今年のIPO、23日の「Mマート」からスタート 「QBハウス」3月上場へ

2018年の新規株式公開(IPO)が、2月23日上場のMマート(4380、東京・新宿)からスタートする。同社を含め現時点で11社のIPOが決まっているが、例年3月はIPOが集中するため、新規上場社数はこれから増えてくる見通しだ。IPOは個人投資家の投資意欲を測るバロメーターの一つとされる。波乱含みの今後の株式相場の展開を探るうえで参考になる。 18年のIPO第1号となるMマートは、飲食店向けの食材仲介サイト「Mマート」を運営している。買い手の登録社数は10万5000社に上り、食材のBtoB(企業間取引)サイトとしては国内で最大規模だ。18年1月期の単独営業収益は前期比13%増の6億円、税引き利益は2.4倍の7400万円を見込む。公開価格は仮条件(1140~1240円)の上限である1240円に決まった。 また、19日に東京証券取引所が株式上場を承認したキュービーネットホールディングス(6571、東京・渋谷)は、ヘアカット専門店「QBハウス」を運営している。知名度があるため話題になりそうだ。 年初から19日までの日経平均株価の下落率は2.7%だが、過去1年に上場したIPO銘柄の値動きを基に算出する「QUICK IPOインデックス(単純平均ベース)」は1.5%の上昇だった。IPOインデックス対象銘柄のうち、同期間に最も上昇した銘柄は医療関係者向け通販を手掛ける歯愛メディカル(Ciメディカル・3540)で77%だった。 【IPOインデックスと日経平均の年初来の株価推移】 ※QUICK端末のナレッジ特設サイト「IPOワールド」では、IPO銘柄の上場スケジュール、関連情報・記事、代表者へのインタビューなどを一覧できます。

60代の約4割「自分の資産額わからない」 金融老年学で見た人生100年時代の現実

政府は16日の閣議で、「高齢社会対策大綱」を閣議決定した。大綱には公的年金の受給開始年齢に70歳超も選べるようにする制度の検討も盛り込んだ。日本は、65歳以上が全人口の21%を占める超高齢社会に突入しており、老後のお金に対する考え方も変化している。 専門家の間では、超高齢社会とお金の関係を考える「金融ジェロントロジー(老年学)」が注目され始めている。野村資本市場研究所と共同で金融ジェロントロジーにおける資産運用の調査を実施した野村アセットマネジメントに、現状について説明してもらった。 老後の金融資産を考えるとき、老後に向けての「資産形成」はもちろん、老後の生活費や医療費による「資産枯渇」も問題点とされる。資産を増やすだけでなく、その適切な保全もポイントだ。 野村の調査(60~89歳までの男女3054名が対象)では、金融資産の平均値は2444万円と枯渇の可能性は一見低そうに見えるが、60代に限ると自分の資産額が「わからない」という回答が36%、「1000万円未満」が29%と合わせて6割を超えており、資産管理の不十分な高齢者は多いと言えそうだ。必要な老後資金額についても、全体の約3割が「わからない」と答えている。 (出所)野村アセットマネジメント、野村資本市場研究所 毎年どれだけ金融資産を取り崩すかによって資産枯渇のタイミングは変わる。野村の調査によると、老後の金融資産の年間取り崩し額は平均で資産の3%程度と、枯渇までの「資産寿命」は100歳を超えるという結果となったが、油断はできない。「資産の年間取り崩し額が3%なら枯渇までに33年、5%なら20年。数%の違いで十数年の違いが出てくるため、長期にわたり計画的に管理する必要がある」(野村アセットマネジメントの住田友男シニア・ストラテジスト)。 加えて高齢者には、「認知」の問題も出てくる。認知機能が低下したときにお金をどうするか。60代は4割が「どうしていいか、わからない」という状況だ。成年後見制度の利用意向も1割以下にとどまっている。 (出所)野村アセットマネジメント、野村資本市場研究所 高齢者は「資産枯渇」と「認知機能の低下」を考慮した適切な資産運用をするべきだが、野村の調査内容を見る限りでは、その意識が十分とは言えない。 老年精神医学を専門とする三村將・慶應義塾大学医学部教授は、書籍「金融ジェロントロジー」の中で、証券や銀行などの窓口現場が「認知機能低下の程度や意思決定能力・財産管理能力の程度を推測していくノウハウが求められる」と語る。金融資産が高齢者に偏る日本。金融が適切に機能するためには、高い倫理観を伴った顧客本位の営業がいっそう求められることになる。 また60歳以上のNISA口座開設率は3割前後で、株式保有率とほぼ一致しており、高齢投資家の利用も少なくない。NISA口座開設者980名の3割が、2023年でNISAの非課税枠が終了した場合に「運用を止める」と回答しており、野村アセットの住田氏は「NISAの恒久化が必要ではないか」と見ていた。 【QUICKイノベーション本部 吉田晃宗】

株主優待狙いは23日まで イオン(8267)など割引サービス

株主優待は個別銘柄を選択するうえで魅力的な要素の一つだ。企業によっては、自社への理解を深めてもらう目的で関連商品やサービスを提供している。2月期決算企業の株主優待を得る権利を獲得するには、23日時点で銘柄を保有する必要がある。 QUICK端末のナレッジ特設サイト「株主優待ウオッチ」では、2月末権利確定銘柄の125社が閲覧できるほか、優待品を金額換算した優待利回りをランキングの確認や簡易検索などもできる。 イオン(8267)は単元株である100株を16日の終値1846円50銭で購入すると購入額は18万4650円。買い上げ金額に対し、持株数に応じた返金率を乗じた金額をキャッシュバックされるなどのサービスを受けることができる。このほか、J.フロント リテイリング(3086)や高島屋(8233)は優待カードで買い物の割引を受けることができる。 ただ、優待には高級ホテルの宿泊券の割引や結婚相談所の初期費用割引など、うれしい人にはうれしいが、あまり汎用性が高くなく、結局、利用する機会のないまま期限が切れてしまうものもある。「優待内容」でしっかり利用価値の高いものか見極める必要がある。 以下はQUICKが提供しているナレッジ特設サイト「株主優待ウオッチ」で、紹介している2月末権利確定銘柄の125社の中から時価総額の高い順に銘柄を抽出した。 ▽株主優待時価総額順TOP30  (16日終値ベース)   コード 銘柄名   優待内容          最低購入金額(円) ★8267 イオン    割引券,ギフト券                    184,650 ★9602 東 宝    招待券,映画,観劇                 342,500 ★2670 ABC マート   割引券,衣料品                    669,000 ★3086 Jフロント     招待券,割引券,美術               194,000 ★8273 イズミ    ギフト券,食品                      697,000 ★8905 イオンモール    ギフト券,その他                    215,800 ★3141 ウエルシアHD   ギフト券,食品,その他               458,000   8984 ハウスリート    割引券,ホテル                       259,400 ★8233 高島屋    招待券,割引券,美術             1,088,000 ★7649 スギHD  ギフト券                           574,000 ★3048 ビックカメラ   ギフト券,家電                      164,500 ★9787 イオンディライ  ギフト券,食品                      385,500 ★9601 松 竹    招待券,映画,観劇               1,488,000 ★2379 ディップ  ギフト券                           331,500 ★2659 サンエー  食事券,ギフト券,ホテル                550,000 ★8244 近鉄百    食事券,割引券,ギフト券,レジャー,ホテル   382,500 ★8016 オンワードHD  衣料品                            90,400 ★3050 DCM    日用品,その他                    105,900 ★8251 パルコ    招待券,割引券,ギフト券,映画,美術   143,000 ★9948 アークス  割引券,ギフト券,食品,ホテル           255,800 ★3222 U.S.M.H   ギフト券,食品                      108,700 ★7630 壱番屋    食事券,食品                      440,500 ★2292 S Foods   割引券,食品                      426,500 ★3087 ドトル日レス  ギフト券                           252,300 ★9861 吉野家HD  食事券,食品                      194,700 ★9974 ベルク    ギフト券,食品                      600,000 ★3387 クリレスHD    食事券,食品                      121,500 ★8185 チヨダ    割引券,衣料品                    273,200 ★7485 岡谷鋼機  ギフト券,食品,本                 1,163,000 ★2685 アダストリア   ギフト券,衣料品                    222,900 「★」は2月末に配当を実施する予定がある企業。

ドル円、1ドル=107円台 節目抜けなら100円台も視野

ドルの対円相場に下落圧力がかかっている。13日のニューヨーク外国為替市場でドルは対円で一時1ドル=107円40銭まで売られ、2017年9月8日につけた17年の安値(107円32銭)に迫った。世界的な株安の余波が続くなか、節目を更新すればドル安・円高に弾みがつきかねない。 13日のドル安進行は、米株が下げる場面で米長期金利の指標となる10年物米国債の利回りが低下(価格は上昇)したのが主因。昨年末以降、ドルと米長期金利の連動性が薄れ、米金利が上昇してもドルは下落していたが、再び以前の関係を取り戻しつつある。 SMBC日興証券の野地慎チーフ為替・外債ストラテジストは「足元では米国10年債利回りにピークアウトの兆しが見えるなか、ドル円が下落するという反応が見られている。あといくばくかの米国10年債利回りの低下があれば、ドル円が17年9月8日安値107円32銭をブレイクする」と予想。ブレークした場合、「108~114 円という2017年のドル円レンジのほぼ完全な『下方シフト』が生じる」という。 シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは14日のリポートで、日銀の黒田東彦総裁の再任報道を巡り安倍晋三首相が「白紙」と発言したことが円高・ドル安を招いたと指摘。ドル円は「2016年6月以降の上げ幅の61.8%押し(106円50銭前後)を下値メドに下値警戒が必要な局面」とみていた。そこから先は月足の雲の下限(100円60銭前後)までドル円を下支えするテクニカルな要因は見当たらないという。   【QUICKナレッジコンテンツグループ・大谷篤】

【孫社長説明会Live】「5Gでスプリント逆襲」「オセロの四隅とった」

7日に2017年4~12月期決算を発表したソフトバンクグループ(9984)は同日午後4時半から、都内で決算説明会を開いた。孫正義社長による65分ほどのプレゼンテーションの後、同社長がアナリストや記者の質問に25分ほど答えた。 孫社長の肉声のエッセンスをLive形式でお届けする。            ※写真は同社提供の決算説明会動画から 16:34 ――スプリントについて 「今回の決算で特に伸びたのがスプリントだった。スプリントはトラブっている会社と思っている人がいまだにいるが、着実に改善している」 16:38 ――借金が多いとの指摘について。 「当社は2000年のネットバブルを経験し、倒産するかどうかの苦しみを味わった。もういちど株式市場の暴落がないと考えてはいけない。だから負債のバランスは非常に慎重にマネージしなければいけないと考えている。EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)に対し、3.5倍までは我々にとって健全だ。現在は2.8倍で、十分に安全な範囲だ」 16:42 ――米国の法人減税について 「大いにメリットがある」 16:47 ――5Gについて 「他社はもともと持っている周波数の数が少ないうえに4Gで埋まっているが、スプリントは電波を一番持っており、余裕がある。スプリントは5Gで全米最強のネットワークが持てる。スプリントによるネットワーク逆襲が予定された。スプリントは完全に(業績が)底を打って顧客獲得も進んでいく」 16:49 ――アームについて 「任天堂の新型ゲーム機『スイッチ』にも使われており、これからIoT(モノのインターネット化)分野でも浸透していき、オセロの四隅をとったようなもの」 17:00 ――ソフトバンク・ビジョン・ファンドについて 「将来性のある会社が続々とビジョン・ファンド入りしている。世界最大級のライドシェアのウーバーも投資先の仲間に入った。ビジョン・ファンドは一般的なベンチャーキャピタルとは位置づけが違う。その分野の圧倒的な会社にどんと投資する。IPO(新規株式公開)できるかどうかではなく、いつIPOするかという会社だ」 17:23 ――携帯会社ソフトバンクのIPOに伴う親子上場について 「世界の時勢に合わないとみる人がいるが、私は小さな次元で考えているのではなく『群戦略』が根底にある。当社は戦略的な持ち株会社になり、オペレーティングカンパニーはそれぞれが独立自尊であった方がいい。ソフトバンクは配当政策を重視し、当社はそのオペレーティングカンパニーから配当を得てほかに資金を回していけるようにする」 17:38 ――上場後の携帯会社について 「宮内が社長になる。私は会長に就く。自律的で機動的な成長のために、権限は宮内に移譲する」 17:48 ――楽天の携帯事業参入について 「情報革命にはいろんなプレーヤーが様々な役割を果たす。明治維新でも薩摩藩や長州藩などいろいろプレーヤーがいた。楽天も情報革命をけん引している革命家。新しい切り口で携帯事業に参入することは市場を刺激する。切磋琢磨しながらともに業界を革新したい」 17:53 ――元シャープ副社長の佐々木正氏が亡くなったことについて 「私が19歳のときに発明した電子翻訳機をライセンス契約してから、いろいろとご指導いただいた。親戚でも投資家でもない方が懇切丁寧にいろんなアドバイスをしてくださったわけで、こんなにありがたい方はいない。102歳で亡くなったが、最後まで最先端の技術に対して思いを深くし、高い志を掲げていた」 【QUICKナレッジコンテンツグループ・内山佑輔】 ※Qr1などQUICKの情報端末では、すべてのニュースをリアルタイムでご覧いただけます。

金融メッセージツールの米シンフォニー、日本で本格展開 QUICKと協業

QUICKは1月25日、Symphony Communication Services, LLC(シンフォニー・コミュニケーション・サービシズ、本社:米カリフォルニア州パロアルト、CEO:David Gurle)のメッセージツール「Symphony」を利用したサービスを提供すると発表した。QUICKが今年春に投入する最新の情報端末に機能を搭載する。 このツールを使うと、社内やグループでの情報共有が簡単になり、取引など業務の効率が上がることが期待できる。世界中の金融機関に広がるコミュニケーションの輪に加わることも可能だ。 シンフォニーは2014年に生まれた新興企業で、米ゴールドマン・サックスやブラックロック、野村証券などが出資している。セキュリティー性の高いツールを月20ドルという手ごろな価格で提供するのが受け、世界中で280社以上に利用され、ユーザー数は30万を超えた。 金融業界のコミュニケーションツールとしては米ブルームバーグのサービスがあるが、シンフォニーはその牙城に風穴を空けたため、「ブルームバーグキラー」の異名を持つほどだ。  【シンフォニーの画面】 シンフォニーの使い方はとても簡単だ。たとえば、株価チャートを利用者同士で共有したいとしよう。QUICK端末の株価チャートの画面を出し、シンフォニーの「共有」メニューをクリックするだけでいい。企業情報やニュースなどQUICK端末にあるデータならすべて同じやり方で共有することが可能となる。 チャット上では銘柄コードからのリンクを簡単に作成できる。朝の会議の前にメンバー全員とリポートを共有する際にも便利だ。もちろん、いつものように同僚たちとおしゃべりを楽しんでも問題はない。 シンフォニーのプラットフォームにはさまざまなビジネスアプリが用意されている。日本経済新聞社はグループで保有する膨大なデータを利用した金融・経済分野の人工知能(AI)「日経DeepOcean」のアプリを提供する予定。株価とニュースの関連性などを探しながら、すばらしい投資のアイデアを見つけることができるかもしれない。 シンフォニーのツールはセキュリティーが高い点も売りの一つ。利用者側が暗号化の鍵を持つ仕組みなので、社内やチームだけでなく、企業間のやりとりでも情報の安全性を保つことができる。グループごとの管理ポータルを使えば、チャット利用者の管理やコンプライアンス(法令順守)上の言葉の制御も可能だ。 IDを公開している利用者にリクエストを出し、コンタクトを取るのもいい。コミュニティーの広がりを実感できるだろう。 (QUICKナレッジ開発本部 ナレッジコンテンツグループ)

「我々は全てコールドウォレット」「目指すはICOの東証」QUOINEの栢森社長に聞く

2017年に急速な値上がりを記録したビットコイン。上昇の一因となったのは、仮想通貨技術を使った資金調達(イニシャル・コイン・オファリング=ICO)が拡大するという期待感だ。一方、今年に入り、仮想通貨取引所のコインチェックから約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出する問題が発生。業界整備の課題も残っている。 金融庁登録の仮想通貨交換業者であるQUOINE(コイン、東京・千代田)は2017年後半、独自仮想通貨「QASH」のICOで35万イーサ(当時の相場で100億円前後)を調達した。同社の栢森加里矢社長に、拡大する仮想通貨経済圏でどのようなポジションを狙うのか、また今回発生した盗難事件をどう受け止めているかを語ってもらった。 ■2018年はICOが国内に根差していく ――ビットコインの急騰や、仮想通貨交換業者の登録、QASHのICOなど、昨年はQUOINEにとって激動の年だった。 「確かに激動の時期だったが、一つのスタート地点だと思っている。2018年はICOと仮想通貨取引所が融合し、ICOが国内に根差していく年だろう。金融庁登録を受けた仮想通貨交換業者による世界初のICOであるQASHの資金調達に成功したことは、その足場固めにつながった」 QUOINEの栢森加里矢(かやもり・かりや)社長 ――ICOと取引所の融合とは。 「ICOでは、トークン(デジタル権利証)の売り出しから、上場を通じたトレーディング、そして上場前後のモニタリングといった業務を、取引所が一貫して手掛けることになる。日本の規制当局のガイドラインでは、この形が求められているのだと考えている」 「モニタリングは、発行体の情報開示状況やプロジェクト進捗状況の継続的なチェックを想定している。我々はICOファンドにも参画しているので、利益相反が起こらないよう、細心の注意を払いつつ、中立・独立の部隊を作る予定だ」 ■「すでに100%コールドウォレット」「さらにセキュリティを強化へ」 ――今年早々に発生したコインチェックの顧客資産流出の件をどう考えるか、QUOINEのセキュリティ状況はどうか。 「今回の盗難は、補償したから終了というものではない。度重なるサーバー攻撃や盗難は、仮想通貨業界全体への警鐘。試練の時であり、業界を健全化する機会でもあると受け止めている」 「我々は、100%コールドウォレット管理や、出コインのアドレスのホワイトリスト化、プライベートサーバー、二段階認証の必須、API出金の禁止といったセキュリティ対策を実施済みだ。第三者機関や専門家によるセキュリティチェックや、内部犯行防止の各種施策も実施している。今後は、私を中心とした危機管理委員会の設置や、コールドウォレットが実装できない仮想通貨の取扱禁止など、セキュリティをさらに強化する方針だ」 ■ICOは日本がリーディング・ポジションを取れる分野、目指すはICOの東証 ――足元のICOの状況は。 「ICOは海外からも引き合いが多く、現在進行中の上場パイプライン2件のうち、一件はジブラルタル証券取引所のRockTokenだ。もう一件は日本の地方創成型ベンチャー。日本は2017年4月に施行した改正資金決済法で、世界に先駆け仮想通貨取引所に登録制を導入した。日本の取引所の透明性は強みであり、ICOは日本がリーディング・ポジションを取れる分野だと考えている」 「トークンには、大きく分けて、ユーティリティ型(プロジェクトで開発されたサービスの利用権)と、有価証券型(プロジェクトの収益の分配権)があるが、どちらかに偏るとは考えていない。ブロックチェーン技術を利用していないサービスの資金調達には、有価証券型が利用されるのではないか」 ――ICO市場の拡大に何か懸念点は? 「ICOを希望する発行体は、ベンチャーから大手企業まで非常に多い。現時点では、モニタリングなど取引所側の体制が万全とは言えず、対応しきれていない状況だ」 「現在、海外ICOプラットフォームのQRYPTOSへの上場審査待ち企業が90社。イノベーションのための資金調達を妨げることがないよう、体制整備を急ピッチで進めていきたい。ICOの一つの目標として、1日1件の上場をこなし、東京証券取引所の年間IPO件数を超えることができればと思っている」 ■既存の金融業界はむしろパートナー ――既存の金融業界との関係について。 「ICOによる資金調達に成功したので、QUOINEが資金調達目的で国内株式上場を実施することはないと思っている。あるとすれば信用度や知名度の観点からだろう。ICOは基本的にグローバル・オファリング。国際評価という視点から、自信のある企業がICOに向かい、自信のない企業が従来型の株式上場を目指す、という状況が訪れるかもしれない」 「先ほど述べたとおり、取引所に持ち込まれる案件が非常に多い。取引所が審査する前の事前審査、つまり株式上場において証券会社が主幹事として果たしている機能が必要となってくる。既存の金融機関との協力はむしろ歓迎だ」 【QUICKイノベーション本部 吉田晃宗】

株主優待、モロゾフ(2217)、鳥貴族(3193)も きょう権利付き最終売買日 利回りは?

26日は1月末に期末・中間期末を迎える企業の株主優待の権利付き最終売買日。2万4000円の大台を回復したところで日経平均株価には上昇一服感が漂っており、キャピタルゲイン以外で少しでもうまみを得ようと、株主優待に注目する個人投資家も多いだろう。 QUICK端末のナレッジ特設サイト「株主優待ウオッチ」では、優待品を金額換算した優待利回りをランキングで確認できる。1月が権利確定月の銘柄のうち、優待利回りが高いのは以下の通りだ。 優待品の金額換算基準は以下の通り。上限額が設定されていない割引券、カレンダーやオリジナルグッズなどの非売品などは対象外。 ・QUOカード、商品券、図書券などの金券は額面金額 ・上限額が設定されている割引券は上限額 ・優待品の定価 ・「〇〇円相当」と明示された金額 ・企業への問い合わせで確認した金額 ・優待品が米の場合、重さに応じた「お米券」の金額 ・優待品が複数の場合、金額換算が可能なものの合計額 ・優待品が選択できる場合、もっとも低い金額 トップのヘルスケア&メディカル投資法人(3455)は優待利回りが300%超えと破格だが、有料老人ホームの入居一時金割引など、内容はちょっと特殊。単純に利回りの高さだけにひかれて投資してしまうのも問題だ。続くミサワ(3169)は割引券や5000円相当の商品、ストリーム(3071)は自社サイトで使える割引券を贈呈する。 ほかに優待が人気を集めそうなところでは洋菓子大手のモロゾフ(2217)。10枚つづりの20%割引券などがもらえ、優待利回りは1.59%だ。1月に中間期末を迎える居酒屋チェーンの鳥貴族(3193)は優待利回りは0.57%にとどまるが、鳥貴族全店で使える食事優待券とあって汎用性は高い。 株主優待ウオッチでは配当分も含めた利回りのランキングも確認できる。例えば先のモロゾフは合計した利回りが2.51%、鳥貴族は0.79%だ。広義のインカムゲインを比べるときの参考にしたい。ただし利回りの高さは株価の低さと裏腹の関係でもある。好地合いのもとで株価が割安に放置されているなら、業績の悪化や減配、優待廃止のリスクがないかチェックすることも必要だ。

日経平均2万4000円台 PERにみる「さらなる見直し余地」

23日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸し、前日比307円82銭(1.29%)高い2万4124円15銭で終えた。2万4000円台を回復したのは、1991年11月15日以来、およそ26年ぶり。高値警戒感から投資家の利益確定売りが上値を抑える展開が目立っていたが、日銀の金融政策の現状維持決定などから先高期待が強まり、心理的な節目を抜けた。 同日付の日本経済新聞朝刊の「スクランブル」では、日本企業の2018年度の増益率が17年度に比べて鈍るため、今後は予想PER(株価収益率)の上昇が重要になると指摘していた。日本経済新聞社の集計によると17年度の経常増益率は11.6%。一方で市場関係者の多くは18年度の増益率が2ケタに届かないとみる。 株価が一段の上値を狙うにあたってカギとなるPER(株価収益率)は、株価が企業の1株利益(EPS)の何倍に買われているかをあらわし、バリュエーションを測るうえで重要なものさしの一つ。PERの高さは株価の割高感を示す反面、それだけの評価材料を市場が織り込んでいることも意味する。 足元では日経平均のPERは15倍台で、米ダウ工業株30種平均(18倍台)と比較すると見劣りする。QUICK端末のナレッジ特設サイトの「日経平均/PERチャート」を使い、過去のPERと比較しても足元のPERは低い。5年間のチャートをみると、アベノミクスへの関心が高まった2013年前半はPERが20倍を上回る局面もあった。 当時は新政権の経済対策や金融政策で景気が上向き始めるとの期待が海外投資家の間でも広がった。それから5年。企業業績や雇用環境の改善など、一定の効果は確かにみられた。 一方で政府と日銀が一体となって目指してきたデフレ脱却をはじめとして、いまだ越えられぬハードルも少なくない。コーポレートガバナンス(企業統治)改革も道半ばだ。見方によっては、見直し余地のある材料が企業業績以外でも多いという解釈もできる。今後、そうしたハードルの解消が評価の上乗せ材料になってくればPER、ひいては株価の一段の上昇につながってくるかもしれない。「日経平均/PERチャート」のシナリオ計算では、業績やPERを仮定して日経平均株価の水準を求めることも可能だ。 <関連記事> いまの株価は割高? PERチャートで「過熱度」を見ると…… 【QUICKナレッジコンテンツグループ・内山佑輔】

進む円安・ユーロ高 欧州で稼ぐ「追い風」銘柄をチェック

外国為替市場で欧州単一通貨ユーロが買われている。1月15日には対ドルで1ユーロ=1.2296ドルと14年12月以来およそ3年ぶりの水準までユーロ高・ドル安が進んだ。円に対しては2年3か月ぶりの高値圏。ユーロ高が続けば、欧州で稼ぐ欧州関連株に注目が集まりそうだ。 欧州での売り上げが大きいと、一般に円安・ユーロ高の進行で円ベースの売上高が増える。輸出企業なら採算が改善する。価格競争力が増す面も大きい。 欧州の売上高比率が高い銘柄をランキングにした。欧州関連銘柄として知られる東証1部の電動工具大手、マキタ(6586)は40.77%と3位。2018年3月期の業績予想の前提とするユーロの対円相場は1ユーロ=128円と、実勢よりも8円ほど円高・ユーロ安の水準に設定している。株価は年初から10%近く上昇し、日経平均株価のパフォーマンス(5%高)を上回っている。16日には昨年来高値を更新した。 工作機械のDMG森精(6141)の欧州売上高比率は31.67%。2017年12月通期のユーロの想定レートは125円90銭。株価は15日に昨年来高値を更新し、16日も堅調だった。年初からの上昇率は11%を超えている。ユーロ高を追い風に、EIZO(6737)や任天堂(7974)なども好調に上げている。 ユーロ高の背景には欧州中央銀行(ECB)の金融正常化が早まるとの観測やドイツ政局の不透明感の後退がある。ECBは1月25日に理事会を開く。ECBが金融緩和の出口に向けて強気な姿勢を示せば、ユーロ高に一段と弾みがつくかもしれない。 (QUICKナレッジコンテンツグループ)

いま注目の米国株、スクエアとは? スマホ決済で成長 ビットコインにも参入か

2017年の米株式市場で注目を集めた銘柄の一つといえば、電子決済サービスのスクエアだ。同社のサービスを通じてビットコインの売買が試験的に開始されたことが材料視されたほか、足元の業績改善が追い風となり、株価は11月24日に年初来高値49ドルを付けた。先週末22日の株価は35ドル台に反落しているが、年初からの上昇率は約2.6倍とダウ工業株30種平均の25%上昇や、ナスダック総合指数の29%上昇を大きくアウトパフォームしている。同社の主力事業やビットコインビジネスの将来性について探った。 スクエアの年初来の株価推移(2016年末を100として指数化) ※青:スクエア、グレー:ナスダック総合株価指数、黄:ダウ工業株30種平均 ツイッターのCEOとガラス工芸家が共同で創業 スクエアは会長兼最高経営責任者(CEO)のジャック・ドーシー氏と、エンジニアでガラス工芸家でもあるジム・マッケルビー氏が2009年に共同で立ち上げた。ドーシー氏はツイッターのCEOでもある。創業のきっかけは、スマートフォン(スマホ)を通じた両者の会話だった。マッケルビー氏が自身で作成したガラス製の蛇口を販売する際、クレジットカードの対応をしていなかったため、販売の機会を損失してしまったことをドーシー氏に伝えたところ、スマホを活用できないか、という話になったという。その後はカナダに進出し、2013年には日本法人を立ち上げるなどビジネスを拡大中だ。現在はイギリス、オーストラリアでも展開している。    スクエアのジャック・ドーシー会長兼CEO  街のホットドックスタンドなど、小規模事業者が主なユーザー 主力事業はスマホやタブレットを用いてクレジット決済するサービスだ。スマホに専用アプリをダウンロードし、約3.5cm四方の小型のカード読み取り機「Square Reader(スクエアリーダー)」を取り付けて顧客のクレジット情報を読み取ると決済できるという仕組み。つまり、スマホやタブレットがクレジットカード決済が可能なPOS(販売時点情報管理)レジの代わりになる。 Square Reader(スクエアリーダー) 小売店などがクレジット決済を導入するには米国の場合、銀行の審査を通過しなければならないほか、POSレジやカードリーダーの機器購入の初期費用が発生するため、個人や小規模事業主にはハードルが高い。この点にスクエアは目をつけた。サービスを受けるには審査が必要なものの、スクエアリーダーは日本では4980円、米国では無償で提供しているタイプもあるなど手軽だ。米国では2.75%程度、日本では3.25%(JCBカードは3.95%)の手数料をカード会社に支払えば決済できる。米国では街のホットドックスタンドや市場、日本では美容室など小規模事業主および個人事業主がスクエアのメインユーザー。3月には高野山真言宗・総本山金剛峯寺が世界遺産の拝観料の決済などでスクエアのサービスを使用すると発表している。 一般社団法人日本クレジット協会の調べによると、日本の民間消費支出に対するクレジット決済比率は18%(2016年末)にとどまる。スクエアの日本法人・広報部の時松志乃氏は「米国のクレジットとデビットカードの決済比率は合計で50%程度。日本のポテンシャルは大きい」と話す。 決済サービス好調で売上増加、赤字幅も縮小 2017年7~9月期の売上高は前年同期比33%増の5億8500万ドル、最終損益は1600万ドルの赤字と前年同期の3200万ドルの赤字から赤字幅が縮小した。1株損益は0.04ドルの赤字(前年同期0.09ドルの赤字)だった。決済サービスの利用企業が増加したことが赤字縮小につながった。決済サービスから発展した個人事業主や中小企業などへの少額融資サービス「Square Capital(スクエアキャピタル)」も好調で業績改善に寄与している。足元の売上増加を受けて、17年12月期の売上高予測を従来の21億4000万~21億6000万から、21億8000~21億9000万ドルに引き上げた。 【スクエアの業績推移 QUICK FactSet Workstationより作成】 ※17年Q4以降は予想、ーは赤字 ビットコインのビジネスに参入!? スクエアは現在、米国のみで送金アプリ「Square Cash(スクエアキャッシュ)」を提供しているが、11月半ばに同アプリでビットコインの売買(送金は不可)が試験的に開始されたことが明らかになった。その後、米CNBCに出演したスクエアのサラ・フライヤー最高財務責任者(CFO)は、「ユーザーの需要を把握するためにリサーチしている」とコメント。さらに仮想通貨向け半導体を製造するエヌビディアのような存在になるのか、という質問に対して「それはない。決済の一つの方法としてビットコインの可能性を模索している」と話した。時松氏は「値動きが荒いビットコインで決済することは、現在のところハードルが高い」という。ビットコインの売買についてはスクエアが取引所との取り次ぎを担うのか、もしくはスクエア自体がビットコインを保有するのかなど、詳細は明らかにされていない。具体的なビジネスは示されていないものの、同社の決済サービスでビットコインが利用されると、決済取引を取り巻く現状が急激に変化するかもしれない。こうした点が投資家の期待感がスクエア株上昇の背景にあったようだ。 大規模事業者の獲得が課題 電子マネーやスマホの浸透に伴い、世界的にキャッシュレス化が進みつつある。需要増加が見込めるが、スクエアの主要顧客である小規模事業者は、事業規模の拡大に伴い同社の契約を解消するケースが目立つ。今後は既存顧客のつなぎとめに加えて、大規模事業者の新規獲得が課題になりそうだ。ビットコインをはじめとする仮想通貨の電子決済の実現化にも注目したい。  

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