市場関係者、最も強気な資産は「国内株」 半数以上が「米国債」に弱気 20日にQUICK月次調査セミナー

QUICKのまとめた月次調査によると、2018年度に国内の市場関係者が最も強気にみている資産クラスは「国内株式」だった。株式担当者の54%、外国為替の担当者の48%がそれぞれ国内株に楽観的な見方を示した。一方、最も弱気な資産は「米国債」。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続を背景に、市場関係者の50%以上が米国債に暗い見通しを持っている。 調査は証券会社などの株式や債券、外為の担当者を対象に3月27日から4月12日に実施した。いずれの担当者も株式に強気な一方、債券に弱気という傾向がはっきりした。国内株に強気と答えたのは株式担当者で半数を超え、弱気の13%を大きく引き離した。債券担当者も国内株への強気が38%(弱気は20%)にのぼった。米国株については株式担当者の45%が強気な見通しで、こちらも弱気の14%を大幅に上回った。 国内株式の見通し 回答者からは「18年度も世界的に景気回復基調が続き、物価と長期金利の上昇ペースは比較的緩やかなものにとどまる」(投信投資顧問)と、「適温相場」の継続を見込む声があった。「米政府の貿易政策強硬論に円高が加わり株価は大きく下落したが、日本企業の体力は強く業績面での不安は徐々に払拭される」(株式関係者)という見方も出ていた。 米国株式の見通し 債券に関しては、米国債への弱気が際立った。債券担当者の50%、外為担当者の55%、株式担当者の56%が米国債の行方を悲観している。欧州債券も圧倒的に弱気が多かった。FRBと欧州中央銀行(ECB)が金融の正常化に向けて大きく舵を切るなか、欧米債券の利回り上昇(価格の下落)は避けられないとみられている。 米国債券の見通し 国内債は債券と株式の関係者で弱気が強気を上回ったが、各市場とも多くが中立と回答した。海外金利は上昇しやすいが、「年内にイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の修正など日銀の金融緩和の縮小が実施される可能性は低く、国内金利への上昇圧力は限定的」(信託銀行の債券担当者)とみられている。 国内債券の見通し QUICKは4月20日、月次調査とQUICK短観の回答者を東京・中央区のQUICK本社に招き、月次調査セミナーを開催する。今年のテーマは「日米金融政策の行方と2018年度の投資ベストポートフォリオ」。前日銀審議委員の木内登英・野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストが基調講演し、株式や債券のアナリストや運用担当者が投資戦略や市場の見通しなどを討論する。今回まとめた月次調査の結果はパネルディスカッションの基礎資料となる。

円相場、市場の目線は円安・ドル高方向に QUICK月次調査<外為>

世界的な貿易摩擦や地政学リスクを背景にした円高・ドル安の進行は一巡か。QUICKが16日まとめた4月の月次調査<外為>によると、市場参加者は当面、円の対ドル相場が緩やかながら下落すると予想している。4月末の円相場の予想は1ドル=107円06銭と、3月調査(106円39銭)から円安・ドル高にシフトした。前月比で円安が予想されるのは5カ月ぶり。 ※QUICKは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 外為担当者への調査は4月9~12日に実施。3カ月後となる6月末の円相場は107円72銭が見込まれている。3カ月後予想も5カ月ぶりの円安・ドル高だ。円相場の下値は堅いが、市場参加者の目線は円安・ドル高方向を向いている。   月次調査<外為>の各月末の円相場の予想(横軸は調査の月) 米国と中国の貿易摩擦は不安の種だが、「通商摩擦の激化への懸念は米中交渉が進む過程で弱まり、市場のリスク回避姿勢も緩和に向かうため、円安・ドル高方向で推移するだろう」(証券会社)。「トランプ米大統領は中間選挙に向けて夏場までに成果を誇りたいタイミング。夏に向けて政治面での不安材料が薄れ始めると金利差のドル優位が相場材料として重要視される」(銀行)。 保護主義的なトランプ氏に翻弄されがちな円相場だが、先行きは米連邦準備理事会(FRB)の政策が勝るという読みだ。今回の月次調査で米中が貿易戦争に突入すると思うかと聞いたところ、「思う」と答えたのは8%にとどまり、「思わない」が79%に上った。一方、仮に貿易戦争が始まると円相場はどのくらいの水準になるかとの問いには、62%が100円を突破して円高が進むと回答した。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

株式担当者、54%が国内株「強気」 「弱気」は13% QUICK月次調査<株式>

QUICKが9日まとめた月次調査<株式>によると、国内の証券会社や機関投資家の株式運用担当者の大半が株式投資に明るい見通しを持っている。回答者の54%が2018年度は国内株に強気だとの見方を示した。米中の貿易摩擦の不透明感から足元の相場は不安定だが、世界経済の拡大と企業業績の伸びが下支え役になるとの見方が多い。 調査期間は4月3日~5日で、株式担当者158人が回答した。国内株への強気スタンスは前年4月調査の17年度見通しと比べ3ポイント拡大した。弱気姿勢は13%にとどまった。米国株は45%が強気と答え、弱気の14%を大きく上回った。トランプ米政権の保護貿易シフトへの警戒から相場調整が進んだが、「これから先はむしろ現実的な解決策が出てきた場合の株式市場へのポジティブな影響をみておくべきだ」との指摘があった。 一方、債券に対しては慎重な見方が多かった。国内債は70%が中立姿勢で、弱気が22%。強気は9%しかなかった。米国債は米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続が見込まれており、56%と半数以上が弱気になっている。強気は8%どまりだった。世界的に景気回復基調が続き、物価と長期金利の上昇ペースが比較的緩やかなものになれば「債券を上回る株式のパフォーマンスが期待される」(投信投資顧問)という。いわゆる「適温相場」が続くと期待されている。 3月の月次調査<債券>で債券担当者に同じ質問をしたところ、国内株に対する強気な見方は38%と弱気の20%を上回り、その差は18ポイント。41ポイント差で強気が勝る株式担当者の回答からは楽観的な見通しが浮かぶ。国内の材料として注目の安倍晋三政権の行方は外交をてこに支持率が上向けば「自民党内の安倍降ろしムードが一段落し、株価は年内最高値を奪還する動きになる」(銀行)との予想もあった。 ※「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

保護貿易より米中間選挙を警戒、18年度のリスク要因を聞く QUICK月次調査<株式>

新年度入りした日本株相場は米中の貿易摩擦を嫌気し上値の重い展開だ。だが、市場関係者へのアンケートによると、通商問題より11月の米中間選挙で共和党が大敗するリスクを警戒していることがわかった。調査はQUICK月次調査<株式>を通じて、2018年度(2018年4月~2019年3月)に発生する可能性が高いリスク要因などについて聞いた。調査期間は4月3日~5日。証券会社および機関投資家の株式担当者158人が回答した。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表している。 米共和党の大敗など、米国発のリスクが並ぶ 株式市場関係者に18年度に起きる可能性が高いリスクについて聞いたところ、米中間選挙での共和党の大敗を挙げた人が最も多かった。与党・共和党は昨年12月のアラバマ州連邦上院補選に続き、3月の連邦下院補選で共和党の牙城とされていた米東部ペンシルベニア州でも野党・民主党に敗北したことから、11月の中間選挙を波乱要因とみているようだ。しかし、仮に共和党が大敗したとしても日本株への影響は限定的とみる向きが多かった。 次いで生じる可能性が高いリスクは「保護貿易の加速」「米長期金利の急上昇」と米国発のリスクが並んだ。トランプ大統領は5日、中国に対して1000億ドル(約10兆円)規模の制裁関税の追加を検討すると発表するなど、米中貿易摩擦の行方が懸念される。 ※リスクが発生する可能性を「ほぼゼロ」「小」「大」から選んでもらい、順に「0」「1」「2」に換算して算出した。日本株への影響は「限定的」「大きい」「非常に大きい」から選んでもらい、順に「0」「1」「2」に換算して算出 仮に起きた場合、日本株相場へのインパクトが最も大きいリスクについても聞いたところ、「90円を切る超円高」を挙げた人が多かった。日銀が2日に発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の18年度通期の想定為替レートは1ドル=109円66銭だった。 ※「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

債券担当者、新年度は米国債「弱気」・国内株「強気」 QUICK月次調査

市場関係者は新年度、どの資産クラスに強気か弱気か。QUICKが2日まとめた月次調査<債券>によると、債券運用担当者は債券に弱気な一方、株式には強気な見通しを示した。株式相場は世界的な景気回復の流れが支えとなり、債券相場は米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続の影響が強まるとみられている。 米国債券について、回答者の50%が弱気の見通しを示し、強気は11%にとどまった。欧州債券も47%と半数近くが弱気と答え、強気の16%を大きく上回った。欧米の中央銀行による金融正常化の動きが欧米の長期金利の上昇(債券価格の下落)につながる。 国内債券の見通しは弱気が23%で、強気は13%。中立が最も多く65%だったが、全体に弱気派が目立つ。国内金利は日銀が低水準に押さえつけている一方、「国内経済の改善などにより一定の金利上昇圧力が発生する」(銀行)。「安倍首相の支持率低下から政治リスクが意識され、金融緩和の出口論が出てくることには注意が必要」(証券会社)との指摘もあった。 株式に関しては国内や米国、欧州、新興国を問わず、強気の比率が弱気を上回った。米国株は39%が強気で、弱気は22%。国内株は強気が38%に対し弱気と答えたのは20%にとどまった。新興国株も強気が31%と弱気を4ポイント上回った。トランプ米政権が仕掛けた保護主義政策による世界的な貿易摩擦への懸念も「結局は米国景気や世界経済に影響を与えるほどのものにはならない」(銀行)。 国内では安倍晋三政権が「森友問題」に揺れているようにみえるが、「自民党総裁選では安倍総理の再選が予想される。アベノミクス再起動から、18年度下期には大型補正予算の編成が見込まれる」(証券会社)といった見方もあった。 安倍氏はいつまで首相を務めるのかとの質問には、回答者の36%が自民党総裁3期が満了する2021年9月と回答。3期中との答え(27%)と合わせ、63%が2期満了となる18年9月以降も安倍氏が首相を続けると予想している。安倍首相の求心力が低下するなか、アベノミクスは10%が強化されると読み、61%が維持されるという見通しを示した。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

黒田日銀、1期目は及第点?「60点以上80点未満」49% QUICK月次調査<外為>

日銀は9日の金融政策決定会合で、現行の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の維持を決めた。再任される見通しの黒田東彦総裁は記者会見で5年間の金融政策運営を振り返り、日本経済は改善し、デフレではなくなったと成果を強調した。ただ市場では、マイナス金利に伴う金融機関の収益力低下など副作用の指摘も多い。3月の「QUICK月次調査<外為>」※では、黒田総裁の1期目の評価について聞いた。調査期間は3月5~8日。回答者数は76人。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 80点以上は22% 9日の記者会見でも「2%の物価安定目標は達成されていない」として、現行の金融緩和を今後も粘り強く続ける方針を表明した黒田総裁。9日は現体制最後の金融政策決定会合となったが、外為市場関係者の1期目の評価で最も多かったのは「60点以上80点未満」で約半数の49%を占めた。 「60点以上」で見ると、全体の71%。少なくとも外為市場関係者は黒田総裁が主導した異次元の金融緩和に及第点をつけたかたちだ。 高得点と判断できる80点以上は「100点」を合わせて22%にとどまったが「(金融政策で)ぎりぎりまで踏み込んだのは評価できる」と好意的な意見は少なくなかった。 結果として円安が進んで企業業績が上向き、完全失業率は大幅に低下。「経済パフォーマンスが安定し、雇用環境が良好なことは大いに評価できる」との声が上がった。 一方で大規模な国債買い入れにもかかわらず、2%の物価安定目標に近づけない現状に冷めた評価もある。今回は「0点」との評価はなかったものの「政府の協力もなく物価を上げろと言われた日銀に対しては、多少の同情の余地があるため『20点未満』としたが0点でもよい」との回答もあった。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

米利上げペース加速か 年内「4回」予想33%に上昇 QUICK月次調査<外為>

米議会上下両院で就任後初の議会証言に臨んだパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、景気や物価の先行きに強気の見通しを示し、市場は利上げペース加速の可能性を嗅ぎ取った。3月の「QUICK月次調査<外為>」※では、2018年の米利上げ回数について、外国為替市場の担当者に聞いた。調査期間は3月5~8日。回答者数は76人。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 年内利上げ回数 「4回」が大幅に増加 今回の調査期間外だが、前週末9日に発表された2月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想を上回り、米景気の改善持続を印象付けた。市場ではこれまで米利上げ回数は3回との予想が多かったが、パウエル議長の議会証言に加え、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が講演で「年4回の利上げでもペースは緩やかだ」と語るなど、上振れの可能性が出始めている。 市場関係者に米国の2018年の利上げ回数を聞いたところ、最も多かったのは1月調査に続いて「3回」で5割強を占めた。しかしむしろ目を引くのは「4回」を予想する回答が33%と1月の14%から大幅に増加し、逆に「2回」が1月の35%から大きく減少して12%まで落ち込んだことだ。市場の利上げ観測は確実に強まっている。 市場では「米景気が堅調を持続するなかでインフレ圧力が高まり、FRBが利上げペースを加速させる可能性が出ている」との指摘がある。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

円高シフト「105円~110円レンジに移行した」73% QUICK月次調査<外為>

昨年は1ドル=110~115円を中心に推移していた円相場だが、2018年2月に入ってから米国の長期金利の大幅上昇をきっかけに、世界同時株安を招き、円高が加速した。一時は1年3か月ぶりの高値水準を付ける場面もあった。3月の「QUICK月次調査<外為>」※では、2018年度の為替相場の中心レンジ予想や、円相場を動かす注目要因などについて、外国為替市場の担当者に聞いた。調査期間は3月5~8日。回答者数は76人。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。  前週末9日に公表された2月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に上回り、米利上げに追い風になる内容だった。結果を受けて円売り・ドル買いが進む場面もあったが、あまり持続性があるようにも見られない。円相場はすでに1ドル105円~110円のレンジに移行したのか。市場関係者へのアンケートでは「移行した」との回答が73%を占める結果となった。 18年度下期は「110~115円」が42% 2018年度(2018年4月~2019年3月)の為替相場の中心レンジについて上期で最も多かったのは「105~110円」で7割を占めた。一方、下期で多かったのは「110~115円」で42%だった。 市場関係者からは「米国の金融政策正常化の動きは円安を促す材料。米国の税制改革で物価上昇率が高まれば、米利上げペースが速まりドル高圧力が高まる」、「日銀の出口戦略の議論は封印された状況が続くこともあり、夏場にかけては再びドル上昇が予想される」と日米の金融政策の方向性の違いが円安・ドル高基調に戻すとの見方がある。 一方で「100~105円」とさらなる円高を見込む予想も25%と上期より増加しており、見方が割れて上期より予想レンジが上下に広がる結果となった。 「3か月以内の100円割れ」33% 今後3か月以内に円相場が心理的な節目の1ドル=100円を一時的に割り込むとの予想も33%に達した。「米国が貿易政策を急速に転換し、赤字削減の為にはドル安も辞さない態度を強める方向にあるため、100円割れの可能性が高まった」と、大幅な円高を試す展開を予想する意見は少なくない。 注目要因「トランプ政権の貿易政策」が81% 円相場を動かす要因として注目している材料(上位3つを回答)は「トランプ政権の通商政策と米中貿易摩擦」が81%とトップだった。「米経済・物価動向とFRBの金融政策」が78%、「新執行部での日銀の金融政策」が55%で続く。再び関心が高まる米国の通商政策。トランプ米大統領は8日、鉄鋼とアルミニウムの異例の輸入制限の発動を命じる文書に署名し、中国や欧州が強く反発している。 トランプ米大統領の強硬姿勢は今秋の中間選挙をにらんだ動きとみられるが「トランプ政権の貿易政策が一気に保護主義的方向に転換することとなり、これまでの状況とは異なった相場動向になる恐れが強まった。米貿易赤字縮小のため我が国も無傷ではいられない」「すでに欧州連合(EU)や中国などは報復措置を示唆し、世界的な貿易取引が縮小して景気の冷え込みから資本取引も停滞する」と懸念する声が寄せられた。 3月末は1ドル=106円39銭 予想は円高方向にシフト 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは3月末の平均値で1ドル=106円39銭と、2月調査(109円99銭)から円高へシフトした。3カ月後の5月末には107円10銭、6カ月後の8月末には107円93銭の予想。今後6カ月程度を想定した注目の変動要因は、ドルは「政治/外交」、円とユーロは「金利/金融政策」で、特に円に関しては引き続き注目度7割を超えている。 ファンドの運用担当者に外貨建て資産の組入状況について聞いたところ、「ニュートラル」が36%から82%に大幅に上昇した一方で、「オーバーウエート」が27%から9%に低下し、「アンダーウエート」も36%から9%に急激に低下した。 事業法人の業績予想の前提為替レートは、平均値で1ドル=110円00銭と現在の水準(105円39銭~106円14銭)より円安の予想だが、対ユーロでは1ユーロ=127円00銭と現在の水準(129円45銭~131円49銭)より円高の予想となっている。 ※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

日本版「適温相場」持続の条件は個人マネー QUICK月次調査<株式>から

株式市場は2月に入って世界的に調整色を強め、日経平均は年初来7.0%下落した(3月2日)。需給面の主因は外国人投資家であり、年初から現物市場で1.27兆円、先物市場で4.13兆円売り越した(2月23日)。この売りを吸収したのが、日銀のETF買入と共に、個人投資家や投資信託である。年初来、現物市場で各々9470億円、4160億円買い越した。 5日発表のQUICK月次調査<株式>によると、個人と投資信託の相場への影響の評価指数は、昨年末から上昇し、3月調査では各々64.1、61.3となった。 <個人と投信の株式相場への影響の評価> 注:「投資主体の株式相場へのインパクト」は、個人と投信の株式相場への影響を5段階の回答で評価し、50を中立として指数化値。尚、QUICK月次調査では、外国人、金融機関、企業年金・公的資金、事業会社、自己についても同様に評価を指数化。 出所:「QUICK月次調査<株式>」よりMUMSS作成 最近、その存在があまり注目されなかったが、日本の個人資金はしばしば上昇相場の積極的な買い主体であった。1999~2000年、2005~06年には両者の評価指数が70を上回っていた(図表)。 特に投資信託は株式に詳しい個人だけではなく、より幅広い個人が利用しており、資金フローが続く傾向がある。株価にやや遅行する傾向があるが、投資信託は1999・2000年度や2005年度に1兆円以上買い越した。今回、投資信託が2017年秋まで売り越しであったが、個人資金は昨年後半からテーマ型や中小型株を中心に日本株ファンドに流入している。 日本の個人が投資に無関心であった訳ではない。これまで円安が進む中で、個人資金は年間10%前後の配当金を出す毎月分配型投信を通じて外国証券に向かった。 しかし、大手ファンドの減配発表や高金利国通貨の下落を受けて、仕組みのリスクや高い信託報酬が意識されるようになり、毎月分配型投信は2016年末からネットで資金流出に転じた。収益分配額を含めて2017年8月から月間5000億円以上の資金が流出し、毎月分配型投信の純資産残高はピーク43.2兆円から29.5兆円に減少した(2018年1月)。 また、株式投信のうち、2014年以降、地域型金融機関などが利用するケースが多い私募投信の資産残高が相対的に増えている。金融機関は低金利が長期化する中、外債投資を増やしてきたが、米国で利上げが進み、為替ヘッジのコストが上昇している。配当は銀行では業務純益、保険会社では基礎利益に含まれる。今後、一部の金融機関は配当利回りを重視して株式に投資する可能性があろう。 今月のQUICK調査では、今回の株価急落が「適温相場」の転換点であるかについて意見が分かれた。景気拡大と低金利の下での需給要因が株価上昇を支えたと見れば、個人資金の株式市場への流入が日本版「適温相場」が続く一つの条件となるだろう。 株式調査の詳細はこちらのサイトをご覧下さい。 ※QUICK月次調査<株式>の結果を外部の有識者の方に匿名で読み解いていただいた記事です。

3月のQUICK投資家心理指数が急低下 「鉄鋼」アンダーウエート増加 米保護主義警戒か 

3月のQUICK投資家心理指数は50.34と、前月の71.77から急低下した。判断の分かれ目となる50をかろうじて維持した。米長期金利の上昇や、トランプ米大統領が示している鉄鋼などの輸入制限措置が現実味を帯び世界的な貿易摩擦に発展するとの懸念が投資家心理を冷え込ませたようだ。 【QUICK投資家心理指数と日経平均株価の推移】 (注)日経平均株価は各月末の終値 国内機関投資家の資産運用担当者に現在の日本株の組み入れ状況について聞いたところ、基準とする組み入れ比率に対して「ややアンダーウエート」になっているとの回答が17%(前回10%)と増加した一方、「ややオーバーウエート」が29%(同38%)に低下した。 セクター別の投資スタンスでは、オーバーウエートにする業種として「消費」「通信」「電機・精密」を挙げた運用担当者が増加した。半面、アンダーウエートにする業種には、トランプ政権の輸入制限を警戒してか「鉄鋼・機械」セクターとの回答が増加した。 QUICK投資家心理指数は、QUICKが実施している「QUICK月次調査<株式>」の中から、国内機関投資家が運用するファンドの国内株式組み入れ比率のデータに基づいて算出・指数化したもので、50を上回れば国内機関投資家の投資姿勢が「強気」、下回れば「弱気」になっていることを示す。今回の調査は2月27~3月1日に実施した。

「適温相場」は転換点か 米長期金利上昇どこまで? QUICK月次調査<株式>

2月27日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が就任後初の議会証言で、景気や雇用情勢の改善から物価目標達成の確信が強まったと述べた。タカ派的な内容と受け止められ、米国の利上げペースが加速するとの思惑が浮上。米長期金利の指標となる10年物国債利回りは一時、2.92%まで上昇し、ダウ平均は300ドル近く下落した。日本株も売りで反応し、2月の日経平均株価の下落率は2016年6月以来、1年8カ月ぶりの大きさとなった。ついに「適温相場」は転換点を迎えたのだろうか。 毎月実施している株式の市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」で、今回は年央に向けての米長期金利と円ドル相場の展開と、「適温相場」の持続性について聞いた。調査期間は2月27日~3月1日。証券会社および機関投資家の株式担当者158人が回答した。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。 米長期金利「3%前後」が44% FOMCに関心 株式市場では、景気拡大と低金利が共存する「適温相場」が続いていたが、米長期金利の大幅な上昇を受け、株価が世界的に調整している。年央に向けて米長期金利(10年物国債)は何%程度になると予想するかと聞いたところ、最も多かったのは「3%前後」で44%、次いで「3%台前半」で38%、「2%台後半」で12%だった。 市場関係者からは「米金利は短期的に行き過ぎ感があり上昇一服を見込むが、年末にかけては3%を試し、超える可能性が高い。ただし、株価に影響を与えると考えられる3%台後半まで上昇する可能性は低い」との回答があった。半面、「米10年債利回りは3%弱の水準で定着を探ると思われるが、FRBの金利見通しが引き上げられれば、上昇余地が生じる」との指摘もあり、米連邦公開市場委員会(FOMC)での議論に関心が高まる。 一段の円高予測は1割どまりも企業業績に重荷 教科書通りなら金利が上がる国の通貨は買われやすく円相場は対ドルで下落しやすいはず。しかし実際には米長期金利が上昇する一方で円が買われている。2日の外国為替市場では2016年11月10日以来、ほぼ1年4カ月ぶりの円高水準を付けた。年央に向けての円の対ドル相場の展開を聞いたところ、最も多かったのは「110円近辺まで円安が進む」で41%、次いで「105円前後でもみ合う」が32%だった。一段と円高が進むとの予想は、「100円近辺まで円高が進む」(11%)と「90円台になる」(1%)を合わせても1割程度にとどまった。 市場では「ドル安への警戒もあるが、それほど大きなものではない」と円高は早晩一服するとの見方が大勢のようだ。ただ「国内企業は1ドル=110円程度なら2ケタに近い経常増益が見込まれるが、105円だと1ケタ台後半に伸びが鈍化する公算が大きい」と、現状の円相場水準でも企業業績への影響を懸念する市場関係者も少なくない。 「日米金利差の拡大にも関わらず継続するドル安が気がかり」との声があるのも事実で「足元は若干修正されつつあるが、リスクオフの中での円買い圧力もあり、円相場は節目の1ドル=105円を超えて上昇する可能性もある」との意見もあった。 「適温相場」の終焉に警戒感も 2月に入ってからの株式相場の急落がこれまでの「適温相場」の転換点だと思うかと聞いたところ、「転換点だと思う」とする回答は27%だった。「金利は上昇するが、株価の上昇傾向は続く」が最も多い30%、「一時的であり、適温相場は続く」が25%と、株式相場に強気な見方は根強いが、ピークアウトへの警戒感も広がりつつある状況だ。 市場関係者からは「昨年の適温相場(景気拡大とインフレ見通し低位安定)から、今年はリフレーション相場(景気拡大ペース一服とインフレ見通し上昇)になる」との意見が聞かれた。「円高進行による株安で当面は下落する可能性が高い」との見方もあった。 一方で「米景気の改善は続き、1年を通してみれば適温相場は継続する」「低金利・株高という意味合いでの適温相場は終了したと思うが、景気や金融市場には余熱がある。株式市場の明確な調整局面入りはまだ先」との指摘もあった。 日経平均予想は2万2449円 大幅に下方シフト 「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しは、3月末の水準で2万2449円(平均値)で、前回調査(確報)の2万3465円から大幅に下方へシフトした。5月末には2万3070円、8月末は2万3448円を見込む。今後6カ月程度の株価の変動要因としては、「景気・企業業績」の注目度が前月比5ポイント低下し39%となった一方、「海外株式・債券市場」が10ポイント上昇して28%だった。 国内の資産運用担当者61人を対象にセクター別の投資スタンスについて質問したところ、オーバーウエートの比率が最も高かったのは「電機・精密」で30%、次いで「消費」が14%。逆にアンダーウエートの比率が最も高くなったセクターは「公益」だった。 ※「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

人気記事

  1. 登録されている記事はございません。

最新記事

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

PAGE TOP