米国で英国で中国で、製造業の景況感悪化 米利下げ催促モード強まる

世界の製造業の景況感悪化が鮮明になってきた。3日発表の5月の米ISM製造業景況感指数は52.1と、4月から0.7ポイント低下し、2016年10月以来2年7カ月ぶりの低水準となった(グラフ緑)。この日発表された米PMI確報値は50.5と好不況の分かれ目とされる50目前。英PMIは49.8と前月比0.6ポイント低下し50を下回った。5月31日に公表された中国PMI(グラフ青)も3カ月ぶりに50を下回っており、米中摩擦の先行き不透明感の強まりが実体経済をじわじわ冷やしている格好だ。 こうした中で、セントルイス連銀のブラード総裁は3日の講演で、利下げは「近く是認されるかもしれない」と述べた。市場ではFRBの利下げの織り込みが一段と進み、米10年金利は一時2.06%と2017年9月以来ほぼ1年9カ月ぶりの低水準を付けた。 CMEの「Fedウオッチ」によると、2019年中に1回以上利下げする確率は98%、2回以上は85%、3回以上は55%、4回以上は21%となっている。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米長期金利が急低下2.2%台 逆イールドは「パリバショック」以来の水準

28日の米国債券市場で10年金利は2.26%と2017年9月以来、1年8カ月ぶりの水準に低下した。米財務省短期証券(TB)3カ月物との金利差(グラフ)は▲8.8bpに拡大し、「パリバショック」が発生した2007年8月以来の水準となった。 長短金利の逆転(逆イールド)は景気後退の予兆と言われている。逆イールドが一段と鮮明になったことで、景気不安が高まる可能性が出てきた。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米中摩擦、きょうはリスクオフ加速の日 米製造業PMI⤵で米金利も⤵

23日に米調査会社IHSマークイットが発表した5月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9と4月の53.0から急低下、3年3カ月ぶりの低水準となった。製造業PMIも4月の52.6から50.6へと大幅に低下し、2009年9月以来9年8カ月ぶりの低水準へと落ち込んだ。 米中貿易摩擦が激しさを増しているなか米企業マインドにも悪影響が現れたとして、米景気への波及が懸念されることとなった。 23日に発表された5月の独Ifo景況感指数も市場予想を下回り、4月の99.2から97.9へ低下した。製造業の景気指数は底ばっており改善の兆しは見出し難い。また、サービス業が23.3へと大きく落ち込み、今後数カ月間についても楽観的な見方は後退した。20日には独連銀が月報で「独経済は第1四半期は底堅く成長したものの、第2四半期は失速する可能性がある」との慎重な見方を示していた。 英国の政局の不透明感なども強く、24日の海外市場ではリスクオフの流れが加速した。米10年債利回りは一時2.29%と2017年10月以来1年7カ月ぶりの水準まで低下。米財務省短期証券(TB)3カ月物の利回りを下回り、逆イールドとなった。(丹下智博、池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

2年10年より深刻、誤ったシグナル……米の逆イールドに慌て始めた市場

22日の米国市場で「逆イールド」が発生、2007年以来約12年ぶりに米10年債利回りと3カ月物TB利回りが逆転した。この日に発表された3月の米製造業PMI指数が52.5と市場予想(53.5)を下回り1年9カ月ぶりの低水準となったことで米長期金利が低下した。 ■米10年物国債利回りが3カ月物金利を下回った 米株安のトリガーを引いた逆イールドに世界の市場関係者も警戒感を強めている。   「近い将来の景気後退は予測していない。しかし、利回り曲線の逆転は依然として長期的で変動的な遅れを伴う景気減速のシグナルであり、それ自体が自己実現的な『予言』になりかねないリスクを意識している」(オックスフォード・エコノミクス)   「今回の逆転現象は異例だ。通常は米金利で2年物を10年物が先行して下回るからだ。これはより大きな問題をはらんでいるのかもしれない。ゆえに間違ってはいけない。市場は今回のシグナルをよりシリアスに受け止める必要がある」(ラッセル・インベストメンツ)   「過去の利回り曲線の逆転が米国の景気後退に先行していることを考えると、これは明らかな懸念材料だ。しかし、考慮すべき点はいくつかある。第1に、利回り曲線は誤ったシグナルを与えることがあり、逆曲してから後退まで約15ヶ月ほど遅れる可能性もある。来年半ばまで米景気は後退しない可能性も残っている。また経験則で株式市場は後退局面の前の3~6ヶ月前にピークを迎えるため、足元で急速に株式離れを起こすのも早すぎる。第2に、様々な要因が米国の利回り曲線を平坦化している可能性がある。第3に他の指標を確認する限り米国の金融環境はタイトではない。実際のFRB(米連邦準備理事会)の政策金利「FF金利」は名目ベースでGDP成長率を大きく下回っている。これらを考慮する必要があるだろう」(AMPキャピタル)   また米FF金利先物は急騰し、2020年1月末期限の先物が0.25%の利下げを0.7回織り込む水準まで買い進まれた(金利は低下)。また、21年1月期限の先物は0.25%の利下げを2回織り込む水準になった。 金利低下はドイツや日本でも顕著だ。3月の独製造業PMIは44.7と好不況の境目とされる「50」を大幅に割り込み、12年8月以来6年7カ月ぶりの低水準へと落ち込んだ。独10年債利回りは16年10月以来のマイナスとなった。週明け25日の東京市場で、日本の10年国債利回りはマイナス0.1%に迫った。(岩切清司、丹下智博)   ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米長期金利、FRBハト化で指標に鈍感

経済指標に対する米債市場の感応度が低下している。米サプライマネジメント協会(ISM)の景況感指数は市場で特に注目されている経済指標だが、製造業指数(1日発表)の下振れや、非製造業指数(5日)の上振れに対する米債市場の反応は鈍かった。「米連邦準備理事会(FRB)のスタンスは当面変わらない」(投資顧問)と見られているためだろう。 FF金利先物2020年1月物の金利(グラフ青)は、おおむね市場が想定する19年末の政策金利と考えることができる。その金利は18年12月下旬以降、ほぼ現在の政策金利の範囲(2.25~2.50%)で推移しており、市場は19年内に政策金利の変更がないことを織り込んだ状態にある。 米10年金利(グラフ赤)はFF金利先物との連動性が高い。政策金利の見通しに変化がなければ、10年金利は2.6%台後半を中心としたレンジで推移する可能性が高い。8日には米雇用統計が発表されるが、よほど大きな振れがない限り、米債市場の反応は限られそうだ。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米1~3月期は「ゼロ成長」も GDPナウ予測、消費も生産も低調

米アトランタ連銀がリアルタイムに米経済成長を予測することを目的として独自に公表している「GDPナウ」によると、1日時点での2019年1~3月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率で「0.3%増」となった。2月28日に米商務省が公表した18年10~12月期GDP(速報値)は伸び悩んだとはいっても2.6%増だったことから、GDPナウは急激な景気鈍化を示唆する数字だ。 米サプライマネジメント協会(ISM)が1日に発表した製造業景況感指数も54.2と市場予想(56.0)を下回り、16年11月以来2年3カ月ぶりの低水準となった。製造業の鈍化だけでなく、1日にミシガン大学が発表した消費者態度指数(確報値)も93.8と市場予想(95.8)に届かなかった。予想を下回る米経済指標にもかかわらず、米10年債利回りは2.75%台へと上昇。米中貿易交渉の進展期待を背景としたリスクオンの流れとなっている。景気鈍化懸念とリスクオンとの綱引きで、米金利の居所は不安定だ。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米指標が上振れ 緩和的姿勢でインフレ期待じわり上昇

2月28日発表の10~12月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率2.6%増と、7~9月期の3.4%増から減速した。ただ、市場予想(2.5% QUICK FactSet Workstation)を上回ったため、米債券市場では売りが優勢となり、10年債利回りは発表前の2.66%から2.69%台に上昇した。その後発表された2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も予想を上回ったことで2.7%台に上昇。2月5以来およそ3週間ぶりに2.72%台に乗せる場面もあった。 米連邦準備理事会(FRB)が緩和的な姿勢を示しているため、短期金利はほぼ横ばい。10年債と2年債の金利差は20.8%と18年12月28日以来2カ月ぶりの高水準に拡大した。 米原油先物相場は3日続伸し、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は2018年12月下旬に付けた安値から3割を超す上昇となっている。米BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率、債券市場が織り込む期待インフレ率)は1.95%と2018年12月上旬以来およそ3カ月ぶりの水準まで上昇している。FRBの緩和的な姿勢は景気の再加速を促すとともに、インフレ期待を高める効果があるため、BEIの下がりにくい状況が続きそうだ。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

強気シナリオで日経平均2万8500円 2019年をエクコメ・デリコメ執筆陣が斬る

QUICKのエクイティコメント、デリバティブズコメントチームは、このほど年末セミナー「どうなる2019年相場」を開催した。エクコメ・デリコメのライターによるパネルディスカッションでは19年のテーマに関して活発な議論が繰り広げられた。エクコメライター上田誠は講演で「政策期待で強気継続」と持論を展開した。 最重要テーマ&材料 何に注目? ■「新テーマ探し」 山口正仁(エクコメ) 20年、30年前にあれっ?と思ったことが実現している。自動車の自動運転、インバウンド消費による疑似輸出などが大きくなっている。人手不足でファクトリー・オートメーション(FA)や外国人労働者などがテーマになっている。今後はフィンテックの次の「決済」が化けるのではないか。多く使われるし、儲かる分野だ。 ■「米景気」 松下隆介(エクコメ) 米国の消費者信頼感指数がピークアウトしていたり、米国の利上げが進む中、米企業のマージン・スクウィーズが起こって利益を圧迫したりする。米株のモメンタムは鈍化していく。マイナス要因がある一方、プラス要因もたくさんある。例えばインフレギャップはそれほど拡大していない。銀行の貸出姿勢もなお緩和的だ。米経済はまだらもようというのが率直な印象で、注意深く見ていかないと行けない。私はみんな強気の時は下を見ています。逆張りです。 ■「トランプ大統領、アップル」 片平正二(デリコメ) この2年間でトランプさんの予測不可能なことがはっきりしている。民主的なプロセスを踏まずに政策を決定しており、相変わらず、夜はFOXニュースを見ながらツイッターをやっているようで不安定な状況は続く。アップルについては弱気のレポートが出ている通りで、iPhone売上高は2017年に過去最高だったが、販売台数ベースではiPhone7が出た2016年がピークだった。結局、サプライヤーが同じなため、アップルから革新的なものは出ないので成長鈍化が警戒される。テスラを買収するくらいのサプライズが欲しい。最近は華為技術(ファーウェイ・テクノロジー)が話題だ。米国としては創業者の会長さんが共産党員である会社にああいうことをした以上、本気なのだろう。トランプさんが2020年の大統領選に臨む以上、最も重要なのは北朝鮮。在任中に北朝鮮に核ミサイルでの攻撃を許した大統領とトランプさんが歴史に汚点を残さないためには、米朝交渉が重要だ。その関連で、中国には貿易で圧力をかけ続けるとみられる。 ■「海外勢の先物買い、日銀のETF買い」 中山桂一(デリコメ) 需給の話です。今年、海外勢は日本株を現物で4兆5000億円以上売っている。先物で6兆5000億円、合わせて11兆円以上売っている。先物でこれだけ売っているのは過去あまり例がない。取材をしていると、楽観的な方は先物はキッカケがあれば買い戻すだろうとおっしゃる。特に海外勢の先物売りが秋口から多く出ており、短期の売り、リスク・パリティの売りなども巻き戻された時には勢いが出るのではないか。あと日銀のETF買いだが、きょうはTOPIXの前引けの下落率が0.03%で買っていた。6兆円というメドがある中で、日銀が柔軟な姿勢を示している。日銀という確実な買い手が存在することは相場の支えになるのではないか。日銀のオペレーションが変わる可能性は、この1カ月間で見えている。TOPIXの下落率の大きさに関わらず、変わってくる可能性はあるだろう。前場のTOPIXがプラスで終えても買ってくるケースも、お忘れでしょうが過去にあった。海外の下げなどを踏まえて動くこともあるだろう。ただ6兆円のメドを5000億円とか、大きく逸脱することはないのではないか。 ■「米金利、日銀政策修正」 池谷信久(デリコメ) ベタなテーマを前に、今週、話題になった米国の長短金利差の逆転「逆イールド」について見解を述べたい。過去の経験則として、確かに米国では景気後退が起きていた。なんで逆イールドだと景気が後退するのか? これは米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を引き締めすぎたことが原因、景気が悪くなるほど引き締めたということ。それではなぜ、景気が悪くなるほど引き締めなければならないか? それは物価のため。物価が上昇している中では、FRBは利上げをやめるわけにはいかない。だから結果的に景気は後退した。それでは今はどうなっているか。いまの米国のCPI、PCEデフレーターといったFRBが見ている物価指標は約2%。インフレ目標としている2%に近く、ちょうどいいところ。ムリにFRBが引き締める必要性は全くない。株式市場も不安定で不透明感が出ている中、FRBとしては姿勢を変えてくるだろう。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でこれまでのタカ派スタンスをハト派的に変えてくる、たぶんやってくるだろう。そうなると政策金利の上昇を織り込んで上昇していた2年債利回りは低下し、イールドカーブは順イールドに戻ると思われる。そもそも逆イールドが進んだ大きな理由は、WTI原油価格の下落だ。10月に原油が急落して、それに合わせて長期金利が低下した。また11月16日にクラリダFRB副議長が「政策金利は中立金利に近づきつつある」と話して、28日にはパウエル議長が「政策金利は中立金利をわずかに下回る」と述べた。何を言いたいかというと、中立金利というのは景気に対して良くも悪くもない、金融の引き締め・緩和効果もない水準ということ。そこに近づいてますよと言うことは、そこを超えることはないと述べたわけで、これは明らかにハト派姿勢に変わった事を意味している。最近の金利低下、原油安の中、金利のマーケットから見ているとなぜ株が売られるのか不思議だ。 ■「クレジットリスクの顕在化、銀行再編」 丹下智博【デリコメ) 2019年のテーマにしてあるが、実はもう始まっている。米自動車大手ゼネラル・モーターズは2008年のリーマン・ショックの時に一度経営破綻したが、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で200bpsに近づいた時にもう一度破綻するのではないかと大騒ぎになった。株価も大幅安になった。最近ではドイツ銀行が話題になっている。以前から経営不安が取りざたされていたが、こちらもCDSが200bpsを超えてきており、株価も大きく下げている。ただCDSで200bpsというのは年間2%の保証料率で、倒産確率としてはかなり低いほう。リーマン・ショック時には2000~3000bpsを記録したし、ソブリン危機の時にギリシャは7800bpsまで急騰した。200bpsという絶対水準は小さいと言え、投資適格債からジャンク債に格下げされるリスクがマーケットには非常にインパクトをもたらす。株式市場は倒産を心配するかも知れないが、債券市場では格下げを心配している。ドイツ銀で何か起きた場合の金融システムへの影響、マーケット・インパクトとしては、以前から経営不安が噂されており、取引先も厳選されている状態とみられるため、さほどマーケットへの影響は出ないだろう。それより、ドイツ銀が厳しい状況にあるのは、グローバルに金利が低く、銀行の収益が上がりづらい状況にあるという問題が根底にある。ドイツ銀行に限らず、日本の銀行もそうだ。貸し出し先についても、GMのように大丈夫と思っていたとこらが危なくなるショックの方が大きいと思う。 ■「底上げされるボラティリティ」 岩切清司(デリコメ) 米VIXや日経平均VIのチャートを見ての通り、ボラの水準が底上げされている。高水準にある面積が大きくなっている。株式のボラティリティが上昇する、すなわち、株式がリスク性の高い資産であるということがポートフォリオ管理上のファクターとなってくる。例えばVIXが10%を割っていた時の株式のリスク量と、今のリスク量は全然異なる。同じ100億円を持っていても、持てる株式の量は今の方が少ない。ボラがゆっくり上がって底上げされてくると、株式に投資できるお金の量が減ってくることになる。VIXが瞬間的に20を超えたからという議論はどうでもよく、趨勢的にボラティリティがどうなっていくのかというのが来年、再来年の相場を見る上で重要になっていくのではないか。 ずばり相場の見通しは? 2019年の日経平均株価の予想レンジについては、2万8500円で最も高い水準を示した中山が「日経平均の1株当たり利益が現在1780円。QUICKで出している2期予想で来年の企業業績を4.5%増と見込んでいた。EPSで5%増益、PERで最大15倍を想定すれば、最大の強気シナリオで2万8400円くらいになる」と指摘。ただ「QUICKの2期予想で増益幅が若干低下しているので、企業業績は若干切り下がる可能性がある」とも述べ、企業業績の伸び悩みを警戒していた。 10年債利回りの予想レンジでゼロ%と最も強気な見通しを示した丹下は「債券市場はみんなが行ったら困る方向に進む、ペイン・トレードになるとみている。10年債利回りがマイナスになった場合、株式市場がどうなっているのか考えると恐ろしいのでレンジとしてはプラスにした」と述べた。 ※QUICKエクイティコメントとQUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。エクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。デリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米雇用市場に変調の兆し 失業保険申請じわり増加

11月の米雇用統計は堅調な内容だったが、前向きなデータばかりではない。JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏が最近、気にかけているのが週間の米新規失業保険申請件数だ。しばしば景気サイクルの変化の予兆として受け止められる。 申請件数は足元で23万件で推移している。9月には20万件台にまで低下していたが、その後は増加に転じた。4週間の平均も明確に増加しており「最近の上昇傾向は注目に値する」(シルバー氏)。 背景にはハリケーンや大規模な山火事、原油価格の大幅な下落などがあると考えられるという。「申請件数の増加は景気後退の局面入りが迫っていると示唆しているわけではないが、データとして無視はできない」(シルバー氏)。今後も増加基調を維持するのか。申請件数が1つの注目指標になりそうだ。(岩切清司)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

ダウ800㌦安の引き金引いた1枚のチャート 逆イールドは後退の前兆

4日の米市場でダウ工業株30種平均は大幅反落した。下げ幅は799㌦に達し終値は2万5027㌦07セントとなった。この日の米株売りの引き金を引いた1つのチャートがある。米3年物および2年物と、5年物国債利回りとの逆転現象だ。 ■期間が長めの国債利回りが短めの国債の利回りを下回る「逆イールド」現象(QUICK FactSet Workstationより) 今年は2月と10月に米金利上昇によりボラティリティが急騰した場面があった。当時も株安となったが、今回は様相が違う。金利は低下しながらも「逆イールド」の発生が引き金になった。米金利がグローバルマーケットの大きな変動要因であることを改めて示した1日となった。 そもそも金利低下局面における逆イールドは「景気後退の前兆」と言われている。ただ、因果関係としては、「長短金利差が逆転するから景気が後退する」訳ではなく、「景気に悪影響を及ぼすほど、中央銀行が金融引き締めを行う」から金利差が逆転する点には注意が必要だ。 新債券王の異名をとるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は4日に米メディアに対して、米債券市場で逆イールドが進んでいることについて「経済が弱体化することを示すシグナルだと思う」と述べた。イールドカーブが全体的にフラット化していることについては「米連邦準備理事会(FRB)の利上げを自制させることを示している」とも指摘した。 CMEグループの「Fedウォッチツール」によれば、この日の2019年の利上げ織り込み度は大きく変化しなかったが、米債市場で逆イールドが進んだことを警戒する声が強まっている。ただ、直近ではパウエルFRB議長が11月28日の講演で、政策金利は「中立水準をわずかに下回る」との認識を示した。政策金利が景気をふかしも冷やしもしない中立金利を超える利上げを行わない限り、景気への影響は限定的だろう。 18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)における金利見通し(ドットチャート)が、従来の「中立超え」から切り下がるか注目される。(池谷信久、片平正二、岩切清司)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米長短金利差いよいよ15bp、11年5ヵ月ぶり低水準

3日の米国市場で10年物国債の利回りは2.972%と前週末比0.02ポイント低下した。目立ったのは取引終了にかけての金利低下だ。「プログラム取引が入っているとみられ、引けにかけてのショート・ポジションを手仕舞う動きが金利低下を加速させているようだ」(ストラテジスト)と指摘された。この結果、米10年金利と2年金利(2.819%、0.037%上昇)のスプレッドは15bpと、2007年7月以来、11年5カ月ぶりの水準まで縮小した。 ちなみに、3日のCMEフェドウォッチツールによると、2019年12月のFOMCまでの利上げ確率で最も大きいのは2回の38.7%。1回が25.9%、0回が3.8%で、2回以下の合計は67.5%となっている。2018年12月の利上げはほぼコンセンサスであり、2019年は1回しか利上げがない可能性が7割近くまで高まっている。(池谷信久、丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米の利上げ打ち止め意外に早い? 「19年1回」説が台頭、FOMC内はハト優位の見方

米国でにわかに早期の利上げ停止観測が浮上している。米連邦準備理事会(FRB)高官が利上げサイクルを終える可能性に触れたとの21日の一部報道がきっかけだ。市場では今後のFRBの政策運営について、2019年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権をもつ委員の顔ぶれに注目度が高まってきた。 米金利引き上げは米国内だけの問題にとどまらない。大和総研の小林俊介エコノミストは、米長期金利の上昇やそれがもたらすドル高で新興国のリスク資産への投資が細り、世界経済に打撃を与えかねない点を強調し「株式や国際商品市場が危うさを見せる中で来年の利上げはせいぜい2回までではないか」と話す。 ■FOMCメンバーの政策金利見通し(ドットチャート、9月時点) FRBが9月のFOMCで示した利上げ見通しの中心は、一回当たりの引き上げ幅を0.25%とすると3回。だが実際の会合では、その時点で投票権を持つメンバーの考え方に左右される。12月の追加利上げが既定路線としても、構成が変わる来年以降とは分けて考えなければならない。 FOMCでは常に副議長を務めるニューヨーク連銀総裁を除き、投票権を持つ地区連銀総裁の顔ぶれは毎年変わる。19年はどうか。新たに投票権を有するのはシカゴとボストン、セントルイス、カンザスシティーの各連銀総裁。このうちシカゴ連銀のエバンス総裁とセントルイス連銀のブラード総裁はさらなる金融引き締めには慎重な「ハト派」との評価が今のところ多い。 FRBのクラリダ副議長が先週末にハト派的な発言をした影響もあり、市場では「来年はFRB内部のパワーバランスが利上げペース鈍化に傾く」との見方が増えている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが金利先物から算出する米国の利上げ予想「フェドウオッチ」でも、1カ月前に最も高かった「19年2回」の確率が低下し、22日時点で「19年1回」がトップとなっている。 野村証券の宍戸知暁シニアエコノミストは「重要なのはパウエルFRB議長がどう考えるかだ」と指摘。「18年はイエレン前FRB議長の敷いたレールに乗るだけでよかったが、19年は独自の判断が必要になるだろう」と予想する。 パウエル氏は10月5日、「(中立金利まで)道のりは長い」と述べ、その後1カ月あまり続いた株価の調整局面を招いた。年末にかけて何らかの軌道修正をするのかが焦点になりそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 金岡弘記】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

米、12月の利上げ確率75%に 長期金利3.2%台、構造的な需給悪化も

6日に投開票が行われた米中間選挙は、上院で共和党、下院で民主党が過半数を取る「ねじれ状態」となった。米10年債利回りは3.25%に迫る場面もあったが、その後は3.2%台前半を中心に推移。CMEグループが提供するFedウォッチツールで12月のFOMCでの利上げ確率は75.0%となり、前日(71.7%)から上昇した。 米長期金利が高止まりしている背景の一つとして、債券需給の悪化が考えられる。 2017年秋以降、FRBによる保有国債の圧縮(左グラフ、青網掛け)に合わせる形で米長期金利(同、チャート赤)は上昇している。トランプ政権は財政拡張的な政策を行っており財政赤字は拡大しているが、米国債を保有する海外投資家で最大の中国(右グラフ、チャート緑)、2位の日本(同、チャート青)とも、投資額を減らしている。需給面から金利上昇圧力がかかりやすい状況は続きそうだ。(池谷信久)    ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

結果は想定内、気になるのは「トランプの次の想定外」 市場が見た審判の日

世界が注目する「トランプ審判」の結果を最初に織り込むことになった7日の東京株式市場は、荒れ気味の展開で一日を終えた。選挙情勢の報道をにらんで売り買いが交錯。日経平均株価は一時300円近く上昇する場面もあったが、結局は61円安で取引を終えた。市場関係者は「審判後」の米国をどう見通そうとしたのか。QUICKデリバティブズコメント、エクイティコメントチームが取材した。   9:00 日経平均株価が前日比41円高の2万2189円で寄付き   9:03 議会下院選挙で民主党が7議席を獲得するもようだと、CNNが報じる。米中間選挙の開票は民主党の支持が優勢な東海岸の州から始まるため、序盤は民主党が有利な展開が見込まれる。共和党が強い中西部は時差の関係で日本時間昼にかけて開票が伝わる見込み。   9:46 日経平均が一時、下落に転じる   9:52 「ちょっと油断すると、先物で売り仕掛けられますね。中間選挙の結果は予測不可能ですのであたふたしても仕方ないですが、米大統領選挙の時もそうでしたけど、東京市場が一番最初に米選挙結果を織り込まなければならない宿命にありますので荒い展開はやむを得ません。下院が民主党でも良いんじゃないですか? トランプさんのタカ派路線が行き過ぎても困るので、ちょっとブレーキ役があった方が良いかも」(国内証券)   10:13 「米中間選挙はコンセンサス通り上院共和・下院民主で、市場インパクトは小さいというシナリオで考えている。ただ、米大統領選やブレグジットの時は市場予想外の結果になった。特に大統領選の時は、アジア時間でリスクオフだったものが、米国市場でリスクオンになって帰っており、今回も予断は許さない。どちらかが両院を取るリスクシナリオに備え、やや慎重にポジションメイクしています」(投資顧問)   10:22 「中間選挙はまだ開票作業中ですが、上院・共和、下院・共和となって財政拡張懸念から米10年債利回りが3.3%とかに上昇したら、株高の効果が徐々に抑えられそうですね。共和党が大勝したら初動は株高でしょうけど、対中姿勢も強まりそうですし、市場予想通りの微妙なねじれが良いかもしれません。ただ、上院・民主、下院・民主のシナリオは描いていません」(国内証券)   10:26 「接戦で、共和党が惜敗になりそうだね」(外資系)   日経先物は再び2万2300円台に上昇し、GLOBEXの時間外取引で米株先物は一段高。米中間選挙で議会上院で民主党候補の優勢が伝わる中、ねじれ状態どこらか上院・民主、下院・民主の恐れが出ているにも関わらず、ドル高・株高の展開に。   10:30 米10年金利は朝方の3.23%レベルから一時3.20%まで低下し、その後はジリジリと3.24%まで上昇。ドル円も113円台で売り買い交錯。   10:39 「一喜一憂というよりもただ単に慌ただしい相場。日計り空中戦だから近寄らない方が得策じゃないか。上院は共和党が過半数、下院が民主党が過半数の「ねじれ」は予想されているが、下院での共和と民主の議席数の差が焦点になるかもしれない。いずれにせよ、一歩引いて市場全体が冷静になるまで待った方が良いのでは」(国内証券)   10:42 「2年前の米大統領選を振りかえって、マーケット的には、事前予想とは逆の結果に備えるという動きが強いのかもしれない。株高・債券売り(金利上昇)の動きが活発なように思われる。実際の開票結果では、共和党は勝つべきところで勝っているという感じで、特に優勢という印象ではないのだが、”ブルー・ハウス”(下院は民主)”というよりも”レッド・リピート”(両院とも共和党)というシナリオに前のめりとなっているように感じられる」(ストラテジスト)   11:08 「日経平均、TOPIXともに荒い展開だが、マザーズ指数が2%を超える上昇となり堅調だ。マザーズ市場に限った信用評価損益率は足下でマイナス21%程度と一時に比べて落ち着きがみられる。現状は追い証の売り圧力が止まったところ。足下のマザーズ指数の上昇は小型株ファンドの設定再開の影響もあるのではないか。少なくともマザーズは最悪期を脱したとみても良いだろう。中間選挙の結果はまだ見極める必要があるが、仮に上院下院ともに共和が過半数の議席を獲得した場合に米長期金利がどの程度まで上昇するのかが気がかりだ」(ネット証券)   日経先物は200円高の2万2400円まで上昇し、上げ幅を拡大。米中間選挙の上院で民主党の優勢が伝わる中、一段高。 日経平均VI(145)は25を割り込み、6%超の大幅安でボラが低下。   11:12 日経先物は230円高の2万2430円まで上昇し、上げ幅を拡大。米中間選挙の上院で民主党候補がウエストバージニア州で勝利するとCNNが報じた後、上げ幅を広げている。まだ共和党の上院候補は勝利見込みと報じられていないが、株式市場で共和党の苦戦を警戒する様子はみられない。   11:30 前引け。日経平均は272円高の2万2420円。   11:58 日経先物は2万2300円まで伸び悩み。米保守系ニュースチャンネルのFOXニュースは6日夜、米中間選挙に関して「民主党が8年ぶりに下院の過半数を奪還する見通しだ」と報道。下院で民主党が優勢なのは想定内とみられたが、やや売りが優勢に。   12:24 「きょうはうちもオーダーがスカスカだよ。皆さん冷静な感じであまり動いていない」(外資系証券トレーダー)   12:30 日経平均の後場寄りは2万2336円。   12:32 債券先物が強含み。米金利低下、現物債も買い戻される   12:35 「上院は共和党が過半数で決まりそうだけど、下院は最後までもつれるかな? アラスカ・ハワイの3票が効いたりして」(市場筋)   12:39 「後場弱いのはセル・ザ・ファクトというより、上院で共和党が勝利ですからMAGA(Make America Great Again)継続を警戒したんでしょう。Keep America Grate Forever」(外資系)   12:48 「上院共・下院共、上院民・下院民というリスクシナリオでは無かったから、ひとまず株が強くて良いんじゃないですか。13時に開票が始まるカリフォルニア州で民主党の議席が伸びるようだと、短期的に売られる場面があるかもね」(国内証券)   12:54 「上院は共和党が過半数を制して、下院は民主優勢という報道なので今のところ(市場コンセンサスになっていた)想定内のねじれ。あとは下院での議席数の差がどれほどになるか。共和党が大負けだとさ短期的には売り圧力が強まりそう」(投資顧問)   12:55 「米中間選挙は、どうやらコンセンサス通りの結果に終わりそうだ。ただ、大統領選の時のように、マザーマーケットである米国市場の動きをみるまでは安心できない。(米国からみて)海の向こうの者が何を言っても意味はない。日本の投資家は中間選挙前にポジションを動かした、ということはなかったと思われる。その前に株の調整があったので、そこでポジションは軽くなっているはずだ。株は、今夜の米国市場の動きをみてから、徐々に株を積み増すイメージではないだろうか」(アロケーター)   13:03 「CNNも下院・共和の確実を報じ、事前予想通り下院・民主、上院・共和が固まった。ねじれとなったことでトランプの政策が滞る可能性が高まり、株価一段高とのシナリオは描けないだろう。現状維持のまま米金利は横ばいで推移することになりそうだ」(ストラテジスト)   13:10 日経平均VI(145)が24を割り込み10%超の大幅安。10月24日以来の低水準を付けた格好で、米中間選挙の結果が伝わり重要イベントを通過する中でボラティリティの上昇が一服。オプション市場ではプットが売られる一方、コールはアット・ザ・マネー(ATM)より上の行使価格が売られ、ほぼセルボラのような展開に。   13:14 「12時前にFOXニュースが下院の民主党過半数を報じたことで、米債買いに走り始めた市場参加者があったようだ。しかし、実際の開票は全然少なくて半信半疑から売買が交錯したようだ。上下に振れたことで、短期的な売買で損失を被った向きもあったようだ。足元では米金利低下の流れが強まっているように見えるものの、戻り売りで臨みたいといっている国内参加者も多い」(ディーラー)   13:23 「上下両院とも共和党のポジティブサプライズを期待して短期的に株高・金利高を見込んだかのような6日の米国市場でしたが、想定通りの上院・共和、下院・民主となったことで目先はファンダメンタルズに関心を戻す相場になるのでは? 時間外で米株先物が少し伸び悩んでますけど、基本的には株高継続、金利上昇のインパクトにどれだけ耐えられるかが重要とみてます。政治的には民主党が下院を制したことで、選挙戦直前にトランプさんが掲げた中間層向けの減税が実現する見込みは低いと思われますが、大統領弾劾も実現する可能性は低いとみられます。民主党もこれから実績を示す必要があるでしょうし、財政政策で共和党と妥協するでしょう。下院民主党が反トランプ路線だけで動くことはないと思います」(エコノミスト)   「中間選挙はほぼ予想通りで相場へのインパクトは少ないとみています。市場の一部では上院、下院ともに共和党が過半数の議席を獲得するという期待が高まっていた。そうした投資家が失望して株や株価指数先物に売りを出して短期的には相場が下振れする可能性がある。一方で、共和党が下院で勢力を伸ばしたのでトランプ大統領の強硬な政策実現が難しくなる。中国に対する圧力はやや和らぐのではないか」(国内証券ストラテジスト)   14:08 「当地の時間で夜10時半には上院が共和党、下院が民主党が過半数を占める事が確定しました。事前の予想通りの結果と言えます。民主党は久々に下院を奪還する事になり間違いなくトランプ行政への監視が厳しくなります。早速トランプ大統領の過去の税務申告書の提出を要求するそうです。ロシア疑惑の調査も当然ながら追求が厳しくなるでしょう。下院を制した民主党は召喚権限を持ちますからトランプ大統領が嫌な証人の召喚とかがあるでしょうね」 「11時20分現在で民主党が23議席を下院で伸ばすようですが今後これがまだ伸びる可能性があります。知事選の結果もまだ出てませんがこちらもどこまで民主党が知事数を増やすかも注目ですね」(総合商社駐米)   14:56 日経平均が2万1996円と取引時間中の安値に。   15:00 大引け。日経平均の終値は61円安の2万2085円。     ※QUICKデリバティブズコメント、エクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物・現物株を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。

円売りポジションの巻き戻し、米債の売り建玉に同調

円の売りポジションが徐々に縮小している。米商品先物取引委員会(CFTC)が26日発表した23日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で投機筋(非商業部門)による円の売越幅は2週続けて縮小し、前週比7817枚少ない9万2804枚だった。9月下旬以来、約1カ月ぶりの低水準。     ここにきて似た動きとなっているのが米長期債のポジション。CFTCによると米10年物国債の投機筋の売り越しは4週連続で減少した。米債市場ではショートカバーが続いており、26日には10年債利回りが一時3.05%と、米長期金利が急上昇し始める前の10月初め以来の低水準を付けた。しばらく円の対ドル相場は米長期金利の水準とポジションに左右される局面が続きそうだ。(岩切清司、池谷信久)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

米長期金利、引け前の急上昇 仕掛人はリスク・パリティ・ファンド

17日の米債券市場では長期債が売られ、10年物国債利回りは9日以来となる3.2%台に乗せた。16日に続き、17日も取引終了にかけて米長期金利は急上昇し、「リスクパリティ・ファンドによるボラティリティ調整のための売りが指摘されている」(ストラテジスト)という。 10日に米長期金利が上昇した際は株式市場が嫌気し、ダウ工業株30種平均が800ドル超の大幅下落となり、11日にも500ドル超の大幅な下げを記録した。今回も米株式市場の動向が気になるところだ。(丹下智博 、池谷信久)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米金利上昇で注目のイールドスプレッド 日本は?

米長期金利の上昇が続く中、運用利回りでみて株式と債券のどちらが割安かを比べる指標である「イールドスプレッド」に注目が集まっている。イールドスプレッドでみると、米国では株式の割高感が少しずつ強まっており、株式から債券へのシフトが足元の米国株式相場の下押し要因になったとの見方も出ている。 日本はどうだろうか。 10年物国債利回りから、TOPIXの12カ月先予想PER(QUICK Factset Workstation)を使って計算した益利回りを差し引いたイールドスプレッド推移が上のグラフ(赤、左軸、単位%)だ。マイナス幅が大きくなるほど、株式の割安感が強まる(債券が割高になる)ことを示している。足元ではマイナス7%ほどで推移している。 イールドスプレッドとTOPIXは逆に動きやすい。長期金利が変わらなければPER低下=益回り上昇=イールドスプレッドのマイナス幅拡大=株価が割安さが増して、株は買われやすくなる。PERが上昇すればマイナス幅が縮小し、株売りにつながる。 一方で、長期金利が上昇してもイールドスプレッドは縮小するため、やはり株安の材料になる。足元ではいったん落ち着いているものの、米金利上昇などを背景に、日本の長期金利もじわじわと上昇している。この流れが加速すると、株式相場への影響が大きくなる可能性もある。 金融環境が大きく異なるため単純比較はできないが、米国はおおむねマイナス3%(長期金利は約3.1%、市場平均のPER約17倍で株式益回りは約5.9%)となっている。(丹下智博)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米金利上昇、景況感と消費の「2段ロケット」 原油高でエンジン燃焼パワーアップ

3日の米債券市場では10年物国債利回りが7年ぶり水準まで上昇した。一時は3.186%を付け、前日より0.12%高い3.18%で終えた。時間外取引では3.2%台をつける場面もあった。   金利を押し上げた「エンジン」は主に2つだ。まずはサプライマネジメント協会(ISM)が公表した9月の非製造業景況感指数。前月から3.1ポイント上昇して61.6となり、市場予想(58.2)を上回って過去最高水準を更新した。非製造業は主にサービス業を指す。個人消費に直結しやすいだけでなく米国内総生産(GDP)の大半を占める分野だ。また、3日発表の9月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)の全米雇用リポートで民間部門の就業者数が23万人増となり、市場予想(18万4000人増)を上回る強い数字となった。拡大を続ける米労働市場が賃上げ圧力として働き、活発な個人消費を促す好循環を表している。   これに年末商戦への期待感が加わる。同日に全米小売業協会(NRF)が発表した今年の年末商戦(11~12月の2カ月)の売上高予想は前年比4.3~4.8%増。直近5年の平均増収率は3.9%だといい、これを上回るペースで年末商戦の拡大が見込まれる。NRFは「順調な景気拡大と強い消費者信頼感が今年も消費を底上げする」としたうえで「貿易摩擦問題があるものの、年末にかけ活発な経済活動が継続すると楽観視している」と指摘した。 ★過去の年末商戦と2018年の予測 全米小売業協会のホームページより https://nrf.com/media/press-releases/nrf-forecasts-holiday-sales-will-increase-during-2018-season   そして原油高。金利上昇の「2段ロケット」のエンジン燃焼に文字通り油を注ぎ、推進力をアップさせた。 WTI原油先物は中心限月11月限の清算値は1.56%高の76.41ドルで、約4年ぶりの高値水準を回復した。米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計で原油在庫が800万バレル増となり、2017年3月以来の大幅な増加を記録したが、イラン制裁に伴う供給不足懸念が根強く、買いが活発化したという。   原油高・債券安の流れを受け、9月以降は米10年債利回りとWTI原油先物は強い相関関係がある。市場が原油高に伴う名目金利の上昇、インフレを織り込むかのような展開だ。(岩切清司、片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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