フィデリティの運用担当者「米国のREITとハイイールド債は堅調」

フィデリティ投信が運用する日本で最大級の投資信託「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」(32315984)と「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」(3231203C)。どちらも純資産総額(残高)が6500億円を超す毎月分配型の巨大ファンドだが、最近は分配金引き下げによる資金流出が続いている。前週来日したポートフォリオ・マネジャーのハーリー・ランク氏(「USハイ」担当)と、スティーブ・ビューラー氏(「USリート」担当)に、それぞれの市場の今後の見通しなどを聞いた。主な内容は以下の通り。 ■ランク氏「米ハイイールド債、分散効果高く資産に組み入れを」 「米国のハイイールド(低格付け)債券は、過去30年間に2年連続でマイナスのリターンになったことはない。マイナスの次の年は必ずプラスのリターンを上げている。リーマン・ショックの翌年2009年には50%超のリターンだった」 「米国経済は国内総生産(GDP)伸び率からみても堅調だ。ハイイールド債を発行する会社の財務状況も良好なので、今後のデフォルト(債務不履行)率は非常に低いとみている」 「過去の利上げ局面を振り返っても、ハイイールド債はプラスのリターンを維持した。金利が上昇するということは景気が良好なことを意味するので、ハイイールド債の発行体の信用力にもプラスになる」 「過去20年間のハイイールド債の年率リターンは6.88%だ。株式や国債、コモディティとの相関が低い商品でもあるので、資産分散効果が高い。ぜひ資産の一部に組み入れてほしい」 ■ビューラー氏「米REITは割安」 「米国のREIT(不動産投資信託)市場は良好だ。不動産物件の新規供給が限られていて、既存物件の稼働率は約95%とほぼ満室の状態にある。特に商業用不動産物件の新規供給は過去平均を下回っており、この先数年はさらに少なくなるだろう。建材費や人件費の高騰で建設コストが増加しているからだ」 「米国のREIT価格は非常に割安になっている。米国株の上昇局面で株式に資金が流れ、REITは放置されていたためだ。ここにきて相場に調整が入り、REITにも再び資金が流れてきた。それでも依然として割安な水準にある」 「米国の利上げに伴う金利上昇はREITにとってマイナスという見方があるが、それは偏見だ。利上げするのは、景気が良好だからこそ。景気が良ければ賃料も上昇し、REITにとってもプラス要因になる。資金調達コストは上昇するが、プラス面とマイナス面との綱引きになる」 (QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

投信残高の増加額はレオスが首位、2位に日興アセット 2017年度の運用会社別

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)について、2017年度(17年4月~18年3月)の動向を運用会社別に集計したところ、純資産総額(残高)の増加額はレオス・キャピタルワークスが首位となった。「ひふみ投信マザーファンド」に投資する「ひふみ投信」、「ひふみプラス」、「ひふみ年金」の3本だけで計5351億円増えた。2位は日興アセットマネジメント、3位は三井住友アセットマネジメントだった。 資金流入額は日興アセットが1位。「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)」や「グローバル・フィンテック株式ファンド」などが資金を集めた。レオスが2位で続き、3位は三井住友アセットだった。 一方、残高の減少額はフィデリティ投信の7630億円が最大。「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」から資金流出が続き、運用会社別の資金流出額も最大だった。 集計対象は追加型株式投信(ETFを除く)で、 データは2018年3月末時点。 (注)QUICK資産運用研究所調べ。データは2018年3月末時点。対象はETFを除く国内設定の公募追加型株式投信(単位型は含まない)。資金流入額はファンドの設定額から解約額を差し引いた概算推計値。償還ファンドも考慮し、償還額は解約額に加算。▲はマイナスで減少または流出。運用増加額は純資産増加額から資金流入額を引いた値で、運用のみによる増加額を意味する(概算値)。純資産増加額=資金流入額+運用増加額。分配金支払総額(概算値)は資金流出額には含まれず、分配しなかった場合に比べ、運用増加額は分配金支払総額分だけ減る。億円未満は切捨て。 (QUICK資産運用研究所)

「フィデリティ・グローバル・ハイ・イールド」が分配金を減額 過去最低の70円に

フィデリティ投信が運用する「フィデリティ・グローバル・ハイ・イールド・ファンド(毎月決算型)」(3231108C)が27日の決算で、1万口あたりの分配金を前月より30円安い70円に引き下げた。減額は2016年11月以来。分配金額は初めて100円を下回り、2008年12月の設定以来の最低水準となった。 同ファンドは、主に米国と欧州、アジアの3つの地域の高利回り社債(ハイ・イールド債券)に分散投資する。1月末時点の1年リターン(分配金再投資ベース)は6.45%。2月27日時点の基準価額(分配金支払い後)は7517円で、1年前と比べ9.71%下落している。 フィデリティ投信は引き下げの理由を「安定した収益分配を継続するとともに、中長期的な基準価額の上昇を目指すため」としている。  ※フィデリティ投信の発表資料  「フィデリティ・グローバル・ハイ・イールド・ファンド(毎月決算型)」 の分配金について (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

投信残高、「フィデリティUSハイ」が首位に返り咲き  「ゼウス」は2位に後退

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)は、6日時点で純資産総額(残高)ランキングの首位が入れ替わった。1位に浮上したのは「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」(32315984)。月末ベースでさかのぼると、同ファンドがトップに返り咲くのは2014年8月末以来で約3年5カ月ぶり。 「フィデリティ・USハイ」の主な投資対象は、米ドル建てのハイ・イールド(高利回り)社債。海外の不動産投資信託(REIT)で運用するタイプ以外のファンドが首位に立つのは、14年9月末以来となる。 6日時点で2位に後退したのは「新光 US-REIT オープン<愛称:ゼウス>」(47311049)。5日の決算で分配金を据え置いたが、資金流出や運用悪化を受けて残高は前月比で480億円ほど減少している。 また、最近の世界的な株価急落が響き、国内や海外の株式で運用するファンドの残高も減少している。「ひふみプラス」(9C311125)や「グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)」(02311158)は前月末時点と比べ順位を落とした。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

QUICKファンドスコアで投信比較! ひふみプラスが8、フィデリティ日本成長株は9

長期投資にふさわしいかどうかの視点から個別の投資信託をランク付けした「QUICKファンドスコア」。QUICK資産運用研究所が算出し、日本経済新聞電子版などで公開している。国内の株式で運用する投信のうち、純資産総額(残高)が大きい投信のスコアを比べてみた。 ■5つの項目から分析、「顧客本位」の評価 QUICKファンドスコアは、各投信を①運用成績の安定度②リスクの適正さ③リターンに見合ったコスト④下げ相場での抵抗力⑤分配金の健全度――の5項目によってそれぞれ分析し、10段階で点数化した「総合スコア」を算出。点数が高いほど、分類が同じ投信の中で相対的に長期保有に向いていることを示す「顧客本位」の投信評価だ。 国内株式型で残高上位の投信のスコア(2017年12月末時点)を見ると、1~10まで評価がばらついている(図表1)。過去3年、5年のリターン(分配金再投資ベース)は全てプラス。いずれも好成績を収めているにも関わらずスコアがバラバラなのは、QUICKファンドスコアが残高の大きさや運用成績だけにとらわれず、長期投資に向いているかどうかを評価軸にしている特徴の表れだ。 全体的に比較してみると、評価が低かったのは毎月分配型。通貨選択型やカバードコール型などの複雑な運用手法を用いるファンドのスコアが1~3と低かった。一方、高評価の投信には分配金を支払わずに運用を続け、高いリターンを上げている積極運用のアクティブ型や、指数に連動した成果を目指すインデックス型が目立った。 ■「ひふみプラス」が8、「フィデリティ日本成長株ファンド」は9 具体的に個別のスコアを見てみると(図表2)、残高トップの「ひふみプラス」(9C311125)の総合スコアは8。過去3年、5年のリターンは群を抜いて高かったが、運用期間がまだ5年半と比較的短いこともあってスコアはあまり伸びなかった。QUICKファンドスコアは運用実績が長くなるほど評価が高くなる仕組みになっているからだ。 「ひふみプラス」の総合スコアの元になる5項目の点数を詳しく見ると、「リスク」と「下値抵抗力」の点数が低いことがわかる。これは同じリスク階級に属する投信の中で値動きの振れ幅が相対的に大きかったことや、基準価額の一時的な落ち込みが同じ分類の投信の中で大きめだったことを示している。 残高2位の「フィデリティ・日本成長株・ファンド」(32311984)の総合スコアは9と高い。ただ、項目ごとに見ると「コスト」の点数は低かった。この項目は投資家が支払う信託報酬と購入時手数料の合計が割高だと点数が低くなる。 同ファンドの購入時手数料上限は3.24%で、同じ投信分類の平均値である1.965%(QUICK資産運用研究所調べ)を上回った。年率の実質信託報酬も1.6524%で、平均値の1.118%より高かった。ファンドマネジャーの裁量で組み入れ銘柄を積極的に入れ替えるアクティブ型で、調査費用などのコストがかかる分だけインデックス型よりも信託報酬が高くなりやすい。 一方、「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」(22314144)はスコアが最も低い1だった。評価項目はどれも低かった。元本を取り崩して分配金を支払ってきたため「分配金健全度」が低く、商品設計が複雑なゆえにリスクやコストが相対的に高かったことなどが評価を押し下げた。 このように投信を運用成績だけでなく、視点を変えた評価項目で比べてみるとそれぞれの特徴をとらえやすくなる。これから長期の資産形成を目指すなら、QUICKファンドスコアを参考にして長期投資に向く投信を慎重に選びたい。 (QUICK資産運用研究所 望月瑞希) QUICKファンドスコアについて詳しくはこちら →  QUICKファンドスコア 個別投信のQUICKファンドスコアの確認はこちら→  日経電子版「投資信託」

投信の勢力図に変化 「国内株式型」が11年ぶり残高トップ10に

投資信託の勢力図が変化している。国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)の純資産総額(残高)ランキングで、「ひふみプラス」(9C311125)が16日に初めてトップ10に入った。QUICK資産運用研究所が月末ベースの残高ランキングを調べたところ、上位10本に毎月分配型以外が3本ランクインしたのは2007年2月末以来ほぼ11年ぶり。主な投資対象が国内株式である投信(国内株式型)がトップ10に入ったのも、2006年10月末の「フィデリティ・日本成長株・ファンド」(32311984)以来11年ぶりの快挙となる。 ランキング上位を見ると、海外の不動産投資信託(REIT)で運用する投信が残高を減らしている。1位の「新光 US-REIT オープン」<愛称:ゼウス>(47311049)、3位の「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) 」(3231203C)は、今年に入ってわずか半月の間にそれぞれ1000億円近く減少した。一方、2位の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」(32315984)は残高の落ち込みが比較的小さく、昨年末から順位を1つ上げた。 11位以下では「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)」(02312158)や「ロボット・テクノロジー関連株ファンド -ロボテック-」(T0431115C)といったテーマ型の投信が徐々に残高を積み増している。世界的な株高といった環境に加え、長期の資産形成という観点から毎月分配型を敬遠する傾向が強まり、投信の勢力図が大きく塗り替わりそうだ。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

投信残高、アセマネOne「ゼウス」が再び首位に 「フィデリティUSリート」陥落

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)で、純資産総額(残高)の首位がおよそ1年ぶりに入れ替わった。20日時点で1位に浮上したのはアセットマネジメントOneの「新光US-REITオープン<愛称:ゼウス>」(47311049)で、残高は1兆73億円。昨年11月下旬から首位を維持していたフィデリティ投信の「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」(3231203C)の残高は1兆49億円に落ち込み、2位に陥落した。 「フィデリティ・USリートB」は今年11月の分配金引き下げが響き、11月の月間で1000億円超の資金が流出。12月に入ってからも流出が続き、残高が急速にしぼんでいる。ただ「ゼウス」からも資金が流出しており、両ファンドとも1兆円割れが近づいている。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

「フィデリティ・日本成長株」、残高4000億円を回復 約10年ぶり

 フィデリティ投信が運用する「フィデリティ・日本成長株・ファンド」(32311984)の純資産総額(残高)が29日時点で4000億円を回復した。2007年12月以来、およそ10年ぶり。米リーマン・ショック後に残高が急減したが、国内株式相場の回復で運用成績が持ち直し、残高を戻している。  同ファンドは国内の成長企業を選定して投資する。1998年4月から運用を開始しており、国内株式に投資する国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)の中では残高が最も多い。10月末時点で1年リターンは31.60%、設定来リターンは142.49%。   <組み入れ上位10銘柄> ①ミスミグループ本社(9962)   5.2% ②マキタ(6586)        3.6% ③キーエンス(6861)       3.4% ④三浦工業(6005)       2.9% ⑤ソフトバンクグループ(9984)   2.6% ⑥リンナイ(5947)                2.4% ⑦関西ペイント(4613)       1.8% ⑧ダイキン工業(6367)   1.8% ⑨リクルートホールディングス(6098)1.7% ⑩オリックス(8591)               1.7% ※月次運用レポートから抜粋。9月29日時点 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

「フィデリティ・USハイ・イールド」が分配金減額 最安値の30円に

フィデリティ投信が運用する毎月分配型の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」(32315984)は、22日の決算で1万口あたりの分配金を前月より20円安い30円に引き下げた。昨年11月にも分配金を70円から50円に減らしており、1年ぶりの減額となる。今回の引き下げで分配金の水準は2005年3月に毎月決算に移行してから最低となった。 同ファンドの純資産総額(残高)は22日時点で9702億円と、国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)の中で3番目に大きい。前回分配金を引き下げた直後は解約が膨らんだが、今年1~9月は月間で資金流入超が続き、残高が1兆円を回復する場面もあった。ただ、基準価額は値下がりし、22日時点は3714円と前年比で4.15%下落した。 フィデリティ投信は22日付のレポートで、分配金を引き下げた理由について「安定した収益分配を継続するとともに、中長期的な基準価額の上昇を目指すため」と発表した。    ※フィデリティ投信の発表資料はこちら↓ 「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」 の分配金について   (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)  

「フィデリティ・USリート・ファンドB」が分配金減額 1年ぶり、最低の35円に

フィデリティ投信が運用する「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」は、15日の決算で分配金を引き下げた。分配金の減額は昨年11月以来1年ぶり。1万口あたりの分配金を前月の70円から35円に減らし、2003年12月の設定後で最低水準とした。 同ファンドの純資産総額(残高)は15日時点で1兆1982億円と、国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)で最も多い。フィデリティ投信は分配金を引き下げた理由について「安定した収益分配を継続するとともに、中長期的な基準価額の上昇を目指すため」としている。 ※フィデリティ投信の発表資料はこちら↓ 「フィデリティ・USリート・ファンド B(為替ヘッジなし)」の分配金について 昨年11月に「フィデリティ・USリート・ファンドB」が分配金を引き下げた後、海外の不動産投資信託(REIT)で運用する大型ファンドが相次いで分配金を減額。それまで高い分配金を売り物に人気を集めていた毎月分配の「海外REIT型」ファンドは大量の資金流出に見舞われた。 1年が経過した現在でも資金流出に歯止めがかかっていない。QUICK資産運用研究所が試算したところ、「海外REIT型」は昨年11月から12カ月連続で解約額が設定額を上回っている。今年9月と10月は月間の資金流出額が1000億円を超えた。 今年1月から10月までの資金動向を見ると、追加型株式投信(ETF、ラップ・SMA専用を除く)のうち流出超過額の上位3本に「海外REIT型」の大型ファンドが並んだ。首位は「新光US-REITオープン<愛称:ゼウス>」で2740億円の流出超、2位は「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」で2302億円の流出超、3位が「フィデリティ・USリート・ファンドB」で1607億円の流出超だった。 投信マネーに変調をもたらした「フィデリティ・USリート・ファンドB」の分配金減額から1年。動揺が収まらない中での再引き下げが今後どんな波紋を広げるかが注目される。 (QUICK資産運用研究所 西田玲子)

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