資産運用研究所

積立NISA、金融庁基準に適うアクティブ投信はわずか5本…森長官の講演が話題

日本証券アナリスト協会が4月7日に開催したセミナー。金融庁の森信親長官が講演した内容が、金融市場で話題となっています。 というのも、資産運用の世界において「顧客である消費者の真の利益をかえりみない、生産者の論理が横行」している傾向が「顕著に見受けられる」と発言し、現状の資産運用業界の問題点を指摘したからです。 講演の中で森長官は、2018年1月から開始される積み立て型の少額投資非課税制度(NISA)の対象となりうる投資信託について、アクティブ型株式投信でわずか5本、インデックス型株式投信で50本弱にとどまると述べました。 そこでQUICK資産運用研究所(研究所の概要はこちら)は、金融庁が定めた基準に沿って、金融庁が2018年に導入する積み立て型の少額投資非課税制度(NISA)の対象となる投資信託を推定しました。 アクティブ型はわずか5本、うち直接販売が4本 国内籍・公募の追加型株式投信のうちアクティブ型はわずか5本でした(3月末時点)。さわかみファンドや、ひふみ投信など独立系運用会社が運用し、証券会社や銀行など金融機関を経由しない「直接販売」が中心の投信が4本を占めました。 ※スクリーニング条件 ◯国内籍・公募の追加型株式投信(2017年3月末基準、ETFとDC・ラップ専用を除く)のうち、純資産総額50億円以上のアクティブ型。5年以上の運用実績があり、償還までの期間が20年以上か無期限のもの。毎月分配型は対象から除いた。 ◯アクティブ型でもインデックス型を組み合わせたタイプは対象から除いた。 ◯販売手数料が上限ゼロのファンドに限定。実質信託報酬(税込み)は投資対象資産が国内は1.08%以下、内外・海外は1.62%以下に絞った。 ◯「存続年数3分の2以上で資金流入超過」の条件は、日次ベースの資金流出入額(QUICK推計値)に基づいて算出した。決算日の翌日から1年後の決算日までを1年として計算。設定日から初回決算日まで1年に満たない場合は1年とカウントした。 (注)積み立て型NISAの対象商品として販売するには金融庁への届け出が必要となる。 なお、森長官は講演で、海外と日本の資産運用業界を比較し、日本について「運用会社の社長が運用知識・経験に関係なく親会社の販売会社から歴代送り込まれたり、ポートフォリオ・マネージャーは運用者である前に○○金融グループの社員であるという意識が強く、運用成績を上げるより定年までいかに間違いをせず無事に勤めあげるかが優先されてはいないでしょうか」と述べ、投信の販売会社(証券会社や銀行)が運用会社の親会社となることへの懸念を表明しています。 インデックス型50本はこちら 国内籍・公募の追加型株式投信のインデックス型は50本前後となりそうです(3月末時点)。三菱UFJ国際投信の「eMAXIS」やニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>」、アセットマネジメントOneの「たわらノーロード」など主要なインデックスシリーズが対象に入る見込みです。今後、既存ファンドで販売手数料や信託報酬が基準内に見直されたり、基準に沿った新規ファンドが組成されたりすれば、対象が拡大していくでしょう。 ※スクリーニング条件 ◯対象は国内公募の追加型株式投信(2017年3月末基準、ETFとDC・ラップ専用を除く)のうち、償還までの期間が20年以上か無期限のもの。毎月分配型は対象から除いた。ただし、当初DC専用だったが、2015年9月頃からネット証券などで販売が可能になった三井住友・DCシリーズは対象に含めた。 ◯インデックスファンドは原則、投資信託協会の商品分類の補足分類が「インデックス型」のもの。積立NISAの対象指数の組合せで構成された資産複合型ファンドもインデックスファンドとした。 ◯販売手数料が上限ゼロのファンドに限定。実質信託報酬(税込み)は投資対象資産が国内は0.54%以下、内外・海外は0.81%以下に絞った。 (注)積立NISAの対象商品として販売するには金融庁への届出が必要となる。 森長官は講演で、「高い運用力を持つ金融機関、顧客本位が組織に根付いた金融機関が発展し、顧客本位を口で言うだけで具体的な行動につなげられない金融機関が淘汰されていく市場メカニズムが有効に働くような環境を作っていくことが、我々の責務であり、そのため行政として最大限の努力をしていくつもりです」と、業界整備に向けての意欲を語っています。 資産形成・運用を考える個人投資家としては、資産運用会社の対応はもちろん、金融庁の発言なども見逃せないものとなりそうです。 (編集:QUICK Money World) (調査:QUICK資産運用研究所⇒紹介サイト)

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トランプ政権への政策期待残り、米株式相場は高値圏でもみ合い?

    株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の4月調査を10日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者155人が回答、調査期間は4月4日~6日)。調査期間中の6日の日経平均株価は1万8597円06銭と、昨年12月7日以来の安値を付けました。北朝鮮の弾道ミサイル発射をきっかけとした米朝関係の緊迫化への懸念から日経平均は下げ幅を拡大し、ほぼ全面安の展開となりました。また、シリアの化学兵器使用疑惑を受け、6日(日本時間7日)の米中首脳会談の最中に米国がシリアへ59発のミサイル攻撃を実施するなど、地政学的リスクへの警戒感がくすぶっています。   今後半年の米株価の動向「しばらく高値圏でのもみ合いが続く」が4割 昨年11月の米大統領選以降、大規模な財政支出が米景気や企業業績の拡大につながるとの期待を誘った「トランプラリー」。2月に入ってからさらに勢いを増し、ダウ工業株30種平均は2月27日まで12営業日連続で高値を更新、3月1日には史上初の2万1000ドルを突破しました。しかし、トランプ政権が打ち出した米入国制限が裁判所に差し止められたほか、目玉政策であった医療保険制度改革法(オバマケア)の見直しも頓挫するなど、政策運営の不確実性が高まっています。そこで、今回は半年後の米国株相場の動向について聞いてみたところ、「しばらく高値圏でのもみ合いが続く」が43%と最もく多くなり、トランプ政権に対する政策期待はまだ残っている結果になりました。市場関係者からは「北朝鮮などの地政学リスクがあり、また、トランプ米大統領の政策も当初の期待ほどには進んでいないため、株価は一時低迷しているが、米国での法人税の減額やインフラ投資などが今後、進むことにより米国経済は堅調に推移すると思われる」との声が聞かれました。             では、市場関係者が米国株相場を動かす要因として、何に最も着目しているのでしょうか。この質問に対して、最も多かった回答は「米国の政治・政策」が46%、次に「景気・業績」が40%でした。 トランプ大統領が掲げてきた政策に関して、現時点での実現の可能性をについて聞いてみました。「インフラ投資などの財政支出拡大」、「法人税率の引き下げ」、「所得税率の引き下げ」については「一部実現」するとの回答が8割以上を占め、「企業の海外留保利益の還流促進策」、「米国内の雇用の増加」、「不法移民対策の強化」、「貿易面におけるニ国間協定の推進」、「金融規制の緩和」、「海外の軍事基地・同盟関係の見直し」も半数以上が「一部実現」すると回答しました。唯一「国境税」に関しては「実現できない」との回答が6割を占めました。市場関係者からは「米国株のバリュエーションは上昇し、トランプ政権の経済政策の先行きにも不安が生じていることを勘案したうえでも、少なくとも部分的には諸政策が実現するとの期待感と、必ずしもトランプ政権が理由ではない景気の改善基調が続く限り、トランプ相場はある程度の持続性を有すると思われる」といった声も聞かれました。         資産運用について「国内株式」は半数が強気、「海外債券」は弱気 次に、あなたがアセットアロケーションを行うなら各資産の運用についてどのように考えますかと質問したところ、「国内株式」は半数が「強気」と回答し、「米国株式」は「中立」と「強気」が約4割ずつで分かれ、「欧州株式」、「新興国株式」、「国内REIT」、「海外REIT」、「オルタナティブ」は「中立」が最も多く、「国内債券」は「弱気」と「中立」が約半数で分かれ、「海外債券」は「弱気」が最も多いという結果になりました。市場関係者からは「国、為替、商品別、銘柄別などそれぞれのカテゴリーにおいて、今後は勝ち組と負け組がはっきり分かれると思われる。株価指数など全体が上昇する余地は少なくなっていると考える。選択が投資パフォーマンスの成否を大きく左右する時期に入ってきたと思う」といった意見も聞かれました。   4月末の日経平均予想は1万8975円の下方シフト 4月末の日経平均株価について聞いたところ、平均値で1万8975円の予想でした。前回調査(確報)の1万9666円に比べて下方シフトとなりました。下方へシフトしたのは2カ月ぶりです。また、6月末には1万9416円、9月末は1万9590円との予想でした。 今後6カ月程度の株価の変動要因としては「景気・企業業績」が4割弱で注目度は上昇傾向です。トランプ政権の発足後に上昇し、一旦、注目度が低下した「政治・外交」は再び28%まで上昇しました。       セクター別では「電機・精密」の注目度が高まる 国内の資産運用担当者55人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」が5割を占める一方、「ややオーバーウエート」が低下しました。  セクター別の投資スタンスについては、「オーバーウエートとアンダーウェート」のバランスをみると、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのが「電機・精密」で、逆にアンダーウェートの比率が最も高いのが「公益」でした。

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「ルペン氏の勝率は10%以下」、ヤコブセン氏が描く波乱の欧州市場

世界市場は依然として主要国の政治動向に関心を寄せている。当面のテール・リスクとして意識される仏大統領選挙。先日来日したサクソバンクのチーフエコノミストであるスティーン・ヤコブセン氏は「EU内の選挙を気にかけているのは外国人だけ」と冷静な欧州市場の雰囲気を語る。同氏との一問一答は以下の通り。  仏大統領選でルペン勝利の確率は10%以下 ──フランス大統領選挙の第2回の投票でルペン党首が勝利する可能性はどの程度ですか?  「10%以下だとみている。仮に大統領に就任することができたしても、フランスを掌握することはできない。フランスの議会選挙が6月に実施され、50対50で旧政党が分かれており、欧州連合(EU)離脱ための選挙を実施することはできない。  ──フランス大統領選挙終了後、金融市場はどう反応するのでしょうか  「現在、ユーロ・フランス株式・仏債券はディスカウントがある状態だ。フランスの大統領選挙終了後にユーロは大幅な上昇を続けると確信を持っている。ユーロのフェアバリューは1.12150ドルといったところか」  「フランス株式も買いだとみている。欧州市場の成長株は米国やグローバル株式をアウトパフォームするだろう」 欧州人はEU内選挙を気にかけていない  ──フランス国債とドイツ国債の利回り差が開いています。選挙後には縮小に向かいますか?  「フランス国債とドイツ国債の利回りの差は50~60bp程度あると思うが、半分程度に縮小すると考えている。EU内の選挙を気にかけているのは外国人だけだ。欧州の人間は気にかけていない。アジア圏や米国の投資家はEUの選挙のメカニズムを十分に理解しないまま、懸念している。憲法ではルペン党首は大統領に就任できたとしても、EU離脱のための選挙を実施することはできない。フランス憲法の89条では議会の60%の承認が必要だ」  ──最近、ユーロの対ドル相場で上昇が目立ちますが、背景には何がありますか  「欧州中央銀行(ECB)は現在、テーパリング(量的緩和による資産購入の買入れ縮小)をにおわせており、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策といずれ歩調を合わせるだろう」  ──欧州景気が持ち直しています。ECBの金融政策はどう見るべきでしょうか  「4月からECBは量的緩和(QE)の月間買入額を減らす、もしインフレ率のモメンタムに変化がなければ、夏頃に金融引き締めの意図を何らかの形で市場に伝え、9~10月頃に金利の引き上げなどを議論するだろう。4月からQEの月間の買入額を800億ユーロから600億ユーロに減らすなど、ECBの現行の政策はテーパリングの方向に進んでいる」 今後1年間、ユーロは1ユーロ=1.15ドルまで上昇  ──ユーロ相場の上昇もECBの政策を織り込んだ展開といえるのですか?  「間接的な言い方をするとドルの上昇はピークアウトした。ドルは昨年12月の水準まで戻ることはないだろう。ユーロは選挙に対する不安でディスカウントがある状態だ。今後1年間では、ユーロは少なくとも1ユーロ=1.15ドルまで上昇するだろう。ユーロの対ドル相場のレンジは今後6カ月後ごとに切り上がっていくだろう」  「米国経済は大統領選挙以降のリフレーショントレードで過大評価されている。しかし、今後1年半後に米国が不況に陥る可能性は50%以上だとみている」  ──え?米国が不況に?足元では景気拡大が続き、今後はトランプ政権の財政出動なども期待できますが…  「国内総生産(GDP)全体に占める新規の貸し出しの変化を示すクレジット・インパルスが停滞している。クレジット・インパルスの低下と経済の影響は9カ月の遅行スパンがあり、世界中で現在クレジットが低下しており、経済成長にとって下振れリスクとなる。貸し出しは引き締められており、米国の経済成長が過去1年半で2%を超えていないことから、米国が再び不況に陥ること可能性がある」  ──米国が不況に陥った場合、どのような展開が想定されますか?  「トランプ政権はFRBに金融緩和策を実施するように強いるだろう。たとえ、米10年債の利回りが1.15%になったとしてもサプライズではない。景気刺激策も実施するだろう。トランプ大統領の政策は読みやすい。実行しようとしている政策は50~60年代の経済政策と同じで、50~60年代に憧れている。一方で、生産性・テクノロジーといった未来に対する熱望がない。政策は国家主義的なものになり、米国の生産性や経済成長にとって悪影響を与える。一方で、実行できる政策を予測するのも難しいのだが」 ※QUICKではナレッジ特設サイト「欧州選挙」で仏大統領選関連情報を展開しています。  同サイトはQr1、Active ManagerなどQUICK端末で閲覧できます。   (聞き手はQUICKデリバティブズコメント西本)          

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日本はデフレから脱却できない!?

  債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の3月調査を4月3日に発表しました。今回の調査では日本のデフレや米連邦準備理事会(FRB)の金融政策、新年度の欧州の政治リスクなどについて聞きました。調査期間は3月28日~30日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者134人です。   日本のデフレは「当分、脱却の見込みがない」が4割 日銀は15~16日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作付きの量的・質的金融緩和政策の現状維持を決めました。こうした中、日本の経済はデフレが続いていると思いますかと聞いたところ、最も多かった回答は「当分、脱却の見込みがない」で42%、次に「脱却した」が25%、「近いうちに脱却する」が23%と続きました。         FRBの年内追加利上げは「2回」が7割弱 FRBは3月15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、昨年12月以来2会合ぶりとなる政策金利の引き上げを決めました。そこで、FRBは年内に追加利上げをあと何回、実施するでしょうかと質問したところ、最も多かった回答は「2回」で69%、続いて「3回」が18%、「1回」が11%となりました。時期については最多が「12月」で64%、次いで「9月」が63%、「6月」が56%と続きました。市場関係者からは「市場は年3回の利上げをメインシナリオとして織り込んでいるが、足許ではそのトーンを若干修正しつつあるように感じられる。トランプ政権への失望や、欧州政治リスクの高まりなどを背景に、利上げ回数が減少する可能性も想定される」といった声が聞かれました。         欧州政治リスクへの警戒感はやや低い?  欧州選挙イヤーの幕開けとして注目が集まったオランダ下院選(3月15日投開票)では、極右政党が破れ、与党が第1党を維持しました。一方、英国は3月29日に欧州連合(EU)に正式に離脱を通知しました。こうした中、新年度の欧州の政治リスクについてどう考えますかと聞いたところ、最も多かったのは「政治リスクは顕在化しない」で45%、次に「一部の主要国で顕在化」が24%、「一部の周縁国で顕在化」が23%という結果になりました。市場関係者は「欧州の政治リスクは、昨年のBREXITやトランプ政権の誕生を受けてポピュリズム政党の支持率が頭打ちとなる可能性がある。加えてEUが英国のEU離脱交渉に厳しく臨むことが想定され、さらに反EUの支持率後退が強まる公算。結果的に、欧州政治リスクは顕在化しない可能性が高い」といった見方が大勢を占めているようです。 加えて、こうした欧州の政治リスクや米国の金融政策を前提とした際の投資資金の配分についても聞いてみました。もしあなたが運用担当者だった場合、各資産の新年度の運用を2016年度と比べてどう変えますか、と質問したところ、日本国債やREIT、海外ソブリンについての投資スタンスは変わらずの「不変」が最も多くなりました。一方、国内株と海外株については「増加」が多くないました。           目先の変動要因として引き続き「金融政策」に注目 毎月定例の相場見通しの調査では前回に比べて利回り低下を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.064%、3カ月後が0.070%、6カ月後が0.088%と、2月調査の(0.084%、0.090%、0.100%)に比べていずれも低下しました。  今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因で、最も多かったのは「短期金利/金融政策」で45%ですが2月調査から3ポイント低下となりました。次に注目度が高かった「海外金利」も前月から4ポイント低下の32%と、1月調査をピークに次第に関心が低下しています。  同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については「政府・日銀のオペレーション」が最も多く65%を占め、次いで「都銀・信託銀行(投資勘定)」が11%、「生損保(年金除く)」が10%、「外国人」が7%で続きました。     国債組み入れ比率、投資スタンス「現状維持」8割超 資産運用担当者66人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、前回調査に比べて「ニュートラル」が63%で変わらない一方、「ややオーバーウエート」がやや低下し、「ややアンダーウエート」がやや増加しました。依然として現状維持の姿勢が続き、様子見ムードがさらに広がっているようです。当面の投資スタンスについても「現状を維持する」が前月から2ポイント上昇の84%と、引き続き多数を占めました。

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強気な業績予想増え、全産業DIは6カ月連続改善

製造業DIは低下するも、全産業DIは6カ月連続で改善 アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示す「QUICKコンセンサスDI」(2017年3月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス30となり、前月から3ポイント上昇しました。6カ月連続の改善です。製造業DIがプラス47で前月から2ポイント低下しましたが、非製造業DIがプラス7で前月比4ポイント上昇し、金融がプラス29で前月比18ポイント上昇したことで、全体を押し上げました。           製造業にやや弱気の見方増える 次に業種別に見てみましょう。算出対象の16業種中でDIがプラス(上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回る)だった業種は14業種。一方、マイナス(下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回る)の業種は1業種、変わらずは1業種でした。 製造業は縮小傾向で特に鉄鋼や化学、自動車関連の輸送用機器に対してやや弱気な見方が増えています。半面、非鉄金属の改善が顕著でした。非製造業はプラス幅が拡大。金融セクターで上昇期待が高まり、サービスではマイナス幅が縮小しました。 <製造業・業種別QUICKコンセンサスDI>        食料品  化学 医薬品   鉄鋼   非鉄   機械   電機  輸送用                                          金属                          機器 17年3月       5      54     12           71      100        57       56       64 17年2月       0     62    -12             83          80        60       75       83 17年1月      15     22      0            0        57        20        61       60 <非製造業・金融業種別QUICKコンセンサスDI> <対象>      建設  情報・   卸売   小売    不動産  サービス   銀行   その他                         通信                                                            金融 17年3月      20      8        60       3           18        -27        21        0 17年2月     29      0         60      12          27        -45         7         0 17年1月      53      8        40      11          33        -34         0         0   郵船が大幅上方修正との予想 銘柄数の内訳は「強気」銘柄は168銘柄、「変化なし」は173銘柄、「弱気」銘柄は51銘柄になりました。3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄の上位5銘柄をそれぞれピックアップすると、下記のようになります。 純利益の上方修正率が最も大きかった銘柄は日本郵船。一方、下方修正率が大きかった1位のサイバーダインと2位のNECは前回から順位が入れ替わりましたが、4位のLINEは変わらずと、上位5銘柄中3銘柄が再び顔を並べる結果となりました。  <上方修正率の大きい銘柄> 1位 郵 船(9101)・・・・・・・・・324.48% 2位 商船三井(9104)・・・・・・・・135.29% 3位 東 芝(6502)・・・・・・・・・ 70.49% 4位 JFEHD(5411)・・・・・・・  58.93% 5位 SUMCO(3436)・・・・・・・55.02%  <下方修正の大きい銘柄> 1位 サイバーダイン(7779)・・・・・ ▲42.11% 2位 NEC(6701)・・・・・・・・・▲38.24% 3位 太陽誘電(6976)・・・・・・・・▲27.53% 4位 LINE(3938)・・・・・・・・▲22.39% 5位 アシックス(7936)・・・・・・・▲18.92%

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金融庁、「顧客本位の業務運営に関する原則」を正式決定

金融庁は30日、「顧客本位の業務運営に関する原則」を正式決定した。金融商品の販売に伴う手数料の明確化や投資家への分かりやすい情報提供など、金融機関が取り組むべき「7原則」をまとめた。金融機関はこの原則に基づいて「顧客本位の業務運営」の実現に向けた具体的な方針を策定し、定期的に公表することが求められる。 金融庁は方針を策定した金融機関の取り組みをまとめ、今年6月末から四半期ごとに公表を始めるとしている。 (QUICK資産運用研究所)

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「桐谷さん」スパは8万4000円、ビーフカレーは1万6800円 逆日歩で割高に

   29日の東京株式市場で株主優待を狙った投資家に毎年恒例の悲劇が起きた。買いと売りを組み合わせて価格変動リスクを負担せずに優待の権利を確保する「両建て取引」が活発化した。その結果、信用取引で空売りをする投資家が株式を借りる際に払う手数料の逆日歩が急騰、優待の商品価値より高い金を払う「優待割れ」が目立つ。 アドアーズ 「桐谷さん」のスパは一般客の2倍の料金に  株主優待で有名な「桐谷さん」も利用するアドアーズ株。株主優待は3500株で運営するスパ施設の「全身アロマトリートメントコース(120分)」または「わがままコース(120分)」で2万2000円相当のチケット2枚だ。アドアーズ株の逆日歩は28日に24円に急騰した。両建て取引の投資家は8万4000円を払って4万4000円相当のスパ施設のサービスを受けられる。結果的に両建て投資家は一般客の2倍の金を払う計算となる。  価格変動リスクを負わずに株主優待だけを受け取る両建て取引を市場は「わがままコース」と判断したようだ。   カネ美食品、1万6800円のビーフカレーが誕生!! カネ美食品(2669)の株主優待は1単元(100株)の場合、3000円相当の「和牛ビーフカレー」や「かに缶詰・ふかひれスープ缶詰」など8種類の商品から選べる「セレクトグルメ配達便」。カネ美食品株において、信用取引で空売りをする投資家が株式を借りる際に払う手数料「逆日歩」は28日に前日比3360倍の168円(27日は5銭)に急騰した。結果的に、3000円相当の和牛ビーフカレーを1万6800円で購入した投資家も出ただろう。  中華料理店「大阪王将」を展開するイートアンド(2882)の株主優待は1単元(100株)で3000円相当の自社製品、中堅ファミリーレストランのココス(9943)の株主優待は1単元(100株)で1000円の食事券と飲食代金5%割引のカードだ。イートアンド株とココス株の信用取引で空売りをする投資家が株式を借りる際に払う手数料「逆日歩」は28日に100円超に急騰、両建て取引をした株主は1万円超の割高な食事券を手にしてしまった。 エバラ食品、永谷園は優待割れ回避 おいしい取引健在 エバラ食品(2819)の株主優待は1単元(100株)で焼肉のたれなどを含む自社製品1000円相当のセットだ。エバラ食品株の28日の逆日歩は1円65銭だったため、両建て投資家は165円で1000円の商品を手にするおいしい取引だった。  永谷園HD(2899)の株主優待は1単元(1000株)でお茶漬けなど自社製品3000円相当のセットだ。永谷園HD株の28日の逆日歩は1円65銭だったため、両建て投資家は1650円を払って3000円の商品を手にする。 【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】 (QUICK NewsLine)

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ほぼ日上場、投資家にも人気 CFOに聞く「糸井ではなく会社に注目して欲しい」

初値は公開価格の2倍超、糸井社長「ライバルはディズニー」 (オフィスは木目調の温もりのあるデザイン)   著名コピーライターの糸井重里氏が社長を務めるほぼ日(3560)が株式市場で人気を集めている。ジャスダック市場に新規上場した16日、ほぼ日株に買いが殺到して上場2日目の17日に公募・売り出し価格(公開価格、2350円)の2.2倍となる5360円で初値を付けた。  糸井社長は上場後の記者会見で「ライバルはディズニー」と述べ、市場の人気について「そんなに美人じゃないって分かっている」と糸井節を見せた。ほぼ日とはいったいどんな会社なのか、元マッキンゼーでほぼ日の最高財務責任者(CFO)の篠田真貴子氏に聞いた。 顧客や信頼の蓄積を糸井氏個人でなく会社へ (現在の主力商品はほぼ日手帳)   ――上場した理由は 「個人のクリエイティビティだけで事業を行うと、本人が亡くなった後、主な事業が過去のクリエイティブの版権管理へと移ってしまうような例が多く見られる。そうならずに、本人が退いたあとも変わらず事業を継続させたい、というのが出発点です。ディズニーは今もクリエイティブを変わらず継続しており、参考になることがたくさんあると思っています」 「良くも悪くも社長の糸井に視線が集まりすぎている現状を変えたい。ほぼ日の事業は会社全体で行っているものですが、顧客や信用など蓄積しているものが糸井個人に集中してしまう懸念があります」 「糸井がいなくなった後も事業が存続できるよう、『会社』に注目してもらうために上場した面はあります。上場すれば会社が表に立つことが多くなり、四半期ごとの決算報告などアピールする場も増えます」 ――マザーズではなくジャスダックに上場しました 「当社は高成長を追求しなければいけないマザーズとは違うと考えました。ただ、会社を大きくしていきたいという思いは当然にあり、将来は東証に上場したいと思っています」 ――利益や成長を目指さないのでしょうか 「結果的に利益は必要だと考えています。『ほぼ日刊イトイ新聞』をはじめ、『ドコノコ』など人々が集まる場を提供するために資金や規模が必要で、その原資として利益を求める」 手帳は糸井社長を飛び越えて人気化、コンセプトは「良い時間を提供」 (手帳やアパレル、食品のほか土鍋まで扱う)   ――売り上げの7割を占めるのがほぼ日手帳です 「主力商品の手帳は当社の糸井を知らない人が買う巨大なプラットフォームになってきました。当社サイト経由よりもロフトでの販売部数の方が多い。手帳のカバーにはきゃりーぱみゅぱみゅのPV美術を担当した増田セバスチャンさんなど多数のクリエイターが関与している」 「まだ大きなコストをかけていない海外ではブランド力のある『日本の文房具品』の中でも売れている手帳といった位置づけで、SNSを通して口コミで広がっています」 ――手帳以外の成長戦略は何ですか 「ここ2~3年はアパレルや食品、手帳の前から扱っている腹巻やタオルを伸ばしていく。長期的にはサービスを開始したばかりの犬や猫をテーマにしたSNS『ドコノコ』や3月に初めて開催する大規模な物販イベントなどで成長していきたい」 「AR技術を使ったアースボールの開発も進めている。地球儀とスマホをあわせ、その地域の情報などを楽しめる新しい体験を提供できる。へき地に住む人がアースボールを使って世界を体験するという夢を持っている」 ――糸井社長の社内での仕事の関与度はどれぐらいですか 「すべての商品やサービスに糸井が深くかかわっているわけではありません。糸井が中心になっているサービスは売り上げの5%程度です。糸井の仕事は将来的な構想や事業のスタートの部分での関与になっています」 ――ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」は商品の紹介があり、広告と明示しない「ステマ」ではないかとの批判があります 「自社のサイトで他社製品を紹介、購入へと誘導しているわけではありません。自分のメディアで自社製品を販売しているだけなので、いわゆるステマとは次元が違います」 ――糸井社長は泊まり込みの株主総会をしてみたいと話していました 「当社のコンセプトの一つが『良い時間を提供する』です。消費がモノからコトに変わっている今、大事な考えではないかと思っています。ただ、第一回の株主総会は普通のやり方を考えています。物販イベントなどと同様に株主総会も試行錯誤していきたい」   【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】 (QUICK NewsLine)

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株主総会はハシゴせずゆったりと 開催日を分散する傾向に

  日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している3月のQUICK短観では、製造業の業況判断指数(DI)がプラス22となり、前月調査から2ポイント悪化しました。悪化は8カ月ぶり。一方、非製造業DIは前月調査から変わらずのプラス29でしたが、金融を含む全産業DIは前回調査に比べ2ポイント悪化のプラス26となりました。今回の調査期間は3月1~12日、回答者数は上場企業407社。       集中開催が課題の株主総会「すでに集中日を避けて開催」が最多 今回の調査では、開催日の集中が課題となっている「株主総会の集中緩和」について聞きました。平成29年度の税制改正では、コーポレートガバナンス強化に向け、上場企業等の株主総会の開催日を柔軟に設定できるよう、法人税等の申告期限の延長可能月数を拡大する見通しです。貴社では、株主総会の集中緩和のために開催日を変更することについて、どう考えますかと質問したところ、最も多かった回答は「すでに集中日を避けて開催している」が53%を占めました。次いで「検討しない」が21%、「延長拡大にかかわらず、検討している」が15%、「申告期限がさらに延長されるならば変更を検討する」が12%という結果になりました。調査対象である上場企業の半数以上が、すでに総会開催日の分散化に動いていることがうかがえます。   2018年春の新卒採用も「売り手市場」が続く 2018年春に大学卒業予定の学生を対象にした採用活動が3月1日に解禁されました。18年春採用(2018年4月入社)予定の社員数は、昨年と比べてどのようになりますか、と質問したところ、最も多かった回答は「ほぼ横ばいの予定」で65%で、次いで「増やす予定」が31%、「減らす予定」は4%となりました。採用を増やす予定の企業が3割を超えており、近年の人手不足を背景にした企業の採用意欲の高まりがうかがえ、学生優位の売り手市場が今年も続きそうです。   QUICK短観とは・・・ 日銀が企業経営者の景況感をまとめて四半期に1度の割合で発表している「日銀短観」の傾向を把握するのに役立つとともに、株価との連動性もみられるため、市場関係者にも注目されています。日銀短観は四半期に1度の公表ですが、QUICK短観は毎月調査・公表されているため、企業の景況感の変化を読み取ることができます。

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日銀次期総裁を大胆予測! 「ポスト黒田」は? (3月調査)

  証券会社や銀行など、外為市場関係者を対象に毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の3月調査を13日に発表しました。今回の調査では金融市場で今、最も注目されている米国の利上げのほか、来年の4月に任期が切れる日銀の黒田東彦総裁の後任人事などについても聞きました。調査期間は3月6~9日、回答者数は金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者70人。     3月米追加利上げなら、マーケットはどう動く? イエレンFRB(米連邦準備理事会)議長が3月3日の講演で14~15日に開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを検討する方針だと明言したほか、米FRB高官が相次ぎ早期利上げを示唆する発言をしたことから、3月の利上げ観測が急速に広がりました。  そこで、FRBは3月に追加利上げに動くと思いますか、と聞いたところ、「追加利上げ」との回答が94%を占めました。また、FRBは年内に何回利上げすると予想しますかとの質問で、最も多かった回答は「3回」で59%、次いで「2回」が29%となりました。       FRBが3月に追加利上げに動いた場合、各マーケットはどのように動くと予想しますか、との質問には、ダウ工業株30種平均は「横ばい」が46%で最も多く、「弱含み」が28%、「強含み」が26%と続きました。ドル円相場については「弱含み」が52%で最も多く、日米の金利差を背景にドルが買われて円が売られるとの予想が多くなりました。       また、3月のFOMC後に最も注目するテーマやイベントは何ですか、と聞いたところ、最多は「トランプ政権の経済・通商政策」で63%でした。次いで「欧州政治動向」が21%、「FRBの金融政策」が7%、という結果になりました。       日銀次期総裁は誰に? 日銀の黒田東彦総裁は2018年4月8日に任期満了となります。では現時点で、黒田総裁の後任は誰になると予想しますか、と質問したところ、最も多かった回答は「中曽宏・日銀副総裁」が33%、次いで「黒田東彦・日銀総裁(再任)」が28%、「雨宮正佳・日銀理事」が16%で続きました。 市場関係者からは「目標も達成せず、EXITの道筋も示さず、ただ金融機関と年金生活者にストレスをかけて、問題を後任に丸投げするのはあまりに無責任。せめてEXITの際の国民負担を明示し、それでも引き受ける意思のある人に後を任せるべき。黒田総裁というより政治の責任」、「就任時に約束した成果は全く出ていないが、根雪のようなデフレマインドを溶かすにはそれなりの時間がかかるはずであり、黒田総裁の責任ではない。日本経済に様々な弊害を及ぼすデフレを許容する日本銀行の政策スタンスを180度転換した黒田総裁を変えるべき理由は全くないのではないか」と、賛否が分かれました。       プロの予想は目先1ドル=114円台と円安方向にシフト 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは2月末の平均値で1ドル=114円03銭と、2月調査(112円58銭)に比べて円安にシフト。3カ月後の5月末には114円11銭、6カ月後の8月末には114円43銭との予想です。 今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円とドルが「金利/金融政策」、ユーロは「政治/外交」でした。       企業の前提為替レートは111円台後半 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前月の63%から75%へと上昇する一方、「アンダーウエート」が25%から13%に低下しました。「オーバーウエート」は変わらず13%でした。市場参加者の慎重姿勢が、引き続き高まっていることがうかがえます。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、有効回答数8社の円相場の平均値は対ドルで1ドル=111円59銭、有効回答数4社平均の対ユーロが1ユーロ=119円39銭でした。  

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プロはどう見る? トランプ政権と日本株相場―大和証券著名ストラテジスト&エコノミスト

大和証券はこのほど、「トランプ政権下における投資戦略を総点検」と題したセミナーを開催しました。同証券投資戦略部のチーフストラテジストである三宅一弘氏と、チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏の見方は以下の通りです。     トランプ政策で年末に日本株2万2500円も 米金利動向に注目 三宅一弘氏 大和証券投資戦略部チーフストラテジスト 「トランプ米大統領が掲げる今後10年間で2500万人の雇用創出や、実質GDP(国内総生産)の4%成長には懐疑的な面もある。ただ、これらの政策を実現するために大規模なインフラ投資や税制改革が推進され、米10年国債の利回りが3%程度に上昇すれば円相場は1ドル=120~125円の円安を見込む。120円の場合、年末の日経平均株価は2万2500円前後と予想する」  「トランプ政権の政策の中では法人税を軸とした税制改革に注目している。トランプ案は連邦法人税率を現行の35%から15%への引き下げだ。これに対して共和党案は20%の軽減税率を提案しているほか、企業収益でななく、キャッシュフローに課税するという点が特徴だ。トランポノミクスの主なリスク要因としては、名目・実質の長期金利の上昇を受けてドル高により輸出が減少すること。トランポノミクスの成否は金利を低位に抑制できるかどうかだ。このため、政権側としては米連邦準備理事会(FRB)と連携したいところだろう。2018年にはイエレンFRB議長とフィッシャー副議長の任期が切れるため、後任はトランプ政権の要望をくみ取った人材が選ばれるだろう」  「日本株市場のポイントは主に2つ。安倍晋三首相による長期安定政権の持続と日銀のテーパリング(量的緩和の縮小)だ。自民党総裁の任期はこれまで2期6年だったが、3期9年に延長され、場合によっては安倍政権が2021年まで続く可能性がある。テーパリングについては2018年の黒田東彦日銀総裁らの任期切れを前に思惑が持ち上がるだろう。ただ、次回の衆院・解散総選挙ではアベノミクスの成果が問われることが予想されるため、安倍政権としては円安・株高を望む。このため、選挙前にはテーパリングには動けず、結果的に2018年に入ってからとみている」   三宅氏   米政権がレパトリ減税&インフラ投資に動けば日本株上昇 大和証券の木野内氏 木野内栄治氏 大和証券投資戦略部チーフテクニカルアナリスト  「日経平均株価は春に2万0300円をトライしたのち、4~6月は調整とみている。その後年末にかけてはトランプ政権の政策が日本株相場の明暗を分ける。米政権が掲げる大規模なインフラ投資や大幅な減税を実現するため、今後は財源が争点になる。案としては国境調整税やレパトリ(本国還流)減税が予想されるほか、ムニューシン米財務長官は50年や100年債の発行も検討すると発言している。なかでも注目はレパトリ減税だ。米国外にある剰余金の推計額は2.6兆円(約300兆円)。税率を引き下げたとしたとしてもこれを上回る本国還流、税収が期待できる。仮にレパトリ減税とインフラ投資がセットで実施されれば、経済効果が出るタイミングは比較的早いだろう。この場合、日経平均株価は年末に2万3000円程度に上昇する可能性もある」  「レパトリが実施されればドルの買い戻しによるドル高が予想される。例えば、2005年のブッシュ政権下でレパトリ減税が実施された際、円相場は1ドル=101円台から121円台へと円安が加速した。ただ、剰余金を通貨別でみるとユーロの比率が高いため、ドル高・ユーロ安という側面が強くなりそうだ」  「半面、大幅な法人減税の政策が優先されたり、法人減税に加えてレパトリ減税も実施されれば、米国企業は相対比較から法人減税のメリットを享受したいと考えるだろう。法人減税の大きな効果が出るのは1年程度先になってしまう。このため、日経平均は年末に1万7000円程度に下落するとのシナリオだ」   木野内氏    

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「働き方改革」は日本経済の成長率を押し上げられるか?(3月株式調査)

  株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の3月調査を3月6日に発表しました。調査の対象は証券会社および機関投資家の株式担当者159人、期間は2月28日~3月2日。調査期間中の日本株市場では日経平均株価が3月2日に1万9564円80銭と、1月4日に付けた昨年来高値(1万9594円16銭)に迫る場面もありました。トランプ米大統領の議会演説が波乱なく終わったことや、3月の米利上げ観測が広がり円安に傾いたことが上昇につながったようです。  米株式市場ではトランプ政権の経済政策への根強い期待からダウ工業株30種平均は2月27日まで12営業日連続で過去最高を更新。3月1日には2万1000ドルを突破しました。     働き方改革「長期的には効果」が半数 成長率は「全体的に上昇」が4割  ここ最近、「働き方改革」という言葉がメディアなどで取り上げられる機会が増えています。働き方改革とは、安倍晋三首相が「最大のチャレンジ」と位置付ける政策です。正社員と非正規社員(パートなど)の待遇格差の解消、長時間労働の是正などにより女性や高齢者が働きやすい環境にしようという試みです。  そこで今回のアンケート調査では、この改革による日本経済の成長率の押し上げ効果について聞きました。 まず、日本は現在、完全雇用に近いと言われていますが、今後の賃金上昇についてどのようにお考えですか? と聞いたところ、最も多かった回答は「全体的に上昇」が約4割でした。        次に日本経済の成長率を押し上げるほどの効果はあるでしょうか? と質問したところ、「長期的には効果がある」が半数を占めました。また、成長率の改善に効果がある政策を聞いたところ、「労働市場の流動化促進」と「女性や高齢者の労働参加率の上昇」がともに3割超と高くなりました。 市場関係者からは「東芝に見られるように、本来であれば撤退すべきビジネスを抱え続けた結果、企業業績に悪影響を与えているケースが少なくない。もちろん、はるかに小さなスケールのケースが大半だ。その裏には労働市場の硬直化があり、労働問題が儲からないビジネスをいつまでも抱える動機となっている。新しい会社はそうでもないが、伝統ある企業ほどこのしがらみから脱せられず成長の足かせとなっている」との声もありました。         3月末の日経平均は1万9667円の予想  3月末の日経平均株価について聞いたところ、平均値で1万9667円の予想でした。前回調査(確報)の1万9220円に比べて上方シフトとなりました。上方へシフトしたのは2カ月ぶりです。また、5月末には1万9866円、8月末は1万9733円との予想でした。2017年3月期の決算の発表が相次ぐ4月下旬から5月にかけて、好決算を背景に日経平均は上昇するとの見方が増えているようです。  今後6カ月程度の株価の変動要因としては「景気・企業業績」が4割弱で注目度は上昇傾向です。一方、トランプ政権の発足後に上昇していた「政治・外交」は2割に低下しました。   セクター別では鉄鋼と機械への注目度高まる  国内の資産運用担当者59人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」と「ややオーバーウエート」がともに約4割、「ややアンダーウエート」が1割超と、前回調査からほぼ変わらずでした。  セクター別の投資スタンスについては、「オーバーウエートとアンダーウェート」のバランスをみると、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのが「鉄鋼・機械」で、逆にアンダーウェートの比率が最も高いのが「公益」でした。

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製造業への期待が高まる一方、非製造業には弱気

全産業DI、5カ月連続で改善  アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示す「QUICKコンセンサスDI」(2017年2月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス27となり、前月から4ポイント上昇しました。5カ月連続の改善です。非製造業DIがプラス3で前月から6ポイント低下しましたが、製造業DIがプラス49で前月比12ポイント上昇して全体を押し上げました。製造業の中では特に鉄鋼や、化学、自動車などの輸送用機器の改善が顕著となりました。           製造業に強気の見方増える  次に業種別に見てみましょう。製造業は改善傾向で特に鉄鋼や化学、自動車関連の輸送用機器に対して上方修正期待が高まっています。これに対して、非製造業はプラス3とプラス幅が縮小。建設や卸売のセクターに対して弱気な見方が増えています。  <製造業DIの過去1年間の推移> 2016年1月・・・・    ▲11    2月・・・・・・▲35    3月・・・・・・▲48    4月・・・・・・▲47    5月・・・・・・▲47    6月・・・・・・▲48    7月・・・・・・▲49    8月・・・・・・▲45    9月・・・・・・▲38    10月・・・・・・▲25    11月・・・・・・▲3    12月・・・・・・ 26 2017年1月・・・・・・ 37    2月・・・・・・ 49 <非製造業DIの過去1年間の推移> 2016年1月・・・・・   8    2月・・・・・・▲3    3月・・・・・・ 1    4月・・・・・・▲1    5月・・・・・・▲9    6月・・・・・・▲18    7月・・・・・・▲15    8月・・・・・・▲7    9月・・・・・・▲15    10月・・・・・・▲10    11月・・・・・・ 1    12月・・・・・・ 4 2017年1月・・・・・・ 9    2月・・・・・・ 3   JDIが大幅上方修正と予想  銘柄数の内訳は「強気」銘柄は147銘柄、「変化なし」は150銘柄、「弱気」銘柄は51銘柄になりました。3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップすると、下記のようになります。  3カ月前との比較で純利益の上昇修正率が最も大きかったのはジャパンディスプレイ(JDI)、2位はシャープと上位2銘柄は2016年12月から3カ月連続で変化がありませんでした。  <上方修正率の大きい銘柄> 1位 JDI(6740)・・・・・・・・ 348.35% 2位 シャープ(6753)・・・・・・・ 104.24% 3位 東 芝(6502)・・・・・・・・・59.45% 4位 JFEHD(5411)・・・・・・・・58.33% 5位 太陽誘電(6976)・・・・・・・・56.63%  <下方修正の大きい銘柄> 1位 NEC(6701)・・・・・・・・・▲35.12% 2位 サイバダイン(7779)・・・・・・・・▲32.06% 3位 北海電(9509)・・・・・・・・・▲21.04% 4位 LINE(3938)・・・・・・・・▲19.96% 5位 小野薬(4528)・・・・・・・・・▲15.09%        

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日銀の金融政策、効果はあった?(2月調査)

  債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の2月調査を27日に発表しました。調査期間は2月21日~23日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者133人でした。   80兆円の国債買入れは「なしくずしに減額」が55%  今回の調査では、2016年9月に導入されたイールドカーブ・コントロールなど日銀の金融政策について聞きました。まず、日銀保有国債残高の年間増加額のメドとされる80兆円が年内どうなるかと質問したところ、最も多かった回答は「なしくずしに減額」で55%、次に「変更なし」が23%と続きました。市場関係者からは「年間増加のメドである80兆円はすでに反故となっており、減額したペースで買入れを継続し、10 年金利が安定すれば国債の発行減額も相まって、更なる買入れ減額が想定される。ただし、マーケットはすでにその状況を織り込んでおり、減額した後に80 兆円の文言が削除されたとしても、それほどのサプライズにはならないと考える」といった声が聞かれました。 加えて、10年物国債の金利が概ねゼロ%程度になるよう買い入れをして長期・短期の金利を調整する「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」についても聞きました。イールドカーブ・コントロールがなかった場合、現在の国債利回りはどの程度だと思いますかと質問したところ、単純平均で10年債利回りが0.307%、20年債利回りが0.950%となりました。調査期間中の新発10年物国債利回りは0.075~0.095%、新発20年物国債利回りは0.660~0.705%で推移しましたので、イールドカーブ・コントロールによって上昇圧力がある程度抑えられている、とみる市場関係者が多いようです。      また、イールドカーブ・コントロールの効果・副作用を導入前と比べて、現時点でどう評価するかとの質問に対しては、インフレ押し上げについては75%、金融機関の収益改善については50%が「効果なし」と回答。年金等の運用収益改善については「効果なし」が39%だったものの、「期待できる」が39%、「効果があった」が21%と6割はプラスと捉えているようです。 円安・株高については「効果なし」が43%を占めましたが、「効果があった」30%、「期待できる」27%と、こちらも半数超がプラスとみていました。金融市場の機能阻害は「副作用があった」が50%と最も多く、「恐れあり」が39%で続きました。財政規律の弛緩については、最も多かった回答が「恐れあり」で52%となりました。  市場関係者からは「日銀の量的・質的緩和導入後、債券市場の機能は大きく低下した状態が続いています。イールドカーブ・コントロール導入前は、参加者の大半が利益を得られたと思いますが、導入後は収益の確保は難しくなりました。物価への影響が限定的だとすれば、真の狙いがあるのでしょうか」など懐疑的な声が聞かれました。     目先の変動要因として金融政策に注目集まる    毎月定例の相場見通しの調査では前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.084%、3カ月後が0.090%、6カ月後が0.100%と、1月調査の(0.065%、0.075%、0.085%)に比べていずれも上昇。  今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因としては、「短期金利/金融政策」が48%で前月から11ポイント上昇して最も多くなりました。前月に最も注目度が高かった「海外金利」については比率が関心がやや低下しました。  同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については「政府・日銀のオペレーション」が最も多く70%を占め、次いで「生損保(年金除く)」が14%、「都銀・信託銀行(投資勘定)」が8%で続きました。これまで2ケタだった「外国人」は4%に低下しています。     国債組み入れ比率、「現状維持」が8割超  資産運用担当者65人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、前回調査に比べて「ニュートラル」が63%に増加した一方、「ややオーバーウエート」が低下。現状維持の姿勢が一段と強まり、様子見ムードが広がっているようです。当面の投資スタンスについても「現状を維持する」が82%と多数を占めました。          

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米国への投資はどうする? 製造業DIは1年6カ月ぶりの高水準(2月調査)

  日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している2月のQUICK短観では、製造業の業況判断指数(DI)がプラス24となり、前月調査から5ポイント改善。2015年8月以来1年6カ月ぶりの高水準となりました。一方、非製造業DIは前月比1ポイント悪化のプラス29となりましたが、金融を含む全産業DIは前回調査に比べ1ポイント改善のプラス28でした。今回の調査期間は2月1~12日、回答者数は上場企業410社。     米国への投資スタンスは様子見 トランプ政権が1月に誕生して以来、企業を取り巻く事業環境も目まぐるしく変化しています。そこで、今回の調査では今後の米国への投資について聞きました。トランプ米大統領は「米国第一主義」のもと、法人減税など米国投資を促すための優遇策を公約に掲げていますが、今後の投資スタンスについてどう考えますか?  と質問したところ、「まずは現状維持で先行きを見守る」との回答が全体の6割と様子見姿勢でした。そのほか、「今後も投資姿勢は変わりそうにない」が4割弱を占めました。      長時間労働是正の対策、半数が「対応済み」 一方、国内では安倍政権が「働き方改革」に力を入れています。政府は14日、残業時間の上限を60時間と定めた案を提示しました。また、経済産業省と経団連が連携して2月から開始する消費喚起キャンペーン「プレミアムフライデー」では、午後3時ぐらいに早期退社することを呼びかけ、消費だけでなく働き方改革の相乗効果も狙うようです。そこで、今回は従業員の残業時間を減らす対応についても質問しました。従業員の残業時間を減らすためにどのような対応をしていますか? と質問したところ、最も多かった回答は「対策を検討中」が約4割でした。その一方で、「対策をすでに取っているが、効果はまだ出ていない」が3割超、「対策をすでに取っており、大きな効果が出ている」が2割でした。調査対象である上場企業の半数以上がすでに「対応をとっている」と、積極的に取り組んでいることがうかがえます。       <QUICK短観とは> 日銀が企業経営者の景況感をまとめて四半期に1度の割合で発表している「日銀短観」の傾向を把握するのに役立つとともに、株価との連動性もみられるため、市場関係者にも注目されています。日銀短観は四半期に1度の公表ですが、QUICK短観は毎月調査・公表されているため、企業の景況感の変化を読み取ることができます。    

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トランプ政権が日本に強く要求することとは? (2月調査)

   証券会社や銀行など、外為市場関係者を対象に毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<外為>」の2月調査を2月13日に発表しました。今回の調査ではトランプ政権が外国為替相場へ与える影響や、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策などついて聞きました。   トランプ政権が日本に強く要求することとは?    トランプ政権が対日外交において最も要求を強めることとは何だと思いますか?と質問したところ、「米国向け投資の拡大」との回答が全体の6割弱を占めました。次いで「自動車貿易の不公平是正」が24%と続きました。また、トランプ政権下でFRBの金融政策は「タカ派に傾斜する」と回答した人が5割に達したほか、次の追加利上げ時期については「6月」との見方が最も多くなりました。 ある銀行の回答者は「現状の景気、インフレ動向からみて6月利上げの可能性は高いと思われる」との声が聞かれました。また、FRBは年内に3回利上げを実施する可能性が高いなか、ある信託銀行では「米トランプ政権の経済対策による景気押し上げ効果の大半は来年以降に実現する見込み。こうしたなか、FRBの金融引き締めは慎重に進められる公算が大きく、年内の利上げは2回と想定している」との見方もありました。  一方、日銀の金融政策はトランプ政権の影響をどの程度受けるでしょうか、と聞いたところ約5割が「ある程度受ける」、3割強が「あまり受けない」と影響は限定的と見ているようです。加えて日銀の年内の金融政策についても聞いたところ、「現状維持」が8割超を占めました。             プロの予想は目先1ドル=112円台半ばと円高方向にシフト 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは、2月末の平均値で1ドル=112円58銭と、1月調査(114円04銭)に比べて円高にシフト。3カ月後の4月末には112円85銭、6カ月後の7月末には113円87銭との予想です。  今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円が「金利/金融政策」と「政治/外交」、ドルとユーロはともに「政治/外交」でした。     企業の前提為替レートは109円台後半 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのかを聞いたところ、「ニュートラル」が前月の50%から63%へ、「アンダーウエート」が10%から25%へと上昇する一方、「オーバーウエート」は27ポイント低下して13%となりました。市場参加者の慎重姿勢が高まっていることがうかがえます。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、有効回答数11社の円相場の平均値は対ドルで1ドル=109円97銭、有効回答数5社平均の対ユーロが1ユーロ=121円51銭でした。   ※調査期間は2月6~9日、回答者数は金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者74人

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決算ピーク! AI速報、決算スコアの勝率は? 大相撲年間最多勝と比べた

 主要企業の決算発表(主に2016年4~12月期決算)がピークを迎えています。QUICKの集計によると、10日は480社超の企業が決算を発表します。主要どころではNTTや三井不動産、東京急行電鉄、中小型・成長期待株ではミドリムシのユーグレナやバイオのそーせいなどが予定しています。 「決算スコア」は数百社の業績発表後の株価の反応を瞬時に予測  数百社に上る企業の決算内容や決算結果を詳細に分析するのはもちろん、発表後の個別企業の株価は上がりそうなのか、下がりそうなのかまでを予測するのは大変、骨の折れる作業になります。  少しでも分析作業の時間短縮につながる便利なツールはないのか?そんな問いに応えるのがQUICKが提供する「AI速報」です。  AI(人工知能)を活用した自動解析ニュース「QUICK AI速報」では、決算や業績予想の修正を発表した企業を対象に、統計的に株価インパクトを数値化した「決算スコア」を算出しています。  決算スコアは過去10年近い発表内容を分類・集計して算出したもので、数値は「+■.■■」「-■.■■」といった形で表示されます。決算スコアが「プラス(+)」の場合は過去の反応から株価が統計的に上昇するケースが多く、反対に「マイナス(-)」の場合は下落するケースが多いということを示しています。 9日の決算スコア、「ポジティブ」の勝率は7割  では決算スコアで企業の株価インパクトをどう判断したのか、9日のケースで見てみましょう。9日も数百社が決算や業績修正を発表しましたが、決算スコアで株価インパクトが「ポジティブ(+の方向)」と判断したのは64銘柄になりました。  このうち、実際に決算スコアで算出した通り株価が上昇したのは45銘柄、下落したのは19銘柄でした。仮に判断通り上昇した銘柄を「勝ち」、下落した銘柄を「負け」として勝率を計算すると勝率は「7割」となりました。 【QUICK端末に流れたニュース】 稀勢の里関の年間勝率は77% セ・リーグ覇者、広島カープは63%  「勝率7割」が高いとみるか、低いとみるかは個人差があるでしょうが、参考として世の中の勝率の例をご紹介しておきます。  2016年に大相撲で史上初めて年間優勝0回(6場所)での最多勝を獲得した稀勢の里関は通算、69勝21敗で勝率は77%でした。一方、プロ野球で2016年に25年ぶりのセントラル・リーグ優勝を成し遂げた広島カープの成績は89勝52敗2分で勝率は63%でした。  ちなみに、9日の決算スコアで「ネガティブ(-の方向)」と判断したのは102社。このうち判断通りに株価が下落したのは68社となり、勝率は67%でした。 AI速報は学習し、さらに深化する  先ほども述べたように、決算スコアは過去10年近い決算・業績発表の内容を分類・集計したものですが、当然、今回の決算内容と株価インパクトも学習内容の一部になります。日々、学習し、データを蓄積することで「QUICK AI速報」はさらに深化していきます。     (QUICK NewsLine)   QUICK AI速報 上場企業の適時開示資料や株価情報を自然言語理解技術など最新のAI(人工知能)を使って瞬時に読み解き、自動解析ニュースとしてサービスしています。現在、「企業開示速報」と「株速報」の2種類をサービス中。「企業開示速報」は東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービス(TDnet)と金融庁の開示書類に関する電子開示システム(EDINET)の一部情報を自動解析の対象としています。 お問い合わせはこちら http://corporate.quick.co.jp/contact  

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AI速報で企業の決算を分析 トヨタから東邦亜鉛、ホーブまで

AI速報、約3500社の上場企業の決算を分析 東京証券取引所には大企業から中小企業まで3536社(6日時点)が上場しています。多くの企業決算を分析するのは個人投資家には至難の業。そんな時、役に立つのがQUICKが提供する「AI速報」です。 AI(人工知能)を使った自動解析ニュース「QUICK AI速報」では決算や業績予想の修正を発表した企業を対象に、統計的に株価インパクトを数値化した決算スコアを算出しています。 誰もが知る大企業から証券会社のアナリストが分析を担当していない企業まで、幅広く分析しているのがAI速報の特徴のひとつです。 トヨタの2016年4~12月期の決算スコアはマイナス0.38 実際、AI速報では企業決算をどう分析したのか、トヨタを例にとって見てみましょう。トヨタは6日、2016年4~12月期決算とあわせて、17年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が前期比35%減の1兆8500億円になりそうだと発表しました。従来予想の40%減の1兆7000億円からの上方修正となりました。 AI速報ではトヨタが発表した決算と業績見通しの上方修正に対して、マイナス0.38の決算スコアを算出しました。 2016年10~12月期はトヨタが当初想定した以上の円安が進行しており、トヨタの分析を担当するアナリストたちは1兆8500億円以上の営業利益の上方修正が発表されると見ていました。このアナリスト予想と比べると今回トヨタが示した予想は控えめな数字と言えます。 実際に7日の株式市場では決算発表を受けてトヨタ株は前日比2.8%安まで下落する場面がありました。日経平均株価の下落幅は0.9%安にとどまるため、全体の相場よりもトヨタ株の下落率は大きかったのです。 スコアがプラス7.5の東邦亜鉛は9.8%高、マイナス5.8のホーブは12.5%安 AI速報は決算を発表した上場企業の全てをカバーしています。たとえば、6日に決算を発表した企業で決算スコアが高かったのはプラス7.50の東邦亜鉛。7日の株式市場で東邦亜鉛の株価は前日比9.7%高まで上昇しました。 一方、ホーブが6日発表した業績見通しの修正の決算スコアはマイナス5.80。7日の株式市場でホーブの株価は前日比12.5%安まで下落しました。   【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】  (QUICK NewsLine)   QUICK AI速報 上場企業の適時開示資料や株価情報を自然言語理解技術など最新のAI(人工知能)を使って瞬時に読み解き、自動解析ニュースとしてサービスしています。現在、「企業開示速報」と「株速報」の2種類をサービス中。「企業開示速報」は東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービス(TDnet)と金融庁の開示書類に関する電子開示システム(EDINET)の一部情報を自動解析の対象としています。 お問い合わせはこちら http://corporate.quick.co.jp/contact

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