逆イールド「CRAZY」とアンタが言うな! 専門家は景気後退入り「NO」

QUICKコメントチーム=池谷信久、片平正二、松下隆介 写真=Jeff Swensen/Getty Images、イラスト=たださやか 12年ぶりに米国債券市場で発生した逆イールドに対して、逆ギレ気味のツイッター砲がさく裂した。トランプ米大統領は「CRAZY INVERTED YIELD CURVE!(逆イールドはクレージー) 」と投稿。「 Our problem is with the Fed. Raised too much & too fast. Now too slow to cut(問題はFRBにある。利上げは速すぎるが、利下げは遅すぎる)」と重ねてFRBを批判した。CMEの「Fedウオッチ」では9月のFOMCにおける50bpの利下げ確率が前日の3.8%から21.2%へ上昇した。 トランプ大統領のツイッター 逆イールドは景気後退(リセッション)の前兆と言われ、この日の株式市場の大幅安につながったが、専門家の間では冷静な見方が目立つ。 ジャネット・イエレン前FRB議長は14日、FOXビジネスに出演し、「将来の金融政策に対する市場の見方が長期金利を押し下げているが、それ以外にも多くの要因がある」と指摘。米国がリセッション入りするかどうかについて「答えは恐らくノー。ただ、明らかにリセッションの確率は上昇している」などと述べた。 「それ以外の多くの要因」が何なのかは明らかだ。 野村証券の松沢中氏はリポートで、現在の逆イールド化は、FRBよりも政治が作り出している側面が強く、最も現実的かつ有効な処方箋は「比較的妥協し易い『農産品輸入拡大』で米中が『合意』し、通商摩擦を緩和させることだ」と指摘した。ナバロ大統領補佐官やトランプ大統領はFRBを批判しているが、景気懸念解消をFRBに求めることは「おそらく誤っており、その間は逆イールド解消、リスクオンへの転換は難しいだろう」としている。 また、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズのエスティ・ドウェク氏(グローバル・マーケット・ストラテジー、ダイナミック・ソリューションズ責任者)は、「世界経済の減速が続き、米中貿易戦争への警戒感が先行き不透明感を強めているが、景気後退の瀬戸際にあるとは思わない」と指摘。みずほ証券の上家秀裕氏も15日のレポートで、FF金利や3カ月TBと10年債は既に逆イールドとなっており、「景気後退入りの確率が高まったとは言い難い」との見解を示している。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

Fasten Your Seatbelt 「貿易も為替も」で不安増幅、VIX急騰

QUICKコメントチーム=片平正二、松下隆介 5日の米国市場で恐怖指数のVIXが39.63%高の24.59で終え、投資家心理の不安感を示すとされる20の大台を5月13日以来、約3カ月ぶりに上回った。一時は24.81まで上昇して1月3日以来、7カ月ぶりの高水準を付けた。 5日に人民元相場が1ドル=7元の大台に乗せたことで中国当局による元安誘導観測が台頭。トランプ大統領が対中関税の第4弾を発動する方針を1日に示して以降、ついに中国が非関税分野での対抗措置を取って貿易戦争懸念が高まるのではないかとの見方から世界同時株安の流れがさらに強まった。 ダウ工業株30種平均など主要3指数の下落幅は今年最大となり、株安の流れが強まる中でボラが急騰している。米財務省が中国を為替操作国に認定したことから、さらなるボラティリティの急騰が警戒され、6日の東京市場でも日経平均ボラティリティー・インデックスが一時26台と今年1月7日以来の水準に急上昇した。 エバコアISIは5日付のリポートで、過去の貿易戦争懸念が高まった局面でファクター分析を行ったところ、ボラティリティ、バリューの銘柄が最もアンダーパフォームすることが分かったと指摘した。一方でモメンタム、売上高成長率の高いファクターは貿易戦争懸念が高まる中でアウトパフォームしたといい、「米中の貿易戦争懸念や米連邦準備理事会(FRB)の政策の先行きに不透明感が高まる中、モメンタムなどのファクターは今後数週間は恩恵を受けるだろう」と見込んだ。 CMCマーケッツのチーフ・マーケット・ストラテジスト、マイケル・マッカーシー氏によると、5日に中国は人民元を切り下げ、米国の農産品の購入を中止するよう指示したという。米政府は「為替操作国」と認定し、対抗した。S&P500種株価指数はこの4営業日で6%近く下落し、2018年10~12月のセルオフを超えている。 市場では20年央までに米連邦準備理事会(FRB)による利下げが3~4回実施すると見込まれており、中央銀行によるサポートを背景に世界的な景気後退に陥る可能性は低いかもしれない。ただ、市場の関心は米中貿易問題に集中し、アジア市場は苦境に立たされている。株式相場など急激に反転する可能性もあるが、数日から数週間にわたってボラティリティは上昇し続けるだろうとのコメントがあった。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

強権大統領の「圧」に屈するトルコ中銀 前総裁クビ、今度は利下げ濃厚

日経QUICKニュース(NQN)=矢内純一 景気と支持率浮揚を狙って大統領が中央銀行に利下げを強要する構図は、洋の東西を問わないようだ。 エルドアン大統領によって7月上旬にチェティンカヤ総裁(当時)が更迭されたトルコ中央銀行は25日、金融政策決定会合を開く。22日にはロイター通信が更迭の理由として「6月に3%の利下げを総裁が拒否していたこと」を伝えた。利下げ見送りが更迭を招いたとあって、新しいウイサル総裁下での初めての会合は、利下げが確実視されている。 ロイターが関係者の話として伝えたところによれば、「中銀は6月に3%の利下げ、7月にも追加利下げを要求されていた」という。ただ、5月に消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年比18.7%となり、中銀の目標(5%)を大幅に上回っていた。高インフレなどを背景にトルコ中銀は6月の会合で、主要な政策金利である1週間物レポ金利を年24%で据え置いた。インフレ率の高さから利下げは時期尚早と判断した。 景気浮揚のために金利を下げたいエルドアン氏と、物価上昇抑制のために高い金利を維持したいチェティンカヤ氏との溝はなかなか埋まらなかったようだ。6月下旬にはトルコ最大都市イスタンブール市長選の再選挙で、エルドアン氏が推す与党候補が大敗。高い金利が足かせとなり、経済活動の停滞を招き、支持を得られなかった面もある。エルドアン氏の矛先が中銀総裁に向いたのは、自然な流れだったのかもしれない。 エルドアン氏が後任のウイサル氏にも利下げを強いるとの見方は根強い。市場では「3%程度の利下げに踏み切るのではないか」(野村証券の中島将行・外国為替エコノミスト)との声がある。利下げの幅にばらつきはあるものの、トルコ中銀が25日の会合で利下げするとの予想が大勢だ。 ただ、仮に大幅な利下げに踏み切っても、トルコの通貨リラが大きく値を下げるとの声は少ない。投機筋にとっては「金利が高いため、空売りをしにくい通貨」(国内証券)である上、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が緩和バイアスを強めているため、主要通貨に対してリラ安が進みにくい状況にある。対円でも、6月以降のレンジである1ドル=18~19円台で底堅い動きが続きそうだ。 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

読み筋いろいろ思惑いろいろ 中国の米国債保有が2年ぶり低水準

QUICKコメントチーム=片平正二 米財務省が16日に発表した5月の対米証券投資(TIC)統計によると中国の米国債保有額が1兆1102億ドルとなって前月(1兆1130億ドル)から28億ドル減ったことが分かった。減少は3カ月連続で、2017年5月(1兆1022億ドル)以来、2年ぶりの低水準に減ったことになる。 トランプ大統領が5月5日に中国に対する追加関税措置をツイッターで発表し、この月は米中の貿易戦争懸念が高まる時期だった。ただJPモルガンの16日付のリポートによれば、この月は英国が63億ドル買い越す一方でユーロ圏、産油国、日本、中国を除く新興国らがそろって売り越しとなっていた。英国経由の買いが中国によるものである可能性が残る一方、JPモルガンは「米国債に対する需要の大部分は民間部門からのものと予想され、公的部門による需要は依然として低調なものとなりそうだ」と指摘。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が高まる中で公的部門の売りが続く可能性を警戒していた。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

やっぱり強いドルが一番 トランプ大統領「リブラ、信頼性ない」

QUICKコメントチーム=片平正二  写真=Chesnot/Getty Images、イラスト=たださやか トランプ大統領は11日にツイッターで「私はビットコインやその他の暗号通貨のファンではない。お金ではない。その価値は非常に揮発性と薄い空気に基づいている。規制されていない暗号資産は、麻薬取引やその他の違法な行為を含む違法行為を促進する。フェイスブックの仮想通貨の『リブラ(Libra)」』はほとんど信頼性を持っていない。フェイスブックが銀行になりたいのなら、彼らは他の銀行と同様、銀行の規制がかけられる必要がある」とつぶやいた。 ★トランプ氏のツイッター さらに「米国には唯一の現実の通貨がある。それはかつてないほど強い。それはアメリカドルと呼ばれている!」とツイートを連発し、仮想通貨よりも基軸通貨のドルの信頼性をアピールしていた。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米国債の保有を減らした中国、英国経由で米国債を買い込んだのは……

米財務省が17日に発表した4月の対米証券投資(TIC)統計によると中国の米国債保有額が1兆1130億ドルとなって前月(1兆1205億ドル)から75億ドル減ったことが分かった。減少は2カ月連続で、2017年5月(1兆1022億ドル)以来、約2年ぶりの低水準に減ったことになる。 米中の貿易戦争懸念が高まる中、市場では中国が米国債を売却することで非関税分野での報復措置を取るのでは無いかとの懸念が根強い。米国債を一気に売却すれば中国が保有する膨大な米国債が損失を被るため、実現は難しいとみられるものの、トランプ大統領が5月5日に中国に対して追加関税措置をツイッターで発表して貿易戦争懸念がエスカレートする前に先立って中国が保有額を減らしていた現状は警戒されそうだ。 ただ、JPモルガンの17日付のリポートによれば、この月は英国が176億ドルと大きく買い越したのが目を引いたという。この月の米国債買越額(169億ドル)のほとんどを英国が占めたといい、ロンドン経由で他の国の米国債購入が持ち込まれた可能性があるとのこと。中国の保有額が表面上減っているものの、実際はそれほど中国が米国債を売却していない可能性がある。(片平正二)   ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米中摩擦、SNSでトランプにガチンコ対決を挑む男 環球時報の編集長に注目

SNS(交流サイト)の世界でも、米中摩擦が過熱している。何かと物議を醸すトランプ大統領に負けじと、中国共産党の機関紙「人民日報」系列の国際紙「環球時報」の胡錫進(Hu Xijin)編集長が過激な発言で注目を集める。 ※胡編集長のツイッター 実際の米中交渉において相対的に中国側は発言が抑制的な印象だが、それに代わって胡編集長が中国の主張を「代弁」している、との読み方もできるためだ。 21日はツイッターで「米国は現在、中国のドローンメーカーのDJIをいじめようとしている。米国のこれらの不合理な行動からすると、ワシントンは中国の脅威を作り、貿易協議を急いでいるのだろうか。中国の結論は、それを長引かせることです。米国人はノイローゼになりそうです」とつぶやいた。米国土安全保障省(DHS)が中国製ドローン(小型無人機)の使用について、情報漏洩のおそれがあるとして警告するメモをまとめたことが分かったと各メディアが伝えたことを踏まえたもの。DJIのドローンは世界的に使われているだけに、中国としては攻撃材料とされても自身を持って対抗できる分野なのだろう。 同じ21日のツイッターで「華為技術(ファーウェイ・テクノロジー)の創業者の任正非最高経営責任者(CEO)はインタビューで米企業を褒め、iPhoneに感謝して彼の広い心を示した。彼は米国の政治家がファーウェイを過小評価したと自信を持ったと言いました。トランプ大統領は強力な力を持っていますが、私は彼が任CEOを打ち負かすことはできないと思う」とつぶやいた。任CEOが21日の中国国営の中国中央電視台(CCTV)のインタビューでトランプ政権の制裁措置について楽観的な見解を示したものを踏まえたもの。任氏は最新版のアンドロイドOSの使用を禁じる方針と報じられた米検索大手グーグルの親会社であるアルファベットに関して「責任感が強い、いい会社」などと批判する事はなかった。中国側としては、トランプ政権に対する挑戦状のようなものとして、任CEOの発言はよくぞ言ったという感じだったのだろうか。 さらに16日のツイッターでは、「ほとんどの中国人は、米国が中国よりもパワフルで、貿易戦争でワシントンがイニシアティブを持っていることに同意します。しかし我々は、米国が中国を潰す方法はないと信じています。私たちは米国にレッスンを与えるため、痛みを我慢して喜んでいます」とつぶやいた。 トランプ大統領との「直接対決」が実現するかは不明だが、米中摩擦のヒートアップ度合いを占ううえで、両者のツイート合戦は要注目だ。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。  

大統領はおもてなし、議長はおもねりなし? トランプ・パウエル夕食会談の後味

トランプ大統領と米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が4日夜にホワイトハウスで非公式の夕食会に臨んだ。リチャード・クラリダFRB副議長、スティーブン・ムニューシン財務長官も同席したという。 イラスト:たださやか トランプ氏が招待したといい、経済情勢について話し合いが行われたという。FRBの発表資料によれば、パウエル議長は1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での発言に沿って話したといい、最後に「私とFOMCの同僚は、雇用の最大化と物価安定を支援するために金融政策を運営し、慎重かつ客観的に、政治的な判断に基づかずにこれらの決定を下す」と述べたという。 トランプ大統領がFRBの利上げ路線を批判する中、パウエル氏は独立性を強調したとみられる。ただ1月FOMCでは利上げの一時停止に加え、バランスシートの縮小ペースを見直す方針が正式に文書で示されたばかり。政治情報サイトのポリティコによれば、今回の会合は1日に予定が決まったといい、4日は1時間半ほど話し合いがもたれたという。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙電子版によれば、トランプ政権の関係者は「これまで大統領執務室で行われたどの会合よりも、平等で誠意あるものだった」と良い雰囲気の会合だった旨を指摘。ちなみに、2月4日は66歳となるパウエル議長の誕生日でもあり、トランプ氏が慰労をするには良いタイミングだった。ステーキも振る舞われたという。 大統領とFRB議長が夕食を共にするのは珍しく、トランプ氏によるFRB議長批判が一服するのか今後のツイッターが注目されそうだ。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

会合直前に連日の利上げ牽制 トランプの北風、FRBの決断はいかに

トランプ大統領は18日にツイッターで、「Fedの人々が過ちを犯す前に、きょうのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙の社説を読むことを願っている。市場の流動性をさらに減らしてはならない。意味の無い数字で行くべきではない、幸運を祈る!」とつぶやいた。米連邦準備理事会(FRB)は利上げをやめるべきだと論じた18日付のWSJの社説を引用しながら、17日にツイッターでFRBの利上げをけん制したのに続き、18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にして再度利上げをけん制した格好だ。(片平正ニ) ■トランプ氏のツイッターはこちら ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

強気シナリオで日経平均2万8500円 2019年をエクコメ・デリコメ執筆陣が斬る

QUICKのエクイティコメント、デリバティブズコメントチームは、このほど年末セミナー「どうなる2019年相場」を開催した。エクコメ・デリコメのライターによるパネルディスカッションでは19年のテーマに関して活発な議論が繰り広げられた。エクコメライター上田誠は講演で「政策期待で強気継続」と持論を展開した。 最重要テーマ&材料 何に注目? ■「新テーマ探し」 山口正仁(エクコメ) 20年、30年前にあれっ?と思ったことが実現している。自動車の自動運転、インバウンド消費による疑似輸出などが大きくなっている。人手不足でファクトリー・オートメーション(FA)や外国人労働者などがテーマになっている。今後はフィンテックの次の「決済」が化けるのではないか。多く使われるし、儲かる分野だ。 ■「米景気」 松下隆介(エクコメ) 米国の消費者信頼感指数がピークアウトしていたり、米国の利上げが進む中、米企業のマージン・スクウィーズが起こって利益を圧迫したりする。米株のモメンタムは鈍化していく。マイナス要因がある一方、プラス要因もたくさんある。例えばインフレギャップはそれほど拡大していない。銀行の貸出姿勢もなお緩和的だ。米経済はまだらもようというのが率直な印象で、注意深く見ていかないと行けない。私はみんな強気の時は下を見ています。逆張りです。 ■「トランプ大統領、アップル」 片平正二(デリコメ) この2年間でトランプさんの予測不可能なことがはっきりしている。民主的なプロセスを踏まずに政策を決定しており、相変わらず、夜はFOXニュースを見ながらツイッターをやっているようで不安定な状況は続く。アップルについては弱気のレポートが出ている通りで、iPhone売上高は2017年に過去最高だったが、販売台数ベースではiPhone7が出た2016年がピークだった。結局、サプライヤーが同じなため、アップルから革新的なものは出ないので成長鈍化が警戒される。テスラを買収するくらいのサプライズが欲しい。最近は華為技術(ファーウェイ・テクノロジー)が話題だ。米国としては創業者の会長さんが共産党員である会社にああいうことをした以上、本気なのだろう。トランプさんが2020年の大統領選に臨む以上、最も重要なのは北朝鮮。在任中に北朝鮮に核ミサイルでの攻撃を許した大統領とトランプさんが歴史に汚点を残さないためには、米朝交渉が重要だ。その関連で、中国には貿易で圧力をかけ続けるとみられる。 ■「海外勢の先物買い、日銀のETF買い」 中山桂一(デリコメ) 需給の話です。今年、海外勢は日本株を現物で4兆5000億円以上売っている。先物で6兆5000億円、合わせて11兆円以上売っている。先物でこれだけ売っているのは過去あまり例がない。取材をしていると、楽観的な方は先物はキッカケがあれば買い戻すだろうとおっしゃる。特に海外勢の先物売りが秋口から多く出ており、短期の売り、リスク・パリティの売りなども巻き戻された時には勢いが出るのではないか。あと日銀のETF買いだが、きょうはTOPIXの前引けの下落率が0.03%で買っていた。6兆円というメドがある中で、日銀が柔軟な姿勢を示している。日銀という確実な買い手が存在することは相場の支えになるのではないか。日銀のオペレーションが変わる可能性は、この1カ月間で見えている。TOPIXの下落率の大きさに関わらず、変わってくる可能性はあるだろう。前場のTOPIXがプラスで終えても買ってくるケースも、お忘れでしょうが過去にあった。海外の下げなどを踏まえて動くこともあるだろう。ただ6兆円のメドを5000億円とか、大きく逸脱することはないのではないか。 ■「米金利、日銀政策修正」 池谷信久(デリコメ) ベタなテーマを前に、今週、話題になった米国の長短金利差の逆転「逆イールド」について見解を述べたい。過去の経験則として、確かに米国では景気後退が起きていた。なんで逆イールドだと景気が後退するのか? これは米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を引き締めすぎたことが原因、景気が悪くなるほど引き締めたということ。それではなぜ、景気が悪くなるほど引き締めなければならないか? それは物価のため。物価が上昇している中では、FRBは利上げをやめるわけにはいかない。だから結果的に景気は後退した。それでは今はどうなっているか。いまの米国のCPI、PCEデフレーターといったFRBが見ている物価指標は約2%。インフレ目標としている2%に近く、ちょうどいいところ。ムリにFRBが引き締める必要性は全くない。株式市場も不安定で不透明感が出ている中、FRBとしては姿勢を変えてくるだろう。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でこれまでのタカ派スタンスをハト派的に変えてくる、たぶんやってくるだろう。そうなると政策金利の上昇を織り込んで上昇していた2年債利回りは低下し、イールドカーブは順イールドに戻ると思われる。そもそも逆イールドが進んだ大きな理由は、WTI原油価格の下落だ。10月に原油が急落して、それに合わせて長期金利が低下した。また11月16日にクラリダFRB副議長が「政策金利は中立金利に近づきつつある」と話して、28日にはパウエル議長が「政策金利は中立金利をわずかに下回る」と述べた。何を言いたいかというと、中立金利というのは景気に対して良くも悪くもない、金融の引き締め・緩和効果もない水準ということ。そこに近づいてますよと言うことは、そこを超えることはないと述べたわけで、これは明らかにハト派姿勢に変わった事を意味している。最近の金利低下、原油安の中、金利のマーケットから見ているとなぜ株が売られるのか不思議だ。 ■「クレジットリスクの顕在化、銀行再編」 丹下智博【デリコメ) 2019年のテーマにしてあるが、実はもう始まっている。米自動車大手ゼネラル・モーターズは2008年のリーマン・ショックの時に一度経営破綻したが、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で200bpsに近づいた時にもう一度破綻するのではないかと大騒ぎになった。株価も大幅安になった。最近ではドイツ銀行が話題になっている。以前から経営不安が取りざたされていたが、こちらもCDSが200bpsを超えてきており、株価も大きく下げている。ただCDSで200bpsというのは年間2%の保証料率で、倒産確率としてはかなり低いほう。リーマン・ショック時には2000~3000bpsを記録したし、ソブリン危機の時にギリシャは7800bpsまで急騰した。200bpsという絶対水準は小さいと言え、投資適格債からジャンク債に格下げされるリスクがマーケットには非常にインパクトをもたらす。株式市場は倒産を心配するかも知れないが、債券市場では格下げを心配している。ドイツ銀で何か起きた場合の金融システムへの影響、マーケット・インパクトとしては、以前から経営不安が噂されており、取引先も厳選されている状態とみられるため、さほどマーケットへの影響は出ないだろう。それより、ドイツ銀が厳しい状況にあるのは、グローバルに金利が低く、銀行の収益が上がりづらい状況にあるという問題が根底にある。ドイツ銀行に限らず、日本の銀行もそうだ。貸し出し先についても、GMのように大丈夫と思っていたとこらが危なくなるショックの方が大きいと思う。 ■「底上げされるボラティリティ」 岩切清司(デリコメ) 米VIXや日経平均VIのチャートを見ての通り、ボラの水準が底上げされている。高水準にある面積が大きくなっている。株式のボラティリティが上昇する、すなわち、株式がリスク性の高い資産であるということがポートフォリオ管理上のファクターとなってくる。例えばVIXが10%を割っていた時の株式のリスク量と、今のリスク量は全然異なる。同じ100億円を持っていても、持てる株式の量は今の方が少ない。ボラがゆっくり上がって底上げされてくると、株式に投資できるお金の量が減ってくることになる。VIXが瞬間的に20を超えたからという議論はどうでもよく、趨勢的にボラティリティがどうなっていくのかというのが来年、再来年の相場を見る上で重要になっていくのではないか。 ずばり相場の見通しは? 2019年の日経平均株価の予想レンジについては、2万8500円で最も高い水準を示した中山が「日経平均の1株当たり利益が現在1780円。QUICKで出している2期予想で来年の企業業績を4.5%増と見込んでいた。EPSで5%増益、PERで最大15倍を想定すれば、最大の強気シナリオで2万8400円くらいになる」と指摘。ただ「QUICKの2期予想で増益幅が若干低下しているので、企業業績は若干切り下がる可能性がある」とも述べ、企業業績の伸び悩みを警戒していた。 10年債利回りの予想レンジでゼロ%と最も強気な見通しを示した丹下は「債券市場はみんなが行ったら困る方向に進む、ペイン・トレードになるとみている。10年債利回りがマイナスになった場合、株式市場がどうなっているのか考えると恐ろしいのでレンジとしてはプラスにした」と述べた。 ※QUICKエクイティコメントとQUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。エクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。デリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

Tariff Man、今日はOil Man 気になるOPEC総会と日本貿易への影響

6日に石油輸出国機構(OPEC)総会が開催される。産油量削減が協議される見込みだが、トランプ大統領は5日にツイッターで「石油輸出国機構(OPEC)が減産せず、生産量を維持することを願っている。世界は原油価格の上昇を見たくないし、望んでいない!」とつぶやいた。 ■トランプ氏のツイッターはこちら! OPEC総会を控えて減産しないよう口先介入を行った格好だが、この日はOPEC加盟国関係者から減産幅が決まっていないとのコメントが相次ぎ、WTI原油先物は54.44ドルの高値から午後には52.16ドルまで2ドル超下げる場面があった。 原油価格の下落によって輸入物価が低下すれば、交易条件(=輸出物価÷輸入物価)が改善する。原油輸入国である日本にとって、原油安はプラス材料とされる(原油高はマイナス材料となる)。確かに、原油価格が80ドルを上回った2011~14年にかけて貿易収支の赤字基調は鮮明だ。しかし、18年の貿易収支はまちまちであり、原油価格の影響は薄れているようにも見える。(片平正ニ、丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

結果は想定内、気になるのは「トランプの次の想定外」 市場が見た審判の日

世界が注目する「トランプ審判」の結果を最初に織り込むことになった7日の東京株式市場は、荒れ気味の展開で一日を終えた。選挙情勢の報道をにらんで売り買いが交錯。日経平均株価は一時300円近く上昇する場面もあったが、結局は61円安で取引を終えた。市場関係者は「審判後」の米国をどう見通そうとしたのか。QUICKデリバティブズコメント、エクイティコメントチームが取材した。   9:00 日経平均株価が前日比41円高の2万2189円で寄付き   9:03 議会下院選挙で民主党が7議席を獲得するもようだと、CNNが報じる。米中間選挙の開票は民主党の支持が優勢な東海岸の州から始まるため、序盤は民主党が有利な展開が見込まれる。共和党が強い中西部は時差の関係で日本時間昼にかけて開票が伝わる見込み。   9:46 日経平均が一時、下落に転じる   9:52 「ちょっと油断すると、先物で売り仕掛けられますね。中間選挙の結果は予測不可能ですのであたふたしても仕方ないですが、米大統領選挙の時もそうでしたけど、東京市場が一番最初に米選挙結果を織り込まなければならない宿命にありますので荒い展開はやむを得ません。下院が民主党でも良いんじゃないですか? トランプさんのタカ派路線が行き過ぎても困るので、ちょっとブレーキ役があった方が良いかも」(国内証券)   10:13 「米中間選挙はコンセンサス通り上院共和・下院民主で、市場インパクトは小さいというシナリオで考えている。ただ、米大統領選やブレグジットの時は市場予想外の結果になった。特に大統領選の時は、アジア時間でリスクオフだったものが、米国市場でリスクオンになって帰っており、今回も予断は許さない。どちらかが両院を取るリスクシナリオに備え、やや慎重にポジションメイクしています」(投資顧問)   10:22 「中間選挙はまだ開票作業中ですが、上院・共和、下院・共和となって財政拡張懸念から米10年債利回りが3.3%とかに上昇したら、株高の効果が徐々に抑えられそうですね。共和党が大勝したら初動は株高でしょうけど、対中姿勢も強まりそうですし、市場予想通りの微妙なねじれが良いかもしれません。ただ、上院・民主、下院・民主のシナリオは描いていません」(国内証券)   10:26 「接戦で、共和党が惜敗になりそうだね」(外資系)   日経先物は再び2万2300円台に上昇し、GLOBEXの時間外取引で米株先物は一段高。米中間選挙で議会上院で民主党候補の優勢が伝わる中、ねじれ状態どこらか上院・民主、下院・民主の恐れが出ているにも関わらず、ドル高・株高の展開に。   10:30 米10年金利は朝方の3.23%レベルから一時3.20%まで低下し、その後はジリジリと3.24%まで上昇。ドル円も113円台で売り買い交錯。   10:39 「一喜一憂というよりもただ単に慌ただしい相場。日計り空中戦だから近寄らない方が得策じゃないか。上院は共和党が過半数、下院が民主党が過半数の「ねじれ」は予想されているが、下院での共和と民主の議席数の差が焦点になるかもしれない。いずれにせよ、一歩引いて市場全体が冷静になるまで待った方が良いのでは」(国内証券)   10:42 「2年前の米大統領選を振りかえって、マーケット的には、事前予想とは逆の結果に備えるという動きが強いのかもしれない。株高・債券売り(金利上昇)の動きが活発なように思われる。実際の開票結果では、共和党は勝つべきところで勝っているという感じで、特に優勢という印象ではないのだが、”ブルー・ハウス”(下院は民主)”というよりも”レッド・リピート”(両院とも共和党)というシナリオに前のめりとなっているように感じられる」(ストラテジスト)   11:08 「日経平均、TOPIXともに荒い展開だが、マザーズ指数が2%を超える上昇となり堅調だ。マザーズ市場に限った信用評価損益率は足下でマイナス21%程度と一時に比べて落ち着きがみられる。現状は追い証の売り圧力が止まったところ。足下のマザーズ指数の上昇は小型株ファンドの設定再開の影響もあるのではないか。少なくともマザーズは最悪期を脱したとみても良いだろう。中間選挙の結果はまだ見極める必要があるが、仮に上院下院ともに共和が過半数の議席を獲得した場合に米長期金利がどの程度まで上昇するのかが気がかりだ」(ネット証券)   日経先物は200円高の2万2400円まで上昇し、上げ幅を拡大。米中間選挙の上院で民主党の優勢が伝わる中、一段高。 日経平均VI(145)は25を割り込み、6%超の大幅安でボラが低下。   11:12 日経先物は230円高の2万2430円まで上昇し、上げ幅を拡大。米中間選挙の上院で民主党候補がウエストバージニア州で勝利するとCNNが報じた後、上げ幅を広げている。まだ共和党の上院候補は勝利見込みと報じられていないが、株式市場で共和党の苦戦を警戒する様子はみられない。   11:30 前引け。日経平均は272円高の2万2420円。   11:58 日経先物は2万2300円まで伸び悩み。米保守系ニュースチャンネルのFOXニュースは6日夜、米中間選挙に関して「民主党が8年ぶりに下院の過半数を奪還する見通しだ」と報道。下院で民主党が優勢なのは想定内とみられたが、やや売りが優勢に。   12:24 「きょうはうちもオーダーがスカスカだよ。皆さん冷静な感じであまり動いていない」(外資系証券トレーダー)   12:30 日経平均の後場寄りは2万2336円。   12:32 債券先物が強含み。米金利低下、現物債も買い戻される   12:35 「上院は共和党が過半数で決まりそうだけど、下院は最後までもつれるかな? アラスカ・ハワイの3票が効いたりして」(市場筋)   12:39 「後場弱いのはセル・ザ・ファクトというより、上院で共和党が勝利ですからMAGA(Make America Great Again)継続を警戒したんでしょう。Keep America Grate Forever」(外資系)   12:48 「上院共・下院共、上院民・下院民というリスクシナリオでは無かったから、ひとまず株が強くて良いんじゃないですか。13時に開票が始まるカリフォルニア州で民主党の議席が伸びるようだと、短期的に売られる場面があるかもね」(国内証券)   12:54 「上院は共和党が過半数を制して、下院は民主優勢という報道なので今のところ(市場コンセンサスになっていた)想定内のねじれ。あとは下院での議席数の差がどれほどになるか。共和党が大負けだとさ短期的には売り圧力が強まりそう」(投資顧問)   12:55 「米中間選挙は、どうやらコンセンサス通りの結果に終わりそうだ。ただ、大統領選の時のように、マザーマーケットである米国市場の動きをみるまでは安心できない。(米国からみて)海の向こうの者が何を言っても意味はない。日本の投資家は中間選挙前にポジションを動かした、ということはなかったと思われる。その前に株の調整があったので、そこでポジションは軽くなっているはずだ。株は、今夜の米国市場の動きをみてから、徐々に株を積み増すイメージではないだろうか」(アロケーター)   13:03 「CNNも下院・共和の確実を報じ、事前予想通り下院・民主、上院・共和が固まった。ねじれとなったことでトランプの政策が滞る可能性が高まり、株価一段高とのシナリオは描けないだろう。現状維持のまま米金利は横ばいで推移することになりそうだ」(ストラテジスト)   13:10 日経平均VI(145)が24を割り込み10%超の大幅安。10月24日以来の低水準を付けた格好で、米中間選挙の結果が伝わり重要イベントを通過する中でボラティリティの上昇が一服。オプション市場ではプットが売られる一方、コールはアット・ザ・マネー(ATM)より上の行使価格が売られ、ほぼセルボラのような展開に。   13:14 「12時前にFOXニュースが下院の民主党過半数を報じたことで、米債買いに走り始めた市場参加者があったようだ。しかし、実際の開票は全然少なくて半信半疑から売買が交錯したようだ。上下に振れたことで、短期的な売買で損失を被った向きもあったようだ。足元では米金利低下の流れが強まっているように見えるものの、戻り売りで臨みたいといっている国内参加者も多い」(ディーラー)   13:23 「上下両院とも共和党のポジティブサプライズを期待して短期的に株高・金利高を見込んだかのような6日の米国市場でしたが、想定通りの上院・共和、下院・民主となったことで目先はファンダメンタルズに関心を戻す相場になるのでは? 時間外で米株先物が少し伸び悩んでますけど、基本的には株高継続、金利上昇のインパクトにどれだけ耐えられるかが重要とみてます。政治的には民主党が下院を制したことで、選挙戦直前にトランプさんが掲げた中間層向けの減税が実現する見込みは低いと思われますが、大統領弾劾も実現する可能性は低いとみられます。民主党もこれから実績を示す必要があるでしょうし、財政政策で共和党と妥協するでしょう。下院民主党が反トランプ路線だけで動くことはないと思います」(エコノミスト)   「中間選挙はほぼ予想通りで相場へのインパクトは少ないとみています。市場の一部では上院、下院ともに共和党が過半数の議席を獲得するという期待が高まっていた。そうした投資家が失望して株や株価指数先物に売りを出して短期的には相場が下振れする可能性がある。一方で、共和党が下院で勢力を伸ばしたのでトランプ大統領の強硬な政策実現が難しくなる。中国に対する圧力はやや和らぐのではないか」(国内証券ストラテジスト)   14:08 「当地の時間で夜10時半には上院が共和党、下院が民主党が過半数を占める事が確定しました。事前の予想通りの結果と言えます。民主党は久々に下院を奪還する事になり間違いなくトランプ行政への監視が厳しくなります。早速トランプ大統領の過去の税務申告書の提出を要求するそうです。ロシア疑惑の調査も当然ながら追求が厳しくなるでしょう。下院を制した民主党は召喚権限を持ちますからトランプ大統領が嫌な証人の召喚とかがあるでしょうね」 「11時20分現在で民主党が23議席を下院で伸ばすようですが今後これがまだ伸びる可能性があります。知事選の結果もまだ出てませんがこちらもどこまで民主党が知事数を増やすかも注目ですね」(総合商社駐米)   14:56 日経平均が2万1996円と取引時間中の安値に。   15:00 大引け。日経平均の終値は61円安の2万2085円。     ※QUICKデリバティブズコメント、エクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物・現物株を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。

どこへ行く米国 中間選挙、80%以上の確率で上下院で捻じれ

6日投開票の米中間選挙は日本時間7日午後には大勢が判明する見通しだ。トランプ大統領の2年間の業績を占う信任投票の意味合いがあり、残り2年の任期がレームダック化するのか、さらにトランプ流が激しさを増すのかを占う上で与党・共和党の趨勢が注目されている。 選挙分析サイトのファイブ・サーティー・エイトによれば5日時点で上院で共和党が過半数を維持する確率が83.2%と見込まれる一方、下院では共和党が過半数を維持する確率が12.5%にとどまっており、他の調査も含めて上院・民主党、下院・共和党のねじれ状態になるとみられている。 獲得議席の予測 上院  現有 民主党 49  共和党 51     改選後      48              50(五分五分2名) ※上院は3分の1の25議席が改選 下院 現有 民主党  195   共和党 240    改選後       220               197(五分五分18名) (注)出所:選挙結果予測サイト「ファイブ・サーティー・エイト(538)」のデータを基に作成   2016年の英Brexit国民投票、米大統領選挙で世論調査と真逆の結果が出た事でサプライズが警戒されそうだが、投票システムにハッキングが行われたり、上下両院とも民主党が過半数を占めるような事にならない限りネガティブ・サプライズは避けられそう。むしろ、米最高裁判事に指名されたブレット・カバノー氏の承認で議会上院の重要性を意識した共和党が急速に巻き返しているとの見方もあり、ねじれ状態ではなく、上院も共和党が過半数を維持するようなことになればポジティブ・サプライズとなる可能性もゼロでは無い。 ゴールドマン・サックスは4日付のリポートで、「議会がねじれ状態となることは経済政策で今後2年間行き詰まり状態に陥ることを意味するが、上下院とも議席の差はかなりタイトで、投票率が上昇する事による投票行動はかなり不確実性が増している」などと指摘。「上下両院とも民主党、または共和党になる可能性は十分にある」とねじれ状態以外の不測の事態も指摘しつつ、「民主党が上下院を完全にコントロールしない限り、短期的な成長見通しに変化は起きない」とファンダメンタルズへの影響は小さいと指摘した。 また、トランプ大統領と議会民主党がインフラ投資のパッケージで修正協議を行う可能性があるとしつつ、「2020年の米大統領選挙でトランプ氏と争うと見込まれる上院議員を含む民主党上院が直ぐに合意する事は難しいだろう」とし、財政政策を巡ってトランプ政権と議会民主党の対立が続く可能性を指摘した。共和党が上下両院で多数派を維持すれば2019年末から2020年初頭の国内総生産(GDP)を0.3パーセントポイント押し上げる効果があるとも指摘した。 その一方、中間選挙後の貿易紛争を巡っては「ホワイトハウスが議会の支援なしに貿易政策を支配しているため、選挙結果が貿易政策にどのように影響するかを言うのは難しい」と指摘。「現時点では最終的に全ての中国からの輸入品に関税の引き上げが続くだろう。我々の分析では、これが米国の成長に及ぼす影響は限定的だが、中国が多国籍企業の活動を阻害するなど非関税措置による報復を広げた場合、(経済成長の)リスクはダウンサイドに傾く」と指摘した。米中の貿易紛争・政治問題は長期化が避けられないようだ。(片平正ニ)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「America Omedeto Again!」 株最高値、雇用も景況感も翳りなし?

20日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が3日続伸。前日比251ドル22セント(1.0%)高の2万6656ドル98セントで終え、1月下旬以来およそ8カ月ぶりに過去最高値を更新した。S&P500種株価指数も3日続伸。前日比22.80ポイント高の2930.75ポイントと、8月下旬に付けた最高値を更新した。トランプ大統領はツイッターで、「S&P500が史上最高値を付けた、アメリカおめでとう!」とつぶやいた。 米国市場では貿易紛争懸念が和らぐ中、中間選挙を前に株高が進んでいることから、トランプ氏としては経済政策の実績が出ていることを誇らしく思っているもようだ。 株高の根底にあるのは米国経済の好調さだ。この日発表された、週間の新規失業保険申請件数は20万1000件と、1969年11月以来ほぼ49年ぶりの低水準。9月のフィラデルフィア連銀の製造業景況指数も22.9と前月の11.9から大幅に上昇し市場予想を上回った。   一時マイナス20台まで低下していた、シティグループが算出するエコノミック・サプライズ指数は回復傾向にある。BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率、債券市場が織り込む期待インフレ率)も5月以来の水準まで上昇している。(池谷信久、岩切清司) ■トランプ氏のツイッターはこちら■   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

今度はアップル、T砲「米国生産」の圧力で株価に不透明感

どこかで見た構図だ。3か月前、同じように激しい口先介入で圧力をかけられた、有名な大型バイクのメーカーを思い出した人もいるに違いない。 トランプ大統領がツイッターで「アップルが関税をゼロにする簡単な解決策がある。それは中国ではなく、米国で生産することだ」とつぶやき、米中の貿易紛争懸念が強まる中でアップル株の先行き不透明感が強まっている。10日の米国市場で同社株は4日続落し、1.34%安の218.33ドルで終えた。一時は216.47ドルまで下げ、25日線(216.32ドル)を探る場面もあった。アップル1銘柄でダウ工業株30種平均を20ドル押し下げ、指数の重しとなった。 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは10日付のリポートで、アップルが7日に対中追加関税によってウェアラブル端末のApple Watchなどに悪影響が出るとの見解を米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表への書簡で明らかにしたことやトランプ氏の8日のツイッターを踏まえ、アップルの1株当たり利益(EPS)に与える影響は0.05ドル以下と指摘した。iPhoneを米国内で組み立てる場合、20%の値上げが必要になるとしながら、「関税対象となっている製品を米国で製造することに伴ってコストが15~25%増える可能性があり、需要の一部を破壊する恐れがある」とも指摘した。 一方、かつて投資会社パイパー・ジェフリーのアナリストを務め、長年アップルを担当しているループ・ベンチャーズ・マネジメントのジーン・マンスター氏は10日のブログで「アップルはトランプ氏の製造に関する圧力で実質的に影響を受けない」と指摘した。2000億ドルの追加関税措置によってApple Watchなどで収益性が10~20%低下するだろうが、「2年後にはこれらの関税は廃止されると考えている」と指摘した。 また、トランプ氏が米国内で生産を増やすよう圧力を強めていることについて「アップルは今後5~10年間で米国での生産を増やす可能性があるが、製造シェアは10%未満で小さいままにとどまると見込まれる。現在の米国内での製造・組み立ての比率は5%と推計される」としつつ、「アップルは今後5年間で3500億ドルを米国に投資することを約束している」ことも改めて指摘。トランプ政権にアップルがうまく対処できると見込んでいた。(片平正ニ) ★ジーン・マンスター氏のブログ https://loupventures.com/apple-wont-be-materially-impacted-by-trump-manufacturing-pressure/ ※QUICKデリバティブズコメントおよびQUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

T砲と米株高の威勢と虚勢 「WTOから離脱」「利上げ嬉しくない」……

良くも悪くも、トランプ大統領のツイートや発言を読み返せば、世界の金融市場で起きた事がほぼ思い出せる。 トランプ大統領は米連邦準備理事会(FRB)の議長にジェローム・パウエル氏を指名したことについて「私が好きで、尊敬する人を置いた」としてFRBが利上げを続ける中で議長の指名に後悔していない考えを示した。ブルームバーグが30日に報じたインタビューで述べた。インタビューでは「カナダとの新たな貿易協定は近い」と述べて北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉に期待感を示す一方、欧州連合(EU)による自動車関税の撤廃提案に拒否する姿勢を示したほか、世界貿易機関(WTO)の対応にも不満を示し、「彼らが襟を正さなければWTOから離脱する」と強硬な姿勢を示した。 インタビューでトランプ氏は「FRBは貿易紛争に対応していない」と発言。さらに「通貨が政治家によって制御されるべきかどうか分からない」とも述べ、FRBの独立性の重要性に否定的な見解を示した。 トランプ氏は今月20日にロイターとのインタビューで「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」と述べたばかり。パウエル議長を個人的に評価しつつ、貿易紛争懸念で人民元などの新興国通貨に対してドルが強い現状に根強い不満を持っているもようだ。(片平正二) 改めて8月の「トランプ砲」を振り返ってみる。 ■「ADPの7月の民間部門の就業者数が予想の18万5000人増に対して21万9000人増となった」(1日、ツイッター) ■「関税が機能している、絶好調だ。同時にオバマ政権で蓄積された21兆ドルの債務の返済も開始することができる」(5日、ツイッター) ■「関税は我々の国をより豊かにする。愚か者だけが反対する」(4日、ツイッター) ■「トルコは長年、米国を利用してきた。彼らはいま、我々の素晴らしいキリスト教の牧師を捕まえている。無実の人の解放のために何も支払わうつもりはないが、我々はトルコに背を向ける!」(16日、ツイッター) ■「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」(20日、ロイターのインタビュー)  「中国は為替を操作していると思っている。ユーロもまた、操作されていると思う」(同) ■「欧州連合(EU)から来る全ての車に25%の関税を掛けるつもりだ」(21日、遊説先のウエストバージニアで) ■「株式市場の歴史において最長のブル相場となった。アメリカおめでとう!」(22日、ツイッター) ■「もし私が弾劾されたらマーケットはクラッシュするだろう。みんながとても貧乏になると思う」(23日放送のFOX&フレンズのインタビュー、いわゆる一連のロシアゲート絡みで司法の動き) ■「私は規制を緩和した。減税策は素晴らしいものだった」(23日放送のFOX&フレンズのインタビュー) ■「メキシコとの新しい貿易交渉は農家、我が国の成長に焦点をあて、貿易障壁を引き裂いた。雇用と企業は我が国に戻り続ける。大ヒットになるだろう!」(28日、ツイッター) 米経済と大統領のテンションの高さはいつまで続くのか。世界を震わせたリーマン・ショックから10年の節目が近づいている。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

掟破りトランプ砲、介入まがいのドル高狙い撃ち

トランプ大統領によるドル高けん制(トランプ砲)が日増しに激しくなっている。先週末20日にツイッターで、「中国とEU、その他の国は為替操作と低金利政策を続けてきた。過去、米国が利上げを行い、ドルは強くなっている。米国が競技を行える状況では無い」とつぶやき、中国の元安などを名指しで批判したことでドル高に対する警戒感が台頭。この日のドル指数(DXY)は4日ぶりに大幅反落し、0.72%安の94.48で終えた。 ドルはオフショア人民元に対しても売られ、1ドル=6.76元台へとドル安元高が進んだ。さらに、週明け23日の為替市場でドル円は一時、110円台まで下げ、20日のNY安値(111円38銭)を下回った。 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が21日に開幕したが、国際協調が期待できる状況ではない。スティーブン・ムニューシン財務長官は21日、「為替操作の結果なのか市場力学によるものなのか注意深くみている」と述べ、中国の元安について注視する姿勢を表明した。トランプ政権内の数少ない自由貿易派であるムニューシン長官からもトランプ大統領と歩調を併せる「タカ派」発言が出ており、秋の中間選挙を控えて米国が保護主義路線を強める傾向にマーケットは付き合わざるを得ない。(片平正ニ)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米国休場でもT砲は休みなし 原油価格への不満爆発

トランプ大統領は4日にツイッターで、「石油輸出国機構(OPEC)による独占でガソリン価格が上昇し、彼らが何も手助けしてくれないことを覚えておく必要がある。今すぐ価格を下げろ!」とつぶやいた。独立記念日の休日にも関わらず、ドライブシーズンを迎えて原油価格が高騰している現状に不満を示したものとみられる。 全米自動車協会(AAA)の2日付のリポートによると、全米のガソリン販売価格の平均値は1ガロン=2.86㌦で、米独立記念日の休日としては4年ぶりの高水準にあるという。5月末のメモリアルデーの休日と比べれば11㌣安いというが、AAAによれば米独立記念日の休日には4000万台近くの車がドライブに駆り出されるとのこと。ガソリン価格の高止まりが続けば、米国の個人消費への悪影響が懸念されそうだ。(片平正ニ) ★トランプ氏のツイッター https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1014611307427966976 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門へのバルチック独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

人気記事ランキング

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

PAGE TOP