タイバーツ6年ぶり高値圏、金融緩和に距離置く中銀の苦悩

タイ中央銀行が難しい金融政策運営を迫られている。タイバーツは米ドルに対し6年ぶりの高値圏にあるなか、同行は26日、政策金利を1.75%で据え置いた。バーツ高は輸出国で観光業も盛んなタイ経済にとって明らかにマイナス要因。政策金利を変えないままでは主要国やアジア周辺国との金融緩和への温度差も鮮明になり、一段の通貨高、経済減速を招きかねない。 利下げに動く周辺国と一線 タイ中銀は今回、インドやフィリピン、マレーシアなどアジア各国が景気刺激のため相次いで利下げに動くなか、タイの経済成長率見通しを引き下げながらも、「現行の緩和的な金融政策」が経済を支えるとして一段の金融緩和の必要性を否定した。結果発表を受けて通貨バーツの対米ドル相場は上昇した。 ■バーツは今月、一時3%近く上昇 欧米の金融緩和期待を発端としたアジア通貨買いの影響で、タイバーツは25日、米ドルに対して1米ドル=30バーツ台と2013年以来およそ6年ぶりの高値を付けた。6月に入って一時3%近く上昇し、東南アジア通貨で突出して買われている。経常黒字国であるタイは資金流出懸念が台頭しにくく、米国の利上げ局面やリスク回避ムードが盛り上がる場面でもバーツは堅調に推移していた。欧米の利下げ期待で資金が新興国に流れ込んでいる現在、タイにとって「強い通貨」が大きな悩みの種になっている。 輸出と観光業にジワリ打撃 タイ中銀は同時に、2019年のタイ国内総生産(GDP)成長率の見通しを従来の3.8%から3.3%に引き下げた。下方修正の理由に挙げたのは輸出と観光業の見通し下振れだ。両者の減速の主因は米中貿易摩擦の激化や中国経済の減速だが、通貨高が進めば輸出、観光の双方にとって新たな下振れリスクとなる。中銀はバーツの上昇は「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に基づいた動きでない」と懸念を表明し、為替レートや資金流入の状況を注視するとしている。 実際にタイの輸出、観光は足元で低調だ。タイの5月の輸出額は米ドル換算で前年同月比6%減少。減少率は2016年7月以来の大きさで、3カ月連続で前年割れとなった。5月にタイを訪れた外国人旅行者数も前年同月比1%減と減少に転じた。 タイ中銀が各国の利下げ転換に足並みをそろえられないのは、国内金融環境への配慮からだ。中銀によると18年末時点のタイの家計債務残高は自動車ローンなどの増加で12兆8265億バーツと17年末から6%増え、対国内総生産(GDP)比で78.6%となっている。東南アジア域内で最低の1%台の金利が家計債務の膨張や過度なリスク選好を招いているとして、一段の金融緩和には慎重な構えを崩さない。 タイ中銀のこうした政策姿勢を踏まえ、金融市場でも「年内は金利を据え置く」(マレーシアのケナンガ投資銀行)との予想が多い。それだけに他国中銀の積極的な金融緩和姿勢はバーツ高に直結する。世界的な金融緩和競争が長引けば、景気の下支えと金融の安定のどちらを重視するか、タイ中銀は改めて難しい判断を迫られることになる。 〔NQNシンガポール=村田菜々子〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

【Art Market Review】篠田桃紅、墨の抽象画に込めた長い人生の一瞬

今回は5月16日に開催されたマレットジャパン(東京・江東)のアートオークションから、日本を代表する女性芸術家のひとり、篠田桃紅(しのだ・とうこう)にスポットを当てる。 篠田は1913(大正2)年の生まれで、106歳になった今も活躍している。幼少の頃から書に親しみ、その道を極めた書家であったが、文字の概念から離れ、水墨による抽象画(墨象)というスタイルを確立。独自の表現で数多くの作品を発表している。ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」(2005年)に選出されたこともあり、国内外で注目され続ける存在だ。 出品されたのは、銀地紙本・墨、彩色によるオリジナル作品の「無題」と、「Reminiscence」などの版画作品3点(うち2作品は2点セットで出品)である。「無題」は落札予想価格が200万~300万円だったのに対し、落札価格は上限の2.6倍の780万円にのぼった。 1990年制作の「Reminiscence」のほうは、落札予想価格15万~20万円に対し、上限の2倍近い37万円で落札された。2014年以降の国内オークションに出品された類似作品を抽出分析したACF美術品パフォーマンス指標を見てみると、落札価格平均は、落札予想の下限平均を下回ることなく推移していることがわかる。17年は全体的に低調だが、翌18年にはすぐに上昇に転じており、落札価格の上限平均を上回る好調ぶりである。今回の各作品も落札予想の上限の1.4~1.85倍で落札されており、パフォーマンス上昇の明るい材料となっている。 今回のマレットオークションでは国内作家作品116点、海外作家作品116点、合計232点がセールにかけられ、その内訳は 絵画作品(油彩・水彩)88点、版画作品(写真含)122点、立体・彫刻・その他22点だった。 落札点数は169、落札率72.8%で、落札総額は1億3616万円(落札手数料含まず)だった。 藤田嗣治が好んだモチーフを墨で描いた「猫と少女」が予想価格500万~600万円のところ960万円で落札され、今回のオークションでは最高額の落札となった。次いで、オークションカタログの表紙を飾った桂ゆきの油彩、紙と紐によるコラージュの作品「千本足」(800万円)、篠田の「無題」(780万円)、ディヴィッド・ホックニーのリトグラフ作品「ホテル・アカトラン、第2日<ムーヴィング・フォーカス>」(720万円)が高額落札の上位だった。この3作品は、いずれも長辺が180cm以上のサイズで、大型作品の積極的な落札が目立った。 (月1回配信します) ※アート・コンサルティング・ファーム提供 ⇒リポートはこちら マレットオークションの次回開催予定は7月19日

【朝イチ便利帳】27日 総会ピーク760社以上 武田、三菱重、レオパレスなど

27日は1~3月期の資金循環統計速報、5月の商業動態統計、建機出荷額などが発表される予定。IPO関連では新日本製薬(4931)、あさくま(7678)が新規上場するほか、フィードフォース(7068)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。 海外では1~5月の中国の工業企業利益、1~3月期の米実質国内総生産確定値などが発表される予定だ。   【27日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 1〜3月期の資金循環統計速報(日銀)   対外及び対内証券売買契約(週間、財務省)   5月の商業動態統計(経産省) 10:30 2年利付国債の入札発行   若田部日銀副総裁が青森県金融経済懇談会であいさつ(青森市) 12:00 5月の建機出荷額(建設機械工業会) 14:00 若田部日銀副総裁が記者会見(青森市) その他 東証マザーズ上場=新日本製薬   東証ジャスダック上場=あさくま 海外 時刻 予定 10:30 1〜5月の中国の工業企業利益 21:30 米新規失業保険申請件数(週間)   1〜3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 5938 LIXILグ瀬戸氏、薄氷のCEO復帰 株主総会で賛成は53% 混乱収束へ市場好感 各紙 +15.96% 6/26 7743 シード、中計目標未達に 21年3月期営業利益率、7%強どまり 日経 +1.72% 6/26 6740 アップル、Jディスプレに出資 107億円、追加支援の方針 朝日 0.00% 6/26 6740 アップル、Jディスプレ支援 液晶ディスプレー発注増 日刊工 0.00% 6/26 8591 オリックス、リバースモーゲージ参入 大京など通じ提供 日経 -0.06% 6/26 6752 パナソニックなど、宅配受け取り用バッグ 再配達減狙う 日経 -0.16% 6/26 7201 日産自に課徴金20億円超 ゴーン元会長報酬巡り 監視委勧告へ 日経 -0.40% 6/26 7203 トヨタなどの移動サービス連合、マツダやスズキ5社参加 陣営の新車販売シェア8割 各紙 -0.57% 6/26 7261 +0.09% 6/26 7269 -1.15% 6/26 7203 トヨタ、販売店で相乗りサービス 地方で高齢者ら送迎 日経 -0.57% 6/26 7751 キヤノン、川崎に展示施設 開業医向け医療機器など 日経 -2.60% 6/26 3563 スシローGH、売り出し5810円 27〜28日申し込み 日経 -6.11% 6/26

議長も議会も「リブラ」は好きじゃない? 世界27億人の仮想通貨に警戒の声

25日の米株式市場でフェイスブックが続落し、前日比1.95%安の188.84ドルで取引を終えた。株価は上昇基調にあり5月に付けた高値を視野に入れつつあるが、同社が中心となって開発を進めている仮想通貨(暗号資産)に対する、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言を嫌気した売りが優勢となった。 パウエル議長は同日、仮想通貨「リブラ(Libra)」に対して「規模を考えると、消費者保護の観点や規制の観点から(同通貨に対する要求として)私たちの期待は非常に高いものになるだろうと」との姿勢を示した。リブラがサービスを開始するまでに解決すべき課題の多さが改めて意識された格好だ。重要インフラを担うIT大手が信用不安やサイバー攻撃などに直面した場合の危険性には国際決済銀行(BIS)も警戒感を強めている。 また、18日に米下院金融委員会のマキシン・ウオーターズ委員長はリブラの「開発を停止することに合意するよう求める」との声明を発表している。仮想通貨に対する規制の枠組みが確立されていないことを危惧しているほか、27億人のユーザーを抱えるフェイスブックへの個人情報保護対策に懸念があり、規制当局や議会の精査が必要との見解が示されている。(川口究、大野弘貴) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

7月の50bp利下げに否定的 FRBのMr.ハト派の発言、思惑呼ぶ

25日にセントルイス地区連銀のブラード総裁がブルームバーグTVとのインタビューで「大きな行動を取る必要があるとは思っていない」と述べて50bpの利下げに否定的な見方を表明した。ブラード氏は18~19日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で唯一利下げを主張したハト派の人物だった。さらにこの日は、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がニューヨークで行われた講演で「金融緩和の必然性は高まっているが、個別のデータや短期的な心理の振幅に過剰反応しないようにも注意している」「FRBは短期的な政治圧力から保護されている」などと述べて早期の大幅利下げに否定的な見方を示した。 CMEグループのFedウォッチツールで7月FOMCでの50bp利下げの織り込み度は34.3%となり、前日(42.6%)から低下して3割台となった。 パウエル氏やブラード氏の発言を踏まえ、エバコアISIは25日付のリポートで「ブラード氏がFOMCを主導する形で発言したとは思えないが、6月に25bpの利下げを主張していた人物が7月の50bp利下げを後押しする準備ができていないという事実は、7月FOMCでの50bp利下げに対する思惑を冷却するに違いない」と指摘した。その上で同社の基本シナリオとしては「7月に50bpの利下げを行うのではなく、7月・9月に25bpずつの利下げを行うだろう」と指摘。さらに「ブラード氏の発言は、金融政策の判断が市場より遅れて緊急利下げとなりかねない『ビハインド・ザ・カーブ』ではなく、予防的に先んじて利下げに動く『アヘッド・オブ・ザ・カーブ』をFOMCが検討しているとみられる我々の判断を補強するものだ」とも指摘していた。 ■米債ボラティリティー(青)は高止まり(QUICK FactSet Workstationより) 米国債の先行きボラティリティを示すメリルリンチのMOVEインデックスは高止まりしている。25日には74.22となり、6月に入ってからは60を大幅に上回った状況が続いている。この日は50bpの利下げ観測が後退した割には、株安に加え、6月の米消費者信頼感指数が1年9カ月ぶりの水準に悪化したことを受けて債券が買われる展開だった。恐怖指数のVIXがやや上昇する一方、MOVEインデックスが高止まりしていることから米債市場発の激しい値動きが警戒されそうだ。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】26日 スルガ銀、東芝など480社が総会 5月の米耐久財受注額

26日は東芝やスルガ銀など約480社が株主総会を開催するほか、IPO関連ではヤシマキザイ(7677)が東証2部に、STG(5858)がTOKYO PRO Marketにそれぞれ上場する。 海外では5月の米耐久財受注額のほか、米エネルギー省により週間石油在庫統計が発表される予定だ。 【26日の予定】 国内 時刻 予定 その他 国会会期末   マクロン仏大統領、宮中晩さんや安倍首相と会談(27日まで)   株主総会=東芝、スルガ銀   東証2部上場=ヤシマキザイ 海外 時刻 予定 21:30 5月の米耐久財受注額 23:30 米エネルギー省の石油在庫統計(週間) その他 ニュージーランド中銀が政策金利を発表   タイ中銀が政策金利を発表 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 1435 TATERU、旅行関連の企業を売却 日経 +2.92% 6/25 7011 三菱重、590億円で買収 ボンバルの小型機保守 各紙 +1.20% 6/25 5938 LIXILグ総会、会社提案退ける 瀬戸氏がCEO復帰 各紙 +0.20% 6/25 7611 ハイデ日高、3〜5月期単独税引き益4%減 夜の来店客不振 日経 +0.15% 6/25 8306 三菱UFJ傘下の三菱UFJ銀、米当局と和解 監督権限巡り 日経 -0.11% 6/25 8233 高島屋、8月中国撤退 上海、採算上向かず閉店 各紙 -0.17% 6/25 7649 スギHD、3〜5月期純利益21%増 調剤部門けん引 日経 -0.19% 6/25 7269 みずほやスズキファンド設立 インド新興100社に150億円出資 日経 -0.30% 6/25 6981 村田製、全固体電池量産へ ウエアラブル向け 日経 -0.47% 6/25 8002 丸紅、中国で低温輸送網 現地新興企業と合弁 日経 -0.49% 6/25 8411 みずほFG、ユニコーン育成へ200億円 共同ファンド設立 日経 -0.51% 6/25 8604 野村会長CEO賛成6割止まり 株主総会、異例の低支持 各紙 -1.52% 6/25 8031 三井物、中国で医療ファンド 1000億円規模 日経 -1.62% 6/25 6723 ルネサス、呉社長が辞任 後任、再建奔走の柴田氏 各紙 -2.30% 6/25 6740 Jディスプレ、混迷深まる 台湾2社、支援離脱 新たな投資家募る 各紙 -9.09% 6/25

目指せデータの達人⑩トランプ関税⇔利下げと綱引き ドル高要因↔ドル安要因

「トランプ関税」の実体経済への影響がじわじわ広がっている。外国為替市場でみると、教科書的にいえば、輸入関税の引き上げは自国通貨高(ドル高)の要因になる。その場合、米連邦準備理事会(FRB)が景気減速に対応するために利下げを実施しても、外為市場でのドル安の持続性は乏しくなる可能性がある。 米国の関税と、FRBが算出する名目為替レートのドルインデックスには、一定の正の相関が確認される。両者の関係について過去10年分の月次データを回帰分析したところ、関税収入が増加すればドルインデックスが上がるという検証結果が得られた。つまり、米政府の関税収入が増加すれば、ドル高になりやすいとの結論となる。実際、米国が第1弾の対中制裁関税(340億ドル分)を実施した2018年7月以降、ドルインデックスは4月末までに3%上昇した。 なぜこのような動きになるのか。輸入関税をかけると対象製品の輸入量が減少する。輸入が減少すると、為替市場では輸入業者による代金支払いのためのドル売り・外貨買い需要が減ることになる、というわけだ。米国企業がドル建てで貿易した場合は通貨交換は発生しないが、関税による相手国の貿易収支の悪化を通じて「相手国通貨の下落を招く結果、ドル高になる」(ニッセイ基礎研究所の窪谷浩主任研究員)との見方がある。 トランプ米大統領は28~29日に大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせ、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談する。会談前に貿易交渉を再開するが、意見の隔たりは大きく対立緩和に向かうかは予断を許さない。再び決裂となった場合、トランプ氏は現在は制裁対象としていない3000億ドル(約32兆円)分の中国製品に関税を課す方針を示している。 実施すれば、中国からの全輸入が追加関税の対象となり、ドル売り需要の減少や中国の貿易収支の一段の悪化から、理論的には一段のドル高を招きやすい。一方で、FRBが19日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で早期の利下げ観測が強まり、足元ではドル高の勢いがやや止まっている。 ますます複雑にせめぎ合うドル高要因とドル安要因。為替相場はさらに動きにくく、読みにくくなる可能性がある。 〔日経QUICKニュース(NQN) 張間正義〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

「農業のファンダメンタルズ変わった」 農機株にマネー流入

24日の株式市場で農機具などを手がけるディーアが6日続伸し、日中取引の終値は前週末比2%高の166.88ドルだった。一時168.38ドルまで買われ、4月18日に付けた52週高値(169.99ドル)に接近する場面があった。米ジェフリーズが「農業のファンダメンタルズがついに変わった」として、目標株価を150ドルから190ドル、投資判断を「ホールド」から「バイ」にそれぞれ引き上げ、買い材料視された。 穀物の過剰供給と価格の下落による需給バランスの崩れがおさまり、向こう2~3年は家畜も含めた作物市況が改善すると分析。グローバルで農機具の買い替えやアップグレードが進むと指摘した。ディーア株は作物市況の改善を手がかりに、ここ1カ月で20%ほど上昇していた。同じく米農機大手のアグコも反発し、前日比2.36%高の76.51ドルで終えた。アグコの株価は20日までに10日続伸していた。ジェフリーズは24日付のリポートでアグコの投資判断を「ホールド」から「バイ」に、目標株価を70ドルから90ドルにそれぞれ引き上げた。 ■穀物相場は足元堅調(黄色が大豆、赤はトウモロコシ、青は小麦) この2ヵ月ほど、シカゴ市場では小麦や大豆、トウモロコシの先物価格の上昇が目立つ。日本の農機具大手のクボタ株も20日に年初来高値(1813円)をつけている。(大野弘貴、松下隆介) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】25日 日産自、LIXILなど総会 FRB議長講演

25日は日銀金融政策決定会合の議事要旨(4月24~25日開催分)が発表されるほか、日産自動車、LIXILグループなどの株主総会が開かれる予定。 海外では、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演のほか、4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数や5月の米新築住宅販売件数などが発表される予定だ。 【25日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 5月の企業向けサービス価格指数(日銀)   日銀金融政策決定会合の議事要旨(4月24〜25日開催分) 10:30 20年利付国債の入札発行(財務省) 14:00 5月の外食売上高(日本フードサービス協会) その他 閣議   株主総会=大和ハウス、LIXILグ、シャープ、日産自、NTT   3〜5月期決算=高島屋   東証マザーズ上場=インフォネット 海外 時刻 予定 1:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁がパネル討論に参加(26日) 2:00 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演(26日) 4:30 バーキン米リッチモンド連銀総裁が討議に参加(26日) 7:30 ブラード米セントルイス連銀総裁があいさつ(26日) 21:45 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が会合であいさつ 22:00 4月の米S&Pコアロジックケースシラー住宅価格指数 23:00 5月の米新築住宅販売件数   6月の米消費者信頼感指数 その他 米国の対中関税第4弾に関する公聴会が終了 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 8227 しまむら、純利益21%減 3〜5月、夏物衣料が不振 日経 +2.30% 6/24 8251 パルコ、純利益6%増 3〜5月、錦糸町の新店が貢献 日経 +0.57% 6/24 1803 清水建、初の自社株買い 200億円上限に 日経 +0.33% 6/24 2651 タイ財閥サハ、ローソン出店を拡大 駅や空港に 日経 +0.19% 6/24 7201 日産自、一部規制する方針 仏ルノー出身役員の審議参加 朝日 +0.02% 6/24 8630 SOMPO傘下の損保ジャパン、4000人削減 国内損保事業、IT活用で効率化 各紙 0.00% 6/24 6752 パナソニック、インドで住生活に力 総合展示場を新設 日経 -0.30% 6/24 6178 日本郵政、ノルマ営業見直し 投信の不適切販売謝罪 保険乗り換え 負担増は「反省」 各紙 -0.49% 6/24 7011 三菱重が複合発電、太陽光電池ガスで最適化 無電化地域に 日経 -0.62% 6/24 5938 LIXILグきょう株主総会 機関投資家の支持焦点 日経 -1.20% 6/24 7630 壱番屋、純利益27%増 3〜5月、カレー値上げで 日経 -1.21% 6/24

中国テック投資、東南アジアで拡大 3つの領域に注目 HSBCリポート

HSBCシンガポール CEO トニー・クリップス(Tony Cripps)氏が東南アジアに広がる中国のテクノロジー投資についてリポートします。 ■アリババ、テンセント、JDドットコムが進出 中国の東南アジア向け投資の次の潮流としてテクノロジー分野が一段の存在感を示している。その影響は東南アジアの大手企業にとどまらないだろう。東南アジアの企業はどのような効果を享受するのか、そしてそのための準備は整っているのだろうか。 先に米国が発動した関税をきっかけに中国の投資が米国のシリコンバレーから離れつつあるため、東南アジアのテクノロジー企業がその恩恵を受ける可能性があるのは事実である。ただし、このような見方は東南アジア地域自体の投資先としての魅力を過小評価している。 ASEAN(東南アジア諸国連合)を構成する10ヵ国を対象とした2018年のテクノロジー関連の対内直接投資の総額は、シンガポールのベンチャーキャピタル、セント・ベンチャーズのまとめでは過去最高の110億米ドルに達し、17年の58億米ドルからほぼ倍増した。 この全体の金額の大部分を占めているのが、東南アジアへ進出しているアリババ、テンセント、JDドットコムといった中国のテクノロジー大手による投資である。 東南アジアの消費者や製造業のポテンシャルを考えれば、中国が東南アジア地域へのテクロノジー投資を拡大し始めたことは驚くべきことではない。 2017年と2018年が飛躍的進歩を遂げた2年間であったとすれば、中国の東南アジアへのテクノロジー投資の次のステップはどうなり、地域の企業にどう影響するだろうか。 結論から言うと、このような投資により地域企業が影響を受けるのは確実だ。そして、いくつかの分野が考えられる。 ■スタートアップ1300社以上が資金需要 注目すべきは東南アジアの中堅企業や新興テクノロジー企業に向かう中国からの投資である。 コンサルタント企業ベイン・アンド・カンパニーの調査では、東南アジア企業の1300社以上が2011年からこれまでに新規ビジネスの起業前の段階で初期投資を受け入れている。 これはつまり、需要に見合う投資案件のある東南アジア全域で、企業所有者がベンチャーキャピタル投資やプライベートエクイティ投資を積極的に利用しようとしている、ということだ。 中国はデジタル技術におけるベンチャーキャピタル投資の金額において世界上位3ヵ国の一角を占める。ASEANの新興企業はどちらかといえば過少評価され続けてきたため、これから投資が拡大していく可能性が極めて高い。 直近の事例として、シンガポールに拠点を置く小売業向けコンピューター・ビジョン・ソリューションの大手プロバイダーである新興企業のTRAXが、中国の大手プライベートエクイティ投資会社の博裕資本(Boyu Capital)が主導する投資ラウンドから1億2500万米ドルの資金を調達している。 ■次世代交通などのスマートシティ計画も もう一つの投資分野は東南アジアにおける都市化やスマートシティ構想に関するものになるだろう。 マッキンゼーの推計によれば、「ASEANスマートシティネットワーク」の次世代型交通サービスの社会実装となるスマートモビリティ市場は700億米ドル規模に達する可能性があり、構築環境を高度化するための事業機会も260億米ドルに達すると考えられている。 すでに500を超えるスマートシティ計画が進行する中で、世界で最も多くのスマートシティを有している中国はそれらの計画に貢献するための経験を着実に積んでいる。このような事例としては、マレーシアの首都クアラルンプールが2018年1月にアリババと契約を結び、アリババのクラウドサービス「シティブレイン(City Brain)」を交通管理や都市計画、事故対応に生かす計画を進めていることが挙げられる。 スマートシティに広がるソリューション事業の分野は多国籍企業に限定されるものではない。実際、都市ごとにある固有のニーズの多くは、その都市のことを深く理解している地元の企業だけが掘り起こすことができる。 ■製造業のサプライチェーン底上げ ASEAN地域のサプライチェーンのポテンシャルを思うと、3番目の投資分野は地域の製造業の生産能力を改善する取り組み、ということになるだろう。   中国は自らに代わり東南アジアが技術水準の比較的低い製造業の役割を積極的に担うことを期待してはいるが、東南アジアの技術力と生産能力が拡大しない限りサプライチェーンのシフトは考えにくい。 中国自動車メーカーの吉利汽車(Geely)がその端的な事例だ。吉利汽車は2018年、マレーシア子会社プロトンに技術移転することで大胆な生産コスト削減を発表した。 所得増加や、消費と生産のデジタル化が東南アジアを魅力的な投資先に変えた。しかし地理的に多様であることやビジネス環境が整っていないこと、さらに外国からの投資への法規制がしばしば難題となる。ブロードバンド通信のスピードと容量に問題があるのも確かだ。データや財貨、サービスをデジタルプラットフォーム上で交換し、売買できるようなASEANの統一政策も必要である。 このような課題はあるものの、中国企業は投資を拡大する姿勢にある。 投資を待ち望む地域企業や新興企業は、今後生じるであろう商業的な機会やテクノロジーが生み出す事業機会に敏感だが、事業パートナーや投資家としての中国テクノロジー企業やベンチャーキャピタルに対する理解はおそらくまだ十分ではないと考えられる。 ■デジタルの変革の波、待ったなし このような認識は変える必要がある。なぜなら、デジタルとテクノロジーの発展は急速かつ圧倒的であり、あらゆるセクターがテクノロジーに関係してくる中で、投資競争が激しくなってくるためだ。 投資を引き寄せるためには、企業の中にテクノロジー投資の分野や技術的な課題を積極的に見出せるような適切な環境や文化、考え方を事前に確立しておく必要がある。より具体的に言えば、柔軟でデジタルを重視する考え方を持ち、イノベーションを促進し、新しいアイデアを受け入れる姿勢が求められる。   また、投資家は一段と高い成長と実績を事業にもたらすパートナーであるという考え方も必要である。 技術進歩の最先端にある企業であれ、自社のテクノロジーの信頼性を高めようとしている企業であれ、多くの企業にとってこのような変革を戦略的あるいは文化的に進めていくことは一筋縄では行かず、必ず課題に直面するものである。しかし事業機会を捉えるためには今すぐに変革に着手する必要がある。なぜならば、歳月が人を待たないのと同じく、デジタルの変革も人を待たないからである。   本情報は、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的としたものではありません。有価証券その他の取引等に関する最終決定は、お客様ご自身のご判断と責任で行って下さい。株式会社QUICKおよび情報提供元であるトニー・クリップス氏は、本情報を利用して行った投資等により、お客様が被った、または、被る可能性のある直接的、間接的、付随的または特別な損害またはその他の損害について、一切責任を負いません。

堅調REIT、イールド狩りの「宴」の後の危うさも

トランプ米大統領が対中追加関税の税率を引き上げると表明して以降、日本株は調整色を強めてきた。予防線を張るかのように米連邦準備理事会(FRB)も緩和的な姿勢を示し始めた。円高も加わり外部環境が不透明感を強める中、堅調に推移してきた資産がある。不動産投資信託(REIT)だ。 世界的な金利低下にあって4~5月は上場投資信託(ETF)を通じたREITへの資金流入が加速した。一方で、ETF買いの加速は時価総額の小さい銘柄の投資口価格を実態以上に上昇させた側面も持ち合わせたとみられる。ファンダメンタルズに着目した投資判断が求められる局面が到来している。 ■「時価総額が小さめ・利回りは高め」に注目 米中貿易摩擦が激化した4月末以降の東証株価指数(TOPIX)は、先週末の終値時点で下落率が4%となった。一方で、東証REIT指数は、同期間で3%上昇するなど値動きは対照的だ。下落局面で東証REIT指数が堅調に推移する動きは、足元で定着しつつある。18年12月の世界的に株式市場が下落した局面でも、TOPIXの12月中の下落率が10.4%だった一方で、東証REIT指数の下落率は2.4%に留まった。 3月末までのREIT指数をけん引したのは海外投資家だった。東京証券取引所の投資部門別売買状況によると、18年10月から19年3月までの7カ月間で最大の買い越し主体であり、その額は約2770億円に及んだ。しかし、4月に入ると海外投資家は717億円の大幅売り越しに転じた。 この海外からの売りを吸収し始めたのは証券会社の自己売買部門だ。REITのETFを購入したマネーフローを反映するとされる。4月は438億円、5月も97億円を買い越した。6月に入ってからも「ETFを通じたREITへの買い入れは好調」(運用会社REIT担当者)との声も聞かれる。 マネーフローの変化はREITの銘柄間の値動きに影響を与えている。差異が目立つのが時価総額の水準。時価総額の大きい銘柄10社と小さい銘柄10社をバスケット化し、年初来の値動きを示したのが下のグラフだ。4月以降、両者のパフォーマンスに明確な差が現れ始めた。 ■買い手が変容、ETF経由でマネー流入 背景を探るにあたりETFを通じた資金流入は無視できない。東証REIT指数の構成比率は、浮動株ベースの時価総額荷重型だ。取引量が少なく時価総額の小さいREIT銘柄は、大量の注文による価格の変動(マーケットインパクト)を受けやすい。時価総額の小さい銘柄は相対的に高利回りの銘柄も多く、より高い金利を求めて物色された動きも価格の押し上げに寄与した可能性が高い。 しかし、順調に推移してきただけに割安感は薄れてきている。REITの割安・割高を判断する指標で、株式の株価純資産倍率(PBR)に相当するNAV倍率(株価/一口当たりの保有不動産の時価から有利子負債などを引いた値)の加重平均は足元で1.17倍程度まで上昇しており、02年以降の長期平均に接近している。「REITの割安感が薄れてきたことから、海外投資家の投資意欲は低下してきている」とみずほ証券の大畠陽介シニアアナリストは指摘する。 海外投資家とは対照的に、足元では金利が低下傾向にあることから、国内投資家の積極的な利回り追求の動きが継続すると考えられるようだ。大畠氏によると「REITを買い入れる流れは、大手地方銀行から信用金庫・信用組合へも広がって来ている。ただ、個別銘柄を分析するほどの陣容が整っていないためETFを通じて買いを入れている」という。 ■増税を控え、商業施設型には逆風? さらに大畠氏はREITの投資に際しては構造的要因と循環的要因に分けて考える必要があるとしている。堅調な推移が見込めるのは、テナント入れ替えによる賃料単価の上昇が見込める住宅型やオフィス型、物流型。オフィス市況が堅調であることと、物流はeコマースの進展から規模の拡大が期待できるようだ。 一方で、商業施設は相対的に厳しい。国内消費が低迷しつつあり、商業施設型REITのファンダメンタルズの改善が見込みにくい。また、ホテル型REITは景気変動の影響を真っ先に受けると指摘している。契約更新が最短1日であることから、賃料の影響を受けやすいようだ。 消去法的なREIT買い。目先の利回りに目を奪われがちだが、ETFを通じた「まとめ買い」が相場を押し上げているのは事実。東証REIT指数は20日に約3年2カ月ぶりの高値を付けた。 好調な相場の一方で、トレーダーの間でもじわりと慎重な見方が増えてきた。ファンダメンタルズ分析をおざなりにした結果、適正価格以上の値段がついたREITは調整局面に入った場面で容赦ない売りを浴びる可能性が残る。パッシブ運用は銘柄選別といったファンドマネジャー本来の業務を忌避するのに役立つツールだが、頼りすぎるとしっぺ返しを食らうことになりかねないのではないか。(大野弘貴) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

輝くゴールド、曇るドル 地政学リスクで「質」に逃避 

5年9ヵ月ぶり1400ドル台、ETFに最大の流入 「質への逃避」から、金が買われている。21日の米国市場で、ニューヨーク商品取引所の金先物は続伸し、期近の6月限の清算値は3.3ドル高の1トロイオンス=1396.2ドル、中心限月の8月限の清算値は3.2ドル高の1400.1ドルとなった。NY金先物が中心限月の清算値で1400ドルを超えるのは2013年9月3日以来、5年9カ月半ぶりだ。この日は金を投資対象とする上場投資信託(ETF)、SPDRゴールド・シェアーズに大規模な資金が流入。QUICK FactSet Workstationによれば15億4899万ドルに上った。2008年7月14日の14億2347万ドルを上回り、2004年の設定来の最高を記録した。 米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が高止まりしているうえ、トランプ大統領がイランへの攻撃を一時承認した後に撤回したと20日にニューヨークタイムズ紙電子版が伝えたことで、中東の地政学リスクの高まりも意識された。 また米商務省が中国政府系のスパコン大手を安全保障などで懸念がある外国企業のリスト「エンティティー・リスト」に加えて事実上の禁輸措置を発動したのを受け、米中の貿易戦争懸念から株安が進み、ドルが売られる展開だった。21日のドル指数は大幅に3日続落し、0.55%安の96.09と3月21日以来、3カ月ぶりの安値圏まで下げた。金はドル建てのため、ドル安になると金が買われやすくなる逆相関の動きになる。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】24日 ソフトバンク総会、しまむら3~5月決算、独Ifo指数

24日は4月の景気動向指数改定値、5月の白物家電出荷額、全国スーパー売上高などが発表される。ソフトバンク(9434)が株主総会を開催する。しまむら(8227)が2019年3~5月期決算を発表する。 海外では独Ifo景況感指数などが発表される予定だ。   【24日の予定】 国内 時刻 予定 10:00 5月の白物家電出荷額(JEMA) 13:30 国債投資家懇談会(財務省) 14:00 5月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会)   4月の景気動向指数改定値(内閣府) その他 株主総会=ソフトバンク   3〜5月期決算=しまむら 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 3092 アパレル大手TSIなど2社、ZOZOで販売再開 会員割引停止受け 日経 +2.99% 6/21 8848 他社施工でも不良 レオパレス設計の物件 日経 +0.35% 6/21 6971 京セラ、次世代電池開発 原材料費3割減、20年度中にも量産 日経 +0.18% 6/21 6723 ルネサス「年1000億円返済」 米社買収で有利子負債9651億円、当面、M&Aは見送り 日経 0.00% 6/21 3668 コロプラ従業員、不適切な取引 売上高ランク操作狙う 日経 -0.28% 6/21 9432 NTT、伝送速度10倍の実験成功 日経 -0.59% 6/21 1802 竜巻突風、気流も再現 大林組、建物への影響研究 日経 -0.85% 6/21 7181 かんぽ生命 不適切な販売(朝日、以上24日) 朝日 -0.89% 6/21 3612 ワールド、議案修正 26日総会、取締役賞与支給で 日経 -0.90% 6/21 3382 おにぎり全品、環境包装 セブン&アイ、植物性プラ採用 日経 -1.24% 6/21 9983 ファストリ、入社3年で年収3000万円も 日経 -2.07% 6/21 6701 NEC、物流作業を省力化 ロボAI組み合わせ 日経 -2.19% 6/21 6740 月崎社長の選任、賛成76%どまり Jディスプレ総会 日経 -2.85% 6/21 3632 グリー、年間配当10円 今期、株主還元策も変更(日経、以上22日) 日経 -3.99% 6/21

「投資収益マイナスの月なし」 日本で月32兆円売買するHST、その正体は

コンピュータープログラム経由のアルゴリズム取引は、いまや日本市場の取引の過半を占めるとも言われながら、その内情は外部からは不透明だ。シンガポール拠点のグラスホッパー社は、高頻度取引(HFT)業者の一種である、高速取引行為者(HST)。金融庁に登録して日本を主戦場とし、東京証券取引所では株価指数連動型上場投資信託(ETF)の気配値提示義務を負うマーケットメーカーも務める。日本での月間取引額は3000億米ドル(約32兆円)を超えるという。最高財務責任者(CFO)のジェームズ・リョン氏が主要日系メディアの取材に初めて応じ、日本での取引の実情を明かした。 ジェームズ・リョンCFO ■日本株の指数先物市場でシェア1~3% ――取引の内容や規模について教えてください。 「日本、シンガポール、米国市場を中心に先物や株式、ETFなどを売買している。日本は我々にとって最大の市場だ。世界で取引している額は個々の取引金額の合計で月間5000億ドルほどだが、うち7割程度は日本での取引だと思う。特に日本の株価指数先物市場の取引に占める割合は高く、現在も売買高の1~3%ほどを占めている」 ――取引が日本の相場動向に影響を与えることもあるのでしょうか。 「我々は買いと売りの指し値のわずかなスプレッド(価格差)で稼ぐ売買を高頻度で繰り返すマーケットメーク戦略が中心だ。(相場の方向性に賭ける)ディレクショナルな取引はほとんどしないため、戦略が日本市場の相場水準に影響を与えることはない。我々の今の仕事は適切に流動性を供給して可能な限り速く取引をする、という技術的な面に集約される。売買は通常数秒から数分で完結し、翌日にポジション(持ち高)を持ち越すことはほとんどない」 ■従業員の半数がシステム開発担当 ――マーケットメーク戦略をとる取引業者が増えて競争が激化していますが、どうやって利益を確保しているのですか。 「競争は非常に激しい。買いと売りのスプレッドが縮小して利益を出すのが難しくなったうえ、欧米から強大な競合相手が参入している。(規制で)参入が難しい中国を除けば日本はアジア最大の市場で、誰もが日本での取引を望んでいるが、生き残り続けるのは簡単ではない。6年ほど前にはシンガポールで日本市場の取引をするプロの投資家は500~600社あったが、現在はおそらく50社以下しか残っていないのではないか」 「生き残りのカギは独自開発のプログラムだ。市場のマイクロストラクチャー(需給構造)から市場参加者の動向を把握、予想し、状況に合った注文を出す。速さが非常に重要だ。相場変動が大きい局面では想定通り取引できないリスクがあるため、安全なタイミングを見極めるのもプログラムの役割だ。取引はほぼ自動的に執行されるが、アルゴリズムの調整や挙動の確認は人間のトレーダーが行う。従来の運用会社のような形では運用成績を記録していないが、言えるのは非常に安定しているということだ。これまで投資収益がマイナスになった月はない」 ――技術力が重要なのですね。従業員は技術者が多いのですか。 「我々も2006年の創業時は伝統的な運用会社だった。テクノロジーこそが重要との考えに至り、08年に1人目のデベロッパー(開発担当)を採用した。1からプログラムの独自開発を始めたのは11年。ようやく完成した15年にはすでに欧米から数百人規模の開発人員を抱える競合相手が続々とアジアに参入していた。出遅れていたら太刀打ちできなかっただろう。今は60人超の従業員のうち、開発者が約半数を占める。私自身もプログラムを1から学ぶことになった。テクノロジーはいまや必要不可欠で、市場の変化に参加者も適応していかなければならない」 ■大手の寡占化、参加者の多様性失う ――金融庁が18年にHSTの登録制度を導入するなど、日本で高速取引の規制が進んでいます。日本の制度をどう考えていますか。 「規制は確実に必要で、登録制度自体は好ましい。ただ結果的に新規参入の排除につながるため、小規模な事業者も受け入れられるよう何らかの手立てが必要だ。日本での取引停止を避けるため、我々は昨年、HST登録を最優先事項として取り組んだが、今となっては正解だった。登録待ちの業者がまだ大勢いる。手続きにかかる労力は膨大で、創業間もないような事業者には極めて難しい」 「大手に有利な環境が続けば、市場参加者の多様性が一段と失われ、市場システムが不健全になりかねない。特に先物市場では以前に比べて1回当たりの注文規模が大幅に縮小した。理由の1つは米国などで取引業者の統合などが進み、大手業者の存在感が高まっていることだ。寡占化につながるうえ、いわゆるインターナライゼーション(顧客の注文を取引所に出さず自社内で成立させること)が増えて流動性が細る。多様性を維持するためにも、マーケットメークの意義を一般向けにも積極的に発信し、高速取引が市場をゆがめるかのような誤解を払拭したいと考えている」 (聞き手はNQNシンガポール 村田菜々子) <グラスホッパー社> シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の立会取引出身で、日本でも先物取引などを手掛けたトレーダーのジョン・リン氏(現最高経営責任者)が06年にシンガポールで創業。翌年、当時金融市場とは無縁だったリョン氏にトレーダーの才能を見いだし、1人目の従業員として同社に引き入れた。08年にテクノロジーを軸とした取引に路線変更し、15年から独自プログラムを使った高速取引を開始。18年に日本の金融庁にHST登録した。東証がETFの取引活性化のために導入したマーケットメーク制度にも参加し、気配値提示を請け負っている。子会社では仮想通貨取引を手掛ける

社外取締役、数と機能を見極めて議決権行使 アバディーン窪田氏

株主総会シーズンに入り、企業統治(コーポレート・ガバナンス)を巡る議論が活発化している。ガバナンス改革の重要性が高まる中、機関投資家は株主総会にどう対応するのか。ESG重視の長期投資を実践してきたアバディーン・スタンダード・インベストメンツの窪田慶太インベストメント・ディレクターはQUICKなどの取材に応じ、「企業は社外取締役の割合を高め、多様な視点からすべてのステークホルダーの利益に配慮した経営をすべき」などと話した。 ■企業経営、「1つの価値観」は最適解か 運用するファンドでの保有株の平均保有年数は6年におよび、年々長くなっている。長く投資できる銘柄については10年、20年と継続的に保有していきたい。そのためには長期的なダウンサイドリスクを減らすことが大切で、企業の経営戦略の根幹を担うESGの視点を運用に取り入れることは非常に重要だ。 ESGからみると、資源国でない日本の企業は「E(環境)」の点で優れているが、S(社会的責任)とG(ガバナンス)はほかの先進国に追い付いていない。こうした視点でのリスク開示の不十分さもあって、日本企業に投資する優先度が低いのだろう。エンゲージメントによって企業のガバナンスが改善し、透明性が増せば一段と海外マネーを呼び込める。すべてのステークホルダーにとってウィンウィンになるはずだ。 そのための1つの手段として、2018年から社外取締役の重要性と機能性に配慮した議決権行使をしている。最低でも2人以上の社外取締役、3分の1以上の構成などを求めている。この基準に合致していないすべての事例に反対するわけではないが、基本的な数値基準として守るよう働きかけている。弁護士、会計士、官僚出身など企業経営をあまり理解していない社外取締役が選任されている例もあり、きちんと機能しているかどうかも見極める。 日本企業は、生え抜きの社員が取締役に名を連ねる比率が海外と比べて高い。社外取締役の割合も低いため、1つの価値観をもとに経営している企業が多く存在する。決して悪いことではないが、ダイバーシティーを重視して多様な視点からすべてのステークホルダーの利益に配慮した最適な経営がなされるべきだ。レオパレスのように営業偏重のカルチャーでないかどうか、意思決定に「No」をいえる体制になっているかどうかなど、しっかりチェックしていくことが重要だ。 ■ダイバーシティーもダイリューション意識も未熟 ダイバーシティーを欠いた経営陣でもう1つリスクが高いのは、株式価値の希薄化だ。日本は希薄化に対する規制が未熟で、上場企業は基本的に青天井で新株を発行できる。新株を大量に発行し、エンゲージメントしているアクティビストの持ち分を希薄化して実権を握り続ける、ということもできる。社外取締役がいてガバナンスが機能している場合はリスクは小さいだろうが、制度上の抜け道として懸念する海外投資家は多い。 こうした観点から、議決権行使にあたって取締役再任の是非は定性的、定量的な判断をしている。たとえば、在職10年を超えると利益相反が起きたり、少数株主を向いた経営がされなくなったりする場合がある。10年以上の在籍がすべて悪いわけではない。実際に経営陣に会い、少数株主の利益保護の視点が確認できれば、そのときに判断する。会えなければ当然、反対することになる。取締役会への出席率も75%を基準としているが、各社の事情もあり、ケースごとの判断だ。反対した場合は理由を企業に伝える。 財務担当役員(CFO)の設置も積極的に働きかけている。日本企業は事業の取捨選別や強いビジネスへの集中投資といった、資本効率を改善させる財務戦略が欧米企業と比べ弱い。過当競争に陥った事業を抱える企業が多く、6割超の企業は5%未満の営業利益率にとどまる。資本効率を意識した経営へのプレッシャーがかかるよう、CFOの設置だけでなく、株式持ち合いの解消に向けた働きかけもしている。(聞き手は川口究) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米中緊張も緩和方向 GSのバロメーター▬▭▭▭▭  取り残される日本株……

米中の貿易協議に関して、ゴールドマン・サックスは20日付のリポートで「貿易リスクで株式のバリュエーションがどれほど割り引かれるかを理解する上で、我々は貿易緊張バロメーターを開発した」と明らかにした。 同バロメーターによれば、全体的に金融市場がみている現在の貿易戦争によるストレスポイントは2018年後半や2019年初頭の水準を下回っているといい、「米中の双方がダメージを受けるという予測は20%程度だ」という。4月中旬には80%程度だったが、5月5日にトランプ大統領が中国に対して第4段の関税措置をかける方針を示したものの、今月18日にトランプ大統領と中国の習近平国家主席が電話で会談し、米中首脳会談の開催で合意する中で同バロメーターからは緊張緩和がうかがえるとのことだ。 その上でゴールドマンは中国A株のほか、香港取引所上場の中国本土株(H株)に関してオーバーウエイト(買い)の判断を維持した。中国の国内政策の柔軟性、抵抗しがたい投資家の選択性の優位などを踏まえてアップサイドの機会があるというわけだ。 20日の米国市場でS&P500指数は史上最高値を更新して堅調だったが、QUICK FactSet Workstationで日米中の主要株価指数を指数化したところ、最も強かったのは上海総合指数(19.78%高)だった。これにS&P500が続き、日経平均株価やTOPIXは10%以下の上昇率で米中の後塵を拝している。 東証が20日発表した10~14日の週の投資主体別売買動向(東証、名証2市場の合計)によると、海外投資家は現物株を6週連続で売り越した。売り越し金額は1992億円と、前の週(1143億円の売り越し)からやや増加した。出遅れ感の強い日本株をよそに、紛争当事国の中国株に海外勢の関心が高まっている。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

甦るあの夏の記憶 傘下ファンドの社債懸念で仏銀株が急落

20日のパリ市場でフランスの銀行ナティクシスの株価が大幅に下落した(11%以上)。傘下のH2Oアセットマネジメントが運用するファンドが保有する社債の一部に対して評価会社が「流動性と適切性」の懸念を表明したとFTが伝えている。 FRBによる緩和期待でバンクローンのETFなどが盛況となっているなかでの同銀行株の下落は際立ってしまう。2007年8月のパリバショックを連想する向きもあるのかもしれない。 ただ、仏系金融機関でも「気にしている人は社内にもいるが少数だ。先行きについてはウォッチしておいたほうが良いとは思うが」(ストラテジスト)ということのようだ。直ちにグローバルな金融市場へと警戒感が波及するということはなさそうとの見方だ。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】21日 全国CPI、ユーロ圏PMI 米中古住宅販売件数

21日は5月の全国消費者物価指数(CPI)、食品スーパー売上高、全国百貨店売上高などが発表される予定のほか、3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。IPO関連ではブランディングテクノロジー(7067)が新規上場する。 海外では6月のユーロ圏・フランス・ドイツの購買担当者景気指数(PMI)速報値や5月の米中古住宅販売件数などが発表される予定だ。 【21日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 5月の全国消費者物価指数(CPI、総務省)   4月の毎月勤労統計確報(厚労省) 10:20 3カ月物国庫短期証券の入札(財務省) 13:00 5月の食品スーパー売上高(日本スーパーマーケット協会など) 14:30 5月の全国百貨店売上高(日本百貨店協会) その他 閣議   東証マザーズ上場=ブランディングテクノロジー 海外 時刻 予定 1:00 ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事とメスター米クリーブランド連銀総裁が討議(22日) 16:15 6月の仏購買担当者景気指数(PMI)速報値 16:30 6月の独PMI速報値 17:00 6月のユーロ圏PMI速報値 23:00 5月の米中古住宅販売件数 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 3938 LINEの仮想通貨交換、登録見通し 決済などと連携 日経 +1.52% 6/20 6594 日電産社長「中国は大事、投資継続」、来期売上高2.3倍に 日経 +0.80% 6/20 7864 自社株取得枠設定 フジシール、150万株、50億円 日経 +0.61% 6/20 2651 加盟店向け相談窓口設置 ローソン社長、ロイヤルティー「下げ考えず」 日経 +0.38% 6/20 9837 立会外分売 モリト、28日〜7月4日に10万株 日経 +0.36% 6/20 3861 王子HDやレンゴー、東南アで段ボール量産 中国タイ勢と攻防 日経 +0.16% 6/20 3941 +2.28% 6/20 7201 仏ルノー、日産自新体制賛成 2委員会にポスト確保 各紙 -0.11% 6/20 7201 日産自仏ルノー、自動運転で合弁 事業面では連携深化 各紙 -0.11% 6/20 5706 三井金、3年内に負債資本倍率1倍以下目標 日経 -0.11% 6/20 3402 東レ系、核酸医薬製造設備開発へ 日経 -0.38% 6/20 8008 4℃ホールデ、4%増益 3〜5月営業、「令和婚」増え 日経 -0.67% 6/20 9064 無人配送ロボ公道実験、法改正も視野 政府、ヤマトHD傘下のヤマト運輸や楽天と今年度にも 日経 -1.06% 6/20 4755 +1.82% 6/20

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