日銀のオペ減額に「想定外」「絶妙」……意表突かれた債券市場

日銀は1日、同日実施する国債買い入れオペ(公開市場操作)について、残存期間「5年超10年以下」の買い入れ額を4300億円と前回(4500億円)から減額した。債券先物相場が急落するなど大きく反応した市場。一様に驚きを隠せない関係者の声を、QUICKデリバティブズコメントチームが取材した。 ▼「とりあえずは絶妙なタイミング、今後は外人動向に注目」 「ちょっとびっくりした。このタイミングは意外感がある。何故か為替は円安に振れており、金利もそれほど跳ねていないので、絶妙のタイミングだったということか? 今後の注目は外人動向だろう。足元は先物に買戻しを入れているが、今回の減額をどの様に解釈し、どの様なポジションをとるか、要注目だ」(債券ストラテジスト) ※国債先物には発表直後に売りが膨らんだ ▼「やるなら、このタイミングと言われていたが、想定外」 「昨日発表されたオペのスケジュールをみると、月の前半がタイトになっていた。金利は下がりやすいことから『(減額を)やるなら、このタイミング』という声はあった。ただ、実際にやると思っていた人は、ほぼいなかった。200億円の減額は、増額分を戻しただけ。対象は、中期は金利があまり下がっておらず、超長期は為替が怖いので、消去法的に長期ということだろう。10年は一旦売られるだろう。ただ、0%超で最も短い債券であること、上がり過ぎれば指値オペが入ることから、押し目では買いが入ろう。0.05%を超えてくるか、微妙なところだ」(債券ストラテジスト) ▼「想定外、ちょっと買いにくくなった」 「イタリア問題など、リスクオフへの警戒感がくすぶる中、1月のトラウマもあって減額はできないと思っていた。完全に想定外だ。グローバルなフラットニングの流れの中で、カーブ上は超長期ゾーンに投資妙味があると考えていたが、今日の減額を見てしまうと、ちょっと買い難くなった」(投資顧問) ▼「ないとは思うが、連続減額の可能性は意識せざるを得ない」 「日銀がオペを減らしたいのは分かる。金利水準面からは、いつ減額しても不思議はなかった。タイミングだけが意外だ。今月のオペのスケジュールは月前半がタイトになっていることから、減額しても金利は跳ねないということなのかもしれない。そうだとすると、来週月曜日の超長期ゾーンのオペが減額される可能性もあるということになる。連続してやれば、メッセージ性が強すぎるので、ないとは思うが、意識せざるを得ない」(投資顧問) ▼「やる気満々の買い方がいるんだろうね」  「セオリーに合わないよね。日銀がオペの減額に踏み切った。一瞬は円買いが進んで日経先物などにも売りが出た。その後の展開は説明できない。ナゼ買いが入ったのか。当社でもオーバーナイトのフローは結構な売り越しだった。前日に処理できなかった分が残っていたのもあって。それでもこの強さ。月初のアノマリーとして買い方がいるとしか思えない。やる気満々だよね、押したところから一気に入ってくるあたりがさ」(株式トレーダー) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

円急伸 市場揺らした「出口」発言 黒田日銀総裁、所信詳報

日銀の黒田東彦総裁は2日午後1時から、衆院議院運営委員会で再任に向けた所信を述べた。議員との質疑応答で、黒田総裁は日銀として2%の物価目標の達成時期を2019年度ごろとみているのを踏まえ「(金融緩和の)出口というものをそのころ検討するようにするのは間違いない」と語った。 5年前の総裁就任以降、異次元の金融緩和を続けてきた黒田氏が、緩和からの「出口」に関する時期に言及したのは初めて。市場は敏感に反応し、長期金利は上昇、円相場は急伸した。 長期金利の指標となる10年物国債利回りは黒田総裁発言を受け、一時は前日比0.025%高い(価格は低い)0.080%を付けた。債券先物は一時40銭安の150円55銭まで急落した。円の対ドル相場は1ドル=105円71銭近辺まで上昇し、2週間ぶりの円高水準を付けた。 <黒田総裁発言を受け、債券先物相場は急落> <円の対ドル相場は急伸して105円台後半に> 黒田氏は金融緩和からの出口戦略について「18年度ごろに具体的な議論をして出口を探ることになるとは考えていない」と述べた。「現時点で具体的な戦略を語ることは適切ではない」とも語り、「出口」を迎えた際には「適切にコミュニケ(対話)していく」と強調した。 日銀は金融緩和の一環として年間6兆円のペースで上場投資信託(ETF)を買い入れており、その額は累計で18兆円に上る。ETF買い入れからの出口戦略を問われた黒田氏は「十分慎重に考えていく必要がある」と語った。ETF購入が「(株式の)リスクプレミアムに一定の効果を持っているのは事実だ」とも述べた。 海外要因などで長期金利に上昇圧力がかかることについては「直ちに受け入れて操作目標を引き上げるのは現時点では慎重・消極的に考えている」と述べた。日銀が長期金利の誘導目標をゼロ%程度としている点も強調した。 一方、黒田氏は「現在の強力な金融緩和を粘り強く続けることで2%の物価安定目標の実現を目指す。総仕上げを果たすべく全力で取り組んでいく」と述べた。「必要があればさらなる緩和の検討が必要だ」とも説明。物価安定目標については「2%に向けたモメンタムは維持されている」との認識を示した。 衆院は5日14時15分から、日銀の新しい副総裁候補の雨宮正佳日銀理事と若田部昌澄早大教授から所信を聴取する予定。 参院は6日13時から黒田総裁、7日13時から両副総裁候補の所信を聴取する予定だ。 【日経QUICKニュース(NQN) 矢内純一、鈴木孝太朗、福島悠太】 ※NQNが配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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