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米税制改革で「小幅円安」70% 黒田総裁続投78% QUICK月次調査<外為>

今年も残すところ2週間。外国為替市場の担当者に聞いた「2017年の3大ニュース」は、1位が「北朝鮮リスク(ミサイル発射・緊迫化など)」、2位は「日経平均高値更新」、3位は「ビットコイン急騰」となりました。来年はどんな年になるでしょうか。12月の「QUICK月次調査<外為>」※では、2018年に向けての外国為替市場の注目材料や日銀総裁人事などについて、外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は12月11~14日、回答者数は72人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 米税制改革に独政権協議…為替への影響は? 米与党・共和党は15日に税制改革の最終法案を公表しました。懸案だった連邦法人税率は現行の35%から2018年に21%に下げることで決着し、週内にも両院で可決・成立する見通しとなっています。トランプ米大統領はかねてクリスマス前の成立を目指す意向を示し、法人減税は2018年を予定していました。改革案が成立した場合、円相場はどのようなトレンドになるかと聞いたところ、最も多かったのは「小幅に円安が進行する」で7割を占め、次いで「ほとんど反応しない」が19%でした。円高の予想は「小幅に円高が進行する」(7%)と「大幅に円高が進行する」(1%)を足しても1割に満たない結果となりました。 一方、ドイツでは13日、メルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と第2党のドイツ社会民主党(SPD)の政権協議が始まりました。大連立で一致できるかが焦点ですが、政策の溝が深いため長期化も想定されており、交渉が決裂すれば再選挙突入のリスクもあります。交渉の行方について聞いたところ、最も多かったのはメルケル首相が目指す「大連立政権の樹立」で6割近くを占め、次いでシュルツSPD党首が選択肢のひとつとしている「閣外協力」で33%となりました。 また、2018年に向けて外国為替市場の材料として最も注目しているものは何ですかと聞いたところ、パウエル新体制となる「米連邦準備理事会(FRB)の金融政策」を半数が挙げました。次いで「米国の経済・通商政策」が16%、「ECBの金融政策」は12%、「日銀の金融政策」は10%でした。 市場関係者からは「来年以降の米利上げペースを模索するなか、2018年に投票権を持つ米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの発言が注目を集めよう」「FRB副議長などのポストはまだ空席のため、候補者の政策スタンスを巡る思惑で、短期的に相場が反応することも十分考えられる」といった指摘が聞かれました。 さらに「米国第一を標榜するトランプ政権は、対米貿易黒字国である日本の通貨がさらに減価することに難色を示し、口先介入を始める可能性がある」「欧州の景気の強さが一段と目立ち、ECBの量的緩和政策の終了と年末までに利上げ開始との思惑が高まると、ユーロ独歩高となる可能性がある」「トランプ・北朝鮮問題は2017年通年に渡り市場に影響を与えた要因であり、来年も引きずる」などの声もあがりました。 日銀の長期金利目標、来年変更の可能性は? 2018年4月の黒田東彦総裁の任期満了後、日銀執行部の新体制はどうなると予想しますか、と聞いたところ、総裁の後任は「黒田東彦・日銀総裁」の再任予想が78%で12月の債券調査と同じく圧倒的です。 副総裁も債券調査と同様に「雨宮正佳・日銀理事」が最多で66%、「中曽宏・日銀副総裁」は35%でした。次いで「伊藤隆敏・コロンビア大学教授」が25%、「本田悦朗・駐スイス大使」が21%となりました。 日銀は、2016年9月に長期金利をゼロ%程度に誘導する「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和」導入を決めましたが、物価上昇率目標の2%にはいまだ距離があります。では2018年末までに長期金利ターゲットを変更すると思いますかと聞いたところ、最も多かったのは「変更しない」で43%、次いで「明示せずに上昇を容認する」が35%でした。 12月の債券調査に比べても「変更しない」との予想が多い一方で「引き上げる」は減り、日銀が物価上昇目標に向けて粘り強い姿勢を続けるだろうとの見方が増えているようです。 市場関係者からは「基本的には、誰が総裁となっても基本的な政策の枠組みは変わらない」という見方が大勢ながら、株高や国内景気回復等を背景に、今後は日銀内で出口戦略への議論が強まるのではとの意見もあります。「日本とそれ以外の先進国とで金融政策の方向性が異なってきたが、それが世界経済や国際資金フローにどのような影響を及ぼすか注目したい」といった声も聞かれました。 12月末は1ドル=113円37銭 予想は円高方向にシフト 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは12月末の平均値で1ドル=113円37銭と、11月調査(114円01銭)から円高へシフトしました。3カ月後の2018年2月末には113円65銭、6カ月後の5月末には114円00銭との予想です。今後6カ月程度を想定した注目の変動要因は、円・ドル・ユーロすべて「金利/金融政策」で5割を超えています。 ファンドの運用担当者に外貨建て資産の組入状況について聞いたところ、「ニュートラル」が78%から75%に低下した一方で、「オーバーウエート」が22%から25%に上昇しました。また、事業法人の業績予想の前提為替レートは平均値で1ドル=111円46銭と現在の水準(112円76銭~113円46銭)より円高に予想し、また対ユーロでは1ユーロ=124円70銭と現在の水準(133円15銭~133円65銭)より大幅に円高に予想しているため、為替差益が生じる可能性がありそうです。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

企業価値研究所

三井金属鉱業(5706) 亜鉛価格の前提を引き上げ、当研究所予想を上方修正

QUICK企業価値研究所アナリスト 中村宏司(2017/12/15) ・18/3期の経常利益を360億円→400億円に増額  企業価値研究所では18/3期連結の経常利益を360億円→400億円(前期比29%増)と従来予想を上方修正した。下期の亜鉛価格の前提を引き上げたことが修正の主因である。前期比では、前期に在庫要因が利益を押し上げていた反動や各種コスト増で金属事業の採算が大幅に悪化するものの、機能材料事業の採算改善でカバーし経常増益を予想する。 ・19/3期以降も機能材料事業の伸長で増益基調が続く  19/3期以降の業績予想も上方修正。機能材料事業の伸長により増益基調が続くと予想。機能材料事業では、電解銅箔と自動車排ガス用触媒の販売増を見込む。金属事業では、在庫要因による悪影響もなくなり、修繕費の減少、カセロネス鉱山の赤字縮小を見込む。自動車部品事業では、ドアロックの拡販と、海外生産拠点の生産効率の向上によるコスト削減で採算の改善を見込んでいる。 ・上期は機能材料事業の伸長で経常利益は倍増  18/3期上期の経常利益は前年同期比96.6%増の176億円。機能材料事業の採算が大幅に改善し、全体の経常増益に貢献した。 ・リスクファクター ~非鉄金属市況、電子部品の動向 ・アナリストの投資判断 ~足元の好業績は織り込み済み。上値は限定的  株価指標面では、18/3期と19/3期の当研究所予想連結PERの平均値は12倍と同業他社平均とほぼ同水準にある。足元の好業績は既に株価に織り込まれており、上値は限定的だと考える。   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

企業価値研究所

12/15の配信レポート一覧:イオレ(2334)、HANATOUR JAPAN(6561)、戸田建設(1860)、他

【IPO】 2334 イオレ IPO会社概要 「部活動などで利用する「らくらく連絡網」などを提供」 6561 HANATOUR JAPAN IPO会社概要 「訪日韓国人向け旅行手配業務が主軸」 3988 SYSホールディングス IPOフォロー 「1Qは営業利益の進捗率低いが、通期で前期並みの計画変えず」 【企業調査】 4508 田辺三菱製薬 企業調査 「糖尿病治療剤が想定以上に苦戦、業績予想を減額修正」 5706 三井金属鉱業 企業調査 「亜鉛価格の前提を引き上げ、当研究所予想を上方修正」 9503 関西電力 企業調査 「大飯3・4号機が18年に再稼働するとの見方は変わらない」 1860 戸田建設 企業調査 「18/3期・19/3期ともに完工粗利益率を引き上げ、営業利益予想を増額修正」 9107 川崎汽船 企業調査 「コンテナ船の運賃が想定を下回り、今・来期の当研究所経常利益予想を下方修正」 【会社概要】 7856 萩原工業 会社概要 「今期はリチウム電池用途のフィルムスリッターの牽引で3%営業増益を見込む」 9627 アインホールディングス 会社概要 「通期経常利益計画を23%増へ上方修正、業務効率化進む」   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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ビットコイン先物、CMEでも取引開始 値動き荒く

日本時間18日にGLOBEXを運営するCMEグループがビットコイン先物(BTC)を上場した。1月限の初値は清算値比5.89%高の20650㌦となったが、その後いったん19315㌦まで下げて2万㌦割れ。さらに1万9000ドルを割り込む場面もあるなど、上場初日から荒い値動きとなっている。 コインデスクによればビットコインの現物は19000㌦台でもみ合い。特にCMEでのビットコイン先物上場に対する目立った反応はみられない。 ※QUICKではCMEのビットコイン先物取引開始に伴い、リアルタイムおよび10分ディレイ情報を、同日より情報端末でサービスしています。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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米税制改革案採決へ、日米株式市場への影響は?

米議会の与党共和党の指導部が15日、35%の連邦法人税率を2018年から21%に引き下げる大型減税法案を最終決定した。減税規模は10年で1.5兆ドル弱となる見込みで、下院は早ければ19日、上院も20日に同法案を採決する方向で調整に入っており、クリスマスまでに成立するのか注目される。 スティーブン・ムニューシン財務長官は17日にテレビ番組に出演し、「議会が税制改革法案を可決することに疑いの余地はない」との見解を示した。金持ちや大企業が優遇を受けるとの批判が出ている中、ムニューシン長官は「税制改革は労働者、労働者の家族に良いことだ」と述べてけん制していた。 ゴールドマン・サックスは15日付のリポートで、「我々は来週に税制改革が成立すると引き続き予想している」としながら、企業の取引に幅広く課税する「物品税」の導入が見送られたことについて「貿易赤字の増加を通じて米国経済に与える影響は国内総生産(GDP)で0.3%の押し下げ要因となる」と指摘した。保護主義的な物品税が見送られたことは国際貿易などには全体的に好影響が見込まれる半面、米国の実体経済には若干、統計上はマイナスの影響が出るもようだ。 市場では税制改革の成立によって材料出尽くしを警戒する向きもあるが、調査会社のエバコアISIは17日付のリポートで「税制改革期待があった一方、インフレ率が上昇して米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが加速するような状況ではなかった」という、これまでの税制改革期待の米株ラリーの経緯を指摘した。実質金利が低く、経済環境のボラティリティが低い状況はセクター/ファクターによる銘柄入替を起こした程度で、市場全体への影響は小さかった旨を指摘し、「結論として、税制改革成立後にボラティティの急上昇に伴うバックドロップは無さそうで、S&P500が2018年に3000に向かうという我々の見通しは馴染んでいるように思われる」と締めくくった。 税制改革の進展によって将来のFRBの利上げ観測が出ることはドルのサポート要因になるとも指摘しており、日本株には好影響が見込まれそう。 外部環境が好転している一方、季節的な要因で年末は株高が進みやすいことも相場の地合いを改善させそうだ。クリスマスから年初にかけて米株が上昇するサンタクロース・ラリーは良く知られているが、アノマリー分析を手掛けるトレーダーズ・アルマナックによれば12月中旬から月末にかけてもNYダウやナスダックは上昇しやすい傾向にあるという。 1950年から2016年(ナスダック指数は1971~2016年)まで12月の前半11営業日の主要指数の傾向をみたところ、当初はいわゆる節税のためのタックス・ロス・セリングで主要指数は弱含む場面があったものの、15営業日ほどでダウやS&P500は前月比でプラスに転じるという。12月中旬の安値から特にナスダック指数は2%ほど平均して上昇するといい、経験則通りならナスダック指数の7000超えにも期待が掛かりそうだ。日経先物が連れ高すれば、掉尾の一振となるかも知れない。   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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明豊エンター(8927)は21%高 ミロク(7983)は18%安 15日の夜間PTS

18日の株式市場で、明豊エンター(8927)やツナグS(6551)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で18日の基準値を大きく上回る水準で約定した。明豊エンターの約定価格は基準値に比べ21.18%高、ツナグSは同13.52%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> 18日の株式市場で、ミロク(7983)やオービス(7827)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で18日の基準値を大きく下回る水準で約定した。ミロクの約定価格は基準値に比べ18.22%安、オービスは同16.73%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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東海カ(5301)、「値上げ力」で18%高 10年ぶり高値

15日の東京市場で東海カーボン(5301)株が大幅高となった。一時は前日比204円(18%)高の1337円まで上昇し、2007年11月以来、約10年ぶりの高値を付けた。手掛かりは14日に発表した国内向け黒鉛電極の値上げだ。鉄スクラップを溶かす電気炉に使うこの素材で世界3位であり、株式市場では大口生産者の強みを生かした「値上げ力」を評価した買いが集まった。 15日の株価上昇率は東証1部で2位だった。株式市場では「原材料高を価格転嫁できる企業には魅力がある」(ちばぎんアセットマネジメントの加藤浩史運用部部長)との声があった。 黒鉛電極の原材料価格は急上昇している。中国では環境規制を強化しており、現地では環境基準を満たす電炉メーカーが増産に動いている。これが、電炉で使う黒鉛電極の需要増を誘っている。 「構造改革を進めてきた」(国内証券アナリスト)との評価も東海カ株を押し上げる。前期までにタイヤ原料であるカーボンブラックの中国工場での生産能力を約4割削減した。合理化効果も寄与し、17年12月期の連結最終損益は、前期の79億円の赤字から108億円の黒字への転換を見込む。 黒鉛電極は電気自動車(EV)に使うリチウムイオン電池の原料にもなっている。東海カでは生産拡大を図っており、10月には独SGLから米子会社を買収した。EV市場の拡大期待も株価浮揚に一役買っており、14日時点での昨年末からの株価上昇率は3.5倍と日経平均構成銘柄でトップにある。 日銀が15日に発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)で大企業・製造業の販売価格判断DIは上昇しており、なかでも素材業種がプラス14と前回調査(プラス5)から大幅に改善した。これも素材業種の値上げ力の評価につながる。 予想PER(株価収益率)は25倍台で、同業他社の昭電工(4004)の30倍台、日カーボン(5302)の44倍台に比べ割高感は乏しい。投資家は来期の18年12月期も見据えた収益拡大期待を高めている。 【日経QUICKニュース(NQN ) 太田明広】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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止まらぬソフトバンク(9984)売り グローバルマネーフローに変化か

日経平均株価の上値の重さが目立ち始めた。NT倍率は15日の終値時点で12.55。11月17日に一時、12.77まで拡大したのをピークに緩やかな低下傾向にある。背景には、日経平均への寄与度が高いソフトバンクグループ(9984)株の値動きがある。 10月30日に1万550円の年初来高値を付けたソフトバンク株だが、気づくと株価のピークアウト感が鮮明になっている。12月14日は9042円まで下落し高値から14%下げた。 株価動向を左右してきた一因には、傘下の米通信大手スプリントがある。高値を付ける2週間前、TモバイルUSとの経営統合で大筋合意と伝わっていた。お荷物となっていたスプリント問題にもようやく光明が差すとの期待感がソフトバンク株を支えていた様子がわかる。暗転したのは10月31日。スプリントとTモバイルの経営統合を中止するとの報道だった。 ただ、足元で進む株価の調整は財務面を警戒したものではないようだ。ソフトバンクは多額の借金を抱え込んでいる。それでもクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の値動きを見る限り、プレミアムが上昇している様子は確認されない。 あえて株価のピークアウトの理由を考えるとすれば、孫正義社長流の剛腕経営に対する期待感が剥落した可能性だ。12月14日も下落率が2%を上回って引けるなど、主要株の中では下げが目立った。この日は楽天(4755)が携帯電話事業へ参入を表明した。3社寡占の国内携帯通信事業。シェア争いの激化が予想され、KDDI(9433)とNTTドコモ(9437)と共に売られた。この局面では守勢に回らざるを得ず、孫社長が得意とする攻めの姿勢は評価対象にはなりにくい。 4社の12月15日寄り付き直後の株価 需給面にも気がかりな点が浮上したのが今週だ。11日の取引所外取引では、売買代金が合計で419億円に膨らんだ。翌12日も319億円、13日は106億円だった。14日は現時点で8億円しか確認されていない。特殊な取引も短期間で終了した可能性がある。それでも4日間の合計は850億円を上回る。大口プレーヤーがソフトバンク株を外していたのかもしれない。 取引所外の動向はソフトバンクに限った話ではない。ファナック(6954)、東エレク(8035)でも11日に商いが膨らみ、翌日以降に徐々に減少した商いが確認されている。この2銘柄も最近のチャートはソフトバンクと似ているうえ、日経平均における高い構成比銘柄でもある。ソフトバンク外しなのか、日経平均外しなのか、厳密な判断は難しい。 単なる日本国内の需給動向なのか。海外に目を向けると違った切り口も見える。11月末前後、米エヌビディアや中国のアリババにテンセント、さらに韓国のサムスン電子に半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)も軒並み株価が変調をきたした。 グロース株からバリュー株への乗り換えと言ってしまえばそれで終わるかもしれない。ただ、ソフトバンクを筆頭に東エレクやファナックがグローバルのマネーフローに飲み込まれている結果が、日経平均の上値を重くしている可能性は高い。 ブラックロックは来年も新興国の株式と日本株に投資妙味があるとしている。単なる調整で終わるのか。再浮上を見込むならエントリーする水準はどこなのか。アジアも巻き込んだハイテク株の調整に対し、先行性を見せたソフトバンク。その値動きに次の投資のヒントが隠されているのかもしれない。 【QUICKデリバティブズコメント・岩切清司】 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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鹿島建設(1812) 中期的な完工粗利益率を見直し 営業利益予想を増額修正

QUICK企業価値研究所アナリスト 細貝広孝(2017/12/14) ・18/3期通期の業績予想を増額修正も、営業減益予想  18/3期通期の連結業績に関して企業価値研究所では、売上高は前回予想(17年8月)から200億円増額の1兆8500億円(前期比2%増)、営業利益は同200億円増額の1500億円(同3%減)に見直した。完成工事(完工)粗利益率の予想を上方修正したが、前期比較では連結営業利益は前期実績を下回る見込み。 ・中期的には連結営業利益1400億円台の維持を予想  続く19/3期および20/3期の連結業績に関しても当研究所では、前回予想を増額修正した。完工粗利益率を引き上げたが、緩やかな低下基調を予想しており、連結営業利益は18/3期予想を下回る見通し。ただ、同社としては高水準な1400億円台は維持できるとみている。 ・上期は土木工事の完工粗利益率上昇で営業増益  18/3期上期の連結業績は、前年同期比1%の増収、同4%の営業増益だった。単体の土木工事の完工粗利益率が特殊要因もあって大幅に改善。連結全体でも営業増益を確保した。 ・リスクファクター ~労務費、建設資材価格上昇など ・アナリストの投資判断 ~株価に上値余地も、さらなる上値切り上げは見込みにくい  株価は好調な決算などを背景に17年8月には1000円台を捉え、11月には1992年以来の水準となる1299円の高値をつけた。当研究所では中期的に17/3期実績は下回るものの、高水準な利益推移が継続するとみている。ただ、株価はこうした利益推移を織り込んで上昇しており、現時点においてはさらなる利益成長シナリオも描き難い。足元の株価水準からは上値余地はあるとみているが、さらなる上値切り上げも見込みにくい。   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

企業価値研究所

12/14の配信レポート一覧:エル・ティー・エス(6560)、アルヒ(7198)、鹿島建設(1812)、他

【IPO】 6560 エル・ティー・エス IPO会社概要 「業務変革を支援するコンサルティングサービスを提供」 7198 アルヒ IPO会社概要 「住宅ローンを中心に、住生活をプロデュース」 3482 ロードスターキャピタル IPOフォロー 「新たな販売用不動産の売却を決定し、通期会社計画を上方修正」 6175 ネットマーケティング IPOフォロー 「1Qは営業44%増益。好採算の恋愛マッチングサービスの好調続く」 【企業調査】 1812 鹿島建設 企業調査 「中期的な完工粗利益率を見直し、営業利益予想を増額修正」 5110 住友ゴム工業 企業調査 「値上げが従来想定ほどには通らないと判断、当研究所予想を減額」 7240 NOK 企業調査 「新型高機能スマートフォン向けの生産はスムーズな立ち上がり」 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 企業調査 「今期利益には上振れ余地。来期は将来的な成長に向けた我慢の時期に」 8331 千葉銀行 企業調査 「貸出業務、法人役務等本業が堅調。自己株取得等株主還元も高水準」 8411 みずほフィナンシャルグループ 企業調査 「最終利益は悪くないが本業収益は苦戦続く。コスト削減が課題に」 【会社概要】 2432 ディー・エヌ・エー 会社概要 「上期は減収減益、EC事業での一部事業譲渡や追加費用計上で」 2593 伊藤園 会社概要 「上期は営業1%増益と計画線、通期で4%増益計画は変えず」 3193 鳥貴族 会社概要 「今期は値上げ効果で既存店4%増収を想定、営業62%増益へ」 3395 サンマルクホールディングス 会社概要 「既存店苦戦、人件費上昇により今期営業8%増益計画から一転、10%減益へ」 3668 コロプラ 会社概要 「18/9期も大幅減益を計画。開発強化で増える人件費などが利益抑える」 4326 インテージホールディングス 会社概要 「次世代サービスの開発費用などかさみ、上期は営業7%減益」 7956 ピジョン 会社概要 「3Q累計は営業24%増益、中国など海外の販売が好調」 2121 ミクシィ 新興市場会社概要 「「チケットキャンプ」運営会社に捜査入り、新規利用を停止」 2138 クルーズ 新興市場会社概要 「ゲーム事業縮小で上期は減収減益。新規事業投資も重い」 3921 ネオジャパン 新興市場会社概要 「4Qに償却費やプロモーション費の増加見込み、通期10%営業増益計画は維持」 4293 セプテーニ・ホールディングス 新興市場会社概要 「今期は動画広告や自社媒体の販売に注力。海外はアジア圏軸に開拓へ」 6045 レントラックス 新興市場会社概要 「上期は16%増収。物販や自動車買取業者からの広告出稿増える」 6533 Orchestra Holdings 新興市場会社概要 「3Q累計は会社想定通り、通期2割営業増益計画を変えず」   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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楽天(4755)の携帯事業参入 誰が泣き、誰が笑うのか

楽天(4755)は14日、携帯電話事業への参入を発表した。総務省の認可が下りれば、イー・アクセス(現ソフトバンクグループ)以来、13年ぶりの新規参入になるという。ただ楽天の携帯事業参入について、アナリストの間では比較的厳しい見方が先行している。 ネガティブな見方が多数 JPモルガンは、「自社サービスの普及やエンゲージメントを高めることを目指し、積極的なプロモーションを行う『楽天モバイル』(MVNO事業)で、グループシナジーを活かしユーザー拡大に手ごたえを感じている現状を踏まえれば、さらなるモバイルユーザーの拡大に向けて同社が今回の意思決定を行ったことに違和感はない」と指摘。ただ、当面の設備投資負担や新規ユーザー獲得コストなどを考慮すれば、短期~中期業績へのネガティブな影響は避けられず、また、大手キャリアと互角に戦うことの勝算も決して高いとは言えず、当面株価の重石となる可能性があるとみている。 14日の東京株式市場で楽天株は下落した ゴールドマン・サックスは、「参入企業が増えること自体は携帯電話業界にはポジティブな話ではないが、既存大手キャリアの収益性に大きな影響を及ぼす存在になるとは現時点では考えづらい」と指摘。その要因として、新規参入キャリアが様々な課題をクリアする必要を挙げた。具体的には①周波数の割り当て申請を経て、総務省が実際に周波数を割り当てるか②インフラ構築が効果的にできるのか③端末購入補助金を大手キャリア並みに出すのか③MVNOと差異化できるサービス体制を構築できるのか④利用者の流動性が低い日本市場で固定費を回収できる十分な契約者をどのように確保するのか――などを挙げた。 日本格付研究所(JCR)は、「現在の厳しい事業環境の中で新規に携帯電話事業へ参入し、収益を確保するのは容易ではない」と指摘。さらに「設備投資のための資金調達残高は、ピーク時に現状の自己資本に相当する規模に達する見通しで、財務上の負担は重い」として、格付けにネガティブな影響が生じる可能性があるとの見解を示した。 通信工事会社にポジティブか その一方で、楽天による携帯事業への新規参入は通信工事会社にとっては朗報になりそうだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、コムシスHD(1721)、協和エクシオ(1951)、ミライトHD(1417)といった通信設備工事会社にとってポジティブと指摘。当初の設備投資額がどの程度になるのか不透明要因はあるものの、一定のスペックを備えた基地局投資が必要なため、工事量が増えるというシナリオが描け、早ければ2019年3月期にも工事発注がなされる可能性があるとみている。 クレディ・スイスでは、基地局の設置工事はコムシスHD(1721)や競合である協和エクシオ(1951)などが主に受注すると予想。株価にポジティブとの見解を示した。 【QUICKエクイティコメント・本吉亮】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

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来年末の日経平均株価 証券各社の予想平均は2万4400円

日経平均株価が26年ぶりの高値圏で推移している。市場の視線はすでに2018年へ向かっており、証券各社の予想も出そろいつつある。来年末の日経平均の予想水準を平均すると、約2万4400円となり、強気見通しが並んだ。 野村証券は米税制改革法案の可決に着目している。「米国景気の成長加速はグローバル景気を押し上げる要因となり、日本企業の業績拡大につながる」と予想。一方でJPモルガン証券は「企業業績は市場コンセンサスより上振れ、最終的には2桁近い増益率になる」と期待する。 今年の上げ相場のけん引役だった海外投資家。来年もその動向に注目が集まるなか「海外勢による買いの拡大が見込まれる」(ゴールドマン・サックス証券)という。日本株のポジションが「依然として軽め」といい、買い余力があるようだ。 ただ、相場が一本調子で上がるとの見方は少ない。「18年後半に株式市場が調整する」としているみずほ証券は、19年の世界景気の減速懸念や日銀によるテーパリング(量的緩和による資産購入の縮小)議論の開始の可能性、さらに消費増税に伴う19年度の減益を懸念材料とした。 ▼大手金融機関の18年末予想(日経平均株価) 社名               日経平均     TOPIX 大和証券             2万7000円     ─ ※ ゴールドマン・サックス       2万5200円       2000※ JPモルガン           2万5000円       2050 バンクオブアメリカ・メリルリンチ 2万5000円           2000 ソシエテ・ジェネラル       2万4500円           1900 クレディスイス          2万4500円             ─ 野村証券             2万4000円           1900 SMBC日興証券         2万3500円           1850 東京東海調査センター       2万3500円             ─ みずほ証券            2万2000円           1700 モルガン・スタンレー                               1820 HSBC                                     1550 ※大和証券は18年12月予想 ※ゴールドマン・サックスは12カ月後の予想 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

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トルコリラが急落 利上げ幅0.5%に失望売り

トルコリラが対ドルで急落(1カ月余りで最大の下落)、対円でも再び29円を割り込んだ。トルコの中央銀行は14日の金融政策決定会合で、4つの政策金利のうち後期流動性貸出金利を0.5%引き上げ、12.75%とした。他の3つの金利は据え置いた。 利上げ幅のエコノミスト予想の中央値は1.0%であったことから、0.5%という利上げ幅に対する失望売りが膨らんだ。「引き上げ後の12.75%でも、インフレ率13%近辺には届いていない。引き続き、トルコリラは不安定となる」との見方が広がったようだ。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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バリュゴルフ(3931)が20%超上昇、3Q経常大幅増益を好感 14日の夜間PTS

15日の株式市場で、バリュゴルフ(3931)やJIA(7172)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で15日の基準値を大きく上回る水準で約定した。バリュゴルフの約定価格は基準値に比べ22.33%高、JIAは同18.45%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄>     ファーストロジ(6037)やジェネパ(3195)も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で15日の基準値を大きく下回る水準で約定した。ファーストロジの約定価格は基準値に比べ16.67%安、ジェネパは同16.19%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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中国人民銀、米国に追随「利上げ」 人民元安・資本流出を警戒か

中国人民銀行(中央銀行)は14日、金融機関に短中期の資金を供給する際の金利を0.05%引き上げた。13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利の引き上げから間もないタイミングの「利上げ」からは、人民元相場が不安定になったり資本が流出したりすることへの恐れが透けてみえる。 人民銀は公開市場操作(オペ)の売却条件付き債券購入(リバースレポ)の7日物金利を2.45%から2.50%へ、28日物金利を2.75%から2.80%に引き上げた。さらに中期貸出制度(MLF)による期間1年の貸出金利を3.20%から3.25%に引き上げた。人民銀は声明で「拡大している市場金利とオペ金利の開きを縮めるため」とする一方、「(市場金利の上昇は)米連邦準備理事会(FRB)の利上げを受けての正常な反応」と説明した。政策金利である預金と貸し出しの基準金利は変えていない。 人民銀は今年3月に米利上げ決定直後に短中期資金の金利を0.1%引き上げた。だが、いわゆる政策金利を動かしてはいないので、人民銀は「利上げではない」と主張。あくまで資金需給の変化に従った措置だと強調していた。今回は金利引き上げが米国の動きに追随したことを事実上、認めたに等しい。 香港資産運用会社ハリスフレーザーの黄耀宗ストラテジストは今回の中国の「利上げ」について「人民銀が人民元の安定を維持するため、米中の金利差が縮小しないように動いたのだろう」と解説する。 足元の人民元相場は落ち着いているが、米国で緩やかとはいえ利上げサイクルが回り続ければ人民元売り・米ドル買いの圧力が高まる。人民元安が加速すれば、中国からどんどんマネーが流れ出すリスクが高まる。急激な人民元安は中国の企業や経済に大きな打撃を与えるため、人民銀は相場の動きに常に神経をとがらせている。 米国が6月の利上げを決める前には、人民銀が人民元の対ドル取引の基準となるレート「基準値」の算出方法を見直すということもあった。前日の終値を参考にするのをやめ、人民元相場が大きく変動しても基準値をあまり動かさない手法に変えた。市場からは「管理相場への逆戻り」とのそしりも出ていた。 FOMCメンバーが13日示した政策金利の見通しに基づくと、2018年の利上げは0.25%の幅で3回というのがメーンシナリオ。中国当局は引き続き米国にらみの市場運営を強いられそうだ。 【NQN香港・林千夏】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した記事から厳選し、一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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コスト5分の1の衝撃 運用業界に「バンガード・エフェクト」 日本法人社長に聞く

巨大化する米アマゾンが産業や企業をのみ込む「アマゾン・エフェクト」になぞらえ、低い運用手数料で他社を追随させない「バンガード・エフェクト」が米国で起きている。この現象は日本でも起きるのか、また楽天投信投資顧問とのパートナーシップなどについて、バンガード・インベストメンツ・ジャパンのディビッド・キム社長に聞いた。 ――バンガードとブラックロックの2大運用会社が米投信市場を席巻しています 「米国における低コストインデックスファンドの人気の高まりを受けて、グループの運用資産残高は2009年の約1兆ドルから足元で4.8兆ドル(約542兆円)に膨らんだ。当グループが運用するファンドのコストは0.17%と、業界平均の5分の1にとどまるほか、運用ファンド9割の運用成績が他社の類似ファンドをアウトパフォームしている。1976年に本国の米国で初めて個人投資家にインデックスファンドを提供した実績を持つ点なども評価され、個人マネーが流入している」 ――日本で提供されている投信(国内籍)の運用コストの水準についてどう思いますか? 「米国に比べると相対的に高く、低コスト投信に対する個人投資家の潜在需要は大きいとみている。一方、運用業界の意識改革も必要だ。2018年に始まる、つみたてNISA(少額投資非課税制度)の対象として、金融庁が認めたファンドの大半が低コストのインデックス型だった。これは金融庁が運用コストを重視していることの表れといえる。低コスト投信が日本に恒久的に根付くには、監督官庁の動きだけでは不十分。業界内で運用コストの引き下げ競争が活発化する必要がある。ただ、運用会社の意識に変化の芽は出ている。バンガード・グループが運用する上場投資信託(ETF)を主たる投資対象とするインデックス型投資信託を提供している楽天投信投資顧問は、当社哲学の一つでもある低コストの提供に強いコミットメントを持っている」 ――日本では高コスト投信の回転売買を問題視する見方が根強いです。米国ではなぜ低コスト投信が根付いたのでしょうか 「日本固有の問題ではなく米国も過去は同様の状態だった。しかし、徐々に投資家目線に立った動きに変化した。日本より運用会社の直販比率が2割と相対的に高いことも影響しているかもしれない。バンガードは当社グループが提唱する「真の投資原則」を日本国内でも浸透させ、個人投資家の目線に立った商品の提供に貢献したい」 ディビッド・キム社長 ――真の投資原則とは 「4つの基本原則から成る。(1)明確で適切な投資目標の設定(2)適切な資産配分と幅広い資産への分散投資(3)ローコストでの投資(4)規律ある長期運用。なかでも個人投資家はコストにもっと敏感になるべきだ。バンガードが本国の米国で運用しているファンドはすべて販売手数料が無料のノーロード。日本では現状、多くの個人投資家はリターンに対してコストを支払い過ぎている可能性がある。また、2つ目の項目は目標を達成させるために最も重要だが、経験の少ない個人投資家はこの点を見逃しがちだ。個別銘柄に集中投資するのではなく、幅広い資産に分散投資すればボラティリティを抑えることが可能だ」 ――投資原則を踏まえ、ビットコインは投資対象になりうるか 「ビットコインについて当社がお話できるとすれば、投資対象としている株式や債券と比較し、ビットコインは本源的なリターンを生む投資資産でないと考えており、現状、バンガードでは純粋に通貨のみを投資対象としたファンドの運用は行っていないということ。株式には配当があり、債券はクーポンが支払われる。ビットコインとはこういった相違点がある」 ◆ディビッド・キム氏◆ スタンフォード大学ビジネススクール(MBA)、イーストマン音楽学校チェロ専攻学士、ノースウェスタン大学チェロ専攻修士を修了。香港フィルハーモニー管弦楽団に所属し、プロのチェリストとして活躍した経験を持つ。2009年にバンガードに入社後、1兆ドルを預かる機関投資家部門の企業年金プラン顧客サービス部門でヘッドなどを務め、現職に至る。 ◆ザ・バンガード・グループ・インク◆ 1975年創立、翌年米国で初めて個人投資家にインデックスファンドを提供。低コスト投信の運用に強みを持ち、上場投資信託(ETF)に限らずアクティブ型も低コストにこだわる。グローバルの運用総資産は2017年10月末時点で4.8兆ドル(約542兆円)。日本では2000年からサービスを開始している。

QUICK Knowledge

株価情報、AIがチャットで応答 大和証券が「株talk」スタートへ

大和証券は年内にも、人工知能(AI)を活用した対話ロボットがチャット形式で株価情報などを提供するサービス「株talk」を始める。大和証券に口座がなくても、同証券のホームページ上で、無料で利用できる。株式投資に気軽に関心を持ってもらうのが狙いだ。 利用者はまずパソコンやタブレット端末、スマートフォン(スマホ)で大和証券のホームページから「株talk」のフローティングボタンをクリック。     ウェブを立ち上げると定型質問が並ぶ。その中からたとえば「日経平均はどんな感じ?」を選択すれば、足元の日経平均株価を簡潔に答えてくれる。     定型質問一覧のほか、画面の下部には自由に質問できるメッセージ入力欄があらわれる。個別銘柄を入力すれば、株価以外に直近の売買材料も教えてくれる。他社が提供するサービスでも銘柄を入力し株価を答えるシステムはあったが、材料まで一緒に伝える対話ロボットは初めてという。     最大の特長はチャットのかたちで自由対話ができることだ。「何が上げてる?」と聞けば、材料があって株価がその日上昇している銘柄を次々と答えてくれる。自由に質問すれば、何かしら返答がある仕組みになっている。     株価や直近の売買材料などの情報は、日本経済新聞社グループの金融情報サービス会社、QUICKが提供している。対話の要となる意図解釈エンジンについては徳島大学発のベンチャー、IMAY(Intelligent Machines Amaze You株式会社、東京・千代田)が担当。QUICKのプロ向け情報端末で配信している「QUICK AI速報」の技術を応用した。煩雑な操作なしに様々な株式情報を得られるため、これまで資産運用になじみのなかった若年層などの株式投資へのハードルを下げてくれそうだ。

企業価値研究所

日本マクドナルドホールディングス(2702) 来期営業利益195億円を予想、実質的には12/12期に迫る水準へ

QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2017/12/13) ・メニュー、マーケティング戦略が軒並み成功、店舗・人材への投資も既存店回復を後押し  今期既存店売上高は期限切れ肉混入問題発覚直前の水準を概ね超えるまでに回復。「おいしさの向上」を目指すメニュー開発と挑戦的な取り組みを加速するマーケティング戦略が今期は軒並み成功。来店頻度向上、休眠・新規顧客開拓につながっているほか、安全・安心、QSC改善への施策によりファミリー層も戻り歩調を強める。積極的な店舗改装、決済手段多様化、人材への投資も既存店売上高の回復を後押し。こうした効果は来期も続くため、企業価値研究所は来期既存店売上高増減率を+3%と想定。 ・貸倒引当金戻入影響除けば来期営業18%増益に  連結営業利益の当研究所予想は今期185億円(前期比2.7倍)、来期195億円。今期の貸倒引当金戻入の影響を除けば来期は同18%増益となる見込み。14/12期~16/12期に行った店舗大量閉鎖や抜本的コスト構造の見直しもあり、実質的に12/12期(店舗運営事業売却益等を除くベース)に近い水準まで回復しよう。外部環境が厳しいなか、更なる回復を目指すには、調達改革、ITを活用したオペレーション見直しに加え、店舗数反転も不可欠に。会社側が来年2月に発表する可能性が高い中期経営計画(仮)の目標数値に要注目。なお、税率や特別損益を平準化した実質連結純利益は今期、来期ともに124億円を予想。 ・リスクファクター ~信頼失墜につながる問題再発等 ・アナリストの投資判断 ~実質PER56倍と割高感強いが、個人投資家人気が株価を下支えへ  税率や特別損益を平準化した実質PERは今、来期とも56倍(当研究所予想)。外食業界平均と比べ割高感が強い。当研究所は投資評価を見送るが、株主優待目的の個人投資家人気に支えられ、株価の大崩れはないだろう。   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。 レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。 サービスに関するご質問、資料のご請求等は以下フォームよりお問い合わせください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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