税制優遇制度の認知度・利用度低く 【個人の資産形成に関する意識調査⑬】

QUICK資産運用研究所が昨年11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。13回目は各税制優遇制度の認知度や利用状況について掲載する。(調査概要と過去の配信はこちら) 少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)など、個人の資産形成を後押しする税制優遇措置がある制度について認知度や利用状況を聞いたところ、すべての制度で「知らない」と「聞いたことはあるが詳しくは分からない」が合わせて半数を超えた。認知度の向上にはまだ課題が残るようだ。 各制度を「利用している」と答えた人の割合は、一般NISAが16.4%で最も高かった。年齢別では60~74歳の利用が多く、回答者のうちおよそ4人に1人が一般NISAを利用していることが分かった。 一方、つみたてNISAは20~30代、イデコは40代で利用している人の割合が多かった。16年から始まった未成年者向けのジュニアNISA(運用管理者は両親・祖父母等の親族)は、ほかの制度よりも利用率が低かった。 (QUICK資産運用研究所)

ブロガー向けにiDeCo新プラン説明会 SBI証が三菱UFJ国際とタッグ 

ブログやツイッターで自らの資産運用について情報を発信しているブロガーら20人以上が12月10日夜、三菱UFJ国際投信のオフィスに集まった。同社が継続的に開催している「ブロガー・ミーティング」に参加するためだ。今回はSBI証券が11月に開始した個人型の確定拠出年金(iDeCo=イデコ)の新プラン「セレクトプラン」に関する説明会がプログラムの中心となった。 SBI証券はiDeCo加入者のシェアが20%程度と高く業界首位。加入者の約4分の3が元本保証のない投資信託を保有し、リスクを取っているのも特徴だ。 新プランでは三菱UFJ国際の看板であるインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」11本のうち8本が採用されている。ブロガーとの交流を深めたいと希望していたSBI証券の思惑が重なり、両社はタッグを組むことになったようだ。積極的に資産運用に取り組んでいるブロガーの意見や要望を吸収すると同時に、彼らの情報発信を通してサービスの浸透を図るのが狙いだ。 <参加申込者の内訳> 【性別】男性:18人、女性7人 【年齢層】20~34歳:8人、35~49歳:12人、50歳以上:5人 【投資経験】5年未満:11人、5年以上10年未満:4人、10年超:10人 【確定拠出年金(DC)加入年数】未加入:6人、2017年1月以降加入:11人、14~16年に加入:3人、加入年数5年以上10年未満:2人、10年超:3人  ■SBI証券、新プランで「eMAXIS Slim」を初採用 企業型DCやiDeCoは今年5月に制度が改正され、6月から運営管理機関が提供する商品数は「3本以上、うち1本は元本確保型」から「リスク・リターン特性の異なる3本以上35本以下の金融商品(35本を超えている場合は5年後までに35本以下にする)」に変わった。SBI証券は制度改正を機にiDeCoの新プランとして、従来の「オリジナルプラン」と別に、低コストと多様性にこだわった34本で構成する「セレクトプラン」を設定した。 SBI証券投信・債券部課長の仲岡由麗江氏はセレクトプランのラインアップに入る投信の選定ポイントとして、①低コストのインデックスファンドを揃える②顧客要望を重視したうえでリターンやリスクに基づき定量評価する③投資対象と投資手法を幅広くカバーする――の3点を挙げた。この結果、従来プランでは1本も入っていなかった「eMAXIS Slim」が多く採用されたようだ。 SBI証券にはiDeCoの資料請求が11月だけで2万5千件あり、このうち1万8千件がセレクトプランを選択した。同社のiDeCo加入者は3月末時点で40歳代が全体の約4割を占め、30歳代の3割、50歳代の2割と続くという。 ■プラン乗り換えは「空白期間」に注意 注意が必要なのは、オリジナルプランの加入者がセレクトプランへの乗り換えを希望しても、自動的に移行完了という訳にはいかない点だ。制度上、オリジナルプランの運用商品をいったん売却して現金化する必要があり、乗り換えが完了するまでの1~2カ月程度は運用が停止する”空白期間”が生じるようだ。 プレゼンテーションに登壇した投信評価会社イボットソン・アソシエイツ・ジャパンCIOの小松原宰明氏は、オリジナルプランからセレクトプランに乗り換えた場合の損得シミュレーションの分析結果を詳しく説明。一般的な条件では「空白期間」による機会損失を取り戻すのに6年近くかかる場合もあるが、それ以降は新プランのほうが信託報酬が安くなるため有利になるという試算を紹介した。 SBI証券執行役員の橋本隆吾氏と三菱UFJ国際投信常務執行役員の代田秀雄氏が新プランについて対談。橋本氏は新プランはバランス型を含めて低コストの商品を揃えているので、特にiDeCoをこれから始める人・若い人に向いていると説明。従来プランはアクティブファンドを多く含むなど幅広い顧客ニーズに対応しているので、同プラントあわせて積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)などで「eMAXIS Slim」のような低コストのインデックスファンドを購入するという投資スタイルもあるのではないかと提案した。 代田氏は今回のミーティングのような場を通じて、継続的に自分たちの考え方を説明するとの方針を示すと同時に、ブロガーの率直な意見や要望を吸収しながら運用や制度の改善につなげていきたいという意気込みを語った。 ■新プランで残り1本の枠を占めるのは? 質疑応答ではブロガーから次々と手があがった。「ラインアップに多くのファンドがあるが、商品に対する疑問が出たら詳しい問い合わせは可能なのか」「ファンド数が上限の35本ではなく34本なのには何か特別な理由があるか」「eMAXIS Slimの全世界株式(オール・カントリー)は残り1本として採用されるか」「乗り換え手続きは簡易なのに1~2カ月もかかるのはなぜ」「受け取り方法の選択肢を拡充する考えはあるか」「乗り換え中も掛け金を拠出できるか」「20歳代など若い加入者がどの程度いるのか現状を知りたい」「ラインアップを決める際のファンドに対する人気度というのはどう測っているのか」といった具体的な質問が続いた。 懇親会は登壇者を交えて話の輪ができた。ブロガーの「うみねこ」さんは「投資に使う制度の優先順位として、まずiDeCoを最大限活用し、その後は投資金額によって、つみたてNISAまたは一般NISAを選択。最後に残りを課税口座(特定口座)に充てるという自分の考え方が間違っていないのを確認でき安心した」と話していた。 参加者からは「ちょうどオリジナルプランからセレクトプランへの移行を考えていたので、乗り換えシミュレーションはとても参考になった」(「にこいち」さん、「持ち家さちこ」さん)。「受け取り方法が一時金か年金かの2者択一ではない併用が将来的に可能になるかどうか探ることができた」(「うちたけ」さん)。「両社揃ってiDeCoでの提供商品数35本の上限撤廃を強く訴えていたのが印象的」(「青井ノボル」さん)といった声も聞かれた。 (QUICK資産運用研究所 望月瑞希、高瀬浩)

つみップ女子部、講師2人も女性 つみたてNISAやiDeCoを解説

金融庁が2日夜に開いた「つみたてNISA Meetup(通称:つみップ)女子部」は、約30人の女性が参加した。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)に関する個人投資家との意見交換会で、対象を女性に限定した「女子部」は昨年11月、今年2月に続く3回目。今回は講師の2人も女性で、つみたてNISAをはじめ税制優遇を受けられる制度の活用法を中心に解説した。 ■女性講師2人が登壇、iDeCoも解説 まずは金融庁が夏休みに「こども霞が関見学デー」として開いた「小学生のためのハッピー・マネー教室」(講師:岡本和久氏)の様子をまとめた動画教材を紹介。続いて、つみたてNISA制度の背景やポイントを説明し、「長期投資・積み立て投資・分散投資・手数料・分配金・税金」の6つをすべて押さえた利便性の高い制度である点を強調した。 最初に登壇したのは独立系ファイナンシャルプランナーの岩城みずほ氏。「人生100年時代。一生お金に困らないために、今からできること!」と題し、資産全体を外国株式・国内株式・預金などに分け、それらを課税口座・個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業型確定拠出年金(企業型DC)・つみたてNISAにどう振り分けるかといった組み合わせで考えるのがいいと説いた。 続いてDC制度に詳しい大江加代氏が登壇。「老後資産を作るiDeCoについて~投資デビューはつみたてNISAかiDeCoで~」をテーマに、iDeCoの制度説明を中心に解説した。iDeCoとつみたてNISAは両方とも、資産形成に有効な3拍子(積み立て投資・運用益非課税・低コスト運用)が揃った制度であり、iDeCoでの金融機関や商品選び、サポート体制の比較検討には「NPO 401K教育協会」の「iDeCoナビ」が役立つとした。 参加者はメモを取りながら、時折うなずいて聞き入るなど、真剣な面持ちが印象的だった。講師2人が話し終わると自然と拍手が起こった。とかく縦割り行政が指摘される中で、厚生労働省の所管であるiDeCoの解説も併せて金融庁内で聞けたのは参加者にとって新鮮な驚きのようだった。 ■識者やブロガーを質問攻め、「内容の濃い時間」の声 意見交換会のハイライトは質疑応答の時間だ。講師の2人や経済評論家・山崎元氏らの識者、著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、水瀬ケンイチさん、吊られた男さんの3人を質問攻めにした。参加者からの質問要旨は以下の通り。 ・どの金融機関でつみたてNISAを始めたらいいのか悩んでいる。選び方のポイントを教えて欲しい。  ・つみたてNISAは20年たったら、その都度取り崩す必要があるのか。  ・話を聞いてiDeCoを始めたいと感じた。企業型DCに加入しているが、自分で掛け金を上乗せする「マッチング拠出」はできないので不利に思う。このあたりの制度上の仕組みを知りたい。  ・15本の投信をつみたてNISAで購入しているが、本数が多いと複利効果が薄れると聞いたが本当か。本数を絞る必要はあるか。  ・DCの加入期間が65歳までに延びそうだと聞いているが、70歳までの延長もあるのか。  ・障害で働けなくなった時、iDeCoでは制度上どう対応しているのか。  ・iDeCoを始めて1年くらい経つ。運用コストが格安の別の投信が購入できるようになったが、スイッチングした方がいいのか。  ・手数料の低下はそもそもどのような企業努力の結果で生じているのか。  ・「国民年金基金」は長生きするとお得感のある制度だと思うが、iDeCoと違ってあまり薦められない。それはなぜか。  ・読んで役に立つ雑誌、記事やWebサイトを教えて欲しい。 当日のプログラムにiDeCoに関する説明が入っているとは事前に知らされていなかったにもかかわらず、iDeCo関連の質問が目立った。ブロガーからも「iDeCoへの注目度の高いのが分かった」との声があがっていた。 別のブロガーは「初心者が多いと聞いていた割には、資産形成に熱心な様子がうかがえた」「内容の濃い時間だった」と話し、参加者として来場した女性ブロガーのWakabaさんは「いつもより参加人数が少なかったのは勿体ないくらいの豪華ゲストが勢ぞろいし、充実したひと時だった」と感想を述べた。 ■懇親会で情報交換、「明日にも口座開設」の参加者も 15本の投信を積み立て投資している30歳代の会社員はスマホの注文画面を見せながら「ネット銀行からネット証券に自動口座振り替えするたびに、購入ファンドごとに毎日ポイントがつく」と話し、「年40万円の非課税枠をフルに使い、1本100円くらいで毎日15本積み立てると毎月900ポイントほど貯まっていく。ポイントも積み立てに回す。高齢の家族の面倒を見るなど自分の将来を考えて資産運用している」と解説してくれた。 懇親会ではメモをとりながらブロガーに質問する姿もあった。その一人で親戚に誘われて参加したという開業医の妻は「しっかり資産形成しなくては。明日にでもネット証券でつみたてNISAの口座を開く」と目を輝かせた。 「外貨建て保険を契約したばかりだが解約して、つみたてNISAを始める」という積極行動派がいたほか、「預金を含めた金融資産全体のリスク管理の大切さが分かった」「つみたてNISA、iDeCoと聞いてもどう始めるのか悩んでいた。質疑の内容も初心者にも終始分かりやすく、どの金融機関で始めるか、どんな投信を買ったらいいかイメージがわいた」という感想も出ていた。 懇親会に参加したブロガーのFP-Misakiさんは「懇親会まで残った人はある程度積極的。『つみップのことはツイッターで知った。金融庁の説明会なら安心だから行ってみよう』という感じで参加した方が多かった印象」と話す。有益な情報交換の場である懇親会にもっと多くの人が参加するには「途中に短い休憩タイムを作るなど周りの参加者と話せる雰囲気を作ると、懇親会にも行ってみようかなという気になる人が増えるかもしれない」という。 懇親会の締めの挨拶に立った山崎氏が十八番の口笛伴奏で合唱の音頭をとった。曲は1997年に大ヒットし今年芸能界を引退した安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」。「女性」と「20年」にひっかけた選曲のようだ。歌詞のサビを「20年という投資なんて知らなかったよね」に置き換えた歌声が金融庁の会議室の中に響き渡った。 <参考サイト> ◯金融庁「つみップ」サイトはこちら  ◯「小学生のためのハッピー・マネー教室」動画はこちら  ◯iDeCoナビ(個人型確定拠出年金ナビ)はこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

資産形成を本気で考える「官僚たちの夏」 霞が関セミナーに600人

国の省庁が集まる東京・霞が関にある文部科学省の講堂が20日夜、中央省庁に勤務する職員で埋め尽くされた。内閣官房内閣人事局、金融庁と厚生労働省が合同で開いた「霞が関iDeCo・つみたてNISAセミナー」に参加するためだ。 ■ライフプランに基づいた資産運用の考え方を解説 講師は独立系ファイナンシャルプランナー(FP)の神戸孝氏が務め、「ライフプランに基づいた資産運用の考え方とiDeCo・つみたてNISAの活用方法」と題した40ページあまりの資料をもとに、1時間半にわたって資産運用の考え方について説いた。 参加者は600人を超え、男女比は6対4、年齢は20、30、40歳代がそれぞれ3割前後だった。 神戸氏は「なぜ資産運用が必要か」「ライフプランとはどんなものでどう設計するか」「資産を運用するうえでのポートフォリオの作り方やメンテナンス方法」といった資産形成・資産運用の重要性や具体的な方法を解説。資産運用を2つに色分けし、儲けるためにドキドキ感のある「趣味としての投資」と、退屈で面白くないがお金に働いてもらう「仕事としての運用」があると強調した。個人型確定拠出年金(iDeCo)や積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の説明は概略にとどめた。 ■セミナー後に質問の列 金融庁はつみたてNISAの浸透策のひとつとして、働く職場を通じて普及を図る「職場つみたてNISA」の活用に力を入れている。中央省庁職員が率先して職場つみたてNISAを活用するのは、「まずは隗(かい)より始めよ」として国民に資産形成の手本を示す意味合いからも重要だ。今回の大規模セミナーはそのきっかけになりそうだ。 参加者は熱心に耳を傾け、真剣な面持ちでペンを走らせていた。講演後も20人近くが会場に残り、神戸氏への質問の順番待ちの列を作った。一般NISAとつみたてNISAの使い分け方法、アクティブファンドを選ぶ際のポイントなどの質問をぶつけた。1度目の質問を終えてからまた列に戻り、2度目の質問をしていた女性もいた。 セミナー開始前にも、テーブルに置かれた銀行や証券会社、生命保険会社の関連販売資料を受け取るために、大勢が列をなすなど、資産運用への関心の高まりがうかがえるセミナーとなった。中央省庁職員が自らの資産形成にも本腰を入れ始めた。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

「新社会人が知っておきたいお金の話」②人生100年時代の資産形成

これから社会に出るみなさんへのメッセージとして「新社会人が知っておきたいお金の話」を3回にわたって連載する。第2回は「人生100年時代の資産形成」。 第1回はコチラ→ 「新社会人が知っておきたいお金の話」①資産形成のイロハ ■年金・退職金制度を理解しよう! では実際には何から始めればいいのか――。まずは勤務先や雇用形態によって異なる「年金・退職金制度」を理解しておきたい。 日本の年金制度は①日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金(基礎年金)②民間企業の従業員などが加入する厚生年金保険③その他企業や個人が用意する年金--という3階建ての構造になっている(図3)。 ①②は公的年金で、③は「確定給付企業年金(DB)」「確定拠出年金(DC)」などを指す。DCには、企業型と個人型があり、企業と個人のどちらが掛け金を拠出するかの違いがある。また、DBは企業が運用の責任を負うのに対して、DCは個人が自らの責任で運用を行う。 DCは運用益が非課税になるだけでなく、掛金の全額が所得税と住民税の計算から除外される「所得控除(小規模企業共済等掛金控除)」を受けられる。つまり年間500万円の所得のある人が掛け金として月に2万円、年間で24万円を拠出した場合、年末調整や確定申告をすることによって、所得は476万円とみなされ、税額が軽減される(他の所得控除は考慮していない)。   ■柔軟性が増しつつあるイデコ 企業が用意する年金制度では、企業型DCのみの場合や、DBと企業型DCの併用の場合がある。どちらも導入していない企業は、個人型DC(iDeCo=イデコ)への加入が許可されている場合がある。 イデコは2017年から公務員や主婦も加入できるようになった。DBや企業型DCに加えてイデコに加入することを認めている企業もある。また、企業型DCでは、従業員が追加で掛け金を上乗せできる「マッチング拠出」という仕組みを取り入れているところもある。 イデコやマッチング拠出が利用できる環境であれば、有効に使っておきたい。DCは転職した際も新しい会社へ持ち運べる「ポータビリティ」という仕組みがあるし、自営業者や主婦になっても続けることができる。何より、資産形成の基本である「長期・分散・積立」の実践を少額から始めることができる。 もちろんDCの運用責任は自分にあるので元本を割る可能性は十分にある。イデコの場合は、口座管理費用など、運用以外の費用負担もある。DCは60歳まで原則引き出すことはできないため、あくまで老後の生活資金であるという点も注意が必要だ。制度をよく理解したうえで、可能な範囲で少額から拠出してみてはどうだろう。 ■意外と知られていない個人年金保険 意外と知られていないのが、老後資金を準備しながら税制メリットを受けられる「個人年金保険」だ。10年以上毎月掛け金を払い続け、60歳以降に10年かけて受け取ることを前提に加入する商品で、所得控除(個人年金保険料控除)として所得税と住民税の控除を受けることができる。 満期まで保有すれば元本割れをしない商品が多く、現在の金利状態が続くと仮定すれば、預金より利回りが期待できるメリットがある。ただし、途中で解約すると支払った額より少ない金額しか戻らないケースもある。また、固定金利の商品も多いので、金利が上昇した場合には不利になる点は留意しておきたい。 (QUICK資産運用研究所)

金融庁が「つみップ」女子部を開催 率直で実践的な質問が続々

バレンタインデー明けとなる2月15日の夜、金融庁の会議室に30人近くの女性が集った。金融庁が主催する積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の意見交換会「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)の14回目。昨年11月に続く2回目の「女子部」は、文字通り女性だけを対象に参加者を募って開催した。 ■金融庁の制度説明、iDeCoとの違いにも言及 ゲストには、おなじみの経済評論家の山崎元氏やファイナンシャルプランナー(FP)の岩城みずほ氏らに、男性ベテラン投信ブロガーの「NightWalker」さん、「虫とり小僧」さん、「吊られた男」さんの3名が加わった。さらに女子部に花を添える形で、ブログやツイッターで自身の資産運用について積極的な情報発信し、つみたてNISAを既に始めるなど投資経験豊富な「おぱる」さん、「スバル」さん、公務員の「yoko」さんの女性3名が特別ゲストに招かれ、豪華な顔ぶれが揃った。 参加者約30人のうち、6人の投資未経験者を含む半数ほどが投資歴3年未満で、経験歴の分け隔てなく「つみたてNISA」への関心が高いことがうかがえる。 金融庁担当者からは、つみたてNISAを制度化した背景や投資信託の仕組みに加え、同じく税制優遇が受けられる個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)との税制上の違いも説明に盛り込まれたのが今回の特色だった。 ■制度乱立の不便さや償還の不安などリアルな声飛ぶ 質疑・応答の時間では、障害を持つ娘にはつみたてNISAとiDeCoのどちらを勧めたらよいか、子供にはジュニアNISA(子供名義)とつみたてNISA(親名義)のいずれを選択すべきかといった女性目線での質問が目立った。 年間非課税枠がどうして12で割り切れない40万円なのかといった制度に関する素朴な疑問も出た。NISA(一般NISA、ジュニアNISA、つみたてNISA)をすべて一本化してもらった方が便利などの実直な要望もあり、金融庁担当者が熱心に耳を傾ける姿が印象的だった。 つみたてNISA対象ファンドの繰り上げ償還の可能性に関する質問に対して、投信ブロガーからは「繰り上げ償還をそれほど不安視せずにまずは始めることの方が重要」とのアドバイスもあり、そのうえで別の投信ブロガーからは投信制度そのもので「繰り上げ償還されると換金益に課税されるなど、何かと投資家に不利益になるのは改善して欲しい」と金融庁への要望が出る場面もあった。 今回開催されたつみップ女子部の感想を聞くと、ゲストの女性投資家からは「率直で実践的な質問」が多かったとの声が上がっていた。「ジュニアNISA口座で金融機関の変更ができないのは不便」という金融庁への要望もその一つだ。投信ブロガーからは「最近の波乱相場に関連した質問がなかったのは意外」との感想がもれた。   ■懇親会ではゲストを囲む華の輪 木曜日の夜にも関わらず、懇親会には約20人が参加し、ゲストや金融庁職員を囲みながら談笑する華の輪ができた。 ゲストのアドバイスがとても参考になったとの声もあった。「インデックスファンドの低コスト化が進んでいるが、乗り換えた方が良いのか」との質問に対し、山崎氏からは乗り換え時に換金税がかかる場合は「期待リターン×税率」が目安になるとの説明があった。例えば、外国株ファンドの期待リターンをおよそ年率5%とし、税率が約20%なので、信託報酬の差が両者を掛け合わせた1%以上だと乗り換え、1%未満だとそのまま保持、という基準だ。 投資信託の仕組みのイロハを「金融当局」が丁寧に解説していたのは「凄い」とゲストの女性投資家は感心していた。「投信の資産は信託銀行において、ファンドの保有者ごとにきちっと分別管理・保全されている」ので安全という説明が金融庁からあった。 ■50代女性「コツコツ投資もいいかな」 上場企業に勤める50代の独身女性は「職場の周りは自分と同年代の男性ばかり。私もそうだが、みんな定年後の生活に不安をもっているはずなのに、資産運用について話をするような雰囲気は全くない。今回参加して、ブロガーの皆さんと知り合えてよかった。つみたてNISAの非課税期間が20年といっても、定年が近い自分には無関係と思っていたが、今日の話を聞いて少し考えが変わった。一般NISAをつみたてNISAに切り替えてコツコツ投資してもいいかなと考えている」と話していた。 30代の会社員はNISAを少し前に始めたが、「職場の同僚から最近『つみたてNISAのことを教えて』とよく聞かれても、うまく答えられないので今回参加してみた。ヒントをつかめたような気がする」という。働く女性の間では、つみたてNISAの関心度合いがじわり高まってきているのかもしれない。 ゲストの岩城氏は「質疑のレベルが高かった半面、今回参加した投資未経験者が『つみたてNISAをどのように活用し始めたらよいか』を考えるのにどのくらい役立ったか少し不安。昨年11月の女子部では、つみたてNISAを始めるにあたり、その前に必要となる資産形成の金額や適切な運用場所などを5つのステップに分けて考える手順を紹介した。金融庁のつみップのサイトに説明資料が残っているので、投資未経験者の参考になれば」と話していた。 ■「20年という投資なんて・・・」、女性の歌声響く 懇親会の締めの挨拶は山崎氏。「つみたてNISAは失敗しにくい制度なので、『始める』『続ける』そしてそのよさを『教える』を是非実践して欲しい」と述べた後、恒例になりつつある合唱の音頭取りに移った。 今回ひねり出した曲は「20年」と「女性」にひっかけて、1997年に大ヒットした歌姫・安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」。歌詞のサビを「20年という投資なんて知らなかったよね」に置き換えて歌うというシャレタ計らいだった。 ■再び地方へ、つみたてNISAキャラクターも誕生 3月のつみップは地方へ繰り出す。昨年12月のQUICK資産運用研究所の調査では、首都圏に比べ地方の方がつみたてNISAの認知度はやや低い傾向にある。東京でのつみップの熱気がどこまで伝播するか注目だ。 そして、金融庁はつみたてNISAのマスコットキャラクターを募集することを発表した。2月中には募集を開始する予定のようだ。   ◯「個人の資産形成に関する意識調査」の概要はこちら <金融庁> つみたてNISA Meetup (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、小松めぐみ)

つみたてNISA、利用するなら「銀行で」が1位【個人意識調査(5)】

QUICK資産運用研究所は2017年12月、全国の20~60代の個人を対象に「個人の資産形成に関する意識調査」を実施した。個人に資産形成の取り組み状況などを聞く調査は、16年12月に続いて2回目。日経リサーチを通じてインターネット経由でアンケート調査を実施し、5132人から回答を得た。 調査結果はQUICK Money Worldに順次掲載する。 ◯調査概要はこちら   ■つみたてNISA「知っている」は3割 調査を実施した昨年12月の時点で、今年1月からつみたてNISAが始まることを「知っている」と答えた人は29.4%だった。17年1月の個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」加入対象の拡大について聞いた前回16年12月調査では「知っている」が18.5%(今回調査は19.3%)だったので、認知度はつみたてNISAがイデコを上回っている。 年代別にみると、「知っている」と答えた人の割合が最も多かったのは60代の34.8%。一方、若い世代ほど「知っている」と答えた割合が低く、引き続き認知度向上の取り組みが課題になる。 ■つみたてNISAの利用に前向き、20代は5割超 つみたてNISAの開始を「知っている」と答えた人に対して、実際に利用したいか聞いたところ、「利用したい」と「利用を検討したい」が合わせて33.1%だった。年代別にみると、20代はこの合計が5割を超え、利用に前向きな答えが目立った。 ■つみたてNISAへの切り替えは慎重 既存のNISA口座を開設している人(開設しているが利用したことがない人も含む)に対し、つみたてNISAに切り替えたいかを聞いたところ、「切り替える」または「切り替えを検討している」と答えた人は合わせて17.3%だった。一方、「切り替えない」と答えた人が39.3%、「どうするか決めていない」も43.5%にのぼり、つみたてNISAへの切り替えに慎重な人が多いことがわかった。   ■つみたてNISAの利用、「銀行で」が1位 つみたてNISAを利用するならどの金融機関で利用したいか聞いたところ、1位は銀行の32.3%だった。2位はネット証券(22.8%)年代別でも、すべての世代で銀行との回答が最も多かった。銀行以外では30~40代でネット証券の割合が高めで、60代は証券会社との答えが多くなった。 (QUICK資産運用研究所)

NISAやiDeCoの認知度、収入や金融資産額で差【日経リサーチ調査⑪】

つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)や個人型確定拠出年金の「iDeCo(イデコ)」に関する認知度は、世帯年収や世帯金融資産額が多いほど高いことが日経リサーチが実施した調査で分かった。 以下の3つの質問について認知度を世帯年収別、金融資産額別にまとめた。 ①2018年1月から積立NISA(少額投資非課税制度)がスタートすること ②個人でも確定拠出年金に加入できること ③2017年1月からiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入対象者が拡大したこと 都道府県別にみると、どの質問に対しても認知度は山梨県が最も高かった。3つの項目すべてでトップ10入りしたのは山梨県と東京都、福岡県のみ。 ■都道府県別の認知度ランキング 2018年1月から積立      個人でも確定拠出      2017年1月からiDeCo NISAがスタート       年金に加入できる      の加入対象者が拡大 すること                      こと                       したこと ——————————-+——————————-+———————————+ [上位10] 1 山梨県 25.2            1 山梨県 41.4           1 山梨県 19.3 2 鹿児島県 23.2         2 東京都 33.0           2 東京都 17.9 3 高知県 22.0            3 鹿児島県 31.8        3 福井県 16.8 4 大分県 21.7            4 香川県 30.7           4 富山県 16.2 5 福岡県 21.2            5 兵庫県 30.5           5 福岡県 16.1 6 東京都 20.9            6 長野県 30.4           6 兵庫県 15.9 7 秋田県 20.6            6 山形県 30.4           6 滋賀県 15.9 8 奈良県 20.4            8 福岡県 30.1           8 長野県 15.8 9 神奈川県 19.9         9 愛知県 30.0           8 鳥取県 15.8 9 広島県 19.9           10 鳥取県 29.8          10 広島県 15.7 ——————————-+——————————-+———————————+ [下位10] 47 宮崎県 12.0          47 沖縄県 18.3         47 島根県 8.5 45 沖縄県 12.6          46 宮崎県 19.7         46 長崎県 9.2 45 青森県 12.6          44 岩手県 21.9         45 熊本県 9.6 44 岩手県 12.7          44 熊本県 21.9         44 栃木県 10.5 43 和歌山県 13.4       43 和歌山県 22.1      41 大分県 10.6 42 岐阜県 14.1          42 佐賀県 22.6         41 岡山県 10.6 41 山口県 14.8          41 青森県 22.8         41 徳島県 10.6 40 宮城県 15.1          40 栃木県 23.4         40 山口県 10.7 39 茨城県 15.2          38 宮城県 23.9         38 宮崎県 10.8 38 三重県 16.2          38 長崎県 23.9         38 宮城県 10.8 ——————————-+——————————-+———————————+ 単位:% 出所:日経リサーチ調査 生活実態調査データベース 『データ・ア・ラ・モード』定期調査 金融資産・銀行編 ※「日経リサーチ 生活実態調査データベース『データ・ア・ラ・モード』」のサイトはこちら↓ https://www.nikkei-r.co.jp/service/crm/alamode/ (QUICK資産運用研究所) =⑫に続く   *************************** <アンケート調査概要> ・調査タイトル:「生活実態調査データベース『データ・ア・ラ・モード』定期調査 金融資産・銀行編」 ・調査実施機関:日経リサーチ ・調査実施期間:2017年6月21~26日 ・調査対象:15歳以上の一般個人男女 ・調査地域:全国 ・調査方法:インターネット調査 ・回収サンプル数:8万8000サンプル ***************************

つみたてNISA「知っている」は2割弱 iDeCoは14%【日経リサーチ調査①】

日経リサーチが実施した調査(「生活実態調査データベース『データ・ア・ラ・モード』定期調査 金融資産・銀行編」)によると、2018年1月に積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)がスタートすることを知っている人は全体の18.5%にとどまった。金融庁は同制度の普及で個人に長期の積立投資による資産形成を促す狙いだが、制度開始が半年後に迫った時点で認知度があまり広がっていないことが分かった。 調査は日経リサーチが今年の6月21~26日にインターネットを通じて実施し、15歳以上の8万8000人から回答を得た。年齢が高く、世帯の年収や金融資産額が多いほど、つみたてNISAの認知度は高かった。 「2017年1月からiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入対象者が拡大したこと」については、知っている人が全体の14.1%だった。QUICK資産運用研究所が昨年12月に20歳以上の約5000人を対象に実施した調査では、同内容の質問に対し「知っていた」が18.5%だった。実際に加入対象者の範囲が広がって半年が経過した時点でも認知度が低いことが明らかになった。 ※「日経リサーチ 生活実態調査データベース『データ・ア・ラ・モード』」のサイトはこちら↓ https://www.nikkei-r.co.jp/service/crm/alamode/ (QUICK資産運用研究所) =②に続く *************************** <アンケート調査概要> ・調査タイトル:「生活実態調査データベース『データ・ア・ラ・モード』定期調査 金融資産・銀行編」 ・調査実施機関:日経リサーチ ・調査実施期間:2017年6月21~26日 ・調査対象:15歳以上の一般個人男女 ・調査地域:全国 ・調査方法:インターネット調査 ・回収サンプル数:8万8000サンプル ***************************  

積立NISA、金融庁基準に適うアクティブ投信はわずか5本…森長官の講演が話題

日本証券アナリスト協会が4月7日に開催したセミナー。金融庁の森信親長官が講演した内容が、金融市場で話題となっています。 というのも、資産運用の世界において「顧客である消費者の真の利益をかえりみない、生産者の論理が横行」している傾向が「顕著に見受けられる」と発言し、現状の資産運用業界の問題点を指摘したからです。 講演の中で森長官は、2018年1月から開始される積み立て型の少額投資非課税制度(NISA)の対象となりうる投資信託について、アクティブ型株式投信でわずか5本、インデックス型株式投信で50本弱にとどまると述べました。 そこでQUICK資産運用研究所(研究所の概要はこちら)は、金融庁が定めた基準に沿って、金融庁が2018年に導入する積み立て型の少額投資非課税制度(NISA)の対象となる投資信託を推定しました。 アクティブ型はわずか5本、うち直接販売が4本 国内籍・公募の追加型株式投信のうちアクティブ型はわずか5本でした(3月末時点)。さわかみファンドや、ひふみ投信など独立系運用会社が運用し、証券会社や銀行など金融機関を経由しない「直接販売」が中心の投信が4本を占めました。 ※スクリーニング条件 ◯国内籍・公募の追加型株式投信(2017年3月末基準、ETFとDC・ラップ専用を除く)のうち、純資産総額50億円以上のアクティブ型。5年以上の運用実績があり、償還までの期間が20年以上か無期限のもの。毎月分配型は対象から除いた。 ◯アクティブ型でもインデックス型を組み合わせたタイプは対象から除いた。 ◯販売手数料が上限ゼロのファンドに限定。実質信託報酬(税込み)は投資対象資産が国内は1.08%以下、内外・海外は1.62%以下に絞った。 ◯「存続年数3分の2以上で資金流入超過」の条件は、日次ベースの資金流出入額(QUICK推計値)に基づいて算出した。決算日の翌日から1年後の決算日までを1年として計算。設定日から初回決算日まで1年に満たない場合は1年とカウントした。 (注)積み立て型NISAの対象商品として販売するには金融庁への届け出が必要となる。 なお、森長官は講演で、海外と日本の資産運用業界を比較し、日本について「運用会社の社長が運用知識・経験に関係なく親会社の販売会社から歴代送り込まれたり、ポートフォリオ・マネージャーは運用者である前に○○金融グループの社員であるという意識が強く、運用成績を上げるより定年までいかに間違いをせず無事に勤めあげるかが優先されてはいないでしょうか」と述べ、投信の販売会社(証券会社や銀行)が運用会社の親会社となることへの懸念を表明しています。 インデックス型50本はこちら 国内籍・公募の追加型株式投信のインデックス型は50本前後となりそうです(3月末時点)。三菱UFJ国際投信の「eMAXIS」やニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>」、アセットマネジメントOneの「たわらノーロード」など主要なインデックスシリーズが対象に入る見込みです。今後、既存ファンドで販売手数料や信託報酬が基準内に見直されたり、基準に沿った新規ファンドが組成されたりすれば、対象が拡大していくでしょう。 ※スクリーニング条件 ◯対象は国内公募の追加型株式投信(2017年3月末基準、ETFとDC・ラップ専用を除く)のうち、償還までの期間が20年以上か無期限のもの。毎月分配型は対象から除いた。ただし、当初DC専用だったが、2015年9月頃からネット証券などで販売が可能になった三井住友・DCシリーズは対象に含めた。 ◯インデックスファンドは原則、投資信託協会の商品分類の補足分類が「インデックス型」のもの。積立NISAの対象指数の組合せで構成された資産複合型ファンドもインデックスファンドとした。 ◯販売手数料が上限ゼロのファンドに限定。実質信託報酬(税込み)は投資対象資産が国内は0.54%以下、内外・海外は0.81%以下に絞った。 (注)積立NISAの対象商品として販売するには金融庁への届出が必要となる。 森長官は講演で、「高い運用力を持つ金融機関、顧客本位が組織に根付いた金融機関が発展し、顧客本位を口で言うだけで具体的な行動につなげられない金融機関が淘汰されていく市場メカニズムが有効に働くような環境を作っていくことが、我々の責務であり、そのため行政として最大限の努力をしていくつもりです」と、業界整備に向けての意欲を語っています。 資産形成・運用を考える個人投資家としては、資産運用会社の対応はもちろん、金融庁の発言なども見逃せないものとなりそうです。 (編集:QUICK Money World) (調査:QUICK資産運用研究所⇒紹介サイト)

老後の資産形成「iDeCo」活用で3段階の税制メリット享受

確定拠出年金法の改正を受け、2017年1月から個人型確定拠出年金の加入対象者が公務員や主婦にも拡大された。確定拠出年金は、加入者が60歳まで毎月一定額を拠出し、加入者自身が運用する商品を指定して老後の生活資金を作る年金制度。給付される年金額ではなく拠出する金額が確定していることから、従来の「確定給付年金」に対して「確定拠出年金」と名付けられている。 少子高齢化により今後の公的年金財政の悪化が懸念される状況を受け、新たな年金制度として2001年に導入された。企業型確定拠出年金に対し、個人型確定拠出年金は対象者への制度の周知が必ずしも十分でなかったこともあり、加入者数は約25万7,000人(2016年3月現在)と伸び悩んでいる状況だが、NISA(少額投資非課税制度)との比較の中でその税制メリットが再認識され、注目を浴び始めている。厚生労働省としても公的年金を補う存在として国民に制度の活用を呼びかけており、2016年には一般公募によりiDeCo(イデコ)という愛称が決定。今後本格的に制度の浸透を図っていく方針だ。 ■3段階にわたる税制メリットあり、長期的な資産形成に有効 個人型・企業型を問わず、確定拠出年金には、以下の通り3段階にわたり税制の優遇措置が設けられている。 1)拠出時点:掛金の全額が所得から控除されるため所得税等が減る可能性がある。 2)運用時点:NISAと異なり、何度売買しても売買益や配当・分配金は非課税。 3)受取時点:一時金で受け取ると退職所得控除、年金形式で受け取ると公的年金等 控除が適用され、通常の所得より税額が軽減される。 個人型確定拠出年金は運営管理機関(証券会社、銀行・信用金庫、生命保険・損害保険会社などの金融機関あるいは専業会社)を利用者自らが選択し、直接申し込むことになっている。運営管理機関は、同制度の対象となる金融商品を最低限3種類(うち少なくとも1種類は元本確保型商品)提示するよう定められている。 元本確保型商品としては運営管理機関の業種等により定期預金、生命保険、損害保険などが用意されているが、税制優遇のメリットを本格的に享受できるのは株式投資信託などのいわゆる「収益性商品」。各機関とも、同制度のコンセプトである「老後に向けての資産形成」にフィットする、日本や海外の株価指数に基準価額が連動するインデックスファンドなどの長期投資・分散投資を意識した商品を揃えている。しかもほとんどの商品の購入にあたって手数料は発生せず、信託報酬等も比較的低水準に抑えられている(一部手数料が発生するファンドも存在)。 ■留意すべき点も さて、個人型確定拠出年金の利用にあたっては、注意すべき点もある。 まず利用者が認識すべきは、制度に「年金」という言葉が冠せられていることでわかるとおり、そもそも老後に向けての長期にわたる資産形成のための制度であるので、原則として60歳にならないと解約できないこと。結婚、住宅購入、子供の教育など、出費の伴うライフイベントが控えている場合は、NISAなど運用期間の短い他の制度を活用して資産運用を行いたい。 また、所得税等を支払っていない専業主婦や、住宅ローン控除により所得税等を全額還付されている人は、そもそも「支払った所得税」がないため、当然のことながら拠出時点の税制メリットを享受できない(払った以上の税金が戻ってくることはない)。また確定拠出年金を一時金で受け取った際の退職所得控除は退職金や公的年金と基本的には同じ枠で計算することになっているため、退職金と同じ年に退職金形式で受け取ると合計の金額が退職所得控除の枠を超え、受給時に税金がかかりやすいことにも注意したい。 加えて、運用管理機関(金融機関)および運用商品を選択する際には、運用に伴って恒常的に発生するコスト、すなわち手数料にも気を配りたい。手数料には、口座管理手数料、および運用の手数料(投資信託であれば前述した信託報酬)がある。前者は運営管理機関が定める費用(機関によって異なる)と国民年金基金連合会および事務委託先金融機関に支払う費用(各社同額)から構成され、掛け金から毎月差し引かれる。また後者は資産残高に一定率を乗じた金額となる。確定拠出年金の資産残高は毎月積み上がっていくので、わずかな料率の違いが年金の受け取り時に大きな運用成果の違いにつながる可能性もある。 ■まずは制度の特徴をしっかり理解することから 制度を主管している国民年金基金連合会は「ご相談は(運営管理機関の)店舗に出向くのではなく、必ず電話で相談してください。一部の運営管理機関を除き、店舗での相談の受付けは行っておりません」と呼び掛けている。 まずはインターネット等を利用して自分で制度の特徴を調べ、メリット・デメリットをしっかり理解した上で運用管理機関(金融機関)を選び、商品を選択するようにしたい。 (QUICK資産運用研究所 高橋 一晃)

個人型DC拡充「知らなかった」が8割超【個人意識調査(12)】

投資信託や預貯金などで運用し、老後資金をつくる「個人型確定拠出年金(DC、愛称iDeCo=イデコ)」。今年1月から対象者が現役世代の原則全員に拡大したが、昨年12月中旬時点では一般にあまり知られていなかったことが明らかになった。   ■対象者拡大「知らなかった」が8割超 「2017年1月から個人型DCの加入範囲が拡大されることをご存知でしたか」との質問に対し、「知らなかった」との回答が全体の81.5%を占めた(添付「図4-1」参照)。 年代別でみると、20代では「知らなかった」が87.1%と9割近い(添付「図4-2」参照)。「資産形成層」とされる30~40代でも約8割が「知らなかった」と答えた。 イデコは個人が自分で毎月掛け金を出し、運用商品も自ら選ぶ制度。税金が還付されるなどの節税効果があり、個人の資産形成の普及につながる役割が期待されている。 これまで自営業者や企業年金のない会社員などしか加入できなかったが、今年から企業年金のある会社員、公務員、主婦なども入れるようになった。対象者が大きく拡大したにもかかわらず、制度拡充が間近に迫った昨年12月中旬時点で認知度はかなり低かった。   ■「加入したい」は1割 「個人型DCに加入する資格があるとしたら、加入したいと思いますか」の質問には、「加入したい」との答えが全体の約1割にとどまった(添付「図4-3」参照)。リスク性金融商品を保有・運用したことがある人に絞ると、これが2割程度に増える。 イデコに加入できるのは20~60歳。年代別でみると、20代の「加入したい」は9.3%にとどまり、加入資格がある年代で最も低かった(添付「図4-4」参照)。60代は8.3%だった。 (QUICK資産運用研究所)

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