東洋エンジから日揮、ローム、楽天まで がん治療関連銘柄「増殖中」 

QUICKコメントチーム=根岸てるみ

金融市場では中央銀行の「予防的な措置」に関心が集まるが、もちろん病気も予防が肝心だ。

甘い飲料はがんの発生率を高くするーー。フランスで7月、こんな論文が発表されて話題になった。砂糖入り飲料だけでなく、果汁飲料も飲み過ぎると、飲まない人に比べて相対的にがんの発症リスクが上昇したという。日本人の三大成人病のうち、がんは脳卒中などと比較して死亡率が相対的にまだ高く、医療技術や新薬の開発などで改善の余地がある。こうした点をビジネスチャンスと捉らえる向きが多いのか、このところ企業の参入が増えており、株式市場でも材料視されやすい。

今週の株式市場では、がん治療向け「抗体医薬」の生産設備の開発を始めると報じられた東洋エンジニアリング(6330)が一時、前週末比10%高と急反発。同様の分野に参入する日揮(1963)も大幅に反発した。

2020年に開始が見込まれる、がん細胞に薬剤で目印をつけて放射線や光を照射して治療する新分野も熱を帯びる。ローム(6963)や住友重機械工業(6302)を筆頭に、日立製作所(6501)、三菱重工業(7011)が治療装置の開発に取り組む。

楽天(4755)も参入。三木谷浩史会長兼社長が会長を務める米国の持ち分法適用会社は、装置に加えて薬の開発も手掛ける。当初は三木谷氏が個人マネーで出資していたが、7月末に楽天が1億ドル(楽天グループの出資比率は22.6%)の追加出資を完了したと発表した。医療ビジネスに商機を感じ取ったからこそ追加の投資を決めたのだろう。年初から8月19日までの値動きを見ると、楽天株は4割近く上昇するなど相対的に好調だ。

またNEC(6701)は、設立した創薬企業が8月上旬、がん向けワクチンの臨床試験を始めると発表。業績も足元で改善している。

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