IPリポート Vol.8【EV】正林国際特許商標事務所 

なかなか普及が進まない電気自動車(EV)。だが、ここにきて欧米のガソリン・ディーゼル車販売禁止の流れが加速し、再び脚光を浴びそうだ。EVの特許出願はおおむね巡航速度で推移しており、車体価格の引き下げと充電インフラの整備が今後のポイントとなる。 EV関連技術が成熟するなか、メインプレーヤーの知財戦略は2つに分かれている。サプライヤーに技術開発を任せてアッセンブリー&マーケティングに専念する「テスラモデル」と、知財を固めてボトムアップする「トヨタモデル」だ。現時点ではテスラモデルが売り上げ急拡大を実現している。今後は、市場拡大と充電インフラが整備された後のトヨタ自動車の出方に注目だ。特許出願をすすめる米フォード・モーターやホンダも研究開発を続けていけばEVでの成長が期待できる。 先行する特許弱者テスラ、技術優位のトヨタどう動く AIPE認定 知的財産アナリスト=鳥海博 証券アナリスト=三浦毅司 企業評価への視点 EVの技術開発は巡航速度に移行し、あえて技術優位を保つ必要は低下。技術先行をドライバーとしない米テスラは、EV/PHV(プラグインハイブリッド車)市場の世界販売台数トップを実現するなど、事業展開に成功している。 EVに係る特許で先行するのはトヨタ(7203)だが、現時点で量産化には踏み切っていない。今後、市場の拡大や充電インフラの整備が進めば、満を持しての参入もあり得る。 最近の特許出願動向ではフォードとホンダ(7267)に注目。世界的な景気減速の影響を乗り切り研究開発を続けられれば、EVによる成長が期待できる。 第1章 EV市場と技術開発の動向 1. ガソリン・ディーゼル車販売禁止で改めて脚光 EVはガソリン・ディーゼル車に比べて環境負荷が大幅に小さい。その保有台数シェアは北欧など一部を除いて低位にとどまってきたが、ここにきて各国のガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する動きが追い風となっている。欧州連合(EU)域内では2017年以降、フランスや英国などが相次ぎガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する計画を公表。中国もEV比率の向上や将来のガソリン・ディーゼル車の禁止を政策としてうたっている。禁止対象にハイブリッド車を加える流れもあり、EVは半ば強制的に普及が進みそうだ。 ■欧州主要国のガソリン・ディーゼル車の販売禁止スケジュール 出所:各種ニュース 2. 技術革新の勢いは一服 EVの技術開発の歴史は古い。環境負荷の軽減、燃費の劇的な改善を実現するエンジンとして開発が続けられてきた。バッテリー性能がネックだったが、リチウムイオン電池の採用で課題が解消されると、最高時速や航続距離が飛躍的に改善。研究開発の結晶としてトヨタは1997年、世界初のハイブリッド車「プリウス」を発売した。 EVに使われる技術は2010年前後には各社で実用化レベルに達している。09年には三菱自動車(7211)が「iーMiEV」、10年には日産自動車(7201)が「リーフ」を量産化した。EVに関係する特許出願は12年をピークに減少に転じており、技術革新が巡航速度になったことを示している。 ■EV関連の国内の特許出願件数 出所:正林国際特許商標事務所 技術分野別に見ても、現在でも高水準の出願が続くのは、車両やハイブリッド車両など最終製品に関するもので、バッテリーや電力供給といったパーツのコア特許は減少に転じている。EVの基本的な技術開発は峠を越えたといえる。 ■コンセプト別の特許出願動向 出所:正林国際特許商標事務所 第2章 大手各社の知財戦略 EV関連で累積特許出願件数が多いのはトヨタだ。過去からの蓄積もあり、世界的に見てもEVにおける技術優位は当面動かないであろう。一方、最近ではホンダやフォードのキャッチアップが目覚しく、今後の成長が期待できる。韓国の現代自動車グループの出願は14年に急増してトヨタを上回ったが、その後減少に向かっている。日産は12年をピークに減少に転じている。 ■大手自動車メーカーのEV特許出願件数 出所:正林国際特許商標事務所 1. テスラ 知財よりマーケティング重視 EVメーカーで異色の知財戦略をとるのがテスラだ。関連特許は累計2000件程度と比較的少なく、14年には特許を無償開放している。 世界的な大手自動車メーカーや電機メーカーが既にEVに関して多数の特許を出願しており、03年に設立されたテスラが挑んでも、「労多くして益少なし」となる。テスラは先進部品を他社から購入して研究開発費を節約する一方、マーケティング重視の戦略をとった。EVのコア技術は既に成熟していると見て、先進技術を武器に事業展開する道は選ばなかった。 テスラの18年の新車販売台数は前年の約2.4倍の24万5000台。中国EV最大手の比亜迪(BYD)を抜き去り、EV/PHV(プラグインハイブリッド車)市場で首位に浮上した。EVの先進的なイメージを高級車に組み合わせ、環境意識の高い高所得者を狙う販売戦略が成功した。 ■EV大手10社の販売動向 出所:兵庫三菱自動車販売 ■テスラの業績 出所:テスラ 10-K 2. トヨタ 「全個体電池」など準備は着々 トヨタは現状ではハイブリッド車(HV)やPHVが中心で、EVの量産化は行っていない。ただ、特許情報から見る限りEVの生産は十分可能で、技術優位性も維持している。将来に向けた技術開発にも積極的で、高効率の次世代電池「全固体電池」の開発にパナソニック(6752)などと連携し取り組む。 トヨタがEVの量産化に踏み込まないのは、市場規模がまだ小さく、充電インフラ整備も未成熟であるとの判断からだ。すでに成功しているハイブリッド車の販売台数がトヨタ単独で150万台を超える一方、EVの販売台数は世界合計で200万台程度となっており、参入には二の足を踏むであろう。もっとも、世界的なEVシフトで販売台数が増加して充電インフラの整備がすすめば、満を持して量産化を発表する可能性は十分にある。 ■トヨタのハイブリッド車販売台数 出所:トヨタ (2019年3月7日) (免責事項)本レポートは、レポート作成者が信頼できると判断した情報に基づき作成されていますが、レポート作成者及びその所属する組織等は、本レポートの記載内容が真実かつ正確であること、重要な事項の記載が欠けていないこと、将来予想が含まれる場合はそれが実現すること及び本レポートに記載された企業が発行する有価証券の価値を保証するものではありません。本レポートは、その使用目的を問わず、投資者の判断と責任において使用されるべきものであり、その使用結果について、レポート作成者及びその所属組織は何ら責任を負いません。また、本レポートはその作成時点における状況を前提としているものであって、その後の状況が変化することがあり、予告なく変更される場合があります。 正林国際特許商標事務所 (三浦毅司 takashi.miura@sho-pat.com 電話03-6895-4500)

テスラ発表前倒し、今度はどんなサプライズ 【米決算プレビュー:7~9月期】

テスラが24日の大引け後、2018年7~9月期(3Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、調整後の1株当たり損益(EPS)の市場予想の平均値(23社、23日時点)は0.03ドルの赤字で、8四半期連続の赤字が見込まれている。8月にイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がツイッターで「非公開化を検討」とつぶやき、大きな混乱を招いたことで業績に対する関心は低いとみられるが、昨年は11月1日だった3Q決算を前倒しして発表することから、にわかにサプライズがあるのではないかと期待が高まっている。 【7~9月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高    60億5200万ドル  (2.02倍) ・EPS(1株損益)0.03ドルの赤字 (Non-GAAP、前年同期は2.92ドルの赤字) テスラの業績を占う上で重要なのは、量産型電気自動車(EV)のモデル3の生産動向だ。テスラは10月2日、2018年7~9月期(3Q)のEV出荷台数を発表し、全出荷台数は8万3500台で市場予想(8万1000台)を上回った。量産車のモデル3は5万5840台で市場予想(5万6100台)を下回ったものの、12日にEVの情報サイト・エレクトレックが「テスラが2018年10~12月期(4Q)に力強い生産でスタートし、1万1500台のEVを生産し、このうち量産車のモデル3は7400台を占めた」と報じ、比較的順調とみられている。 モデル3の四半期生産台数のコンセンサス・トレンドを見ると、3Qのコンセンサスは5万6100台にとどまる一方、注目すべきは2018年10~12月期(4Q)が6万5400台にやや上昇していること。2019年1~3月期(1Q)以降は7万台超となっており、週5000台の生産目標を達成したことで、四半期(13週)で6万5000台以上の生産が徐々に増えるとみられている。マスク氏のツイッターで投資家の信頼感が薄れているとみられたが、モデル3に関しては順調な生産が見込まれているようだ。 (注)QUICK FactSet Workstationより作成 決算発表を前に、23日の米国市場でテスラ株は12%高で急伸した。空売り投資家のシトロン・リサーチが23日、ツイッターで「テスラを今四半期にロング(買い持ち)にしている」とつぶやいたことで警戒感が薄れる展開だった。シトロンは、テスラがフォードの決算発表と同じ24日に決算を発表すると明らかにしたことについて「空売りには悪い兆候になるかも知れない」などと指摘していた。 今回の決算に関して、モルガン・スタンレーは23日付のリポートで「なぜテスラは決算を前倒ししたのか」と指摘。決算の前倒しはモデル3の生産動向、4Qの業績見通しでポジティブなサインが出ることを示唆しているなどと見込んでいた。投資判断のニュートラル、目標株価の291ドルは維持していた。 一方、弱気派のバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは23日付のリポートで「3Qは強い生産動向、車種の好ましい組み合わせ、運転資金のメリットで良いものになりそうだが、これらのファクターは一時的だろう」と指摘。バリュエーションやキャッシュフローに疑問があるとし、投資判断のアンダーパフォーム、目標株価200ドルを維持していた。 お騒がせCEOの動向に注目が集まる(Photographer: David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images) 業績にやや安心感があるが、テスラに関してはマスク氏の動向に振り回される状況が続きそうだ。 マスク氏はツイッターで非公開化を検討と発信したことに関連して米証券取引委員会(SEC)と9月に和解したばかりだが、その後の10月4日にSECを「空売り投資家を金持ちにする委員会」と挑発するなど、ツイッターで自由奔放に情報発信を続けている。テスラはガバナンスを強化するため新たに独立した取締役2人を加えるほか、マスク氏の情報発信を監督する体制を整えるハズだが、ツイッターを見ている限り、あまり改善はみられない。 また、テスラの次期会長の有力候補に21世紀フォックスのジェームズ・マードック最高経営責任者(CEO)が浮上と報じられるなど、11月中旬までに会長人事で結論が出る見通しとなっている。決算発表のカンファレンスコールでガバナンス強化策などが出れば投資家心理の改善に繋がるとみられるが、テスラ株に投資する上では清濁併せ呑む心意気が必要かも知れない。(片平正ニ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。  

テスラ、生産は?財務は?CEOの振る舞いは? 【米決算プレビュー】

テスラは8月1日の大引け後、2018年4~6月期(2Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、調整後の1株当たり損益(EPS)の市場予想の平均値(20社、29日時点)は2.78ドルの赤字で、7四半期連続の赤字が見込まれている。電気自動車(EV)の「モデル3」の生産目標の週5000台は達成されたが、市場では量産に慎重な見方が支配的。前回の決算発表時にはカンファレンスコールでイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の非常識な振る舞いも問題となった。 【4~6月期決算の市場予想】  (前年同期比) ・売上高    39億9000万ドル(+43.0%) ・EPS(1株損益)-2.78ドル (Non-GAAP、前年同期は-1.33ドル) テスラの業績を占う上で重要なのは、モデル3の生産動向だ。7月に入り、6月最終週に5031台生産し、2Q末の生産目標(週5000台)を達成したことで株価は一時戻り歩調にあったが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙電子版が22日、「テスラが一部のサプライヤーに対し、これまでに支払った代金の一部を返金するよう求めている」と報じたことで財務不安が台頭。足元で株価は300ドル近辺で戻りの鈍い展開となっている。生産現場のトップエンジニアでシニア・バイスプレジデントのダグ・フィールド氏がテスラを辞職したと報じられたこともあり、モデル3の生産目標達成が一時的に過ぎないのではないかとの懸念も残る。テスラは8月末には週6000台に生産台数を引き上げる予定だ。 今回の決算に関して、ノムラ・セキュリティーズは25日付のリポートで投資判断の買い、目標株価450㌦で強気の見方を示しながら、「倒産危機説が再度現れたが、売上高は一段と拡大する見通し」と本業が好調との見方を披露した。7~9月期(3Q)の売上高はモデル3の生産にけん引されて前四半期比で60%増の64億ドルになるといい、「台湾と韓国のサプライチェーンの調査によると、モデル3向け部品を週あたり生産台数6000台超に見合うペースで調達しているようだ」と指摘。また過去18カ月間、テスラ株の空売り残高が株価と逆相関を示してきたとしながら、「決算発表に向けて、7月末時点の空売り残高は120億ドル規模で過去最高に上るとみる」と分析した。決算をきっかけに空売りの買い戻しが入れば需給的には上昇圧力が掛かりやすいかも知れない。 創業者のマスクCEOの振る舞いも注目される。前回の決算発表時のカンファレンスコールでは、マスク氏がバーンスタインのアナリストが増資について質問した際、「クールじゃない」と述べて回答を拒否。RBCキャピタルマーケッツのアナリストが生産が遅れているモデル3に関して、予約したうちの何パーセントが生産されたのか質問した際には「それらの質問は、かなりつまらない」と述べ、真剣に答えようとしなかった。マスク氏の天真爛漫なツイートも投資家からすれば悩みの種だ。 モルガン・スタンレーは25日付のリポートで「テスラ株の乱高下が続いている。その要因はメディア報道、アナリストレポート、マクロ経済イベント、奇異なツイートと様々だ」としながら、「株価はフェアバリューに近い水準にあるとみており、投資家が株価の方向性をよりつかみやすくなる機会が生じるのを待ちたい」とした。ある投資家から先日、モルガンに質問が寄せられた。それは「テスラはモデル3の受注残が40万台を超えていると依然述べているが、公式ウェブサイトのオンライン受注コーナーには1~3カ月後に納車とある。しかし、週当たりの生産台数を5000台と仮定するなら、18カ月分の受注残が存在することになる。そのような状況なのに6万台(週当たり5000台×12週間)もの注文を受け付け、これを先に納車することができるのか」という内容とのことだったという。 ★モデル3の生産台数のコンセンサストレンドは各四半期横ばい状態 【週5000台を達成できれば、1四半期(13週)で6万5000台になるはず!】  (注)QUICK FactSet Workstationより作成 モルガンは、納期の正確さ、正確なモデル構成、そして「架空の」受注残などは正確な予測を困難にする要因の一部に過ぎないとしながら、「あのような短い納期をテスラはなぜ宣伝しているのか、と心配する投資家もいるかもしれない」と指摘する。今回のカンファレンスコールでもアナリストから厳しい質問が出る可能性があり、マスクCEOがサプライヤーへの返金要請報道などに丁寧に答えて信頼回復を果たせるのかがポイントとなりそうだ。コンセンサスを見る限り、市場はモデル3の量産に依然として慎重なことが分かる。(片平正ニ)    ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

テスラ、生産改善と中国で試されるCEOのハンドルさばき 【米決算プレビュー】

テスラが5月2日の大引け後、2018年1~3月期(1Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、調整後の1株当たり損益(EPS)の市場予想の平均値(20社、26日時点)は3.53ドルの赤字で、6四半期連続の赤字が見込まれている。電気自動車(EV)の「モデル3」の生産目標の週5000台の達成に向けてイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)から明確なコミットメントが示されるのか関心が高い。中国がEV市場の開放に踏み切ることはテスラにとって追い風で、成長期待が高まりそうだ。 【1~3月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高    32億7300万ドル  (+21.4%) ・EPS(1株損益)-3.53ドル(Non-GAAP、前年同期は-1.33ドル) テスラは4月2日に244.59ドルまで下げて約1年ぶりの安値水準を付けた。3月に多目的スポーツ車(SUV)のモデルXで死亡事故が起きたうえ、米格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが27日に格付をB2からB3に引き下げたことで財務悪化懸念が台頭。さらに4月1日にマスクCEOがツイッターで「テスラが倒産」とエイプリルフールの冗談をつぶやいたことで、投資家の失望を招いていた経緯がある。 その後、マスクCEOが自らモデル3の生産目標達成に向けて陣頭指揮をとっているとの報道や、3日に1Qの生産台数発表に併せて3月最終週にモデル3の生産台数が週2000台になったと発表したことで徐々に買い戻しが優勢となっていた。17日夕にマスク氏が従業員に送ったメールの内容として、「モデル3の生産量は5月に週3000台から4000台に増えるだろう。2018年4~6月期(2Q)末には生産能力が解放され、週6000台の生産が可能になる」との見解を示したことで株価は落ち着きを取り戻しつつある。テスラはモデル3の生産目標を2Q末で週5000台としていたため、決算発表を機に目標達成へのコミットメントが示され、株価が再加速できるかどうかの瀬戸際にある。カンファレンスコールでモデル3の生産目標について、明確なコミットメントがあるのかが鍵になりそうだ。 QUICK FactSet Workstationでモデル3のコンセンサスの傾向をみると、1Qは8990台と低下基調にある一方、2Q、2018年7~9月期(3Q)は右肩上がりにある。週5000台の目標を2Q末に達成できるのなら3Qには6万5000台の生産が可能になる計算だが、コンセンサスは5万750台でまだ懐疑的な状況と言える。市場の信頼を高め、コンセンサスが切り上がるような量産計画の発表が待たれる。 モデル3の生産台数のコンセンサストレンド (注)QUICK FactSet Workstationより作成 テスラに慎重な見方として、モルガン・スタンレーが18日付のリポートで「テスラの次の動き、200ドルか400ドルか?」と指摘したことが関心を集めた。投資判断をイコールウエイトで据え置きながら、目標株価を379→376㌦にやや引き下げたものだったが、「週5000台の生産ペースは2018年10~12月期(4Q)終盤まで達成できない」、「テスラは資金調達を必要としないかも知れないが、多くの投資家はそれを欲することになるだろうと予想している」などと指摘。公募増資によって25億ドルを調達するのではないかなどと見込んでいた。モデル3の生産目標が達成できないうえ、生産のための資金調達懸念が残るという弱気な見方の典型例だった。 一方、強気派の野村インスティネットは13日付のリポートで、「6月末に週5000台の目標が維持されると見込んでいる。生産が抑制されている状況が克服され、消費者の健全な需要に応じることができるようになるだろう」と指摘していた。3月末に週2000台の生産が可能になったことを踏まえ、「今後も生産改善に取り組めば2Qは平均で週2000台の生産が可能だろう」と指摘。また、中国がEVに関する外資規制の緩和を発表したことについて「テスラは2017年に中国で20億ドルを超える売上高を記録し、25%の関税がありながら米国に次いで大きな市場となっている」としながら、「2030年までに中国でのEVのシェアの30%を占めるようになるだろう」とし、成長が見込める中国市場での飛躍に期待を示していた。 中国を攻略するにはテスラのブランド、自動運転といった性能面もさることながら、やはり量産体制を整えられるのかどうかがポイントになる。中国が対米貿易摩擦を解消しようとEV市場の開放に向かうのは結果として貿易紛争がテスラの追い風になっており、チャンスを活かせるかマスク氏の手腕が試されそうだ。(片平正ニ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

アドビ上昇、テスラ下げる 騰落率上位【米時間外】

15日の米国株式市場では、通常取引終了後の時間外取引で、アドビが買われている。日本時間6時25分時点の株価は226.00ドルと通常取引終値を3.25%上回る水準で推移している。一方、テスラは下げた。日本時間6時25分時点の株価は324.50ドルと通常取引終値を0.33%下回る水準。 以下、15日の時間外取引で値動きの目立つ主な米国株をまとめた。日本時間6時25分時点で、株価の単位はドル。騰落率は通常取引終値との比較。 ▽主な上昇銘柄一覧  アドビ              226.00   +3.25% パッケージ・ソフトウェア  ファイアアイ              18.59   +2.59% 情報技術サービス  メイクマイトリップ          35.71   +1.16% その他消費者サービス  iShsラテンアメリカ40       37.85   +1.09% 投資信託・投信  ソシエダードキミカYミネ      49.34   +1.08% 農薬  チポトレメキシカングリル     322.32   +1.06% レストラン  アンダーアーマーA          16.07   +1.06% 衣料・履物  クローガー              23.85   +0.93% 食品小売り  エンブリッジ            31.75   +0.92% 石油・ガスパイプライン  トロントドミニオンバンク      58.80   +0.88% 主要銀行 ▽主な下落銘柄一覧  アボットラボ            62.00   -0.94% 特殊医療  ゴールドコープ          13.15   -0.90% 貴金属  ブロードコム           265.50   -0.84% 半導体  ウィリアムズ             26.48   -0.78% 石油・ガスパイプライン  キンロスゴールド           3.63   -0.55% 貴金属  ジンガ                3.84   -0.51% インターネット・ソフトウェアサービス  イタウウニバンコ           15.60   -0.43% 地方銀行  テスラ                324.50   -0.33% 自動車  クラフトハインツ            65.25   -0.32% 食品総合  サウスウエスタンエナジー        4.27   -0.23% 石油・ガス ※国内証券会社の取り扱いが多い銘柄からQUICKがピックアップした銘柄をユニバースにしています。 ※この記事はQUICKのAI速報で作成しました。

テスラ上昇、スプリント下げる 騰落率上位【米時間外】

7日の米国株式市場では、通常取引終了後の時間外取引で、テスラ(@TSLA/U)が買われている。日本時間8日6時25分時点の株価は352.50ドルと通常取引終値を2.17%上回る水準で推移している。一方、スプリント(@S/U)は下げた。日本時間6時25分時点の株価は5.44ドルと通常取引終値を1.27%下回る水準。 以下、7日の時間外取引で値動きの目立つ主な米国株をまとめた。日本時間8日6時25分時点で、株価の単位はドル。騰落率は通常取引終値との比較。 ▽主な上昇銘柄一覧 コード 銘柄 時間外株価 騰落率 分類 @CNX/U CNXリソーシズ 12.17 +2.85% 総合石油 @BBD/U バンコブラデスコ 11.80 +2.52% 地方銀行 @ITUB/U イタウウニバンコ 15.69 +2.30% 地方銀行 @VMW/U VMウェア 115.43 +2.24% 情報技術サービス @TSLA/U テスラ 352.50 +2.17% 自動車 @NOV/U ナショナルオイルウェルバーコ 34.72 +1.97% 油田設備 @GGB/U ゲルダウ 4.36 +1.96% スチール @UAA/U アンダーアーマーA 13.52 +1.95% 衣料・履物 @K/U ケロッグ 65.39 +1.83% 食品総合 @DISCA/U ディスカバリーコミュニケーションズ 23.49 +1.61% 映画・娯楽 ▽主な下落銘柄一覧 コード 銘柄 時間外株価 騰落率 分類 @IRBT/U アイロボット 72.97 -17.11% 電化製品 @YELP/U イェルプ 41.50 -7.65% インターネット・ソフトウェアサービス @MNOV/U メディシノバ 9.16 -5.85% バイオテクノロジー @BB/U ブラックベリー 11.50 -2.12% 通信機器 @DDD/U 3Dシステムズ 10.14 -1.70% 電子装置・機器 @SNAP/U スナップ A 20.45 -1.44% インターネット・ソフトウェアサービス @S/U スプリント 5.44 -1.27% 無線通信 @MMYT/U メイクマイトリップ 30.76 -1.24% その他消費者サービス @CPST/U キャプストーンタービン 0.92 -0.86% 電気製品 @AIG/U AIG 59.95 -0.85% 総合保険 ※国内証券会社の取り扱いが多い銘柄からQUICKがピックアップした銘柄をユニバースにしています。 ※この記事はQUICKのAI速報で作成しました。

米テスラ、「モデル3」の生産目標焦点 市場は懐疑的 【米決算プレビュー】

米テスラが日本時間8日朝、2017年10~12月期(4Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、調整後の1株当たり損益(EPS)の市場予想の平均値(20社、2日時点)は3.15ドルの赤字で、5四半期連続の赤字が見込まれている。 電気自動車(EV)の「モデル3」の生産が目標に達しない状態が続いており、イーロン・マスクCEOからカンファレンス・コールで生産体制に強気の見方が出ても株価の再加速は難しいとみられる。 【10-12月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高  32億9400万ドル  (+44.1%) ・EPS(1株損益)-3.15ドル   (Non-GAAP、前年同期は-0.69ドル) テスラは1月3日、モデル3の出荷台数が1550台だったと発表した。市場予想の4100台を大きく下回ったうえ、モデル3の生産目標(週5000台)の達成時期を2018年4~6月期(2Q)末へ先送りすることも明らかにしていた。モデル3は昨年7月から出荷を始めていたが、昨年11月に続き、2回目の生産目標先送りとなったことを受けて足もとのテスラ株は350ドルを挟んでもみ合い。昨年9月に付けた上場来高値(389.61ドル)から10%ほど下げた状態にある。 年明け後は悪いニュースが続いた。米経済専門チャンネルのCNBCは1月25日、テスラの従業員の話として「モデル3の出荷目標が再び後ずれしそうだ」と報道。さらに1月29日には「バッテリー設計を担当していたアーネスト・ビリャヌエバ氏が退社していたことが分かった」とも報じた。現場の厳しい状況を示唆する報道が相次ぐ中、決算発表で今後のモデル3の生産体制の具体的な改善策がマスクCEOから出るのか注目される。 市場が見込んでいるモデル3の生産台数は年明け以降も右肩下がりの状態で、2018年1-3月期(1Q)で1万6320台と見込まれている程度。週5000台の目標を達成できれば1四半期で6万5000台ほどが生産できるはずだが、コンセンサスを見る限り、2018年10-12月期(4Q)にやっと達成できるというのが現在の見立て。市場は目標達成に懐疑的な状況だ。 【モデル3の生産台数のコンセンサスは右肩下がり】 (注)QUICK FactSet Workstationより作成 テスラに対して強気派のロバートWベアードは1月31日付のリポートで、4Q決算に関して売上高で35億ドル、EPSで3.08ドルの赤字と見込んだ。モデル3の生産の遅れを反映したといい、2018年1~3月期(1Q)のモデル3の生産見通しについて1万台以上の数字が示されればポジティブな反応が見込まれると指摘。投資判断のアウトパフォーム、目標株価411ドルを維持していた。 一方、弱気派のUBSは1月31日付のリポートで、「キャッシュを燃やす状態は落ち着いているが、リスクは残る」として投資判断のセル、目標株価195ドルを維持した。4QのEPSを3.50ドルの赤字とし、市場予想よりも赤字幅が拡大すると予想。今後、モデル3の生産が増えても設備投資を増強する必要があり、今期の収益に与える影響は限られ、引き続き資本調達に踏み切るリスクがあるとも指摘した。 また、今年はアウディやジャガーで高級EVの販売が見込まれているため、「収益性が高い高価格のモデルSやモデルXの需要にインパクトをもたらす可能性がある」と懸念を示していた。 (QUICK エクイティコメント) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。また、米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に業績の着地点や注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を決算発表前に配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

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