投資家行動と企業統治に「2つのコード」効果じわり QUICK月次調査

日経QUICKニュース(NQN)、QUICK編集チーム QUICKが7日発表した10月の株式月次調査(1~3日)によると、機関投資家向けの行動指針「スチュワードシップ・コード」に関する金融庁での有識者検討会を巡り、注目しているテーマとして「議決権行使の賛否理由のより詳細な開示」の回答が最多の51%だった。次いで「企業年金によるスチュワードシップ・コードの受け入れ促進」が30%だった。 前回(2017年)のコード改訂で投資家行動がどう変化したのかとの質問については「ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みが強化された」との回答が最多の33%、次いで「議決権行使結果の個別開示が進んだ」が31%だった。 スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)が目的に沿った効果をもたらしているかとの質問には、どちらも「多少効果が出ている」との回答が7割超だった。「大いに効果があった」と高く評価した回答はスチュワードシップ・コードで10%、コーポレートガバナンス・コードで14%だった。 日経平均株価の1カ月後(19年10月末)の予想は平均で2万1596円と、前回調査の改定値(2万0989円)を上回った。上方シフトは3カ月ぶり。今後6カ月程度で、もっとも注目している株価変動要因について、最多は「景気・企業業績」の58%で、前回調査から11ポイント増加した。 当面臨む投資スタンスの業種別では、オーバーウエートで前回から回答が増えたのが「素材」や「通信」などで、「電機・精密」などが減少した。アンダーウエートで増えたのは「公益」などで、「消費」が大幅に減少した。 今回の調査は、金融機関や証券会社などに所属する株式市場関係者217人に聞き取りし、131人から回答があった(回答率60.4%)。 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

ドラギマジックの8年、債券市場のプロが採点したら  QUICK月次調査 

QUICK編集チーム イラスト=たださやか、写真=Sean Gallup/Getty Images 欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁が8年間の任期を終えて今月末に退任する。就任当初から欧州債務危機への対応に優先的に取り組み、南欧諸国などの沈没をなんとか回避。その後も主要国では初となるマイナス金利など大胆な金融緩和策を繰り出して市場を安心させ、その手腕は「マジック」と呼ばれた。2018年12月に金融緩和策を打ち切り、金融危機下の「非常時モード」から「平時モード」への歴史的な転換を果たしたはずだったが、米中摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱で欧州経済は再び停滞。わずか9カ月で緩和路線への修正を余儀なくされた。 平均で「70点」、最も多い回答は「80点」 「出口」を視界にとらえながらも最後たどりつけなかったドラギ総裁が、クリスティーヌ・ラガルド次期総裁に残した置き土産は、マイナス金利深掘りなどのメニューがぎっしり詰まった「緩和パッケージ」だった。QUICKは9月の債券月次調査(回答は131人)で、9月ECB理事会の評価とともに、ドラギ総裁のこれまでの政策運営を100点満点で採点してもらった。 まず9月の政策変更については「妥当」が70%にのぼり、「やりすぎ」の25%を大きく上回った。一方で、マイナス金利の深掘りの効果は「小さい」(53%)、「ない」(33%)と評判はいまひとつだ。 気になるドラギ総裁の成績は、平均が70.3点、最頻値が80点。「よくできました」のハンコが押される市場の評価となりそうだ。やはり「欧州の信用不安による市場の混乱に対し、積極的な緩和で市場を沈静化させた」点が評価されたようだ。その一方で、「ECBの正常化が遅れ、任期満了前に予防的な包括緩和を強行したのは評価できない」との指摘もあった。回答の最高は100点満点の100点、最低は20点だった。 後を引き継ぐラガルド氏については、さらなるマイナス金利の深掘りに動くという見方のほうか、「ミッションは欧州各国に財政出動させること」などといった意見が出ていた。

読めぬ英離脱、冴えぬドイツGDP ユーロとポンドに先安観 QUICK調査

QUICK編集チーム=伊藤央峻、写真=Carsten Koall/Getty Images 外国為替市場が英国の欧州連合(EU)離脱の混乱など山積する欧州のリスクに身構えている。景気と物価の下支えを狙い、欧州中央銀行(ECB)も金融緩和にカジを切った。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した市場関係者への調査では、こうしたリスクや金融政策を映し、ユーロやポンドの下落を予想する見方が目立った。 欧州リスクで関心が高いのは「英のEU離脱」が52%と最も多く、「ドイツの景気」(23%)や「ECBの金融政策」(18%)が続いた。ほかに政局が不安定なイタリア、米国とEUの通商問題、ポピュリズムの拡大などがあり、米国や日本と比べて逆風要因が多い。 英のEU離脱は時期を3カ月延ばす法案が可決されたが、EUが受け入れるかどうかは不透明。10月の離脱に固執するジョンソン英首相の出方も読めない。 みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは「合意なし離脱の可能性はまだ高い」と指摘する。調査では、その場合「ポンドは5~10%下落する」との見方が半数に上る。現在の1ポンド=1.2ドル台から1.1ドル台に下がる計算で、唐鎌氏は「1.2ドル割れが定着し、1985年の史上最安値(1.052ドル)に近づく」と警戒する。 米中摩擦、中国経済減速のあおりで4~6月期に実質マイナス成長となった「エンジン役」ドイツはどうか。調査で7~9月期も成長率が大幅または小幅マイナスとの予想は合計6割に達した。 ドイツの10年国債利回りは現在マイナス0.5%程度だ。景気回復が遅れ、金融緩和も再開された状況では一段と金利が下がりやすい。1年後の利回りについてはマイナス0.8%の予想が最多で、最も低い予想値はマイナス1.3%だった。 ECBの政策発表後、ユーロは一時1.09ドル台前半まで売られた。調査回答者の6割以上が10月から来年1月にかけて安値をつけると予想。水準としては今後1年で1.05ドル(最頻値)までの下げを想定している。 トランプ米大統領が再選に向けて景気対策を発動すればドルはさらに買われる可能性がある。マネーパートナーズの武市佳史チーフアナリストは「来年半ばに1ユーロ=1ドルの等価(パリティ)が視野に入る」とみる。 調査は9~11日に実施し、回答は91人だった。(9月15日付 日経ヴェリタスより)

米のドル売り介入「する」3割、標的は人民元 QUICK外為調査

QUICK編集チーム=伊藤央峻、写真=Zach Gibson/Getty Images 米中の貿易摩擦が為替市場に及んだ。米トランプ政権は対中関税の第4弾発動を表明したのに続き、中国を25年ぶりに為替操作国に指定。貿易赤字の削減に向けてドル安誘導に躍起だ。政権内でドル売り介入が議論されたことも明らかになった。QUICKと日経ヴェリタスによる共同調査では、回答者の3割が米国はドル売り介入に動くとみているとの結果が出た。 米が対中制裁関税第4弾の発動を表明したのは1日。5日に人民元が1ドル7元台に下がると、すかさず為替操作国の指定を発表し、人民元安の封じ込めに強い姿勢を見せた。調査期間の5~7日は市場が激しく動揺していた局面にあたる。外国為替市場関係者91人が回答した。 米国第一の保護主義を掲げ、貿易赤字の削減を最優先するトランプ政権にとって、ドル安は最も重要な武器といえる。米政権は伝統的に「強いドル政策」を志向してきたが、トランプ氏は8日のツイッターで「私は違う!」と強調した。 米連邦準備理事会(FRB)が7月末に0.25%利下げした後もドルの実効為替レートは下がらず、この10年でみるとなお高水準だ。来年の大統領選をにらみ、貿易相手国とFRBに圧力をかけ続ける強硬なドル安政策を繰り出しているだけに介入の可能性は無視できない。 調査では12%が「年内に介入」、18%が「2020年の米大統領選までに介入」と回答した。その場合に対象となる通貨は、人民元(72%)、ユーロ(51%)、円(43%)となった。 JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長は「中国を為替操作国に指定し、対人民元での介入を正当化する余地が出てきた」と指摘する。 米の為替介入は、金融市場への影響が大きく、東日本大震災後の急激な円高に対応した協調介入を最後に行われていない。1985年のプラザ合意では介入の結果、ドル安が止まらなくなる事態も招いた。「介入しない」の回答者は「利下げや口先介入で十分」「各国の介入合戦を招く」などを理由に挙げた。 市場参加者の円の対ドル相場の予想は1ドル=106円台とほぼ3年ぶりの円高水準になった。先週は米中摩擦の激化から、リスク回避の円買いが強まり、円相場は前週末に一時105円台前半と1月以来約7カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。 ※QUICKでは株式、債券、外為の市場関係者を対象に、景気や相場動向についての月次アンケートを実施しています。それぞれの調査結果の詳細は、QUICKの様々な金融情報端末・サービスで公表しています。

金融、事業モデル転換なくして低PBR解消なし QUICK月次調査

QUICK編集チーム 金融市場関係者は自分たちの会社が置かれた状況をこんな風に見ているーー。大半の銀行株と大手証券(対面型)株のPBR(株価純資産倍率)が低迷している。この状態を脱するにはどうすればよいのか、QUICKは5日発表した8月の株式月次調査(7月30日~8月1日)で聞いた。銀行株、証券株いずれについても「資金余剰時代に適合したビジネスモデルに転換しない限り株価はさらに低迷する」との回答が最も多かった。 次いで「マイナス金利政策が解消されれば(証券の場合は、株式市場が活性化すれば)株価は上昇する」、「人件費などのコスト構造を改善しないと株価も上昇しない」となった。「自己改革派」の回答も多い一方で、「環境依存派」の回答も目立ち、興味深い。 さらに金融機関全般に必要な改善策を2つまで聞いたところ、「デジタル化」と「顧客本位の業務運営の徹底」が突出した。とりわけ「顧客本位の~」は長年の課題であり懸案だが取り組みが進んでおらず、なかなかハードルが高そうだ。 その他の回答では「銀行店舗の部分を縮小し、証券と銀行の複合型にして地域に必要とされる施設に変える」、「日本型の金融行政、評価モデルの転換」、「プロとしての自覚と自負が必要」などの意見も出ていた。

米の利下げ踏まえ、日銀が動くのは「9月」 QUICK外為月次調査

QUICK編集チーム=伊藤央峻 米国の7月末の利下げが濃厚になり、日銀の金融政策が一段と注目を集めている。緩和方向で足並みをそろえるとみられ、政策変更する時期や手段が焦点となる。 QUICKと日経ヴェリタスが共同で行った外国為替市場関係者への調査によると、30~31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を踏まえたうえで、9月に開く決定会合で追加緩和に動くと予想する回答者が34%で最も多かった。 ■日銀が緩和に動く時期はいつ? FOMC直前の今月29~30日の決定会合で政策変更がある、との予想は8%にとどまった。先に変更しても、FOMCの利下げ決定に効果を打ち消されることが想定されるため、日銀は9月まで温存したいと考えているとの解説が聞かれる。 想定される追加緩和の手段について複数回答で聞いたところ「フォワードガイダンス(将来指針)の修正」を筆頭に、「長期金利目標の変更」や「上場投資信託(ETF)買い入れ増額」などが挙がった。 また、そもそも「追加緩和しない」と予想する回答は2割弱だった。FOMCが利下げしたのにもかかわらず、日銀が緩和に動かなければ、1ドル=105円程度の円高・ドル安になるとの見方も出ていた。 調査は8~10日に実施し、金融機関や事業会社の外為関係者84人が回答した。 ※QUICKでは株式、債券、外為の市場関係者を対象に、景気や相場動向についての月次アンケートを実施しています。それぞれの調査結果の詳細とヒストリカルデータは、QUICKの様々な金融情報端末・サービスで公表しています。

年金2000万円問題、混乱を招いた原因はどこに…… QUICK月次調査

金融市場のプロたちは「老後資金2000万円不足」問題の混乱をどう見ているのか。QUICKは8日に発表した株式月次調査(135人)で専門家の意見を聞いた。1日公表の債券月次調査(131人)の結果と併せてまとめてみた。結果は一目瞭然。改めて詳しく解説する必要もないだろう。 ある投信投資顧問は「年金問題をタブー化し、政党や選挙にとらわれない議論を進める機会を政権批判に転化した報道機関の責任は重大」と指摘する。「平均2000万円という数字には意味がない。それを意気込んで取り上げたメディアの質を嘆く」との声も。また報告書を受け取らないなど政府の初動対応がまずすぎたことが、マスコミの格好のネタになったにすぎない面もあるという。 その他の回答には「報告書をまとめたメンバーを見ると投信関係者が多い。本来は金融商品全体を見て中立的に報告すべき内容が運用側からのみ語られており、一般的に考えても金融庁の報告書としては違和感を覚える」、「報道があって以降、積み立て投資口座が増えているという。金融機関がどんなに投資啓もう活動をしてきても注目が高まらなかったが、この騒動で一気に注目が集まった。積み立て投資に関する、ものすごい宣伝効果だったと、後々に語られるだろう」などもあった。(ナレッジ開発本部)

米利下げ「年内1回」5割弱 市場の織り込みは行き過ぎとの見方 外為月次調査

世界の金融市場は米国の利下げをかなり織り込んだ展開になり、18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の判断が注目されている。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した外為市場関係者へのアンケートによると、米連邦準備理事会(FRB)の利下げの回数について、「年内は1回」との回答が半分近くに上った。2~3回を織り込んだ水準で推移する先物相場の動きを「行き過ぎ」とみていることになる。 FRBのパウエル議長は米中摩擦などの影響を踏まえ、利下げを否定しない姿勢を見せているが、ここへきて市場と政治の両面からさらに強く利下げを迫られている状態だ。先週発表された5月の米消費者物価指数が低調だったほか、新規失業保険申請件数も3週連続で増加するなど、堅調だった雇用の陰りを示す統計が目に付く。トランプ大統領は相変わらずFRBの金融政策を批判。ロス商務長官からも、昨年12月の利上げは「時期尚早だった」と再考を求める発言が出ている。 こうした中、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の将来の水準を想定して取引されるFF金利先物は、2020年1月物の価格が2.5回分の利下げ(1回あたり0.25%)を先取りした値動きとなっている。シカゴ・マーカンタイル取引所の「Fedウオッチ」でも、年内に2回利下げする確率は約3割、3回以上が約6割に上る。 これに対し、月次調査では「年内1回」の回答が47%、「2回」は32%、「3回以上」は1%だった。オフィスFUKAYAの深谷幸司代表は「足元の景気動向から見れば年内2~3回の利下げは織り込みすぎ」と指摘。景気悪化を事前に食い止める予防的な利下げを1回実施するのにとどまるとみている。 一方、SMBC日興証券の野地慎チーフ為替・外債ストラテジストは「利下げは予防的措置で済まされなくなる」とみる。サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数の下落が賃金や雇用に波及する経路を警戒。「景気失速で年内に2回、20年3月までに計4回の利下げの可能性がある」とする。 最初に利下げが決まる時期については、7月の38%と9月の41%がほぼ拮抗した。調査は10~12日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者95人が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻) ※QUICKでは株式、債券、外為の市場関係者を対象に、景気や相場動向についての月次アンケートを実施しています。それぞれの調査結果の詳細とヒストリカルデータは、QUICKの様々な金融情報端末・サービスで公表しています。

「日本株に弱気」09年3月来の水準 組み入れ指数が急低下、QUICK月次調査

日本株に対する国内機関投資家の弱気姿勢が際立っている。QUICKが10日発表した6月の月次調査によると、日本株の組み入れ比率を示す指数が39.7と、2009年3月(37.7)以来、およそ10年ぶりの低水準となった。09年3月はリーマン・ショック後の経済停滞で、日経平均株価がバブル後最安値(7054円)を付けた局面だ。米中貿易戦争などで世界景気の先行き懸念が広がるなか、投資家マインドは委縮している。 6月の調査は4~6日に実施した。足元の国内株式の組み入れ比率に対する機関投資家のスタンスを指数化した数値(50を下回ると弱気)は前月から一気に5.4ポイントも下し、40の節目を割り込んだ。。 内訳をみると、「ややアンダーウエート(弱気)」と回答した投資家が49%と5月から27ポイント拡大した。「かなりアンダーウエート」の3%と合わせ、半数以上の投資家が弱気姿勢であることを示す。一方、「ややオーバーウエート(強気)」が8%と11ポイント減った。 今後の組み入れ比率の方向性を示す指数は51.9と、前月から0.5ポイント改善しているが、中身をみると、「やや引き上げる」が13%と4ポイント減った。「かなり引き下げる」との回答は3%がゼロになった一方、「現状維持」の投資家は82%と8ポイント増え、多くが様子見を決め込んでいることをうかがわせた。 株に対する弱気の背景にあるのは、いうまでもなく米中貿易戦争の先行き不透明感だ。株価の変動要因として「政治・外交」に注目する回答者は42%と、03年3月以来の高水準となった。「政治的な不確実性が多すぎて市場の先行きを予想することが困難な環境」(証券会社)という。 さらに日本企業の業績に対する不安ものぞく。「米中通商交渉は長期化が避けられず、中国の景気・企業業績の悪化懸念が強まるなか、(これに相関性が高い)日本企業の業績見通しも下方修正含みになるだろう」(信託銀行)との声があった。 (QUICK NewsLine)

貿易戦争の結末は? 「痛み分け」50%、「米国勝利」46% 5月の債券月次調査

米中の貿易面での対立が再び激しくなってきた。争いの果てに勝者はいるのか。QUICKが3日にまとめた5月の債券月次調査で「米中貿易戦争の最終的な勝者」を聞いたところ、「なし」が5割、「米国」が4割超だった。覇権をめぐる争いの長期化が見込まれるなか、米中双方が損失を被るとみる意見が多い。米国の「勝利」を見込む回答も多かった一方、中国が優位に立つとの見方は少なかった。 ※5月のQUICK月次調査<債券>の問8(6)より。有効回答は125人。 債券市場のコンセンサスは「対立の長期化」だ。米中の貿易戦争は、長期にわたった1980年代の日米対立などを念頭に、今回も「10年またはそれ以上の年月をかけて交渉していく」(証券会社)との見方が多い。対立が長引けば両国や世界の貿易への影響は大きく、勝者は「いない」(50%)とする回答が最も多かった。 次いで多かったのは「米国」の46%。中国経済は米国向け輸出に強く依存していることから、長期では米国が優位に交渉を進めやすいからだ。一方で、「中国」を挙げた回答は2%と少なかった。対米依存度の面で中国が不利な交渉を強いられるなかで「対米政策に国内で不満が出るのではないか」(証券会社)といった中国の内政を懸念する意見が目立った。 5月の債券月次調査は5月28~30日に実施され、証券会社および機関投資家の債券担当者134人が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻)

中曽・前日銀副総裁「米CLO市場、注視が必要」 QUICK月次調査25周年特別セミナー

QUICKは24日午後、東京都内で「QUICK月次調査25周年特別セミナー」を開いた。今回のテーマは「世界経済 嵐に備えよ~Fasten Your Seatbelt」。前日銀副総裁の中曽宏・大和総研理事長が基調講演し、米国で格付けの低い企業への融資を束ねて証券化したローン担保証券(CLO)の発行条件が緩くなっている状況について、2008年のリーマン・ショックの発火点となったサブプライムローン問題を想起させると指摘し、「同じになるとは思っていないが、注視が必要だ」と述べた。 「不確実性高まる国際金融市場~水平線上の黒雲」と題して基調講演する中曽氏   中曽氏は各国中央銀行の緩和的な政策が長期化している現状を「リスクを将来に先送りすることになる」とし、混乱なく金融政策が正常化することが難しくなるとの見方を示した。米中間の貿易問題を巡っては「すぐになんらかのディール(取引)が成立するのは見通しにくく、対立の構造は続くだろう」と述べた。 日本経済の今後の課題については「外国人労働者が増加しているが、必ずしも人手不足が深刻な産業で増えているわけではない」と指摘した。国内の金融情勢をめぐっては、金利が上昇した場合の地方金融機関の収益改善度合いを分析し、「金利上昇幅が大きくなければ、収益改善は大きくならない」と述べ、金利上昇に頼らない経営努力の必要性を訴えた。 基調講演に続くパネルディスカッションでは、コモンズ投信の伊井哲朗社長兼最高運用責任者(CIO)、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト、国際通貨研究所の武田紀久子主任研究員が「2019年のリスクオン・リスクオフ」をテーマに討議した。 上野氏は政府が24日に公表した月例経済報告での景気認識について「『回復』の文言を残したことは意外だ」と述べた。消費増税延期の可能性については「五分五分だ」とし、「月例経済報告の内容は弱く、米中の貿易問題などを見据え、どちらとも解釈できる状態でホールドした」との認識を示した。 白熱した議論が交わされたパネルディスカッション   武田氏はインフレにならない限り財政赤字の膨張は問題ないとする学説の「現代貨幣理論(MMT)」に言及しつつ、「ここまで極端な例を持ち出さなくとも、日本の財政に対して市場の一部では容認ムードも出てきているのではないか」と述べた。半面、仮に消費増税が延期になるとしても「延期の期間を長引かせないことが必要だ」との見方を語った。 伊井氏は消費増税延期の可能性について「政治的な要因だ」と述べた。その上で6月下旬に日本で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で世界経済のリスクが高まっていることに言及するなど「G20に関連付けたものだろう」との認識を示した。日本経済新聞社の梶原誠コメンテーターがモデレーターを務めた。 QUICKは毎月、株式、債券、外国為替の担当者やアナリストたちを対象に市場の動向や投資スタンスなどを調査している。今回の特別セミナーは1994年4月に始まった株式の月次調査が25周年を迎えたのを記念して開かれ、調査の回答者など約200人の市場関係者たちが集まった。2018年の日経平均株価や10年債利回り、円相場について見事な予想を示した回答者を月次調査アワードとして表彰するとともに、長年にわたって調査に協力してくれた回答者に功労賞を贈った。 【日経QUICKニュース(NQN)】   ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

令和の30年、円の高値は「75~100円」の予想最多 QUICK月次調査

令和時代の外国為替市場はどんな相場展開になるのか――。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した外為市場関係者へのアンケートによると、次の30年の円の高値は1ドル=75~100円、安値は100~125円になるとの見方が多かった。世界的な経済危機になるとリスクオフで円高が進むとみる一方、円安要因としては日本の財政赤字の拡大と経常赤字国への転落を想定している。 バブル崩壊で幕を開けた平成はデフレと円高に苦しんだ時代だった。1990(平成2)年4月に160円35銭(日銀公表値)をつけた円は、2011(平成23)年10月に75円32銭と史上最高値を記録した。ここ数年は異次元金融緩和の影響で円安傾向が続くが、長期でみるとドルに対する円の名目の価値は約2倍になる動きだったことが分かる。 調査は13~15日、令和が平成同様30年続くと仮定して円相場のレンジを聞いた。高値水準は「75~100円未満」が53%、「100~125円未満」が38%。安値水準は「100~125円未満」(44%)「125~150円未満」(38%)が目立つ。8~9割が平成並みの値動きを予想しているというのが全体の構図だ。 円高の要因としては「世界経済が危機に陥る」、円安の要因としては「世界経済の拡大が続く」を挙げる声が目立った。円は近年、安全通貨としての色彩を強めており、リスクオンで円安、リスクオフの局面なら円高シナリオをイメージしやすい。 「円は中長期的には購買力平価に近づく」(日本総合研究所の井上肇副主任研究員)ことが円高要因になるとの声もある。国際通貨基金(IMF)によると、円の購買力平価は1ドル=97円程度だ。75円未満のハイパー円高を予想する回答は合計8%で、「日本の低い物価上昇率」がその背景にあるという。 一方、円の安値が150円以上になるという回答は合計17%。「200円以上」との回答も6%あった。「150~175円未満」の外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、「日本が抱える財政赤字がクローズアップされて、円売りの流れが加速する」と指摘している。 スーパー円安派が挙げる理由で多いのは、日本の財政赤字と経常赤字だ。人口減少と高齢化の下で貯蓄が減れば、経常黒字を維持できなくなるリスクが浮上する。総合的な国力の衰えや「双子の赤字」が円の信認を脅かすという最悪のリスクシナリオが懸念されている。 30年後の日経平均、「5万円より上」の回答が8割 令和の最初の2週間はやや円高・株安が進み、株式相場は2営業日しか上昇していない。QUICKでは7~9日の株式調査で、30年後の日経平均株価の見通しを聞いた。最も多かった回答は「5万円程度」。「10万円程度」「20万円以上」をあわせると、回答者の8割以上が1989(平成元)年につけた3万8915円の最高値を更新すると予想しているが、果たしてどうなるか。 (ナレッジ開発本部 大谷篤) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

中国経済、年内「横ばい」が過半数 債券QUICK月次調査

世界の景気を左右する中国経済の先行きを債券市場はどう見ているのか。QUICKが7日にまとめた債券月次調査で、2019年の中国経済が前年同期比で「横ばい」の成長率を維持するとの回答が最も多くなった。世界全体の経済についても、ほぼ同様の見方だ。ただトランプ米大統領が5日に対中追加関税の引き上げを突如表明し、依然、先行き不透明感は強い。 中国経済の見通しについて、19年前半、19年後半、20年前半いずれもほぼ半数の回答者が「横ばい」を予想している。債務問題など構造的な課題は多いものの、政府の経済・財政政策などの効果で足元では小康状態にある。 トランプ大統領の突然の関税引き上げ発言で米中協議の先行きを不安視する声もあるが、三井住友DSアセットマネジメントの深代潤執行役員は「あくまで交渉の戦略の一つ。米国も決裂は避けたいはずだ」と見る。 ■10月の消費増税は「支持」8割 10月の消費税率の引き上げに関しても質問した。自民党幹部が4月に「消費増税の先送り」に言及し、こちらもやや不透明感が出てきたが、「引き上げを支持するか」との問いに「支持する」(49%)と「どちらかといえば支持」(31%)を合わせた回答が8割だった。増税で日本経済は「多少、悪化する」と見込む声は7割で、18年10月の調査とほぼ結果は変わらずだった。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻) ※QUICKは債券市場関係者に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査<債券>」として公表しています。今回の調査期間は4月23~25日。回答者数は136人。

「米中の景気底入れ、年度内」が6割 日欧は後ずれ 外為QUICK月次調査

世界経済の同時減速の懸念がくすぶっている。QUICKと日経ヴェリタスが共同で、日本、米国、欧州、中国の景気底入れの時期を外国為替市場の関係者に聞いたところ、回答者の6割が米中については今年度中(2020年1~3月期まで)の底入れを予想した。同じ時期で日欧は5割強。中央銀行の引き締め修正や政府の景気対策に支えられる米中が先行し、少し遅れて日欧が続く形になる。今年度の最も上昇しそうな通貨にはドルが選ばれた。 ■景気の底入れ時期の見通しはバラついた 国際通貨基金(IMF)は9日発表の世界経済見通しで、米国の2019年の成長率を前回から0.2%、欧州を0.3%、日本をそれぞれ0.1%引き下げた。長引く米中貿易摩擦で世界の貿易が停滞気味なうえ、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱も生産・消費心理の重荷になっている。 こうしたなかで米欧の中銀が金融政策でハト派姿勢を打ち出しており、実体経済の落ち込みをどこまで防げるかが注目される。質問では景気の底入れ時期を19年4~6月期から四半期ごとに聞いた。 米国、中国については約2割が4~6月期と回答し、7~9月期と10~12月期をあわせると5割強が年内の底入れを見込んでいる、という結果になった。20年1~3月期まで伸ばすと、6割強になる。 米国では経済統計の良し悪しにバラツキがあり、貿易摩擦の落ち着きどころも見えないが、連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げとバランスシート縮小を棚上げしたことで金融市場は落ち着きを取り戻しつつある。 中国も政府が減税やインフラ投資など大規模な景気対策を打ち出して、失速を回避するのに躍起だ。「2019年度に最も懸念される地域」を尋ねた別の質問では「中国」の回答が35%で最多だった。過剰債務問題などリスクは山積みだが、政府関与で立ち直りも早めとみているようだ。 3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比で改善。クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は「景気対策の効果が出て、米中摩擦も大方解決に向かう。両方の期待を株価上昇が先取りしている」と指摘する。実際、上海総合指数の年初来の上昇率は30%近い。 米中に比べると欧州と日本の回復ペースはやや鈍そうで、年内の底入れを予想する見方は合計5割以下にとどまる。20年7月以降にずれ込むとみている回答も3人に1人で、米中より多い。 いずれも主要な貿易相手である中国の減速懸念が主な要因になっているほか、日本の場合は10月の消費増税の影響も見逃せない。大盤振る舞いの景気対策が予定されてはいるが、増税直後の10~12月期の底入れ予想は少ない。 ■今年度、最も上昇する通貨は「ドル」「円」が拮抗 こうした見通しを踏まえ、19年度に最も上昇しそうな通貨を聞いたところ、ドル(37%)と円(35%)が拮抗した。「海外の金融政策の見直しで円高方向に動いた場合でも、日本は対応の余地が狭い」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)という。最も下落しそうな通貨に選ばれたのは「ポンド」(37%)だった。 調査は8~10日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者89人が回答した。 (ナレッジ開発本部 伊藤央峻)

市場区分見直し基準は「時価総額に着目」7割 株式関係者、QUICK月次調査

QUICKが8日まとめた4月の株式月次調査によると、東京証券取引所が議論している市場区分の再編について、見直しの基準として「時価総額」「流動性」「銘柄数」に着目すべきとする声が目立った。東証1部への昇格基準が緩い、1部上場でも低収益で時価総額が小さい企業が多い、といった構造的な問題が指摘されている。見直しによって市場が活性化するかとの問いでは、「活性化する」「少し活性化する」(合計47%)と、「あまり変わらない」(46%)がほぼ同数だった。   市場の在り方の見直しが議論される背景には、最上位の市場である1部が圧倒的に銘柄数が多い、いったん1部に昇格してしまうと降格が少ない「1部上場ゴール」の問題などがある。見直しに際しての着目点を3つまで選んでもらったところ、「時価総額」を挙げた回答が73%、「浮動株式数など流動性の基準」が59%に上った。銘柄数を絞り込むことが大事との声も目立つ。 ※市場区分見直しの基準として着目すべきものを3つまで選んでもらった 東証1部全銘柄で構成される東証株価指数(TOPIX)をベンチマークにしているパッシブ運用の投資家は多い。ただ、市場関係者は市場区分の見直しとベンチマークの問題を切り分けて考えているようだ。   TOPIXに代わる新しいベンチマークが必要かとの問いに対して、40%の回答者が「必要ない」と答え、「どちらともいえない」(36%)や「必要」(24%)を上回った。「ベンチマークの変更には大きな負担がかかる」(生保)など、既に普及しきったTOPIXの置き換えは難しいと考える投資家が多い。   調査は4月2~4日に実施し、証券会社および機関投資家の株式担当者139人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

平成最大の衝撃「マイナス金利政策」 債券QUICK月次調査、世代間で違いも

新元号が「令和(れいわ)」に決まり、30年あまり続いた「平成」が間もなく幕を閉じる。振り返ると、1990年代半ばに3~4%だった日本の長期金利は右肩下がりを続け、今ではマイナス圏で推移する。   平成の時代を債券市場関係者はどう総括するのか。QUICKが4月1日にまとめた3月の債券月次調査によると、平成時代、債券市場に影響を与えた出来事として、2016年1月の「マイナス金利政策の導入」との回答が最も多かった。副作用を伴う「劇薬」への印象は強烈だった。   ■「マイナス金利」は全世代1位  ※平成に債券市場に影響を与えた出来事のなかで印象に残っているものを3つまで選んでもらった。   マイナス金利導入で受けた大きな衝撃は、世代を超えた共通体験となっているようだ。これを選んだ回答者の割合は、すべての世代でトップとなった。   またマイナス金利政策にはやや否定的な声が多い。米欧の中銀がハト派姿勢に転換するなか、日銀にとってマイナス金利の深掘りは残された数少ない追加の緩和の手段ともいえる。だが回答者からは「副作用が大きく選択肢にならない」(投信投資顧問)、「『緩和』と呼んではいけないのではないか」(証券会社)などの意見が相次いだ。   「為替相場の水準と市場のセンチメント次第」(証券会社)との見方もある。金融機関の利ざやの縮小など負の側面もあるが、為替が円高に振れれば、評価が割れる金利引き下げを日銀が選択する可能性はある。   ■世代間で差が出た項目も   回答を世代ごとに見ると、印象の残った出来事にはばらつきがある。例えば、1998年12月の「大蔵省資金運用部ショック」は、50代以上の回答者は、マイナス金利に次いで2番目に多い36%が選択した。一方で20代の回答者は選んでおらず、実際に経験した世代とそうでない世代での感覚の違いが浮かび上がった。   月次調査は3月26~28日に実施し、証券会社および機関投資家の債券担当者132人が回答した。(QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

「日米通商交渉で円高」6割 トランプ流警戒 米中は進展なく反応薄 QUICK月次調査

ロシア疑惑や「壁」建設を巡る議会との対立、米中摩擦など国内外で難問が山積みの米トランプ政権。外国為替市場はとりわけ日本や中国との通商問題の悪化を懸念している。QUICKと日経ヴェリタスの共同調査によると、4月以降に開催される見通しの日米物品貿易協定(TAG)交渉が円高要因になるとする回答者が6割超に上った。 国内政治の混乱が続いたり景気減速が表面化したりした場合、トランプ政権は支持率の維持のため外交や通商面で目に見える成果を求めるとみられる。 日米交渉に先駆けて行ってきた米中交渉は、交渉期限が延期されたうえに首脳会談の予定も決まっておらず、合意への道筋は見えない。月次調査で米中首脳会談の見通しと円相場への影響を聞いたところ、最も多い回答は「大きな進展がなく、円相場も反応薄」(43%)だった。 「追加関税の取り下げなど何らかの進展があっても、市場は織り込み済み」(27%)などを合わせ、円相場への影響は軽微との見方が7割に上る。金融助言会社MCPの嶋津洋樹チーフストラテジストは「大きな決裂が避けられれば市場全体がリスクオンになりやすい」と話す。 これに対し日米交渉の行方は円相場の動向に直結しそうだ。米中交渉で具体的な進展がみられなければ、トランプ政権はその後の日米交渉で一段と圧力を強めることが予想される。調査では「自動車などの輸出規制が強化されて円高になる」(25%)と、交渉の過程で「米側が円安是正を求めてきて円高になる」(24%)との予想が目立つ。 トランプ政権はかねて日本の対米貿易黒字や円安を問題視している。米商務省が自動車の輸入制限に関する報告書を2月に提出し、トランプ大統領は5月中に関税発動の是非などを判断する見通しだ。 教科書的には、日本からの輸出の抑制は貿易収支の悪化につながり、円安方向に作用する。だが市場は、自動車輸出の減少で企業収益が悪化→輸出企業などの株価下落でリスクオフ→円高という波及経路をイメージしている。過去の日米通商交渉の局面でも円高・ドル安の傾向がみられたうえ、米が金融引き締めを小休止した今年はもともとドル安・円高に向かいやすい。 「通貨安誘導を防ぐ為替条項が盛り込まれて円高要因」(15%)の予想もあわせると、日米交渉を機に円高圧力が高まるとみる人は64%に達する。みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、2円程度の円高要因になると指摘する。 「米国からの農産物、防衛装備品、エネルギーなどの輸入拡大で着地し、円相場への影響は限定的」や「影響なし」と回答した人は少数派だ。 こうしたトランプ政権の貿易交渉などを踏まえた2019年(1月~)の円の対ドル相場の予想を改めて聞いた。高値の平均は1ドル=102円93銭、安値の平均は114円83銭だった。 月次調査は11~13日に実施し、金融機関や事業会社の外為担当者91人が回答した。(ナレッジ開発本部 伊藤央峻) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。ヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

2019年度見通し、株式「強気」が激減 QUICK月次調査

2019年度は株式投資への「強気」な見方が減り、債券「強気」派が急増ーー。QUICKが11日まとめた月次調査<株式>によると、国内株式の強弱指数(「強気」と答えた比率から「弱気」と答えた比率を差し引いた値)はプラス12と、18年度のプラス41から29ポイント低下した。米国株式はプラス10と21ポイント低下し、欧州株式はマイナス38と弱気に転じた。米中の貿易戦争による世界経済の減速が投資家心理の重荷になっている。 ■強弱指数(「強気」―「弱気」) ※2018年度は2018年4月調査より 調査期間は5~7日。証券会社や機関投資家の株式担当者に「国内株式」「米国株式」「欧州株式」「新興国株式」「国内債券」「米国債券」「欧州債券」「国内外REIT」「コモディティー」の9つのアセットクラスについて、19年度の見通しを「強気」「中立」「弱気」で聞いた。137人が回答した。 国内株式は強気の割合が18年度の54%から30%へ大幅に低下し、中立の見方が過半数を占めた。世界景気の拡大と企業業績の伸びが期待されていた18年度から一転、19年度は景気減速の懸念が広がるとともに、企業業績の下方修正が相次ぎ、先行きに慎重な見方が増えた。 一方、債券に対しては楽観的な見方が増えた。強弱指数をみると、19年度は国内債券がプラス1、米国債券がプラス9、欧州債券がプラス2と、いずれも強気が弱気を上回った。18年度は米国と欧州の債券に対する弱気派が4割を超えていたが、19年度は大幅に減少している。利上げなど金融引き締めのムード強かった18年度とは打って変わり、19年度は米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が引き締めから距離を置く「ハト」色が濃くなっており、債券投資にはプラスだ。 国内外REITは強気派の比率が20ポイント増加し、コモディティーは中立が8割を占めている。 (QUICKナレッジ開発本部 篠原直樹) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。

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