中国経済、年内「横ばい」が過半数 債券QUICK月次調査

世界の景気を左右する中国経済の先行きを債券市場はどう見ているのか。QUICKが7日にまとめた債券月次調査で、2019年の中国経済が前年同期比で「横ばい」の成長率を維持するとの回答が最も多くなった。世界全体の経済についても、ほぼ同様の見方だ。ただトランプ米大統領が5日に対中追加関税の引き上げを突如表明し、依然、先行き不透明感は強い。 中国経済の見通しについて、19年前半、19年後半、20年前半いずれもほぼ半数の回答者が「横ばい」を予想している。債務問題など構造的な課題は多いものの、政府の経済・財政政策などの効果で足元では小康状態にある。 トランプ大統領の突然の関税引き上げ発言で米中協議の先行きを不安視する声もあるが、三井住友DSアセットマネジメントの深代潤執行役員は「あくまで交渉の戦略の一つ。米国も決裂は避けたいはずだ」と見る。 ■10月の消費増税は「支持」8割 10月の消費税率の引き上げに関しても質問した。自民党幹部が4月に「消費増税の先送り」に言及し、こちらもやや不透明感が出てきたが、「引き上げを支持するか」との問いに「支持する」(49%)と「どちらかといえば支持」(31%)を合わせた回答が8割だった。増税で日本経済は「多少、悪化する」と見込む声は7割で、18年10月の調査とほぼ結果は変わらずだった。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻) ※QUICKは債券市場関係者に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査<債券>」として公表しています。今回の調査期間は4月23~25日。回答者数は136人。

中国減速、製造業の警戒強く 非製造「影響ない」8割 2月のQUICK短観

中国は2018年の国内総生産(GDP)成長率が28年ぶりの低い伸びになるなど、景気の減速が表面化している。QUICKが18日にまとめた2月のQUICK短期経済観測調査(QUICK短観)によると、製造業のほうが非製造業に比べて、売り上げ減少などのダメージが強いという状況が浮き彫りになった。 「中国景気の減速でどのようなマイナスの影響がありましたか」との問いに対し、製造業の回答企業117社のうち42%が「何らかのマイナス影響がある」と回答。なかでも化学や鉄鋼などの素材業種では、過半数の企業が影響ありと答えた。 製造業が感じている影響の多くは、中国向けや現地での売上高や受注の減少だ。「出荷量の低下など中国の景気減速の影響が少しずつ出ている」などの声がある。実際、1月中下旬から2月上旬にかけて発表された上場企業の決算では、東レや旭化成、日本電産やファナックなどといった大手が相次いで2019年3月期の業績見通しを下方修正した。 一方、非製造業のほうは、回答企業171社のうち「影響なし」の回答の割合が84%にのぼった。ただインバウンド関連の需要の減少は数字に表れ始めており、百貨店大手では1月、訪日外国人による免税売上高が前年同月比マイナスになった。今後さらに中国の消費者や旅行者の財布のひもが固くなる可能性もある。 企業の景況感を示す業況判断指数(DI)からも業種による中国景気への「感応度」の違いが見て取れる。景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いて算出した業況判断DIは、製造業では前月より5ポイント悪化のプラス11で、5カ月連続で悪化。非製造業DIは前月比2ポイント悪化のプラス34で、製造業と比べて直近の水準からの下げ幅は小さかった。 2月のQUICK短観では350社の上場企業が回答した。調査期間は2月1日~13日。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

先行き懸念を払拭できるか、アリババと14億人の消費市場 【米決算プレビュー:10~12月】

中国のインターネットコマース(電子商取引、EC)最大手のアリババ・グループ・ホールディングスは、30日に2018年10~12月期(3Q)の決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると、売上高は前年同期比48%増の1191億人民元、1株あたり利益(EPS)は12%増の11.47元が見込まれている。多くの証券会社は強気スタンスだが、足元ではかつての成長の勢いにやや陰りもみられる。市場予想も、決算発表日が近づくにつれて切り下がってきた。じわり懸念が広がるECの先行き不安を決算で払拭できるか、注目される。 【アリババの18年10~12月期決算の市場予想】 ・売上高   :1191億2200万元(48%増) ・EPS   :11.47元(12%増) (予想はQUICK FactSet Workstation。1月26日時点。かっこ内は前年同期比の増減率) QUICK FactSet Workstationによると、3Qの売上高は前年同期比48%増。4~6月期(1Q)は64%増、7~9月期(2Q)が56%増と鈍化が続く。中核事業であるコアコマース部門のうち、収益の柱である中国での売上高は前年同期比37%増の822億元と、15年10~12月期(35%増)以来の低い伸び率にとどまる見通し。 取引手数料収入よりも大きい、広告売り上げなどから成るカスタマー・マネジメント部門が伸び悩む。クリック数に応じて支払われる既存の広告モデルが伸びる一方、キーバンクによると、新たな広告モデル(レコメンデーション型広告)への移行によるマネタイズの遅れが成長の足かせになっているようだ。 中国のネット通販全体の成長鈍化懸念もある。スタイフェルのまとめでは、中国のオンライン小売売上高(モノ)は18年10~12月期が前年同期比21%増だった。35%増を記録した1~3月期以降、減速感が鮮明。単月でみれば12月に持ち直したものの、10~11月が10%台の伸びにとどまったためだ。 10%台の伸びにとどまった11月は、ネット通販セール「独身の日」でアリババの取扱高が前年比26%増の2135億元と過去最高だった時期。中国消費全体の成長が鈍化する中での記録更新は、他社のシェアを奪っているだけ、との見方もできる。中国消費というパイの拡大余地が乏しくなるのであれば、シェアを奪いきった後は、これまでのような成長は期待できない。 ■中国オンライン小売売上高(モノ)の伸び率 (前年同期比、スタイフェルのリポートより) 中国消費の減速を補えるほど、第二の柱はまだ成長できていない。野村証券は7日付のリポートで、動画やゲーム、音楽などさまざまなコンテンツを展開するデジタル・メディア・エンターテインメントについて「動画コンテンツへの多額の投資と動画広告収入の伸び鈍化で、連結ベースのマージンを下押しした」と予測する。 巨額の設備投資を必要とするクラウド事業も、収益貢献を期待するにはまだ早い。ジェフリーズはEBITA(利払い前・税引き前・減価償却前の利益)で損益分岐点の水準に達するのは、2020年3月ごろと見込む。売上高はEC事業にはるか及ばず、中国ECの動向が業績を左右する構図はこれまでと何も変わらない。 QUICK FactSet Workstationによると、同社をカバーする53社のアナリストの目標株価は平均で204ドル。足元の株価から30%超の上値余地があると見込まれている。投資判断を「バイ」や「オーバーウエート」など最上位に置いている証券会社は52社にのぼる。 決済システム「アリペイ」を含むアリババの巨大なエコシステムは「事業間でもっと大きなシナジー効果を生み出せる」(THデータ・キャピタル)。こうした期待にもかかわらず、実際の株価がアナリストの目標水準を超えたことはない。世界的なグロース株の見直し機運が高まり足元で株価は戻しているが、米中貿易摩擦が重荷になり伸び悩みもみられる。「アナリストの評価は過大」との烙印を押されないためには、マクロの影響を跳ね返すだけの、ミクロの積み上げによる力強い成長シナリオを示す必要がある。(松下隆介) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

キャタピラー、原材料高や中国景気の逆風しのげるか【米決算プレビュー:10~12月】

建設機械大手のキャタピラーは日本時間28日夜、2018年10~12月期決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると22日時点の市場の予想EPS(1株利益)は前年同期比38%増の2.98ドル。売上高は11%増の143億ドルと予想されている。 【キャタピラーの18年10~12月期決算に対する市場予想】 ・売上高      :143億ドル(前年同期比10.9%増) ・EPS(Non-GAAP)  :2.98ドル(同37.9%増) (QUICK FactSet Workstationより) トランプ政権の施策の負の側面が米企業の業績に表れてきた。18年3月に発動した鉄鋼やアルミニウムに対する追加関税がコスト高につながり、キャタピラーの収益も圧迫されている。18年1~3月期に0.2億ドル、同4~6月期に0.8億ドルだった製造費用の増加額は7~9月期は2億ドルに達した。コスト高などを背景に同社は通期の利益見通しを据え置き、市場予想を上回った決算でも株価は一時10%安と急落した。  ■17年7~9月期と18年7~9月期の営業利益の比較 同社株に強気の見通しを貫いてきたアナリストも白旗を上げ始めた。クレディ・スイスは1月18日付けのリポートで目標株価を183ドルから173ドルに引き下げた。機械業種の最有望株であるとしながらも、マクロ環境や原材料コストの上昇などを引き下げの理由に挙げた。 焦点は製造コストの上昇だけではない。アップルをはじめ、今回の米決算では中国の景気動向からどういったネガティブ・インパクトを受けたのかが関心の1つ。21日発表の中国の国内総生産(GDP)は物価の変動を除く実質で前年比6.6%増と28年ぶりの低い伸びとなり、グローバル企業の業績に影を落としていたことが鮮明になっている。 キャタピラーの売上高に占める中国の販売額はそれほど多くはないが、昨年10月から原油価格を中心に商品市況が崩れた。世界景気の敏感株とも言えるだけに、市場が抱く警戒感は根強い。 ■中国 実質GDP年成長率(IMF) 19年通期に対する業績予想も重要だ。ここでも中国景気がカギを握る。JPモルガン証券は19日付けのリポートで、アナリストが参加したアジアの投資家との会合で「中国の投資家は鉱山機械や米建機の需要には前向きだったものの、中国景気に否定的だった」と指摘。投資心理が弱気に傾いているだけに、慎重な予想を示せば売りが膨らむ可能性がある。 半面、米ウェルズ・ファーゴは17日付のリポートで19年の業績見通しについて「保守的なガイダンスを出してくると想定される」としながら、「19年1月に実施した値上げや、在庫の消化といった好材料を活用して市場予想に近いガイダンスを示せればポジティブ」と期待も残していた。 キャタピラー株は相場全体の戻りの流れに乗って回復基調にある。ある程度は悲観が払しょくされた可能性がある中、強気の見通しが援護する形で買いに弾みがつくかもしれない。一方で過去数四半期に高水準を維持してきた利益にピークアウトが鮮明になるようだと再び下値を試す場面もありそうだ。(伊藤央峻)   ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

高値2万3160円で去年を超えられぬ?日経平均 専門家155人が月次調査で予想、リスクは米中

2019年の日経平均株価は、米中の摩擦などが引き続き重荷になり、18年の水準を下回るレンジで推移する--。QUICK月次調査がまとめた市場参加者155人の予想は、年間高値の平均が2万3160円、安値の平均が1万8742円。18年の高値(2万4270円、10月)と安値(1万9155円、12月)にいずれも届かないという弱めの集計結果になった。 調査期間は1月8~10日。重要なリスク要因を3つまで挙げてもらったところ、多い順に「米国の政治・経済の混乱」「中国経済・金融の混乱」「米中貿易摩擦」となった。市場関係者の懸念は米中摩擦をめぐる両国の政治的・経済的な混乱に集中している。 東洋証券の檜和田浩昭投資調査部部長の予想は高値2万4000円、安値1万8500円で全体の最頻値に近い。「足元の米マクロ統計の強弱がリスク要因となりそう。中国も景気の減速懸念が指摘されているが、何かが悪いとなれば政府が前倒しで政策を発動し、景気の底割れを回避するだろう」とみている。 最高値の予想で最も強気なのは3万円、最安値の予想で最も弱気なのは1万2000円だった。 実際、景気や企業業績への期待はしぼみ始めている。今後6カ月の最も注目すべき株価変動要因を聞く設問では回答者の47%が「景気・企業業績」と答えた。株価へのプラスマイナスの影響度合いを示す変動要因指数(0に近づくほど株安懸念が強く、50が中立、100に近づくほど株高期待が高い)でみると、48.9と16年6月以来の低水準となった。昨年の秋に指数は70に近づいていたが、短期間で相場の雰囲気が悪くなっている。 QUICKは12月の債券担当者への月次調査でも今年の相場見通しを尋ねている。そちらの予想は、高値予想が2万2827円、安値が1万8229円と、今回の株式調査とだいたい同じだった。一方で債券担当者は債券市場のリスク要因として、「米国の政治・経済の混乱」に次いで「日本の金融政策の変更」「米国の金融政策の変更」を挙げており、中央銀行の動きに一段と敏感になっている様子がうかがえる。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

中国景気「減速続く」7割 1ドル=7元超の元安も警戒、貿易戦争重荷に 月次調査<外為>

2019年の金融市場では中国リスクが一段の波乱要因になりそうだ。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した外国為替市場関係者への調査で、中国経済の減速と人民元安の基調が今後も続くとみている人の割合が、それぞれ7割前後に上った。落としどころが見えない米中貿易戦争が引き続き重荷だ。 中国の7~9月期の国内総生産(GDP)の成長率は前年同期比6.5%。政府目標の水準を何とか保ったものの、4~6月期の6.7%から鈍化した。製造業購買担当者景気指数(PMI)や小売売上高など最近の指標も低調で、年後半にかけて減速感が次第に強まっている。 政府の景気刺激策の下支え効果で景気底割れの事態はなさそうだが、貿易戦争のダメージは着実に蓄積。米国はトランプ政権と民主党が対中強硬策で一致しており、11月末に見込まれる米中首脳会談で膠着状態を打開できるかどうかは不透明だ。 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「日米貿易摩擦の歴史をみると1990年代後半に日本が深刻な景気後退に陥ると対日圧力は弱まった。同様に、中国が脅威の存在でなくなるまで米国は圧力をかけ続けるのではないか」と話す。 調査では、中国経済のリスクとして「貿易摩擦」(52%)に次いで「過剰な債務や投資」(40%)を指摘する回答も目立った。米国の圧力と根深い構造問題の挟み撃ちになっており、19年は経済成長が「さらに減速」(9%)、「緩やかに減速」(65%)するとの見方が多い。 こうした市場の懸念をすでに織り込み始めているのが、上海総合指数の落ち込みや人民元の下落だ。 とりわけ、じりじり下げ基調だった人民元相場は現在1ドル=6.9元台で推移。人民元急落を防ぐため中国人民銀行(中央銀行)が断続的に元買い・ドル売り介入を繰り返しているとされ、多くの外為市場関係者が節目と意識する「1ドル=7元」を巡る攻防が当面の焦点になる。 調査では「7元を超えて小幅な元安が進む」とみている人の割合が60%、「さらに急激な元安になる」が5%だった。 三井住友アセットマネジメントの深代潤執行役員・グローバル戦略運用グループヘッドは、貿易摩擦を機に中国と米国のルールが変わったため、1ドル=7元にあまりこだわらなくてよいとしつつも「米国向け輸出に頼れない中で、財政政策や規制緩和を活用しつつ、持続可能な水準に成長率を減速させていく。この過程で一定の元安が進むだろう」と分析する。 市場関係者の間には3年前の中国発の金融不安「チャイナ・ショック」の生々しい記憶がある。中国株や人民元の一段の下落は、世界的な株安や新興国通貨安といったリスクオフに直結し、円買いを呼びやすい。一方で人民元安・ドル高は間接的にドル高・円安にもなる。今回の調査では、大幅な人民元安になった場合のドル円相場は「円高・ドル安」に振れると警戒する声が78%に上った。 月次調査は12~14日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者96人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 根岸てるみ)   ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

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