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東海カ(5301)が値上がり率トップ ちょっと早い今年のベスト・ワースト銘柄

「流行語」「今年の一皿」など、12月に入って1年を振り返る企画が目立ってきたが、株式相場の2017年を振り返ってみよう。日経平均採用の225銘柄について、5日終値で昨年末と比較したランキングを作ったところ、値上がり率の首位は東海カ(5301)だった。 東海カは、タイヤなどの材料になるカーボンブラック(炭素主体の微粒子)大手で、製鉄用の電炉に使う黒鉛電極の首位。2017年12月期業績の会社予想は、すでに3回も上方修正した。1度目は5月9日。カーボンブラックの販売数量増と価格上昇を主な理由に挙げた。2度目の7月31日は黒鉛電極の販売数量増とカーボンブラックの値上げを挙げた。3度目の11月2日には、これらに円安が加わった。今期の純利益は08年12月期以来9期ぶりに100億円を上回る。 3位には昭電工(4004)の名前も見える。昭電工は10月に黒鉛電極を製造する独SGLカーボンの黒鉛電極事業を買収したが、このうち米国事業は独禁当局の要請で獲得できなかった。いったん買収した米国事業の売却先が東海カだった。中国政府が粗鋼生産の削減や、環境規制の面から違法な粗鋼生産の取り締まりを強化しているうえ、北米で鉄鋼需要が堅調とあって、黒鉛電極の需要も回復しているという。米国事業こそ取得できなかったが、独社から欧州・アジアの黒鉛電極事業を取得したことで、同事業で世界最大手になった。 相場のテーマとしては電気自動車(EV)やフィンテック、道具やセンサーなどの物をネットにつないでリアルタイムで情報処理する「IoT」など、折に触れて新技術が話題になった。ただ主力銘柄を集めた日経平均を見ると、化学や鉄鋼のほか東エレク(8035)やSUMCO(3436)といった半導体関連など典型的な景気敏感株が買われていたことが分かる。 <日経平均採用銘柄の値上がり率上位> ※12月5日終値を2016年12月30日終値と比較 最も値下がりしたSUBARU 一方、値下がり率の上位で目立つのは自動車だ。4月1日に富士重から社名変更したSUBARU(7270)が首位。タカタ製のエアバッグを採用した自動車のリコール(無償修理・回収)に伴う費用に対する懸念が重しになった。特にSUBARUは、無資格の従業員が完成検査に携わっていた問題も発覚し、一段と株価の重荷になった。 タカタのエアバッグと無資格検査という同じ問題が影響した日産自(7201)も20位に顔を出した。ただSUBARUがこれまで18年3月期の業績予想を2回も下方修正したのに対し、日産自は今期の業績予想を維持しており、これが順位の差につながったとみられる。 2位の大平金(5541)は5期連続の最終赤字を見込む。ステンレス鋼の主材料であるフェロニッケルを製造するが、原材料価格が上昇する一方、マージンの改善が見込めないとして、収益の先行きに不透明感が強いようだ。不振の造船事業再編に出遅れた三菱重(7011)や、大型新薬の特許切れを来期に控える大日住薬(4506)も上位に並んだ。 <日経平均採用銘柄の値下がり率上位> ※12月5日終値を2016年12月30日終値と比較。▲はマイナス 業績による銘柄選別が効く 日経平均採用銘柄の値上がり・値下がり上位の顔ぶれからみると、今年の相場の特徴は3つにまとめることできそうだ。 (1) 業績による銘柄選別が効いている (2) 特に部品や素材、製造装置など海外需要銘柄が好調 (3) 不祥事銘柄は売り つまり、通常の市場機能が働いているということではないか。上場企業の4社に1社が過去最高を記録する中にあって、それに見合った相場水準を維持している可能性が高い。日経平均は一時バブル経済崩壊後の最高値を付けたが、日本株に関しては、どんな銘柄も一斉に買われるようなバブルの状況ではなさそうだ。 市場関係者から多く聞かれる「過熱感はない」との実感を、物色動向からも裏付けたといえそう。日経平均採用銘柄のPER(株価収益率)が5日終値で14.9倍と、それほど高くない状況とも整合的だ。したがって来年の相場を見通すうえでは、企業の収益動向に目を凝らすという、王道を歩み続ければよいということだろう。 【QUICKエクイティコメント・山本学】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

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東京瓦斯(9531) 経常利益は増益基調の見方を維持するが、厳しくなる電力競争を注視

QUICK企業価値研究所アナリスト 佐久間聰(2017/12/05) ・当研究所予想の今期経常利益は45%増→53%増  企業価値研究所では、今期通期の連結経常利益は前期比53%増の850億円を予想。前回予想(45%増の810億円)から増額する。都市ガス事業で減価償却費が減少、原油高で海外事業の売上高を引き上げた効果なども寄与する見込み。電力事業のセグメント利益は据え置いた。販売電力量を引き上げたが、燃料費の負担増を見込む。下期の顧客獲得費用の増加も考慮した。会社側の修正後予想(49%増の830億円)に比べ、引き続き強めを見込む。会社側ほど原燃料費の増加を想定していない。 ・19/3期経常利益は1%増、20/3期は24%増を予想  当研究所では、19/3期の連結経常利益は前期比1%増の860億円、20/3期は同24%増の1070億円を予想。前回予想(19/3期820億円、20/3期1030億円)から引き上げる。原油高で海外事業の売り上げを増額したことが主因。電力事業の利益予想は据え置いた。前期比では、都市ガス事業、電力事業を中心に増収、経常増益が続くとの見方を維持。会社側はこれからの電力顧客獲得は厳しくなっていくと覚悟している。競争は激化していく見通しで、電力事業の動向を注視したい。 ・リスクファクター ~原油・為替、ガス制度改革など ・アナリストの投資判断 ~株価は横ばい圏で推移すると予想  直近の株価での当研究所の今期予想PER、来期予想PERとも19倍。過去10年間は、ガス粗利益の悪化などで異常値となった期間(08/3期~09/3期)を除けば、概ね10~20倍程度(月次終値ベース)のレンジで推移しており、これと比較すると、割安感に乏しい水準。一方、実績PBRは1.1倍と過去10年間のレンジと比較して低位にある。足元の株価での予想PERは割安感に乏しいが、実績PBRには割安感があるため、横ばい圏で推移する見通し。   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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12/5の配信レポート一覧:古河電気工業(5801)、横河電機(6841)、ヤマハ発動機(7272)、他

【セクター】 elec 電機・精密 セクター 「産業エレクトロニクス4社の業績動向と投資判断」 trus 米国自動車販売 セクター 「米国自動車販売統計(17年11月)」 【IPO】 3992 ニーズウェル IPOフォロー 「18/9期は11%増収、人件費等の増加を吸収し、6%営業増益を見込む」 6556 ウェルビー IPOフォロー 「利用者数の拡大を背景に出店を強化」 7192 日本モーゲージサービス IPOフォロー 「フラット35の融資実行件数が想定を上回り、通期の業績予想を上方修正」 【企業調査】 5801 古河電気工業 企業調査 「情報通信ソリューションが一時的に減速も増益予想は変えず」 6841 横河電機 企業調査 「2Qは増収・営業増益に好転。増収・増益予想の確度が高まる」 7272 ヤマハ発動機 企業調査 「3Qの予想以上の進捗踏まえ予想を再度増額。過去最高益更新へ」 9531 東京瓦斯 企業調査 「経常利益は増益基調の見方を維持するが、厳しくなる電力競争を注視」 9613 エヌ・ティ・ティ・データ 企業調査 「18/3期はのれん償却負担をこなし2%営業増益を予想」 【会社概要】 1835 東鉄工業 会社概要 「上期営業微減益で計画未達も通期見通し変えず」 2269 明治ホールディングス 会社概要 「通期営業9%増益に上方修正、食品のコスト削減等が奏功」 2607 不二製油グループ本社 会社概要 「通期2%営業増益計画を据え置き、基幹商品の拡販推進」 3302 帝国繊維 会社概要 「3Q累計は概ね想定線とし、通期20%営業増益計画は維持」 5975 東プレ 会社概要 「上期業績や円安を考慮し、通期8%営業増益計画に上方修正」 6099 エラン 会社概要 「前年単独比で3Q累計14%営業増益。通期22%増益計画は据え置き」 6379 新興プランテック 会社概要 「通期営業3割減益計画に上方修正、受注は7%減を想定」 6465 ホシザキ 会社概要 「3Q累計は営業1%減益、通期営業2%増益計画変えず」 7476 アズワン 会社概要 「上期業績や堅調な需要環境を踏まえ通期5%営業増益計画に上方修正」 7747 朝日インテック 会社概要 「1Q業績は社内予算上回るも今期営業12%増益計画は変えず」 7860 エイベックス 会社概要 「今期営業27%増益計画据え置き、安室ベストアルバムが好調」 8281 ゼビオホールディングス 会社概要 「在庫処分の可能性を考慮し、今期営業21%増益計画変えず」 9025 鴻池運輸 会社概要 「上期は飲料の製造請負業務の取り扱いが増加。通期の8%営業増益計画を維持」 9042 阪急阪神ホールディングス 会社概要 「鉄道の利用が想定を上回り、通期の業績予想を上方修正」 9072 ニッコンホールディングス 会社概要 「上期は貨物の取り扱いが増え4%営業増益。計画比若干の上振れ」 9375 近鉄エクスプレス 会社概要 「貨物の取り扱いが想定を上回り、通期業績予想を15%営業増益に上方修正」 8890 レーサム 新興市場会社概要 「大型案件の販売実現により上期は大幅な増収、営業増益」   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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「380兆円市場」の米ETF、今年だけで46兆円流入 手数料率で運用会社に明暗も

グローバル市場で上場投資信託(ETF)の存在感が一段と高まっている。QUICK FactSet Workstationのデータによると、米国上場のETFの運用資産残高(AUM)は11月末時点で約3.35兆㌦(約380兆円)。2016年末時点(約2.55兆㌦)に対して3割増加した。運用手数料が低く商品設計も指数に連動するタイプでわかりやすく、マネーを飲みこんでいる姿が鮮明だ。 ETFは投信であるため、常に資金の流出入が発生している。年初から11月までの流出入額は4156億㌦(約46兆円)の流入超となった。 2社のシェアは65% 運用会社別のAUMを見ると、ビジネスとしては寡占が進んでいる構図も浮かぶ。首位は約1兆3300億㌦のブラックロック、バンガードが約8400億㌦で続く。2社だけでシェアの合計が65%程度に達する。要因の1つに考えられるのが手数料の比率だ。運営費用比率(Total Expense、投資資産に対する運営費用の割合)のわずかな違いが、ファンドフローに大きな与えている。 米国最大のETFで、運営費用比率が0.09%のステートストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)の「SPDR S&P500 ETF Trust」は年初から103億㌦の資金が流出した。一方、同比率が0.04%のブラックロックの「iShares Core S&P 500 ETF」には300億㌦、バンガードの「Vanguard S&P500 ETF」には139億ドルの資金が流入した。 手数料の違いが運用資産残高を左右(QUICK FactSet Workstationより) ネット証券経由で流入も顕著 マネーの流入経路にも興味深い傾向が見て取れる。米国のネット証券大手、チャールズシュワブが手掛けるETFには年初から累計で241億㌦が流入。現時点で今年の流入ランキングではブラックロック、バンガードに続く3番手に位置した。同グループのETFのAUMは合計で951億㌦とSSGAの6分の1に過ぎないが、今年の資金流入額はこれまでにSSGAの2倍にもなる。 ETFのブランド名「SPDR(スパイダー)」で有名なSSGAだが、運営費用比率の加重平均は0.18%でバンガードやチャールズシュワブと比べると高い。特にバンガードは低い手数料で他社に対する攻勢を強めており、業界内では「アマゾン・エフェクト」になぞらえて「バンガード・エフェクト」と呼ばれることもある。 日本では来年から少額投資の非課税制度である「積み立てNISA」が始まる。野村アセットマネジメントは11月下旬に債券型で複数のETFを東京証券取引所に上場させたばかり。日本でも個人金融資産が低コストのETFに向かうのか。関心が高まりそうだ。

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レイ(4317)が19%高 花王(4452)が8%安 5日の夜間PTS

6日の株式市場で、レイ(4317)や麻生フオーム(1730)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で6日の基準値を上回る水準で約定した。レイの約定価格は基準値に比べ19.23%高、麻生フオームは同9.79%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> 一方、オルトプラス(3672)やハイパー(3054)も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で6日の基準値を下回る水準で約定した。オルトプラスの約定価格は基準値に比べ5.76%安、ハイパーは同5.4%安だった。また、主要銘柄では花王(4452)が基準値を8.17%下回る水準で約定した。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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「いぬ笑う」で来年も株高か 平均上昇率は9.8%

 師走に入り、2017年も1カ月を切った。十二支の酉(とり)年にあたる今年の東京株式市場は、日経平均株価が四半世紀ぶりの高値に急上昇し、「申(さる)酉騒ぐ」の格言通りの展開となった。18年は戌(いぬ)年。「戌笑う」にならえば、来年も相場の上昇が続く見通しだ。  今年の日経平均を振り返ると、年初から11月末までに3610円(18.9%)上昇した。年末に2万3000円を回復すれば2割高となる。日経平均の算出が始まった1950年以降、5回の酉年の上昇率は平均15%。このままいけば、今年は平均を上回ることになる。  戌年の日経平均の勝率は80%と、亥(い)年や酉年と並び、申年の83%に次ぐ2位。平均上昇率は9.8%と十二支では7位だが、勝率は悪くない。06年の上昇率は6.9%で、94年は13.2%だった。82年は4.4%だったが、58年は40.5%と大幅に上げた。唯一下げた70年は世界的な投資信託の運用会社を巡る不安が世界株安につながった「IOSショック」で、15.8%安となった。  干支(えと)は十二支と十干(じっかん)からなる。18年は十干でいうと戊(つちのえ)。戊の戦後の勝敗は4勝2敗だ。勝ち星の方が多いが、直近の戊である08年は米リーマン・ブラザーズの破綻で日経平均の下落率が42.1%と過去最大を記録した。98年の戊は日本長期信用銀行(現新生銀行)や日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)が破綻し、年間で9.3%安となった。  来年は60年に一度の「戊戌(つちのえいぬ)」だ。前回の1958年の戊戌に日経平均は4割高となった。当時はちょうど「岩戸景気」が始まったころだが、足元はアベノミクスで戦後2番目に長い景気回復期にある。  みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは来年の日経平均は上昇しても1桁台にとどまると予想する。「すでに17年に大幅高となったため、来年の上昇余地は限られそうだ」という。来年の話をすると鬼が笑うが、戌はしっかり笑ってくれるだろうか。 【日経QUICKニュース(NQN) 三好理穂】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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新天皇即位で10連休? 皇位継承&改元関連銘柄は・・・

天皇陛下が2019年4月30日に退位し、皇太子さまが19年5月1日に新天皇に即位、新元号に切り替える日程が固まった。これを受けて、19年の大型連休(GW)は10連休になるかもしれないと話題になっている。株式市場ではレジャー産業が注目されそうなほか、改元に伴う印刷需要増加の思惑から印刷関連株に個人マネーが流入している。 政府は12月8日の会議で、退位の時期を定める政令を正式に決定する予定。 19年のGWは現状、飛び石となる予定だ(図表参照)。しかし、皇太子さまが即位する5月1日が祝日になった場合、国民の祝日に関する法律第3条第3項の「前日と翌日の両方を『国民の祝日』に挟まれた平日は休日になる」との規定に基づき、4月30日と5月2日が休日となる。 4月27日土曜日から、振替休日の5月6日までの10連休が実現すれば、まとまった休みを利用して国内より海外旅行に出かける人が増えるかもしれない。旅行関連銘柄といえば、JAL(9201)やANA(9202)、エイチ・アイエス(9603)、KNTCT(9726)といった主力銘柄に加えて、熟年向けに秘境巡りツアーを提供するユーラシア(9376)、ネット販売に特化した旅行会社エボラブルアジア(6191)など独自色を打ち出す銘柄もある。 印刷需要にらみ光村印や光陽社などが買われる 元号改正に伴う関連銘柄は早くも個人投資家の間で話題になっている。皇室会議で退位日などが固まった12月1日、印刷需要が増加するとの思惑から光村印(7916)や商業印刷に強みを持つ光陽社(7946)が買われた。光陽社は一時前日比で約13%上昇する場面もあった。官公庁や企業、金融機関向けのデータ印字などを手掛けるカワセコンピュータサプライ(7851)や、硬貨や紙幣に新元号が刻印されるため、貨幣処理機大手の金銭機(6418)なども関連銘柄の一角として挙がっている。1989年に元号が平成に決まった際もこうした銘柄が注目された経緯がある。 ただ、足元のIT化の進展に伴う書類の電子化などにより、さまざまな印刷物の刷り直し需要は限定的になる可能性があるほか、今回は改元までに準備期間があるため、関連銘柄の業績への影響はじわじわと波及する展開になりそうだ。政府は菅義偉官房長官をトップとする組織を立ち上げ、退位や即位の儀式のほか、新元号制定の準備を進める。2018年中には新元号を発表する見通しだ。 菅義偉官房長官

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米半導体ETF、今年2番目の資金流出 1カ月ぶり安値に

4日の米国市場で、半導体関連銘柄のETFの代表格であるiシェアーズSOXX ETFから大規模な資金が流出した。QUICK FactSet Workstationによれば7685万㌦(約86億円)の資金流出となり、今年最大を記録した11月3日(1億9022万㌦)に次ぐ流出規模を記録した。 この日のSOXXは2.40%安で大幅続落。米上院が2日に減税案を可決したものの、実効法人税率が低いとされるアップルなどの主力ハイテク株が売られる中で半導体関連も弱い動きとなった。SOXXは一時165.55㌦まで下げて10月25日以来、約1カ月ぶりの安値圏に沈んだことから見切り売りが続くのか警戒されそう。 ★iシェアーズSOXX ETFのファンドフロー (年初来、QUICK FactSet Workstationより)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

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JPモルガン「JPMベスト・インカム(毎月決算型)」、残高が2000億円を突破

 JPモルガン・アセット・マネジメントが運用する「JPMベスト・インカム(毎月決算型)」(17312149)の純資産総額(残高)が初めて2000億円を突破した。4日時点の残高は2002億円。2014年9月の設定から順調に資金流入が続いており、今年に入って残高の拡大ペースが加速していた。  同ファンドは世界の株式、債券、不動産投資信託(REIT)など複数の資産に投資するバランス型。残高は国内公募追加型株式投信のバランス型の中で3番目に多い。市場環境の変化に応じて組み入れ資産やその配分比率を機動的に変更する「比率変動型」で、設定来のリターン(分配金再投資ベース)は11月末時点で10.01%。   (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)  

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フェイスブックなどFANG売りの理由は? 注目リポートに税制改革も

4日の米国市場でフェイスブックなど主力ハイテク株のいわゆるFANG銘柄が売られた。マイクロソフトも安く、3日ぶりに急反落して3%超の大幅安となった。ゴールドマン・サックスが11月30日付のリポートで、フェイスブックやマイクロソフトなどを「大型投資信託がアンダーウエイトにしていた」と指摘。今年、高パフォーマンスを記録したハイテク株にリバランス売りが膨らむのではないかとの見方に加え、米上院が2日に法人減税案を可決したことを受け、法人実効税率の高い小売株を買う一方、実効税率の低いハイテク株を売る動きが活発化した。 「FANG」は米国のIT(情報技術)企業大手の頭文字をつないだ造語。2015年に米国の株式評論家ジム・クレイマー氏が広めたとされる。交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)、ネット通販のアマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、動画配信のネットフリックス(Netflix)、検索エンジンのグーグル(Google、現アルファベット傘下)の4社を意味する。FANGにアップル(Apple)を加えたFAANG、マイクロソフト(Microsoft)を加えたFANMG、半導体のエヌビディア(Nvidia)を加えたFANNGなど新たな造語も続々と生まれている。ちなみに「FANG」には「牙」の意味もある。 ニューヨーク証券取引所(NYSE)の「NYSE FANGプラス指数」でみても、FANG銘柄の下落は明らかだ。   ※QUICKでは12月4日(月)から、端末上で「NYSE FANGプラス指数」をサービスしています。フェイスブックやアマゾン、ネットフリックス、グーグルの親会社アルファベットなどを含む10銘柄程度の大型ハイテク株で構成。銘柄数は可変で、最低10銘柄となります。 米株式市場が注目するのは、連邦法人税率の大幅な引き下げを柱とする税制改革案の行方だ。米上院案では連邦法人税率を現在の35%から2019年に20%に引き下げる。米国の地方税(カリフォルニア州の場合)を含む法人実効税率は現在、40.75%だ。連邦法人税率が下がれば、この法人実効税率も大幅に下がる。 ただ米マーケット・ウォッチによると、企業がタックスプランニング後に、実際に支払った法人税(地方税含む)の割合を示す実効法人税率でみると、グーグルの親会社であるアルファベットはすでに21.1%、アップルで26.1%などとすでに実効税率は低い。こうした企業では連邦法人税率下げのメリットは、それほど大きくない可能性がある。 ★米主力企業の実効税率 銘柄名              実効法人税率 アップル            26.1% マイクロソフト         23.8% アルファベット          21.1% アマゾン・ドットコム       31.5% フェイスブック                  40.3% 出所:MarketWatch ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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伊藤忠商事(8001) 当研究所予想を増額修正 18/3期上期業績は好調に推移

QUICK企業価値研究所アナリスト 堀内敏成(2017/12/04) ・当研究所の通期純利益予想を4430億円に増額  18/3期上期の連結業績は、純利益が前年同期比19.9%増の2425億円となり、上期としての最高益を更新した。世界経済がリーマンショック以降、初の本格的回復過程に入り、資源市況も回復傾向にあることを背景に、同社が「稼ぐ・削る・防ぐ」ことを徹底、きめ細かくグループ会社の収益力向上に注力してきた成果が表れている。企業価値研究所では18/3期通期の純利益予想を、上期の業績などを踏まえて4430億円(前期比26%増)に上方修正する。 ・世界経済の拡大続き、主要事業が着実に伸びる見通し  当研究所では世界経済の拡大基調が継続するとともに、同社の主要事業が着実に伸びるとみており、同社の連結業績に関し、19/3期および20/3期の純利益予想も上方修正する(業績表参照)。各セグメントでの既存事業、グループ会社の収益力向上の取組み、積極的な資産の入替えが安定的な収益成長に寄与するとの見通しに変化はない。 ・リスクファクター ~中国経済の先行き、資源市況等 ・アナリストの投資判断 ~株価は大手5社にあって唯一上場来高値を更新。上昇基調続く見通し  株価は16年7月に年間の安値1135.5円をつけたが、その後は堅調な業績動向を背景に上昇基調が続き、17年11月には上場来高値となる2053.5円をつけた。同社の連結PBR(実績ベース)は大手5社にあって唯一1.0倍を超えているが、これは同社の自己資本利益率(ROE)が15.3%(17/3期実績)と同業他社の水準を大きく上回っている点が大きい。株価も大手5社にあって唯一、上場来高値を更新している。当研究所では今回、同社の連結業績予想を増額しており、着実な収益成長を背景に、株価は上昇基調が続くとみている。   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

企業価値研究所

12/4の配信レポート一覧:ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)、アイシン精機(7259)、伊藤忠商事(8001)、他

【セクター】 chmi 化学 セクター 「総合化学6社の業績動向」 rdpt 小売・百貨店 セクター 「百貨店 17年11月の販売動向」 trjp 国内自動車販売 セクター 「国内自動車販売統計(17年11月)」 【IPO】 3484 テンポイノベーション IPOフォロー 「店舗転貸借事業に専門特化して中期的な安定成長を目指す」 【企業調査】 5411 ジェイ エフ イー ホールディングス 企業調査 「鋼材マージンは順調に改善。18/3期以降の当研究所利益予想を上方修正」 7259 アイシン精機 企業調査 「ATの需要は旺盛。来期以降の販売台数を引き上げ。利益は拡大へ」 8001 伊藤忠商事 企業調査 「18/3期上期業績は好調に推移。当研究所予想を増額修正」 8031 三井物産 企業調査 「世界経済の本格的な回復背景に、経常的な収益は着実に増加する見通し」 【会社概要】 3649 ファインデックス 会社概要 「今期の単独営業46%増益計画据え置き、4Q集中型で推移する見通し」 3941 レンゴー 会社概要 「値上げ効果見込むも今期28%営業減益計画へ下方修正」 3950 ザ・パック 会社概要 「適正価格での販売などに注力し3Q累計は21%営業増益」 5949 ユニプレス 会社概要 「通期計画を上方修正も、下期は一転して減収減益を見込む」 6546 フルテック 会社概要 「上期は営業減益も利益率の高いリニューアル部門に注力。通期増益計画を維持」 6640 第一精工 会社概要 「各事業とも引き続き好調。通期大幅営業増益計画は据え置き」 8154 加賀電子 会社概要 「遊技機器向けの販売減をEMSビジネスの拡大などで吸収の見通し」 9006 京浜急行電鉄 会社概要 「不動産販売の利益率の悪化などで、通期の営業利益予想を14%減益に下方修正」 9303 住友倉庫 会社概要 「上期は物流事業などの業績が改善し概ね想定線。通期の15%営業増益予想を維持」 9616 共立メンテナンス 会社概要 「上期は寮・ホテルともに順調に推移。通期は営業3%増益計画を維持」 9936 王将フードサービス 会社概要 「創業50周年キャンペーン等による既存店増収効果で通期3%営業増益を計画」 4565 そーせいグループ 新興市場会社概要 「前年受領した大型契約一時金の反動で減収減益も、各開発品群の進捗は良好」   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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トルコリラ、29円台に上昇 11月CPIが予想上回る 前年比12.98%上昇

4日発表のトルコの11月の消費者物価指数は前年比12.98%上昇と市場予想(12.4%上昇)を上回り、前月(11.9%)から上昇を加速させた。 ※QUICK FactSet Workstationより   14日の金融政策決定会合でトルコの中央銀行が利上げするとの予想が増え、トルコリラは対ドルで上昇、対円でも29円台へと大幅高となった。 ※QUICK ActiveManagerより ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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キタックが21%高 串カツ田中が5%安 4日の夜間PTS

5日の株式市場で、キタック(4707)や不二精機(6400)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で5日の基準値を大きく上回る水準で約定した。キタックの約定価格は基準値に比べ21.21%高、不二精機は同19.09%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> 串カツ田中(3547)やショーケースTV(3909)も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で5日の基準値を下回る水準で約定した。串カツ田中の約定価格は基準値に比べ5.51%安、ショーケースTVは同5.38%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。  

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Jフロント株が高値、パルコ効果に脚光 上野の客数7割増

4日の東京市場でJフロント(3086)が続伸して前週末比4.7%高の1989円まで買われ、年初来高値を2営業日ぶりに更新した。11月の売り上げ増が手掛かりで、その中身をみると訪日外国人(インバウンド)需要の追い風だけではなかった。11月にパルコ(8251)との初の協業で増床開業した松坂屋上野店(東京)の貢献も大きい。上野店の来客数は前年同月比7割増となり、2012年に子会社化したパルコとの相乗効果がようやく顕在化してきた。   1日に発表した傘下の大丸松坂屋百貨店の11月の既存店売上高は、前年同月比7.2%増だった。まず目に付くのは免税売上高の92%増という高い伸びだ。三越伊勢丹(3099)の44%増、高島屋(8233)の48%増を引き離し、「インバウンド需要を同業他社以上に取り込んでいる」(野村証券の青木英彦マネージング・ディレクター)のが投資家の買いを誘っている。 パルコとの協業効果も増収に寄与した。松坂屋上野店の南館跡地に新業態「パルコヤ」を11月4日に開業した。東京23区内のパルコ出店は渋谷以来、44年ぶりとなる。上野店の顧客層は高齢者の比率が高かったが、「パルコヤ」が目指すのは団塊ジュニア世代を中心とする30~50代の消費者の取り込みだ。かつて文化の発信地として渋谷パルコなどに通った世代だ。 「パルコヤ」も入る上野フロンティアタワーの11月4日の開業後、本館も含む上野店全体は客数が大きく伸び、売上高も2割増となった。小売業にくわしいGマネジメント&リサーチの清水倫典代表は「初のパルコとの協業の成果が、早くも出た」と評価する。 Jフロントは22年2月期までに全国で4カ所のパルコ型店舗を開業する予定で、21年には2店目を大阪市内の旗艦店、大丸心斎橋店の北館にオープンする。「幅広い顧客ニーズを取り組む姿勢をいっそう明確にする」(野村証券の青木氏)ことで、収益拡大を狙う。上野店はまだオープンしたばかりながら、成功体験を重ねていけば投資家の評価は「インバウンド」だけにとどまらなくなるだろう。 【日経QUICKニュース(NQN) 張間正義】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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中国での環境意識の高まり:自転車利用、カーシェア、植樹 HSBCレポート

 QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、HSBC中国のデビッド・リャオ(David Liao)社長兼CEOがレポートします。   11月6~17日、ドイツのボンで第23回国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP23)が開催された。COP23では、世界中の政府関係者が一同に会し、気候変動に関する世界的取組の今後について協議する。そこへ世界各国の政府にとっては意外な協力者が出現した。中国の13億8,000万人の消費者である。 中国の過去数十年にわたる飛躍的な経済成長は、人口の大半を貧困から脱却させたが、環境を犠牲にしてきたことは疑いようもなく、世界第2位の経済大国である中国の温室効果ガス排出量は世界最大である。中国の重工業が関連する大気汚染のニュースや、スモッグで包まれる国内の大都市のイメージが度々報じられている。 このため中国の消費者が環境を意識しているとの見方には説得力がないかもしれない。 しかし、中国の環境汚染がきわめて広範に拡大する兆候が浮上し、国民は気候変動に敏感になり新たな対策が必要と考えるようになった。 例えば市場調査会社のイプソスが8月から9月にかけて世界各国で実施した調査(※1)によれば、国内の気候変動を懸念する回答者が最も多かったのは中国で、回答者の24%が懸念事項上位3つのうちの一つに気候変動を挙げている。中国に次いでカナダが21%だったが、調査対象の26ヵ国の平均はわずか10%だった。 ※1 Ipsos, What Worries The World Survey, September 2017 https://www.ipsos.com/ja-jp/what-worries-world-autumn-2017J 同時に、中国で急速に拡大する中間所得層の間では、健康と生活の質に関する要求が一段と高まっている。こうした人々の多くはテクノロジーに詳しく冒険心が旺盛で、自分たちの嗜好や要望に応えようと革新的な民間企業が提供する新しいプロダクトやサービスを積極的に試そうとしている。 顕著な事例として、昨年1年あまりの間に急速に普及した自転車シェアリングが挙げられる。中国では一時は街路からほとんど姿を消した自転車が、現在は再び息を吹き返している。今や中国の多くの都市の街角や地下鉄の出口で、市民がモバイル機器をスキャンしてレンタル自転車の鍵を開け、毎日の通勤の最後の交通手段あるいはスーパーマーケットまでの足として利用する光景が見られる。 いたるところに自転車が駐輪されることを懸念する見方も一部にはあるが、こういった便利で低コストの取組をきっかけに、より健康的で経済的負担が少なく環境保全にもプラスとなるこの交通手段を、数百万人の中国人が再び愛好するようになっている。 自転車シェアリングサービスの新興企業として、中国のテンセントや米国シリコンバレーのベンチャーキャピタル、セコイア・キャピタルからの投資を得ているモバイクによれば、同社の1億人に上る顧客の自転車の利用はこの1年以内で倍増し、自動車での移動を半分に減らしたとされる。 さらにモバイク社は、10万人の顧客を対象に行った調査を基に、同社のサービス利用者は2016年半ばに計画がスタートしてからの1年間で、二酸化炭素排出量を54万トン減らしたと推計している。これは自動車を1年間に17万台減らしたことに相当する。 自動車を選好する人々にとっても、中国はカーシェアリングの試験台となりつつある。ドイツのミュンヘンを本拠地とする経営戦略コンサルティング会社ローランド・ベルガ―は、中国国内でカーシェアリングに利用される自動車の数は、大気汚染を抑止したい政府の取組を背景に、2025年まで毎年45%のペースで増加すると予想している。(※2) ※2 Roland Berger, Car Sharing in China (6 April 2017) https://www.rolandberger.com/en/press/Car-sharing-in-China-Size-of-fleet-to-grow-45-percent-per-year-through-2025-%E2%80%93-h.html 環境に特に配慮している事例として、上海拠点のEVカードは23都市で8,000台を超える電気自動車を短期レンタルしている。利用者はモバイル端末のアプリとキーカードを使って、1分間当たりわずか0.50人民元ないし1日当たり180人民元でレンタルできる電気自動車を探すことが可能だ。180人民元は30米ドルに満たない金額である。 政府の振興策もあって中国の電気自動車市場も活況を呈している。昨年1年間に中国では25万7,000台の電気自動車が登録された。これは世界全体の電気自動車登録台数の55%に相当し、米国での登録台数の3倍である。 また中国当局が化石燃料自動車を将来禁止することも視野に入れていることから、電気自動車の市場は急速な拡大を続けるだろう。中国当局がこうした取組みを検討していると9月に報道された一方で、今年に入ってからフランスや英国でも同じ趣旨の発表が行われた。 より一般的な市民生活レベルでも、環境保全の考え方は中国人の日常に浸透しつつある。2016年8月にはユビキタス・モバイル決済アプリのアリペイに「アント・フォレスト」というミニアプリが導入された。このアプリの利用者はウォーキングやネットショッピング、請求書のオンライン決済などを通じて「グリーンエネルギー」ポイントを獲得する。アント・フォレストに十分なポイントを貯めた利用者は、それを実際の苗木と交換し内モンゴル自治区の砂漠に植樹することができる。 国連の環境プログラムと協調してこの取組みを主導しているアント・ファイナンシャルの報告によれば、このアプリが導入されてからの6カ月間に2億人のユーザーが参加し、この間のユーザーの行動変化によって推計15万トンの炭素排出量が削減され100万本を超える苗木が植樹された。 世界全体に突き付けられている環境問題に比して、こうした動きの全てはほんのわずかな前進にすぎないかもしれない。しかし中国の人口と経済規模の大きさを考えれば、こうした進歩は中国国内だけでなく世界全体にとって重要である。 またこれは中国で急速に増加する中間所得層の要求に応えたい企業にとっての教訓でもある。英国のベビー服販売業者であれ、日本の自動車メーカーであれ、あるいはアメリカのレストラン事業者であっても、中国の消費者が製品やサービスの価格や利便性だけでなく環境への影響を一段と意識し始めたことには注意を向ける必要がある。 消費者とともに中国の政府当局も、気候変動に関するパリ協定を順守するとした上で、エネルギー消費抑制や排出ガス削減、再生可能エネルギー創出の取り組みを強く推進している。これらによって地球環境は改善されていくだろう。    

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黒田日銀総裁の続投予想8割、副総裁は雨宮氏・伊藤氏か QUICK月次調査<債券> 

2018年は日米の中央銀行でトップが任期満了を迎えます。米連邦準備理事会(FRB)では2月にパウエル理事が議長に昇格する予定で、イエレン現議長が推進してきた緩やかな利上げ路線を継承するとの見方が優勢です。ただ、円相場や各国の株価に影響する18年中の利上げ回数や利上げの打ち止め時期などは不透明なままです。また18年4月が任期切れとなる日銀総裁人事はこれから調整が本格化するとみられます。12月4日公表の11月の「QUICK月次調査<債券>」※では、日銀総裁人事の行方や2018年の米追加利上げ、日銀の長期金利ターゲットなどについて聞きました。調査期間は11月28~30日、回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者142人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 来年の米利上げ予想「2回」が最多、時期は意見分かれる 米金融政策については、今後発表される雇用統計など主要な経済指標が予想を大幅に下回らない限り、12月12~13日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBは0.25%の利上げに踏み切るとの予想が大勢を占めています。一方、イエレンFRB議長は、2018年2月にパウエル次期議長が就任した時点で、理事ポストからも退任すると表明しており、ニューヨーク連銀のダドリー総裁も同年半ばに退任するため、FRB人事は大きく刷新され、パウエル体制への完全移行となります。それに伴う金融政策への影響が注目されています。 では、FRBは2018年に追加利上げを何回行うか、また何月に実施すると予想しますか、と聞いたところ、追加利上げ回数については「2回」が52%で最多となり、次に多かったのは「3回」で37%でした。時期(複数回答可)については「6月」が69%で最多でしたが、「3月」が58%、「12月」が56%、「9月」が50%と見方が割れました。 市場関係者からは、やはりパウエル次期議長はイエレン現議長の政策を踏襲するとの見方が強く、「緩やかな景気拡大に合わせた利上げを随時実施していくだろう」という声が大半を占めました。一方、「パウエル理事についてハト派的との見方が大勢だが、景気、賃金上昇率、インフレ率の上昇、上振れが続く状況の下、利上げペースは市場の想定を上回るものとなり、米金利は全般的な上昇をみせ、国内金利に対する上昇圧力をもたらそう」といった意見もありました。 また、FRBの追加利上げの終了時期はいつごろだと思いますか、と聞いたところ、最も多かったのが「2019年前半」で34%、次いで「2019年後半」が29%、「2018年中」が22%、「2020年以降」が15%で続きました。 欧州中央銀行(ECB)は11月26日の理事会で、2018年1月から毎月の資産買い入れ額を月600億ユーロから300億ユーロに減らしたうえで、2018年9月末まで量的金融緩和を延長すると決めました。では、その後、2018年内の政策はどうなると予想しますか、と聞いたところ、最も多かったのは「資産買い入れを減額して継続」で約7割を占めました。次いで「資産買い入れを停止」が27%、「マイナス金利を縮小する」が14%、「300億ユーロの買い入れを継続」が6%、「ゼロもしくはプラスに金利を引き上げる」が3%という結果でした。   黒田日銀総裁の続投予想が8割 日銀は、2016年9月から長期金利をゼロ%程度に誘導する「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和」を導入していますが、2%の物価上昇率目標にはいまだに距離があります。中曽副総裁は10月18日の講演で「必要であればイールド・カーブの形状についても調整を行っていく」と述べています。では、2018年末までに長期金利ターゲットを変更すると思いますか、と聞いたところ、最も多かったのは「明示せずに上昇を容認する」で38%、次いで「変更しない」が34%、「引き上げる」が26%と見方が分かれました。 また、2018年4月の黒田東彦総裁の任期満了後、日銀執行部の新体制はどうなると予想しますか、と聞いたところ、総裁の後任は「黒田東彦・日銀総裁」の再任が約8割を占めました。副総裁については「雨宮正佳・日銀理事」が66%と最も多く、次いで「伊藤隆敏・コロンビア大学教授」が34%、「中曽宏・日銀副総裁」が32%と続きましたが、「予想できない」といった声もありました。 市場関係者は「YCC微調整などの思惑が浮上している」ものの、「アベノミクス道半ばでの執行部交代による市場の混乱を避ける意味でも、再任の可能性が高い」と、安倍政権の長期安定化から黒田総裁続投の公算が大きいと見ています。「日銀体制も金融政策も大幅な変更はない」「国内長期金利は低水準で推移する」というのが大方の見方のようです。一方で「黒田総裁の年齢等を鑑みれば5年の任期を満了することは考えづらい」との指摘もありました。  債券価格変動要因、「短期金利/金融政策」の注目度が6割占める 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り低下を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.049%、3カ月後が0.066%、6カ月後が0.085%と、10月調査(0.066%、0.075%、0.090%)に比べていずれも低下しました。今後6カ月程度で注目する債券価格変動要因で最も多かったのは「短期金利/金融政策」が62%、次いで「海外金利」が20%でした。  資産運用担当者67人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が前回より6ポイント上昇の60%となった一方、「ややアンダーウエート」が33%で6ポイント低下しました。

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対話ボット動かすAIとは? 結束IMAY代表が描く未来

LINEの対話型サービス、コールセンターの自動対応システムなど人工知能(AI)を活用した対話型ロボットが普及する兆しを見せている。金融機関や証券会社でも業務効率化の観点から注目度が高い。対話型AIシステムを提供するIntelligent Machines Amaze You(IMAY)の結束雅雪・代表取締役に対話型ロボットの現状と展望について聞いた。 ――対話型AI(人工知能)の現状は。 「AIによるロボットコミュニケーションは多様化しており、ロボットペット、スマートデバイスに適応可能な範囲が広がっている。その中でも私が最も期待しているのは、腕時計だ。2014年に公開された米国のSF恋愛映画『her/世界でひとつの彼女』の中では、電車の中で人々が腕時計に囁く光景が描かれている。対話AIが当たり前の時代がくれば、必然的に普段身に着けている腕時計が対象となるだろう」 「現実の世界を見ても、街の中で観光客の中年女性が『OK、Google』とスマートフォンに話しかける光景を目にする。コンピューターに詳しくない人でも対話AIを使い始めており、これまでよりずっと身近になっている」 ――普及していくための課題は 「すでに世の中には、対話型のサービスが存在しているが、少し複雑な質問を投げかけると、対話が成立しない場合がある。これは入力文と出力文が紐づけられた固定対話が使われているためだ。予期しない入力文には対応できない。ただ、これではユーザーの興味を継続させることはできない。継続させるには、人の心を動かさなければならない」 「そのために必要になってくるのは、自由対話だ。自由対話を実現し、より伝えるためには性格づけも必要だ。例えば、QUICKのロボットだったら、この口調でこの返しといったような具合。キャラクターがないと、対話が人々に普及していかない」 「入力文と出力文の紐付けをメインとする固定対話ではきめ細かいコミュニケーションは難しい。自由対話では、字面上に現れる『直接的意図』と字面上で現れない『間接的意図』の理解が必要不可欠だ。実際に使われる言葉は例外と矛盾だらけだ。以前、機械に記事を書かせたことがあったが、同じ内容でも実際に記者が書いたものと大きく違った。人間は物事の背景などを考察し補うことができるが、機械が受け取る『直接的意図』だけでは必要な意味情報(文意)が含まれていないことも多い」 ――自由対話を実現するには 「これまでのような、単純に入力文と出力文を紐づけるアルゴリズムだけでは実現できない。例えば、『お腹が空いたー』と言ったとき、『何を食べましょうか?』ではつまらない。話しかけた人の好みまで察して、『サーロインステーキにしましょうか?』ぐらい返さないと魅力的なサービスにはならない」 「アルゴリズムに単語の概念や意味を共起させる事柄のDBを組み合わせる必要がある。『間接的意図』を理解できれば、ニュアンスをつかむことが可能になり、サービスを使う人を感動させることができる。感動すれば人はそのサービスを使い続ける」 「そこで我々が提供しているのが、“忖度”するAI、K-laeiだ。入力された『キーワード』だけでなく、『意図』を理解し、文章中で表現されていない話し手の意図を理解する」   ※Intelligent Machines Amaze You(IMAY) 2017年1月設立。徳島大学工学部青江研究室の研究成果を事業化するために2002年に起業した株式会社言語理解研究所(ILU)の技術と製品を応用・販売している。 ※企業の開示情報や相場情報を即時に解析してニュース配信する「QUICK AI速報」は、ILUやIMAYのAIエンジンを活用しています。

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