HUAWEI取引規制、米ハイテク株に冷水 米中問題の着地はFarway

米トランプ政権が中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ=HUAWEI)に対する取引規制を実施した。20日の米国株式市場では半導体を中心に、ファーウェイと取引のある米ハイテク企業の株価が急落した。 ■アルファベット 2%安 米検索大手グーグルを傘下に持つアルファベットが2日続落し2.06%安の1144.66ドルで終えた。20日の寄り前、グーグルがファーウェイに対し、基本ソフト(OS)「アンドロイド」の提供など、アプリ及びサービス提供の中止を検討と伝わった。対して、グーグルは「既存のファーウェイ端末上でセキュリティーアップデートは引き続き提供される」と発表している。 大和キャピタル・マーケッツは20日付のリポートで、グーグルの発表で確認できるのはライセンス済みの端末で「グーグルプレイ」などが使い続けられることだけであり、「これから開発、出荷されるファーウェイ端末へのライセンス付与が許可される可能性は少ない」と指摘したようだ。 また、業績については、グーグルのスマートフォンからの収入が8%近く減少するリスクがあるものの、「影響は無視できるほど小さくはないが、心配するほどではない」との見方を示した。グーグルが提供するサービスの大半は中国国内での使用が制限されているという。 ■キーサイト 一時11%安 電子計測器メーカーで第5世代移動通信システム(5G)関連のキーサイト・テクノロジーズは急落。日中取引の終値は前週末比9%安の74.56ドルだった。一時、11%安まで売られた。ファーウェイへの取引規制を受けて、業績先行きに不透明感が強まった。 米ロバート・W・ベアードは20日付リポートで目標株価を90ドルから82ドル、投資判断を「アウトパフォーム」から「ニュートラル」にそれぞれ引き下げたようだ。 過去の推計ではファーウェイ、中興通訊(ZTE)向け売上高は全体の3%未満にとどまり直接的な影響は小さいとする一方、ファーウェイの顧客へのダメージが間接的に響くと分析。 「中国関連の不確実性は近い将来、株価の『オーバーハング』となる可能性がある」として、適用する株価収益率(PER)を15倍から14倍に引き下げた。禁輸措置は29日発表予定の2~4月期(2Q)決算に影響しないものの、決算では先行きのリスクに対する企業の見方が焦点になる」と指摘した。 ■ザイリンクス 100ドル割れ 次世代通信規格「5G」関連の半導体・ザイリンクスは3日続落した。前週末比3.56%安の101.03ドルで引けた。取引時間中には97.68ドルまで下落。100ドルの大台を割り込むのは1月下旬以来、約4ヵ月ぶり。 野村インスティネットは同日付のレポートで「華為への輸出規制は当社にとってリスクか」と題するレポートを発行したもよう。結論は「ファーウェイのように通信インフラの主要メーカーに対する輸出規制は当社(ザイリンクス)にとってリスクだと考えていいだろう」とした。投資判断は「ニュートラル」を継続としたようだ。 ザイリンクスにとってファーウェイとの取引が占める割合は見極めがつかない。しかし、野村インスティネットは、直近の四半期に限るとしたうえで「固定・無線通信向け(WWG)の売上構成比が41%に拡大したことから、ファーウェイが全社売上高の10~20%を占めた可能性は十分にある」との見方も示したようだ。 ■アップル やり返される?リスク アップルは3日続落し、3.12%安の183.09ドルで終えた。一時は180ドル近辺まで下げ、3月12日以来、2カ月ぶりの安値水準を付けた。この日のダウ工業株30種平均の下落寄与度トップで、40ドルの押し下げ要因となって指数の重しとなった。 HSBCは20日付のリポートで投資判断のリデュース(売り)を維持しながら目標株価を180ドルから174ドルに引き下げた。米中双方が関税を引き上げて貿易戦争が激しくなる中、アップルには2つのタイプの脅威が存在すると指摘している。 トランプ政権の対中関税で米国に輸入されるアップル製品の価格に影響があたえるほか、中国市場で消費者が同等の性能を持つ地元メーカーのファーウェイ、北京小米科技(シャオミ)などの代替品への移行を加速するリスクがあると指摘。米中の貿易戦争が激化する中、短期的にポジティブなカタリストは見込まれないなどと指摘した。(大野弘貴、松下隆介 、岩切清司 、片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

HFが買い持ちする「VIPバスケット」 主力テック株の上昇めだつ

ゴールドマン・サックス(GS)は直近発行のヘッジファンド・トレンド・モニターのリポートで、「2018年10~12月期(4Q)に株式市場が下落したため、ヘッジファンド(HF)はショートポジションと総エクスポージャーを減らした」と指摘した。S&P500ベースの空売り比率は1.7%に過ぎず、2007年以来の最低水準にあるという。一方、HFは情報技術や一般消費財をオーバーウエイトにしつつ、金融は最も過小評価されているとのことだ。 GSが集計したHFの多くがロングとしている銘柄を集めたVIPバスケットは年初来で13.10%高と好調で、ベンチマークのS&P500(11.40%高)をアウトパフォームしている。VIPで保有が多い上位5銘柄はアマゾン・ドットコム、マイクロソフト、フェイスブック、アルファベット、アリババ・グループとなっている。これらの銘柄は前四半期もトップ5だったといい、HFの保有が多い主力ハイテク株が強い中、リスク許容度が高い環境なら外国人投資家の日本株買いが再開することも期待されそうだ。(片平正ニ) ★ゴールドマンが集計したHFの最重要ロング銘柄(VIP・青)と最重要ショート銘柄(VISP・緑)の推移 (QUICK FactSet Workstationで指数化、2018年末=100) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

アップル・アマゾン最高値 大型IT株と金融環境指数の深い関係 

5日の米市場でナスダック総合株価指数が3日続伸し連日で最高値を更新した。アップルとアマゾン・ドット・コムという時価総額の上位2銘柄がそろって上場来高値を上抜け指数を押し上げた。米株に新規の買い材料は見当たらない。ハイテク株を中心にマネーが再び流入している背景には何があるのか。 地政学リスクの後退や金利上昇の一服などが考えられるが、もう1つ注目したいのが米国の金融環境だ。シカゴ連銀が算出する「全米金融環境指数(NFCI)」が比較的わかりやすい。同指数はマイナスであればあるほど金融環境は緩和的な状況を意味する。2017年11月中ごろを底に反転し18年3月にかけてマイナス幅を縮小していった。米長期金利の上昇に端を発するボラティリティの急騰で株式相場が急落した時期に先行していた様子がわかる。 ※QUICK特設サイト「US Dashboard」より ※QUICKでは特設サイト「US Dashboard」で「全米金融環境指数(NFCI)」のほか、「米長短金利スプレッド」や「米BEI(期待インフレ率)」などを提供している 金融環境の引き締まりが低ボラティリティというぬるま湯に浸かっていた市場に冷や水を浴びせたわけだが、4月中旬を境に環境指数は再びマイナス幅を広げ始めた。この時期に米長期金利は再び上昇し3%を明確に上回ったものの、米株価指数への影響はほとんどなかった。 これらの経緯から緩和的な金融環境が米株価を押し上げている可能性が高い。環境指数の直近の低水準はマイナス0.88。5月25日時点ではマイナス0.85だった。このトレンドが継続するのか。再反転する局面は近いのか。最新の指数は日本時間の今晩に公表予定。改めて確認したい。 とはいえ、株高にもいびつさが見えてきた。S&P500種株価指数のヒートマップを見る限り、相場全体に勢いがあったようには思えない。行く場所がなくなりつつあるマネーは、受け入れ先として高い流動性と大きな時価総額であるアップルとアマゾンを求めているようにも映る。「米株価の上昇ももう少し続きそうだが最終局面なのかもしれない」(eワラント証券の小野田慎氏)との不安はぬぐいきれない。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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