米利下げ「年内1回」5割弱 市場の織り込みは行き過ぎとの見方 外為月次調査

世界の金融市場は米国の利下げをかなり織り込んだ展開になり、18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の判断が注目されている。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した外為市場関係者へのアンケートによると、米連邦準備理事会(FRB)の利下げの回数について、「年内は1回」との回答が半分近くに上った。2~3回を織り込んだ水準で推移する先物相場の動きを「行き過ぎ」とみていることになる。 FRBのパウエル議長は米中摩擦などの影響を踏まえ、利下げを否定しない姿勢を見せているが、ここへきて市場と政治の両面からさらに強く利下げを迫られている状態だ。先週発表された5月の米消費者物価指数が低調だったほか、新規失業保険申請件数も3週連続で増加するなど、堅調だった雇用の陰りを示す統計が目に付く。トランプ大統領は相変わらずFRBの金融政策を批判。ロス商務長官からも、昨年12月の利上げは「時期尚早だった」と再考を求める発言が出ている。 こうした中、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の将来の水準を想定して取引されるFF金利先物は、2020年1月物の価格が2.5回分の利下げ(1回あたり0.25%)を先取りした値動きとなっている。シカゴ・マーカンタイル取引所の「Fedウオッチ」でも、年内に2回利下げする確率は約3割、3回以上が約6割に上る。 これに対し、月次調査では「年内1回」の回答が47%、「2回」は32%、「3回以上」は1%だった。オフィスFUKAYAの深谷幸司代表は「足元の景気動向から見れば年内2~3回の利下げは織り込みすぎ」と指摘。景気悪化を事前に食い止める予防的な利下げを1回実施するのにとどまるとみている。 一方、SMBC日興証券の野地慎チーフ為替・外債ストラテジストは「利下げは予防的措置で済まされなくなる」とみる。サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数の下落が賃金や雇用に波及する経路を警戒。「景気失速で年内に2回、20年3月までに計4回の利下げの可能性がある」とする。 最初に利下げが決まる時期については、7月の38%と9月の41%がほぼ拮抗した。調査は10~12日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者95人が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻) ※QUICKでは株式、債券、外為の市場関係者を対象に、景気や相場動向についての月次アンケートを実施しています。それぞれの調査結果の詳細とヒストリカルデータは、QUICKの様々な金融情報端末・サービスで公表しています。

「日本株に弱気」09年3月来の水準 組み入れ指数が急低下、QUICK月次調査

日本株に対する国内機関投資家の弱気姿勢が際立っている。QUICKが10日発表した6月の月次調査によると、日本株の組み入れ比率を示す指数が39.7と、2009年3月(37.7)以来、およそ10年ぶりの低水準となった。09年3月はリーマン・ショック後の経済停滞で、日経平均株価がバブル後最安値(7054円)を付けた局面だ。米中貿易戦争などで世界景気の先行き懸念が広がるなか、投資家マインドは委縮している。 6月の調査は4~6日に実施した。足元の国内株式の組み入れ比率に対する機関投資家のスタンスを指数化した数値(50を下回ると弱気)は前月から一気に5.4ポイントも下し、40の節目を割り込んだ。。 内訳をみると、「ややアンダーウエート(弱気)」と回答した投資家が49%と5月から27ポイント拡大した。「かなりアンダーウエート」の3%と合わせ、半数以上の投資家が弱気姿勢であることを示す。一方、「ややオーバーウエート(強気)」が8%と11ポイント減った。 今後の組み入れ比率の方向性を示す指数は51.9と、前月から0.5ポイント改善しているが、中身をみると、「やや引き上げる」が13%と4ポイント減った。「かなり引き下げる」との回答は3%がゼロになった一方、「現状維持」の投資家は82%と8ポイント増え、多くが様子見を決め込んでいることをうかがわせた。 株に対する弱気の背景にあるのは、いうまでもなく米中貿易戦争の先行き不透明感だ。株価の変動要因として「政治・外交」に注目する回答者は42%と、03年3月以来の高水準となった。「政治的な不確実性が多すぎて市場の先行きを予想することが困難な環境」(証券会社)という。 さらに日本企業の業績に対する不安ものぞく。「米中通商交渉は長期化が避けられず、中国の景気・企業業績の悪化懸念が強まるなか、(これに相関性が高い)日本企業の業績見通しも下方修正含みになるだろう」(信託銀行)との声があった。 (QUICK NewsLine)

貿易戦争の結末は? 「痛み分け」50%、「米国勝利」46% 5月の債券月次調査

米中の貿易面での対立が再び激しくなってきた。争いの果てに勝者はいるのか。QUICKが3日にまとめた5月の債券月次調査で「米中貿易戦争の最終的な勝者」を聞いたところ、「なし」が5割、「米国」が4割超だった。覇権をめぐる争いの長期化が見込まれるなか、米中双方が損失を被るとみる意見が多い。米国の「勝利」を見込む回答も多かった一方、中国が優位に立つとの見方は少なかった。 ※5月のQUICK月次調査<債券>の問8(6)より。有効回答は125人。 債券市場のコンセンサスは「対立の長期化」だ。米中の貿易戦争は、長期にわたった1980年代の日米対立などを念頭に、今回も「10年またはそれ以上の年月をかけて交渉していく」(証券会社)との見方が多い。対立が長引けば両国や世界の貿易への影響は大きく、勝者は「いない」(50%)とする回答が最も多かった。 次いで多かったのは「米国」の46%。中国経済は米国向け輸出に強く依存していることから、長期では米国が優位に交渉を進めやすいからだ。一方で、「中国」を挙げた回答は2%と少なかった。対米依存度の面で中国が不利な交渉を強いられるなかで「対米政策に国内で不満が出るのではないか」(証券会社)といった中国の内政を懸念する意見が目立った。 5月の債券月次調査は5月28~30日に実施され、証券会社および機関投資家の債券担当者134人が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻)

中曽・前日銀副総裁「米CLO市場、注視が必要」 QUICK月次調査25周年特別セミナー

QUICKは24日午後、東京都内で「QUICK月次調査25周年特別セミナー」を開いた。今回のテーマは「世界経済 嵐に備えよ~Fasten Your Seatbelt」。前日銀副総裁の中曽宏・大和総研理事長が基調講演し、米国で格付けの低い企業への融資を束ねて証券化したローン担保証券(CLO)の発行条件が緩くなっている状況について、2008年のリーマン・ショックの発火点となったサブプライムローン問題を想起させると指摘し、「同じになるとは思っていないが、注視が必要だ」と述べた。 「不確実性高まる国際金融市場~水平線上の黒雲」と題して基調講演する中曽氏   中曽氏は各国中央銀行の緩和的な政策が長期化している現状を「リスクを将来に先送りすることになる」とし、混乱なく金融政策が正常化することが難しくなるとの見方を示した。米中間の貿易問題を巡っては「すぐになんらかのディール(取引)が成立するのは見通しにくく、対立の構造は続くだろう」と述べた。 日本経済の今後の課題については「外国人労働者が増加しているが、必ずしも人手不足が深刻な産業で増えているわけではない」と指摘した。国内の金融情勢をめぐっては、金利が上昇した場合の地方金融機関の収益改善度合いを分析し、「金利上昇幅が大きくなければ、収益改善は大きくならない」と述べ、金利上昇に頼らない経営努力の必要性を訴えた。 基調講演に続くパネルディスカッションでは、コモンズ投信の伊井哲朗社長兼最高運用責任者(CIO)、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト、国際通貨研究所の武田紀久子主任研究員が「2019年のリスクオン・リスクオフ」をテーマに討議した。 上野氏は政府が24日に公表した月例経済報告での景気認識について「『回復』の文言を残したことは意外だ」と述べた。消費増税延期の可能性については「五分五分だ」とし、「月例経済報告の内容は弱く、米中の貿易問題などを見据え、どちらとも解釈できる状態でホールドした」との認識を示した。 白熱した議論が交わされたパネルディスカッション   武田氏はインフレにならない限り財政赤字の膨張は問題ないとする学説の「現代貨幣理論(MMT)」に言及しつつ、「ここまで極端な例を持ち出さなくとも、日本の財政に対して市場の一部では容認ムードも出てきているのではないか」と述べた。半面、仮に消費増税が延期になるとしても「延期の期間を長引かせないことが必要だ」との見方を語った。 伊井氏は消費増税延期の可能性について「政治的な要因だ」と述べた。その上で6月下旬に日本で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で世界経済のリスクが高まっていることに言及するなど「G20に関連付けたものだろう」との認識を示した。日本経済新聞社の梶原誠コメンテーターがモデレーターを務めた。 QUICKは毎月、株式、債券、外国為替の担当者やアナリストたちを対象に市場の動向や投資スタンスなどを調査している。今回の特別セミナーは1994年4月に始まった株式の月次調査が25周年を迎えたのを記念して開かれ、調査の回答者など約200人の市場関係者たちが集まった。2018年の日経平均株価や10年債利回り、円相場について見事な予想を示した回答者を月次調査アワードとして表彰するとともに、長年にわたって調査に協力してくれた回答者に功労賞を贈った。 【日経QUICKニュース(NQN)】   ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

令和の30年、円の高値は「75~100円」の予想最多 QUICK月次調査

令和時代の外国為替市場はどんな相場展開になるのか――。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した外為市場関係者へのアンケートによると、次の30年の円の高値は1ドル=75~100円、安値は100~125円になるとの見方が多かった。世界的な経済危機になるとリスクオフで円高が進むとみる一方、円安要因としては日本の財政赤字の拡大と経常赤字国への転落を想定している。 バブル崩壊で幕を開けた平成はデフレと円高に苦しんだ時代だった。1990(平成2)年4月に160円35銭(日銀公表値)をつけた円は、2011(平成23)年10月に75円32銭と史上最高値を記録した。ここ数年は異次元金融緩和の影響で円安傾向が続くが、長期でみるとドルに対する円の名目の価値は約2倍になる動きだったことが分かる。 調査は13~15日、令和が平成同様30年続くと仮定して円相場のレンジを聞いた。高値水準は「75~100円未満」が53%、「100~125円未満」が38%。安値水準は「100~125円未満」(44%)「125~150円未満」(38%)が目立つ。8~9割が平成並みの値動きを予想しているというのが全体の構図だ。 円高の要因としては「世界経済が危機に陥る」、円安の要因としては「世界経済の拡大が続く」を挙げる声が目立った。円は近年、安全通貨としての色彩を強めており、リスクオンで円安、リスクオフの局面なら円高シナリオをイメージしやすい。 「円は中長期的には購買力平価に近づく」(日本総合研究所の井上肇副主任研究員)ことが円高要因になるとの声もある。国際通貨基金(IMF)によると、円の購買力平価は1ドル=97円程度だ。75円未満のハイパー円高を予想する回答は合計8%で、「日本の低い物価上昇率」がその背景にあるという。 一方、円の安値が150円以上になるという回答は合計17%。「200円以上」との回答も6%あった。「150~175円未満」の外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、「日本が抱える財政赤字がクローズアップされて、円売りの流れが加速する」と指摘している。 スーパー円安派が挙げる理由で多いのは、日本の財政赤字と経常赤字だ。人口減少と高齢化の下で貯蓄が減れば、経常黒字を維持できなくなるリスクが浮上する。総合的な国力の衰えや「双子の赤字」が円の信認を脅かすという最悪のリスクシナリオが懸念されている。 30年後の日経平均、「5万円より上」の回答が8割 令和の最初の2週間はやや円高・株安が進み、株式相場は2営業日しか上昇していない。QUICKでは7~9日の株式調査で、30年後の日経平均株価の見通しを聞いた。最も多かった回答は「5万円程度」。「10万円程度」「20万円以上」をあわせると、回答者の8割以上が1989(平成元)年につけた3万8915円の最高値を更新すると予想しているが、果たしてどうなるか。 (ナレッジ開発本部 大谷篤) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

中国経済、年内「横ばい」が過半数 債券QUICK月次調査

世界の景気を左右する中国経済の先行きを債券市場はどう見ているのか。QUICKが7日にまとめた債券月次調査で、2019年の中国経済が前年同期比で「横ばい」の成長率を維持するとの回答が最も多くなった。世界全体の経済についても、ほぼ同様の見方だ。ただトランプ米大統領が5日に対中追加関税の引き上げを突如表明し、依然、先行き不透明感は強い。 中国経済の見通しについて、19年前半、19年後半、20年前半いずれもほぼ半数の回答者が「横ばい」を予想している。債務問題など構造的な課題は多いものの、政府の経済・財政政策などの効果で足元では小康状態にある。 トランプ大統領の突然の関税引き上げ発言で米中協議の先行きを不安視する声もあるが、三井住友DSアセットマネジメントの深代潤執行役員は「あくまで交渉の戦略の一つ。米国も決裂は避けたいはずだ」と見る。 ■10月の消費増税は「支持」8割 10月の消費税率の引き上げに関しても質問した。自民党幹部が4月に「消費増税の先送り」に言及し、こちらもやや不透明感が出てきたが、「引き上げを支持するか」との問いに「支持する」(49%)と「どちらかといえば支持」(31%)を合わせた回答が8割だった。増税で日本経済は「多少、悪化する」と見込む声は7割で、18年10月の調査とほぼ結果は変わらずだった。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻) ※QUICKは債券市場関係者に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査<債券>」として公表しています。今回の調査期間は4月23~25日。回答者数は136人。

「米中の景気底入れ、年度内」が6割 日欧は後ずれ 外為QUICK月次調査

世界経済の同時減速の懸念がくすぶっている。QUICKと日経ヴェリタスが共同で、日本、米国、欧州、中国の景気底入れの時期を外国為替市場の関係者に聞いたところ、回答者の6割が米中については今年度中(2020年1~3月期まで)の底入れを予想した。同じ時期で日欧は5割強。中央銀行の引き締め修正や政府の景気対策に支えられる米中が先行し、少し遅れて日欧が続く形になる。今年度の最も上昇しそうな通貨にはドルが選ばれた。 ■景気の底入れ時期の見通しはバラついた 国際通貨基金(IMF)は9日発表の世界経済見通しで、米国の2019年の成長率を前回から0.2%、欧州を0.3%、日本をそれぞれ0.1%引き下げた。長引く米中貿易摩擦で世界の貿易が停滞気味なうえ、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱も生産・消費心理の重荷になっている。 こうしたなかで米欧の中銀が金融政策でハト派姿勢を打ち出しており、実体経済の落ち込みをどこまで防げるかが注目される。質問では景気の底入れ時期を19年4~6月期から四半期ごとに聞いた。 米国、中国については約2割が4~6月期と回答し、7~9月期と10~12月期をあわせると5割強が年内の底入れを見込んでいる、という結果になった。20年1~3月期まで伸ばすと、6割強になる。 米国では経済統計の良し悪しにバラツキがあり、貿易摩擦の落ち着きどころも見えないが、連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げとバランスシート縮小を棚上げしたことで金融市場は落ち着きを取り戻しつつある。 中国も政府が減税やインフラ投資など大規模な景気対策を打ち出して、失速を回避するのに躍起だ。「2019年度に最も懸念される地域」を尋ねた別の質問では「中国」の回答が35%で最多だった。過剰債務問題などリスクは山積みだが、政府関与で立ち直りも早めとみているようだ。 3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比で改善。クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は「景気対策の効果が出て、米中摩擦も大方解決に向かう。両方の期待を株価上昇が先取りしている」と指摘する。実際、上海総合指数の年初来の上昇率は30%近い。 米中に比べると欧州と日本の回復ペースはやや鈍そうで、年内の底入れを予想する見方は合計5割以下にとどまる。20年7月以降にずれ込むとみている回答も3人に1人で、米中より多い。 いずれも主要な貿易相手である中国の減速懸念が主な要因になっているほか、日本の場合は10月の消費増税の影響も見逃せない。大盤振る舞いの景気対策が予定されてはいるが、増税直後の10~12月期の底入れ予想は少ない。 ■今年度、最も上昇する通貨は「ドル」「円」が拮抗 こうした見通しを踏まえ、19年度に最も上昇しそうな通貨を聞いたところ、ドル(37%)と円(35%)が拮抗した。「海外の金融政策の見直しで円高方向に動いた場合でも、日本は対応の余地が狭い」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)という。最も下落しそうな通貨に選ばれたのは「ポンド」(37%)だった。 調査は8~10日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者89人が回答した。 (ナレッジ開発本部 伊藤央峻)

市場区分見直し基準は「時価総額に着目」7割 株式関係者、QUICK月次調査

QUICKが8日まとめた4月の株式月次調査によると、東京証券取引所が議論している市場区分の再編について、見直しの基準として「時価総額」「流動性」「銘柄数」に着目すべきとする声が目立った。東証1部への昇格基準が緩い、1部上場でも低収益で時価総額が小さい企業が多い、といった構造的な問題が指摘されている。見直しによって市場が活性化するかとの問いでは、「活性化する」「少し活性化する」(合計47%)と、「あまり変わらない」(46%)がほぼ同数だった。   市場の在り方の見直しが議論される背景には、最上位の市場である1部が圧倒的に銘柄数が多い、いったん1部に昇格してしまうと降格が少ない「1部上場ゴール」の問題などがある。見直しに際しての着目点を3つまで選んでもらったところ、「時価総額」を挙げた回答が73%、「浮動株式数など流動性の基準」が59%に上った。銘柄数を絞り込むことが大事との声も目立つ。 ※市場区分見直しの基準として着目すべきものを3つまで選んでもらった 東証1部全銘柄で構成される東証株価指数(TOPIX)をベンチマークにしているパッシブ運用の投資家は多い。ただ、市場関係者は市場区分の見直しとベンチマークの問題を切り分けて考えているようだ。   TOPIXに代わる新しいベンチマークが必要かとの問いに対して、40%の回答者が「必要ない」と答え、「どちらともいえない」(36%)や「必要」(24%)を上回った。「ベンチマークの変更には大きな負担がかかる」(生保)など、既に普及しきったTOPIXの置き換えは難しいと考える投資家が多い。   調査は4月2~4日に実施し、証券会社および機関投資家の株式担当者139人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

平成最大の衝撃「マイナス金利政策」 債券QUICK月次調査、世代間で違いも

新元号が「令和(れいわ)」に決まり、30年あまり続いた「平成」が間もなく幕を閉じる。振り返ると、1990年代半ばに3~4%だった日本の長期金利は右肩下がりを続け、今ではマイナス圏で推移する。   平成の時代を債券市場関係者はどう総括するのか。QUICKが4月1日にまとめた3月の債券月次調査によると、平成時代、債券市場に影響を与えた出来事として、2016年1月の「マイナス金利政策の導入」との回答が最も多かった。副作用を伴う「劇薬」への印象は強烈だった。   ■「マイナス金利」は全世代1位  ※平成に債券市場に影響を与えた出来事のなかで印象に残っているものを3つまで選んでもらった。   マイナス金利導入で受けた大きな衝撃は、世代を超えた共通体験となっているようだ。これを選んだ回答者の割合は、すべての世代でトップとなった。   またマイナス金利政策にはやや否定的な声が多い。米欧の中銀がハト派姿勢に転換するなか、日銀にとってマイナス金利の深掘りは残された数少ない追加の緩和の手段ともいえる。だが回答者からは「副作用が大きく選択肢にならない」(投信投資顧問)、「『緩和』と呼んではいけないのではないか」(証券会社)などの意見が相次いだ。   「為替相場の水準と市場のセンチメント次第」(証券会社)との見方もある。金融機関の利ざやの縮小など負の側面もあるが、為替が円高に振れれば、評価が割れる金利引き下げを日銀が選択する可能性はある。   ■世代間で差が出た項目も   回答を世代ごとに見ると、印象の残った出来事にはばらつきがある。例えば、1998年12月の「大蔵省資金運用部ショック」は、50代以上の回答者は、マイナス金利に次いで2番目に多い36%が選択した。一方で20代の回答者は選んでおらず、実際に経験した世代とそうでない世代での感覚の違いが浮かび上がった。   月次調査は3月26~28日に実施し、証券会社および機関投資家の債券担当者132人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

「日米通商交渉で円高」6割 トランプ流警戒 米中は進展なく反応薄 QUICK月次調査

ロシア疑惑や「壁」建設を巡る議会との対立、米中摩擦など国内外で難問が山積みの米トランプ政権。外国為替市場はとりわけ日本や中国との通商問題の悪化を懸念している。QUICKと日経ヴェリタスの共同調査によると、4月以降に開催される見通しの日米物品貿易協定(TAG)交渉が円高要因になるとする回答者が6割超に上った。 国内政治の混乱が続いたり景気減速が表面化したりした場合、トランプ政権は支持率の維持のため外交や通商面で目に見える成果を求めるとみられる。 日米交渉に先駆けて行ってきた米中交渉は、交渉期限が延期されたうえに首脳会談の予定も決まっておらず、合意への道筋は見えない。月次調査で米中首脳会談の見通しと円相場への影響を聞いたところ、最も多い回答は「大きな進展がなく、円相場も反応薄」(43%)だった。 「追加関税の取り下げなど何らかの進展があっても、市場は織り込み済み」(27%)などを合わせ、円相場への影響は軽微との見方が7割に上る。金融助言会社MCPの嶋津洋樹チーフストラテジストは「大きな決裂が避けられれば市場全体がリスクオンになりやすい」と話す。 これに対し日米交渉の行方は円相場の動向に直結しそうだ。米中交渉で具体的な進展がみられなければ、トランプ政権はその後の日米交渉で一段と圧力を強めることが予想される。調査では「自動車などの輸出規制が強化されて円高になる」(25%)と、交渉の過程で「米側が円安是正を求めてきて円高になる」(24%)との予想が目立つ。 トランプ政権はかねて日本の対米貿易黒字や円安を問題視している。米商務省が自動車の輸入制限に関する報告書を2月に提出し、トランプ大統領は5月中に関税発動の是非などを判断する見通しだ。 教科書的には、日本からの輸出の抑制は貿易収支の悪化につながり、円安方向に作用する。だが市場は、自動車輸出の減少で企業収益が悪化→輸出企業などの株価下落でリスクオフ→円高という波及経路をイメージしている。過去の日米通商交渉の局面でも円高・ドル安の傾向がみられたうえ、米が金融引き締めを小休止した今年はもともとドル安・円高に向かいやすい。 「通貨安誘導を防ぐ為替条項が盛り込まれて円高要因」(15%)の予想もあわせると、日米交渉を機に円高圧力が高まるとみる人は64%に達する。みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、2円程度の円高要因になると指摘する。 「米国からの農産物、防衛装備品、エネルギーなどの輸入拡大で着地し、円相場への影響は限定的」や「影響なし」と回答した人は少数派だ。 こうしたトランプ政権の貿易交渉などを踏まえた2019年(1月~)の円の対ドル相場の予想を改めて聞いた。高値の平均は1ドル=102円93銭、安値の平均は114円83銭だった。 月次調査は11~13日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者91人が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

2019年度見通し、株式「強気」が激減 QUICK月次調査

2019年度は株式投資への「強気」な見方が減り、債券「強気」派が急増ーー。QUICKが11日まとめた月次調査<株式>によると、国内株式の強弱指数(「強気」と答えた比率から「弱気」と答えた比率を差し引いた値)はプラス12と、18年度のプラス41から29ポイント低下した。米国株式はプラス10と21ポイント低下し、欧州株式はマイナス38と弱気に転じた。米中の貿易戦争による世界経済の減速が投資家心理の重荷になっている。 ■強弱指数(「強気」―「弱気」) ※2018年度は2018年4月調査より 調査期間は5~7日。証券会社や機関投資家の株式担当者に「国内株式」「米国株式」「欧州株式」「新興国株式」「国内債券」「米国債券」「欧州債券」「国内外REIT」「コモディティー」の9つのアセットクラスについて、19年度の見通しを「強気」「中立」「弱気」で聞いた。137人が回答した。 国内株式は強気の割合が18年度の54%から30%へ大幅に低下し、中立の見方が過半数を占めた。世界景気の拡大と企業業績の伸びが期待されていた18年度から一転、19年度は景気減速の懸念が広がるとともに、企業業績の下方修正が相次ぎ、先行きに慎重な見方が増えた。 一方、債券に対しては楽観的な見方が増えた。強弱指数をみると、19年度は国内債券がプラス1、米国債券がプラス9、欧州債券がプラス2と、いずれも強気が弱気を上回った。18年度は米国と欧州の債券に対する弱気派が4割を超えていたが、19年度は大幅に減少している。利上げなど金融引き締めのムード強かった18年度とは打って変わり、19年度は米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が引き締めから距離を置く「ハト」色が濃くなっており、債券投資にはプラスだ。 国内外REITは強気派の比率が20ポイント増加し、コモディティーは中立が8割を占めている。 (QUICKナレッジ開発本部 篠原直樹) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

米欧の中銀「ハト派」化、織り込み一段と 債券QUICK月次調査

債券市場で、2019年の米欧の金融政策はハト派色が強まるとの見方が目立ってきた。QUICKが4日にまとめた2月の月次調査では、米連邦準理事会(FRB)は保有資産の縮小をいったん停止し、政策金利の引き上げもゼロないし1回と予想する声が多かった。   「FRBの保有資産の縮小ペースをどう予想するか」との問いに対し、縮小を停止するとの回答が56%を占めた。19年中のFRBの政策金利(FF金利)の引き上げ回数は0~1回の合計で9割を超す。欧州中央銀行(ECB)の19年中の金融政策に関する質問でも緩和的な政策が多く選ばれた。 実際、FRBのパウエル議長は、米国債などの保有資産縮小を年内に終了することを検討していると議会で証言。ECBの長期資金供給オペ(TLTRO)の再実施の観測も浮上している。当事者からハト派的なメッセージが相次いで出されていることもあって、約2週間前に外為市場関係者を対象に実施した月次調査と比べても、緩和的な政策の織り込み度合いがより強まっている。 今後の長期金利上昇の余地は限定されると見る向きが多い。足元では世界的な投資家心理の改善をうけ金利は小幅に上昇しているものの、「政策的な金利上昇要因がない。海外金利の動向が日本の金利の上値も抑える」(BNPパリバ証券の徳勝礼子氏)という。 今回は同時に、英国の欧州連合(EU)離脱による英経済への影響についても聞いた。「小幅に減速する」が60%と最も多く、ついで「大幅に減速する」が29%だった。「(英経済の)ハードデータとして現れるのは20年以降」(証券会社)などの声があった。 2月の債券月次調査は2月26~28日に実施し、証券会社および機関投資家の債券担当者136人が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻)

年末「ドル>円>ユーロ」の構図 米の金融正常化一服、日欧は動けず QUICK月次調査

金融市場が落ち着かず世界経済の減速懸念も浮上する中で、2019年の日米欧の中央銀行のかじ取りに注目が集まっている。QUICKと日経ヴェリタスが外国為替市場の関係者に調査したところ、米国の金融引き締めは小休止し、欧州と日本も大きく動けないと予想する回答が多かった。全般に景気配慮型の金融政策を前提に年末は「ドル>円>ユーロ」の強弱関係になるとの見方が目立つ。 1月は米連邦準備理事会(FRB)が利上げの一時休止を示唆し、引き締め路線を修正。欧州中央銀行(ECB)は政策金利を19年夏まで現状水準で据え置くことを確認し、日銀も金融緩和策の維持を決めた。 年内はこの流れが続くというのが市場のコンセンサスになっているようだ。米国の利上げ回数予想については「1回」が46%で最も多く、ゼロが32%で続く。利上げする場合でも1~3月の予想はなく、4~6月(46%)や7~9月(42%)と年央以降との予測が多い。 ECBは「夏まで金利水準を維持」としており、理屈上は最速で今秋の利上げがあり得るが、市場には「年内は据え置き」(78%)との見方が広がっている。日銀についても「現状維持」の予想が68%と断トツ。日欧とも金融政策を大きく動かしにくい状況にある。 こうした各中銀の動向などを踏まえ、年末のドル、円、ユーロの3通貨の強弱関係を予想してもらった。最も多い回答が「ドル>円>ユーロ」の33%で、「ドル>ユーロ>円」(10%)を合わせたドル高派は43%にのぼった。「成長率、金利水準からみてドル1強がつづく」(証券会社)など、堅調な米国景気を背景に緩やかなドル高が続くとの見方は根強い。 「円>ドル>ユーロ」(26%)と「円>ユーロ>ドル」(14%)の円高派も40%だった。 FRBの路線修正で米金利の上昇余地が乏しくなり、一本調子のドル高は想定しにくくなった。加えて政治が安定しない欧州のユーロは買えないとなれば「消去法で円になる」(事業会社)。日本固有の買い材料は限られるが、米国の政治・経済状況しだいで相対的に円が強くなりやすいとの読みだ。昨年12月の月次調査でも、今年の最強通貨としてドルと円をあげる回答が30%強で拮抗しており、今回の結果と合致する。 ユーロについては、英国の欧州連合(EU)離脱や域内経済見通しの下方修正などで総じて弱気。ただ「欧州景気は底割れせずに持ちこたえ、ユーロが年後半にかけて相対的に強含む」(三井住友信託銀行の瀬良礼子氏)との見方もある。 月次調査は2月12~13日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者など81名が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

東証1部「基準緩い」の指摘目立つ 市場見直しでQUICK月次調査

東京証券取引所は主要企業で構成する東証1部のありかたを見直す。1部で2100社超ある上場数を絞り込むと同時に、2部、ジャスダック、マザーズの各市場区分の位置づけも整理するとみられる。QUICKがこの問題について市場関係者に調査したところ、上場企業(市場)の新陳代謝の悪さが改めて指摘された。 東証1部の課題について、「廃止基準がゆるく、市場からの退出が進まない」(37%)、「東証1部市場への上場基準がゆるく、銘柄数が増えすぎている」(32%)との回答が目立った。「流動性が乏しい銘柄が多すぎる」(22%)との回答も多く挙がった。 東証は1部上場の新基準として時価総額が500億円以上を条件とする方向で検討しているもよう。現在は、直接上場またはジャスダックから上場する際の基準は時価総額250億円だ。 調査では、「時価総額だけでなく、営業利益率などの基準も加えて、ただの大型株指数にならないよう配慮するとよい」(投信投資顧問)と、優良銘柄を選定する新たな基準を求める声もある。 低収益が長く続いたり、不祥事にまみれる企業が増えたりして、日本を代表する会社という「金看板」の輝きは昔ほどではなくなっている面もある。国内外から幅広く投資マネーを呼び込むための魅力的な市場づくりは待ったなしだ。 調査期間は5~7日。証券会社および機関投資家の株式担当者149人が回答した。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

物価2%上昇を達成できぬワケ 債券市場の見立ては…… QUICK月次調査

日銀は1月に2019年度以降の物価見通しを引き下げ、目指している「物価上昇率2%」への道のりはさらに見えなくなってきた。QUICKが4日にまとめた1月の月次調査<債券>で物価目標を達成できない理由を聞いたところ、根強いデフレ心理や低賃金など構造問題に票が集まった。債券市場と、原油価格の下落の影響などを理由に挙げる日銀との認識の違いが目立つ。 日銀は今回発表の展望リポートで、生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の上昇率予測について、19年度を0.5ポイント引き下げ0.9%に、20年度を0.1ポイント引き下げ1.4%(いずれも消費増税、教育無償化の影響を除く)とした。調査はその翌週に実施し、証券会社および機関投資家の債券担当者134人が回答した。 物価上昇率2%が達成できない主な理由を3つ選んでもらい、最も多いのは「根強いデフレ心理・構造」(71%)との回答だった。「賃金の伸び悩み」(59%)、そもそも「(2%という)目標が高すぎる」(53%)と続く。さらに「人口動態」を挙げる回答も35%あり、様々な構造要因からデフレがあまり払拭されていない印象を持っているようだ。 日銀は今回の見通し引き下げについて「原油価格の下落を主因として」と説明しているが、調査ではその要因を選んだ回答は23%にとどまった。 アベノミクスを掲げる政府と日銀が共同声明(アコード)で、物価目標2%の早期達成などを約束したのはちょうど6年前。政府は今では、2%へのこだわりを見せなくなった。調査に回答したJPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは、「賃金面への波及なども含めて、マイルドなインフレが社会全体にとって望ましいというコンセンサスがない」としたうえで、財政政策、構造改革の取り組みの必要性を指摘している。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

外為市場、ドル先安観が強まる QUICK調査、今後6ヵ月「下落」>「上昇」

外国為替市場関係者の間で、ドルの円に対する先安観が強まっている。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した月次調査によると、向こう6ヵ月でドルが対円で下落するとみている人の割合は38%にのぼり、上昇するとみている人の割合(26%)を初めて上回った。景気減速懸念や米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測の後退、政府機関の一部閉鎖など政治の先行き不透明感を映した結果とみられる。 昨年12月の調査では、ドルが対円で上昇とみる回答は46%、下落は31%だった。年初に「アップルショック」などで一時、1ドル=108円台から104円台に急騰しており、こうした相場波乱をみて短期間で市場参加者のセンチメントが一変した格好だ。上昇予想の割合から下落予想の割合を差し引いたDIはプラス15からマイナス12へと大きく悪化。ドルのDIがマイナスに転じるのは調査が始まって以来初めてだ。 ■半年先に米ドルは下落するとの見方が優勢(上昇と答えた割合から下落と答えた割合を引いた値) 市場参加者がドル安予想に傾いた背景には、米国の金融政策に対する見方が逆回転したことがある。これまでの月次調査では、金融緩和を手仕舞いして利上げに向かった米国の金利と金融政策はドル高をもらたらす要因だとみる向きが多かった。 しかし、利上げ観測が後退して利下げの可能性も取りざたされる中で行われた今回の調査では、今度は金利・金融政策はドル安の要因としてみられるようになった。調査を基に算出している為替変動要因指数で、金利・金融政策が「ドル安」方向に振れたのは6年ぶりとなる。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

外為市場はBrexit期限の延期を予想 「合意なし」なら円高・株安 QUICK月次調査

英国の欧州連合(EU)離脱が一段と混迷を深めている。外国為替市場では、予定されている離脱期限の3月29日までに手続きが進まず、経済に深刻な影響が出る「合意なし離脱」をひとまず回避するために英政府が離脱期限の延期を求める、との見方が多い。回避できなければ市場のリスクオフムードが強まり、急激な円高やポンド売り、世界的な株安も懸念される。 QUICKと日経ヴェリタスが共同で15~16日に調査を実施し、金融機関や事業会社の外為担当者88人が回答した。ちょうど英議会が政府のEU離脱協定案を大差で否決した節目の局面にあたる。 翌日の内閣不信任案の否決で一息ついたメイ英首相は、21日までに代替案を示す。しかし国民投票の再実施を主張する意見もあるなど、議会の合意を取り付けるのは至難の業。EUとの再協議にこぎ着けたとしても代替案が認められるとは限らず、当初の離脱期限までに事態を決着させるのは極めて難しい状態だ。 調査でも、何とか対応策を探るため「離脱期限の延期」にすがるとみる回答が50%と最も多くなった。次に多いのが、最後まで議論がまとまらず「合意なし離脱」に至るという最悪のシナリオの予想(22%)だ。 15日の離脱協定案否決はある程度、予想されていたため金融市場の波乱はほとんどなかったが、仮に「合意なし」が現実になればリスクオフムードの高まりは避けられない。 ポンドは現在1ポンド=1.28ドル前後。16年6月にEU離脱を決めた後、その年の10月に安値の1.15ドル台をつけた。「合意なし」になってしまった場合、再びポンド売りが膨らむのは必至で「その安値近辺まで下落する」(47%)、「その安値をさらに下回る」(36%)との見立てが多い。 ポンド売りの一方で、最も買われる通貨はどこかを聞いた設問では、日本円を挙げた回答者の割合が61%と断トツだった。 マネースクエアの西田明弘チーフエコノミストは「リスクオフが強まり、安全資産の円が独歩高になる可能性もある。EU離脱決定直後のように1ドル=100円を超える場面もあるかもしれない」と話す。 「ブレグジット・ショック」に見舞われた当時の外為市場では、それまで対ドルで104円前後だった円が一気に99円台に上昇。パニック的な円買いが見られ、対ポンドでも157円台から133円台へと急騰した。 「合意なし離脱は現段階であまり織り込まれていないうえ、米中対立の激化といったリスクイベントに比べて影響は限定的」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミスト)との冷静な見方もある。 調査で、世界の株価への影響度合いを聞いたところ、「5%未満の下落」が42%、「5~10%の下落」が25%、「10%を超える下落」が5%だった。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

高値2万3160円で去年を超えられぬ?日経平均 専門家155人が月次調査で予想、リスクは米中

2019年の日経平均株価は、米中の摩擦などが引き続き重荷になり、18年の水準を下回るレンジで推移する--。QUICK月次調査がまとめた市場参加者155人の予想は、年間高値の平均が2万3160円、安値の平均が1万8742円。18年の高値(2万4270円、10月)と安値(1万9155円、12月)にいずれも届かないという弱めの集計結果になった。 調査期間は1月8~10日。重要なリスク要因を3つまで挙げてもらったところ、多い順に「米国の政治・経済の混乱」「中国経済・金融の混乱」「米中貿易摩擦」となった。市場関係者の懸念は米中摩擦をめぐる両国の政治的・経済的な混乱に集中している。 東洋証券の檜和田浩昭投資調査部部長の予想は高値2万4000円、安値1万8500円で全体の最頻値に近い。「足元の米マクロ統計の強弱がリスク要因となりそう。中国も景気の減速懸念が指摘されているが、何かが悪いとなれば政府が前倒しで政策を発動し、景気の底割れを回避するだろう」とみている。 最高値の予想で最も強気なのは3万円、最安値の予想で最も弱気なのは1万2000円だった。 実際、景気や企業業績への期待はしぼみ始めている。今後6カ月の最も注目すべき株価変動要因を聞く設問では回答者の47%が「景気・企業業績」と答えた。株価へのプラスマイナスの影響度合いを示す変動要因指数(0に近づくほど株安懸念が強く、50が中立、100に近づくほど株高期待が高い)でみると、48.9と16年6月以来の低水準となった。昨年の秋に指数は70に近づいていたが、短期間で相場の雰囲気が悪くなっている。 QUICKは12月の債券担当者への月次調査でも今年の相場見通しを尋ねている。そちらの予想は、高値予想が2万2827円、安値が1万8229円と、今回の株式調査とだいたい同じだった。一方で債券担当者は債券市場のリスク要因として、「米国の政治・経済の混乱」に次いで「日本の金融政策の変更」「米国の金融政策の変更」を挙げており、中央銀行の動きに一段と敏感になっている様子がうかがえる。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

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