CTAのドル売り拡大、対円で顕著に 米景気懸念で作戦変更

外国為替市場でシカゴに拠点を置く商品投資顧問(CTA)などの投機筋の姿勢が変化している。CTAは従来、世界経済の減速懸念から基軸通貨の米ドルと低リスク通貨の円を同時に買う戦略に傾いてきたが、トランプ米大統領による対メキシコ関税の表明などを受けて米景気の減速のほうをより意識し始めた。対ユーロなどでドルの買い持ち高を減らす一方、対円ではドル売りへの傾きを強めたようだ。 米商品先物取引委員会(CFTC)が5月31日に発表した28日時点のシカゴ通貨先物市場の建玉報告によると、投機筋をあらわす非商業部門の円の買い持ち高は21日時点よりも1700枚程度縮小していた。だがトランプ氏が31日、市場の意表をついてメキシコに追加関税を課す方針を示して以降、円が1ドル=108円台前半まで上昇する過程で円買いを急速に積みあげたとみられる。 ■5月28日時点では円買い持ち高は縮小していたが…… (CFTCの円の対ドルポジション) CTAによる米ドル買い意欲の後退は世界株安に対する新興国通貨の底堅さを演出し、対円のドル売りをアシストしている――。市場ではそんな指摘もあった。ドル安で新興国の高金利通貨の魅力が相対的に高まった結果、対円での新興国通貨の売りが鈍り、ドル売り・円買いが出やすくなっているというのだ。 例えばトルコリラの対円相場は5月30日に1リラ=18円台後半とほぼ1カ月ぶりの高値水準を付けた後、足元では18円台半ばとさほど崩れていない。相場の流れに逆らう「逆張り」で知られる日本の外為証拠金(FX)投資家も、リラに限れば利息収益狙いの長期保有のスタンスが目立つ。 CFTC統計によれば、シカゴ勢が5月28日時点で保有する円の売り持ち高は8万1380枚残っている。新規にドル売りを膨らませる戦略とあいまって円の買い戻しが進む展開になれば、円買いのエネルギーは一段と増すかもしれない。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

VIX、溜まる急騰マグマ 先物ショート18万枚超の最高水準

6日の米国市場で恐怖指数のVIXが3営業日ぶりに急反発し、19.96%高の15.44で終えた。5日にトランプ大統領がツイッターで「中国は2000億ドル分の製品に10%の関税を支払っているが、金曜日(10日)に25%に上がる」とつぶやいたことで貿易紛争懸念が高まって米主要指数が大幅安となる中、一時はVIXの上昇率は46.07%に達した。 米商品先物取引委員会(CFTC)によればVIX先物の投機ポジションは5週連続でショート幅が拡大。4月30日時点で18万359枚のネットショートとなり、QUICK端末で確認できる2004年7月27日以降で過去最高水準を記録していた。米中の貿易協議にやや不透明感が残る中、VIXが急騰しやすい状態にあることは警戒されそうだ。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

WTIは高値から4割下げ 1年半ぶりの安値でBEIを押し下げ

24日の原油先物相場は大幅に続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近(2019年2月)物は前週末比3.06ドル安の1バレル42.53ドルで取引を終えた。一時42.36ドルと17年6月下旬以来、約1年半ぶりの安値を付けた。10月初旬の高値からは4割以上下落したことになる。 米商品先物取引委員会(CFTC)が21日に発表した18日時点の建玉報告による原油先物の投機筋の買越幅は12週ぶりに拡大したものの、縮小傾向が続いている。買越幅は31万枚弱残っており、投機筋のポジション整理が一巡するまでは、原油安の流れが続く可能性もある。 ■CFTC原油先物(投機筋・ネット)とWTIの推移 原油安に引きずられる形で、米国の債券市場のインフレ見通しを示す10年物の国債と物価連動国債の利回り差から算出する「ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)」は2017年8月下旬以来、1年2カ月ぶりの水準まで低下している。インフレ期待は急低下しており、長期金利の上昇を抑制している。10年金利は一時2.73%と4月上旬以来ほぼ8カ月半ぶりの低水準を付けた。(池谷信久)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

不安のマネー、緩やかに着実に金へ 投機筋も個人投資家も

世界の株式相場が軟調となるなか、実物資産の裏付けのある金にはゆるやかに資金が逃避している。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる19年2月限物は3日ぶりに反発し、前日比10.4ドル高の1トロイオンス1251.8ドルで終えた。7日には1252.6ドルで終え、7月9日以来およそ5カ月ぶりの高値をつけていた。市場の一部では一段の上昇を見込む声がある。 「ブレグジットへの懸念などからさらに上昇余地を探る可能性がある」――あるコモディティアナリストは一段と金相場の上昇を睨む。投機筋はすでにやや上昇を睨んだ動きも見せている。 米商品先物取引委員会(CFTC)が14日発表した11日時点の建玉報告によると、COMEXで投機筋(非商業部門)による金先物の買い越し幅は6万499枚だった。前週に比べて1万1498枚増加し、7月10日時点(8万1434枚)以来の高水準となった。直近の週はロングも小幅に減少したものの、ショートが1万4917枚の大幅減となっていた。 ■NY金とCFTCの金先物買い越し幅の比較チャート 個人投資家も金相場の上昇を睨んだ動きをしているようだ。英ロンドンを拠点に個人向けの金オンライン取引を手掛けるブリオンボールトによると、11月に金価格が上昇するなかで個人投資家の保有量が増加していた。こうした現象は2017年1月以来という。 欧州を巡る不安、米中の対立を巡る不安など先行き不透明感は多い。リスク資産から現物資産の裏付けのある金に資金が一気に流入する可能性もありそうだ。(中山桂一)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

原油相場、波乱の11月 リーマン・ショック以来の下げ、月間▲22%

11月30日の米国市場で原油先物が反落し、WTI期近の1月限は1.01%安の50.93ドルで終えた。WTIは月間で22.01%安となり、2カ月連続で大幅続落。月間の下落率は、月間の下落率は、リーマン・ブラザーズが2008年9月に経営破綻し、金融市場が大荒れとなったリーマン・ショックのさなかの同年10月(32.62%安)以来、10年1カ月ぶりの大きさとなった。12月6日の石油輸出国機構(OPEC)総会で協調減産が見込まれているが、需給改善を期待する買いは限定的で波乱の11月相場となった。 米商品先物取引委員会(CFTC)が公表している投機ポジションで、WTI原油先物のネットロングは9週連続で減少し、11月27日時点で34万8121枚のネットロングとなった。2017年7月3日以来、1年4カ月ぶりの低水準となり、WTI原油先物が1年1カ月ぶりの安値水準にある中、投機ポジションの解消が続いている。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

円売りポジションの巻き戻し、米債の売り建玉に同調

円の売りポジションが徐々に縮小している。米商品先物取引委員会(CFTC)が26日発表した23日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で投機筋(非商業部門)による円の売越幅は2週続けて縮小し、前週比7817枚少ない9万2804枚だった。9月下旬以来、約1カ月ぶりの低水準。     ここにきて似た動きとなっているのが米長期債のポジション。CFTCによると米10年物国債の投機筋の売り越しは4週連続で減少した。米債市場ではショートカバーが続いており、26日には10年債利回りが一時3.05%と、米長期金利が急上昇し始める前の10月初め以来の低水準を付けた。しばらく円の対ドル相場は米長期金利の水準とポジションに左右される局面が続きそうだ。(岩切清司、池谷信久)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

投機筋は引き続きドル高・米金利上昇シナリオ

12日の米国市場でドル指数(DXY)が4日ぶりに反発し、0.21%高の95.23で終えた。一時は94.95まで下げ、9月27日以来、半月ぶりの安値圏に下げたが米株が大幅反発する中でリスク・オフの展開が一服し、ドル安基調が一服した。 米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジションによれば、ドル指数のロングポジションは9日時点で3万7709枚のネットロングとなり、2017年5月2日以来、1年5カ月ぶりの高水準に達していた。米10年債のショートポジションは2週連続で縮小し、62万2422枚のネットショートとなっていたが、依然として過去最高水準で高止まりしていた。 米長期金利の上昇をきっかけに株安・ドル安が進んだが、今のところドル高・金利上昇を見込んだ投機筋のポジションは維持されているようだ。(片平正ニ) (QUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

こちらの土台中の土台は 2万4000円台の値固めを支える「積極的な売り手」不在

日経平均株価が2万4000円台で値固めを始めた。目立った買い材料が見つからない中、需給が1つのカギを握っているようだ。将来的な売りにつながる仮需の動きを見ると、潜在的な売り圧力は小さいことが読み取れる。 グラフ①は、裁定取引にともなう現物買いのポジション(金額ベース、現物売りの金額を差し引いた値)と信用買いの金額を東証1部の時価総額で割った比率の推移。膨大な仮需の積み上がりが相場をけん引していたアベノミクス初期の2012~13年と異なり、いまは実需の買いが持続的な株高をもたらしている、とも読み取れる。 グラフ① 裁定取引に伴う現物買い残高から売り残高を差し引き、信用取引における買い残高を加えた金額を東証1部の時価総額で割って算出(赤、左軸、単位%)と日経平均株価の推移(青、右軸、単位円、毎週末終値) 米国ETF市場をみても、日本株への資金流入に期待が持てる。QUICK FactSet Workstationによると、新興国株が年初から累計で104億ドルの流入超となる一方、日本株は40億ドルの流出超だった(グラフ②)。ただ、過去を振り返ると、日本株の上昇局面では日本株ETFの大幅な流入超を記録している。「米国から資金移動を検討しているグローバル株式投資家は新興国でなく日本への投資を拡大すべき」(米モルガン・スタンレー、1日付リポート)との指摘もある。ETFを通じた日本株買いの動きが活発化してくれば、株式相場の支えになる。 グラフ② QUICK FactSet Workstationが集計した米市場に上場する新興国株関連のETFのマネーフロー 海外勢による株価指数先物への買いも、なお余力を残している。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表する米先物市場の建玉動向によると、投機筋は9月25日時点で日経平均先物を8707枚売り越している(グラフ③)。約6年ぶりの売り越し水準だった前週(8936枚)から縮小したとはいえ、売り越し水準はなお高い。東海東京証券は9月28日付のリポートで「少なくとも売り越し幅が縮小する過程で指数の上昇が続くと予想するのが妥当」とみる。 グラフ③ CFTCの米先物市場の建玉動向で、投機筋の9月25日時点の日経平均先物のポジション 「押目待ちの押目なし」の相場格言のごとく、調整らしい調整を挟まずに上昇を続ける株式相場。積極的な売り手がいない中にあっては、順張りが正解なのかもしれない。(松下隆介)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【アルゴウオッチ】 膨らむ「米債先ショート」、CTAも惑わす

コンピューター経由のアルゴリズム取引を手掛けるシカゴの商品投資顧問(CTA)などの投機筋が、米10年物国債先物のショート(売り持ち高)拡大を解釈しあぐねている。債先の主要な売り手としてささやかれるのは、様々な資産価格の変動率(ボラティリティー)に応じて資産配分を調整する「リスク・パリティー」型のヘッジファンド。だが10年現物債の値幅がここにきて特に大きくなったわけではない。傾向が見いだせない中でアルゴの動きは鈍った。 アルゴ系CTAはここ1カ月ほど、米経済指標などのファンダメンタルズ(基礎的条件)を分析し判断する「グローバル・マクロ」の米長期債買い戦略に便乗してきたとみられる。足元の米利上げや米中貿易摩擦などによる新興国経済の減速が米景気にも影を落とすとのシナリオが前提だ。ところが、グローバルマクロとともに債先を買ってもそれを上回る規模で売り注文が覆いかぶさってくる。 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週まとめているシカゴ商品取引所(CBT)の建玉報告によると、投機筋をあらわす非商業部門の米10年債先物の売越幅は14日時点で69万8194枚だった。データが開示されている1993年以降では最も多い。 10年債のショートは5月下旬に110万枚を超えた後、米中貿易摩擦への懸念がくすぶった7月にかけては90万枚前後まで細ったが、8月に入ると再び急ピッチで増えている。14日時点は118万4009枚と5月のピークを一気に超えた。その間、米10年債利回りは久しぶりに3%台に乗せたものの、中国の景気懸念やトルコ情勢の混迷などを前に低下し23日は2.8%台で推移している。リスク・パリティーが米債売りを急ぐほど振れてはいない。 野村証券の高田将成クロスアセット・ストラテジストは23日付リポートで「リスク・パリティーの売りは保有現物債のヘッジ(現物の価格下落リスク回避)」と指摘した。リスク・パリティーが本気で変動率上昇を警戒しているのなら、現物の売りがもっと膨らみ米長期金利にはより強く上昇圧力がかかっていたはずで、本来のリスク・パリティー戦略とは分けて考える必要があるとの認識を示した。 真相はやぶの中だが、巨額のショートはふとした拍子に巻き戻しが加速しかねないだけに、売りには積極的には加わりづらい。「新債券王」と呼ばれるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が17日、米債ショートの積み上がりに警鐘を鳴らした記憶も残る。さりとて売り手の本音がはっきりしないうちは買いにも傾けない。 「同じ債先を売るなら金利先高観がそれなりに出ている日本国債のほうがいいのではないか」――。米債先に対するアルゴの気迷いはしばらく続きそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。  

投機筋ついにユーロ売り越し トルコ余波、半端ないドル一強

米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(14日時点)でユーロが1789枚のネットショートとなった。ユーロの投機ポジションがショートとなるのは2017年5月2日以来、1年3カ月ぶりのこと。トルコと米国の対立が激化したことで13日、トルコの通貨リラの対ドル相場が1ドル=7.2362リラに急落。史上最安値を更新するなか、ドル高・欧州通貨安の流れを受けてユーロ売りが活発化した格好だ。 豪銀大手オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は20日付のリポートで、CFTCの為替ポジションを踏まえて「レバレッジド・ファンドとアセット・マネジャーズらは2週続けてドルを買い越した」と指摘した。ドルの買い越し規模は前週比で5億ドル増の303億ドルに膨らんだといい、2015年11月以来の高水準に達したという。米中の貿易紛争懸念が残るなか、ドル指数が強含んでいることと整合的な動きとみられる。 なお、リポートでは「今週はFOMCの議事要旨のほか、ジャクソン・ホールでパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が週末に開かれるため、短期的なポジショニングを占う上で重要なものになるだろう」と指摘した。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

WTI急上昇 投機筋の買い持ち2週ぶりに縮小

石油輸出国機構(OPEC)が22日の総会で、原油の協調減産を日量100万バレルに緩めることで合意した。政治の混乱でベネズエラの生産量が減るなどしており、実質的な増産量は100万バレルを下回ると見られている。 増産量が事前の市場予想より小幅なものになったことで、22日の米国市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)8月物は、前日比3.04ドル高の1バレル68.58ドルへ急上昇して終えた。 米商品先物取引委員会(CFTC)が22日に発表した19日時点の投機筋の原油先物の買越幅は2週ぶりに縮小した。買越幅は58万947枚と2017年11月下旬以来の小ささだった。増産が見込まれていたOPEC総会に向けてロングポジションが解消されていたことも、原油価格急騰の背景にあったのかもしれない。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ビットコイン4ヵ月ぶり安値 「テザー」問題に懸念再燃

仮想通貨ビットコインの下落が止まらない。日本時間14日未明、ドル建て価格が1ビットコイン=6100ドル程度と2月6日以来、約4カ月ぶりの安値圏に沈んだ。今週に入ってビットコインの価格操作を疑わせるニュースが相次ぎ、投資家はすっかり疑心暗鬼に陥っている。 情報サイトのコインデスクによると、ビットコインが安値を付けたのは日本時間14日の1時30分ごろ。1週間前の直近高値である7700ドル程度からの下げ幅は1600ドル程度に達した。米テキサス大学のジョン・グリフィン教授のチームが13日に発表した論文で、オルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)のひとつであるテザー(USDT)がビットコインの価格操作に使われたと指摘し、売りのきっかけになったとの見方が多い。   ※コインデスクより   USDTを通じたコイン価格操作のうわさはだいぶ前から流れていた。米商品先物取引委員会(CFTC)は昨年12月の時点で既に状況を把握し、発行会社のテザー社と香港の仮想通貨交換所ビットフィネックスに召喚状を送っていたという。その後しばらく情勢は膠着していたが前週8日、CFTCはビットコイン先物の価格操作に関しても疑いを提起したと伝わった。ヘッジファンドなどの機関投資家は浮き足だち、先物を中心に現物にも売りを進めた。 テザーは米ドルとの等価交換をうたう。厳しい規制を受けている中国マネーなどがドルをテザーにいったん換え、ビットコインなどを取引する際の有力なツールになってきた。ただ市場はすべてのテザーがドルに裏付けされているのか常に疑ってきた。もしドルの裏付けがない不当な発行により、ビットコインなどへの資金流入につながったとすれば当局も見逃すわけにはいかないだろう。 あるUSDT監視サイトによると3月に3億ドル相当のUSDT発行が示されている。テキサス大が今年3月ごろまでのデータに基づいてまとめた今回の論文でも、大量のUSDTを保有するとされるビットフィネックスなどの香港系マネーがUSDT経由でビットコインを買い、昨年以降のビットコイン高を演出したと指摘する。ビットフィネックスとテザー社の経営陣が共通していることも関係者の疑念を助長している。 相場の下値メドはどのあたりだろうか。カギを握りそうなのは新興国の投資家だ。米国の利上げや欧州中央銀行(ECB)の金融政策の正常化により、新興国からの資金流出と通貨安が引き続き警戒される。アルトデザインの藤瀬秀平チーフアナリストは「新興国から先進国への資金移動が今後も進めば、かつてジンバブエやベネズエラで起きたように、資産防衛を目的とした仮想通貨の買いが強まっておかしくない」と予想する。 仮想通貨のデリバティブ(派生商品)取引のプラットフォームを提供するレッジャーXではここ3日間、6月29日を期日とし7000~9000ドルを権利行使価格とするビットコインのコール(買う権利)の取引が活発になっている。足元の6000ドル台からやや値を戻し、7000ドルを下限とするレンジで落ち着きどころを探る展開に移りそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN ) 尾崎也弥】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

原油先物 逃げる投機筋、しぼむ先高観

米商品先物取引委員会(CFTC)が8日発表した5日時点の建玉報告によると、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で投機筋(非商業部門)による原油先物の買越幅が7週続けて縮小した。前週比2万4252枚少ない58万3576枚と2017年11月下旬以来の小ささとなった。 チャートを見れば一目瞭然。原油先物相場が直近の高値(WTIで1バレル72ドル台)を付ける1カ月前から投機筋はマネーの引き揚げを始めていた。売りポジションを積み増した一方で買いポジションは7週連続して減らしている。原油相場の先高観はしぼむ一方で、米BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率、債券市場が織り込む期待インフレ率)の伸び悩みの一因もこのあたりにありそうだ。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています

原油高、終わりの始まり? CTAの買いがリーマン前水準に膨張

国際商品市場で、コンピューター経由で取引する商品投資顧問(CTA)が原油の買いを強めている。これに対しCTA以外の投機筋には既に売りに動いているところもあり、足並みがそろっていない。中東湾岸の産油国などが減産の手を緩めるとの観測が出ている中、市場では「CTAも近いうちに買い持ち高の解消に動き、原油価格を押し下げるのではないか」との思惑が広がり始めた。 野村証券の高田将成クオンツ・ストラテジストの分析によると、CTAの原油先物の買い持ち高は21日時点で2008年夏以来の高さになった。CTAは相場の流れに乗る傾向が強い。米国のイラン核合意からの離脱などを受けてニューヨーク原油先物が上昇し、22日に一時1バレル72.83ドルと14年11月下旬以来、およそ3年半ぶりの高値を付ける過程で原油の買いに大きく傾いたようだ。 一方、米商品先物取引委員会(CFTC)が18日に発表した15日時点の建玉報告で、投機筋をあらわす非商業部門の原油の買越幅は4週連続で減少していた。 CFTC報告はCTAのような「順張り」型だけでなく、重要なイベントごとに投資戦略をたてる「イベントドリブン」など様々なタイプの投機マネーの傾向を示す。野村の高田氏は「CTAは借り入れなどを通じて運用額を膨らませるレバレッジの比率が高い。自分たち以外の投資家が撤退し相場上昇のペースが鈍るとお金の余裕がなくなり、これまでのようには原油高トレンドを主導できない」とみている。 中東では緊張が高まっているとはいえ、現時点では産油に支障が生じているとの話は聞こえてこない。南米のベネズエラでは財政悪化を背景に原油生産が細っているものの、石油輸出国機構(OPEC)は6月の会合でこれまで続けてきた産油国による協調減産を緩和するとも伝わった。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至・主任研究員は「サウジでは中長期的な需要抑制を見越して原油高を懸念するムードもある」と指摘する。 08年といえばNY原油が7月に1バレル147ドルと、史上最高値を付けた年だ。その後はリーマン・ショックによるマネー収縮と世界経済の減速懸念で急落し、12月にかけて30ドル台まで下げた。 18年の世界景気は今のところ堅調で、08年に比べると金融・資本市場のリスク管理体制も整っている。そう簡単に「ショック」は起こらないだろう。だが米シェールオイルの台頭により、08年に比べると需給はだいぶ緩みやすくなった。 足元の原油高がシェールの生産意欲を刺激し、米国の産油量は日量1000万バレルに達している。積み上がったCTAの買いは原油上昇の「終わりの始まり」を意味しているのかもしれない。 【日経QUICKニュース(NQN ) 尾崎也弥】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

投機筋じわりポジション縮小 原油は利益確定、ドル円は円買い建玉減らす

投機筋がポジションを縮小させているようだ。米商品先物取引委員会(CFTC)が11日発表した8日時点の建玉報告によると、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で投機筋(非商業部門)による原油先物の買越幅は3週続けて縮小した。前週比1万799枚少ない67万9928枚と、前週に続いて3月13日以来ほぼ2カ月ぶりの小ささになった。原油先物価格はじり高基調にあるものの、先物の買い建玉は4月中旬をピークに3週連続で減少。投機筋が利益確定を進めている様子が浮かび上がるだけに、先高感が薄らいでいる可能性もある。またシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で投機筋(非商業部門)による円の持ち高は2週続けて売り越しとなった。売越幅は前週比4057枚多い5462枚だった。実態は買い建玉の減少が続いたことが背景にある。約5000枚ほど減って5.1万枚程度になった。売り建玉も約1000枚減少し、買いと売りの合計建玉は15.7万枚に減った。投機筋は円の売りポジションを構築しているというより、手仕舞いを進めたと見た方が良さそうだ。(岩切清司)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【アルゴウオッチ】 円売り戦略中断、ドル買われすぎを警戒

外国為替市場でコンピューターを用いたアルゴリズム取引による円売り・ドル買いの勢いが収まり、円相場は1ドル=109円前後でいったんもみ合っている。コンピューターに組み込まれたテクニカル分析のシステムが「ドルの買われすぎ」(オーバーシュート)を示し始めており、ドル買いを止めた投資家も少なくない。前週半ばまでのドル買いで、米国の長期金利上昇が米経済に悪影響を及ぼすリスクをあまり考慮してこなかったという側面が、改めて意識されつつある。 金利上昇は良好なファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を素直に映せば通貨高の要因だが、インフレや財政収支の悪化懸念などが背景なら国外へのマネー流出を伴って通貨安を促す構図も見逃せない。 4月27日からわずか1週間で12.75%もの利上げに踏み切ったアルゼンチンは「悪い金利上昇」の典型だ。高金利でペソ安阻止を狙う。それでもアルゼンチン国民が先行きを案じてドル建て資産などにお金を移し続ければペソの一段安は避けられない。 アルゼンチンは極端な例としても、トランプ米大統領が輸入制限や強硬な中東政策を通じて米国にインフレをもたらす可能性は否定できない。ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「イラン情勢がさらに緊迫し、3年5カ月ぶりの高値圏で推移するニューヨーク原油先物がここから10ドル程度上振れすれば米景気への打撃は避けられない」と話す。 アルゴのエンジニアには市場経験の浅い人が多く、彼らの背後をベテランのトレーダーや元トレーダーが固めている。ベテランは「金利の良しあし」に神経質で、ドル高基調が本当に続くのか懐疑的にみている。このため「ドル相場の目標上限は低めに抑える傾向がある」(外国証券の顧客担当ディーラー)という。 野村証券の高田将成クオンツ・ストラテジストは2日の時点で「1ドル=110円よりも安い水準での定着には、商品投資顧問(CTA)などアルゴ勢による円の売り持ち転換が条件になる」と指摘していた。米商品先物取引委員会(CFTC)が4日に発表した1日時点の建玉報告で、CTAなどの投機筋を示す「非商業部門」の円の持ち高は5週ぶりに売り越しに転じたものの、その幅は1405枚と小さかった。3日以降は円が上昇したため、投機筋は再び円の買い越しに転じたと考えられる。 野村の高田氏は「対ユーロや対英ポンド、対オセアニア通貨で加速した米ドル高が円高・ユーロ安などにつながり、対ドルの円売りを仕掛けにくくした」とも指摘する。円高は投資家のリスクをとる姿勢の後退を意識させ、「悪い金利上昇」への懸念を助長する。4月の米サプライマネジメント協会(ISM)景況感指数の低下や同月の米雇用者数と平均時給の伸び鈍化も気掛かりだ。アルゴが円売り・ドル買いを再開するためのハードルは上がったようだ。 【日経QUICKニュース(NQN ) 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

強弱まちまち米雇用統計、金融政策に大きな影響なしとの見方

市場の関心事だった4日発表の4月米雇用統計は、ややマチマチ感があるものだった。非農業部門の新規雇用者数(NFP)は前月比16万4000人増となり、市場予想(19万2000人増、QUICK FactSet Workstation)を下回った。平均時給も前月比+0.1%にとどまって市場予想(+0.2%)を下回ったが、失業率は3.9%で17年4カ月ぶりの低水準に改善した。 4日にCMEグループのFedウォッチツールで6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp利上げの織り込み度は100%となり、前日と同じだった。9月FOMCまでに50bpの利上げが行われる確率は69.4%と前日(67.2%)からやや上昇した。 今回の雇用統計に対する各社の4日付リポートでの見解は下記の通り。平均時給の弱さが警戒される半面、FRBの金融政策に影響を与えるものではないとの指摘が出ていた。4日の為替市場でドル円は一時108円台半ばまでドル安・円高に振れたが、初動はドル売りとなったものの、FRBの利上げシナリオの見方が大きく変わらなければドル高基調が再開しそう。米商品先物取引委員会(CFTC)の投機筋の円ポジションは1日時点で5週ぶりに円ショートに転じ、ドル買い・円売りの流れが再開していることを示していた。 ●ゴールドマン・サックス 「今回の雇用統計からは、労働市場が改善を続けているトレンドについて変化が起きたとは示されていない。6月FOMCでの利上げ確率を従来の90%から95%に引き上げる」 「前回の雇用統計からは他のビジネス調査と同様、労働市場の成長が減速していることが示されているが、失業率の緩やかな低下を促す労働の増加は続いている」 ●JPモルガン 「賃金上昇率と労働市場のゆるみ(スラック)が市場では議論の鍵となっているが、前回の雇用統計からは変化がうかがえなかった」 「臨時雇用者がさらに増加すれば、賃金上昇率に上昇余地が増えるだろう」 ●ノムラ・セキュリティーズ 「4月雇用統計では雇用者数の安定した増加と失業率の低下が示された一方、平均時給が弱かったのがサプライズだった」 「3月分の平均時給は+0.2%から+0.1%に下方修正され、この結果、前年同月比では+2.7%から+2.6%に伸び率が鈍化した。平均時給に基づけば、2016年以降の賃金成長は平均で前年同月比で+2.6%成長で止まっている」 (片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

個人、ドル円で利益確定を継続 買い建玉が2週連続で減少

 QUICKがまとめた6日時点のFX大手8社の建玉状況、「QUICK店頭FX建玉統計」で円に対するドルの買い建玉は前の週に比べ7.50%減の48万1683(単位:1万通貨)だった。減少は2週連続で1月下旬以来およそ2か月ぶりの低水準となった。2月上旬に始まったボラティリティ急騰前の水準に戻ったともいえる。  一方でドル売り建玉は同13.29%増の17万6331(同)と2週連続で増えた。こちらは2月上旬以来の高い水準となった。ドル買い建玉の比率は73.2%と前の週から3.8ポイント低下した。この週はドル円が1㌦=107円台まで戻す展開となった。個人は引き続き直近で組み上げた円売り・ドル買いのポジションで利益確定の反対売買を進めたようだ。  米商品先物取引委員会(CFTC)が6日発表した3日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で投機筋による円の持ち高が、2016年11月22日以来ほぼ1年4カ月ぶりに買い越しに転じた。買い越し幅は3572枚。 内訳を見ると、売り・買いの建玉はともに減少していた。売り残の減少が大きかったため差し引きで買い越しとなった。投機筋はドル円のポジションを全体的に縮小しているとも言えそうだ。  シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは9日付のレポートで「このやや意外なドル円反発」と前置きしたうえで「社内レートを従来の105~110円あたりから100~105円あたりへ引き下げた日本の輸出企業はアンダーヘッジを解消するため、先物ヘッジを増やして対応するのではないか」とした。  加えて「特に107~108円台は売り動意が強まりやすい水準だと思われ、短期的には当面のドル円の反発を遮る需給要因となることが予想される。ただ、そこで輸出企業がヘッジ比率を正常化させ、アンダーヘッジを解消すると、ドル円の荷もたれ感が軽くなり、より中長期的にはドル高円安が進行しやすい需給環境になってくる」との見方も示した。   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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