エヌビディア、ゲームやデータセンター向け好調で増益 【米決算プレビュー】

GPU(画像処理半導体)大手のエヌビディアが10日に2~4月期(1Q)の決算発表を予定している。QUICK FactSet Workstationによると、市場予想の調整後EPS(23社平均)は1.45ドルで、前年同期比83.9%増が見込まれている。主力のゲーム部門、データセンター部門などの好調により、四半期ベースで大幅な増収増益を続ける公算が大きそうだ。 ソフトバンクグループ(9984)は10兆円ファンドと称される「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じてエヌビディアに多額の出資を行っており、エヌビディアの業績はソフトバンクの株価動向にも影響を与える。 【2~4月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高      :28億9120万ドル(+49.3%) ・調整後EPS         :1.45ドル(+83.9%) ~~~売上高の部門別内訳~~~ ・ゲーム部門      :15億5000万ドル (+50.9%) ・映像化部門    : 2億4400万ドル(+19.0%) ・データセンター部門: 6億5300万ドル(+59.7%) ・自動車部門    : 1億4100万ドル(+0.7%) ・OEMその他   : 1億6100万ドル(+3.2%) ※QUICK FactSet Workstationより エヌビディアはコンピューターグラフィックスの先端を行くビジュアルコンピューティング企業で、PCやモバイル機器に搭載される高性能なグラフィックスチップとプロセッサの開発・製造を手掛ける。製品用途は、PCの画像処理から、ゲーム機、専門可視化装置、データセンター、AI、仮想通貨のデータ処理、自動車等へと拡大。任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のメーンプロセッサーにエヌビディア製のモバイルプロセッサ「Tegra」が採用されている。ゲーム向けグラフィック処理などに使われてきたGPUはAIの技術を取り込みやすい特長があり、ディープラーニングに適しているとみたトヨタやテスラなどが相次ぎ採用。エヌビディアのGPUは世界の自動車・部品大手などに自動運転車の研究で使われており、レベル5と呼ばれる完全自動運転の技術開発の一躍を担うと期待されている。 主力のゲーム部門は「ニンテンドースイッチ」向けプロセッサー販売の伸びが続くとみられ、成長著しいデータセンター部門も主要クラウド提供会社がエヌビディアのGPUを採用しているため、クラウド市場の伸びの恩恵をそのまま享受できるとみられる。懸念されるのは自動運転を巡る動きだろう。配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズと、電気自動車大手テスラが相次いで自動運転実証実験中に死亡事故を起こしたことで、自動運転に対する見方が厳しくなった。提携先であるウーバーは死亡事故を起こした車両でエヌビディアの車載AIコンピューター「DRIVE」を使っていなかったもようだが、エヌビディアは公道での自動運転技術試験の一時中止を余儀なくされ、技術開発が停滞する可能性は否定できない。 (注)QUICK FactSet Workstationの「サプライズ履歴」から引用 <過去20四半期決算分析> EPS実績  対市場予想 上振れ回数    18 下振れ回数       2 EPS実績/市場予想(%) 平均乖離率   +42.1 平均上振れ率    +50.2 平均下振れ率    -30.2 決算発表直後1日の値動き 上昇回数    14 下落回数     6 平均騰落率   +6.3 平均上振率     +10.4 平均下振率       -3.4 同社の決算発表は市場予想を上回って着地するケースが圧倒的に多く、過去5年(20四半期)で実に18回も上振れ。その際の平均上振れ率は50%にも達する。その一方で、2回下振れしたが、その下振れ率は30%。決算発表直後1日の値動きは14回上昇し、6回下落した。平均上昇率10.4%、下落率は3.4%だった。 傾向的に市場予想を大幅に上回る着地となり、株価もポジティブに反応することが多いのだが、市場予想を上回る決算ながらも利益確定売りなどで売られたケースが少なからずある。2月の相場急落や自動運転車を巡るネガティブニュースで下落する場面もあったが、足元ではやや戻り歩調。9日の米株式市場でエヌビディアの株価は5日続伸し、2.14%高の255.78ドルで終えた。一時は255.87ドルまで上昇して3月13日に付けた上場来高値を2カ月ぶりに更新した。今回の決算も業績上振れのポジティブな着地となれば、さらに高値を更新する可能性もありそうだ。 【エヌビディアの株価推移】 (本吉亮、片平正ニ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

ディズニー、業績より気になる「キツネの物語」 【米決算プレビュー】

ウォルト・ディズニーが米東部時間8日午後4時半(日本時間9日午前6時半)、2018年1~3月期の決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると、4月末時点の市場の予想1株利益(EPS・特殊項目を除く)は、前年同期比13%増の1.70ドルだ。有料テレビ事業を含む主力部門が足を引っ張り、営業利益は前年同期比で減益見通しだが、法人税の減少により純利益は増えそうだ。 市場予想       18年1~3月期 ・売上高  141億1300万ドル(5.8%増) ・EPS  1.70ドル(13.3%増、Non-GAAP) ※4月末時点、24社の予想()内は前年同期比 映画ブラックパンサーが市場予想を上回る興行収入 市場予想によると、1~3月期の営業利益は前年同期比7%減の37億ドルの見通し。主力のメディアネットワーク部門の有料テレビや広告などが低調だったようだ。半面、テーマパークを運営するパーク&リゾート部門は好調だったほか、2月に米国で公開された「ブラックパンサー」が市場予想を上回る興行収入となり、業績に貢献したもよう。 市場予想によると、1~3月期の純利益は前年同期比8%増の25億ドルが見込まれる。トランプ政権による法人減税効果などが寄与し、収益を押し上げるようだ。 足元では4月下旬に公開された人気映画シリーズ「アベンジャーズ」の最新作「インフィニティ・ウォー」が世界的に大ヒットしているほか、5月下旬にはスタウォーズシリーズのスピンオフ作品の公開が控える。4月から始まった米プロバスケットボールNBAのプレーオフは例年になく混戦となっているため、有料テレビのスポーツ専門チャンネル「ESPN」の視聴率が上昇し4~6月期の業績にプラス寄与する可能性もある。 スカイ争奪戦で欧州事業の戦略修正を迫られる可能性も ディズニーは17年末、21世紀フォックスの映画やテレビなどコンテンツ事業の大半を524億ドル(負債含む約661億ドル)で買収すると発表した。ただ、フォックスが筆頭株主になっている英衛星放送大手スカイを巡り、ディズニーにとっては想定外の事態が生じているようだ。スカイ株を39%保有するフォックスはスカイの完全子会社化を目指していたが、英規制当局が待ったをかけた。これを受けて米メディア大手コムキャストが4月下旬、スカイの買収を表明。フォックスの提示を上回る1株あたり12.5ポンドでの買い取りを提示した。スカイ争奪戦となり、フォックスによる完全子会社化が失敗すればディズニーが描く欧州での事業拡大のシナリオは修正を迫られるかもしれない。 主力事業の不振に加えてスカイを巡る攻防の行方を見極めたいとの投資家の姿勢を映してか、ディズニーの株価は年初から軟調でダウ工業株30種平均を下回って推移している。動画配信サービスで先行するネットフリックスと比較しても見劣りする。ただモルガン・スタンレーは1日付のレポートでフォックスからの事業買収は結果的にプラスと見ており、ディズニーの目標株価を130ドルとした。(根岸てるみ) 年初からの株価推移 青:ディズニー、緑:ネットフリックス、赤:ダウ工業株30種平均 (注)QUICK FactSet Workstationより作成   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

テスラ、生産改善と中国で試されるCEOのハンドルさばき 【米決算プレビュー】

テスラが5月2日の大引け後、2018年1~3月期(1Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、調整後の1株当たり損益(EPS)の市場予想の平均値(20社、26日時点)は3.53ドルの赤字で、6四半期連続の赤字が見込まれている。電気自動車(EV)の「モデル3」の生産目標の週5000台の達成に向けてイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)から明確なコミットメントが示されるのか関心が高い。中国がEV市場の開放に踏み切ることはテスラにとって追い風で、成長期待が高まりそうだ。 【1~3月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高    32億7300万ドル  (+21.4%) ・EPS(1株損益)-3.53ドル(Non-GAAP、前年同期は-1.33ドル) テスラは4月2日に244.59ドルまで下げて約1年ぶりの安値水準を付けた。3月に多目的スポーツ車(SUV)のモデルXで死亡事故が起きたうえ、米格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが27日に格付をB2からB3に引き下げたことで財務悪化懸念が台頭。さらに4月1日にマスクCEOがツイッターで「テスラが倒産」とエイプリルフールの冗談をつぶやいたことで、投資家の失望を招いていた経緯がある。 その後、マスクCEOが自らモデル3の生産目標達成に向けて陣頭指揮をとっているとの報道や、3日に1Qの生産台数発表に併せて3月最終週にモデル3の生産台数が週2000台になったと発表したことで徐々に買い戻しが優勢となっていた。17日夕にマスク氏が従業員に送ったメールの内容として、「モデル3の生産量は5月に週3000台から4000台に増えるだろう。2018年4~6月期(2Q)末には生産能力が解放され、週6000台の生産が可能になる」との見解を示したことで株価は落ち着きを取り戻しつつある。テスラはモデル3の生産目標を2Q末で週5000台としていたため、決算発表を機に目標達成へのコミットメントが示され、株価が再加速できるかどうかの瀬戸際にある。カンファレンスコールでモデル3の生産目標について、明確なコミットメントがあるのかが鍵になりそうだ。 QUICK FactSet Workstationでモデル3のコンセンサスの傾向をみると、1Qは8990台と低下基調にある一方、2Q、2018年7~9月期(3Q)は右肩上がりにある。週5000台の目標を2Q末に達成できるのなら3Qには6万5000台の生産が可能になる計算だが、コンセンサスは5万750台でまだ懐疑的な状況と言える。市場の信頼を高め、コンセンサスが切り上がるような量産計画の発表が待たれる。 モデル3の生産台数のコンセンサストレンド (注)QUICK FactSet Workstationより作成 テスラに慎重な見方として、モルガン・スタンレーが18日付のリポートで「テスラの次の動き、200ドルか400ドルか?」と指摘したことが関心を集めた。投資判断をイコールウエイトで据え置きながら、目標株価を379→376㌦にやや引き下げたものだったが、「週5000台の生産ペースは2018年10~12月期(4Q)終盤まで達成できない」、「テスラは資金調達を必要としないかも知れないが、多くの投資家はそれを欲することになるだろうと予想している」などと指摘。公募増資によって25億ドルを調達するのではないかなどと見込んでいた。モデル3の生産目標が達成できないうえ、生産のための資金調達懸念が残るという弱気な見方の典型例だった。 一方、強気派の野村インスティネットは13日付のリポートで、「6月末に週5000台の目標が維持されると見込んでいる。生産が抑制されている状況が克服され、消費者の健全な需要に応じることができるようになるだろう」と指摘していた。3月末に週2000台の生産が可能になったことを踏まえ、「今後も生産改善に取り組めば2Qは平均で週2000台の生産が可能だろう」と指摘。また、中国がEVに関する外資規制の緩和を発表したことについて「テスラは2017年に中国で20億ドルを超える売上高を記録し、25%の関税がありながら米国に次いで大きな市場となっている」としながら、「2030年までに中国でのEVのシェアの30%を占めるようになるだろう」とし、成長が見込める中国市場での飛躍に期待を示していた。 中国を攻略するにはテスラのブランド、自動運転といった性能面もさることながら、やはり量産体制を整えられるのかどうかがポイントになる。中国が対米貿易摩擦を解消しようとEV市場の開放に向かうのは結果として貿易紛争がテスラの追い風になっており、チャンスを活かせるかマスク氏の手腕が試されそうだ。(片平正ニ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

スクエア、「小さな一歩」ビットコイン送金の大きな可能性 【米決算プレビュー】

スクエアが5月2日の大引け後(日本時間3日朝)、2018年1~3月期の決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると、4月25日時点の1株利益の市場予想は平均値で調整後のNon-GAAPが前年同期比ほぼ横ばいの0.05ドル、GAAPベースが0.06ドルの赤字(前年同期0.04ドルの赤字)だ。主力の決済サービスが堅調なほか、1月に開始したビットコインの送金ビジネスも寄与するとみられる。 ▼市場予想                         18年1~3月期          売上高                 6億2100万ドル(32.9%増)         1株利益(Non-GAAP) 0.05ドル(0.05ドル) 1株損益(GAAP)      0.06ドルの赤字(0.04ドルの赤字)  ※4月25日時点で()内は前年同期。Non-GAAPは30社、GAAPは15社の予想 高収益の企業向け融資サービスの拡大が成長のポイント スクエアの主力事業は小売店向けの決済サービスだ。スマートフォン(スマホ)やタブレットといったモバイル端末に専用アプリをダウンロードし、小型のカード読み取り機「Square Reader(スクエアリーダー)」をスマホなどに取り付けるとクレジット決済できる仕組み。POS(販売時点情報管理)レジの導入に二の足を踏む小規模事業主を軸に業績を拡大してきたが、足元は大型店向けの売り上げが増加している。四半期ベースの決済額は2ケタ増が続いている。スクエアが2月末に公表した1~3月期の売上高は6億500万~6億2000万ドルだが、市場では6億2100万ドルと若干の上振れを見込む。 今後の成長を占ううえで注目は収益率の改善。利幅が薄いスターバックスとの提携は16年に終了したが、今後は利益率が高いとされる企業向け融資サービス「Square Capital(スクエアキャピタル)」などの事業拡大が必要だ。 ビットコイン取引開始、ドーシーCEO「小さな1歩にすぎない」 スクエアは現在米国で送金アプリ「SQUARE CASH(スクエアキャッシュ)」を手掛けるが、1月末からアプリ「Cash App」を通じてビットコインの取引をスタートさせた(日本での取り引きは不可)。同社のジャック・ドーシー会長兼最高経営責任者(CEO)は、ツイッターに「ビットコインの取引が容易になる。ビットコインをサポートする理由は大きな可能性を秘めているからだ。これは小さな1歩にすぎない」と投稿した。スクエアによると、Cash Appの利用者数は2017年末時点で700万人を突破したという。野村グループの関連会社インスティネットLLCは、4月18日付のレポートでビットコインの取引開始に伴い1~3月期の調整後収益を1~3%押し上げると試算している。 スクエアの株価は3月21日に58.46ドルと上場来高値を付けたが、4月25日の終値は44.75ドルだった。ドイツ銀行証券は4月20日付のレポートで目標株価を57ドルとしている。(根岸てるみ) 年初からのスクエア(青)の株価とビットコイン(緑)の値動き (注)QUICK FactSet Workstationで作成。2017年末を100として指数化 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。    

アップル、需要鈍化は織り込み済み 鈍らないのは株主還元拡大の期待 【米決算プレビュー】

アップルが5月1日の大引け後、2018年1~3月期(2Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、1株当たり利益(EPS)の市場予想の平均値(30社、4月25日時点)は前年同期比28.0%増の2.69ドルとなっている。スマートフォン(スマホ)の需要に対する警戒感から株価は足元で弱含んでいる。4~6月期のiPhone販売台数の市場予想も低下基調にあるが、アップルが新製品発売前に在庫圧縮に努めるとの見方もあって需要鈍化は織り込み済みとみられる。自社株買いの増額など、買い戻しのキッカケになる材料が待たれる。 【1~3月期決算の市場予想】   (前年同期比) ・売上高            612億ドル  (+15.8%) ・EPS(1株利益)     2.69ドル  (+28.0%) ・iPhone販売台数 5314万台  ( +4.6%) アップルは例年、7~9月期(4Q)にiPhoneの新機種を発売し、10~12月期(1Q)に過去最高益を更新するのが通例となっている。しかし、高価格のiPhoneX(テン)の販売が振るわず、前回の1Q決算でiPhone販売台数は市場予想を大きく下回った。アップルの売上高の69%(1Q実績)を稼ぐiPhoneの販売台数が今回の決算でも最大の注目点だ。 アップル決算に先立ち、サプライヤーのTSMCが19日に4~6月期の売上高見通しで慎重な数字を示したことでiPhoneの需要鈍化懸念が広がった。さらに20日にはモルガン・スタンレーが投資判断をオーバーウエイトとしながら目標株価を203→200ドルに引き下げ、4~6月期のiPhone販売台数が弱含むと指摘したことも警戒された。モルガンはリポートで、iPhone販売台数を1~3月期で100万台、4~6月期で600万台それぞれ引き下げ、2018年通期の販売台数予想を2億1700万台から2億1000万台へと下方修正した。悪材料が重なり、アップル株は25日終値時点で163.65ドルと3月13日に付けた分割後の上場来高値(183.50ドル)から10.81%下げた状態にある。 アップルの売り材料になったTSMCの業績見通しについて、RBCキャピタル・マーケッツは19日付のリポートで「スマートフォンや仮想通貨関連の需要が弱いことを示したが、iPhone需要が弱いことは株価に織り込まれている」と指摘していた。TSMCの売上高の2割はアップル向けとされるが、「TSMCの弱い見通しで、アップルが2018年秋の新製品発表に向けてiPhoneの在庫を圧縮しようとしていることが再確認できた」と指摘。新型のiPhoneの販売台数につては「2018年下半期で8000万~9000万台と見込まれ、2017年のiPhoneX、8、8Plusの累計(1億~1億2000万台)を下回るだろう」と慎重に見込みつつ、サービス部門の好調さや自社株買い・増配といった株主還元策がポジティブサプライズになるとも指摘した。今後5年間で250億ドル規模の自社株買いが行われ、年間で7%ずつ発行済み株式が消却されるだろうとしながら、投資判断のアウトパフォーム、目標株価203ドルを維持。概ね強気の見方を披露していた。 前出のモルガンのリポートでも株主還元策に着目し、米国の税制改革が成立して1630億ドルの現金が利用可能になったため、「決算に併せて資本還元プログラムの大幅な拡大が発表されるだろう」と指摘していた。モルガンは2018~19年度の自社株買いが現行の300億ドルから800億ドルのペースに引き上げられると見込み、50%の増配が行われれば「アップル株の配当利回りは2%超となる」とみていた。UBSも24日付のリポートで自社株買いの規模を年間で300億→600億ドルと2倍に増やすだろうと指摘しており、株主還元に対する期待は根強い。 アップルは2018年秋にiPhoneの新機種を3つ発売するとみられている。モルガンのリポートでは、①6.5インチの有機エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレー(OLED)を搭載したiPhoneX Plus、②現行のiPhoneXと同じ5.8インチのOLEDモデル、③6.1インチの液晶パネル(LCD)モデル――が発売されるだろうと指摘していた。新機種では価格の安いLCDモデルを用意しつつ、不人気だったiPhoneXで画面サイズを大きくしたPlus版を出し、いわゆるファブレット端末を好むユーザーの取り込みを図るとみられる。5月には廉価版のiPhone SEの後継モデルであるSE2も出る見通しだ。 モルガンは3機種の構成比についてOLEDとLCDで6対4と見込み、「5月に部品設計が確定し、早ければ5月半ばから月末にかけて部品の生産が始まる」と予想していた。4~6月期は例年、iPhone需要が低迷する時期だが、7~9月期の新機種販売に向けて売上高見通しなどで在庫管理に注力する方針が示されれば、投資家は需要期であるその先の10~12月期のiPhone販売台数に関心を高めそう。過度に4~6月期の販売鈍化を警戒する必要は無さそうだ。 QUICK FactSet Workstationでアップルの四半期ごとのiPhone販売台数のコンセンサスを見ると1~3月期が5314万台に下がっているのはやむを得ないが、10~12月期が7709万台と前年同期(7731万台)を下回る状態にあるのが分かる。前年は高価なiPhoneXが不人気だったほか、生産が遅れるという特殊要因があっただけに、現在のコンセンサスはiPhone需要にかなり悲観的と言える。TSMC決算などで短期的に弱気ムードが強まったアップルだが、Appストアといったサービス部門の成長性、自社株買いなどの株主還元策が期待される状況だけに、決算を機にリバウンドが待たれそうだ。 アップルの四半期iPhone販売台数のトレンド推移 (注)QUICK FactSet Workstationより作成 4月30日の米株式市場でアップルの株価は1.81%高の165.26ドルで終えた。1銘柄で20ドルほどダウ工業株30種平均を下支えした。iPhoneの需要鈍化に対する警戒感から株価は足元で軟調な展開だったが、決算発表を控えてやや買い戻しが入った格好だった。 米経済専門チャンネルのCNBCは30日、「自社株買いや増配計画への楽観的な見方からアップル株がジャンプした」と報じた。アップルが決算に併せて発表すると見込まれる株主還元策についてモルガン・スタンレーは1500億ドル、シティ・グループは1000億ドルと見込んでいることを紹介していたが、モルガンの見解は4月20日付のリポートで指摘していたもので目新しいものではなかった。一方で英サンデー・タイムズ紙電子版は29日、複数のアナリストの見方として株主還元策が4000億ドル規模になるとの見方を報じていた。(片平正ニ)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

アマゾンは「反アマゾン」を捻じ伏せられるか 【米決算プレビュー】

アマゾン・ドット・コムは26日に1~3月期(1Q)決算発表を予定している。QUICK FactSet Workstationがまとめたアナリストの調整後EPS予想(42社平均)は1.24ドルで、前年同期比16.1%減が見込まれている。 【10-12月期決算の市場予想】 ・売上高   499億ドル(+36.6%) 会社予想477.5~507.5億ドル(中央値492.5億ドル) ・調整後EPS  1.24ドル (-16.1%) ()内は前年同期比 【事業別売上の市場予想】             Online Stores                    273億7000万ドル (+19.9%) Physical Stores          41億2100万ドル (前年同期の開示なし) Third-Party Seller services  88億8900万ドル (+38.1%) Subscription Services       28億2000万ドル (+45.4%) AWS           52億4000万ドル (+43.1%) (注)QUICK FactSet Workstationより、()内は前年同期比 事業別売上は現状の5部門に再編されているが、企業などにデータの保存・分析などの機能を提供するAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)に対する注目度が高い。2006年にサービスを開始し順調に実績を積み上げてきたが、2013年にデータ管理の厳格さで知られる米中央情報局(CIA)のクラウドを受注したあたりから、強い追い風が吹き始めて成長が加速。2016年には売上高が122億ドル、2017年には174億ドルに拡大し、営業利益全体の7割近くを稼ぐ主力事業にまで成長した。クラウド事業はひとつのデータセンターを複数顧客で共有するため利益率が高いとされる。クラウドサービス市場でアマゾンの世界シェアは約4割でトップを誇るが、マイクロソフト「Azure Cloud」やグーグルのクラウド事業「Google Cloud」も拡大しており、熾烈なシェア争いを繰り広げている。AWSは全世界約190カ国で展開し、顧客にはグローバル企業、新興企業、公的機関などで大物を抱える。 ただ、昨年6月に高級食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」を買収したことで「アマゾンエフェクト」と称されるように、物流・小売り業界などでアマゾンを敵対視する動きが強まっていることに留意したい。10-12月期にAWSと競合するマイクロソフト「Azure Cloud」が、小売り企業の受注を獲得し成長率が加速し、その動きはしばらく続く可能性があり、AWSの伸び率が鈍化する可能性は否定できない。また、トランプ大統領がツイッターを通じてアマゾンに対し、納税方法、郵政公社の利用、他小売業者への影響など繰り返し批判を行っており、今後何らかの負担増などを強いられる可能性もあり、「トランプリスク」にも注意したい。 【アマゾンのEPSと株価の推移】 (注)グレーの折れ線は株価、棒グラフは水色がEPS予想の最高値、青色は最安値、緑と赤の●はEPS実績値をそれぞれ示す <過去20四半期決算分析> EPS実績  対アナリスト予想 上振れ回数    14 下振れ回数       6 EPS実績/アナリスト予想(%) 平均乖離率   +70.1 平均上振れ率  +136.3 平均下振れ率     -62.4 決算発表直後1日の値動き 上昇回数     11 下落回数      9 平均騰落率    +0.9 平均上振率        +7.6 平均下振率         -7.2 (注)QUICK FactSet Workstationの「サプライズ履歴」より 作成 アマゾンは積極投資で知られるため業績のブレが大きいのが特徴。同社の決算発表はアナリスト予想に対して上回る回数が多く、過去5年(20四半期)でEPS予想は14回上振れし、その際の平均上振れ率は136.3%にも達する。一方で、6回下振れしたが、その下振れ率は62.4%で、上振れ・下振れともに大きくなるのが特徴と言える。決算発表翌日の値動きは、11回上昇して9回下落。平均上昇率は7.6%、下落率は7.2%と振れが大きい。 市場予想から乖離した決算発表となることが多く、それを受けて株価がポジティブサプライズ、ネガティブサプライズとなり株価が大きく動くことになるようだ。今回は大幅減益が見込まれているが、市場予想を上回る着地で増益となれば、ポジティブサプライズで急騰する可能性があろう。「アマゾンエフェクト」でAWSの伸び鈍化が懸念されるが、それを克服して伸び率が強まれば、ポジティブに評価されるかもしれない。(本吉亮) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。  

マイクロソフトに「アマゾンエフェクト」の追い風 【米決算プレビュー】

マイクロソフトが26日に1~3月期(3Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationがまとめたアナリストの調整後EPS予想(29社平均)は0.85ドルで、前年同期(0.70ドル)から微増する見通し。クラウドサービス「Azure」の好調が業績を牽引しそうだ。 【1~3月期決算の市場予想】                                                             (前年同期比) ・売上高      257億7500万ドル     (+9.4%) ・調整後EPS(1株利益)   0.85ドル  (+16.4%) 【事業別売上の市場予想/会社計画】 PBP: 87億2900万ドル  (+9.7%)   /会社計画86~88億ドル、    中央値87億ドル  IC: 76億7600万ドル (+13.5%)   /会社計画75.5~77.5億ドル、中央値76.5億ドル MPC: 92億5400万ドル  (+4.7%)   /会社計画91~94億ドル、   中央値92.5億ドル (注)QUICK FactSet Workstationより 売上構成比で約4割を占めるモア・パーソナル・コンピューティング(MPC)はWindows、デバイス、ゲーム、検索などを含む主力事業で利益率は3割弱、売上構成比が3割程度の生産性及びビジネス・プロセス(PBP)は法人向け、個人向けのOffice、Dynamicsなどを扱い利益率は3割強。同様に売上構成比が3割程度のインテリジェント・クラウド(IC)ではクラウドサービス「Azure」を提供し、こちらも利益率は3割強と高い。 「Windows」で一世を風靡した同社だが、パソコン需要の低迷を背景に存在感が低下。現在はクラウドサービスを主力とする企業への転換を推進し、主力の基本ソフト(OS)は稼ぐための製品というよりもクラウドサービスの利用を促す道具となりつつある。企業向けクラウド事業の「Azure」は中核サービスの一つとして急成長を遂げ、大企業向けで強みを発揮。クラウドシェアでは業界首位(シェア3割超)のアマゾン・ドット・コムには及ばず2位だが、足元の成長力ではアマゾンを上回りつつある。  今年1月末に発表した10~12月期(2Q)決算では、IC事業の売上高は前年同期比15%増の78億ドルだったが、「Azure」は同98%増と大きく伸びばし、首位アマゾンを上回る成長率を記録。「アマゾンエフェクト」と称されるように、物流・小売り業界を侵食するアマゾンを敵対視する企業からの受注獲得が追い風になっているとみられ、この傾向はしばらく続くのではなかろうか。最終損益で63億200万ドルの赤字となったが、米大型減税の影響という一時的な要因。これを除いた実質ベースでは2割増益で調整後EPSも市場予想を上回る着地をみせていた。3Q決算では大型減税の影響は出ないとみられ、良好な決算発表が期待できそうだ。 【マイクロソフトのEPSと株価の推移】 (注)グレーの折れ線は株価、棒グラフは水色がEPS予想の最高値、青色は最安値、緑と赤の●はEPS実績値をそれぞれ示す   <過去20四半期決算分析> EPS実績  対アナリスト予想 上振れ回数    16 下振れ回数       4 EPS実績/アナリスト予想(%) 平均乖離率      +8.7 平均上振れ率     +13.0 平均下振れ率        -8.4 決算発表直後1日の値動き 上昇回数       14 下落回数        6 平均騰落率    +1.3 平均上振率          +4.2 平均下振率           -5.5 (注)QUICK FactSet Workstationの「サプライズ履歴」より作成 同社の決算発表は概ねアナリスト予想を上回って着地するケースが多く、過去5年(20四半期)で16回が上振れ。その際の平均上振れ率は13.0%に達する。その一方で、5回下振れしたが、その下振れ率は8.4%。この決算発表直後1日の値動きは、15回が上昇し、5回下落。平均上昇率は4.2%、下落率は5.5%だった。 概ね市場予想を上回る決算発表でポジティブに動くケースが多いのだが、稀に下回った際には6%弱の下落に見舞われることがあるので留意されたい。 (本吉亮) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

フェイスブック、「ユーザー離れ」だけじゃない胸騒ぎの原因 【米決算プレビュー】

フェイスブックが25日に2018年1~3月期決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると、20日時点の市場の予想EPS(1株利益、Non-GAAP)は前年同期比35%増の1.53ドル。売上高は、広告収入の伸びがけん引し同42%増の114億ドルと高成長を維持しそうだ。もっとも、投資家の関心は個人情報の不正利用問題の影響に向かっている。 【フェイスブックの18年1~3月期決算に対する市場予想】 ・売上高      :114億0700万ドル(42%増) ・広告売上高    :112億6300万ドル(43%増) ・うち携帯向け広告 :101億2400万ドル(52%増) ・1株利益(EPS) :1.53ドル(35%増、Non-GAAP)            1.35ドル(30%増、GAAP) (注:増加率は対前年同期) 最近の情報不正利用問題を受けた株価急落で、フェイスブックは、ネットフリックス、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグル)を加えた「FANG」から脱落するような値動きとなっている。 (注)QUICK FactSet Workstationより作成 マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が出席した米上院での公聴会を経て、株価はひとまず下げ止まった。だが、市場は「ユーザー離れ」の有無を確認したいという状況だ。  ある米系証券は最大のリスクとして「DAU(日次アクティブユーザー)の伸び」を挙げる。今回発表されるDAUは「四半期最後の30日間の平均データに基づくもの」なので、1~3月期の場合、最後の30日間の約半分が不正利用問題の影響が出てくる可能性がある。もしDAUの伸びが市場予想を大きく下回るようであれば、投資家の警戒感は再び高まるだろう。 【月間アクティブユーザーと日次アクティブユーザーの推移】         MAU    DAU 15年1~3月期 14.4(13%)  9.3(17%)   4~6月期 14.9(13%)  9.6(17%)   7~9月期 15.4(14%) 10.0(17%)   10~12月期 15.9(14%) 10.3(17%) 16年1~3月期 16.5(15%) 10.9(16%)   4~6月期 17.1(15%) 11.2(17%)   7~9月期 17.8(16%) 11.7(17%)   10~12月期 18.6(17%) 12.2(18%) 17年1~3月期 19.3(17%) 12.8(18%)     4~6月期 20.0(17%) 13.2(17%)   7~9月期 20.7(16%) 13.6(16%)   10~12月期 21.3(15%) 14.0(15%) 18年1~3月期 21.9(13%) 14.4(13%) (注)単位は億人、カッコ内は前年同期比の増加率、18年1~3月期は市場予想。 数字以外で気になるものが二つある。ひとつは、一部で話題になった有料サービスの可能性だ。シェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)がインタビューで、利用者が全ての情報収集をオプトアウト(拒否)できるようにする機能は無料サービスではなく有料サービスになると述べたことが背景にある。オプトアウトの増加は広告事業の魅力低下につながるため当然の発言と言えるが、仮に導入された場合、収益構造の変化を見極めるまでは投資家にとっての不透明要因となるだろう。 もうひとつはESG。ある投信のファンドマネジャーは「海外のESG投資の反応が気になる」と話す。16日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は「フェイスブックの企業統治を株主が非難」という記事で、ザッカーバーグ氏への議決権の集中など企業統治(ガバナンス)面に対する複数の投資家の懸念を伝えた。  国内たばこ大手のJT(2914)が2月以降、予想配当利回りが5%に上昇するまで売り込まれたのは記憶に新しい。市場では「ESGを気にする機関投資家が手放しているのでは」との声が出ていた。 ひとたび問題が起こると注目されるのがガバナンス。改善に向けたメッセージが出てこなければ、ESGに絡む需給懸念がくすぶり続ける。加えて、高まる「フェイスブック規制論」も和らぐことはないだろう。(吉田晃宗) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

AMD、仮想通貨マイニングで中国企業と競争懸念 【米決算プレビュー】

アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が25日の大引け後、2018年1~3月期(1Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、調整後の1株当たり利益(EPS)の市場予想の平均値(23社、22日時点)は0.09ドルの黒字。前年同期(0.04ドルの赤字)から一転し、4四半期連続の黒字が見込まれている。主力の中央演算処理装置(CPU)の「ライゼン」に加え、仮想通貨のマイニング需要で画像処理半導体(GPU)の実績も好調とみられるが、ビットコインなどの上値が重いうえ、マイニング市場で中国勢との競争が激化するとみられ先行きに不透明感が残っている。 【1~3月期決算の市場予想】(前年同期比) ・売上高(営業収益)  15億6600万ドル(+59.1%) ・EPS(1株利益)      0.09ドル(0.04ドルの赤字、Non-GAAP) QUICK FactSet Workstationを見ると、AMDの業績をけん引しているのが仮想通貨のマイニングに優れるGPU「ラデオン」を含むコンピューティング&グラフィックス部門(C&G)であることが分かる。2018年10~12月期(4Q)はサーバ向けプロセッサを含むエンタープライズ組み込み・セミカスタム部門(EESC)が減収の一方、C&Gは16%の増収となった。しかし1Qの市場予想は前四半期比3%減の9億2600万ドルと4四半期ぶりに減収が見込まれている。  ドイツ銀行証券は17日付のリポートで、1QのC&Gの売上高を10億3000万ドルと市場予想より強めに見込んだ。仮想通貨のマイニング関連の需要は12%以下と指摘。その上で2018年4~6月期(2Q)の見通しについては前四半期比で9%増の16億8000万ドルと見込み、仮想通貨関連のGPUの伸びが一服する一方でゲーム関連が伸びてEESCがけん引すると見込んだ。しかしEPSの増加は限られるとし、投資判断のホールド、目標株価12ドルを維持し慎重な見方を示していた。 【AMDのセグメント別売上高の推移】   (注)QUICK FactSet Workstationより作成 AMDに最も高い目標株価(27ドル)を設定しているローゼンブラット・セキュリティーズは19日付のリポートで、1Qの売上高を15億5000万ドル、EPSで0.08ドルと市場予想に近い数字で見込んでいた。1Q決算は想定内のものに落ち着くとしつつ、「2Qの業績見通しでライゼンの売上の勢いが続くことが示され、仮想通貨のマイニング需要の減速が示されなければ市場に好感されそうだ」と指摘した。 ただリポートでは、同社のアナリストが最近中国を出張したところ、仮想通貨のマイニング機器を手掛ける中国企業「ビットメイン」の躍進ぶりに驚かされたことを紹介していた。ビットメインは7月に仮想通貨イーサリアムのマイニングを行うための特定用途向け集積回路(ASIC)を販売するといい、「AMDの成長は緩やかになるだろう。GPUの平均販売価格も2018年10~12月期(4Q)にかけて低下しそうだ」とマイニング関連の競争が激化する可能性を指摘した。先行きについてはモバイル機器用のライゼン・モバイルのほか、デスクトップ用などで新型のCPUが出ることについて「同社の歴史でみても豊富なラインナップと言える」と評価。リポートは投資判断の買いを継続していたとはいえ、中国メーカーとの競争激化を警戒する内容だった。 AMDの株価は1月31日に13.85ドルで年初来高値を付け、貿易紛争懸念で株式市場が調整局面に入ると4月4日に9.04ドルまで下落。今年の高値から34%下げ、足元でも年初来の安値圏にある。年初来でフィラデルフィア半導体指数が1.42%高、エヌビディアが18.20%高、インテルが11.63%高となっているのに対し、AMDは2.82%安で同業他社の中で一人負けの状態にある。仮想通貨のビットコインが世界的に規制が強化されるのではないかとの懸念で上値が重いうえ、マイニング市場で中国勢の台頭が警戒される中、決算発表をキッカケにして買い戻しが入るのか難しい情勢だ。(片平正ニ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

好業績予想のキャタピラー、世界景気の先行きどう描く 【米決算プレビュー】

建設機械大手のキャタピラーは、米中部時間24日午前6時30分(日本時間24日午後10時30分)に2018年1~3月期(1Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると18日時点の市場の予想EPS(1株利益)は2.10ドル。売上高は前年同期比21.6%増の119億ドルを上回ると予想されている。 【キャタピラーの18年1~3月期決算に対する市場予想】 ・売上高      :119億4800万ドル(21.6%増) ・EPS(Non-GAAP)  :2.10ドル (注)QUICK FactSet Workstationより    直近3カ月の株価の値動きは乱高下している。4月4日には1月の高値から20%超安い138.05ドルまで下げたが、その後18日には155.95ドルで引け、10%超戻している。3月には米中の貿易摩擦懸念を受けて株価が軟調に推移したが、そもそもキャタピラーの中国売上高比率はあまり高くない。   QUICK FactSet WorkstationでS&P500銘柄を対象に中国売上高比率を取得したところ、中国売上高比率は5.01%で132番目。仮に米中で貿易摩擦の問題が拡大したとしても、収益への影響は限定的と見られる。また、シーポート証券は18日付けのリポートで「中国事業は大半が現地生産で、関税の影響はない」との見方を示した。貿易摩擦懸念を市場がどこまで織り込んだか、不透明な面がありそうだ。 キャタピラーの売上高は、建機向けが4割、エネルギーと運輸向けが3割、鉱業向けが2割を占める。シーポート証券のマイケル・シルキーアナリストは各セクターについて下記のように分析し、目標株価を195ドルで買い推奨とした。    ▼各セクターの見方   ◎建機向けセクター…設備投資による建機の需要が供給を上回ることが生産者へのヒアリングで判明   ◎エネルギー・運輸セクター…グローバルで鉄道のレール需要が伸びており、レールメンテナンス用機械の需要にも追い風   ◎鉱業向けセクター…原材料価格が高騰し、採掘機械にとってポジティブ 一方、ウェルズ・ファーゴは15日付けのリポートで1年~1年半後の目標株価を200ドルから180ドルに引き下げた。「株式市場全体の期待値の低下を受けて目標株価を修正した」という。とはいえ「依然として株価の上昇が見込める」として投資判断は「アウトパフォーム」で据え置いた。 資本政策への期待もある。ロバートWベアードは16日付けのリポートで「自社株買いやM&Aに使える資本が70億ドルある」と指摘。本業の業績以外にも株価押し上げの「ドライバー」が存在することも株価の下支え要因として働きやすい。 市場では好業績が見込まれ、現状の株価は割安との見方が大勢を占める。足元では原油価格のほか非鉄金属の市況も良好。世界経済の先行きに対する安心感が強まるようだと、設備投資への意欲も高まる公算が大きい。 投資家が求めるようなバラ色シナリオを経営陣が示すのか――。今回のキャタピラーの決算はミクロ、マクロの両面で関心を集めそうだ。(伊藤央峻) キャタピラーの株価とEPSの推移 (注)QUICK FactSet Workstationの「サプライズ履歴」を引用。グレーの折れ線は株価、水色の棒グラフはEPS予想の上限、青色は下限、緑色の●はEPS実績値をそれぞれ示す ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

みんな知りたい「ユーチューブの値段」 グーグルの時価総額、アップル以上? 【米決算プレビュー】

グーグルを傘下に持つアルファベットが米東部時間23日午後4時過ぎ(日本時間24日午前6時過ぎ)に2018年1~3月期決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると18日時点の市場の予想EPS(1株利益)は9.30ドル。売上高は前年同期比23%増の303億ドルを上回ると予想されている。 【アルファベットの2018年1~3月期決算に対する市場予想】 ・売上高      :303億1700万ドル(23%増) ・広告売上高    :257億5200万ドル(20%増) ・EPS(GAAPベース)  :9.30ドル  (注)QUICK FactSet Workstationより作成 業績は全般的に順調な拡大基調を維持するとの見方が米市場の大勢を占めている。増収率も20%を上回るペースを維持する見込みだ。ただ「市場は既に売上高の大きな増大余地は想定していない。むしろコストが予想を上回って膨らみ失望を与えるリスクもある」(ゴールドマン・サックス)との指摘があった。売上高営業利益率の市場予想は25%。前期の24%から小幅に高まるが、読み通りの結果になるかどうか見極めが必要だ。 (注)QUICK FactSet Workstationより作成 アルファベットの本当の企業価値はどのくらいなのか――。最近、アナリストの間で徐々に盛り上がりを見せる古くて新しいテーマがある。特にモルガン・スタンレーが先行しているようだ。2月上旬に発行したレポートで、アルファベットが抱える事業を分解し「値付け」を試みている。 デスクトップのネット検索事業を約2200億ドル、モバイルだと約1900億ドルと推計。カギを握るのが動画サービスのYou Tube(ユーチューブ)だそうだ。モルガンのアナリストは同事業の価値を約1600億ドルとした。これは動画サービスを手掛けるネットフリックスの時価総額(約1450億ドル)を上回る。 そこでモルガンのアナリストが提唱するのがユーチューブ事業に関する一段の情報開示だ。競合他社などを考慮した試算値には10%の割引率を適用しているようだ。裏を返すと、現在のアルファベット株は正確にユーチューブの事業価値を織り込んでいない可能性があるという見立てだ。 過去にも情報開示を積極化させ市場が値付けする価値を引き上げた例は多い。近年ではアマゾン・ドット・コム。クラウド事業の「アマゾン・ウェブ・サービス」を明確にセグメントとして別建てにして業績開示を開始。 時流に乗ったこともあり事業の右肩上がりの成長が鮮明となった。単なるネット小売りにクラウド事業の成長期待というプレミアムが乗りやすくなった。アマゾンの時価総額はその後も急速に拡大していった。 もしアルファベットがユーチューブ事業の情報開示に踏み切るのであれば、モルガンはネット検索なども合わせた合計の事業価値が1兆ドルに達する可能性すら視野に入れる。これは米市場で最も時価総額の大きいアップル(約9000億ドル)をも上回ることになる。 アルファベットの株価は今年に入り1000~1200ドルのレンジを乱高下する展開を続けている。米市場全体でボラティリティが上昇したあおりを受けた面が大きく、投資家からすると物足りなさがあるのかもしれない。その乾坤一擲の打開策としてユーチューブの真の価値をさらけ出してみては――。市場の貪欲な要求に聞こえる反面、まだ「隠し玉」を持っているあたりにアルファベットという企業の底の深さを垣間見る気がした。(岩切清司) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

米企業の決算が本格化、16日はネットフリックスなど 主要銘柄は米決算プレビューで確認

米主要企業の2018年1~3月期決算発表が金融セクターを皮切りに本格化した。QUICK FactSet Workstationの予想によると、主要500社の18年1~3月期の純利益は前年同期比18%程度の増益と引き続き好調なようだ。好業績が期待される銘柄には先回り買いが入りやすいため、QUICKでは主力銘柄を対象に決算の発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信する予定だ。 今週(16~20日)は16日(日本時間17日朝7時)に動画配信大手ネットフリックスが決算を発表しFANGプラス※の先陣を切る。好業績期待を受けて、同社の株価は足元で5日連続で上昇した。ゴールドマン・サックスが10日付のリポートで目標株価を315ドルから360ドルに引き上げるなど、ネットフリックスに対する強気見通しが増えていることが好感された。 【16~20日の米主要企業の決算発表スケジュール】 【ネットフリックスの株価推移】 4月下旬からはIT大手の決算発表が相次ぐ。個人情報流出問題に揺れるフェイスブックや主力セダンをリコール(回収・無償修理)したテスラ、米郵政公社を不当に安い料金で利用しているとトランプ大統領に「口撃」されているアマゾン・ドット・コムなどに市場の関心が集まりそうだ。法人減税の影響にも注視したい。 QUICKではFANGプラスの銘柄を中心に業績予想やポイントをまとめた「米決算プレビュー」のニュースを配信する。原則、決算発表日(現地時間)の2営業日前にQUICKのオプションサービスである「QUICKエクイティコメント」に配信する予定。 【FANGプラス(青)とダウ工業株30種平均(赤)の株価推移】 ※FANGプラスとは 米国のフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルの親会社にあたるアルファベット、アップル、エヌビディア、テスラ、ツイッター、中国ネット通販のアリババ集団、中国検索エンジンのバイドゥをまとめて示す呼称。 <米決算プレビュー対象銘柄> 発表日(現地時間) 銘柄名 ▼4月 23日 アルファベットC(グーグル) 24日 キャタピラー    25日 フェイスブック 26日 マイクロソフト   ▼5月 1日 アップル 2日 スクエア 8日 ディズニー ▼未定(4月16日時点) アマゾン 、アリババ、AMD、エヌビディア 、テスラ   

【決算スコア】ファストリ、通期見通し上方修正だが「ネガティブ」評価

ファーストリテイリング(9983)は12日の取引終了後に、2018年8月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比9%増の1300億円になりそうだと発表した。従来予想の1200億円から上方修正した。ただ、会社側の見通しはアナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(12社)の1399億円をおよそ7.1%下回る水準だ。 売上高に相当する売上収益は18年8月期に13%増の2兆1100億円を計画。QUICKコンセンサスを1.7%上回る。営業利益は28%増の2250億円に上方修正した。 13日の株式市場で、ファーストリテイリング株はどんな反応をみせるのか。決算や業績予想の修正が株価にどのくらいのインパクトを与えるのかを統計的に数値化したQUICK「決算スコア」によると、今回の結果はマイナス0.17とややネガティブな評価となった。過去のパターンを総合すると、発表翌営業日の13日にファーストリテイリング株は0.17%下落する可能性が高いことを示唆している。

マクドナルド(2702)、前期は最高益 好調な本業に特別利益効果も

日本マクドナルドホールディングス(2702)が13日の取引時間終了後に発表した2017年12月期の連結決算は、純利益が前の期比4.5倍の240億円だった。鶏肉の期限切れ問題を巡る業務協定合意金など特別利益の押し上げ効果もあり、2000年12月期の168億円を大幅に上回って17期ぶりに過去最高益を更新した。 合計店舗数はわずかに減ったが、高単価の新商品などの販売が伸び、売上高は12%増加の2536億円だった。 併せて発表した18年12月期の業績予想は、前期に計上した特別利益の効果がはがれて純利益は前期比19%減の195億円。売上高は6%増の2690億円を見込む。 決算や業績予想修正による株価インパクトを統計的に数値化したQUICKの「決算スコア」は、今回の結果をプラス0.58とややポジティブに評価した。    

オリンパス(7733)、18年3月期の純利益630億円に上方修正 決算スコアはプラス0.71

オリンパス(7733)は9日の取引時間終了後、2017年4~12月期の連結決算(国際会計基準)を発表し、純利益が前年同期比22%増の480億円だったと発表した。売上高は8%増の5720億円だった。医療事業など主要3事業が増収となったうえ、科学事業や映像事業が増益となった。外国為替相場が対米ドル、対ユーロともに想定より円安で推移したことも収益を押し上げた。 併せて発表した18年3月期の業績予想では連結純利益を従来予想の600億円から630億円(前期比47%増)に上方修正した。 決算や業績予想修正による株価インパクトを統計的に数値化したQUICKの「決算スコア」は今回の決算をプラス0.71とポジティブに評価した。 QUICK端末のナレッジ特設サイトで利用できる「決算スコア」は、決算や業績予想修正の発表が株価に与える影響を過去データから統計的に解析・評価し、株価の変化率を推測する参考指標だ。例えば、ある決算発表に対してスコアがプラス1.00であれば、過去データに基づいて「この決算内容であれば、平均的に株価は1%上昇する」と評価したことを意味する。 【オリンパスの決算スコア】  

NTT(9432)、4~12月期の連結純利益10%増 決算スコアはプラス1.03

NTT(9432)は9日の取引時間終了後、2017年4~12月期の連結決算(米国会計基準)を発表し、純利益が前年同期比10%増の7365億円だったと発表した。売上高に当たる営業収益は4%増の8兆7220億円だった。長距離・国際通信や、データ通信事業が増収増益だった。インド最大財閥タタ・グループとの提携解消を巡り、NTTドコモ(9437)が得た損害賠償金も収益に寄与したようだ。 18年3月期の業績見通しは売上高が前期比3%増の11兆7500億円、純利益は10%増の8800億円の見通し。 決算や業績予想修正による株価インパクトを統計的に数値化したQUICKの「決算スコア」は今回の決算をプラス1.03とポジティブに評価した。 QUICK端末のナレッジ特設サイトで利用できる「決算スコア」は、決算や業績予想修正の発表が株価に与える影響を過去データから統計的に解析・評価し、株価の変化率を推測する参考指標だ。例えば、ある決算発表に対してスコアがプラス1.00であれば、過去データに基づいて「この決算内容であれば、平均的に株価は1%上昇する」と評価したことを意味する。 【NTTの決算スコア】    

パイオニア(6773)、今期一転赤字 決算スコアは大幅なマイナスに

パイオニア(6773)は9日の取引時間終了後、2018年3月期の連結最終損益が30億円の赤字(前期は50億円の赤字)になりそうだと発表した。為替差損などが重荷になり、従来予想の35億円の黒字から一転して赤字に沈む。主力のカーエレクトロニクス製品の販売が伸び悩み、営業利益は従来予想の半分の50億円(前期比20%増)に引き下げた。売上高は3700億円(前期比4%減)と従来予想から100億円の下方修正となった。 併せて発表した2017年4~12月期決算は、連結最終損益が55億円の赤字(前年同期は30億円の赤字)、売上高が前年同期比6%減の2708億円だった。 決算や業績予想修正による株価インパクトを統計的に数値化したQUICKの「決算スコア」は、17年4~12月期決算についてマイナス4.72、業績予想の引き下げについてもマイナス2.12とネガティブに評価した。   QUICK端末のナレッジ特設サイトで利用できる「決算スコア」は、決算や業績予想修正の発表が株価に与える影響を過去データから統計的に解析・評価し、株価の変化率を推測する参考指標だ。例えば、ある決算発表に対してスコアがプラス1.00であれば、過去データに基づいて「この決算内容であれば、平均的に株価は1%上昇する」と評価したことを意味する。 パイオニア株は9日夕の私設取引で急落している。SBIジャパンネクスト証券が運営する私設取引システム(PTS)で、15時半前には同日の東証終値を37円(17%)下回る183円を付けた。

あの企業の業績修正確率は? 進捗率や過去データから試算 【ナレッジサイト】

日米株が乱高下するなか、国内上場企業の2017年4~12月期の決算発表が続いている。国内外の景気拡大や円安を背景に通期予想を上方修正する企業も少なくない。それでもなお通期計画に対する業績の進捗率が高い企業が多く、一段の業績上振れが期待されるところだ。2月以降の米国発の世界同時株安をきっかけに、日本株でも銘柄を問わず全体的に買われる従来の相場が転換点を迎えたとの見方もあり、個別企業の業績にこれまで以上に関心が集まりやすい地合いになりつつある。 QUICK端末のナレッジ特設サイト「業績修正確率&着地予想」では、足元の収益の進捗率や過去の傾向を加味しながら、売上高や利益の今後の業績修正確率をはじいている。 上方修正と下方修正の確率を高い順、低い順にそれぞれ並べ替えられるほか、同時に過去の統計データを基にした解析エンジンで試算した業績の着地予想も記載しているため、会社予想と比べた乖離(かいり)具合も一覧できる。 「通期予想」の項目の「修正」欄では、直近の決算と同時に企業が業績予想を修正したかどうかを確認できる。「絞り込み」欄で、修正した企業や据え置いた企業だけを表示することも可能だ。 2月8日に決算発表した銘柄で営業利益の上方修正確率が高いものから順に並べ替えると、上位には奥村組(1833)、高砂熱学工業(1969)、日本坩堝(5355)などが顔を出した。3社を含むランキング上位銘柄は、今回の決算でも営業利益予想を引き上げており、かなり勢いをつけているように映る。 もっとも日本坩堝やインフォテリア(3853)のように売上高や利益の水準が低い企業については、変化率が大きい分、業績修正確率が一見高めに出てしまう点は注意が必要だ。そうしたリスクを避けるために、ある程度の企業規模を求める場合には「採用指数」欄で日経平均やTOPIX500など対象を絞り込める。 また銘柄名の横にある「チャート」をクリックすると、業績予想履歴と株価のチャートが現れる。過去の業績予想の推移を視覚的に確認するのに役立つほか、業績修正の可能性の株価への織り込みが進んでいるかをチェックするのにも便利だ。 【QUICKナレッジコンテンツグループ・内山佑輔】

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