ドル安一服、新興国ETFに大規模資金が流入

20日の米国市場で新興国の大型・中型株に投資するiシェアーズ・コアMSCIエマージングETFに大規模な資金が流入した。QUICK FactSet Workstationによると、6億3387万㌦(680億円)の資金流入となり、1月5日(7億3645万ドル)以来、1カ月半ぶりの高水準を記録。今月16日に3億ドル超の資金が流入したのに続き、3連休明けも買いが優勢だった。 この日の米国市場で同ETFは1.29%安で大幅続落。米金利上昇を受けて為替市場でドル高・新興国通貨安が進む中、ドル安で堅調な展開が続いていたエマージング株に利食いが優勢となっていた。 ただ、下がったところでは押し目買いも活発だったようで、この日のエマージングETFは軒並み資金流入となっていた。iシェアーズMSCIエマージングETFは1億7556万㌦の流入超。純資産がエマージングETFで最大(707億㌦)のFTSEエマージング指数に連動するバンガードFTSEエマージング・マーケッツETFも1億9220万㌦の流入超だった。 iシェアーズ・コアMSCIエマージングETFのファンドフロー (QUICK FactSet Workstationより、単位・百万㌦) (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米国上場の株式ETFから大規模資金流出 相場乱高下の2月第2週

2月5~9日(第2週)の1週間で米国上場の株式ETF(上場投資信託)から大規模な資金が流出した。QUICK FactSet Workstationによれば全体で289億9633万ドル(3兆1504億円)の資金がネット流出となり、このうちS&P500に連動するスパイダーS&P500ETFだけで231億2020万ドルの資金が流出し、全体の79%を占めた。 ナスダック100指数に連動するパワーシェアーズQQQトラストの39億8014万ドルも含めれば、大型ETFの2つだけで全体の流出額の93%を占める計算だ。 世界同時株安の中でパッシブ投資家や個人投資家が主力のETFに解約売りを出したとみられる。一方、この週で最も資金が流入したのはiシェアーズ・コアS&P500の11億552万ドルで、大型株の一角には押し目買い意欲の強さがみられた。 なお分類別でみると、この週は「債券ETF」が8億6894万ドルのネット流入となったほか、VIXロング、ショートなどのデリバティブ関連ETFを含む「オルタナティブ」が7億993万ドルのネット流入となったが、コモディティ(9億2948万ドル流出)、アセット・アロケーション(8685万ドルの流出)、通貨(2658万ドルの流出)などは流出が相次いだ。 金価格に連動するSPDRゴールド・シェアーズからも8億6942万ドルの資金が流出し、キャッシュ化の動きが強まった。 2月5~9日の米国上場株式ETFのファンドフロー・流出トップ10 (注)QUICK FactSet Workstationより (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米株高を示唆してきた? 興味深い「コンテナ処理量指数」の行方

興味深いレポートがある。SMBC日興証券の丸山義正氏と山下友暢氏が24日付で公表した「世界のコンテナ処理量は過去最高水準で 2017 年を終えた」だ。引用したデータはRWI/ISL指数。「世界の82の港湾のコンテナ処理量を集計したデータであり、貿易動向ひいては世界全体の景気動向を把握する上で有用と言える。かつ当該月の翌月の下旬には公表されるという速報性も有する」という。 同指数とS&P500種株価指数をQUICK FactSet Workstation上で単純に重ね合わせたのが以下のチャート。ざっくり感でS&P500に先行性があるように見える。 丸山氏のレポートは以下のように続いた。 「10月にRWI/ISL指数は前月比▲0.6%と4ヶ月振りに低下したため、10月のコンテナ処理量は 7~9 月期を前期比年率に換算して 1.4%程度上回るにとどまり、10~12月期に増勢を確保できるか不透明だった。しかし、RWI/ISL指数は11月に切り返し、過去最高水準を記録、12月もその水準を維持した。10~12月期のRWI/ISL指数は前期比年率+4.1%(7~9月期+8.2%)と8四半期連続で増勢を維持した。コンテナ処理量は拡大基調にある」 「オランダの CPB が試算している世界の貿易数量は昨年10月に前月比▲1.2%(9 月 0.0%)と 4 ヶ月振りに低下した(11 月及び 12 月の計数は未公表)。10 月の貿易数量は 7~9月期を前期比年率に換算して 3.6%程度下回っている(7~9月期前期比年率+5.7%)。このデータだけを見ると、7四半期連続の増加の確保へ向けて、心許ない滑り出しだと言えるだろう。ただ、世界貿易数量の先行指標として位置づけられるRWI/ISL指数が10~12月期も増勢を維持した点を踏まえると、10~12月期の貿易数量に関して過度な悲観は不要だろう。世界貿易の拡大、ひいては世界経済の拡大は、10~12月期も継続した模様だ」 世界貿易の拡大を背景とするかのように国際通貨基金(IMF)は22日、2018年の世界経済の成長率見通しを3.9%と前回から0.2ポイント上方修正した。ここまでは合点がいくものの、米株高のペースは世界経済の拡大と比べて速すぎるリスクはないのだろうか。上記チャートはそんな不安も同時に抱かせる。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

外国人はどんな銘柄を買っているのか? 急成長した海外ETFが参考に

東京証券取引所が12日発表した投資部門別株式売買動向では、海外投資家が4~5日の2日間で4851億円を買い越したことが判明した。詳細は不明に見える実際のトレードも海外市場に上場する上場投資信託(ETF)を調べてみると具体的な投資先が鮮明になる。 日本の市場関係者が注目する海外のETFに「グローバル X ロボティクス & AI ETF(Global X Robotics & Artificial Intelligence Etf、@BOTZ/U)」がある。2016年末の運用資産残高(AUM)は約300万㌦。これが今年1月10日時点では18億5400万㌦にまで急成長した。 ファンド名称でわかるように機械関連とAI関連が投資対象だ。QUICK FactSet Workstationで保有銘柄を見ると日本企業のウエートが大きいのが分かる。 実際の運用成績も非常に良好。このBOTZは16年末から直近までの期間に72%上昇。米S&P500種株価指数(24%)を大幅にアウトパフォームした。  さらにQUICK FactSet Workstationによると、5日からの4営業日で合計2億2700万㌦の資金が流入。今年に入っても同ETFを購入する勢いに陰りは見えない。 似たようなETFに「ロボグローバル・ロボティクス・アンド・オートメーション指数ETF(Robo Global Robotics & Automation Index Etf、@ROBO/U)」がある。こちらも16年末時点のAUMが1億3400万㌦だったのに対し、直近までに21億7700万㌦にまで成長。パフォーマンスは54%上昇と良好だ。BOTZと同様に年明けから資金流入が確認されている。  また日本株を多く保有する点も共通している。 金融危機後、産業として急成長したのがETFビジネスだった。これによりグローバルのテーマ型投資が容易になった。日本株を買う・売るといった単純な投資判断だけが相場を左右するわけではない。世界経済や産業構造がどうなるのか。あくまで全体を俯瞰した投資判断がETFというチャンネルを経由して日本株市場に流入しやすくなったのは事実のようだ。  【QUICKデリバティブズコメント:岩切清司】 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ビットコイン急落の余波? 半導体ETF(SOXX)から大規模資金流出

22日の米国市場でフィラデルフィア半導体指数に連動するiシェアーズ・セミコンダクターETF(SOXX)から大規模な資金が流出した。QUICK FactSet Workstationによれば1億1200万㌦(約126億円)の資金が流出し、11月3日(1億9022万㌦)に次ぐ今年2番目の流出規模を記録した。 この日のSOXXは0.05%安で小幅に続落。ビットコインが急落する中、アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)が3.21%安で続落するなど主力の半導体関連が軟調だった。SOXXは11月22日に181.88㌦で52週高値を更新していたが、ビットコインの下落が続くようだと解約売りが続くおそれもありそうだ。 <iシェアーズ・セミコンダクターETFのファンドフロー> ※QUICK FactSet Workstationより ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米法人減税、恩恵を受けそうな企業はここだ!

トランプ米大統領が政権公約で掲げた大型減税法案が議会で可決され、成立が確実となった。連邦法人税率は35%から21%に低下し、地方税と合わせた法人実効税率は現行の約41%(カリフォルニア州の場合)から約28%まで下がる見通し。これは日独などを下回る水準だ。企業の海外子会社からの配当課税も廃止されるほか、設備投資の即時償却が認められ、企業減税の規模は10年間で6500億ドルに達するとみられる。 抜本的な税制改革は1986年にレーガン政権下で行われて以来、約30年ぶり。法案はトランプ大統領が署名して成立するが、財政赤字が大きく増えることを禁じた財政関連法の適用を停止するなどの手続きが必要なため、年明けまでずれ込む可能性もある。 「QUICK FactSet Workstation」のS&P500企業税率一覧データから、法人減税の恩恵を享受しそうな企業を抽出したのが下記の表だ。 <法人減税のメリット享受が期待できる主な銘柄> ・S&P500採用企業 シンボル 名称 税率(企業が実際に支払っている税の負担率) ——————————————— WDC Western Digital Corporation 48.4 V Visa Inc. Class A 42.7 UAL United Continental Holdings, 40.7 GPS Gap, Inc. 39.9 HD Home Depot, Inc. 36.3 M Macy’s Inc 35.8 VZ Verizon Communications Inc. 35.2 AFL Aflac Incorporated 34.6 UA Under Armour, Inc. Class C 33.8 BBY Best Buy Co., Inc. 33.5 T AT&T Inc. 32.7 F Ford Motor Company 32.2 DIS Walt Disney Company 32.1 MCD McDonald’s Corporation 31.7 WFC Wells Fargo & Company 31.4 WMT Wal-Mart Stores, Inc. 30.3 FOX Twenty-First Century Fox, Inc. 30.3 C Citigroup Inc 30.0 AAPL Apple Inc. 24.6 ※QUICK FactSet Workstationより 法定の表面税率と企業が実際に支払っている実効税率は異なるが、新しい連邦法人税率21%以上の企業は308銘柄あり、大半の銘柄で恩恵を享受するとみられる。主力IT企業ではアマゾンが36.6%、アップルは24.6%となっており、減税の恩恵を享受しそうだ。その一方で、グーグルを傘下に持つアルファベットは19.3%、フェイスブックは18.4%と、20%以下の水準となっており、さほど恩恵はなさそう。マイクロソフトは8.4%になっており、影響はほとんどなさそうだ。 <法人減税のメリット享受をそれほど期待できない主な銘柄> ・S&P500採用企業 シンボル 名称 税率 ——————————————— GOOG Alphabet Inc. Class C 19.3 FB Facebook, Inc. Class A 18.4 XLNX Xilinx, Inc. 9.9 MSFT Microsoft Corporation 8.4 STX Seagate Technology PLC 5.3 IBM International Business Machines 3.6 MU Micron Technology, Inc. 2.2 ※QUICK FactSet Workstationより 減税の恩恵が少ないとみられる企業は、海外のタックスヘイブン(租税回避地)に本拠を移転するなどして、すでに実質的な税率が低くなっている企業。マイクロソフトは米国に本拠を置くが、アイルランド、シンガポール、プエルトリコなどの低税率国にある子会社に分担させて、全世界の製品販売事業を運営しているため税率が低いという。 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

日本株ETF(EWJ)に今年最高の資金流入、ドル安でも日本株高をサポート?

18日の米国市場で、為替ヘッジなしの日本株ETF(上場投資信託)であるiシェアーズMSCIジャパン(EWJ)に大規模な資金が流入した。QUICK FactSet Workstationによると、4億7274万㌦(約530億円)の資金流入となり、1月26日に記録した今年最大の流入額(4億5431万㌦)を11カ月ぶりに更新した。 この日のEWJは1.20%高の60.62㌦で続伸。一時は60.695㌦まで上昇して2006年5月以来、11年7カ月ぶりの高値水準を回復した。為替市場で円高・ドル安基調が続く中、ドル建てで為替差益を受けるEWJに大規模な資金が流入したことは、ETFを通じた買い需要として日本株高をサポートしそう。EWJの組み入れ上位はトヨタ(7203)、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクG(9984)、ホンダ(7267)、三井住友(8316)、ソニー(6758)、キーエンス(6861)、KDDI(9433)、ファナック(6954)、みずほ(8411)といった主力株となっている。 iシェアーズMSCIジャパンのファンドフロー(単位・百万㌦) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「380兆円市場」の米ETF、今年だけで46兆円流入 手数料率で運用会社に明暗も

グローバル市場で上場投資信託(ETF)の存在感が一段と高まっている。QUICK FactSet Workstationのデータによると、米国上場のETFの運用資産残高(AUM)は11月末時点で約3.35兆㌦(約380兆円)。2016年末時点(約2.55兆㌦)に対して3割増加した。運用手数料が低く商品設計も指数に連動するタイプでわかりやすく、マネーを飲みこんでいる姿が鮮明だ。 ETFは投信であるため、常に資金の流出入が発生している。年初から11月までの流出入額は4156億㌦(約46兆円)の流入超となった。 2社のシェアは65% 運用会社別のAUMを見ると、ビジネスとしては寡占が進んでいる構図も浮かぶ。首位は約1兆3300億㌦のブラックロック、バンガードが約8400億㌦で続く。2社だけでシェアの合計が65%程度に達する。要因の1つに考えられるのが手数料の比率だ。運営費用比率(Total Expense、投資資産に対する運営費用の割合)のわずかな違いが、ファンドフローに大きな与えている。 米国最大のETFで、運営費用比率が0.09%のステートストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)の「SPDR S&P500 ETF Trust」は年初から103億㌦の資金が流出した。一方、同比率が0.04%のブラックロックの「iShares Core S&P 500 ETF」には300億㌦、バンガードの「Vanguard S&P500 ETF」には139億ドルの資金が流入した。 手数料の違いが運用資産残高を左右(QUICK FactSet Workstationより) ネット証券経由で流入も顕著 マネーの流入経路にも興味深い傾向が見て取れる。米国のネット証券大手、チャールズシュワブが手掛けるETFには年初から累計で241億㌦が流入。現時点で今年の流入ランキングではブラックロック、バンガードに続く3番手に位置した。同グループのETFのAUMは合計で951億㌦とSSGAの6分の1に過ぎないが、今年の資金流入額はこれまでにSSGAの2倍にもなる。 ETFのブランド名「SPDR(スパイダー)」で有名なSSGAだが、運営費用比率の加重平均は0.18%でバンガードやチャールズシュワブと比べると高い。特にバンガードは低い手数料で他社に対する攻勢を強めており、業界内では「アマゾン・エフェクト」になぞらえて「バンガード・エフェクト」と呼ばれることもある。 日本では来年から少額投資の非課税制度である「積み立てNISA」が始まる。野村アセットマネジメントは11月下旬に債券型で複数のETFを東京証券取引所に上場させたばかり。日本でも個人金融資産が低コストのETFに向かうのか。関心が高まりそうだ。

東レ急落、主要顧客は? ホンダ、トヨタ、エアバス… 子会社でデータ不正 

28日午前の東京株式市場で東レ(3402)が急落した。子会社で製品データを改ざんする不正があったと朝方に伝わったことが嫌気された。その後に東レは傘下の東レハイブリッドコードでデータを不正に書き換えていたと正式に発表した。  QUICK FactSet Workstationによると、東レの顧客の上位にはフランスのエンジン大手サフランや航空機大手の欧州エアバス、米ボーイングなどが名を連ねている。国内では自動車大手のホンダやトヨタが主要顧客だ。 【顧客上位5社(QUICK FactSet Workstationより)】 顧客をセクター別にみるとエレクトロニクス技術や装置産業、健康技術が上位に入る。 【セクター別の顧客上位(QUICK FactSet Workstationより)】 産業別では織物産業や電子部品がそれぞれ4%程度を占め、宇宙・防衛産業も3%程度。その他も12%程度を占めるなど、幅広い産業と取引のあることがうかがえる。 【産業別の顧客上位(QUICK FactSet Workstationより)】 国別の顧客では日本が11%程度でダントツ。台湾と米国が続き、3か国で2割強を占めている。 【国別の顧客上位(QUICK FactSet Workstationより)】  今回不正があったのはタイヤや自動車ホースなどに使われる繊維で、13社に対して事前に決めた規格に合わない製品をデータ改ざんのうえ出荷していた。会社側は「法令違反や製品安全上の問題のある案件は見つかっていない」としているが、今後の動向に関心が集まる。

フェイスブックに迫るテンセントの企業価値 21日終値では逆転せず

世界市場で中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)に関心が集まっている。21日の香港取引所では同社株が4営業日続伸し、前営業日比2.38%上昇した。QUICK FactSet Workstationによると米ドルベースの時価総額は5185億㌦(約58兆円)に達し、中国企業としては初の大台越えとなった。  この規模感は、ネットの巨人が乱立する米市場と比較しても引けを取らない。米フェイスブックの時価総額は同日の米市場の取引終了時点で5284億㌦で、テンセントはフェイスブックの背中を完全に射程圏に収めたといえる。一部報道では、一時的にでも逆転現象が起きたとも伝わった。  テンセントのビジネスモデルはフェイスブックに近い。SNSを運営し有料サービスを展開している。さらにチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」が中国市場で大きなシェアを占め利用者数が10億人に迫っている。また同アプリの決済機能も普及し中国におけるキャッシュレス化に一役買っている。  テンセント経済圏の拡大は業績にも反映されている。1年前の四半期決算で増収率はおおむね30~40%台だった。直近の2四半期では50~60%超に加速している。同社の利益成長に対する市場の期待が企業価値の拡大に結び付いているようだ。

10月の主役、欧州マネーは日本でも大株主 データで見る「株式会社ニッポン」の大株主②

 10月に1655円(8.1%)上昇した日経平均株価。26年ぶりという歴史的高値圏を回復したのは外国人投資家による買いがけん引役だった。東京証券取引所の発表資料から地域別の動向をひも解くと、現物株で2兆円超を買い越し過去最高を記録した「欧州」の存在が際立つ。  グローバル金融市場の中心地の1つはロンドン。世界中の運用マネーが集まるため、結果的に欧州からのフローとして見える。ただ、QUICK FactSet Workstation(QFW)で改めて「株式会社ニッポン」の大株主を見ると、欧州の巨人が浮かび上がる。  QFWには運用機関ごとの株式保有のデータが収容されている。保有株数と10月末時点の株価を使って推定時価を算出。以下は本社所在地が海外の運用機関の日本株保有ランキングだ。 ノルウェーのSWFは日本でも大株主  ブラックロックやバンガード・グループといったインデックス型運用のウエートが大きい米系の次に位置したのがノルウェー政府年金基金だ。9月に公表した運用資産は初めて1兆㌦(約112兆円)を超え、世界最大の政府系ファンド(SWF)でもある。  16年末時点のデータであり銘柄を入れ替えている可能性があるものの、保有する日本株の上位にはトヨタ(7203)やソフトバンクG(9984)、三菱UFJ(8306)、キーエンス(6861)、三井住友(8316)、ファナック(6954)、ソニー(6758)が並ぶ。  21日付の日本経済新聞は市場関係者の話として同基金が10月に日本株の買いに動いたといった見方を伝えた。この月の上げ相場では日経平均がTOPIXを大きくアウトパフォームした姿が目立った。同基金の保有上位にあるソフトバンクGやキーエンス、ファナックはまさに日経平均の構成比率が高い、いわゆる「値がさ株」でもある。日経平均との連動性の高い銘柄を買っていたのか、気になるところだ。 任天堂の筆頭株主は世界有数の運用会社  キャピタル・グループはグローバル市場で有数の運用会社の1つ。特定の銘柄の保有額が大きく日本市場でもその名が知れわたる。QFWのデータでも、保有銘柄数は68にとどまり指数連動とは一線を画すアクティブ型運用の姿勢が浮かぶ。  投資する日本株の中でウエートが高いのが任天堂(7974)。自社株保有を除くとキャピタルが事実上の筆頭株主だ。QFWで確認できるデータでは、キャピタルは少なくとも1999年から任天堂へ投資を開始した。今年の任天堂株は家庭用ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」の好調な売れ行きを背景に株価が急騰。昨年末からの上昇率は82%となっている。キャピタルの運用成績に大きく貢献したことは間違いなさそうだ。 2つの「フィデリティ」のナゼ  ランキングには2つの「フィデリティ」が並ぶ。世界の運用会社として耳にする会社名だが、この2つはまったくの別法人。FMRは「フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ」の略で主に米国の投資マネーを運用する。一方でFILは「フィデリティ・インターナショナル・リミテッド」で、米国以外の資産運用を手掛けている。  日本で投資信託を設定・運用しているのはFIL。FMRとは会計上の連結関係などにはないといい、あくまで経営が独立している。QUICK資産運用研究所の調べでは、国内の公募投信の運用資産残高ランキングで「フィデリティ」は約3兆3000億円で7位となっている。 欧州銀の保有は「業者玉」  日本株保有の上位にはドイツ銀行やUBSといったグローバルの金融機関も多い。しかし、日本株への純投資という目的ではないようだ。欧州系金融機関は日本で株価指数との裁定取引を積極的に手掛けている。格付けが相対的に高いこともあり低金利=低コストで資金調達が可能で、現物指数と先物価格との間に開くわずかなさや抜きで収益を稼いでいるとされる。  また、「ヘッジファンドなどが現物株を売買せず全ての取引をスワップとするトータル・リターン・スワップ(TRS)もあるのでは」(トレーダー)との指摘もあった。デリバティブ(金融派生商品)を利用したビジネスの原資産として保有する必要があり、欧州系の保有は「業者玉」と見た方がよさそうだ。

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