7割の企業が「NO」 裁量労働制、担当者はこう考える 11月QUICK短観

あらかじめ決めた時間を働いたとみなす「裁量労働制」。厚生労働省の不適切データ問題により働き方改革関連法から外された経緯があるが、企業はどう考えているのか。QUICKが7日まとめた11月の短期経済観測調査(QUICK短観)では導入企業は2割程度にとどまり、7割が後ろ向きの回答だった。担当者から寄せられたコメントを紹介する。 11月のQUICK短期経済観測調査(QUICK短観)は329社の上場企業が回答し、うち260社が裁量労働制に関する特別質問に回答した。調査期間は10月24日~11月4日。 結果はグラフの通りで、「導入していない・予定もない」との回答が70%(182社)と最多だった。「その他」には、「一部の部署などで導入」や「導入したが効果は検証中」といった声のほか、「導入していたが制度を取りやめた」という回答もある。 裁量労働制はそもそも労働時間の短縮が目的ではなく、効率よく働いて生産性を高めることが狙いである。柔軟な働き方を一段と進めるための一つの手段として採用されるには、まだ課題も多い。 ■「段階的にコアタイムレスのフレックスタイムを導入しているが、課題も出てきている。将来的には業務内容・個人能力によって裁量労働制の導入も視野に入れる時期が来るかもしれないが、まだまだ先だ」(メーカー) ■「裁量労働制に関して『みなし残業時間』や『休憩時間』が実務上の問題だ。みなし残業時間は、本来であれば固定給であるべき一部を残業代としてカウントし、残業代の支払い逃れの要因となっている。外回りの営業であっても時間管理が可能な世の中になっており、極端に固定給を減らして固定残業代の割合を増やす事例もあることも考えると、経営者は何とか規制逃れをしようとするのだから残業代はきちんと計算されるように指導すべき。休憩時間も同じ。以前に勤めていた会社で8時間労働4時間休憩で拘束時間12時間を実施していた。労基署は本気で4時間も休憩する者がいると思っていたのか、何らケチを付けなかった。労働時間ではなく拘束時間もカウントすべきだろう。また、残業時間だけをカウントするのはおかしい。業務量が同じという前提で、有給休暇を5日も取れば、それだけで40時間分の残業時間が発生してもおかしくない。総労働時間を過労死の基準にすべきと考える」(不動産) ■「裁量労働でプラス効果が出るか否かは運用する企業側の問題で、効率的に働いて早く帰る者ほど優れた社員であるという企業風土を作ることが必要」(IT) ■「営業・研究・管理部門それぞれで、裁量労働制の運用を変える必要がある。残業時間を減らすのには有用(付き合い残業、生活のための残業が減る)。営業では接待・移動時間等が曖昧。裁量労働制で支払われた定額と、毎月の実際の労働時間との間に大きな乖離がないか、年間締めたベースでの検証が必要(翌年の定額を見直す為にも)」(メーカー) ■「働き方改革が進められている中で、いろいろな働き方が取り入れられているが、会社により最良の働き方があると思う。長時間労働、過重労働、就業年齢の延長化、休暇の捉え方、待遇等様々な要因もあるが、若年者も中高年も安心して就業、生活していけるようにすることが必要ではないだろうか」(メーカー) ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

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