東証1部「基準緩い」の指摘目立つ 市場見直しでQUICK月次調査

東京証券取引所は主要企業で構成する東証1部のありかたを見直す。1部で2100社超ある上場数を絞り込むと同時に、2部、ジャスダック、マザーズの各市場区分の位置づけも整理するとみられる。QUICKがこの問題について市場関係者に調査したところ、上場企業(市場)の新陳代謝の悪さが改めて指摘された。 東証1部の課題について、「廃止基準がゆるく、市場からの退出が進まない」(37%)、「東証1部市場への上場基準がゆるく、銘柄数が増えすぎている」(32%)との回答が目立った。「流動性が乏しい銘柄が多すぎる」(22%)との回答も多く挙がった。 東証は1部上場の新基準として時価総額が500億円以上を条件とする方向で検討しているもよう。現在は、直接上場またはジャスダックから上場する際の基準は時価総額250億円だ。 調査では、「時価総額だけでなく、営業利益率などの基準も加えて、ただの大型株指数にならないよう配慮するとよい」(投信投資顧問)と、優良銘柄を選定する新たな基準を求める声もある。 低収益が長く続いたり、不祥事にまみれる企業が増えたりして、日本を代表する会社という「金看板」の輝きは昔ほどではなくなっている面もある。国内外から幅広く投資マネーを呼び込むための魅力的な市場づくりは待ったなしだ。 調査期間は5~7日。証券会社および機関投資家の株式担当者149人が回答した。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

物価2%上昇を達成できぬワケ 債券市場の見立ては…… QUICK月次調査

日銀は1月に2019年度以降の物価見通しを引き下げ、目指している「物価上昇率2%」への道のりはさらに見えなくなってきた。QUICKが4日にまとめた1月の月次調査<債券>で物価目標を達成できない理由を聞いたところ、根強いデフレ心理や低賃金など構造問題に票が集まった。債券市場と、原油価格の下落の影響などを理由に挙げる日銀との認識の違いが目立つ。 日銀は今回発表の展望リポートで、生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の上昇率予測について、19年度を0.5ポイント引き下げ0.9%に、20年度を0.1ポイント引き下げ1.4%(いずれも消費増税、教育無償化の影響を除く)とした。調査はその翌週に実施し、証券会社および機関投資家の債券担当者134人が回答した。 物価上昇率2%が達成できない主な理由を3つ選んでもらい、最も多いのは「根強いデフレ心理・構造」(71%)との回答だった。「賃金の伸び悩み」(59%)、そもそも「(2%という)目標が高すぎる」(53%)と続く。さらに「人口動態」を挙げる回答も35%あり、様々な構造要因からデフレがあまり払拭されていない印象を持っているようだ。 日銀は今回の見通し引き下げについて「原油価格の下落を主因として」と説明しているが、調査ではその要因を選んだ回答は23%にとどまった。 アベノミクスを掲げる政府と日銀が共同声明(アコード)で、物価目標2%の早期達成などを約束したのはちょうど6年前。政府は今では、2%へのこだわりを見せなくなった。調査に回答したJPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは、「賃金面への波及なども含めて、マイルドなインフレが社会全体にとって望ましいというコンセンサスがない」としたうえで、財政政策、構造改革の取り組みの必要性を指摘している。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

外為市場、ドル先安観が強まる QUICK調査、今後6ヵ月「下落」>「上昇」

外国為替市場関係者の間で、ドルの円に対する先安観が強まっている。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した月次調査によると、向こう6ヵ月でドルが対円で下落するとみている人の割合は38%にのぼり、上昇するとみている人の割合(26%)を初めて上回った。景気減速懸念や米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測の後退、政府機関の一部閉鎖など政治の先行き不透明感を映した結果とみられる。 昨年12月の調査では、ドルが対円で上昇とみる回答は46%、下落は31%だった。年初に「アップルショック」などで一時、1ドル=108円台から104円台に急騰しており、こうした相場波乱をみて短期間で市場参加者のセンチメントが一変した格好だ。上昇予想の割合から下落予想の割合を差し引いたDIはプラス15からマイナス12へと大きく悪化。ドルのDIがマイナスに転じるのは調査が始まって以来初めてだ。 ■半年先に米ドルは下落するとの見方が優勢(上昇と答えた割合から下落と答えた割合を引いた値) 市場参加者がドル安予想に傾いた背景には、米国の金融政策に対する見方が逆回転したことがある。これまでの月次調査では、金融緩和を手仕舞いして利上げに向かった米国の金利と金融政策はドル高をもらたらす要因だとみる向きが多かった。 しかし、利上げ観測が後退して利下げの可能性も取りざたされる中で行われた今回の調査では、今度は金利・金融政策はドル安の要因としてみられるようになった。調査を基に算出している為替変動要因指数で、金利・金融政策が「ドル安」方向に振れたのは6年ぶりとなる。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

外為市場はBrexit期限の延期を予想 「合意なし」なら円高・株安 QUICK月次調査

英国の欧州連合(EU)離脱が一段と混迷を深めている。外国為替市場では、予定されている離脱期限の3月29日までに手続きが進まず、経済に深刻な影響が出る「合意なし離脱」をひとまず回避するために英政府が離脱期限の延期を求める、との見方が多い。回避できなければ市場のリスクオフムードが強まり、急激な円高やポンド売り、世界的な株安も懸念される。 QUICKと日経ヴェリタスが共同で15~16日に調査を実施し、金融機関や事業会社の外為担当者88人が回答した。ちょうど英議会が政府のEU離脱協定案を大差で否決した節目の局面にあたる。 翌日の内閣不信任案の否決で一息ついたメイ英首相は、21日までに代替案を示す。しかし国民投票の再実施を主張する意見もあるなど、議会の合意を取り付けるのは至難の業。EUとの再協議にこぎ着けたとしても代替案が認められるとは限らず、当初の離脱期限までに事態を決着させるのは極めて難しい状態だ。 調査でも、何とか対応策を探るため「離脱期限の延期」にすがるとみる回答が50%と最も多くなった。次に多いのが、最後まで議論がまとまらず「合意なし離脱」に至るという最悪のシナリオの予想(22%)だ。 15日の離脱協定案否決はある程度、予想されていたため金融市場の波乱はほとんどなかったが、仮に「合意なし」が現実になればリスクオフムードの高まりは避けられない。 ポンドは現在1ポンド=1.28ドル前後。16年6月にEU離脱を決めた後、その年の10月に安値の1.15ドル台をつけた。「合意なし」になってしまった場合、再びポンド売りが膨らむのは必至で「その安値近辺まで下落する」(47%)、「その安値をさらに下回る」(36%)との見立てが多い。 ポンド売りの一方で、最も買われる通貨はどこかを聞いた設問では、日本円を挙げた回答者の割合が61%と断トツだった。 マネースクエアの西田明弘チーフエコノミストは「リスクオフが強まり、安全資産の円が独歩高になる可能性もある。EU離脱決定直後のように1ドル=100円を超える場面もあるかもしれない」と話す。 「ブレグジット・ショック」に見舞われた当時の外為市場では、それまで対ドルで104円前後だった円が一気に99円台に上昇。パニック的な円買いが見られ、対ポンドでも157円台から133円台へと急騰した。 「合意なし離脱は現段階であまり織り込まれていないうえ、米中対立の激化といったリスクイベントに比べて影響は限定的」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミスト)との冷静な見方もある。 調査で、世界の株価への影響度合いを聞いたところ、「5%未満の下落」が42%、「5~10%の下落」が25%、「10%を超える下落」が5%だった。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

高値2万3160円で去年を超えられぬ?日経平均 専門家155人が月次調査で予想、リスクは米中

2019年の日経平均株価は、米中の摩擦などが引き続き重荷になり、18年の水準を下回るレンジで推移する--。QUICK月次調査がまとめた市場参加者155人の予想は、年間高値の平均が2万3160円、安値の平均が1万8742円。18年の高値(2万4270円、10月)と安値(1万9155円、12月)にいずれも届かないという弱めの集計結果になった。 調査期間は1月8~10日。重要なリスク要因を3つまで挙げてもらったところ、多い順に「米国の政治・経済の混乱」「中国経済・金融の混乱」「米中貿易摩擦」となった。市場関係者の懸念は米中摩擦をめぐる両国の政治的・経済的な混乱に集中している。 東洋証券の檜和田浩昭投資調査部部長の予想は高値2万4000円、安値1万8500円で全体の最頻値に近い。「足元の米マクロ統計の強弱がリスク要因となりそう。中国も景気の減速懸念が指摘されているが、何かが悪いとなれば政府が前倒しで政策を発動し、景気の底割れを回避するだろう」とみている。 最高値の予想で最も強気なのは3万円、最安値の予想で最も弱気なのは1万2000円だった。 実際、景気や企業業績への期待はしぼみ始めている。今後6カ月の最も注目すべき株価変動要因を聞く設問では回答者の47%が「景気・企業業績」と答えた。株価へのプラスマイナスの影響度合いを示す変動要因指数(0に近づくほど株安懸念が強く、50が中立、100に近づくほど株高期待が高い)でみると、48.9と16年6月以来の低水準となった。昨年の秋に指数は70に近づいていたが、短期間で相場の雰囲気が悪くなっている。 QUICKは12月の債券担当者への月次調査でも今年の相場見通しを尋ねている。そちらの予想は、高値予想が2万2827円、安値が1万8229円と、今回の株式調査とだいたい同じだった。一方で債券担当者は債券市場のリスク要因として、「米国の政治・経済の混乱」に次いで「日本の金融政策の変更」「米国の金融政策の変更」を挙げており、中央銀行の動きに一段と敏感になっている様子がうかがえる。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

長期金利は年末にかけ上昇へ 19年相場、債券のプロが読む QUICK月次調査

QUICKは7日、2018年12月のQUICK月次調査<債券>の結果を発表した。特別質問では19年の相場見通しについて質問し、証券会社および機関投資家の債券担当者128人が回答した。調査期間は12月25~27日。19年末にかけて日本の長期金利は上昇が見込まれるが、引き続き水準は低いとの予想が多い。目先の債券相場では海外金利の動向が注目されそうだ。 長期金利の指標となる10年国債利回りは昨年10月に0.155%と最も高い水準をつけたが、足もとはマイナス0.020%程度で推移。年始の波乱相場で4日に一時、マイナス0.050%まで低下するなど、市場参加者の想定を超える勢いで金利低下が進んでいる。回答者からは「日米の景気動向や企業収益の見通しをふまえると、明らかに行き過ぎた動き」(その他金融機関)と反発を予想する声がある。 10年金利が最も高くなる時期については12月の予想が46人、最も低くなる時期は1月が27人でそれぞれ最も多い。20年国債の利回りについても同様に、1月に低く12月に高いとの見立てが目立つ。 米国の10年物国債利回りは、予想最高値の平均が3.183%、予想最低値の平均が2.581%となった。昨年は米国経済の好調などを背景に断続的に3%台で推移(1年前の調査で18年予想は最高が2.786%)したが、最近は米中貿易摩擦に端を発する景気減速が懸念されるなど情勢は様変わり。米10年金利はいま2.6%台だ。 債券担当者の間では、価格変動要因として、米金利をはじめとする海外の金利動向に注目ポイントが移っている。米連邦準備理事会(FRB)の政策金利変更の回数を聞くと、「利上げ2回」との回答が51%と最も多く、次いで「1回」が38%、「なし」が10%だった。利下げについては、回答者の95%が「なし」と予想した。(QUICKナレッジ開発本部)

来年、最も強いのはドルか円か 米利上げ「1~2回」で見方分かれる 月次調査<外為>

「ドル一強」から2019年は「ドル高・円高」へ――。QUICKと日経ヴェリタスが共同実施した外国為替市場関係者への調査で、来年の最も強い(上昇が見込まれる)通貨に米ドルと円を挙げる見方がそれぞれ30%台と多くなった。ドルは米国経済の底堅さへの期待から買われ、円の場合は米国や世界景気の減速などリスクオフで買われるという理由が目立つ。 ドルは今年、複数通貨に対する名目実効レートが33年ぶりの高水準を記録するなど、独り勝ちの状況だ。雇用統計をはじめ、好調な経済指標をうけて米連邦準備理事会(FRB)は3回の利上げを実施。世界の投資マネーが米国に流れ込み、そのあおりでトルコやアルゼンチンなど新興国の通貨が急落する局面もあった。 調査では19年も引き続きドル=最強を予想する回答が32%にのぼったほか、円を選んだ人の割合も36%と拮抗している。これは、為替相場への影響が極めて大きい米国の金融政策についてのとらえ方の違いによるものだ。 今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では今年4回目の利上げが確実視されるが、問題は来年の回数。調査では「2回」の予想が47%、「1回」が41%と、見方が分かれた。これまで3~4回の強気な予想も多かったが、パウエル議長のハト派的発言などもあって足元では雰囲気が変わってきた。 「ペースが鈍ったとしても利上げする国の通貨は強いし、米経済は世界の中で相対的に堅調」(証券会社)とみればドル高のシナリオ。逆に、「利上げ打ち止め、景気減速に伴うリスク回避」(投信投資顧問)と見れば、ドルが売られて円が買われやすくなる。 住友商事グローバルリサーチの鈴木将之シニアエコノミストは「米経済が弱くなり、景気が鈍化あるいは減速に向かっていけば、円高傾向が強まると考えている」と話す。 では19年末の円の対ドル相場をどう読むか。調査では「1ドル=110~115円」の予想が34%、「105~110円」が31%となった。 今年の円の対ドルの高値は104円半ば、安値が114円半ばで、約10円の値幅は歴史的にみても狭い。「ドル・円相場は2年続けて狭いレンジに留まっており、動く力が蓄積されている可能性がある」(MU投資顧問の菊池宏債券運用部チーフストラテジスト)との声がある。来年は相場のボラティリティー(変動率)にも関心が集まりそうだ。 調査で最も弱い(下落が見込まれる)通貨に挙げられたのは英ポンド(50%)だった。現在は1ポンド=1.26ドル台と年前半の1.43ドル台から切り下がっている。欧州連合(EU)離脱協議の難航や政局混乱でポンド売りの展開はまだしばらく続くとの見方が多い。 月次調査は10~12日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者78人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

株式市場、下期業績に慎重な見方 QUICK月次調査で「下方修正が増加」36%

株式市場関係者の間で、企業業績の先行きに弱気・慎重な見方が増えてきた。QUICK月次調査によると、2018年度下期の業績について「下方修正する企業が増える」との回答が36%、「多くの企業が小幅な業績修正」が46%だった。 「米中貿易協議で安心材料が出てこない限り、日本株は上昇のきっかけをつかみにくい状況が続きそう」(投信投資顧問)など、先行きが見えない貿易戦争を心配する声が多い。 7~9月期決算では、アナリストの事前予想を下回った企業が多かった。その理由は「中国経済の減速」(28%)、「原材料費や人件費などコスト上昇」(23%)が目立った。これを受けて、発表後に下期や通期の見通しを下方修正するアナリストが相次いだ。 調査期間は12月4~6日。証券会社および機関投資家の株式担当者140人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

米は利上げ2回、欧州の利上げは秋以降、そして日銀は 11月のQUICK債券月次調査

2018年も残すところあと1カ月。市場動向を左右する日米欧の金融政策を債券市場関係者はどう見ているのか。QUICKは3日に発表した「QUICK月次調査<債券>」で、19年以降の日米欧の金融政策の見通しを聞いた。 まずは19年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ回数と実施時期。回数は「2回」との回答が58%と最も多く、次いで「3回」が19%、「1回」が17%と続いた。実施時期で最も多かった回答は、「3月19~20日」(80%)で、次に「6月18~19日」(62%)、「9月17~18日」(34%)と続いた。 米景気への見方は分かれている。「グローバルに景気減速に向かう」(投信投資顧問)との見方がある一方、「雇用、賃金、消費が底堅く19年中も金利上昇局面は続く」(投信投資顧問)と強気の声も多い。11月28日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は「政策金利は経済に中立的とされる水準をわずかに下回っている」と発言。それまでの「中立金利には程遠い」との発言からスタンスを変化させ、市場には利上げ打ち止め時期が近いとの空気が一気に広がった。 次に、欧州中央銀行(ECB)はいつ頃利上げに踏み切るか。「19年秋ごろ」が37%と最多を占め、次いで「19年末」が31%、「20年中」が19%と続いた。19年中には利上げに踏み切るとの見方が多い。「英国の欧州連合(EU)離脱)が難航することを考えると、ECBの利上げはまだ先のことになる」(その他金融機関)など、EU離脱の先行き次第との指摘もあった。 そして、緩和からの「出口レース」で最後方を独走する日本。 日銀がイールドカーブ・コントロールの修正について、19年中に実施すると思うものを聞いたところ、「10年金利の許容レンジの拡大」(47%)との回答が最も多く、次いで「19年中は修正しない」(39%)、「長期金利の目標年限の短期化」(16%)、「マイナス金利の縮小、撤廃」(15%)が続いた。 「政治日程や消費増税をふまえると日銀は大きな政策変更をしづらい」(証券会社)と見る向きが多い。「ダブル・スタンダード的な利上げ(=許容レンジの拡大)に終始せざるを得ない」(証券会社)というわけだ。金融政策が後手に回れば、景気減速から悪化に向かう局面で身動きが取れなくなる懸念がある。 QUICKは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として公表している。今回の<債券>の調査期間は11月27~29日。回答者数は139人だった。 (QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

中国景気「減速続く」7割 1ドル=7元超の元安も警戒、貿易戦争重荷に 月次調査<外為>

2019年の金融市場では中国リスクが一段の波乱要因になりそうだ。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した外国為替市場関係者への調査で、中国経済の減速と人民元安の基調が今後も続くとみている人の割合が、それぞれ7割前後に上った。落としどころが見えない米中貿易戦争が引き続き重荷だ。 中国の7~9月期の国内総生産(GDP)の成長率は前年同期比6.5%。政府目標の水準を何とか保ったものの、4~6月期の6.7%から鈍化した。製造業購買担当者景気指数(PMI)や小売売上高など最近の指標も低調で、年後半にかけて減速感が次第に強まっている。 政府の景気刺激策の下支え効果で景気底割れの事態はなさそうだが、貿易戦争のダメージは着実に蓄積。米国はトランプ政権と民主党が対中強硬策で一致しており、11月末に見込まれる米中首脳会談で膠着状態を打開できるかどうかは不透明だ。 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「日米貿易摩擦の歴史をみると1990年代後半に日本が深刻な景気後退に陥ると対日圧力は弱まった。同様に、中国が脅威の存在でなくなるまで米国は圧力をかけ続けるのではないか」と話す。 調査では、中国経済のリスクとして「貿易摩擦」(52%)に次いで「過剰な債務や投資」(40%)を指摘する回答も目立った。米国の圧力と根深い構造問題の挟み撃ちになっており、19年は経済成長が「さらに減速」(9%)、「緩やかに減速」(65%)するとの見方が多い。 こうした市場の懸念をすでに織り込み始めているのが、上海総合指数の落ち込みや人民元の下落だ。 とりわけ、じりじり下げ基調だった人民元相場は現在1ドル=6.9元台で推移。人民元急落を防ぐため中国人民銀行(中央銀行)が断続的に元買い・ドル売り介入を繰り返しているとされ、多くの外為市場関係者が節目と意識する「1ドル=7元」を巡る攻防が当面の焦点になる。 調査では「7元を超えて小幅な元安が進む」とみている人の割合が60%、「さらに急激な元安になる」が5%だった。 三井住友アセットマネジメントの深代潤執行役員・グローバル戦略運用グループヘッドは、貿易摩擦を機に中国と米国のルールが変わったため、1ドル=7元にあまりこだわらなくてよいとしつつも「米国向け輸出に頼れない中で、財政政策や規制緩和を活用しつつ、持続可能な水準に成長率を減速させていく。この過程で一定の元安が進むだろう」と分析する。 市場関係者の間には3年前の中国発の金融不安「チャイナ・ショック」の生々しい記憶がある。中国株や人民元の一段の下落は、世界的な株安や新興国通貨安といったリスクオフに直結し、円買いを呼びやすい。一方で人民元安・ドル高は間接的にドル高・円安にもなる。今回の調査では、大幅な人民元安になった場合のドル円相場は「円高・ドル安」に振れると警戒する声が78%に上った。 月次調査は12~14日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者96人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 根岸てるみ)   ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

日米株、長期の下落局面入りはないが… QUICK月次調査、相場の強弱感が対立

世界の株式相場の動揺がなかなか収まらない。QUICKが実施した調査によると、株式市場関係者はリスク要因のなかでも、とりわけ長期金利の上昇や貿易戦争など米国がらみの影響が大きいとみている。今回の株価の調整は一時的で、長期の下落トレンド入りを予想するのは少数派だが、再び勢いをとり戻せるかどうかについては見方が分かれている。 直近の株価の乱高下の理由を尋ねたところ、「米長期金利の上昇」(24%)、「米中貿易戦争の激化」(24%)に加え、「米国の景気拡大のピークアウト懸念」(24%)をあわせ、米国関連ファクターを挙げる声が約7割に上った。「中国の景気失速懸念」(16%)や「その他」(10%、企業業績の先行き不透明感など)もある。 日米の株式市場の先行きを聞いたところ、日本は「上値が重くなり、ボックス圏内で推移する」(38%)および「一時的な調整にとどまり、上昇トレンドに戻る」(34%)との見方が多く、米国についても、「一時的な調整にとどまり、上昇トレンドに戻る」(34%)との予測が多い。「現在の業績や景気動向としては良好」(証券会社)でファンダメンタルズの強さが相場の下支えになるとの指摘がある一方、「1つの懸念がなくなっても、別の材料が残っているので、当面は上値が重そう」(証券会社)との指摘があった。 「しばらく乱高下がつづく」との見方は、日本が21%、米国が25%だった。 調査期間は10月30~11月1日。証券会社および機関投資家の株式担当者136人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 永島奏子) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

消費増税で「景気悪化」9割 債券市場、それでも8割が「賛成」 QUICK月次調査

景気は悪化するが消費増税は「賛成」――。QUICKが29日にまとめた10月の月次調査によると、2019年10月に消費税率が10%に引き上げられた後の日本経済について債券市場関係者の9割が「悪化」すると回答した。一方、8割は増税そのものに「賛成」だった。 ※QUICKは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として公表しています。今回の<債券>の調査期間は10月23~25日。回答者数は134人。 安倍晋三首相は10月15日、来年秋に消費税率を10%へ引き上げると表明した。債券市場の関係者に引き上げを支持するか聞いたところ、「支持する」との回答が49%と最も多かった。次いで「どちらかといえば支持する」が32%と続き、引き上げ支持派が全体の8割を超えた。 消費増税を支持する理由は、債券市場にとっては言わずもがな。つまり「財政健全化を達成するため」(証券会社)だ。法人税率の引き上げや労働人口の増加が見込めないなか、手をつけるのは「社会保障の財源は高齢者の自助的な負担も含めた消費税」(銀行)という結論になるという。   一方、少数派ながら、引き上げを支持しない債券関係者もいた。「消費税率の引き上げは結果的により財政赤字を増やすための方便になっているため、財政規律の正常化に役立つどころか、むしろ逆になっている」(証券会社)との指摘があった。「デフレ脱却を完全に果たさない段階での消費増税は将来に禍根を残す」(投信投資顧問)との懸念も出ていた。 消費税率が予定通り引き上げられた場合、軽減税率などの対策を踏まえた消費増税後1年の日本経済への影響を聞いてみた。最も多かったのは「多少悪化する」で80%。「大幅に悪化する」の8%の回答と合わせると、およそ9割が景気の悪化を予想した。財政健全化の道を歩むには、多少の景気悪化はやむなし、というわけだ。景気が「影響なく堅調を維持する」との答えは11%にとどまった。 長期的に消費税率はどこまで上昇するか聞いたところ、単純平均で16.64%となった。「諸外国平均の20%近くまで引き上げざるを得ない」(信託銀行)。「軽減税率を導入しながら15%程度まで引き上げられる」(投信投資顧問)との見方が多かった。ただ、消費税は「政治的に鬼門。20%まで引き上げられるのに15年はかかる」(証券)との声もあった。   長期金利への影響については「金融政策が影響している部分が大きく、増税だけで金利がブレることはなさそうだ」(銀行)との指摘が目立った。 (QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

「上下院ねじれに」予想6割 米中間選挙、両院で共和敗北なら105円台も  月次調査<外為>

今年最大の政治イベント、米中間選挙まで1カ月弱。QUICKと日経ヴェリタスが共同実施した外国為替市場関係者への調査で、共和党は上院で過半数を維持するが下院では過半数を失う「ねじれ」状態になるとの予想が6割に上った。年末の円相場予想の平均は1ドル=112円80銭と足元の水準並み。ただ共和党が両院で敗北すれば105円台に上昇するとの予想も多い。   ※四捨五入の関係で合計は100にならない 米上下院のねじれ予想について、三井住友アセットマネジメントの市川雅浩氏は「ねじれ議会は市場のコンセンサスとなりつつある。現実になってもリスクオフの反応は一時的」という。 ただ2年前の大統領選では予想に反してトランプ氏が勝利し、直後に円安が進む「トランプラリー」となった。リスクシナリオを踏まえる意味で、中間選挙の結果がどうなれば最も円安・ドル高に傾くか聞いた。最も多い回答が「共和党が両院で過半数を維持」(72%)だった。その場合「年内に1ドル=120円まで円安が進む」が58%あった。 逆に共和党が両院で過半数を失った場合は円高・ドル安に振れる(64%)。重要法案や予算の審議が滞るだけでなく、大統領の弾劾も現実味を増し「リスクオフ=円買い」の筋書きになる。想定される円高の上限水準は1ドル=105円(50%)だ。 マネーパートナーズの武市佳史氏は「好調な経済を考えれば米国絡みの相場波乱は想定しづらい。年末にかけてのポイントは実は欧州」と指摘する。中でもユーロ相場への影響が大きそうなのが英国の欧州連合(EU)離脱交渉の行方だ。 来年3月の離脱の条件を巡って英国とEUは11月中旬の決着を目指す。調査では、年内に何らかの形で合意するとの見方が計52%だが、合意先延ばしを予想する声も少なくない。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鹿野達史氏は交渉難航による欧州経済への影響を危惧しつつも、懸念の広がりが結果的に両者の歩み寄りをもたらし「合意なき離脱は何とか回避されそうだ」とみる。市場ではユーロについて年末1ユーロ=130円台半ばが予想の平均だ。 月次調査は9~10日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者96人が回答した。   (QUICKナレッジ開発本部) ※日経ヴェリタスの14日付記事を掲載。QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。Qr1などQUICKの情報端末では月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

ガバナンス改革、市場活性化に効果あり 持ち合い株縮減など  QUICK月次調査<株式>

QUICKがまとめた10月の月次調査<株式>によると株式市場関係者は、この数年、企業や運用会社が様々なガバナンス改革に取り組んできた結果、資本市場の活性化に一定の効果をもたらしたと考えていることが分かった。 企業経営の統治指針であるコーポレートガバナンス・コードと、機関投資家向けの行動規範となるスチュワードシップ・コードは、どちらも企業経営に緊張感をもたらし、「稼ぐ力」を高めて、資本市場の活性化ひいては個人金融資産の活用・発展につなげる狙いだ。 調査はこれらのコードに盛り込まれた項目の中から5つを選び、市場の活性化にどのぐらい効いたかを質問した。「政策保有株の縮減」と「資本コストを意識した経営」、「議決権行使結果の個別開示」、「企業と投資家の建設的な対話」の4項目については、いずれも「(効果が)大いにあった」「多少あった」の回答の合計が8割に上った。「取締役会の多様性」も、何らかの効果があったとみる回答は66%だった。 こうした取り組みが推進される一方で、日銀のETF買いが株式市場に無視できない影響を与えているとの見方は根強い。この点を聞いたところ、「個別株の価格形成を歪める」(35%)および「市場全体の株価水準を歪める」(32%)との見方が多かった。 回答者からは「価格形成はあくまで市場に任せるべき」(投信投資顧問)、「いずれ政策の修正が必要になると思うが、出口戦略を誤ると株式市場の下落要因になる」(銀行)などの指摘があった。少数派だが「企業ガバナンスの空洞化を招く」(4%)との意見もあった。 調査期間は10月2~4日。証券会社および機関投資家の株式担当者148人が回答した。   ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

上下院ねじれ、トランプ氏レームダック化も 米中間選挙で債券月次調査

世界が注目する米国の中間選挙が11月に迫ってきた。QUICKが10月1日にまとめた9月の月次調査<債券>では、市場関係者の多くが、上院では「共和党辛勝」、下院では「民主党辛勝」を予測した。上下両院の多数派が異なる「ねじれ」状態になれば、予算編成や減税など重要法案の可決が難しくなり、米経済にも悪影響が出かねない。  ※QUICKは株式や債券、外為市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として公表。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。 今回の<債券>の調査期間は9月25~27日で、135人が回答した。 上院・下院の選挙結果をどのように予想するか聞いたところ、上院は「共和党辛勝」との回答が81%と大半を占めた。一方、下院で最も多かったのは「民主党辛勝」で53%、次に「共和党辛勝」が37%だった。全体としては、上院で共和党、下院で民主党がそれぞれ勝利するものの、そう大差はつかないと見る向きが多い。 「ねじれ」状態になると、さらに注目されるのが、ロシアゲートなど様々な疑惑が指摘されるトランプ米大統領の勢いだ。「弾劾訴追されないが、求心力は低下する」という回答が51%と過半数を占め、次いで「弾劾訴追されず、求心力も低下しない」が32%となった。「トランプ政権は確かに問題山積みだがそれは以前から分かっていたことであり、ここまで政権がもっているということは今後も急に体勢が崩れるとまでは行かないのではないか(証券会社)」との声がある。 トランプ大統領の求心力が衰えて多少おとなしくなるのか否かで、米国の通商・外交政策も大きく変わる可能性がある。 激化する米中貿易摩擦が今後1~2年でどのように推移するか、との問いには、「対立が膠着状態になる」(56%)が最多を占め、次いで「さらにエスカレートし、世界経済の成長が鈍化する」(24%)となった。「妥協が進み、世界経済は堅調な成長を維持する」は12%のみ。残念ながら、良い方向に向かうという期待はあまり持てそうにないようだ。「中国に一方的譲歩を強いる現在の米国の交渉スタンスの下で、早期妥結の可能性は薄れている」(銀行)という。   調査では、中間選挙の結果と米中貿易摩擦を踏まえた2019年の経済への影響も聞いた。米国、世界、日本いずれも、経済成長率が「押し下げられる」との回答が半数を超えた。市場の見立て通りに米議会でねじれが生じれば、「減税効果が薄れる2019年後半以降に追加の景気刺激策を実施することが難しくなる」(信託銀行)との懸念も出ている。また米国の物価上昇率については「押し上げられる」(56%)との回答が最も多かった。

ランド、レアルへの警戒感強く 広がる新興国不安 月次調査<外為>その2

新興国通貨の先安観が強まっている。QUICKがまとめた9月の月次調査<外為>によると、南アフリカのランドやロシアルーブル、ブラジルレアルが対円で下落すると予想している市場関係者(金融機関の外為担当者)が目立つ。米国発の世界的な貿易摩擦が経済基盤の脆弱な新興国通貨を狙い撃ちし、米利上げ路線による資金流出に拍車がかかるとの見方が広がっている。 中でもランドについては、半年先に下落しているとの予想が70%台後半と、2011年の調査開始以来の最高となった。「上昇する」から「下落する」の比率を差し引いたDIはマイナス67。ランドについては「南アの対外赤字、対外債務が大きく、経済成長ペースは低水準。米国との政治的な対立もあり、下落懸念が根強く残る」(証券会社)という。 ブラジルレアルの下落予想も61%と、上昇予想の10%を大きく上回った。国際通貨研究所の武田紀久子主任研究員は、「10月7日に迫る大統領選は『ブラジルのトランプ』と呼ばれ、過激な発言で知られる右派のボルソナロ下院議員が刺傷されるなど混迷化している。加えて輸出相手国第3位のアルゼンチンが国際通貨基金(IMF)の融資を受けるなど通貨不安のきっかけになりうる要素が多い」と指摘。レアルの先行きについて、タービュラントな(値動きの荒い)展開を覚悟する必要があるという。   米国との貿易戦争まっただ中の中国の人民元はDIがマイナス50と、人民元の切り下げを機に中国株安が進んだ「人民元ショック」の16年以来のマイナス幅に拡大した。「トルコリラ、南アランドなどの下落は、国内個人投資家の外為証拠金取引(FX)がボラティリティを拡大している」との見方も出ていた。(QUICKナレッジ開発本部)   ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。Qr1などQUICKの情報端末では月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

新興国不安の深まり次第で「米利上げ見直し」4割 月次調査<外為>その1

乱高下するトルコリラをはじめ新興国の通貨不安がなかなか収まらない。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した外国為替市場関係者への調査によると、通貨不安が一段と深刻になった場合、米国は金融政策を見直し、利上げペースにブレーキがかかるとの見方が4割超に上った。 月次調査は10~12日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者98人が回答した。 米連邦準備理事会(FRB)は好調な経済を受けて金融正常化のプロセスを進行中。金融市場では、今月と12月を含めて今年は最大4回、来年も数回の利上げが見込まれている。 新興国通貨不安が一段と深刻になった場合の米金融政策運営の見直しの有無を尋ねたところ、最も多い回答は「見直しはない」(54%)だった。その一方で「利上げ回数を減らす」(33%)と「利上げ打ち止め」(10%)、「利下げに動く」(1%)と見直し予想が目立った。 調査はその前段で、新興国不安のそもそもの要因は何かを聞いており、回答者が最も影響が大きいとみるのが「米の利上げ」(49%、複数回答)だった。 みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは「米の利上げが止まらない限り新興国通貨の苦境が続くだろう。米経済の好調が持続するほど、新興国が通貨安に陥る皮肉な状況」と指摘する。米国が進める金融正常化が自縄自縛に陥り、成り行き次第では挫折しかねない可能性を市場関係者が意識し始めたとみることができる。 そのほか調査では、トルコリラ、アルゼンチンペソに続く「危機候補」を挙げてもらった。ブラジルレアル(31%)と南アフリカランド(25%)が突出。国際通貨研究所の武田紀久子主任研究員は10月のブラジルの大統領選など国内政治の混迷ぶりを懸念する。レアルは13日に対ドルで最安値を更新し、年初からの下落率が2割に達した。 新興国通貨安・ドル高の構図は円高要因にも円安要因にもなる。新興国通貨不安が一段と深刻になった場合の今年末のドル円相場については「1ドル=105~110円」と、今よりやや円高方向の予想が4割だった。(QUICKナレッジ開発本部)   ※日経ヴェリタスの16日付記事を掲載。QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。Qr1などQUICKの情報端末では月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

カギは「小学生から投資教育」 変われるか貯蓄大国ニッポン 月次調査<株式>

リーマン・ショックから10年が経ち、日経平均株価は安値から約3倍に回復。個人金融資産は約1800兆円に膨らんだが、その半分超を現金と預金が占め、「貯蓄から投資へ」の動きは伸び悩んでいる。QUICKがまとめた9月の月次調査<株式>で、市場関係者にこうした現状の打開策は何かを聞いたところ、「義務教育からの投資教育の導入」と答えた人の割合が3割と最も高くなった。NISA(少額投資非課税制度)の拡充など、税制面の優遇措置を挙げた回答を上回る。カギを握るのは、息の長い金融リテラシー向上の取り組みだ。 調査期間は9月4~6日。証券会社および機関投資家の株式担当者151人が回答した。 政府主導が音頭をとる形で、NISAや個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」といった非課税制度の拡充により貯蓄から投資へのシフトを促してきたものの、欧米と比較するとリスク資産への投資はなお低水準だ。もともと、欧米と日本ではお金に対する考え方が大きく違う面もある。欧米では投資教育が盛んで、著名投資家のウォーレン・バフェット氏は新聞配達などのアルバイトでためた貯金を元手に、11歳から投資を始めたことで知られる。 市場関係者からは「義務教育から正しい知識や成功体験を得ることが重要」(銀行)との声が聞かれた。若者の間で浸透している動画配信やSNSを有効活用すべきとの声もあった。大手証券会社は若年層向けにYoutube(ユーチューブ)動画チャンネル上で金融教育コンテンツを始めている。 日本で、貯蓄から投資の流れが加速しない理由については、「金融商品における元本信仰が根強い」(34%)という分析が目立つ。「日本国民は『リスク』というワードに拒否反応を示す傾向が強い。その背景には、デフレの長期化でインフレヘッジの必要性が見いだされず、資産運用ニーズが高まらなかった」(銀行)との声や、「投資信託の運用成績とその結果に対する金融機関のフォローが不十分」という指摘もあった。 貯蓄から投資を促進させるためには金融機関の役割が重要になる。金融機関やサービスに求めることとしては、「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)の徹底」が25%と最も多かった。次いで「低コスト金融商品の提供」が20%、「スマホ完結などのユーザーフレンドリーな金融サービス」が15%だった。投信業界では、短期の売買や行き過ぎた分配金などで、投資信託の顧客の46%が損失を抱えているという実態も明らかになったばかり。市場関係者はさらなる顧客本位の取り組みが必要とみている。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

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