QUICK Knowledge

今年値上げする企業31%、据え置きは68% 新体制の日銀に逆風 QUICK短観

QUICKが16日まとめた2月の「QUICK短観」によると、「2018年に値上げする製品やサービスを増やす」と回答した上場企業(全産業ベース)は5%だった。「やや増やす」(26%)と合わせても31%にとどまった。日銀は2%の物価上昇を目標に掲げるが、企業の値上げの動きが急速に広がる気配はない。 値上げや値下げをせず、「基本的に据え置く」と答えた企業が68%を占めた。昨年あたりから人手不足や原材料価格の上昇を背景に一部で値上げの機運が出てきたが、多くの企業は慎重な姿勢を崩していない。新興企業の製造業では85%が今年は据え置きと回答した。 QUICK短観の2月の販売価格DI(「上昇」と答えた企業と「下落」と答えた企業の割合の差)をみると、金融を除く全産業ベースで4と前月から1ポイント低下した。一方、仕入れ価格DIは33と前月から1ポイント上昇し、およそ3年ぶりの高水準。コスト増の販売価格への転嫁が難しい現状を映している。 政府は16日午前、日銀の黒田東彦総裁を再任する人事案を衆参両院に提示。副総裁に雨宮正佳・日銀理事と若田部昌澄・早大教授を充てる案も示した。みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは「この春からの新体制の日銀も物価安定の目標達成は容易ではなさそうだ」と話していた。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

資産運用研究所

投信の積立、みんなはどうしてる? 投信保有者は4割が利用【個人意識調査(8)】

QUICK資産運用研究所は2017年12月、全国の20~60代の個人を対象に「個人の資産形成に関する意識調査」を実施した。個人に資産形成の取り組み状況などを聞く調査は、16年12月に続いて2回目。日経リサーチを通じてインターネット経由でアンケート調査を実施し、5132人から回答を得た。 調査結果はQUICK Money Worldに順次掲載する。 ◯調査概要はこちら   ■投信保有者、4割が「積立」利用 投資信託を保有している人に「投信積立」をしているかを聞いたところ、積み立てをしている人が全体の42.0%にのぼった。頻度別にみると、月に1回の「毎月」が全体の35.6%を占めた。「毎日」は2.1%だった。 年代別にみると、投信積立をしている人の割合は20代が7割超と圧倒的に多かった。特に「毎日積み立て」をしている人が9.0%にのぼり、ほかの世代と大きく差がついた。 20~40代までは投信保有者のうち、投信積立をしている人が過半を占めており、若い世代を中心にコツコツ投資がじわり広まりつつあるようだ。 (QUICK資産運用研究所)

News & Views

サイバーダイン、大株主が大量売却  どう動く空売り投資家?

筑波大学発のベンチャー企業で、医療・介護向けのロボットスーツ「HAL」を手掛けるサイバーダイン(7779)を巡る動きに注目したい。15日の大引け後、取引所外の単一銘柄取引でサイバーダイン株で124億1627万円の取引が成立し、約定価格はネットで1614.6円、売買高は769万株だった。15日終値(1755円)に対して8%ディスカウントされた取引だったこともあり、背景を探る動きがみられた。サイバーダインの株主構成をみると、この売買が可能なのは、名目上筆頭株主で3769万株を保有する大和ハウス(1925)のみだ。 この件について大和ハウスの広報グループに電話取材すると、「サイバーダインが昨年12月、米国食品医薬品局(FDA)からHAL医療用下肢タイプについて医療機器としての市販承認を取得し、株主層拡大のため大和ハウスが保有する株式の譲渡を依頼されたので応じた。今後180日間に追加売却はない」とコメントした。 大和ハウスとサイバーダインの蜜月期間は長い。2007年に第三者割当増資を引き受けたのを皮切りに、2008年にはロボット事業に関する総代理店契約を締結。HALを一括して買い受け、国内で独占販売してきた。その後も出資比率を引き上げるなど関係を深めてきた。今回売却した769万株を除いても依然3000万株を保有するうえ、大和ハウスも資本業務提携関係を継続する意向を示している。ただ、サイバーダイン側のIR担当も売却された769万株の行方に関して明言を避けており、誰が新たに取得したかは不明だ。海外展開に向けて新たな資本業務提携などが画策されているのかもしれない。 HALは、身体を動かすときに発生する生体電位を装着者の皮膚表面から読み取り、歩行や関節の動作をアシストする装着型ロボット。介護用途などへのニーズが高いと期待されている。同社はロボット先端技術の軍事転用を防ぐ名目で、創業者の山海嘉之社長に上場株式の10倍の議決権をもつ種類株が設定されるなど、鳴り物入りで2014年3月に東証マザーズに上場した。しかし売上高は微増に留まり黒字転換の道のりは険しい。一方で時価総額は2400億円超に達し、割高感を指摘する声は多い。 それが形となって現れたのは2016年夏。空売り投資家のシトロン・リサーチによる挑発的なレポートが話題となった。シトロン社は米国などで特定の企業に空売りのポジションをとり、その企業の問題点を指摘する会社として知られ猛威を振るっていたが、サイバーダインにも牙を向けた。「サイバーダインは世界で最も途方もなく低価な株券です。日本の投資家の方に細心の注意をはらうことをお勧めします」と言い切り、目標株価を当時の株価から85%下回る300円に設定した。サイバーダイン株は急落し、大和ハウス株も連れ安したのは記憶に新しい。 同じく空売り投資家のウェル・インベストメンツ・リサーチもサイバーダインを「口先ばかりで成果が伴っていない」と酷評した。同年12月には、科学誌ネイチャーに「新医療技術:サイバニクス治療(機能再生治療として)」として同社が掲載されると、すかさずシトロンは「サイバーダインのさらなる嘘と欺瞞をあばく」と挑戦的なレポートを作成。「この記事は山海嘉之CEOが書いた有料広告以外の何物でもない」と指摘していた。最近は鳴りを潜めている空売り投資家だが、今回の一連の動きに再び反応するのか注目したい。 (QUICKエクイティコメント) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

資産運用研究所

大和住銀「EV革命」、残高1000億円に 設定から3週間で

大和住銀投信投資顧問が運用する「グローバルEV関連株ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:EV革命>」(22312181)の純資産総額(残高)が1000億円を突破した。15日の残高は1002億円。1月24日の設定当初に773億円を集め、約3週間で残高を積み増し大台に乗せた。 投資対象は日本を含む世界の電気自動車(EV)関連企業の株式。最近の大幅な株安を受けて基準価額は下落しているものの、資金流入が続き残高を伸ばしている。販売会社は大和証券のみ。 (QUICK資産運用研究所)

QUICK Knowledge

黒田日銀の5年、企業の33%「プラスの影響大」 マイナスは4% QUICK短観

2013年3月に就任した日銀の黒田東彦総裁が4月に任期を終える。続投観測が高まるが、これまでの5年間の黒田日銀の「異次元の金融緩和」を上場企業はどう評価しているのか。QUICKが16日まとめた2月の「QUICK短期経済観測調査」によると、「プラスの影響が大きかった」と回答した企業(全産業ベース)は33%に上り、「マイナスの影響が大きかった」の4%を大きく上回った。 全産業ベースでは「プラスもマイナスも同じくらいの影響」と答えた企業が30%、「何の影響もなかった」が33%を占めた。大規模企業の製造業に限ると「プラスの影響が大きかった」は37%と最も多かった。新興企業の製造業の場合、プラスの影響を受けた企業は15%にとどまり、影響がなかったという回答が44%と最も多かった。   もっとも、製造業も非製造業も「マイナスの影響が大きかった」と答えた企業は4%前後しかなかった。黒田日銀は安倍晋三首相のアベノミクスを支えてきたが、その恩恵を感じとっている企業が少なくないことが分かる。ある回答企業からは「金融政策の大きな方針転換には反対であり、黒田総裁の留任を望む」といった声が寄せられていた。   2月のQUICK短観の回答企業は377社。回答期間は2月1日~13日。   ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

企業価値研究所

任天堂(7974) 「Joy-Con」活用などによる新たな遊び方提案で「Switch」の更なる躍進も

QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2018/02/15) ・『Labo』投入などファミリー、ライト層を取り込む段階に  「Switch」は「いつでも、どこでも、誰とでも楽しめる」点と相次ぐ大型ソフト投入が相まって世界中で大ヒット。着脱式コントローラー「Joy-Con」による「おすそわけ」プレイや直感的な遊び方の訴求で、ゲームファン中心の人気からファミリー、ライト層を取り込む段階に。段ボール工作キットとゲームを融合し親子で楽しめる『Nintendo Labo』(4月発売)もゲーム人口拡大を牽引へ。企業価値研究所は来期の「Switch」販売台数を2250万台と想定するが、「Joy-Con」の機能活用や『Labo』のような発想で新しいゲーム体験が提案できれば更なる躍進の公算も。足元のソフトラインナップが『Labo』以外、力強さに欠けるため、「Switch」への関心が一時的に冷める懸念がある一方、6月の米ゲーム見本市「E3」で判明する年末商戦のラインナップに要注目。会社側が示す「一人1台」との「野望」に向けた課題が解決すれば、「Switch」の潜在市場は更に拡大しよう。 ・20/3期営業利益は3900億円と10年ぶりの高水準へ  自社大型ソフト、DL販売の拡大による利益押し上げ効果やユーロ高への想定見直しを主因に連結営業利益の当研究所予想を増額。今期1850億円、来期2850億円、20/3期3900億円とした。20/3期は「DS」「Wii」全盛期以来、10年ぶりの高水準に。スマホゲームやテーマパーク、アニメ映画によるIPファン拡大も今後の追い風となろう。 ・リスクファクター ~上記リスクに加えユーロ安など ・アナリストの投資判断 ~来期以降の「Switch」の展開に対する期待から株価上昇余地ありと判断  20/3期PERは19倍(当研究所予想)。年末商戦の結果判明で株価に一服感も出ているが、来期以降の「Switch」の展開に対する期待感を考慮すれば、上昇余地はあるとみる。注目点は『Labo』、「E3」、中国展開など。   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。    サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

企業価値研究所

2/15の配信レポート一覧:パナソニック(6752)、シャープ(6753)、ソニー(6758)、他

【企業調査】 6752 パナソニック 企業調査 「FA関連の好調を評価。業績予想を上方修正」 6753 シャープ 企業調査 「液晶などの進捗は順調。今後は成長戦略が課題に」 6758 ソニー 企業調査 「営業利益は過去最高を大幅に超える水準で推移する見通し」 7974 任天堂 企業調査 「「Joy-Con」活用などによる新たな遊び方提案で「Switch」の更なる躍進も」 【会社概要】 1808 長谷工コーポレーション 会社概要 「3Q累計の連結完工粗利益率は20%台に。通期の営業増益計画を据え置き」 1820 西松建設 会社概要 「工事進捗の遅れを踏まえて通期完工高を減額も、完工粗利益率は上方修正」 1824 前田建設工業 会社概要 「3Q累計実績を踏まえ、通期の完工粗利益率計画を0.6ポイント上方修正」 1893 五洋建設 会社概要 「手持ち工事の採算改善などを踏まえ、通期の連結営業利益計画を20億円増額」 1925 大和ハウス工業 会社概要 「3Q累計は過去最高益に。通期は営業5%増益計画を維持」 1983 東芝プラントシステム 会社概要 「全社の受注動向は、3Q累計では増加だが、直近四半期は減少」 3197 すかいらーく 会社概要 「既存店強化に軸足転換、人件費単価上昇を吸収し今期営業2%増益へ」 3221 ヨシックス 会社概要 「3Q累計も好調を維持して営業41%増益。2回目の上方修正を発表」 3405 クラレ 会社概要 「ポバール樹脂など主要製品の販売が総じて順調に推移」 3569 セーレン 会社概要 「3Q累計は10%営業増益。車輌資材事業などが好調を維持」 3978 マクロミル 会社概要 「18/6上期は7%営業減益。パネル調達費と人件費増が響く」 4543 テルモ 会社概要 「心臓血管カンパニーがけん引し業績好調、通期計画を増額修正」 4612 日本ペイントホールディングス 会社概要 「今期は原料高影響を吸収して小幅営業増益を目指す」 4985 アース製薬 会社概要 「マーケティング費用などの増加が負担となるが、販売面では順調に拡大」 5192 三ツ星ベルト 会社概要 「3Q累計は海外販売好調で6%営業増益。通期11%減益計画を維持」 5631 日本製鋼所 会社概要 「樹脂製造・加工機械の販売が好調に推移」 5949 ユニプレス 会社概要 「3Q3カ月は日産自の無資格検査問題の発覚などで大幅営業減益」 6383 ダイフク 会社概要 「半導体・液晶、eコマース関連が拡大。自動車、空港向けも伸びる」 6810 マクセルホールディングス 会社概要 「民生用・自動車用のリチウム電池が好調」 6925 ウシオ電機 会社概要 「半導体や液晶向けが好調。光関連ビジネスの拡大に注力」 7230 日信工業 会社概要 「持分法適用関連会社の業績不振で純損失見通しに下方修正」 9007 小田急電鉄 会社概要 「百貨店の売上好調も、固定資産除却費の増加もあり通期の営業利益予想を維持」 9024 西武ホールディングス 会社概要 「3Q累計は東京ガーデンテラス紀尾井町の賃料収入が増加し6%営業増益」 9416 ビジョン 会社概要 「グローバルWiFi事業の業績改善など見込み、今期は26%営業増益を計画」 9831 ヤマダ電機 会社概要 「18/3期3Q累計業績は11%経常減益ながら最終増益に」   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。    サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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注目の日銀副総裁、「雨宮・若田部氏案」と報道 市場はどう動くか

日本経済新聞電子版は日本時間16日午前2時、「政府は16日にも衆参両院の議院運営委員会理事会に日銀の正副総裁など国会の同意が必要な人事案を示す」と報じた。市場で関心が高かった副総裁候補には「日銀の雨宮正佳理事と早大の若田部昌澄教授を充てる案を検討中」としている。 雨宮理事の副総裁昇格はノーサプライズだ。1月の「QUICK月次調査<外為>」では副総裁候補についてヒアリング。雨宮氏は6割超の「オッズ」で筆頭候補であり続けた。実務にたけているとされ、政策の継続性に対する安心感を与える。 新しい日銀副総裁は? 1月のQUICK月次調査<外為> 今回の正副総裁人事のポイントを三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア・マーケットエコノミスト、六車治美氏は端的に「新しい日銀執行部の『リフレ度』が強まるか弱まるかは、岩田副総裁の後任次第」(2月6日付、「ポスト岩田」副総裁が左右する新執行部のリフレ度)と指摘している。 岩田氏の後任というのは日銀外から選ぶという意味だ。まず若田部氏の「オッズ」を前出の外為調査で確認すると23%だった。17年12月調査から11ポイント上昇していた。候補のテーブルに乗っていたうえに副総裁を予想する声も高まっていただけに、それほどサプライズではない。 政策スタンスについてはリフレ派でありハト派とされている。六車氏のレポートから引用を続けると以下のような姿が浮かぶ。 “若田部昌澄早稲田大学教授はインタビュー(日本経済新聞、12月27日)で19年10月の消費増税について、『14年のように増税をきっかけに消費が落ち込み、インフレ期待もしぼみかねない』とその影響を懸念している。金融政策については、『消費税増税の負の影響を吸収して、かつ物価が2%へ上がっていくほどの強力な緩和が必要』とし、『たとえば年80兆円をめどとしている日銀が保有する国債の拡大を年90兆円めどに引き上げるなど、一段と積極化する』ことが必要と述べた。イールドカーブ・コントロールの運用についても、『「0%程度」としている長期金利の誘導目標は厳密な「ペッグ(固定相場)」ではなく、金利がそれよりは上がらないようにするという「キャップ(上限)」のようにとらえればいい』と述べている” リフレ度で岩田氏と比較した場合の評価はどうか。シティグループ証券のチーフ FX ストラテジスト、高島修氏は13日付のレポートで「岩田副総裁はもともと強力な緩和論者で、日銀入りする前は、保守的だった白川前総裁までの日銀の姿勢を強く批判してきた。(中略)リフレ論者の若田部教授の場合で初めて現状比ほぼ変わらずといったところ」と指摘していた。 ここで比較論の対象となるのが本田悦朗・駐スイス大使。QUICK月次調査による「オッズ」は17%と若田部氏よりも低いが重要な候補の1人だったことに変わりない。同氏は「ヘリコプターマネー」政策に言及するなど相当なリフレ派の1人。執行部入りするようだと、一段とリフレ度が高まるというのが市場の想定だった。本田氏と比較すると若田部氏はややマイルドなリフレ度と市場には映るか。「金融財政政策の一体発動(言わばヘリマネ政策)を訴える本田大使の場合のみ、一段のハト派政策の可能性を嗅ぎ取って円安バイアスが生じる可能性がある」(高島氏)。 ゴールドマン・サックスは15日付のリポート「日銀人事Q&A」で、本田氏と若田部氏、雨宮氏、伊藤隆敏氏(コロンビア大学教授)の4人を副総裁候補に挙げていたが、やはり本田氏が市場参加者の目に「最もハト派的と映るだろう」と指摘していた。 「若田部副総裁誕生」の可能性が高まったが、1月26日付のレポートで「(雨宮氏以外の)もう一人の副総裁には、安倍政権がリフレ派の考え方を持つ人を送り込む可能性が高いと考えており、その第1補ととして若田部昌澄・早稲田大学教授を挙げたい」としていたのがJPモルガン証券だった。 ほぼメーンシナリオ通りの布陣が固まった場合、JPモルガンは相場動向を以下のように想定していた。 【JGB金利】副総裁の組み合わせに関わらず黒田総裁が続投となれば、海外投資家内では近い将来の金融政策の微調整に対する期待感がやや後退し、一時的に金利低下圧力が高まるだろう。2018年末に関しては、10年金利目標を 0.25-0.50%に引き上げると経済調査部が予想しており、その場合20 年金利は1.0-1.3%程度まで上昇することが予想される。 【円相場】市場のセンシティビティ、期待度に鑑みると、黒田総裁続投となれば短期的に 1~2円程度の円安となることは考えられるが、影響は長続きしないだろう。年末に向けての USD/JPY 予想は引き続き 108円~115円のレンジ内の推移と予想。日銀は10年金利目標引き上げを検討する際、円高が進んでいたり、米長期金利が低下しているような環境では引き上げを実行しないと考えられるため、円相場に対する影響は総じて限定的と考えられる。 【株式】ほぼ市場の想定線であり、短期的にはニュートラル。先々、インフレ率の上昇に伴って日銀が10年金利目標の引き上げに動くとの見方が強まれば、金融株が上昇し、株式市場の牽引役になると見込まれる。メインシナリオでの日経平均の高値想定(2018年中)は26,000円。 こう見ると黒田総裁、雨宮・若田部両副総裁の人事案に大きなサプライズはない。むしろ驚きがあるとすれば、JPモルガンが先月下旬に示していたような円安とは真逆の展開が始まっている点だろう。 (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

QUICK Knowledge

共同PR(2436)が22%高、日精蝋(5010)は15%安 15日の夜間PTS

16日の株式市場で、サカイHD(9446)や共同PR(2436)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で16日の基準値を大きく上回る水準で約定した。サカイHDの約定価格は基準値に比べ25.62%高、共同PRは同22.12%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> 一方、UFHD(4235)や日精蝋(5010)も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で16日の基準値を大きく下回る水準で約定した。UFHDの約定価格は基準値に比べ16.37%安、日精蝋は同15.78%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

News & Views

円が105円台接近、リスク選好でも上昇 日本政府の円高容認観測も

外国為替市場で円高・ドル安に再び拍車がかかった。15日の東京市場では一時1ドル=106円30銭近辺と2016年11月以来、約1年3カ月ぶりの高値を付けた。前日14日までとの大きな違いは、日米株高や変動性指数(VIX)低下で投資家のリスク選好意欲がだいぶ戻ってきたにもかかわらず、「低リスク通貨」の円に買いが進んだことだ。リスク選好の取引は主に対欧州通貨でのドル売りに集中し、対円のドル売りに波及しやすくなっている。   米株式相場は今週に戻り歩調を強め、14日まで4日続伸した。前週までの株安の引き金となったVIXは20を割り込み、投資家の不安心理が落ち着いたことを示すゾーンに入った。そこで為替市場の参加者はどう動いたか。円を売ってドルを買うよりも先に、「ドルを売って、ユーロや英ポンドだけでなく、ブラジルレアルや南アフリカ・ランドなど新興国の通貨を買う『リスク選好のドル売り』を増やした」(あおぞら銀行の諸我晃・市場商品部部長)という。   円はユーロや英ポンドに対してはドルとともに売られたものの、ドルを売ってユーロやポンドを買う勢いが勝った。もともと1月に3年1カ月ぶりの水準までドル安・ユーロ高が加速した局面で、円やスイスフランの対ドルでの上昇ペースはさほど速まらなかった。「そのためにドル安が波及する余地は相対的に大きくなっている」(あおぞら銀の諸我氏)とみられている。 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週まとめているシカゴ通貨先物市場の建玉報告によると、投機筋をあらわす「非商業部門」の円の売越幅は6日時点で11万枚超と大台を保っていた。今週に入ってにわかに強まった円高・ドル安に耐えきれなくなった円安派は少なくなかったと考えられる。海外で日銀による金融緩和政策の縮小観測が根強いこともあって、市場では「投機的な円の売り持ち高の解消は続く可能性が高い」(HSBC証券の城田修司マクロ経済戦略部長)との声が多い。 季節的な需給面でも円高・ドル安の余地がある。きょう15日は米国債の償還・利払い日に当たる。「(国内金融機関や生命保険会社などの機関投資家は)決算期末の3月に向けて利益や損失を確定させなければならず、円買いに傾きやすい」(大和証券の今泉光雄チーフ為替ストラテジスト)。足元の円高ペースについて行けず、円を買い遅れていた国内輸出企業からは3~6カ月程度の先物で円を買いたいとの注文が増えているようだ。 麻生太郎財務相は15日午前、現在の為替相場について「特別に介入が必要なほどの水準ではない」と述べた。海外投機筋の間では「日本政府は水準面でもスピードの点でも円高を容認している」との受け止めが広がっている。円の先高観は簡単には収まりそうにない。 【日経QUICKニュース(NQN ) 尾崎  也弥】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

資産運用研究所

毎月分配型投信の実態は? 特別分配金、4人に1人が「知らない」【個人意識調査(7)】

QUICK資産運用研究所は2017年12月、全国の20~60代の個人を対象に「個人の資産形成に関する意識調査」を実施した。個人に資産形成の取り組み状況などを聞く調査は、16年12月に続いて2回目。日経リサーチを通じてインターネット経由でアンケート調査を実施し、5132人から回答を得た。 調査結果はQUICK Money Worldに順次掲載する。 ◯調査概要はこちら   ■毎月分配型投信の購入、高齢層ほど多く 分配金を毎月払い出す「毎月分配型」の投資信託を購入したことがある人の割合は、全体の12.9%だった。年代別にみると、60代が19.9%と最も高く、高齢層ほど毎月分配型投信を買ったことのある割合が多かった。20代は6.8%にとどまった。 ■元本を取り崩す「特別分配金」、4人に1人が「知らない」 毎月分配型の投資信託を買ったことがある人に対し、「分配金は元本を取り崩して払う場合があり、それを特別分配金と呼ぶことをご存知ですか」と質問したところ、「いいえ」の答えが26.0%にのぼった。 投信の分配金はすべて収益(もうけ)から支払われるという誤解は根強く、高い分配金を支払う毎月分配型投信が人気を集める一因になっていた。今回の調査でも、毎月分配型投信の購入者のうち4人に1人が分配金の仕組みを正しく理解していないことが明らかになった。 さらに「特別分配金」の仕組みを知らなかった人に対し、仮に分配金は元本を取り崩して払う場合があることを知っていても、毎月分配型を選びますかと聞いたところ、「いいえ」が81.4%を占めた。この8割は「元本を取り崩す場合があることを知っていれば、毎月分配型を選ばなかった」ことを意味している。 ■分配金の内訳、6割近くが「確認している」 毎月分配型の投資信託を買ったことがある人のうち、分配金の内訳を確認している人は6割近くを占めた。 また、投信を保有している人の7割超は「トータルリターン通知」を確認していることがわかった。トータルリターン通知制度は、分配金を加味した運用成績を個人投資家に知らせる仕組みで、分配金の内訳やコストなどが示されている。 (QUICK資産運用研究所)

企業価値研究所

好調な景気、企業業績を背景に、株式相場は徐々に落ち着きを回復へ 【投資情報マンスリー】

米国景気が堅調に推移するなか、トランプ政権が大型景気浮揚策を進めたことにより、米国の長期金利が上げ足を速め、これを受けて2月に入り米国株式が急落し、日本をはじめ世界の株式相場に波及した。これらの動きは、1987年10月の「ブラックマンデー」との類似性が指摘されるが、企業価値研究所では、世界景気の拡大、内外主要企業の業績好調などを背景に、内外の株式相場は徐々に落ち着きを回復するものとみている。 FRBの金融政策の方向性、金利・為替動向などを注視したい ただ、FRBの金融政策の方向性、米国の景気指標、長期金利および為替相場の動向などは慎重に注視したいと考えている。 なお、QUICKが2月8日現在で集計したTOPIX採用銘柄(除く金融。3月本決算企業)の18/3期3Q累計業績(決算発表進捗率は銘柄数で66.4%)は、売上高で前年同期比9.0%増、営業利益で同19.4%増、経常利益で同20.0%増、純利益で同33.3%増と好調だ。 世界経済は拡大基調を維持する見通し 世界経済は堅調に推移している。国際通貨基金(IMF)は1月22日に発表した「世界経済見通し」(年4回公表)で、18年および19年の世界の実質GDP成長率予想を主要先進国中心に上方修正した。米国における大型減税を含む税制改革法の成立の影響を織り込んだ形。新興国の成長率予想は据え置いたが、堅調な推移が続くと見込んでいる。原油など資源市況の回復を背景に、ロシア、ブラジルなど資源国の成長率も17年からプラスに転換しており、世界経済の拡大は当面継続するとみられる。 執筆:QUICK企業価値研究所 チーフストラテジスト 堀内敏成  (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。   ※個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。  サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。 ※なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

企業価値研究所

三菱ケミカルホールディングス(4188) MMAの市況上昇などを受け、上方修正

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2018/02/14) ・今期のコア営業利益は2割増に  18/3期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上収益3兆6900億円→3兆7300億円(前期比10%増)、コア営業利益3400億円→3700億円(同20%増)へ引き上げる。今期は従来、原料高や固定費負担の増加で機能商品、ヘルスケアの両部門が伸び悩むものの、ケミカルズ部門がMMAや炭素製品の採算改善で利益を伸ばし、連結全体でコア営業利益は2桁増になるとみていた。足元では、MMAの市況が想定以上に上昇しているほか、機能商品部門も好調に推移。ヘルスケア部門は減益幅を拡大したが、連結全体で従来予想を上回る増収、増益を達成できる見通しとなった。19/3期以降はMMAの採算悪化やヘルスケア部門での特許切れの影響などが避けられないが、幅広く事業を展開する総合化学メーカーとして、中期的に業績は拡大に向かうと考える。 ・上期はヘルスケアを除く各部門が利益を伸ばす  18/3期上期の連結コア営業利益は、前年同期比41%増の1923億円。ヘルスケア部門が落ち込んだが、他の各部門は好調に推移し、連結全体で当研究所が想定していた1800億円を上回る増益を達成した。 ・リスクファクター ~石化製品の採算など ・アナリストの投資判断 ~株価には依然割安感があり、上昇基調が続くと予想する  株価は16年夏場を底にして上昇を続けているが、足元でも、当研究所の来期予想連結PERで約9倍と、総合化学メーカーの平均を下回る水準にある。20/3期にかけて、MMAの採算悪化などで業績はやや伸び悩むものの、引き続き高水準の利益計上が見込まれる。日本を代表する化学メーカーとして高い競争力を有する点を考慮すると、同12倍程度の評価は可能とみられ、株価は上昇基調を維持できると考える。   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。    サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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2/14の配信レポート一覧:三菱ケミカルホールディングス(4188)、SUBARU(7270)、アルフレッサ ホールディングス(2784)、他

【セクター】 stmo 投資情報マンスリー 投資戦略 「投資情報マンスリー 18年2月号」 【企業調査】 4188 三菱ケミカルホールディングス 企業調査 「MMAの市況上昇などを受け、上方修正」 7270 SUBARU 企業調査 「来期は新型「アセント」等の投入、クレーム費の減少で復調へ」 【会社概要】 2784 アルフレッサ ホールディングス 会社概要 「業績順調、3Q累計は全セグメントで増益。通期計画据え置き」 3110 日東紡績 会社概要 「3Q累計は原繊材事業が牽引して9%営業増益。通期3%増益計画を維持」 3611 マツオカコーポレーション 会社概要 「特定の大手SPA向けを中心に売上高は拡大」 3683 サイバーリンクス 会社概要 「格安スマホ事業者との競争激化で今期の経常利益は横ばい見込み」 3756 豆蔵ホールディングス 会社概要 「案件整理、エンジニアのスキルチェンジなどを推進」 3963 シンクロ・フード 会社概要 「サービスエリアの拡充で登録ユーザー数が順調に増加」 4189 KHネオケム 会社概要 「将来の需要増に備え、生産基盤の強化を進める」 4203 住友ベークライト 会社概要 「3Qまで順調に推移。スマホ市場の減速も大きな影響はない見込み」 4403 日油 会社概要 「3Q累計は営業2%減益、化薬事業が大幅減益」 4516 日本新薬 会社概要 「新製品好調も原薬代金精算の反動で3Q累計は減益、通期計画据え置き」 4559 ゼリア新薬工業 会社概要 「国内低調も販管費の減少等から3Q累計は増収・増益、通期計画を修正」 4722 フューチャー 会社概要 「新規顧客を中心としたプロジェクトの完遂を目指す」 5563 新日本電工 会社概要 「今期は原材料価格の上昇が利益を圧迫。48%営業減益を見込む」 6140 旭ダイヤモンド工業 会社概要 「各業界向け販売堅調とEcoMEPの回復傾向を織り込み、通期業績予想を今期3回目の上方修正」 6330 東洋エンジニアリング 会社概要 「3Q累計は米国エチレンプロジェクトの見直しで営業赤字に転落」 6480 日本トムソン 会社概要 「国内外ともに需要強く3Q累計営業利益は2.1倍の13億円。通期倍増の23億円予想維持」 6845 アズビル 会社概要 「事業別の利益拡大施策は順調に進捗、増収増益を目指す」 6856 堀場製作所 会社概要 「今期も主力の自動車、半導体向けが牽引し営業利益は8%増の290億円予想」 7740 タムロン 会社概要 「今期は1ドル=110円前提に13%営業増益予想。引き続き新製品を積極投入」 7988 ニフコ 会社概要 「3Q累計はベットおよび家具事業が牽引し小幅営業増益を確保」 8624 いちよし証券 会社概要 「新規公開など引受業務も強化、主幹事会社数は49社に」 8919 カチタス 会社概要 「今期4割営業増益計画を据え置き。買取仕入を強化」 3137 ファンデリー 新興市場会社概要 「通期12%営業増益計画は維持。新規紹介網からの顧客流入増加に注力」 6176 ブランジスタ 新興市場会社概要 「電子雑誌業務は好調持続。ゲームのテレビCMの全国放送を実施」 6194 アトラエ 新興市場会社概要 「成功報酬型求人メディア「Green」の利用が進む」 7169 ニュートン・フィナンシャル・コンサルティング 新興市場会社概要 「3Q累計は主力の保険サービス事業が伸び10%営業増益。通期5%減益予想は据え置き」 8739 スパークス・グループ 新興市場会社概要 「3Q累計は良好なパフォーマンスと日本株の上昇を受けて55%増収」   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。    サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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やはり「ドル安」転換なのか 米CPI上振れ、金利上昇でも円高基調

再び相場急変のきっかけになるかもしれないと、市場が警戒していた1月の米消費者物価指数(日本時間14日午後10時30分発表)は、市場予想の前月比0.3%上昇に対し、0.5%の上昇と強めの数字となった。コアCPIも予想の0.2%上昇を上回る0.3%上昇と上振れした。 発表直後、米10年債利回りは2.81%台から2.88%へ急上昇。その後も上げ幅を広げ、2014年1月以来となる2.92%まで上昇した。 しかし、外国為替市場の反応は複雑だった。発表直後、外為市場で円相場は1ドル=107円20銭前後から107円40銭台後半へ下落したものの、急速に下げ渋り107円レベルへ上昇した。その後は107円を挟んだ一進一退の動きとなった。 ドルインデックスの動きはより顕著で、発表直後に89.7から90.1に急上昇したものの、しばらくすると発表前のレベルに戻し、その後はジリジリと下落。東京時間15日午前6時ごろには89を割り込む「ドル安」となっている。 【ドルインデックスとドル・円相場の値動き】 (注)QUICK FactSet Workstationより作成 教科書的に考えれば、インフレの上昇で実質金利が低下し、ドル安に向かったと見ることができる。ただ、前年比ベースでみたCPIはコアともに概ね横ばい。期待物価上昇率を示す米ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)の上昇も長期金利を下回り、実質金利からのアプローチは説得力に欠ける。 今回のCPIの上昇要因としては「原油高を背景としたエネルギー物価の大幅上昇が主因。コアCPIの伸びも衣料品価格が押し上げており、足元で全般的なインフレ圧力が加速している状況にはない」(米国みずほ総研)。CPIと同時に発表された1月の小売売上高が下振れと相まって、ドル安要因になったと考えることもできる。ただ、為替市場だけが反応したというのも、マーケットに携わる者としては、納得できない。 マーケット感覚的には、やはり「ドル安地合いにある」ということなのかもしれない。トランプ米大統領は12日、不公正な貿易慣行を続ける国からの輸入品に「報復関税」を課すと発言。米国の保護貿易主義が強まることが懸念されている。 トランプ大統領就任以降、ドルインデックスの下落基調は明らかだ。米国がドル安政策に転換した可能性も捨てきれない。チャートをみれば、少し前までドル円が110~115円を中心としたレンジだったことの方が不思議に見える。ましてや、トランプ大統領は「中国や日本、韓国との間で莫大な金を失っている」と名指ししており、円高・ドル安懸念は簡単には払しょくできない状況だ。 「ドル安・円高地合い」のなかでは、ちょっとした材料で円高に振れる。債券市場では日銀の次期正副総裁人事やその政策が話題になっているが、このタイミングで「緩和縮小」の思惑が出ようものなら、一気に円高が加速しかねない。海外金利の上昇は円金利の上昇要因ではあるが、それが円高につながるようなら、日銀は断固として阻止するだろう。 (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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恐怖指数のVIXが急低下、「不安領域」脱す

14日の米国市場で「恐怖指数」と呼ばれる米株の変動性指数(VIX)が大幅に4日続落した。一時、18.99まで下げて19割れとなり、下落率が23%を超える場面があった。VIXは20を上回ると、市場の不安心理が高まった状態とされる。終値ベースで「20」を下回ったのは2月2日以来で、「不安領域」をひとまず脱したかたちだ。 14日は2月限VIX先物、VIXオプションの満期を迎えて、VIXは朝方から急低下してスタート。1月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比2.1%上昇となり、市場予想(1.9%上昇)を上回ったことで債券安・株高が進むなか、引けにかけて一段と低下する流れとなった。 終値ベースでは2月2日(17.31)以来の水準となり、VIXが急騰した5日以降の上げをほぼ帳消しにした。 【VIX先物の5分足チャート】 (注)QUICK FactSet Workstationより (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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ピクスタ(3416)が26%高、APLIX(3727)は19%安 14日の夜間PTS

15日の株式市場で、ピクスタ(3416)やマルマン(7834)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で15日の基準値を大きく上回る水準で約定した。ピクスタの約定価格は基準値に比べ26.01%高、マルマンは同25.25%高だった。また、主要銘柄では昭電工(4004)が基準値を5.1%上回る水準で約定した。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄>   APLIX(3727)やシンシア(7782)も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で15日の基準値を大きく下回る水準で約定した。APLIXの約定価格は基準値に比べ19.25%安、シンシアは同18.61%安だった。また、主要銘柄では東電力HD(9501)が基準値を2.29%下回る水準で約定した。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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ビットコイン、相次ぐ不祥事にくすぶる下値不安 換金売りに警戒解けず

インターネット上の仮想通貨ビットコインの下値不安がくすぶっている。欧米株安に一服感があり、前週のようなリスク回避の売りは見られなくなったため、相場は直近安値からはだいぶ戻した。半面、交換業者を巡るトラブルなどを嫌気してか、新たに流入してくるマネーの規模は細っている。既存の投資家がいつ換金売りに傾いてもおかしくないとの懸念は解けないままだ。 ビットコインの対米ドル相場は日本時間6日に約3カ月ぶりに1ビットコイン=6000ドルを下回った後、9000ドル前後まで持ち直したが、ここにきて動きが鈍くなってきた。14日9時30分時点では8600ドル台で推移している。買い手は下落時に売り持ちを増やしたディーラーの反対取引が中心で、商いは特に膨らんでいない。 情報サイトのコインマーケットキャップによると、14日6時前の時点で直近24時間の仮想通貨全体の売買高は173億ドル程度と、最も活況だった1月5日の700億ドル程度の4分の1になった。前週は何度か300億ドル台を回復したが、キープできなかった。 日本の仮想通貨交換業者コインチェックにおける仮想通貨NEM(ネム)の巨額流出事件に続き、イタリアの同業ビットグレイルでも通貨Nano(ナノ)の盗難が発覚。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば流出額はドル換算で1億7000万ドルに達した。ビットグレイルはツイッターで「顧客への全額返還はできない」と早々にさじを投げ、市場心理を冷やした。あまりにも早い白旗宣言に対し「ほんとうに盗まれたのか」と疑問の声が上がったほどだ。 コインチェックは13日、顧客が日本円でプールしているお金の出金を再開したものの、仮想通貨建て資産は留め置いたままだ。「前週にかけての相場急落を見ているだけに、いざ出金再開となれば換金売りが広がるのではないか」(国内証券のセールスディーラー)との警戒感が強まっている。ネム流出問題が起きた当初「出金を速やかに再開できれば市場全体のダメージは少ない」(ロンドンに拠点を置くヘッジファンド、ゼニファス・キャピタルの鈴木涼介氏)と楽観していた大口投資家の視線も厳しくなった。 仮想通貨のデリバティブ(発生商品)取引のプラットフォームを提供するレッジャーXではビットコインのプット(売る権利)オプションに高値が付きやすくなっている。今月12日は3月30日を期日とする権利行使価格1万ドルのプットが1ビットコイン当たり2520ドルで成立した。コール(買う権利)は前日13日に成立した行使価格1万5000ドルのオプションが1ビットコイン当たり1800ドル程度だったが、期日は12月28日とだいぶ先の話だ。 昨年12月21日に初めて取引が成立し、話題となった行使価格5万ドルのコールオプションは今月13日、1ビットコイン当たり276ドルのコストで取引された。コストは昨年12月時点の3600ドル前後の1割にも満たない。「ビットコインは18年も上昇するかもしれないが、5万ドルは当たればもうけものの世界」――。昨年末に先高一辺倒だった相場観が、わずか2カ月でいかに劇的に変わったかを象徴している。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 今 晶】 ※NQNが配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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