を発信する」ことでブランド力を維持するのが一般的でしたが、そのビジネスが根本から見直される時代に差し掛かったともいえそうです。 (編集:QUICK Money World)

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総括的検証、黒田日銀の金融政策「デフレ脱却に効果」評価割れる(8月調査)

債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の8月調査を8月29日に発表しました(証券会社および機関投資家の債券担当者140人が回答、調査期間は8月23~25日)。この間の国内金利は、新発10年物国債の利回りがマイナス0.090~マイナス0.080%で推移しました。 日本国債のイールドカーブをみると、7月26日時点から8月26日時点にかけて以下の通りとなりました。         7月26日  8月26日10年債・・・・▲0.253%⇒▲0.069%15年債・・・・▲0.027%⇒ 0.081%20年債・・・・・0.168%⇒ 0.278%30年債・・・・・0.265%⇒ 0.353% 7月にかけて、マイナス金利が一段と深堀りする動きを見せていましたが、8月は一転して水準を切り上げてきました。7月28~29日に開催された日銀金融政策決定会合で、当初期待されていたマイナス金利の深堀りや国債買い入れの増額が見送られたことから、7月前半に比べ、マイナス金利でも国債を買い進めていく動きが鈍りました。当面は、もう一段の金融緩和が行われるのかどうかという思惑によって、長期金利が上下にぶれる展開になりそうです。 注目される9月日銀会合での「総括的な検証」 次回の日銀金融政策決定会合は、9月20~21日に開催されます。ここで注目されるのが、前回の金融政策決定会合で発表された「総括的な検証」が行われることです。その内容はまだ分かりませんが、今回のアンケートでは債券市場関係者に「総括的な検証」をしてもらいました。 まず、黒田日銀総裁の異次元緩和は、全体としてデフレ脱却に効果があったのかという点を問うと、「効果があった」と「効果があったともなかったとも言えない」がともに33%でトップとなりました。次いで「効果はなかった」が20%。「かえって逆効果」という回答も6%ありました。 次に、日銀として今後、どうすべきと考えるかを聞いてみると、「現行フレームワークの一部修正」が45%で最多。次いで「新しい景気刺激フレームワークの導入」が23%が続きました。一方、「緩和政策の縮小」は14%となりました。 緩和政策の縮小という、現行の金融政策に対峙する考えも含め、現在の政策フレームワークに対して、債券市場関係者の間では見直しを求める声が強まっているようです。 そして、金融政策の運営はどのようなあり方が適切と考えるかについて問うと、「市場との対話を図って市場の期待に沿う」が66%で最多となりました。次いで「あらかじめ定量的なルールを設定し、それに従う」が13%、「その他」が13%となりました。 「その他」を具体的にみると、「金融政策の限界を十分認識したうえで、政府に政策要望」、「ルールより裁量を重視した政策運営が望ましい。市場に過度に配慮するのではなく、物価の安定がトッププライオリティであることを再認識すべき」、「物価安定目標の柔軟化、枠組みの見直し」、「市場の期待に沿う形を取らなくても良いが、対話して欲しい」といった声が挙がりました。 短期金利/金融政策への注目度が高い 新発10年国債の金利見通しは、7月調査分に比べて、マイナス水準であることに変わりはありませんが、若干上昇しました。前述したように、7月の日銀金融政策決定会合において、日銀が国債買い入れの増額に踏み込まなかったため、日銀の金融緩和政策に限界があるという見方が広まった影響が大きいとみられます。 今後、6カ月程度を想定した時、注目度で上昇したのが「短期金利/金融政策」で、7月調査の81%から、8月調査では91%まで上昇しました。一方、「債券需給」は10%から4%へと低下。日銀の国債買い入れ増額が見送られたことによって、債券市場の需給バランスが緩むとの見方を反映したものとみられます。 今後注目している投資主体としては、「政府・日銀のオペレーション」が7月調査分の74%から、8月調査分では80%に上昇。一方で「外国人」が12%から5%に低下しました。その他の投資主体では、「都銀・信託銀行(投資勘定)」、「地方銀行」、「生損保(年金除く)」が上昇する一方、「信金・信組」、「年金資金(投資顧問含む)」、「ディーラー」が低下。「投資信託」、「農林系」、「郵貯・簡保」が0%で変わらずという結果になりました。この数字からも、現在の国内債券市場は、政府・日銀の動きに市場が支配されていることが浮き彫りになっているといえます。 債券組み入れ状況に大きな変化は見られず ディーリング部門を除く資産運用担当者71人を対象に、現在運用しているファンドについて、国内債券の組み入れが現在、通常の基準と比べてどのようになっているのかを聞いたところ、前月に比べて大きな変化はみられませんでした。「かなりオーバーウエート」は0%で変わらず。「ややオーバーウエート」が若干の低下となり、「ニュートラル」、「ややアンダーウエート」、「かなりアンダーウエート」が微増です。 また、今後のスタンスについては、「現状を維持する」が7月調査分の82%から76%に低下する一方、「やや引き下げる」が12%から20%に上昇しました。 現在のデュレーションは、「やや長い」が23%から31%に上昇する一方、「かなり長い」、「ほぼ基準通り」、「やや短い」、「かなり短い」が微減。当面のデュレーションについては、「やや短くする」、「かなり短くする」が微増で、「かなり長くする」、「現状を維持する」が微減。「やや長くする」が変わらずとなりました。

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