知識磨き世間の常識を検証、それが投資の面白み by 芳賀沼千里氏(シリーズ:ベテランに聞く)

「情報が大量に入る時代だからこそ、自らの知識を磨き(世間の)常識を疑う」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストはこう強調する。1982年に証券業界に足を踏み入れて以降、成功と失敗を経て得た投資への教訓は「世の中の常識が、本当に正しいか否かの検証の必要性だ」と指摘する。【聞き手は日経QUICKニュース(NQN)松井聡】 芳賀沼千里(はがぬま・ちさと)氏 1982年東大教養卒、野村証券入社。87年ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で経済修士号取得。2010年から三菱UFJモルガン・スタンレー証券 ■株価チャートに隠れた人間のドラマ 私の証券会社でのキャリアは1982年の野村証券から始まった。国内営業担当となり三重県四日市市に配属され、2年半を営業担当として過ごした。営業の現場で、生で感じる投資家の人間味や弱さを実際に見たことで、チャート上で常に動く株価の中に人間の隠れたドラマがあると気づかされ、貴重な経験となった。 2年間の留学を経て、87年にはロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で経済修士号を取得した。当時の証券会社では営業が重要視されており、私自身も将来は海外営業担当になれればと思っていた。正直言って、ストラテジストになるとは思ってもいなかった。 だが、帰国後に転機が訪れる。配属されたのが投資調査を担当する部署だったためだ。当時はまだストラテジストという呼び名ではなかったが、プロの機関投資家向けに企業情報を提供したりリポートを作成したりした。アシスタントを含め7~8人のチームが作られており、チームのトップは後に田辺経済研究所を創設する田辺孝則氏だった。田辺氏は私のストラテジスト人生に大きく影響を与えた人物だ。 ■自分が買いたくないものは勧めない 「自分の買いたくないものは勧めるな」。当時、田辺氏に一貫して言われたことだ。普通の言葉に聞こえるかもしれないが、当時の証券業界ではどうしても強気な株価予想を言う傾向があった。株価が上がれば取引量が増え、証券会社の収益が上がるためだ。だが彼はそういうことは全く関係なく「何が正しいか」を常に重視していた。この言葉は今も私の根底にある。 ストラテジストとして印象に残っているリポートがある。私が96年10月に出した「日経平均株価が2万円割れする」との内容のリポートだ。当時の日本はまだ「PKO(プライス・キーピング・オペレーション)」とよばれる、政府による株価維持策が続いていると信じられていた。市場関係者の間では「2万円割れはない」との見方が多かった。 だが、私は「企業業績の回復が緩慢である理由は、景気の弱さよりもコスト削減効果の一巡であり、業績の下方修正リスクがある」と判断し、あえて弱気なリポートを書いた。リポートに対し多くの批判があったものの、96年末には実際に日経平均は2万円を割り込んだ。勇気がいるリポートだったが、客観的に分析することは重要であると学ぶことができた。 ■リポート執筆、成功も失敗も もちろん、成功だけでなく失敗も多くあった。同じ96年の8月、私は「日本で成長株投資は難しい」という内容のリポートを出した。時系列でみると、高収益の会社の株価が相対的に低下し、低収益の会社で上向く傾向が観察されるという内容だ。低PBR(株価純資産倍率)株を重視する投資は、長期的なリターン・リバーサル(資金の巻き戻し)の効果を受けられると判断した。だが、私の分析とは反対にPBRが高い成長株が上昇し続け、翌年、いわゆる二極化相場が起こった。 私が約37年の成功と失敗の経験を通して投資家に伝えたいのは「自らの知識を磨いて得た『常識』をもって世間の『常識』を疑う」ということの重要性だ。例えば、昨年10月の株価急落局面だ。当時、リスクを分散する「リスク・パリティ」戦略などの需給面での動きや、米国の長期金利の急上昇が要因とされていた。 だが、本当にそれは正しいか。視点を変えて米国市場の業種別の株価の動きを見ると、昨年6月までは景気敏感株が買われ、その後は電力・公益というディフェンシブ株が買われていた。つまり、マーケットは景気減速について心配していたのではとみている。この作業は難しいことではなく、事実とされたことを客観的な視点で検証し直すことの重要性を認識して欲しい。そこにこそ、投資の面白みがあると考えている。 (おわり)

ドラギもヒヨった 年内利上げ断念で金利急低下、独は2年半ぶり低水準

欧州中央銀行(ECB)が利上げの先送りと銀行への新たな資金供給策(TLTRO3)を発表したことで欧州圏の国債利回りが急低下した。独10年債利回りは0.07%と2016年10月以来の低水準、仏10年債も同16年末以来の低水準となった。 ECBはこれまでの「少なくとも2019年夏まで」としていたフォワードガイダンスを「少なくとも今年の末まで」と19年中の利上げを断念、先送りするとした。また、20年6月に償還を迎えるTLTROⅡ(期間4年)を意識して、今年9月から期間2年のTLTROⅢの導入を発表した。これを好感して南欧国債の利回りも大きく低下した。 ■長期金利は急低下した(ドイツ=グラフ赤、フランス=黒) (薄いグリーンはECBのバランスシート) ECB理事会の結果を受け、金利低下により利ざやが縮小するとの見方からドイツ銀行が5%超の下落となった。スペイン銀行大手のサンタンデール銀行が3.51%安となったほか、BNPパリバやクレディ・アグリコルの下落率は3%を超えた。(丹下智博、中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】8日 2月の中国貿易統計、2月の米雇用統計、FRB議長が講演

8日は1月の毎月勤労統計速報、家計調査、消費動向指数、10~12月期の国内総生産改定値、2月の景気ウオッチャー調査などが発表される予定。IPO関連では日本ホスピスホールディングス(7061)、フレアス(7062)の仮条件、KHC(1451)、ミンカブ・ジ・インフォノイド(4436)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。 海外では2月の中国貿易統計、2月の米雇用統計などが発表される。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演する予定だ。 【8日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 1月の毎月勤労統計速報(厚労省)   1月の家計調査(総務省)   1月の消費動向指数(総務省) 8:50 10〜12月期の国内総生産(GDP)改定値(内閣府)   1月の国際収支(財務省)   対外対内証券売買契約状況(月間、財務省)   2月の貸出預金動向(日銀) 10:20 3カ月物国庫短期証券の入札(財務省) 13:30 2月の企業倒産(民間調査会社) 14:00 2月の景気ウオッチャー調査(内閣府) 15:00 国の債務管理の在り方に関する懇談会(財務省) その他 閣議   株価指数先物オプション3月物の特別清算指数(SQ)算出 海外 時刻 予定 12:00 パウエルFRB議長が講演(9日) 22:30 1月の米住宅着工件数   2月の米雇用統計 その他 2月の中国貿易統計 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 9201 JAL系で飲酒不祥事 1月以降2件 検査忘れと「替え玉」 各紙 +0.70% 3/7 8114 デサント、指名委設置か 伊藤忠影響弱める狙い 毎日 +0.40% 3/7 8001 0.00% 3/7 1928 積ハウス、前期純利益3%減 賃貸や戸建て苦戦 日経 +0.17% 3/7 3141 ウエルシア、プラ製レジ袋全廃へ 日経 -0.26% 3/7 9437 ディズニー人気作月700円 NTTドコモと動画、協業発表 各紙 -0.55% 3/7 9532 大ガス、LNG下落で純利益80%増 来期経営計画 日経 -0.57% 3/7 8304 あおぞら銀、SMBC日興証券が投資判断引き下げ   -0.77% 3/7 7242 KYB、中島氏が社長退任 不正対応に専念 会長は続投 各紙 -1.07% 3/7 5938 LIXILグ説明会 CEO交代、株主が反発 「人事やり直しを」 日経 -1.39% 3/7 9107 川崎汽、今期最終赤字1000億円 下方修正 用船解約金で 日経 -1.63% 3/7

「海外投資家は株価連動型報酬に関心」 ESG投資でジェフリーズのカーン氏

2018年11月に日産自動車(7201)のカルロス・ゴーン元会長が逮捕されたことをきっかけに、海外投資家の間で役員報酬や取締役会の構成などを含む日本企業のコーポレートガバナンス(企業統治)に関心が高まっている。日本の企業統治や外国人投資家の動向に詳しいジェフリーズ証券東京支店のズヘール・カーン調査部長に話を聞いた。 株価との相関関係より強く ――ゴーン氏が関連した一連の事件の影響で、海外投資家から日本企業に対する問い合わせはどのような変化がありましたか。 「ゴーン氏が逮捕される前から日産自の企業統治改革が進んでいないことは投資家の間ですでに話題だったため、それほど驚くことではなかった。ただ問題が発覚してから日本企業全体について、特に役員報酬に関連した問い合わせが増えた。経営陣の選任や再選のプロセスを問う声も多くなっている」 ――役員報酬について海外投資家は具体的にどのような点に注目していますか。 「報酬の多い少ないに関わらず、株価や業績に連動した報酬制度を導入しているかどうかが注目だ。TOPIX500の採用銘柄について、株価連動型報酬の導入や独立社外取締役の採用、取締役会の顔ぶれが新鮮かどうかなどを調べ点数をつけてみたところ、点数が高い企業ほど株価のパフォーマンスが良かった。特に株式連動型報酬の導入については、役員が自社の株式を持つと業績を改善させようとする動機付けにつながるため、株価との相関関係がより強まる」 「業績連動型の報酬制度を採用する企業は、営業利益やEPS(1株利益)などといった重要業績評価指標(KPI)に基づいているのかどうか、投資家から開示を求める圧力が高まるだろう」 社外取締役、問題は「選び方」 ――経営陣の選任に関して、日本では社外取締役に社長の知人や元官僚、学者らの起用が目立ちます。株式市場の間で、日本には社外取締役としての適任者が育っていないと指摘する声があります。 「その見方には反対だ。海外に進出している日本企業は非常に多く、日本人は海外事業の経営経験が豊富だからだ。問題は社外取締役の選び方だ。最高経営責任者(CEO)ら選ぶ側が、社外取締役の『経営者』としての役割を勘違いしている。つまり、社外取締役の候補者をあくまでも業務や業界に精通している『コンサルタント』と位置付ける傾向があり、長期的に先を見据え判断ができるのかどうか見極めようとしていない。社外取締役には、その業界に関連した知識や経験があるかどうかは関係ない」 「日本企業には『部族優先主義』のような傾向がある。外部出身者は会社への忠誠心が足りないのではないかと、あまりにも厳しく判断しすぎることも問題だ」 〔日経QUICKニュース(NQN) 聞き手は大石祥代〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

米長期金利、FRBハト化で指標に鈍感

経済指標に対する米債市場の感応度が低下している。米サプライマネジメント協会(ISM)の景況感指数は市場で特に注目されている経済指標だが、製造業指数(1日発表)の下振れや、非製造業指数(5日)の上振れに対する米債市場の反応は鈍かった。「米連邦準備理事会(FRB)のスタンスは当面変わらない」(投資顧問)と見られているためだろう。 FF金利先物2020年1月物の金利(グラフ青)は、おおむね市場が想定する19年末の政策金利と考えることができる。その金利は18年12月下旬以降、ほぼ現在の政策金利の範囲(2.25~2.50%)で推移しており、市場は19年内に政策金利の変更がないことを織り込んだ状態にある。 米10年金利(グラフ赤)はFF金利先物との連動性が高い。政策金利の見通しに変化がなければ、10年金利は2.6%台後半を中心としたレンジで推移する可能性が高い。8日には米雇用統計が発表されるが、よほど大きな振れがない限り、米債市場の反応は限られそうだ。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

EV出荷が減速、テスラのライバル急ブレーキ 中国ニーオ株21%安

6日の米国市場で中国の新興電気自動車(EV)メーカーである上海蔚来汽車(NIO、ニーオ)の米預託証券が急反落し、21.16%安の8.01ドルで終えた。2月22日以来、半月ぶりの安値圏に沈んだ。ニーオは高級EVを手掛け、テスラのライバルとして2018年9月に新規株式公開(IPO)を果たして話題を集めたばかりだった。 5日の大引け後に発表した2018年10~12月期(4Q)決算で売上高が5億1250万ドル、1株当たり損益(EPS)は0.50ドルの赤字となった。前年同期は開示していない。市場予想はそれぞれ4億9970万ドル、0.32ドルの赤字で、売上高は予想を上回ったが、EPSで予想よりも赤字額が大きかったことが警戒された。 4Q期間中に主力の多目的スポーツ車(SUV)である「ES8」を中国市場で7980台出荷した。2019年1月には1805台、2月には811台を出荷したというが、月間の出荷台数が予想よりも減速していることも警戒売りを誘った。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】7日 1月の景気動向指数、ECB理事会と総裁会見

7日は2月上中旬の貿易統計、1月の景気動向指数速報値などが発表される。30年物国債の入札がある。新規株式公開(IPO)関連ではカオナビ(4435*J)、共栄セキュリティーサービス(7058*J)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。 海外では欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表され、ドラギ総裁が記者会見する予定。   【7日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 対外対内証券売買契約(週間、財務省)   2月上中旬の貿易統計(財務省) 10:20 6カ月物国庫短期証券の入札(財務省) 10:30 30年物国債の入札(財務省) 11:00 2月のオフィス空室率(三鬼商事) 14:00 1月の景気動向指数速報値(内閣府) その他 1月期決算=積ハウス 海外 時刻 予定 2:15 ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事が講演(8日) 5:00 1月の米消費者信用残高(8日) 9:30 1月の豪貿易収支   1月の豪小売売上高 21:45 欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表 22:30 ドラギECB総裁が記者会見   米新規失業保険申請件数(週間)   10〜12月期の米労働生産性指数(改定値) その他 2月末の中国外貨準備高   12〜2月期決算=コストコホールセール   インドネシア市場が休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 6981 中国ファーウェイ、村田製などに部品供給増要請 対米リスク回避か 日経 +0.68% 3/6 7201 日産自のゴーン元会長保釈 勾留108日、取締役会の出席焦点 各紙 -0.20% 3/6 6869 抗体医薬の効果向上技術 シスメックス、がんリウマチ応用へ 日経 -0.20% 3/6 7203 トヨタ「英生産撤退、選択肢」 23年以降、合意なき離脱なら 各紙 -0.21% 3/6 8411 みずほFG、6800億円損失計上 今期、店舗システム減損 各紙 -0.39% 3/6 8410 セブン銀にマネロン「特需」、不正検知ノウハウで脚光 対策急ぐ地銀、順番待ち状態 日経 -0.60% 3/6 6723 ルネサス、工場2カ月停止 車載半導体、中国需要減で 各紙 -0.86% 3/6 9437 NTTドコモ、法人向け倍増 アプリなど売上高、3年後1200億円 日経 -0.89% 3/6 9062 日通、東南アで攻勢 海外比率拡大へ大型倉庫 日経 -1.24% 3/6 5852 アーレスティ、配当性向20%に上げ 日経 -2.32% 3/6

製紙銘柄、新素材でComing Back 自動車向けなど拡大期待

代表的なオールドエコノミーの一角である製紙業界がイノベーションにより新たな成長の道を見いだした。各社が力を入れる新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」が実用化されはじめ、電子化などで紙離れが進む業界を立て直せるかもしれないと、株式市場は期待を寄せる。 ▼CNFの特許多い王子HDと日本紙 「王子ホールディングス(3861)が建築資材向けにCNFの出荷を開始」--。2月13日の大引け後にこう報じられると、翌日の王子HD株は下落する日経平均株価を尻目に3%高の逆行高を演じた。実用化が進み、CNFの本命とされる自動車など工業用途への採用に一歩近づいたと、期待が膨らんだ。飛行機などに利用され、需要が急拡大した東レ(3402)の炭素繊維を思い浮かべた投資家もいただろう。「将来的には自動車の車窓のほか、化粧品やスマートフォンのディスプレー向け材料への採用を目指し開発中だ」(王子ホールディングス)。 CNFはパルプを髪の毛の1万分の1ともいわれる超極細にした繊維だが、強度は鋼鉄の5倍あるといわれる。足元は衛生用品などに利用がとどまり、市場規模は数億円程度だが、経済産業省は製造コストの問題を解消できれば2030年にCNF関連市場が1兆円規模に拡大すると試算する。市場が拡大した場合、CNF関連の特許を幅広く所有する王子HDと日本製紙(3863)は、恩恵を受けられそうだ。 ▼値上げの春、改元や選挙の特需期待も 日本株相場はハイテク株主導により昨年末の安値から戻り歩調だが、紙・パルプも上昇を支えている。堅調な株価の背景には、業績回復に加えて、4月の改元の発表、統一地方選、夏の参院選といったイベントによる紙需要の増加も追い風もある。 2期先までの業績予想が可能な「QUICK Forecast企業業績」(2月19日時点)で業種別に2020年度の連結純利益を集計したところ、紙・パルプは今期見込み比2倍と海運に次ぐ回復が見込まれる。段ボール原紙や印刷用紙の値上げが足元の業績に寄与し始めたなか、製紙各社は4月1日出荷分から新聞用紙を一斉値上げする。来期はこうした値上げによる効果が丸々効いてくる。 段ボールは王子HDやレンゴー(3941)がシェアの面から優位だが、用紙は日本紙が強い。大和証券の平川教嗣アナリストは、業種内では日本紙に投資妙味があると話す。「来期の連結営業利益は今期予想比で2倍弱と想定している。業績の変化率が大きいほか、予想PBR(株価純資産倍率)は0.6倍程度とセクター内では相対的に低い」指摘する。平川氏は2月21日、日本紙の目標株価を従来の2000円から2500円に引き上げている。 ■王子HD(グラフ黒)と日本紙(青)の株価は市場平均を上回る 足元の紙・パルプの株価回復は業績改善が主因。しかし、PBRは0.7倍と日経平均株価の水準を下回る。紙・パルプのPBRがこの10年間、1倍を下回って推移しているのは、やはりオールドエコノミーとして、成長性に対する期待が相対的に小さいからだろう。新素材のCNFは、PBR1倍超えのトリガーになる可能性を秘めている。(根岸てるみ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

アジアで日本株は「不人気」 カタリスト不在、上値追いに慎重な声

昨年暮れの悲観ムードからの揺り戻しで日経平均株価は8.55%上昇した。ただし、ダウ平均(11.90%高)やナスダック総合株価指数(15.06%高)に加え、上海総合指数の(22.47%高)と出遅れ感は否めない。その背景には海外投資家からの日本株の不人気があろう。 シティグループ証券の北岡智哉氏は3日付で「アジアマーケティング、日本株不人気の傾向と対策」と題したリポートを公表した。2月27日から3月1日にかけてシンガポールや香港の機関投資家との意見交換をまとめたもので、「日本株は依然として不人気である点を確認」したという。 2月27日から28日にかけて開催されたシティグループ証券のシンガポールコンファレンスでは「日本セッションで空席が目立つ一方、中国セッションは満席で立ち見が出る」など投資家の間で日本株に対する関心の低さが浮き彫りとなった。北岡氏は全体を通しては「自社株買い増か、持ち合い解消期待や物言う株主の台頭などでバリュー投資への関心が高い印象」とまとめた。 東証が発表する地域別売買動向では確かにアジア投資家の間で日本株への関心が薄れている様子が伺える。19年1月のアジア投資家の売買動向は日本株を差し引き79億円買い越していたが、2カ月連続で小幅な買い越しにとどまっている。18年10月には1360億円の売り越しとなったほか、18年9月まで7カ月連続で大幅な売り越し基調となっている。 目先は需給面で日経平均が2万2000円に達する可能性は残す。とはいえ、「日本株のカタリストが少ない」(国内投信)と、一段の上値追いに慎重な見方が多い。日本株への関心を引き寄せる決定打が依然として待たれる状況だ。(中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】6日 12月の米貿易収支、2月ADP雇用、ベージュブック

6日は2月の輸入車販売や車名別新車販売などが発表される予定。 海外では、2018年10~12月の豪国内総生産(GDP)が発表されるほか、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、2月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)全米雇用リポート、12月の米貿易収支などが発表される予定だ。   【6日の予定】 国内 時刻 予定 10:30 原田日銀審議委員が山梨県金融経済懇談会であいさつ(甲府市)   2月の輸入車販売(輸入組合) 11:00 2月の車名別新車販売(自販連) 14:00 原田日銀審議委員が記者会見(甲府市) 海外 時刻 予定 0:30 米エネルギー省の石油在庫統計(週間、7日) 2:00 メスター米クリーブランド連銀総裁が質疑応答に参加(7日) 4:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック、7日) 9:30 10〜12月期の豪国内総生産(GDP) 20:00 トルコ中銀が金融政策決定会合の結果発表 22:15 2月のオートマチックデータプロセッシング(ADP)全米雇用リポート 22:30 12月の米貿易収支 その他 ポーランド中銀が政策金利を発表   カナダ中銀が政策金利を発表   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が講演 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 8604 野村、CEO続投 低収益体質、改善を優先 各紙 -0.22% 3/5 2206 グリコ、国産液体ミルクを国内初販売 明治HDも許可取る 日経 -0.53% 3/5 2269 +0.22% 3/5 7267 ホンダ、中国販売4.5%増 1〜2月、日産自1.2%減と明暗 日経 -0.70% 3/5 9743 丹青社の前期、純利益30%増 工期短縮で採算改善 日経 -0.82% 3/5 2695 くら、純利益29%減 11〜1月 日経 -1.18% 3/5 9627 アインHD、純利益15%減 5〜1月 日経 -1.42% 3/5 3382 セブン&アイ、24時間営業見直しの実験 FC店も対象に 日経 -1.64% 3/5 6501 部品供給網、サイバー防衛 IoTへの攻撃検知 政府、日立などと技術開発 日経 -2.15% 3/5 7201 日産自のゴーン元会長保釈へ きょうにも、検察の準抗告棄却 各紙 -2.32% 3/5 7013 IHI、整備ライン停止 航空エンジン返却滞る 日経 -2.71% 3/5 7013 IHI、別工程も不正か 航空機エンジン、無資格検査 朝日 -2.71% 3/5

目指せデータの達人①株価の天井・大底つかむ「期待上昇率」

投資家にとって、株式など金融資産の買い時や売り時の判断は難しい。暴落時は買いの好機だったと後々、振り返ることが少なくないが、その場では不安心理が先行して手が出ない。逆もまたしかりだ。そんな迷いが襲う時、頼りになるのが客観的なデータだ。それほど一般には知られていないが、売り買いの最適時期を探る上で参考になるマーケットデータとその使い方をシリーズで紹介する。1回目は、長期的な投資タイミングをつかむのに有効な「期待上昇率」。 株価の底値圏で上がり、株価の高値圏では下がる 「期待上昇率」は、QUICKの月次調査を基に市場参加者の相場見通しの変化を計測したものだ。同調査は証券会社や機関投資家など、約240人の市場関係者を対象とする匿名調査だ。 期待上昇率は東証株価指数(TOPIX)の1カ月後予想値(回答者の平均値)から6カ月後予想値(同)までの変化率を複利で年率換算して計算する。QUICKの情報端末のユーザーなら、月次調査<株式>のデータを使って自分で算出することができる。この数値は株価の底値圏で高くなり、高値圏では下がるという「逆張り」的な特徴がある。株価が大きく下落すると投資家には先高期待が生まれ、株価が上昇して過熱感が強まると期待は低下するためだ。 ■期待上昇率が20%以上になったら買い時、5%未満になったら売り時 売り時(5%未満)は18年10月、15年3月、07年3月など。買い時 (20%以上)は15年10月、13年6月、08年12月など。計算式(5カ月分を複利年率換算)  期待上昇率=(6カ月後の予測値/1カ月後の予測値-1)^12/5 例えば、リーマン・ショック後の08年12月は38.3%と、IT(情報技術)バブル崩壊後の02年2月の40.9%以来の高水準になった。その後、実際にTOPIXは09年3月に大底を入れた。反対に、07年3月には2.8%と低水準となった。このときもTOPIXは07年2月にピークを付けており、相場動向と合致している。最近の例では、日経平均が約27年ぶり高値を付け、強気ムードが支配した18年10月は3.5%にまで低下していた。 期待上昇率を開発した独立系調査会社スフィンクス・インベストメント・リサーチの別府浩一郎代表取締役は「匿名調査だと、市場参加者は相場の先行きを驚くほどクールにとらえる」と分析している。 期待上昇率とTOPIXの推移を重ね合わせると、おおむね20%以上なら相場のボトム圏、5%以下ならピーク圏と判断できる。30%以上は決定的なボトムシグナルとなるが、これはめったなことではお目に掛かれない。 直近の19年2月は7.0%。日経平均株価は年明けから上昇基調が続いているが、市場参加者の警戒感は解けていないようだ。海外要因に左右されることの多い日本株だが、「6年以上にわたるアベノミクスの巨大緩和政策の反動に対する警戒」(別府氏)も底流にあるかもしれない。=随時掲載 【日経QUICKニュース(NQN)】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

資源大手ヴァーレ、鉱山ダム事故と幹部3人退任はESGで減点

4日の米国市場で資源大手のヴァーレの米預託証券(ADR)が大きく下げる場面があった。一時は前日比3.79%安の11.92ドルまで下げた。同社が保有する鉱山ダムで1月に発生した決壊事故を受けた暫定的な措置として、ファビオ・シュアルツマン最高経営責任者(CEO)など幹部3人の退任を発表し嫌気する向きが強まった。日中取引の終値は0.24%高の12.42ドルと持ち直したが、先行きに警戒する向きもある。 ヴァーレは1日に連邦・州検察当局から一部の幹部や従業員の解雇を通告され、1日および2日の取締役会で幹部3人が一時的な退任を決めたという。同社の発表を受けてジェフリーズ証券は4日付でリポートで「これまで明確だった戦略に大きな不透明感が生じる」と指摘した。そのうえで「ダム決壊に伴う修復や罰金や最終的なコストが不明であり、不確実性と潜在的なコストを考慮すると投資尺度の面で割安でもヴァーレ株を買うにはリスクがある」と言及した。投資判断は「ホールド」に据え置いた。 ESGレーティングをまとめている欧州系運用機関のアラベスクによると、ヴァーレの4日時点のESGスコアは60.42だった。1月下旬の66台から低下しており、特に「環境(Environment)」と「社会(Social)」の項目の下げが目立つ。「環境」は直近65.33と1月下旬の72台から低下した。「社会」も71台から58.39まで下落している。 アラベスクは欧州系のESG運用機関でESG評価システム「S-Ray」を用いてスコアを算出している。(中山桂一) (出所:アラベスク S-Ray https://sray.arabesque.com/) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

「悲惨」と「恐怖」と「弱気」が下支えする上げ相場

日米株式相場の緩やかな戻り基調はここへきて一服だが、上げ相場の終焉ととらえるのはまだ早い。依然として強気な投資家が多いためだ。UBSの富裕層部門であるCIOウェルス・マネジメントは「悲惨指数」をもとに、米株式相場の一段の上昇を見込む。過去の経験則によれば、インフレ率と失業率の合計であるこの指数が6.5%を下回ると、株価収益率(PER)が上昇するという。 悲惨指数が下がると株価は上がる 悲惨指数%はグラフ赤(右軸、逆目盛り)、S&P500種株価指数はグラフ緑(左軸) 投資家が許容できるPERの水準が切り上がれば、当然、株価も上がる。「米中貿易問題が長期的な解決に向かうなど事態が予想外に好転した場合には、米国株は10月の高値を抜く可能性も十分にあり得る」(UBSのマーク・ハーフェレ氏)。米株高は日本株にとっても好材料だ。 データを元に指数先物などを売買するCTAやリスク・パリティ・ファンドなどによる米国株シフトの動きも見込める。JPモルガンの4日付リポートによると、こうしたクオンツ勢の株式への配分比率がじわり高まっている。「株価のトレンドが崩れておらず、ボラティリティが低い状況のVIX指数ままであれば、買い持ち高を積み増し続けるだろう」と読む。 米国株のボラティリティ低下は、日本株への選好も強める。SMBC日興証券が2月末に発行したリポートによれば、「恐怖指数」と呼ばれる米VIX指数と日本株のPERの動きは、おおむね一致する。「18年10月の株価急落前の水準まで下がったVIXの動きは、景気先行きの不透明感を織り込んだことを意味する。PERも切り上がりが期待でき、日経平均は2万2600円程度が妥当」(圷正嗣氏)という。 恐怖指数の下落は景気不透明感を織り込んだ VIX(グラフ赤、右軸)とTOPIXの12カ月先予想PER(グラフ緑、左軸、倍)の推移 アナリストの業績修正の動きを示すQUICKコンセンサスDI(2月末時点)によると、製造業はマイナス51で1月末時点と比べ16ポイント悪化し、11年12月(マイナス59)以来のマイナス幅となった。前月と比べ一段とアナリストの下方修正が相次いだ。前月比で3ポイント改善したとはいえ非製造業もマイナス14と、企業業績の先行きには暗雲が垂れ込める。 業績見通しは弱気の底だが(QUICKコンセンサスDI) 製造業がグラフ緑、非製造業はグラフ赤 ただ、東海東京調査センターの平川昇二氏は、DIが製造業、非製造業とも08年秋のリーマン・ショック後の下限に位置している点に注目。「08~09年のような景気後退局面でないのであれば、いまが収益モメンタムのほぼ底。早晩DIは反転に向かうと予想され、株式相場が上昇する可能性が高い」と指摘する。いいとこ取りにも聞こえるストラテジストたちの論評だが、米中貿易摩擦など、投資家が気を揉んでいたイベントが前向きに進み始めたのは確かだ。(松下隆介) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】5日 中国全人代が開幕 ISM非製造業景況感指数

5日は3月の日銀当座預金増減要因などが発表される予定のほか、10年物国債の入札が行われる。IPO関連では日本国土開発(1887)が新規上場するほか、サンケイリアルエステート投資法人 投資証券(2972)、サーバーワークス(4434)、エヌ・シー・エヌ(7057)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。 海外では2月の財新中国非製造業購買担当者景気指数、1月のユーロ圏小売売上高などのほか、日本時間6日0時00分に12月の米新築住宅販売件数、2月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が発表される予定。また中国の全国人民代表大会が開幕する。 【5日の予定】 国内 時刻 予定 10:00 3月の日銀当座預金増減要因(日銀) 10:30 10年物国債の入札(財務省) その他 閣議   東証1部上場=日本国土開発 海外 時刻 予定 0:00 12月の米新築住宅販売件数(6日)   2月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数(6日) 4:00 1月の米財政収支(6日) 10:45 2月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI) 12:30 豪中銀理事会の結果発表 18:30 10〜12月期の南アフリカ国内総生産(GDP) 19:00 1月のユーロ圏小売売上高 21:30 ローゼングレン米ボストン連銀総裁が講演 その他 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕   マレーシア中銀が政策金利を発表   ブラジル市場が休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 5805 昭電線HD、今期最終減益幅が4%減に縮小 2円増配 日経 +2.73% 3/4 7956 ピジョン、前期営業益最高 1%増、東南アで販売好調 日経 +2.49% 3/4 7013 IHI、航空エンジン無資格検査 数百台、国交省が処分検討 日経 +1.87% 3/4 5333 日本ガイシなど森村系4社、新型燃料電池で共同会社 日経 +1.65% 3/4 6501 日立と系列10社、勧告指導 技能実習業務で違反 朝日 +1.46% 3/4 6501 日立と系列10社、勧告指導 技能実習業務で違反 朝日 +1.46% 3/4 7733 がん発見「AIの目」実用化 オリンパスの内視鏡画像、9割的中 ソフト、IT勢と連携も 日経 +1.10% 3/4 8604 中国金融、BNPパリバや野村など日欧勢が先行 貿易戦争影響、米は遅れ鮮明 日経 +0.48% 3/4 3402 東レ、有機EL材料増産 年末に新工場棟稼働 日経 +0.34% 3/4 9983 ファストリ、ユニクロ2月既存店売上高3%増 春物が好調 日経電子版 +0.26% 3/4 2705 大戸屋HD、12日に全店休業 バイト不適切動画で、再教育に充当 日経 -0.13% 3/4 2590 DyDo、今期純利益38%減 日経 -0.90% 3/4

米1~3月期は「ゼロ成長」も GDPナウ予測、消費も生産も低調

米アトランタ連銀がリアルタイムに米経済成長を予測することを目的として独自に公表している「GDPナウ」によると、1日時点での2019年1~3月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率で「0.3%増」となった。2月28日に米商務省が公表した18年10~12月期GDP(速報値)は伸び悩んだとはいっても2.6%増だったことから、GDPナウは急激な景気鈍化を示唆する数字だ。 米サプライマネジメント協会(ISM)が1日に発表した製造業景況感指数も54.2と市場予想(56.0)を下回り、16年11月以来2年3カ月ぶりの低水準となった。製造業の鈍化だけでなく、1日にミシガン大学が発表した消費者態度指数(確報値)も93.8と市場予想(95.8)に届かなかった。予想を下回る米経済指標にもかかわらず、米10年債利回りは2.75%台へと上昇。米中貿易交渉の進展期待を背景としたリスクオンの流れとなっている。景気鈍化懸念とリスクオンとの綱引きで、米金利の居所は不安定だ。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】4日 2月のマネタリーベース、国内ユニクロの売上高

4日は2月のマネタリーベースやQUICK月次調査<債券>が発表される。2月の国内ユニクロの売上高の発表もある。IPO関連ではギークス(7060*J)の仮条件、ウイングアーク1st(4432*J)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。海外ではトルコの2月の消費者物価指数が発表される。インドやブラジルは休場。     【4日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 2月のマネタリーベース(日銀) 11:00 2月のQUICK月次調査<債券> 15:00 2月の財政資金対民間収支(財務省) 15:00過ぎ ファストリが2月の国内ユニクロ売上高を発表 海外 時刻 予定 0:00 12月の米建設支出(5日) 9:30 1月の豪住宅着工許可件数 16:00 2月のトルコ消費者物価指数(CPI) その他 インド市場が休場   ブラジル市場が休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 8202 ラオックス、中国客の商品予約受付 アリババサイトで 日経 +22.37% 3/1 4523 エーザイ、ROE10% 今期、新薬販売が好調  日経 +2.38% 3/1 9887 松屋フーズ、ロシアに進出 月内にも 牛丼大手で初 日経 +1.06% 3/1 9613 NTTデータなど、複数ドローンの運行制御 衝突防止に期待 日経 +0.82% 3/1 5020 JXTG傘下のJXTGエネルギー、関西で家庭用電力販売 日経 +0.72% 3/1 3421 稲葉製作純利益見通し、今期2.8倍に上方修正 日経 +0.54% 3/1 6501 指1本で「手ぶら決済」静脈認証、日立東芝が実験 日経 +0.26% 3/1 6502 -0.14% 3/1 7012 川重、中国でLNG船検討 合弁が新ドック 海外シフト加速 日経 +0.17% 3/1 3382 セブン&アイ、「時短営業」実験 24時間見直し模索 各紙 +0.16% 3/1 5801 古河電、電力向け黒字に 21年3月期 日経 0.00% 3/1 2229 カルビー、「ポテチ」など値上げ 日経 -0.16% 3/1 8057 内田洋、純利益、8〜1月は2.3倍(日経、以上2日) 日経 -0.42% 3/1 2914 JT、1480億円賠償命令 カナダでリスク説明巡り(日経、以上3日) 日経 -0.51% 3/1 2593 伊藤園、営業益1%増 5〜1月 国内清涼飲料は苦戦 日経 -0.59% 3/1 9501 東電HD、東海第二支援1900億円(朝日、2日) 朝日、2日 -0.86% 3/1

黒鉛電極ブームの先どう読む 二極化する市場の見立て

電気炉で鉄を溶かす際に使われる黒鉛電極。環境規制を背景にした旺盛な中国需要などを背景に価格が跳ね上がり、中核事業に据える東海カーボン(5301)は2018年12月期の連結営業利益が前の期比で7倍に膨れ上がるなど、関連企業に恩恵をもたらしてきた。QUICKの個別銘柄のアクセスランキングでも連日で上位に顔を出すなど、市場参加者の関心も高い。ただ、ここにきて”爆食”中国での価格が下落するなど、ブームに陰りも見えてきた。鼻息の荒いアナリストはなお多いが、「今後は黒鉛電極の採算が悪化する」(野村証券)と、慎重な見方も出始めている。 見逃せない中国の動向 「2019年から世界の黒鉛電極の需給は悪化に転じる」。野村証券は27日付のリポートでそう指摘し、世界トップシェアの昭和電工(4004)の目標株価を引き下げた。中国景気の減速が国内の鉄鋼需要を減らし、電炉メーカーの生産性改善が他地域への輸出拡大につながる。結果、東南アジアや中東などで電炉の稼働率が下がるなどして黒鉛電極の需要が減少する。一方で、供給も増加の一途をたどる。中国の黒鉛電極メーカーの生産性改善による生産増が在庫をダブつかせる。新設工場の稼働も見込まれ、19年7月以降の黒鉛電極の価格や採算は下落に転じる、との見通しを示した。 黒鉛電極の先行きを見通すにあたり、中国の動向は見逃せない。国内では世界最大手の昭和電工のほか、東海カーボン、日本カーボン(5302)、SECカーボン(5304)が手がける。それでも世界シェア全体の2割強しかない。半数は中国メーカーが占める。中国製の黒鉛電極は、需給の緩みから価格が下がっている。「品質の高い日本製はプレミアムが加算されているが、中国製の価格が下がり価格差が大きく開くようだと、日本製も価格下落が懸念される」(メリルリンチ日本証券)。 一方で「需給が悪化する可能性は低い」と主張するのがゴールドマン・サックス証券だ。新設製造工場の本格稼働などによる供給の増加は認める一方、中国以外での電炉鋼生産の伸びも同程度見込まれるため、17~18年同様に需給バランスはタイトな状況が続くという。「中国の一部電炉メーカーの採算割れが黒鉛電極価格の下げにつながったが、先進国で電炉鋼の生産は好調を維持している」とも指摘し「黒鉛電極事業はなお過小評価されている」と見る。 ジェフリーズも強気な見方を維持する。黒鉛電極の原料であるニードルコークスの需要逼迫が理由だ。ニードルコークスの主要サプライヤーであるフィリップス66が能力増強をやめたことで、ニードルコークスのタイト化が黒鉛電極の需給の引き締まりにもつながる、とみる。SBI証券は、中国の粗悪な違法鋼材「地条鋼」の生産停止やニードルコークスの需給タイト化で20年まで黒鉛電極の需給が逼迫した状況は続く、としている。 【黒鉛電極に対する主な見方】 ◎ゴールドマン・サックス証券  黒鉛電極は19年も17~18年と同様、タイトな需給バランスが続くとみている。先進国では電炉鋼の生産は好調を維持しており、主要メーカーの契約価格も19年上期にかけて一段と上昇している。グラフテック・インターナショナル(@EAF/U)の増産や昭和電工の米国工場の稼働上昇による供給増は、中国以外の電炉鋼生産の伸びでカバーできると見ており、需給が軟化する可能性は低い。 ◎野村証券 予想以上に黒鉛電極の需給が軟化している。中国の鉄鋼需要の減退や輸出増などで、東南アジアや中東といった地域で電炉の稼働率がやや低下している。需給が緩み、契約価格にも影響が出始めているもよう。19年上期は米国、欧州、日本などでの採算はまだ高いが、17~18年にかけて新設が決定された設備での生産も19年後半から始まるため、19年7月以降の黒鉛電極の価格や採算は下落に転じるだろう。 ◎ジェフリーズ 黒鉛電極の原料であるニードルコークスは、フィリップス66による能力増強計画の取りやめや電気自動車(EV)向けリチウムイオンバッテリーの需要拡大などで、価格が上昇する可能性が高い。ニードルコークスの供給が増えないならば、黒鉛電極の逼迫はしばらく続くだろう。中国政府の環境政策が方向転換しない限り、需要の長期成長率は1ケタ前半を維持する。 【黒鉛電極の主な関連銘柄】 昭和電工(4004) 東海カーボン(5301) 日本カーボン(5302) SECカーボン(5304) グラフテックインターナショナル(米) グラファイトインディア(インド) HEG(インド) (松下隆介) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

証券営業の凄腕たち【Episode3】何度も対話、顧客回り5年半で地球9周分

証券営業の凄(すご)腕担当者に情報収集や銘柄選別法の極意を聞く「証券営業・私の戦略」、3回目は野村証券ウェルス・パートナー課の課長、並木孝裕さん。自ら重要顧客の対応をしつつ営業統括として支店営業の責任を負うベテランだ。地方支店時代、地球約9周分の距離を営業車で回ったエネルギッシュさに加え、株価や金利を含め常に30~40種類の経済指標をチェックしデータを根拠に商品提案する緻密な営業スタイルが、顧客の信頼を獲得している。 野村証券 並木孝裕氏 なみき・たかひろ  2002年明大卒、日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)入社、吉祥寺支店に配属、09年3月に同社を退社し、同年4月野村証券入社、本店ウェルスマネジメント部に。12年3月から約5年半の新潟支店時代を経て17年8月渋谷支店、現在はウェルス・パートナー課長として支店の営業を統括。これまで営業部門長表彰(旧CEO表彰)8回受賞、お客様満足度調査入賞1回。39歳、埼玉県出身 ――顧客対応で心掛けていることはありますか。 「電話でのご連絡ももちろんですが、直接お会いして顔を見て話をするのが基本です。約5年半の新潟支店時代、クルマの運転距離は約35万キロメートル。地球9周分くらいお客様先を回りました。何度も会話をして心の底で考えていることを聞ける関係になってもらうことが重要です。自分がされて嫌なことは絶対にしません。『何日までに返事をします』とご回答いただいた時期までは一切連絡しません。若いときには数字ほしさに事前に連絡をしてしまいがちですが、急(せ)かされたお客様は嫌な思いをします」 「また我々がもつ情報を分かりやすく伝えたうえで、お客様自身にきちんと判断していただかなくてはいけません。たとえば投信ですが、信頼できるファンドが運用している商品は、株価が上がった銘柄の保有比率は上がり、下がった銘柄の保有比率は下げていることが後の運用報告書で分かります。そうした事実を3カ月から半年かけて見てもらったうえで商品提案すれば、納得して購入してもらえます。単純に株価が上放れしたから買いましょう、下抜けしたので売りましょうという提案スタイルでは、高い手数料を払ってまでなぜその商品をいま買わなくてはいけないのか、お客様にわかってもらえません。手数料を払ってでも購入してもらえる根拠を示す必要があります」 30~40種類の指標に目配り、データで提案 ――情報収集面ではどのような指標に注目していますか。 「世界経済の中心である米国の指標は影響が大きいので特に気にして見ています。失業率や賃金の上昇率がわかる雇用統計や新規失業保険申請件数を見て、いまお金が使える環境にあるのかを考えます。米国の家計の資産と負債の比率もチェックしますし、消費者信頼感指数やISM製造業・非製造業景況感指数、小売売上高はもちろん、自動車と不動産関連などの指数を見ます。住宅指標に関しては新築住宅着工件数や許可件数のほか、中古住宅の在庫と価格の推移も確認します」 「金融政策では米連邦準備理事会(FRB)のHPをみます。償還を控えたレポ取引がどのくらいあるかなどを開示しているからです。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録もそうですが、影響力のある人の発言は確認します。バルチック海運指数やダウ輸送株指数も含め、忘れない限り全部拾うようにしています。確認する指標は株価や金利も含めると30~40種類になるでしょうか。話題性のある市場・金融関係者が配信しているメールマガジンもいくつか読んでいます」 ――市場に変動があったときはどんな指標を注視しますか。 「(相場の変動率を示す)VIX指数は毎日見ています。特段の材料がなくても何か起きるときに激しく反応する指標もあります。たとえば企業のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場。リーマン・ショックが起きるときにCDS市場で保証料率が急上昇したことが強く記憶に残っています。金利については10年債の金利ではなく、1カ月先、3カ月先のロンドン銀行間取引金利(LIBOR)を見ます。金融機関同士のお金の貸し借りの金利であるLIBORは、金融危機時に信用リスクが上がっている貸付先の金利上昇を受け、高まるからです」 過去の金利観を基に相場観を共有 ――日ごろ株価の分析で役に立つノウハウがあれば教えてください。 「1株あたり利益(EPS)と株価収益率(PER)の推移を確認しています。企業が今期、来期とどのくらいの利益を出せるのか見たうえで、過去のPERの水準と比較して売られすぎていないか考えてみます。現状では日本企業も米国企業も利益がかなり出ているので、お客様に訴える一つの指標になります」 「過去の金利観をしっかり持っていることも大切です。1980年台末のバブルの時は非常に金利が高かった一方で、株式の配当利回りは0%台でした。現在は当時と比べ金利は下がり、自社株買いをする企業も増えて配当利回りは高くなっています。こうした経緯を考えれば、いまは株の方が割安だとも考えられます。EPS、PER、金利の推移をチャートで示してお客様に見せると納得してもらえることが多いです。しっかり説明し相場観をきちんと共有しているので大きな金額を預けてもらえます」 ――営業統括として顧客からの苦情対応も多いのでは。 「きっかけを尋ねると、9割方こちら側に落ち度があります。たとえば担当者が会いにもいかずにいきなり目論見書を送りつけてきたという場合や、会いに来てほしくはないが市場が動いたときに電話くらいほしいというケースもあります。理由は様々ですが、間違いなく言い分があります。とにかく感情的にならずその言い分がわかるまで話を伺い続けることが重要です。ひとつひとつ丁寧に応えていけば、関係が好転するのは早いです。実際、一時期関係が思わしくなかったのに現在は100億を超える運用を任せてくれるようになったお客様もいます」 落ち着いた口調ですらすらとこちらの質問に的確に回答する並木さん。30代とは思えない安定感は、2013年下期から8期連続で部門長表彰を受けてきた自信に裏打ちされている。新しい担当になってから実績が表れるまでは1年半くらいの時間を要するという。時間を掛けて顧客との関係性をしっかりと構築している証拠だろう。業務に関わるものから話題のものまで週2冊、月に8~10冊の本を読んでいるという並木さんは人口動態から仮想通貨まで幅広い知識を持つ。結婚式の翌週には新聞広告を見て転職を決めるなど、ここぞと言うときは大胆な一面もある。〔日経QUICKニュース(NQN) 神宮佳江〕 =随時掲載

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