年末の日経平均予想、下方修正じわり増加 米英の政治や業績は……

4月1日、2019年度の日本株相場が幕開けする。この日は新元号発表で祝賀ムードに包まれそうだが、その後は統一地方選や夏の参院選の行方、消費増税などにより消費が落ち込む懸念と不安要素が多い。なによりも先が読めないのが米英の政治リスク。このため、年末の日経平均株価の見通しを下方修正する弱気派がじわり増えている。 年末の日経平均の水準を昨年末時点から1000円引き下げ、2万1500円としたのはJPモルガン証券。米中貿易交渉や、英国の欧州連合(EU)離脱は当初の予定が先延ばしされ、政治リスクがなかなか拭えない。こうしたなか、4月末からの決算発表で、日本企業は2020年3月期業績で慎重な見通しを出してくるかもしれない。ここで弱い数字が相次いだ場合、高値を追うのは難しいと指摘、年末に向けて失速するとのシナリオだ。 一方、SMBC日興証券は年末に向けて騰勢を強めると読む。19年3月期は期を追うごとに業績が悪化したため、逆に来期は年後半にかけてハードルが低くなるとの見立てだ。中国経済が年後半に回復に転じることも業績の押し上げ要因としている。 今年はイレギュラーの10連休の影響も読み切れない。連休前にポジション調整の売りが膨らむ可能性がある。一方でレジャー関連銘柄などは注目されそうだ。例えば、オンラインで現地ツアーを予約できるサービスを提供するベルトラ(7048、マザーズ)は3月25日に高値を更新、エイチ・アイエス(9603)は1日に4520円と高値を付けるなど物色の手が既に伸びているようだ。(根岸てるみ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

アジアで日本株は「不人気」 カタリスト不在、上値追いに慎重な声

昨年暮れの悲観ムードからの揺り戻しで日経平均株価は8.55%上昇した。ただし、ダウ平均(11.90%高)やナスダック総合株価指数(15.06%高)に加え、上海総合指数の(22.47%高)と出遅れ感は否めない。その背景には海外投資家からの日本株の不人気があろう。 シティグループ証券の北岡智哉氏は3日付で「アジアマーケティング、日本株不人気の傾向と対策」と題したリポートを公表した。2月27日から3月1日にかけてシンガポールや香港の機関投資家との意見交換をまとめたもので、「日本株は依然として不人気である点を確認」したという。 2月27日から28日にかけて開催されたシティグループ証券のシンガポールコンファレンスでは「日本セッションで空席が目立つ一方、中国セッションは満席で立ち見が出る」など投資家の間で日本株に対する関心の低さが浮き彫りとなった。北岡氏は全体を通しては「自社株買い増か、持ち合い解消期待や物言う株主の台頭などでバリュー投資への関心が高い印象」とまとめた。 東証が発表する地域別売買動向では確かにアジア投資家の間で日本株への関心が薄れている様子が伺える。19年1月のアジア投資家の売買動向は日本株を差し引き79億円買い越していたが、2カ月連続で小幅な買い越しにとどまっている。18年10月には1360億円の売り越しとなったほか、18年9月まで7カ月連続で大幅な売り越し基調となっている。 目先は需給面で日経平均が2万2000円に達する可能性は残す。とはいえ、「日本株のカタリストが少ない」(国内投信)と、一段の上値追いに慎重な見方が多い。日本株への関心を引き寄せる決定打が依然として待たれる状況だ。(中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

日経平均採用レースは京阪対決? パイオニアの後釜、市場で思惑

日経平均株価の構成銘柄であるパイオニア(6773)の上場廃止が決まり、その代替として臨時採用される銘柄を探る動きが出ている。パイオニアと同じ技術セクターに属する5業種の銘柄の中から、早ければ3月1日にも補充銘柄が発表される見通し。最有力候補である村田製作所(6981)の悲願成就か、次点であるシャープ(6753)の完全復活か、市場の関心は高い。 ■パイオニアがファンド傘下入りを発表した12月7日以降の入れ替え候補銘柄の値動き パイオニアは1月末の臨時株主総会でアジア系ファンドであるベアリング・プライベート・エクイティ・アジア傘下に入ることを決め、3月末に上場廃止になる見通し。レーザーディスク、世界初のGPS搭載カーナビ投入など、技術力の高さを誇っていたが、経営判断を誤り、社運をかけたプラズマ事業の失敗などで屋台骨が大きく揺らいだ。近年は人員削減や事業整理に追われ、ついに外資ファンド傘下で経営再建を図るに至った。 日本経済新聞社は、パイオニアの日経平均採用銘柄からの除外実施と、それに伴う補充銘柄は、パイオニアが整理銘柄に指定された段階で発表するとしている。原則として1カ月間整理銘柄に指定された後に上場廃止となることを踏まえると整理銘柄に指定される日は近く、最速で3月1日にも発表される可能性がある。 日経平均の定時入れ替えでは、「市場流動性」と「業種の偏り」の2つの観点から対象銘柄が選定される。だが、今回のような上場廃止に伴う臨時見直しでは、補充銘柄は除外銘柄と同じセクターから選出される。パイオニアは技術セクター(医薬品、電気機器、自動車、精密機器、通信の5業種)に属するため、補充銘柄も同一セクターから選出されることになる。 最有力候補として挙がるのは村田製作所(6981)だろう。これまで幾度も採用候補として挙がりながら落選を続けてきたが、今回は同一セクター補充のため採用となる可能性は高い。ただ、値がさ株のため指数に与えるインパクトが大きくなることを理由に今回も見送られるのではないかとの声も少なくない。次点としてシャープ(6753)、オムロン(6645)、ルネサス(6723)などが挙がり、株価水準からこれらの銘柄が補充となる可能性は十分考えられる。 シャープはかつて日経平均採用銘柄だったが、深刻な業績不振で債務超過に陥り、東証2部降格に伴い日経平均構成銘柄から除外された苦い経緯がある。その後は、鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で業績のV字回復を果たし、東証1部に返り咲いた。日経平均構成銘柄に再び採用となれば、株式市場で完全復活をアピールすることになりそうだ。その際には、自由な情報発信で有名なシャープの公式ツイッターが、どのようなメッセージを発するのかにも注目したい。なお、大和証券によれば日経平均連動資産は各銘柄2750万株程度(50円額面換算ベース)で運用されているもようで、採用に伴うインパクトは大きいとみられる。 市場ではこのほか、ジャパンディスプレイ(6740)を挙げる声もある。村田製&シャープ&オムロンの「京阪トリオ」と、ルネサス&JDIの「機構コンビ」の戦いという見方もできる。(本吉亮) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

ボラ、ボラ、ボラ 戻ってきたリスクオン 3枚のチャートが表す強気

株式市場のあちらこちらでリスクオンのサインが灯り始めた。 日本では、現物株の値動きが投資家のリスク許容度の高まりを示している。最初のグラフの青線は、TOPIX500の採用銘柄のうち、18日時点でベータ値が高い10社の時価総額をベータ値が低い10社で割った指数の推移だ。高ベータ(高ボラティリティー)の急激な巻き返しが読み取れる。 ■日経平均(グラフ赤)の戻り基調とともに高ボラ銘柄の優位も復活(グラフ青) グラフ青線は、TOPIX500採用銘柄のうち、ベータ値が高い10銘柄の合計時価総額をベータ値が低い10銘柄の時価総額で割った値(左軸、25日移動平均) VIXショックによる株価急落の余韻が残りつつも株価が大幅上昇した18年3月は、低ベータ(低ボラ)銘柄がけん引役だった。株式のウエートを高めつつ、守りも固める「半身の構え」の投資といえる。一方で足元の高ベータ銘柄への資金シフトは、久しぶりに訪れた本格的なリスクオン相場に賭ける「攻めの投資」と推測できる。 米国株でも同様の動きがみられる。JPモルガンのクオンツチームは15日付けのリポートで、18年12月をピークに低ボラティリティ銘柄のパフォーマンスが高ボラティリティー銘柄を大きく下回る状況が続いており「こうした状況は継続するだろう」との見方を示している。 ■米国でも低ボラ銘柄のパフォーマンス優位は終わった ※JPモルガンのリポートより リスクオンの訪れはグローバルでも見て取れる。HSBCの17日付けのリポートによると、同社が算出するグローバル株式のセンチメント指数は、1月を境に弱気から中立まで一気に上昇した。まだ本格的な強気とはいえないが、「市場予想が低すぎる」とみる企業業績の拡大や景気刺激策による中国の輸入増などに期待し、一段のセンチメントの改善を見込んでいる。 ■1月を境に弱気ムード解消(HSBCのグローバル株式センチメント指数) 気がかりな点があるとすれば、日本株の戻りの鈍さだろう。円建てのS&P500種株価指数とMSCIコクサイ指数(日本を除く)のチャートに日経平均株価を10分の1にして重ねてみると、1月以降の世界的な株高局面での日本株の上昇ペースが鈍い。 ■グラフ緑の日本株の上昇ペースが鈍い S&P500種株価指数(円建て、グラフ赤・左軸)と日経平均(10分の1、グラフ緑・同)、MSCIコクサイ指数(日本を除く、円建て、グラフ青・右軸) 野村証券は15日付のリポートで、18年10~12月期(3Q)決算発表後の株価の推移を分析。例年なら3Q決算はネガティブな内容でも「悪材料出尽くし」となりやすい季節性がある。ただ「今回はボトムアウトといえるほど反発力は強くない」という。むしろ、期待先行の買いが株価を支えた銘柄は、コンセンサスの切り下がりとともに売り直される可能性があると見ている。(松下隆介) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米1強、消去法で買われた日本株 「27年ぶり」が突きつける現実

2018年度下半期入りした10月1日の株式市場で日経平均株価は前週末比125円高の2万4245円まで上昇し、1991年11月13日以来約27年ぶりの高値を付けた。最高値圏にある米国株に比べ出遅れ感のある日本株を再評価する海外マネーが流れ込んでいる。ただ、消去法的な買いという色彩も濃く、上昇が持続するかどうかは見方が分かれている。 世界取引所連盟(WFE)によれば、同連盟に加盟する世界の取引所の株式時価総額合計は8月末時点で約85兆5000億ドル(約9700兆円)。このうち東京市場が占める比率は7.08%で過去10年の平均(7.2%)をわずかながら下回った。 一方、ニューヨーク証券取引所とナスダックを合計した米国株の比率は42.3%と過去10年の最高で、この間の平均値を6ポイント近く上回る。日本株の占有比率が過去に比べ極端に低い訳ではないが、米株の持ち高が膨らみすぎたことで、相対的に出遅れ感の残る日本株に資金シフトする動きが海外勢の一部にみられる。 9月末時点の東証1部の時価総額は8月末比5%近く増えたことから、すでに世界全体に占める日本株の比率は過去平均並みの「中立」水準を回復した可能性がある。だとすると、海外勢はさらに日本株を買い続けるのか、それとも様子見に転じるのか。アセットマネジメントOneの鴨下健ファンドマネジャーは、「日本株は投資指標面で特に割安とは言えず、過去平均並みに戻れば買いは一服するだろう」とみている。 振り返ってみれば、バブル経済が名実ともに終焉し、「失われた10年」が始まった……などといわれた当時。1991年11月13日と最近の市場・経済環境を比較した。 【日本】         <1991年11月13日> <2018年10月1日> 日経平均株価         2万4416円     2万4245円 東証株価指数(TOPIX)    1837        1817 PER(前期実績)       38.3倍(11月末)  15.2倍(9月末) 東証1部の時価総額        369兆円(同上)   683兆円(9月末) 長期金利             5.981%       0.125% 円相場(1ドル=円)      129円64銭(月平均) 113円92銭(1日午前)                <1991年>     <2017年>  名目GDP            482兆円       546兆円 名目GDP(ドル建て)    3兆5844億ドル    4兆8721億ドル マネタリーベース        37兆円(11月)   498兆円(8月)                                  【米国】         <1991年11月13日> <2018年9月28日> 米ダウ工業株30種平均      3065ドル     2万6458ドル 米S&P500種株価指数      397        2913 米長期金利           7.41%       3.07%                <1991年>     <2017年> 名目GDP(ドル建て)   6兆1740億ドル     19兆3906億ドル マネタリーベース      3284億ドル(11月) 3兆5845億ドル(8月)                                  【中国】         <1991年11月13日> <2018年9月28日> 香港ハンセン指数         4240      2万7788                <1991年>     <2017年> 名目GDP(ドル建て)     4156億ドル     12兆 146億ドル 27年間で米ダウ工業株30種平均は約8.6倍、香港ハンセン指数は約6.6倍となり、日本株は大きく水をあけられている。国際通貨基金(IMF)のデータでは、ドル建ての名目国内総生産(GDP)は米国が3倍程度となったが、日本は3割強しか伸びていない。低成長が株価低迷につながっているという見方ができる。 【日経QUICKニュース(NQN) 張間正義】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

先物主導で節目回復を演出したのは海外勢 9月第2週

東証が9月21日に発表した9月第2週(9月10~14日)の投資主体別売買動向 (東証、名証2市場の合計)によると、海外投資家は現物と先物(TOPIX、日経225ラージ+ミニ合計)を合算した総額ベースで2週ぶりに買い越した。現物ベースでは2819億円の売り越しだったが、日経平均先物を4152億円買い越しており、先物主導の相場上昇を演出した可能性がある。     一方、個人投資家は現物・信用でともに2週ぶりに売り越し。総額ベース(現物+先物)でも2週ぶりに売り越している。 この週の最終営業日14日は株価指数先物・オプション9月物の特別清算指数(SQ)算出日で投資家の様子見が強かったとみられる。日経平均株価で2万3000円の節目が上値を抑える経験則がはたらくなか、米中の貿易摩擦が「深刻化」するのか「歩み寄り」をみせるか強弱感が交錯したことなどが、現物ベースでの売り優勢につながったとみられる。 10~14日の週は日経平均株価が前の週に比べ3.5%上昇と、2週ぶりに値上がりした。7日に発表された8月の米雇用統計で賃金上昇率が市場予想を上回るなど強い内容で、米長期金利が上昇。米ドル・円相場が円安にふれて推移し、株式相場の下支え要因となった。米中の貿易摩擦については交渉再開の観測など、歩み寄りが期待された。 トルコの中央銀行が13日、市場予想を大幅に上回る金利引き上げを断行したことで、新興国経済に対する投資家の過度な不安心理が和らぎ、14日の日経平均は続伸。112円台への円下落も輸出関連株の買いを誘い、日経平均は節目の2万3000円台を終値で回復し、約7カ月半ぶりの高値水準に上昇した。(山口正仁)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

勢い鈍ったか半導体景気 SOX連日下落、日本株への警戒感じわり

年初から好調だった半導体株が、このところ気になる動きを見せている。12日の米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は1.16%下落し、連日で下落率は1%を超えた。 日経平均株価とSOX指数は他の指数に比べて連動性が高い。8月以降の日経平均とSOX指数の相関係数は0.75。ダウ工業株30種平均(0.55)やナスダック総合指数(0.66)に比べると相関が高い。前日には「半導体株の下げをみると体感的に日経平均の下げはもっと大きくても不思議ではない」(投資顧問)との声さえもれた。 半導体製造装置のアプライド・マテリアルズは8日続落。終値は前日比0.79ドル(2.0%)安の38.39ドル。ラムリサーチも5.03ドル(3.2%)安の150.37ドルで取引を終えた。ともに一時4%安になった。メモリーのマイクロン・テクノロジーについて、ゴールドマンサックスが投資判断を引き下げたのが半導体需要への先行き懸念を高めた。マイクロンの終値は前日比1.86ドル(4.3%)安の41.74ドル。一時は6.7%安まで下げた。米国株の流れが東京市場に波及すると、さらなる心理悪化は避けられない。(中山桂一、今田素直) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

株、海外勢が先物中心に買い越し 8月第5週

東証が9月6日に発表した8月第5週(8月27~31日)の投資主体別売買動向 (東証、名証2市場の合計)によると、海外投資家は現物ベースで5週ぶりに買い越した。現物と先物(TOPIX、日経225ラージ+ミニ合計)を合算した総額ベースでは2週連続で買い越した。 一方、個人投資家は現物・信用でともに2週連続で売り越した。総額ベース(現物+先物)でも2週連続で売り越している。 (QUICK特設サイトより) 北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉の進展期待など過度な警戒感がやや和らいだことで機関投資家のリスク許容度は高まっているとみられる。半面、日経平均株価で2万3000円に接近すれば売りが上値を抑えるレンジ相場が続いていることが、個人投資家の動きを鈍くしているもよう。新興市場では東証マザーズ指数が8月安値から半月で1割以上戻した動きとは対照的に、主力株への物色意欲は盛り上がりを欠いているようだ。 (山口正仁) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

NT倍率が歴史的な高水準 通商摩擦懸念で透ける防御の心理

日経平均を東証株価指数(TOPIX)で割って算出する「NT倍率」が20日、QUICK端末でさかのぼれる2000年8月以降で最大となる12.87倍まで上昇した。日経平均株価に比べて東証株価指数(TOPIX)の上昇が鈍いのは、終わりの見えぬ各国の通商摩擦への懸念から投資家がある種の防御の姿勢を示していることを意味している可能性がある。貿易という観点からは影響を受けにくい銘柄へ資金を移動させたい心理が透ける。 通商摩擦が実体経済にどれほど影響を及ぼすのか現時点では算定が難しい。米中の貿易摩擦に関して日本への影響は経常利益を0.2%~0.3%前後、金額に換算すると1000億円強押し下げるとの見方がある。だが、「いずれにせよ7月以降の各国の経済指標をよく吟味する必要がある」(国内証券のストラテジスト)という慎重な意見が多い。 そんななか、20日には「今日はなぜだか海外勢が日経(平均先物)買っていました。何か米中貿易問題に進展があるんですかね?」(投資会社)とのいぶかしがる声が届いた。「NTの上昇はどこまでいくのでしょうか」(投資顧問)との声もあるが、昨日の手口からはNTロングのような傾きはみられていない。 ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「貿易摩擦への不安心理の裏返しが指数の強弱に繋がり、日銀によるETF買いの影響も若干あるのではないか」と推察する。 日経平均の構成銘柄として値がさ株のファーストリテイリング(9983)の構成比は8.52%であり、20日には日経平均を64円押し上げた。20日の寄与度上位はソフトバンク(9984)、東エレク(8035)、ファナック(6954)と続くが、5位にはユニー・ファミマ(8028)が顔をのぞかせる。ユニー・ファミマは日経平均の構成比では9位となる2.09%だが、前日の日経平均への上昇寄与は12円ほどあった。 加重平均で算出されるTOPIXにおいては時価総額の大きい銘柄の変動の影響がでる。いわずもがな日本の時価総額1位はトヨタ(7203)であり、時価総額上位には三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)などの銀行株もある。時価総額上位の顔ぶれの20日の強弱をみると外需および金融売り、内需買いの方向性が垣間見える。 そこに日銀のETF買いによる浮動株の影響も及ぶというのがニッセイ基礎研究所の井出氏の考えだ。2018年3月末時点での日銀のETF買いを考慮すると、ファストリの実質的な浮動株比率は7.6%と少ない。日経平均採用銘柄では日本郵政(6178)なども実質浮動株が少ない。日銀によるETF買いの影響が、通商懸念に対する投資家の動きが顕著な指数のさらなる強弱を生み出す構図にもなり得る。 <日経平均採用銘柄の実質浮動株比率> (※ニッセイ基礎研究所のデータより抜粋) 市場では「金融株や自動車株の持ち高を落としたいならTOPIX先物売りに対して日経225先物買いによるポジション形成もあるのではないか」(邦銀)との声もある。足元の状況として「投資家はリスクオンではなく、ニュートラルに戻した段階。リスクオフとなればNT倍率も下がりながら大きく水準を切り下げる可能性もある」(国内証券)との見方がある。(中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ドルインデックス上昇、ドル高・株高の流れに戻るか

米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が27日に米議会下院で行われた議会証言で、「市場のボラティリティが高まっていることは、さらなる利上げを止めることはないだろう」との見解を示した。タカ派的なパウエル発言を受けて、議会証言後は株安・債券安・ドル高の展開。ドルインデックスは90.50まで上昇し、2月8日以来、3週ぶりの高値水準を回復した。 ドルインデックスの上昇を受けてドル円は107円台を回復しており、日本株の支援材料になりそう。昨年12月以降はドルが独歩安の展開となり、株高・ドル安の流れが強まっていたが、2月以降はややドル高・株高の展開となっている。 ★ドル高・株高の流れがやや戻る?(ドル指数=赤、日経平均=白、NYダウ=青) (QUICK FactSet Workstationより)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。 ※QUICKデリバティブズコメントでは2月19日から、QUICK端末上のナレッジ特設サイトで「US Dashboard」のサービスを始めました。米国の長・短期金利スプレッド、期待インフレ率、VIXなど投資家・市場参加者が日々チェックするデータをチャート形式で一覧できます。米経済・市場の変化を見極めるツールとしてご利用いただけます。

「VIXショック」を予見? 日本株、2月急落前に外国人売り「2兆円」

米長期金利の上昇をきっかけとした世界的な株式市場の動揺に歯止めがかからない。日経平均株価は1月23日に付けた約26年ぶりの高値である2万4124円から3週間足らずで11%もの急落に見舞われた。 振り返ると日経平均が上値追いを続けていた1月、海外投資家は週間で1兆円を超える規模の売りを2度にわたり日本株に浴びせていた。海外勢は2月の急落を予見していた可能性がある。 東京証券取引所などが発表した投資部門別売買動向によると、海外投資家は1月第5週(1月29日~2月2日)に日本株(現物と先物の合計)を約1兆2000億円売り越した。過去10年で6番目の大きさだ。海外勢の売り越しは1月第2週(9~12日)も1兆円を突破。株価水準の高さを考慮しても1カ月で2回の「1兆円売り」は珍しい。今年の売り越し累計は約2兆5200億円に膨らんだ。 ■VIXの水準切り上げと連動か 兆しがなかったわけではない。いまや株安の震源として世界に名前がとどろく米株式相場の変動性指数(VIX)。10割れの低水準が恒常化していたVIXは1月中旬からじわりと水準を切り上げていた。1月の海外勢の売りは、このVIXの動きと連動したものだった可能性がある。 前回、海外投資家から1カ月で2度の1兆円超の売り越しが出たのは2015年8月。中国人民銀行(中央銀行)が人民元の切り下げに踏み切った「人民元ショック」で、世界的な株安に見舞われた。日経平均は15年8月の2万1000円近辺から9月には1万6900円台まで急落した。 ■日銀ETFと個人投資家の信用買いが下支え 今回不思議なのは、海外勢が売ったにもかかわらず1月の日経平均が26年ぶりの高値圏に踏みとどまり続けたことだ。「日銀による上場投資信託(ETF)の買いと、個人投資家の信用買いが下支えしたため」(国内証券の情報担当者)との解説が多い。 東証によると、今年に入り個人の信用取引での新規の買いは累計約4200億円。日経平均が2万2000円を上回った17年11月以降では累計約1兆1300億円にのぼる。「逆張り」中心の個人が、上値を買い進む「順張り」に戦略を変えたことが、海外勢の売りを吸収して相場下落を食い止めた構図が見て取れる。 こうした国内勢の買い持ち高が、過去2週間の相場下落で一気に含み損に転じたことは想像に難くない。2年5カ月ぶりの水準に積み上がった信用残の一部は、追加証拠金(追い証)の発生で反対売買を迫られた公算が大きい。国内勢の撤退売りで、相場は支えを失うことになりかねない。 足元では相場変動を売買の手掛かりとして重視するCTA(商品投資顧問)や「リスク・パリティー」ファンドが「2000億ドル(約22兆円)の世界の株式を売却している過程にある」(米バンクオブアメリカ・メリルリンチ)との試算がある。「後始末」による株売りは今後1カ月にわたるとの見方もある。 直近の下落幅と衝撃度を踏まえると、日経平均が急落前の水準を回復するには一定の時間がかかりそうだ。野村証券の試算では17年10月以降の「トレンド追随型」のCTAによる日経平均先物の平均買いコストは2万2350円近辺。この水準では戻り売り圧力が強まるとみられる。 ■200日移動平均下回れば、株安加速も 中長期の株価のトレンドを示す200日移動平均は2万1003円(9日時点)。「これを下回れば、さらなる株安を警戒する必要がある」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)。上昇基調が崩れれば、個人の信用買いがさらに反対売買を迫られる可能性もある。 【日経QUICKニュース(NQN) 張間正義】 ※NQNが配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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