金融庁の本気度示す「つみフェス2019」 遠藤長官は強歩大会の前に登壇

金融庁が20日午後に東京・赤坂のイベント会場で開いた「つみたてNISAフェスティバル(#つみフェス2019)」は、緑色の服や小物を身に着けた約250人の個人投資家が集まった。積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」の普及を通じて、国民の安定的な資産形成を推進する金融庁の肝いりイベントも今年で3回目。田中良生・内閣府副大臣や金融庁の遠藤俊英長官が登壇し、個人投資家との交流を深めた。 <参加者の内訳> (性別)男性:73%、女性:27% (年代別)20代:14%、30代:36%、40代:31%、50代:19% (投資経験)なし:8%、3年未満:35%、3年以上:54%、過去に投資していたが今はしていない:1% ■田中副大臣「まいた種が豊かに実ってほしい」 最初の挨拶に立ったのは田中副大臣。「グリーンはつみたてNISAの公式キャラクター『つみたてワニーサ』」の色であると同時に、春の芽生えを感じさせる」と語り、「私もつみたてNISAを始めたところだ。まいた種が芽吹いて将来、豊かに実ってほしい」とつみたてNISAを活用した資産形成の広がりに期待を寄せた。 続いて、投資教育家として著名なファイナンシャル・ヒーラー(ヒーラーは「癒し」の意味)の岡本和久氏が基調講話に立ち、お金は汚いものではなく「感謝のしるし」と諭した。具体的な投資先については世界全体の株式を対象にしたインデックス投資を勧めた。 背景として、ノーベル経済学賞受賞の学説であり、現時点での株式市場には利用可能なすべての新たな情報が直ちに織り込まれているため、株価の予測は不可能としてインデックス運用の合理性を説明する「効率的市場仮説」などの専門的理論を紹介した。 ■遠藤長官「顧客本位は収益追求とのバランスの問題」 参加者から事前に募った質問を5つにまとめ、「長官に聞いてみよ~!」として、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)が遠藤長官にするどく切り込んだ。 (質問1)「つみたてNISA」のメリットを教えてください! (質問2)金融機関は、顧客本位の業務運営を怠っていた? (質問3)投資が当たり前になるような土壌を作れば投資家が増える? (質問4)幼少期に必要な金融教育とはどんなもの? (質問5)つみたてNISAの今後の方向性を教えてください! 遠藤長官は質問に丁寧に答えながら、補足する形でつみたてNISAを取り巻く金融行政の考え方も示した。遠藤長官の発言要旨は以下の通り。 ・目の前の顧客の長期的な利益に沿う商品の販売を行うのが顧客本位の業務運営の本来の姿。金融機関が収益を追求するのも大事だが、収益目標にとらわれるあまり、高い手数料の商品の回転売買で収益を上げるのは顧客本位とは言えない。金融機関の収益追求と顧客本位のバランスが大事。 ・顧客(投資家)も市場の短期的な動きに合わせて売買する近視眼的傾向が強い。(価格が)急落してもそこで踏みとどまり長期保有するのは難しい。 ・金融機関の販売窓口が顧客の投資リテラシーを高める投資教育を行う前線にいる。短期売買を勧めるのではなく長期保有するメリットをアドバイスするのも投資教育。 ・外貨建て保険を保険部分と運用部分に分け、運用部分については運用内容や手数料、コストなどを一般の投資信託と比較できるよう分かりやすい情報開示が求められる。 ・投資教育は親子で学ぶのが効果的。子供が面白がるのを見て、親がつみたてNISAを始めた例もある。 ・給与の振込先が銀行に限定される必要はない。利用者の安全性を守りながら、金融を銀行、証券会社といった業態別から預金・決済・送金などの機能別に整理する方向性を考えている。 ・つみたてNISAの制度恒久化については、恒久化が国民的要請であり優先度が高いことを政治に納得してもらう必要があり、そのためには利用者拡大の実績づくりが不可欠。 金融行政の事務方トップである金融庁長官が一般投資家向けイベントに「生出演」するのは異例で、金融庁のつみたてNISA普及に向けた不退転の強い意志を感じさせた。遠藤長官は「つみフェス」の終了後に、約80kmの道のりを夜通し歩く「強歩」大会に参加するとのことで、強歩用のウォーキング・シューズも会場からの視線を浴びた。 ■著名ブロガーが投資クリニック、生きた投資教育へのつながり 「つみたて投資クリニック」と銘打ったコーナーでは、投資経験豊富な著名投資ブロガーの虫とり小僧氏、たぱぞう氏、吊られた男氏、NightWalker氏の4人が登壇。虫とり小僧氏が進行役になり、事前に寄せられた個人投資家からの質問を「カルテ」としてスクリーンに映し出し、診断結果を説明した。 (カルテNo.1)投資信託での資産形成は、何年続ければ良いのか、一般的にどれくらいの金額と時間をかけているのか。(30代、男性) (カルテNo.2)世にあふれる投資話が玉石混交状態で、自分が何をしたらよいか分からなかった。(30代、男性) (カルテNo.3)昨年のように、現時点での推薦図書を教えてほしい。(50代~、男性) (カルテNo.4)マイナスの時も淡々と続けていたらその後の回復で報われたのに・・・(涙)(50代~、女性) (カルテNo.5)仕事で時間が足りません。(50代~、男性) (カルテNo.6)投資している人=仕事に身が入らない奴のようにきめつけられないか不安。(40代、男性) (カルテNo.7)長期投資では、どのタイミングで引き出すべきなのか?(20代、女性) (カルテNo.8)積み立て後、老後の資産の取り崩し方。出口戦略について知りたい。(40代、男性) (カルテNo.9)国内株式、外国株式、外国債券などもバランスを見て保有すべきでしょうか。(40代、女性) (カルテNo.10)投資信託を買っているが、米国株、世界株どちらに比重をおいて投資していくべきか。(30代、男性) (カルテNo.11)税金が不安。(年代・性別、記載なし) (カルテNo.12)今は2万円くらいプラスになっているので、元本割れする前に、売って益を確定させたくなってしまいます。(30代、女性) (カルテNo.13)ファンドの目論見書に前年の実質コストを明記して、実質コストでファンドを比較出来るようになったらいいのに・・・(30代、男性) (カルテNo.14)同様のファンドで、より信託報酬が低いものが出た場合、それに切り替えた方が良いのか?(20代、男性) ブロガーの診断結果は「20年くらいは続ける」「忙しい人はインデックス投資がおススメ」「出口は気にしなくていい」「推薦本は昨年のランキング上位などでいい。1年でそれほど変わらない」「米国株、世界株のどちらか自分で続けられそうなほうを選ぶ」「利益2万円で売却は論外。ここで売却せずに続けられるかどうかが長期の複利効果を得るうえでの勝負の分かれ目」「新たな低コストに乗り換えるのはよっぽどの時。つみたてNISAはファンドの乗り換え(スイッチング)が不利。売却せずに新たな買い付けを低コストの方にするのでいい」などだった。 紹介されたカルテはつみたてNISAの意見交換会(つみップ)でも同じように繰り返される質問だ。個々人でライフスタイルが異なるので、画一的な正解があるとは限らない中、個人が自分自身でなんらかの答えを出せるところに持っていくというのが生きた投資教育の目標ということになるのかもしれない。 ■パネルディスカッションは新規参入3社の幹部が登壇 締めくくりのパネルディスカッションは「金融業界に迫りくるITの波」と題し、膨大な数にのぼるスマホ利用者に対して各種金融サービスを拡充しようとしている3社(LINE Financial、KDDIアセットマネジメント、ソフトバンク)の幹部らが登壇。新規参入の動きが資産形成を取り巻く環境をどう変えるのか探った。 操作性が優れたアプリなどを通じて、初心者が投資を始めるハードルはかなり下がりそうだが、それと同時に投資のリスクや長期・積み立て・分散投資の効用など、投資家の金融リテラシーを高めるための投資教育の重要性が図らずも浮き彫りになった。 ■「金融庁長官の登壇は本気度の証し」「投資は歯磨きのようなもの」の声 ブロガーを中心に参加者の感想を聞いた(カッコ内はハンドル名)。 「金融庁長官の登壇と話が素晴らしかった。ブロガーの登壇企画はちょっと真面目すぎたかなと反省。こうしたイベントも、投資と同じように相場環境が悪くなっても『続けて』いくことが大切だと思う」(虫とり小僧氏) 「金融庁長官の話は保険分野での大きな変動を予感させる。企業収益と顧客本位という一見、二律背反になりがちな点をどう両立させるかという金融機関の大きな命題には今後も注目したい。新規参入各社がトータルなサービスで顧客にあらゆる利便性を届けようとする熱意は伝わってきた」(たぱぞう氏) 「金融庁長官が登壇し、つみたてNISA普及に向けた強い発言をしていたのはすごい出来事で期待したい。一方、さらなる制度充実には実績が必要というのもその通りなので、参加者は家族友人にもつみたてNISAを広めてもらえると、登壇者の一人としてうれしい」(吊られた男氏) 「金融庁長官がかなり踏み込んだ発言をしていたのが印象的。ごく普通の人がこういったイベントに参加してきてくれているという印象も強い。一歩ずつ、普通の人につみたて投資が浸透してきていることを感じられて、うれしく思う」(NightWalker氏) 「初めて参加したが、学びがたくさんあり有意義な時間だった。普段ツイッターで連絡し合っている個人投資家と顔を合わせる機会にもなった。田中内閣府副大臣の言葉が印象的。日本全体の投資活性化のために、国だけでなく民間企業や個人ブロガーとも手を取り合っていく強い意志を感じた」(20代、FP投資家リーマンとさか氏) 「ツイッターのハッシュタグ『#つみフェス2019』は参加できなかった人にも情報を伝える上で画期的と感じた。ネット中継も検討してはどうか。つみたてNISA普及には一般著名人による『わたしのつみたて体験』といった体験談を共有する場があるといいかもしれない」(20代、なまずん氏) 「副大臣や金融庁長官ら硬派な方から、ブロガーという緩い人間まで『投資』というくくりでいろんな意見を聞くことができ、とても有用なイベントだった。会場に20代の同世代が少なく感じ寂しかった。もっと若年層が集まれる会になるといいなと思った」(20代、ミドノン氏) 「金融庁長官がざっくばらんに話していたのがよかった。制度やイベントへの想いが伝わり、金融庁の取り組みに期待したいと改めて思った。パネルディスカッションは識者の意見を聞くよりも参加者からの質問に答えて欲しかった。イベントのネット配信を検討してはどうか」(Taku(金融系SEの投資のつぶやき)氏) 「金融庁長官が自ら金融機関への苦言やNISA強化への意気込みを肉声で語ったのはかなりインパクトがあった。ただ特にNISA制度については、国民側にも、制度の意義を理解し制度を活用するリテラシーや実行力を持つように、責任を投げかける内容でもあった」(安房氏) 「非常に豪華な面々が登壇し、つみたてNISAで資産形成していくことを本気で推進させていきたいという金融庁の本気度が伝わってきた。ただ、初心者向けの制度説明がほとんどなかった。スライドを交えて、簡単でもきちんと触れておいたほうがいいのかなと感じた」(パーサモウニアス氏) 「今回初めて参加して、改めてインデックス投資はいいと思った。コストは低く抑えられるし、状況によっては数十年後には結構なプラスも期待できる(絶対にプラスになる保証はないが)。つみたてNISAは若い人たちの口座開設が多いというのは、いい兆候だと思う」(Kojiro Nitta氏) 「金融庁長官の登壇は待ち望んでいた。つみたてNISAへ取り組む意気込みなど本気度も改めて感じ取れた。恒久化はぜひ実現して欲しい。通信・IT業界の金融分野の参入はまさに変わろうとしている印象を受けた。まだ手探りの感じも受けたがニーズはあると思う」(Livamoz氏) 「登壇者もプログラムも多様でメリハリがあった。一番印象的だったのは、金融庁長官がつみたてNISAの使い勝手向上に言及した点。スイッチング導入や恒久化にはとても期待。一方で、一人ひとりの金融リテラシーの向上や長期投資へのコミットも大事と感じた」(ザリガニ氏) 「パネルディスカッションでは既存のサービスに関してだけでなく、投資の未来像にまで踏み込んだ話があってもよかったのではと思う。既存の枠組みにとらわれない金融口座のあり方とか、『量子コンピューターでこんな投資が可能になる!』といった話をして欲しかった」(毛流麦花氏) 「金融庁長官登壇が印象的。やはり金融庁トップが語る言葉は重みがあるし、期待が持てる。つみたてNISAだけでなくNISAの恒久化も実現して欲しい。フェスと称するのであれば、もう少し砕けた感じでお祭り色があってもいいのかなと思った」(Wakaba氏) 「参加者も多く、金融庁がつみたてNISA普及へ力を入れていることがよく分かった。つみたてNISAの恒久化などが検討されていることで今後への期待感も持てた。つみップのように、参加者との懇親会の場などがあれば一層良いと思う」(Sayasayan氏) 「田中副大臣や金融庁長官らの話から、国としてつみたてNISAを盛り上げていく意気込みをすごく感じた。進行時間が少しタイトでもう少し余裕を持って欲しかった。未経験者や初心者には難しい流れだったように感じた。もっと堅苦しい会かなと思ったが、意外と楽しめた」(ずずず氏) 「岡本氏の話は素直に義務教育から教えて欲しい内容。お金は『不浄なもの』という先入観があるが、実はそうではなくて、お金をどのように運用し使っていけば周りが豊かになれるのかを分かりやすく解説してくれた」(takachan氏) 「『投資は普段欠かさず行う歯磨きのようなもの。若い時にはしなくても困らないが、年齢を重ねた時に困る』という岡本氏の言葉が強く印象に残った。つみたてNISAで短期間に大きくもうけることは難しいだろうが、世界の経済の成長を信じコツコツ続けていくのが大事だと思う」(セロン氏) 「有名ブロガーによるちょっとゆるい雰囲気のコーナーは『数万円儲かった。儲かっているうちに売りたくなる』など初心者にありがちな相談に対して『ここが長く続けることができるか否かの分かれ道』と、とても共感できる実用的な回答(診断)を返すなど面白く楽しめた」(やすぎ氏) 「つみたてNISAの認知度はゆっくりと確実に上がっているとの印象を受けた。夫婦で参加も見かけた。投信運用会社の方も一般客席で最後まで残っていた。決して大口保有者ではない個人投資家の考えや要望をキャッチアップする姿勢に変化を感じうれしく思った」(go-en(文系おじさん)氏) ◇つみたてワニーサのツイッターはこちら ◇金融庁・つみップのサイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

攻めのイベント「つみフェス2018」、ピンク色の会場に250人

21日午後の東京・赤坂のイベント会場は、ピンクの服や小物でコーディネートした人で溢れかえった。金融庁が個人投資家を対象に開いた「つみたてNISAフェスティバル(#つみフェス2018)」は、同庁の女性職員の発案で「something pink(何かピンクのモノ)」というドレスコードを事務局が呼びかけたからだ。 つみフェスは昨年9月に続き2回目の開催。国民の安定的な資産形成を目的に、今年から始まった積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」の普及を促進する目玉イベントだ。前回の200人よりも定員を増やしたにも関わらず、募集からわずか4日間で250人の枠が埋まるほどの人気を集めた。 参加登録者の内訳は251人のうち、3分の2が男性で、年代別では30~40代が4分の3を占めた。来場者の8割程度が「つみたてNISA」を既に始めたか、始める手続きをしたと答えていた。  受付の様子 <参加登録者の内訳> 【性別】 男性:164人(65%) 女性:87人(35%) 【年代】 20代:24人(10%) 30代:105人(42%) 40代:87人(35%) 50代:30人(12%) 60歳以上:5人(2%) 【投資経験年数】 なし:36人(14%) 過去あり:5人(2%) 3年未満:90人(36%) 3年以上:120人(48%) ピンクのドレスコードは「春」「新しいことにスタート」をイメージして、明るく優しい色を選んだようだ。金融庁は女性職員がスーツにピンクのスカーフを首に巻くスタイルで統一し、イベントに華を添えた。 ■つみフェスは攻めのイベント 内閣府の村井英樹大臣政務官(経済再生・金融庁担当)による「つみフェスは役所では珍しい”攻めのイベント”」という開会宣言でイベントはスタート。投資教育家として著名なファイナンシャル・ヒーラー(ヒーラーは「癒し」の意味)の岡本和久氏の基調講話が続いた。岡本氏は「100年人生のお金との付き合い方」と題し、「将来の自分は今の自分が支える」とお金の呪縛に捕らわれずに長期に投資する生き様を丁寧に説いた。 油布参事官もsomething pink 次のセッションでは、つみたてNISA対象商品の誕生秘話を金融庁の油布志行参事官が審議の様子を振り返り、「お金を貯めてから投資しようという考えは捨てた方がいい。つみたてNISAは投資をしながら貯めるという発想に変わってほしいという考えで制度設計した」と強調した。 「はじめての投資!おススメの一冊ベスト10」発表の場に移ると、それまでとは雰囲気ががらりと変わり、たくさんの笑いに包まれた。投信ブロガーの虫とり小僧さんが進行役を務め、投信ブロガーの吊られた男さん、米国株ブロガーのたぱぞうさんと一緒に本の特徴を紹介した。 1位は投信ブロガーの水瀬ケンイチさんの著書「お金は寝かせて増やしなさい」。自らの山あり谷ありの実体験がありのまま記されているのが多くの支持を集めたようだ。水瀬さんは「投資未経験者・初心者に向けて漫画も使いながら執筆したので、1位に選ばれてたいへん光栄。投資は継続が大切というメッセージが伝わればうれしい」とのコメントを寄せた。 ■「つみたてワニーサ」が公式キャラクターに つみたてNISAの目印となる「つみたてNISA公式キャラクター」が公表された。応募総数343通の中から3作品に絞って一般投票で選出し、投票総数4515票の過半数を獲得した「つみたてワニーサ」(「積み立てはNISA」と読ませる)が採用された。 つみたてワニーサ 製作者は「20数年デザイナーをやってきて初めて国の役に立てたかなと思う。投資がまさに癒しになるよう、とかく堅いイメージの投資をやわらかく、かわいらしく表現した」と述べた。アートディレクターで審査委員の大山よしたか氏は「キャラクターとしての完成度が高く、背中が階段になっており一歩一歩積み立てていくイメージが素晴らしいと思う」と講評した。 金融庁はツイッターの公式アカウント「つみたてワニーサ(@Wa_nisa_FSA)」を開設。つみたてNISAや資産形成に関する情報をゆるく発信していく。 締めくくりは「有識者によるパネルディスカッション」で、経済評論家の山崎元氏、金融庁の八幡道典政策監理官らが登壇。参加者からの質問に応じる格好で、「親族がぼったくり商品を買っている場合、悟らせるにはどうしたらよいか」などにざっくばらんに答えた。 ■つみフェスは「金融庁によるファン感謝デー」 「つみフェス」は官から民への「ファン感謝デー」という色彩を帯びた、ある意味格別な無料イベントだったが、概ね好評だったと言えそうだ。つみたてNISAを「続ける、続ける、そして続ける」のメッセージも伝わった。 見逃せないのは、「おススメの一冊ベスト10」にインデックス投資の古典的名著とされる「敗者のゲーム」や「ウォール街のランダムウォーカー」が入ってきた点だ。投資理論を学ぼうとする個人投資家の知的好奇心は確実に高まっている。 金融庁職員や登壇者ら <ブロガーを中心に参加者の声> ■攻めのイベントが垣間見えた 「今回初参加。期待を上回る内容。『攻めのイベント』が垣間見えた。とはいえ金融庁は一般個人に迎合するのではなく、官僚らしく踏み込んではいけない一線を守っている点にも好感が持てた」(節税サラリーマンさん) 「データを示しながら投資のやり方やエッセンスなどを体系的にまとめた本を読むことは有意義だと思う。投資経験者が自分で役立ったと思う本を初心者に薦めるなら外れも少ないはず。イベントのプログラムに緩急があって、初心者にも経験者にもある程度楽しめるものだったのではないか。勉強会的要素と利用者(ファン)感謝デー的な要素がほどよく噛み合っていたように感じる」(虫とり小僧さん) 「個人投資家からの質問を軸としたパネルディスカッション、おススメ書籍の投票など、金融庁が個人投資家に寄り添うメッセージが伝わったのではないか。金融機関のような利害関係がない金融庁の公平な立場からの投資に関する知識や情報の発信は重要」(安房さん) 「前回のつみフェスは、ブロガーさんと金融庁職員の手作り感があったが、今回は岡本氏の講話など品格があった。とかく話が運用成績や金融商品に偏りがちな中、お金は幸せになる手段という岡本氏の見解は新鮮味があった。初心者・経験者とも満足できたフェスだった。内容は詰め込みすぎ感があり、講話と有識者ディスカッションの2部構成でも良い」(富山県在住のファイナンシャルアドバイザーの佐渡玉希氏) 「豪華ゲストで充実し、あっという間に終了。参加してよかった。時間を気にしながら短時間で終えるのはもったいなく、2倍くらいの時間が欲しいくらい。岡本氏の基調講演は聞きごたえ十分だった。金融庁主催なので、投資初心者の女性も安心して足を運べ、投資をよりリアルに身近なものに感じられるまたとない機会」(Wakabaさん) 「岡本氏の話はほんの20分ほどだったが、非常に印象に残るいいお話。『お金持ち』ではなく『幸せ持ち』に。リタイア後は、あるお金の中で最大限に幸せを高めることが大事で3000万円も5000万円も必要ない、といった話は、アーリーリタイアした自分の実感から見ても、まさにその通りという共感を覚えた」(NightWalkerさん) ■投資経験者と初心者の両方が楽しめる内容 「昨年に比べてかなり初心者向けになったような印象。著名な投信ブロガーが登壇者として参加するなど、かつてないほど金融庁と個人投資家との距離感が縮まっているのを感じた。今回は前回よりも聞きやすく、単なる座学ではなく事前のアンケートや投票を通しての参加型のイベントになっていたのが良かった」(nantesさん) 「物事には流行と、いつの時代も変わらぬ不易があり、投資は時代によって移ろう面もあるが、今回の投票でランクインした本は古いものも新しいものも時代を超えて読まれるのだろう。本当に良い本が選ばれた。自分が投資を始めた20年前には投資は『いかがわしい』というイメージが強かったが、投資が日常を豊かにする経済活動と認識され始めているのには、一個人投資家として隔世の感がある。ブログを中心にこの流れをサポートしていきたい」(たぱぞうさん) 「投資の話が聞きたくて北海道から駆け付けた。投資というと『金儲け』のイメージが強いかもしれないが、投資も社会貢献のひとつという岡本氏の話が印象に残った。つみたてNISAを使って積立投資の良さに気づける人が増えるといいなと思う」(札幌市在住のなるたくさん) 「豪華な出演者たちの講演やパネルディスカッションが面白そうだったので参加。つみたてNISAや一般NISAに対する金融庁の方の思いや本音にふれることができ、たいへん勉強になった。全国から集まった投資家さんたちと会うことができ、楽しく過ごせた」(水瀬ケンイチさん) 「今後、会社の内外で勉強会を実施するときのネタを見つけたく参加。インデックス投資は手軽に始められるが『つまらない』と思う時もある。多くの方と交流できると、つみたて投資を続けるモチベーションになるし、暴落が起きても安心して続けられる。今回学んだことや『気づき』を踏まえて、勉強会資料をアップデートし勉強会を開催していきたい」(ツイッターで発信しているTaku<金融系SEの投資のつぶやき>さん) 「2月からつみたてNISAを始めたばかりで、長く続けるコツを知りたいと思って参加。大勢の参加者を見て、長期投資を志す同志がこれだけいるというのは大きな励み。あっという間の3時間。ネットや本での投資勉強にはない、リアルイベントの良さを体感でき、本当に楽しかった。岡本氏の『資産形成の目標額を決める必要はなく、できる範囲で節約して資産形成に回す。資産活用期は手元にあるお金で幸福感を最大化すれば良い』という話は目から鱗だった」(青井ノボルさん) 「昨年のつみフェスは制度開始に向けての制度紹介や個人からの税制改正要望などやや投資経験者向きの印象だったが、今回はつみたてNISA普及に視点を置き、公式キャラクター募集など投資経験者、初心者両方が楽しめる内容だった。金融庁職員は全国各地でのつみップ(意見交換会)開催にも力を入れており、普及への本気度を感じる。国の政策イベントに一個人として参加できるのは幸せ」(リバモさん) 「いい意味で『お役所らしくない、お祭り』に近いイベントだった。幕間に流れるBGMの選曲も若い人を意識しているのがさりげなく伝わってきた。時間が短く感じられ、もっとじっくり話を聞いてみたかった。山崎氏が『他人任せの投資はダメ』と主張していたが、みんながみんな、最初から完全な自己判断で投資できるとは限らないのでは。その意味ではつみたてNISAでのバランスファンドは投資の入口としていいように感じる」(セロンさん) ■投資しながら貯めようは名言 「油布参事官の『投資しながら貯めよう』は名言。キャッチフレーズとして使うのにもピッタリ。商品の信託報酬上限基準が金融庁側からの提案だったのを初めて知り、びっくり。金融庁の本気度が表れていると感じた。ブロガー3氏による『おススメ一冊ベスト10』はリハーサルなしでこれだけの軽快トークとは凄い。イベントの様子を全国津々浦々にネットで配信するのを検討してはどうか」(毛流麦花さん) 「最初に岡本氏がお金、投資の本質的な話をしたのは良かった。お金というと汚いイメージがあるが、本来お金は感謝のしるし。時間軸・空間軸を広げることなどなど、SNSでも講演内容に好意的なコメントが多かった。今後は、これまで投資をしたことのない人につみたてNISAをどう訴求していけるかが課題。フェスティバルや各地の説明会(つみっプなど)で地道に啓蒙活動を続けていくことには意味があると思う」(フィナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子氏) 「ツイッターの実況中継で参加者の声がリアルタイムに見られることや、ブロガー3氏による本の紹介がくだけていて面白く印象的だった。つみたてNISAの制度を学ぶために参加したが、専門家のパネルディスカッションや制度の秘話を聞くことができ、充実した時間となった(きんゆう女子。 コミュニティマネージャーの金子圭都氏) 「昨年に引き続き、創意工夫された楽しく有意義なイベントだった。参加したかったけれど、すでに申し込みがいっぱいになっていたという声をたくさん聞いた。来年はさらに参加人数を増やして開催して欲しい」(総合司会を務めたファイナンシャルプランナーの岩城みずほ氏) (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、小松めぐみ) ◯つみフェス2018のプログラムはこちら  ◯金融庁・つみップのサイトはこちら  

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