ネトフリ、契約者伸び増益 膨張する制作費にリスクの芽 【米決算プレビュー:7~9月期】

米主要ハイテク企業の7~9月期の決算発表が16日(日本時間17日朝)から本格化する。先陣を切るネットフリックスの実績や見通しはハイテク株全般に影響を与える可能性があり、米株式相場の先行きを占ううえでも注目される。QUICK FactSet Workstationによると、主要500社の2018年7~9月期の純利益は前年同期比20%程度の増加と8年ぶりの高い伸びが見込まれている。恒例の米決算プレビューで注目企業の読みどころを紹介する。 ネットフリックスの7~9月期業績は拡大基調が続く見通し。QUICK FactSet Workstationによると、市場の予想1株利益(EPS)は前年同期比87.5%増の0.75ドル(15日時点)と大幅増益が見込まれている。業績を左右する動画配信の契約者数について、市場は会社予想を上回るとの予想だ。ただ、足元ではゴールドマン・サックスなど米証券大手の目標株価の引き下げが相次いでおり、アナリストの慎重な見方が台頭している。 【ネットフリックスの18年7~9月期の市場予想】 ・売上高  39億9500万ドル(33.8%増) ・EPS  0.75ドル(87.5%増、Non-GAAP)       0.68ドル(2.3倍、GAAP) (注)※予想はQUICK FactSet Workstation。15日時点、EPSは18社の予想()内は前年同期比。 契約者数は518万人の増加予想 7~9月期はインドなど海外向け動画配信事業が引き続き好調だったようだ。市場予想の契約者数は全世界で518万人程度(前期は515万人、前年同期は530万人)と、会社予想の500万人増に対してやや上振れを見込んでいる。ちなみに4~6月期の契約者数は520万人増と会社予想(620万人増)だけでなく市場予想(637万人増)を大幅に下回り、市場で失望が広がった。 契約者数の増加に加えて、ユーザー当たりの平均収入の増加も収益の押し上げに寄与したようだ。ただ、純現金収支(フリーキャッシュフロー)は赤字基調でゴールドマン・サックスも12日付のリポートでこの点を指摘。18年の独自番組の制作費が33億ドルと前年の20億ドルから大幅に増え、フリーキャッシュフローの赤字拡大を懸念しているという。投資判断は最上位の「買い」を維持したものの、目標株価を470ドルから430ドルに引き下げた。 ネットフリックスはオリジナルを含むテレビ番組や映画をネット配信しており、契約者数は世界で約1億3000万人に膨らんでいる。 市場の目標株価は平均380ドル 主力ハイテク株で構成される「FANG」のなかでも一人勝ちといわれてきたネットフリックス株だが、足元の株価は軟調に推移している。動画配信事業の競争激化に対する警戒感が底流にある。19年には米アップルが動画配信事業を始めるほか、ウォルト・ディズニーはネットフリックスとの契約を打ち切り、独自でコンテンツ配信に乗り出す。9日には、ウォルマートと「007」シリーズを手掛ける映画スタジオ大手のメトロ・ゴールドウィン・メイヤーが動画配信のコンテンツ分野での提携を発表した。 <FANGの年初からの株価推移> (注)青:ネットフリックス、赤:フェイスブック、緑:アマゾン、オレンジ:アルファベット(グーグル)、紫:ナスダック。 競争が激しくなりコンテンツの制作費が膨らむ可能性があるなか、足元の米金利上昇に伴う利払いコストの増加が追い打ちをかけるリスクが台頭。しかし競合の動画配信ビジネスが軌道に乗るには時間を要すため、ネットフリックスは先行者メリットを享受できるとの見方もある。市場平均(43社)の目標株価は380ドルと、15日の終値333.13ドルを1割強上回っており、ネットフリックスに対する成長期待は根強い。(根岸てるみ)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

アリババ、「腹ペコ」の子と元安リスク 【米決算プレビュー】

中国の電子商取引(EC)大手のアリババ集団(BABA)が23日、2018年4~6月期決算を発表する。ネット出前サービス「餓了麼(ウーラマ)」を傘下に収めた効果で売り上げは大幅に伸びたが、その損失も加わるため利益は圧迫されたもよう。ウーラマは中国語で「お腹が減った!?」の意味。文字通り、腹ペコの子供が親の稼ぎを食っている構図といえる。米中の貿易戦争を背景とする人民元安もリスクだ。 【アリババの18年4~6月期決算の市場予想】 ・売上高         :814億6500万元(前年同期比62%増) ・EPS(非GAAP)  :8.42元    (同6%増) ※予想はQUICK FactSet Workstation 8月10日時点 QUICK FactSet Workstationによると、4~6月期の連結売上高は前年同期比62%増の814億6500万元(約1兆3200億円)だったようだ。ウーラマの運営会社を5月に完全子会社にし、連結対象に加えたことが寄与する。アリババは期初に19年3月期の売上高が前期比60%伸びるとの見通しを示しており、第1四半期は会社計画を上回る増収ペースになったとみられている。 ウーラマは中国のネット出前サービスの横綱だ。香港の交銀国際によると、中国の外食市場全体に占める出前市場の比率は18年に18%と、17年の8%から倍以上に拡大する。ウーラマの売上高も順調に伸び、19年3月期はアリババの売上高におよそ170億元がプラスされる見通しだ。これはアリババ全体のおよそ4%に相当する。 ネット出前の市場規模は拡大の一途だが、ライバルとの競争も激しい。騰訊控股(テンセント)グループの「美団点評」とつばぜり合いを演じており、なかなか利益が上がらない。ウーラマが19年3月期にアリババ全体の利益率を3%押し下げるとの試算もあり、今後いかにうまく注文をさばき、配送効率を高めていくかが利益を上げるカギになる。「今年はウーラマの逆ザヤが縮小する」(UOBケイヒアン)との見方もあるが、しばらくは親のすねをかじり続けることになるだろう。連結決算に加わった第1四半期は、売り上げアップと利益ダウンの間でアリババの評価は揺れるかもしれない。 ウーラマだけではない。動画配信の「優酷土豆」がサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の放映権を買って、およそ15億元の追加コストが発生したのに加え、グループに加えた物流サービスの「菜鳥網絡」や生鮮スーパーの「盒馬(フーマー)鮮生」も引き続き利益の足を引っ張る要因だ。 もちろん、それらはみな巨大なアリババ経済圏を築くために必要なコストだろう。たくさん食べれば、すくすく育つかもしれない。優酷でW杯が観戦された回数は、日本の紅白歌合戦に相当する春節(旧正月)晩会の1.5倍になったという。アリババのライバル、京東集団(JDドットコム)が仕掛けた創業記念日の「6月18日」商戦には、ネットとの融合を狙うアリババ傘下の実店舗も参戦。「ニューリテール(新小売り)戦略が効き始めている」(中金公司)という。 足元のアリババ株は上値が重い。リスクは、中国消費の減速感と激しさを増す米中の貿易戦争か。中国国家統計局によると、物品に限った全国インターネット売上高は1~6月に前年同期比29.8%伸びた。十分に高い伸びだが、1~3月の34.4%から鈍化している。一方、貿易戦争は投資家心理を重くするだけでなく、中国の通貨、人民元の対ドル相場に下落圧力をかけている。ロバートWベアードは6月の人民元の対米ドルの下落率から、アリババの為替関連の損失が少なくとも10億元になるとはじき、「人民元安の基調が変わらなければ、向こう数四半期にわたって逆風になりかねない」との見方を示している。 アリババの上場以来の株価推移 (大谷篤) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。  

エヌビディア、データセンター好調で大幅増益か【米決算プレビュー】

GPU(画像処理半導体)大手のエヌビディアが米西部時間16日午後に2018年5~7月期決算の発表を予定している。QUICK FactSet Workstationによると、市場予想の調整後EPS(39社平均)は前年同期比79.8%増の1.65ドルが見込まれている。 部門別売上高ではOEMその他事業が25.6%減と落ち込むものの、売上高全体のうち比率の大きいゲーム部門の成長とともにデータセンター事業の大幅な売上増が見込まれている。直近では米中の貿易摩擦による警戒感から株価水準を切り下げていたが、株価は再び好調な業績を折り込みつつある。 ソフトバンクグループ(9984)は10兆円ファンドの「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じてエヌビディアに多額の出資している。エヌビディアの業績や株価はソフトバンクの株価動向にも影響を与えやすい。 【2~4月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高        :30億9760万ドル(+49.3%) ・調整後EPS            :1.65ドル(+79.8%) ~~~売上高の部門別内訳~~~ ・ゲーム部門      :17億5100万ドル (+47.7%) ・映像化部門    : 2億5500万ドル(+8.7%) ・データセンター部門: 7億4300万ドル(+78.6%) ・自動車部門    : 1億4800万ドル(+4.1%) ・OEMその他   : 1億8700万ドル(-25.6%) ※QUICK FactSet Workstationより   エヌビディアはコンピューターグラフィックスの先端を行くビジュアルコンピューティング企業。PCやモバイル機器に搭載される高性能なグラフィックスチップとプロセッサの開発・製造を手掛ける。 製品用途はPCの画像処理から、ゲーム機、専門可視化装置、データセンター、AI、仮想通貨のデータ処理、自動車などへと拡大の一途をたどる。任天堂(7974)の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のメーンプロセッサーにエヌビディア製のモバイルプロセッサ「Tegra」が採用されている。 売上高の過半はゲーム部門が占め、好調な伸びが予想されている。ゲーム部門の売上高は前年同期比47.7%増の17億5100万ドルが見込まれる。一方、規模こそ小さいものの市場が期待するのはデータセンター部門の伸びだ。18年5~7月の同部門の売上高は前年同期比78.6%増の7億4300万ドルと大幅な伸びが見込まれる。クラウド・サービスを利用する顧客の「ディープラーニング」に対する市場の関心は高いとされ、データセンター部門はエヌビディアが最も注力すべき事業との見方もある。   あるアナリストは「ゲーム事業の成長加速と自動車向けやVR向け製品市場の伸びにより『Tegra』の大幅な売上増」を強気ケースとして挙げる。 <過去20四半期決算分析> EPS実績  対市場予想 上振れ回数          18 下振れ回数             2 EPS実績/市場予想(%) 平均乖離率   +21.9 平均上振れ率      +27.6 平均下振れ率       -30.2 決算発表直後1日の値動き 上昇回数     13 下落回数      7 平均騰落率      +5.9 平均上振率        +10.9 平均下振率           -3.3 (注)QUICK FactSet Workstationの「サプライズ履歴」より作成   エヌビディアの決算発表は市場予想の平均を上回るケースが多い。過去5年(20四半期)で18回も市場予想を上振れ、下振れは2回にとどまる。決算発表後1日の同社株の値動きは上昇回数が13回と実績値を評価する向きが強い。 とはいえ、前四半期決算の翌日には実績値が市場予想を上回ったものの、株価は2.2%下落した。5~7月期に仮想通貨向けの半導体需要が落ち込むとの見通しが嫌気された経緯がある。  エヌビディアの年初からの株価推移 その後、株価はじりじりと持ち直し、各社の目標株価の平均(276.19ドル)に接近している。ゲーム事業は安定的な収益源であるとの見方は多いが、ブレが大きいとされる仮想通貨向けGPUが収益にどれほど貢献するか。市場予想を上振れる好業績を示せれば上場来高値の更新が視野に入るだけに、各事業の直近の収益だけでなく目先の見通しにも注目が集まる。(中山桂一)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

ディズニー、「動画の王国」へのエピソード1 【米決算プレビュー】

2019年にウォルト・ディズニーが本格参入する動画配信サービスは覇権争いが激しさを増している。ディズニーに勝算はあるのか。期待と憂慮が交錯するなか、同社が米東部時間7日の引け後(日本時間8日午前)に発表する4~6月期決算に関心が集まる。 <市場予想>       18年4~6月期 ・売上高  153億ドル(7.8%増) ・EPS  1.95ドル(23.4%増、Non-GAAP) (注)7月31日時点、25社の予想()内は前年同期比 ネットフリックスに勝る豊富なコンテンツが強み 動画配信で先行するネットフリックスに対抗するため、ディズニーとアップルは19年から自社で動画配信を始める。競争激化が見込まれるが、ディズニーにはコンテンツを豊富に保有している強みがある。人気映画シリーズの「スター・ウォーズ」や「アベンジャーズ」に加え、コムキャストとの買収合戦を制して21世紀フォックスのコンテンツ事業を獲得することで「アバタ―」もラインアップに加わる予定だ。今後はドル箱作品を自社で配信し、それ以外は競合に販売するなど選択肢も広がりそうだ。  一方で、これに伴いバランスシートには負担がかかりそう。コンテンツ事業(映画スタジオ「20世紀フォックス」など)の買収額は、コムキャストの登場で当初の524億ドルから713億ドル(約8兆円)に引き上がり、ディズニーの年間売上高の約550億ドル(17年9月期)を大きく上回る。純現金収支(フリーキャッシュフロー)は安定的に増加してきたが、大型買収で財務バランスが保持できなくなる可能性や、競争激化でヒット作を生み出すために制作費が膨らむことも考えられる。 英放送局スカイを巡る展開も気掛かりだ。ディズニーは今回の買収でフォックスが所有するスカイ株39%を手に入れる予定だが、スカイの完全子会社化を目指すフォックスと、コムキャストの間でスカイ争奪戦が繰り広げられている。状況次第でディズニーは欧州での戦略の見直しを迫られる可能性がある。   4~6月期のEPSは23%増の1.95ドルの見込み ディズニーの4~6月期の決算は増収増益を見込む。QUICK FactSet Workstationによると、市場予想(7月末時点)は売上高が前年同期比7.8%増の153億ドル、1株利益(EPS・特殊項目を除く)は23.4%増の1.95ドルを見込む。有料テレビ事業など主力部門の収益は低迷が続くものの、テーマパークや映画制作の事業でカバーする。 コムキャストがフォックスの買収を断念したと発表した7月19日以降、ディズニーの株価は堅調に推移。6日には一時116.84ドルと2015年11月以来の高値を付けた。株価上昇を受けて時価総額は再びネットフリックスを上回っている。しかし、両社の年初からの株価を比較するとディズニーの上昇率は小幅にとどまる。 <ディズニー(青)とネットフリックス(緑)の年初からの株価推移> 先行きを見極めたいアナリストは多いようだ。QUICK FactSet Workstationによると、ディズニー株に対する投資判断は足元で「中立」と「売り」が増えている。ディズニー株が一段高となるには、動画配信サービスの行方がカギを握る。(根岸てるみ)       ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。  

テスラ、生産は?財務は?CEOの振る舞いは? 【米決算プレビュー】

テスラは8月1日の大引け後、2018年4~6月期(2Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、調整後の1株当たり損益(EPS)の市場予想の平均値(20社、29日時点)は2.78ドルの赤字で、7四半期連続の赤字が見込まれている。電気自動車(EV)の「モデル3」の生産目標の週5000台は達成されたが、市場では量産に慎重な見方が支配的。前回の決算発表時にはカンファレンスコールでイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の非常識な振る舞いも問題となった。 【4~6月期決算の市場予想】  (前年同期比) ・売上高    39億9000万ドル(+43.0%) ・EPS(1株損益)-2.78ドル (Non-GAAP、前年同期は-1.33ドル) テスラの業績を占う上で重要なのは、モデル3の生産動向だ。7月に入り、6月最終週に5031台生産し、2Q末の生産目標(週5000台)を達成したことで株価は一時戻り歩調にあったが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙電子版が22日、「テスラが一部のサプライヤーに対し、これまでに支払った代金の一部を返金するよう求めている」と報じたことで財務不安が台頭。足元で株価は300ドル近辺で戻りの鈍い展開となっている。生産現場のトップエンジニアでシニア・バイスプレジデントのダグ・フィールド氏がテスラを辞職したと報じられたこともあり、モデル3の生産目標達成が一時的に過ぎないのではないかとの懸念も残る。テスラは8月末には週6000台に生産台数を引き上げる予定だ。 今回の決算に関して、ノムラ・セキュリティーズは25日付のリポートで投資判断の買い、目標株価450㌦で強気の見方を示しながら、「倒産危機説が再度現れたが、売上高は一段と拡大する見通し」と本業が好調との見方を披露した。7~9月期(3Q)の売上高はモデル3の生産にけん引されて前四半期比で60%増の64億ドルになるといい、「台湾と韓国のサプライチェーンの調査によると、モデル3向け部品を週あたり生産台数6000台超に見合うペースで調達しているようだ」と指摘。また過去18カ月間、テスラ株の空売り残高が株価と逆相関を示してきたとしながら、「決算発表に向けて、7月末時点の空売り残高は120億ドル規模で過去最高に上るとみる」と分析した。決算をきっかけに空売りの買い戻しが入れば需給的には上昇圧力が掛かりやすいかも知れない。 創業者のマスクCEOの振る舞いも注目される。前回の決算発表時のカンファレンスコールでは、マスク氏がバーンスタインのアナリストが増資について質問した際、「クールじゃない」と述べて回答を拒否。RBCキャピタルマーケッツのアナリストが生産が遅れているモデル3に関して、予約したうちの何パーセントが生産されたのか質問した際には「それらの質問は、かなりつまらない」と述べ、真剣に答えようとしなかった。マスク氏の天真爛漫なツイートも投資家からすれば悩みの種だ。 モルガン・スタンレーは25日付のリポートで「テスラ株の乱高下が続いている。その要因はメディア報道、アナリストレポート、マクロ経済イベント、奇異なツイートと様々だ」としながら、「株価はフェアバリューに近い水準にあるとみており、投資家が株価の方向性をよりつかみやすくなる機会が生じるのを待ちたい」とした。ある投資家から先日、モルガンに質問が寄せられた。それは「テスラはモデル3の受注残が40万台を超えていると依然述べているが、公式ウェブサイトのオンライン受注コーナーには1~3カ月後に納車とある。しかし、週当たりの生産台数を5000台と仮定するなら、18カ月分の受注残が存在することになる。そのような状況なのに6万台(週当たり5000台×12週間)もの注文を受け付け、これを先に納車することができるのか」という内容とのことだったという。 ★モデル3の生産台数のコンセンサストレンドは各四半期横ばい状態 【週5000台を達成できれば、1四半期(13週)で6万5000台になるはず!】  (注)QUICK FactSet Workstationより作成 モルガンは、納期の正確さ、正確なモデル構成、そして「架空の」受注残などは正確な予測を困難にする要因の一部に過ぎないとしながら、「あのような短い納期をテスラはなぜ宣伝しているのか、と心配する投資家もいるかもしれない」と指摘する。今回のカンファレンスコールでもアナリストから厳しい質問が出る可能性があり、マスクCEOがサプライヤーへの返金要請報道などに丁寧に答えて信頼回復を果たせるのかがポイントとなりそうだ。コンセンサスを見る限り、市場はモデル3の量産に依然として慎重なことが分かる。(片平正ニ)    ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

スマホ決済のスクエア、顧客層広がりに期待 【米決算プレビュー】

スマホなどを使った販売店向け決済サービスを提供するスクエアは8月1日、2018年4~6月期の決算を発表する。EPS(1株あたり利益)の市場予想は0.11ドル(非GAAPで希薄調整後、QUICK FactSet Workstation)。0.09~0.11ドルを掲げる会社予想の上限まで期待は高まっている。2009年設立のベンチャーは育ち盛り。顧客層がまだまだ広がるとみた投資家が多く、株価は右肩上がりだ。 <18年4~6月期業績の市場予想> 売上高(GAAP)    7億7810万ドル(41%増) EPS(GAAP)    0.04ドルの赤字(横ばい) EPS(非GAAP)   0.11ドル(57%増) ※()内は前年同期比 ※売上高は22社の予想。1株損益は非GAAPが34社、GAAPが18社の予想 (QUICK FactSet Workstationをもとに作成) スクエアのICカードリーダーはスマホのイヤホン端子に差せば、クレジットカード決済もできるレジになる手軽さが受けている。顧客層は37%が飲食店、28%がサービス業、23%が小売店舗だ。米国やカナダだけでなく、日本やオーストラリア、英国にも展開している。 スクエアは中小企業向けの融資や人気レストランのフードデリバリーサービス「キャビア」も手がける。送金が簡単にできる「スクエアキャッシュ」では、1月から仮想通貨ビットコインの取引もできるようになった。 1~3月期の売上高は前年同期に比べ45%増えた。ビットコインの取引を始めたのが底上げした。ビットコインの収益を除いても増収率は37%を確保している。 4月には電子取引を可能にするネットシステム基盤を提供するWeeblyを買収すると発表し、業績拡大の期待が高まりそうだ。スクエアの加盟店に、実店舗だけでなくネットでも顧客と取引ができる包括的サービスを提供する。 【過去2年の株価チャート】     軽い投資負担を魅力にして中小規模の店舗を取り組むビジネスには未開拓の顧客層が多いとされ、将来の成長期待は高い。決算発表前の株価はじり高となり、一時は70ドル台まで水準を切り上げた。予想PER(株価収益率)は100倍を大きく超える。(今田素直)    ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。  

アップル、本当の期待と驚きは新機種が出る7~9月 【米決算プレビュー】

アップルが31日の大引け後、2018年4~6月期(3Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、1株当たり利益(EPS)の市場予想の平均値(34社、26日時点)は前年同期比29.3%増の2.16ドルとなっている。新型の多機能携帯電話(スマートフォン)であるiPhoneの発表前の四半期のため販売台数でポジティブ・サプライズは期待しづらいが、7~9月期の業績見通しで強い数字が示されれば新機種への期待感から見直し買いが入る可能性もある。 【4~6月期決算の市場予想】   (前年同期比) ・売上高            523億ドル  (+15.1%) ・EPS(1株利益)    2.16ドル  (+29.3%) ・iPhone販売台数 4179万台  ( +1.8%) アップルは例年、7~9月期(4Q)にiPhoneの新機種を発売し、10~12月期(1Q)に最高益を更新するのが通例となっている。今回は3Q決算で新機種発表前の買い控えが想定されるほか、米中の貿易紛争懸念が残る中、米国で設計して中国で製造するiPhoneがターゲットにされるのではないかとの警戒感も根強い。 モルガン・スタンレーは23日付のリポートで、同社の従来予想を若干修正して3QのiPhone販売台数を3980万台と見込みつつ、「投資家は引き続き7~9月期のガイダンスと秋のiPhone販売に注目するとみられる」と指摘した。アップルは今秋にiPhoneの新機種①6.5インチの有機エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレー(OLED)を搭載したiPhoneX Plus、②現行のiPhoneXと同じ5.8インチのOLEDモデル、③6.1インチの液晶パネル(LCD)モデル――の3機種を発売すると見込まれている。 リポートでは「サプライヤーによれば、6.1インチLCDモデルの量産に1カ月の遅れが出たが、当初想定されていた6週間の遅れより小幅である」としながら、「それでもiPhoneの3つの新モデルはすべて9月に発表される見通しだ」と指摘。「当社の中国チームは2018年下期のiPhone生産台数を9000万台に据え置いている。これは2017年下半期(8900万台)を若干上回る水準だ」とし、iPhoneXの生産・販売が遅れた前年同期よりも生産台数が増えることを評価していた。アップル株のカタリストとして9月の新製品が重要としつつ、リスク要因として①iPhone発売日の先送り、②サービス部門の大幅な予想未達、③貿易問題を巡る米国と中国の舌戦が激化する――を挙げていた。 <アップルの四半期iPhone販売台数のトレンド推移> ※QUICK FactSet Workstationより作成 9月に発売されるiPhoneの新機種の動向を探る上で注目されるのが、2018年7~9月期(4Q)の業績見通しである。BMOキャピタル・マーケッツは22日付のリポートで、4Qの売上高を559億ドル、EPSを2.44ドルと見込み、市場予想よりも弱めで見込んだ。「iPhoneの平均販売価格の見通しに警戒している」と指摘し、新機種のOLEDモデルが余り人気を博さない可能性を指摘した。BMOによればiPhoneの買い換えサイクルは従来の2.2年から2.5年に伸びているといい、「新製品が顧客を惹きつけなければさらにサイクルが伸びる可能性がある」と見込んだ。 iPhoneの平均販売価格は高価格のiPhoneXの販売が始まった2017年10~12月期(1Q、778ドル)をピークに低下基調にあり、4~6月期の市場予想は704ドルとなっている。7~9月期で724ドルと3四半期ぶりに増加が見込まれているが、会社側の予想が市場予想並みの低めの数字になると、高価格の新機種は売れないとアップル自身が考えていることを意味するだけに、新製品投入が予定されている7~9月期の見通しに、より関心が集まりそうだ。 アップル株は26日に195.96ドルまで上昇し、連日で分割後の上場来高値を更新していた。今回の米決算では決算を機にグーグルの親会社であるアルファベットやアマゾン・ドット・コムが大幅高となる一方、ネットフリックスやフェイスブックが売られる展開で、FANG銘柄の中で選別の動きが強まっている。アップルは決算前に期待先行で上昇しているだけに、材料出尽くしの動きもやや警戒されそうだ。(片平正ニ)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。  

キャタピラー、ショックとピークを見極め 【米決算プレビュー】

キャタピラーは、米中部時間30日午前6時30分(日本時間30日午後8時30分)に2018年4~6月期決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると26日時点の市場の予想EPS(1株利益)は2.73ドル。売上高は前年同期比23.5%増の139億9050万ドルと予想されている。 【キャタピラーの18年4~6月期決算に対する市場予想】 ・売上高      :139億9050万ドル(23.5%増) ・EPS(Non-GAAP)    :2.73ドル (注)QUICK FactSet Workstationより作成   1~3月期が今年のピークになる――。4月24日の決算説明会でブラッドリー・ハルバーソン最高財務責任者(CFO)が述べると、株価は急落した。原材料コストの上昇による収益成長の鈍化を理由に上げた。1~3月期のEPSは2.82ドルと市場予想(2.12ドル)を大幅に上回る好業績だったものの、その後の株価は貿易摩擦への懸念も重なり軟調に推移している。足元の株価は135~140ドル台で、今年1月につけた年初来高値(173.24ドル)を20%程度下回る水準だ。 記憶に新しい「キャタピラー・ショック」だが、業績は本当にピークだったのか。アナリストの見方は分かれている。クレディ・スイスは18日付のリポートで、住宅・インフラ・エネルギーなど多岐にわたる市場で建機の需給が逼迫していると指摘し、目標株価を210ドルに据え置いた。自社株買いや配当の見直し、業績見通しの上方修正の可能性があるとも指摘した。 一方、弱気なのはマッコーリー・キャピタル証券だ。10日付のリポートで目標株価を130㌦に据え置き、売り推奨とした。キャタピラーのウェブサイトから集計した中古重機の取引価格が5月下旬に下落に転じたことをネガティブ視している。 貿易摩擦による先行きの不透明感もキャタピラーの株価の上値を抑える。6月中旬にトランプ米大統領が中国に対する制裁関税のリストを公表。貿易戦争に関する報道が続き、株価は連日陰線を引いて下落した。 チャートは投資家の慎重な姿勢を表し、「売り」シグナルが点灯。米メディアのマーケット・ウオッチは22日、約2年3ヵ月ぶりに50日移動平均が200日移動平均を割り込み、「デッドクロス」を形成したと報じた。11月の米中間選挙に向けて、貿易摩擦の報道が出る度に売られる「ヘッドラインリスク」が意識されれば、好業績で割安な銘柄であっても手を出しづらい。 米債券市場では2年物と10年物の利回り差が縮小する「逆イールド」が近いとの見方も出ている。景気後退の兆しともいわれるサインだ。市場予想を上回る業績で3ヵ月前の「ショック」を払拭できるかに注目だ。(伊藤央峻)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。  

アマゾン、プライムとクラウドで強さ示せるか 【米決算プレビュー】

アマゾン・ドット・コムは米国西部時間の26日14時30分(日本時間27日6時30分)、2018年4~6月期(第2四半期)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationがまとめた4~6月期のアナリストの調整後1株利益(EPS)予想は48社の平均で2.47ドルと、前年同期比およそ6倍増が見込まれている。EC事業の安定的な伸びとともに米国で値上げを実施した有料会員サービス部門やクラウド事業のAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の伸びに注目だ。 【4~6月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高    533億ドル(+40.6%) 会社予想510億ドル~540億ドル(中央値525億ドル) ・調整後EPS 2.47ドル (+6.17倍) 【事業別売上の市場予想】             (前年同期比) Online Stores                 :279億5800万ドル (+17.7%) Physical Stores                 : 43億0800万ドル (前年同期の開示なし) Third-Party Seller services : 98億5400万ドル (+40.9%) Subscription Services      : 32億8800万ドル (+51.9%) AWS            : 60億1200万ドル (+46.6%) *QUICK FactSet Workstationより作成 既存勢力をも駆逐する「アマゾンエフェクト」なる言葉も定着しつつあるEC事業は「Online Stores」に分類される。EC事業の売上高は前年同期比17.7%増の279億5800億円が見込まれている。 EC事業に比べて現状の規模は小さいものの、大きな伸びが見込まれるのは「Subscription Services」に分類される会員サービス部門の売り上げだ。同事業は「プライム会員」という有料会員の会費が売上高にあたる。18年1~3月期の同部門の売上高は前年同期比60%増の31億ドルに拡大した。同社は前回の決算発表時に米国「プライム会員」の年会費を99ドルから119ドルに約2割上げる強気の姿勢を打ち出した。 約1億人いるとされる有料会員の国別内訳は明らかになっていないが、多くが米国内の会員とされる。会員離れが無いと仮定すると5月の値上げの効果は年間20億ドル超との試算もあるだけに、会員数の伸びと値上げによる会員離れが起きていないかがひとつのポイントになる。 一方、部門別売上高で3番目に位置するクラウド事業「AWS」の伸びに対する期待は根強い。市場予想では前年同期比46.6%増の60億ドルの売り上げが見込まれている。クラウド事業はひとつのデータセンターを複数顧客で共有するため利益率が高いとされる。マイクロソフトの「Azure Cloud」やグーグルの「Google Cloud」といった競合もひしめき、熾烈なシェア争いとなっているなかでの売上高と利益率の伸びへの注目度は高い。 <過去20四半期決算分析> EPS実績  対アナリスト予想 上振れ回数          13 下振れ回数             7 EPS実績/アナリスト予想(%) 平均乖離率   +64.5 平均上振れ率    +130.5 平均下振れ率      -58.0 決算発表直後1日の値動き 上昇回数     12 下落回数      8 平均騰落率   +1.5 平均上振率         +7.2 平均下振率          -7.2 ※QUICK FACTSETの「サプライズ履歴」をもとに作成 アマゾンは積極投資を継続しているため、業績のブレが大きいのも特徴だ。過去20四半期分を比較すると、実績値が市場予想を上回る回数が13回に達する。平均上振れ率は130.5%という大きなかい離があるのも特徴だ。決算発表翌日には20回中12回上昇し、8回は下落した。平均騰落こそ+1.5%だが、平均上昇率は7.2%、平均下落率は7.2%と振れも大きい。 直近はアナリストの96%が買いまたはオーバーウェイトというレーティング評価としている。あるアナリストは直近の目標株価を足元の水準からやや低い1700ドルとしているものの、強気ケースでは2600ドルの道筋が見えてきたと指摘している。 米国や日本、欧州など世界でEC事業を展開し、小売業の業績を脅かす存在になりつつあるアマゾン。毎年7月に実施する特売りイベント「プライムデー」では直近、全世界で1億個以上の商品を売り、売り上げは過去最高を更新するなど話題に事欠かない。年を追うごとに成長し、日本円に換算した時価総額は100兆円規模に達する。さらなる成長の道筋を示すことができれば一段の評価につながる可能性がある一方、強気一辺倒の見方がくずれれば株価の下振れリスクも大きい。アマゾン包囲網もじわり強まる中、利益の拡大による成長ストーリーを提供できるか注目が集まる。(中山桂一)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

フェイスブック、楽観論点検のタイミング 【米決算プレビュー】

足元で株価の最高値更新を続けているフェイスブック。2018年4~6月期の決算発表は、米西部時間25日14時(日本時間26日朝6時)だ。QUICK FactSet Workstationによると、20日時点の市場予想EPS(1株利益、Non-GAAP)は前年同期比14%増の1.90ドル。売上高は、広告収入の伸びがけん引し同43%増の133億ドルと高い成長ペースを維持する見通しだ。前回の決算を受けて個人情報不正利用問題に対する過度な懸念も一服し、市場は新たな成長ドライバー探しに動き始めている。 【フェイスブックの18年4~6月期決算に対する市場予想】 ・売上高      :133億5000万ドル(43%増) ・広告売上高    :131億6000万ドル(44%増) ・うち携帯向け広告 :118億7900万ドル(49%増) ・1株利益(EPS) :1.90ドル(17%増、Non-GAAP)            1.71ドル(30%増、GAAP)  (注)増加率は対前年同期 個人情報不正利用問題への懸念は一服している。1~3月期決算を確認した後、フェイスブックの株価は、ネットフリックス、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグル)を加えた「FANG」との連動を取り戻しつつある。24日には中国での子会社設立による業績拡大期待から、株価は一時216.20ドルまで上昇。連日で上場来高値を更新する好調さだ。企業に個人情報の利用を制限する欧州の「一般データ保護規制(GDPR)」も、市場では、フェイスブックのように毎日利用される交流サイト(SNS)にとっては消費者の安心感につながると解釈された。 <フェイスブック(緑)とFANG(青)の株価推移> 懸念されていたユーザー離れも「DAU(日次アクティブユーザー)」を見る限りでは確認されていない。増加ペースはやや伸び悩むものの、ユーザー数増加の基調は続くと市場は見ている。今回の決算では、不正利用問題やGDPRの影響に対する楽観論、つまりDAUの伸びに対する市場予想を達成できるかどうかを確認するという位置づけになるだろう。 楽観論が台頭してくると、市場としては次の成長ドライバーに関心が向かう。アナリストや投資家の間では、収益化が始まったばかりの「インスタグラム」や、まだ収益化できていない対話アプリ「ワッツアップ」に対する期待が高まっている。その期待を高めるようなデータ、あるいは何らかのメッセージが会社側から示されれば、株高基調に弾みがつくかもしれない。(吉田晃宗)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。    

AMD、ビットコイン関連の鈍化は想定内 【米決算プレビュー】

仮想通貨のマイニング関連の代表銘柄、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は米国東部時間の25日17時半、2018年4~6月期(2Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、調整後の1株当たり利益(EPS)の市場予想の平均値(26社、20日時点)は前年同期比6倍の0.12ドルと見込まれている。仮想通貨のマイニング需要の鈍化懸念は残るが、株価は足元でビットコインと逆相関の関係にある。サーバ向けの増収のポジティブ・サプライズがあれば、上値追いが期待されそうだ。 【4~6月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高(営業収益)  17億2400万ドル(+41.0%) ・EPS(1株利益)        0.12ドル(6倍、Non-GAAP) QUICK FactSet Workstationを見ると、AMDの業績をけん引しているのが仮想通貨のマイニングに優れる画像処理半導体(GPU)の「ラデオン」を含むコンピューティング&グラフィックス部門(C&G)であることが分かる。C&Gの2Q売上高の市場予想は前年同期比61%増の10億6300万ドルと大幅増収となるが、前四半期(11億1500万ドル)からは減収となる見込み。仮想通貨の下落基調が続く中、マイニング需要が鈍化すると見込まれている。 ビットコインは足元で7000ドル台での推移が続き、昨年12月17日に付けた史上最高値(19783.21ドル)と比べ6割ほど下げた状態にある。仮想通貨の低迷が続けば、マイニング需要の鈍化は必至。AMDは4月の2018年1~3月期(1Q)決算発表時のカンファレンスコールで「売上高のうち10%が仮想通貨のマイニング関連」と明らかにし、全売上高に対してそれほどマイニング関連が多くないことを説明していた。 米証券会社スタイフェル・ニコラスはリポートで「AMDの経営陣は2Qの仮想通貨関連の売上高が低下し、2018年通期で10%以下になるだろうと見込んでいた」としながら、AMDのGPUを使ってマイニング製品を販売する台湾のTULコーポレーションの2Q売上高が前年同期比28%増となったものの、前四半期比では59%減ったことを紹介。「仮想通貨市場の低迷が主に響いたとみられる」といい、2Qにマイニング需要が低迷するのは想定内とみていた。 一方でスタイフェルは、パソコン業界で2Qの出荷が好調だったとの多くの報告があることから、Zen技術に基づくAMDのパソコン向け中央演算処理装置(CPU)は会社予想よりも多くなりそうだとも指摘。その上で「サーバ向けCPUのEPYCでポジティブ・サプライズがありそうで、10~12月期(4Q)まで市場シェアが増えるだろう」とみる。EPYCはインテルのサーバ向けCPUから市場シェアを奪えるとみており、「パソコン・サーバのCPUで2019年の終わりまでインテルから市場シェアを奪い、売上高成長率はインテルを上回るだろう」と強気の見解を表明。投資判断の買いを維持し、目標株価を17ドルから21ドルに引き上げていた。サーバ向けCPUを含むエンタープライズ組み込み・セミカスタム部門(EESC)が伸びれば、マイニング関連需要の鈍化の影響を相殺できるかも知れない(グラフ1)。   QUICK FactSet Workstationより作成 AMDの株価は16ドル台で6月18日に付けた年初来高値(17.34ドル)をうかがう状況となっている。6月末にかけて米中の貿易紛争懸念で中国売上高比率が大きい半導体関連銘柄が軒並み下げたが、足元ではやや落ち着きがみられ、年初に正相関性にあったビットコイン相場とは足元で逆相関の状況にある(グラフ2)。 QUICK FactSet Workstationより作成 AMDはエヌビディアと比べて空売り比率が高いこともあり、マイニング需要の鈍化は織り込み済みとし、サーバ向けなどでポジティブ・サプライズがあれば一段と上値を追う展開も期待されそうだ。(片平正ニ)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。  

グーグル、「GDPRは逆風」の逆説 資金力で規模の利益享受 【米決算プレビュー】

今週は23日にグーグルを傘下に持つアルファベット、25日にフェイスブック、26日にアマゾン・ドット・コムと主力ハイテク株の発表が相次ぐ。3銘柄の株価は足元で上場来高値を更新するなど期待が先行しており、決算の内容が注目される。今回の決算プレビューは、米東部時間23日午後4時過ぎ(日本時間24日午前5時過ぎ)に4~6月期決算を発表するアルファベットを取り上げる。 QUICK FactSet Workstationによると18日時点の市場の予想EPS(1株利益)は9.67ドル。売上高は前年同期比24%増の321億ドルを上回ると予想されている。 【アルファベットの2018年4~6月期決算に対する市場予想】 ・売上高      :321億9300万ドル(24%増) ・広告売上高    :276億3600万ドル(22%増) ・EPS(GAAPベース)  :9.67ドル (QUICK FactSet Workstationより) 4~6月期決算に対する市場の不安は乏しい。インターネット向け広告が依然として順調に拡大するというのがメーンシナリオで、4四半期連続で増収率が20%台に乗せそうだ。中でも成長の推進力となっているのが動画サイトの「You Tube(ユーチューブ)」。エバーコアISIのアナリストの試算によれば、4~6月期の売上高は30億ドル(3300億円)に達し、前年比の伸び率は30%に達するという。さらに年後半の残り2四半期もユーチューブはほぼ同じ増収ペースを維持すると見られる。 ネット広告の領域は動画も含め拡大している。電通によると18年の世界の広告市場は6135億ドルと初めて6000億ドルを突破する見通しだという。ネット向け広告は全体の38.4%を占め、初めてテレビを上回ると見込まれる。景気変動よりも構造変化の要因が大きく、アルファベットはその中でも勝ち組だけに、業績の安心感は景気敏感株よりも強い。 アルファベットの株価は四半期決算の発表直後に売られるか、伸び悩む傾向がある。これは業績期待を先取りして株価が事前に強含むため、材料出尽くしから利益を確定する動きが優勢になりやすいためだ。先行きの利益成長と株価のリズムを考慮すると「4~6月期決算まではいかなる株価下落局面も押し目買いの好機」(米系証券アナリスト)との指摘もあった。 一方でインターネット業界、中でも広告を手掛ける企業には逆風が吹いている。欧州連合(EU)は5月に個人情報保護ルール「一般データ保護規則(GDPR)」を導入した。簡単に言ってしまえば「EUから個人情報の移転禁止」。個人がネットで登録した情報の利用に制限がかかる。データを分析して最適な広告を表示させることで既存メディアより効果の高さを売り物にしてきたネット広告企業にとっては足かせになる可能性がある。 さらにEUは「クッキー法」の導入も視野に入れている。クッキーとはネット上に残る閲覧履歴、足跡と言ってもいい。誰が何を見たのか。その個人の趣味や嗜好、思想信条まで類推できるだけに貴重なデータだ。「ターゲティング広告」にとって欠かせないだけに、ネット広告業界は神経質になっている。 ただ、この点も株式市場は楽観視しているフシがある。あるアナリストは「GDPRは懸念されていたほど破壊的ではなく、実際にはより大きなエコシステムとプラットフォームに利益をもたらしている可能性がある」としていた。 さらにアルファベットという企業規模も見逃せない。「新たに規制が強化された業界においては参入障壁として働く。規制対応のためのコスト負担が、 大企業よりも小規模な企業において重くなるからだ。(グーグルは)すでにEUで他の規制問題に対処しており、他社よりも規制対応において先行していると考えられる」(ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル)。規模の利益を享受しやすいとなれば、ネットセクター関連株に投資するにあたってもディフェンシブ性すら意識されやすくなる。規制強化でもネットの巨人をなぎ倒すのは難しいようだ。(岩切清司)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

クラウド好調のマイクロソフト、会計基準変更で影響も 【米決算プレビュー】

米国企業はちょうど4~6月期決算発表シーズンの真っ只中。事前の市場予想では主要企業は2割前後の増益が見込まれているが、原油をはじめとした原材料費、人件費などコスト高への警戒感は経営者の間で根強い。7月以降は米中貿易戦争の影響も想定され、通期見通しを変更する企業が続出する可能性もある。恒例の米決算プレビューで注目企業の読みどころを紹介する。 マイクロソフトの第4四半期(4~6月期)決算発表は19日。QUICK FactSet Workstationがまとめたアナリストの調整後EPS予想(28社平均)は1.08ドルで、前年同期(0.98ドル)から増益となる見通しだ。三本柱となる事業の利益がそれぞれ拡大している。なかでも成長著しいクラウドサービス「アジュール」の伸びに注目が集まる。ただ今期予想には会計基準変更に伴う影響がある点に注意が必要だ。 【マイクロソフトのEPSと株価の推移】   (注)グレーの折れ線は株価。棒グラフの水色はEPS予想の最高値、青色は最安値。●はEPS実績値で緑が市場予想を上回り、赤が下回ったことを示す 【4~6月期の市場予想】 ・売上高                 292億ドル    (+18.3%) ・調整後EPS(1株利益)   1.08ドル  (+10.2%) ・事業別売上高  PBP: 市場予想96.8億ドル (+14.6%)   /会社計画95.5~97.5億ドル  中央値 96.5億ドル   IC: 市場予想90.8億ドル (+22.2%)   /会社計画89.5~91.5億ドル  中央値 90.5億ドル  MPC: 市場予想 104億ドル (+18.2%)   /会社計画 103~ 106億ドル 中央値104.5億ドル ※QUICK FactSet Workstationをもとに作成。カッコ内は前年同期比 事業には3部門の柱がある。「オフィス」を扱うビジネス・プロセス(PBP)事業、ウィンドウズやゲーム、タブレットPC「サーフェス」などを含むモア・パーソナル・コンピューティング(MPC)事業は4~6月期でそれぞれ二桁増収が見込まれる。 利益成長への期待が高いのがもう一つの柱、インテリジェント・クラウド(IC)だ。クラウドなどの企業向けサービスは利益成長が続く。マイクロソフトの株価を5年で2倍以上の高値に押し上げた立役者だ。 4月26日公表の1~3月期の業績で、PBP事業の売上高は前年同期比17%増。オフィス365が順調に伸びた。MPC事業は13%増だった。IC事業も17%増と好調。中でもアジュールは前年同期比93%の増収となった。4~6月期の売り上げも大幅増が見込まれる。 <過去20四半期決算分析> EPS実績  対アナリスト予想 上振れ回数      16 下振れ回数         4 EPS実績/アナリスト予想(%) 平均乖離率   +9.1 平均上振れ率    +13.5 平均下振れ率      -8.4 決算発表直後1日の値動き 上昇回数     14 下落回数      6 平均騰落率   +1.2 平均上振率         +4.1 平均下振率          -5.5 ※QUICK FACTSETの「サプライズ履歴」をもとに作成 今期も高成長は続くのか。2019年6月期の第1四半期(18年の7~9月期)のEPS予想は0.91ドルと、前年同期の0.84ドルから増益が見込まれている。19年6月期通期のEPSは4.03ドル(前期の市場予想は3.83ドル)と利益成長の期待は高い。 もっとも今期見通しにはリスクがある。海外収益の大きなマイクロソフトにとってはドル高が重荷だ。新しい収益認識の基準を適用することで利益を目減りさせるとの見方もある。収益認識の新方式に従うと、長期契約やライセンス契約は外国為替相場の変動の影響が大きくなる。巨大なライセンス契約を保有するソフトウエア大手の同社には注意が必要になる。 株価は最高値圏の100ドル台を保っている。マイクロソフトがソフトウエア開発者向けサイトを運営する米ギットハブを75億ドルで買収すると6月に発表し、収益拡大を見込んだ買いが集まった。買収によりギットハブのユーザーをクラウドサービスに誘導すれば、さらに事業規模が膨らむからだ。 好業績を開示した後に、投資家が持ち高を整理するために保有株の一部を売却することはよくある。決算発表直後1日の株価をみると、過去20回のうち14回は上昇したが、6回は下落した。業績期待が先行して押し上げられた株価水準にあるなかで、利益確定売りが相次いで失速するのか、それともクラウドビジネスの収益がさらに拡大すると判断した買いが続き、右肩上がりのチャートを形成するのか。クラウドビジネスの貢献を見定める大事な決算になる。(今田  素直)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

エヌビディア、ゲームやデータセンター向け好調で増益 【米決算プレビュー】

GPU(画像処理半導体)大手のエヌビディアが10日に2~4月期(1Q)の決算発表を予定している。QUICK FactSet Workstationによると、市場予想の調整後EPS(23社平均)は1.45ドルで、前年同期比83.9%増が見込まれている。主力のゲーム部門、データセンター部門などの好調により、四半期ベースで大幅な増収増益を続ける公算が大きそうだ。 ソフトバンクグループ(9984)は10兆円ファンドと称される「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じてエヌビディアに多額の出資を行っており、エヌビディアの業績はソフトバンクの株価動向にも影響を与える。 【2~4月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高      :28億9120万ドル(+49.3%) ・調整後EPS         :1.45ドル(+83.9%) ~~~売上高の部門別内訳~~~ ・ゲーム部門      :15億5000万ドル (+50.9%) ・映像化部門    : 2億4400万ドル(+19.0%) ・データセンター部門: 6億5300万ドル(+59.7%) ・自動車部門    : 1億4100万ドル(+0.7%) ・OEMその他   : 1億6100万ドル(+3.2%) ※QUICK FactSet Workstationより エヌビディアはコンピューターグラフィックスの先端を行くビジュアルコンピューティング企業で、PCやモバイル機器に搭載される高性能なグラフィックスチップとプロセッサの開発・製造を手掛ける。製品用途は、PCの画像処理から、ゲーム機、専門可視化装置、データセンター、AI、仮想通貨のデータ処理、自動車等へと拡大。任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のメーンプロセッサーにエヌビディア製のモバイルプロセッサ「Tegra」が採用されている。ゲーム向けグラフィック処理などに使われてきたGPUはAIの技術を取り込みやすい特長があり、ディープラーニングに適しているとみたトヨタやテスラなどが相次ぎ採用。エヌビディアのGPUは世界の自動車・部品大手などに自動運転車の研究で使われており、レベル5と呼ばれる完全自動運転の技術開発の一躍を担うと期待されている。 主力のゲーム部門は「ニンテンドースイッチ」向けプロセッサー販売の伸びが続くとみられ、成長著しいデータセンター部門も主要クラウド提供会社がエヌビディアのGPUを採用しているため、クラウド市場の伸びの恩恵をそのまま享受できるとみられる。懸念されるのは自動運転を巡る動きだろう。配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズと、電気自動車大手テスラが相次いで自動運転実証実験中に死亡事故を起こしたことで、自動運転に対する見方が厳しくなった。提携先であるウーバーは死亡事故を起こした車両でエヌビディアの車載AIコンピューター「DRIVE」を使っていなかったもようだが、エヌビディアは公道での自動運転技術試験の一時中止を余儀なくされ、技術開発が停滞する可能性は否定できない。 (注)QUICK FactSet Workstationの「サプライズ履歴」から引用 <過去20四半期決算分析> EPS実績  対市場予想 上振れ回数    18 下振れ回数       2 EPS実績/市場予想(%) 平均乖離率   +42.1 平均上振れ率    +50.2 平均下振れ率    -30.2 決算発表直後1日の値動き 上昇回数    14 下落回数     6 平均騰落率   +6.3 平均上振率     +10.4 平均下振率       -3.4 同社の決算発表は市場予想を上回って着地するケースが圧倒的に多く、過去5年(20四半期)で実に18回も上振れ。その際の平均上振れ率は50%にも達する。その一方で、2回下振れしたが、その下振れ率は30%。決算発表直後1日の値動きは14回上昇し、6回下落した。平均上昇率10.4%、下落率は3.4%だった。 傾向的に市場予想を大幅に上回る着地となり、株価もポジティブに反応することが多いのだが、市場予想を上回る決算ながらも利益確定売りなどで売られたケースが少なからずある。2月の相場急落や自動運転車を巡るネガティブニュースで下落する場面もあったが、足元ではやや戻り歩調。9日の米株式市場でエヌビディアの株価は5日続伸し、2.14%高の255.78ドルで終えた。一時は255.87ドルまで上昇して3月13日に付けた上場来高値を2カ月ぶりに更新した。今回の決算も業績上振れのポジティブな着地となれば、さらに高値を更新する可能性もありそうだ。 【エヌビディアの株価推移】 (本吉亮、片平正ニ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

ディズニー、業績より気になる「キツネの物語」 【米決算プレビュー】

ウォルト・ディズニーが米東部時間8日午後4時半(日本時間9日午前6時半)、2018年1~3月期の決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると、4月末時点の市場の予想1株利益(EPS・特殊項目を除く)は、前年同期比13%増の1.70ドルだ。有料テレビ事業を含む主力部門が足を引っ張り、営業利益は前年同期比で減益見通しだが、法人税の減少により純利益は増えそうだ。 市場予想       18年1~3月期 ・売上高  141億1300万ドル(5.8%増) ・EPS  1.70ドル(13.3%増、Non-GAAP) ※4月末時点、24社の予想()内は前年同期比 映画ブラックパンサーが市場予想を上回る興行収入 市場予想によると、1~3月期の営業利益は前年同期比7%減の37億ドルの見通し。主力のメディアネットワーク部門の有料テレビや広告などが低調だったようだ。半面、テーマパークを運営するパーク&リゾート部門は好調だったほか、2月に米国で公開された「ブラックパンサー」が市場予想を上回る興行収入となり、業績に貢献したもよう。 市場予想によると、1~3月期の純利益は前年同期比8%増の25億ドルが見込まれる。トランプ政権による法人減税効果などが寄与し、収益を押し上げるようだ。 足元では4月下旬に公開された人気映画シリーズ「アベンジャーズ」の最新作「インフィニティ・ウォー」が世界的に大ヒットしているほか、5月下旬にはスタウォーズシリーズのスピンオフ作品の公開が控える。4月から始まった米プロバスケットボールNBAのプレーオフは例年になく混戦となっているため、有料テレビのスポーツ専門チャンネル「ESPN」の視聴率が上昇し4~6月期の業績にプラス寄与する可能性もある。 スカイ争奪戦で欧州事業の戦略修正を迫られる可能性も ディズニーは17年末、21世紀フォックスの映画やテレビなどコンテンツ事業の大半を524億ドル(負債含む約661億ドル)で買収すると発表した。ただ、フォックスが筆頭株主になっている英衛星放送大手スカイを巡り、ディズニーにとっては想定外の事態が生じているようだ。スカイ株を39%保有するフォックスはスカイの完全子会社化を目指していたが、英規制当局が待ったをかけた。これを受けて米メディア大手コムキャストが4月下旬、スカイの買収を表明。フォックスの提示を上回る1株あたり12.5ポンドでの買い取りを提示した。スカイ争奪戦となり、フォックスによる完全子会社化が失敗すればディズニーが描く欧州での事業拡大のシナリオは修正を迫られるかもしれない。 主力事業の不振に加えてスカイを巡る攻防の行方を見極めたいとの投資家の姿勢を映してか、ディズニーの株価は年初から軟調でダウ工業株30種平均を下回って推移している。動画配信サービスで先行するネットフリックスと比較しても見劣りする。ただモルガン・スタンレーは1日付のレポートでフォックスからの事業買収は結果的にプラスと見ており、ディズニーの目標株価を130ドルとした。(根岸てるみ) 年初からの株価推移 青:ディズニー、緑:ネットフリックス、赤:ダウ工業株30種平均 (注)QUICK FactSet Workstationより作成   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

テスラ、生産改善と中国で試されるCEOのハンドルさばき 【米決算プレビュー】

テスラが5月2日の大引け後、2018年1~3月期(1Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、調整後の1株当たり損益(EPS)の市場予想の平均値(20社、26日時点)は3.53ドルの赤字で、6四半期連続の赤字が見込まれている。電気自動車(EV)の「モデル3」の生産目標の週5000台の達成に向けてイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)から明確なコミットメントが示されるのか関心が高い。中国がEV市場の開放に踏み切ることはテスラにとって追い風で、成長期待が高まりそうだ。 【1~3月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高    32億7300万ドル  (+21.4%) ・EPS(1株損益)-3.53ドル(Non-GAAP、前年同期は-1.33ドル) テスラは4月2日に244.59ドルまで下げて約1年ぶりの安値水準を付けた。3月に多目的スポーツ車(SUV)のモデルXで死亡事故が起きたうえ、米格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが27日に格付をB2からB3に引き下げたことで財務悪化懸念が台頭。さらに4月1日にマスクCEOがツイッターで「テスラが倒産」とエイプリルフールの冗談をつぶやいたことで、投資家の失望を招いていた経緯がある。 その後、マスクCEOが自らモデル3の生産目標達成に向けて陣頭指揮をとっているとの報道や、3日に1Qの生産台数発表に併せて3月最終週にモデル3の生産台数が週2000台になったと発表したことで徐々に買い戻しが優勢となっていた。17日夕にマスク氏が従業員に送ったメールの内容として、「モデル3の生産量は5月に週3000台から4000台に増えるだろう。2018年4~6月期(2Q)末には生産能力が解放され、週6000台の生産が可能になる」との見解を示したことで株価は落ち着きを取り戻しつつある。テスラはモデル3の生産目標を2Q末で週5000台としていたため、決算発表を機に目標達成へのコミットメントが示され、株価が再加速できるかどうかの瀬戸際にある。カンファレンスコールでモデル3の生産目標について、明確なコミットメントがあるのかが鍵になりそうだ。 QUICK FactSet Workstationでモデル3のコンセンサスの傾向をみると、1Qは8990台と低下基調にある一方、2Q、2018年7~9月期(3Q)は右肩上がりにある。週5000台の目標を2Q末に達成できるのなら3Qには6万5000台の生産が可能になる計算だが、コンセンサスは5万750台でまだ懐疑的な状況と言える。市場の信頼を高め、コンセンサスが切り上がるような量産計画の発表が待たれる。 モデル3の生産台数のコンセンサストレンド (注)QUICK FactSet Workstationより作成 テスラに慎重な見方として、モルガン・スタンレーが18日付のリポートで「テスラの次の動き、200ドルか400ドルか?」と指摘したことが関心を集めた。投資判断をイコールウエイトで据え置きながら、目標株価を379→376㌦にやや引き下げたものだったが、「週5000台の生産ペースは2018年10~12月期(4Q)終盤まで達成できない」、「テスラは資金調達を必要としないかも知れないが、多くの投資家はそれを欲することになるだろうと予想している」などと指摘。公募増資によって25億ドルを調達するのではないかなどと見込んでいた。モデル3の生産目標が達成できないうえ、生産のための資金調達懸念が残るという弱気な見方の典型例だった。 一方、強気派の野村インスティネットは13日付のリポートで、「6月末に週5000台の目標が維持されると見込んでいる。生産が抑制されている状況が克服され、消費者の健全な需要に応じることができるようになるだろう」と指摘していた。3月末に週2000台の生産が可能になったことを踏まえ、「今後も生産改善に取り組めば2Qは平均で週2000台の生産が可能だろう」と指摘。また、中国がEVに関する外資規制の緩和を発表したことについて「テスラは2017年に中国で20億ドルを超える売上高を記録し、25%の関税がありながら米国に次いで大きな市場となっている」としながら、「2030年までに中国でのEVのシェアの30%を占めるようになるだろう」とし、成長が見込める中国市場での飛躍に期待を示していた。 中国を攻略するにはテスラのブランド、自動運転といった性能面もさることながら、やはり量産体制を整えられるのかどうかがポイントになる。中国が対米貿易摩擦を解消しようとEV市場の開放に向かうのは結果として貿易紛争がテスラの追い風になっており、チャンスを活かせるかマスク氏の手腕が試されそうだ。(片平正ニ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

スクエア、「小さな一歩」ビットコイン送金の大きな可能性 【米決算プレビュー】

スクエアが5月2日の大引け後(日本時間3日朝)、2018年1~3月期の決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると、4月25日時点の1株利益の市場予想は平均値で調整後のNon-GAAPが前年同期比ほぼ横ばいの0.05ドル、GAAPベースが0.06ドルの赤字(前年同期0.04ドルの赤字)だ。主力の決済サービスが堅調なほか、1月に開始したビットコインの送金ビジネスも寄与するとみられる。 ▼市場予想                         18年1~3月期          売上高                 6億2100万ドル(32.9%増)         1株利益(Non-GAAP) 0.05ドル(0.05ドル) 1株損益(GAAP)      0.06ドルの赤字(0.04ドルの赤字)  ※4月25日時点で()内は前年同期。Non-GAAPは30社、GAAPは15社の予想 高収益の企業向け融資サービスの拡大が成長のポイント スクエアの主力事業は小売店向けの決済サービスだ。スマートフォン(スマホ)やタブレットといったモバイル端末に専用アプリをダウンロードし、小型のカード読み取り機「Square Reader(スクエアリーダー)」をスマホなどに取り付けるとクレジット決済できる仕組み。POS(販売時点情報管理)レジの導入に二の足を踏む小規模事業主を軸に業績を拡大してきたが、足元は大型店向けの売り上げが増加している。四半期ベースの決済額は2ケタ増が続いている。スクエアが2月末に公表した1~3月期の売上高は6億500万~6億2000万ドルだが、市場では6億2100万ドルと若干の上振れを見込む。 今後の成長を占ううえで注目は収益率の改善。利幅が薄いスターバックスとの提携は16年に終了したが、今後は利益率が高いとされる企業向け融資サービス「Square Capital(スクエアキャピタル)」などの事業拡大が必要だ。 ビットコイン取引開始、ドーシーCEO「小さな1歩にすぎない」 スクエアは現在米国で送金アプリ「SQUARE CASH(スクエアキャッシュ)」を手掛けるが、1月末からアプリ「Cash App」を通じてビットコインの取引をスタートさせた(日本での取り引きは不可)。同社のジャック・ドーシー会長兼最高経営責任者(CEO)は、ツイッターに「ビットコインの取引が容易になる。ビットコインをサポートする理由は大きな可能性を秘めているからだ。これは小さな1歩にすぎない」と投稿した。スクエアによると、Cash Appの利用者数は2017年末時点で700万人を突破したという。野村グループの関連会社インスティネットLLCは、4月18日付のレポートでビットコインの取引開始に伴い1~3月期の調整後収益を1~3%押し上げると試算している。 スクエアの株価は3月21日に58.46ドルと上場来高値を付けたが、4月25日の終値は44.75ドルだった。ドイツ銀行証券は4月20日付のレポートで目標株価を57ドルとしている。(根岸てるみ) 年初からのスクエア(青)の株価とビットコイン(緑)の値動き (注)QUICK FactSet Workstationで作成。2017年末を100として指数化 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。    

アップル、需要鈍化は織り込み済み 鈍らないのは株主還元拡大の期待 【米決算プレビュー】

アップルが5月1日の大引け後、2018年1~3月期(2Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、1株当たり利益(EPS)の市場予想の平均値(30社、4月25日時点)は前年同期比28.0%増の2.69ドルとなっている。スマートフォン(スマホ)の需要に対する警戒感から株価は足元で弱含んでいる。4~6月期のiPhone販売台数の市場予想も低下基調にあるが、アップルが新製品発売前に在庫圧縮に努めるとの見方もあって需要鈍化は織り込み済みとみられる。自社株買いの増額など、買い戻しのキッカケになる材料が待たれる。 【1~3月期決算の市場予想】   (前年同期比) ・売上高            612億ドル  (+15.8%) ・EPS(1株利益)     2.69ドル  (+28.0%) ・iPhone販売台数 5314万台  ( +4.6%) アップルは例年、7~9月期(4Q)にiPhoneの新機種を発売し、10~12月期(1Q)に過去最高益を更新するのが通例となっている。しかし、高価格のiPhoneX(テン)の販売が振るわず、前回の1Q決算でiPhone販売台数は市場予想を大きく下回った。アップルの売上高の69%(1Q実績)を稼ぐiPhoneの販売台数が今回の決算でも最大の注目点だ。 アップル決算に先立ち、サプライヤーのTSMCが19日に4~6月期の売上高見通しで慎重な数字を示したことでiPhoneの需要鈍化懸念が広がった。さらに20日にはモルガン・スタンレーが投資判断をオーバーウエイトとしながら目標株価を203→200ドルに引き下げ、4~6月期のiPhone販売台数が弱含むと指摘したことも警戒された。モルガンはリポートで、iPhone販売台数を1~3月期で100万台、4~6月期で600万台それぞれ引き下げ、2018年通期の販売台数予想を2億1700万台から2億1000万台へと下方修正した。悪材料が重なり、アップル株は25日終値時点で163.65ドルと3月13日に付けた分割後の上場来高値(183.50ドル)から10.81%下げた状態にある。 アップルの売り材料になったTSMCの業績見通しについて、RBCキャピタル・マーケッツは19日付のリポートで「スマートフォンや仮想通貨関連の需要が弱いことを示したが、iPhone需要が弱いことは株価に織り込まれている」と指摘していた。TSMCの売上高の2割はアップル向けとされるが、「TSMCの弱い見通しで、アップルが2018年秋の新製品発表に向けてiPhoneの在庫を圧縮しようとしていることが再確認できた」と指摘。新型のiPhoneの販売台数につては「2018年下半期で8000万~9000万台と見込まれ、2017年のiPhoneX、8、8Plusの累計(1億~1億2000万台)を下回るだろう」と慎重に見込みつつ、サービス部門の好調さや自社株買い・増配といった株主還元策がポジティブサプライズになるとも指摘した。今後5年間で250億ドル規模の自社株買いが行われ、年間で7%ずつ発行済み株式が消却されるだろうとしながら、投資判断のアウトパフォーム、目標株価203ドルを維持。概ね強気の見方を披露していた。 前出のモルガンのリポートでも株主還元策に着目し、米国の税制改革が成立して1630億ドルの現金が利用可能になったため、「決算に併せて資本還元プログラムの大幅な拡大が発表されるだろう」と指摘していた。モルガンは2018~19年度の自社株買いが現行の300億ドルから800億ドルのペースに引き上げられると見込み、50%の増配が行われれば「アップル株の配当利回りは2%超となる」とみていた。UBSも24日付のリポートで自社株買いの規模を年間で300億→600億ドルと2倍に増やすだろうと指摘しており、株主還元に対する期待は根強い。 アップルは2018年秋にiPhoneの新機種を3つ発売するとみられている。モルガンのリポートでは、①6.5インチの有機エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレー(OLED)を搭載したiPhoneX Plus、②現行のiPhoneXと同じ5.8インチのOLEDモデル、③6.1インチの液晶パネル(LCD)モデル――が発売されるだろうと指摘していた。新機種では価格の安いLCDモデルを用意しつつ、不人気だったiPhoneXで画面サイズを大きくしたPlus版を出し、いわゆるファブレット端末を好むユーザーの取り込みを図るとみられる。5月には廉価版のiPhone SEの後継モデルであるSE2も出る見通しだ。 モルガンは3機種の構成比についてOLEDとLCDで6対4と見込み、「5月に部品設計が確定し、早ければ5月半ばから月末にかけて部品の生産が始まる」と予想していた。4~6月期は例年、iPhone需要が低迷する時期だが、7~9月期の新機種販売に向けて売上高見通しなどで在庫管理に注力する方針が示されれば、投資家は需要期であるその先の10~12月期のiPhone販売台数に関心を高めそう。過度に4~6月期の販売鈍化を警戒する必要は無さそうだ。 QUICK FactSet Workstationでアップルの四半期ごとのiPhone販売台数のコンセンサスを見ると1~3月期が5314万台に下がっているのはやむを得ないが、10~12月期が7709万台と前年同期(7731万台)を下回る状態にあるのが分かる。前年は高価なiPhoneXが不人気だったほか、生産が遅れるという特殊要因があっただけに、現在のコンセンサスはiPhone需要にかなり悲観的と言える。TSMC決算などで短期的に弱気ムードが強まったアップルだが、Appストアといったサービス部門の成長性、自社株買いなどの株主還元策が期待される状況だけに、決算を機にリバウンドが待たれそうだ。 アップルの四半期iPhone販売台数のトレンド推移 (注)QUICK FactSet Workstationより作成 4月30日の米株式市場でアップルの株価は1.81%高の165.26ドルで終えた。1銘柄で20ドルほどダウ工業株30種平均を下支えした。iPhoneの需要鈍化に対する警戒感から株価は足元で軟調な展開だったが、決算発表を控えてやや買い戻しが入った格好だった。 米経済専門チャンネルのCNBCは30日、「自社株買いや増配計画への楽観的な見方からアップル株がジャンプした」と報じた。アップルが決算に併せて発表すると見込まれる株主還元策についてモルガン・スタンレーは1500億ドル、シティ・グループは1000億ドルと見込んでいることを紹介していたが、モルガンの見解は4月20日付のリポートで指摘していたもので目新しいものではなかった。一方で英サンデー・タイムズ紙電子版は29日、複数のアナリストの見方として株主還元策が4000億ドル規模になるとの見方を報じていた。(片平正ニ)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

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