個人投資家の一大オフ会に 「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」懇親会

毎年恒例の「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」(FOY2018)が開かれた13日の夜、表彰式から場所を移した懇親会は、100人あまりのブロガーや個人投資家に加え、上位に入賞した運用会社の関係者も参加した。今回で12回目を迎えたイベントも懇親会を開くようになってからは3回目。入場チケットの購入者は昨年の約70人を上回るが、早々と完売したようだ。 ◇表彰式の記事はこちら↓ 投信ブロガーが選ぶこの1本 2018年の1位は「eMAXIS Slim先進国株式」 進行役を務めた投信ブロガーの虫とり小僧さんが「皆さんに楽しんでいただけたようでよかった」と話したように約2時間にわたる懇親会は終始大賑わい。日頃はネット上で情報交換するだけの関係だった人とリアルに交流する「一大オフ会」と化した。懇親会参加者の声をまとめた。 ■順位の大きな変動に「シビアさを垣間見」の声 「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(9I311179)が9位に後退し、たわらノーロード 先進国株式(4731B15C)が上位20位の圏外となるなど、前回と大きく順位が変動する結果となり驚いた。コストを引き下げるなど、継続的に手を打っていかないと直ちに人気を失ってしまうシビアさを垣間見た」(けいのすけさん) 「このイベントには毎年参加している。インデックス(指数連動型)ファンドの動向をアップデートできるとともに他の個人投資家と交流する機会があり、運用会社も巻き込んで個人投資家の生の声が伝わるイベントとして有意義だ。多忙のため投票は見送ったが、インデックスファンドの上位入賞が予想されたため、投票するならあえてアクティブ(積極運用型)ファンドを選んだと思う」(ASKさん) 「三菱UFJ国際投信やニッセイアセットマネジメント、セゾン投信のファンドなど、安定して上位に入っているファンドへの熱いコメントが印象的。月報や運用報告、ブロガーミーティングなどを通じて顧客へのメッセージをしっかりと発信している運用会社にはファンが付き、お互いにファンドを育てていく良い環境があるように思う」(じゅん@さん) 「コスト意識が高い中、来年も三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズとニッセイアセットマネジメントの<購入・換金手数料なし>シリーズのバトルか、はたまた新たな登場があるのかどうか。懇親会では楽天投信投資顧問の東眞之社長と『こんなことも対応いただけますか』といった話ができた。こういった場で運用会社のトップに直接伝えることができるのもありがたい」(リバモ(livamoz)さん) 「懇親会は同じ志をもったブロガーの方々と普通に投資の話をできるまたとない機会。投資の話をしてみたいができないという人は一度参加してみるといい経験になると思う。日頃は話をする機会のない運用会社の方とも話すことができるうえ、要望があれば直接伝えられるし、気になっている質問を聞いてみる絶好の場」(シオイさん) 「今回は2位受賞ファンドの発表と副賞授与のお手伝いができた。投信ブロガーが求めるファンドだけではなく、投資にあまり関心がない人にも利用しやすいファンドが上位にランクインした。『自分たちだけではなく一般生活者にも投資が普及して欲しい。そのためにどのようなファンドがいいのか』というブロガーの新たな視点も組み込まれてきていると感じた」(くは72さん) ■定年退職世代の投資環境は「発展途上」 「とても多くの学びがあった素晴らしいイベントだった一方で、定年退職者の立場ではいろいろな課題を再認識した。私のような定年退職世代、積み立て投資に頼らず退職金などを一括投資して徐々に取り崩すステージに入る投資家にとって今の投資環境はまだまだ発展途上。高齢者が資産を有効に使い、幸せな老後を送れるような環境整備が必要と感じた」(安井宏@定年退職FPさん) 「運用会社の関係者やネット上で著名な人に会えて直接お話しできる貴重な機会。投信ブロガーなどは普段住んでいる地域もバラバラで情報交換する場も限られているので、懇親会に参加できたのは本当にうれしかった。自分の投資手法自体が地味なので、投信仲間がいることを感じられたのが一番の収穫」(Sayasayanさん) 「今回のランキングは直近の株価下落と円高によるパフォーマンス悪化の影響を受けたように思う。ひふみ投信(9C31108A)や新興国株式型ファンドも2018年のパフォーマンス悪化が順位を落とした原因ではないか。アクティブファンドであれ、新興国株式型であれ、投資家の資産形成を目的とするファンドに投票する趣旨からは、今回の結果は個人的には残念」(タカちゃんさん) 「初回を除きこれまで毎年投票している。今回は農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド (25311177)に5点すべてを投票した。ネット上では10年くらいやりとりがあったものの、これまで会えていなかったブロガーと対面できたり、かなり久しぶりの再会もあるなど、懇親会は極めて貴重な機会となった。ファンドの投票に関係して、これだけ大勢の人が集まるのは正直ビックリした」(エルさん) 「表彰式は今回が初参加。ランキング発表は興奮するものがあり、ドキドキの連続だった。ツイッターでの実況にも参加して2倍楽しめた。自分の投票コメントが読み上げられたので更に興奮。運用会社にもコメントが届き、ユーザー参加型で本当に楽しめる仕組みになっていると感じた。懇親会で運用会社の関係者から話を直接聞けるのがこれほどためになるというのにも驚いた」(やすぎさん) 「ツイッター内でのフォロワーとのやりとりも増え、今年は万全を期して、昨年参加できなかった懇親会にも参加した。『久しぶりー!』や『〇〇さんなんですね。イメージ通り』といった感じで同窓会、オフ会のように楽しく過ごせた。著名なブロガーの方ともフランクに話せたり、憧れのカン・チュンドさんとも握手してもらったり、幸せな1日だった」(こんこんさん) 「波乱の相場となり結果がどうなる事かとドキドキしていたが、今回も<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(2931113C)が堂々のベスト3入り、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(0331418A)が初入賞という快挙。とても見応えのある表彰式だった」(アキウマレさん) ■20代も積極的に参加 「懇親会は個性豊かな先輩投資家と直接顔を合わせることのできる貴重な機会。まだ国内では投資家の存在がメジャーでない以上、つながる場はとても大切。全般的に30~50代の方の来場者が多かった印象だが、若手にこそ投資の面白さと可能性を知ってほしいので、20代の私は同年代の方に投資への関心を持ってもらえるよう発信していきたい」(なまずんさん) 「今回は波乱と呼ぶにふさわしい結果だった。投票者コメントにもあったように、これからは受益者の真価が問われそうだ。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドに対する自分の投票コメントが会場で読み上げられたのは驚いたが、その後、会う人、会う人に熱いコメントと言われ、話のタネになった」(安房さん) 「表彰式では、上位入賞の運用会社から熱いコメントのシャワーを浴びた。普段は聞くことができない『運用会社側の想い』に触れる事ができ、投資家の資産形成を全力で担うという並々ならぬ熱意に心打たれた。特に、三菱UFJ国際投信は若手社員を登壇者に抜擢し、資産形成が必要な若年層へメッセージを届けるにはこれ以上ない適任と感じた」(パーサモウニアスさん) 「投票で順位に差はつくものの、いまや入賞しているファンドはどれも優れていると言っていいほど精査され、このイベントの理念通りになっているように思う。長い間、投資について話す相手がいなく、とても楽しみにしていた懇親会では大勢の方に会えたのに、挨拶と雑談で終わってしまった自分にガッカリ。投資に関する質問を事前に考えてこなかった」(ソロトナさん) 「懇親会では投信で資産運用している多くの人、普段はネット越しにしか交流がない方に出会うことができた。私は社会人2年目で、周囲で『投資』というと仮想通貨や外為証拠金取引(FX)、個別株の話題ばかりが出てきて投信派は少ないので、『自分の他にも投信を購入している人がこんなにいるんだ』と再認識するいい機会になった」(ミドノンさん) ■eMAXIS Slimは継続保有の安心感 「つみたてNISAと一般NISAでは、一度購入すると非課税枠が消費され、売却しても戻らない仕組みのため、より低コストな新規ファンドが出てきても『乗り換え』が困難。その点、eMAXIS Slimシリーズは保有し続けても継続的にコスト引き下げをしてくれるという安心感があり、多くの投信ブロガーから評価されたのだと思う」(水瀬ケンイチさん) 「思ったよりもeMAXIS Slimシリーズが躍進していたのは、ブロガーミーティングを含む三菱UFJ国際投信の宣伝活動の勝利だったのかな、という印象。懇親会は、四国の松山や九州、北海道、奈良からの参加者や、全国津々浦々から集まったブロガーの方々、特に伝説のように語られていたm@(エムアット)さんとも直接お話しすることができ、非常に楽しい時を過ごした」(にこいちさん) 「投信ブロガーは低コストのインデックスファンド好みということがランキングに明確にでたのではないか。ベスト10にeMAXIS Slimシリーズが5本もランクインしたのは運用会社と個人投資家とのコミュニケーションが実を結んだものと思う。三菱UFJ国際投信は今後もブロガーミーティングを続けていくとのことなので、eMAXIS Slimシリーズに期待している」(もことんさん) 「運用会社はいかに個人投資家との信頼関係を築いていけるのか。個人投資家は長期間投資でき、信頼に足るファンドをいかに選ぶことができるのか。そんなことを感じた。『低コストへの取り組み、情報開示、顧客サポート、直接対話の機会などを通じて、顧客に信頼されるファンドづくりを目指していく』と語った上位2社の受賞スピーチが印象的だった」(ザリガニさん) 「個人投資家である投信ブロガーがファンドを選ぶことに大きな意味があると感じた。熱いコメントが多く、見応えがあった。懇親会は多くの人と交流できる貴重な場となり、ありがたかった」(青井ノボルさん) 「このイベントの存在意義が年々大きくなってきているように感じ、1回目から投票に参加してきたので感無量。今年のランキングが物語るのは、受益者に対する『信頼』こそが大切で、投信ブロガーはそこのところに敏感ということだ。アクティブファンドが振るわなかったのはちょっぴり残念だった」(NightWalkerさん) ■リアルな交流会は時代を超えて継続 懇親会を主催した実行委員と委員長の2人は、今後も懇親会を継続していく意気込みを語った。 「今年は若い人の出席が多く、長期の資産形成という考え方が若年層に浸透しつつあると実感した。ただ、投資家と投資家、投資家と運用会社が交流する機会は少ないのが現状だ。今後も相場動向に関係なく、この懇親会の開催を通じてそうした場を提供していきたいと強く思った」(実行委員のすぱいくさん) 「表彰式と懇親会の参加者は20~30代とみられる人が目立ち、投資による資産形成の裾野が着実に広がっていることを強く感じ取れた。今後もコミュニケーションのきっかけとなるこのような場の提供を継続していきたい」(実行委員長の個人凍死家テリーさん) ネットでのつながりからリアルな交流へ--。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」の懇親会の役割は平成の時代を超えて続いていく。 <FOY2018 公式サイト> 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2018 <参考>当日の様子は投信ブロガーや関係者がツイッター(ハッシュタグ:#foy2018)で発信 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

投信ブロガーが選ぶこの1本 2018年の1位は「eMAXIS Slim先進国株式」

投資信託に関する自身の運用や考え方などをブログで発信する個人投資家が投票した「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」(FOY2018)が13日に発表された。20位以内に入った21本(20位が2本)のうち17本を積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の対象ファンドが占めた。 個人投資家が自分たちにとって本当によいと思える投信を投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」という趣旨で始まったイベントは今回で12回目。都内で開かれた結果発表会と表彰式は、3連休にもかかわらず150人あまりの個人投資家が詰めかけた。 ■1位は三菱UFJ国際「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」 投票権を持つのは、2018年9月末までにブログを開設した投信ブロガーで、投票は同年11月に実施された。今回は過去最多の241人(有効投票)が参加した。投信ブロガーは付与された5ポイントを1~5本のファンドに自由に投票できる。 1位は「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」(03319172)。「eMAXIS Slim」シリーズは信託報酬について「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というコンセプトで、三菱UFJ国際投信が17年2月に立ち上げた。3位に「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(0331418A)、5位に「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」(03312175)が入るなど、上位20位のうちこのシリーズが7本を占め、ネットを使いこなす投信ブロガーからの支持の厚さが鮮明となった。 「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」(2931113C)は2年連続の2位。ニッセイアセットマネジメントが運用し、純資産総額(残高)は1000億円を超える規模まで成長。5年連続でトップ3入りした。 ■つみたてNISA対象、20位までに17本 楽天投信投資顧問の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」(9I311179)は前回の首位から9位に順位を落とした。前々回はトップ10に「ひふみ投信」(9C31108A)と「ひふみプラス」(9C311125)の2本が入り、特別賞も受賞したレオス・キャピタルワークスのひふみシリーズは上位10本から姿を消した。日本株式型、アクティブ(積極)運用型は影が薄い結果となった。 20位以内の21本のうち3本は米バンガードが運用する海外ETF(上場投信)で、ETFを除く18本の中で17本がつみたてNISAの対象だった。つみたてNISAの対象外で、アクティブ型は19位の「農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド」(25311177)のみ。1年リターンのマイナス幅が上位21本の中で最も小さかった。   ■三菱UFJ国際、ブロガーとの対話奏効 三菱UFJ国際の躍進は、定期的にブロガーとのミーティングを開催し、ブロガーの意見や注文を積極的に取り入れて商品開発に活かすという社をあげての「対話」作戦が奏功した面があるようだ。表彰式で三菱UFJ国際の幹部は「残高が500億円を超えると信託報酬を引き下げるなど受益者還元ができそうなところまできた」と述べた。 ニッセイアセットの幹部は「昨年は監査報酬を引き下げた。今後は売買委託手数料や指数ライセンスの見直しなど業界に率先して『必ず』運用コストが下がるよう工夫する」と明言。楽天投信投資顧問の東眞之社長は「近々、専用のWebサイトを立ち上げて関連する情報開示を行う」と話していた。 ■会場には熱くて重い応援メッセージが充満 イベントは、個人投資家が集まる毎月開催の交流会「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」の中心メンバーがボランティアで運営。投信ブロガーのrennyさんが運営委員長を務め、地方在住ブロガーのm@さん、かえるさん、ぺて(PET)さんも運営に加わった。 3部構成のイベントの第1部は「リーマン・ショックから10年・つみたてNISAアンケート結果発表」で、rennyさんと一緒に登壇したブロガーのセロンさんが「リーマン・ショックの頃は大学生で厳しい就活に直面していた。ただ、それがきっかけで資産運用をスタートできた」と振り返った。アンケートでは「リーマン・ショック時にも投資を止めずに継続。リーマン・ショック級の暴落が今後いつ来てもおかしくない」といった回答が大半だったようだ。 第2部の「みんなの【声】を聞いてみよう! 個人投資家が注目ファンドに寄せる『熱いコメント』を一挙紹介!!!」は、昨年も好評だった企画だ。ブロガーが投票ファンドに寄せた応援メッセージのうち、約70人分を投資資産の対象別に選んでスクリーンに映し出しながら、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)とファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子氏の2人がユーモアを交えた軽妙なトークで紹介した。 ひふみ投信について「すべての受益者に対して『あなたはなぜこのファンドを購入しているのですか』ということを改めて問う意味も込めて票を投じることにする」というブロガーの菟道(うどう)りんたろうさんの重い応援コメントが読み上げられると、会場には拍手が沸き起こった。 メインイベントの第3部は結果発表と表彰式。今回は上位5本のファンドについて、応募抽選で選ばれたブロガーが結果を知らずにその場で封を開け発表するという演出で、会場との一体感をかもしだした。プレゼンターを務めたブロガーは5位から順に、てっぺさん、とみますさん、エツさん、くは72さん、くれめんさん。 ■ファンドを育てるイベントへ 運営委員長のrennyさんは「昨年トップを獲得したファンドが9位になるなど順位が大きく変動したのが印象的。米国株式型のファンドとバランス型ファンドがトップ10に2本ずつ入ったのも今年の特徴だ」と総括。「過去に何度も上位入選するも頂点に届かなったeMAXISシリーズが遂にトップを獲得したのは執念を感じる」「低廉な信託報酬を前面に押し出すマーケティングは、まだしばらく続くのかもしれないが曲がり角に来ているのではないか。商品供給側である投信会社にとっても、受益者となる投資家にとっても、ファンドをどのように育てていくのか、という点に今後、注目していく必要があると個人的には感じている」と加えた。 竹川氏は懇親会の挨拶で「新規ファンドの設定や販売、購入に力を入れるのではなく、このイベントを活かす形でファンドを長く支持し、育てて行くように変わって欲しい」と販売会社や運用会社そして投資家にも強く要望していた。 「ファンドを育てる」という理想に向かって、このイベントの影響度がますます資産運用業界に広がろうとしている。 <FOY2018公式サイト> 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2018 <参考> 当日の様子は投信ブロガーや関係者がツイッター(ハッシュタグ:#foy2018)で発信 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、小松めぐみ)

投信ブロガーが選んだ10大ニュースは? 金融庁が年内最後の「つみップ」

金融庁が21日夜に開いた「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)は、クリスマスと3連休の前にもかかわらず、約50人の個人投資家が集まった。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に開いている個人との意見交換会で、今回が今年最後の開催。参加者は識者や著名投信ブロガーの話に熱心に耳を傾け、日頃から抱いている疑問や悩みをぶつけた。 ■「コツコツ投資」継続は力なり 最初の講義では、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)が「下がっても儲かる!?つみたて投資の摩訶不思議」と題して、積み立て投資の効用を説いた。毎月1万円ずつ10年間にわたって投資(投資元本120万円)した場合について、4つの価格(投資信託の基準価額)変動パターンを例をあげ、開始から10年後に価格が下がっていても利益を得られることがある理由を示した。 積み立て投資は継続的に一定額を購入するため、価格下落局面では平均購入単価が下がり、購入口数が増える。カン氏は「量(購入口数)×現在の価格」がものをいうのがコツコツ投資の特徴と強調した。 ■投信ブロガーが気になる10大ニュース 続いて、金融庁サイトで「教えて虫とり先生」の連載が始まった投信ブロガーの虫とり小僧さんが、自身が選んだ10大ニュース(順不同)について、ユーモアを交えながら語った。10番目に少額投資非課税制度(NISA)の恒久化が見送られたことを取り上げ、金融庁職員に改めて要望を訴えた。 【2018年投信ブロガー的気になる10大ニュース】 1.つみたてNISA始まる 2.個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)100万人 3.仮想通貨暴落 4.米リーマン・ショック10周年 5.カードで投信、ポイント還元 6.キャッシュレス化進む 7.教えて虫とり先生連載 8.投信の隠れコストに注目 9.投信販売会社共通KPI(成果指標)設定 10.NISA恒久化ならず ■下げ相場に関する質問なし 質疑応答では、経済評論家の山崎元氏、投信ブロガーの吊られた男さん、NightWalkerさんらが加わり、一つ一つ丁寧に答えた。この日は東京株式市場で日経平均株価が2万円割れ寸前まで下げる場面があるなど足元で世界的に株価が下落基調を強めているが、相場に関する質問が出なかったのは、つみたてNISAのイベントならではを映した。 【参加者からの主な質問】 ・コツコツ投資のリターンを上げる効果には開始月も関係しているのではないか ・投資していた投信が繰り上げ償還された場合はどう対処したらいいのか ・どういうタイミングで換金するのがいいか ・お勧めの資産配分比率があったら教えてほしい ・つみたてNISAの年非課税枠が12(カ月)で割り切れない額(40万円)に決まったのはなぜか ・ジュニアNISAの非課税期間(5年)が延長となる可能性はあるのか ・隠れコストはインデックス投信の運用成績にどう影響するのか ■「来年からつみたてNISAを始める」の声 懇親会には初心者も積極的に参加した。「一般NISAとつみたてNISAの違いを知りたくて参加。質疑内容はレベルが高かった」(40代女性会社員)、「今回は2回目の参加。来年からつみたてNISAを始めるつもり」(30代女性会社員)との声が聞かれた。 一方、50代後半のベテラン投資家で福岡から参加した男性自営業者は「初参加してみて、金融庁の本気度が分かった。女性参加者の『何かを吸収しよう、すぐに行動しよう』という意識の高さにも驚いた。東京との情報格差は大きな課題で、地方でも『つみップ』が浸透する工夫が必要だ」と指摘していた。 ■投信ブロガー「PV公開が待ち遠しい」 個人投資家として参加していた投信ブロガーに感想を聞いた。 毛流麦花(モールバッカ)さん「金融庁から紹介のあった『つみたてNISAプロモーションビデオ(PV)』の公開が待ち遠しい。現役女子高生が出演することで、若者の間で投資文化が芽生えていくきっかけになるのを期待したい」 安房さん「金融庁の中島淳一・総括審議官からの冒頭説明にあったように税制改正で、海外赴任者の取り扱いといった個人投資家の直面する課題が『つみたてNISAフェスティバル』での要望をきっかけに解決に至ったのは興味深い」 もことんさん「いつもと違う趣向で、参加リピーターの自分にも十分楽しめた」 やすぎさん「質疑応答では思い切って質問したが、丁寧な回答は大いに参考になった」 ■共通KPIが裏付けるコツコツ投資の効用 つみたてNISAの開設口座数は9月末時点の90万口座近くに達し、制度開始1年で100万口座の大台超えが確実視されている。買い付け額は累計で約576億円に過ぎないが、「続ける」のが特徴のコツコツ投資は解約されにくい傾向があるため、じわじわと積み上がっていく公算が大きい。 投信の販売会社による顧客本位の業務運営を客観評価する共通の成果指標(共通KPI)を見ると、長期・積み立てを推奨している独立系運用会社(投信の直接販売会社)の顧客で含み益の比率が高かった。コツコツ投資の効用が裏付けられた形とあって、つみたてNISAの存在感が投信市場で増しそうだ。 金融庁「つみップ」サイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

ブロガー向けにiDeCo新プラン説明会 SBI証が三菱UFJ国際とタッグ 

ブログやツイッターで自らの資産運用について情報を発信しているブロガーら20人以上が12月10日夜、三菱UFJ国際投信のオフィスに集まった。同社が継続的に開催している「ブロガー・ミーティング」に参加するためだ。今回はSBI証券が11月に開始した個人型の確定拠出年金(iDeCo=イデコ)の新プラン「セレクトプラン」に関する説明会がプログラムの中心となった。 SBI証券はiDeCo加入者のシェアが20%程度と高く業界首位。加入者の約4分の3が元本保証のない投資信託を保有し、リスクを取っているのも特徴だ。 新プランでは三菱UFJ国際の看板であるインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」11本のうち8本が採用されている。ブロガーとの交流を深めたいと希望していたSBI証券の思惑が重なり、両社はタッグを組むことになったようだ。積極的に資産運用に取り組んでいるブロガーの意見や要望を吸収すると同時に、彼らの情報発信を通してサービスの浸透を図るのが狙いだ。 <参加申込者の内訳> 【性別】男性:18人、女性7人 【年齢層】20~34歳:8人、35~49歳:12人、50歳以上:5人 【投資経験】5年未満:11人、5年以上10年未満:4人、10年超:10人 【確定拠出年金(DC)加入年数】未加入:6人、2017年1月以降加入:11人、14~16年に加入:3人、加入年数5年以上10年未満:2人、10年超:3人  ■SBI証券、新プランで「eMAXIS Slim」を初採用 企業型DCやiDeCoは今年5月に制度が改正され、6月から運営管理機関が提供する商品数は「3本以上、うち1本は元本確保型」から「リスク・リターン特性の異なる3本以上35本以下の金融商品(35本を超えている場合は5年後までに35本以下にする)」に変わった。SBI証券は制度改正を機にiDeCoの新プランとして、従来の「オリジナルプラン」と別に、低コストと多様性にこだわった34本で構成する「セレクトプラン」を設定した。 SBI証券投信・債券部課長の仲岡由麗江氏はセレクトプランのラインアップに入る投信の選定ポイントとして、①低コストのインデックスファンドを揃える②顧客要望を重視したうえでリターンやリスクに基づき定量評価する③投資対象と投資手法を幅広くカバーする――の3点を挙げた。この結果、従来プランでは1本も入っていなかった「eMAXIS Slim」が多く採用されたようだ。 SBI証券にはiDeCoの資料請求が11月だけで2万5千件あり、このうち1万8千件がセレクトプランを選択した。同社のiDeCo加入者は3月末時点で40歳代が全体の約4割を占め、30歳代の3割、50歳代の2割と続くという。 ■プラン乗り換えは「空白期間」に注意 注意が必要なのは、オリジナルプランの加入者がセレクトプランへの乗り換えを希望しても、自動的に移行完了という訳にはいかない点だ。制度上、オリジナルプランの運用商品をいったん売却して現金化する必要があり、乗り換えが完了するまでの1~2カ月程度は運用が停止する”空白期間”が生じるようだ。 プレゼンテーションに登壇した投信評価会社イボットソン・アソシエイツ・ジャパンCIOの小松原宰明氏は、オリジナルプランからセレクトプランに乗り換えた場合の損得シミュレーションの分析結果を詳しく説明。一般的な条件では「空白期間」による機会損失を取り戻すのに6年近くかかる場合もあるが、それ以降は新プランのほうが信託報酬が安くなるため有利になるという試算を紹介した。 SBI証券執行役員の橋本隆吾氏と三菱UFJ国際投信常務執行役員の代田秀雄氏が新プランについて対談。橋本氏は新プランはバランス型を含めて低コストの商品を揃えているので、特にiDeCoをこれから始める人・若い人に向いていると説明。従来プランはアクティブファンドを多く含むなど幅広い顧客ニーズに対応しているので、同プラントあわせて積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)などで「eMAXIS Slim」のような低コストのインデックスファンドを購入するという投資スタイルもあるのではないかと提案した。 代田氏は今回のミーティングのような場を通じて、継続的に自分たちの考え方を説明するとの方針を示すと同時に、ブロガーの率直な意見や要望を吸収しながら運用や制度の改善につなげていきたいという意気込みを語った。 ■新プランで残り1本の枠を占めるのは? 質疑応答ではブロガーから次々と手があがった。「ラインアップに多くのファンドがあるが、商品に対する疑問が出たら詳しい問い合わせは可能なのか」「ファンド数が上限の35本ではなく34本なのには何か特別な理由があるか」「eMAXIS Slimの全世界株式(オール・カントリー)は残り1本として採用されるか」「乗り換え手続きは簡易なのに1~2カ月もかかるのはなぜ」「受け取り方法の選択肢を拡充する考えはあるか」「乗り換え中も掛け金を拠出できるか」「20歳代など若い加入者がどの程度いるのか現状を知りたい」「ラインアップを決める際のファンドに対する人気度というのはどう測っているのか」といった具体的な質問が続いた。 懇親会は登壇者を交えて話の輪ができた。ブロガーの「うみねこ」さんは「投資に使う制度の優先順位として、まずiDeCoを最大限活用し、その後は投資金額によって、つみたてNISAまたは一般NISAを選択。最後に残りを課税口座(特定口座)に充てるという自分の考え方が間違っていないのを確認でき安心した」と話していた。 参加者からは「ちょうどオリジナルプランからセレクトプランへの移行を考えていたので、乗り換えシミュレーションはとても参考になった」(「にこいち」さん、「持ち家さちこ」さん)。「受け取り方法が一時金か年金かの2者択一ではない併用が将来的に可能になるかどうか探ることができた」(「うちたけ」さん)。「両社揃ってiDeCoでの提供商品数35本の上限撤廃を強く訴えていたのが印象的」(「青井ノボル」さん)といった声も聞かれた。 (QUICK資産運用研究所 望月瑞希、高瀬浩)

つみップ女子部、講師2人も女性 つみたてNISAやiDeCoを解説

金融庁が2日夜に開いた「つみたてNISA Meetup(通称:つみップ)女子部」は、約30人の女性が参加した。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)に関する個人投資家との意見交換会で、対象を女性に限定した「女子部」は昨年11月、今年2月に続く3回目。今回は講師の2人も女性で、つみたてNISAをはじめ税制優遇を受けられる制度の活用法を中心に解説した。 ■女性講師2人が登壇、iDeCoも解説 まずは金融庁が夏休みに「こども霞が関見学デー」として開いた「小学生のためのハッピー・マネー教室」(講師:岡本和久氏)の様子をまとめた動画教材を紹介。続いて、つみたてNISA制度の背景やポイントを説明し、「長期投資・積み立て投資・分散投資・手数料・分配金・税金」の6つをすべて押さえた利便性の高い制度である点を強調した。 最初に登壇したのは独立系ファイナンシャルプランナーの岩城みずほ氏。「人生100年時代。一生お金に困らないために、今からできること!」と題し、資産全体を外国株式・国内株式・預金などに分け、それらを課税口座・個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業型確定拠出年金(企業型DC)・つみたてNISAにどう振り分けるかといった組み合わせで考えるのがいいと説いた。 続いてDC制度に詳しい大江加代氏が登壇。「老後資産を作るiDeCoについて~投資デビューはつみたてNISAかiDeCoで~」をテーマに、iDeCoの制度説明を中心に解説した。iDeCoとつみたてNISAは両方とも、資産形成に有効な3拍子(積み立て投資・運用益非課税・低コスト運用)が揃った制度であり、iDeCoでの金融機関や商品選び、サポート体制の比較検討には「NPO 401K教育協会」の「iDeCoナビ」が役立つとした。 参加者はメモを取りながら、時折うなずいて聞き入るなど、真剣な面持ちが印象的だった。講師2人が話し終わると自然と拍手が起こった。とかく縦割り行政が指摘される中で、厚生労働省の所管であるiDeCoの解説も併せて金融庁内で聞けたのは参加者にとって新鮮な驚きのようだった。 ■識者やブロガーを質問攻め、「内容の濃い時間」の声 意見交換会のハイライトは質疑応答の時間だ。講師の2人や経済評論家・山崎元氏らの識者、著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、水瀬ケンイチさん、吊られた男さんの3人を質問攻めにした。参加者からの質問要旨は以下の通り。 ・どの金融機関でつみたてNISAを始めたらいいのか悩んでいる。選び方のポイントを教えて欲しい。  ・つみたてNISAは20年たったら、その都度取り崩す必要があるのか。  ・話を聞いてiDeCoを始めたいと感じた。企業型DCに加入しているが、自分で掛け金を上乗せする「マッチング拠出」はできないので不利に思う。このあたりの制度上の仕組みを知りたい。  ・15本の投信をつみたてNISAで購入しているが、本数が多いと複利効果が薄れると聞いたが本当か。本数を絞る必要はあるか。  ・DCの加入期間が65歳までに延びそうだと聞いているが、70歳までの延長もあるのか。  ・障害で働けなくなった時、iDeCoでは制度上どう対応しているのか。  ・iDeCoを始めて1年くらい経つ。運用コストが格安の別の投信が購入できるようになったが、スイッチングした方がいいのか。  ・手数料の低下はそもそもどのような企業努力の結果で生じているのか。  ・「国民年金基金」は長生きするとお得感のある制度だと思うが、iDeCoと違ってあまり薦められない。それはなぜか。  ・読んで役に立つ雑誌、記事やWebサイトを教えて欲しい。 当日のプログラムにiDeCoに関する説明が入っているとは事前に知らされていなかったにもかかわらず、iDeCo関連の質問が目立った。ブロガーからも「iDeCoへの注目度の高いのが分かった」との声があがっていた。 別のブロガーは「初心者が多いと聞いていた割には、資産形成に熱心な様子がうかがえた」「内容の濃い時間だった」と話し、参加者として来場した女性ブロガーのWakabaさんは「いつもより参加人数が少なかったのは勿体ないくらいの豪華ゲストが勢ぞろいし、充実したひと時だった」と感想を述べた。 ■懇親会で情報交換、「明日にも口座開設」の参加者も 15本の投信を積み立て投資している30歳代の会社員はスマホの注文画面を見せながら「ネット銀行からネット証券に自動口座振り替えするたびに、購入ファンドごとに毎日ポイントがつく」と話し、「年40万円の非課税枠をフルに使い、1本100円くらいで毎日15本積み立てると毎月900ポイントほど貯まっていく。ポイントも積み立てに回す。高齢の家族の面倒を見るなど自分の将来を考えて資産運用している」と解説してくれた。 懇親会ではメモをとりながらブロガーに質問する姿もあった。その一人で親戚に誘われて参加したという開業医の妻は「しっかり資産形成しなくては。明日にでもネット証券でつみたてNISAの口座を開く」と目を輝かせた。 「外貨建て保険を契約したばかりだが解約して、つみたてNISAを始める」という積極行動派がいたほか、「預金を含めた金融資産全体のリスク管理の大切さが分かった」「つみたてNISA、iDeCoと聞いてもどう始めるのか悩んでいた。質疑の内容も初心者にも終始分かりやすく、どの金融機関で始めるか、どんな投信を買ったらいいかイメージがわいた」という感想も出ていた。 懇親会に参加したブロガーのFP-Misakiさんは「懇親会まで残った人はある程度積極的。『つみップのことはツイッターで知った。金融庁の説明会なら安心だから行ってみよう』という感じで参加した方が多かった印象」と話す。有益な情報交換の場である懇親会にもっと多くの人が参加するには「途中に短い休憩タイムを作るなど周りの参加者と話せる雰囲気を作ると、懇親会にも行ってみようかなという気になる人が増えるかもしれない」という。 懇親会の締めの挨拶に立った山崎氏が十八番の口笛伴奏で合唱の音頭をとった。曲は1997年に大ヒットし今年芸能界を引退した安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」。「女性」と「20年」にひっかけた選曲のようだ。歌詞のサビを「20年という投資なんて知らなかったよね」に置き換えた歌声が金融庁の会議室の中に響き渡った。 <参考サイト> ◯金融庁「つみップ」サイトはこちら  ◯「小学生のためのハッピー・マネー教室」動画はこちら  ◯iDeCoナビ(個人型確定拠出年金ナビ)はこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

投信ブロガーとつながる三菱UFJ国際 商品戦略に意見反映、発信力に期待

三菱UFJ国際投信がブログや交流サイト(SNS)で自らの資産運用の内容や考え方などを発信するブロガーとの交流を重要視している。意見を商品戦略に反映するほか、ブロガーの情報発信力を活用して同社の存在やインデックス運用を幅広く知ってもらう狙いがある。 9月28日夜に開いた意見交換会「ブロガー・ミーティング」は27人のブロガーが集まった。今年3月に続く2回目で、今後も継続的に開く予定だ。   <ブロガー・ミーティングの参加者> 【性別】男性:18人、女性9人 【年齢層】20~34歳:9人、35~49歳:12人、50歳以上:6人 【投資経験(投信)】5年未満:9名、5年以上10年未満:11人、10年超:7人 ■ブロガーはブログやSNSで参加を素早く報告 ブロガー・ミーティングの内容は参加者がブログやSNSで素早く発信。ツイッターの投稿では「#MUAMブロガーミーティング」といったハッシュタグを付けて参加を報告した。 <ブロガー・ミーティングの内容> ①一般NISA(少額投資非課税制度)とつみたてNISAの資金流入状況、ノーロード(購入時手数料なし)・インデックスファンドの残高や資金流入などについて、三菱UFJ国際が現状を説明 ②三菱UFJ国際の看板インデックスファンドである「eMAXIS」シリーズのラインアップに新たに追加した「eMAXIS Neo(※)」について、企画・開発を担当した同社社員が開発動機や商品の特性などを説明 (※)宇宙開発など成長性の高い分野について、AI(人工知能)が選別した株式銘柄で構成する指数に連動するインデックスファンド ③商品開発を統括する同社幹部と、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)の積み立て投資の利点を巡る対談 ④ブロガーと質疑応答・意見交換 ⑤懇親会(お茶会) ■「貯蓄感覚」での積み立て投資でOK ミーティングでは熱のこもった意見が交わされた。 <説明・質疑応答・意見交換の要旨> ・2017年の1年間では、一般のNISA口座で保有する投信から4000億円近い分配金が支払われたが、年間購入額から売却額と分配金を差し引いた「純資金流入額」は3300億円程度。一方、つみたてNISAの純資金流入額は予測値ベースで440億円程度にとどまる。つみたてNISA対象ファンドは大半が分配金を支払わず解約も少ないはずなので、いずれ逆転する可能性が十分にある。運用会社としては、つみたてNISAへの取り組みがビジネスチャンスにつながる。 ・投信の積み立て投資は預金とは違い元本割れリスクがあるが、まずは始めてみることが大事。「『貯蓄感覚』での積み立て投資でOK」とでも言わないと、投資を始められない人がたくさんいる。始めさえすれば、積み立て投資には数々のメリットがある。 ・少額から始められる積み立て投資だと、自分に向かないと感じたらいつでもやめられ、大きな失敗や後悔も少ない。継続すれば習熟度も上がっていく。投資タイミングを気にせず定期的に定期的・機械的に買い付ける仕組みによって、買い値に振り回されなくなるといったメリットがある。 ・投信が受け取る株主優待品は、換金できるものは信託銀行がチケット業者に集まってもらって競売にかけ、最も有利な値段で換金して基準価額に反映している。ただ、株主優待品は一般個人にとっては魅力的であっても、持ち株数に比例して優待品が増えていくことはなく、優待品を貰える株数は頭打ちになるのが大半。優待品を換金しても、投信への寄与度は基準価額が数円程度増えるくらいの微々たるもの。 ・三菱UFJ国際の直接販売(直販)は、順調に行けば年内にスタートする見込み。現在、投信市場の顧客層は50歳以上が7割近くを占めている。直販のターゲット層はそれとは重なり合わない子育て世代や若年層で、積み立て投資が基本。カード決済、ポイントサービスも検討課題である。マネーロンダリング(資金洗浄)やサイバーセキュリティなどへの対応策を詰めているところだ。 ・投資家の間で人気の高い日本を含む全世界株指数連動型インデックスファンドの投入も検討している。ただ、後発の三菱UFJ国際の商品が投資家に訴求するためには、世界3地域の指数連動を組み合わせる形ではなく、全世界株指数そのものの構成銘柄に直接投資するタイプにすべきかなどを検討している。 ・インデックスファンドのトラッキングエラー(指数との連動性のかい離)が発生する主な要因は運用資産規模と日々の投資家資金の出入り。加えて一般論ではあるが、指数の組み入れ銘柄入れ替え前に先回りの売買をすることで、日々の指数連動性を多少犠牲にしても、リターン向上を狙うのが可能。このあたりの判断や対応はファンドマネジャーの裁量に委ねられていて、一種アート(職人芸)に近い側面もある。三菱UFJ国際ととしては、ブロガーが日々のトラッキングエラーと、一定期間での同じ指数連動の投信に勝るリターンのどちらを優先するかを知りたい。 ■「モチベーションになる」「コツコツ投資愛にあふれた話」の声 「インデックス投資はいい意味でつまらないが、今回のように運用会社が意見を直接聞く場を設けてくれるのは投資を続けるモチベーションにもなり、応援したくなる」(「Taku(金融系SEの投資のつぶやき)」さん)。 参加ブロガーからは総じて好意的な声が聞かれた。女性ブロガーの「Wakaba」さんは「懇親会がお酒無しの『お茶会』なのはありがたい。無料で有名どころのお菓子も楽しめ、女性は参加しやすいのでは」と話していた。 他には「Neoは信託報酬がもっと下がらないと買わないと思う」「Neoの話よりも質疑応答の時間をもっと長く取って欲しかった」「Neoのようなテーマ型には懐疑的だったが、若手社員の話を直接聞け、少しだけなら買ってみようかという気になった」「株主優待やトラッキングエラーなど、これまで知らなかったことが分かったので満足」「カンさんの話はコツコツ投資愛にあふれていた」などの声があがった。 インデックスファンドの業界トップランナーを目指している三菱UFJ国際投信。同社にとってブロガーはトップを走り続けるうえで欠かせない大切な「伴走者」なのかもしれない。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

投資ビギナー×つみップ 「お薦めの1本は?」

金融庁が12日夜に投資初心者を対象に開いた「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)には約40人の個人投資家が集まった。積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に2017年4月から始めた個人との意見交換会で、投資経験3年未満に対象を絞った「つみップ Rookies」の開催は今年1月以来の2回目。参加者からは「つみたてNISAを始めるにあたり、お薦めの1本は」といった直球の質問も飛び出した。 ■インターンの学生も参加、「ハッピー・マネー教室」紹介 今回のつみップは一般参加者に混じって、金融庁のインターンシップ(就業体験)に参加している大学生十数人も飛び入り。インターンでの「家計の『貯蓄から資産形成へ』の流れを後押しするため、若年層の投資への関心を高めるには、どのような方策が考えられるか」というテーマの討論をまとめたプレゼンテーションを控え、投資初心者の生の声に触れる貴重な機会になったようだ。 冒頭で金融庁が8月に小学生を対象に開いた「小学生のためのハッピー・マネー教室」(講師:岡本和久氏)の様子を動画で紹介した。「お金は感謝のしるし」「お金はあくまで幸せになる一つの方法」「お金を増やすにはどうしたらよいか」といった内容の講義は、一般公開されるようだ。 ■質問は多岐に、識者やブロガーが丁寧に回答 金融庁のつみップ担当職員がつみたてNISA誕生の背景や内容、長期・分散・積み立て投資の効用、対象商品や資産形成にあたって重要となるポイントなどを説明した後、参加者からの質問を受け付けた。多岐にわたる質問に対しては、金融庁職員に加え、経済評論家の山崎元氏らの識者と、著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、吊られた男さん、水瀬ケンイチさん、NightWalkerさんが丁寧に答えた。 【参加者からの質問(要旨)】 ・説明資料中の金融資産「ゼロ」世帯の定義 ・子供への投資教育に対する取り組みの現状 ・初心者から中級者にステップアップするにはどうしたらいいか ・今後、子供の教育費がかさむ中、生活防衛資金とリスク資産に振り向ける資金のバランスをどう考えるのが適当か ・投資の勉強に役立つお薦め本を教えてください ・「ウォール街のランダム・ウォーカー」に書かれている間違いとは何のことか ・税制改正要望として挙がっている「海外転勤などでNISA口座保有者が一時出国時にもNISA口座を継続利用可とする」件の実現度 ・まとまった資金がある場合、一括投資した方がいいのか、それとも時間分散して投資すべきか ・つみたてNISA対象商品にアクティブ運用型のファンドが含まれている意味合い ・妻の父が新興国債券で運用する毎月分配型ファンドを保有している。ファンドに関するネガティブな話を良く聞くので、解約を薦めたいがどう説得したらいいか ・債券のみで運用するファンドはつみたてNISAで対象外となっている。株式との分散投資効果を考慮して、債券型のファンドを一般口座で購入した方がいいか ・家族も一緒につみたてNISAを行う時、投資商品は同じものに揃えるべきか ・投資する前に、どれくらいの知識が必要か ・これからつみたてNISAを始めるにあたり、お薦めの1本はどれか ■先進国株式や全世界株式インデックスファンドがお薦め 【識者やブロガーからの回答(抜粋)】 ・本を読むのはいいが当たり外れがある。水瀬氏のブログで紹介されている本がお薦め ・投資のお薦め本を一冊に絞るとすると「ウォール街のランダム・ウォーカー(日本経済新聞出版社)」を薦めるが、一部、間違いもある。それは本の400ページあたりに出てくる「投資の保有期間が長くなるとリスクが低減する」という記述でこれは金融理論上、誤り。 ・4月に開催された「つみたてNISAフェスティバル2018」で「はじめての投資! おススメの一冊 ベスト10」が発表されている。それも参考になる。 ・本を一冊読んでから投資をスタートする方が長続きする。その一方で、本を読むのは大切だが、投資を始めてから勉強する方が実践的との意見も。 ・つみたてNISAの投資手法であるコツコツ投資(ドルコスト平均法)は「気休めに過ぎない」という考えが示された一方で、コツコツ投資の方が心理的な面で有効という意見も少なくなかった。ブロガーからは母親がリーマン・ショック前に一括投資の高値づかみをして、元本回復に数年かかった実例も紹介された。 ・お薦めの1本については、先進国株式インデックスファンドを挙げた人が多く、続いて全世界株式のインデックスファンドが2名、日本株と8資産均等型のバランス型インデックスファンドも挙がった。具体名としては三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」とニッセイアセットマネジメントおよび楽天投信投資顧問のファンドが推された。 ■専門用語の説明集があるとより初心者向き 参加者には今年からつみたてNISAを始めたばかりという20~30代が目立った。「色々な角度からの意見がよかった。自分の今の投資内容に問題がないのを再確認できた。若い自分と同世代の投資家に出会えたのは心強く、老後のことを真剣に考えてみようと思った」といった声が出ていた。 また「バッサリ考えを述べる山崎氏に加え、優しく寄り添う感じで話すブロガーの方々などいろんな意見を聞くことができ勉強になった」(30代男性会社員)、「自分も初めはインデックスファンドとアクティブファンドの違いが分からなかった。関連する専門用語の説明集が資料に付いていると『初心者向け』にはより効果的ではないか」(20代女性会社員)といった感想も聞かれた。 ブロガーからは「説明をより分かりやすく工夫するべきだった気がする。例えば、債券の話にしても金利と債券価格の関係が分からないと理解が難しかったのではないか」「質問をその場で考えるのは人によっては難しい。少し間を置いて考えをまとめる時間などがあってもいいのではないか」「フレッシュな顔ぶればかりで、RookiesにはつみたてNISA普及の原点を感じる」という感想が漏れた。 初心者と言っても若者とは限らず、ベテラン投資家の50代後半の男性会社員が同世代の妻を連れて参加。「老後は妻や社会人になった子供と一緒に資産運用したいので、妻にもつみたてNISAのことを知ってもらいたい」と話していた。 つみたてNISAの投資家層は年齢を問わず徐々に広がりつつある。   ▽つみップのサイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

著名ブロガーも金融庁職員も熱く語った 「インデックス投資ナイト」盛況

指数連動型運用を志向する個人投資家にとって夏の恒例行事となった「インデックス投資ナイト」が今年は七夕の7日夜に東京・渋谷のイベントハウス型飲食店「東京カルチャーカルチャー(運営はイッツ・コミュニケーションズ)」で開かれた。今回で11回目を迎えたイベントは年々注目度が増し、入場券は即完売。約160人が集まり、満員御礼となった会場を、QUICK資産運用研究所の研究員が突撃取材した。 2時間半にわたるイベントは三部構成。第一部は、たぱぞう氏(米国株投資ブロガー)、水瀬ケンイチ氏(インデックス投資ブロガー)、田村正之氏(日本経済新聞社 編集委員兼紙面解説委員)の3人が対談し、進行役はイーノ・ジュンイチ氏(投資ブロガー)。この数年は米株式相場が絶好調とあって、「米国株投資と国際分散投資、どっちがいいの?」をテーマに議論を交わした。 第二部は金融庁で個人投資家向け意見交換会「つみたてNISA Meetup(通称:つみップ)」を担当する今井利友氏(総務企画局 政策課 総合政策室 金融税制調整官)に対して、参加者が自由に質問。進行役は実行委員長のASK氏(投資ブロガー)が務めた。 第三部は、カン・チュンド氏(晋陽FPオフィス代表)を進行役に、ゆうき氏(投資ブロガー)と個人凍死家テリー氏(投資ブロガー)、山崎元氏(経済評論家)と竹川美奈子氏(ファイナンシャル・ジャーナリスト)の2組がそれぞれ「インデックス投資を継続するためのメンタリティ」の考え方を披露した。 登壇者のブロガーはゴーグルで目を隠したスノーボーダー・スタイルや、カモがネギをしょってくるのを風刺したかぶり物を身につけるなど、ユーモアたっぷりの姿で登場。登壇者からは「ビールを生で3杯ください」「私はワインがほしい」といったお酒の注文が次々と出され、舞台上はくつろぎ感が広がった。 もっとも参加者は登壇者や会場内のスクリーンを凝視しながらメモを取るなど真剣そのもの。知的探究心を満足させるには十分な内容だったようだ。金融庁で積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」の普及促進を中心とした広報活動に携わる女性職員も「内容のレベルは結構高く、自分でも勉強になった」と話していた。 ■「投資はストーリー」「自分のライフスタイルに合った投資を」 登壇者の熱い話に会場からは共感や賛同の意を示す拍手が度々起こった。コメントをまとめた。 「投資はストーリー。自分の投資の軸があれば、多少、運用成績が上下しても動じなくてすむ。動じないために心の中で投資の砦をつくること」「米国株でも国際分散投資でもどちらでもよい。自分の主張を通すために、他人のやり方を批判する必要はなく、多様性の中を生きている者どうし、お互いの意見を尊重すればいい」(たぱぞう氏) 「個別株に投資するには分析の時間が相当必要。自分はその時間を割くことができなかったので、ほったらかし投資ができる国際分散のインデックス投資にたどりついた」(水瀬氏) 「米国株の好調さは、企業経営者が利益を設備投資に回さず株主を重視する『短期経営主義』に支えられている面があり、『追い風参考記録』程度にみておくのがいいかもしれない」(田村氏) 「つみたてNISAなどNISA制度の恒久化に尽くしていきたい」「NISA制度の使い勝手をよくするには個人の非課税限度額の管理をしっかり行う必要があるが、実現にはブロックチェーン(分散型台帳)技術が使える可能性もある」(今井氏) 「自分は相場の上げで利益確定、下げで買いなど現金の比率を大きく調整するが、基本は一度買ったらそのまま保有するバイ&ホールドがおすすめ。長期運用の途中で退場しないためには、経済の仕組みや歴史を知ること、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用を知ることが大切」(ゆうき氏) 「ルールを決めて投資を始めた方は、何があってもそのルールを踏襲すること。そのうえで、興味のある個別株などインデックス投資以外を試すのがあってもいいと思う」(個人凍死家テリー氏) 「人についていってはいけない。自分のリスクは自分だけのもの。仕事の状況、収入、負債など自分の置かれている現状を把握して自分のライフスタイルに合った投資スタイルを見つけていって欲しい。投資方針書を作成するのも効果的」(竹川氏) 「投資額は許容できる損失額を目安に決めるのがいい。例えば、老後に65歳から95歳まで30年(360ヵ月)生きるとして、毎月の生活費が1万円減ってもいいなら360万円の損失が許容できるということ。投資額に対して最悪の場合に3分の1は損するとみなすと、投資可能額は360万円の3倍の1080万円になる」(山崎氏) ■参加者も「新たなつながり」「ホンネで語り合い」 主催者、登壇者、参加者に感想を聞いたところ、こうした交流の広がりを喜ぶ声が目立った。参加者の声をまとめた(名前はブログやツイッターのハンドルネームを含む)。 「本年も関心の高い個人投資家の方々が集まり、刺激的な良い交流の機会になったのではないか。会も盛況で、投資家自身が企画・開催していることに意義があると思うし、チケットが数分で完売になるほど多くの方が参加してくれとても光栄」(実行委員長のASK氏) 「例年以上の盛り上がりになったようだ。女性の比率も上がってきており、世の中的に投資が少し身近になってきたのかもしれない。10年間ずっと裏方の企画・運営をやってきて11年目にして初登壇。登壇者はこんなにも緊張するものなのかを知ると同時に、こんなにも楽しいものなのかと、改めて感じた」(実行委員の水瀬ケンイチ氏) 「実行委員の間でいちばん苦労したのは、インデックス投資をテーマにするマニアックなイベントで毎年違う内容を組み立てること。それでも今年も充実した内容を提供することができ、多くの参加者に楽しんでもらえてよかった」(実行委員のイーノ・ジュンイチ氏) 「実行委員は6人全員がボランティア。おおよその流れは事前に取り決めるが、細かくは決めておらず、本番はどうしても登壇者任せの面がある。今回は登壇者の人柄や巧みな話術でうまくまとまった感が強かった。懇親会もツイッターでは知っていても会うのは初めての方とも話ができ、大変有意義だった」(実行委員のkenz氏) 「いくつか課題は散見されたが、ツイッターやブログ等の反応をみるに、おおむね成功だったのではないか。これもひとえに参加者、登壇者、会場運営の東京カルチャーカルチャーのスタッフ、そして会場に来られなかった多くの参加希望者あってのものと感謝。本業を持ちながらも手弁当で企画を練り上げた、すばらしい実行委員会のメンバーに出会えてよかった」(実行委員のyb氏) 「新たに投資を始めた方の参加が例年以上に多く、投資への関心が増えていることを実感。ここ数年、『インデックス投資が報われた時代』になっているのは素直にうれしい。今後、厳しい相場環境がまたやってくるかもしれないが、そんな時にも投資家、そして自分への支えとなるよう、この会を長く続けていきたい」(実行委員のセロン氏) 「お台場で開催していた時から、チケットを取ろうとしても買えなかった。それが今回登壇者として参加できたのは大変うれしい。壇上のビールはうまさ格別。ついつい話しすぎた。10年の年月を経て、こうして着々と投資が広がり、偏見が薄れていく。私としては米国株をコアとした幅広い投資をこれからも発信していきたい」(たぱぞう氏) 「インデックス投資は本来、派手ではなく地味な分野。それにも関わらず、年々参加希望者が増えているのは、市場平均以上の運用パフォーマンスを追い求めるのが合理的な選択とは言えないとの考えが広がってきたからかもしれない。つみたてNISAの開始で運用コストが下がってきたのも影響している」(山崎氏) 「10年前に比べ、初心者や女性が増えてきた印象を受けた。コツコツ投資を続けるには『自動化(しくみ化)する』『ルール化する』『仲間を作る』のが大事。登壇者の話を聞くだけでなく、資産形成をしている仲間と交流できる機会があるのはよいことだと思う」(竹川氏) 「『株価が下がっているときの方が楽しい』という話をした。市況が悪化した時に株式の比率を上げていく私の投資法に起因しているが、こうしたタイミングを見て株式比率を上下させる手法には理論上の正当性はなく、他人には勧められないので、妻や友人にはつみたてNISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)での国際分散・積み立て・バイ&ホールドの投資を勧めている」(ゆうき氏) 「『かつて投資で後悔するという失敗をした』一人として、話をする機会を得た。これまでと比べて20代、30代の参加者が明らかに増え、インデックス投資、広く言えば資産形成が多くの若人に浸透しつつあるのを肌で感じた。今後、市場を荒波が襲う時もあるかと思うが、そのような時にも多くが集える場として、本会が継続されるのを強く願う」(個人凍死家テリー氏) 「『投資を始めたのは2016年や2017年』として手を挙げた人が30名程度はいたが、初心者ほど、『仲間』を求めていると思う。マニアックではなく片手間でできるインデックス投資がもっとメジャーになってくれば、投資に対する偏見も薄れていくのではないか」(カン氏) 「インデックス投資の本質に迫るテーマ設定だったため、登壇者同士のやり取りがマニアックになり過ぎず、中級者の私にはちょうど良い内容で大変参考になった。『金融庁に何でも聞く』も面白かったが、時間が少し短かった。事前の質問受け付けや会場にいない人からツイッターで質問してもらう、といった形式を採り入れるともっと面白くなるのではないか」(けいのすけ氏) 「今年は投資の続け方・リスクへの耐え方が大きなテーマだった。つみたてNISAを始めた初心者が相場の調整で『もうやめよう』という気分になってしまう懸念がある中、『リスク許容度には経済的と気分的の2つの側面があるとの認識が重要』など、リスクへの向き合い方が語られたのは有意義だった」(安房氏) 「初参加。金融庁開催のつみップとはまた一味違う、有志の方々が開催という『自由度』のメリットを最大限に活かした、まさに『投資家による投資家のための投資イベント』。普段、孤独になりがちな個人投資家らが全国から一同に集まり直接対面し、有識者や著名な方々とも直接交流できるのが大きな魅力。『毎年発売数分でチケット完売』なのも納得」(アキウマレ氏) 「久しぶりの参加。第一部のブロガー対談では二人とも『インデックス投資を勧めている点』や『米国株ブロガーが急速に増え、米国株に少し過熱感を感じている』など、互いの意見に共通点も多く、冷静で客観的な双方の視点は参加者にとって、とても参考になったのではないか」(つばさ氏) 「今回のインデックス投資ナイトは色々な要素が網羅されていて良かった。初心者とマニアの両方を満足させるのは難しいが、その難しいところをなんとかしてみようという運営委員の皆さんの心意気が感じられた。楽しかった」(虫とり小僧氏) 「20代、30代の投資家、女性の参加者が近年で一番多かった。インデックス投資の裾野が広がっていることを実感。11回目ということで、内容が洗練されていた。ブロガー、有識者と司会者のテンポよいかけあいが見事だった」(ファイナンシャルアドバイザーの佐渡玉希氏) 「米国株投資と国際分散投資をそれぞれ実践しているブロガーさんのリアルな話や、金融庁の方の登壇など、工夫を凝らした演出で楽しかった。参加者に女性が増えていたことや皆さんが熱心にメモを取っていたのが印象的」(ファイナンシャル・プランナーの岩城みずほ氏) 「同じテーブルに、会社の確定拠出年金をどう運用するのか勉強するためにインデックス投資家のブログを読み漁り、初めて参加した方が二人もいた。世間一般ではまだまだ投資の普及は広がっていないが、それでも徐々に老若男女問わずインデックス投資が広まってきていると実感」(シオイ氏) 「印象に残ったのは『相場が下落してからその後にどうしようではなく、下落に耐えられるよう前もって準備するのが重要で、例えるなら、地震が起きてからではなくその前から対応しておくのと同じ』という竹川さんの話。話のあと、本当の地震が起きたのにはびっくり」(リバモ氏) 「初参加。20代~30代の参加者が多く、ツイッターやノートなどに真剣にメモをとって考えを学ぼうとする勉強熱心な人が多いと感じた。多種多様な考えがあるのを改めて感じ、他人の投資手法を否定する人が少なくない中、自分自身が満足できる損益がでていればそれでいい、ということを再認識した」(ずずず氏) 「初参加だったが開場直後にほぼ満員となっていてびっくり。女性の参加者が意外と多く、登壇者が遠慮なくお酒を飲んでいたのが面白かった。金融庁の人がこのようなイベントでメッセージを出すのは素晴らしい取り組みだと思う」(YUMA氏) 「老若男女が普段の属性をすべて忘れて、投資への関心というただ一点を共通項として存分に語り合う大規模なオフ会。参加者同士の間でもブログの匿名ハンドルネームや本名で紹介しあい、お互いが交流を深めていく。普段は話しにくい『投資』について、1年分の熱意を皆が存分に吐き出せた7月の夜だった」(WATANKO氏) 「インデックス投資のブログを昨年から始めた。多くのインデックス投資家との交流を深めたくて参加。自分と同じ個人投資家の話を生で聞けたのが印象的だった。有識者による説明とは目線の違う、投資家が今まで培ってきた経験を聞くことができる機会はなかなかなく、とても有意義」(もことん氏) 「東京以外では投資家が集まる大規模なイベントはなかなかない。全国の投資家と意見交換ができる貴重な場のため可能な限り参加。ツイッターやブログで面識のある方と実際に交流することができて大変有意義。第一部の対談の中での『自身の投資法を主張するために他人の投資法を批判する必要はない』というコメントが最も印象的」(くは72氏) 「お酒を飲みながら金融商品について自由に語るというのは、金融機関の後ろ盾がなくタブーのない運営スタイルだからこそ実現できると感じた。参加者の投資経験が本当に幅広く(半数以上がリーマン・ショック未経験者)、色々な先輩投資家と気軽に意見交換ができる貴重な機会となった」(眼鏡小僧氏) 「『インデックス投資に端を発した長期投資の裾野の拡がり』を感じた。参加者に若い人、女性もたくさんいて、『普通の人』が増えてきたような気がする。異なる投資スタイルの人に対しても、お互いを理解できるマインドが醸成されてきているのを感じられてうれしかった」(NightWalker氏) 「初参加。私の場合、投資・資産運用に関する情報収集は書籍やネットが中心で、誰かと会うことはなく、半ば孤独の状態。友人や職場の同僚と気軽に話せる話題ではなく、ましてや対面での情報交換や議論の機会は皆無。多くの参加者や運営者、登壇者の方々と交流でき、新たなつながりを持てたのに満足」(ザリガニ氏) 「初参加。雰囲気が想像以上にカジュアルなのが一番印象的。登壇者の方がお酒を飲みながらも真面目に投資について語らう。親近感を感じながらしっかり勉強させてもらった。懇親会でも、実行委員や登壇者の方とフランクに話ができたうえ、長期投資を志す個人投資家の皆さんと交流が図れた」(青井ノボル氏) 「2016年以来2回目の参加。たぱぞうさんの説明は説得力があった。水瀬さんは最悪の事態を少しでも回避できるように単一国投資にはしないということで、自分もビビリなのでこの意見に大きく賛同。平時にきちんと投資方針書を作成し、『自動化』『ルール化』『仲間をつくる』という竹川さんの説明は自分に突き刺さった」(Hiro_san氏) 「初参加。登壇者、参加者ともにお酒を飲みながらということもあり、一方的に講演を聞くのではなく、参加者も隣同士で自然に会話が始まり、特に誰に気遣うこともなく、ホンネで語り合えるいい機会だと思う」(ファイナンシャル・プランナーの横田健一氏) 「現在25歳。大雨で乗車予定の夜行バスが運休になり、予定の2倍近くの出費になったけど、それだけの価値があった。日常ではなかなか『投資の話』ができる相手や機会がなく、孤独感を抱きがちなので、インデックス投資をしている同好の士に会うことができたので大満足」(ミドノン氏) 「登壇者や参加者のみなさんの投資に対する考え方を学び、自分の投資について客観的に見つめ直すいいきっかけとなった」(30代養護学校職員) 「4~5年前に最初に参加した時より『普通』の方や『投資マニア』ではない方が増えたように感じた。女性も増え、カジュアルに参加しやすい雰囲気だった。コツコツ買えば、年に一回リバランスをする程度で済むのがインデックス投資。年に一回このような会で楽しく情報収集するのを楽しみにしている」(おぱる氏) ▼インデックス投資ナイトのサイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、望月瑞希)

つみップで「投信あるある」 金融庁が「毎月分配」のカラクリを説明

金融庁が16日夜に開いた個人との意見交換会「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)は、つみップ担当の職員がツイッター上で呼びかけた「投信あるある」をテーマに取り上げた。投信でよくありそうな誤解に対して、ゲストとして登壇した識者が回答し、金融庁は毎月分配のカラクリを詳しく解説した。 つみップは金融庁が昨年4月から開いている積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)に関する個人との意見交換会で、今回で16回を数える。 投信あるあるは投信に関する誤った認識や体験談などをつぶやきあうことで、広く情報を共有しようという試み。金融庁の職員が2月23日夜に「#投信あるある104」というハッシュタグを付けて投稿を呼びかけると、投信ブロガーをはじめとする個人投資家や識者らにつぶやきの輪が広がっていった。今回のつみップでは、集まったつぶやきを材料に投信への理解を深めた。 ■参加者は3分の2が20~30代 金融庁の会議室に集まったのは、男性17人、女性13人の計30人。年代別では20代6人、30代14人、40代7人、50代3人で、20~30代の若い世代が3分の2を占めた。投資経験は3年以上12人、3年未満14人、経験なし3人、現在は休止中が1人と幅広かった。 ゲストは経済評論家の山崎元氏ら識者3人に、著名投信ブロガーの「水瀬ケンイチさん」「NightWalkerさん」「虫とり小僧さん」の3人が加わった。 ■「投信あるある」でよくある誤解を確認 金融庁は「収益調整金」を説明 つみップでは「#投信あるある104」から選んだつぶやきを掲載した冊子「投資信託についてよくある誤解 厳選集」が参加者に配られた。主な誤解や勘違いについて列挙すると、以下の通り。 「販売額ランキング上位のファンドは、みんなが買っているので良い商品なのでしょう」 「店舗のある銀行や大きな証券会社のほうが、専門家が親切にどの投信がよいか教えてくれるので信用できる」 「環境関連のテーマ型投信を前に積み立て投資していた。既に売却したが、その商品は結局、繰り上げ償還された」 「投資の基準価額は資金流入額が多いほど、多くの人が買うので上がるはず」 「インデックスファンドは基準価額が高いほうが優秀」 「分配金が出ないファンドは分配金を出すファンドより儲からない」 「販売手数料や信託報酬が低いと、それは粗悪品で安物買いの銭失い、という説明がある」 「特別分配金は普通とは違うので特別にお金を振り込んでくれるサービスのこと」 「ノーロードは道路と関係あるのか」 「日本株ファンドの基準価額には組み入れ銘柄の配当金が上乗せされるのに、配当を含まずに計算する『TOPIX』と比較して、運用成績をよくみせようとするケースが少なくない」 「販売会社が経営破たんすると自分のお金が戻ってこない」 金融庁は毎月分配型などで元本を取り崩した分配を可能にする「収益調整金」という追加型株式投資信託特有の仕組みをスライドを使って説明。投信を後から購入した人の「元本」の一部が分配原資に加わっていくため、基準価額が下落しても誰かの「元本」を原資にすることで分配しているというカラクリを解いた。 参加者からは「イメージはつかめた」との声があがった。投信ブロガーの「毛流麦花(モールバッカ)さん」は「投信経理の本を読んで分配金の仕組みについて理解を深めたい」と意欲を示していた。  ■答えがいのあるハイレベルな質疑 「投信あるある」に先立って、金融庁が「つみたてNISA」制度をスタートした背景や狙い、その特長や長期・分散投資の効果、対象商品などを説明した。配布資料には図表に合わせたイラストが差し込まれているのが今回の特色のひとつで、個人がより理解しやすくなるように工夫されていた。 参加者からの質問は「つみたてNISA」の制度に関するものが多かった。 【参加者からの質問】 ・販売手数料の海外(特に米国)との違い ・レバレッジをかけた投信(日経平均の2~3倍の値動き)が対象外となった理由 ・つみたてNISAでの投信販売実績 ・海外留学や海外赴任時の取り扱い ・売却手数料の信託財産留保額がある投信は対象外なのか ・バブル時には身近で投資の話をしやすかったか ・日経平均を20年積み立て投資してプラスになったというグラフがあるが、最終的に上昇した期間なので当然ではないのか ・「一般NISA」から「つみたてNISA」に切り替えてしまうと、5年後に「つみたてNISA」を止めても「一般NISA」のロールオーバーは不可との説明を金融機関から受けたが確かか ゲストの投信ブロガーからは「答えがいのあるハイレベルな質問が多かった」「『どんな投信がいいのか、資産配分はどうしたらいいのか』といった素朴な質問はなかった」などの感想が漏れた。 ■「つみップ」参加で指南役へ、草の根の活動も 参加者からは「職場では投資の話はなかなかできないので、『つみップ』での情報や懇親会での交流は、自分の投資にとても役立つ」(30代男性会社員)との声が聞かれた。 前回の女子部に続き2回目の参加で今年から「つみたてNISA」を毎日800円(月2万円程度)で始めたという30代の女性会社員は「全部は理解できないが、金融庁の説明は説得力があり、これで『外れ商品』に引っかからないと思うと安心」と明るい笑顔で語った。 その話をそばで聞いていた投資経験豊富な30代男性会社員は「投資入門としては最高の選択。『つみたてNISA』の制度には不満な点もあるが、金融庁の制度定着への本気度は感じる」と熱を込めていた。 地方の大学生も参加した。4月から宮崎県での就職が決まっているという山口県在住の大学4年生の男性は「去年は『つみップ』にとんぼ帰りで参加したが、今回は卒業旅行を兼ねて参加。水瀬さんをはじめ著名ブロガーの方にまた会えて感激」と話す。少しずつではあるが「つみたてNISA」が若い世代に浸透し始めている。 「つみップ」に参加するだけではなく学んだことを基にして、「つみたてNISA」の教え役に回っているケースもある。会社を早期退職し現在は職業訓練校に通っている女性は「学校のクラスメート20人あまりに『つみたてNISA』についてプレゼンテーションする機会を持ち、『つみたてNISA』を知らなかった人が関心をもってくれた」と話していた。 「つみたてNISA」は今年1月に始まったばかりで、投信市場での存在感はまだ小さい。学生での関心の高まりやこうした草の根の活動が徐々に広がっていくにつれ、おおきなうねりに変わっていくのはそう遠くないかもしれない。 ■東京では4月に「つみたてNISAフェスティバル 2018」 つみップはこの後、名古屋市、鯖江市などで開催し、東京では4月21日に「つみたてNISAフェスティバル 2018」を開催する。つみたてNISAフェスティバルは昨年9月に続く2回目。さらなる持ち上がりが期待できそうだ。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、小松めぐみ)

ツイッターで広がる「投信あるある」 金融庁職員が呼びかけ

「債券でしか運用していないのに、なぜ株式投資信託?」 「基準価額が高いと割高で、低いと割安?」 2月23日夕に「#投信あるある104」というハッシュタグを付けた投稿がツイッター上に登場すると、瞬く間に投信ブロガーをはじめとする個人投資家や識者らによるつぶやきの輪が広がった。 呼びかけたのは、積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)に関する個人投資家の意見交換会(つみたてNISA Meetup、通称:つみップ)を担当する金融庁の職員だ。ハッシュタグは「#」の後に言葉を書くことで特定のテーマであることを示す検索用のキーワードで、「104」は「とうし(投資)」を意味する。 金融庁は昨年からつみップの開催を重ねている。参加者から投資対象となる投資信託の仕組みに関する初歩的な質問を受け、「確かに投信ってわからないことが多い」と感じたのが投信あるあるを始めたきっかけという。 投信の制度や仕組みは難解な専門用語が多く、未経験者や初心者にはわかりにくい。投信でよくありそうな勘違いや投信購入時の体験などをつぶやくことで、広く情報を共有しようというわけだ。   「債券は満期まで保有すれば元本が確保されるのに、債券で運用する投信に元本割れリスクがあるのはなぜか」 「金利の高低と債券価格の上下との関係は?」 「国内非居住者になる海外赴任者は投信を購入できるのか」 「実際の取引に適用されるのはいつの基準価額か」 インターネットなどで調べても正しい答えにたどり着くのが容易でない「投信の常識」がサイバー空間の集合知で浮かび上がりつつある。 金融庁は「貯蓄から資産形成へ」の旗を振り、投資家の裾野拡大に腐心する。3月16日に東京で開催するつみップでは、「#投信あるある104」を参考にしながら、「投信のよくある誤解」について、ゲストを交えて話し合うことも予定しているようだ。 (QUICK資産運用研究所)

金融庁が「つみップ」女子部を開催 率直で実践的な質問が続々

バレンタインデー明けとなる2月15日の夜、金融庁の会議室に30人近くの女性が集った。金融庁が主催する積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の意見交換会「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)の14回目。昨年11月に続く2回目の「女子部」は、文字通り女性だけを対象に参加者を募って開催した。 ■金融庁の制度説明、iDeCoとの違いにも言及 ゲストには、おなじみの経済評論家の山崎元氏やファイナンシャルプランナー(FP)の岩城みずほ氏らに、男性ベテラン投信ブロガーの「NightWalker」さん、「虫とり小僧」さん、「吊られた男」さんの3名が加わった。さらに女子部に花を添える形で、ブログやツイッターで自身の資産運用について積極的な情報発信し、つみたてNISAを既に始めるなど投資経験豊富な「おぱる」さん、「スバル」さん、公務員の「yoko」さんの女性3名が特別ゲストに招かれ、豪華な顔ぶれが揃った。 参加者約30人のうち、6人の投資未経験者を含む半数ほどが投資歴3年未満で、経験歴の分け隔てなく「つみたてNISA」への関心が高いことがうかがえる。 金融庁担当者からは、つみたてNISAを制度化した背景や投資信託の仕組みに加え、同じく税制優遇が受けられる個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)との税制上の違いも説明に盛り込まれたのが今回の特色だった。 ■制度乱立の不便さや償還の不安などリアルな声飛ぶ 質疑・応答の時間では、障害を持つ娘にはつみたてNISAとiDeCoのどちらを勧めたらよいか、子供にはジュニアNISA(子供名義)とつみたてNISA(親名義)のいずれを選択すべきかといった女性目線での質問が目立った。 年間非課税枠がどうして12で割り切れない40万円なのかといった制度に関する素朴な疑問も出た。NISA(一般NISA、ジュニアNISA、つみたてNISA)をすべて一本化してもらった方が便利などの実直な要望もあり、金融庁担当者が熱心に耳を傾ける姿が印象的だった。 つみたてNISA対象ファンドの繰り上げ償還の可能性に関する質問に対して、投信ブロガーからは「繰り上げ償還をそれほど不安視せずにまずは始めることの方が重要」とのアドバイスもあり、そのうえで別の投信ブロガーからは投信制度そのもので「繰り上げ償還されると換金益に課税されるなど、何かと投資家に不利益になるのは改善して欲しい」と金融庁への要望が出る場面もあった。 今回開催されたつみップ女子部の感想を聞くと、ゲストの女性投資家からは「率直で実践的な質問」が多かったとの声が上がっていた。「ジュニアNISA口座で金融機関の変更ができないのは不便」という金融庁への要望もその一つだ。投信ブロガーからは「最近の波乱相場に関連した質問がなかったのは意外」との感想がもれた。   ■懇親会ではゲストを囲む華の輪 木曜日の夜にも関わらず、懇親会には約20人が参加し、ゲストや金融庁職員を囲みながら談笑する華の輪ができた。 ゲストのアドバイスがとても参考になったとの声もあった。「インデックスファンドの低コスト化が進んでいるが、乗り換えた方が良いのか」との質問に対し、山崎氏からは乗り換え時に換金税がかかる場合は「期待リターン×税率」が目安になるとの説明があった。例えば、外国株ファンドの期待リターンをおよそ年率5%とし、税率が約20%なので、信託報酬の差が両者を掛け合わせた1%以上だと乗り換え、1%未満だとそのまま保持、という基準だ。 投資信託の仕組みのイロハを「金融当局」が丁寧に解説していたのは「凄い」とゲストの女性投資家は感心していた。「投信の資産は信託銀行において、ファンドの保有者ごとにきちっと分別管理・保全されている」ので安全という説明が金融庁からあった。 ■50代女性「コツコツ投資もいいかな」 上場企業に勤める50代の独身女性は「職場の周りは自分と同年代の男性ばかり。私もそうだが、みんな定年後の生活に不安をもっているはずなのに、資産運用について話をするような雰囲気は全くない。今回参加して、ブロガーの皆さんと知り合えてよかった。つみたてNISAの非課税期間が20年といっても、定年が近い自分には無関係と思っていたが、今日の話を聞いて少し考えが変わった。一般NISAをつみたてNISAに切り替えてコツコツ投資してもいいかなと考えている」と話していた。 30代の会社員はNISAを少し前に始めたが、「職場の同僚から最近『つみたてNISAのことを教えて』とよく聞かれても、うまく答えられないので今回参加してみた。ヒントをつかめたような気がする」という。働く女性の間では、つみたてNISAの関心度合いがじわり高まってきているのかもしれない。 ゲストの岩城氏は「質疑のレベルが高かった半面、今回参加した投資未経験者が『つみたてNISAをどのように活用し始めたらよいか』を考えるのにどのくらい役立ったか少し不安。昨年11月の女子部では、つみたてNISAを始めるにあたり、その前に必要となる資産形成の金額や適切な運用場所などを5つのステップに分けて考える手順を紹介した。金融庁のつみップのサイトに説明資料が残っているので、投資未経験者の参考になれば」と話していた。 ■「20年という投資なんて・・・」、女性の歌声響く 懇親会の締めの挨拶は山崎氏。「つみたてNISAは失敗しにくい制度なので、『始める』『続ける』そしてそのよさを『教える』を是非実践して欲しい」と述べた後、恒例になりつつある合唱の音頭取りに移った。 今回ひねり出した曲は「20年」と「女性」にひっかけて、1997年に大ヒットした歌姫・安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」。歌詞のサビを「20年という投資なんて知らなかったよね」に置き換えて歌うというシャレタ計らいだった。 ■再び地方へ、つみたてNISAキャラクターも誕生 3月のつみップは地方へ繰り出す。昨年12月のQUICK資産運用研究所の調査では、首都圏に比べ地方の方がつみたてNISAの認知度はやや低い傾向にある。東京でのつみップの熱気がどこまで伝播するか注目だ。 そして、金融庁はつみたてNISAのマスコットキャラクターを募集することを発表した。2月中には募集を開始する予定のようだ。   ◯「個人の資産形成に関する意識調査」の概要はこちら <金融庁> つみたてNISA Meetup (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、小松めぐみ)

金融庁が初心者向け「つみップ」  先輩ブロガーに直球質問

1月19日の夜、東京・霞が関にある金融庁の会議室には金融庁担当者やゲストの声に熱心に耳を傾ける30人近くの姿があった。今年1月から始まった積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)について語り合う、金融庁主催の意見交換会「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)も13回目を数え、今回は主に投資経験が3年未満の初心者を対象にした「つみップ Rookies」が初めて開催された。 講師に経済評論家の山崎元氏らを招き、人気投信ブロガーの「虫とり小僧」さん、「はちどう」さん、「吊られた男」さん、「個人凍死家テリー」さんの4人が特別ゲストとして加わった。金融庁の「長期投資のベテランとしてルーキーズの質問に答えて欲しい」という要望に応え、長期投資を実践し、米リーマン・ショックをはじめとする数々の市場の変調をくぐり抜けてきた強者(つわもの)がそろった。 ■スマホで「資産運用シミュレーション」実体験 金融庁担当者はつみたてNISAの制度概要に加え、「投資とは」といった根源的内容を説明。「米国で金融資産が大きく拡大したのは非課税制度が起爆剤になった」「(投資を通じて)未来の幸せで明るい自分に会う準備をしてはどうか」「適度なリスクをとるのが必要だが、投資信託を通じ世界の金融市場全体を少額で買うのが可能」などと解説した。山崎氏は「一部の金融機関という『狼』には気をつけて」と注意を促した。 説明会は終始和やかな雰囲気に包まれ、参加者が自身のスマートフォンを使って金融庁ホームページの「資産運用シミュレーション」を一緒に体験する時間も設けられた。例として、想定利回り(年率)が3%の投資信託を毎月3万円ずつ購入すると20年後には投資元本の720万円が約985万円に増え、運用収益が約265万円(元本に対し約37%のリターン)となることを実体験した。 ■ルーキーズから次々と質問 質疑応答の場では、やや緊張しているためか控え目ながらも、ルーキーズから長期投資に関連した質問が次々と出された。 「妻にも『つみたてNISA』を勧めているが、『知識がない』『損しそうで怖い』として全く耳を貸そうとしてくれない。投信ブロガーの皆さんのご家族はどんな感じか」「新しい商品が出てきて目移りしそうだが、乗り換えた方がいいのか」「20年投資するつもりで、例えば18年目に大きく儲かっていてもそのまま続けた方がいいのか」などだ。 虫とり小僧さんは「ルーキーズの皆さんからの質問は自分のブログ経由で同じように受けたことが何度もあり、投資初心者に共通する疑問や悩みのように感じた」と述べ、「ネット経由ではなく、直接受け答えができたのは新鮮で、少しでも参考になれば嬉しい。『損してもあまり考えこまずにひたすらコツコツ投資を続けることが何より肝心』なことを伝えたかった」と話していた。 つみップにほぼ毎回参加し、ツイッターで臨場感あふれる実況中継が恒例となっている若手投信ブロガーの「安房」さんは、今回はルーキーズに同伴する形で参加。「投信ブロガーにとっても、初心者の率直な疑問に答えることは考え方を整理する機会にもなり、今後の活動に大きなプラスになったのではないか」と語っていた。 ■金融庁、「職域NISA」の広がりに期待 「つみたてNISAは若者にはいい制度と思うが、大学を卒業したばかりの初任給でやりくりするのは苦しい。金融庁は制度をどのように広めていこうとしているのか」と質問の矢は金融庁にも向かった。 金融庁を代表し、油布志行参事官は「長期・積み立て・分散投資のつみたてNISAは投資のスタンダードだと考えている。ただ、制度普及には小さな成功体験の積み上げが欠かせない。必ず儲かる魔法の杖でもないので、投資家が成功しやすいように、手数料負けしないような投資信託に対象を絞り込んだ」などと強調した。 金融庁は、働く若者がつみたてNISAを始めやすいよう、職場積立NISA(職域NISA)の広がりに期待をかけている。金融庁幹部や職員、家族が率先してつみたてNISAを始めており、今後は中央官庁をはじめ東京都の職員や教職員に広がる可能性もあるようだ。 ■「家に帰ったらつみたてNISA」「投信ブロガーに会えて最高」 初心者は識者や先輩投資家と交流する場が限られるだけに、つみップを通して投資に対する理解が深まったようだ。 今春から社会人になる学生は「銀行で勧められるがままに投信を買った。今日は投資全般について聞きたいと参加した。近くで投資している人がいないのでこういう場はいいですね。家に帰ったらネット証券でつみたてNISAをしようと思う」と意気込んでいた。 今回で8回目の参加となる女性は「毎回テーマが変わるので飽きずに面白い」と語った。「投信ブロガーって本当に実在していたんですね」「投資を始める時に参考にした『生』ブロガーと会えて最高」「金融庁に入るのに緊張したが、意外に敷居が低くホッとした」といった率直な感想も聞かれた。 「介護の仕事をしていて、日々少子高齢化の厳しさを感じる。年金への不安もあるので自分でどうにかしなきゃいけないと思った」「預金の金利が低すぎる、そうかと言って給料がすぐに上がる訳でもないから少しずつでも殖やす努力をしたい」など、働く世代のリアルな声も印象的だった。 つみたてNISAの誤解が解けたとの声もあった。大学4年の女子学生は「一般NISAと併用不可なのを一般NISA口座の解約が必要と勘違いしていた。そうではないと分かったので、長期に寝かせるつもりで、地元に帰省した時に地方銀行でつみたてNISA口座を開設するつもり」と話した。 一方、「多少投資に関心がある人には今回の意見交換会はとても役立つと思うが、職場で投資の話をしようものなら白い目でみられる。『投資が怖い』と思っている人たちが始めるには相当ハードルが高い。制度が広く社会に受け入れられるにはテレビでコマーシャルをバンバン打つなどが必要なのでは」という指摘もあった。 ■金融庁の一室でまさかの歌声 意見交換会の後に設けられた懇親会は金融庁職員を含む30人以上が参加した。懇親会の締めを任された山崎氏は、いつもの辛口がさく裂すると思いきや、音頭をとったのは伴奏ならぬ自身の口笛に合わせての合唱。曲は「スキヤキ・ソング」として世界的に知られている坂本九の「上を向いて歩こう」だった。 金融庁で歌声というまさかの懇親会お開きとなったが、あたかも「歌詞の最後のように『ひとりぼっちの夜』を感じている投資家はつみップに来て、長期投資の輪に加わると一人ではない」と呼びかけているかのようだった。 山崎氏は「一括投資に比べて有利でも不利でもなく、気休めに過ぎない投資手法」とドルコスト平均法(積み立て投資)に対してはどちらかと言えば否定的立場をとるが、「つみたてNISAはいい」と評価。「若者の多くには一括投資が有効なほどのまとまった資金がなく、毎月の少額投資が現実的」「つみたてNISAは、金融庁が対象商品をノーロード・低コスト商品に絞り込んだことで、失敗しにくくて成功体験を作りやすい投資教育の優れた教材になった」「習うより慣れろで、大いにやってみて欲しい」と語った。 会場にはテレビ局の取材が入り、ますます盛り上がるつみップ。次回の2月15日は人気企画の「女子部」だ。 <QUICK Money World関連記事> 「つみたてNISA」本番直前、金融庁に個人投資家が集結 年内最後の「つみップ」  <金融庁> つみたてNISA Meetup 資産運用シミュレーション <日経電子版> ・虫とり小僧さん バランス型で満足(投信ブロガー) ・吊られた男さん 理詰めのパッシブ(投信ブロガー) (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、小松めぐみ)

個人が選ぶ投信の共通点は? FOY2017ベスト20を一覧比較

 個人投資家が年に1回、自分たちにとって本当に良いと思える投資信託を投票で選ぶ「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」(FOY)。13日に表彰式が開かれたFOY2017で11回を数え、いまや投信業界の恒例イベントになっている。  では、投票に参加した投信ブロガーが高く評価するのは、どのような投信か――。FOY2017のベスト20投信(20位が2本で計21本)をコストや運用成績などを加えた一覧にして比較した。 【ベスト20の特徴】 ◯ノーロード(販売手数料なし)は共通条件(ETFを除く)。実質信託報酬も平均的な投信よりも低い。1位の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は販売手数料なし。実質信託報酬は0.2396%と、同じ分類(QUICK分類「グローバル株式(先進・新興複合)-為替リスクあり」)の平均(1.591%)を大きく下回る。 ◯設定後年数(ETFを除く)は平均4.24年で、設定から日が浅い投信が目立つ。2018年1月に始まった積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)をにらんで新規設定された投信が複数選ばれたことが影響した。ETFを除くと、つみたてNISAの対象商品。 ◯決算は年1回が共通条件(ETFを除く)。決算を迎えていない投信を除くと、直近1年に分配金がなかったのも共通点。 ◯設定から日が浅い投信は比較が難しいが、2位の「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」、6位の「ひふみ投信」などは1年リターンが同じ分類の平均を上回る。 ◯先進国株式、グローバル株式(先進・新興複合)を投資対象とする投信が上位に並び、国内株型では直販投信が上位にランクイン。 ◯1位の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」、3位の「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は、それぞれ主な投資対象が9位の「Vanguard Total World Stock ETF(VT)」、16位の「Vanguard Total Stock Market ETF(VTI)」。海外ETFを、税手続きや積み立ての手間がかからない投信として購入できるようにしたことが評価された。 <FOY2017公式サイト> 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2017 (QUICK資産運用研究所)

静かな熱気、懇親会には金融庁職員も 投信ブロガーが選ぶ!FOY2017表彰式

1月13日に都内で開いた「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」(FOY2017)の表彰式会場は熱気に包まれていた。163人の個人投資家(有料入場者)が詰めかけ、会場はほぼ満席。この日のために大阪や北海道から駆け付けた参加者もいた。 ボランティアによる運営で始まったFOYも今回で11回目。個人投資家が自分たちにとって本当に良いと思える投資信託を投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」という趣旨で毎年開催されている。 前回FOY2016の表彰式では、金融庁の森信親長官からメッセージが寄せられ、消費者目線での良質な投信を選んで育てていこうとする取り組みに最大級の賛辞が送られたことは記憶に新しい。もはや単なる個人投資家の人気投票と侮れない。運用会社の将来の浮沈を左右しかねない、消費者代表としての影響力を秘めている。 ■熱い声の数々、会場は静かな熱気に 投信ブロガーの投票理由が「海外株(先進国)型」など主な投資先分類ごとに「熱い声」として司会者から紹介された。参加者の眼差しは正面のスクリーンにくぎ付けとなり、会場内は静かな熱気に包まれた。熱い声の一部は、ファンドごとに公式サイトにも紹介されている。 司会者からは「月次レポートなどへのマザーファンドの規模の明示」や「同じファンドの販売会社名もNISA、iDeCoなどで詳細区分してはどうか」という有益な提案もあった。 「熱い声」は寄せ書きにして上位5ファンドの代表に手渡された。初めて上位入選した野村アセットマネジメントをはじめ、運用会社は投信ブロガーの声援にどう応えていくか。消費者の関心は移ろいやすい面がある。運用各社の今後の取り組みに注目が集まる。 折しもインデックス運用の巨人バンガードが形を変えて日本に上陸した。楽天投信投資顧問が運用する1位の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」(9I311179)と3位の「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(9I312179)は、主に米運用大手バンガードのETFに投資する。国内の運用大手から独立系まで、今後どのように迎え撃つのか目が離せない。 ■山崎氏「つみたてNISAの影響が色濃く」 「積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)が始まったことによる低コスト化競争が色濃く影響した結果になった。今後一段と低コスト化するうえでは、組み入れる世界の株式の株券を現物保管するカストディアン(管理銀行)をグループ内に持つ運用会社が有利になる可能性が高い。連動指数の使用料が低コスト化のネックになるおそれもある」。 経済評論家の山崎元氏は上位入賞結果をこう評し、「この表彰式は素晴らしいが、低コストに焦点を絞った商品性だけではなく、運用内容も含めて総合評価されるよう成熟化していって欲しい」と期待を寄せた。 ■懇親会で熱のこもった議論、金融庁職員も参加 「本家」表彰式が静かな熱き声に満ち溢れていたのは打って変わり、場所を居酒屋に移して開かれた懇親会は熱のこもった議論が充満した。 懇親会には本家の運営委員と上位入賞ファンドの運用会社代表に加え、金融庁職員も数名参加し、官民の交流の場ともなった。 懇親会の実行委員長を務めた投信ブロガーの「個人凍死家テリー」さんは「70人の当初参加枠があっと言う間に埋まったのには驚いた。こうして個人投資家が集まり、輪が広がっていくのは楽しいし、イベントを主催するやりがいがある」と話していた。 投信ブロガーの「takachan」さんは「自分も首位となった楽天・全世界株式インデックス・ファンドに1点投じたが、中小型株を含む世界の株式市場に低コストのファンド1本で投資できる利便性と、海外ETFのVT(バンガード・トータル・ワールド・ストック)に直接投資した場合にはできない配当金の自動再投資が実現可能となったのが魅力的だ」と話した。 ■「投信ブロガーはコストに敏感」「投票締め切りが延びたなら違った結果も」 FOY2017運営委員の「m@」さんは「新たなファンドが上位入選しているのは、投信ブロガーが情報感度が高く、コストに敏感なことを反映し、特に今年の上位はブロガーの間での米国株ばやりの流れを受けているのではないか」と分析していた。 「信託報酬の引き下げは歓迎するが、自分が保有している既存のファンドではなく、(似たようなファンドを)新たに設定する形で低コストにするのは正直どうかと思う。それより販売会社の同意を取り付けたうえで、既存ファンドで信託報酬の引き下げを実行する運用会社を積極的に評価したい」と話す投信ブロガーもいた。 「11月末に投票が締め切られたが、それ以降に続々と低コストファンドが登場している。投票締め切りが少し延びたら、また違った結果になったのでは」との声も聞かれた。 ■終わりなき熱い議論、2次会・3次会へ 懇親会終了後、自発的に参加者30名以上が居残り2次会が開かれた。金融庁のつみたてNISA推進担当者も交え、消費者本位の良質な投信を巡り、熱心に語り合う姿がそこにあった。その後、相当な人数が3次会にも流れ込んだようだ。 FOY2017は、日本の資産運用業界が本当の意味で顧客本位に変わる静かなムーブメントが起こりつつあるのを感じさせるイベントだ。5年後、10年後に振り返ってみると、消費者本位への地殻変動の動きはここで始まったと思い起こさせることを予感させる会であった。 <FOY2017公式サイト> 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2017 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、小松めぐみ)

投信ブロガーが選んだのは? 1位はRV全世界株・Fund of the Year 2017

1月13日、昼下がり。都内のイベントホールで「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」(FOY2017)が発表された。発表会を兼ねた表彰式は、160人を超える個人投資家(有料入場者)が参加し、会場はほぼ満席となった。 「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」は、個人投資家が自分たちにとって本当に良いと思える投資信託を投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」という趣旨で毎年開催しているイベントだ。投信ブロガーや著名ファイナンシャルプランナーらがボランティアで企画・運営を続け、今回で11回目を迎えた。 投票は17年11月末に締め切られた。17年9月末までにブログを開始している”投信ブロガー”が投票権を持つ。投信ブロガーは1人5ポイントを保有し、アクティブ(積極運用)型、インデックス(指数連動)型を問わず、1~5本のファンドを選んで自由に投票する。今回は過去最多となるおよそ200名もの投信ブロガーが投票に参加した。 1位に輝いたのは、楽天投信投資顧問が運用する「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」(9I311179)で、獲得ポイント数は95だった。17年9月末に設定されたばかりのニューフェイスが2位に16ポイントの差をつけて首位となった。1本で日本を含む全世界の株式に投資できることなどを理由に幅広い支持を集めた。授賞式で登壇した楽天投信投資顧問の東眞之代表取締役社長は1位獲得を「感無量」とコメントした。  ニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」(2931113C)が79ポイントで2位となった。4連覇を逃したが、4年連続でトップ3入りを果たした。代表者は「<購入・換金手数料なし>シリーズのファンドは純資産総額が拡大するにつれ、受益者とそのメリットを分かち合えるよう、信託報酬を下げて行くコンセプトに変わりはない」と明言した。 楽天投信投資顧問は「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(9I312179)も70ポイントで3位に入った。 野村アセットマネジメントが運用する「野村つみたて外国株投信」(0131317A)は4位にランクイン。国内最大手運用会社の野村アセットマネジメントは上位入賞が今回が初めてとなった。代表者は今回の賞を「”粋な賞”と受け止め、まだまだ上がいる、継続こそ力なり」と運用の質は下げすに上を目指す気概を見せた。 5位は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」(03312175)が入った。2017年にインターネット専用で販売を開始したスリムシリーズの人気商品だ。代表者は「正月休み明けとかけて、つみたてNISAと解く、その心は常にスリムを目指します」と、「Slim」へのなぞかけで会場を沸かせた。 上位10本のうち、6本が17年に新規設定されたファンドだった。実行委員長の投信ブロガーrennyさんは総評で、初めて入選した運用会社に「今年限りの一発屋にならないで欲しい」と熱いエールを送った。 <FOY2017公式サイト> 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2017 <参考> 当日の様子は投信ブロガーや関係者がツイッター(ハッシュタグ:#foy2017)で発信 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ、高瀬浩)

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