新興国投資へ、ようこそ (新コラム:エマージング深層潮流)

エマージング深層潮流 Vol.1 by クラウドクレジット運用部 地球の裏側アルゼンチンで起きた選挙の結果と相場急落が、お盆休みの日本をはじめ、世界の金融市場を慌てさせた。経済とマネーのグローバル化で、先進国と新興国(エマージング)が互いに及ぼしあう影響の度合いはますます大きくなっている。海外向けのクラウドファンディング事業を手掛け、新興国の経済動向などに詳しいクラウドクレジット(東京・中央)の運用チームのスタッフが、独自の視点でエマージング市場を深掘りする新コラム。第1回は「新興国市場投資の心構え」をお届けする。 高利回りの魅力も、為替急変動の不確実性も 先進国の多くでは低成長の経済と大規模な金融緩和を受け超低金利が常態化している。日本では短期金利は実質マイナス、長期金利の上限は0.2%、先進国で金利が最も高い米国でも短期金利は2%台、10年国債利回りは2%を割っている。一方、新興国では短期金利も長期金利も5%を超えている国が多い。新興国は高い経済成長率、相対的に高いインフレ率および旺盛な資金需要があることから、中長期的に金利水準は高位で安定推移するものと考えられる。 (FTSE世界国債インデックスWGBI。グラフの利回りの数値は8月) 新興国市場へ投資する最大の魅力は高い利回りを享受できる期待が高いことだ。しかしながら海外資産に投資する場合には為替変動という厄介なリスク(不確実性)が避けられない。なかんずく新興国通貨は、ひとたび政情不安や経済基盤が棄損されるような事象が起こると、為替相場が大幅に下落する可能性が高い。過去5年間でトルコリラが対円で60%弱、アルゼンチンのペソが同じく80%強それぞれ下落したのはその典型例だろう。 リスクを回避するにはファンダメンタルズを知るべし  適切な通貨選択をすれば大幅なマイナスは避けることができる 適切な通貨選択には投資対象国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を知ることが大事 一般的な公開情報だけでもファンダメンタルズ分析は可能 ではどのように投資候補国のファンダメンタルズを見ていけばよいのだろうか。基本的には次の3点を把握することが肝要である。 まず経常収支の対GDP比率。経常収支が大幅な赤字の国は要注意だ。さらに消費者物価指数(前年同月比)の伸び率が急上昇している国はインフレ状態なので通貨が売られやすい。そして3つめは、外貨準備高の対GDP比率だ。外貨準備高が小さい国は対外債務の支払いに懸念がある。 (世界銀行、国際通貨基金、BISおよび各国統計からクラウドクレジット作成) 200超もある国の中から一つの国を選んで安定的に収益を狙えそうな国を探すのは運用のプロでも至難の業。だが、最下位争いランキングに入りそうなひどい状況になっている国を避けるために、①資本流出が激しく、②急激な物価上昇がみられ、③外貨準備が少ないという3点に着目してそれに当てはまる国を除外していく作業自体は、ちょっと手間をかければできる。 上の表の青いアミ掛け部分は、それぞれの項目について相対的に劣っている数値であることを示している。前述のアルゼンチン、トルコは2018年で3項目いずれも青く、インドネシアは2項目が青だ。逆にインド、タイ、マレーシアは青い部分がない。 こうして見ていけば、リスクの高い国を除外して分散投資を行い、収益を安定化できるはずだ。どの国がどの国よりも勝っている劣っている、という難しい分析をしなくても、中長期に安定した投資の成果を実現できるのではないだろうか。(月1回配信します) クラウドクレジット株式会社 :「日本の個人投資家と世界の信用市場をつなぐ」をコーポレートミッションとして掲げ、日本の個人投資家から集めた資金を海外の事業者に融資する貸付型クラウドファンディングを展開。新興国でのインフラ関連案件も多く、現地のマクロ・ミクロ経済動向などに詳しい。累計出資金額は約215億円、運用残高約124億円、ユーザー登録数38000人以上(2019年8月12日時点)

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