「米中の景気底入れ、年度内」が6割 日欧は後ずれ 外為QUICK月次調査

世界経済の同時減速の懸念がくすぶっている。QUICKと日経ヴェリタスが共同で、日本、米国、欧州、中国の景気底入れの時期を外国為替市場の関係者に聞いたところ、回答者の6割が米中については今年度中(2020年1~3月期まで)の底入れを予想した。同じ時期で日欧は5割強。中央銀行の引き締め修正や政府の景気対策に支えられる米中が先行し、少し遅れて日欧が続く形になる。今年度の最も上昇しそうな通貨にはドルが選ばれた。 ■景気の底入れ時期の見通しはバラついた 国際通貨基金(IMF)は9日発表の世界経済見通しで、米国の2019年の成長率を前回から0.2%、欧州を0.3%、日本をそれぞれ0.1%引き下げた。長引く米中貿易摩擦で世界の貿易が停滞気味なうえ、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱も生産・消費心理の重荷になっている。 こうしたなかで米欧の中銀が金融政策でハト派姿勢を打ち出しており、実体経済の落ち込みをどこまで防げるかが注目される。質問では景気の底入れ時期を19年4~6月期から四半期ごとに聞いた。 米国、中国については約2割が4~6月期と回答し、7~9月期と10~12月期をあわせると5割強が年内の底入れを見込んでいる、という結果になった。20年1~3月期まで伸ばすと、6割強になる。 米国では経済統計の良し悪しにバラツキがあり、貿易摩擦の落ち着きどころも見えないが、連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げとバランスシート縮小を棚上げしたことで金融市場は落ち着きを取り戻しつつある。 中国も政府が減税やインフラ投資など大規模な景気対策を打ち出して、失速を回避するのに躍起だ。「2019年度に最も懸念される地域」を尋ねた別の質問では「中国」の回答が35%で最多だった。過剰債務問題などリスクは山積みだが、政府関与で立ち直りも早めとみているようだ。 3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比で改善。クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は「景気対策の効果が出て、米中摩擦も大方解決に向かう。両方の期待を株価上昇が先取りしている」と指摘する。実際、上海総合指数の年初来の上昇率は30%近い。 米中に比べると欧州と日本の回復ペースはやや鈍そうで、年内の底入れを予想する見方は合計5割以下にとどまる。20年7月以降にずれ込むとみている回答も3人に1人で、米中より多い。 いずれも主要な貿易相手である中国の減速懸念が主な要因になっているほか、日本の場合は10月の消費増税の影響も見逃せない。大盤振る舞いの景気対策が予定されてはいるが、増税直後の10~12月期の底入れ予想は少ない。 ■今年度、最も上昇する通貨は「ドル」「円」が拮抗 こうした見通しを踏まえ、19年度に最も上昇しそうな通貨を聞いたところ、ドル(37%)と円(35%)が拮抗した。「海外の金融政策の見直しで円高方向に動いた場合でも、日本は対応の余地が狭い」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)という。最も下落しそうな通貨に選ばれたのは「ポンド」(37%)だった。 調査は8~10日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者89人が回答した。 (ナレッジ開発本部 伊藤央峻)

市場区分見直し基準は「時価総額に着目」7割 株式関係者、QUICK月次調査

QUICKが8日まとめた4月の株式月次調査によると、東京証券取引所が議論している市場区分の再編について、見直しの基準として「時価総額」「流動性」「銘柄数」に着目すべきとする声が目立った。東証1部への昇格基準が緩い、1部上場でも低収益で時価総額が小さい企業が多い、といった構造的な問題が指摘されている。見直しによって市場が活性化するかとの問いでは、「活性化する」「少し活性化する」(合計47%)と、「あまり変わらない」(46%)がほぼ同数だった。   市場の在り方の見直しが議論される背景には、最上位の市場である1部が圧倒的に銘柄数が多い、いったん1部に昇格してしまうと降格が少ない「1部上場ゴール」の問題などがある。見直しに際しての着目点を3つまで選んでもらったところ、「時価総額」を挙げた回答が73%、「浮動株式数など流動性の基準」が59%に上った。銘柄数を絞り込むことが大事との声も目立つ。 ※市場区分見直しの基準として着目すべきものを3つまで選んでもらった 東証1部全銘柄で構成される東証株価指数(TOPIX)をベンチマークにしているパッシブ運用の投資家は多い。ただ、市場関係者は市場区分の見直しとベンチマークの問題を切り分けて考えているようだ。   TOPIXに代わる新しいベンチマークが必要かとの問いに対して、40%の回答者が「必要ない」と答え、「どちらともいえない」(36%)や「必要」(24%)を上回った。「ベンチマークの変更には大きな負担がかかる」(生保)など、既に普及しきったTOPIXの置き換えは難しいと考える投資家が多い。   調査は4月2~4日に実施し、証券会社および機関投資家の株式担当者139人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

平成最大の衝撃「マイナス金利政策」 債券QUICK月次調査、世代間で違いも

新元号が「令和(れいわ)」に決まり、30年あまり続いた「平成」が間もなく幕を閉じる。振り返ると、1990年代半ばに3~4%だった日本の長期金利は右肩下がりを続け、今ではマイナス圏で推移する。   平成の時代を債券市場関係者はどう総括するのか。QUICKが4月1日にまとめた3月の債券月次調査によると、平成時代、債券市場に影響を与えた出来事として、2016年1月の「マイナス金利政策の導入」との回答が最も多かった。副作用を伴う「劇薬」への印象は強烈だった。   ■「マイナス金利」は全世代1位  ※平成に債券市場に影響を与えた出来事のなかで印象に残っているものを3つまで選んでもらった。   マイナス金利導入で受けた大きな衝撃は、世代を超えた共通体験となっているようだ。これを選んだ回答者の割合は、すべての世代でトップとなった。   またマイナス金利政策にはやや否定的な声が多い。米欧の中銀がハト派姿勢に転換するなか、日銀にとってマイナス金利の深掘りは残された数少ない追加の緩和の手段ともいえる。だが回答者からは「副作用が大きく選択肢にならない」(投信投資顧問)、「『緩和』と呼んではいけないのではないか」(証券会社)などの意見が相次いだ。   「為替相場の水準と市場のセンチメント次第」(証券会社)との見方もある。金融機関の利ざやの縮小など負の側面もあるが、為替が円高に振れれば、評価が割れる金利引き下げを日銀が選択する可能性はある。   ■世代間で差が出た項目も   回答を世代ごとに見ると、印象の残った出来事にはばらつきがある。例えば、1998年12月の「大蔵省資金運用部ショック」は、50代以上の回答者は、マイナス金利に次いで2番目に多い36%が選択した。一方で20代の回答者は選んでおらず、実際に経験した世代とそうでない世代での感覚の違いが浮かび上がった。   月次調査は3月26~28日に実施し、証券会社および機関投資家の債券担当者132人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

「日米通商交渉で円高」6割 トランプ流警戒 米中は進展なく反応薄 QUICK月次調査

ロシア疑惑や「壁」建設を巡る議会との対立、米中摩擦など国内外で難問が山積みの米トランプ政権。外国為替市場はとりわけ日本や中国との通商問題の悪化を懸念している。QUICKと日経ヴェリタスの共同調査によると、4月以降に開催される見通しの日米物品貿易協定(TAG)交渉が円高要因になるとする回答者が6割超に上った。 国内政治の混乱が続いたり景気減速が表面化したりした場合、トランプ政権は支持率の維持のため外交や通商面で目に見える成果を求めるとみられる。 日米交渉に先駆けて行ってきた米中交渉は、交渉期限が延期されたうえに首脳会談の予定も決まっておらず、合意への道筋は見えない。月次調査で米中首脳会談の見通しと円相場への影響を聞いたところ、最も多い回答は「大きな進展がなく、円相場も反応薄」(43%)だった。 「追加関税の取り下げなど何らかの進展があっても、市場は織り込み済み」(27%)などを合わせ、円相場への影響は軽微との見方が7割に上る。金融助言会社MCPの嶋津洋樹チーフストラテジストは「大きな決裂が避けられれば市場全体がリスクオンになりやすい」と話す。 これに対し日米交渉の行方は円相場の動向に直結しそうだ。米中交渉で具体的な進展がみられなければ、トランプ政権はその後の日米交渉で一段と圧力を強めることが予想される。調査では「自動車などの輸出規制が強化されて円高になる」(25%)と、交渉の過程で「米側が円安是正を求めてきて円高になる」(24%)との予想が目立つ。 トランプ政権はかねて日本の対米貿易黒字や円安を問題視している。米商務省が自動車の輸入制限に関する報告書を2月に提出し、トランプ大統領は5月中に関税発動の是非などを判断する見通しだ。 教科書的には、日本からの輸出の抑制は貿易収支の悪化につながり、円安方向に作用する。だが市場は、自動車輸出の減少で企業収益が悪化→輸出企業などの株価下落でリスクオフ→円高という波及経路をイメージしている。過去の日米通商交渉の局面でも円高・ドル安の傾向がみられたうえ、米が金融引き締めを小休止した今年はもともとドル安・円高に向かいやすい。 「通貨安誘導を防ぐ為替条項が盛り込まれて円高要因」(15%)の予想もあわせると、日米交渉を機に円高圧力が高まるとみる人は64%に達する。みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、2円程度の円高要因になると指摘する。 「米国からの農産物、防衛装備品、エネルギーなどの輸入拡大で着地し、円相場への影響は限定的」や「影響なし」と回答した人は少数派だ。 こうしたトランプ政権の貿易交渉などを踏まえた2019年(1月~)の円の対ドル相場の予想を改めて聞いた。高値の平均は1ドル=102円93銭、安値の平均は114円83銭だった。 月次調査は11~13日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者91人が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

2019年度見通し、株式「強気」が激減 QUICK月次調査

2019年度は株式投資への「強気」な見方が減り、債券「強気」派が急増ーー。QUICKが11日まとめた月次調査<株式>によると、国内株式の強弱指数(「強気」と答えた比率から「弱気」と答えた比率を差し引いた値)はプラス12と、18年度のプラス41から29ポイント低下した。米国株式はプラス10と21ポイント低下し、欧州株式はマイナス38と弱気に転じた。米中の貿易戦争による世界経済の減速が投資家心理の重荷になっている。 ■強弱指数(「強気」―「弱気」) ※2018年度は2018年4月調査より 調査期間は5~7日。証券会社や機関投資家の株式担当者に「国内株式」「米国株式」「欧州株式」「新興国株式」「国内債券」「米国債券」「欧州債券」「国内外REIT」「コモディティー」の9つのアセットクラスについて、19年度の見通しを「強気」「中立」「弱気」で聞いた。137人が回答した。 国内株式は強気の割合が18年度の54%から30%へ大幅に低下し、中立の見方が過半数を占めた。世界景気の拡大と企業業績の伸びが期待されていた18年度から一転、19年度は景気減速の懸念が広がるとともに、企業業績の下方修正が相次ぎ、先行きに慎重な見方が増えた。 一方、債券に対しては楽観的な見方が増えた。強弱指数をみると、19年度は国内債券がプラス1、米国債券がプラス9、欧州債券がプラス2と、いずれも強気が弱気を上回った。18年度は米国と欧州の債券に対する弱気派が4割を超えていたが、19年度は大幅に減少している。利上げなど金融引き締めのムード強かった18年度とは打って変わり、19年度は米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が引き締めから距離を置く「ハト」色が濃くなっており、債券投資にはプラスだ。 国内外REITは強気派の比率が20ポイント増加し、コモディティーは中立が8割を占めている。 (QUICKナレッジ開発本部 篠原直樹) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

米欧の中銀「ハト派」化、織り込み一段と 債券QUICK月次調査

債券市場で、2019年の米欧の金融政策はハト派色が強まるとの見方が目立ってきた。QUICKが4日にまとめた2月の月次調査では、米連邦準理事会(FRB)は保有資産の縮小をいったん停止し、政策金利の引き上げもゼロないし1回と予想する声が多かった。   「FRBの保有資産の縮小ペースをどう予想するか」との問いに対し、縮小を停止するとの回答が56%を占めた。19年中のFRBの政策金利(FF金利)の引き上げ回数は0~1回の合計で9割を超す。欧州中央銀行(ECB)の19年中の金融政策に関する質問でも緩和的な政策が多く選ばれた。 実際、FRBのパウエル議長は、米国債などの保有資産縮小を年内に終了することを検討していると議会で証言。ECBの長期資金供給オペ(TLTRO)の再実施の観測も浮上している。当事者からハト派的なメッセージが相次いで出されていることもあって、約2週間前に外為市場関係者を対象に実施した月次調査と比べても、緩和的な政策の織り込み度合いがより強まっている。 今後の長期金利上昇の余地は限定されると見る向きが多い。足元では世界的な投資家心理の改善をうけ金利は小幅に上昇しているものの、「政策的な金利上昇要因がない。海外金利の動向が日本の金利の上値も抑える」(BNPパリバ証券の徳勝礼子氏)という。 今回は同時に、英国の欧州連合(EU)離脱による英経済への影響についても聞いた。「小幅に減速する」が60%と最も多く、ついで「大幅に減速する」が29%だった。「(英経済の)ハードデータとして現れるのは20年以降」(証券会社)などの声があった。 2月の債券月次調査は2月26~28日に実施し、証券会社および機関投資家の債券担当者136人が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻)

年末「ドル>円>ユーロ」の構図 米の金融正常化一服、日欧は動けず QUICK月次調査

金融市場が落ち着かず世界経済の減速懸念も浮上する中で、2019年の日米欧の中央銀行のかじ取りに注目が集まっている。QUICKと日経ヴェリタスが外国為替市場の関係者に調査したところ、米国の金融引き締めは小休止し、欧州と日本も大きく動けないと予想する回答が多かった。全般に景気配慮型の金融政策を前提に年末は「ドル>円>ユーロ」の強弱関係になるとの見方が目立つ。 1月は米連邦準備理事会(FRB)が利上げの一時休止を示唆し、引き締め路線を修正。欧州中央銀行(ECB)は政策金利を19年夏まで現状水準で据え置くことを確認し、日銀も金融緩和策の維持を決めた。 年内はこの流れが続くというのが市場のコンセンサスになっているようだ。米国の利上げ回数予想については「1回」が46%で最も多く、ゼロが32%で続く。利上げする場合でも1~3月の予想はなく、4~6月(46%)や7~9月(42%)と年央以降との予測が多い。 ECBは「夏まで金利水準を維持」としており、理屈上は最速で今秋の利上げがあり得るが、市場には「年内は据え置き」(78%)との見方が広がっている。日銀についても「現状維持」の予想が68%と断トツ。日欧とも金融政策を大きく動かしにくい状況にある。 こうした各中銀の動向などを踏まえ、年末のドル、円、ユーロの3通貨の強弱関係を予想してもらった。最も多い回答が「ドル>円>ユーロ」の33%で、「ドル>ユーロ>円」(10%)を合わせたドル高派は43%にのぼった。「成長率、金利水準からみてドル1強がつづく」(証券会社)など、堅調な米国景気を背景に緩やかなドル高が続くとの見方は根強い。 「円>ドル>ユーロ」(26%)と「円>ユーロ>ドル」(14%)の円高派も40%だった。 FRBの路線修正で米金利の上昇余地が乏しくなり、一本調子のドル高は想定しにくくなった。加えて政治が安定しない欧州のユーロは買えないとなれば「消去法で円になる」(事業会社)。日本固有の買い材料は限られるが、米国の政治・経済状況しだいで相対的に円が強くなりやすいとの読みだ。昨年12月の月次調査でも、今年の最強通貨としてドルと円をあげる回答が30%強で拮抗しており、今回の結果と合致する。 ユーロについては、英国の欧州連合(EU)離脱や域内経済見通しの下方修正などで総じて弱気。ただ「欧州景気は底割れせずに持ちこたえ、ユーロが年後半にかけて相対的に強含む」(三井住友信託銀行の瀬良礼子氏)との見方もある。 月次調査は2月12~13日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者など81名が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

東証1部「基準緩い」の指摘目立つ 市場見直しでQUICK月次調査

東京証券取引所は主要企業で構成する東証1部のありかたを見直す。1部で2100社超ある上場数を絞り込むと同時に、2部、ジャスダック、マザーズの各市場区分の位置づけも整理するとみられる。QUICKがこの問題について市場関係者に調査したところ、上場企業(市場)の新陳代謝の悪さが改めて指摘された。 東証1部の課題について、「廃止基準がゆるく、市場からの退出が進まない」(37%)、「東証1部市場への上場基準がゆるく、銘柄数が増えすぎている」(32%)との回答が目立った。「流動性が乏しい銘柄が多すぎる」(22%)との回答も多く挙がった。 東証は1部上場の新基準として時価総額が500億円以上を条件とする方向で検討しているもよう。現在は、直接上場またはジャスダックから上場する際の基準は時価総額250億円だ。 調査では、「時価総額だけでなく、営業利益率などの基準も加えて、ただの大型株指数にならないよう配慮するとよい」(投信投資顧問)と、優良銘柄を選定する新たな基準を求める声もある。 低収益が長く続いたり、不祥事にまみれる企業が増えたりして、日本を代表する会社という「金看板」の輝きは昔ほどではなくなっている面もある。国内外から幅広く投資マネーを呼び込むための魅力的な市場づくりは待ったなしだ。 調査期間は5~7日。証券会社および機関投資家の株式担当者149人が回答した。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

物価2%上昇を達成できぬワケ 債券市場の見立ては…… QUICK月次調査

日銀は1月に2019年度以降の物価見通しを引き下げ、目指している「物価上昇率2%」への道のりはさらに見えなくなってきた。QUICKが4日にまとめた1月の月次調査<債券>で物価目標を達成できない理由を聞いたところ、根強いデフレ心理や低賃金など構造問題に票が集まった。債券市場と、原油価格の下落の影響などを理由に挙げる日銀との認識の違いが目立つ。 日銀は今回発表の展望リポートで、生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の上昇率予測について、19年度を0.5ポイント引き下げ0.9%に、20年度を0.1ポイント引き下げ1.4%(いずれも消費増税、教育無償化の影響を除く)とした。調査はその翌週に実施し、証券会社および機関投資家の債券担当者134人が回答した。 物価上昇率2%が達成できない主な理由を3つ選んでもらい、最も多いのは「根強いデフレ心理・構造」(71%)との回答だった。「賃金の伸び悩み」(59%)、そもそも「(2%という)目標が高すぎる」(53%)と続く。さらに「人口動態」を挙げる回答も35%あり、様々な構造要因からデフレがあまり払拭されていない印象を持っているようだ。 日銀は今回の見通し引き下げについて「原油価格の下落を主因として」と説明しているが、調査ではその要因を選んだ回答は23%にとどまった。 アベノミクスを掲げる政府と日銀が共同声明(アコード)で、物価目標2%の早期達成などを約束したのはちょうど6年前。政府は今では、2%へのこだわりを見せなくなった。調査に回答したJPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは、「賃金面への波及なども含めて、マイルドなインフレが社会全体にとって望ましいというコンセンサスがない」としたうえで、財政政策、構造改革の取り組みの必要性を指摘している。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

外為市場、ドル先安観が強まる QUICK調査、今後6ヵ月「下落」>「上昇」

外国為替市場関係者の間で、ドルの円に対する先安観が強まっている。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した月次調査によると、向こう6ヵ月でドルが対円で下落するとみている人の割合は38%にのぼり、上昇するとみている人の割合(26%)を初めて上回った。景気減速懸念や米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測の後退、政府機関の一部閉鎖など政治の先行き不透明感を映した結果とみられる。 昨年12月の調査では、ドルが対円で上昇とみる回答は46%、下落は31%だった。年初に「アップルショック」などで一時、1ドル=108円台から104円台に急騰しており、こうした相場波乱をみて短期間で市場参加者のセンチメントが一変した格好だ。上昇予想の割合から下落予想の割合を差し引いたDIはプラス15からマイナス12へと大きく悪化。ドルのDIがマイナスに転じるのは調査が始まって以来初めてだ。 ■半年先に米ドルは下落するとの見方が優勢(上昇と答えた割合から下落と答えた割合を引いた値) 市場参加者がドル安予想に傾いた背景には、米国の金融政策に対する見方が逆回転したことがある。これまでの月次調査では、金融緩和を手仕舞いして利上げに向かった米国の金利と金融政策はドル高をもらたらす要因だとみる向きが多かった。 しかし、利上げ観測が後退して利下げの可能性も取りざたされる中で行われた今回の調査では、今度は金利・金融政策はドル安の要因としてみられるようになった。調査を基に算出している為替変動要因指数で、金利・金融政策が「ドル安」方向に振れたのは6年ぶりとなる。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

外為市場はBrexit期限の延期を予想 「合意なし」なら円高・株安 QUICK月次調査

英国の欧州連合(EU)離脱が一段と混迷を深めている。外国為替市場では、予定されている離脱期限の3月29日までに手続きが進まず、経済に深刻な影響が出る「合意なし離脱」をひとまず回避するために英政府が離脱期限の延期を求める、との見方が多い。回避できなければ市場のリスクオフムードが強まり、急激な円高やポンド売り、世界的な株安も懸念される。 QUICKと日経ヴェリタスが共同で15~16日に調査を実施し、金融機関や事業会社の外為担当者88人が回答した。ちょうど英議会が政府のEU離脱協定案を大差で否決した節目の局面にあたる。 翌日の内閣不信任案の否決で一息ついたメイ英首相は、21日までに代替案を示す。しかし国民投票の再実施を主張する意見もあるなど、議会の合意を取り付けるのは至難の業。EUとの再協議にこぎ着けたとしても代替案が認められるとは限らず、当初の離脱期限までに事態を決着させるのは極めて難しい状態だ。 調査でも、何とか対応策を探るため「離脱期限の延期」にすがるとみる回答が50%と最も多くなった。次に多いのが、最後まで議論がまとまらず「合意なし離脱」に至るという最悪のシナリオの予想(22%)だ。 15日の離脱協定案否決はある程度、予想されていたため金融市場の波乱はほとんどなかったが、仮に「合意なし」が現実になればリスクオフムードの高まりは避けられない。 ポンドは現在1ポンド=1.28ドル前後。16年6月にEU離脱を決めた後、その年の10月に安値の1.15ドル台をつけた。「合意なし」になってしまった場合、再びポンド売りが膨らむのは必至で「その安値近辺まで下落する」(47%)、「その安値をさらに下回る」(36%)との見立てが多い。 ポンド売りの一方で、最も買われる通貨はどこかを聞いた設問では、日本円を挙げた回答者の割合が61%と断トツだった。 マネースクエアの西田明弘チーフエコノミストは「リスクオフが強まり、安全資産の円が独歩高になる可能性もある。EU離脱決定直後のように1ドル=100円を超える場面もあるかもしれない」と話す。 「ブレグジット・ショック」に見舞われた当時の外為市場では、それまで対ドルで104円前後だった円が一気に99円台に上昇。パニック的な円買いが見られ、対ポンドでも157円台から133円台へと急騰した。 「合意なし離脱は現段階であまり織り込まれていないうえ、米中対立の激化といったリスクイベントに比べて影響は限定的」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミスト)との冷静な見方もある。 調査で、世界の株価への影響度合いを聞いたところ、「5%未満の下落」が42%、「5~10%の下落」が25%、「10%を超える下落」が5%だった。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

高値2万3160円で去年を超えられぬ?日経平均 専門家155人が月次調査で予想、リスクは米中

2019年の日経平均株価は、米中の摩擦などが引き続き重荷になり、18年の水準を下回るレンジで推移する--。QUICK月次調査がまとめた市場参加者155人の予想は、年間高値の平均が2万3160円、安値の平均が1万8742円。18年の高値(2万4270円、10月)と安値(1万9155円、12月)にいずれも届かないという弱めの集計結果になった。 調査期間は1月8~10日。重要なリスク要因を3つまで挙げてもらったところ、多い順に「米国の政治・経済の混乱」「中国経済・金融の混乱」「米中貿易摩擦」となった。市場関係者の懸念は米中摩擦をめぐる両国の政治的・経済的な混乱に集中している。 東洋証券の檜和田浩昭投資調査部部長の予想は高値2万4000円、安値1万8500円で全体の最頻値に近い。「足元の米マクロ統計の強弱がリスク要因となりそう。中国も景気の減速懸念が指摘されているが、何かが悪いとなれば政府が前倒しで政策を発動し、景気の底割れを回避するだろう」とみている。 最高値の予想で最も強気なのは3万円、最安値の予想で最も弱気なのは1万2000円だった。 実際、景気や企業業績への期待はしぼみ始めている。今後6カ月の最も注目すべき株価変動要因を聞く設問では回答者の47%が「景気・企業業績」と答えた。株価へのプラスマイナスの影響度合いを示す変動要因指数(0に近づくほど株安懸念が強く、50が中立、100に近づくほど株高期待が高い)でみると、48.9と16年6月以来の低水準となった。昨年の秋に指数は70に近づいていたが、短期間で相場の雰囲気が悪くなっている。 QUICKは12月の債券担当者への月次調査でも今年の相場見通しを尋ねている。そちらの予想は、高値予想が2万2827円、安値が1万8229円と、今回の株式調査とだいたい同じだった。一方で債券担当者は債券市場のリスク要因として、「米国の政治・経済の混乱」に次いで「日本の金融政策の変更」「米国の金融政策の変更」を挙げており、中央銀行の動きに一段と敏感になっている様子がうかがえる。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

長期金利は年末にかけ上昇へ 19年相場、債券のプロが読む QUICK月次調査

QUICKは7日、2018年12月のQUICK月次調査<債券>の結果を発表した。特別質問では19年の相場見通しについて質問し、証券会社および機関投資家の債券担当者128人が回答した。調査期間は12月25~27日。19年末にかけて日本の長期金利は上昇が見込まれるが、引き続き水準は低いとの予想が多い。目先の債券相場では海外金利の動向が注目されそうだ。 長期金利の指標となる10年国債利回りは昨年10月に0.155%と最も高い水準をつけたが、足もとはマイナス0.020%程度で推移。年始の波乱相場で4日に一時、マイナス0.050%まで低下するなど、市場参加者の想定を超える勢いで金利低下が進んでいる。回答者からは「日米の景気動向や企業収益の見通しをふまえると、明らかに行き過ぎた動き」(その他金融機関)と反発を予想する声がある。 10年金利が最も高くなる時期については12月の予想が46人、最も低くなる時期は1月が27人でそれぞれ最も多い。20年国債の利回りについても同様に、1月に低く12月に高いとの見立てが目立つ。 米国の10年物国債利回りは、予想最高値の平均が3.183%、予想最低値の平均が2.581%となった。昨年は米国経済の好調などを背景に断続的に3%台で推移(1年前の調査で18年予想は最高が2.786%)したが、最近は米中貿易摩擦に端を発する景気減速が懸念されるなど情勢は様変わり。米10年金利はいま2.6%台だ。 債券担当者の間では、価格変動要因として、米金利をはじめとする海外の金利動向に注目ポイントが移っている。米連邦準備理事会(FRB)の政策金利変更の回数を聞くと、「利上げ2回」との回答が51%と最も多く、次いで「1回」が38%、「なし」が10%だった。利下げについては、回答者の95%が「なし」と予想した。(QUICKナレッジ開発本部)

来年、最も強いのはドルか円か 米利上げ「1~2回」で見方分かれる 月次調査<外為>

「ドル一強」から2019年は「ドル高・円高」へ――。QUICKと日経ヴェリタスが共同実施した外国為替市場関係者への調査で、来年の最も強い(上昇が見込まれる)通貨に米ドルと円を挙げる見方がそれぞれ30%台と多くなった。ドルは米国経済の底堅さへの期待から買われ、円の場合は米国や世界景気の減速などリスクオフで買われるという理由が目立つ。 ドルは今年、複数通貨に対する名目実効レートが33年ぶりの高水準を記録するなど、独り勝ちの状況だ。雇用統計をはじめ、好調な経済指標をうけて米連邦準備理事会(FRB)は3回の利上げを実施。世界の投資マネーが米国に流れ込み、そのあおりでトルコやアルゼンチンなど新興国の通貨が急落する局面もあった。 調査では19年も引き続きドル=最強を予想する回答が32%にのぼったほか、円を選んだ人の割合も36%と拮抗している。これは、為替相場への影響が極めて大きい米国の金融政策についてのとらえ方の違いによるものだ。 今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では今年4回目の利上げが確実視されるが、問題は来年の回数。調査では「2回」の予想が47%、「1回」が41%と、見方が分かれた。これまで3~4回の強気な予想も多かったが、パウエル議長のハト派的発言などもあって足元では雰囲気が変わってきた。 「ペースが鈍ったとしても利上げする国の通貨は強いし、米経済は世界の中で相対的に堅調」(証券会社)とみればドル高のシナリオ。逆に、「利上げ打ち止め、景気減速に伴うリスク回避」(投信投資顧問)と見れば、ドルが売られて円が買われやすくなる。 住友商事グローバルリサーチの鈴木将之シニアエコノミストは「米経済が弱くなり、景気が鈍化あるいは減速に向かっていけば、円高傾向が強まると考えている」と話す。 では19年末の円の対ドル相場をどう読むか。調査では「1ドル=110~115円」の予想が34%、「105~110円」が31%となった。 今年の円の対ドルの高値は104円半ば、安値が114円半ばで、約10円の値幅は歴史的にみても狭い。「ドル・円相場は2年続けて狭いレンジに留まっており、動く力が蓄積されている可能性がある」(MU投資顧問の菊池宏債券運用部チーフストラテジスト)との声がある。来年は相場のボラティリティー(変動率)にも関心が集まりそうだ。 調査で最も弱い(下落が見込まれる)通貨に挙げられたのは英ポンド(50%)だった。現在は1ポンド=1.26ドル台と年前半の1.43ドル台から切り下がっている。欧州連合(EU)離脱協議の難航や政局混乱でポンド売りの展開はまだしばらく続くとの見方が多い。 月次調査は10~12日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者78人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

株式市場、下期業績に慎重な見方 QUICK月次調査で「下方修正が増加」36%

株式市場関係者の間で、企業業績の先行きに弱気・慎重な見方が増えてきた。QUICK月次調査によると、2018年度下期の業績について「下方修正する企業が増える」との回答が36%、「多くの企業が小幅な業績修正」が46%だった。 「米中貿易協議で安心材料が出てこない限り、日本株は上昇のきっかけをつかみにくい状況が続きそう」(投信投資顧問)など、先行きが見えない貿易戦争を心配する声が多い。 7~9月期決算では、アナリストの事前予想を下回った企業が多かった。その理由は「中国経済の減速」(28%)、「原材料費や人件費などコスト上昇」(23%)が目立った。これを受けて、発表後に下期や通期の見通しを下方修正するアナリストが相次いだ。 調査期間は12月4~6日。証券会社および機関投資家の株式担当者140人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

米は利上げ2回、欧州の利上げは秋以降、そして日銀は 11月のQUICK債券月次調査

2018年も残すところあと1カ月。市場動向を左右する日米欧の金融政策を債券市場関係者はどう見ているのか。QUICKは3日に発表した「QUICK月次調査<債券>」で、19年以降の日米欧の金融政策の見通しを聞いた。 まずは19年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ回数と実施時期。回数は「2回」との回答が58%と最も多く、次いで「3回」が19%、「1回」が17%と続いた。実施時期で最も多かった回答は、「3月19~20日」(80%)で、次に「6月18~19日」(62%)、「9月17~18日」(34%)と続いた。 米景気への見方は分かれている。「グローバルに景気減速に向かう」(投信投資顧問)との見方がある一方、「雇用、賃金、消費が底堅く19年中も金利上昇局面は続く」(投信投資顧問)と強気の声も多い。11月28日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は「政策金利は経済に中立的とされる水準をわずかに下回っている」と発言。それまでの「中立金利には程遠い」との発言からスタンスを変化させ、市場には利上げ打ち止め時期が近いとの空気が一気に広がった。 次に、欧州中央銀行(ECB)はいつ頃利上げに踏み切るか。「19年秋ごろ」が37%と最多を占め、次いで「19年末」が31%、「20年中」が19%と続いた。19年中には利上げに踏み切るとの見方が多い。「英国の欧州連合(EU)離脱)が難航することを考えると、ECBの利上げはまだ先のことになる」(その他金融機関)など、EU離脱の先行き次第との指摘もあった。 そして、緩和からの「出口レース」で最後方を独走する日本。 日銀がイールドカーブ・コントロールの修正について、19年中に実施すると思うものを聞いたところ、「10年金利の許容レンジの拡大」(47%)との回答が最も多く、次いで「19年中は修正しない」(39%)、「長期金利の目標年限の短期化」(16%)、「マイナス金利の縮小、撤廃」(15%)が続いた。 「政治日程や消費増税をふまえると日銀は大きな政策変更をしづらい」(証券会社)と見る向きが多い。「ダブル・スタンダード的な利上げ(=許容レンジの拡大)に終始せざるを得ない」(証券会社)というわけだ。金融政策が後手に回れば、景気減速から悪化に向かう局面で身動きが取れなくなる懸念がある。 QUICKは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として公表している。今回の<債券>の調査期間は11月27~29日。回答者数は139人だった。 (QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

中国景気「減速続く」7割 1ドル=7元超の元安も警戒、貿易戦争重荷に 月次調査<外為>

2019年の金融市場では中国リスクが一段の波乱要因になりそうだ。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した外国為替市場関係者への調査で、中国経済の減速と人民元安の基調が今後も続くとみている人の割合が、それぞれ7割前後に上った。落としどころが見えない米中貿易戦争が引き続き重荷だ。 中国の7~9月期の国内総生産(GDP)の成長率は前年同期比6.5%。政府目標の水準を何とか保ったものの、4~6月期の6.7%から鈍化した。製造業購買担当者景気指数(PMI)や小売売上高など最近の指標も低調で、年後半にかけて減速感が次第に強まっている。 政府の景気刺激策の下支え効果で景気底割れの事態はなさそうだが、貿易戦争のダメージは着実に蓄積。米国はトランプ政権と民主党が対中強硬策で一致しており、11月末に見込まれる米中首脳会談で膠着状態を打開できるかどうかは不透明だ。 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「日米貿易摩擦の歴史をみると1990年代後半に日本が深刻な景気後退に陥ると対日圧力は弱まった。同様に、中国が脅威の存在でなくなるまで米国は圧力をかけ続けるのではないか」と話す。 調査では、中国経済のリスクとして「貿易摩擦」(52%)に次いで「過剰な債務や投資」(40%)を指摘する回答も目立った。米国の圧力と根深い構造問題の挟み撃ちになっており、19年は経済成長が「さらに減速」(9%)、「緩やかに減速」(65%)するとの見方が多い。 こうした市場の懸念をすでに織り込み始めているのが、上海総合指数の落ち込みや人民元の下落だ。 とりわけ、じりじり下げ基調だった人民元相場は現在1ドル=6.9元台で推移。人民元急落を防ぐため中国人民銀行(中央銀行)が断続的に元買い・ドル売り介入を繰り返しているとされ、多くの外為市場関係者が節目と意識する「1ドル=7元」を巡る攻防が当面の焦点になる。 調査では「7元を超えて小幅な元安が進む」とみている人の割合が60%、「さらに急激な元安になる」が5%だった。 三井住友アセットマネジメントの深代潤執行役員・グローバル戦略運用グループヘッドは、貿易摩擦を機に中国と米国のルールが変わったため、1ドル=7元にあまりこだわらなくてよいとしつつも「米国向け輸出に頼れない中で、財政政策や規制緩和を活用しつつ、持続可能な水準に成長率を減速させていく。この過程で一定の元安が進むだろう」と分析する。 市場関係者の間には3年前の中国発の金融不安「チャイナ・ショック」の生々しい記憶がある。中国株や人民元の一段の下落は、世界的な株安や新興国通貨安といったリスクオフに直結し、円買いを呼びやすい。一方で人民元安・ドル高は間接的にドル高・円安にもなる。今回の調査では、大幅な人民元安になった場合のドル円相場は「円高・ドル安」に振れると警戒する声が78%に上った。 月次調査は12~14日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者96人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 根岸てるみ)   ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

日米株、長期の下落局面入りはないが… QUICK月次調査、相場の強弱感が対立

世界の株式相場の動揺がなかなか収まらない。QUICKが実施した調査によると、株式市場関係者はリスク要因のなかでも、とりわけ長期金利の上昇や貿易戦争など米国がらみの影響が大きいとみている。今回の株価の調整は一時的で、長期の下落トレンド入りを予想するのは少数派だが、再び勢いをとり戻せるかどうかについては見方が分かれている。 直近の株価の乱高下の理由を尋ねたところ、「米長期金利の上昇」(24%)、「米中貿易戦争の激化」(24%)に加え、「米国の景気拡大のピークアウト懸念」(24%)をあわせ、米国関連ファクターを挙げる声が約7割に上った。「中国の景気失速懸念」(16%)や「その他」(10%、企業業績の先行き不透明感など)もある。 日米の株式市場の先行きを聞いたところ、日本は「上値が重くなり、ボックス圏内で推移する」(38%)および「一時的な調整にとどまり、上昇トレンドに戻る」(34%)との見方が多く、米国についても、「一時的な調整にとどまり、上昇トレンドに戻る」(34%)との予測が多い。「現在の業績や景気動向としては良好」(証券会社)でファンダメンタルズの強さが相場の下支えになるとの指摘がある一方、「1つの懸念がなくなっても、別の材料が残っているので、当面は上値が重そう」(証券会社)との指摘があった。 「しばらく乱高下がつづく」との見方は、日本が21%、米国が25%だった。 調査期間は10月30~11月1日。証券会社および機関投資家の株式担当者136人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

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