QUICK短観、19年の株価予想は弱め控えめ 関税✖増税のWパンチ警戒  

外は関税、内は増税。2つの挟み撃ちで2019年の株式相場はさえない展開ーー。QUICKが6日まとめた12月の短期経済観測調査(QUICK短観)で、日経平均株価の19年の最高値予想の平均は2万3857円と、18年の高値(2万4270円)に届かないという結果が出た。19年の最安値予想は2万0174円で、こちらも18年の最安値(2万0617円)を下回る。米中貿易摩擦の激化に加え、19年秋の消費増税が影響するとみており、企業の相場観は総じて弱めだ。 日経平均の見通しは上場している製造業82社、非製造業133社が回答した。製造業の最安値の平均予想は2万0378円で、非製造業は2万0047円。非製造業の方が下値が広がるとみている。最高値については製造業が2万3782円、非製造業は2万3903円。非製造業は製造業よりも上値余地があると想定している。 株式相場のマイナス要因を複数回答で聞いたところ、製造業の70%が「米中貿易摩擦の激化」を挙げた。当事者の米国と中国の景気が減速し、企業業績の悪化につながりかねないと警戒されている。一方、非製造業は62%が「消費増税」と回答。「米中貿易摩擦の激化」の59%を上回り、最も多かった。内需企業が多い非製造業の気がかりは、米中問題よりも増税後の消費の落ち込みというわけだ。 政府は消費増税に伴う景気悪化を避けるため、住宅ローン減税の延長やキャッシュレス決済のポイント還元などを検討している。これらの対策については、回答企業の25%が株価のプラス要因に挙げるなど期待は大きい。 相場の最大の支えは62%が指摘した「堅調な企業業績」だが、それさえも「株安と円高が影響を与え、業績を鈍化させる悪循環」(回答企業)というリスクをはらむ。内患外憂を抱えた来年の株式市場は、今年以上に波乱含みの展開になる可能性もある。 (QUICKナレッジ開発本部)

7割の企業が「NO」 裁量労働制、担当者はこう考える 11月QUICK短観

あらかじめ決めた時間を働いたとみなす「裁量労働制」。厚生労働省の不適切データ問題により働き方改革関連法から外された経緯があるが、企業はどう考えているのか。QUICKが7日まとめた11月の短期経済観測調査(QUICK短観)では導入企業は2割程度にとどまり、7割が後ろ向きの回答だった。担当者から寄せられたコメントを紹介する。 11月のQUICK短期経済観測調査(QUICK短観)は329社の上場企業が回答し、うち260社が裁量労働制に関する特別質問に回答した。調査期間は10月24日~11月4日。 結果はグラフの通りで、「導入していない・予定もない」との回答が70%(182社)と最多だった。「その他」には、「一部の部署などで導入」や「導入したが効果は検証中」といった声のほか、「導入していたが制度を取りやめた」という回答もある。 裁量労働制はそもそも労働時間の短縮が目的ではなく、効率よく働いて生産性を高めることが狙いである。柔軟な働き方を一段と進めるための一つの手段として採用されるには、まだ課題も多い。 ■「段階的にコアタイムレスのフレックスタイムを導入しているが、課題も出てきている。将来的には業務内容・個人能力によって裁量労働制の導入も視野に入れる時期が来るかもしれないが、まだまだ先だ」(メーカー) ■「裁量労働制に関して『みなし残業時間』や『休憩時間』が実務上の問題だ。みなし残業時間は、本来であれば固定給であるべき一部を残業代としてカウントし、残業代の支払い逃れの要因となっている。外回りの営業であっても時間管理が可能な世の中になっており、極端に固定給を減らして固定残業代の割合を増やす事例もあることも考えると、経営者は何とか規制逃れをしようとするのだから残業代はきちんと計算されるように指導すべき。休憩時間も同じ。以前に勤めていた会社で8時間労働4時間休憩で拘束時間12時間を実施していた。労基署は本気で4時間も休憩する者がいると思っていたのか、何らケチを付けなかった。労働時間ではなく拘束時間もカウントすべきだろう。また、残業時間だけをカウントするのはおかしい。業務量が同じという前提で、有給休暇を5日も取れば、それだけで40時間分の残業時間が発生してもおかしくない。総労働時間を過労死の基準にすべきと考える」(不動産) ■「裁量労働でプラス効果が出るか否かは運用する企業側の問題で、効率的に働いて早く帰る者ほど優れた社員であるという企業風土を作ることが必要」(IT) ■「営業・研究・管理部門それぞれで、裁量労働制の運用を変える必要がある。残業時間を減らすのには有用(付き合い残業、生活のための残業が減る)。営業では接待・移動時間等が曖昧。裁量労働制で支払われた定額と、毎月の実際の労働時間との間に大きな乖離がないか、年間締めたベースでの検証が必要(翌年の定額を見直す為にも)」(メーカー) ■「働き方改革が進められている中で、いろいろな働き方が取り入れられているが、会社により最良の働き方があると思う。長時間労働、過重労働、就業年齢の延長化、休暇の捉え方、待遇等様々な要因もあるが、若年者も中高年も安心して就業、生活していけるようにすることが必要ではないだろうか」(メーカー) ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

価格転嫁や軽減税率に気をもむ企業 消費増税まで1年、QUICK短観

安倍晋三首相が2019年10月に予定通り消費税率を10%に引き上げると表明した。駆け込み需要と反動減を抑え経済への影響をできる限り和らげるため、万全の対策を講じる方針だ。企業は、価格見直しやキャンペーン展開、システム改修など急ピッチの対応を迫られる。 QUICKは15日まとめた10月の短期経済観測調査(QUICK短観)で、「予定通り消費増税が行われた場合の対応」を聞いた。寄せられた99件のコメントのうち、「単価の見直し・価格への転嫁」を検討する回答は15件あった。「特になし」は41件だった。 「製造原価・仕入れ価格の交渉や経費削減で商品単価への影響を抑える」というのは5件、「キャンペーンの実施などで駆け込み需要に備える」は3件、「競合他社の動向を注視する」は2件だった。 酒と外食を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率には戸惑いの声が出ている。軽減税率に伴うシステム改修についてのコメントが目立ったほか、「軽減税率の対応に苦慮している」(卸売業)、「不公平な軽減税率導入は中止すべき」(外食)などの回答も寄せられた。「軽減税率が適用されるため増税の影響は特に考えていない」といった好意的な回答もあった。 参考までに、消費増税の是非を聞いた質問では、過半数が「予定通り10%に引き上げるべき」と回答した。 QUICK短観は347社の上場企業が回答し、うち273社が消費税増税に関する特別質問に回答した。調査期間は9月28日~10月10日。 (QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

採用日程、経団連ルール廃止後も当面は今まで通り QUICK短観、見直し派は少数

大手企業の採用面接の日程などを定めた就職活動の指針が2021年春入社の学生から廃止される。新たな「就活ルール」は政府が主導して、大学側や経済界とともに策定する。当面は3年生の3月に説明会を解禁し、3年の6月に面接を始めるという現行の日程が維持される見通しだ。QUICKが15日まとめた10月の短期経済観測調査(QUICK短観)によると、新たな就活ルールがもうけられた後も、従来どおりのスケジュールで採用活動を進めたいという回答が過半数を占めた。 採用の枠組みの大転換といえるが、それにどう対応するかを尋ねたところ、回答企業279社のうち、「大きな変化はなく、従来通りのスケジュールで採用を進める」との回答が39%(109社)、「ルール形骸化はさらに鮮明になるが、従来どおりのスケジュールで進める」は20%(57社)だった。従来どおりのスケジュールで採用を進めたいという回答が過半数を占めた一方で、「採用戦略を抜本的に見直す」としたのは8%(21社)にとどまった。「分からない」も22%(60社)ある。 就職情報大手のディスコが10日に発表した調査で、就活生の7割が「就活の日程ルールは必要」と回答するなど、もともと何らかのルールを望む声は企業側にも学生側にも多い。新たに政府が示すルールが企業・学生に受け入れられなければ、いよいよ就職活動が混乱する事態になりかねない。 10月のQUICK短期経済観測調査(QUICK短観)は347社の上場企業が回答し、うち279社が就活ルールの変更に関する特別質問に回答した。調査期間は9月28日~10月10日。 (QUICKナレッジ開発本部 伊藤央峻)

安倍さん、今度こそ「財政健全化」と「構造改革」を!  9月のQUICK短観

20日投開票の自民党総裁選は、安倍晋三首相の3選が有力視されている。「アベノミクス」は一定の成果をあげたが、次の総裁任期ではどのような政策で日本経済の成長力を高めていくのか。企業は、次期・安倍政権が優先すべき経済政策を「消費増税の実施をはじめとする財政健全化」と「働き方改革や少子化対策などの構造改革」とみている。 9月のQUICK短期経済観測調査(QUICK短観)は359社の上場企業が回答し、うち290社が次の総裁任期で最優先すべき経済政策に関する特別質問に回答した。調査期間は8月30日~9月10日。 「財政健全化」と「構造改革」を求める回答はいずれも22%。次いで「消費増税の延期・撤回」が14%、「金融政策の正常化」と「TPPやFTAなど多国間の通商関係を構築」がそれぞれ12%だった。 安倍首相は19年10月に予定する10%への消費増税について「予定通り引き上げたい」と述べている。政府の財政健全化に向けた取り組みがどこまで進むのか注目点になる。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

サマータイムに冷やかな反応 9月のQUICK短観、反対が4割

2020年の東京五輪を控えてにわかに浮上したサマータイム問題だが、導入に前向きな企業はごく一部。QUICKが13日にまとめた9月の短期経済観測調査(QUICK短観)で、こんな結果が出た。サマータイム導入について賛成6%に対して反対は43%。「どちらともいえない」が51%だった。ネガティヴな回答の理由で目立つのが「身体への負担」「コスト面の負担」「システム面での負担」といった、もろもろの負担増への懸念だ。議論は盛り上がりを欠いたまま、記録的猛暑のひと夏の想い出で終わるのかーー。 9月のQUICK短観は359社の上場企業が回答し、うち300社がサマータイム導入に関する特別質問に回答した。調査期間は8月30日~9月10日。 サマータイムは欧米で広く導入されているが、欧州連合(EU)では13日、サマータイムを2019年に停止する法案が欧州議会と加盟国に正式に提案されたばかり。これから導入を検討する日本は、周回遅れの動きといえなくもない。 直接的には、暑い盛りの7~8月に開かれる五輪の競技に差し障りがあるから、というところから始まった議論だ。日本国内のIT業界の中には、プログラムの書き換えやシステム更新の必要性などから、2020年の大会には間に合わないのではと実現を疑問視する声もある。「改修ミスによるトラブル(システムの停止、誤作動等)が発生した場合、経済活動に大きな混乱をきたす可能性が高い」として、「デメリットを上回るほどの導入メリットはない」という。 反対派のほかの意見はこんな感じだ。「時間帯だけを変えても、生産性が上がるとは思えない」、「労働時間延長懸念」、「エネルギー消費も増加することはあっても軽減にはならない」という懸念の数々。「オリンピックの開始時間を単純に早めるだけで済む話であり、企業のシステムを変更して実行することではない」という指摘も少なくなかった。 一方、「賛成」の理由として挙がったのは「変化があれば需要が喚起され、経済的に若干でもプラスに働く」、「働き方改革との相乗効果」、「帰宅時間が明るいことによる犯罪抑止効果」などだった。 近く、サマータイム導入を検討する自民党の議員連盟が発足し、働き方への影響や費用対効果を検証する見込みだ。果たして、時計の針は進むのか、それとも……。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

記録的猛暑も「業績に影響なし」が8割近く 8月QUICK短観~その2

夏は夏らしい暑さ、冬は冬らしい寒さになると経済活動が活発になり企業業績にプラスに働くといわれる。では、記録づくめで過酷なレベルの猛暑が続いている今年はどうだろうか。QUICKが15日まとめた8月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」によると、猛暑でも業績にほとんど影響がないとみている企業が8割近くにのぼった。意外にクールな反応ともいえる。 8月のQUICK短観は361社の上場企業が回答し、うち313社が猛暑に関する特別質問に回答した。調査期間は8月1日~12日。   「足元で影響はほとんどなく、今後も特に対応は考えていない」との回答が最も多く77%(241社)だった。「猛暑特需(猛暑によるプラス効果)が生じている」と答えた企業はわずか6%(20社)で、逆に「業績に悪影響を与えている」が9%(28社)とプラス効果の回答を上回った。例年なら暑さの恩恵を受ける企業でも、暑すぎると消費者が外出を控えることなどから逆風になる。 一方で、「猛暑をビジネスチャンスと捉えて対応を講じている・考えている」と回答したのはも24社(8%)あった。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

上場企業のESG取り組み度は「半々」 8月QUICK短観~その1

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が「ESG投資」を始めて約1年。株式市場での銘柄選びだけでなく、環境配慮などのESGは企業経営の重要テーマのひとつになっている。QUICKが15日にまとめた8月の短期経済観測調査(QUICK短観)によると、ESGを具体的に実践している企業と、特に取り組んでいない企業の割合はほぼ半々という結果になった。 8月QUICK短観は上場企業361社が回答。このうち296社が「ESG」への取り組みに関する特別質問に回答した。調査期間は8月1日~12日。 ここ1年間で「ESG」に具体的に取り組んた企業は138社と全体の47%。「関心はあるが特に取り組みはしなかった」との回答が44%(130社)で、「ESGに関心がない」が9%(28社)で、2つ合わせた「取り組まなかった」企業は53%だった。 具体的に実践している企業にその内容を聞いたところ、「E(環境分野)、S(社会貢献)、G(企業統治)のすべて」との回答が21%(63社)と最も多かった。次いで、「SとGの2つ」が6%(18社)、「Gのみ」が5%(14社)と続いた。E、S、Gのそれぞれの分布をみると、Gに取り組んだ企業が78%(107社)と最も多く、Sが75%(104社)、Eが69%(95社)となった。 企業の中には、従来からESG対応に取り組んでいる企業も多く、中期経営計画においても経営の基本方針に定めている会社やE、S、Gのそれぞれを改善する企業もみられている。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

鈍い物価、要は気持ちの問題 賃金伸びず遠い好循環 7月のQUICK短観 

国内では需給ギャップが改善する一方、物価上昇率が伸びない状況が続いている。QUICKが18日にまとめた7月の短期経済観測調査(QUICK短観)によると、上場企業の半数以上が物価の上がりにくい要因に「消費者の根強いデフレ心理」を挙げた。 7月のQUICK短観は上場企業365社が回答。このうち304社が物価に関する特別質問に回答した。調査期間は7月3日~12日。 物価が上がりにくい最も大きな要因は何なのかーー。「消費者の根強いデフレ心理」との回答は56%を占めた。次いで「賃金の伸び悩み」が37%となり、この2つで9割以上に達した。政治の賃上げ号令にも関わらず、企業側は賃金の伸び悩みを「自覚」しているといえる。業績拡大が賃金上昇につながり、それが消費拡大と物価の上昇をもたらすという景況回復の理想のサイクルからは程遠い現状が浮かび上がる。 一方、「電子商取引(EC)の拡大」と答えた企業は4%にとどまる。物価上昇の頭を抑える一因になっているとの見方も出始めた、いわゆる「アマゾンエフェクト」はまだ、それほど影響力が大きくないようだ。また「人手不足を補う省力化投資」は3%にとどまった。さらに、2%の物価目標を掲げ金融緩和を続ける日銀に対して「金融緩和が不足している」とみているのはわずか1%だ。 6月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くベースで前年同月比0.7%の上昇と伸びは鈍い。7月のQUICK短観をみると、1年後のCPI上昇率の見通しは加重平均で前年比「0.8%」と前月の調査から0.1%低下。2年後の見通しは1.0%と、前月比で0.2%低下した。 QUICK短観の調査結果について、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「消費がさえず、企業が値上げしにくいなか、物価は日銀の考えとは逆に向かっている」と分析する。日銀は30~31日の金融政策決定会合で物価が上がりにくい背景を精査する見通しだ。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子、大谷篤)

貿易摩擦、日本企業は意外に冷静? 「経済停滞」心配だが…… 7月のQUICK短観

米中の貿易摩擦が激化するなか、QUICKが18日まとめた7月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」によると、日本企業は貿易摩擦の深刻化で経済全体の停滞を心配しているものの、自社への直接的な収益影響などは比較的、少ないとみていることが分かった。 7月のQUICK短観は365社の上場企業が回答し、うち308社が貿易摩擦に関する特別質問に回答した。調査期間は7月3日~12日。 貿易摩擦による最も大きな影響は何かを聞いたところ、「経済全体を停滞させる」が45%(139社)で最多だった。次いで「大きな影響なし」が22%(69社)だった。 「外為相場や株式相場の変動による悪影響」が20%(61社)、「販売減や調達難およびコスト増で収益面に悪影響」が11%(33社)と続いた。「生産・調達体制(拠点や経路)の見直し再編を迫られる」は2%(6社)だった。   ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

物言う株主ますます存在感 上場企業の7割「動向に注意」、QUICK短観6月

株主総会シーズン本番。コーポレートガバナンス(企業統治)強化の要請が強まる中、多様な株主にどう向き合っていくのかというテーマは年々、重みを増している。QUICKは15日まとめた6月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」で、このところ活動が活発になっている物言う株主(アクティビスト)への対応を聞いた。その結果、「株の保有、具体的な要求はないが、動向に注意している」と答えた上場企業の割合が7割を占めた。  6月のQUICK短観は373社の上場企業が回答。うち310社が物言う株主に対する具体的な対応を聞いた特別質問に回答した。調査期間は6月1日~12日。 調査では、「株を保有され、大幅増配や事業見直し、役員選任などで要求を受けたことがある」は5%(14社)、「株を保有されたが具体的な要求をされたことはない」が7%(21社)だった。 これまで米国を中心に活動してきた物言う株主は、最近は日本の投資先を増やしている。保有する日本株は1兆6000億円弱と最高水準にあるとされる。会社側に極端な要求を突きつけるケースはまだ多くはないが、昨年の株主総会からは、機関投資家がどのように議決権を行使したかを公表するようになり、合理的な株主提案であれば賛成票を得やすくなるなどの変化も見えてきた。 回答企業からは「物言う株主の対応は、役員レベルと事務執行担当レベルとで受ける印象に差異がある。何でも隠したり、否定的に考えているとマーケットのしっぺ返しが来ると思う」(卸売業)といった声が出ていた。 回答で最も多いのは「株の保有、具体的な要求はないが、動向に注意している」で73%(227社)、次いで「株の保有や要求はなく、特に注意も払っていない」が15%(48社)だった。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

ザラ場の決算発表「トヨタ流」広がらず 上場企業の7割が消極的、QUICK短観6月

QUICKが15日まとめた6月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」によると、決算の開示時間について、株式市場の取引時間中に前倒しで発表することに対し、7割の上場企業が消極的であることがわかった。 6月のQUICK短観は373社の上場企業が回答。このうち317社が決算発表時間の前倒しに関する特別質問に回答した。調査期間は6月1日~12日。 2018年3月期決算ではトヨタ自動車が取引時間中の開示・記者会見に踏み切り大きな話題を集めた。欧米では主流ともいえるザラ場決算発表についてのスタンスを聞いたところ、「取引時間中の発表は検討していない」が50%(160社)と最も多く、次いで、「取引時間中の発表は当面ない」が21%(67社)と続いた。2つあわせて全体の7割を占め、上場企業は開示時間の前倒しを強く拒否した格好だ。「取引時間中への変更を検討している」はわずか9%(27社)にとどまり、「すでに発表時間を取引時間中にした」が20%(63社)だった。 決算の開示時間を株式市場の取引時間中へ前倒しすることは、投資家の利便性への配慮や、決算内容が当日の株価に反映されやすい利点などがある。「市場フレンドリー」な決算発表が定着するにはまだまだ時間がかかりそうだ。 ■製造業DI、1ポイント悪化のプラス29 2カ月ぶりの悪化 6月の「QUICK短期経済観測調査」では、製造業の業況判断指数(ディフュージョン・インデックス、DI)がプラス29と、前月調査(プラス30)から1ポイント悪化した。悪化は2カ月ぶり。金融を含む全産業DIは前月から変わらずのプラス35だった。業況判断DIの回答企業数は373社(製造業は147社)。今後3カ月で景況感がどのように変化するのかを聞いた「先行き」はプラス31で、前月から2ポイント悪化した。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

人手不足解消、カギは外国人雇用の制度見直し QUICK短観・5月調査

人手不足が深刻化するなか、企業は、外国人労働者に関する制度の見直しなど政策の後押しが外国人の雇用増を促すきっかけになるとみている。QUICKが17日まとめた5月の短期経済観測調査(QUICK短観)で分かった。 調査期間は1日~14日、上場企業308社が回答した。 今月の調査では外国人の雇用に対するスタンスを聞いた。最も多かったのは「外国人を雇用しており、メリットが多いので今後は雇用者数を増加したい」の回答で30%を占めた。相対的に製造業より非製造業で雇用者数を増やしたいとの回答が目立った。また、今は外国人を雇用していないものの、「将来的には雇用を検討している」の13%を合わせると、約4割が外国人の雇用に前向きだった。   一方「外国人を雇用しているが、課題も多く雇用者数の増加は検討していない」が22%、外国人を雇用しておらず、「当面も雇用は考えていない」が17%と、消極派が約4割に達し意見が分かれる結果になった。 ただ、「制度の見直しなど、外国人を受け入れやすい環境が整備されれば、検討もしくは増加したい」が18%と、雇用増の余地も示された。 厚生労働省によると、2017年10月末の外国人労働者数は127万人と前年同期比で18%増え、5年連続の増加となった。企業の届け出を義務化した07年以降では最高だった。安倍政権は19年4月をメドに新たな在留資格をつくり、技能実習を修了した外国人に最長5年間、就労可能な資格を与える方針だ。政策の後押しなどで外国人労働者を取り巻く環境が変わり、雇用者数がさらに増加すれば人手不足は緩和に向かう可能性がある。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。      

「原油高で業績に悪影響」上場企業の4割  QUICK短観・5月調査

QUICKが17日まとめた5月の短期経済観測調査(QUICK短観)によると、足元の原油高は、業績にマイナスの影響があると4割近い上場企業が答えた。今月に入って、NY原油相場は3年半ぶりの高値を付けており、原油価格の高止まりは企業業績の重荷になりそうだ。 ■WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物期近(6月限)   5月のQUICK短観は上場企業371社が回答。このうち315社が原油高による業績への影響に関する特別質問に回答した。調査期間は5月1日~14日。 足元の原油高で業績にどのような影響を受けるか聞いたところ、最も多かったのは「あまり影響はない」で59%(185社)だったが、「マイナスの影響」が33%(105社)、「大きくマイナスの影響」が4%(14社)とマイナスへの影響を考えている企業は4割近くとなった。なかでも、大規模企業の製造業(96社)に注目すると「マイナスの影響」が48%(46社)、「大きくマイナスの影響」が5%(5社)と、半数以上がマイナスへの影響を見ているようだ。 一方、「大きくプラスの影響」が0%(1社)、「プラスの影響」が3%(10社)とプラスへの影響を考えている企業は3%(11社)にとどまった。   ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

仮想通貨の技術、3社に1社が「将来的に活用の可能性」 QUICK短観

QUICKが17日まとめた4月の「QUICK短期経済観測調査」によると、ブロックチェーン(分散台帳技術)などの仮想通貨の技術を活用することについて、「将来的に活用する可能性はある」と回答した企業は34%(109社)だった。 4月のQUICK短観は384社の上場企業が回答。うち317社が仮想通貨の技術を活用することに関する特別質問に回答した。調査期間は4月3日~12日。 仮想通貨の技術活用について、「活用することはなさそう」の回答は全体の63%(201社)と最も多く、次いで「将来的に活用する可能性はある」が34%(109社)だった。「すでに活用している」と「将来的に活用することが決まっている」と答えた企業はそれぞれ1%(2社)と2%(5社)にとどまっている。 同じ質問を2016年9月調査(356社)にも聞いているが、当時の調査と比較すると「すでに活用している」と「将来的に活用することが決まっている」は、ほとんど変化はないが、「将来的に活用する可能性はある」が29%(102社)から増加した。足元では仮想通貨の技術活用は難しいと考えていることに大きな変化はないが、将来的には必要性を感じているようだ。 回答企業からは「現存の仮想通貨は玉石混交の状態にあり、事業に直ちに積極活用できる環境は未整備」といった声も寄せられている。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

上場企業、貿易摩擦の強まりで「マイナスの影響」46% QUICK短観

QUICKが17日まとめた4月の短期経済観測調査(QUICK短観)によると、世界的な貿易摩擦が強まることで2018年度の業績に「マイナスの影響を受ける」と答えた上場企業の割合が46%に上った。 4月のQUICK短観は384社の上場企業が回答。うち317社が貿易摩擦の強まりによる業績への影響に関する特別質問に回答した。調査期間は4月3日~12日。 「影響は受けない」との回答が53%(168社)と最も多かったが、「マイナスの影響」と答えた企業も147社あった。回答した317社のうち、輸出企業が多い大規模企業の製造業(103社)に限ってみると、「マイナスの影響を受ける」が61社と約6割を占めた。 回答企業の中には、「直接的な影響は軽微だが、保護主義の拡大が世界貿易を縮小させ、世界経済が失速することを懸念している」と、世界経済への悪影響を心配する声があった。 製造業DI、3カ月連続の悪化でプラス29 11カ月ぶりの低水準 毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)は前月調査から6ポイント悪化のプラス29で、3カ月連続で悪化した。昨年5月以来11カ月ぶりの低水準。今後3カ月の間に景況感がどのように変化するかを聞いた「先行き」はプラス33と、前月から4ポイント悪化した。非製造業DIは前月比1ポイント悪化のプラス39、金融を含む全産業DIは前月比2ポイント悪化のプラス36となった。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

上場企業、19年春の採用「増やす」27% 18年よりやや減少 QUICK短観

2019年春に卒業する大学生らの就職活動が3月から本格的に始まった。QUICKが15日まとめた3月の短期経済観測調査(QUICK短観)によると、19年春の採用者数について「増やす」と回答した上場企業は27%と、昨年調査(31%)よりもやや減った。 回答企業は382社、調査期間は3月1日~12日。QUICKは毎年3月のQUICK短観で同じ質問を設定している。 18年春の採用実績に比べ、19年の採用数を「減らす予定」と答えたのは5%。「ほぼ横ばいの予定」と答えた企業が全体の7割弱を占めた。「増やす予定」と回答した企業は2016年から毎年増えていた。 厚生労働省によると、2017年平均の有効求人倍率は前年比0.14ポイント高い1.50倍だった。上昇は8年連続で、過去最高水準だった1973年(1.76倍)以来44年ぶりの高水準だった。企業の間では人手不足感が強まっているが、QUICK短観によれば、新卒の採用増には一服感も出ている。 製造業DI、2カ月連続の悪化でプラス35 毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)は前月調査から4ポイント悪化のプラス35で、2カ月連続で悪化。非製造業DIは前月比1ポイント悪化のプラス40。金融を含む全産業DIは、前月比2ポイント悪化のプラス38となった。 ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

18年度の円の想定レート、6割以上の企業が「110円前後」 QUICK短観

QUICKが15日まとめた3月の「QUICK短期経済観測調査(短観)」によると、2018年度の円の想定為替レートについて6割以上の企業が「1ドル=110円前後(107.50~112.40円)」と答えた。足元の実勢レートは106円前後。多くの企業は18年度計画の前提となる想定レートを実勢よりも円安に設定している。円相場が110円前後に戻らなければ、18年度の業績は輸出企業を中心に鈍化しかねない。 3月のQUICK短観は382社の上場企業が回答。うち295社が18年度の対ドルの円の想定レートに関する特別調査に答えた。調査期間中(1~12日)の円のレンジは105円台前半~107円台前半だったが、「110円前後(107.50~112.40円)」との回答が182社と、全体の62%を占めた。「115円前後(112.50~117.40円)」と一段の円安を前提にしている企業は11%(33社)だった。なかでも輸出企業が多い製造業・加工業種は14%が115円前後と回答した。 足元の円相場については「想定よりも円高」と判断している企業が54%(170社)と半数を超えた。「想定よりも円安」は4%(12社)にとどまり、円安判断の割合から円高判断の割合を差し引いた円相場判断DIは前月調査のマイナス25からマイナス50に大幅低下。16年10月以来のマイナス水準となった。 2017年12月の企業短期経済観測調査(日銀短観)によると、2017年度の想定レートは110.08円(大企業・金融を除く全産業)。QUICK短観の回答企業の多くは18年度の想定レートを17年度と同水準で想定しているが、米国の保護主義的な通商政策や国内政局の行方など先行き不透明感もあり、円の実勢相場が上昇するリスクは小さくない。 18年度の想定レートを「105円前後(102.50~107.40円)」とする企業は78社(26%)、「100円前後(97.50~102.40円)」が1社あったが、円相場の動き次第では想定レートを円高方向に修正する動きが広がりそうだ。 日銀は4月2日に短観を発表する。QUICK短観は日銀短観に先行して企業の景況感を映す指標となっている。

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