QUICKコメントチーム=片平正二
写真=Kena Betancur/VIEWpress/Corbis via Getty Images
米国株式市場で「大型テック寡占」の色彩が強まっている。
RBCキャピタル・マーケッツの19日付のリポートによると、2019年4~6月期(2Q)末時点でヘッジファンド(HF)が投資するS&P500採用銘柄で金額ベースで最も多かったのはマイクロソフトの181億ドルだった。上場来の高値圏にあるマイクロソフトなど、RBCが集計したHFの保有が多い20銘柄をバスケット化したところ、年初来で25.78%高となってベンチマークのS&P500指数(16.63%高)を大きく上回った。マイクロソフトやいわゆるFANG銘柄でリターンが出ているなら、主力ハイテク株が大きく崩れないうちは安心感が出そうである。
一方でこれは、多くの市場参加者が特定の銘柄に取引を集中させる、いわゆるクラウディッド・トレード(crowded trade)状態にあることを示唆しているかも知れない。日本経済新聞によると、4~6月期決算でGAFAの純利益は米国企業全体の1割近くを占めた。世界の主要地域の中で米国企業の業績は堅調だが、主力テック銘柄を除くと伸びはほんのわずか。ここでも「強者寡占」の構図が鮮明だ。
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