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騰訊、7~9月期決算に期待高まる アリババ好業績で連想、決算直前チェック

記事公開日 2015/11/19 15:05 最終更新日 2018/1/9 16:35 経済・ビジネス コラム・インタビュー 中国・韓国・アジア アジア特Q便

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、フィリップ証券(香港)のルイス・ウォン(Louis Wong)氏がレポートします。この記事は11月11日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。

中国ネット大手テンセント、アリババ好決算で市場が注目

中国ネットサービス大手の騰訊(テンセント)が10日に第3四半期(7~9月期)業績を発表する。発表を前に足元で同社の株価が堅調だ。節目の160香港ドルに迫り、約3カ月半ぶりの高値にまで上昇した。その背景には、ネット通販最大手のアリババグループ・ホールディングが先に発表した7~9月期業績が多少なりとも関係していると思われる。アリババの売上高は前年同期比32%増の221億人民元(約34億9000万米ドル)と、市場予測を上回った。このため、騰訊の7~9月期業績に対する期待が市場で高まっている。

騰訊の4~6月期業績を振り返ると、全体的に市場予想を上回った。売上高は前年同期比19%増の234億人民元、電子商取引業務を除いた場合は27%の増収だった。このうち、付加価値サービス収入が同17%増の184億元で、オインラインゲームとソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)業務が主に業績をけん引した。ネット広告収入は97%増の40億元だった。モバイル端末向けSNSのアフィリエイト広告や動画広告が主に業績を押し上げた。純利益は25.3%増の73億1400億元だった。

ユーザー状況は、6月末時点で騰訊のSNSである「QQ」の月間アクティブユーザー数(MAU)が前年同期比1.7%増の8億4300万人、スマートフォン(スマホ)向けQQのMAUは同20.4%増の6億2700万人に達した。また、同社のチャットアプリ「微信(WeChat)」のMAUは36.9%増の6億人で、ブログサービスの「QQ空間」のMAUは2.2%増の6億5900万人、スマホ向けQQ空間のMAUは15.4%増の5億7300万人だった。

中国ネット2社の株価上昇率

オンラインゲーム、ネット広告業務に新たな動き…施策の有効性探る

騰訊は前評判が高いパソコンゲーム『モンスターハンター・オンライン(中国語名:怪物猟人Online)』や『ムーンライト・ブレーム(中国語名:天涯明月刀)』を発表する。また、『地下城と勇士』や『FIFAオンライン3(中国語名:足球在線3)』といった人気を集めているパソコンゲームの知的財産権をモバイルゲームにまで拡大する。さらには、世界のスポーツ競技とクロスオーバーさせた拡販を更に進めて、スポーツゲームとの組み合わせを開発する。その一例として、騰訊の動画サイト「V.QQ.COM(中国語名:騰訊視頻)」で米プロバスケットボール協会(NBA)の新シーズンを放送する際にゲーム「NBA2Kオンライン」を投入して、より多くのユーザーを獲得する。一方、ネット広告では、NBAの試合や音楽オーディション番組「ザ・ボイス・オブ・チャイナ(中国語名:中国好声音)シーズン4」などの優良ネット動画コンテンツに引き続き投資していくと同時に、モバイル広告資源の充実やアフィリエイト広告サービスの機能向上に取り組み、こうした新しい施策がオンラインゲームやネット広告業務をけん引する新たな動力となるかどうかを探る。

財務面は、6月末時の騰訊の現金および現金同等物が482億7000万元、定期預金が209億4000万元。借入金が85億6000万元、支払手形が389億9000万元で、現金(純額)が216億6000万元となっている。今年4月、騰訊は全世界で行う中期債(MTN)発行計画の元金総額の限度額を50億米ドルから100億米ドルに引き上げた。7月と9月にそれぞれ1億米ドルの優先債を発行して会社の運営資金に充当した。

業界特化の戦略的提携関係に重きを置く

現時点で騰訊は、モバイル端末を中心とした活発な「生態系」を構築して自社または提携先が持つ商品やサービスを中国の消費者にもたらすということに戦略の重点を置いている。そして、主に以下の方法により戦略を実行する。まずは、銀行カードと携帯電話機向け決済サービス「QQウォレット(中国語名:QQ銭包)」や「WeChatペイメント(中国語名:微信支付)」とが既に連携されているユーザーや提携先の企業による騰訊の決済ソリューションの採用を増やすことで、決済サービスの取引量を拡大する。次に、広告資源の拡充や広告主となる客層の拡大、社内組織の調整により、アフィリエイト広告の業務の流れを改善して同業務を伸ばす。3番目に、コンテンツ開発業者と収入を分配することでモバイル生態系のコンテンツの優良化を促し、ユーザー参加の度合いを高める。4番目に、ネット上の読書や動画鑑賞、音楽視聴といったデジタルコンテンツ定期購入サービスを新しいコンテンツや機能で充実させると同時に、主要コンテンツ提供業者との提携関係を拡充する。そして、最後に、中国トップクラスのクラシファイドサイトを運営する58.com(中国語名:58同城)への投資を増やすなど、業界内の垂直方向での戦略的な提携関係を高める。

留意すべき点として、MSCIが海外に上場する中国関連銘柄を同社の新興国指数に組み入れる動きを始めたという報道がある。現在、MSCIの新興国指数に採用される中国企業株は香港上場のH株(中国企業株)に限られている。このため、MSCIの新興国指数に海外上場の中国関連銘柄が採用されることになった場合、香港上場のH株から一部の資金が流出する可能性がある。こうした場合、最大の受益者は米国で株式を上場しているアリババとなるだろう。アリババ株には16億米ドルの資金が流入する見込みで、騰訊の株価に影響を及ぼすことになるもようだ。


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