税制優遇制度の認知度・利用度低く 【個人の資産形成に関する意識調査⑬】

QUICK資産運用研究所が昨年11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。13回目は各税制優遇制度の認知度や利用状況について掲載する。(調査概要と過去の配信はこちら) 少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)など、個人の資産形成を後押しする税制優遇措置がある制度について認知度や利用状況を聞いたところ、すべての制度で「知らない」と「聞いたことはあるが詳しくは分からない」が合わせて半数を超えた。認知度の向上にはまだ課題が残るようだ。 各制度を「利用している」と答えた人の割合は、一般NISAが16.4%で最も高かった。年齢別では60~74歳の利用が多く、回答者のうちおよそ4人に1人が一般NISAを利用していることが分かった。 一方、つみたてNISAは20~30代、イデコは40代で利用している人の割合が多かった。16年から始まった未成年者向けのジュニアNISA(運用管理者は両親・祖父母等の親族)は、ほかの制度よりも利用率が低かった。 (QUICK資産運用研究所)

つみたてNISAの口座開設3.7%どまり 【個人の資産形成に関する意識調査⑤】

QUICK資産運用研究所が11月に全国5000人以上を対象に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。5回目はNISA(少額投資非課税制度)の開設状況に関する結果を掲載する。(調査概要と過去の配信はこちら) 一般NISAか、つみたてNISAの口座を開設しているか聞いたところ、「一般NISA」は20.9%、「つみたてNISA」は3.7%が開設していると答えた。投資信託の積み立て投資をしている人は6割強がNISAを活用しているが、全体でみると口座開設は4分の1にとどまる。 年代別に見ると、「一般NISA」は60代以上のシニア世代で開設している割合が高い。一方、「つみたてNISA」は20~40代の資産形成層が相対的に高かった。 つみたてNISAの口座を開設している人のうち、実際に「利用したことがある」人は73.9%だった。残りの26.1%は口座開設しても「利用したことはない」と答えた。 また、つみたてNISAの口座を開設している人の45.2%は、過去に一般NISA口座を開設したことがあると回答した。 (QUICK資産運用研究所)

投信保有者、4割強が積み立て投資 【個人の資産形成に関する意識調査④】

QUICK資産運用研究所が11月に全国5000人以上を対象に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。4回目は投資信託の積み立て投資について深堀りした。(調査概要と過去の配信はこちら) 投信を保有している人に買付方法を聞いたところ、「一括投資のみ」が57.4%と6割近くを占めた。「積み立てのみ」と「積み立ても一括投資もしている」の合計は42.5%だった。 年代別では若年層ほど積み立て投資をしている人の割合が多く、20代では8割にのぼった。 積み立て投資をしている人のうち、61.8%が「一般NISA(少額投資非課税制度)・つみたてNISA」を利用。特定口座・一般口座が51.3%で続いた。 また、ファンドタイプ別の保有状況は国内株式がトップで、積み立て投資をしている人の半数(50.1%)が組み入れていた。バランス(42.4%)や海外株式(34.6%)の人気も高かった。 (QUICK資産運用研究所)

投信ブロガーが選んだ10大ニュースは? 金融庁が年内最後の「つみップ」

金融庁が21日夜に開いた「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)は、クリスマスと3連休の前にもかかわらず、約50人の個人投資家が集まった。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に開いている個人との意見交換会で、今回が今年最後の開催。参加者は識者や著名投信ブロガーの話に熱心に耳を傾け、日頃から抱いている疑問や悩みをぶつけた。 ■「コツコツ投資」継続は力なり 最初の講義では、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)が「下がっても儲かる!?つみたて投資の摩訶不思議」と題して、積み立て投資の効用を説いた。毎月1万円ずつ10年間にわたって投資(投資元本120万円)した場合について、4つの価格(投資信託の基準価額)変動パターンを例をあげ、開始から10年後に価格が下がっていても利益を得られることがある理由を示した。 積み立て投資は継続的に一定額を購入するため、価格下落局面では平均購入単価が下がり、購入口数が増える。カン氏は「量(購入口数)×現在の価格」がものをいうのがコツコツ投資の特徴と強調した。 ■投信ブロガーが気になる10大ニュース 続いて、金融庁サイトで「教えて虫とり先生」の連載が始まった投信ブロガーの虫とり小僧さんが、自身が選んだ10大ニュース(順不同)について、ユーモアを交えながら語った。10番目に少額投資非課税制度(NISA)の恒久化が見送られたことを取り上げ、金融庁職員に改めて要望を訴えた。 【2018年投信ブロガー的気になる10大ニュース】 1.つみたてNISA始まる 2.個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)100万人 3.仮想通貨暴落 4.米リーマン・ショック10周年 5.カードで投信、ポイント還元 6.キャッシュレス化進む 7.教えて虫とり先生連載 8.投信の隠れコストに注目 9.投信販売会社共通KPI(成果指標)設定 10.NISA恒久化ならず ■下げ相場に関する質問なし 質疑応答では、経済評論家の山崎元氏、投信ブロガーの吊られた男さん、NightWalkerさんらが加わり、一つ一つ丁寧に答えた。この日は東京株式市場で日経平均株価が2万円割れ寸前まで下げる場面があるなど足元で世界的に株価が下落基調を強めているが、相場に関する質問が出なかったのは、つみたてNISAのイベントならではを映した。 【参加者からの主な質問】 ・コツコツ投資のリターンを上げる効果には開始月も関係しているのではないか ・投資していた投信が繰り上げ償還された場合はどう対処したらいいのか ・どういうタイミングで換金するのがいいか ・お勧めの資産配分比率があったら教えてほしい ・つみたてNISAの年非課税枠が12(カ月)で割り切れない額(40万円)に決まったのはなぜか ・ジュニアNISAの非課税期間(5年)が延長となる可能性はあるのか ・隠れコストはインデックス投信の運用成績にどう影響するのか ■「来年からつみたてNISAを始める」の声 懇親会には初心者も積極的に参加した。「一般NISAとつみたてNISAの違いを知りたくて参加。質疑内容はレベルが高かった」(40代女性会社員)、「今回は2回目の参加。来年からつみたてNISAを始めるつもり」(30代女性会社員)との声が聞かれた。 一方、50代後半のベテラン投資家で福岡から参加した男性自営業者は「初参加してみて、金融庁の本気度が分かった。女性参加者の『何かを吸収しよう、すぐに行動しよう』という意識の高さにも驚いた。東京との情報格差は大きな課題で、地方でも『つみップ』が浸透する工夫が必要だ」と指摘していた。 ■投信ブロガー「PV公開が待ち遠しい」 個人投資家として参加していた投信ブロガーに感想を聞いた。 毛流麦花(モールバッカ)さん「金融庁から紹介のあった『つみたてNISAプロモーションビデオ(PV)』の公開が待ち遠しい。現役女子高生が出演することで、若者の間で投資文化が芽生えていくきっかけになるのを期待したい」 安房さん「金融庁の中島淳一・総括審議官からの冒頭説明にあったように税制改正で、海外赴任者の取り扱いといった個人投資家の直面する課題が『つみたてNISAフェスティバル』での要望をきっかけに解決に至ったのは興味深い」 もことんさん「いつもと違う趣向で、参加リピーターの自分にも十分楽しめた」 やすぎさん「質疑応答では思い切って質問したが、丁寧な回答は大いに参考になった」 ■共通KPIが裏付けるコツコツ投資の効用 つみたてNISAの開設口座数は9月末時点の90万口座近くに達し、制度開始1年で100万口座の大台超えが確実視されている。買い付け額は累計で約576億円に過ぎないが、「続ける」のが特徴のコツコツ投資は解約されにくい傾向があるため、じわじわと積み上がっていく公算が大きい。 投信の販売会社による顧客本位の業務運営を客観評価する共通の成果指標(共通KPI)を見ると、長期・積み立てを推奨している独立系運用会社(投信の直接販売会社)の顧客で含み益の比率が高かった。コツコツ投資の効用が裏付けられた形とあって、つみたてNISAの存在感が投信市場で増しそうだ。 金融庁「つみップ」サイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

上場延期のレオス、「ひふみ」の成長は踊り場

独立系運用会社のレオス・キャピタルワークスが運用する投資信託の「ひふみプラス」(9C311125)は、この1年で国内屈指の規模まで急成長を遂げた。ただ、今年は運用成績が振るわず、運用資産の伸びは踊り場にさしかかっている。 ■ひふみプラスの残高、一時トップ3に レオスが運用する公募投信は全部で3本。金融機関を通して取引する「ひふみプラス」と、同社が直接販売する「ひふみ投信」(9C31108A)、確定拠出年金制度用の「ひふみ年金」(9C31116A)を同じマザーファンドで運用している。3ファンドの純資産総額(残高)合計は11月末時点で7668億円にのぼる。 このうち最大規模の「ひふみプラス」は、11月末時点の残高が6117億円。9月末時点では6500億円超まで膨らみ、国内公募株式投信(ETFを除く)の残高ランキングで初のトップ3入りを果たした。11月末時点では4位に退いたが、昨年末時点の13位から大きく躍進した。 ■月間の資金流入額が過去最大に 「ひふみ」は日本の株式を中心に世界の株式に投資するファンドだ。決算情報などの開示資料だけでなく、ファンドマネジャーやアナリストが自ら会社を訪問し、社内見学や経営層との対話を含めて投資対象を決めていく。 昨年2月にレオスの藤野英人社長がテレビ番組で取り上げられ、同社の投資理念に共感する人や運用成績の良さに注目する人が一気に増えた。「ひふみプラス」を取り扱う金融機関が全国に広がり、昨年1年間で2800億円もの資金が流入。今年は大手証券やメガバンクでつみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)の対象ファンドに選ばれるなどさらに販路を拡大し、年初からすでに2000億円を超える資金が流入している。 月ごとに区切ってみると、今年1月の資金流入超過額は「ひふみ投信」が104億円で、「ひふみプラス」は728億円。どちらも月間ベースで設定以降の過去最大を更新した。しかし、ここをピークに9月は「ひふみ投信」がおよそ4年ぶりに資金流出に転じ、「ひふみプラス」は33億円の小幅な流入超にとどまった。 ■10月は過去最大の下げ 今年は運用面では苦戦が続く。5年などの中長期でみるとTOPIX(配当込み)を大きく上回る成績を上げてきたが、11月末時点で「ひふみプラス」の年初来騰落率はマイナス9.01%。TOPIX(配当込み)のマイナス6.42%より落ち込みが激しい。 国内の株式が全般に値下がりした10月には、「ひふみプラス」の月間騰落率がマイナス12.16%と設定後で最大の下げ幅を記録。TOPIX(配当込み)のマイナス9.41%よりもきつい下げとなった。 歴史的な成績悪化の背景について、藤野社長は10月の運用レポートで①グロース銘柄からバリュー銘柄へのまき戻し②小型株から大型株へのまき戻し――が起きたと分析。「ひふみ」はグロース・中小型株中心が特徴の1つだが、今後の運用については「バリューや大型株の比率を上昇させることも必要」との考えを示した。 11月末時点の組み入れは231銘柄で、1年前から30銘柄増やした。組み入れ上位10銘柄のうち、4銘柄は中小型だった。海外株式比率は1年前の2.9%から10.7%に跳ね上がった。 決算日(18年10月1日)までの1年間に新たに組み入れた銘柄(マザーファンドの運用報告書で前期末の株数がゼロだった銘柄のうち当期末の評価額が多い銘柄)を抽出したところ、評価額上位20銘柄のうち6銘柄は海外株式だった。次世代通信規格「5G」関連のほか、カナモト(9678)やクスリのアオキ(3549)など地方に拠点を置く国内株式も目立った。 ■レオス上場は延期 今月9日に行われた運用報告会には、午前と午後の2部制で合計2000人を超す受益者が参加した。運用に関わる全アナリストが登壇するなど「顔の見える運用」は健在。「資本市場を通じて社会に貢献する」という経営理念は変わっていないことを強調した。 受益者が投げかけた「残高が増えると運用が難しくなるのでは」との質問に対しては、①残高拡大に伴う収入増を調査などの費用に回せる②運用資産が多いと経営トップに会いやすくなる――などのメリットを挙げた。 今月25日にはレオスが上場する予定だったが、直前に突如延期。上場手続きの再開時期は慎重に判断すると言う。上場に向けては「お客様からお預かりした資金を主として日本の成長企業、頑張っている企業に投資をすることにより『日本を根っこから元気にする』ことに全力を尽くしていく」とのコメントを同社サイトなどを通じて発表していた。 きめ細かい情報発信や受益者との近さで長期投資を根付かせ、今後も「地味で地道な」階段をのぼり続けることができるかどうか。レオス上場の行方も含め、来年も「ひふみ」から目が離せない1年になりそうだ。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

ブロガー向けにiDeCo新プラン説明会 SBI証が三菱UFJ国際とタッグ 

ブログやツイッターで自らの資産運用について情報を発信しているブロガーら20人以上が12月10日夜、三菱UFJ国際投信のオフィスに集まった。同社が継続的に開催している「ブロガー・ミーティング」に参加するためだ。今回はSBI証券が11月に開始した個人型の確定拠出年金(iDeCo=イデコ)の新プラン「セレクトプラン」に関する説明会がプログラムの中心となった。 SBI証券はiDeCo加入者のシェアが20%程度と高く業界首位。加入者の約4分の3が元本保証のない投資信託を保有し、リスクを取っているのも特徴だ。 新プランでは三菱UFJ国際の看板であるインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」11本のうち8本が採用されている。ブロガーとの交流を深めたいと希望していたSBI証券の思惑が重なり、両社はタッグを組むことになったようだ。積極的に資産運用に取り組んでいるブロガーの意見や要望を吸収すると同時に、彼らの情報発信を通してサービスの浸透を図るのが狙いだ。 <参加申込者の内訳> 【性別】男性:18人、女性7人 【年齢層】20~34歳:8人、35~49歳:12人、50歳以上:5人 【投資経験】5年未満:11人、5年以上10年未満:4人、10年超:10人 【確定拠出年金(DC)加入年数】未加入:6人、2017年1月以降加入:11人、14~16年に加入:3人、加入年数5年以上10年未満:2人、10年超:3人  ■SBI証券、新プランで「eMAXIS Slim」を初採用 企業型DCやiDeCoは今年5月に制度が改正され、6月から運営管理機関が提供する商品数は「3本以上、うち1本は元本確保型」から「リスク・リターン特性の異なる3本以上35本以下の金融商品(35本を超えている場合は5年後までに35本以下にする)」に変わった。SBI証券は制度改正を機にiDeCoの新プランとして、従来の「オリジナルプラン」と別に、低コストと多様性にこだわった34本で構成する「セレクトプラン」を設定した。 SBI証券投信・債券部課長の仲岡由麗江氏はセレクトプランのラインアップに入る投信の選定ポイントとして、①低コストのインデックスファンドを揃える②顧客要望を重視したうえでリターンやリスクに基づき定量評価する③投資対象と投資手法を幅広くカバーする――の3点を挙げた。この結果、従来プランでは1本も入っていなかった「eMAXIS Slim」が多く採用されたようだ。 SBI証券にはiDeCoの資料請求が11月だけで2万5千件あり、このうち1万8千件がセレクトプランを選択した。同社のiDeCo加入者は3月末時点で40歳代が全体の約4割を占め、30歳代の3割、50歳代の2割と続くという。 ■プラン乗り換えは「空白期間」に注意 注意が必要なのは、オリジナルプランの加入者がセレクトプランへの乗り換えを希望しても、自動的に移行完了という訳にはいかない点だ。制度上、オリジナルプランの運用商品をいったん売却して現金化する必要があり、乗り換えが完了するまでの1~2カ月程度は運用が停止する”空白期間”が生じるようだ。 プレゼンテーションに登壇した投信評価会社イボットソン・アソシエイツ・ジャパンCIOの小松原宰明氏は、オリジナルプランからセレクトプランに乗り換えた場合の損得シミュレーションの分析結果を詳しく説明。一般的な条件では「空白期間」による機会損失を取り戻すのに6年近くかかる場合もあるが、それ以降は新プランのほうが信託報酬が安くなるため有利になるという試算を紹介した。 SBI証券執行役員の橋本隆吾氏と三菱UFJ国際投信常務執行役員の代田秀雄氏が新プランについて対談。橋本氏は新プランはバランス型を含めて低コストの商品を揃えているので、特にiDeCoをこれから始める人・若い人に向いていると説明。従来プランはアクティブファンドを多く含むなど幅広い顧客ニーズに対応しているので、同プラントあわせて積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)などで「eMAXIS Slim」のような低コストのインデックスファンドを購入するという投資スタイルもあるのではないかと提案した。 代田氏は今回のミーティングのような場を通じて、継続的に自分たちの考え方を説明するとの方針を示すと同時に、ブロガーの率直な意見や要望を吸収しながら運用や制度の改善につなげていきたいという意気込みを語った。 ■新プランで残り1本の枠を占めるのは? 質疑応答ではブロガーから次々と手があがった。「ラインアップに多くのファンドがあるが、商品に対する疑問が出たら詳しい問い合わせは可能なのか」「ファンド数が上限の35本ではなく34本なのには何か特別な理由があるか」「eMAXIS Slimの全世界株式(オール・カントリー)は残り1本として採用されるか」「乗り換え手続きは簡易なのに1~2カ月もかかるのはなぜ」「受け取り方法の選択肢を拡充する考えはあるか」「乗り換え中も掛け金を拠出できるか」「20歳代など若い加入者がどの程度いるのか現状を知りたい」「ラインアップを決める際のファンドに対する人気度というのはどう測っているのか」といった具体的な質問が続いた。 懇親会は登壇者を交えて話の輪ができた。ブロガーの「うみねこ」さんは「投資に使う制度の優先順位として、まずiDeCoを最大限活用し、その後は投資金額によって、つみたてNISAまたは一般NISAを選択。最後に残りを課税口座(特定口座)に充てるという自分の考え方が間違っていないのを確認でき安心した」と話していた。 参加者からは「ちょうどオリジナルプランからセレクトプランへの移行を考えていたので、乗り換えシミュレーションはとても参考になった」(「にこいち」さん、「持ち家さちこ」さん)。「受け取り方法が一時金か年金かの2者択一ではない併用が将来的に可能になるかどうか探ることができた」(「うちたけ」さん)。「両社揃ってiDeCoでの提供商品数35本の上限撤廃を強く訴えていたのが印象的」(「青井ノボル」さん)といった声も聞かれた。 (QUICK資産運用研究所 望月瑞希、高瀬浩)

つみップ女子部、講師2人も女性 つみたてNISAやiDeCoを解説

金融庁が2日夜に開いた「つみたてNISA Meetup(通称:つみップ)女子部」は、約30人の女性が参加した。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)に関する個人投資家との意見交換会で、対象を女性に限定した「女子部」は昨年11月、今年2月に続く3回目。今回は講師の2人も女性で、つみたてNISAをはじめ税制優遇を受けられる制度の活用法を中心に解説した。 ■女性講師2人が登壇、iDeCoも解説 まずは金融庁が夏休みに「こども霞が関見学デー」として開いた「小学生のためのハッピー・マネー教室」(講師:岡本和久氏)の様子をまとめた動画教材を紹介。続いて、つみたてNISA制度の背景やポイントを説明し、「長期投資・積み立て投資・分散投資・手数料・分配金・税金」の6つをすべて押さえた利便性の高い制度である点を強調した。 最初に登壇したのは独立系ファイナンシャルプランナーの岩城みずほ氏。「人生100年時代。一生お金に困らないために、今からできること!」と題し、資産全体を外国株式・国内株式・預金などに分け、それらを課税口座・個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業型確定拠出年金(企業型DC)・つみたてNISAにどう振り分けるかといった組み合わせで考えるのがいいと説いた。 続いてDC制度に詳しい大江加代氏が登壇。「老後資産を作るiDeCoについて~投資デビューはつみたてNISAかiDeCoで~」をテーマに、iDeCoの制度説明を中心に解説した。iDeCoとつみたてNISAは両方とも、資産形成に有効な3拍子(積み立て投資・運用益非課税・低コスト運用)が揃った制度であり、iDeCoでの金融機関や商品選び、サポート体制の比較検討には「NPO 401K教育協会」の「iDeCoナビ」が役立つとした。 参加者はメモを取りながら、時折うなずいて聞き入るなど、真剣な面持ちが印象的だった。講師2人が話し終わると自然と拍手が起こった。とかく縦割り行政が指摘される中で、厚生労働省の所管であるiDeCoの解説も併せて金融庁内で聞けたのは参加者にとって新鮮な驚きのようだった。 ■識者やブロガーを質問攻め、「内容の濃い時間」の声 意見交換会のハイライトは質疑応答の時間だ。講師の2人や経済評論家・山崎元氏らの識者、著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、水瀬ケンイチさん、吊られた男さんの3人を質問攻めにした。参加者からの質問要旨は以下の通り。 ・どの金融機関でつみたてNISAを始めたらいいのか悩んでいる。選び方のポイントを教えて欲しい。  ・つみたてNISAは20年たったら、その都度取り崩す必要があるのか。  ・話を聞いてiDeCoを始めたいと感じた。企業型DCに加入しているが、自分で掛け金を上乗せする「マッチング拠出」はできないので不利に思う。このあたりの制度上の仕組みを知りたい。  ・15本の投信をつみたてNISAで購入しているが、本数が多いと複利効果が薄れると聞いたが本当か。本数を絞る必要はあるか。  ・DCの加入期間が65歳までに延びそうだと聞いているが、70歳までの延長もあるのか。  ・障害で働けなくなった時、iDeCoでは制度上どう対応しているのか。  ・iDeCoを始めて1年くらい経つ。運用コストが格安の別の投信が購入できるようになったが、スイッチングした方がいいのか。  ・手数料の低下はそもそもどのような企業努力の結果で生じているのか。  ・「国民年金基金」は長生きするとお得感のある制度だと思うが、iDeCoと違ってあまり薦められない。それはなぜか。  ・読んで役に立つ雑誌、記事やWebサイトを教えて欲しい。 当日のプログラムにiDeCoに関する説明が入っているとは事前に知らされていなかったにもかかわらず、iDeCo関連の質問が目立った。ブロガーからも「iDeCoへの注目度の高いのが分かった」との声があがっていた。 別のブロガーは「初心者が多いと聞いていた割には、資産形成に熱心な様子がうかがえた」「内容の濃い時間だった」と話し、参加者として来場した女性ブロガーのWakabaさんは「いつもより参加人数が少なかったのは勿体ないくらいの豪華ゲストが勢ぞろいし、充実したひと時だった」と感想を述べた。 ■懇親会で情報交換、「明日にも口座開設」の参加者も 15本の投信を積み立て投資している30歳代の会社員はスマホの注文画面を見せながら「ネット銀行からネット証券に自動口座振り替えするたびに、購入ファンドごとに毎日ポイントがつく」と話し、「年40万円の非課税枠をフルに使い、1本100円くらいで毎日15本積み立てると毎月900ポイントほど貯まっていく。ポイントも積み立てに回す。高齢の家族の面倒を見るなど自分の将来を考えて資産運用している」と解説してくれた。 懇親会ではメモをとりながらブロガーに質問する姿もあった。その一人で親戚に誘われて参加したという開業医の妻は「しっかり資産形成しなくては。明日にでもネット証券でつみたてNISAの口座を開く」と目を輝かせた。 「外貨建て保険を契約したばかりだが解約して、つみたてNISAを始める」という積極行動派がいたほか、「預金を含めた金融資産全体のリスク管理の大切さが分かった」「つみたてNISA、iDeCoと聞いてもどう始めるのか悩んでいた。質疑の内容も初心者にも終始分かりやすく、どの金融機関で始めるか、どんな投信を買ったらいいかイメージがわいた」という感想も出ていた。 懇親会に参加したブロガーのFP-Misakiさんは「懇親会まで残った人はある程度積極的。『つみップのことはツイッターで知った。金融庁の説明会なら安心だから行ってみよう』という感じで参加した方が多かった印象」と話す。有益な情報交換の場である懇親会にもっと多くの人が参加するには「途中に短い休憩タイムを作るなど周りの参加者と話せる雰囲気を作ると、懇親会にも行ってみようかなという気になる人が増えるかもしれない」という。 懇親会の締めの挨拶に立った山崎氏が十八番の口笛伴奏で合唱の音頭をとった。曲は1997年に大ヒットし今年芸能界を引退した安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」。「女性」と「20年」にひっかけた選曲のようだ。歌詞のサビを「20年という投資なんて知らなかったよね」に置き換えた歌声が金融庁の会議室の中に響き渡った。 <参考サイト> ◯金融庁「つみップ」サイトはこちら  ◯「小学生のためのハッピー・マネー教室」動画はこちら  ◯iDeCoナビ(個人型確定拠出年金ナビ)はこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

大和投資信託「iFree」 とんがった品揃え、個性が強み(インデックスファンドNAVI)

資産形成を目指す個人投資家の間で、指数連動型のインデックス投資が広まりつつある。運用各社も様々なインデックスファンドを展開し、信託報酬の引き下げや品ぞろえの拡充など独自の取り組みでしのぎを削っている。 「インデックスファンドNAVI」では、運用各社のインデックスファンドシリーズについて、それぞれの特徴や強みを解説する。今回取り上げるのは、大和証券投資信託委託が運用する「iFree(アイフリー)」シリーズ。一般的なインデックスファンドだけでなく、他社にはない“とんがった”商品を相次いで投入し、独自路線を行く。 ■投資をもっと自由に 「iFree」のスタートは2016年9月と、他社のインデックスシリーズと比べて後発組だ。大和証券のみで販売する「ダイワ・インデックスセレクト」シリーズは2013年11月から運用しているが、「iFree」は主にネット経由で取引する資産形成層向けにコストを安く抑えた新シリーズとして立ち上げた。 名前に込めたのは「投資(investment)、もっと自由(Free)に」との思いだ。多様化する投資家のニーズに対応し、豊富なラインアップの中から投資家が自分の好みに合ったファンドを自由に選べるようにした。 「iFree」のインデックスファンドには、東証株価指数(TOPIX)やMSCIコクサイ・インデックスなど代表的な指数に連動するベーシックなタイプに加え、特徴ある成長分野に着目した「iFreeNEXT」シリーズがある。 ■「GPIF」「FANG」……高い期待リターンを提供 「iFree」には他社のインデックスシリーズでは取り扱いのない個性的なファンドが目立つ。例えば8月末に設定した「iFree 年金バランス」(04316188)は、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオに近づくように運用する。 「iFreeNEXT」では1月に「NYSE FANGプラス指数」に連動するインデックスファンドを世界で初めて投入した。FANGと呼ばれる米国のハイテク企業を中心にアリババなど中国のIT(情報技術)企業なども組み入れられている。 今月19日には日本の小型株を投資対象にした「iFreeNEXT 日本小型株インデックス」(0431118A)の運用を開始した。ラインアップの拡充に取り組む背景には「安易にコストの引き下げ競争に走るのではなく、高い期待リターンの提供こそが真に投資家のためになる」との考えがある。 ■アクティブ型とレバレッジ型を導入 より高いリターンが期待できるファンドのカテゴリーとして、今年1月にテーマ型のアクティブファンドシリーズの「iFreeActive」を、8月にはレバレッジファンドシリーズの「iFreeレバレッジ」を新たに導入した。 「iFreeActive」には、ゲーム対戦競技「eスポーツ」や教育とITを組み合わせた「エドテック」など目を引く最新のテーマ型ファンドをそろえる。1つのファンドに組み入れるのは10~20銘柄程度。月次レポートにはカラフルな写真やグラフを散りばめ、組み入れ銘柄を分かりやすく表示するなど工夫をこらした。 「iFreeレバレッジ」は、積み立て投資のメリットを存分に享受できると見込む自信作だ。8月に「iFreeレバレッジS&P500」(04315188)、今月19日に「iFreeレバレッジ NASDAQ100」(0431218A)を設定した。日々の値動きが各指数の2倍程度になるように運用する。 これらの指数にレバレッジをかけるファンドは、ETF(上場投信)を除くと国内初となる。大和投資信託の試算によると、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」で今年6月まで毎月3万円ずつ20年間積み立て投資した場合、資産は元本の8倍程度になった。TOPIX連動型だと1.4倍にとどまる。 ■資産形成の議論で大事なことは…… 執行役員の熊原祐次マーケティング副本部長は「いまの資産形成の議論では大事なことが見過ごされている。わずかなコストの差よりも何に投資すべきか検証されていないのが残念」と指摘。若い資産形成層ほどより高いリターンを追求すべきだと提唱し、「どの資産で積み立て投資をするのかは、就職先を決めるのと同じかそれ以上に大切」と熱弁を振るう。 年内には主に資産形成層をターゲットにしたオウンドメディアをリリースする予定。投資未経験者でものぞいてみたくなるようなコンテンツを展開し、「マジメに面白く」投資を考えるきっかけを提供したいと考えている。顧客目線に立って低コスト化に向けた努力も続ける方針。今後も運用会社として投資家の成功体験をサポートし、積み立て投資を根付かせる取り組みなどを進めていく。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

ニッセイAM<購入・換金手数料なし>、低コストにこだわり(インデックスファンドNAVI)

資産形成を目指す個人投資家の間で、指数連動型のインデックス投資が広まりつつある。運用各社も様々なインデックスファンドを展開し、信託報酬の引き下げや品ぞろえの拡充など独自の取り組みでしのぎを削っている。 「インデックスファンドNAVI」では、運用各社のインデックスファンドシリーズについて、それぞれの特徴や強みを解説する。今回はニッセイアセットマネジメントが運用する<購入・換金手数料なし>シリーズを取り上げる。名前が象徴するように、とことん低コストを追求している。 ■2013年に始動、つみたてNISA対象は7本 スタートしたのは2013年。「米国と同じように日本でもインデックスファンドを普及させたい」という想いから始まった。同社が2004年に確定拠出年金(DC)専用に設定し、09年から一般にも販売し始めたコストの安い「ニッセイ日経225インデックスファンド」(29311041)がヒットしていたこともあり、インデックスファンドがメジャーになると確信。シリーズの設計当初から低コストに徹底的にこだわった。 シリーズは現在、12本を運用。純資産総額(残高)の合計は18年8月末時点で1571億円にのぼる(図表1)。このうち10本は信託報酬が業界最安値水準。7本がつみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)の対象となっている。 ■目論見書やイラストを「断捨離」 「購入・換金手数料なし」というシリーズ名は、低コストへのこだわりの表れで、購入するときも解約するときも手数料がゼロであることを意味する。コンセプトが一目で伝わりやすい名前にした。 信託報酬を安く抑えるために、運用にかかるコストを徹底的にカット。ネット経由での販売を中心にして目論見書などの書類をペーパーレス化するだけでなく、イラストを排除したり、白黒のシンプルなものにしたりしてコストを削った。 極め付きは信託報酬引き下げのタイミングだ。同シリーズは「残高が増えてきたら信託報酬を下げる」というスタンスで、15年から4年連続で信託報酬を下げている。17年までは秋に引き下げを発表し、年1回の定期的な目論見書の改訂時期に合わせた。そうすれば臨時で目論見書を発行する手間が省け、費用の節約につながるからだ。18年は競合他社の値下げや残高の状況を踏まえ、夏に前倒しで引き下げた。 ここまでコストにこだわるのは、個人投資家と「ウィンウィン」の関係を築くのが目的。同シリーズはインデックスファンドのコスト革命で業界をけん引してきた。コストの安さが個人投資家の支持を集め、「残高増→信託報酬引き下げ→残高増」という好循環を生んでいる。 ■人気の外国株ファンド、残高は1000億円超 同シリーズの中で人気が高いのは「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」(2931113C)だ(図表2)。投信ブロガーが投票する「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」に2014年から4年連続で入賞。18年8月末には残高が1000億円を突破した。国内でシリーズ展開するインデックスファンドで最も規模が大きい。 先進国株が対象の「MSCIコクサイ・インデックス(配当込み)」に連動するファンドは、ほかにたくさんある。その中でも選ばれている理由について、投資信託企画部の結城宗治担当部長は「残高が増えたら信託報酬を下げる実績を積んできたことで、個人投資家からの信認が得られてきたのではないか」と分析している。 ■さらなるラインアップ拡充を検討 今後も低コスト化に向けた努力を継続する方針だ。信託報酬とは別に発生する諸費用を含め、投資家が負担する実質コストの抑制を目指す。 コストを抑制しているため、販売会社はネット証券が中心。販売チャネルが限られているだけに、認知度向上は課題だ。今後はより多くの顧客ニーズを満たすために、ラインアップの拡充を検討。複数の資産に分散投資するバランス型などの追加を視野に入れている。 <関連サイト> ◇こだわりのインデックスファンド<購入・換金手数料なし>シリーズ (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

投資ビギナー×つみップ 「お薦めの1本は?」

金融庁が12日夜に投資初心者を対象に開いた「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)には約40人の個人投資家が集まった。積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に2017年4月から始めた個人との意見交換会で、投資経験3年未満に対象を絞った「つみップ Rookies」の開催は今年1月以来の2回目。参加者からは「つみたてNISAを始めるにあたり、お薦めの1本は」といった直球の質問も飛び出した。 ■インターンの学生も参加、「ハッピー・マネー教室」紹介 今回のつみップは一般参加者に混じって、金融庁のインターンシップ(就業体験)に参加している大学生十数人も飛び入り。インターンでの「家計の『貯蓄から資産形成へ』の流れを後押しするため、若年層の投資への関心を高めるには、どのような方策が考えられるか」というテーマの討論をまとめたプレゼンテーションを控え、投資初心者の生の声に触れる貴重な機会になったようだ。 冒頭で金融庁が8月に小学生を対象に開いた「小学生のためのハッピー・マネー教室」(講師:岡本和久氏)の様子を動画で紹介した。「お金は感謝のしるし」「お金はあくまで幸せになる一つの方法」「お金を増やすにはどうしたらよいか」といった内容の講義は、一般公開されるようだ。 ■質問は多岐に、識者やブロガーが丁寧に回答 金融庁のつみップ担当職員がつみたてNISA誕生の背景や内容、長期・分散・積み立て投資の効用、対象商品や資産形成にあたって重要となるポイントなどを説明した後、参加者からの質問を受け付けた。多岐にわたる質問に対しては、金融庁職員に加え、経済評論家の山崎元氏らの識者と、著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、吊られた男さん、水瀬ケンイチさん、NightWalkerさんが丁寧に答えた。 【参加者からの質問(要旨)】 ・説明資料中の金融資産「ゼロ」世帯の定義 ・子供への投資教育に対する取り組みの現状 ・初心者から中級者にステップアップするにはどうしたらいいか ・今後、子供の教育費がかさむ中、生活防衛資金とリスク資産に振り向ける資金のバランスをどう考えるのが適当か ・投資の勉強に役立つお薦め本を教えてください ・「ウォール街のランダム・ウォーカー」に書かれている間違いとは何のことか ・税制改正要望として挙がっている「海外転勤などでNISA口座保有者が一時出国時にもNISA口座を継続利用可とする」件の実現度 ・まとまった資金がある場合、一括投資した方がいいのか、それとも時間分散して投資すべきか ・つみたてNISA対象商品にアクティブ運用型のファンドが含まれている意味合い ・妻の父が新興国債券で運用する毎月分配型ファンドを保有している。ファンドに関するネガティブな話を良く聞くので、解約を薦めたいがどう説得したらいいか ・債券のみで運用するファンドはつみたてNISAで対象外となっている。株式との分散投資効果を考慮して、債券型のファンドを一般口座で購入した方がいいか ・家族も一緒につみたてNISAを行う時、投資商品は同じものに揃えるべきか ・投資する前に、どれくらいの知識が必要か ・これからつみたてNISAを始めるにあたり、お薦めの1本はどれか ■先進国株式や全世界株式インデックスファンドがお薦め 【識者やブロガーからの回答(抜粋)】 ・本を読むのはいいが当たり外れがある。水瀬氏のブログで紹介されている本がお薦め ・投資のお薦め本を一冊に絞るとすると「ウォール街のランダム・ウォーカー(日本経済新聞出版社)」を薦めるが、一部、間違いもある。それは本の400ページあたりに出てくる「投資の保有期間が長くなるとリスクが低減する」という記述でこれは金融理論上、誤り。 ・4月に開催された「つみたてNISAフェスティバル2018」で「はじめての投資! おススメの一冊 ベスト10」が発表されている。それも参考になる。 ・本を一冊読んでから投資をスタートする方が長続きする。その一方で、本を読むのは大切だが、投資を始めてから勉強する方が実践的との意見も。 ・つみたてNISAの投資手法であるコツコツ投資(ドルコスト平均法)は「気休めに過ぎない」という考えが示された一方で、コツコツ投資の方が心理的な面で有効という意見も少なくなかった。ブロガーからは母親がリーマン・ショック前に一括投資の高値づかみをして、元本回復に数年かかった実例も紹介された。 ・お薦めの1本については、先進国株式インデックスファンドを挙げた人が多く、続いて全世界株式のインデックスファンドが2名、日本株と8資産均等型のバランス型インデックスファンドも挙がった。具体名としては三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」とニッセイアセットマネジメントおよび楽天投信投資顧問のファンドが推された。 ■専門用語の説明集があるとより初心者向き 参加者には今年からつみたてNISAを始めたばかりという20~30代が目立った。「色々な角度からの意見がよかった。自分の今の投資内容に問題がないのを再確認できた。若い自分と同世代の投資家に出会えたのは心強く、老後のことを真剣に考えてみようと思った」といった声が出ていた。 また「バッサリ考えを述べる山崎氏に加え、優しく寄り添う感じで話すブロガーの方々などいろんな意見を聞くことができ勉強になった」(30代男性会社員)、「自分も初めはインデックスファンドとアクティブファンドの違いが分からなかった。関連する専門用語の説明集が資料に付いていると『初心者向け』にはより効果的ではないか」(20代女性会社員)といった感想も聞かれた。 ブロガーからは「説明をより分かりやすく工夫するべきだった気がする。例えば、債券の話にしても金利と債券価格の関係が分からないと理解が難しかったのではないか」「質問をその場で考えるのは人によっては難しい。少し間を置いて考えをまとめる時間などがあってもいいのではないか」「フレッシュな顔ぶればかりで、RookiesにはつみたてNISA普及の原点を感じる」という感想が漏れた。 初心者と言っても若者とは限らず、ベテラン投資家の50代後半の男性会社員が同世代の妻を連れて参加。「老後は妻や社会人になった子供と一緒に資産運用したいので、妻にもつみたてNISAのことを知ってもらいたい」と話していた。 つみたてNISAの投資家層は年齢を問わず徐々に広がりつつある。   ▽つみップのサイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

アセマネOne「たわら」、幅広い販売網で存在感(インデックスファンドNAVI)

資産形成を目指す個人投資家の間で、指数連動型のインデックス投資が広まりつつある。運用各社も様々なインデックスファンドを展開し、信託報酬の引き下げや品ぞろえの拡充など独自の取り組みでしのぎを削っている。  「インデックスファンドNAVI」では、運用各社のインデックスファンドシリーズについて、それぞれの特徴や強みを解説する。今回取り上げるのは、アセットマネジメントOneの「たわらノーロード」。スタートは2015年12月と歴史は浅いが、幅広い販売網を持ち、確かな存在感を示す「たわら」に迫る。  ■「若い人に希望を」、シリーズの出発点に  「これから未来を担っていく若い人たちに希望を持ってほしい」――。そんな思いがシリーズ立ち上げの出発点になった。少子高齢化が進み、低金利が長引くなか、若い人の経済的な不安を和らげるためには資産形成に取り組みやすい商品が必要だと考えた。そこで提供し始めたのが、長期の積み立て投資がしやすい低コストのインデックスファンドシリーズだ。  もともと同社の前身のひとつである旧DIAMアセットマネジメントが機関投資家向けにインデックス運用の商品を多く手掛けており、比較的スムーズに商品化が実現。15年12月に「たわらノーロード」の第1号ファンドが運用を開始した。  当時はすでにほかの複数の運用会社がインデックスファンドシリーズを展開。信託報酬などのコスト面や商品のラインアップで他社に遜色のないシリーズ化を目指した。  ■親しみやすいネーミング、ロゴマークにもこだわり  独自色を打ち出したのが「たわら」のネーミングだ。他社のインデックスファンドシリーズはカタカナやアルファベットの名前がほとんどだが、ひらがな3文字で親しみやすさや分かりやすさを表現した。社内公募で集まった約300個の候補から選出。コメなどの穀物をくるんで保存する「たわら」には、コツコツと蓄える、積み上げていくといった意味が込められている。  ビジュアルにもこだわった。インターネットで取引する顧客の認知度向上を狙って、3つの黒い俵型を組み合わせた家紋のようなロゴマークを作った。基調のメインカラーは小判や金運、稲穂など、日本でおめでたいイメージがある黄色にした。 ■低コスト化は「常に検討」、実質コストは低水準  「たわらノーロード」は現在29本(ラップ口座向けを除く)。インデックス型は国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)に投資する12本と、複数の資産に分散投資するバランス型の14本をそろえる。16年3月には市場平均以上のリターンを目指すアクティブ(積極運用)型の「たわらノーロードplus」を3本追加した。純資産総額(残高)は18年8月末時点で合計674億円(アクティブ型を含む)に積み上がっている。  このうち9本のインデックス型は、2017年12月末に設定後で初めて信託報酬を引き下げた。さらなる低コスト化の可能性について、花村泰廣・投資信託情報サービス部長は「むやみやたらに引き下げれば良いというものではなく、残高やコストとの見合いで常に検討している」と話す。  信託報酬だけを比較すると業界最安水準をやや上回るが、「投資家が負担する実質コストは業界でもかなり安い」(花村氏)という。投信のコストは信託報酬で比較する場合が多いが、実際には売買委託手数料や事務処理にかかる諸費用などが追加で発生する。これらを含めた「実質コスト」は、マザーファンドの規模が大きいほど負担が軽くなる傾向にある。  ■資産形成層にアプローチ、異業種と連携  「たわらノーロード」は積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)での取り扱いが多く、販売会社数は180社を超える。ネット証券を経由した購入が中心だ。他のインデックスシリーズと比べると、全国の信用金庫で幅広く販売しているのが特徴の1つだ。  最近は異業種と連携して、資産形成層へのアプローチも進めている。今年3月22日には家計簿アプリを運営するマネーフォワードと組み、「春から始める!賢いお金づくり~iDeCoとNISAの活用法~」と題したセミナーを開いた。ファイナンシャルプランナー(FP)を招き、参加者が投資のイロハを学んだ。  3月末にはABCクッキングスタジオ(東京・千代田)とタイアップして女性限定のセミナー「カラダとおカネはコツコツつくられる~お花見ごはんと資産運用のはなし~」を開催。料理の実演・試食後にアセマネOneの講師が「おカネ」について話し、参加者には7つの質問に答えてリスク許容度やモデルポートフォリオを診断するロボットアドバイザー「CAPTAIN One」を体験してもらった。  投資未経験者の中には「投資に興味はあるけど、どうしたらいいか分からない」といった悩みを抱える人が多い。今後もイベントなどを通して投資に興味を持ってもらい、長期の資産形成に取り組む若い人を応援していく予定だ。 <関連サイト>  ◇たわらノーロード ◇ロボットアドバイザー「CAPTAIN One」 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

丸井流の投信販売「小売り感覚&お客さま目線で安心を」 tsumiki証券の仲木COO

小売りを手掛ける丸井グループ(8252)が設立した積み立て投資専門の「tsumiki証券」が31日、サービスを開始した。グループのクレジットカード「エポスカード」で投資信託を買えるのが最大の特徴。カード払いで投信を購入できるのは日本初のスキームだ。取り扱う商品は投信4本だけで、投資方法は積み立てのみ。シンプルさを極めた投資初心者向けの新たな資産形成ビジネスが口火を切る。 ターゲットは20~30歳代の若い世代だ。エポスカードの会員は660万人にのぼり、そのうち半数以上を若年層が占める。顧客は月3000円から積み立てることができ、買い物などで使ったカードの利用代金と一緒に銀行口座から毎月引き落とされる仕組みだ。積み立て額の上限は月5万円。年間の積み立て額や積み立て期間に応じたエポスポイントももらえる。 4本に絞り込んだファンドはすべて、つみたてNISA(少額投資非課税制度)の対象になっている投信。手数料の安さや運用実績など金融庁が定めた厳しい要件をクリアし、長期の資産形成に適していると認められたファンドだ。運用会社が顧客とどう向き合っているかなどに着目し、「顔の見える運用」をしているファンドを厳選した。つみたてNISAの非課税枠(年40万円)を超える積み立ては特定口座での取引となる。 口座開設や月々の積み立て額の変更などはネットで手続きできるが、マルイの店頭でも口座申込みのサポートやお金に関する相談ができる窓口を設置する。当初は1店舗から始め、徐々に増やしていく方針だ。 今後は投資初心者向けのセミナーを随時開催する予定。マルイの店舗内スペースを利用して、20人程度のアットホームな雰囲気のセミナーにする。10月にはエポスカード会員を招いて200人規模のイベントも開催する予定だ。来春をメドにエポスポイントで投資を疑似体験できるサービスも始める。 tsumiki証券のロゴマーク 社名のロゴマークは、末尾の「i」に2つの点をつけた。これは「お客さまとtsumiki証券」という意味が込められている。顧客とともに「しあわせ」をつくることを目指すグループの共創理念を表した。 富裕層や高齢者に偏っているとされる日本の資産運用サービスに、異業種から参入したtsumiki証券がどれだけ新しい風を吹き込めるか――。若い人たちの資産形成を後押しする取り組みが注目される。 tsumiki証券設立の背景や同社が見据える未来について、仲木威雄代表取締役COOに話を聞いた。 ■若い人の不安を希望に、小売りのサービス力が強み ――tsumiki証券の設立に込めた思いは。 「資産形成をお手伝いすることによって、若い人が抱えている将来への不安を希望に変えたいという思いがあります。投資は富裕層や高齢者、金融の知識がある人だけがやるものといった敷居の高いイメージがあるかもしれません。しかしそうではなくて、若い人も含め皆さんが安心してお金を育てられるようなサービスを提供したかった。丸井グループは『誰も置き去りにされることなく、すべての人が“しあわせ”を感じられるインクルーシブで豊かな社会』を目指しています 。いまある金融サービスでは行き届いていない若年層を中心に働きかけていきたいと考えています」 「エポスカードの会員は若い人が多いです。コツコツ、ゆっくり、自分のペースでできる積み立て投資が資産形成にかなうと考え、提供するサービスは積み立て投資に限定しました。tsumiki証券の名前の由来も積み木のように資産をコツコツ積み上げていくという意味があります」 ――tsumiki証券の強みを教えてください。 「小売業で培ったサービス力ですね。マルイの店舗があるので、対面でもお客さまと向き合えます。専門の金融機関と違って、小売りの感覚で物事を考えられるので、難しい金融用語をあまり使わずにお客さま目線で分かりやすくお話しできます」 「tsumiki証券を立ち上げるにあたって、エポスカード会員の方々と意見交換する座談会を12回にわたって開きました。投資初心者から経験者までのべ50人のお客さまに参加してもらい、取り扱う商品などについてヒアリングしました。こうした生の声を参考にしたので、お客さまが共感しやすい情報の提供やセミナーの開催ができると思います」 tsumiki証券COOの仲木氏 ■取り扱いファンドは「顔の見える運用」を重視 ――ファンド4本の選定理由は。 「取り扱うファンドは当初から数本に絞り込もうと思っていました。選択肢が多すぎると、初めての方には選びにくいからです。自信を持っておすすめできる商品だけをそろえました」 「重視したのは『顔の見える運用』です。お客さまが大事なお金を託す先なので、その運用会社の『顔』がしっかりと見えなくてはならないと考えたからです。きちんと運用実績を出し続けているかだけでなく、セミナーやホームページ、レポートを含めて顧客に向けた説明がしっかりできているかの『対話力』が重要です。運用組織のチーム力、相場が下がっている時にどういうメッセージを出しているのかなども考慮しました」 「当初は4本だけですが、今後は取り扱うファンドを増やす可能性はあります。ただ、お客さまが迷って選べなくなってしまわないように、増やしすぎることはしません。多くても10本以内に収めるつもりです」 ■安心して投資を続けられる仕組みを ――長期の資産形成を根付かせるためには。 「若い人が安心して投資を続けられる仕組みを作っていくことが大事だと考えています。若い人はお金のことや将来のことに不安を感じている人が多いと思いますが、積み立てでコツコツお金を育てることはそうした不安の解消につながります。途中でやめてしまうのが一番もったいないので、続けることが何より大事だと分かりやすく伝えていきたいですね」 「積み立て額は毎月変更ができます。少しずつでも毎月積み立ててもらいたいですが、場合によっては0円にして休むこともできます。続けることがプレッシャーにならないように、自分のペースで安心して長く投資を続けていってほしいと思います」 「資産形成はあくまでも手段であり、目的は人それぞれ異なるとは思いますが、お客さまが人生を自分らしく彩ってもらえることにつながればうれしいです」 tsumiki証券のホームページはこちら→→→tsumiki証券 (QUICK資産運用研究所 西田玲子、石井輝尚、小松めぐみ)

ニッセイAM「<購入・換金手数料なし>外国株式インデックス」、残高が1000億円突破

ニッセイアセットマネジメントが運用する「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」(2931113C)の純資産総額(残高)が29日、1000億円を突破した。29日の残高は1001億円だった。 同ファンドは先進国株の代表的な指数の「MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する運用成果を目指す。今年から始まった積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の対象で、このうち海外株式に投資するファンドでは最大規模。 信託報酬は0.11772%(税込み)で、同じタイプの指数連動型(インデックス型)の中では業界最安水準だ。今月21日に設定から4回目となる信託報酬の引き下げを実施した。 7月末時点の1年リターンは12.39%。2013年12月の設定から月間ベースで資金流入超が続いている。投信に関するブログを書いているブロガーが投票する「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2017」では、2014年から4年連続でトップ3に入った。 (QUICK資産運用研究所)

金融庁、新体制初の「つみップ」 運用5社の生の声に質問続々

金融庁が27日夜、同庁発足以来の大規模な組織改正後としては初めてとなる「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)を開いた。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に2017年4月から始めた個人との意見交換会。終了後の懇親会ではつみたてNISAの推進を統括する新旧幹部が引き継ぎを兼ねて挨拶に立ち、貯蓄から資産形成への流れを促す政策の推進に向けた変わらぬ姿勢を強調した。 ■参加者は男女が半々、20~30歳代で半分 今回の参加者は約40人で、男女の比率はほぼ半々。年代別は20~30歳代で全体のほぼ半分を占め、投資経験は3年未満と経験なしが半数に達した。懇親会では20~40歳代の働く女性が目立った。 つみップは運用会社5社(大和証券投資信託委託、ニッセイアセットマネジメント、三菱UFJ国際投信、楽天投信投資顧問、バンガード・インベストメンツ・ジャパン)の幹部がつみたてNISAへの取り組みを説明し、参加者から質問を受ける形で進行。登壇する運用会社の調整に当たってはブロガーの要望も参考にしたようだ。ゲストには著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、水瀬ケンイチさん、NightWalkerさんの3氏に加え、経済評論家の山崎元氏らを迎えた。 金融庁職員が冒頭で「なぜ、つみたてNISAなのか」「制度の意義と個人にとってのメリット」などを資料に沿って説明。つみたてNISA対象の投資信託が7月20日時点で155本と、当初から50本ほど増えたことも紹介した。 ■つみたてNISAも投信も知らない層が6割 運用会社各社の説明を以下にまとめた。 (大和証券投資信託委託) ・同社のファンドマネジャー25名に「つみたてNISA」で投資するとしたら、というアンケート結果を紹介。アクティブ型よりもインデックス型を選ぶ人が多く、国内株式型よりも海外株式型を多く選好しているなどの特徴があった。 (ニッセイアセットマネジメント) ・6月29日に<購入・換金手数料なし>の「なしなし」シリーズで4回目となる信託報酬の引き下げを実施。5月末時点のシリーズの純資産総額は合計1404億円と増大している。 (三菱UFJ国際投信) ・毎月実施している「つみたてNISA」1万人認知度調査の7月版を紹介。6月時点の認知度は上がっておらず、前月より低い26.6%。特に地方での認知度がやや低い傾向。つみたてNISAはもちろんのこと、投資信託も知らない層がまだ約6割もいる。 ・男女比率では女性の認知度が男性よりも低く、男性は年代間の認知度格差が小さいのに対し、女性は20代が低く、年齢が上がるとともに認知度アップの傾向。ただし、女性の認知度は07年9月時点の調査開始時より上昇中。 ・各社の代表的なノーロード・インデックスファンドの純資産総額の合計は6月末時点で1兆円突破が間近。資金流入額はNISAが始まった14年に年間で1400億円まで急拡大。18年は半年で既に1800億円集め、これまでの年間で最大を記録した15年の約1700億円を上回っている。 (楽天投信投資顧問とバンガード・インベストメンツ・ジャパン) ・米国株指数連動のインデックスファンドとしてS&P500連動型の組成も検討したが、低コストを追求するうえで、指数使用料のハードルが高く断念し、バンガード社の米国株ETFに投資する仕組みを採用した。 ■参加者から質問続々も時間切れで打ち切り 参加者およびブロガーからの質問を以下にまとめた。 ・低コスト化による薄利の極みの状況下で、販売会社からは何か言われないのか。 ・投資家が損しても売り急がないよう、運用会社としてはどのようにアドバイスするか。 ・注目している他社のファンド名を具体的に教えてください。 ・低コストで費用があまりかけられない中、どのようにマーケティングしているのか。 ・金融資産「ゼロ」世帯の金融資産には普通預金の他、年金も含まないという理解で正しいか。 ・2014年以降ノーロード・インデックスファンドへの資金流入額が急増したという説明を受けたが、その一方で、日銀が資金循環統計を見直した結果、家計の投信保有残高が増えていないことが判明した。金融庁はこの状況をどう捉えているか。 ・低コスト化が進む中、直販への進出を検討している会社は手を挙げて教えてください。 ・繰り上げ償還される可能性はあるか。 ・資産配分(アセット・アロケーション)に関するアドバイスやツールを金融庁が個人に提供する可能性について。 ■参加者からは「運用会社の生の声はやはり違う」の声 質問は時間切れで打ち切りとなるまで続いた。参加者から時間があれば「例えば、ドイツ、インド、スウェーデンの各1カ国の株式集中型など、インデックスファンドの投資対象地域が今後増える可能性はあるのか」「日本株インデックスファンドの信託報酬の方が先進国株型よりも高止まりしているのはなぜか」といった質問をしたかったといった声が出ていた。参加者からの感想を以下にまとめた。 ・制度説明の時間を削ってでも、質疑応答の時間をもっと長く取った方がよかった。 ・運用会社の生の声を聞けるのは貴重な体験。ネットで調べるとのはやはり違う。 ・運用会社が低コスト化に色々苦心しているのがよく分かった。 ・他社の注目ファンドは『株式型』など抽象的ではない具体的なファンド名を聞きたかった。 ・損をした時の対処など自分のやり方が間違っていないのを再確認できてよかった。 ・自分のように50歳代の主婦でも投資を始められる。成人した息子のつみたてNISAの商品選びについて家族で話し合うのにも、いいきっかけになった。 ・楽しかったが、正直なところ理解できなかった説明内容も多い。全面的に初心者向けのつみップを期待したい。 ・インド株指数が認定されれば、低コストのインド株連動型ファンドの設定を前向きに検討するという運用会社の話をじかに聞けた。 ・女性と若い人の参加が多いのは「つみたてNISA」の趣旨に合ったとてもよい状況。  (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

三井住友トラストAM、インデックスシリーズのパイオニア (インデックスファンドNAVI)

資産形成をしている個人投資家の間で、指数連動型のインデックス投資が広まりつつある。運用各社は様々なインデックスファンドを展開し、信託報酬の引き下げや品ぞろえの拡充など独自の取り組みでしのぎを削っている。 「インデックスファンドNAVI」では、運用各社のインデックスファンドシリーズについて、それぞれの特徴や強みを解説する。第2回は国内で初めてインデックスファンドをシリーズ化したパイオニア、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「SMTインデックスシリーズ」を取り上げる。 ※「インデックスファンドNAVI」シリーズの第1回は6月27日配信の三菱UFJ国際投信 ■国内初のインデックスファンドシリーズ 同社が国内初のインデックスファンドシリーズとして2008年に立ち上げたのが「SMTインデックスシリーズ」だ。信託銀行系列の資産運用会社で培った運用ノウハウを生かし、「分かりやすい、始めやすい、続けやすい」をコンセプトにしたこのシリーズを設定した。 目指したのは、投資初心者でも長期で安定した資産形成に取り組めるようなファンドシリーズ。それまで長く年金基金や機関投資家に投資商品を提供してきた実績とノウハウを個人向けの商品開発にも応用した。 シリーズの名前は、会社の略称(三井住友トラスト・アセットマネジメント=SMTAM)から付けられた。2008年1月の設定当初は6本だけだったが、現在は28本に増加。純資産総額(残高)の合計は、今年1月に2000億円を超えた(図1)。 昨年11月には新しいシリーズを投入。手数料ゼロのノーロードで、ネット専用の「i―SMTインデックスシリーズ」を新設した。 ■「高品質」「幅広い品ぞろえ」が強み これらのシリーズの強みは「品質の高さ」(商品戦略企画部の宇野直樹部長)。インデックス運用では指数の値動きとの乖離(かいり)をいかに最小限にとどめるかが評価尺度の1つだが、同社のインデックスファンドはこの「トラッキングエラー」が小さいことでも定評があるという。 幅広い品ぞろえも特徴だ。シリーズを構成するのは、市場全体の動きに連動する伝統的なインデックスファンドだけではない。インデックスに関する深い知識を生かして商品開発に取り組み、より効率的な運用を目指す「スマートベータ(賢い指数)型」のファンドも展開している。 例えば「配当貴族指数」に連動するファンドは、一定期間以上連続して増配している優良株に投資する「スマートベータ型」だ。日本と米国、欧州を対象にした3種類をそろえた。 ■人気の「世界経済インデックス」、GDPに応じて分散投資 「SMTインデックスシリーズ」には、5本のバランス型ファンドがある。このうち2017年8月に設定した「SMT 世界経済インデックス・オープン」(64311178)は、先進国と新興国、日本それぞれの株式と債券の6資産が投資対象だ。株式と債券に半分ずつ投資し、地域別の組み入れ比率は国内総生産(GDP)総額の比率に基づき決定する。 シリーズとは別で、2009年1月から運用している「世界経済インデックスファンド」(64315091)は、設定来のリターン(分配金再投資ベース)が18年6月末時点で119.09%と高く、個人投資家の支持を集めている。このファンドは地域別のGDPの比率を参考にしつつ、専門家の知見なども取り入れながら運用する。年1回ごと地域別構成比を見直す点や投資対象は「SMT 世界経済インデックス・オープン」と同じだ(図2)。 ■統合で運用力を強化 同社は今年10月に三井住友信託銀行の運用部門と統合する予定で、国内で最大規模の運用会社となる。年金運用に強みを持つ同部門との統合により運用力を強化していく。 今後は顧客ニーズの多様化にどう対応するかが課題の1つ。インターネットで取引する個人投資家には「i―SMTシリーズ」を活用してもらい、「SMTシリーズ」では伝統的な指数にこだわらず、さらに進化した指数連動型の商品を投入していく方針だ。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

三菱UFJ国際投信、「eMAXIS」など投資家のニーズに幅広く対応 (インデックスファンドNAVI)

積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の開始や個人型確定拠出年金(イデコ)の加入者拡大が追い風となり、投資初心者にも分かりやすい指数連動型(インデックス型)の投資信託に対する関心が一段と高まっている。 ファンドマネジャーが主に市場平均以上の成績を目指して運用するアクティブ型と違って、インデックス型は運用の巧拙で成果に差がつきにくいとあって、運用各社はコストの引き下げや品ぞろえなど独自の取り組みでしのぎを削っている。 各社のインデックスシリーズにどのような特徴や強みがあるのか、「インデックスファンドNAVI」として、運用会社ごとに解説していく。第1回は三菱UFJ国際投信。同社が運用する主なインデックスシリーズは「eMAXIS(イーマクシス)」「eMAXIS Slim」「つみたてんとう」の3種類がある(表A)。 ■古株の「eMAXIS」、安さと豊富なラインアップで残高伸ばす  同社が最初に設定したのは「eMAXIS」。設定は2009年10月で、他社のインデックスシリーズと比べても古株に入る。当時は販売手数料ゼロの「ノーロード」が珍しく、安いコストと豊富なラインアップなどが投資家に受け入れられ、右肩上がりで純資産総額(残高)を伸ばした。現在では、国内の主なネット向けインデックスシリーズの中で最大規模に成長した。 当初はシリーズで8本だけだったが、徐々にラインアップを増やし現在では36本をそろえる。2014年には少額投資非課税制度(NISA)での利用が増え、残高が大きく伸びた。全国各地の地銀に販路を拡大していたことも奏功し、特に「eMAXIS バランス(8資産均等型)」への資金流入が増加した。  ■低コストの「Slim」誕生  17年2月、新たに誕生したのが「eMAXIS Slim」シリーズだ。運用コストに敏感なネット投資家が増えてきたのに合わせ、「コストを徹底的に下げた」(プロダクト・マーケティング部長の吉田研一氏)新しいシリーズを立ち上げた。  「Slim」は目論見書や運用報告書などを電子交付にして印刷コストを削減。スリムな商品ラインアップとスリムな信託報酬がコンセプトで、信託報酬については「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」という思い切った方針を打ち出した。この発想が多くの個人投資家の共感を呼び、ネット証券各社の積み立て投資額ランキングでは上位に顔を出している。  今年始まった「つみたてNISA」の開始に合わせて投入した「つみたてんとう」シリーズの売れ行きも順調だ。同シリーズは主に金融機関の対面販売向けの商品。信託報酬は「Slim」シリーズほど安くないが、つみたてNISAの制度説明も網羅した販売用資料や金融機関の販売員向けの研修などで手厚くバックアップする体制を整えた。  吉田氏はつみたてNISAに関して「利幅は薄いが、制度を利用して投資を始めるきっかけとなれば、その意義は大きい」と話す。 ■「投資家のニーズに幅広く対応」が強み  同社は積み立て投資の働きかけに力を入れている。資産運用を始める人、続ける人を応援するサイト「ポートステーション」を開設。投資家が5つの簡単な質問に答えるだけで「eMAXIS最適化バランス」シリーズの5ファンドの中からおススメ商品を提案する無料のロボット・アドバイザー(ロボアド)「ポートスター」も導入した。  また、都営地下鉄の駅構内には、漫画仕立ての冊子「つみたてNISAによろしく」を陳列した。若年層が抱える「投資が怖い」「損をする」といった誤解や警戒感を解きたいとの思いが根底にある。  3種類のインデックスシリーズをそろえる同社の最大の強みは「投資家のニーズに幅広く対応できる」(吉田氏)ことだ。金融機関の窓口で販売員に相談しながら積み立て投資を始めるなら「つみたてんとう」シリーズ、コストにこだわりネット証券などで自ら商品を選ぶ人には「eMAXIS Slim」が向く。ほかの2つのシリーズにはないラインアップから選んだり、ロボアドの助言を受けたい人は「eMAXIS」が選択肢になりそうだ。 <関連サイト> ◇「eMAXIS」 ◇「eMAXIS Slim」 ◇「ポートステーション」 ◇「ポートスター」 ◇「つみたてNISAによろしく」 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

資産形成を本気で考える「官僚たちの夏」 霞が関セミナーに600人

国の省庁が集まる東京・霞が関にある文部科学省の講堂が20日夜、中央省庁に勤務する職員で埋め尽くされた。内閣官房内閣人事局、金融庁と厚生労働省が合同で開いた「霞が関iDeCo・つみたてNISAセミナー」に参加するためだ。 ■ライフプランに基づいた資産運用の考え方を解説 講師は独立系ファイナンシャルプランナー(FP)の神戸孝氏が務め、「ライフプランに基づいた資産運用の考え方とiDeCo・つみたてNISAの活用方法」と題した40ページあまりの資料をもとに、1時間半にわたって資産運用の考え方について説いた。 参加者は600人を超え、男女比は6対4、年齢は20、30、40歳代がそれぞれ3割前後だった。 神戸氏は「なぜ資産運用が必要か」「ライフプランとはどんなものでどう設計するか」「資産を運用するうえでのポートフォリオの作り方やメンテナンス方法」といった資産形成・資産運用の重要性や具体的な方法を解説。資産運用を2つに色分けし、儲けるためにドキドキ感のある「趣味としての投資」と、退屈で面白くないがお金に働いてもらう「仕事としての運用」があると強調した。個人型確定拠出年金(iDeCo)や積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の説明は概略にとどめた。 ■セミナー後に質問の列 金融庁はつみたてNISAの浸透策のひとつとして、働く職場を通じて普及を図る「職場つみたてNISA」の活用に力を入れている。中央省庁職員が率先して職場つみたてNISAを活用するのは、「まずは隗(かい)より始めよ」として国民に資産形成の手本を示す意味合いからも重要だ。今回の大規模セミナーはそのきっかけになりそうだ。 参加者は熱心に耳を傾け、真剣な面持ちでペンを走らせていた。講演後も20人近くが会場に残り、神戸氏への質問の順番待ちの列を作った。一般NISAとつみたてNISAの使い分け方法、アクティブファンドを選ぶ際のポイントなどの質問をぶつけた。1度目の質問を終えてからまた列に戻り、2度目の質問をしていた女性もいた。 セミナー開始前にも、テーブルに置かれた銀行や証券会社、生命保険会社の関連販売資料を受け取るために、大勢が列をなすなど、資産運用への関心の高まりがうかがえるセミナーとなった。中央省庁職員が自らの資産形成にも本腰を入れ始めた。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

学生投資連合×金融庁 「つみップ」参戦、質問攻めに

サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本が初戦を迎えた19日夜、多くの人が応援のために街に繰り出し始めた時間帯に、金融庁の会議室にカジュアルな服装の若者が集まった。金融庁が積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)普及の一環で開いている個人投資家向け意見交換会「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)に参加するためだ。 参加者は主に首都圏の大学の投資サークルで活動している約50人。理念に「学生と金融をつなげ、学生の金融リテラシーを高める」を掲げて、全国の投資サークルの取りまとめ役である「学生投資連合USIC(Union Students Investment Clubs)」が所属メンバーに声をかける形で実現した。 参加申込者の内訳は大学1~2年生が約7割で、3年生が約2割、残りが4年生と大学院生だった。ゲストとして、投信ブロガー「虫とり小僧」さんらも加わった。 ■「さあ、皆さんはどう思いますか?」に率直な質問が次々と 冒頭で金融庁の「つみップ」担当者が「つみたてNISA」を制度化した背景や個人にとってのメリットなどを解説。参加者が大学生ということで、金融庁の生い立ちや役割などの概略も説明した。 担当者からの「さあ、皆さんはどう思いますか?」という問いかけをきっかけに、大学生が次々と手を挙げ、率直な疑問や質問をぶつけた。 【大学生の疑問・質問】 ・成人年齢の引き下げが決まったので、親の同意無しに投資できる年齢も下がると想定される中で、学校での早い段階の投資教育が重要になると思うがどう考えるか。 ・投資信託の販売手数料が(欧米などと比べて)高止まりしているのはそもそもなぜか。 ・楽天ポイントで投資できるようだが、現状を知りたい。ポイント投資によって個人の金融資産を構成する現預金と株式・投信の割合はどう変わるのか。 ・手数料が高いというラップ口座についてどう考えているか。 ・つみたてNISAで長期に儲かる確率が高いのは分かったが、損するリスクはないのか。     ■多くは仮想通貨に関心、女性は「長期志向」との声も 投資サークルに入っていることもあり、多くは短期の個別株投資や仮想通貨への関心が高いものの、つみたてNISAへの関心はまだ低いようだった。つみたてNISAは成人にならないと始められないのを知らない学生も多かった。大学生が毎月一定額を投資するのは難しい事情もある。虫とり小僧さんは「話しかけてくる学生のほとんどが仮想通貨のことを聞いてきた」と話していた。  参加者はつみたてNISAに関心があったからというよりは、「一度、金融庁に来てみたかった。懇親会でゲストの方々と話をしてみたかった」という動機も多かったようだ。「金融庁のビルは格式が高く立派。入るのに少しドキドキ緊張したが、みんなと一緒なので大丈夫だった」という声が聞かれた。  投資サークルとは別に参加した女子大学生は「リスクをとっても起業(スタートアップ)にはとても関心があるが、投資で短期に儲けようとは思わない。つみたてNISAにも興味がある。女性の方が長期志向だからかもしれない」と話していた。  今回集まったのは既に株式や仮想通貨投資の経験があるか、または関心がある大学生だ。今後は「投資は怖い」と思うような若年層に資産形成をどう根付かせていくのかも課題になる。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

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