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ネトフリ、契約者伸び増益 膨張する制作費にリスクの芽 【米決算プレビュー:7~9月期】

米主要ハイテク企業の7~9月期の決算発表が16日(日本時間17日朝)から本格化する。先陣を切るネットフリックスの実績や見通しはハイテク株全般に影響を与える可能性があり、米株式相場の先行きを占ううえでも注目される。QUICK FactSet Workstationによると、主要500社の2018年7~9月期の純利益は前年同期比20%程度の増加と8年ぶりの高い伸びが見込まれている。恒例の米決算プレビューで注目企業の読みどころを紹介する。 ネットフリックスの7~9月期業績は拡大基調が続く見通し。QUICK FactSet Workstationによると、市場の予想1株利益(EPS)は前年同期比87.5%増の0.75ドル(15日時点)と大幅増益が見込まれている。業績を左右する動画配信の契約者数について、市場は会社予想を上回るとの予想だ。ただ、足元ではゴールドマン・サックスなど米証券大手の目標株価の引き下げが相次いでおり、アナリストの慎重な見方が台頭している。 【ネットフリックスの18年7~9月期の市場予想】 ・売上高  39億9500万ドル(33.8%増) ・EPS  0.75ドル(87.5%増、Non-GAAP)       0.68ドル(2.3倍、GAAP) (注)※予想はQUICK FactSet Workstation。15日時点、EPSは18社の予想()内は前年同期比。 契約者数は518万人の増加予想 7~9月期はインドなど海外向け動画配信事業が引き続き好調だったようだ。市場予想の契約者数は全世界で518万人程度(前期は515万人、前年同期は530万人)と、会社予想の500万人増に対してやや上振れを見込んでいる。ちなみに4~6月期の契約者数は520万人増と会社予想(620万人増)だけでなく市場予想(637万人増)を大幅に下回り、市場で失望が広がった。 契約者数の増加に加えて、ユーザー当たりの平均収入の増加も収益の押し上げに寄与したようだ。ただ、純現金収支(フリーキャッシュフロー)は赤字基調でゴールドマン・サックスも12日付のリポートでこの点を指摘。18年の独自番組の制作費が33億ドルと前年の20億ドルから大幅に増え、フリーキャッシュフローの赤字拡大を懸念しているという。投資判断は最上位の「買い」を維持したものの、目標株価を470ドルから430ドルに引き下げた。 ネットフリックスはオリジナルを含むテレビ番組や映画をネット配信しており、契約者数は世界で約1億3000万人に膨らんでいる。 市場の目標株価は平均380ドル 主力ハイテク株で構成される「FANG」のなかでも一人勝ちといわれてきたネットフリックス株だが、足元の株価は軟調に推移している。動画配信事業の競争激化に対する警戒感が底流にある。19年には米アップルが動画配信事業を始めるほか、ウォルト・ディズニーはネットフリックスとの契約を打ち切り、独自でコンテンツ配信に乗り出す。9日には、ウォルマートと「007」シリーズを手掛ける映画スタジオ大手のメトロ・ゴールドウィン・メイヤーが動画配信のコンテンツ分野での提携を発表した。 <FANGの年初からの株価推移> (注)青:ネットフリックス、赤:フェイスブック、緑:アマゾン、オレンジ:アルファベット(グーグル)、紫:ナスダック。 競争が激しくなりコンテンツの制作費が膨らむ可能性があるなか、足元の米金利上昇に伴う利払いコストの増加が追い打ちをかけるリスクが台頭。しかし競合の動画配信ビジネスが軌道に乗るには時間を要すため、ネットフリックスは先行者メリットを享受できるとの見方もある。市場平均(43社)の目標株価は380ドルと、15日の終値333.13ドルを1割強上回っており、ネットフリックスに対する成長期待は根強い。(根岸てるみ)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

企業価値研究所

企業業績と世界景気の綱引き 試される日本株 【投資情報マンスリー10月】

IMFは世界経済見通しを下方修正 国際通貨基金(IMF)は、「世界経済見通し」(10月9日公表)で、世界全体の実質GDPの伸び率の予想を前回(18年7月)から下方修正した。特に、19年は新興国の下方修正幅が大きくなっている。米国では歴史的にみてもタイトな雇用情勢が継続しており、これを受け、米国の10年物国債利回りが一時、約7年5カ月ぶりの高水準に上昇。NYダウも史上最高値を更新したものの、長期金利の上昇加速への警戒感も広がりつつある。中国では、中国人民銀行の預金準備率引き下げを受けて、上海総合指数がかえって下落。通貨人民元の動きを含め、神経質な動きが継続しそうだ。 年末にかけ、日経平均は2万5000円も 国内株式相場は好調な米国株との比較から出遅れが意識され、海外投資家の買いなどを背景に上昇。日経平均株価は一時2万4000円台に乗せ、18年1月の年初来高値を上回り、1991年以来、約27年ぶりの高値をつけた。引き続き、米中貿易摩擦、企業の経営コストの上昇や米国の長期金利の上昇およびドル高がもたらす新興国からの資金流出などへの警戒も怠れない。しかし、主要国の政策対応の下支え、堅調な企業業績などを背景に、18年年末にかけ日経平均株価は2万5000円程度に達する可能性がある。ただ、同時に、IMFの「世界経済見通し」の下方修正にみられるように、19年に向けた景気動向も、より意識される展開になるとみている。 執筆:QUICK企業価値研究所 チーフストラテジスト 堀内敏成  (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。   ※個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。  サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。 ※なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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仮想通貨カストディー業務、フィデリティが参入

フィデリティ・インベストメンツが15日、仮想通貨への投資支援を目的にフィデリティ・デジタル・アセット・サービシズLLCを立ち上げた。ヘッジファンドや機関投資家に仮想通貨のカストディー(資産の管理・保管)サービスを提供するという。フィデリティは7兆2000億ドル以上の顧客資産を持つ世界最大の金融サービス・プロバイダ。 フィデリティ・インベストメンツのアビゲール・ジョンソン会長兼CEO(最高経営責任者)は15日の声明文で「我々の目標はビットコインなどのデジタルネイティブ資産を投資家が利用しやすくなる事です。この新しいアセット・クラスを顧客が理解し、使いやすくなるための方法を長期的に投資・実験し続けていきます」との見解を示した。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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サウジの不穏な砂嵐 原油版恐怖指数↗ ETFは5日連続↘

15日の米国市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は続伸。中心限月11月限の清算値は0.61%高の71.78ドルだった。サウジアラビアの著名ジャーナリストのジャマル・カショギ氏が今月2日にトルコのイスタンブールにあるサウジ総領事館に入った後、行方不明となってサウジ当局による殺害疑惑が警戒される中、WTI原油先物は72ドル台に上昇する場面があったが上値は重かった。原油版恐怖指数のOVXは3.10%高の28.59で終えた。 この日の米国市場でサウジアラビア株に連動するiシェアーズMSCIサウジアラビアETF(KSA)は5日続落し、1.83%安の27.31ドルで終えた。14日にサウジアラビアのタダウル全株指数(TASI)が3.51%安の7266.59で終え、一時は下落率が7%を超えて急落した。15日は4.14%高の7567.57で急反発して終えたものの、サウジ情勢への警戒感から不安定な値動きが続き、TASI指数は11日終値(7530.80)をやや上回る程度の水準で戻りは鈍かった。産油国であるサウジの株式はWTI原油先物相場と連動する傾向にあるが、KSAは終値ベースで3月7日以来、7カ月ぶりの安値圏に沈み、著名ジャーナリストの殺害疑惑を巡って連動性が大きく崩れている。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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日本郵政(6178)は1%高、アクトコール(6064)は17%安 15日の夜間PTS

16日の株式市場で、RPA(6572)や鉄人化(2404)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で16日の基準値を大きく上回る水準で約定した。RPAの約定価格は基準値に比べ21.14%高、鉄人化は同17.76%高だった。また、主要銘柄では日本郵政(6178)が基準値を1.52%上回る水準で約定した。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> <10月16日 0時00分時点> 順位 コード 銘柄名 基準値比 売買高 (千株) イベント 1 6572 RPA +21.14% 1.7 (10/15)業績上方修正 通期営業利益6.58億円→9.06億円 2 2404 鉄人化 +17.76% 2.2 (10/15)通期決算 経常利益 2.1倍 3 7035 anfac +17.03% 13.7 (10/15)通期決算 経常利益 61.4%増 4 5271 トーヨーアサノ +15.86% 20.0 (10/15)ストップ高 東証 5 7610 テイツー +14.04% 349.4 (10/15)2Q決算 経常利益 2.7倍 6 7608 エスケイ +13.83% 43.3 (10/15)ストップ高 東証 7 4344 ソースネクスト +11.06% 22.2 (10/15)年初来高値更新 東証 8 3547 串カツ田中 +10.13% 1.7 (10/16)現引き停止 開始日 東証 9 3627 ネオス +8.38% 127.9 (10/15)ストップ高 東証 10 7829 サマンサJP +8.01% 10.0 (10/15)業績上方修正 通期純利益1.17億円→3.04億円 11 1434 JESCO HD +7.78% 5.4 (10/15)通期決算 経常利益 38.9%減 12 3195 ジェネパ +6.92% 0.3 (10/15)月次売上高 2018/09 売上高 842百万円 13 8186 大塚家 +6.07% 0.1 (10/16)TKP、今期一転減益に 大塚家具株で特損(各紙) 14 2760 東エレデバ +5.56% 0.4 (10/15)業績上方修正 半期経常利益10億円→13.6億円 15 6047 Gunosy +5.00% 33.1 (10/15)Gunosyが買い気配 19年5月期純利益が上振れ(NQN) 16 9909 愛光電 +4.71% 1.8 (10/16)日々公表開始 開始日 東証 17 6573 アジャイル +4.46% 0.2 (10/15)適時開示:台湾における子会社設立に関するお知らせ 18 6494 NFK-HD +4.27% 1.9   19 3991 ウォンテッドリ +4.24% 0.3 (10/15)通期決算 経常利益 3.0倍 20 3960 バリュデザ +4.00% 0.1 (10/12)空売り規制対象 東証 アクトコール(6064)やヨシムラフード(2884) も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間のPTSで16日の基準値を下回る水準で約定した。アクトコールの約定価格は基準値に比べ17.10%安、ヨシムラフードは同16.35%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> <10月16日 0時00分時点> 順位 コード 銘柄名 基準値比 売買高 (千株) イベント 1 2489 アドウェイズ -21.10% 0.1   2 6064 アクトコール -17.10% 4.1 (10/15)アクトコール、取締役3人が19年2月で退任 不適切会計で引責(NQN) 3 2884 ヨシムラフード -16.35% 7.3 (10/15)2Q決算 経常利益 48.3%減 4 3810 サイバーS -14.26% 3.5 (10/15)1Q決算 経常利益 -4.1倍 5 6182 ロゼッタ -10.92% 6.0 (10/15)2Q決算 経常利益 2.5倍 6 3823 アクロディア -7.10% 13.5 (10/15)通期決算 経常利益 2.1倍 7 3083 シーズメン -6.93% 0.6 (10/15)2Q決算 8 1950 日本電設 -6.86% 0.1   9 3479 TKP -6.70% 0.4 (10/16)TKP、今期一転減益に 大塚家具株で特損(各紙) 10 6172 メタップス -5.18% 3.8 (10/15)通期決算 経常利益 -3.1倍 11 3021 PCNET -5.08% 0.2 (10/15)1Q決算 経常利益 5.6倍 12 6634 ネクスG -4.84% 0.2 (10/12)3Q決算 経常利益 3.3倍 13 3914 JIG-SAW -4.76% 0.1   14 7719 東京衡機 -4.76% 1.5 (10/15)2Q決算 経常利益 2.3倍 15 6835 アライドHD -4.63% 0.1   16 8918 ランド -4.62% 414.8 (10/11)2Q決算 経常利益 8.4%増 17 4420 イーソル -4.24% 20.0 (10/16)信用銘柄選定 取引開始日 東証 18 4399 くふう -4.14% 0.2 (10/12)空売り規制対象 東証 19 3994 マネフォワ-ド -4.14% 0.2 (10/16)12〜8月、人件費がかさみ最終赤字5.25億円(日経) 20 3390 INEST -3.81% 299.9 (10/15)年初来高値更新 東証 ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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【朝イチ便利帳】16日 9月の訪日外国人客数、中国CPI  決算はGS、モルスタ、ネトフリなど

16日は9月の首都圏・近畿圏のマンション市場動向、9月の訪日外国人客数、7~9月の訪日外国人消費動向調査などが発表される予定のほか、5年物国債の入札が行われる。 海外では9月の中国消費者物価指数、8月のユーロ圏貿易収支などが発表される予定だ。   【16日の予定】 国内 時刻 予定 10:30 5年物国債の入札(財務省) 13:00 9月の首都圏近畿圏のマンション市場動向(不動産経済研究所) 13:30 小林同友会代表幹事の記者会見 15:15 9月の訪日外国人客数(日本政府観光局) その他 閣議   7〜9月の訪日外国人消費動向調査(観光庁)   家電ITの国際見本市「シーテックジャパン」(19日まで) 海外 時刻 予定 5:00 8月の対米証券投資(17日) 9:30 豪中銀が金融政策会合議事要旨を発表 10:30 9月の中国CPI   9月の中国卸売物価指数(PPI) 17:30 9月の英失業率 18:00 8月のユーロ圏貿易収支 22:15 9月の米鉱工業生産設備稼働率 23:00 10月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数 その他 安倍首相がスペイン、フランス、ベルギーを訪問(20日まで)   7〜9月期決算=モルガンスタンレー、ゴールドマンサックス、ブラックロック、ジョンソンエンドジョンソン(J&J)、ユナイテッドヘルスグループ、IBM、ネットフリックス 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 3479 TKP、今期一転減益に 大塚家具株で特損 各紙 +1.70% 10/15 8186 +1.08% 10/15 8630 SOMPO傘下の損保ジャパンと英ネット銀が提携 日経 -0.41% 10/15 9470 塾予備校、再編の激流 学研HDが100社連合、IT化急ぐ 縮む市場、迫る入試改革 日経 -0.70% 10/15 9432 NTT、NTT都市にTOB 完全子会社化へ 各紙 -0.91% 10/15 8933 -2.31% 10/15 8001 伊藤忠、デサントに圧力 株29.8%に買い増し 経営への不信、背景に 各紙 -0.98% 10/15 8114 +10.54% 10/15 5019 出光興産昭和シェルの統合新会社社長に出光の木藤氏 日経 -1.16% 10/15 5002 -0.81% 10/15 6301 コマツが無人建機 AI自律運転、複数台が協調 日経 -1.79% 10/15 9064 ヤマトHD、営業益上振れ 4〜9月、通期上方修正も 日経 -1.94% 10/15 8306 三菱UFJ傘下の三菱UFJ銀頭取、インドネシアで融資残高増やす 日経 -1.98% 10/15 7269 スズキ「先手必勝」、次はミャンマー 「スイフト」投入、インド成功手本に 中国撤退、新たな成長探る 日経 -2.16% 10/15 3994 マネフォ12〜8月、人件費がかさみ最終赤字5.25億円 日経 -2.42% 10/15 6753 シャープ戴氏、再建に誤算 中国で乱売、ブランド毀損 日経 -2.61% 10/15  

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価格転嫁や軽減税率に気をもむ企業 消費増税まで1年、QUICK短観

安倍晋三首相が2019年10月に予定通り消費税率を10%に引き上げると表明した。駆け込み需要と反動減を抑え経済への影響をできる限り和らげるため、万全の対策を講じる方針だ。企業は、価格見直しやキャンペーン展開、システム改修など急ピッチの対応を迫られる。 QUICKは15日まとめた10月の短期経済観測調査(QUICK短観)で、「予定通り消費増税が行われた場合の対応」を聞いた。寄せられた99件のコメントのうち、「単価の見直し・価格への転嫁」を検討する回答は15件あった。「特になし」は41件だった。 「製造原価・仕入れ価格の交渉や経費削減で商品単価への影響を抑える」というのは5件、「キャンペーンの実施などで駆け込み需要に備える」は3件、「競合他社の動向を注視する」は2件だった。 酒と外食を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率には戸惑いの声が出ている。軽減税率に伴うシステム改修についてのコメントが目立ったほか、「軽減税率の対応に苦慮している」(卸売業)、「不公平な軽減税率導入は中止すべき」(外食)などの回答も寄せられた。「軽減税率が適用されるため増税の影響は特に考えていない」といった好意的な回答もあった。 参考までに、消費増税の是非を聞いた質問では、過半数が「予定通り10%に引き上げるべき」と回答した。 QUICK短観は347社の上場企業が回答し、うち273社が消費税増税に関する特別質問に回答した。調査期間は9月28日~10月10日。 (QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

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採用日程、経団連ルール廃止後も当面は今まで通り QUICK短観、見直し派は少数

大手企業の採用面接の日程などを定めた就職活動の指針が2021年春入社の学生から廃止される。新たな「就活ルール」は政府が主導して、大学側や経済界とともに策定する。当面は3年生の3月に説明会を解禁し、3年の6月に面接を始めるという現行の日程が維持される見通しだ。QUICKが15日まとめた10月の短期経済観測調査(QUICK短観)によると、新たな就活ルールがもうけられた後も、従来どおりのスケジュールで採用活動を進めたいという回答が過半数を占めた。 採用の枠組みの大転換といえるが、それにどう対応するかを尋ねたところ、回答企業279社のうち、「大きな変化はなく、従来通りのスケジュールで採用を進める」との回答が39%(109社)、「ルール形骸化はさらに鮮明になるが、従来どおりのスケジュールで進める」は20%(57社)だった。従来どおりのスケジュールで採用を進めたいという回答が過半数を占めた一方で、「採用戦略を抜本的に見直す」としたのは8%(21社)にとどまった。「分からない」も22%(60社)ある。 就職情報大手のディスコが10日に発表した調査で、就活生の7割が「就活の日程ルールは必要」と回答するなど、もともと何らかのルールを望む声は企業側にも学生側にも多い。新たに政府が示すルールが企業・学生に受け入れられなければ、いよいよ就職活動が混乱する事態になりかねない。 10月のQUICK短期経済観測調査(QUICK短観)は347社の上場企業が回答し、うち279社が就活ルールの変更に関する特別質問に回答した。調査期間は9月28日~10月10日。 (QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

QUICK Knowledge

「上下院ねじれに」予想6割 米中間選挙、両院で共和敗北なら105円台も  月次調査<外為>

今年最大の政治イベント、米中間選挙まで1カ月弱。QUICKと日経ヴェリタスが共同実施した外国為替市場関係者への調査で、共和党は上院で過半数を維持するが下院では過半数を失う「ねじれ」状態になるとの予想が6割に上った。年末の円相場予想の平均は1ドル=112円80銭と足元の水準並み。ただ共和党が両院で敗北すれば105円台に上昇するとの予想も多い。   ※四捨五入の関係で合計は100にならない 米上下院のねじれ予想について、三井住友アセットマネジメントの市川雅浩氏は「ねじれ議会は市場のコンセンサスとなりつつある。現実になってもリスクオフの反応は一時的」という。 ただ2年前の大統領選では予想に反してトランプ氏が勝利し、直後に円安が進む「トランプラリー」となった。リスクシナリオを踏まえる意味で、中間選挙の結果がどうなれば最も円安・ドル高に傾くか聞いた。最も多い回答が「共和党が両院で過半数を維持」(72%)だった。その場合「年内に1ドル=120円まで円安が進む」が58%あった。 逆に共和党が両院で過半数を失った場合は円高・ドル安に振れる(64%)。重要法案や予算の審議が滞るだけでなく、大統領の弾劾も現実味を増し「リスクオフ=円買い」の筋書きになる。想定される円高の上限水準は1ドル=105円(50%)だ。 マネーパートナーズの武市佳史氏は「好調な経済を考えれば米国絡みの相場波乱は想定しづらい。年末にかけてのポイントは実は欧州」と指摘する。中でもユーロ相場への影響が大きそうなのが英国の欧州連合(EU)離脱交渉の行方だ。 来年3月の離脱の条件を巡って英国とEUは11月中旬の決着を目指す。調査では、年内に何らかの形で合意するとの見方が計52%だが、合意先延ばしを予想する声も少なくない。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鹿野達史氏は交渉難航による欧州経済への影響を危惧しつつも、懸念の広がりが結果的に両者の歩み寄りをもたらし「合意なき離脱は何とか回避されそうだ」とみる。市場ではユーロについて年末1ユーロ=130円台半ばが予想の平均だ。 月次調査は9~10日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者96人が回答した。   (QUICKナレッジ開発本部) ※日経ヴェリタスの14日付記事を掲載。QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。Qr1などQUICKの情報端末では月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

資産運用研究所

三井住友AM「アジア好利回りリート」、今年2回目の分配金減額

 三井住友アセットマネジメントが運用する「アジア好利回りリート・ファンド」(79312119)が12日の決算で1万口あたりの分配金を前月より30円安い60円に引き下げた。減額は1月以来で、今年2回目。2012年1月(40円)以来の低水準になった。    同ファンドは、日本を除くアジアとオセアニア各国・地域の不動産投資信託(REIT)に投資する。9月末時点の1年リターン(分配金再投資ベース)は6.38%プラスだった。一方で、基準価額(分配金支払い後)は12日時点で年初から18.43%下落。今年初めに2270億円あった純資産総額(残高)は、1804億円まで減少している。    三井住友アセットマネジメントは12日の発表資料で、分配金を引き下げた理由を「基準価額が緩やかながらも下落傾向で推移したことや、分配対象額(分配可能原資)の状況等を勘案した結果」とし、前回引き下げた1月と同様の背景を示した。    ◇三井住友アセットマネジメントの発表資料はこちら 第85期決算および分配金のお支払について    (QUICK資産運用研究所)

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投機筋は引き続きドル高・米金利上昇シナリオ

12日の米国市場でドル指数(DXY)が4日ぶりに反発し、0.21%高の95.23で終えた。一時は94.95まで下げ、9月27日以来、半月ぶりの安値圏に下げたが米株が大幅反発する中でリスク・オフの展開が一服し、ドル安基調が一服した。 米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジションによれば、ドル指数のロングポジションは9日時点で3万7709枚のネットロングとなり、2017年5月2日以来、1年5カ月ぶりの高水準に達していた。米10年債のショートポジションは2週連続で縮小し、62万2422枚のネットショートとなっていたが、依然として過去最高水準で高止まりしていた。 米長期金利の上昇をきっかけに株安・ドル安が進んだが、今のところドル高・金利上昇を見込んだ投機筋のポジションは維持されているようだ。(片平正ニ) (QUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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【朝イチ便利帳】15日 バンカメ決算、9月の米小売売上高 QUICK短観

15日は8月の鉱工業生産指数確報、10月のQUICK短観などが発表される予定。IPO関連ではリーガル不動産(3497)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。 海外では米国でバンク・オブ・アメリカが日本時間16日に7~9月期の決算を発表する。9月の米小売売上高、10月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数なども発表される予定だ。   【15日の予定】 国内 時刻 予定 8:00 10月のQUICK月次調査<外為> 8:30 10月のQUICK短観 13:30 8月の鉱工業生産指数確報(経産省) 海外 時刻 予定 21:30 9月の米小売売上高   10月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数 23:00 8月の米企業在庫 その他 タイ市場が休場   海外7〜9月期決算=バンクオブアメリカ 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 9936 王将フード、4〜9月期純利益49%増 値上げ回避、客数増で上振れ 日経 +5.28% 10/12 3397 トリドール、カンボジアで幹部育成 アジア展開推進 日経 +2.44% 10/12 6594 日電産、VRで工場自動化設計 働くロボドローン、眼前に再現 日経 +1.51% 10/12 8184 島忠、前期単独税引き益31%減 減損損失などで特損計上(日経、以上13日) 日経 +0.87% 10/12 7936 アシックス、シューズ工場自動化 消費地で生産 日経 +0.50% 10/12 7269 スズキ、ディーゼル車の欧州販売撤退 日経 +0.37% 10/12 6772 コスモス、、6〜8月期純利益5%増 飲料など好調 日経 +0.10% 10/12 7201 日産自の英工場、賃金交渉延期 EU離脱の行方見極め 日経 0.00% 10/12 6758 ソニー、確定拠出年金に完全移行 エレキ事業3万人(日経、以上14日) 日経 -0.47% 10/12 7516 コーナン、3〜8月期営業益5%増 防災用品伸びる 日経 -0.66% 10/12 9508 九州電、太陽光出力制御 2日連続実施、一部でトラブル(日経、以上15日) 日経 -0.88% 10/12 9602 東宝、19年2月期純利益を上方修正 「コードブルー」など好調 日経 -0.97% 10/12 8200 リンガハット、今期最終25%減益 自然災害が影響 日経 -2.27% 10/12  

QUICK Knowledge

ネオス(3627)は30%高、ラクオリア(4579)は17%安 12日の夜間PTS

15日の株式市場で、ネオス(3627)やGunosy(6047)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で15日の基準値を大きく上回る水準で約定した。ネオスの約定価格は基準値に比べ30.00%高、Gunosyは同19.17%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> <10月15日 0時00分時点> 順位 コード 銘柄名 基準値比 売買高 (千株) イベント 1 3627 ネオス +30.00% 50.8 (10/12)業績上方修正 通期純利益3,000万円→4億円 2 6047 Gunosy +19.17% 12.2 (10/12)業績上方修正 通期純利益14.33億円→19.03億円 3 7608 エスケイ +16.26% 3.0 (10/12)業績上方修正 通期純利益2.3億円→5億円 4 9831 ヤマダ電 +15.64% 0.1   5 9909 愛光電 +15.05% 0.6 (10/12)ストップ高 東証 6 1407 ウエストHD +14.97% 13.7 (10/12)通期決算 経常利益 96.2%増 7 5271 トーヨーアサノ +14.64% 1.3 (10/12)ストップ高 東証 8 3540 Ciメディカル +14.06% 1.1 (10/12)適時開示:株式の売出しの中止及び市場変更申請の取下げに関するお知らせ 9 3356 テリロジー +12.93% 70.8 (10/12)ストップ高 東証 10 6727 ワコム +12.59% 5.7 (10/12)業績上方修正 通期売上高850億円→890億円 11 6033 エクストリーム +11.40% 5.6 (10/12)株式分割 発表日 12 8186 大塚家 +7.94% 0.1   13 3990 UUUM +7.14% 4.8 (10/12)1Q決算 経常利益 3.1倍 14 8918 ランド +6.67% 68.3 (10/11)2Q決算 経常利益 8.4%増 15 6086 シンメンテHD +6.31% 0.1 (10/12)2Q決算 16 6668 プラズマ +6.26% 4.7 (10/12)通期決算 経常利益 22.0%増 17 7928 旭化学 +5.93% 0.2 (10/12)通期決算 経常利益 0.8%減 18 8704 トレイダーズ +5.65% 0.9 (10/11)年初来安値更新 東証 19 3267 フィルカンパニ +5.07% 0.4 (10/12)3Q決算 経常利益 2.4倍 20 8925 アルデプロ +5.06% 360.2 (10/12)自社株消却(単独) 発表日 ラクオリア(4579)やベイカレント(6532) も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間のPTSで15日の基準値を下回る水準で約定した。ラクオリアの約定価格は基準値に比べ17.30%安、ベイカレントは同12.96%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> <10月15日 0時00分時点> 順位 コード 銘柄名 基準値比 売買高 (千株) イベント 1 4579 ラクオリア -17.30% 171.0 (10/12)業績下方修正 通期最終損益-6.86億円→-10.24億円 2 6532 ベイカレント -12.96% 0.7 (10/12)2Q決算 経常利益 34.7%減 3 1401 エムビーエス -12.40% 2.5 (10/12)1Q決算 経常利益 72.5%減 4 3562 No.1 -11.68% 1.0 (10/12)2Q決算 経常利益 23.3%減 5 9836 リーバイス -11.08% 1.2 (10/12)3Q決算 経常利益 3.0倍 6 3192 白 鳩 -10.87% 2.0 (10/12)通期決算 7 8227 しまむら -10.32% 0.1 (10/12)しまむらが安い 三菱モルガンは目標株価下げ(NQN) 8 2479 ジェイテック -10.26% 0.1   9 9418 USENNEXT -7.89% 7.6 (10/12)通期決算 10 3967 エルテス -7.36% 0.8 (10/12)2Q決算 経常利益 2.5倍 11 4394 エクスモーション -6.69% 1.5 (10/12)3Q決算 12 5302 日カーボン -6.23% 0.1   13 4764 SAMURAI -3.80% 0.1 (10/12)空売り規制対象 東証 14 3558 ロコンド -3.60% 0.2 (10/12)ロコンドが上げに転じる 大幅増収による事業拡大を好感(NQN) 15 3689 イグニス -3.58% 0.1 (10/12)年初来安値更新 東証 16 7238 曙ブレーキ -3.38% 0.1   17 8135 ゼット -3.26% 0.2   18 8200 リンガハット -3.23% 0.5 (10/15)今期最終25%減益 自然災害が影響(日経) 19 3002 グンゼ -2.66% 0.1   20 6740 JDI -2.66% 0.2 (10/11)年初来安値更新 東証 ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

資産運用研究所

野村「老年学」で試す現場改革(前編) ハートフルパートナーに聞く@千葉支店

人生100年時代を見据え、現場改革を推進してきた野村証券。業界に先駆けて金融ジェロントロジー(金融老年学)という学問分野に注目し、2017年4月に高齢者向け専門職「ハートフルパートナー」を一部の店舗に新設した。今年4月からは全国に拡大し、約180名を配置している。 ハートフルパートナーは通常の営業職とは異なり、積極的な金融商品の勧誘はしない。収益目標などもなく、高齢顧客やその家族と信頼関係を構築することで将来のビジネス機会に備えるのが主な役割だ。千葉支店でハートフルパートナーとして働く功刀(くぬぎ)沙織氏に現場での取り組みなどを聞いた。 ――ハートフルパートナーとは。 「高齢のお客様に対し、販売員としてのアプローチではなく、ご本人の意向を尊重しながら資産の贈与や相続などのニーズを傾聴する専任の担当です。ご家族とも話し合いを深めていけるような役割を目指しており、必要があれば老人ホームのご紹介などもしています。千葉支店では17年4月から2名のハートフルパートナーが在席しています」 ――どのような顧客を担当されていますか。 「資産運用のニーズはひと段落したものの、これからどのようにご家族に資産を引き継ぐかに関心の高いお客様が多くいらっしゃいます。千葉県全域を広く回っています」 ――業務内容は。 「まずは訪問を中心に直接お会いしてお話を伺います。当社でお預かりしている資産や、所有されている不動産に関するお考えをじっくり聞くことに徹しています。これまでは運用がメインだったお客様が資産承継を意識されるようになった時に、問題意識を共有できる関係性を築くことが大切です」 「はなから金融商品を提案することはありません。お客様から求められればご案内しますが、その場合にも社内ルールを守り、慎重に対応しています。趣味やご家族のことなど、世間話をする機会も多くなります」 ――難しいと感じる点は。 「ご本人の判断力を適切に把握したうえで、説明したりご意向の確認をしたりすることです。十分な説明が出来ないうちに、ご体調が急変してしまうこともあって、力不足を感じることもあります。ご家族から『しっかり対策を相談しておけばよかった』と悔やまれた経験もあり、どうご説明すれば理解していただけたか、反省することも少なくありません」 「お客様に認知症の兆候を感じた場合の対応にも苦慮しています。ご家族にできるだけ早く気付いていただくのが最優先ですので、ご家族と面識がない場合には訪問する度に必ず名刺を置くなどの工夫を心がけています」 ――本部からのサポートはありますか。 「年3回程度の集合研修がとても役立っています。相続や税務などを中心に、難しい専門分野の内容をわかりやすく教えてくれます。金融ジェロントロジーという学問についても、当社と共同研究をしている慶應義塾大学の経済学部や医学部の先生方の講義を受講しました」 ――印象的なエピソードはありますか。 「遠方に住むお嬢様への資産承継を考え始めた高齢のお客様のお話をお伺いしていたところ、資産の一部で大好きな株式の運用を続けたいという意向をお持ちでした。しかしその本音をお嬢様にきちんと伝えられていなかったので、ご本人が気持ちを伝えやすいよう簡潔にまとめて差し上げました。その後は無事にお嬢様と本音で話すことができたそうで、大変感謝していただき、私も嬉しかったです」 ――どのようなスキルを高めたいですか。 「ご高齢のお客様は人生経験が豊富で、幅広い知識や教養を身に付けていらっしゃいます。私も知的好奇心を高めて生活したいと考えております。もちろん相続や税務の最新知識も重要なので、自己研鑽に励んでいます」 ――今後の抱負は。 「ハートフルパートナーという新設の役割に任命された当初は、どのようにお客様に対応したら良いか不安がありました。実際に1年以上活動してみて、お客様から教えていただくことが多く、とてもやりがいを感じています。今年度から全国に拡大したハートフルパートナーと知見を共有しながら、これからも微力ながらお客様とそのご家族のお役に立てるよう成長していきたいと思っています」 (QUICK資産運用研究所 大沢崇)

資産運用研究所

野村「老年学」で試す現場改革(後編) ハートフルパートナーに聞く@横浜支店

野村証券のハートフルパートナーの後編は、横浜支店で働く浦野真理氏に取り組みを聞いた。 ――業務内容は。 「横浜支店には17年4月から2名のハートフルパートナーがいて、高齢のお客様のご対応をしています。お客様と少しでもお会いできるように訪問して、ご意見をお伺いしています。訪問を負担に感じられるお客様には電話でご連絡することもあります。お客様との会話でお悩みやご要望があればそれにお応えいたしますし、ご家族と関係を築く窓口になれるようにも意識しています」 ――どんな会話をされるのですか。 「ご意見やお加減にお変わりがないかもお聞きしています。保有されている商品のアフターフォローや、損失が出ている場合のご相談、路線価や税制改正などの情報提供、健康管理のことなど、世間話も多く、話題は様々です」 「相続や不動産に関するお悩みや、老人ホームへの入居など、老後の重要なライフイベントについて考えるタイミングはお客様それぞれです。どうしようか迷ったとき、困ったときにご相談いただけるよう日頃からご家族を含めた信頼関係の構築を目指しています」 ――支店での役割は。 「ご高齢のお客様対応の相談窓口になれればと思っています。例えば高齢のお客様の認知機能が低下した場合の対応など、若手社員が迷っているときは経験を踏まえながら具体的に助言しています」 ――新設の任務に戸惑いがありましたか。 「上司が協力的で、本部のサポートにも助けられています。集合研修だけでなく、日常業務の中で難しい案件があった時などはすぐ専門部署に相談できるので、安心して顧客対応にあたることができます」 ――難しいと感じる点は。 「ハートフルパートナーの役割をお客様に理解していただくまでに時間がかかる点です。最初は金融商品の勧誘と勘違いされ、警戒されてしまうケースも少なくありません。パンフレットなどを使いながら、時間をかけて説明するように努めています」 「ご家族との距離感に悩むこともあります。例えばお客様に認知症の疑いがあっても、こちらができることは限られていて、ご家族からの連絡を待つしかありません。特に1人暮らしのご高齢のお客様の場合は、訪問時に名刺のほかに、ご家族にもご覧いただけるような資料を残したりするなど、できる範囲で対応しています」 ――これまで印象に残ったことは。 「あるお客様のご家族から『勝手に訪問されるのは迷惑なのでやめてください』と苦情を受けたことがありました。そこでハートフルパートナーの役割を説明し、金融商品を勧誘することはなく、お子様を含めて今後のことをご相談させていただきたいとお話していたとお伝えしたところ誤解が解けました。趣旨を理解してくださったご家族が後日集まり、一緒に今後のお話をすることができました」 「別のお客様では、私の名刺を見たご家族から電話があり『いつも見守ってくださって、ありがとうございます』と感謝されました。予想外の言葉にびっくりしましたが、ハートフルパートナーとして訪問を続けたことで、ご家族にも気持ちが伝わったと実感できてうれしくなりました」 ――どのようなスキルを高めていきたいですか。 「相続や不動産の知識などのスキルアップはもちろん重要ですし、経験も大切だと感じています。お客様ひとりひとり家族構成などが違いますし、抱えているお悩みも千差万別です。お客様ごとのお悩みを少しでも解決できるような対応力を高めていきたいです」 ――今後の目標は。 「お客様やそのご家族からご信頼いただける担当者になることです。ひとりでも多くのお客様から様々なお悩みをご相談いただき、少しでもお役に立てるよう、これからも努力していきたいと思います」   (QUICK資産運用研究所 大沢崇) 

資産運用研究所

細る投信マネー 9月は事実上の流出超に

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)への資金流入が細っている。QUICK資産運用研究所が推計したところ、9月は設定額から解約・償還額を差し引いた資金流入超過額が約269億円と、前月の10分の1に落ち込んだ。 設定額の内訳を詳しくみると、9月はSMBC日興証券のファンドラップで外国籍から国内籍のファンドに約800億円の資金移動があり、この分だけ国内公募の追加型株式投信への流入超過額が押し上げられた。この特殊要因を差し引くと、9月は事実上の資金流出超過だったことになる。流出超は2017年10月以来、11カ月ぶり。 投資対象の資産別に見ても、「国内株式型」が11カ月ぶり、「新興国株式型」が1年7カ月ぶりの資金流出超に転じた。 直近1年で流入超過額が最も多かったのは今年1月。当時の個別ファンドの資金流入ランキングを見ると、その月に設定された「モビリティ・イノベーション・ファンド」(85311181)が最多の1799億円(推計値)を集めた。これに対し、9月はラップ専用を除く首位が「netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンドBコース(為替ヘッジなし)」(3531299B)の312億円だった。 上位5ファンドの合計額も、1月に4790億円だったのが9月は1876億円(ラップ専用を除くと1044億円)どまり。市場規模の拡大をけん引するほどの人気ファンドが見当たらなかった。 人気が長く続くファンドが少ないことが資金流入鈍化の一因だ。1月に上位5本に入ったファンドのうち、9月は4本が資金流出超だった。流入超を維持した「ひふみプラス」(9C311125)も、このところ個人投資家の熱が冷めつつある。 9月に新規設定された「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018‐09(愛称:プライムOne2018‐09)」(47211189)は申込期間に840億円の資金を集めた。このファンドはいつでも購入できる追加型ではなく、購入期間が限られる単位型なので、集計対象には含まれない。 (QUICK資産運用研究所 西田玲子)  

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米金利上昇で注目のイールドスプレッド 日本は?

米長期金利の上昇が続く中、運用利回りでみて株式と債券のどちらが割安かを比べる指標である「イールドスプレッド」に注目が集まっている。イールドスプレッドでみると、米国では株式の割高感が少しずつ強まっており、株式から債券へのシフトが足元の米国株式相場の下押し要因になったとの見方も出ている。 日本はどうだろうか。 10年物国債利回りから、TOPIXの12カ月先予想PER(QUICK Factset Workstation)を使って計算した益利回りを差し引いたイールドスプレッド推移が上のグラフ(赤、左軸、単位%)だ。マイナス幅が大きくなるほど、株式の割安感が強まる(債券が割高になる)ことを示している。足元ではマイナス7%ほどで推移している。 イールドスプレッドとTOPIXは逆に動きやすい。長期金利が変わらなければPER低下=益回り上昇=イールドスプレッドのマイナス幅拡大=株価が割安さが増して、株は買われやすくなる。PERが上昇すればマイナス幅が縮小し、株売りにつながる。 一方で、長期金利が上昇してもイールドスプレッドは縮小するため、やはり株安の材料になる。足元ではいったん落ち着いているものの、米金利上昇などを背景に、日本の長期金利もじわじわと上昇している。この流れが加速すると、株式相場への影響が大きくなる可能性もある。 金融環境が大きく異なるため単純比較はできないが、米国はおおむねマイナス3%(長期金利は約3.1%、市場平均のPER約17倍で株式益回りは約5.9%)となっている。(丹下智博)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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米株高と金利高は持続か ビックリ王と新債券王の相場カン

米ブラックストーン・プライベート・ウエルス・ソリューションズの副会長を務め、「ビックリ10大予想」で知られる著名ストラテジストのバイロン・ウィーン氏が11日に米経済専門チャンネルのCNBCに出演し、10~11日に米株が大幅安となったことについて11月の中間選挙後のラリーを前にした買いの好機到来との見方を示した。 ウィーン氏は「私は市場の自己満足の一部を解消しなければならないと思っている。神は、我々がいま行っている事を知っているだろう。今回の動きは強気相場の調整だと思う」と述べ、年末にはS&P500指数が3000に向かうとの強気見通しを維持したという。 また新債券王の異名をとるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は11日に米経済専門チャンネルのCNBCのハーフタイム・リポートに出演し、「チャートを見て債券市場がどのように行動しているかを考えると、30年債利回りが4%に達する事は全く驚きではない」との見解を示した。さらに10年債利回りに関しては「イールドカーブがスティープ化するのなら、10年債利回りはその間に3.5~3.6%に達するだろう」と指摘した。 足元で米株安を受けて長期金利は低下基調にあるが、さらなる上昇を見込んだかたち。質への逃避の米債買いを反映し、足元ではイールドカーブのフラット化が進んでいるが、ガンドラック氏の予想通りとなれば逆の展開が見込まれそう。 また、「債券を売ることが魅力的である理由の1つは、米債市場に対して高水準のショートが発生しているからだ」とも述べ、米債ショートで利益を得ようとしている投資家が多い状況も改めて指摘した。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

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