債券担当者、新年度は米国債「弱気」・国内株「強気」 QUICK月次調査

市場関係者は新年度、どの資産クラスに強気か弱気か。QUICKが2日まとめた月次調査<債券>によると、債券運用担当者は債券に弱気な一方、株式には強気な見通しを示した。株式相場は世界的な景気回復の流れが支えとなり、債券相場は米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続の影響が強まるとみられている。 米国債券について、回答者の50%が弱気の見通しを示し、強気は11%にとどまった。欧州債券も47%と半数近くが弱気と答え、強気の16%を大きく上回った。欧米の中央銀行による金融正常化の動きが欧米の長期金利の上昇(債券価格の下落)につながる。 国内債券の見通しは弱気が23%で、強気は13%。中立が最も多く65%だったが、全体に弱気派が目立つ。国内金利は日銀が低水準に押さえつけている一方、「国内経済の改善などにより一定の金利上昇圧力が発生する」(銀行)。「安倍首相の支持率低下から政治リスクが意識され、金融緩和の出口論が出てくることには注意が必要」(証券会社)との指摘もあった。 株式に関しては国内や米国、欧州、新興国を問わず、強気の比率が弱気を上回った。米国株は39%が強気で、弱気は22%。国内株は強気が38%に対し弱気と答えたのは20%にとどまった。新興国株も強気が31%と弱気を4ポイント上回った。トランプ米政権が仕掛けた保護主義政策による世界的な貿易摩擦への懸念も「結局は米国景気や世界経済に影響を与えるほどのものにはならない」(銀行)。 国内では安倍晋三政権が「森友問題」に揺れているようにみえるが、「自民党総裁選では安倍総理の再選が予想される。アベノミクス再起動から、18年度下期には大型補正予算の編成が見込まれる」(証券会社)といった見方もあった。 安倍氏はいつまで首相を務めるのかとの質問には、回答者の36%が自民党総裁3期が満了する2021年9月と回答。3期中との答え(27%)と合わせ、63%が2期満了となる18年9月以降も安倍氏が首相を続けると予想している。安倍首相の求心力が低下するなか、アベノミクスは10%が強化されると読み、61%が維持されるという見通しを示した。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

黒田日銀、1期目は及第点?「60点以上80点未満」49% QUICK月次調査<外為>

日銀は9日の金融政策決定会合で、現行の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の維持を決めた。再任される見通しの黒田東彦総裁は記者会見で5年間の金融政策運営を振り返り、日本経済は改善し、デフレではなくなったと成果を強調した。ただ市場では、マイナス金利に伴う金融機関の収益力低下など副作用の指摘も多い。3月の「QUICK月次調査<外為>」※では、黒田総裁の1期目の評価について聞いた。調査期間は3月5~8日。回答者数は76人。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 80点以上は22% 9日の記者会見でも「2%の物価安定目標は達成されていない」として、現行の金融緩和を今後も粘り強く続ける方針を表明した黒田総裁。9日は現体制最後の金融政策決定会合となったが、外為市場関係者の1期目の評価で最も多かったのは「60点以上80点未満」で約半数の49%を占めた。 「60点以上」で見ると、全体の71%。少なくとも外為市場関係者は黒田総裁が主導した異次元の金融緩和に及第点をつけたかたちだ。 高得点と判断できる80点以上は「100点」を合わせて22%にとどまったが「(金融政策で)ぎりぎりまで踏み込んだのは評価できる」と好意的な意見は少なくなかった。 結果として円安が進んで企業業績が上向き、完全失業率は大幅に低下。「経済パフォーマンスが安定し、雇用環境が良好なことは大いに評価できる」との声が上がった。 一方で大規模な国債買い入れにもかかわらず、2%の物価安定目標に近づけない現状に冷めた評価もある。今回は「0点」との評価はなかったものの「政府の協力もなく物価を上げろと言われた日銀に対しては、多少の同情の余地があるため『20点未満』としたが0点でもよい」との回答もあった。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

米利上げペース加速か 年内「4回」予想33%に上昇 QUICK月次調査<外為>

米議会上下両院で就任後初の議会証言に臨んだパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、景気や物価の先行きに強気の見通しを示し、市場は利上げペース加速の可能性を嗅ぎ取った。3月の「QUICK月次調査<外為>」※では、2018年の米利上げ回数について、外国為替市場の担当者に聞いた。調査期間は3月5~8日。回答者数は76人。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 年内利上げ回数 「4回」が大幅に増加 今回の調査期間外だが、前週末9日に発表された2月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想を上回り、米景気の改善持続を印象付けた。市場ではこれまで米利上げ回数は3回との予想が多かったが、パウエル議長の議会証言に加え、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が講演で「年4回の利上げでもペースは緩やかだ」と語るなど、上振れの可能性が出始めている。 市場関係者に米国の2018年の利上げ回数を聞いたところ、最も多かったのは1月調査に続いて「3回」で5割強を占めた。しかしむしろ目を引くのは「4回」を予想する回答が33%と1月の14%から大幅に増加し、逆に「2回」が1月の35%から大きく減少して12%まで落ち込んだことだ。市場の利上げ観測は確実に強まっている。 市場では「米景気が堅調を持続するなかでインフレ圧力が高まり、FRBが利上げペースを加速させる可能性が出ている」との指摘がある。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

円高シフト「105円~110円レンジに移行した」73% QUICK月次調査<外為>

昨年は1ドル=110~115円を中心に推移していた円相場だが、2018年2月に入ってから米国の長期金利の大幅上昇をきっかけに、世界同時株安を招き、円高が加速した。一時は1年3か月ぶりの高値水準を付ける場面もあった。3月の「QUICK月次調査<外為>」※では、2018年度の為替相場の中心レンジ予想や、円相場を動かす注目要因などについて、外国為替市場の担当者に聞いた。調査期間は3月5~8日。回答者数は76人。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。  前週末9日に公表された2月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に上回り、米利上げに追い風になる内容だった。結果を受けて円売り・ドル買いが進む場面もあったが、あまり持続性があるようにも見られない。円相場はすでに1ドル105円~110円のレンジに移行したのか。市場関係者へのアンケートでは「移行した」との回答が73%を占める結果となった。 18年度下期は「110~115円」が42% 2018年度(2018年4月~2019年3月)の為替相場の中心レンジについて上期で最も多かったのは「105~110円」で7割を占めた。一方、下期で多かったのは「110~115円」で42%だった。 市場関係者からは「米国の金融政策正常化の動きは円安を促す材料。米国の税制改革で物価上昇率が高まれば、米利上げペースが速まりドル高圧力が高まる」、「日銀の出口戦略の議論は封印された状況が続くこともあり、夏場にかけては再びドル上昇が予想される」と日米の金融政策の方向性の違いが円安・ドル高基調に戻すとの見方がある。 一方で「100~105円」とさらなる円高を見込む予想も25%と上期より増加しており、見方が割れて上期より予想レンジが上下に広がる結果となった。 「3か月以内の100円割れ」33% 今後3か月以内に円相場が心理的な節目の1ドル=100円を一時的に割り込むとの予想も33%に達した。「米国が貿易政策を急速に転換し、赤字削減の為にはドル安も辞さない態度を強める方向にあるため、100円割れの可能性が高まった」と、大幅な円高を試す展開を予想する意見は少なくない。 注目要因「トランプ政権の貿易政策」が81% 円相場を動かす要因として注目している材料(上位3つを回答)は「トランプ政権の通商政策と米中貿易摩擦」が81%とトップだった。「米経済・物価動向とFRBの金融政策」が78%、「新執行部での日銀の金融政策」が55%で続く。再び関心が高まる米国の通商政策。トランプ米大統領は8日、鉄鋼とアルミニウムの異例の輸入制限の発動を命じる文書に署名し、中国や欧州が強く反発している。 トランプ米大統領の強硬姿勢は今秋の中間選挙をにらんだ動きとみられるが「トランプ政権の貿易政策が一気に保護主義的方向に転換することとなり、これまでの状況とは異なった相場動向になる恐れが強まった。米貿易赤字縮小のため我が国も無傷ではいられない」「すでに欧州連合(EU)や中国などは報復措置を示唆し、世界的な貿易取引が縮小して景気の冷え込みから資本取引も停滞する」と懸念する声が寄せられた。 3月末は1ドル=106円39銭 予想は円高方向にシフト 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは3月末の平均値で1ドル=106円39銭と、2月調査(109円99銭)から円高へシフトした。3カ月後の5月末には107円10銭、6カ月後の8月末には107円93銭の予想。今後6カ月程度を想定した注目の変動要因は、ドルは「政治/外交」、円とユーロは「金利/金融政策」で、特に円に関しては引き続き注目度7割を超えている。 ファンドの運用担当者に外貨建て資産の組入状況について聞いたところ、「ニュートラル」が36%から82%に大幅に上昇した一方で、「オーバーウエート」が27%から9%に低下し、「アンダーウエート」も36%から9%に急激に低下した。 事業法人の業績予想の前提為替レートは、平均値で1ドル=110円00銭と現在の水準(105円39銭~106円14銭)より円安の予想だが、対ユーロでは1ユーロ=127円00銭と現在の水準(129円45銭~131円49銭)より円高の予想となっている。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

日本版「適温相場」持続の条件は個人マネー QUICK月次調査<株式>から

株式市場は2月に入って世界的に調整色を強め、日経平均は年初来7.0%下落した(3月2日)。需給面の主因は外国人投資家であり、年初から現物市場で1.27兆円、先物市場で4.13兆円売り越した(2月23日)。この売りを吸収したのが、日銀のETF買入と共に、個人投資家や投資信託である。年初来、現物市場で各々9470億円、4160億円買い越した。 5日発表のQUICK月次調査<株式>によると、個人と投資信託の相場への影響の評価指数は、昨年末から上昇し、3月調査では各々64.1、61.3となった。 <個人と投信の株式相場への影響の評価> 注:「投資主体の株式相場へのインパクト」は、個人と投信の株式相場への影響を5段階の回答で評価し、50を中立として指数化値。尚、QUICK月次調査では、外国人、金融機関、企業年金・公的資金、事業会社、自己についても同様に評価を指数化。 出所:「QUICK月次調査<株式>」よりMUMSS作成 最近、その存在があまり注目されなかったが、日本の個人資金はしばしば上昇相場の積極的な買い主体であった。1999~2000年、2005~06年には両者の評価指数が70を上回っていた(図表)。 特に投資信託は株式に詳しい個人だけではなく、より幅広い個人が利用しており、資金フローが続く傾向がある。株価にやや遅行する傾向があるが、投資信託は1999・2000年度や2005年度に1兆円以上買い越した。今回、投資信託が2017年秋まで売り越しであったが、個人資金は昨年後半からテーマ型や中小型株を中心に日本株ファンドに流入している。 日本の個人が投資に無関心であった訳ではない。これまで円安が進む中で、個人資金は年間10%前後の配当金を出す毎月分配型投信を通じて外国証券に向かった。 しかし、大手ファンドの減配発表や高金利国通貨の下落を受けて、仕組みのリスクや高い信託報酬が意識されるようになり、毎月分配型投信は2016年末からネットで資金流出に転じた。収益分配額を含めて2017年8月から月間5000億円以上の資金が流出し、毎月分配型投信の純資産残高はピーク43.2兆円から29.5兆円に減少した(2018年1月)。 また、株式投信のうち、2014年以降、地域型金融機関などが利用するケースが多い私募投信の資産残高が相対的に増えている。金融機関は低金利が長期化する中、外債投資を増やしてきたが、米国で利上げが進み、為替ヘッジのコストが上昇している。配当は銀行では業務純益、保険会社では基礎利益に含まれる。今後、一部の金融機関は配当利回りを重視して株式に投資する可能性があろう。 今月のQUICK調査では、今回の株価急落が「適温相場」の転換点であるかについて意見が分かれた。景気拡大と低金利の下での需給要因が株価上昇を支えたと見れば、個人資金の株式市場への流入が日本版「適温相場」が続く一つの条件となるだろう。 株式調査の詳細はこちらのサイトをご覧下さい。 ※QUICK月次調査<株式>の結果を外部の有識者の方に匿名で読み解いていただいた記事です。

3月のQUICK投資家心理指数が急低下 「鉄鋼」アンダーウエート増加 米保護主義警戒か 

3月のQUICK投資家心理指数は50.34と、前月の71.77から急低下した。判断の分かれ目となる50をかろうじて維持した。米長期金利の上昇や、トランプ米大統領が示している鉄鋼などの輸入制限措置が現実味を帯び世界的な貿易摩擦に発展するとの懸念が投資家心理を冷え込ませたようだ。 【QUICK投資家心理指数と日経平均株価の推移】 (注)日経平均株価は各月末の終値 国内機関投資家の資産運用担当者に現在の日本株の組み入れ状況について聞いたところ、基準とする組み入れ比率に対して「ややアンダーウエート」になっているとの回答が17%(前回10%)と増加した一方、「ややオーバーウエート」が29%(同38%)に低下した。 セクター別の投資スタンスでは、オーバーウエートにする業種として「消費」「通信」「電機・精密」を挙げた運用担当者が増加した。半面、アンダーウエートにする業種には、トランプ政権の輸入制限を警戒してか「鉄鋼・機械」セクターとの回答が増加した。 QUICK投資家心理指数は、QUICKが実施している「QUICK月次調査<株式>」の中から、国内機関投資家が運用するファンドの国内株式組み入れ比率のデータに基づいて算出・指数化したもので、50を上回れば国内機関投資家の投資姿勢が「強気」、下回れば「弱気」になっていることを示す。今回の調査は2月27~3月1日に実施した。

「適温相場」は転換点か 米長期金利上昇どこまで? QUICK月次調査<株式>

2月27日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が就任後初の議会証言で、景気や雇用情勢の改善から物価目標達成の確信が強まったと述べた。タカ派的な内容と受け止められ、米国の利上げペースが加速するとの思惑が浮上。米長期金利の指標となる10年物国債利回りは一時、2.92%まで上昇し、ダウ平均は300ドル近く下落した。日本株も売りで反応し、2月の日経平均株価の下落率は2016年6月以来、1年8カ月ぶりの大きさとなった。ついに「適温相場」は転換点を迎えたのだろうか。 毎月実施している株式の市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」で、今回は年央に向けての米長期金利と円ドル相場の展開と、「適温相場」の持続性について聞いた。調査期間は2月27日~3月1日。証券会社および機関投資家の株式担当者158人が回答した。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 米長期金利「3%前後」が44% FOMCに関心 株式市場では、景気拡大と低金利が共存する「適温相場」が続いていたが、米長期金利の大幅な上昇を受け、株価が世界的に調整している。年央に向けて米長期金利(10年物国債)は何%程度になると予想するかと聞いたところ、最も多かったのは「3%前後」で44%、次いで「3%台前半」で38%、「2%台後半」で12%だった。 市場関係者からは「米金利は短期的に行き過ぎ感があり上昇一服を見込むが、年末にかけては3%を試し、超える可能性が高い。ただし、株価に影響を与えると考えられる3%台後半まで上昇する可能性は低い」との回答があった。半面、「米10年債利回りは3%弱の水準で定着を探ると思われるが、FRBの金利見通しが引き上げられれば、上昇余地が生じる」との指摘もあり、米連邦公開市場委員会(FOMC)での議論に関心が高まる。 一段の円高予測は1割どまりも企業業績に重荷 教科書通りなら金利が上がる国の通貨は買われやすく円相場は対ドルで下落しやすいはず。しかし実際には米長期金利が上昇する一方で円が買われている。2日の外国為替市場では2016年11月10日以来、ほぼ1年4カ月ぶりの円高水準を付けた。年央に向けての円の対ドル相場の展開を聞いたところ、最も多かったのは「110円近辺まで円安が進む」で41%、次いで「105円前後でもみ合う」が32%だった。一段と円高が進むとの予想は、「100円近辺まで円高が進む」(11%)と「90円台になる」(1%)を合わせても1割程度にとどまった。 市場では「ドル安への警戒もあるが、それほど大きなものではない」と円高は早晩一服するとの見方が大勢のようだ。ただ「国内企業は1ドル=110円程度なら2ケタに近い経常増益が見込まれるが、105円だと1ケタ台後半に伸びが鈍化する公算が大きい」と、現状の円相場水準でも企業業績への影響を懸念する市場関係者も少なくない。 「日米金利差の拡大にも関わらず継続するドル安が気がかり」との声があるのも事実で「足元は若干修正されつつあるが、リスクオフの中での円買い圧力もあり、円相場は節目の1ドル=105円を超えて上昇する可能性もある」との意見もあった。 「適温相場」の終焉に警戒感も 2月に入ってからの株式相場の急落がこれまでの「適温相場」の転換点だと思うかと聞いたところ、「転換点だと思う」とする回答は27%だった。「金利は上昇するが、株価の上昇傾向は続く」が最も多い30%、「一時的であり、適温相場は続く」が25%と、株式相場に強気な見方は根強いが、ピークアウトへの警戒感も広がりつつある状況だ。 市場関係者からは「昨年の適温相場(景気拡大とインフレ見通し低位安定)から、今年はリフレーション相場(景気拡大ペース一服とインフレ見通し上昇)になる」との意見が聞かれた。「円高進行による株安で当面は下落する可能性が高い」との見方もあった。 一方で「米景気の改善は続き、1年を通してみれば適温相場は継続する」「低金利・株高という意味合いでの適温相場は終了したと思うが、景気や金融市場には余熱がある。株式市場の明確な調整局面入りはまだ先」との指摘もあった。 日経平均予想は2万2449円 大幅に下方シフト 「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しは、3月末の水準で2万2449円(平均値)で、前回調査(確報)の2万3465円から大幅に下方へシフトした。5月末には2万3070円、8月末は2万3448円を見込む。今後6カ月程度の株価の変動要因としては、「景気・企業業績」の注目度が前月比5ポイント低下し39%となった一方、「海外株式・債券市場」が10ポイント上昇して28%だった。 国内の資産運用担当者61人を対象にセクター別の投資スタンスについて質問したところ、オーバーウエートの比率が最も高かったのは「電機・精密」で30%、次いで「消費」が14%。逆にアンダーウエートの比率が最も高くなったセクターは「公益」だった。 ※「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

日銀新執行部、物価目標とマイナス金利は「維持」9割 QUICK月次調査<債券>

政府は2月16日、日銀の黒田東彦総裁を再任し、副総裁に日銀の雨宮正佳理事、積極的な金融緩和を訴える「リフレ派」の若田部昌澄・早大教授を充てる人事案を国会に提示した。2月の「QUICK月次調査<債券>」※では、日銀の新執行部が金融政策を今後1年、どのように運営すると予想するか市場関係者に聞いた。調査期間は2月20~22日、回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者134人。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 国債買い入れは「減額」が「維持」上回る 現行の金融政策のうち、2%の物価安定目標とマイナス金利については市場関係者の9割超が現状維持を見込んだ。「新執行部になっても実質はほとんど何も変わらないであろう。淡々と2%の物価上昇を目指して金融緩和を続けることが予想される」と冷めた見方が多い。 ETF・J-REITの買い入れは8割以上、長期金利ターゲットについても7割以上が「維持」と回答した。 「安倍晋三政権が続く限り、景気配慮型の金融政策運営は避けられず、長短金利操作目標ならびにETF購入額の変更は難しい」との指摘があった。「年後半に国内の物価上昇が進み円安基調になれば、日銀の長短金利操作の微修正に加えてETFなどリスク資産の買い入れ減額が可能になる」との声も一部であるが、株式市場を動揺させかねないETFの買い入れ減額は難しいとの見方が優勢だ。 一方で国債の買い入れ額については「減額」が50%と「維持」(46%)を超えた。「国債買い入れ額はステルス・テーパリングのもとで既に減らしており、この傾向が続く」との指摘があった。一方で昨夏に日銀審議委員となった片岡剛士氏に続いて「リフレ派」の若田部氏が副総裁に就くなか「インフレが鈍化すれば、円高阻止のためにマイナス金利を深掘りし、財政拡張を支援する国債購入を増額させるだろう」との予想もあった。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

米金利上昇とドル安の同時進行、「一時的」7割 QUICK月次調査<債券>

米長期金利の指標である10年物国債利回りが約4年ぶりの高水準まで上昇し、節目の3%突破への警戒感が市場では根強い。2月上旬の世界同時株安の引き金となった米国の金利動向を、市場はどうみているか。2月の「QUICK月次調査<債券>」※では、米長期金利上昇の持続性について聞いた。調査期間は2月20~22日、回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者134人。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 米長期金利、3%近辺が上限か 2月21日公表の1月30~31日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、大半のメンバーが短期的な景気見通しやインフレ見通しを引き上げたことが明らかとなった。これを受けて、景気拡大期待は強い一方で利上げペースの加速観測が高まり、米長期金利は2.95%付近まで上昇。市場では米連邦準備理事会(FRB)が年内に4回の利上げに踏み切るとの予想が増えている。 米長期金利の上昇は教科書通りならドル高要因だが、実際には外国為替市場ではドル安が進行した。こうした米長期金利上昇とドル安の持続性の有無について聞いたところ、「持続性がある(中長期的な変化)」との回答は31%にとどまり、「持続性はない(一時的な動き)」が69%を占めた。 市場参加者からは「市場の(米利上げの)織り込みが十分に進み、さらなる金利上昇は限られる」「足もとの米長期金利の上昇は米財政赤字拡大への懸念、ドル安は海外勢によるポジション調整の米債売却によるもので一時的。ポジション調整が一服すれば、米長期金利の上昇を受けた海外勢の米債再購入の動きから、米長期金利は3%近辺で高止まり、ドル高に転じる」といった声があった。 一方で「ドル安は米国の保護主義的なスタンスに加えて米利上げを相当程度織り込んだこと、国内勢の米債処分売りやドル買いポジションの巻き戻しなどが背景で、当面はドル高に転じにくい」といった意見もあった。 債券価格変動要因は「短期金利/金融政策」に注目 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り低下を予想する結果となった。新発10年物国債の金利見通しは1カ月後が0.062%、3カ月後が0.076%、6カ月後が0.090%と、1月調査(0.072%、0.086%、0.101%)に比べていずれも低下した。今後6カ月程度で注目する債券価格の変動要因で最も多かったのは「短期金利/金融政策」が56%、次いで「海外金利」が24%だった。 資産運用担当者64人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」(56%)と「かなりアンダーウエート」(8%)がそれぞれ1ポイント低下した一方、「ややオーバーウエート」(4%)が2ポイント上昇した。「ややアンダーウエート」(32%)は変わらずだった。

北朝鮮情勢、五輪後どうなる? そのとき円相場は…… QUICK月次調査<外為>

韓国で9日に平昌冬季五輪が開幕し、アスリートの活躍だけでなく、北朝鮮による「ほほ笑み外交」が注目を集めている。金融・資本市場にとって北朝鮮情勢は、相場に重大な影響を及ぼしかねない関心事のひとつ。平昌冬季パラリンピックが閉幕する3月18日までは「異変」はない、というのが市場のコンセンサスとなっているが、はたして五輪・パラリンピック後はどうなるのか。 2月の「QUICK月次調査<外為>」※では、北朝鮮情勢や地政学リスクが円相場に与える影響、トランプ米政権のドル政策について、外国為替市場の担当者に聞いた。調査期間は2月5~8日、回答者数は78人。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 北朝鮮情勢、「緊張高まって円高」が60% 平昌五輪終了後の北朝鮮情勢について展望を聞いたところ、最も多かったのは「不透明な情勢が続き、円相場の不安材料」で回答全体の60%に達した。次いで「緊張が高まる方向に傾いて円高材料」が33%と、外為市場参加者の間では北朝鮮情勢への警戒は怠れないとの見方が大勢だ。円相場の方向性としては北朝鮮情勢を材料に円高方向を見込む向きが多い。 回答者からは「平昌五輪もあり、しばらくは落ち付いた展開になりそう。落ち着いている間に、株価調整は済ませておきたい」「平昌五輪後のリスク回避(姿勢の強まり)が少し気になるが、それがはやされるのはまだ先の話」といった声が聞かれた。一方、「中国で全人代が3月前半に開催されるが、その後、米国の北朝鮮先制攻撃の可能性が高まるだろう」と警戒を強める見方もあった。 米国のドル政策、「従来と変わらない」74% トランプ米政権のドル政策を巡っては、ムニューシン米財務長官による異例のドル安容認発言を受け、1月25日の東京市場で円相場は1ドル=108円台まで上昇した。その後、トランプ米大統領が「強いドルが望ましい」と財務長官の発言を打ち消し、早々に沈静化を図ったものの、市場では輸出増を狙う米国の通商政策への思惑もあり、ドル安・円高方向に相場が傾きやすい状況が続いている。 今回の月次調査で「米国の為替相場に対する今後の姿勢」を聞いたところ、最も多かったのは「従来とあまり変わらない」で77%。次いで「ドル安重視が強まる」が22%。「ドル高重視が強まる」は4%にとどまった。 回答者からは「米国は今後のインフレ動向と、それをパウエル新FRB(米連邦準備理事会)議長がどう考えるか次第。その判断に大きな影響を与えると考えられるFRB副議長の人事が重要」「今秋に中間選挙を控えるなか、ドル高が加速するシナリオは考えにくい」といった意見の一方、「米国の金融政策の正常化は円安を促す材料。米税制改革の実施で物価上昇率が高まれば利上げペースが想定より速まる可能性も意識される。ドル高圧力が高まる場面もあるだろう」といった指摘も聞かれた。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

日銀は大規模緩和をいつ修正するのか QUICK月次調査<外為>

日銀は現行の大規模な金融緩和策(長短金利操作付き量的・質的金融緩和)をいつ修正するのか――。米国発の金融・資本市場の動揺が収まらないなか、円相場や日本株の先行きを占ううえで市場参加者が注目するテーマだ。黒田東彦日銀総裁の再任報道もあり、日銀の次の一手への関心が高まる。 2月の「QUICK月次調査<外為>」※では、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)の調整・上場投資信託(ETF)の買い入れ縮小の時期などについて、外国為替市場の担当者に聞いた。調査期間は、日米株が乱高下した2月5~8日。回答者数は78人。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 YCCの調整時期、年内が4割近く 日銀が進めてきた大規模な金融緩和策については、縮小観測は一部で浮上している。しかし、日銀は2月2日、利回りを指定して国債を無制限に買い入れる指し値オペ(公開市場操作)を約7カ月ぶりに実施。長期金利は狙い通りに0.1%手前で抑えられ、日銀は現時点では市場でくすぶる誘導金利水準の引き上げ観測を後退させようと努めているもようだ。 2月9日から10日にかけては、市場ではコンセンサスだったとはいえ、黒田東彦日銀総裁の続投も報じられた。 今回、日銀が現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)の調整に乗り出す時期について聞いたところ、最も多かったのは「2018年後半」で32%、次いで「2019年」が30%、「2020年」が17%だった。「(調整時期は)こない」という回答も9%あった。「2018年前半」(5%)と合計すると、外為市場関係者の4割近くは年内のYCC調整を予測していることになる。 市場関係者からは「春季労使交渉で賃上げがある程度高めで決着すれば、物価上昇への人々の拒否反応が和らぐ可能性があり、物価情勢は日銀の目標である2%に近づいて行く。その流れが日銀の金融政策正常化観測を強める可能性は否定できず、YCCの調整等への期待感が強まる」との指摘があった。一方、「円高を恐れている限り、いつまでたっても日銀に出口はない」といった冷めた意見も寄せられた。 日銀によるETF(上場投資信託)買い入れ額の縮小時期について聞いたところ、「2019年」が45%と大多数を占め、次いで「2018年後半」が19%、「2020年」が14%だった。 ETFの買い入れ方針を見直せば株式市場に混乱を招く恐れもあり、早期の縮小は難しいとの見方が多いもよう。調査期間中に世界同時株安が発生したこともあり「株価暴落が一時的か否かでその先々の金融政策に影響を及ぼす」と株式相場の動向を重視する声が上がった。 2月末は1ドル=109円99銭 予想は円高方向にシフト 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは2月末の平均値で1ドル=109円99銭と、1月調査(111円26銭)から円高へシフトした。3カ月後の4月末には111円01銭、6カ月後の7月末には111円97銭の予想。今後6カ月程度を想定した注目の変動要因は、円・ドル・ユーロすべて「金利/金融政策」で、特に円に関しては、引き続き注目度7割を超えている。 ファンドの運用担当者に外貨建て資産の組入状況について聞いたところ、「ニュートラル」が67%から36%に大幅に低下した一方で、「オーバーウエート」が11%から27%に上昇し、「アンダーウエート」も22%から36%に上昇した。 事業法人の業績予想の前提為替レートは、平均値で1ドル=110円60銭と現在の水準(109円02銭~109円90銭)より円安の予想だが、対ユーロでは1ユーロ=132円00銭と現在の水準(134円36銭~136円71銭)より大幅に円高の予想となっている。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

持ち合い株「削減すべき」6割 資本コストの意識の低さ課題に QUICK月次調査<株式>

2017年10月、約11カ月ぶりに「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」が開催されました。金融庁で開かれたこの会議では、投資家と企業の対話の深化を目的とした企業向けのガイダンスを策定するとともに、必要なコーポレートガバナンス・コードの見直しと検討が行われます。2018年6月の株主総会シーズンまでに、テーマに沿って議論が展開される見通しです。 毎月実施している株式の市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」で、コーポレートガバナンス・コードの重要課題と、政策保有株、資本コストについて聞きました。調査期間は1月30日~2月1日で、証券会社および機関投資家の株式担当者153人が回答しました。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 コーポレートガバナンス・コードの課題は「資本コストへの意識の低さ」 コーポレートガバナンス・コードの実効性を高めるため、金融庁のフォローアップ会議では6つの課題を挙げています。持続的な企業価値の向上のために、最も優先すべき課題はどれだと思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「経営者の資本コストに対する意識の低さ」で42%、次いで「過大な現預金の積み上がり」が36%、「社外取締役の実効的な取り組みの不十分さ」が10%、「CEO(最高経営責任者)の育成・選任プロセスの不透明さ」が6%、「進展の見られない政策保有株式の削減」が4%、「企業年金によるスチュワードシップ・コードの受け入れの少なさ」が2%という結果でした。 市場関係者からは「コーポレートガバナンス・コードやフォローアップの動きは悪くはないが時間がかかる。尖った会社が先を走り、成功例を見せないと危機感は高まらない」、「他社が実施しているため追随しているだけという企業も多く、ここから先の踏み込んだ改革は厳しい。企業や投資家に対する大きな負担となっていることも事実で、金融庁は双方への負担を十分に配慮しながら仕組み作りを行う必要がある」などの指摘が寄せられました。 「政策保有株式が必要以上に多い、あるいは資本コストが低い状況は、一般的には株主から許容されるものではないとの認識を経営者が持てばよい」といった声もありました。 持ち合い株は「削減すべき」6割 求められる資産効率の改善 政策保有株式、いわゆる「持ち合い株」は日本で広く慣行として行われていますが、海外の投資家からは正当な競争の妨げになるとして懸念材料となっています。株の持ち合い解消に向けた措置を講ずるべき、との意見もあるなか、政策保有株式をどのようにお考えですか、と聞いたところ、最も多かったのは「資産効率を悪化させているので削減すべき」(41%)で、「経営者の保身につながるので削減すべき」(13%)と「不健全な取引関係につながるので削減すべき」(5%)を合わせると、削減すべきという回答は6割近くにのぼりました。その一方で、「企業の自主性に任せるべき」との回答は39%ありました。 その他には「削減が望ましいが、企業価値の向上に資するものについては、保持する必要がある」「ある程度は認められて良い。企業側の必要性の説明が求められる」と保持することへの一定の理解の声があがりました。 市場関係者からは「金融機関にとっては、政策株の保有がリレーションにつながる場合も多く、政策保有株の削減には時間がかかるものと考えられるが、ESG投資やIT投資に対する注目が集まる中、今後は資産配分や投資効率が重要な経営指標として意識されることが予想される。経営者報酬と企業価値との連動性を高めることが、中長期的な企業価値向上につながるものと考える」といった意見が寄せられました。 資本コストの意識向上へ報酬見直しなど必要 資本コストを上回る利益を上げなければ株価低迷を招きますが、日本の企業経営者はそうした意識が低いとみられています。では、資本コストに対する経営者の意識を高めるために何が重要だと思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「経営者報酬の企業価値連動の比重を高める」で31%、次いで「企業と投資家の建設的な対話のテーマとする」と「企業が想定する資本コストを自ら開示する」が30%と拮抗しました。「経営者と経営幹部に資本コストの理解を高める研修をする」は6%にとどまりました。 その他には「上場廃止のハードルを低くし、対話のできない経営者が居座る会社を株式市場から退出させる」「上場企業の買収防衛策を原則禁止とするように会社法を改正する」、「経営者の資本戦略を厳しく監視する役職を設置する」などの厳しい声が上がりました。 「日本国内において、経済・金融に関する知識の少なさ、関心の低さが影響している。海外と同様の資本コストを意識させるためには、投資家との対話だけではなく、国民の教育も必要」といった意見もありました。 一方では「企業の経営に資本コストを考える必要はない」「日本企業は資本効率が低いという批判は、日本が社会的に安定しているという評価の裏返し」といった反論も寄せられました。 日経平均予想は2万3468円 5カ月ぶりに下方シフト 「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しは、2月末の水準で2万3468円(平均値)でした。前回調査(確報)の2万3734円から5カ月ぶりに下方へシフトしました。4月末には2万3910円、7月末は2万4241円を見込んでいます。今後6カ月程度の株価の変動要因としては、「景気・企業業績」の注目度が前月と比べて7ポイント低下したものの、4割強を占めています。 国内の資産運用担当者53人を対象にセクター別の投資スタンスについて質問したところ、オーバーウエートの比率が最も高かったのは「電機・精密」で24%、次いで「素材」が18%、逆にアンダーウエートの比率が最も高くなったセクターは「公益」でした。 ※「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

日銀の長短金利操作 「年内に調整」が5割近くに QUICK月次調査<債券>

日銀が現行の金融政策の修正に動くのではないか、との警戒感が市場で根強い。黒田東彦総裁がダボス会議で「粘り強く金融緩和を続ける必要性」を強調したにもかかわらず、市場では円高・ドル安が進んだ。市場は日銀の金融政策の方向性をどう見ているのか。1月の「QUICK月次調査<債券>」※では日銀の出口戦略について聞きました。調査期間は1月23~25日、回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者143人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 日銀のYCC調整「2018年後半」が39% 日銀は1月23日に開いた金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和の維持を決めました。2%の物価目標の達成時期の見通しも「2019年度ごろ」のままで据え置きました。金融市場では、9日の国債買い入れオペ(公開市場操作)で、超長期ゾーンを対象とした国債の購入減額に踏み切ったため、日銀が近く緩和縮小に動くのではないかとの思惑が一部で浮上していました。 今後の日銀による金融緩和について、イールドカーブ・コントロール(YCC)の調整時期を聞いたところ、最も多かったのは「2018年後半」で39%、次いで「2019年」が27%でした。「2018年前半」も6%と、5割近くが年内にもYCCの見直しがあると予測しています。 一方、ETF(上場投資信託)買い入れ額の縮小時期を聞いたところ、最も多かったのは「2019年」で30%、次いで「2018年後半」が23%。「(買い入れ縮小時期は)こない」との回答も1割ありました。 市場参加者からは「世界景気の過熱と原油高が続き、インフレ加速により米長期金利の上昇基調が強まった場合は、円安が進み、YCCの調整(長期金利誘導目標の引き上げ)に動くと見る」、「春季労使交渉における賃上げ率が3%程度で着地した場合、政府はデフレ脱却宣言を行い、日銀も均衡イールドカーブの上昇を根拠に国債金利目標を少し引上げる可能性がある」といった声が聞かれました。 半面、「超長期オペの減額のみで強烈に円高になってしまっていることを考えると、そうそう出口を意識させるような行動を取りづらい。今の政策を続けていくことが一番可能性としては高い」という声をはじめ、黒田総裁が続投なら当面の政策スタンスに変化なしといった見方も少なくないようです。 国内債券に対する「ややアンダーウエート」が上昇 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは1カ月後が0.072%、3カ月後が0.086%、6カ月後が0.101%と、12月調査(0.055%、0.069%、0.090%)に比べていずれも上昇しました。今後6カ月程度で注目する債券価格の変動要因で最も多かったのは「短期金利/金融政策」が61%、次いで「海外金利」が20%でした。 資産運用担当者68人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が57%と5ポイント低下した一方、「ややアンダーウエート」が32%と8ポイント上昇しました。「ややオーバーウエート」(2%)は2ポイント、「かなりアンダーウエート」(9%)は1ポイント低下しました。

年内の期待インフレ率、1%未満が大半 上昇のカギは「賃金」 QUICK月次調査<債券>

総務省が26日に公表した2017年のCPI(消費者物価指数)は値動きの激しい生鮮食品を除く総合で年平均100.2と、前年比0.5%上昇。2年ぶりにプラスに転じましたが、エネルギー価格の上昇によるところが大きく、需要拡大がけん引する物価上昇は限られています。1月の「QUICK月次調査<債券>」※では、日本の期待インフレ率の方向性について聞きました。調査期間は1月23~25日、回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者143人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 期待インフレ率、2%遠く 「0.8~1%に上昇」が4割超 足元の物価上昇率は目標の2%にはほど遠いものの、国内の金融市場で物価の上昇見通しが強まりつつあります。10年物国債と物価連動債の利回りの差で算出する、期待インフレ率を示す「ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)」は昨年秋から上昇基調を強め、1月17日時点で0.630%前後と2017年1月4日以来、約1年ぶりの高水準となっています。日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)によって10年物国債の利回りがゼロ%台で推移するなか、物価連動国債の利回り低下(価格上昇)がBEIを高めています。 そこで、日本の10年BEIの年内の方向性の予想を聞いたところ、最も多かったのは「0.8~1%に上昇する」で46%、次いで「ほぼ横ばい」が33%、「1~2%に上昇する」が18%でした。日銀が目指している「2%超に上昇する」との回答は1%にとどまりました。 市場関係者からはBEIの上昇について「原油上昇や日本のCPIが強い結果となっていること、グローバルBEIが強くなっていることが大きな背景」との指摘がありました。一方で「さらなる上昇はYCC解除による名目金利上昇やCPIが1%を超える展開にならなければ難しい」との見方もありました。 期待インフレの変化要因 「賃金」が4割弱で最多 BEIの今後の変化の要因として最重視しているものは何ですか、と聞いたところ、最も多かったのは「賃金」で39%(55票)、次いで「原油価格」が29%(41票)、「金融政策」が10%(14票)、「債券需給」が8%(11票)、「為替相場」が6%(9票)、「GDPギャップ」が5%(7票)でした。その他では「CPI」「消費」「株価」「企業業績」などがあがりました。 2018年の労使交渉に関して経団連は「賃上げ3%」という異例の目標を打ち出しています。市場関係者からは「賃上げと消費税増税を控えた駆け込み需要、原油価格上昇などの要因が重なり、18年度後半には物価上昇率2%が展望できる状況になる可能性がある」といった声がありました。「広範に『ステルス値上げ』が始まり、消費金額全体は野菜の値上がりも含め増えるが、決して消費が堅調なわけではない。パートの時間当たり賃金は最低賃金の上昇率と歩調を合わせているが、中小企業の正規社員の賃金(受取総額)が増えるかに注目したい」といった回答もありました。

どうなるビットコイン 今後の相場展開は? QUICK月次調査<外為>

インターネット上の仮想通貨、ビットコインの値動きが激しくなっています。昨年12月17日にドル建て価格は1ビットコイン=1万9700ドル台の最高値を付けた後に失速し、今年1月中旬に入ってほぼ半値まで急落しました。 1月の「QUICK月次調査<外為>」※では、外国為替市場の担当者にビットコインの行方について聞きました。調査期間は1月15~18日、回答者数は73人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 「すでにピークアウト」41% 2018年末に向けて、ビットコインがどのような相場展開になると思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「乱高下を繰り返し、トレンドが定まらない」で46%、次いで「すでにピークアウトし、大きな流れとしては下落基調をたどる」が41%で続きました。「大きな流れとしては再び上昇基調をたどり、いったんは最高値を更新する」は10%にとどまりました。 市場関係者からは「ビットコインから他の仮想通貨へ資金シフトが活発化すると思われる」、「仮想通貨全般では大きな上昇余地があるが、ビットコイン単体では上値が限定される」といった声も聞かれました。 3月のG20会合に注目 仮想通貨への投機が過熱し、価格の乱高下で取引リスクへの懸念が強まっていることから、3月にアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、フランスやドイツの呼びかけによって、仮想通貨の国際的な規制を話し合うと報じられています。仮想通貨がG20会合の議題に取りあげられるのは初めてで、注目が集まりそうです。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

トランプ米大統領就任1年 膠着ドル円相場、どちらに動く? QUICK月次調査<外為>

トランプ米大統領の就任から1年。就任前から差別的発言や過激な言動が物議を醸し続け、ロシアとの不透明な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」は米政権を取り巻く不安の種として今も尾を引いています。その一方、米ダウ平均は1月17日に2万6000ドル台に乗せて取引を終え、最高値を更新しました。1月の「QUICK月次調査<外為>」※では、トランプ米大統領の就任初年度の評価、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ回数、ドル円相場のトレンド、2018年の取引材料などについて、外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は1月15~18日、回答者数は73人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 トランプ米大統領 就任初年度の評価は? トランプ米大統領が2017年1月20日に正式に就任してから1年を迎えました。就任直後から米国市場は“トランプ相場”に沸き、2017年末にはおよそ30年ぶりとなる大規模な税制改革を実現しました。しかし米国での世論調査では歴代大統領の中で最も支持率が低迷しているのも事実です。同氏のこの1年の取り組みについてどう評価しますかと聞いたところ、最も多かった回答は「一定の評価はできる」で5割を超えました。その半面、「あまり評価できない」(31%)、「まったく評価できない」(14%)と否定的な回答が4割を超えました。 市場関係者からは「トランプ政権は不規則な言動の割には経済に悪影響を及ぼしていない点で一定の評価に値する。中間選挙についても選挙前にとんでもない行動に出なければ、世界同時景気拡大のなか勝算が高まる」といった声も聞かれました。 FRBは12月に利上げを実施したため、1月末の会合では追加利上げを見送る公算が大きいですが、3月の利上げ観測は高まっています。2018年の米国の利上げ回数について聞いたところ、一番多かった回答は「3回」で47%、次いで「2回」が35%、「4回」が14%でした。6割近くが2回以下を予想した11月のQUICK月次調査<債券>と比較すると、積極的に利上げするとの予測が増えています。 市場関係者からは「米税制改革の実施で物価上昇率が高まれば、利上げペースが想定より速まる」「FRBは3回利上げをメーンシナリオに置いているが、4回の可能性も排除できない」「賃金上昇率が高まれば、FRBの利上げのペースアップもありうる」といった声が多く聞かれました。 2018年のドル円相場 円安派・円高派は拮抗 2017年のドル円相場の年間値幅はわずか11円28銭(107円32銭~118円60銭)で、狭いレンジ内での推移となりました。では、2018年のドル円相場の値幅はどのようなトレンドになるかと聞いたところ、最も多かったのは「同水準にとどまる」で5割強を占め、次いで「拡大する」が34%でした。さらに今後ドル円相場が現在のレンジから離れる場合、まずどちらに動くと予想しますか、と聞いたところ、「円安方向」が51%、「円高方向」が49%と拮抗しました。 2018年の円ドル相場の年末水準を聞いたところ、平均値は114円05銭でした。最高値(=円高・ドル安)は106円72銭で、最安値(=円安・ドル高)は118円05銭となりました。最高値は1月と12月に、最安値は12月に付けるとの予想が多く、年末に向けて円安もしくは円高が進行するという、両極端の見方が市場関係者にあるようです。 市場関係者からは「原油高を背景に各国の期待インフレ率は小幅ながら上昇し、日銀が長期金利の操作目標を引き上げるのではないかという思惑も市場の一部にみられ、ドル円は目先、ややドル安・円高に振れやすい地合いが続く。ただ年内を展望した場合、日銀が政策を据え置く一方、FRBは緩やかなペースで利上げを続けると思われ、ドル円は年末に向けてゆっくりとドル高・円安が進む」といった声も聞かれました。 日銀 黒田総裁再任予想が8割、副総裁は雨宮理事が6割 今年4月の黒田東彦総裁の任期満了後、日銀執行部の新体制はどうなると予想しますか、と聞いたところ、総裁の後任は「黒田東彦・日銀総裁」の再任予想が79%で、前回調査と同じく他の候補を大きく引き離しています。 副総裁も前回と同様に「雨宮正佳・日銀理事」が最多で63%となりました。次いで「中曽宏・日銀副総裁」が36%、「伊藤隆敏・コロンビア大学教授」が26%、そして「若田部昌澄・早稲田大学教授」が12月調査の12%から23%に上昇しました。 市場関係者からは「黒田日銀総裁は続投するものと思われ、2期目に入ると将来的な出口政策の議論が今より活発化するはず。その過程をマーケットが先読みするため、ドル円はしばらく円高方向に振れやすくなるだろう」といった見方もありました。 2018年も為替市場の材料として最注目はFRBの金融政策 2018年の外国為替市場の材料として最も注目しているものは何ですかと聞いたところ、パウエル新体制がスタートする「FRBの金融政策」が32%で最多で、次いで「日銀の金融政策」が31%でした。「米景気」が11%、「米政権の動向」が10%、「北朝鮮情勢」が8%、「米株式相場」が7%と続きました。 市場関係者からは「膠着した昨年と異なり、今年は波乱要素が多数。大きく変動する可能性があるが、基本は米国(特に金融政策だが、景気動向ならびに政権動向も含む)要因と考える」、「米国の減税政策を受けて、景気・賃金・物価の過熱が起きるのかどうか、それが米国の景気後退を早めるのかに注目している」、「米トランプ政権の内部状況が依然として懸念材料で、政権基盤の脆弱性が表面化すれば、更なるドル安につながるおそれもある」など、米政権に対する懸念の声が多数あがりました。 1月末は1ドル=111円26銭 予想は円高方向にシフト 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは1月末の平均値で1ドル=111円26銭と、12月調査(113円37銭)から円高へシフトしました。3カ月後の3月末には112円17銭、6カ月後の6月末には113円37銭の予想です。今後6カ月程度を想定した注目の変動要因は、円・ドル・ユーロすべて「金利/金融政策」で、特に円に関しては注目度7割を超えています。 ファンドの運用担当者に外貨建て資産の組入状況について聞いたところ、「ニュートラル」が75%から67%に低下し、「オーバーウエート」が25%から11%に低下した一方で、「アンダーウエート」が0%から22%に上昇しました。 事業法人の業績予想の前提為替レートは、平均値で1ドル=111円33銭と現在の水準(110円71銭~110円81銭)より円安の予想ですが、対ユーロでは1ユーロ=124円00銭と現在の水準(135円31銭~135円58銭)より大幅に円高の予想となっています。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

国内機関投資家、日本株に強気 1月のQUICK投資家心理指数上昇、16年12月以来の水準に

2018年1月のQUICK投資家心理指数は76.92と、前月の70.52から上昇した。2016年12月(80.59)以来、1年1カ月ぶりの高水準となった。日経平均株価は大発会から3日続伸し、1000円超上昇。9日には2万3849円と約26年ぶりの高値をつけたこともあり、投資家心理が強気に傾いた。また、4カ月連続で節目となる50を上回った。 QUICK投資家心理指数は、QUICKが実施している「QUICK月次調査<株式>」の中から、国内機関投資家が運用するファンドの国内株式組み入れ比率の状況のデータに基づいて算出・指数化したもので、50を上回れば国内機関投資家の投資姿勢が「強気」、下回れば「弱気」になっていることを示す。 18年1月の調査期間は1月9日~11日。 セクター別では「電機・精密」や「自動車」のオーバーウエートが増えた一方、「公益」や「医薬・食品」をアンダーウエートとする向きが増えた。国内株式担当者による1月末の日経平均の予想値は平均で2万3729円と、9日につけた高値には及ばないとの見方だ。 

18年度増益予想は9割超 リスクは米国株急落 QUICK月次調査<株式>

2018年初めての取引となった4日の日経平均は、昨年末比741円高と急反発し、26年ぶりに2万3500円台を回復しました。祝日明けの9日には2万3849円の昨年来高値を付け、2万4000円をうかがう三連騰でのスタート。米国の景気拡大期待の高まりが世界的な株高につながり、日本株の買いを後押ししました。その米国もダウ平均が最高値を更新するなど勢いを継続しています。 毎月実施している株式の市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」で、1月は企業の業績予想や日本株のリスク要因について聞きました。調査期間は1月9日~11日で、証券会社および機関投資家の株式担当者156人が回答しました。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 企業業績の増益予想は9割強 年間最高値予想は2万5907円 今回のアンケート調査で、2018年度の日本のGDP(国内総生産)成長率、日米長期金利、為替を予想してもらったところ、 ・GDP実質成長率=1.46%(1.15%) 名目成長率=2.00%(1.57%) ・2018年末の日本の10年国債利回り=0.210%(0.177%) ・2018年末の米国の10年国債利回り=2.804%(2.756%) ・2018年末の為替レート 1ドル=114.9円(117.2円) 1ユーロ=136.1円(122.8円) となりました(カッコ内は2017年度予想)。GDP成長率の拡大期待が大きく、日本の10年債利回りも、現行の長期金利の誘導目標であるゼロ%程度より高い水準を見込む予想が目立ちました。 2018年度の企業業績(金融を除く上場企業、経常利益)については、「10~20%の増益」が最多の52%。次いで「1桁の増益」が45%で、増益予想が9割を優に超えました。昨年の調査から「10~20%の増益」を予想する企業がわずかに減少したものの、「1桁の増益」が1.6倍に増えました。一方、減益を予想する市場関係者は昨年の8%から今回はゼロ%になり、企業業績への見方が強気に転じている様子がうかがえます。 さらに、2018年の株式相場の予想を聞いたところ、日経平均の最高値の平均は2万5907円(2万1605円)、最安値は2万1764円(1万7778円)となりました(カッコ内は2017年予想)。株価が最も高くなる時期は「12月」との予想が多く、次いで多かったのは「6月」でした。高値の時期を12月と回答した平均値は2万6367円となりました。一方、最も安くなる時期は「2月」との回答が多く、平均値は2万2174円という結果でした。 市場関係者からは「日本は2019年の消費税再増税や、2020年の東京五輪に向けて、今年は何としても景気回復を実感できる年にしなければならない状況。働き方改革などの施策を着実に実行し、日本が変わった印象を世界に与えなければ、2019年にかけては増税影響への警戒から、日本株の選好が弱まる展開も想定される」といった声もありました。 今年のリスク要因「米国株急落」が最多 2018年の日本株投資で最重要と考えられるリスク要因について聞いたところ、「米国株の急落」が最も多く31%を占めました。次いで「米国の金融政策変更に伴う混乱」「日銀の金融政策を巡る混乱」がそれぞれ13%、「北朝鮮情勢」「中国の経済・金融の混乱」がそれぞれ11%、「米国の政治的混乱」が9%と続きました。 昨年の調査では「米国の経済政策を巡る混乱」が最も多く全体の45%を占めましたが、今回の調査でも米国に起因するリスクは合わせると53%と過半数を占めています。貿易交渉の行方や米国内の政治問題などを巡るリスクもあり、やはりトランプ米政権への警戒感は拭い切れないようです。 また、今春に黒田東彦総裁の任期満了という節目を迎える日銀の金融政策について、長期金利誘導目標の変更や「出口戦略」を巡る議論が出てくるとの見方もあり、リスクの上位にあがりました。世界的な経済回復の影響を受け、世界第2位の経済力を有する中国の経済動向も見逃せないでしょう。北朝鮮に関しては韓国で開催する平昌冬季五輪に北朝鮮が選手団を派遣する意向を示し、米国とも対話ムードが浮上するなど、やや警戒感はやわらいでいるとの声もあります。 市場関係者からは「市場予想通り今年FRBが3回程度の利上げを行うと仮定すると、フェデラルファンド(FF)レートが2%超に上昇する。その時、商品市場や新興国に滞留している投資資金が米国に還流するか否かがリスク要因」との指摘や、「欧州は比較的安定した動きになり、米国の金融政策変更による混乱はある程度準備していると考えるが、中国の人民元安・景気悪化によるリスクが拡大したときは、一時的にせよ日本・世界の動向に影響を与える可能性がある」といった意見もありました。   日経平均予想は2万3729円 調査開始以降の最高水準を更新 「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しは、1月末の水準で2万3729円(平均値)でした。前回調査(確報)の2万2620円から4カ月連続で上方へシフトし、QUICK月次調査<株式>の調査開始(1994年4月)以降の最高水準となりました。3月末には2万3951円、6月末は2万4295円を見込んでいます。今後6カ月程度の株価の変動要因としては、「景気・企業業績」が5割強を占め、注目度が高くなっています。 国内の資産運用担当者58人を対象にセクター別の投資スタンスについて質問したところ、オーバーウエートの比率が最も高かったのは「電機・精密」で28%、次いで「鉄鋼・機械」が17%、逆にアンダーウエートの比率が最も高くなったセクターは「公益」でした。 ※「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

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