いざ本石砲 年6兆なら残り2兆円強=あと60営業日で31回=2日に1回……だが

QUICKコメントチーム=片平正二  8日の株式市場で東証株価指数(TOPIX)は上昇したが、相場はいまだ方向感に欠ける展開。そうした中でサポート要因として期待されるのが本石砲(日銀のETF買い)だ。 日銀は今年に入り、前引け時点のTOPIXの下落率が0.4%未満の日にはETF買いを見送っていたが、4日に前場のTOPIXが前日比0.27%安で終えた際に本石砲を発射していた。7日は前引け時点のTOPIXの下落率が0.19%安で本石砲を見送っており、年6兆円ペースの目標から8436億円(本石砲11回分)も買い入れが少ないことから積極的な買い入れが期待されそうだ。 日銀は2018年には年末にかけて積極的なETFの買い入れを行っており、昨年10月は12回、11月は7回、12月は11回のETF買いを行った。営業日に対する割合はそれぞれ54.5%、33.3%、57.9%だった。 今年は年間で243営業日あり、毎営業日12億円を買っている設備投資関連のETFの2916億円の分を除けば、年6兆円ペースを達成するには5兆7084億円のETF買いを行う必要がある。あと60営業日で、目標達成に残り必要額は2兆1840億円。1回あたり700億円強なら本石砲を31回発射する必要があり、営業日に対する割合は51.6%となる。つまり、年6兆円ペースを達成するためには今後、営業日ベースで5割以上の買入に踏み切る必要があることになる。市場でETFのステルステーパリング懸念を高めないためにも積極的な買い入れが期待されそうだ。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

AIが企業の「質」も評価する 融資業務のミライ、元日銀幹部が占う

日経QUICKニュース(NQN)=編集委員 今晶 場数を踏んだ人でなければ融資の本質は分からない。銀行業界などでそう語り継がれてきた貸出業務にも、人工知能(AI)の波は及んでいる。例えば、クラウド会計ソフトのマネーフォワードの子会社、マネーフォワードファイン(東京・港)は、会計データなどとAI予測を絡めたオンライン融資審査モデルの検討・開発を進めてきた。 家田明(いえだ・あきら)氏  1988年、東京大学大学院理学系研究科修士課程を修了し日本銀行に入行。考査局と京都支店、営業局、金融研究所、金融機構局などを経て2011~13年に鹿児島支店長を務めた。16年に金融機構局金融高度化センター長に就任。18年9月にマネーフォワードに移り、現在に至る 現在、マネーフォワードファインの社長を務めるのは元日銀金融機構局金融高度化センター長の家田明氏だ。日銀マンとして、在任中は金融技術やリスク管理手法の高度化を経験し、金融機関の取り組みを支援してきた。家田氏にAIオンライン融資の将来性や金融市場への応用の可能性について聞いた。 「教師データ」増加でモデルの精度向上 ――AIオンライン融資審査モデルの仕組みを教えてください。 「マネーフォワードの会計ソフトである『マネーフォワード クラウド会計』で蓄積した審査先企業の財務諸表や入出金情報などのデータをAIを組み込んだモデルなどで分析し、融資が可能かどうか審査して結果を返す。いまはまだ開発段階だが、融資実績を積むことでモデルの開発に活用する『教師データ』も増加し、モデルの精度を高められる」 「オンライン融資サービス『マネーフォワード ビズアクセル』(ビズアクセル)での審査業務にこのモデルを利用する。中小企業や個人事業主など、金融機関の旧来型の審査では融資が難しい事業者を融資先として想定している。オンライン融資なので審査期間は短縮が可能だ。(設立して間がなく、将来が未知数な)スタートアップ企業などの資金調達のハードルを下げられる」 「審査対象企業のウェブサイトや、経営者が発信している(ツイッターなどの)SNSの情報、企業の評判なども集めて審査に生かす。財務諸表などからは読み取れない企業の『質』についての定性的な評価が得られるメリットがあると自負している」 「オンライン融資審査モデルを構築するにあたっては『マクロ計量経済学』や『計量ファイナンス』の専門家である渡部敏明一橋大教授に統計手法の指導を受けている。ビズアクセルや融資審査モデルは全て自社開発だ」 それでも人の目は最後まで残る ――最終的にはモデルが全て判断を下すようになりますか。 「いや、モデルの目と人の目の『ハイブリッド審査』を目指す。どちらの目も間違うことはあるが、2つを掛け合わせて間違った判断をする比率を下げられると考えている」 「現在は主に(モデルの審査結果を参考にしながら)金融機関での融資業務の経験を有する人が融資の可否判断をしているが、徐々にモデル判断比率を高める予定だ。ただ最後まで人の目は残す。モデルでも検知できない何らかの要素が生じ得るからだ」 ――AIによる信用評価を受けた融資から生まれた貸出債権を証券化するときはどうなるでしょう。金融商品としての安全性が高まるなどの効果は出ますか。 「一般論だが、そのような効果はあると思う。金融市場の過去の歴史を見れば、リーマン・ショックの原因となったサブプライムローン問題のように、誤った信用評価に基づいた融資がもたらした危機が存在する。AIは過去のデータに基づいて判断をするので、不適切な融資とその結果である金融危機のデータを使えば評価の精度は高まるはずだ。その貸出債権を証券化しても安全性が高まった金融商品になると推測できるだろう。結果としてさらなる金融危機を防ぐ効果が出てくるのではないか」 「逆に、AIは現時点では新しい問題への対応力が弱い。人間の想像力やリスクへの感度がどうしても必要だ。サブプライムローンの問題が表面化する以前にも、住宅ローン市場の異変を察知していた人はいた。ただ、リーマン・ショックを題材にした2015年公開の映画『マネー・ショート』で描かれた通り、そうした能力をもつ人は少数派なのだが」 金融市場のビッグデータ解析で強みを発揮 ――融資審査にとどまらず、マーケットの現場でAIを活用するのに有望な分野にはどのようなものがありますか。 「AI活用の方法は色々ありそうだ。プライシング(値付け)やリスク計量、マーケット分析などに適していると思う。AIとテキストデータを活用した数量分析の分野では将来性が高い」 「例えば1つの情報が流れたときに、マーケットがどういう方向に動いていくのか。データの種類と、価格変動のパターンをAIに学習させると、政府要人の発言でマーケットがどう動くかといった傾向が分かる。ビッグデータを分析するツールとしてのAIのパワーはとても大きい。巨大なデータだと人の目で処理しトレンド(基調)を導き出すのは難しく、AIに頼るのが基本だ」 ――金融市場における数理分析の重要性が高まっています。 「自分は大学院時代、物性物理学が専門だった。だが、研究で培った数理分析などの強みが活かせると考え日銀に入った。実際、日銀時代は社債のプライシングやリスク計量の研究などに生きた。今は民間銀行でも数学に強みを持つ多くの人材が活躍している。メガバンクでも、大学院で数学などを専攻していた経歴を持つ役員が増えている」 参考記事 AI普及で相場の長期大変動は起きにくく 機械学習の第一人者が語る(9/16) AI取引、テールリスクには無力 長期投資の全面依存は難しく(7/26) 「ひるまず迷わず」機械ならでは モデル運用、定石なき相場で成果(7/12) HFTの生命線 「超短期」「超高速」にAIはどこまでついていけるか(7/5) ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

「100円超す円高ない」の見方多く 緩和カード温存した日銀、QUICK緊急調査

QUICK編集チーム 日米欧の中央銀行の判断に世界の市場関係者の注目が集まった、この2週間。欧州中央銀行(ECB)が緩和にカジを切り、米連邦準備理事会(FRB)は想定通り0.25%利下げ、トリを務めた日銀はひとまず「口先緩和」のみでカードを温存する結果となった。揺れ動く米中貿易摩擦、くすぶる景気減速懸念の中、今回の金融政策はマーケットの方向性にどのような影響を与えそうなのか。QUICKは19日の日銀会合直後からユーザーを対象に緊急アンケートを実施し、当面(およそ半年)の相場見通しを聞いた。=調査は19日昼過ぎ~20日の午後1時30分、168人が回答 円の対ドルの高値は「100円台」の予想が7割超と断トツ。ECB、FRBが緩和に動き、日銀だけが現状維持となれば急激な円高が進むのではないかとの見方もあった。日銀会合をうけて円は7営業日ぶりに反発はしたが、振れ幅はあまり大きくない。日銀が追加緩和の「のりしろ」も「維持」したことで、100円を割り込むような相場急変はどこかで歯止めがかけられるだろう、と多くの市場関係者が受け止めた様子が読み取れる。 円安水準の見通しでは、相場の実勢に近い「105円以上~110円未満」が約4割、「110円以上~115円未満」が約5割だった。 日経平均株価の見通しは、高値が2万3000円台、安値が2万円台で、それぞれ全体の4割程度だった。ドル円相場が比較的安定して推移するという見立ての下、株式相場もおおむね今年のこれまでの実勢である2万~2万3000円のボックス圏での動きが続くと見ているようだ。 そのほかの項目の高値と安値で最も予想が多かったレンジは下記の通り。 米ダウ工業株30種平均の高値 2万8000ドル台(35%) 米ダウ工業株30種平均の安値 2万5000ドル台(36%) 日本の10年国債利回りの最高 マイナス0.2%~0%未満(43%) 日本の10年国債利回りの最低 マイナス0.4%~マイナス0.2%未満(33%) 米国の10年国債利回りの最高 1.5%~2.0%未満(44%) 米国の10年国債利回りの最低 1.0%~1.5%未満(49%) また、次回10月の会合で、どの中銀が緩和に動くかとの問いでは見方が分かれた。日米欧がそろって見送り(現状維持)との予想が最も多かった。来月いっぱいで任期が満了するECBのドラギ総裁は最後にどんなマジックを披露するのか、「意気地なし!センスなし!ビジョンなし!」と罵られたFRBのパウエル議長(更迭もなし!)は強まる一方の圧力をどうかわすのか。そして、今回なんとか市場の期待をつなぎとめた日銀の黒田総裁の「我慢大会」はいつまでもつのか。日米欧の中銀の正念場が続く。

低調売買、裁定売り残急増、そして金融政策 浮かび上がる因果関係

QUICKコメントチーム=大野弘貴 閑散相場が続いている。指数の水準に大きな変化がない割に、市場にはどこかあきらめムードが漂う。 それを如実に表しているのが取引量だ。8月の1日当たりの平均売買代金は1兆9823億円と3カ月連続で2兆円を下回った。3カ月連続で1日当たりの平均売買代金2兆円を下回るのは5年ぶりで、低調な記録が目立つ。9月に入っても傾向は変わらず、2日の東証1部の売買代金は約5年4カ月ぶりの水準に落ち込み、米国の祝日「レーバー・デー」明けとなった3日の売買代金も1兆3874億円、4日も1兆5931億円と復調の兆しは見られない。もはや夏休みなどの言い訳が通じる状況ではない。 一方、大阪取引所(OSE)が2日に発表した8月のデリバティブ合計取引高は8月としては過去2番目を記録した。中でもナイト・セッション(NS)の取引高シェアは47%と過去最高を更新した。足元の投資環境が、海外動向にかなりの影響を受けている様子が伺える。 ここまで売買が細った背景に米中通商問題と先行きの景気後退リスクがあるのは明白だが、理由はそれだけではないかもしれない。考えられる1つの要因として存在感を増した日銀のETF買いがある。 アベノミクス初期は、海外投資家の買いが相場上昇をけん引したが、その海外勢の14年度末以降の日本株の保有比率は低下傾向にある。昨年来から続く日本株の売却では拍車がかかり、この売りを吸収した主体の一つが日銀だった。日銀のETFの買い入れを反映する信託銀行の保有比率は12年以降、上昇傾向にある。 その日銀のETF買いについて、市場関係者が関心を寄せているのが、8月に急増した裁定売り残との関係だ。 日銀のETF買いと裁定売り残増の因果関係は以下のようなオペレーションが「橋渡し役」として考えられるという。  日銀がETFを買い入れる際、信託銀行の特金を通じ証券会社に発注する  →証券会社は保有している現物株を運用会社に提供し、運用会社は受益権口を発行  →証券会社は保有している現物株の売却に伴うエクスポージャーをヘッジするため、先物を購入する→裁定売りとなる  →信託銀行の特金に、買い入れたETFの受益権口が計上される 他には金利の低下を指摘する声も聞かれる。「短期金利がプラスである場合、先物は現物に対しコストがかかりがちだ。しかし、足元の短期金利がマイナスの状況ではコストがかからないことから、現物を買わなくてもいいというインセンティブが働きやすい」(外資系証券)。 そもそも「裁定取引に係る現物株式の売買及び現物ポジションの報告は明確なルールが定められていない。例えば自己ポジションのみ報告して委託ポジションを報告しなかったり、ヘッジ目的のみ報告して純粋なトレードを報告しなかったり。証券会社ごとに対象が異なるため、連続性はない」(国内証券トレーダー)との声がある。実態を把握するのは難しく、安易に相場展開と結びつけるのは注意も必要といえそうだ。 ただ、「裁定売り残自体は、日銀によるETFの買い入れが始まった時から拡大する傾向になってきました。他にも当然、先行き不安で先物売りを入れていたり、一段の金利低下で先物価格が現物より割安になった理由もあると思われる。過去最大に膨らんだ裁定売り残は、こうした要素が合致したためと考えられそうです」(ストラテジスト)との声も聞かれている。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】4日 黒田総裁が講演、米貿易収支、ベージュブック

4日は日銀の黒田東彦総裁がフィンテックの活用をテーマにしたイベント「フィンサム2019」であいさつする。片岡剛士審議委員は函館市の金融経済懇談会で記者会見に臨む。 海外では米地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表が予定されている。   【4日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 9月の日銀当座預金増減要因見込み 9:50 黒田日銀総裁が「フィンサム2019」であいさつ 10:00 高島全銀協会長が「フィンサム2019」で講演 10:30 片岡日銀審議委員が函館市金融経済懇談会であいさつ(函館市) 14:30 片岡日銀審議委員が記者会見(函館市) 海外 時刻 予定 1:30 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事があいさつ(5日) 1:50 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が討議に参加(5日) 3:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック、5日) 4:15 エバンズ米シカゴ連銀総裁があいさつ(5日) 6:00 ローゼングレン米ボストン連銀総裁が講演 10:30 4〜6月期の豪国内総生産(GDP) 10:45 8月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI) 18:00 7月のユーロ圏小売売上高 21:30 7月の米貿易収支 22:25 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が講演 23:00 カプラン米ダラス連銀総裁が質疑応答に参加 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 9887 松屋フーズ、増税後の店内持ち帰り価格統一 日経 +2.92% 9/3 8473 SBIの北尾吉孝社長、地銀と「第4のメガバンク」構想 日経 +1.74% 9/3 9501 東電HDと中部電が折半出資のJERA、バングラデシュで火力事業参画 日経 +1.58% 9/3 9502 +0.54% 9/3 7201 日生、日産自人事案に反対 総会議案の賛否を初公表 日経 +1.32% 9/3 4452 花王、目玉商品伸び悩み 消費増税前の駆け込み期待も 日経 +1.16% 9/3 6758 ソニー、手術映像を即座に配信 医療向けシステム 日経 +1.02% 9/3 6305 日立建機、中国で故障予知 テンセントと連携視野に 日経 +1.01% 9/3 5411 JFE、社債600億円 低金利下、設備投資に充当 日経 +0.84% 9/3 9064 ヤマトHD、宅配発送をスマホで完結 決済など利便性高く 日経 +0.80% 9/3 9202 ANAHD、物流新興企業と貨物輸送で提携 日経 +0.55% 9/3 4755 楽天傘下の楽天証券、ポイントで国内株投資 若年層取り込み 日経 +0.29% 9/3 9983 ファストリ、ユニクロ、2019年8月期の国内既存店売上高1%増 7年連続増収 日経 +0.25% 9/3 9020 鉄道利用にもポイント JR東日本のスイカ、運賃に応じて付与 各紙 +0.04% 9/3 7269 スズキ、カーシェア実験 丸紅などと需要探る 日経 0.00% 9/3 8002 +0.83% 9/3 9508 九州電、玄海2号機の廃炉計画提出 日経 0.00% 9/3 6701 在宅患者の遠隔医療 顔認証でなりすまし防止 NEC系、基盤を提供 日経 -0.11% 9/3 4543 テルモ、血液関連機器事業、利益率20%めざす 25年3月期メド 日経 -0.89% 9/3 3458 CRE、19年7月期の純利益68%減 減益幅が拡大 日経 -0.98% 9/3 6703 OKI系、電子機器評価の施設 日経 -1.01% 9/3 7532 パンパシHD、営業益3.5倍 GMS、「ドンキ」転換加速 24年6月期 日経 -1.82% 9/3 4506 大日本住友、迫る「特許の崖」 大型薬、猶予は3年半 新薬候補の治験、相次ぎ失敗 日経 -3.59% 9/3 9946 ミニストップ、無人レジの小型実験店 冷食PB充実 日経    

どこまで踏み込む、日銀の次の一手 市場関係者に緊急サーベイ

QUICKコメントチーム=丹下智博 米中対立が貿易から通貨の領域に及び、世界経済のリセッション(景気後退)入りが意識されるなか、各国の中央銀行が我も我もと利下げに動く。金利低下に拍車がかかり、円は1ドル105円台前半まで上昇した。お盆休みは相場も荒れがちだ。金融緩和の先頭を走ってきた日銀はこの先どう動くのか、9月の政策決定会合への注目はいやがうえにも高まる。市場関係者に、日銀の次の一手を予想してもらった。 目立つのはマイナス金利の深掘りと長期金利目標の変更、フォワードガイダンスの強化だ。副作用が大きすぎるとの指摘も多いマイナス金利だが、現在のマイナス0.1%からさらに10bp引き下げてマイナス0.2%にする(内田氏、門間氏、渡辺氏)との見方がある。高田氏はマイナス0.15%にするとの予想だ。 意識されるタイミングは1ドル=100円ラインが目安か。そこまで円高が進めば、長期金利の目標の変更、国債やETFの買い入れ増額など政策を総動員する可能性も出てきそうだ。日銀貸し出しへのマイナス金利適用などの組み合わせを予想する声もあった。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】7日 ソフトバンクGや東芝の決算 NZ、インドなど政策金利

7日は日銀が金融政策決定会合(7月29~30日開催分)の主な意見を公表する。ニュージーランド、インド、タイの中央銀行は政策金利を発表する。 ソフトバンクG(9984)やJXTG(5020)、東芝(6502)、昭電工(4004)などの4~6月期や1~6月期の決算発表が予定されている。   【7日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 日銀金融政策決定会合の主な意見(7月29〜30日開催分)   7月上中旬の貿易統計(財務省) その他 4〜6月期決算=大林組、日清食HD、JXTG、住友大阪、三菱マ、東芝、Jディスプレ、IHI、大日印、丸井G、ソフトバンクG、日本生命(大樹生命を含む)、MS&AD   1〜6月期決算=昭電工、電通、クボタ 海外 時刻 予定 1:00 ブラード米セントルイス連銀総裁が講演 4:00 6月の米消費者信用残高(8日) 22:30 エバンス米シカゴ連銀総裁がメディア関係者と朝食会 23:30 米エネルギー省の石油在庫統計(週間) その他 ニュージーランド中銀が政策金利と金融政策報告書を発表   タイ中銀が政策金利を発表   インド中銀が政策金利を発表   4〜6月期決算=リフト 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 7606 Uアローズ、純利益22%増 4〜6月 日経 +5.80% 8/6 7201 中国新車販売7月、日産自1%増 日経 +3.35% 8/6 6841 横河電、特損30億円 4〜6月 部品不良は「宇宙線の影響」 日経 +2.05% 8/6 7731 ニコン、50%減益 一眼レフ露光装置が不振、4〜6月最終 日経 +1.97% 8/6 2811 カゴメ、純利益23%増 物流事業の売却益寄与、1〜6月 日経 +1.46% 8/6 6740 Jディスプレ、決算発表9日に延期 金融支援の調整で 各紙 +1.44% 8/6 4912 ライオン、純利益38%減 1〜6月、半導体部材伸び悩み 日経 +0.91% 8/6 2503 キリンHD、ファンケルに33%出資 1300億円、健康食品に注力 日経 +0.65% 8/6 4921 +0.99% 8/6 3258 ユニゾHDがTOBに反対表明 HIS、敵対的買収に 各紙 +0.14% 8/6 9603 -0.94% 8/6 9432 NTT、純利益3%減 4〜6月 自社株買い枠3000億円 日経 +0.12% 8/6 9432 NTT社長「顧客に迷惑」、中国ファーウェイ製販売巡り 日経 +0.12% 8/6 8802 菱地所、純利益4%増 4〜6月 オフィスけん引 日経 +0.02% 8/6 4689 ヤフーと三越伊勢丹、AIでスカート開発 ニーズ解析、来月発売 日経 0.00% 8/6 3099 -0.75% 8/6 3769 GMO−PG、純利益41%増 18年10月〜19年6月 日経 0.00% 8/6 6367 ダイキン、純利益6%増 4〜6月最高益、日欧で空調好調 日経 -0.11% 8/6 7867 タカラトミー、78%減益 4〜6月最終、玩具など販売減 日経 -0.51% 8/6 1762 高松グループ、青木あすなろにTOB 完全子会社化へ 日経 -0.77% 8/6 1865 +0.25% 8/6 2914 JT、たばこ115銘柄10円上げ 各紙 -0.81% 8/6 7550 ゼンショHD、純利益67%増 4〜6月 日経 -0.91% 8/6 6723 ルネサス新体制に試練、2四半期連続赤字 4〜6月営業、産業向け在庫圧縮遅れ 過剰設備の解消急務 日経 -1.14% 8/6 9684 スクエニHD、純利益26%減 4〜6月 日経 -1.20% 8/6 7238 ブレーキ、88億円赤字 4〜6月最終、北米で受注減 日経 -1.43% 8/6 7701 島津4〜6月、純利益22%減 分析装置伸び悩み 日経 -1.89% 8/6 5301 東海カ19年12月期の営業益、15億円上方修正 独社買収が寄与 日経 -1.95% 8/6 3436 SUMCO、18%減益 韓国勢の半導体減産懸念 1〜6月最終 日経 -1.97% 8/6 4812 ISID、子供に合った競技提案 AI活用システム販売 日経 -2.02% 8/6 6448 ブラザー純利益、4〜6月22%減 工作機械が受注減 日経 -2.24% 8/6 4109 ステラケミ、20%減益 4〜6月最終、韓国向け輸出「影響見極め」 日経 -2.81% 8/6 8354 ふくおかFG、地銀初のネット専業銀行 2020年度にも 各紙 -3.22% 8/6

【朝イチ便利帳】1日 日銀の雨宮副総裁会見、7月の米ISM製造業指数

1日は雨宮正佳日銀副総裁が鹿児島県金融経済懇談会であいさつし、午後に記者会見する。米連邦公開市場委員会(FOMC)が10年半ぶりに決めた利下げについてどのような見解を示すのか注目だ。参院選後初めての臨時国会の召集なども予定されている。 海外では7月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数の発表がある。そのほか、主な予定は下記の通り。   【1日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 QUICKコンセンサスDI(7月末時点) 8:50 対外対内証券売買契約(週間、財務省) 10:30 10年物利付国債の入札(財務省)   雨宮日銀副総裁が鹿児島県金融経済懇談会であいさつ(鹿児島市) 14:00 雨宮日銀副総裁が記者会見(鹿児島市)   7月の新車販売(自販連)   7月の軽自動車販売(全軽自協) 15:30 6月末の税収実績(財務省) その他 臨時国会召集   4〜6月期決算=双日、王子HD、イビデン、三井化学、小野薬、板硝子、日本製鉄、古河電、フジクラ、千代建、シャープ、カシオ、ローム、マツダ、ヤマハ、三菱商、あおぞら銀、西武HD、KDDI、ヤマダ電   1〜6月期決算=アサヒ、協和キリン 海外 時刻 予定 10:45 7月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI) 20:00 英中銀金融政策委員会の結果と議事要旨を発表 21:30 米新規失業保険申請件数(週間) 23:00 7月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数   6月の米建設支出 その他 4〜6月期決算=スクエア、デュポン、ゼネラルモーターズ(GM)、ベライゾンコミュニケーションズ 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 9062 日通、トラックのチャーターで10%値上げ 日経 +6.02% 7/31 5938 LIXILグ「混乱収拾にもう1カ月」 前体制の中計取り消し 日経 +2.38% 7/31 7181 かんぽ生命不適切販売で全3000万契約調査 各紙 +2.07% 7/31 6762 TDK、純利益4%減 4〜6月、自動車向けが不振 日経 +2.04% 7/31 9501 東電HD、福島第2廃炉に4100億円 各紙 +1.74% 7/31 4005 住友化、4〜6月純利益52%減 税負担増で 日経 +1.01% 7/31 6752 パナソニック、営業利益44%減 4〜6月、メキシコ工場閉鎖へ 日経 0.00% 7/31 6981 村田製、純利益20%増 4〜6月、車載向け部品けん引 日経 -0.10% 7/31 9201 JAL、純利益32%減 4〜6月、羽田拡張にらみ投資増 日経 -0.43% 7/31 4502 武田、最終赤字幅縮小 役員報酬見直し 日経 -0.62% 7/31 6701 NEC、11年ぶり営業黒字 4〜6月 日経 -0.66% 7/31 5802 住友電、純利益69%減 4〜6月 日経 -0.73% 7/31 3099 三越伊勢丹、営業益11%減 4〜6月、訪日客需要鈍る 日経 -0.91% 7/31 7752 リコー、純利益68%増 4〜6月 値引き販売抑制 日経 -1.18% 7/31 8303 新生銀、純利益34%増 4〜6月、与信関係費用が減 日経 -1.19% 7/31 8604 証券、個人向け不振深刻 16社が減益赤字 4〜6月 野村、大幅増益も海外要因 日経 -1.29% 7/31 6383 ダイフク、営業益2割減 4〜6月、半導体工場向け伸び悩み 日経 -1.47% 7/31 9064 ヤマトHD、4〜6月営業赤字61億円 値上げ裏目に 日経 -1.60% 7/31 7211 三菱自、タイでPHV生産 海外初 日経 -1.63% 7/31 4114 日触媒、純利益33%減 今期予想を下方修正 日経 -1.65% 7/31 4507 新薬開発、中国シフト 仏サノフィや塩野義、13億人のデータ活用 日経 -1.65% 7/31 8848 レオパレス、改修工事の完了 来年6月に延期 日経 -1.72% 7/31 7003 三井E&S、中型LNG船に参入 中国大手と合弁 日経 -1.73% 7/31 7261 マツダ、営業益7割減 4〜6月、米が不振 日経 -1.77% 7/31 2678 アスクル、株売り渡し請求 審議延期、ヤフー声明受け 日経 -2.60% 7/31 4689 -1.23% 7/31 4452 花王、1〜6月純利益9%減 中国の転売需要減る 日経 -2.62% 7/31 4922 コーセー、4〜6月37%減益 日経 -2.71% 7/31 6503 三菱電、工場データ分析を代行 日経 -3.43% 7/31 6103 オークマ、純利益25%減 4〜6月 日経 -3.70% 7/31

緩和モードの中銀、債券関係者も「有望なのは株」 QUICK月次調査

日経QUICKニュース(NQN)=矢内純一 市場関係者の注目が集まる「中銀WEEK」が始まった。29~30日で日銀が政策決定会合を開き、米連邦準備理事会(FRB)は30~31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で10年ぶりの利下げに踏み切ることが確実視されている。そうなると、想定されるのは世界的な「株高・金利低下」の再加速だ。QUICKが29日公表した7月の月次調査<債券>で、債券担当者が内外株式を有望な投資先としてみていることが明らかになった。日銀の長短金利操作で国内債券相場は膠着が続き、世界的な金利低下で利息収入狙いの外債運用は厳しさを増している。債券市場には、上昇基調が続く内外株式のキャピタルゲイン(値上がり益)への羨望が集まる。 年度内の有望な投資対象を1~3位まで次のうちそれぞれお選びください        1位      2位     3位 内外株式    32%  10%  10% REIT          14%    22%    15% 米国債              9%    12%    12% イタリア国債     9%     6%     4% 日本国債           6%     5%     9% 調査実施は23~25日。証券会社や運用会社など債券市場関係者133名から回答を得た。年度内の有望な投資対象について、1位を「内外株式」(32%)とする回答が最も多く、「不動産投資信託(REIT)」(14%)、「米国債」(9%)、「イタリア国債」(9%)が続いた。 一方、「日本国債」との回答は6%にとどまった。足元では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りはマイナスが常態化。利息収入狙いの投資資金が相対的に金利が高い超長期債に流入し、30年や40年利回りも金利低下が続き、投資妙味が薄れている。 今年度に入り、前週末26日までで、日経平均株価は2%上昇。S&P500種株価指数は7%値上がりしている。東証1部の予想配当利回りでみても、2%程度と40年物利回り(前週末時点で0.395%)を大きく上回る。 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

見えてきた10年半ぶり米利下げ そして、さあどうする?黒田さん

市場が注目していた10日の米連邦準備理事会(FRB)パウエル議長の議会証言で、10年半ぶりの利下げがいよいよ視界に入ってきた。 CMEグループが提供するFedウォッチツールで7月FOMCでの50bp利下げ織り込み度は26.6%となり、前日(3.3%)から急拡大。25bpの利上げ織り込み度は73.4%で、FF金利先物市場は7月FOMCでの25bp以上の利下げを100%織り込んだ状況が続いた。ナスダック指数はザラ場・終値ベースの史上最高値を更新し、S&P500も一時3000の大台に乗せた。 ◆米国の各指数のチャート(NYダウ:青、ナスダック総合:赤、S&P500:緑) 各社の10日付リポートは下記の通りだ。 ■ゴールドマン・サックス……7月の25bp利下げ確率を60%から75%に引き上げ ■バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ……7月に25bpの利下げ後、累積で75bpの利下げへ ■ナットウエスト……貿易戦争の一時休戦後も7月に25bpの利下げが軌道に乗っている ■JPモルガン……7月に25bpの利下げ予想を据え置き 7月の据え置きを見込んでいたバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが25bpの利下げ見通しに変更したのが目を引くが、50bpの利下げの可能性もあるとしてハト派サプライズも一部で期待されているもようだ。 利下げがほぼ確実の情勢ということになると、次はFOMC(30~31日)の直前29~30日に決定会合を開く日銀に注目が集まる。打つ手が限られる中で動けるのか、動かないのか。さあ、どうする?黒田さん。(片平正二、イラスト=たださやか) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

日銀の国債買い入れオペ「転機」 増額と減額の合わせ技に市場は……

日銀が3日に市場に通知した国債の買い入れオペ(公開市場操作)が関係者に動揺を与えている。残存期間が短めの国債については買い入れ額を前回から増やした半面、中期においては減額した。「日銀オペの転機かもしれない」「日銀の困難さが印象付けられた」ーー。これまでと違うオペレーションに対する市場の反応を拾った。 ■日銀の買い入れオペ 「1年超3年以下」:3,500億円→3,800億円 「3年超5年以下」:4,000億円→3,800億円 「10年超25年以下」:2,000億円→1,800億円 「25年超」     : 400億円→400億円 相対的にみると日銀はタカ派? 「オペの金額を3本とも変更するとは思わなかった。特に1~3年を増額したのは、日銀オペにおいては大きな変化だろう。これまでは減額を続け、カーブのスティープ化を促してきた。今回、1部増額したのは、マネタリーベースの増加に支障が出ないよう配慮したためだろう。今後、単純に減らすことができなくなった可能性がある。日銀オペの転機になった可能性がある」(ストラテジスト) 「全体的に減らせる額が限られてきたという印象ですね。ネットではわずか100億円の減額に過ぎませんから」(ストラテジスト) 「残存10年超25年以下を200億円減額しましたが、6月に月4回から3回に減らすときに1回あたりの購入額を200億円増やした分をもとに戻しただけですね。1回当たりのマーケットインパクトを意識したんだと思います。市場機能の回復という観点では好ましいことではないというのがベースにあったんだと思います」(ストラテジスト) 「短い年限を増減したことは単に需給のタイト化に対応したものでしょう。5年ゾーンをもっと減らしたかったかもしれませんが、ここを減額すると10年金利に効いてしまいますから。ターゲット金利である10年には影響を与えたくないということでしょう。同じ理屈で、超長期債についても需給面では対応するもののフラットニングのけん制といった明確な意思が示されるようなことはないと思いますよ」(ストラテジスト) 「短中期の増減額については6月28日のオペ予定が公表された時点の予想通り。すでにマーケットは織り込んだ動きとしていた。超長期債については25年超も減額があると思っていたので、据え置かれたことはサプライズだ。といっても、ベースが400億円しかないので100億円減額されても影響は限定的とみていた。いずれにしても今日の減額は相場が大きく動く材料ではない」(マーケットアナリスト) 「日銀国債買い入れの増減額は数字としては、レンジの中央値からそれぞれ50億円上振れ、下振れと微々たるもので予想通りといえる。ただ、YCCとマネタリーベースの拡大というなかで日銀の困難さが印象付けられたのではないだろうか。為替市場はやや円高方向に振れている。わずか100億円の減額なのだが日銀のタカ派姿勢が材料にされたようだ。米国ではハト派理事が決まりそうだし、ECB総裁(候補)のラガルド氏もハト派と目される。このタイミングだと日銀の緩和姿勢が最も弱いとマーケットは受け取ったのだろう」(ストラテジスト) 「中央値が250億円しか動いていなかったので、300億円増、250億円減というのは予想通りなんではないでしょうか。マーケットも冷静で、5年債が買われているので一部では5年の減額が少なかったという印象があるのかもしれません。ショートカバーしたかった方々は残念でした」(ストラテジスト) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

世界の中銀ハトだらけ 強まる緩和期待、御指名ラガルド氏どう出る

世界の金融市場で中央銀行による緩和期待が一段と広がっている。 2日に豪州準備銀行(RBA)が開いた定例理事会で、政策金利を0.25%引き下げて年1.00%にすると決めた。2年11カ月ぶりに利下げした6月に続き、2会合連続で政策金利を過去最低水準に引き下げたことになる。一部では0.5%までの追加利下げがあるのではないかとの指摘もある。市場からは「みんなRBAのようにハト派になっていくのかな」(国内証券)と、FRBや欧州中央銀行(ECB)も金融緩和路線を強めるのではないかと期待する見方が出ていた。 マジックの後は?(Thierry Monasse/Getty Images) 欧州連合(EU)は2日、ブリュッセルで開いた臨時首脳会議で欧州中央銀行(ECB)総裁にフランスのクリスティーヌ・ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事、EUトップの欧州委員長にドイツのウルズラ・フォンデアライエン国防相を指名した。これまで、ECBのマリオ・ドラギ総裁の後任にはタカ派のイェンス・バイトマン独連銀総裁が候補として取り沙汰されていたが、EUの政治力学によってトリシェ総裁以来となるフランス出身のECB総裁が誕生する可能性が出てきた。女性初のECB総裁誕生となる可能性もある。 エバコアISIは2日付のリポートで「ラガルド氏が総裁になれば、ユーロ圏の成長を促す上でより積極的な役割を果たすよう促す一方、金融政策は幅広くハト派に傾くだろう」と指摘した。その上で、9月のECB理事会は「ドラギ総裁による最後のハト派プレーとなりそうだ。10~15bpの利下げ、毎月300億ユーロの新規量的緩和(QE)プログラムの両方が行われる可能性があり、金融政策のフォワードガイダンスは過去のものと異なる措置が取られる可能性がある」と指摘した。ドラギ総裁が6月に追加緩和を示唆したのはECB総裁の後任人事を踏まえ、ハト派路線を継続させたい狙いがあったとされる。 一方、JPモルガンは2日付のリポートで「金融政策に関するラガルド氏の見解は余り知られていないが、我々は彼女は非常に安全な選択だと思っている」と指摘。正式な経済学の経歴を持たず、中央銀行勤務の経験もないわけだが、「フランスの財務大臣を務め、IMFでユーロ圏の危機、ギリシャ救済の対応にも深く関わってきた」と実績を評価。ドラギ総裁ほどハト派的かは不明としながら、IMFがECBの量的緩和(QE)や目標を絞った長期資金供給オペ(TLTRO)、マイナス金利などの政策を支持してきたことを踏まえれば、「考えが近いと思うのは安全で、方向に大きな変化はないだろう」ともみていた。米連邦準備理事会(FRB)だけでなくECBも緩和路線を強めるようだと、日銀としても何らかの緩和策を検討して円安・日本株高を促す施策に迫られるかもしれない。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】25日 日銀が金融政策発表 任天堂、京セラ、アマゾン、インテルなど決算

 25日は日銀が金融政策決定会合の結果を公表し、黒田東彦総裁が記者会見する。任天堂(7974)、京セラ(6971)、大和(8601)、野村(8604)などが3月期決算を発表する。IPO関連ではトビラシステムズ(4441)、グッドスピード(7676)が東証マザーズに上場する。  海外では3月の米耐久財受注額などが発表されるほか、インテル、スターバックス、アマゾンなどの1~3月期の決算が発表される予定だ。   【25日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 対外対内証券売買契約(週間、財務省) 12:00 3月の建機出荷額(建設機械工業会) 14:00 3月の外食売上高(日本フードサービス協会) 15:30 黒田日銀総裁が記者会見 その他 日銀金融政策決定会合の結果公表   4月の「経済物価情勢の展望(展望リポート)」(日銀)   3月期決算=ZOZO、野村不HD、積水化、アステラス、第一三共、OLC、ヤフー、日立金、富士電機、アドテスト、京セラ、川重、日野自、任天堂、大和、野村、松井、マネックスG、丸八証券、JR東日本、JR東海、関西電   東証マザーズ上場=トビラシステムズ、グッドスピード 海外 時刻 予定 16:30 スウェーデン中銀が政策金利を発表 20:00 トルコ中銀が政策金利を発表 21:30 米新規失業保険申請件数(週間)   3月の米耐久財受注額 その他 インドネシア中銀が政策金利を発表   1〜3月期決算=UPS、スリーエム(3M)、インテル、スターバックス、アマゾンドットコム、フォードモーター   オーストラリア、ニュージーランド市場が休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 3938 LINE、1〜3月期最終赤字103億円 スマホ決済投資かさむ 各紙 +6.46% 4/24 9434 ソフトバンクと米グーグル、成層圏に5G基地局 日経 +0.97% 4/24 9984 ソフトバンクG、独決済大手に出資 日経 +0.39% 4/24 6861 キーエンス、前期純利益7%増 海外でセンサー伸びる 7年連続で最高更新 日経 +0.04% 4/24 6645 オムロン、今期純利益22%減 制御機器伸び悩む 日経 0.00% 4/24 7751 キヤノン、純利益45%減 1〜3月 日経 -0.25% 4/24 6954 ファナック中国不安濃く 今期、想定超す6割減益予想 5G対応も思わぬ逆風 日経 -0.64% 4/24 3850 イントラマト、5年連続増配 今期、年24円に 日経 -0.95% 4/24 4452 花王、1〜3月純利益5%減 紙おむつ販売減る 日経 -0.98% 4/24 6305 日立建機、今期純利益3割減 円高進行見込む 日経 -1.04% 4/24 6701 NECの前期、純利益13%減 日経 -1.19% 4/24 7211 三菱自、中国エンジン生産を縮小 合弁見直し、電動化対応 日刊工 -1.25% 4/24 1861 熊谷組の前期、純利益16%減 日経 -1.31% 4/24 6501 日立、日立化を売却へ グループ再編仕上げ 日経電子版 -1.42% 4/24 4217 -0.53% 4/24 2928 RIZAP、松本取締役退任 日経 -1.60% 4/24 8002 丸紅、前期減損500億円 貿易摩擦で米事業悪化 日経 -2.55% 4/24 9509 北海電社長退任へ 大規模停電の検証区切り 毎日など -2.71% 4/24 9532 大ガス、山口の石炭火力建設計画から撤退 日経 -2.73% 4/24 7201 日産自、営業益45%減 前期2度目の下方修正 各紙 -3.99% 4/24 9508 九州電の川内原発、停止の可能性 規制委、テロ対策延期認めず 各紙 -5.28% 4/24

平成・危機の目撃者⓭ 八尾和夫が見たマイナス金利政策(2016)

「黒子」日銀のあるべき姿を問う まもなく「令和」の時代が幕をあける。一方、日銀は長短金利操作付きの量的・質的金融緩和を粘り強く続ける構えで、終わりが見えない。日銀で高松や仙台の支店長を歴任し、現在は東京証券信用組合の理事長を務める八尾和夫氏は「突然のマイナス金利政策は日銀マンだった私も本当に驚かされたが、日銀の政策がここまで世の中を騒がせるのは過去になかった」とサプライズ続きだった平成終盤の政策対応に戸惑いを隠さない。 八尾和夫氏 やお・かずお  1975年に日本銀行に入行し、留学、北京勤務などをへて人事局研修課長や情報サービス局広報課長を務める。98年1月から高松支店長、2002年5月から仙台支店長を歴任後、05年6月に全信組連の専務理事に転じた。11年6月に中央労働金庫の常勤監事に就いた後、15年6月から現職 ◆あっという間に崩れるのがマーケット 日銀のマイナス金利政策には参った。導入が決まった2016年から我々が手掛ける証券金融の世界にまで、新たな収益源を求める地方の銀行などが参入してきた。我々よりも低い貸出金利を提示し、利ざやは縮まった。 半面で資金需要はさほど刺激されず、貸し出しの量は増えない。単純に金融機関の利ざやを落とす「効果」ばかりが目立つ。金融機関の経営者は業態にかかわらず軒並み頭を抱えているはずだ。 金融緩和の出口はいずれ来る。スムーズに着地できればよいが、株や債券など金融市場の先行きに気をもむ市場関係者は少なくない。だからといって今の時点で運用をゼロにするわけにはいかず、株買い、債券買いの持ち高は膨らんでいく。転換点で起きる衝撃が大きくならないよう願うばかりだ。 きっかけは何にせよ、あっという間に崩れるのがマーケットの歴史だ。日本人が9割保有しているから問題ないといわれる日本国債であっても安心してはいられない。 ◆政治に振り回されている ここ数年は一般のメディアでも日銀の一挙手一投足を追いかけているが、こんなに日銀に関心が高まることはかつてなかった。金融政策は本来、世の中が過激な方向に傾かないよう調整したり、時間稼ぎをしたりするものだ。日銀は黒子のように、任せておけば知らないうちにうまくやってくれる、そういう信頼される存在であって欲しい。 1998年4月の日銀法改正は「大蔵省本石町出張所」(日銀本店の住所は日本橋本石町)とも称された日銀に、きちんと権限と責任を持たせて独立させるべきだとの機運が高まったからだ。では日銀は一体どこを見ることになったか。国民とその代表である国会だった。それ自体はあるべき姿なのかもしれないが、昨今はかなり政治に振り回されている感じがする。 昭和の時代は首相ですら(当時の政策手段である)公定歩合に触れるのはご法度だった。それも今は昔。日銀には、短期的な視点に偏りがちな政治とは距離を置き、中長期的な観点から政策を打ち出すことが本来は求められているのではないか。 ◆「デフレ脱却」は何を示すのか、「物価上昇」で何を目指すのか 日銀の中には2つの広報部門がある。マスコミ向けの対応をする専門部署の企画局広報と、マスコミを除く広報業務を手掛ける情報サービス局だ。 日銀も主体的に自ら発信をしていこう――。90年、国内外に向けての情報発信や外部からの問い合わせや要望などの窓口となる情報サービス局ができた。97年にホームページの開設にこぎつけ、スクリーンに映るパソコン画面を示しながらの記者発表では「画期的な仕組みだ」と感嘆の声があがった。 97年といえば北海道拓殖銀行や山一証券など大きな金融機関が相次いで破綻に追い込まれた。情報サービス局には「日銀の政策が悪いからではないか」と直接お叱りの電話がかかってきた。それでも開かれた日銀を目指そうとの姿勢は変わらなかった。 98年1月に赴任した高松支店長時代は、日銀に対する幅広い理解を得ることの大切さを痛感した。四国地方では都市圏ほどバブルの後遺症はなかったもののさまざまな金融不祥事が報じられるなか、日銀への風当たりもかなり強かった。「豪華すぎる」と批判を受けた支店長舎宅を引き揚げるとテレビのワイドショーにも取り上げられた。 仙台支店長を務めていた2002年、金融再生プログラムが発表され急速な不良債権処理が進むなか、「銀行も破綻やむなし」といった雰囲気が広がり続け、株価も急落した。03年にりそな銀行への公的資金注入が決まり、ようやく株価は底を打ったが、経済の先行きは読めない。地元経済界との懇談などで何と説明したらよいのか本当に苦しく、体調を崩してしまったほどだ。それでもいろいろと考えを巡らし、自分の言葉で語り続けた。 当時、政治は株価が上がると「政策が良かったから上がる」と都合のいいようにアピールし、株価が下がると「マーケットはマーケットが決めるから仕方ない」という。政治の動向も、相場決定の重要な一因となるはずだが……。 ところで「デフレ脱却」とはいったい何を示すのだろう。単なる貨幣現象なのか、経済活動の本質そのものなのかが曖昧に聞こえる。物価さえ上がればよいというものではなく、経済の活性化を通じて潜在成長率を高めることが大切だろう。 令和の時代に向け、より長期的で総合的な政策を展開していってほしい。 =聞き手は日経QUICKニュース(NQN)片岡奈美 =随時掲載

平成・危機の目撃者➐ 松田邦夫が見たジャパンプレミアム(1990年代後半)

ニッポン信頼低下の象徴、疑心暗鬼の連鎖 バブルの後始末が始まった平成前半、金融市場では邦銀向け上乗せ金利「ジャパンプレミアム」の嵐が吹き荒れた。銀行や証券会社の不祥事と経営悪化が相次ぎ、日本の金融システム全体に対する海外からの視線が厳しくなった。誤った情報が疑心暗鬼の連鎖を招くケースもあった。1990年代後半に日銀で国際金融を担当し、海外向けの正しい情報発信に奔走してきた松田邦夫氏は「信用不安の恐ろしさと予防的対応の大切さを痛感した」と振り返る。 松田邦夫氏 まつだ・くにお 1980年に日銀に入行。90年代半ばに国際金融担当として、海外市場における邦銀の業務や国際的な金融規制動向をモニター(監視)する役割を担った。秘書室調査役(国会担当を兼務)を経てフランクフルトに赴任した際にもユーロの誕生から間もない欧州と日本の間の情報・認識ギャップを埋める努力をした。2009~10年には預金保険機構に出向し、預金保険部長として日本振興銀の破綻処理を担当。2013年に外為証拠金(FX)会社のセントラル短資FXの社長に就いた。趣味はクラシック音楽鑑賞と居合道。 ◆邦銀撤退相次ぐドイツ、率先して情報周知 日銀のフランクフルト事務所長を務めていた1998~2001(平成10~13)年は日本の金融システムに対する海外の見方が特に厳しかったころだ。邦銀の撤退が相次ぎ、現地で日本の事情を詳しく語れる人が減っていたので、日本についての誤解が一人歩きをしないよう奮闘する毎日だった。 97~98年の山一証券と北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の経営破綻の影響は大きかった。邦銀の情報開示やコンプライアンス(法令順守)と政策対応への不信は極限に達し、日本を代表する大手銀でさえ外貨調達に苦しんでいた。信頼低下の象徴といえるジャパンプレミアムが拡大する中で、現地の当局者と会ったりドイツ語で講演したりして情報周知に努めた。 邦銀も守りの姿勢一辺倒だったわけではない。危機後の邦銀の海外事業は縮小傾向ではあったものの、与信先企業の信用力だけに依存しないプロジェクトファイナンス(大型事業向けの融資)などに活路を見いだそうとしていた。それを日銀側からフォローできたのは貴重な経験だった。 折しも1999年、統一通貨ユーロ導入に現地で立ち会った。日本では、ユーロや欧州中央銀行(ECB)などに対して懐疑的な英米有力メディアの論調に引きずられがちなことがずっと気になっていた。その後のユーロ安も影を落としていたようだ。だがドーバー海峡を隔てて大陸側にいれば、ユーロが導入国の崇高な理念と固い意志によって生まれたもので、いかに膨大なエネルギーと英知が注がれているかは自明。ユーロ圏各国の中銀関係者と対話を深め、日本に正しい情報を伝えるのと同時に改めて日本国内の事情を理解してもらうようにした。 ※ジャパンプレミアム……バブル崩壊に苦しんでいた邦銀に対し、欧米の金融機関がロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に対し求めた上乗せ金利。1995(平成7)年に大和銀行(現りそな銀行)ニューヨーク支店で発生した米国債の巨額損失事件をきっかけに急拡大し、信用力の劣る銀行では上乗せ幅が1%を超えた。信託銀行などは手持ちの円を元手に為替スワップを通じてドルを調達し、その裏返しで欧米銀はゼロ%に近い利回りで円を借りられた   足元でもジャパンプレミアムが発生し、欧米金融機関は低コストで円を調達できるが、1990年代とは様相が異なる。日銀のマイナス金利政策による運用難に伴い国内勢のドル志向が高まったためで、信用不安を背景にした動きではない。 ◆「保険屋」としても危機管理 2010年、預金保険機構の預金保険部長として、経営破綻した日本振興銀行に対して発動された日本初のペイオフ(全額保護上限を1000万円とする預金払い戻し)処理を担った。今のところ国内で唯一のペイオフ事例だ。振興銀は普通預金を持たない特異な事業モデルだったことから金融システム全体へのインパクトは薄かったとはいえ、社会的事件として世間の注目度は高かった。国民に預金保険制度を正しく認識してもらういい機会になった。国際金融担当だった時代の危機管理のノウハウはここでも生きている。 振興銀の処理をした後でも預金保険機構の資金プールは潤沢で、大きめの銀行が複数倒れても大丈夫なほどだったので、金融業界からは保険料率引き下げの要請が強まった。関係者と「金融機関破綻は本当に遠のいたか」といった議論をした末、私の離任後には実際に引き下げにいたった。こうした変化は、1990年代の危機から2008年のリーマン・ショックなどを経て、金融システム不安がようやく峠を越えた証しでもあった。 一方、日本の実体経済は低迷をなかなか抜け出せない。技術革新などを背景に産業構造が世界的に変わっているにもかかわらず、自動車など重厚長大の輸出産業に経済を支える役割を期待する構図が続いているからだろう。 リーマン・ショックが起きた当時は日銀の大阪支店にいた。サブプライム(低所得者層向け)ローンもリーマン・ブラザーズも日本から遠い存在なのに、関西でも経済人が皆「なぜ?どうして?」といぶかるほどに悪影響と不安が急速に広がった。「需要の蒸発」がグローバル化と産業構造の転換の遅れとも深く関係していることを再認識させられたのを覚えている。 リーマン・ショックや東日本大震災後の円高は、昔からある円高恐怖症を改めて強いものにしたのではないか。安倍晋三政権誕生の前後から円安の流れに変わったとはいえ、引き続き円高を国難に結び付けがちなメンタリティは構造改革を阻む要因のひとつではないかと思っている。 円高恐怖症とセットで、欧米の景気や金融政策に左右されやすい構図も続いている。ここにきて米経済の減速懸念から米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍るとの思惑がにわかに浮上し、ECBの政策正常化観測も後退してきた。日銀としては一段と金利が下がったときの副作用を心配する声がある中で、今後は打てる手が限られるとの悩みを抱えているのではないかと感じる。 ◆必要な構造転換から目を背けるな 日本は少子高齢化の課題先進国。遠からずアジアも欧州も同じ問題に直面する。課題を逆手に取り、海外に先駆けてビジネス分野を切り開いていく余地は大いにある。医療・介護・健康はもちろん、資産や経験と知識、時間が豊富な層向けの商機拡大を望みたい。 日本経済のパイを広げるには、単純に移民を国内の労働市場に呼び込むよりも、まず日本人の労働参加意欲を高めていくことが肝要だ。女性や高齢者の労働参加率の上昇傾向からは、働きたい人が増加し、また働きたい人々を受け入れる労働環境が整ってきた様子が確認できる。勤労機会の拡大は将来的な年金不安を和らげて消費を促すだろう。 さらにグローバルに活躍する人や企業とともに、産業のソフト化に伴って付加価値が高く為替の影響を大きく受けない分野が育てば、円高のトラウマからも脱却できそうだ。 東京五輪や大阪万博などのイベントも確かに経済を活性化させるが、目先の需要掘り起こしだけに気をとられ、本当に必要な構造転換を先送りしてしまうリスクが残る。長期的な危機管理の視点を忘れず、課題から目を背けてはいけない。 =聞き手は日経QUICKニュース(NQN)蔭山道子 =随時掲載

平成・危機の目撃者➏ 市東久が見た天安門事件(1989)

「有事のドル買い」の構図いまも 戦争や政治的な混乱の際に米国にマネーが向かう「有事のドル買い」は、1989(平成元)年の天安門事件まで定石だった。以後は米同時多発テロ事件や中国の台頭によって鳴りを潜めるが、市場では「基軸通貨であるドルの優位性は損なわれていない」との声が根強い。2018年にディーラー生活40周年を迎え、金利と外国為替の市場を縦横無尽に駆け続ける「生き字引」である市東久クレディ・スイス銀行東京支店長もそうみる一人だ。 市東久氏 しとう・ひさし  1976年に東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。78年から本店為替部の為替課でディーラーとしてのキャリアを開始。6年間のロンドン支店勤務中は、王立取引所で始まったロンドン国際金融先物取引所(LIFEE)の立会場の公認フロアトレーダーとして公開セリ売買方式での先物取引にも携わった。帰国後は国債トレーディング業務に従事し、ヘッジファンドを経て92年にクレディ・スイス・ファースト・ボストン銀行(現クレディ・スイス銀行)に移籍。金利裁定(アービトラージ)のディーラーとして短期市場ではその名を知らない人はいないほどの有名人で、今も現役で活躍。愛読書は新渡戸稲造の「武士道」 ◆「円買い」には違和感 1989年6月の天安門事件で円相場は1ドル=142円前後から150円をうかがう水準まで下げた。天安門広場で中国の民主化運動が武力で鎮圧され、学生のデモ隊に戦車が突っ込んだ映像は世界に衝撃を与えた。この少し前、ドルは緩やかな下落基調で、数億ドルものドルの買い持ちを抱えていた自分は苦しかった。過去に積みあげた「含み益」は毎日100万ドル単位で目減りしていく。天安門の後のドル高は苦境を打破できた点でも鮮明に記憶に残っている。 今のところこれを最後に有事のドル買いは起きていないが、構図が変わったわけではない。例えばもし朝鮮半島が有事となったら円はどうなるだろうか。地理的に近い日本の円を持ちたくないとの空気が広がり、大きな金融機関や投資家を中心に円を売ってドルを買う判断に傾いてもおかしくないとみている。 経済評論家などが最近「有事の円買い」を乱発しているのを聞くと違和感を覚える。有事とは、戦争など安全保障上の重大な危機が起きたときに投資資金が逃避先を探し回るような状況を指す。例えばどこかの超大国の主要都市にミサイルが着弾するといった強烈なインパクトを持つ事象だ。 現在の円買いは国際分散運用を手掛ける投資家が円の減価に備える目的で、資産の一部を整理して円に戻しているにすぎない。巨大な対外債権国の日本にお金が回帰しやすい面はあっても、有事のリスク回避に伴って円が買われているわけではない。こうした点をきちんと理解したうえで解説者は有事の円買いという言葉を使っているのだろうか。とても不安になる。 ◆流動性リスク対処、受け継がれぬ経験 風化のリスクは有事のドル買いに限らない。市場の混乱局面には経験豊富なベテランの存在が必要だが、足元では日銀の緩和長期化による市場縮小に見舞われた短期金融市場を中心に、ノウハウがまったく引き継がれず危機感を抱いている。具体的には流動性リスクへの対処だ。 1990年代後半の日本の金融危機を生き抜いたわれわれの世代は信用不安と流動性枯渇の恐ろしさが身にしみている。2008年のリーマン・ショック前後でもまずドルの手元資金を厚めにした。欧米金融機関がドルの調達に苦しみ、銀行間の取引金利が上がっていくとすぐにイメージできたからだ。 一方、大手米銀は為替フォワード(スワップ)を通じて日米金利差の拡大に賭ける取引を先行させた。ドルを直物で売って先物で買い戻すもので、これをするにはドル資金をきっちり確保しておかなければならないのにしていなかった。結果的にとんでもない高いコストでドルを借りるハメになり、大きな損失を出した。逆にドル保有者のこちらは1日で数百万ドルほどの利益を計上した日もある。経験の差が物を言った好例だろう。 日本の短期市場では資金が潤沢で金利のない世界が長期化し、人員を配置して大々的にディーリングをする必要がない環境が当たり前になっている。経験者や専門家がいなくても何とかなっているものの、それこそ有事で右も左もわからなくなるリスクと背中合わせだ。 日本が量的金融緩和政策を解除して3度目の利上げ(初回は2006年、2回目は07年2月)のタイミングを測っていた07年3月1日、日銀主催の短期金融市場フォーラムで外国銀行の代表として提言をした。当時の中曽宏金融市場局長(後に日銀副総裁、現大和総研理事長)とも日銀の出口政策に向けて意見を交わした。無担保コール翌日物金利が0.001%に張り付き、既に短期市場がしぼんでいたので、経験者を市場に呼び戻す重要性についても語り合った。 中曽氏とやりとりをしてからさらに10年以上がたった。日銀が異次元の緩和策に足を踏み入れるにいたり、事態は一層深刻になってきたようだ。 ◆緩和が長期化、難しい時代に 日銀が異次元緩和に踏み切る前のことだ。日本の銀行は国内の融資ニーズが細って収益を上げられなくなるので、いずれ海外シフトしてドル建ての投融資を増やすと想定していた。ただ欧米の短期金融市場で簡単には直接ドルを借りられない地方銀行などがドル調達のため、手持ちの円を売ってドルを買おうとすると、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)比で0.80%前後も高い金利を払わなければならなかった。 ドル調達のコストが高すぎて運用しても収益を得られなくなったり、損失が出たりすれば投融資自体をやめざるを得なくなる。欧米銀が信用リスクを感じればドルを貸してくれなくなるかもしれない。ただでさえ米連邦準備理事会(FRB)が緩和からの「出口」に向かっているところだ。懸念は一昨年ぐらいから現実になり始めている。 数年前、前日銀総裁の白川方明氏と話をする機会があった。白川氏も自分と問題意識は一緒だった。貸出先を求めて海外へ打って出るとしても、資金調達やリスク管理のノウハウがなければうまくいかないだろうと心配していた。だが、経験はいっこうに蓄積されない。 1997年の金融危機の前の無担保コール翌日物金利は4%以上だった。2001年の量的緩和策の導入とともに0.001%になったとき、ものすごく小さな金利という意味で「ピーナツ」と海外の仲間にからかわれたのを覚えている。それがまさかマイナスになるとまでは当時は考えていなかった。 円金利単独での投資は基本的にはすることがない。フォワードで米金利の上下動に着目する戦略は引き続き有効だが、ドル資金の流動性の問題が出てくる。リスク管理の制約もきつい。 難しい時代になった。それでも有事にどう備えるべきかを常に意識しながら市場と向き合い続けたい。 =聞き手は日経QUICKニュース(NQN)菊池亜矢 =随時掲載

【朝イチ便利帳】26日 3月権利付き売買最終日 2月の米住宅着工、3月消費者信頼感指数

26日は日銀金融政策決定会合(14~15日開催)の主な意見や2月の企業向けサービス価格指数などが発表される。40年物利付国債の入札が行われる。IPO関連では東名(4439*J)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。 海外では2月の米住宅着工、1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、3月の米消費者信頼感指数などが発表される予定だ。   【26日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 日銀金融政策決定会合の主な意見(14〜15日開催分)   2月の企業向けサービス価格指数 10:30 40年物利付国債の入札(財務省) 13:30 小林同友会代表幹事の記者会見 その他 閣議 海外 時刻 予定 9:30 ローゼングレン米ボストン連銀総裁が討論会に参加 21:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が講演 21:30 2月の米住宅着工 22:00 1月の米S&Pコアロジックケースシラー住宅価格指数 23:00 3月の米消費者信頼感指数 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 8114 デサント、伊藤忠との対立に終止符 取締役10人中9人退任 各紙 +0.14% 3/25 8001 -1.93% 3/25 3774 IIJ系、仮想通貨交換業に初の新規登録 日経 +0.08% 3/25 6178 日本郵政傘下の日本郵便、80歳以上保険勧誘を自粛 日経 -0.60% 3/25 9434 ソフトバンク、プロ野球VRで配信 5Gにらみ、好みの視点で 日経 -0.73% 3/25 3482 ロードスターとイオン傘下のイオン銀が提携 日経 -1.24% 3/25 8267 -3.04% 3/25 7201 ゴーン日産自元会長会見、弁護人「来月10日以降」 各紙 -1.24% 3/25 3082 きちりHD、香港でスーパー内レストラン 日経 -1.55% 3/25 7630 壱番屋、前期純利益13%減に下方修正 日経 -1.57% 3/25 9064 ヤマトHD、宅配用EV開発 独DHLと、秋に500台導入 日経 -1.69% 3/25 5938 LIXILグ、臨時総会5月中に「瀬戸前CEO復帰を」 各紙 -2.20% 3/25 3612 ワールド、米通販買収 サイズ計測技術を取得 日経 -2.61% 3/25 8601 大和、介護や老人ホーム オリックス系を買収 日経 -2.74% 3/25 8591 -0.09% 3/25 8306 三菱UFJ傘下の三菱UFJ銀、ベア1%実施へ 要求超す 各紙 -2.94% 3/25 5715 古河機金、今期純利益20%減に下方修正 日経 -3.11% 3/25 3562 No.1、他社顧客リスト複製疑い 役員ら書類送検 日経 -3.58% 3/25 6753 シャープ、中国冷蔵庫メーカーと協業 日経 -3.67% 3/25 6723 ルネサスが自社株買い 新株予約権発行で希薄化懸念に対応 日経 -4.07% 3/25 4044 セ硝子、今期純利益2.3倍に上振れ 電解液の販売好調 日経 -4.07% 3/25 5333 ガイシ、今期純利益25%減に下方修正 中国向け販売不調 日経 -4.34% 3/25 4634 洋インキHDが減価償却方法を定率法から定額法に 日経 -4.44% 3/25 7408 ジャムコ、旅客機シート不正疑い 無資格者検査か 読売 -4.70% 3/25 9984 ソフトバンクグループなど、インド物流企業へ投資 450億円 日経 -5.01% 3/25

平成・危機の目撃者➊ 藤巻健史が見た英ポンド暴落(1992)

平成も残り1カ月半。この約30年間、金融市場は様々な危機やショックに見舞われてきた。激震の平成から何を学び、将来にどう生かすか。危機を目の当たりにしてきた市場関係者に聞いた。シリーズ第1回はモルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)東京支店長などを務めた藤巻健史フジマキ・ジャパン代表。1992(平成4)年の英ポンド危機を振り返り、市場の調整機能の重要性を強調する。 ソロスファンドの「暴力」と「市場調整機能」 藤巻健史氏 ふじまき・たけし 1974年に三井信託銀行(現三井住友信託銀行)入行。85年にモルガン銀行東京支店に移り、資金為替部長を経て95年に東京支店長(兼日本代表)に就いてディーラーとしても存在感を示す。2000年にはジョージ・ソロス氏のアドバイザーを務めた。その後は企業のアドバイザーやいくつかの大学で教べんをとり、13年から参議院議員 ◆欧州通貨メカニズム参加の矛盾を突く いまでも夢に出るほど後悔しているのが92年、ジョージ・ソロス氏率いるヘッジファンドの激烈な英ポンド売りを指をくわえてみていたことだ。欧州の為替相場メカニズム(ERM)に参加していた英国は多くの矛盾を抱え、ERM離脱とポンド下落は当然の帰結にもかかわらず、ソロスファンドの二大ファンドマネジャーの一人、スタンリー・ドラッケンミラー氏の鬼気迫る動きに追随できなかった。 90年にERMに入った英国はポンドの対ドイツマルク相場の中心レートを1ポンド=2.95マルク、変動幅を6%に収めなければならなかった。つまり1ポンド=2.77マルク以上を維持するとの条件だったが、当時の英国は景気が悪く、ポンドには常に下落圧力がかかっていた。 英中央銀行のイングランド銀行はポンド買いの市場介入で相場を支えようとしたもののらちが明かない。景気が悪いから英国では簡単に利上げできなかったし、ドイツはドイツで根強いインフレ懸念から利下げが難しかった。どちらも金融政策による通貨安定は厳しかったわけで、ドラッケンミラー氏のポンド売り戦略は後から振り返ると非常に論理的だった。市場の調整機能が働けばポンド安や英国のERM離脱は避けられなかったはずなのに、なぜ付いていかなかったのか。 英国は結局ERMを離脱し、そのおかげで通貨安が進み、英経済は回復した。ソロスファンドのとった行動について「市場の暴力」「やりすぎ」といった批判も聞こえてくるが筋違いだ。ひずみが生じたらうまく調整し、結果的に良い方向に進めていく市場の健全性をもっと評価してほしい。 ドラッケンミラー氏とはのちにソロスファンドで一緒になった。ファンドのもう一人の巨人ニック・ロディティ氏がオンとオフをはっきり分けるメリハリの効いた性格だったのに対し、アナリスト出身らしい学究肌の冷徹な雰囲気が印象に残っている。 ◆「イングランド銀をつぶした男」の素顔 2000年に加わったソロスファンドでは初めて損失を計上し、あっさりとクビになった。ドラッケンミラー氏からはその後、中東に拠点を置く総額1兆円規模のファンドに誘われたが、自分の全財産の80%をファンドに入れる条件が付いていた。子供が小さかった当時、ファンドと一蓮托生(いちれんたくしょう)の勝負はもうできなかった。自らの一切合切を賭けられないとすればどうすべきか。そのとき、ディーラーをやめようと思った。 ソロス氏は一言で表すなら好々爺(こうこうや)。ヘッジファンドのオーナーには変わり者が多く、例えば相場観などの説明を聞くためだけにわざわざプライベートジェットでニュージーランドからロンドンまで飛んで来たり、引き連れてきたエコノミストの質問を途中で遮ってまったく無関係の話題を始めたり、ディーリングルームの隣に超高級スポーツジムを設立したりなどの奇行の話題には事欠かない。ソロス氏はマーケットセンスはあまりなかったと思うが、人柄に関しては穏やかで好ましかった。 ◆異次元緩和は最大の失敗、出口を見いだしにくく 平成最大の失敗は日銀が2013年に導入した異次元の金融緩和政策だろう。2年で2%の物価目標を掲げて国債などの大量購入に踏み切り、伝統的な金融政策は本当の終焉(しゅうえん)を迎えた。 日銀が現在やっているのは財政ファイナンス(財政赤字の穴埋め)そのもの。出口は見いだしにくい。これだけ財政赤字が拡大するなか、物価目標を達成したから緩和をやめると言っても政府はおそらく受け入れないだろう。金利上昇で予算が組めなくなり、財政危機に陥りかねないからだ。 日銀のバランスシート(貸借対照表)は危険水域に入っている。もし当座預金の金利を引き上げれば支払利息が増える半面、資産のほとんどを占めるのは金利が低く残存期間の長い国債のため、損失が膨らんで債務超過に陥りかねない。 ドイツが第2次世界大戦で敗れた後、中央銀行がドイツ帝国銀行(ライヒスバンク)からドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)に移った例はあるが、平時ではない。日本が平時に中銀が変わる初めてのケースにならないかと心配している。 1つアイデアがある。日銀が米連邦準備理事会(FRB)の保有する米国債を直接買い取ることだ。日本経済が低迷している要因の1つは外国為替市場での円高傾向だ。半面でFRBは現在、保有米債を売却しバランスシートを縮めている最中で利害は一致する。為替介入とみなされずに行き過ぎた円高を食い止める方法はいくらでも存在する。 ◆「飛ばし」「問題先送り」体質変わらず 市場の健全性を測るにはそのときそのときのリスクをきちんと計量化できる仕組みが必要だ。具体的にいえば時価会計。リーマン・ショックなど次々と訪れた危機でいつも米国の経済の立ち直りが日本よりも早かったのは時価会計を徹底し、潜在リスクの有無の把握がスムーズに進んだからではないか。 時価会計なら損失は昨日と今日の差でしかない。ところが日本ではまだ簿価会計の部分が少なくない。もしここで時価会計に変え、損失を出すと過去のことも含めてすべて自分のせいになるので、損切りがなかなかできない。だから「飛ばし」が発生する。古くは山一証券を破綻させた問題先送りの悪弊はすぐには改善しないだろう。 日本でもし物価目標の2%がみえてくると金利の先高観が強まり、財政破綻は近づく。市場では「日本は対外資産が巨額なのですぐには財政破綻しない」との声ばかりだが、資産のほとんどは政府のものではない。インフレ率が急上昇する「ハイパーインフレ」が起これば政府債務は相対的に減るが、国民に負担を強いることになる。日銀による巨額の日本国債の購入は財政破綻リスクをまさに「飛ばし」ているだけだ。 =聞き手は日経QUICKニュース(NQN)菊池亜矢 =随時掲載

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