金融庁の本気度示す「つみフェス2019」 遠藤長官は強歩大会の前に登壇

金融庁が20日午後に東京・赤坂のイベント会場で開いた「つみたてNISAフェスティバル(#つみフェス2019)」は、緑色の服や小物を身に着けた約250人の個人投資家が集まった。積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」の普及を通じて、国民の安定的な資産形成を推進する金融庁の肝いりイベントも今年で3回目。田中良生・内閣府副大臣や金融庁の遠藤俊英長官が登壇し、個人投資家との交流を深めた。 <参加者の内訳> (性別)男性:73%、女性:27% (年代別)20代:14%、30代:36%、40代:31%、50代:19% (投資経験)なし:8%、3年未満:35%、3年以上:54%、過去に投資していたが今はしていない:1% ■田中副大臣「まいた種が豊かに実ってほしい」 最初の挨拶に立ったのは田中副大臣。「グリーンはつみたてNISAの公式キャラクター『つみたてワニーサ』」の色であると同時に、春の芽生えを感じさせる」と語り、「私もつみたてNISAを始めたところだ。まいた種が芽吹いて将来、豊かに実ってほしい」とつみたてNISAを活用した資産形成の広がりに期待を寄せた。 続いて、投資教育家として著名なファイナンシャル・ヒーラー(ヒーラーは「癒し」の意味)の岡本和久氏が基調講話に立ち、お金は汚いものではなく「感謝のしるし」と諭した。具体的な投資先については世界全体の株式を対象にしたインデックス投資を勧めた。 背景として、ノーベル経済学賞受賞の学説であり、現時点での株式市場には利用可能なすべての新たな情報が直ちに織り込まれているため、株価の予測は不可能としてインデックス運用の合理性を説明する「効率的市場仮説」などの専門的理論を紹介した。 ■遠藤長官「顧客本位は収益追求とのバランスの問題」 参加者から事前に募った質問を5つにまとめ、「長官に聞いてみよ~!」として、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)が遠藤長官にするどく切り込んだ。 (質問1)「つみたてNISA」のメリットを教えてください! (質問2)金融機関は、顧客本位の業務運営を怠っていた? (質問3)投資が当たり前になるような土壌を作れば投資家が増える? (質問4)幼少期に必要な金融教育とはどんなもの? (質問5)つみたてNISAの今後の方向性を教えてください! 遠藤長官は質問に丁寧に答えながら、補足する形でつみたてNISAを取り巻く金融行政の考え方も示した。遠藤長官の発言要旨は以下の通り。 ・目の前の顧客の長期的な利益に沿う商品の販売を行うのが顧客本位の業務運営の本来の姿。金融機関が収益を追求するのも大事だが、収益目標にとらわれるあまり、高い手数料の商品の回転売買で収益を上げるのは顧客本位とは言えない。金融機関の収益追求と顧客本位のバランスが大事。 ・顧客(投資家)も市場の短期的な動きに合わせて売買する近視眼的傾向が強い。(価格が)急落してもそこで踏みとどまり長期保有するのは難しい。 ・金融機関の販売窓口が顧客の投資リテラシーを高める投資教育を行う前線にいる。短期売買を勧めるのではなく長期保有するメリットをアドバイスするのも投資教育。 ・外貨建て保険を保険部分と運用部分に分け、運用部分については運用内容や手数料、コストなどを一般の投資信託と比較できるよう分かりやすい情報開示が求められる。 ・投資教育は親子で学ぶのが効果的。子供が面白がるのを見て、親がつみたてNISAを始めた例もある。 ・給与の振込先が銀行に限定される必要はない。利用者の安全性を守りながら、金融を銀行、証券会社といった業態別から預金・決済・送金などの機能別に整理する方向性を考えている。 ・つみたてNISAの制度恒久化については、恒久化が国民的要請であり優先度が高いことを政治に納得してもらう必要があり、そのためには利用者拡大の実績づくりが不可欠。 金融行政の事務方トップである金融庁長官が一般投資家向けイベントに「生出演」するのは異例で、金融庁のつみたてNISA普及に向けた不退転の強い意志を感じさせた。遠藤長官は「つみフェス」の終了後に、約80kmの道のりを夜通し歩く「強歩」大会に参加するとのことで、強歩用のウォーキング・シューズも会場からの視線を浴びた。 ■著名ブロガーが投資クリニック、生きた投資教育へのつながり 「つみたて投資クリニック」と銘打ったコーナーでは、投資経験豊富な著名投資ブロガーの虫とり小僧氏、たぱぞう氏、吊られた男氏、NightWalker氏の4人が登壇。虫とり小僧氏が進行役になり、事前に寄せられた個人投資家からの質問を「カルテ」としてスクリーンに映し出し、診断結果を説明した。 (カルテNo.1)投資信託での資産形成は、何年続ければ良いのか、一般的にどれくらいの金額と時間をかけているのか。(30代、男性) (カルテNo.2)世にあふれる投資話が玉石混交状態で、自分が何をしたらよいか分からなかった。(30代、男性) (カルテNo.3)昨年のように、現時点での推薦図書を教えてほしい。(50代~、男性) (カルテNo.4)マイナスの時も淡々と続けていたらその後の回復で報われたのに・・・(涙)(50代~、女性) (カルテNo.5)仕事で時間が足りません。(50代~、男性) (カルテNo.6)投資している人=仕事に身が入らない奴のようにきめつけられないか不安。(40代、男性) (カルテNo.7)長期投資では、どのタイミングで引き出すべきなのか?(20代、女性) (カルテNo.8)積み立て後、老後の資産の取り崩し方。出口戦略について知りたい。(40代、男性) (カルテNo.9)国内株式、外国株式、外国債券などもバランスを見て保有すべきでしょうか。(40代、女性) (カルテNo.10)投資信託を買っているが、米国株、世界株どちらに比重をおいて投資していくべきか。(30代、男性) (カルテNo.11)税金が不安。(年代・性別、記載なし) (カルテNo.12)今は2万円くらいプラスになっているので、元本割れする前に、売って益を確定させたくなってしまいます。(30代、女性) (カルテNo.13)ファンドの目論見書に前年の実質コストを明記して、実質コストでファンドを比較出来るようになったらいいのに・・・(30代、男性) (カルテNo.14)同様のファンドで、より信託報酬が低いものが出た場合、それに切り替えた方が良いのか?(20代、男性) ブロガーの診断結果は「20年くらいは続ける」「忙しい人はインデックス投資がおススメ」「出口は気にしなくていい」「推薦本は昨年のランキング上位などでいい。1年でそれほど変わらない」「米国株、世界株のどちらか自分で続けられそうなほうを選ぶ」「利益2万円で売却は論外。ここで売却せずに続けられるかどうかが長期の複利効果を得るうえでの勝負の分かれ目」「新たな低コストに乗り換えるのはよっぽどの時。つみたてNISAはファンドの乗り換え(スイッチング)が不利。売却せずに新たな買い付けを低コストの方にするのでいい」などだった。 紹介されたカルテはつみたてNISAの意見交換会(つみップ)でも同じように繰り返される質問だ。個々人でライフスタイルが異なるので、画一的な正解があるとは限らない中、個人が自分自身でなんらかの答えを出せるところに持っていくというのが生きた投資教育の目標ということになるのかもしれない。 ■パネルディスカッションは新規参入3社の幹部が登壇 締めくくりのパネルディスカッションは「金融業界に迫りくるITの波」と題し、膨大な数にのぼるスマホ利用者に対して各種金融サービスを拡充しようとしている3社(LINE Financial、KDDIアセットマネジメント、ソフトバンク)の幹部らが登壇。新規参入の動きが資産形成を取り巻く環境をどう変えるのか探った。 操作性が優れたアプリなどを通じて、初心者が投資を始めるハードルはかなり下がりそうだが、それと同時に投資のリスクや長期・積み立て・分散投資の効用など、投資家の金融リテラシーを高めるための投資教育の重要性が図らずも浮き彫りになった。 ■「金融庁長官の登壇は本気度の証し」「投資は歯磨きのようなもの」の声 ブロガーを中心に参加者の感想を聞いた(カッコ内はハンドル名)。 「金融庁長官の登壇と話が素晴らしかった。ブロガーの登壇企画はちょっと真面目すぎたかなと反省。こうしたイベントも、投資と同じように相場環境が悪くなっても『続けて』いくことが大切だと思う」(虫とり小僧氏) 「金融庁長官の話は保険分野での大きな変動を予感させる。企業収益と顧客本位という一見、二律背反になりがちな点をどう両立させるかという金融機関の大きな命題には今後も注目したい。新規参入各社がトータルなサービスで顧客にあらゆる利便性を届けようとする熱意は伝わってきた」(たぱぞう氏) 「金融庁長官が登壇し、つみたてNISA普及に向けた強い発言をしていたのはすごい出来事で期待したい。一方、さらなる制度充実には実績が必要というのもその通りなので、参加者は家族友人にもつみたてNISAを広めてもらえると、登壇者の一人としてうれしい」(吊られた男氏) 「金融庁長官がかなり踏み込んだ発言をしていたのが印象的。ごく普通の人がこういったイベントに参加してきてくれているという印象も強い。一歩ずつ、普通の人につみたて投資が浸透してきていることを感じられて、うれしく思う」(NightWalker氏) 「初めて参加したが、学びがたくさんあり有意義な時間だった。普段ツイッターで連絡し合っている個人投資家と顔を合わせる機会にもなった。田中内閣府副大臣の言葉が印象的。日本全体の投資活性化のために、国だけでなく民間企業や個人ブロガーとも手を取り合っていく強い意志を感じた」(20代、FP投資家リーマンとさか氏) 「ツイッターのハッシュタグ『#つみフェス2019』は参加できなかった人にも情報を伝える上で画期的と感じた。ネット中継も検討してはどうか。つみたてNISA普及には一般著名人による『わたしのつみたて体験』といった体験談を共有する場があるといいかもしれない」(20代、なまずん氏) 「副大臣や金融庁長官ら硬派な方から、ブロガーという緩い人間まで『投資』というくくりでいろんな意見を聞くことができ、とても有用なイベントだった。会場に20代の同世代が少なく感じ寂しかった。もっと若年層が集まれる会になるといいなと思った」(20代、ミドノン氏) 「金融庁長官がざっくばらんに話していたのがよかった。制度やイベントへの想いが伝わり、金融庁の取り組みに期待したいと改めて思った。パネルディスカッションは識者の意見を聞くよりも参加者からの質問に答えて欲しかった。イベントのネット配信を検討してはどうか」(Taku(金融系SEの投資のつぶやき)氏) 「金融庁長官が自ら金融機関への苦言やNISA強化への意気込みを肉声で語ったのはかなりインパクトがあった。ただ特にNISA制度については、国民側にも、制度の意義を理解し制度を活用するリテラシーや実行力を持つように、責任を投げかける内容でもあった」(安房氏) 「非常に豪華な面々が登壇し、つみたてNISAで資産形成していくことを本気で推進させていきたいという金融庁の本気度が伝わってきた。ただ、初心者向けの制度説明がほとんどなかった。スライドを交えて、簡単でもきちんと触れておいたほうがいいのかなと感じた」(パーサモウニアス氏) 「今回初めて参加して、改めてインデックス投資はいいと思った。コストは低く抑えられるし、状況によっては数十年後には結構なプラスも期待できる(絶対にプラスになる保証はないが)。つみたてNISAは若い人たちの口座開設が多いというのは、いい兆候だと思う」(Kojiro Nitta氏) 「金融庁長官の登壇は待ち望んでいた。つみたてNISAへ取り組む意気込みなど本気度も改めて感じ取れた。恒久化はぜひ実現して欲しい。通信・IT業界の金融分野の参入はまさに変わろうとしている印象を受けた。まだ手探りの感じも受けたがニーズはあると思う」(Livamoz氏) 「登壇者もプログラムも多様でメリハリがあった。一番印象的だったのは、金融庁長官がつみたてNISAの使い勝手向上に言及した点。スイッチング導入や恒久化にはとても期待。一方で、一人ひとりの金融リテラシーの向上や長期投資へのコミットも大事と感じた」(ザリガニ氏) 「パネルディスカッションでは既存のサービスに関してだけでなく、投資の未来像にまで踏み込んだ話があってもよかったのではと思う。既存の枠組みにとらわれない金融口座のあり方とか、『量子コンピューターでこんな投資が可能になる!』といった話をして欲しかった」(毛流麦花氏) 「金融庁長官登壇が印象的。やはり金融庁トップが語る言葉は重みがあるし、期待が持てる。つみたてNISAだけでなくNISAの恒久化も実現して欲しい。フェスと称するのであれば、もう少し砕けた感じでお祭り色があってもいいのかなと思った」(Wakaba氏) 「参加者も多く、金融庁がつみたてNISA普及へ力を入れていることがよく分かった。つみたてNISAの恒久化などが検討されていることで今後への期待感も持てた。つみップのように、参加者との懇親会の場などがあれば一層良いと思う」(Sayasayan氏) 「田中副大臣や金融庁長官らの話から、国としてつみたてNISAを盛り上げていく意気込みをすごく感じた。進行時間が少しタイトでもう少し余裕を持って欲しかった。未経験者や初心者には難しい流れだったように感じた。もっと堅苦しい会かなと思ったが、意外と楽しめた」(ずずず氏) 「岡本氏の話は素直に義務教育から教えて欲しい内容。お金は『不浄なもの』という先入観があるが、実はそうではなくて、お金をどのように運用し使っていけば周りが豊かになれるのかを分かりやすく解説してくれた」(takachan氏) 「『投資は普段欠かさず行う歯磨きのようなもの。若い時にはしなくても困らないが、年齢を重ねた時に困る』という岡本氏の言葉が強く印象に残った。つみたてNISAで短期間に大きくもうけることは難しいだろうが、世界の経済の成長を信じコツコツ続けていくのが大事だと思う」(セロン氏) 「有名ブロガーによるちょっとゆるい雰囲気のコーナーは『数万円儲かった。儲かっているうちに売りたくなる』など初心者にありがちな相談に対して『ここが長く続けることができるか否かの分かれ道』と、とても共感できる実用的な回答(診断)を返すなど面白く楽しめた」(やすぎ氏) 「つみたてNISAの認知度はゆっくりと確実に上がっているとの印象を受けた。夫婦で参加も見かけた。投信運用会社の方も一般客席で最後まで残っていた。決して大口保有者ではない個人投資家の考えや要望をキャッチアップする姿勢に変化を感じうれしく思った」(go-en(文系おじさん)氏) ◇つみたてワニーサのツイッターはこちら ◇金融庁・つみップのサイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

金融庁、資産運用業の高度化に注力 アナリスト協会がセミナー

「自分の親戚、知人にも勧められると思う商品の販売に徹して欲しい」。日本証券アナリスト協会が16日に都内で開いたセミナーの基調講演に登壇した金融庁総合政策局の井藤英樹審議官(監督局担当)は、資産運用業の高度化へ向けた取り組みの重要性を強調し、顧客本位の業務運営の推進を促した。 ■金融庁長官が「思いを込めて資料作成」、審議官が代読 毎年恒例の同セミナーは2年前の基調講演で金融庁の森信親長官(当時)が資産運用業界の問題点を指摘し、業界関係者に大きな反響を巻き起こしたことで知られる。今回のテーマは「デジタル化時代の新たな資産運用ビジネス」で、180人近い業界関係者が集まった。 「日本の資産運用業界への期待」と題した基調講演は、金融庁の遠藤俊英長官が公務の都合で登壇できなくなり、井藤審議官が代理を務めた。遠藤長官が作成した64ページにのぼる分厚い資料が配布され、井藤審議官が「デジタライゼーションの加速的な進展への対応」など金融行政の重点施策について、ポイントを絞って説明した。 講演資料中の「2019年1月30日 主要行等との意見交換会における金融庁長官メッセージ(抜粋)」という部分に話が及ぶと、長官のメッセージを一字一句そのまま読み上げ、資産運用業の高度化へ向けた取り組みの重要性を強調した。 セミナー終了後のレセプション(懇親会)には遠藤長官も駆けつけ、乾杯の音頭を取った。遠藤長官は「思いを込めて講演資料を作成した」と語り、金融のデジタル化や資産運用業の高度化に注力していく考えを示した。 ■米運用大手がアクティブ運用の実績を力説 セミナーでは、アクティブ運用に強み持つ米運用大手のティー・ロウ・プライス グローバル・インベストメント・マネジメント・サービシズのアジア・パシフィック地域統括責任者であるニコラス・S.トゥルーマン氏が登壇。「アクティブ運用会社としての進化と歩み」と題して講演した。 自社の米国株アクティブ運用に関して過去20年間で10年リターンを毎月測ったところ、そのうちの約9割がベンチマークに対する超過収益(アルファ)を上げたと力説。運用の目標年に向けて資産配分を変えていく「ターゲット・デート型」のアクティブ運用は好成績を背景に運用資産規模が拡大し、同社は米大手3社の一角を占めているという。今後は運用のデジタル化を進め、アルファを効率的に生み出していくとした。 ■レオスの藤野氏「投資は素敵な経済活動」 日本のアクティブ運用者を代表して、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長も「これからの投資信託の役割とは――投資文化の普及のために――」をテーマに講演。冒頭から「投資信託はおまけに過ぎず、消費者が欲しいのは投資によって得られる『快適な生活』。将来得られる安心感やリターンが売り物であって、投資信託そのものではない」との持論を展開し、聴衆を引き込んだ。 日本人の手元に眠り、40兆円あまりあるとされるタンス預金。このお金が資産運用に回りだすと、資産運用業界は成長産業になると指摘。タンス預金を保有している個人に「投資は素敵な経済活動」とその魅力を理解してもらうのがカギだと結んだ。 パネルディスカッションは、投信評価会社モーニングスターの朝倉智也社長、一般社団法人国際資産運用センター推進機構の有友圭一代表理事、ウェルスナビ(東京・渋谷)の柴山和久社長の3人が登壇。モデレーターをPwCあらた有限責任監査法人の清水毅氏が務め、「デジタル化時代の新たな資産運用ビジネス」について活発な議論を交わした。 (QUICK資産運用研究所 望月瑞希、高瀬浩)

投信ブロガーが選んだ10大ニュースは? 金融庁が年内最後の「つみップ」

金融庁が21日夜に開いた「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)は、クリスマスと3連休の前にもかかわらず、約50人の個人投資家が集まった。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に開いている個人との意見交換会で、今回が今年最後の開催。参加者は識者や著名投信ブロガーの話に熱心に耳を傾け、日頃から抱いている疑問や悩みをぶつけた。 ■「コツコツ投資」継続は力なり 最初の講義では、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)が「下がっても儲かる!?つみたて投資の摩訶不思議」と題して、積み立て投資の効用を説いた。毎月1万円ずつ10年間にわたって投資(投資元本120万円)した場合について、4つの価格(投資信託の基準価額)変動パターンを例をあげ、開始から10年後に価格が下がっていても利益を得られることがある理由を示した。 積み立て投資は継続的に一定額を購入するため、価格下落局面では平均購入単価が下がり、購入口数が増える。カン氏は「量(購入口数)×現在の価格」がものをいうのがコツコツ投資の特徴と強調した。 ■投信ブロガーが気になる10大ニュース 続いて、金融庁サイトで「教えて虫とり先生」の連載が始まった投信ブロガーの虫とり小僧さんが、自身が選んだ10大ニュース(順不同)について、ユーモアを交えながら語った。10番目に少額投資非課税制度(NISA)の恒久化が見送られたことを取り上げ、金融庁職員に改めて要望を訴えた。 【2018年投信ブロガー的気になる10大ニュース】 1.つみたてNISA始まる 2.個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)100万人 3.仮想通貨暴落 4.米リーマン・ショック10周年 5.カードで投信、ポイント還元 6.キャッシュレス化進む 7.教えて虫とり先生連載 8.投信の隠れコストに注目 9.投信販売会社共通KPI(成果指標)設定 10.NISA恒久化ならず ■下げ相場に関する質問なし 質疑応答では、経済評論家の山崎元氏、投信ブロガーの吊られた男さん、NightWalkerさんらが加わり、一つ一つ丁寧に答えた。この日は東京株式市場で日経平均株価が2万円割れ寸前まで下げる場面があるなど足元で世界的に株価が下落基調を強めているが、相場に関する質問が出なかったのは、つみたてNISAのイベントならではを映した。 【参加者からの主な質問】 ・コツコツ投資のリターンを上げる効果には開始月も関係しているのではないか ・投資していた投信が繰り上げ償還された場合はどう対処したらいいのか ・どういうタイミングで換金するのがいいか ・お勧めの資産配分比率があったら教えてほしい ・つみたてNISAの年非課税枠が12(カ月)で割り切れない額(40万円)に決まったのはなぜか ・ジュニアNISAの非課税期間(5年)が延長となる可能性はあるのか ・隠れコストはインデックス投信の運用成績にどう影響するのか ■「来年からつみたてNISAを始める」の声 懇親会には初心者も積極的に参加した。「一般NISAとつみたてNISAの違いを知りたくて参加。質疑内容はレベルが高かった」(40代女性会社員)、「今回は2回目の参加。来年からつみたてNISAを始めるつもり」(30代女性会社員)との声が聞かれた。 一方、50代後半のベテラン投資家で福岡から参加した男性自営業者は「初参加してみて、金融庁の本気度が分かった。女性参加者の『何かを吸収しよう、すぐに行動しよう』という意識の高さにも驚いた。東京との情報格差は大きな課題で、地方でも『つみップ』が浸透する工夫が必要だ」と指摘していた。 ■投信ブロガー「PV公開が待ち遠しい」 個人投資家として参加していた投信ブロガーに感想を聞いた。 毛流麦花(モールバッカ)さん「金融庁から紹介のあった『つみたてNISAプロモーションビデオ(PV)』の公開が待ち遠しい。現役女子高生が出演することで、若者の間で投資文化が芽生えていくきっかけになるのを期待したい」 安房さん「金融庁の中島淳一・総括審議官からの冒頭説明にあったように税制改正で、海外赴任者の取り扱いといった個人投資家の直面する課題が『つみたてNISAフェスティバル』での要望をきっかけに解決に至ったのは興味深い」 もことんさん「いつもと違う趣向で、参加リピーターの自分にも十分楽しめた」 やすぎさん「質疑応答では思い切って質問したが、丁寧な回答は大いに参考になった」 ■共通KPIが裏付けるコツコツ投資の効用 つみたてNISAの開設口座数は9月末時点の90万口座近くに達し、制度開始1年で100万口座の大台超えが確実視されている。買い付け額は累計で約576億円に過ぎないが、「続ける」のが特徴のコツコツ投資は解約されにくい傾向があるため、じわじわと積み上がっていく公算が大きい。 投信の販売会社による顧客本位の業務運営を客観評価する共通の成果指標(共通KPI)を見ると、長期・積み立てを推奨している独立系運用会社(投信の直接販売会社)の顧客で含み益の比率が高かった。コツコツ投資の効用が裏付けられた形とあって、つみたてNISAの存在感が投信市場で増しそうだ。 金融庁「つみップ」サイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

顧客も資産も高齢化、金融サービスの転換が不可欠 金融庁課長が取り組みなど説明

高齢化が進む日本で金融サービスはどうあるべきか--。金融庁企画市場局市場課長の小森卓郎氏は、11月中旬に都内で開かれたセミナーで講演し、基本的な考え方や原則策定への取り組み状況について示した。 金融庁は7月に「高齢社会における金融サービスのあり方」について、中間的なとりまとめを公表。現在は具体的な原則の策定や制度設計につなげるため、金融審議会の市場ワーキング・グループに場を移して議論を重ねている。小森氏はワーキング・グループを運営する事務局のかじ取り役を務めている。 ■主な検討課題と基本的な考え方 小森氏は講演で「高齢社会の現状とリスク」「退職世代などの現状」に関する見方を概説したうえで、主な検討課題と、それを克服するための基本的な考え方を提示した。 【主な検討課題】 ①現在60歳の人のうち約4分の1が95歳まで生きるなど「長寿化の進展」 ②金融資産が高齢層に偏在している「資産の高齢化」 ③標準的な家族形態や生活スタイルが失われた「モデルの空洞化」 ④資産額が米国の退職世代の半分以下にとどまっている「金融資産の伸び悩み」   【課題克服のための基本的な考え方】 ①画一的ではなく、個人の多様性にフィットするきめ細かなサービスや商品を提供する「BtoCからCtoBのビジネスモデルへの転換」 ②高齢者の金融活動を研究する「ファイナンシャル・ジェロントロジー(金融老年学)」といった知見を活用し、金融以外のサービスと連携した総合ワンストップ型のサービスを提供する「金融・非金融の垣根を越えた連携」 ③老後の収入や生活費などの「見える化」により、個々人が自分に見合ったサービスを選べる「『見える化』を通じたより良い商品・サービスの選択」 ■標準的なモデルが空洞化、個人の多様性に見合ったサービスを 「ファイナンシャル・ジェロントロジーセミナー」と題した今回のセミナー(金融財政事業研究会と三井住友アセットマネジメントが開催)には、投資信託を販売する金融機関の販売推進担当者を中心に70人近くが参加した。小森氏は参加者から講演に先立って寄せられた質問にも答えた。質疑応答の概要は以下の通り。 Q:高齢社会の進展に伴い、金融庁はどのような取り組みを検討しているのか。 A:社会の高齢化の問題には今後数十年にわたり向き合うことになるが、2020年以降は労働人口が急減し、高齢化が加速する。団塊ジュニア世代の退職時期と重なるためだ。その前に対応策を準備しておくのが肝心だ。 家族4人で生活しながら定年まで正社員で働くといった生活モデルが崩壊し、標準的なモデルが空洞化している。ライフスタイルの多様化が進む中、個々人それぞれの状況に見合ったより良いサービスが受けられるようにしたい。   Q:金融・非金融の垣根を越えた連携とは具体的にはどのようなサービス主体との連携をイメージしているか。 A:例えば、家事代行や見守りサービスが挙げられる。他には、健康、旅行、金融などの相談に対するアドバイスをワンストップで受けられる利便性の高いサービスが考えられる。その実現には購買情報などのビッグデータやAI(人工知能)の活用といった情報技術分野との連携も重要になるだろう。   Q:個人年金、住宅制度、後見制度、事業継承など担当省庁間の調整はどうなっているのか。 A:狭い意味での金融にとらわれないよう、市場ワーキング・グループの議論には雇用や年金、医療分野や住宅対策など各分野を所管する厚生労働省や国土交通省の担当者も参加し、問題意識の共有を図っている。 政府税調でも来年から退職後の資産形成のあり方を本格的に議論する。個人にとって税制優遇が重要なのはいうまでもないが、国全体の税収との関係も踏まえながら、制度の拡充や恒久化などの検討実現を進めていく。   Q:資産形成のための非課税制度には一般の少額投資非課税制度(NISA)、つみたてNISA、DC(確定拠出年金)、個人型確定拠出年金(iDeCo)制度があり、それぞれ長短ある中、どの制度を中心に考えたらいいのか。現役世代への円滑な資産移転のためには贈与制度の拡充が必要ではないか。 A:非課税制度の簡素化を指摘する声もあるが、まずは各制度の性格を理解し、個々人に適した制度や自分の資産形成との関係など、全体像を知ったうえでうまく活用し、薦められるままに金融商品を購入するなどのないようにして欲しい。教育資金などの贈与制度の拡充については、個人格差や代替財源の問題もあわせて考える必要がある。   Q:認知症の患者や予備群の人への投資勧誘のあり方について、どのような対応が必要になるか。適合性の原則を単純に当てはめるのは不十分との指摘もある。 A:現状は販売勧誘に関するガイドラインを年齢で一律に区切って定めている。それ以外の方法もあり得るが、年齢に代わる物差しが必要となる。認知能力の客観的な判断にファイナンシャル・ジェロントロジーを活用できる可能性もあるが、判定方法の実用化までにはしばらく時間がかかりそうだ。販売現場でのニーズも汲み取っていきたいが、一定の年齢には達しないものの、認知能力の低下した顧客への対応も重要であることには留意して欲しい。   2019年6月には20カ国・地域(G20)首脳会議が日本(大阪)で初めて開催される。小森氏によると、金融サービスのあり方に関する議論は、アジアを中心に海外から強い関心が寄せられている。高齢社会における金融包摂の実現など世界共通の課題解決に向けた貢献を視野に入れて検討を進めるという。 講演の資料に掲載した「高齢社会における金融サービスのあり方の『俯瞰図』」(第15回市場ワーキング・グループの事務局説明資料)は、他省庁や金融業界、国民が関わり絡み合う姿を示す。難解な連立方程式を解くかのような構図がどのように収束するか、議論の行方から目が離せない。   ●「高齢社会における金融サービスのあり方」(中間的なとりまとめ)はこちら ●金融審議会、市場ワーキング・グループはこちら   (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

NISA5年、投信窓販20年「異業種参入が顧客開拓に寄与」 QUICK資産運用討論会

QUICKは19日夕に東京都内で「総括討論 NISA5年、投信窓販20年」と題した資産運用討論会を開いた。金融庁の田原泰雅総合政策局総合政策課長は基調講演で、「資産形成ビジネスの拡大は日本経済にとっても重要だ」と述べた。登壇者からは異業種の参入で「新しい顧客の開拓が進む」との指摘も出た。 資産形成を後押しするために始めた少額投資非課税制度(NISA)について、金融庁の田原氏は「リスク性の高い資産への投資が伸び悩んだ理由について考える必要がある」とも語った。 パネルディスカッションでは「貯蓄から資産形成の5年間」をテーマに議論した。日銀の購入分を除く追加型株式投信の純資産残高が足元で伸び悩んでいることについて、大和証券の相沢淳一専務取締役は「成功体験が得られず、(個人の資産形成はこの5年間で)大きく進まなかった」と振り返った。三菱UFJフィナンシャル・グループの臼井均常務執行役員も、保険に比べて「(資産形成は)自分ごととして考えるようにはまだなっていない」と話した。 パネリストは向かって右から大和証券の相沢氏、コモンズ投信の伊井氏、MUFGの臼井氏、金融庁の田原氏 一方で、コモンズ投信の伊井哲朗社長はインターネット専業証券会社で毎月の積立投資が増えていると指摘し、「非対面チャネルでは30~40代の資産形成層が市場に入り、大きな流れが出てきた」と強調した。金融庁の田原氏も「新しい制度やサービスを使おうという人が出てきているため、彼らを成功体験につなげることが重要」と指摘した。 日本の金融資産の多くを持つ高齢層に向けてのサービスについても議論した。大和証券の相沢氏は「従来の営業担当者とは違う評価体系の『あんしんプランナー』を設け、高齢層に対応している。健康や医療といった運用以外のニーズへの対応も含めたパッケージを商品として提供することも検討している」と述べた。 コモンズ投信の伊井氏は「親の口座の大きな資金の動きが子供世代が把握できるなど、テクノロジーで解決できる部分もある」と話した。三菱UFJFGの臼井氏は「長生きリスクと資産がある層に向けた対応が必要だ。3者契約を結び、取引状況を定期的に家族に通知するというサービスも手がけている」と説明した。金融庁の田原氏は「高齢化が進む中で、どのようなサービスが求められるかを考えてほしい」と話した。 20年が経過した銀行での金融商品販売については、コモンズ投信の伊井氏は「チャネルが加わったことで新しく(金融資産を)保有する人が増えたのはプラスだったが、毎月分配型などに傾斜しすぎたのは残念だった」と述べた。大和証券の相沢氏は「銀行で初めて買った人が来店して相談するケースもあり、貯蓄から投資という点では後押しになった」と説明した。 最近は、通信会社など異業種から資産運用ビジネスへの参入も目立つ。三菱UFJFGの臼井氏は「業界の競争は厳しくなるが、顧客基盤を持っている企業の参入は業界の裾野拡大に貢献する」と述べた。大和証券の相沢氏は「(資産運用ビジネスの)プラットフォームを外部企業に提供することで資産形成層にサービスを提供することが可能になる」と話した。コモンズ投信の伊井氏は「丸井グループなど異業種の参入が活発になり、新しい層を開拓している」と指摘した。 討論会には228人が参加した。パネルディスカッションのモデレーターはQUICKの北沢千秋資産運用研究所長が務めた。 【日経QUICKニュース(NQN)】

つみップ女子部、講師2人も女性 つみたてNISAやiDeCoを解説

金融庁が2日夜に開いた「つみたてNISA Meetup(通称:つみップ)女子部」は、約30人の女性が参加した。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)に関する個人投資家との意見交換会で、対象を女性に限定した「女子部」は昨年11月、今年2月に続く3回目。今回は講師の2人も女性で、つみたてNISAをはじめ税制優遇を受けられる制度の活用法を中心に解説した。 ■女性講師2人が登壇、iDeCoも解説 まずは金融庁が夏休みに「こども霞が関見学デー」として開いた「小学生のためのハッピー・マネー教室」(講師:岡本和久氏)の様子をまとめた動画教材を紹介。続いて、つみたてNISA制度の背景やポイントを説明し、「長期投資・積み立て投資・分散投資・手数料・分配金・税金」の6つをすべて押さえた利便性の高い制度である点を強調した。 最初に登壇したのは独立系ファイナンシャルプランナーの岩城みずほ氏。「人生100年時代。一生お金に困らないために、今からできること!」と題し、資産全体を外国株式・国内株式・預金などに分け、それらを課税口座・個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業型確定拠出年金(企業型DC)・つみたてNISAにどう振り分けるかといった組み合わせで考えるのがいいと説いた。 続いてDC制度に詳しい大江加代氏が登壇。「老後資産を作るiDeCoについて~投資デビューはつみたてNISAかiDeCoで~」をテーマに、iDeCoの制度説明を中心に解説した。iDeCoとつみたてNISAは両方とも、資産形成に有効な3拍子(積み立て投資・運用益非課税・低コスト運用)が揃った制度であり、iDeCoでの金融機関や商品選び、サポート体制の比較検討には「NPO 401K教育協会」の「iDeCoナビ」が役立つとした。 参加者はメモを取りながら、時折うなずいて聞き入るなど、真剣な面持ちが印象的だった。講師2人が話し終わると自然と拍手が起こった。とかく縦割り行政が指摘される中で、厚生労働省の所管であるiDeCoの解説も併せて金融庁内で聞けたのは参加者にとって新鮮な驚きのようだった。 ■識者やブロガーを質問攻め、「内容の濃い時間」の声 意見交換会のハイライトは質疑応答の時間だ。講師の2人や経済評論家・山崎元氏らの識者、著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、水瀬ケンイチさん、吊られた男さんの3人を質問攻めにした。参加者からの質問要旨は以下の通り。 ・どの金融機関でつみたてNISAを始めたらいいのか悩んでいる。選び方のポイントを教えて欲しい。  ・つみたてNISAは20年たったら、その都度取り崩す必要があるのか。  ・話を聞いてiDeCoを始めたいと感じた。企業型DCに加入しているが、自分で掛け金を上乗せする「マッチング拠出」はできないので不利に思う。このあたりの制度上の仕組みを知りたい。  ・15本の投信をつみたてNISAで購入しているが、本数が多いと複利効果が薄れると聞いたが本当か。本数を絞る必要はあるか。  ・DCの加入期間が65歳までに延びそうだと聞いているが、70歳までの延長もあるのか。  ・障害で働けなくなった時、iDeCoでは制度上どう対応しているのか。  ・iDeCoを始めて1年くらい経つ。運用コストが格安の別の投信が購入できるようになったが、スイッチングした方がいいのか。  ・手数料の低下はそもそもどのような企業努力の結果で生じているのか。  ・「国民年金基金」は長生きするとお得感のある制度だと思うが、iDeCoと違ってあまり薦められない。それはなぜか。  ・読んで役に立つ雑誌、記事やWebサイトを教えて欲しい。 当日のプログラムにiDeCoに関する説明が入っているとは事前に知らされていなかったにもかかわらず、iDeCo関連の質問が目立った。ブロガーからも「iDeCoへの注目度の高いのが分かった」との声があがっていた。 別のブロガーは「初心者が多いと聞いていた割には、資産形成に熱心な様子がうかがえた」「内容の濃い時間だった」と話し、参加者として来場した女性ブロガーのWakabaさんは「いつもより参加人数が少なかったのは勿体ないくらいの豪華ゲストが勢ぞろいし、充実したひと時だった」と感想を述べた。 ■懇親会で情報交換、「明日にも口座開設」の参加者も 15本の投信を積み立て投資している30歳代の会社員はスマホの注文画面を見せながら「ネット銀行からネット証券に自動口座振り替えするたびに、購入ファンドごとに毎日ポイントがつく」と話し、「年40万円の非課税枠をフルに使い、1本100円くらいで毎日15本積み立てると毎月900ポイントほど貯まっていく。ポイントも積み立てに回す。高齢の家族の面倒を見るなど自分の将来を考えて資産運用している」と解説してくれた。 懇親会ではメモをとりながらブロガーに質問する姿もあった。その一人で親戚に誘われて参加したという開業医の妻は「しっかり資産形成しなくては。明日にでもネット証券でつみたてNISAの口座を開く」と目を輝かせた。 「外貨建て保険を契約したばかりだが解約して、つみたてNISAを始める」という積極行動派がいたほか、「預金を含めた金融資産全体のリスク管理の大切さが分かった」「つみたてNISA、iDeCoと聞いてもどう始めるのか悩んでいた。質疑の内容も初心者にも終始分かりやすく、どの金融機関で始めるか、どんな投信を買ったらいいかイメージがわいた」という感想も出ていた。 懇親会に参加したブロガーのFP-Misakiさんは「懇親会まで残った人はある程度積極的。『つみップのことはツイッターで知った。金融庁の説明会なら安心だから行ってみよう』という感じで参加した方が多かった印象」と話す。有益な情報交換の場である懇親会にもっと多くの人が参加するには「途中に短い休憩タイムを作るなど周りの参加者と話せる雰囲気を作ると、懇親会にも行ってみようかなという気になる人が増えるかもしれない」という。 懇親会の締めの挨拶に立った山崎氏が十八番の口笛伴奏で合唱の音頭をとった。曲は1997年に大ヒットし今年芸能界を引退した安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」。「女性」と「20年」にひっかけた選曲のようだ。歌詞のサビを「20年という投資なんて知らなかったよね」に置き換えた歌声が金融庁の会議室の中に響き渡った。 <参考サイト> ◯金融庁「つみップ」サイトはこちら  ◯「小学生のためのハッピー・マネー教室」動画はこちら  ◯iDeCoナビ(個人型確定拠出年金ナビ)はこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

コモンズ投信、顧客の97.7%が含み益 独立系は高水準

セゾン投信とレオス・キャピタルワークス、コモンズ投信の独立系運用会社3社は、9月末までに「共通KPI」を相次いで発表した。各社が直接販売した投資信託の評価損益が3月末時点でプラスだった顧客の割合はいずれも高水準だった。 「共通KPI」は金融機関がどれだけ顧客本位で投信を販売しているかを「見える化」するための指標で、金融庁が投信の販売会社に自主的な公表を求めている。運用損益別の顧客比率は、投信の販売会社における比較可能な「共通KPI」として3つある成果指標のうちの1つ。 含み益だった顧客の比率はセゾン投信が84.9%、レオス・キャピタルワークスが91%、コモンズ投信が97.7%だった。金融庁が銀行29行を対象に実施した調査では含み益が55%程度だったが、独立系運用会社はこれを大きく上回った。ネット証券の4社合算(SBI証券と楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券)の63.8%よりも高かった。 独立系の直販ファンドは運用成績が比較的良好なことに加え、積み立て投資の利用が多いこともあって、含み益の顧客比率が高かったとみられる。共通KPIの対象は3月末時点で顧客が保有している投信に限られ、それまでに売却して利益を確保したり損失が出たりした場合は含まれない。 コモンズ投信の発表資料によると、同社で毎月定額を購入する「つみたてプラン」の利用者は3月末時点で全体の79%にのぼる。直販の年代別口座比率では、6人に1人(16%)が20歳未満。同社では子どもの教育費などを計画的に積み立てる「こどもトラスト(未成年口座)」サービスを提供している。 また、セゾン投信が発表した「口座開設年別損益状況分布」によると、保有期間が長いほど評価損益がプラスの顧客比率が高い傾向がある。2010~12年に口座を開設した顧客はすべて含み益だった。 (QUICK資産運用研究所)

ネット証券で残高上位の投信、運用効率が高い傾向 共通KPIで比較

ネット証券大手のSBI証券と楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券の4社は、投資信託の販売が顧客本位に運営されているかどうかを「見える化」して評価するための3つの共通KPI(成果指標)を8月下旬に発表した。金融庁は投信を販売する金融機関に自主的な開示を求めており、銀行や証券などの発表も相次いでいる。QUICK資産運用研究所では、ネット証券4社の合算分や各社の運用損益別顧客比率などの比較をまとめた(図表A)。 ■投信で含み益の顧客比率、ネット証券が銀行を上回る 3月末時点で保有する投信の評価損益(含み損益)がプラスだった顧客数の割合は、4社合算で63.8%だった。金融庁が銀行29行を対象に実施した同時点の調査はプラスが55%程度だったが、ネット証券ではこれを10ポイント近く上回った。 ネット証券で含み益の顧客比率が銀行より高かったのは、購入手数料がかからないノーロードの投信を多く取り扱っているのが一因とみられる。積み立て投資を利用する顧客が相対的に多く、損失が広がりにくいことも寄与した可能性がある。 ■SBI証券は償還・全売却分を含め公表 金融庁が金融機関に自主的な公表を求めている共通KPIの調査対象は、3月末時点で顧客が保有している投信に限られ、それまでに償還・全売却して利益を確保したり損失が出たりした場合は含まれない。このため全体像を把握しにくいとの指摘がある。 SBI証券は、共通KPIの調査対象(3月末時点の顧客保有分の評価損益)に加え、過去に償還・全売却された分の実現損益を含むトータルの運用損益を公表した。評価損益がプラスの顧客数は全体の64.7%だったのに対し、償還・全売却分を含むトータルではプラスが71.1%にのぼった。 同じデータを8月末に公表した三菱UFJ銀行でも、運用損益がプラスだった顧客の割合は、償還・全売却分を含むトータルが共通KPIの評価損益を上回った。 ■楽天証券はファンドラップのデータも公表 楽天証券が公表したファンドラップ(楽ラップ)の顧客を対象にした評価損益はプラスが全体の53.9%と、同社の顧客が保有する投信全体の62.9%を下回った(図表B) 。損益区分別にみると、マイナス10%からプラス10%未満に集中した。 顧客が金融機関に運用を一任するファンドラップは、投資対象資産が異なる複数のファンドに分散投資するため、大きく損失が出たり利益が出たりしなかったとみられる。三菱UFJ信託銀行やみずほ証券のファンドラップも、同じ損益区分に顧客比率が集中した。 ■ネット証券の残高上位ファンド、運用効率が高い傾向 ネット証券4社は共通KPIのうち、残高上位20銘柄のコスト・リターン(5年年率)とリスク・リターン(同)の分布もそれぞれ公表した。4社の残高加重平均値と、QUICK資産運用研究所が試算した市場全体の残高上位20銘柄のデータを比較したのが図表Cだ。 これを見ると、ネット証券で預かり資産(残高)が大きい投信は、市場全体の残高上位銘柄よりコスト対比のリターン(=リターン÷コスト)が高いことが分かる。リスク1単位あたりのリターン(=リターン÷リスク)も市場全体を上回り、運用効率も相対的に高い傾向にある。この2つの指標については、対象が設定後5年以上のファンドに限られるため、金融機関によっては直近の売れ筋ファンドが含まれないケースがある。 (QUICK資産運用研究所)

投資ビギナー×つみップ 「お薦めの1本は?」

金融庁が12日夜に投資初心者を対象に開いた「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)には約40人の個人投資家が集まった。積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に2017年4月から始めた個人との意見交換会で、投資経験3年未満に対象を絞った「つみップ Rookies」の開催は今年1月以来の2回目。参加者からは「つみたてNISAを始めるにあたり、お薦めの1本は」といった直球の質問も飛び出した。 ■インターンの学生も参加、「ハッピー・マネー教室」紹介 今回のつみップは一般参加者に混じって、金融庁のインターンシップ(就業体験)に参加している大学生十数人も飛び入り。インターンでの「家計の『貯蓄から資産形成へ』の流れを後押しするため、若年層の投資への関心を高めるには、どのような方策が考えられるか」というテーマの討論をまとめたプレゼンテーションを控え、投資初心者の生の声に触れる貴重な機会になったようだ。 冒頭で金融庁が8月に小学生を対象に開いた「小学生のためのハッピー・マネー教室」(講師:岡本和久氏)の様子を動画で紹介した。「お金は感謝のしるし」「お金はあくまで幸せになる一つの方法」「お金を増やすにはどうしたらよいか」といった内容の講義は、一般公開されるようだ。 ■質問は多岐に、識者やブロガーが丁寧に回答 金融庁のつみップ担当職員がつみたてNISA誕生の背景や内容、長期・分散・積み立て投資の効用、対象商品や資産形成にあたって重要となるポイントなどを説明した後、参加者からの質問を受け付けた。多岐にわたる質問に対しては、金融庁職員に加え、経済評論家の山崎元氏らの識者と、著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、吊られた男さん、水瀬ケンイチさん、NightWalkerさんが丁寧に答えた。 【参加者からの質問(要旨)】 ・説明資料中の金融資産「ゼロ」世帯の定義 ・子供への投資教育に対する取り組みの現状 ・初心者から中級者にステップアップするにはどうしたらいいか ・今後、子供の教育費がかさむ中、生活防衛資金とリスク資産に振り向ける資金のバランスをどう考えるのが適当か ・投資の勉強に役立つお薦め本を教えてください ・「ウォール街のランダム・ウォーカー」に書かれている間違いとは何のことか ・税制改正要望として挙がっている「海外転勤などでNISA口座保有者が一時出国時にもNISA口座を継続利用可とする」件の実現度 ・まとまった資金がある場合、一括投資した方がいいのか、それとも時間分散して投資すべきか ・つみたてNISA対象商品にアクティブ運用型のファンドが含まれている意味合い ・妻の父が新興国債券で運用する毎月分配型ファンドを保有している。ファンドに関するネガティブな話を良く聞くので、解約を薦めたいがどう説得したらいいか ・債券のみで運用するファンドはつみたてNISAで対象外となっている。株式との分散投資効果を考慮して、債券型のファンドを一般口座で購入した方がいいか ・家族も一緒につみたてNISAを行う時、投資商品は同じものに揃えるべきか ・投資する前に、どれくらいの知識が必要か ・これからつみたてNISAを始めるにあたり、お薦めの1本はどれか ■先進国株式や全世界株式インデックスファンドがお薦め 【識者やブロガーからの回答(抜粋)】 ・本を読むのはいいが当たり外れがある。水瀬氏のブログで紹介されている本がお薦め ・投資のお薦め本を一冊に絞るとすると「ウォール街のランダム・ウォーカー(日本経済新聞出版社)」を薦めるが、一部、間違いもある。それは本の400ページあたりに出てくる「投資の保有期間が長くなるとリスクが低減する」という記述でこれは金融理論上、誤り。 ・4月に開催された「つみたてNISAフェスティバル2018」で「はじめての投資! おススメの一冊 ベスト10」が発表されている。それも参考になる。 ・本を一冊読んでから投資をスタートする方が長続きする。その一方で、本を読むのは大切だが、投資を始めてから勉強する方が実践的との意見も。 ・つみたてNISAの投資手法であるコツコツ投資(ドルコスト平均法)は「気休めに過ぎない」という考えが示された一方で、コツコツ投資の方が心理的な面で有効という意見も少なくなかった。ブロガーからは母親がリーマン・ショック前に一括投資の高値づかみをして、元本回復に数年かかった実例も紹介された。 ・お薦めの1本については、先進国株式インデックスファンドを挙げた人が多く、続いて全世界株式のインデックスファンドが2名、日本株と8資産均等型のバランス型インデックスファンドも挙がった。具体名としては三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」とニッセイアセットマネジメントおよび楽天投信投資顧問のファンドが推された。 ■専門用語の説明集があるとより初心者向き 参加者には今年からつみたてNISAを始めたばかりという20~30代が目立った。「色々な角度からの意見がよかった。自分の今の投資内容に問題がないのを再確認できた。若い自分と同世代の投資家に出会えたのは心強く、老後のことを真剣に考えてみようと思った」といった声が出ていた。 また「バッサリ考えを述べる山崎氏に加え、優しく寄り添う感じで話すブロガーの方々などいろんな意見を聞くことができ勉強になった」(30代男性会社員)、「自分も初めはインデックスファンドとアクティブファンドの違いが分からなかった。関連する専門用語の説明集が資料に付いていると『初心者向け』にはより効果的ではないか」(20代女性会社員)といった感想も聞かれた。 ブロガーからは「説明をより分かりやすく工夫するべきだった気がする。例えば、債券の話にしても金利と債券価格の関係が分からないと理解が難しかったのではないか」「質問をその場で考えるのは人によっては難しい。少し間を置いて考えをまとめる時間などがあってもいいのではないか」「フレッシュな顔ぶればかりで、RookiesにはつみたてNISA普及の原点を感じる」という感想が漏れた。 初心者と言っても若者とは限らず、ベテラン投資家の50代後半の男性会社員が同世代の妻を連れて参加。「老後は妻や社会人になった子供と一緒に資産運用したいので、妻にもつみたてNISAのことを知ってもらいたい」と話していた。 つみたてNISAの投資家層は年齢を問わず徐々に広がりつつある。   ▽つみップのサイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

SBI証券、投信で顧客の7割超が利益 全売却分含め公表

ネット証券大手のSBI証券と楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券の4社は28日、投資信託の販売が顧客本位に運営されているかどうかを「見える化」して評価するための「共通KPI」(成果指標、3月末時点)をそれぞれ発表した。このうちSBI証券は、金融庁が金融機関に対して自主的な公表を求めている共通KPIだけでなく、独自の指標も公開した。 SBI証券は3月末時点で顧客が保有する投信の評価損益に加え、3月末までに償還・全売却された分の実現損益を含むトータルの運用損益を公表した。また、楽天証券はロボアドバイザーの「楽ラップ(ファンドラップ)」の運用損益を公表した。 4社は共通KPIのうち3月末時点の運用損益別顧客比率(4社合算分)を共同で発表した。4社で保有する投信の評価損益がプラスだった顧客数は全体の63.8%だった。対象は3月末時点で顧客が保有している投信に限られ、それまでに全売却して利益を確保したり損失が出たりした場合は含まれない。 SBI証券の共通KPIを見ると、3月末時点で投信を保有する顧客の64.7%で運用損益がプラスだった。独自に公表した過去の償還・全売却分を含むトータルの運用損益(評価損益と実現損益の合計)は71.1%の顧客がプラスとなり、共通KPIベースを上回った。 金融庁が金融機関に公表を求めている共通KPIは、調査時点で投信を保有している顧客だけが対象。過去に投信をすべて売却するなどして損益を出した顧客の分が含まれないため、全体像を正確に把握しにくいとの指摘があった。 楽天証券の共通KPIは、3月末時点で投信を保有する顧客で運用損益がプラスだったのは62.9%。独自に公表した「楽ラップ」に絞った運用損益はプラスが53.9%だった。 マネックス証券の共通KPIを見ると、運用損益がプラスの顧客は64.2%、カブドットコム証券は62.0%だった。 ◇SBI証券の発表資料はこちら ◇楽天証券の発表資料はこちら ◇マネックス証券の発表資料はこちら ◇カブドットコム証券の発表資料はこちら ◇ネット証券4社の発表資料(楽天証券のサイト)はこちら (QUICK資産運用研究所)

投信で含み益、顧客の6割超で ネット証券4社

ネット証券大手のSBI証券と楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券の4社は28日、63.8%の顧客は保有する投資信託の評価損益がプラス(4社合算、2018年3月末時点)だったと共同で発表した。金融庁が銀行29行を対象に実施した同時点の調査ではプラスが55%程度だったが、ネット証券では含み益が出ている顧客の割合がこれより10ポイント近く高かった。 対象は3月末時点で顧客が保有している投信に限られ、それまでに全売却して利益を確保したり損失が出たりした場合は含まれない。ネット証券で評価損益がプラスの顧客が比較的多いのは、購入手数料がかからないノーロードの投信を多く取り扱っているためとみられる。積み立て投資を利用する顧客が相対的に多く、抱える損失が広がりにくいことも寄与した可能性がある。 投信を保有する顧客の損益は、金融機関がどれだけ顧客本位で取り組んでいるかを「見える化」するための「共通KPI」(成果指標)の一つ。金融庁が6月末に3つの成果指標を公表し、投信を販売する金融機関に対して自主的な公表を求めた。運用損益別の顧客比率のほかに、残高上位20銘柄のコスト・リターン(5年年率)の分布と、リスク・リターン(同)の分布がある。   ◇ネット証券4社の発表資料(楽天証券のサイト) ◇SBI証券 ◇楽天証券 ◇マネックス証券 ◇カブドットコム証券 (QUICK資産運用研究所)

金融庁、新体制初の「つみップ」 運用5社の生の声に質問続々

金融庁が27日夜、同庁発足以来の大規模な組織改正後としては初めてとなる「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)を開いた。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に2017年4月から始めた個人との意見交換会。終了後の懇親会ではつみたてNISAの推進を統括する新旧幹部が引き継ぎを兼ねて挨拶に立ち、貯蓄から資産形成への流れを促す政策の推進に向けた変わらぬ姿勢を強調した。 ■参加者は男女が半々、20~30歳代で半分 今回の参加者は約40人で、男女の比率はほぼ半々。年代別は20~30歳代で全体のほぼ半分を占め、投資経験は3年未満と経験なしが半数に達した。懇親会では20~40歳代の働く女性が目立った。 つみップは運用会社5社(大和証券投資信託委託、ニッセイアセットマネジメント、三菱UFJ国際投信、楽天投信投資顧問、バンガード・インベストメンツ・ジャパン)の幹部がつみたてNISAへの取り組みを説明し、参加者から質問を受ける形で進行。登壇する運用会社の調整に当たってはブロガーの要望も参考にしたようだ。ゲストには著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、水瀬ケンイチさん、NightWalkerさんの3氏に加え、経済評論家の山崎元氏らを迎えた。 金融庁職員が冒頭で「なぜ、つみたてNISAなのか」「制度の意義と個人にとってのメリット」などを資料に沿って説明。つみたてNISA対象の投資信託が7月20日時点で155本と、当初から50本ほど増えたことも紹介した。 ■つみたてNISAも投信も知らない層が6割 運用会社各社の説明を以下にまとめた。 (大和証券投資信託委託) ・同社のファンドマネジャー25名に「つみたてNISA」で投資するとしたら、というアンケート結果を紹介。アクティブ型よりもインデックス型を選ぶ人が多く、国内株式型よりも海外株式型を多く選好しているなどの特徴があった。 (ニッセイアセットマネジメント) ・6月29日に<購入・換金手数料なし>の「なしなし」シリーズで4回目となる信託報酬の引き下げを実施。5月末時点のシリーズの純資産総額は合計1404億円と増大している。 (三菱UFJ国際投信) ・毎月実施している「つみたてNISA」1万人認知度調査の7月版を紹介。6月時点の認知度は上がっておらず、前月より低い26.6%。特に地方での認知度がやや低い傾向。つみたてNISAはもちろんのこと、投資信託も知らない層がまだ約6割もいる。 ・男女比率では女性の認知度が男性よりも低く、男性は年代間の認知度格差が小さいのに対し、女性は20代が低く、年齢が上がるとともに認知度アップの傾向。ただし、女性の認知度は07年9月時点の調査開始時より上昇中。 ・各社の代表的なノーロード・インデックスファンドの純資産総額の合計は6月末時点で1兆円突破が間近。資金流入額はNISAが始まった14年に年間で1400億円まで急拡大。18年は半年で既に1800億円集め、これまでの年間で最大を記録した15年の約1700億円を上回っている。 (楽天投信投資顧問とバンガード・インベストメンツ・ジャパン) ・米国株指数連動のインデックスファンドとしてS&P500連動型の組成も検討したが、低コストを追求するうえで、指数使用料のハードルが高く断念し、バンガード社の米国株ETFに投資する仕組みを採用した。 ■参加者から質問続々も時間切れで打ち切り 参加者およびブロガーからの質問を以下にまとめた。 ・低コスト化による薄利の極みの状況下で、販売会社からは何か言われないのか。 ・投資家が損しても売り急がないよう、運用会社としてはどのようにアドバイスするか。 ・注目している他社のファンド名を具体的に教えてください。 ・低コストで費用があまりかけられない中、どのようにマーケティングしているのか。 ・金融資産「ゼロ」世帯の金融資産には普通預金の他、年金も含まないという理解で正しいか。 ・2014年以降ノーロード・インデックスファンドへの資金流入額が急増したという説明を受けたが、その一方で、日銀が資金循環統計を見直した結果、家計の投信保有残高が増えていないことが判明した。金融庁はこの状況をどう捉えているか。 ・低コスト化が進む中、直販への進出を検討している会社は手を挙げて教えてください。 ・繰り上げ償還される可能性はあるか。 ・資産配分(アセット・アロケーション)に関するアドバイスやツールを金融庁が個人に提供する可能性について。 ■参加者からは「運用会社の生の声はやはり違う」の声 質問は時間切れで打ち切りとなるまで続いた。参加者から時間があれば「例えば、ドイツ、インド、スウェーデンの各1カ国の株式集中型など、インデックスファンドの投資対象地域が今後増える可能性はあるのか」「日本株インデックスファンドの信託報酬の方が先進国株型よりも高止まりしているのはなぜか」といった質問をしたかったといった声が出ていた。参加者からの感想を以下にまとめた。 ・制度説明の時間を削ってでも、質疑応答の時間をもっと長く取った方がよかった。 ・運用会社の生の声を聞けるのは貴重な体験。ネットで調べるとのはやはり違う。 ・運用会社が低コスト化に色々苦心しているのがよく分かった。 ・他社の注目ファンドは『株式型』など抽象的ではない具体的なファンド名を聞きたかった。 ・損をした時の対処など自分のやり方が間違っていないのを再確認できてよかった。 ・自分のように50歳代の主婦でも投資を始められる。成人した息子のつみたてNISAの商品選びについて家族で話し合うのにも、いいきっかけになった。 ・楽しかったが、正直なところ理解できなかった説明内容も多い。全面的に初心者向けのつみップを期待したい。 ・インド株指数が認定されれば、低コストのインド株連動型ファンドの設定を前向きに検討するという運用会社の話をじかに聞けた。 ・女性と若い人の参加が多いのは「つみたてNISA」の趣旨に合ったとてもよい状況。  (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

投信「半数の個人が損失」の驚き 金融庁の共通指標どう読み解く

「投信で損失、個人の半数」「銀行投信の個人客、半数が損失」--。金融庁が金融機関の投資信託販売における「顧客本位の業務運営」を客観的に評価できる共通の成果指標(KPI)を6月29日に発表したのにあわせて、発表資料の別紙に掲載されていた金融庁の集計・分析結果をメディアなどがこぞって取り上げた。SNS(交流サイト)などではヘッドラインがひとり歩きし、「投信=損失」「投信=危険」といった論調の書き込みも目立っている。もっとも共通KPIの定義をよく読むと、必ずしも実態を映しているとは言えない面がありそうだ。 ■運用損益別顧客比率、全部売却済みの銘柄は集計対象外 共通KPIの「投資信託・ファンドラップの運用損益別顧客比率」は一定の条件で各行が算出。金融庁は資料の別紙に主要銀行や地方銀行の計29行をとりまとめた結果を掲載した。その対象は、基準日(今回は2018年3月末)時点で①投資信託およびファンドラップを保有している顧客②対象顧客が保有している投信--などだ。 すなわち基準日時点で全部を売却してしまった銘柄が含まれないのがポイントだ。集計では46%の個人が損失を抱えているという結果になったが、「利益確定を目的に全部が売却された投信を加えれば、損失を出した投資家は共通KPIよりも少ない」(地方銀行)との指摘が出ている。 2012年末以降のアベノミクス相場で日本株高・円安が進んだのに加え、この間は海外株も堅調に推移しており、長期で投信を保有すれば利益が出やすい環境にあった。金融庁の集計・分析でも「顧客の投資信託の平均保有期間と各販売会社の運用損益率0以上の顧客割合」は、長期保有していると利益を得られやすい傾向を示した。 だから3月末で半数近くの個人が損失を抱えているとしたら、含み益のある投信を解約して別の投信に乗り換えさせることで購入時手数料を稼ぐ「回転売買」の影響を懸念すべきかもしれない。今年は3月にかけて世界的に株価が調整局面にあったから、短期保有の投信は損失が出やすい環境だった。 もちろんその逆もしかりだ。含み損が膨らむのに耐え切れずに売却した投信は集計に含まれていないから、実態以上に良く見えている可能性も否定できない。実際に「利益確定と損失限定の解約は同じぐらいだから、共通KPIは実態に近い」(別の地銀)との声も聞かれた。 ■共通KPIは販売会社を評価する「ものさし」 SNSでは「投信はギャンブル」「タンス預金が正しい」といった投信の商品性そのものを問う声があがっているが、今回の共通KPIはあくまでも販売状況の「見える化」で、販売会社の姿勢を評価する「ものさし」のひとつだ。積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」が象徴するように、金融庁は投信を個人の資産形成の中核商品と位置付けている。 QUICK資産運用研究所が17年12月に約5000人の20~60代の個人を対象に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」では、「現在投資をしていない理由(複数回答あり)」の首位は「損をしそうだ(過去に損をした)から」が最多の36.7%だった。販売会社に「顧客本位の業務運営」を促すために設けた共通KPIだが、投信の悪いイメージにつながるようだと、貯蓄から資産形成への流れに水をさしかねない。 ◇金融庁の発表資料はこちら 【比較可能な共通KPI】 ①運用損益別顧客比率 投信(ファンドラップを含む)を保有している顧客について、基準日時点の保有投信の購入時以降の累積運用損益(手数料控除後)を算出し、運用損益別に顧客比率を示す。個々の顧客が保有している投信について、購入時以降どれくらいのリターンを得ているかがわかる。 ②投信預かり残高上位20銘柄のコスト・リターン ③投信預かり残高上位20銘柄のリスク・リターン 設定後5年以上の投信の預かり残高上位20銘柄について、銘柄毎および預かり残高加重平均のコストとリターンの関係、リスクとリターンの関係を示す。中長期的に販売会社がどのようなリターン実績を持つ商品を顧客に多く提供してきたかを確認できる。 (QUICK資産運用研究所 伊藤和之)

著名ブロガーも金融庁職員も熱く語った 「インデックス投資ナイト」盛況

指数連動型運用を志向する個人投資家にとって夏の恒例行事となった「インデックス投資ナイト」が今年は七夕の7日夜に東京・渋谷のイベントハウス型飲食店「東京カルチャーカルチャー(運営はイッツ・コミュニケーションズ)」で開かれた。今回で11回目を迎えたイベントは年々注目度が増し、入場券は即完売。約160人が集まり、満員御礼となった会場を、QUICK資産運用研究所の研究員が突撃取材した。 2時間半にわたるイベントは三部構成。第一部は、たぱぞう氏(米国株投資ブロガー)、水瀬ケンイチ氏(インデックス投資ブロガー)、田村正之氏(日本経済新聞社 編集委員兼紙面解説委員)の3人が対談し、進行役はイーノ・ジュンイチ氏(投資ブロガー)。この数年は米株式相場が絶好調とあって、「米国株投資と国際分散投資、どっちがいいの?」をテーマに議論を交わした。 第二部は金融庁で個人投資家向け意見交換会「つみたてNISA Meetup(通称:つみップ)」を担当する今井利友氏(総務企画局 政策課 総合政策室 金融税制調整官)に対して、参加者が自由に質問。進行役は実行委員長のASK氏(投資ブロガー)が務めた。 第三部は、カン・チュンド氏(晋陽FPオフィス代表)を進行役に、ゆうき氏(投資ブロガー)と個人凍死家テリー氏(投資ブロガー)、山崎元氏(経済評論家)と竹川美奈子氏(ファイナンシャル・ジャーナリスト)の2組がそれぞれ「インデックス投資を継続するためのメンタリティ」の考え方を披露した。 登壇者のブロガーはゴーグルで目を隠したスノーボーダー・スタイルや、カモがネギをしょってくるのを風刺したかぶり物を身につけるなど、ユーモアたっぷりの姿で登場。登壇者からは「ビールを生で3杯ください」「私はワインがほしい」といったお酒の注文が次々と出され、舞台上はくつろぎ感が広がった。 もっとも参加者は登壇者や会場内のスクリーンを凝視しながらメモを取るなど真剣そのもの。知的探究心を満足させるには十分な内容だったようだ。金融庁で積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」の普及促進を中心とした広報活動に携わる女性職員も「内容のレベルは結構高く、自分でも勉強になった」と話していた。 ■「投資はストーリー」「自分のライフスタイルに合った投資を」 登壇者の熱い話に会場からは共感や賛同の意を示す拍手が度々起こった。コメントをまとめた。 「投資はストーリー。自分の投資の軸があれば、多少、運用成績が上下しても動じなくてすむ。動じないために心の中で投資の砦をつくること」「米国株でも国際分散投資でもどちらでもよい。自分の主張を通すために、他人のやり方を批判する必要はなく、多様性の中を生きている者どうし、お互いの意見を尊重すればいい」(たぱぞう氏) 「個別株に投資するには分析の時間が相当必要。自分はその時間を割くことができなかったので、ほったらかし投資ができる国際分散のインデックス投資にたどりついた」(水瀬氏) 「米国株の好調さは、企業経営者が利益を設備投資に回さず株主を重視する『短期経営主義』に支えられている面があり、『追い風参考記録』程度にみておくのがいいかもしれない」(田村氏) 「つみたてNISAなどNISA制度の恒久化に尽くしていきたい」「NISA制度の使い勝手をよくするには個人の非課税限度額の管理をしっかり行う必要があるが、実現にはブロックチェーン(分散型台帳)技術が使える可能性もある」(今井氏) 「自分は相場の上げで利益確定、下げで買いなど現金の比率を大きく調整するが、基本は一度買ったらそのまま保有するバイ&ホールドがおすすめ。長期運用の途中で退場しないためには、経済の仕組みや歴史を知ること、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用を知ることが大切」(ゆうき氏) 「ルールを決めて投資を始めた方は、何があってもそのルールを踏襲すること。そのうえで、興味のある個別株などインデックス投資以外を試すのがあってもいいと思う」(個人凍死家テリー氏) 「人についていってはいけない。自分のリスクは自分だけのもの。仕事の状況、収入、負債など自分の置かれている現状を把握して自分のライフスタイルに合った投資スタイルを見つけていって欲しい。投資方針書を作成するのも効果的」(竹川氏) 「投資額は許容できる損失額を目安に決めるのがいい。例えば、老後に65歳から95歳まで30年(360ヵ月)生きるとして、毎月の生活費が1万円減ってもいいなら360万円の損失が許容できるということ。投資額に対して最悪の場合に3分の1は損するとみなすと、投資可能額は360万円の3倍の1080万円になる」(山崎氏) ■参加者も「新たなつながり」「ホンネで語り合い」 主催者、登壇者、参加者に感想を聞いたところ、こうした交流の広がりを喜ぶ声が目立った。参加者の声をまとめた(名前はブログやツイッターのハンドルネームを含む)。 「本年も関心の高い個人投資家の方々が集まり、刺激的な良い交流の機会になったのではないか。会も盛況で、投資家自身が企画・開催していることに意義があると思うし、チケットが数分で完売になるほど多くの方が参加してくれとても光栄」(実行委員長のASK氏) 「例年以上の盛り上がりになったようだ。女性の比率も上がってきており、世の中的に投資が少し身近になってきたのかもしれない。10年間ずっと裏方の企画・運営をやってきて11年目にして初登壇。登壇者はこんなにも緊張するものなのかを知ると同時に、こんなにも楽しいものなのかと、改めて感じた」(実行委員の水瀬ケンイチ氏) 「実行委員の間でいちばん苦労したのは、インデックス投資をテーマにするマニアックなイベントで毎年違う内容を組み立てること。それでも今年も充実した内容を提供することができ、多くの参加者に楽しんでもらえてよかった」(実行委員のイーノ・ジュンイチ氏) 「実行委員は6人全員がボランティア。おおよその流れは事前に取り決めるが、細かくは決めておらず、本番はどうしても登壇者任せの面がある。今回は登壇者の人柄や巧みな話術でうまくまとまった感が強かった。懇親会もツイッターでは知っていても会うのは初めての方とも話ができ、大変有意義だった」(実行委員のkenz氏) 「いくつか課題は散見されたが、ツイッターやブログ等の反応をみるに、おおむね成功だったのではないか。これもひとえに参加者、登壇者、会場運営の東京カルチャーカルチャーのスタッフ、そして会場に来られなかった多くの参加希望者あってのものと感謝。本業を持ちながらも手弁当で企画を練り上げた、すばらしい実行委員会のメンバーに出会えてよかった」(実行委員のyb氏) 「新たに投資を始めた方の参加が例年以上に多く、投資への関心が増えていることを実感。ここ数年、『インデックス投資が報われた時代』になっているのは素直にうれしい。今後、厳しい相場環境がまたやってくるかもしれないが、そんな時にも投資家、そして自分への支えとなるよう、この会を長く続けていきたい」(実行委員のセロン氏) 「お台場で開催していた時から、チケットを取ろうとしても買えなかった。それが今回登壇者として参加できたのは大変うれしい。壇上のビールはうまさ格別。ついつい話しすぎた。10年の年月を経て、こうして着々と投資が広がり、偏見が薄れていく。私としては米国株をコアとした幅広い投資をこれからも発信していきたい」(たぱぞう氏) 「インデックス投資は本来、派手ではなく地味な分野。それにも関わらず、年々参加希望者が増えているのは、市場平均以上の運用パフォーマンスを追い求めるのが合理的な選択とは言えないとの考えが広がってきたからかもしれない。つみたてNISAの開始で運用コストが下がってきたのも影響している」(山崎氏) 「10年前に比べ、初心者や女性が増えてきた印象を受けた。コツコツ投資を続けるには『自動化(しくみ化)する』『ルール化する』『仲間を作る』のが大事。登壇者の話を聞くだけでなく、資産形成をしている仲間と交流できる機会があるのはよいことだと思う」(竹川氏) 「『株価が下がっているときの方が楽しい』という話をした。市況が悪化した時に株式の比率を上げていく私の投資法に起因しているが、こうしたタイミングを見て株式比率を上下させる手法には理論上の正当性はなく、他人には勧められないので、妻や友人にはつみたてNISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)での国際分散・積み立て・バイ&ホールドの投資を勧めている」(ゆうき氏) 「『かつて投資で後悔するという失敗をした』一人として、話をする機会を得た。これまでと比べて20代、30代の参加者が明らかに増え、インデックス投資、広く言えば資産形成が多くの若人に浸透しつつあるのを肌で感じた。今後、市場を荒波が襲う時もあるかと思うが、そのような時にも多くが集える場として、本会が継続されるのを強く願う」(個人凍死家テリー氏) 「『投資を始めたのは2016年や2017年』として手を挙げた人が30名程度はいたが、初心者ほど、『仲間』を求めていると思う。マニアックではなく片手間でできるインデックス投資がもっとメジャーになってくれば、投資に対する偏見も薄れていくのではないか」(カン氏) 「インデックス投資の本質に迫るテーマ設定だったため、登壇者同士のやり取りがマニアックになり過ぎず、中級者の私にはちょうど良い内容で大変参考になった。『金融庁に何でも聞く』も面白かったが、時間が少し短かった。事前の質問受け付けや会場にいない人からツイッターで質問してもらう、といった形式を採り入れるともっと面白くなるのではないか」(けいのすけ氏) 「今年は投資の続け方・リスクへの耐え方が大きなテーマだった。つみたてNISAを始めた初心者が相場の調整で『もうやめよう』という気分になってしまう懸念がある中、『リスク許容度には経済的と気分的の2つの側面があるとの認識が重要』など、リスクへの向き合い方が語られたのは有意義だった」(安房氏) 「初参加。金融庁開催のつみップとはまた一味違う、有志の方々が開催という『自由度』のメリットを最大限に活かした、まさに『投資家による投資家のための投資イベント』。普段、孤独になりがちな個人投資家らが全国から一同に集まり直接対面し、有識者や著名な方々とも直接交流できるのが大きな魅力。『毎年発売数分でチケット完売』なのも納得」(アキウマレ氏) 「久しぶりの参加。第一部のブロガー対談では二人とも『インデックス投資を勧めている点』や『米国株ブロガーが急速に増え、米国株に少し過熱感を感じている』など、互いの意見に共通点も多く、冷静で客観的な双方の視点は参加者にとって、とても参考になったのではないか」(つばさ氏) 「今回のインデックス投資ナイトは色々な要素が網羅されていて良かった。初心者とマニアの両方を満足させるのは難しいが、その難しいところをなんとかしてみようという運営委員の皆さんの心意気が感じられた。楽しかった」(虫とり小僧氏) 「20代、30代の投資家、女性の参加者が近年で一番多かった。インデックス投資の裾野が広がっていることを実感。11回目ということで、内容が洗練されていた。ブロガー、有識者と司会者のテンポよいかけあいが見事だった」(ファイナンシャルアドバイザーの佐渡玉希氏) 「米国株投資と国際分散投資をそれぞれ実践しているブロガーさんのリアルな話や、金融庁の方の登壇など、工夫を凝らした演出で楽しかった。参加者に女性が増えていたことや皆さんが熱心にメモを取っていたのが印象的」(ファイナンシャル・プランナーの岩城みずほ氏) 「同じテーブルに、会社の確定拠出年金をどう運用するのか勉強するためにインデックス投資家のブログを読み漁り、初めて参加した方が二人もいた。世間一般ではまだまだ投資の普及は広がっていないが、それでも徐々に老若男女問わずインデックス投資が広まってきていると実感」(シオイ氏) 「印象に残ったのは『相場が下落してからその後にどうしようではなく、下落に耐えられるよう前もって準備するのが重要で、例えるなら、地震が起きてからではなくその前から対応しておくのと同じ』という竹川さんの話。話のあと、本当の地震が起きたのにはびっくり」(リバモ氏) 「初参加。20代~30代の参加者が多く、ツイッターやノートなどに真剣にメモをとって考えを学ぼうとする勉強熱心な人が多いと感じた。多種多様な考えがあるのを改めて感じ、他人の投資手法を否定する人が少なくない中、自分自身が満足できる損益がでていればそれでいい、ということを再認識した」(ずずず氏) 「初参加だったが開場直後にほぼ満員となっていてびっくり。女性の参加者が意外と多く、登壇者が遠慮なくお酒を飲んでいたのが面白かった。金融庁の人がこのようなイベントでメッセージを出すのは素晴らしい取り組みだと思う」(YUMA氏) 「老若男女が普段の属性をすべて忘れて、投資への関心というただ一点を共通項として存分に語り合う大規模なオフ会。参加者同士の間でもブログの匿名ハンドルネームや本名で紹介しあい、お互いが交流を深めていく。普段は話しにくい『投資』について、1年分の熱意を皆が存分に吐き出せた7月の夜だった」(WATANKO氏) 「インデックス投資のブログを昨年から始めた。多くのインデックス投資家との交流を深めたくて参加。自分と同じ個人投資家の話を生で聞けたのが印象的だった。有識者による説明とは目線の違う、投資家が今まで培ってきた経験を聞くことができる機会はなかなかなく、とても有意義」(もことん氏) 「東京以外では投資家が集まる大規模なイベントはなかなかない。全国の投資家と意見交換ができる貴重な場のため可能な限り参加。ツイッターやブログで面識のある方と実際に交流することができて大変有意義。第一部の対談の中での『自身の投資法を主張するために他人の投資法を批判する必要はない』というコメントが最も印象的」(くは72氏) 「お酒を飲みながら金融商品について自由に語るというのは、金融機関の後ろ盾がなくタブーのない運営スタイルだからこそ実現できると感じた。参加者の投資経験が本当に幅広く(半数以上がリーマン・ショック未経験者)、色々な先輩投資家と気軽に意見交換ができる貴重な機会となった」(眼鏡小僧氏) 「『インデックス投資に端を発した長期投資の裾野の拡がり』を感じた。参加者に若い人、女性もたくさんいて、『普通の人』が増えてきたような気がする。異なる投資スタイルの人に対しても、お互いを理解できるマインドが醸成されてきているのを感じられてうれしかった」(NightWalker氏) 「初参加。私の場合、投資・資産運用に関する情報収集は書籍やネットが中心で、誰かと会うことはなく、半ば孤独の状態。友人や職場の同僚と気軽に話せる話題ではなく、ましてや対面での情報交換や議論の機会は皆無。多くの参加者や運営者、登壇者の方々と交流でき、新たなつながりを持てたのに満足」(ザリガニ氏) 「初参加。雰囲気が想像以上にカジュアルなのが一番印象的。登壇者の方がお酒を飲みながらも真面目に投資について語らう。親近感を感じながらしっかり勉強させてもらった。懇親会でも、実行委員や登壇者の方とフランクに話ができたうえ、長期投資を志す個人投資家の皆さんと交流が図れた」(青井ノボル氏) 「2016年以来2回目の参加。たぱぞうさんの説明は説得力があった。水瀬さんは最悪の事態を少しでも回避できるように単一国投資にはしないということで、自分もビビリなのでこの意見に大きく賛同。平時にきちんと投資方針書を作成し、『自動化』『ルール化』『仲間をつくる』という竹川さんの説明は自分に突き刺さった」(Hiro_san氏) 「初参加。登壇者、参加者ともにお酒を飲みながらということもあり、一方的に講演を聞くのではなく、参加者も隣同士で自然に会話が始まり、特に誰に気遣うこともなく、ホンネで語り合えるいい機会だと思う」(ファイナンシャル・プランナーの横田健一氏) 「現在25歳。大雨で乗車予定の夜行バスが運休になり、予定の2倍近くの出費になったけど、それだけの価値があった。日常ではなかなか『投資の話』ができる相手や機会がなく、孤独感を抱きがちなので、インデックス投資をしている同好の士に会うことができたので大満足」(ミドノン氏) 「登壇者や参加者のみなさんの投資に対する考え方を学び、自分の投資について客観的に見つめ直すいいきっかけとなった」(30代養護学校職員) 「4~5年前に最初に参加した時より『普通』の方や『投資マニア』ではない方が増えたように感じた。女性も増え、カジュアルに参加しやすい雰囲気だった。コツコツ買えば、年に一回リバランスをする程度で済むのがインデックス投資。年に一回このような会で楽しく情報収集するのを楽しみにしている」(おぱる氏) ▼インデックス投資ナイトのサイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、望月瑞希)

投信販社の評価に共通3指標 金融庁、コストや収益を「見える化」

金融庁は29日、金融機関の投資信託販売における「顧客本位の業務運営」を客観的に評価できる共通の成果指標(KPI)を発表した。これまでは一部の販売会社が自主的に設定・公表してきたため、投資家が比較するのが難しかった。金融庁が長期的にリスクや手数料に見合ったリターンがどの程度かなどを「見える化」した3つの指標を導入したことで、今後は共通KPIと自主的なKPIの両方を総合的に判断して販売会社を評価することができる。 共通KPIは以下の通り。金融庁は販売会社が毎年3月末を基準として年次更新で公表することを期待している。 【比較可能な共通KPI】  ①運用損益別顧客比率 投信(ファンドラップを含む)を保有している顧客について、基準日時点の保有投信の購入時以降の累積運用損益(手数料控除後)を算出し、運用損益別に顧客比率を示す。個々の顧客が保有している投信について、購入時以降どれくらいのリターンを得ているかがわかる。  ②投信預かり残高上位20銘柄のコスト・リターン  ③投信預かり残高上位20銘柄のリスク・リターン 設定後5年以上の投信の預かり残高上位20銘柄について、銘柄毎および預かり残高加重平均のコストとリターンの関係、リスクとリターンの関係を示す。中長期的に販売会社がどのようなリターン実績を持つ商品を顧客に多く提供してきたかを確認できる。 共通KPIによって、販売会社が高コストの投信ばかりを売っていないか、リスクに見合ったリターンが出ている投信を販売しているかなどがより鮮明となる。販売会社は従来以上に「顧客本位の業務運営」の実践が求められそうだ。 ◇金融庁の発表資料はこちら 投資信託の販売会社における比較可能な共通KPIについて (QUICK資産運用研究所)

資産形成を本気で考える「官僚たちの夏」 霞が関セミナーに600人

国の省庁が集まる東京・霞が関にある文部科学省の講堂が20日夜、中央省庁に勤務する職員で埋め尽くされた。内閣官房内閣人事局、金融庁と厚生労働省が合同で開いた「霞が関iDeCo・つみたてNISAセミナー」に参加するためだ。 ■ライフプランに基づいた資産運用の考え方を解説 講師は独立系ファイナンシャルプランナー(FP)の神戸孝氏が務め、「ライフプランに基づいた資産運用の考え方とiDeCo・つみたてNISAの活用方法」と題した40ページあまりの資料をもとに、1時間半にわたって資産運用の考え方について説いた。 参加者は600人を超え、男女比は6対4、年齢は20、30、40歳代がそれぞれ3割前後だった。 神戸氏は「なぜ資産運用が必要か」「ライフプランとはどんなものでどう設計するか」「資産を運用するうえでのポートフォリオの作り方やメンテナンス方法」といった資産形成・資産運用の重要性や具体的な方法を解説。資産運用を2つに色分けし、儲けるためにドキドキ感のある「趣味としての投資」と、退屈で面白くないがお金に働いてもらう「仕事としての運用」があると強調した。個人型確定拠出年金(iDeCo)や積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の説明は概略にとどめた。 ■セミナー後に質問の列 金融庁はつみたてNISAの浸透策のひとつとして、働く職場を通じて普及を図る「職場つみたてNISA」の活用に力を入れている。中央省庁職員が率先して職場つみたてNISAを活用するのは、「まずは隗(かい)より始めよ」として国民に資産形成の手本を示す意味合いからも重要だ。今回の大規模セミナーはそのきっかけになりそうだ。 参加者は熱心に耳を傾け、真剣な面持ちでペンを走らせていた。講演後も20人近くが会場に残り、神戸氏への質問の順番待ちの列を作った。一般NISAとつみたてNISAの使い分け方法、アクティブファンドを選ぶ際のポイントなどの質問をぶつけた。1度目の質問を終えてからまた列に戻り、2度目の質問をしていた女性もいた。 セミナー開始前にも、テーブルに置かれた銀行や証券会社、生命保険会社の関連販売資料を受け取るために、大勢が列をなすなど、資産運用への関心の高まりがうかがえるセミナーとなった。中央省庁職員が自らの資産形成にも本腰を入れ始めた。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

学生投資連合×金融庁 「つみップ」参戦、質問攻めに

サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本が初戦を迎えた19日夜、多くの人が応援のために街に繰り出し始めた時間帯に、金融庁の会議室にカジュアルな服装の若者が集まった。金融庁が積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)普及の一環で開いている個人投資家向け意見交換会「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)に参加するためだ。 参加者は主に首都圏の大学の投資サークルで活動している約50人。理念に「学生と金融をつなげ、学生の金融リテラシーを高める」を掲げて、全国の投資サークルの取りまとめ役である「学生投資連合USIC(Union Students Investment Clubs)」が所属メンバーに声をかける形で実現した。 参加申込者の内訳は大学1~2年生が約7割で、3年生が約2割、残りが4年生と大学院生だった。ゲストとして、投信ブロガー「虫とり小僧」さんらも加わった。 ■「さあ、皆さんはどう思いますか?」に率直な質問が次々と 冒頭で金融庁の「つみップ」担当者が「つみたてNISA」を制度化した背景や個人にとってのメリットなどを解説。参加者が大学生ということで、金融庁の生い立ちや役割などの概略も説明した。 担当者からの「さあ、皆さんはどう思いますか?」という問いかけをきっかけに、大学生が次々と手を挙げ、率直な疑問や質問をぶつけた。 【大学生の疑問・質問】 ・成人年齢の引き下げが決まったので、親の同意無しに投資できる年齢も下がると想定される中で、学校での早い段階の投資教育が重要になると思うがどう考えるか。 ・投資信託の販売手数料が(欧米などと比べて)高止まりしているのはそもそもなぜか。 ・楽天ポイントで投資できるようだが、現状を知りたい。ポイント投資によって個人の金融資産を構成する現預金と株式・投信の割合はどう変わるのか。 ・手数料が高いというラップ口座についてどう考えているか。 ・つみたてNISAで長期に儲かる確率が高いのは分かったが、損するリスクはないのか。     ■多くは仮想通貨に関心、女性は「長期志向」との声も 投資サークルに入っていることもあり、多くは短期の個別株投資や仮想通貨への関心が高いものの、つみたてNISAへの関心はまだ低いようだった。つみたてNISAは成人にならないと始められないのを知らない学生も多かった。大学生が毎月一定額を投資するのは難しい事情もある。虫とり小僧さんは「話しかけてくる学生のほとんどが仮想通貨のことを聞いてきた」と話していた。  参加者はつみたてNISAに関心があったからというよりは、「一度、金融庁に来てみたかった。懇親会でゲストの方々と話をしてみたかった」という動機も多かったようだ。「金融庁のビルは格式が高く立派。入るのに少しドキドキ緊張したが、みんなと一緒なので大丈夫だった」という声が聞かれた。  投資サークルとは別に参加した女子大学生は「リスクをとっても起業(スタートアップ)にはとても関心があるが、投資で短期に儲けようとは思わない。つみたてNISAにも興味がある。女性の方が長期志向だからかもしれない」と話していた。  今回集まったのは既に株式や仮想通貨投資の経験があるか、または関心がある大学生だ。今後は「投資は怖い」と思うような若年層に資産形成をどう根付かせていくのかも課題になる。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

家族そろって「つみップ」 金融庁が都内で「ママ部」開催

金融庁が2日午後に都内で開いた「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)の「mama(ママ)部」は、家族連れを含む約30人の女性が参加した。今回は「経済に強いママを増やす会」と組み、新人ママ向けのイベントとして参加者を募った。 つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)に関する個人との意見交換会。昨年4月から開始し、これまで女性を対象とした「女子部」は3回、「mama部」は名古屋で1回開催していた。 ■家族連れで参加、立ったまま赤ちゃんをあやすママも 東京証券取引所の協力のもと、会場は東京証券会館(東京・中央)内のカフェと、東京開催では定番である金融庁の会議室を飛び出した。集まったママは、30代が4割弱、40代が4割強。ママに連れられた夫、赤ちゃんを含む子供十数人も参加した。家族で参加した投資経験8年の女性会社員は「夫につみたてNISAの良さを知ってほしい」と話していた。 泣きやまぬ赤ちゃんの声が場に溶け込んで自然と気にならないアットホームな雰囲気に包まれて進行。立ったまま赤ちゃんを抱っこし、あやしながら耳を傾けるママの姿も見られた。 川元氏(経済に強いママを増やす会) ■先輩ママから説得力あるアドバイス イベントの冒頭では、金融庁のつみップ担当職員が「今なぜ、つみたてNISAなのか」をテーマに制度の背景と狙いを説明。続いて、経済に強いママを増やす会を主宰する川元由喜子氏が「貯蓄と投資はどう違うの?」と題して講演した。 日本株ファンドの運用経験を持つ川元氏は「日本経済がデフレ期にあった過去の長い期間に、個人が現預金を保有したままだったのは間違った選択ではなかった。ただ、これから日本経済が長い目で見て成長するとみるならば、日本株市場全体に投資したほうが良い」と説いた。 また「株式投資は上がったり下がったりする紙切れを売買するイメージを持たれやすいが、ちゃんと実態が伴っている。会社の設備投資など経営活動に回り、会社の利益の増減が株式の価値に反映される」という点を企業のバランスシートの図と照らし合わせて解説した。 最後に、独立系ファイナンシャルプランナー(FP)の岩城みずほ氏は「誰でも始められる資産運用の方法」として「お金の人生設計」を「6つのステップ」に分けて考える方法を紹介した。投資商品や金融機関の決定は最後の最後で、まずは「人生設計の基本公式」を参考にするなどして、老後に必要となる毎月の積み立て額やリスク資産をいくら保有するかを決めるのが先と説明した。 岩城氏は老後の生活に備える以前の問題として、住宅ローンの支払いや教育費の工面の苦労があり、自身の体験からも「教育費は本当に大変。子供が進路を変更し当初の想定通りにはいかないことも」と早めの計画的な準備の大切さを強調した。 ■積極的な質疑応答が展開 少し遠慮ぎみに始まった質疑応答も、1人目が口火を切ると、積極的な質疑応答が展開された。概要は下記の通り。 岩城氏(ファイナンシャルプランナー) Q:「出口や20年後から先はどうしたらいいのか」 A:「いつ止めるかの出口をあまり考える必要はなく、淡々と積み立てていき、必要な時に必要な額を解約するのでいい。値下がりしていて解約したくなければ、現金から必要資金を充てるのでもいい。20年後も課税口座で積み立てを続けるのは可能」(岩城氏) 「『国民の資産形成になくてはならない制度』という声が高まれば、非課税期間の制約が撤廃され恒久化する可能性もある。英国がそうだった」(金融庁職員) Q:「ジュニアNISAの活用方法は」 A:「夫婦そろって『つみたてNISA』を満額活用することをまずは優先し、それでも余裕資金があれば『ジュニアNISA』を活用するという考え方でいいのでは。子供への投資教育を念頭に少額で『ジュニアNISA』を活用する使い道もある」(金融庁職員の個人的意見) 子供が成長した時に「長期・分散・積み立て投資」の成果を体感してもらうために、生きた投資教育の教材として「ジュニアNISA」を少額で使うというのは、子供思いのママの知恵かもしれない。子供2人と一緒に参加していた投資ブロガーの「アキウマレ」さんもそうした少額投資実践者の一人で、「3人の子それぞれの名義の『ジュニアNISA』で、毎月5千円ずつ積み立てしている」という。 ■夫からも質問の挙手 Q:「どのようなタイミングで投資内容を見直したらよいか」 A:「内外の株式・債券の4資産に分散投資するのが基本とされるが、国内債券型ファンドに関しては、今の金融緩和による低金利状態では運用コストを払ってまで投資する価値が乏しいのが一例」(岩城氏) A:「運用成績が良くないから見直すというのは間違いで、自分がとれるリスクを超えた時に資産配分を調整しリスクを抑えるのが正しい。最悪の場合、3割くらいは損することを覚悟し、2割くらいまで下がっても驚かず、慌てないのが大事。そこで売ってしまったら損が確定するが、長期には上昇し回復する可能性が高い」(金融庁職員の個人的見解) 「株価や投資信託の価格を毎日見る必要はない。値段を毎日チェックすると誤った判断につながりやすい」(川元氏) 質問の挙手は同行した夫からも上がった。 Q:「岩城氏のいう『お金の運用方法は誰でも同じ』には大いに共感する。低コスト化のおかげで運用コストの差が小さくなっている『つみたてNISA対象ファンド』の中で、最も効率的な運用をするにはどのような点に注目したらいいか」 A:「目論見書の運用方針や運用残高の伸びなどを自分でチェックして、自己責任で運用するのが大事」(岩城氏) ■つみたてNISA、7割が投信を初めて購入 金融庁職員によると、一般NISAの口座数は退職金などまとまった資金を持つ60歳以上の高齢層が半数以上。これに対して、つみたてNISAの口座開設者の85%が50歳代以下の現役世代でしかも、全体の約7割が初めて投信を購入したという。 投資初心者がつみたてNISAに向ける関心度合いは高い。つみップ参加者の投資経験もそれを裏付ける。今回の「mama部」は「投資経験なし」が全体の4割を占めた。5月に広島、福岡、姫路、大阪(女子部)で開催したつみップでは、「投資経験なし」が申し込み者のそれぞれ24%、12%、61%、34%だった。 「mama部」の参加者には「将来の教育費を工面」するうえでの「つみたてNISA」の活用が響いたようだ。2歳の子供を持つ女性は「教育費を準備するために学資保険に入っているので参考になった」という。別の女性は「一般NISAで投資しているが今年5年の非課税満期を迎える。高校生の子の学費はその収益を充てることになりそうだが、その後はどうするか思案中」と話していた。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

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