米住宅市場に下げ止まりの兆し ローン金利が急低下

全米住宅建設業協会(NAHB)が16日発表した1月の住宅市場指数(グラフ青)は58と、3カ月ぶりに上昇した。背景にあるのが住宅ローン金利(グラフ緑)の低下だ。住宅ローン金利は米連邦準備理事会(FRB)の利上げを受け、2018年11月にピークを付けたが、その後は急低下している。NAHBは「住宅ローン金利がこの数週間徐々に下がっているのが建設業者の景況感維持につながった」と分析している。 ■急低下した住宅ローン金利(左軸、%)が住宅市場指数(右軸)を下支え また米抵当銀行協会(MBA)が16日公表した11日までの週間の住宅ローン申請指数も前の週から13.5%上昇した。前週も23.5%と大きく伸びていた。住宅ローン金利の低下とともに、住宅市場が低迷から脱する可能性が出てきた。(池谷信久)   ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】17日 日銀の正副総裁が講演 モルスタ、ネトフリなど決算

17日は日銀の黒田総裁が20カ国・地域(G20)シンポジウムで講演する。海外では、12月の米住宅着工件数などが発表される予定。南アフリカ中銀が政策金利を発表する。   【17日の予定】 国内 時刻 予定 9:00~ 日銀の黒田総裁と雨宮副総裁が20カ国地域(G20)シンポジウムで講演挨拶     10:20 1年物国庫短期証券の入札(財務省) 14:30 三村日商会頭の記者会見 15:00 全銀協会長の記者会見   12月の投信概況 その他 統計委員会(総務省) 海外 時刻 予定 0:15 クオールズ米連邦準備理事会(FRB)理事が講演(18日) 8:30 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が講演 22:30 米新規失業保険申請件数(週間)   12月の米住宅着工件数   1月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数 その他 インドネシア中銀が政策金利を発表   南アフリカ中銀が政策金利を発表   10〜12月期決算=アメリカンエキスプレス、モルガンスタンレー、ネットフリックス 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 9064 ヤマトHD、4〜12月営業益2倍 人手不足対応進む 日経 +2.79% 1/16 2802 味の素、コンソメや塩値上げ 日経 +2.69% 1/16 3091 ブロンコB、税引き益2%増 前期単独 日経 +2.57% 1/16 2587 サントリBF、ペット飲料値上げ 日経 +1.46% 1/16 7532 ドンキHD、7〜12月営業益4%増 店大型化、ついで買い好調 日経 +0.31% 1/16 3593 ホギメデ、4〜12月営業益8%減 手術キット苦戦 日経 -0.61% 1/16 4502 武田、「効果に応じ薬価」に前向き ウェバー社長 日経 -1.09% 1/16 5108 ブリヂストン、欧州テコ入れ 江藤新社長「営業利益率10%目標」 日経 -1.13% 1/16 1721 コムシスHD、ROE10% 還元強化で 日経 -1.27% 1/16 6366 千代建、1000億円規模の金融支援要請 日経ビジネス -1.88% 1/16

アルゴ勢とっくに「Brexit」 2年前からポンドの優先度引き下げ、備えはむしろ日銀緩和への思惑

英議会は15日(日本時間16日朝)、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)協定案を否決したものの金融・資本市場での反応は今のところ目立たない。2016年の国民投票でブレグジットが決まって以降、長期投資家は英ポンド建ての資産整理を進め、そう簡単には浮足立たなくなっている。コンピューター・プログラム経由の「アルゴリズム」も英国の優先度を下げ、トランプ米大統領の存在感が増した17年初めごろから米国の政治・金融政策などに軸足を移している。 英議会での採決結果が伝わると外国為替市場で英ポンドは急落したが、あまり間を置かずに戻した。対円は1ポンド=138円前後を底に140円近辺まで反発。15日の東京市場17時時点で付けていた139円90銭台とほぼ同じ水準になり、円の対ドル相場は1ドル=108円台でのもみ合いを続けた。「安全資産」のドイツや米国の債券への買いは限られ、米国では主要な株価指数が上昇しハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は1カ月ぶりの高値を付けた。 ポンドは、主要通貨にもかかわらず取引に厚みがなく、何も材料がない平時でも変動率は高い。採決前後に注文が細り、値が振れやすくなっていたことや、15日の英議会採決に否決予想がもともと多かった点を踏まえれば市場参加者は総じて冷静だったと解釈できるだろう。 「日欧の(金融緩和策の)『出口』は完全に遠のいた。そちらのほうが重要だ」。アルゴ周辺からはそんな声も聞こえてくる。15日の日米株高の背景には中国の金融緩和を含めた経済対策への期待があった。世界景気の先行き不透明感は簡単には消えそうになく、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続観測はだいぶ後退し、欧州中央銀行(ECB)の19年中の利上げには黄信号がともった。日銀もひょっとすると何らかの追加緩和を検討するのではないか――。プログラムの一部は日銀に関するニュースに円売りで応じる備えをしているという。 日銀が進める国債の大量買い入れやマイナス金利の弊害などから、日本国内では「追加緩和といっても何をするのか」との疑念が強い。ただ海外では日銀の政策に明るくない投資家がかなりいる。 ある欧州系ヘッジファンドの日本人マネジャーは「日銀が早ければ1月にも追加緩和の検討を始める、との思惑が出ているようだ」と話す。円が対ポンドや対ドルを含めてここにきて上値が重くなっているのには日銀の政策を巡る思惑が一枚かんでいるのかもしれない。 【日経QUICKニュース(NQN ) 編集委員 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

米利上げに「待った」の材料「そろい踏み」 タカ派じりじり「土俵際」

ここへきて米国の利上げ停止を後押しするような出来事が目立ち始めた。 CMEの「Fedウォッチ」によると、3月のFOMCで利上げが見送られる確率は9割強にのぼる。19年中に政策金利の変更が行われない確率は7割弱。利上げ確率は2割弱。利下げ確率は1割強となっているが、ここにきて利上げを後押しする材料が相次ぎ、タカ派とみられていたカンザスシティー連銀のジョージ総裁が講演で、利上げ停止に理解を示すハト派的な発言をしている。 15日発表された2018年12月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%低下と市場予想(0.1%低下)を下回り、1年10カ月ぶりに前月比で低下した。前年比は2.5%上昇と市場予想通りだった。また、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%低下と市場予想(0.2%上昇)に反してマイナスとなった。マイナスとなるのは1年ぶり。前年比でも2.7%上昇と市場予想(3.0%上昇)を下回り、インフレ圧力が抑制されたままであることが示唆された。 さらに同日に発表された19年1月ニューヨーク連銀製造業景況指数は3.9と2カ月連続の大幅な低下。市場予想(12.4)を大きく下回り、2017年5月以来の低水準となった(茶色折れ線グラフ)。米景気減速の兆しの一つと捉えられよう。18年12月の株価下落が実体経済に与える悪影響が懸念されるなかで、他の製造業景況指数に先駆けての「1月分のデータ」として同指数が注目されていた。 (チャートはいずれもQUICK FactSet Workstationより) 今後は17日のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月1日のISM製造業景況指数と順に景気減速の兆候を見極めて行くという流れが続くこととなる。(池谷信久、丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】16日 11月の機械受注統計、ゴールドマンなど決算 12月の米小売売上高

16日は11月の機械受注統計、12月の企業物価指数、11月の第3次産業活動指数、12月と18年の訪日外国人客数などが発表される予定のほか、5年物国債の入札が行われる。 海外では12月の中国70都市の新築住宅価格動向、12月の米小売売上高、米輸出入物価指数などが発表される予定だ。決算では、ゴールドマンサックスなどが10~12月期の決算を発表する予定だ。   【16日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 11月の機械受注統計(内閣府)   12月の企業物価指数(日銀) 10:30 5年物国債の入札(財務省) 13:30 11月の第3次産業活動指数(経産省)   小林同友会代表幹事の記者会見 14:30 鈴木日証協会長の記者会見 15:00ごろ 1月のESPフォーキャスト調査(日本経済研究センター) 16:00 12月と18年の訪日外国人客数(日本政府観光局)   10〜12月と18年の訪日外国人消費動向調査(観光庁) 海外 時刻 予定 0:00 11月の米企業在庫(17日) 0:30 米エネルギー省の石油在庫統計(週間、17日) 4:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック、17日) 6:00 11月の対米証券投資(17日) 8:30 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が講演(17日) 10:30 12月の中国70都市の新築住宅価格動向 18:30 12月の英消費者物価指数(CPI) 20:00 トルコ中銀が金融政策決定会合の結果発表 22:30 12月の米小売売上高   12月の米輸出入物価指数 その他 10〜12月期決算=バンクオブアメリカ、ブラックロック、ゴールドマンサックス 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 3547 串カツ田中、実質増益 前期最終、禁煙化で家族客増 日経 +6.16% 1/15 6971 電子部品、医療に照準 京セラ、米の人工関節買収 スマホ車に次ぐ柱に 日経 +3.30% 1/15 7003 海外プラント、撤退相次ぐ 三井E&SやIHIなど、想定外の損失回避へ 日経 +2.97% 1/15 7013 +2.53% 1/15 6474 不二越の今期、純利益17%増 原料の価格転嫁 日経 +2.91% 1/15 3148 クリエイトS、9%増益 6〜11月最終、調剤販売伸びる 日経 +2.47% 1/15 4922 コーセー、営業最高益 4〜12月、高価格帯品が好調 日経 +1.32% 1/15 7203 トヨタ系、社債発行延期 長期金利の低下受け 日経 +1.04% 1/15 8591 不動産、3年内に調整局面 オリックス井上社長に聞く 大京(整理、8840)取り込み買い場に備え 日経 +1.01% 1/15 6723 ルネサス、8970億円調達 米半導体買収に充当 日経 +0.69% 1/15 9086 インドに物流網、日立物流が展開 倉庫新設、車部品を管理 日経 +0.31% 1/15 2698 キャンドゥ、21%減益 前期最終 日経 -0.74% 1/15 9602 東宝、純利益16%減 3〜11月238億円 「君の名は。」DVDの反動 日経 -2.10% 1/15 3994 マネフォの今期 最終赤字幅拡大 日経 -3.78% 1/15

アップルが巨額買収に動く日はくるか 市場のお薦めはソニー・ピクチャーズや任天堂

米アップル株がさえない。14日は前週末比1.5%安の150ドルで取引を終えた。中国の経済統計が景気減速の兆候を改めて示し、米株式に幅広い売りが出た流れに押された。今月初めには、中国の影響を受けたとして業績見通しを下方修正。さらには中国で旧来機種の値下げを迫られるなど、経営を取り巻く環境は厳しさを増している。 そうした中で市場からは新たな収益の柱の構築を求める声が出始めている。ウェドブッシュ証券のアナリストは14日付のレポートで「コンテンツ企業を買収する時だ」と指摘した。ビジネスモデルのハードからソフトへの転換を促した格好。そのうえで買収先の候補として米映画会社のA24や映画・テレビ番組制作のライオンズ・ゲート・エンターテインメント、さらにソニー映画子会社の米ソニー・ピクチャーズエンタテインメントを挙げた。なお米バロンズは11日付で「アップルは任天堂(7974)を買収すべき」との記事を掲載している。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】15日 EU離脱案の採決、JPモルガンなど決算

15日は12月のマネーストック、2018年11月の特定サービス産業動態統計速報などが発表される予定のほか、中西経団連会長が記者会見を行う。 海外では18年11月のユーロ圏貿易収支、18年12月の米卸売物価指数、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数などが発表される。英議会はEU離脱案を採決する。JPモルガン・チェースなどが18年10~12月期決算の発表を予定している。   【15日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 12月のマネーストック(日銀) 11:00 1月のQUICK月次調査<株式> 13:30 2018年11月の特定サービス産業動態統計速報(経産省) 15:30 中西経団連会長の記者会見 その他 閣議   3〜11月期決算=東宝 海外 時刻 予定 1:30 カシュカリミネアポリス連銀総裁が講演(16日) 3:00 カプランダラス連銀総裁が討議に参加(16日) 19:00 18年11月のユーロ圏貿易収支 22:30 18年12月の米卸売物価指数(PPI) その他 1月のニューヨーク連銀製造業景況指数   海外10〜12月期決算=JPモルガンチェース、ユナイテッドヘルスグループ、ウェルズファーゴ 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 7733 オリンパスの竹内次期社長「治療機器、主力事業に」 医療部門を集約 日経 +9.87% 1/11 3990 UUUM、今期純利益62%増 日経 +4.15% 1/11 6474 不二越、一転増益に 前期営業4%減、増産コストかさむ 日経 +3.26% 1/11 6752 パナソニック、上海に事業開発拠点 現地企業連携狙う(日経、以上13日)   日経 +2.64% 1/11 7267 ホンダ、四輪車販売横ばい 19年度、528万台計画 日経 +2.42% 1/11 7012 川重、海中ロボで施設点検 実証実験、潜水艦技術を転用(産経、以上14日)   産経 +2.31% 1/11 8035 東エレク会長「研究開発、10年で1兆円」 半導体装置、3世代先視野 日経 +1.00% 1/11 7201 日産自のゴーン元会長、追起訴 特別背任など、保釈判断15日以降 各紙 +0.85% 1/11 3003 ヒューリックや三菱商、データセンター投資次々 IoTで需要、国内は不足   日経 +0.61% 1/11 8058 +0.09% 1/11 2168 パソナG、6〜11月期純利益34%増 日経 +0.49% 1/11 2502 アサヒ傘下のアサヒ飲料、カルピス生産増強へ 読売 +0.46% 1/11 9202 ANAHD、ロシア路線参入 19年度にも2路線 日経 +0.38% 1/11 6136 OSG、今期純利益4%増 最高更新 日経 +0.32% 1/11 3349 コスモス薬品、6〜11月期純利益16%増で最高 日経 +0.10% 1/11 8016 オンワード、今期純利益15%減益 45億円に、気温高く冬物衣料苦戦 日経 0.00% 1/11 1333 マルハニチロ、サバ缶値上げ検討 日経 0.00% 1/11 3606 レナウン、最終赤字11億円 日経 0.00% 1/11 8316 三井住友FG傘下の三井住友銀、社会の課題解決に融資 まずREIT向け   日経 -0.02% 1/11 8316 三井住友FG傘下の三井住友銀、4月分から外貨宅配を廃止 日経 -0.02% 1/11 8001 伊藤忠、中国データ拠点に投資 提携先とファンド 日経 -0.23% 1/11 4985 アース製薬、介護用品参入 日経 -0.98% 1/11 9020 JR東日本、盛岡—新青森320キロ解禁へ 朝日 -1.09% 1/11 8244 近鉄百、3〜11月期純利益67%増で最高 免税品販売けん引 日経 -1.56% 1/11 1802 大林組、モニターでクレーン制御 10センチ単位で位置把握 日経 -1.85% 1/11 4530 久光薬、3〜11月期純利益16%減 医療用医薬品が不振 日経 -2.17% 1/11

ゆがんだ毎勤、消費増税に影響も ゆらいだ基幹統計への信頼、市場関係者に聞く

賃金や労働時間を示す厚生労働省の毎月勤労統計調査で不適切な調査が発覚し、マーケットに波紋を広げている。調査対象の事業所について、500人以上は全て調べることになっているが、東京都では1464カ所を調べなければならないところを3分の1にあたる491カ所しか調べていなかった。毎月勤労統計は「基幹統計」とされており、政府が公表する他の統計にも影響が広がりそうだ。 問題となった東京都は大企業が集積している。従業員数が多い大企業は中小企業と比べると賃金が高く、2004年から17年までの調査分ではこうした大企業が調査から抜け落ちていた。根本匠厚生労働相は11日の記者会見で、きまって支給する給与などの金額が「低めになっているという影響があった」と明らかにした。 毎月勤労統計は「基幹統計」に位置づけられる。今回の不適切な調査は政府の他の統計への影響が避けられない。第一生命経済研究所の伊藤佑隼エコノミストは「(内閣府の)雇用者報酬の数値に影響する可能性がある」と話す。雇用者報酬は国内総生産(GDP)と一緒に内閣府が公表し、毎月勤労統計は元データの一つになっている。毎月勤労統計の数値が実態を表していなかったことで、雇用者報酬の数値もゆがめられていたことになる。 厚生労働省がきまって支給する給与を再集計したところ、給与がこれまで公表されていた数値よりも0.3~0.7%高かったことが明らかになった。実際には給与が高かった一方で、18年7~9月期のGDPの個人消費は実質で前期比0.2%減と振るわない。今年は10月に消費税率の引き上げを控えている。個人消費が想定以上に悪いとなると、政府の増税などの対策にも影響する可能性がある。 毎月勤労統計の不適切調査問題が市場に与える影響を関係者に聞いた。 ■「アベノミクスへの影響も」岩下真理・大和証券チーフマーケットエコノミスト 毎月勤労統計に不適切調査があったということは、GDP統計の雇用者報酬の改定をする必要があるということだ。マーケットへの直接の影響はあまり考えられないものの、アベノミクスの成果とされる「雇用・所得環境の改善」において所得環境を測る基幹統計が不適切だったということになり、政策への影響は気がかりだ。 今回のようにある統計に間違いが発覚してもそこだけに対処していてはまた他の統計で再び間違いが発覚する可能性がある。統計を専門にする庁を設けるなど、政府全体の統計のレベル向上を目指すべきだと考える。また現状では統計を扱うことができる専門的な人材も不足している。統計の精度を確保するためには予算を通して人材の確保を進めていくべきだろう。 ■「海外から日本の統計全般に不信感」斎藤太郎・ニッセイ基礎研究所経済調査室長 毎月勤労統計の不適切調査問題は、極めて深刻なものだ。経済政策を含め何をするにも(統計を通じて)現状を把握することが重要だが、今回の統計の問題でその根本が揺らいでしまった。海外から厚生労働省以外の省庁の手がける統計に疑念を持たれる可能性があり、日本政府のまとめる統計への不信感が高まることになる。 重視される統計は時代によって変化する。足元では賃金動向は注目度が高い。特に毎月の賃金の動きを把握できるのは毎月勤労統計が唯一のものだった。賃金の動きの把握が一段と難しくなる。 金融市場では本来、自国の統計をみながら景気の先行きを判断して取引する。日本は米国などに比べてこうした機会が少なかった。今回の問題で統計への信頼度が低下し、「経済指標をみながらの投資判断ができない」と考える人が増えてもおかしくない。 【日経QUICKニュース(NQN ) 金尾久志、岩本貴子、金岡弘記】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

世界No.1富豪の離婚と時価総額No.1企業の株価のただならぬ関係

時価総額世界一、アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)の離婚が米株式市場で話題になっている。離婚による財産分与などに伴い、ベゾス氏が保有するアマゾン株の保有比率が低下し、コントロールが弱まるとの憶測も出ている。 イラスト:たださやか QUICK FactSet Workstationの株主構成によると、ベゾス氏は現在アマゾンの株式を16%保有する筆頭株主。投資家別では機関投資家が最も多く6割弱を保有している。10日の米株式市場でアマゾン株は小幅反落し、時間外でも弱含んだ。(根岸てるみ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

内憂外患の中国、インフレ鈍化でさらなる金融緩和余地

中国国家統計局が10日に発表した2018年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.9%の上昇だった。上昇率は市場予想(2.1%上昇)を下回り、6カ月ぶりの低水準となった。12月の卸売物価指数(PPI)は0.9%の上昇にとどまった。伸び率は市場予想(1.6%上昇)を大きく下回り、16年9月(0.1%上昇)以来の低水準。米国との貿易摩擦問題に直面する中国にとって、外需だけでなく内需も鈍化が懸念されるという厳しい数字だ。 しかし、18年12月の1250億ドル超の鉄道建設計画認可など中国政府は財政拡大への転換姿勢を示している。金融面では中国人民銀行が19年1月4日、市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す預金準備率を1月中に計1ポイント引き下げると発表した。これは、ここ1年あまりで最大規模の資金供給となる。物価指標の鈍化は一段の金融緩和余地をもたらすという面もある。財政・金融両面からの景気刺激で、18年初から続く中国の景気懸念を背景とした人民元安、株安という負の連鎖からの脱却が期待されている。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

【朝イチ便利帳】11日 景気ウオッチャー調査、12月の米CPI

11日は財務省が11月の国際収支を発表する。その他、11月の家計調査(総務省)や12月の景気ウオッチャー調査(内閣府)などが発表される予定。株式市場では、株価指数先物・オプション1月物の特別清算指数(SQ)算出を迎える。 海外では、12月の米消費者物価指数(CPI)や12月の米財政収支などが発表される予定だ。   【11日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 11月の家計調査(総務省) 8:50 11月の国際収支(財務省)   対外対内証券売買契約状況(月間、財務省)   12月の貸出預金動向(日銀) 10:20 3カ月物国庫短期証券の入札(財務省) その他 閣議   12月の景気ウオッチャー調査(内閣府)   株価指数先物オプション1月物の特別清算指数(SQ)算出   3〜11月期決算=オンワード 海外 時刻 予定 4:00 12月の米財政収支(12日) 9:00 クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演 9:30 11月の豪小売売上高 18:30 11月の英国内総生産(GDP) 22:30 12月の米消費者物価指数(CPI) 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 8306 三菱UFJ、200億円ファンド 世界の新興企業に投資 日経 +0.32% 1/10 7730 マニー、9〜11月純利益3.7倍 株売却で特別益 日経 +0.11% 1/10 3046 ジンズ、9〜11月純利益3倍 広告費を削減 日経 0.00% 1/10 9716 乃村工芸社、3〜11月純利益21%増 日経 -0.35% 1/10 3048 ビックカメラ、9〜11月純利益2%減 日経 -0.41% 1/10 6752 パナソニック、8Kテレビ当面見送り 日経 -0.52% 1/10 2809 キユーピー、前期最終は最高益 サラダや総菜好調 日経 -0.98% 1/10 3382 小売りの3〜11月期決算発表相次ぐ、セブン&アイはPB好調で増益、ローソンは投資負担で営業減益   -1.59% 1/10 2651 -0.56% 1/10 9983 ファストリ、3年ぶり減益 昨年9〜11月、防寒衣料が苦戦 日経 -2.14% 1/10 6506 安川電、今期下方修正 中国受注一段と悪化 日経 -3.43% 1/10 9861 吉野家HD、9年ぶり営業赤字 昨年3〜11月、人件費増が圧迫 日経 -4.42% 1/10

ミセスワタナベ「瞬落」の後遺症 トルコリラ、近くて遠い20円台定着

トルコリラの上値が重い。米国の利上げペースが鈍るとの思惑や米中貿易交渉への楽観論などから米株式相場は持ち直し、投資家のリスク回避姿勢は緩んでいる。トルコなど高金利国の通貨には本来追い風のはずだが、主な買い手である日本の外為証拠金(FX)投資家「ミセスワタナベ」は年初のフラッシュ・クラッシュ(瞬時の急落)でかなりの痛手をこうむり、まだ十分に立ち直れていないようだ。 ■トルコリラ(グラフ青)とドル、ユーロの対円相場 トルコリラの対円相場は足元で1リラ=19円台後半で推移している。3日のフラッシュ・クラッシュで17~18円台まで下げた後、米株高などにつれて4日には20円台半ばまで戻したものの、昨年12月終盤に付けていた20円台後半~21円ちょうど近辺には届かないまま再びずるずると下げた。 FX大手外為どっとコムによると、3日のトルコリラの買い持ち高は前日比で23%程度減少した。値動きから考えて売りのほとんどが損失確定の注文とみられる。3日は他の通貨に対しても軒並み円高が加速したため、ユーロやドル、オセアニアの通貨などを並行して買っていた投資家はダブルパンチ、トリプルパンチだった公算が大きい。体力回復には時間がかかるだろう。 FXは「レバレッジ」と呼ばれる仕組みにより、差し入れた証拠金の25倍まで運用額を増やせる。リラの利息収入に相当する「スワップポイント」は1万通貨で1日あたり最大100円を超えることもある。1リラを買うのに必要な円の元手はユーロや英ポンドに比べるとはるかに少ないので、金利重視でリラを買う戦略の人気は根強い。だが、レバレッジに傾きすぎると逆回転にもろくなる。 レバレッジを抑えリスクを落としたら落としたで買いのインパクトは弱まる。トルコの政治・経済に新たな悪材料が出ているわけではなく、ミセスワタナベに余力が戻ればリラの需要は相応に増えそうだが、相場の上昇エネルギーは簡単には高まらないだろう。昨年末の水準は近くて遠い。 〔日経QUICKニュース(NQN) 編集委員=今 晶〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICK端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

新興市場でも海外勢にお株を奪われる個人 売買シェアじわじわ低下

新興株が年明けから堅調な展開だ。9日の東証マザーズ指数は4日続伸し、前日比1.01%高い896.44で終えた。昨年末終値から10%超上昇し、他の主要株価指数を大きく上回るパフォーマンスとなっている。昨年末の相場下落に伴う個人投資家の追い証に絡んだ売りが一巡したために買いが入りやすいとの見方があるが、足元では個人投資家の売買シェアが低下しつつある。 「社内で確認しましたが、新興株では個人の取り組みが増えているとはいえない状況です」――ネット証券のある担当者は年明けからのマザーズ株の上昇についてこう答えた。 東京証券取引所が9日に発表した投資部門別売買状況によると、18年のマザーズ市場の金額ベースの個人投資家の売買シェアは58.6%と17年の65.4%から低下した。一方で海外投資家の売買シェア17年の29.8%から36.4%まで拡大。18年12月には週間の投資部門別売買状況では個人投資家のシェアが50%を割り込む一方、海外勢のシェアが40%を超える週もあった。 16年7月から取引が始まったマザーズ指数先物は海外勢の売買高シェアが個人投資家に肉薄する。18年の個人投資家の取引シェアは45%と17年の53%から下がる一方で、海外勢は前年から小幅ながらシェアを伸ばして42%となった。取引開始の16年には海外勢のシェアは33%程度だった点を考慮すると投資家層が広がったともいえる。 ある株式ディーラーは「流動性リスクをとってでもマザーズ株を取引しようとする海外勢が多いのではないか」と指摘する。海外勢の参戦によって一段と振れ幅が大きくなっているとの声もあり、今後も海外マネーの流入動向が注目される。(中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】10日 ファストリや安川電が決算発表 中国CPI

10日は12月上中旬の貿易統計、12月の車名別新車販売・輸入車販売、12月のオフィス空室率、11月の景気動向指数速報値などが発表される予定のほか、ファーストリテイリング(9983)、安川電機(6506)など約60社が決算発表を予定している。また日銀支店長会議が開催される。 海外では日本時間4時00分に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表されたほか、12月の中国消費者物価指数・中国卸売物価指数などが発表される予定だ。   【10日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 対外対内証券売買契約(2週分、財務省)   12月上中旬の貿易統計(財務省) 10:30 30年物国債の入札(財務省)   12月の輸入車販売(輸入組合) 11:00 12月の車名別新車販売(自販連)   12月のオフィス空室率(国交省) 14:00 11月の景気動向指数速報値(内閣府) 15:00過ぎ ファストリが12月の国内ユニクロ売上高を発表 その他 黒田日銀総裁が支店長会議であいさつ   1月の日銀地域経済報告   3〜11月期決算=ローソン、セブン&アイ、安川電、ユニファミマ、吉野家HD   9〜11月期決算=ファストリ 海外 時刻 予定 0:00 11月の米卸売在庫売上高(11日) 2:30 ブラード米セントルイス連銀総裁が講演(11日) 2:45 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が討議に参加(11日) 3:00 エバンス米シカゴ連銀総裁が講演(11日) 3:20 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が講演(11日) 9:00 クラリダFRB副議長が講演(11日) 10:30 12月の中国消費者物価指数(CPI)   12月の中国卸売物価指数(PPI) 21:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁が講演 22:30 米新規失業保険申請件数(週間) 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 3941 レンゴー、段ボール倉庫をAI管理 原紙搬出を効率化 日経 +4.15% 1/9 8015 豊田通商国際協力銀、アフリカ港湾開発に参画 日経 +3.37% 1/9 3141 ウエルシア、3〜11月純利益横ばい 日経 +2.65% 1/9 2670 ABCマート、3〜11月純利益3%増、7年連続最高益 記念配40円 日経 +2.64% 1/9 7513 コジマ、黒字転換 9〜11月単独税引き益1億2200万円 日経 +1.92% 1/9 6501 日立、印で金融事業を倍増 21年度500億円 日経 +1.77% 1/9 3222 USMH、3〜11月純利益17%増 日経 +1.15% 1/9 7453 良品計画、経常益下振れ 今期3%増、国内で家具販売苦戦 日経 +0.59% 1/9 3231 野村不HD、ホテル買収 訪日客需要見込む 日経 +0.58% 1/9 7201 日産自、「リーフ」航続4割増 日経 +0.35% 1/9 8267 イオン、18年3〜11月最終4年ぶり黒字、国内外の小売り改善 日経 +0.20% 1/9 6183 ベル24HD、3〜11月最終11%増益、大口顧客向け好調 日経 -1.66% 1/9 7581 サイゼリヤ、9〜11月純利益22%減 日経 -2.53% 1/9  

「首相交代」心臓に悪い⁉ 日本株びっくり予想の話です 2019年版、野村まとめ

野村証券が昨年末に公表した2019年の日本株を巡る10大サプライズのうち、機関投資家などが実現すれば最も驚きが大きい出来事として挙げたのは「首相交代」だった。4月の統一地方選や夏の参院選を控えるなか、安倍晋三首相による長期政権の揺らぎを市場は警戒しているようだ。 野村が「10大サプライズ予想」をまとめたのは今回が初めて。8日付のリポートでは、予想に関して(1)19年最大のサプライズにふさわしいもの(2)読者が考える19年最大のサプライズ――の2点についてのアンケート結果を公表した。サプライズ予想としてふさわしいとの回答が最も多かったのは「首相交代」で、「消費増税再延期」や「日銀が金融政策正常化を強行」が続いた。 野村の10大サプライズ予想 回答結果について、桑原真樹シニアエコノミストは「現時点では市場がそれだけ安倍政権の長期化を想定している証左だ」と指摘する。仮に、参議院選挙で与党の過半数割れとなれば「アベノミクスのテーマが逆流し、株安・債券安・円高になる可能性がある」とみていた。 4年に1度の統一地方選と3年に1度の参院選が重なる、いのしし年の亥(い)年にあたる19年。自らの選挙が終わった後に地方議員の動きが鈍って参院選で自民党が苦戦しやすい「亥年現象」も知られている。12年前の07年は「消えた年金」問題などで国会が混乱。安倍首相の第1次政権は参院選で惨敗し首相退陣につながった。こうした記憶が残っている投資家も多そうだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 張間正義】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

書き入れの「印」と駆け込みの「婚」 4月1日に向けて賑わう改元特需銘柄

株式市場で印刷関連株やブライダル関連株の一角が動意付いている。安倍晋三首相が前週末、皇太子さまの新天皇即位に伴う新元号を即位1カ月前の4月1日に公表すると表明したのを受け、特需が見込める「改元関連銘柄」として注目が集まったためだ。もっとも今年改元があることは以前からわかっていた話。株価の急上昇は思惑先行の色彩が強く、持続性に疑問も残る。 印刷関連で上昇が目立つのは例えばカワセコンピ(7851、2部)。7日に続き8日も制限値幅の上限(ストップ高)まで買われた。同社は官公庁や企業、金融機関向けのデータ印字や書類加工などを手掛け、「平成」が新元号に変わることによる印刷物の刷り直し需要の恩恵を受けるとみられている。商業印刷に強い光陽社(7946、2部)や図書印(7913)も連日で大幅高になった。 印刷関連株は30年前、昭和から平成に切り替わる際も特需の思惑でにぎわった経緯がある。カワセコンピによると今年は「金融機関の店頭で使う伝票などの印刷需要が4月以降に発生する。現場はゴールデンウイーク返上になるかも」(総務部)と話す。 ブライダル関連では結婚相談所大手のIBJ(6071)やパートナーA(6181、マザーズ)、挙式を手掛けるワタベ(4696)の株価が足元で堅調だ。2000年に「ミレニアム婚」がブームになったように、新元号の最初の年に結婚したいと考える人が増える可能性があるためだ。 第一生命経済研究所によると日本の婚姻数は00年に前年比4.7%増と大きく伸びた。熊野英生首席エコノミストは今年についても00年の再現が期待できるとみており「婚活や結婚による需要は最大780億円になる」と試算する。企業側も「3カ月後に結婚式を挙げられる短期プランなど『元年』に合わせたキャンペーンをするかもしれない」(ワタベのIR担当者)とやる気満々だ。 ただし改元特需はあくまで一時的なもの。持続的な企業業績の拡大や株高の材料にはつながらない可能性が高い。特需といえるほどの受注増があるかどうかは企業によっても濃淡の差がある。 印刷大手の大日印(7912)は「世の中のデジタル化が進んでいることもあり、社内ではあまり印刷物の特需は話題になっていない」(IR担当)。凸版(7911)も「(新元号の使用は5月からなので)カレンダーの刷り直し需要は考えにくい。改元に伴う記念出版物の受注はありうるが現時点ではまだみえない」(広報部)。事業の多角化が進みカレンダーや伝票帳簿類への依存度が高くない印刷大手にとって、今回の特需はさほど実感がないかもしれない。 年間売上高30億円規模のカワセコンピも「改元特需の規模は30年前に比べれば小さい」と説明する。社会の変化により、すでに様々な書式が和暦から西暦に切り替わってしまっていることが一因という。 改元関連銘柄の活況には、現在の市場環境も一役買っている。米中貿易摩擦などで内外の株式相場が荒れるなか、国内印刷やブライダルビジネスは「外部環境に影響されにくい内需関連銘柄」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部長)と映る。それらの業種のうち、値動きが大きくなりがちな中小型株に幕あいつなぎの物色が向かっている面がある。 7日に上昇した印刷銘柄のなかでも、共同印(7914)や野崎紙(7919、2部)は翌日は利益確定売りに押された。三木証券の北沢淳投資情報部課長は「腰の入った買いではないという点には注意が必要」と話していた。 〔日経QUICKニュース(NQN) 宮尾克弥〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

市場の非常事態は回避されても止まぬFRB攻撃 次期理事選び、新たな火種に

トランプ大統領は8日、米連邦準備理事会(FRB)の利上げを改めてけん制するコメントをツイッターに投稿した。トランプ氏は「経済指標は本当に良い。想像できますか?今日、金利の正常化がかなり早いペースで進められているが、過去の政権のようにゼロ金利政策が長期化していればもっと(景気回復は)簡単だったろう。市場は2016年の選挙以降、大きくなった!」とつぶやいた。パウエルFRB議長が4日に利上げの一時停止に加え、バランスシートの縮小を見直す方針を示し、その後に米株は大幅高となっているにも関わらず、トランプ大統領としては改めてFRBの利上げをけん制した格好だ。 これに先立つ7日、昨年9月にFRB理事に指名されていた元FRBエコノミストのネリー・リャン氏が指名を辞退した。リャン氏は1986年に分析エコノミストとしてFRBに加わり、2017年に退任。その後はリベラル系シンクタンクのブルッキングス研究所のシニアフェローや国際通貨基金(IMF)の顧問を務めた。リャン氏は民主党員のため、トランプ政権が議会上院での承認公聴会に備えて民主党に配慮した可能性が考えられたが、金融政策に関してはややタカ派的なスタンスとされた。トランプ大統領がFRBの利上げをけん制し続ける中、リャン氏としては厳しい状況に巻き込まれることを警戒して辞退した可能性も考えられる。人事を承認する米上院で規制緩和派の議員から就任に反対する意見が浮上していたという。 証券会社カウエンは8日付のリポートで「リャン氏の指名辞退でリスクが増大した」と指摘した。システミックリスクのエキスパートとして経験豊富なリャン氏が辞退したことで、米銀大手には広くネガティブな影響が予想されるとしながら、金融政策に関しては「金融政策の統一性の重要性を理解する人物で、彼女がパウエル議長の価値を低下させる恐れはなかっただけに、パウエル議長による金利の正常化を支持すると見込まれていた」とし、新たに指名される候補はトランプ大統領の意向を受けてパウエル氏の利上げ路線を支持しない恐れがあることから「FRBがマクロ的な不安定要因になる恐れがある」と指摘した。 市場では、トランプ大統領がパウエル議長を解任することは難しいながら、将来的にFRB議長を交代させるために意中の人物を理事として送り込むのではないかと警戒されていた。FRB批判を続けるトランプ大統領だけに、リャン氏に替わる今後の理事候補の指名でFRB攻撃の本気度がうかがえそう。カウエンは「ホワイトハウスは今後数カ月の間に代替候補を出すと見込まれるが、まだ実行可能な候補は聞いていない」と締めくくっていた。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】9日 FOMC議事要旨、イオンなど約40社が決算

9日は11月の毎月勤労統計速報、生活意識に関するアンケート調査などが発表される予定のほか、イオンなど約40社が決算発表を予定している。 海外では11月のユーロ圏失業率などのほか、日本時間10日4時に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表される予定だ。   【9日の予定】 国内 時刻 予定 9:00 11月の毎月勤労統計速報(厚労省) 10:20 6カ月物国庫短期証券の入札(財務省) 13:30 生活意識に関するアンケート調査(日銀) その他 3〜11月期決算=ABCマート、ウエルシア、良品計画、イオン 海外 時刻 予定 0:30 米エネルギー省の石油在庫統計(週間、10日) 4:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月18〜19日開催分、10日) 9:30 11月の豪住宅建設許可件数 19:00 11月のユーロ圏失業率 21:30 ボスティック米アトランタ連銀総裁が講演 23:00 エバンス米シカゴ連銀総裁が講演 その他 カナダ中銀が政策金利を発表 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 7224 新明和、今期配当37円に増 来期は記念配45円 日経 +2.32% 1/8 8273 イズミ、3〜11月期純利益12%減 西日本豪雨で客数減 日経 +0.95% 1/8 3938 LINE、医療関連参入 エムスリーと新会社 日経 +0.51% 1/8 2413 -1.20% 1/8 2702 マクドナルド、昨年既存店6.9%増収 3年連続増 日経 +0.42% 1/8 7201 日産自、ゴーン元会長「潔白」主張 弁護人会見、勾留取り消し請求 日経 +0.21% 1/8 5401 韓国地裁、新日鉄住金資産差し押さえ決定 元徴用工訴訟 日経 -0.36% 1/8 8905 イオンモール、3〜11月期15%最終増益 海外が営業黒字化 日経 -0.61% 1/8 8008 4℃ホールデ、3〜11月期76%最終減益 株売却で税負担増 日経 -0.98% 1/8 3186 ネクステージ、11月期純利益29%増 日経 -1.80% 1/8 2579 コカBJH、「綾鷹」など大型ペットを4月値上げ 実売価格、小売り次第 各紙 -2.43% 1/8

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